くにさくロゴ
1947/07/24 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第8号
姉妹サイト
 
1947/07/24 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第8号

#1
第001回国会 議院運営委員会 第8号
  付託事件
○新憲法の活用に関する陳情(第二十
 七號)
○國會法第三十九條第二項による國會
 の議決に關する件(農地調整委員、
 行政調査部顧問)
○参議院事務局職員の定員規程案に関
 する件
○参議院緊急集會に關する議院規則の
 制定に關する件
○議案の取扱いに關する件
  ―――――――――――――
昭和二十二年七月二十四日(木曜日)
   午後一時五十九分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○國會法第三十九條第二項による國會
 の議決に關する件(農地調整委員、
 行政調査部顧問)
○参議院事務局職員の定員規程案に關
 する件
○参議院緊急集會に関する議院規則の
 制定に關する件
○議案の取扱いに關する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木内四郎君) それでは只今より委員會を開きます。
 先ず第一に國會法第三十九條第二項による國會の議決に關する件、議事部長から御説明いたします。
#3
○参事(寺光忠君) 第三十九條第二項による國會の議決に關する件の中、お諮り願いますのが二件ございます。一件は中央農地調整委員でございまして、農地調整法その他の法令によつて、その權限に属させた事項というものを處理するために、中央農地委員會というものが設けられることになつております。それで委員といたしましては、小作農の代表者、それから地主の代表者、農業者の全國團體の代表者、それから全各號に掲げるものを除く外農業に關し學識經驗のある者、合計二十三名でございます。その中に参議院及び参議院議員の方で代表者として推薦せられる方がある筈であるというので、中央農地委員である者は一般の國會議院がなり得るということの議決をしてくれというのでございます。どなたがなられるかということは、それぞれの選擧母體の方で候補者を選んで参りますので、今のところ確定的なものはございませんが、参議院としましては、東浦さんとそれから大西さんとお二人が今委員候補に擧がつてあるということでございます。
#4
○委員長(木内四郎君) 只今の議事部長の説明について御質問ありますか。
#5
○下條康麿君 ちよつと伺いたいのですが、そういうような委員はどういう程度の者を許すとかなんとか、標準はないのですか。例えば試驗委員のごとき、行政部に属しているけれども中立の立場でやるような仕事をやる、併しながら内部に入り込んで行政部の手足に成つて働くようなものはいかんとかいうような、基本的な原則はないのでしようか。
#6
○参事(寺光忠君) 委員會がいたします職權は、農地調整法とかその他の法令で、もう決まつておるのであります。それから選びます母體は、只今申上げましたように。小作農の代表者とか地主の代表者というようにいたしまして、それぞれの母體から選んで來ることになつております。
#7
○下條康麿君 それは分かつているのですけれども、そうでなくて、こういうふうにぼつぼつ出ますね、そういう場合に、こういう程度の委員ならば國會が議決して認める。なんと申しますか、こういう一般的標準はないのでしようか、具體的に見て一々やつて行く外はないのですか。そこを伺いたい。
#8
○参事(寺光忠君) お説の通りに個々にお願いするより仕方がないのじやないかと思つております。
#9
○下條康麿君 その場合なにか豫め大體の概念的なものはないのですか。
#10
○参事(寺光忠君) これはむしろ委員の皆様のお決めになることでありまして、私の方でお答えすることではないと思いますけれども、例えば政府が任命權を完全に持つているというようなものについては、相當御考慮にならなければならんのじやないかと思つております。いろいろ選擧母體等がありましても、そこから選ばれて來るようなものにつきましては、或る程度止むを得ないのじやないか、その人が學識經驗者であり、そのことに對して堪能者であるというようなことで選ばれるならば止むを得ないのじやないかと考えております。
#11
○木下盛雄君 今の提案は、聴いておると結局政府が任命權を持つておるので、たまたま参議院からも任命される人があり得る、まあ現在あるということに對して議院もその委員になり得ることの決議をしよう、して貰いたい。こういうことなんですね。それだつたら結構じやないですか。
#12
○委員長(木内四郎君) 今お話がありましたけれども、政府の方から名指しで任命するではなくて、この委員は或る選擧母體の方から選擧されて來る。その人がたまたま参議院議員であつた場合には、他の母體から選擧されて來るのであるから差支ないのじやなかろうか、こういうような意味で議事部長の方からこの提案をいたしておるわけでございます。
#13
○木下盛雄君 そうすると結局政府が任命權を握つているのでなくて、選擧母體から任命されて來る。或いは選出されて來るとたまたま参議院議員である、故に参議院議員がそれを選任してもよいという決議をすればよい、そういうわけですね。
#14
○参事(寺光忠君) さようでございます。
#15
○木下盛雄君 それだつたら賛成です。
#16
○委員長(木内四郎君) 私はちよつと念のために一言伺つて置きたいのですけれども、それは政府がその中のどれでも、どんな場合でも政府が随意に指名して任命するというようなのはないわけですね。すべてが選擧されて來るのだろうと思いますが、どうですか。
#17
○参事(寺光忠君) すべてではないのでございまして、二十三名の中五名だけ學識經驗者と認めるものが入つておるわけであります。小作農の代表者が八人、地主の代表者が八人、農業者の全國的の團體の代表者が二人、それから學識經驗者というのが五人ございます。この前の新聞用紙割當委員會の委員につきまして御決議になりました中にも、新聞業界の代表者であるというものの外に、學識經驗者というものも入つておりまして、それはお認めになりましたのであります。
#18
○委員長(木内四郎君) 只今私がちよつと木下委員に御説明申上げましたところとは、少し違つておりました。一部は政府の方で指名するというのですが、そういうようなものも、この委員會として認めていいかどうかという問題は、只今議事部長からこの前の新聞紙委員會についての例を申しましたけれども、今後の大きな例になりますから、十分これは御討議になつてお決め願いたいと思います。
#19
○木下盛雄君 僕はそういう委員に對して、政府が指名權を持つているというもの、選出權を持つているというものに對しては、尊重すべきであつて、先ず政府の意思に任せることが正しいのじやないかというふうに私は考えます。むしろその場合に議院の方からこういう人を出してくれというような行き方が、假にまあ裏から…裏からというか要求をして行くことがいいかという問題に對しては、一應責任を持つて現在の政治をやつて行くという、政府にはそのくらいの權限が與えられなければならんだろうし、又同時にその責任において指名して行くべきものだから、そういうものに對しては尊重すべきだと私は思うのです。そういう意味において私は母體から選出されて來る人は無論のこと、政府が指名する場合においても、それを政府は責任を持つて指名して來るのだから、これは尊重すべきだと私はこう考えます。
#20
○下條康麿君 今の各團體等から指名されて來るのは、政府のおしやつているのには加わつていないようであります。この場合は弊害がないのでございますが、政府が獨自の見解で任命する場合については、餘程今の任命權の所在ということと共に、仕事の内容というものを考えて戴きたい。若し仕事の内容が政府に直結しておつて、先程申しましたように、手足にでもなるような仕事はいかんのじやないか、例えばこの前決まつた紙の配給の委員會のごときは、政府と離れたといいますが、獨自の決定權がある委員會だつたと思いますが、それから今の農地委員會も多少そういうものじやないかと思います。政府とは離れて獨自の決定權のある機關じやないかと思います。そういうものの委員じやないかと思います。例えば次に擧げてある顧問などに關係のあるものはどうかと思うのです。政府の職員の中に入り込むようなものはどうか、そこが問題じやないかと思います。
#21
○委員長(木内四郎君) この國會法第三十九條の「議員は、その任期中内閣行政各部における各種の委員、顧問、嘱託、その他これに準ずる職務に就くことができない。」という規定をはつきり設けた趣旨は、三權分立の思想から來ているのでありますので、この適用については相當慎重を期さなければならんじやないかと思うのですが、…
#22
○下條康麿君 實はこれは國會法のときに大分問題になつて、今お話になりましたように、三權分立の趣旨を徹底させるために一應これで決まつたわけでありますが、趣旨はやはり明らかになつておるのでありますが、政府の機関ではあるが、これらの政府の一般行政機構と直結しないような、やや分離した試験委員であるとかいうものは弊害はないと思いますが、そういう性質のものはいいのであつて、餘り政府の部内に入り込んで、行政機構の中に包まれているような委員はどうかと思うのです。囑託とか顧問とかいうものは、相當問題だと思つております。
#23
○委員長(木内四郎君) 他に御意見ございませんか。
#24
○佐藤尚武君 今の下條委員の御意見が私は非常に公正であろうと思います。つまりその職がいかなる性質を持つておるかということによつて、これは決定すべきじやなかろうかと思います。従つて個々の場合に運營委員會あたりでもつて、常識判斷で決めて行くより外なかろうかと思います。一概に概括的に政府が指名して差支ない、政府は責任を持つて指名するであろうからして、そういう場合に、政府に對して概括的にそういう權限を與えてよいじやないかというような先程木下委員の御話でありましたが、それも結構なお考とは思いますが、若し政府が指名する指名先が行政機構の一部をなすというようなことが假にあつたとすれば、参議院としてそれに承諾を與えるということに躊躇しなければならん問題だろうと思います。やはり個々の場合に臨んで適否を決める外なかろうかと思います。従つて下條委員の意見に私は賛成します。
#25
○木下盛雄君 今の兩委員の御説は至極尤もだと思います。要するに私の考え方が足りない分野があつただろうと思います。私も改めて兩委員の御説に賛成です。
#26
○委員長(木内四郎君) それではいかがでありましよう、農地調整委員の場合においては、政府の任命によりまして農地委員に参議院議員が就くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。それではその次に行政調査部顧問に就いて…
#28
○参事(寺光忠君) 行政調査部の顧問といたしましては、兩院関係におきまして、今日衆議院で松岡議長、それから参議院におきましては川上嘉市さんお二人が顧問になられておられます。この顧問は行政調査部の創設當時に顧問になられたものでありまして、現に引續いてなつておられます。新たに任命せられるものではないのであります。行政調査部の仕事につきましては、若干の疑問もありましたので、内閣に十分説明を求めたのでありますが、要するに内閣總理大臣の管理にし、行政機構及び公務員制度竝びに行政運営の改革に關する調査研究及び立案に關する事務を司る、こういうのでありまして、その仕事の主體は、内閣の言い分によりますと、調査研究にあるのであつて、行政の實務にタッチするものではない。それから總裁は今齋藤國務大臣が任ぜられており、主幹に法制局長官があり、部員若干がありまして、その上に顧問というものが、重要な部務に参畫させるためにあるのでありまして、只今申上げましたように、政府側の希望は行政實務にタッチするものではないから認めて戴きたいと、こういう希望を持つております。それだけであります。それから念のため申上げて置きますが、餘分かも知れませんけれども、これは先般衆議院では議決いたしておるのであります。
#29
○下條康麿君 今の行政顧問は立案には参畫していないのですか。
#30
○参事(寺光忠君) 参畫するのであります。これは内閣側の言い分だけを申上げておるのであります。
#31
○委員長(木内四郎君) ちよつと速記を止めて…
   〔速記中止〕
#32
○委員長(木内四郎君) それでは速記を始めて…下條委員。
#33
○下條康麿君 今の行政調査部の顧問は政府の調査研究に参畫するばかりでなく、立案にも参畫するものだと、政府の機構の一部を構成するように思われるので、かような職には國會議員は就かない方がいいというように考えるのであります。議會としては承認を與えない方がいいというように考えるのであります。
   〔「賛成」と呼ぶものあり〕
#34
○委員長(木内四郎君) それではこの行政調査部の顧問に國會議員が就任することは同意しかねるということに決定いたします。
#35
○参事(寺光忠君) この議員運營委員會では御否決になりましたが、明日の本會議ではやはり議員全部に諮りますから、各派においてそれを徹底するようにして戴きませんといかがと思います。その點念のために申上げて置きます。
#36
○木下盛雄君 否決することが一番妥當な方法だというように委員會が考えた限りは、各委員は自分の會派に歸られて、そうしてその趣旨の徹底するように努力する、こういうことを決めて置きたいと思います。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#37
○藤井新一君 そうして若しか了解を求める場合、これを本會議に上程する場合には一日二日の餘裕を與えて欲しい。この前の法規委員を出す時に全く我々は困つた、會派に歸つて説明する時間がない、九時に來たつて説明ができない。どうしても午後でなければ…
#38
○委員長(木内四郎君) 速記止めて…
   〔速記中止〕
#39
○委員長(木内四郎君) 速記を始めて下さい。
#40
○藤井新一君 今後こういう問題がある場合に、本會議の時間の餘りないときには、一日か兩日の餘裕をおいて本會議に掛けて貰いたいということを決議して貰いたい。例えば今囘やつた翌日の十時に本會議に掛ける場合には、所属の委員が本會議の席上で立つたりなんかして、非情に見にくい姿を現わすから、一つ今後餘裕をおいて貰いたいということを記録に残して貰いたい。
#41
○兼岩傳一君 今の藤井さんの御提案は大賛成でありますが、もう一つ附け加えて申上げたいのですが、先程から問題になつてるのでありますが、國民が國會に明朗なものを感じないということは、今まで言われたすべてのものが議場で公然と論議されないということなのです。例えば各派交渉會の了解を求めるということは、事務當局の窮屈な考えによつて何か避けなければならんというような、これはもう國會開會以來一貫した間違つた事務當局の態度だと思いますが、すべて我々は明朗に、法律の違反でない限り、それが國民性には有害な影響を與えないものである限り、努めて本會議にすべてを明らかにする根本精神を僕は是認してもらいたいと思います。何のためにそれが叫ばれるか、蔭で非常にいい意味において苦心されておるにも拘わらず、それがなんにも現われない。傍聴にて來ておる國民、或いは新聞を通して多く國民に傳わつて行くでしようが、そういう人を見ておると、實に開會、賛成、反對というふうに、ざつと決めて行くということは、國民は何と見るかということを、十分一つお考えになつて運用願いたいと思います。その意味においてこれが付議されますときには、先程の藤井委員から言われた第一段として我々立ち歸つて各派の内部をよく説得することは勿論でありますが、やはり議場におきましても、議長から適切な方法で我々が審議し、我々の考えておることを議員を通じまして、そういうものについて十分考えて賛否が問われ、その結果が傍聴に來ておる國民、新聞を通して國民が納得して行くように計らつて行くということに努めて貰いたい。法律上そういうことが適當でないという趣旨があれば、一つ事務當局の御答辯を願います。
#42
○参事(寺光忠君) 御答辯する筋でもございませんのですけれども、本會議におきまして、只今例えばこういう國會第三十九條の議決のような問題になるのでございましたら、明らかに討論にお立ちになれば討論に立ち得られるのでございます。これについては賛成である、反對であるという議論をなさろうと思えば議場でできると思います。そうすれば傍聴人などもはつきりすると思います。議員運營委員會で御議論になつたことを、あの席上で委員長報告をなされるような形でやられるのは、果して適當であるかどうかということについてはいかがかと思つたのであります。
#43
○兼岩傳一君 今議事部長は、この問題を討議し、それから議決するのに不適當で、初めから可否を問うべきものであるとあなた説明したのではありませんか、僕の聴き間違いでしようか。
#44
○参事(寺光忠君) そういうことを申上げたつもりはございません。
#45
○兼岩傳一君 そうですか、私はこの三十九條の二項の問題は、國會の権威に拘わる重大問題と思います。國會は行政府の附属物であつた、然るに新憲法によつて國會こそ國民の主權を表現したところの最高の權威あるものになつたということ、そういう根本に立つてこのことが考えられなくちやならん重要な問題だと思います。例えば委員長その他委員の方が言つておられる通り重要な問題だと思います。こういう點を、單にざつと賛否を聞いて、賛否を採るというような態度は輕卒だと思います。こういう點は十分論議されて、そうして原則が、この三十九條の二項が具體的に一つ一つ生かされて行く、而もその中心が國會の權威に重大な關係があるということを、私は小さい問題でなくて大きな問題だと考えますので、そういうふうに本會議における議事の取扱について御考慮を煩わします。
#46
○木下盛雄君 私はこういうことをお伺いしたいが、結局今議長から我々の方の委員會に諮問されておるから、委員長が中心になつて諮問を受けておる。我々の結論は委員長が諮問された立場においてすべて議場において説明することは、違法になるかどうかということをちよつと聞きたいですがね。若し違法でないならば議長が諮られる。それから委員長がそこで諮問を受けたという立場から、我々の代表者となつてその賛否の説明を行なつたということになれば、今の御説のように、大體委員會において我々が愼重に審議しておる、その様子も分り、討論に入らなくても徹底することになるし、又同時に議員も納得でき得ると思います。そういうことは違法かどうか、ちよつと調べて貰いたい。諮問された場合ですよ。
#47
○参事(寺光忠君) 實はそういうことも考えても居りませんので…。
#48
○木下盛雄君 考えていなくつたつて、そういう事態が生れて來たから…。
#49
○参事(寺光忠君) 御答辯を即座にいたしますことはどうかと思いますが、参議院規則の規定の建前では、議案というものがありまして、議案については委員長報告というものが正式に出る、委員長報告が議場でなされるという建前をとつておるのです。
#50
○木下盛雄君 それは分つているんだよ。
#51
○参事(寺光忠君) 今議院運營委員會にも、議案が付せられることもあるんですね。そういう時は委員長が委員長報告をなさることになりますけれども、議長の權限に属するものを議長が諮問をし、若しくは委員會に報告することを要しない、或いは議長が本會議に掛ける前に運營委員會にお諮りする、こういう問題につきまして委員長報告があろうとも考えられないのですが、いかがかと思うのでございますが…。
#52
○委員長(木内四郎君) 外に御意見ありますか。
#53
○塚本重藏君 今議事部長からいろいろお話になつたが、このこと自體は議長の諮問になつた事項である、こういうことが問題になつているのです。ここに明らかに「國會の議決に基づく場合は、この限りでない。」こういう國會法に基づいて國會の議決に基づく場合に問われているので、議長の諮問せられた事項じやなくて、國會が議決すべきことを今議しておるのじやないか、その點はどうですか。
#54
○参事(寺光忠君) 今ちよつと申上げましたように、これには二つございます。議長の權限に属することをこの委員會にお諮りすることと、議長の權限ということではございませんが、議案でないので委員會に付託せずして直ちに本會議に掛けますけれども、本會議に咄嗟に掛けたのではいかがかと思いますから、議長からお諮りする。で、あとの場合に属するのが今の場合です。この問題はこれを委員會に掛けるような議案ではないのでございます。従いまして議長は直ぐに本會議に掛けていいのでございますけれども、本會議に掛ける前に、念のために議院運營委員會の御意向を承る、そういうふうな意味のことでございまして、諮問という言葉のこの問題についてはちよつと當りにくいのであります。
#55
○木下盛雄君 その趣旨はよく分りますが、その場合において、何も委員長報告と言わなくても、諮問を受けた立場から返答する。こういうふうに結論を出して申上げたということを、これは言う者は、私は議事進行で議長に發言を求めて立つ場合においてできると思うのですが、どうですか、できませんか。
#56
○参事(寺光忠君) できるのでございます。
#57
○木下盛雄君 そういうふうにしたらいいじやないですか。
#58
○参事(寺光忠君) 先程も申上げましたように、委員長報告というような形ではございませんので…。
#59
○木下盛雄君 諮問を受けたという立場においてやれば…。
#60
○参事(寺光忠君) 一議員としてお立ちになつてお話になる分にはいくらでもできます。
#61
○木下盛雄君 できるでしよう。そうすれば各委員の目的も達成できるし、議院各位にも完全に徹底すると思うのだが、そういう方法を取つたらどうでしよう。
#62
○委員長(木内四郎君) そこは今皆さんから御意見がありましたけれども、藤井委員、兼岩委員から提出された問題は二つあると思うのですが、一つの問題はこの問題の案件の扱い方です。これにつきましては今木下委員からもいろいろ御意見もありましたけれども、いかがでしようか。これは細かなことに觸れないで、大體のことが分るように議長から話をして戴いて、そうして本會議の議案を採るということにして戴く、若し問題の性質上必要があれば、委員長たる私なり、或はその他の委員なりが、今議事部長が言われましたように、一議員の資格において發言して、議長の申されたことを補足するなりするということにいたしたらいかがかと思いますが、その點はどうでしようか。そういうふうなことで議長から簡單な、運營委員會に諮問したが、こうだつたというようなことを、簡單に一言言つて戴いて、それで大體運營委員會の空氣が分るような、議場に反映するようなふうにして戴いて、議場の決を取つて戴く。
#63
○駒井藤平君 併し一方この問題は衆議院においてできておるのです。それを覆えすのですから、やはり表面化して相當なる議論をして、そうして決を採られる方がよいのじやないか。これは一方が決議しておらんのなら別に問題はないのですが、決議しておられるのですから、兼岩委員の言われるように、やはりこれは公開して協議すべきものだと私は考えます。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#64
○兼岩傳一君 今私の言おうと思つたところを言われましたが、これは既に衆議院で決まつておるということですね。而も今度衆議院で否決すると、それは否決になるということです。從つて負うべき責任は参議院の側にあるということと、先程私の言つた簡單に見えて非常に重要なる國會の權威を重んじておるということを、私は前半だけ申上げました。もう一つ言いましたのは、こちらに責任が發生する問題ですから、簡單に簡單にという先程からの氣持が事務當局にあるようだが、非常に間違つた考で、私は情理を盡して責任を持つてこちらの方はなぜ反對したかということを明らかになるようにお運び願つた方がいいと思います。
   〔「賛成」「同感」と呼ぶ者あり〕
#65
○木下盛雄君 かるが故に私は結局違法でないならば、私はこの際委員長は指名を受けた一議員として立たれて、そうしてその理由を完全に説明して、然る後に採決するという行き方によつて問題は鮮解すると思います。そういうふうにお進めになつたらどうかと思います。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員長(木内四郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#67
○委員長(木内四郎君) 速記を始めて。
#68
○藤井新一君 若しこれが我々否決して、衆議院の方でもう一遍だめだということになればどうなるのですか。
#69
○委員長(木内四郎君) 兩院の議が一致しないのでしたら問題にならん。
#70
○藤井新一君 兩院協議會まで行くのですか。
#71
○委員長(木内四郎君) 行かないと思います。
#72
○藤井新一君 とにかくその説明は委員長自ら立つて、代表の説明をして戴きたい。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#73
○駒井藤平君 これは現に私申上げたように、衆議院で既に論議しておるもので重大化しておる。親切に明確に委員長からこの案を通るように御説明願いたい。そう思います。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#74
○委員長(木内四郎君) それでは皆さんの御意見によりまして、本會議に私から發言を求めて議場で説明することにいたします。
#75
○参事(寺光忠君) 只今の國會の議決にして、一つ念のためにお諮り願いたいのでございますが、それは今朝ほど内閣の方から電話がございまして、國會議院である國務大臣が、行政各部の顧問になることは當然議院の議決を要しないことでございましようねという問合せがございましたのですが、念のため…國務大臣である國會議員、それが行政のいろいろな委員會の委員になることは當然いいことだろうということでありました。これは一一國會の議決を經る必要はないと思います。
#76
○委員長(木内四郎君) 只今議事部長から説明いたしましたことにつきまして、何か御意見ありませんか。
#77
○木下盛雄君 私はそれでいいと思います。何となれば一體行政府であるから、それの一員になつておる國會議員であり、又同時に國務大臣なのだから、それは最初から認めておる問題だと思うので、今更論議の餘地はないと思います。
   〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(木内四郎君) それではその點については皆さん御異議ないものと認めます。次には参議院事務局職員の定員規程案に關する件、部長からの御説明を願います。
#79
○事務次長(近藤英明君) 御説明申上げます。これは事務局の定員に關する議決でございますが、議院事務局法の第一條の第二項によりまして、「各事務局の職員の定員は、その院の議決によつてこれを定める。」となつております。それで議院事務局の職員の定員というものは、本年度の豫算におきまして既に只今お配りしましたような人員に豫算上なつておるのです。その豫算人員を定員として議決をして戴きたいというのでございます。そういたしまして、若し今後變更を要する場合には、豫算の面と、それから定員の議決と、この兩方が一致して變つて行けば、それによつて變更ができる、かように考えておる次第でございます。それでこの人員はすべて今年度豫算の人員に基づくものであります。
#80
○委員長(木内四郎君) 只今の御説明について御質問なり御意見がありますか。
#81
○下條康麿君 それは衆議院との釣合はどういうことですか、衆議院はどういうようになつておるのですか、衆議院の定員との釣合は…
#82
○事務次長(近藤英明君) 定員の關係におきましては、全體においては衆議院の方は少し多くなつておりますが、参事、副参事の關係におきましては、衆議院の方は参事の数は少くなつて副参事の方がずつと多くなつております。これは衆議院は副参事の課長を相當作ろうというので定員上そういうふうにいたしております。豫算上の金額につきましては、副参事を課長とする場合には、やはり参事の課長と同額の豫算を取つておりますので、それで豫算にはそう變りはございません。
#83
○下條康麿君 豫算は總額變らないのですか、衆議院と参議院では…
#84
○事務次長(近藤英明君) 申上げます。これは個人と申しますか、豫算婦單價は皆様同額でございます。そうして定員数は衆議院の方が多いのでございます。これは衆議院の豫算の全般におきまして、これは國會職員だけでございますが、國會職員の資格を持ちません囑託雇員價員というものは議院の議決を要しませんので、これに載つておりませんが、それを全部入れました数によりますと、豫算定員で衆議院が全部の数を入れまして約一千名ということになつております。参議院はそれを雇傭員まで入れまして七百名と、こういう見當になつております、これは本年度の豫算を編成いたします際に、参議院の議院数、衆議院の議院数、衆議院の事務の繁閑、参議院の事務の繁閑というような點を考慮されまして、いろいろ經過もございましたが、大蔵省當局の當時の考え方としては、衆議院の半分位で参議院は適當でないかということでございましたが、半分にいたしますということは、議員数の割合からいつてさようにするということは、極めて事務の性質上不適當だ。或る面においては衆議院と全然同数の人員が必要であるし、議員数の少いことによつて事務の簡素になるという面もあろう、その點を差引計算いたしまして、千に對する七百という面で押えるのがよかろう。但し調査部の仕事とか、或いは議事の運營とか委員會とかいうようなもの、こういうようなものは衆議院に比べまして幹部組織というものは非常に小さくなつちやいかんというので、國會職員として現われております参事、副参事というようなものの数には、餘り大きな差を付けないようにということで、この方は餘り差がないようになつております。むしろ参事の数は衆議院よりも数が多くなつておる。副参事の方は向うの方が多くなつておる。かようなことに相成つております。
#85
○木下盛雄君 要するに事務總長が見えないので、事務總長に質問することなんですが、大體この数によつて、この人間によつてこの豫算によつて、一體参議院においては十分に事務局としてはあらゆる事態に對處し得るだけの自信があるかどうかということが問題だと思うのです。それができるならば、特によく注意を喚起して置きたいことは、衆議院の場合と参議院の場合は違つて、成るほど人数は少いけれども、専門的な調査等においても参議院は衆議院以上にやらなくちやならん場合が多いわけなんで、そこに参議院の私は特異性もあるし、使命もある。そういう關係で、むしろ議員が少くても或る場合においては、参議院の方は餘分の人間を使わなくちやならん場合があり得ると思う。そういう使命を参議院が果す上においても、十分考慮してこの人間を決めてあるかどうかということに對して、事務局に自信があるならば、これで賛成します。
#86
○事務次長(近藤英明君) 本年度の豫算を編成いたしましたときの氣持を御参考に申上げますと、只今仰せになりました通り、衆議院と参議院とにおいて、議員数の差によつて當然考えられます面は、例えばよごれ方が少いから小使の数が少くて濟むとか、或いは出入りが少いから守衛の数が何名か少くて濟む。或いは速記の分量において、發言者の数の問題、委員會の数の問題という面で影響を受けて少いという面が出て來ますが、調査の面におきましては衆議院よりは全然減らないという建前において、豫算を編成いたしました。
 それから現在の構成の實情を見ましても、現に衆議院の調査部におきましてはまだ殆ど組織ができていないと申してよろしいかと存じますが、参議院におきましては現在極めて不十分でございますが、衆議院よりも既に数歩進んだ程度まで調査部等の機構は充實しつつあるわけでございます。そうして尚これで十分にできるかというお話でございますが、これはこの豫算を作りましたのは昨年中でございましたので、今年の参議院のかくあるだろう、或いは國會法はかくあるだろうという見通しの下にすべて作つておりますので、これを作りまして後、各面におきまして種々、これはいけない、あれはこうしなければならんだろうという面は、いろいろ考えられておりますのですが、併しこれは現在できております本年度の豫算一杯にだけは置けるように、その豫算定員一杯にだけこの定員の議決をお願いする、こういう趣旨でございまして、若し今後必要がございますれば、議決を何囘でもやつて戴きまして、定員の増加、或いは要らない面は減じて戴く、必要な面は増加して戴く、かようにお願いしたらどうかと思います。
#87
○兼岩傳一君 参事、副参事、主事というのは、一級、二級、三級ですか。
#88
○事務次長(近藤英明君) お答え申上げます。参事の中には、實は國會職員は一級、二級という官の名稱はございません。但し任用資格におきまして、國會職員法の任用資格によりますと、参事の中、事務次長、部長、これは一級官たるの任用資格を有する者ということに扱つております。参事の中課長級に任用いたします者につきましては、二級官に任用する資格ある者はできる。それから副参事は二級官に任用する資格ある者、参事の中課長級以下の者、課長である参事、部附きの参事である者、それから副参事で課長である者、或いは課長でない副参事、こういうものはすべて二級官の任用資格で任用できる。
#89
○兼岩傳一君 主事は……
#90
○事務次長(近藤英明君) 主事は、三級官の任用資格ある者は主事になれる。大體そういうようになつております。
#91
○下條康麿君 この案に直接關係がないかも知れませんけれども、やはりこの職員の、要するに議員の事務執行を便宜する機關と思いますが、議員會館というものができる筈ですが、どんな計畫になつておるのでしようか。
#92
○事務次長(近藤英明君) 本年度の豫算におきましては、營繕費の方におきまして、二千二百餘萬圓と今ちよつと覺えておりますが、これで議員會館、議員宿舎、議長官舎の木造のものが一應豫算に載せてある。それから事務局廳舎、この不足を全部建てますので、二千二百萬圓という豫算でこれを編成する。當時は一應資材の裏付けまで安本でして貰つて、この計畫を立てたのであります。ところがその後の物價の變動、資材の値上り、勞力の値上がりからいたしますと、この運營委員會の懇談會で先般營繕關係の者から御説明申上げたと思いますが、金額は非常に違つて來ておりますので、恐らくその二千二百萬圓という金を使いまして、最も急ぐ議員宿主を建てるのがやつとこであろうという状況でございます。それでいずれこれは今議會にでも追加豫算の問題を準備いたしまして、そうして運營委員會で御審議願いまして、そうして追加豫算でも御要求して戴くというふうにしなければせならんのではないか、かように考えております。設計等につきましては目下いろいろ準備を進めております。
#93
○下條康麿君 いつ頃使える見當でやつておりますか。
#94
○事務次長(近藤英明君) 先般ここで営繕關係の方から説明申上げましたときには、極めて順調に行つた場合に、工事の著手が八月とか申しておつたと思いますが、ちよつと私はつきりと申上げる自信がございません。
#95
○下條康麿君 いつ頃から使えるのですか。
#96
○事務次長(近藤英明君) それでどうも八月に著工いたしまして、何ヶ月でできますか、この點この間ここで営繕關係の説明では著工いたしまして、さように長期間掛からずに、資材の裏付がございますから数ヶ月間で完成するように申しておりましたが、私素人といたしまして、何ヶ月で完成するということをちよつとお答えいたしかねる次第でございます。
#97
○松本治一郎君 豫定地はどこですか。
#98
○事務次長(近藤英明君) 豫定地につきましても、先般ほぼ圖をここへ出されたときに、営繕關係の説明が多少不十分な點があると思いますので申上げますが、この周邊の燒跡でございますが、これが一應衆議院と参議院の新當計畫の豫定地になつております。ここら見える舊陸軍省跡でございますかが、あれが本建築の國會図書館の豫定地に相成つておりますが、その本建築の國會図書館の豫定地が同時に参議院の議員會館の假建築の豫定地になつております。議員宿舎の假建築の豫定地は、この裏の運輸大臣の官舎跡と思います。それから事務局廳舎の假廳舎が、この直ぐ裏の燒跡の元の翼贊會、それから特別消防隊のありました跡の空地が考えられております。あれが將來本建築の場合に兩院の議員會館の本建築があそこに予定されております。かように記憶しております。
#99
○下條康麿君 それは戰災復興院で…
#100
○事務次長(近藤英明君) さようでございます。
#101
○下條康麿君 それからもう一つ關聯して各常任委員に前からお願いしたのですが、自動車をほしいというお話がありましたが、あれはまだなんとかできませんか。
#102
○委員長(木内四郎君) 如何でしようかこの問題は…
#103
○下條康麿君 これに關係あるのです。議事を滑らかにするために必要なんです。御答辯願います。
#104
○事務次長(近藤英明君) 自動車の問題につきましては、現在までの經過をちよつとご報告いたします。各省へ自動車を廻してくれという交渉は兩院合せまして十臺と思いますが、十臺廻してくれることになりまして、片院五臺づつ、それで今日現にそこに二、三臺ばかり來ておりますが、今朝ちよつと見ましたが、何れも餘りぱつとしない老朽車でございまして、相當もう壽命年限の來たものでないかと思いますが、パッカードの相當古い大型の、油を食つて仕様がなさそうなのが來ております。もう一つはシボレーの手ごろなものと思いますが、これはちよつと聞きましたところでは、燃料の手續のしていないものがこちらへ廻されておるようですが、この手續が相當面倒だと思います。ガソリン登録のしていないものを、どこかの省から廻して來た、これは無登録の車でございます。それからその外にまだあと二、三臺來る豫定になつておりますが、今まで來たところではいずれも相當に修繕を加えなければならん、或いは手續上相當な手数を要するような車が廻つて來ております。最初からこれはさように豫定されておりますが、先般來ジープをという聲がございました。乗用のジープは日本へは拂下げないということでございましたが、最近になりましてから、乗用ジープを拂下げるかも知れないというようなお話を聞きましたので、これは直ちに商工省の輸入局長の方へ交渉いたしまして、若しさようなことがあるならば、第一に國會の方へ御希望があるから廻して貰いたい、かように申しましたところ、十敷臺はお廻しできるかと思います。こういうことでございまして、現に三、四臺は今日中に著くことになつております。今朝來ておる一、二臺は可なり大型のジープでありまして、これは戰爭中コマンダー・クラスが使つたおつたものだそうであります。これは修繕する必要はないかも知れませんが、燃料は極めてびつくりするほど食う車でありますから、極めて不経済ですが、車としてはしつかりして良い車であります。燃料の特配の問題につきましても現在商工省へ著々話は進めております。尚それからジープの外に大型の進駐軍トラック、これは是非数臺貰つて置きたいと思いましたのでこれを貰つて、東京都でトラックに改造してやつておりますが、これは非常にいいし、金額も安く買えるので、現在都のバスを借りておるが、それを止めて、この新しく拂下げを受けたトラックを改造したバスをこちらへ直接持つて來てバスとして運轉したい。これは現實に物は参つておりませんが、これもできるように考えております。それからさような車は燃料を非常に食うという不経済と、各省から貰つた車は老朽車で、どうも餘りぱつといたさないと考えられるので、できますれば今後追加豫算におきまして、手ごろな車を買える程度の追加豫算という問題は、いずれこの運營委員會で御考慮を願うようにいたしたい。かように考えておる次第でございます。
#105
○木下盛雄君 議事を進行願います。
#106
○委員長(木内四郎君) 本案御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(木内四郎君) それではさように決定いたします。それから次は参議院緊急集會に關する規則の制定に關する件でありますが、本件につきましては、事務當局において一つの試案を作つて貰つておるのですが、若し皆さん御異議がなければ事務當局から一應その説明を聞きまして、そうして今後の取扱い方について御相談願いたいと思いますが、いかがでしよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(木内四郎君) それでは議事部長から…
#109
○参事(寺光忠君) 参議院の緊急集會については豫測はできませんけれども、とにかく早くお作り願つて置いた方がよかろうと思いまして、一應の試案というものが参事會議でできたのであります。参議院緊急集會につきましては、御承知のように憲法五十四條二項と三項の規定がございまして、それからその他には國會法の四條三十四條、百十四條と三ヶ條でございます。この憲法の一ヶ條と國會法の三ヶ條とによつて緊急集會を運營して行くことは殆んど不可能なんであります。それで参議院規則を制定せられる際に、参議院規則の中に、参議院緊急集會に關する規則を併せて規定せられることも一つの方法であつたろうと思うのでございますが、半面には、又参議院規則は、この國會法、それから憲法を受けておる院内規則として成り立つのでございますが、参議院緊急集會につきましては、法律の規定が非常に少いものでございますから、参議院規則として一般に掲げられるものとは若干性格の違つた法律的な規定というものを加える必要があるのでございます。それでお手許にお配りしてございます。緊急集會規則の試案におきましては、原則といたしまして参議院規則を準用いたしますけれども、準用規定である第五條の外の一條、二條、三條、四條につきましては、これは國會法が規定しておるような規定がございます。それで國會法に若しこの四ヶ條のような規定がございましたら、これは全然緊急集會規則というものを特に作る必要がなかつたのではないかと思われるのでございます。國會法にこの四ヶ條に關する規定がございませんために、なまじつか三ヶ條の規定が國會法にあるということから、法律を規定することも又辻褄が合わないことになりますので、止むを得ずこの緊急集會規則という形で、この四ヶ條の形を非常にゆるめて、立法のし方において表現して見たのでございます。第一條は集會に關する規定でございますが、緊急集會については召集の觀念がないのでございまして、むしろ集會というべき觀念だろうと思います。それでこれは國會法の四條におきまして、「参議院の緊急集會を求めるには、内閣總理大臣から、集會の期日を定めて、参議院議長にこれを請求しなければならない。」こういうふうになつております。それを受けた規定でございまして、「内閣總理大臣より期日を定めて緊急集會を求められたときは、議長はこれを議員に通知する。議員は、前項の指定された期日の午前十時に参議院に集會しなければならない。」こういうふうにいたしまして、集會の時刻等を参議院規則の規定と合わしたのでございます。召集でございましたら官報に召集の詔書が公布せられるのでございますが、そういう形は、召集という形においては取りにくいので、そうかと申しまして、總理大臣が集會の政令のようなものを出すということも穩當でございませんので、とにかく議長に通知する、それから議長から各議員に通知するという形にする方がよかろうと、こう考えられるのであります。第二條は憲法の五十四條第二項を受けた規定でございます。憲法の五十四條二項によりますと、「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉會となる。但し、内閣は、國に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集會を求めることができる。前項但書の緊急集會において採られた措置は、臨時のものであつて、次の國會開會の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失う。」過去の緊急勅令、緊急處分に當る措置であるのでございまして、憲法にも明らかなように、「内閣は、國に緊急の必要があるときは」というので、この發動權は内閣にあるわけであります。内閣がそういう緊急性を認めて要求するのでありまして、一般の臨時議會のように、國會議員、参議院議員の側で召集を要求することはできないような建前になつております。而もその緊急集會にあいて採られました措置は全く臨時的なものでありまして、衆議院で否決されて不承諾に終りますと、その効力を失うことになるという性質のものでございます。それで第二條におきまして、緊急集會で議員は法律案を發議することはできないという建前を取つたのでございます。これは先程來御説明しました憲法五十四條二項、三項から來る當然の結論であろうかと思われるのでございます。議員が内閣側から出た法律案に對して修正を加えるということは、これは當然できますけれども、兩院の議決を要する法律案を、緊急集會において参議院だけで、参議院議員の發議によつて可決するというようなことは、憲法の豫定していないところである、こういうふうに考えられるのであります。第三條は「内閣より提出された議案が、すべて議決されたとき、議長は、緊急集會の終つたことを宣告する。」これは緊急集會には會期とい觀念がない、緊急集會に提出せられた議案が可決され、若しくは否決されたときはその會期は終る、こういうふうに規定いたしたのであります。
 第四條は國會法の六十五條に類する規定でございます。國會法の六十五條によりますと、兩院の議を經た議案の奏上は、衆議院議長からすべてこれを行うという規定を置いております。この際は衆議院が解散しておりますので、第四條に、「緊急集會において可決された議案は、議長がその公布を要するものは、これを内閣にして奏上し、その他のものは、これを内閣に送付する。」こういう建前を取りました。
 第五條は参議院規則準用規定でございまして、準用をいたしておらないものを申上げますと、第二章、第三章、第四章でございます。
 第二章は内閣總理大臣の指名でございまして、これは當然かような事態は起きないのであります。
 第三章は開會式でありまして、開會式は開かれないのでございます。
 第四章は會期の決定、會期の延長及び國會の休會でございまして、これも當然さような問題は起きないのでございます。
 第五章は参議院規則の表題といたしましては、議案の發議及び撤囘となつておりますので、これは當然削除するべき性質のものであるかも分りませんが、衆議院規則の第五章の中には、委員會の審査省略に關する規定、それから政府からの提出議案に對する規定も併せて規定してございますので、全部削除することはできませんので、一應そのままにいたしまして、發議ができないということは、遡つて第二條に規定がございますので、それではつきりする、こういうふうに考えたわけであります。
 次は第十二章でございます。第十二章は衆議院との關係を規定したもので、これは當然無用なのでございます。
 その次は第十五章でございます。第十五章は資格爭訟でございますが、資格爭訟の規定に關する事件か緊急集會において取上げられるというようなことは先ずない。のみならず緊急集會のように僅か数日か十数日か、いくら長く見てもたかだか五六十日しか豫定されない緊急集會において資格爭訟事件というものが取上げられるというようなことはいかがなものであろうというような觀點から、資格爭訟はこの際は準用いたさなかつたのでございます。
 以上が試案の御説明でございます。
#110
○委員長(木内四郎君) いかがでしようか、この規則案につきましては、更に皆さんにおいて御研究願いまして、次の適當な機會に更に質問なり御意見なりをお出し願つて、そうしてお決め願つて本會議に報告するということにしまして、今日はこの程度に止めたいと思いますが…
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(木内四郎君) それではその次の議案の取扱いに關する件につきお諮りしたいと思います。先程交渉會でもお話がありましたように、今後兩院に関すること、殊に對外關係の決議案等の取扱いにつきましては、これを愼重にすることは勿論のこと、特に外交關係などを考慮致しまして、必要な場合にはといいますか、大體對外關係のものは、これを外交委員會の方へ廻して、一應その意見を伺つて、そうしてその取扱い方を決めたらどうかというような御意見がございましたが、その點について皆さんの御意見を伺いたいと思います。
#112
○櫻内辰郎君 結構だと思いますね。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#113
○委員長(木内四郎君) それでは只今申上げましたように、對外關係のあります問題につきましては、各委員會において決議案その他を準備される場合におきましては、豫め外交委員會の方に御相談になるということに、各派に十分趣旨の徹底するようにお願いいたしたいと思います。
#114
○木下盛雄君 その際に、我々各派へ歸つては趣旨の徹底するようにしますけれども、要するに運營委員會の名前において、一應委員長から各委員長に周知して貰うような方法を取つて貰うことが必要だと思います。そうすれば假に不徹底な場合がありましても、委員長が心得ておれば、そういう問題はなくなると思いますから、そういう手續を取つて戴きたい。
#115
○佐藤尚武君 私も木下さんの言われた通りのことを申上げたいと思つたのであります。我々は歸つて各派の各委員に趣旨を徹底させることに努めるのは勿論のことでございますけれども、それは公の手續にはならないので、從つて運營委員會として、各常任委員會に改めて通知して戴くということが必要であろうかと思うのであります。從つて今の木下さんの御意見に私は全然賛成いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#116
○委員長(木内四郎君) それでは適當の機會にといいますか、成るべく速かにかく常任委員長に一度議長應接室にでもお集まり願つて、私共からその趣旨をお話することにいたします。それからちよつと議事部長から申上げたいことがございます。
#117
○参事(寺光忠君) 先程の國會法第三十九條第二項による決議につきまして、ちよつと曖昧なことを申上げたかと思いますので、これを訂正いたして置きたいのであります。兩院の議決が一致しなかつた場合、例えば衆議院において可決し、参議院において否決いたしました場合でございますが、これは兩院においてこの國會法第三十九條の議決に關する取扱を一應申合せをいたしまして、こちらの議院運營委員會も、いつでございましたか可決せられており、衆議院の議院運營委員會も通つておる。その申合せに當つて、兩院で議決が一致しなかつたときは、先に議決した議院から兩院協議會を開く事を求める、衆議院から兩院協議會を開くことを求めて参ります。そうして兩院協議會を開いても意見が一致しなかつた場合には、國會の議決がなかつたものとして、その旨衆議院議長から内閣に通知するということでございますから、衆議院の意見が勝つということにはならないが、とにかく一應兩委院協議會を開いて協議するということはあり得るということになつておりますから、それだけを申上げておきます。
   〔「あり得るですか、しなくてもいいんですか」と呼ぶ者あり〕
#118
○参事(寺光忠君) それは求めなければ求めなくてもよろしいのであります。
#119
○木下盛雄君 ちよつと動議なんですが、各派交渉會が議院運營委員會の補助的機關として、これはどうしてもなければならんと私は考えておりますし、これは皆もうその必要性を考えておることで、先に小委員をあげて、確立を急ぐことを御同様は申合せたのですが、残念ながら流會になつたというようなことで、これが非公式に馴れ合いでやつておる…ともかくもう少し早くこれを確立して、そうして正しい意味におけるところの各派交渉會にして行くことが、いろいろな問題がありましても、本當にそういう出發が明らかになつておる場合においてのみ權威づけられるので、非常に議事を早く進める上においても、各派の意志の疎通を圖る上においても、これを速かにやつて貰いたい、こういうことの促進をお願いしたい次第です。
#120
○委員長(木内四郎君) 只今の御意見御尤もですから、小委員の方に至急お集り願いまして、一つ成案を得るようにお願いいたしたいと思います。
 それから尚ちよつと申上げておきたいのですが、國會法の規定によりますと、八月四日までに、いま一度自由討議をやらなければならんことになつておりますので、自由討議の議題を、今日ここで直ぐに決める必要はないけれども、各派において一つお考えおきを願いたいと思います。次の機會に御相談して決めたいと思います。
 本日の委員會はこれで終ります。
   午後三時二十五分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     木内 四郎君
   理事
           藤井 新一君
           駒井 藤平君
   委員
           島   清君
           松本治一郎君
           塚本 重藏君
           木下 盛雄君
           黒川 武雄君
           伊東 隆治君
           稻垣平太郎君
           櫻内 辰郎君
           下條 康麿君
           高橋龍太郎君
           佐藤 尚武君
           兼岩 傳一君
  ―――――――――――――
   議長      松平 恒雄君
  ―――――――――――――
  事務局側
   参     事
   (事務次長)  近藤 英明君
   参     事
   (法制部長)  川上 和吉君
   参     事
   (議事部長)  寺光  忠君
   参     事
   (委員部長)  河野 義克君
   参     事
   (調査部第二課
   長)      内田  明君
   参     事
   (速記課長)  山田  到君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト