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#1
第004回国会 本会議 第9号
昭和二十三年十二月十一日(土曜日)
 議事日程 第八号
    午後一時開議
 一 國務大臣の演説に対する質疑
            (前会の続)
    ―――――――――――――
 第一 公共企業体労働関係法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した事件
 日程第一 公共企業体労働関係法案(内閣提出)
 政、財、官界の徹底的粛正に関する決議案(石田一松君外八名提出)
 吉田総理大臣の政治資金に関する緊急質問(高津正道君提出)
 議員外崎千代吉君を懲罰委員会に付するの動議
 地方財政委員会法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 昭和二十二年度、昭和二十三年度衆議院予備金支出の件
 社会保障制度審議会設置法案(内閣提出)
 食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後五時十分開議
#2
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(松岡駒吉君) 日程第一、公共企業体労働関係法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。労働委員長綱島正興君。
    〔綱島正興君登壇〕
#4
○綱島正興君 政府提出にかかる公共企業体労働関係法案の審議の経過及び結果を御報告いたします。
 本法案は、昭和二十三年七月二十二日付内閣総理大臣あて連合國最高司令官の書簡に基き、國有鉄道事業及び國家の專賣事業を公共企業体の事業とするに件い、公共企業体とその職員との間の労働関係を規律する制度を確立する必要を生じ、ここにこの法案が提出せられ、労働委員会に付託されたのであります。
 しかして本委員会は、十二月八日、九日、十日と三回にわたつて開催いたし、愼重に審議をいたした次第であります。なお本法案は、第三國会におきまして提出せられたものでありまして、去る十一月十二日より三十日に至るまで十回にわたつて委員会を開き、注意深き審議をいたされ、その間、十一月二十二日、二十四日の二回にわたる公聽会を開き、愼重を期したのであります。政府側よりは労働大臣、政務次官その他政府委員が出席せられ、眞摯なる應答がございました。
 提案理由の主要なる点を申し上げますと、第一に、日本國有鉄道法及び日本專賣公社法によりますと、これら公共企業体の職員には國家公務員法が適用されないのであります。從つて、完全國有の法人として國家の管理と監督のもとに運営される必要を認められる公共企業体の職員の特異性にかんがみ、現行の労働三法の規定するもののみをもつてしては不十分と考えられたのであります。
 第二に、公共企業体の労働関係は、その性格から、共通の特異性を持つものでありますので、日本鉄道と日本專賣公社とに別個の労働関係に関する法制的措置を講じますことは適当でなく、かつ公共企業体の労働関係を統一的に把握する見地より不適当であると考えられましたので、統一的取扱いの必要が考えられたのであります。
 第三に、公共企業体の職員は、團体交渉権は労働組合法の定めるところにより完全に保有するのでありますが、これが行使の方法につきましては、混乱を極力排除することによつて公共企業体の能率発揮と正常な運営を確保するため必要なる法的措置が考えられたのであります。
 第四に、公共企業体の職員には、國家公務員に認められるような、その地位に関する特別の保障がありませんので、これにかえて、完全な團体交渉と、適正迅速な調停と、嚴正なる仲裁との制度を確立することにより、職員の生活の安定を保障する必要があつたので、これに関する法的措置を必要としたのであります。
 以上が、本法案提出の主要なる理由であります。
 右の法案の内容を摘示いたしますと、第一章におきましては、公共企業体とは日本國有鉄道及び日本專賣公社に限ることといたしており、右の公共企業体の國民経済及び公共福祉の中に占める地位の重要性にかんがみて、その経済紛爭を防止し、主張の不一致を迅速かつ友好的に処理すべきものとなしております。
 第二章におきましては職員の組合組織のことを規定しておりまして、もつぱらオープン・シヨツプ制をとつておるのであります。
 第三章には團体交渉の範囲を規定しておりまして、業務の運営及び管理に関する事項を團体交渉の範囲外に置いたのであります。團体交渉の方法としては、もつぱら交渉員の交渉にまつこととしております。
 第四章には労働爭議に関する規定をなし、同盟罷業、怠業を禁止しております。
 第五章には、罷業、怠業の禁止規定に対する救済規定とも見るべき規定があるのでありまして、苦情及び紛爭の調整並びに調停を規定しております。
 第六章には、第三者的立場にある仲裁機関の強制仲裁の規定をなし、この仲裁に対しては、公共企業体及び職員及び職員組合ことごとくみな服従すべきものなることを定めております。
 第七章において、本法案は昭和二十四年四月一日より施行せらるべきことを規定しております。
 なお、独立採算制を越えて國家財政に影響を及ぼす協約につきましては、國会の議決を要することを本法第十六條に規定しておるのであります。
 以上が、本法案の骨骼とも申すべき部分であります。
 元來、公共企業体が私企業とその性質を異にし、國家経済及び公共福祉に
及ぼす影響の重大なる点より観察して、本法案が提案せられたのでありますけれども、從業員の一人々々の私経済的立場よりこれを観察いたしますと、労働三法によつて保障されておるところの諸種の労働者の権利がこの法案によつて制限されることは、時代的逆行なりと観ぜられる点必ずしもなしとは申されませんので、この点に関して、委員会においては熱烈深刻なる論爭がなされたのであります。実に十三回に及ぶ委員会の長時間にわたる委員諸君の御熱心たる御審議、御討論を要約いたしますれば、民主自由党、民主党、國民協同党の委員諸君は原案賛成であります。日本社会党、社会革新党、労働者農民党の委員諸君は原案反対でありました。
 賛成者、反対者いずれもその諭旨の詳細なる点は異なつておりますが、大
体の一致点を申し上げますと、賛成理由の第一は、本案がマツカーサー司令官よりの書簡に基く点、第二は、公共企業体の経済上の性質が國民経済及び公共福祉に重大なる関係を有するゆえ、他の私企業の労働関係法規と異なる法規の設定は理由あること、第三は、公共企業体の労働紛爭議を民主的、友好的かつ迅速に調整、調停、仲裁をなすことは妥当なること、第四は、本法案により諸種の点において労働三法の適用の除外せられる結果となることは必ずしも妥当なりとは言いがたきも、現下の客観情勢上やむを得ざるにつき、総國民の民主的努力によつて本法を必要とせざるに至る経済的、社会的状態を一日もすみやかに招來して、しかる上に本法を廃止すべきことが妥当であるとする点であります。
 反対理由は、第一は、平和的、民主的社会の建設は健全なる労働組合運動の発達に負うところまことに甚大なるものである、しかるに本法案はこれに逆行するものであるとする点、第二は、ことにわが國のごとく労働組合運動の未熟なる社会においては、労働組合に対しては育成助長の態度をもつて処すべきものであるのに、本法案は禁圧的作用を招來する規定を内藏すること、第三は、労働三法の規定によつて公共企業体の爭議を調整するに足ること、なかんずく労調法第八條第二項の規定によつて、主務大臣は必要あらば、公共企業を公益事業と指定することを得るの便あるにかかわらず、ことさらに本法を提出するは、その必要を認めざること等であります。特に本法の持つ欠点として指摘されましたる点は、第四條において組合組織にオープン・シツヨプ制をとりたること、第六條において部外人による組合会計の監査制を設けたること、第八條において企業体の運営管理に関する事項を團体交渉の範囲より除外したる点、第十七條において組合の同盟罷業及び怠業を禁止したる点等であります。
 右の委員会の審議及び討論を本月十日終了いたしまして、採決に付しましたるところ、原案賛成者多数によつて原案を無修正可決いたされたのであります。
 以上の委員会の討論は、実に貴重なる論争であり、尊敬に値する記録であります。委員長は本議場に委員会の審議の経過及び結果を御報告申し上げるにあたり、委員諸君に対し満腔の謝意を表し、あわせてわが労働運動の健全にして有為なる將來を期待し、一日もすみやかに國民経済復興を具現して、わが國民が和協一致、人類のために平和を開くことを祈願してやまざるものであります。
 以上をもつて報告にかえます。(拍手)
#5
○議長(松岡駒吉君) 討論の通告があります。これを許します。その討論の時間は、申合せにより、一人五分間になつております。右御了承願います。辻井民之助君。
    〔辻井民之助君登壇〕
#6
○辻井民之助君 私は、日本社会党代表いたしまして、本案に対する反対の理由を明らかにいたしたいと考えます。
 國有鉄道並びに專賣局が独立をして公共企業体となりましたのは、申すまでもくな企業体自身のためではなしに、これらの職員を公務員法の束縛より解放するためであつたことは明らかであります。國家公務員法が、さきの國会において改正せられまして、その労働運動に対する制限が不当に強化せられ、さらに適用の範囲が拡大せられまして、すべての國家の使用人がその適用を受けるに至つた。しかるに、これら國有鉄道でありますとか專賣局の職員は、民間の企業と何らかわらない、國の行政に何らの関係のない現業に從事しておる者である。ゆえに、これに公務員法を適用することは不当なりとして、この両企業が独立したのであつて、かように職員のために両企業体が独立いたしました以上、労働三法を適用すれば十分でありまして、あえて特別の労働関係法をつくる必要はないとわれわれは考える。しかしながら、客観的な情勢のために特別法をつくる必要がありとするならば、われわれは、あえてこれに反対するものではない。しかしながら、政府が提案いたしました原案を見まするならば、それはあまりにも反動的である。正当なこれら職員の労働組合運動を、不当に制限しようとしている。その二、三の例を申し上げてみたいと考えます。
 第一番に、この法案に專賣公社を含めていることは不当であると考える。國有鉄道の方は、重要な公益事業であり、これまでも労調法の適用を受けておつた。しかるに、專賣公社の職員に至りましては、何らの特別な公益性も持つていない。專賣公社は、國家の独占を利用いたしまして、一箇年に一千億に近い不当な収入をわれわれ厖大衆から巻き上げることをば唯一の目的にしている企業であるといつてさしつかえない。万一、この企業が多少の爭議を行つたといたしましても、公益を害するおそれは何ら認めることができない。かようなものを、國有鉄道と一束にして縛り上げるということは、明らかに不当である。かような法律をつくるにしても、專賣公社は当然はずすべきであると考える。
 第二には、労働組合を尊重しない点である。戰爭前におきましてすらも、國際労働機関に対する代表の選挙は、労働組合だけにその資格を與えられておつた。現在におきましても、労働委員会の委員の選挙は、地方におきましても中央におきましても、労働組合だけに資格を與えている。しかるに、この法律の四條あるいは十條、十一條などによりますると、組織を持つていない職員を労働組合と同じ扱いをしている。しかも、これらの両企業体の職員は、すでにりつぱな單一組合をつくつている。この労働組合を軽視して、そして未組織の職員を労働組合と同じ扱いをることは、これまた不当である。
 さらに第八條におきまして、團体交渉の範囲から経営並びに管理を抜いていることである。労働大臣の答弁によりますると、企業整理による大量解雇は、経営並びに管理に属する問題であり、團体交渉にかける必要がないという。かような重大問題を團体交渉からはずしまするならば、團体交渉権は骨抜きといつても同じである。また企業の民主化でありまするとか、あるいは職員を企業の発展のために協力せしめるというためにも、当然経営、管理を入れなければならない。この点からも、われわれは反対である。
 さらに十七條におきましては、爭議権を剥奪している。われわれは、公益事業である以上は、あるいは國有の企業でありまする以上は、争議権に相当な制限を置くことは、やむを得ないと考える。しかし、憲法で認められている勤労階級の基本的な人権を完全に取上げてしまうということは明らかに不当であるといわなければならない。(拍手)
#7
○議長(松岡駒吉君) 時間が参りました。結論を急いでください。
#8
○辻井民之助君(続) かようなわれわれの立場から、全面的にこれを修正するところの修正案を準備したのでありまするけれども、遺憾ながら客観條件は、これを提案することを不可能ならしめました。ゆえにわれわれは、十分な修正案の用意をいたしておるということを明らかにいたしまして、本案に絶対反対をするものであります。(拍手)本議場におきましては、多数によつて本案は通るかもわからない。しかし、われわれの、労働階級の正当な要求を代表するこの修正意見は、必ず遠からず実現して見せるという、われわれの確信を申し上げまして、反対意見を終りたいと思います。(拍手)
#9
○議長(松岡駒吉君) 倉石忠雄君。
    〔倉石忠雄君登壇〕
#10
○倉石忠雄君 私は、ただいま上程せられましたる公共企業体労働関係法案に対しまして、民主自由党を代表して賛意を表明せんとするものであります。
 過去長きにわたつて無理解なる彈圧のもとに過されましたるわが國労働運動も、終戰以來、その基本的自由をとりもどし、健全なる発達の様相が芽ばえ來つたことは、私どものひとしく祝福いたしておつたところであります。しかるに、昨今ようやく、わが國労働運動のあり方が、心ある國民大衆の峻烈なる批判の対象となり、その組合運動が、ともすれば社会の同情を失うがごとき傾向を招來いたしましたことを、私どもは、まじめなる勤労大衆のために、まことに悲しまざるを得ないものであります。(拍手)
 申すまでもなく、戰い敗れたる廃墟の中から立ち上らんとするわが國の再建は、労働大衆の絶大なる協力なくしては断じて不可能であります。しかるに、現今行われつつあるわが國労働運動の中には、元帥マツカーサーの声明にもいわれるごとく、進歩よりもむしろ退歩、調和と安定よりも、むしろ不調和と混乱とをその究局の目的とする、全然信頼に値しない指導者たちによつて撹乱されているものが多々存在することを、私はまことに遺憾に存ずるものであります。(拍手)
 私は、公共企業体の労働関係に対して、單独立法をもつて臨まなければならぬという客観的情勢のもとにある今日のわが國労働事情は、決して健全なる労働運動とは申されないと存ずるのであります。(拍手)英国における國有事業下の労働組合、またアメリカの鉄道郵便事業のもとにおける労働組合等が、それぞれその組合規約において、自主的に爭議行為を完全に抑制しつつあるありさまを見るときに、私どもは、わが國の労務行政の局に当る者も、はたまた企業家も、労働組合の指導者たちも、ともに深く反省すべきであると存ずるのであります。(拍手)
 本案に反対せられる諸君の論点は第十七條に集中せられておつたのでありまするけれども、私どももまた、わが國の労働運動が英米のそれのごときものでありましたならば、本案第十七條には賛意を表明するに躊躇せざるを得なかつたのであります。しかしながら、今日の客観的情勢は、われわれをして、本條に対してすら反対するの勇氣を持ち得ざらしめたことを、私はきわめて残念に存ずるのであります。(拍手)
#11
○議長(松岡駒吉君) 倉石君、もう一分であります。結論を急いでください。
#12
○倉石忠雄君(続) 本案第十七條の爭議権禁止に対して、反対論者は、一旦與えられたる労働者の権利を剥奪するものなりと強く主張せられるのでありますけれども、この御意見に、われわれは、にわかに同調することはできないのであります。
 およそ、すでに有する人民固有の権利も、これを制限することが公共の利益であり、社会通念に反せざる場合には、しばしばその行使を制限せられているところであります。近く行われましたる農地制度の改革のごときも、明らかに憲法に保障せられたる財産権の制限であり、その他幾多の立法例にその例を見るのであります。すなわち、本案第十七條をもつて勤労者の既得権侵害なりとせられる諸君は、いたずらに階級的立場をのみ固執せられる近視眼的偏見なりと申さなければならないのであります。(拍手)またある者は、アメリカにおいてタフト・ハートレー法の廃止を傳えられつつあるのゆえをもつて、本案のごときは時代に逆行する立法なるかのごとき御意見を吐露せられたのでありますけれども、諸君、アメリカにおいても、世界情勢の現段階において、タクト・ハートレー法の枢軸をなしているところのいわゆる過激分子を労働運動より排除せんとする基本的要素は依然存置しておく意向であるということは、労働長官が明らかに声明しているということを、われわれは忘れてはならないのであります。
 これを要するに、私は本案を通覧いたしまして、不正労働慣行を嚴に取締り、紛爭処理、仲裁等に対する立案者の心づかいを多とすると同時に、オープン・シヨツプ制を採用して個人労働の自由を認めた点等は、本案に対して進歩性を高く評價いたしたいと存ずるのであります。(拍手)
#13
○議長(松岡駒吉君) 倉石君、時間が参りました。
#14
○倉石忠雄君(続) 私は、本案の討論を通じ、公共企業体七十万の労働者諸君に訴えたいのであります。今や敗戰のちまたから立ち上らんとする私ども日本人に対し、その復興を援助せんがために、かつての敵國でありましたるアメリカ人は、一日平均百万ドルの負担をあえてしているということを、われわれは忘れることは断じてできないのであります。一日も早くこの好意にむぐい、労働の不安を除き、企業の安定を招來することは、一にかかつて勤労大衆諸君の聰明と叡智にあると存ずるのであります。(拍手)また一方、本案のごとき法律を制定され、労働運動を制限することに対しては、政府及び企業の担当者は、重大なる責任を感ずべきであると同時に、企業経営の科学的研究、合理的運営に力をいたし…。
#15
○議長(松岡駒吉君) 倉石君、時間が参りました。
#16
○倉石忠雄君(続) 背後にこれを靜かに監視しつつある國民の負託にそむかざるよう努力せらるることを極力切望いたしまして、本案に賛成の意思を表明するものであります。(拍手)
#17
○議長(松岡駒吉君) 赤松明勅君。
    〔赤松明勅君登壇〕
#18
○赤松明勅君 私は、社会革新党を代表いたしまして、本法案に対する反対の意見を述べるものであります。
 守り得る法律をつくるか、守り得られない法律をつくるかは、立法府に與えられた重大なる課題であるといわなければならないのであります。せつかくの立法が、守るに難きものであつた場合、法治國家の遵法精神がゆがめられ、社会不安を激化することは、過去の歴史が雄弁に物語つているところであります。その例は、あらゆる統制法規の上にも現に明らかである、といわなければならない。しかも、法は万民の間に平等でなければならないはずであります。刑罰法規の適用にあたつては常に法の平等が論ぜられる。しかし、保護恩惠の法規の上についても同じく平等でなければならないことは、もとより当然であるといわなければならない。
 この意味よりして、公共企業体関係労働法案は、國有鉄道、專賣公社という、たまたま公共企業体の勤労に從事するというのみの理由によつて、労働三法上の恩惠法規の適用より除外せられる運命を持つに至るのであります。これは断じて見のがしてはならない。すなわち、國鉄從業員と私有鉄道の從業員と、その労働内あるいは労働條件、はたしていずれにその差異ありや。しかも、その公共性においても、いささかのかわりもないにもかかわらず、國有鉄道從業員なるがゆえに本法を適用せられ、本法案第十七條に見る罷業権禁止のごとき基本人権の一部を制約せられる。まことに不合理といわなければならないはずであります。(拍手)さらに專賣公社の現業員のごとき、タバコあるいは塩の生産に從事する一般私企業從業員と、はたしていずれに違いがあるだろうか。何がゆえに労働三法より切り離されて、かくのごとく罷業権は剥奪せられ、制約を受けなければならないのか、理解に苦しむところであります。
 この見地よりして、國鉄・專賣従業員が本法案に対し義務を感ずるか、すなわち遵法精神を発揮し得るかいなかを、私は非常に憂慮するものでございます。從つて、本法案に賛成するとするならば、以上述べ來つたことく、万人平等の法どころではない、同一職種の組合運動に対し、法律をもつて不平等の取扱いを與え、團結を中心に育成助長せられなければならないわが國労働戰線を法律によつて分裂に導き、その結果は無用の混乱と非能率を助長し、さらに生産の阻害に通ずること、火を見るよりも明らかであるといわなければならないはずであります。
 私は、かかる観点から、大乗的見解に基く社会革新党案としての本法案に対する大幅修正案をいち早く労働委員会に提出したのでありますが、遺憾ながら客観的諸條件よりして、單に記録にとどめるのみに終らしめられたのでございまして、これは時間の関係上、その條正案の内容についての詳述は避けますが、記録の上において、皆さんに十分なる御檢討を願いたいと思つておるものでございます。
 以上、根本的な問題に関し論及いたしまして、社会革新党の本法案に対する反対の意見を終るものでございます。(拍手)
#19
○議長(松岡駒吉君) 川崎秀二君。
    〔川崎秀二君登壇〕
#20
○川崎秀二君 私は、民主党を代表して、きわめて簡潔に賛成の意見を申し述べたいと思います。
 現業官吏や公共企業体の職員が罷業権を禁止されるということは、基本的な人権の上から見ても、また労調法制定の趣旨から見ても、まことに遺憾なことでありまするが、マツカーサー書簡のよつて來りまするところのゆえんは、過去二年間における極左労働運動に対するところのきびしい反省を加えておるのであります。(拍手)從いまして私どもは、この段階に至りましては、國家の再建を重しとし、経済安定をより重要に考えて、本法案に賛成するものであります。(拍手)
#21
○議長(松岡駒吉君) 中原健次君。
    〔中原健次君登壇〕
#22
○中原健次君 私は、労働者農民党を代表いたしまして、只今上程中の公共企業体労働関係法案に反対をいたすものであります。
 思えば、わが國の労働組合運動が、敗戰後ようやく正常な態勢を整えまして立ち上がつてから、ここに三箇年間を経過いたしました。その運動の過程において、あらゆる苦難を経驗しながら、正常なる育成を遂げつつあつたのでありまするが、しばしば世論は、この労働組合運動に対して正常適切なる判断を加えることを歪曲する、一方的な、反労働者的な主張に惑わされつつあることを、私は遺憾といたすものであります。労働組合運動は、常にその求むるところは公共の福祉と合致いたすのでありまして、労働組合が、そうしてまた労働階級が、自己階級の利益を、同時に社会公共の福祉とともに、その保障を求めておるということは、もはや何人もこれを否定することはできないのであります。しかるにかかわらず、このことに対しまして、独善的にして利己主義的なる見解を常識とする資本家階級や、これと協力する保守主義者たちは、この問題を、悪意に満ちた歪曲をもつて、組合運動の行き過ぎなりと、あえて主張いたしておるのであります。むしろ、公共の福祉を傷つけるものは労働組合運動ではなくして、今や眼前に公共の福祉を傷つけ、國家の経済再建を損傷しつつある具体的な事実が、大衆の前に暴露されておるわけであります。それは何か。すなわち、財閥と結んだ上層官僚並びに政治家たちの相次ぐ疑獄事件は、何を世人に教えつつあるかを思えば、この公共の福祉を傷つけ、経済の再建を阻害しているものは、むしろたれあろう、彼ら資本主義者並びに保守反動の一連の人々であることを遺憾ながらわれわれは指摘せなければならないのであります。
 しかるに政府は、このような実情に対する認識を適切に持つことができず、さきに國家公務員法一部改正の法律案を通過せしめ、ここにまた公共企業体労働関係法案を上程いたしたのであります。私は、いましばらく、この法律案に対しまして一、二の点を指摘し、反対の意見を述べる次第でありまするが……。
    〔発言する者多し〕
#23
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
#24
○中原健次君(続) その第十七條を見れば、爭議行為を禁止いたしておるのでありますが、この爭議行為は、労働階級が持つ唯一にして最後的な自己階級の防塞であります。すなわち憲法二十八條は、團結するの権利、團体交渉するの権利とともに、國体行動するの権利を規定いたしたということ、このことは、かかる重要性からであつたのでありまするが、しかるに、これが本法律案によつてくつがえされんとするがごときは、労働階級の断じて承認するところではないのであります。
#25
○議長(松岡駒吉君) 中原君、もう一分しかありません。
#26
○中原健次君(続) 万一、本法律案が國会を通過するがごときことありとするならば、日本國憲法は、まさにその一角からくずれ落ちることを、遺憾ながらわれわれは見送らなければならないのであります。
 さらに、專從職員の給與停止の問題に触れておるのでありまするが、これは日本における労働事情の特殊性を無視するものであり、ことに低賃金、高物價政策のもとにおいて、あるべくしてあり得た既得権の剥奪であるし、日本労働階級は、最低賃金制の制定を要求していること、ここに久しいのでありますが、いまだなおかつ、そのことはいれられない。むしろ問題は、最低賃金制の法定を先にすべきものでありまして、奪うべきものを先に奪い、與うべきものを與えないのが、現実の状態であります。
#27
○議長(松岡駒吉君) 中原君、時間が参りました。結論をつけてください。
#28
○中原健次君(続) さらに交渉委員、あるいは調停委員その他各種の代表委員選考の方法に至りましては、本法律案に一貫する大なる矛盾があるわけでありまして、これは純正なる労働者の意見を代表する者を選ぶことを阻害するようにでき上つているものなのであります。それはどこに由來するかともうしますると、それをここに自棄するかと申しますると、いわゆるクローズド・シヨツプ制を拒否いたしまして、非組合員をむしろ奨励するかのごとき法文を規定いたしたところに根拠いたすのであります。その関係上、労働者の純正なる利益を代表する代表者を選考することはしばしば困難となる事情が、この法律案の中に隠されていることを、私どもは指摘しなければならないのであります。
#29
○議長(松岡駒吉君) 中原君、時間が超過しました。結論をつけてください。
#30
○中原健次君(続) 欠陥はこれに盡きませんが、このような結果から起るものは何であるかと申しますると、本法律案がその第一條において規定いたしておりまする目的に対して、よくこたえることができる結果とならないということを、私は強く指摘しなければならないのであります。遺憾ながら、このような内容を持てる法律案をもつていたしましては、とうていよいよ所期の、この法律案が一條に規定いたしました目的を達成することは困難であつて、むしろ逆に新たなる紛爭を惹起するの禍根をこの中にひそめておるということを指摘いたさなければならないのであります。
#31
○議長(松岡駒吉君) 中原君、時間は超過いたしました。結論をつけてください。
#32
○中原健次君(続) 私は、ここに以上の理由をもちまして本法律案に反対をいたすものでありまするが、思えば残骸を越えて廃墟の中から立ち上りました日本労働組合運動は、その正常なる成長発展を阻害され……。
    〔「時間超過」と呼び、その他発言する者多し〕
#33
○議長(松岡駒吉君) 中原君、発言中止を命じます。
    〔発言する者多し〕
#34
○議長(松岡駒吉君) 大島多藏君。
    〔大島多藏君登壇〕
#35
○大島多藏君 私は、國民共同党を代表いたしまして、ただいま上程中の法案に対し若干の意見を述べ、これに賛成をいたすものであります。
 本法案は、先般成立を見ました國家公務員法とともに、連合國最高司令官の書簡に基き立案されたものでありまして、正に國家公務員法と姉妹編をなすものであります。この両法案を比較檢討いたしますときに、だれしも感ずることは、姉妹編でありながら、國家公務員法は秋霜烈日の感があるに比しまして、本法案は、爭議行為の禁止があるとはいえ、團体交渉権は認められ、苦情処理機関の設置ないし調停委員会の制度を認められ、さらに仲裁委員会の制度を置くなど、前者に比べまして相当緩和されておることであります。その点、姉妹編としての両法案の均衡の点から考えますときに、いささか当を失したる感がいたすのでありますが、これは当然公務員法を緩和し、少くとも本法案の線まで上昇せしめらるべきものであると思う次第であります。
 しかしながら、両法案ともに、敗戰後の経済窮乏と生活逼迫のために惹起されたる労働運動の行き過ぎ是正の非常手段として立案せられたる結果とともに、健全なる労働組合運動の育成助長の法案でなくて、拘束的、取締法的使命を果すに急たるあまり、勤労階級生活安定の條規を欠き、あるいはまた適用対象の適正を欠く点など、種々の欠陥を包藏することは、はなはだ遺憾に思う次第であります。しかして、かかる法案制定の必要性が現在もなお存在することは、われわれの悲しみとするところであり、かつまた恥辱とするところでありまして、私は、一日も早くわが國民がゆたかな生活を営むことができ、すべての労働者、すべての勤労階級が、生活の脅威を感ずることなしに安んじてその職務に從事し、健全なる常識と判断をとりもどすことによつて、かかる過渡的な、一時的な國辱的法案が撤廃される日の來ることを切望いたしまして、本案に賛成するものであります。(拍手)
#36
○議長(松岡駒吉君) 木村榮君。
    〔木村榮君登壇〕
#37
○木村榮君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま上程されました公共企業体労働関係法案に対して絶体反体の討論をいたしたいと思います。
 この法案が國家公務員法の姉妹編であるということは、さつき國協党の大島君が言われましたが、大島君の御説によれば、姉妹編であるからけつこうだというようにお話になつたのでありますが、私といたしましては國家公務員法の姉妹編であるから絶体反体という立場を、取りたいと思います。
 この法案においては、労働三法その他憲法で保障されました國民の基本的な権利等も完全に無視いたしまして、公共企業体という名のもとに隠れまして、強制的な労働あるいは低賃金労働強化をねらつておるということは、明らかだと思います。罷業権のない團体交渉権などというものは、実際はあつてもなくても同じことであつて、この法案によれば、一應形式的には團体交渉権というものを與えておりますが、しかしながら、実際これを運用する面においては、労働大臣が一方的に処置いたします。決して労働者側の正当な要求は取上げられないということは、たとえば第九條、第十條あるいは第十一條等をよく檢討すると明らかだと思います。特に第十七條あるいは第十八條によつて爭議行為、怠業等は禁止いたしておりますが、解雇という労働者にとつては致命的な罰則によつて一切を押しつけ、いわゆる國家公務員法と同様に、公共企業体の労働者を奴隷化しようとしておることは、はつきりしておると思います。
 さらに第六章においては、仲裁委員会というものを設けておつて、一見公平な裁定機関のようなかつこうを示しておりますけれども、実際においては、内閣総理大臣がこれを操作いたします。ただ單に内閣総理大臣の下請機関としての機能しか果せないということが、よく明瞭に出ておると思います。これは要するに、公共企業に名をかつて労働者階級を不当に圧迫し、労働三法を改惡して、一般民間企業の労働者、たとえば私鉄、電産、石炭といつたふうな労働者に対しても圧迫を加える足場をこさえようとしておると断ぜざるを得ないのであります。
 公務員法改惡に続くこの法案の制定によつて、日本の三百万の労働者は完全な無権利状態に追い込まれ、あわれな状態になつて参りました。このことは、かつて戰爭を遂行するために民主的な労働組合を一切解散し、産業報國会といつたふうな妙なものをこさえて、だんだんフアシズムの方へ追い込んだということと、同じ方向をたどろうとしておる。從つて、労働階級の要求するような一切のことを、特に現在の吉田内閣は否定いたしまして、ただ單に、こういう法案は民主党や社会党がこしらえたと言いながら、ほんとうはそれに喜んで便乗して、強硬にこれを突破しておる。從つて、吉田内閣が、この法律案によつてその反動性を完全に暴露したということを私は特に強調いたしまして、本案に絶対反対の討論をいたす次第であります。(拍手)
#38
○議長(松岡駒吉君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。この採決は記名投票をもつて行います。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#39
○議長(松岡駒吉君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。閉鎖。
 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#40
○議長(松岡駒吉君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
 投票総数 二百八十六
 可とする者(白票)  百八十四
 否とする者(青票)  百二
#41
○議長(松岡駒吉君) 右の結果、公共企業体労働関係法案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔参照〕
 委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名
   淺利 三朗君  有田 二郎君
   石田 博英君  石原 圓吉君
   石原  登君  泉山 三六君
   磯崎 貞序君  稻田 直道君
   今村 忠助君  今村長太郎君
   岩本 信行君  植原悦二郎君
   江崎 真澄君 小笠原八十美君
   小川原政信君  小澤佐重喜君
  小野瀬忠兵衞君  生越 三郎君
   大石 武一君  大内 一郎君
   大上  司君  大野 伴睦君
   大村 清一君  岡井藤志郎君
  岡村利右衞門君  岡西 明貞君
   角田 幸吉君  上林山榮吉君
   川村善八郎君  神田  博君
   木村 公平君  菊池 義郎君
   工藤 鐵男君  倉石 忠雄君
   栗山長次郎君  小暮藤三郎君
   小平 久雄君  小西 寅松君
   古賀喜太郎君  近藤 鶴代君
   佐々木秀世君  佐々木盛雄君
   佐瀬 昌三君  佐藤 通吉君
   坂本  實君  澁谷雄太郎君
   島村 一郎君  周東 英雄君
   鈴木里一郎君  鈴木 仙八君
   鈴木 正文君  關内 正一君
   千賀 康治君  田口助太郎君
   田中 萬逸君  高田 弥市君
   高橋 英吉君  竹尾  弌君
   塚田十一郎君  辻  寛一君
   綱島 正興君  圓谷 光衞君
   坪内 八郎君  冨永格五郎君
   苫米地英俊君  中島 守利君
   中村 嘉壽君  仲内 憲治君
   夏堀源三郎君  西村 久之君
   根本龍太郎君  野原 正勝君
   林  讓治君  原  孝吉君
   樋貝 詮三君  平澤 長吉君
   平島 良一君  廣川 弘禪君
   深津玉一郎君  福永 一臣君
   降旗 徳弥君  星島 二郎君
   本多 市郎君  前田  郁君
   益谷 秀次君  増田甲子七君
   松井 豊吉君  松浦  榮君
   松木  宏君  松崎 朝治君
   松野 頼三君  松本 一郎君
   三浦寅之助君  水谷  昇君
   宮幡  靖君  明禮輝三郎君
   村上  勇君  村上 清治君
   森 幸太郎君  八木 一郎君
   梁井 淳二君  山口 好一君
   山名 義芳君  山本 猛夫君
   吉田  茂君  若松 虎雄君
   渡邊 良夫君  亘  四郎君
   安東 義良君 生悦住貞太郎君
   馬越  晃君  梅林 時雄君
   小川 伴次君  小野  孝君
   大森 玉木君  岡野 繁藏君
   押川 定秋君  金光 義邦君
   川崎 秀二君  神山 榮一君
  木村小左衞門君  喜多楢治郎君
   栗田 英雄君  小坂善太郎君
   小林 運美君  坂口 主税君
   櫻内 義雄君  志賀健治郎君
   椎熊 三郎君  園田  直君
   高橋清治郎君  高橋 禎一君
   武田 キヨ君  橘  直治君
   圓司 安正君  坪川 信三君
   苦米地義三君  中垣 國男君
   中村 又一君  長野 長廣君
   並木 芳雄君  成島 憲子君
   西田 隆男君  西山冨佐太君
   橋本 金一君  原   彪君
   坂東幸太郎君  一松 定吉君
   福田 繁芳君  舟崎 由之君
   細川八十八君  村瀬 宣親君
   矢野 政男君  山崎 岩男君
   山下 春江君  吉田  安君
   米田 吉盛君  井出一太郎君
   石田 一松君  今井  耕君
   大島 多藏君  川越  博君
   木下  榮君  吉川 久衛君
   小枝 一雄君  河野 金昇君
   酒井 俊雄君  笹森 順造君
   多賀 安郎君  豊澤 豊雄君
   内藤 友明君  松原 一彦君
   松本 瀧藏君  三木 武夫君
   谷口 武雄君  寺本  齋君
   中野 寅吉君  斎藤  昇君
   只野直三郎君  河口 陽一君
   高倉 定助君  寺崎  覺君
   中野 四郎君  中村 寅太君
 否とする議員の氏名
   足立 梅市君  赤松  勇君
   淺沼稻次郎君  井上 良次君
   井谷 正吉君  伊瀬幸太郎君
   伊藤卯四郎君  猪俣 浩三君
   石井 繁丸君  石神 啓吾君
   石川金次郎君  稻村 順三君
   今澄  勇君  受田 新吉君
   海野 三朗君  大矢 省三君
   加藤 勘十君  加藤シヅエ君
   花月 純誠君  笠原 貞造君
   片島  港君  片山  哲君
   金子益太郎君  川合 彰武君
   川島 金次君  菊川 忠雄君
   清澤 俊英君  金野 定吉君
   佐々木更三君  佐藤觀次郎君
   榊原 千代君  笹口  晃君
   重井 鹿治君  島田 晋作君
   庄司 彦男君  鈴木茂三郎君
   鈴木 義男君  角田藤三郎君
   田中織之進君  田中 松月君
   田中 稔男君  田淵 実夫君
   竹谷源太郎君  辻井民之助君
   土井 直作君  戸叶 里子君
   中崎  敏君  成田 知巳君
   西村 榮一君  野上 健次君
   野溝  勝君  馬場 秀夫君
   原 彪之助君  藤原繁太郎君
   細川 隆元君  細野三千雄君
   前田榮之助君  前田 種男君
   正木  清君  松尾 トシ君
   松澤 兼人君  松永 義男君
   松原喜之次君  松本 七郎君
   萬田 五郎君  溝淵松太郎君
   水谷長三郎君  守田 道輔君
   八百板 正君  矢尾喜三郎君
   安平 鹿一君  山口 靜江君
   山崎 道子君  山下 榮二君
   山中日露史君  山花 秀雄君
   吉川 兼光君  和田 敏明君
   赤松 明刺君  鈴木 善幸君
   田中 健吉君  外崎千代吉君
   成重 光眞君  早川  崇君
   本藤 恒松君  松本 眞一君
   宮村 又八君  石野 久男君
   太田 典禮君  黒田 寿男君
   館  俊三君  野老  誠君
   中原 健次君  松谷天光光君
   森山 武彦君  黒岩 重治君
   田中 久雄君  中村元治郎君
   木村  榮君  徳田 球一君
   林  百郎君  荒畑 勝三君
     ――――◇―――――
#42
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、石田一松君外八名提出、政、財、官界の徹底的粛正に関する決議案は、提出者の要求通り委員会の審査を省略してこの際上程し、その審議を進められんことを望みます。
#43
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と浮ぶ者あり〕
#44
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 政、財、官界の徹底的粛正に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。石田一松君。
    〔石田一松君登壇〕
#45
○石田一松君 私は、ただいま議題となりました、民主自由党を除いたほかの各派共同提案になります政、財、官界の徹底的粛正に関する決議案提案の趣旨を、簡單に説明いたしたいと思います。
 まず、決議案の案文を朗読いたします。
  石炭國管案反対運動及び昭和電工に関する汚職事件、あるいは、いわゆる纖維疑獄事件、さらに千葉合同無盡事件等、現國会議員中相当数の容疑者があると信ぜられる事案が、今なお未解決であることは、國民周知の事実である。かかる状態において総選挙を行うことは、國会の権威を保持し、且つ國民の公正なる投票権を行使させる上において、われわれは、これを黙過することができない。
  よつて政府は、一刻も速かに右事件に関し徹底的に究明し、以て政、財、官界の粛正をなすべきである。
  右決議する。
 敗戰後、わが國民のほとんど全部は、民主的なる平和日本の再建のために、日夜困苦欠乏に耐えつつ生活苦にあえいでおりますることは、われわれ國会に議席を持つている者といたしまして、まことにその責任の重きを痛感いたしますとともに、身をもつて耐乏生活の範をたれ、道義確立のためには率先して挺身するの覚悟が必要であると考えるのであります。(拍手)
 しかるに、敗戰後のわが國の指導的立場にある政界、財界、官界の一部の者たちによつて、案文を朗読いたしましたごとき、まことに忌まわしき疑獄事件等を惹起し、再建途上におけるわが國民主政治の歴史の一ページに一大汚点を印しましたることは、國民のひとしく痛憤おくあたわざるところであります。(拍手)この点に関しまして、わが衆議院におきましても、この國民の声に應じて、昨年十二月上旬以來今日まで、引続き院議をもつて超党派的な不当財産取引調査特別委員会を設置し、鋭意政、官、財界の不当なる財産の取引につき調査を進めつつありますことは、すでに諸君が御承知のところであります。
 しかしながら、本院における不当財産取引調査特別委員会は、不当なる財産取引に関する政治的責任の所在を究明することがその本來の主たる使命でありまして、刑法あるいはその他の法律に違反する犯罪の捜査は、一に檢察当局の管轄に属するものであり、しかもその最後的判決は、独立の権限を有する司法裁判所の崇高なる任務であります。すなわち、本院における不当財産取引調査特別委員会は、その権限を有しないのであります。もちろん調査事項は、その都度委員長より、一箇月一回本議場において報告されているのではございますが、この委員長の報告のみによつて、これらの事件が究明されたとは、もちろん言えないのであります。なぜならば、前にも申し述べましたことく、不当財産取引調査特別委員会は政治的責任の所在を明らかにするものでありまして、当該事件の犯罪的な面は、これをあげて檢察当局の活動に期待しているからであります。ゆえに、これらの不当なる事件を徹底的に究明いたしますためには、檢察当局がその本來の使命にのつとつて、一党一派に偏することなく、嚴正公平なる立場に立つて、大胆にして率直に、愼重にして敏速に、これらの事件を糾彈することによつてのみ、政界、財界、官界の粛正の目的を達成することができるのであります。(拍手)この点より考えますならば、檢察当局の責務や、また実に重大なりといわなければなりません。
 しかるに、近時われわれは、しばしば檢察当局のこれら疑獄事件に対する態度につきまして、世上檢察フアツシヨ等の声を聞くものでありますが、かかる風評が、ただ單なる風評であることを切に析つてやまないものであります。しかしながら、檢察当局が一たび犯罪に対する確証を握り、是なりとの信念に基いて犯罪の捜査を進めるにあたつては、容疑者の地位、身分、門地等によつて法の前に差別待遇をすべからざることは、すでに憲法の命ずるところであります。(拍手)たとえば、前内閣総理大臣の逮捕を決意して、裁判所を通じて國会に要求し、政界、財界、官界の徹底的粛正に乗り出したる以上、少くともこの際、本案に取上げられましたる四つの事件に関しましては、最も勇敢に、一時の逡巡もなすことなく、嚴正公平に、追究のほこをゆるめるべきでないと固く信ずるものであります。
 もちろん、これらの事件は、捜査上種々困難をきわめ、時間的にも相当長期にわたる捜査を必要とすることは、一應了解できるのでありますが、しかし、これらの案件が未解決のままの状態において総選挙に臨むことは、あらゆる点におきまして最も危険を包藏するものであります。特に國民は、その間において、もみ消し運動等がなされているのではないかという大きな疑惑の中に包まれているということは、この際深く深く考慮を拂わなければならぬ問題であります。このことによつて政党政治に対する國民の信を失わしめる結果となり、その結果フアツシヨ政治の擡頭の徴すら現われるおそれが多分にあると、私は思うのであります。(拍手)いわんや、相当数の容疑者が現國会議員中にあるであろうと信ぜられているこれらの事件が徹底的に究明されるこなく、あるいはまた一党一派に偏してこれがなされ、そのまま解散し、総選挙を行うという事態に立ち至つたならば、おそらく國民は、その投棄権を行使する上において重大なる錯覚を犯す場合がないと、だれが保証することができましようか。
 一部の論者は、衆議院の解散と同時に議員の身分を失うのであるから、檢察当局は、議員の身分を有しなくなると、ただちにこれらの容疑者を逮捕するであろうとか、また、檢察当局は目下その用意をしているとか言う者もありますが、われわれの知る限りにおきましては、衆議院議員の立候補者は、よほど惡質なる選挙違反とか、または現行犯罪の場合を除いては、投票期日前にその身体の自由を拘束され、あるいは容疑事項に関して取調べる等のことは、官憲の、選挙干渉のそしりを受けるおそれが多分にあるので、ほとんどかかる処置は過去においてなされていないのが実情なのであります。もし、そうであるとするならば、しばしば繰返し申上げました、これらの疑獄事件の容疑濃厚なる者として檢察当局が確証を得ている候補者が、総選挙において國民の判断を誤らしめて、再び当選して來ることもあり得るのであります。その結果、総選挙後に開かれるであろうところの第五國会において、これらの議員に対して逮捕許諾の要求がなされるというがごとき不詳事が再び三たび繰返されるといたしましたならば、何のための解散であり、何のための総選挙であつたか、解散の意味も、総選挙の意義も、まつたくここに失われてしまう結果になるのであります。(拍手)もし、しかりとすれば、総選挙後新たに発足する第五國会以後におきましても、國権の最商機関としてのわが國会の権威は、何をもつてこれを保持することができるであるでありましようか。われわれは、かかる観点に立ちまして、たとい解散が明白に迫ろうとも、新憲法下の正しかるべき政界、財界、官界を泥土のどん底に陷れたるかかる不祥事事件は、徹底的に、党利党略を超えて究明し、もしこれを故意に解散後に持ち越さんとするがごとき行動が陰になされるとするならば、それこそ、かかる事件を惹起した者以上に政治的な罪惡を犯すものといわなければなりません。(拍手)民主主義政治の破壞者であると申しても過言ではありません。
 政府は、組閣の当初に掲げたる綱紀粛正の純粹なる立場に立つて、これら一連の不祥事件の徹底的究明をなすに、いまさら何のひるむところがあろうか。正義の前に深く自己を滅却して、本会期中に断固國民の疑惑を一掃する、男らしき態度を示すべきであると考えます。(拍手)
 石炭國管案反対にからまる問題にいたしましても、纖維疑獄にいたしましても、特に檢察当局は不偏不党でなければならず、今後これらの事案がいかに進展したといたしましても、いやしくも政界、財界、官界の粛正に関する限り、前に申し上げたように、たといそれが選挙中の候補者に累を及ぼすおそれがあつても、いやしくも追究の手をさしひかえるがごときことは、断じてこれを排撃すべきものであります。世の一部に、官憲の選挙干渉だという声がもし立つたといたしましても、現実において裸になつてまで耐乏生活に苦しみあえいでいる八千万同胞を思うとき、また祖國再建の一日も早からんことを念じつつ天上にさ迷うわれら同胞のみ魂をしのぶとき、これらの行為こそ、何人といえども絶対にこれを仮借することができないものであることを固く固く信ずるものであります。しかして、國権の最高機関たる國会の権威を保持し、國民の最も重大にして崇高なる主権の行使の一つともいうべき投票権をして絶対に誤りなからしめ、もつて明朗にして闊達なる民主主義政治の確立を衷心より念願し、ここにこの決議案を提出した次第であります。よろしく諸君の満場一致の御賛成を切望して、提案趣旨の弁明を終るものであります。(拍手)
#46
○議長(松岡駒吉君) 本案に対しては、今村忠助君より、正成規による修正案が提出されております。この際、この修正案の趣旨弁明を許します。今村忠助君。
    〔今村忠助君登壇〕
#47
○今村忠助君 ただいま上程されております政、財、官界の徹底的粛正に関する決議案に対しまして修正案を提出いたさんとするものであります。
 まず、修正案に案文を朗読いたします。先ほど決議案の後段でありますところの「かかる状態において、総選挙を行うことは、國会の権威を保持し、且つ國民の公正なる投票権を行使させる上において、われわれは、これを黙過することができない。よつて政府は、一刻も速かに右事件に関し徹底的に究明し、以て政、財、官界の粛正をなすべきである。右決議する。この点を、かように修正いたしたいと思うのであります。「よつて政府は、今回総選挙を行うについては、一刻も速かに右事件に関し徹底的に究明し、以て政、財、官界の粛正をなし、國民の疑惑を一掃すべし。右決議する。」
 なぜ、この修正案を提出するかにつきまして、簡單に説明申し上げます。
 第一は、少数会派の方には御関係ないことでありますが、議場の大部分を占めるところの四大政党は、十一月二十八日、紳士的立場に立つて四党協定をつくつておるのであります。(拍手)すなわち、予算案提出後二週間を経過したならば……。
    〔発言する者多し〕
#48
○議長(松岡駒吉君) 静粛に願います。
#49
○今村忠助君(続) 当然議会は解散されるべきであることが、約束されておるのであります。(拍手)いわゆる、政界、財界、官界の徹底的粛正は、わが民主自由党が挙党的立場をもつて、何があつても断行しなければならぬと考えておる点であります。(拍手)ことに吉田内閣成立以來、吉田総理大臣は、この壇上に立つて、何たびか官界、財界、政界の粛正を約束したのみではなく、これを断行することの決意を示しておるのであります。しかるに、現政界を見まするとき、この混沌たる情勢を一掃するには、どうしても議会を解散し、國民に信を問うことが、何より先決の問題であるといわなければなりません。(拍手)
 今や、新聞により、あるいはラジオによつて傳えられておるがごとき幾多の疑獄的問題につきましては、ひとり天がこれを知つておるのみではない。國民がよくこの事実を知つております。民主主義においては、主権在民の憲法のもとにおいては、最後の審判は國民によつて下されるべきであります。(拍手)檢察当局の活動はもとよりでありますが、この嚴正なる國民の批判こそが民主主義下において最も重大であるから、最も多く期待をかけなければならぬものであります。この意味におきまして、いわゆる四党協定に基いて、予算案提出後二週間には当然議会が解散されて、國民に信を問うべきことが約束されているのであります。この意味におきまして、最も誠実に紳士的協定を守るためには、議会の解散を回避するがごとき決議文にわれわれは賛成することはできないのであります。(拍手)われわれが修正案を出そうとするのは、すみやかに議会を解散して、この幾多の疑惑、これらについて、國民に信を問わんとするものであるのであります。
 以上、修正をせんとする箇條を明らかにいたしたものであります。(拍手)
#50
○議長(松岡駒吉君) 討論の通告があります。これを許します。外崎千代吉君。
    〔外崎千代吉君登壇〕
#51
○外崎千代吉君 社会革新党を代表しまして、原案に賛成するとともに、修正案に反対するものであります。
 今、政界、官界、財界の腐敗きわまりなき、続々起きる、とどまるところを知らざる大疑獄事件に関し、その粛正演説をすることは、まつたく國会議員の一人として、涙なくして語ることのできない問題であります。顧みるに、日本政界史始まつて以來かつてないところの今日のごときは事件は、しかも大政党にして、すなわち社会党、民主党、民主自由党等のごとき、政界のこれほど大きな指導階級にあるべき既成政党は、
―――――――――――――――――――――
りつぱなる代議士まで、その疑惑の中に入つておるということは、まことに遺憾きわまりなきところでありまして、われわれ國会人といたしましては、何と全國民に対して……。
    〔「吉田はどうした」と呼び、その他発言する者あり〕
#52
○議長(松岡駒吉君) 静粛に願います。――静粛に願います。
#53
○外崎千代吉君(続) 顔向けのできる状態であると、われわれは考えておるのであります。しかるにまた官界におきましてでも、重政前農林次官を初めとして、あるいは局長に、部長に、課長に、というぐあいに、各方面の腐敗堕落はきわまりなく、財界は日野原氏をもつて筆頭となし、これまた見るにきわまりなき今日の状態。
 この場合に、民主自由党の内閣は解散をもつて迎えんとするけれども、それは正しき國民の信任を問うというのであれば、われわれは喜んで迎えるであらう。しかしながら、民主自由党といえども
―――――――――――――――――――――
(「何を言うか」と呼び、その他発言する者あり)そういう場合に、なるほど國会における総理大臣の指名は、四百六十六名に対しわずか百八十五票のその信任は、まことに國民の正義観にあると言うかしらぬけれども、われわれ内部を知る者にしてみれば、今日こういうような疑獄の場合において、一党一派の利害関係をもつて、議会解散をもつてごまかさんとするごときは、立憲政治の常道ではないとわれわれは考えておるのである。
 また、よく口を開けば、民主自由党は、解散を恐ろしいかという声を叫ぶけれども、樂屋においての民主自由党の代議士連中は、みずからその解散を恐れて、何のために解散するのか、三々
伍々語つておるではないか。衆議院議員たる者は、衆議院議員にならんとする者は、参議院議員になる者と趣を異にして、解散あることはもとより予期して立候補しており、また代議士として國会に出ている以上は、何の解散を恐れる者は一人もないのである。しかしながら、また好んで何の解散を迎えるばか者も一人もないのである。
 だからして、われわれは、今日のような昭和電工に、政党献金に、あるいは兵器処理に、炭鉱國管、纖維事件等に関しては、いまだようやくその緒についたばかしであり、民主自由党の総裁であるべき総理大臣は、劈頭において何を國民に約束したであろうか。それは、一番先に綱紀粛正を叫んだてはないか。綱紀粛正を叫ぶのが本心であるならば、綱紀粛正を眞に叫ぶの勇氣があるならば、解散をもつて國会に臨む前に、なぜこれほどの多くの事件の処理を完全にしないのだ。他党におけるところの事件に対しては、たいこ、三味線をもつてこれを責めるといえども、あしたに迫つているところの炭鉱事件に関し、
        ―――――
党が一番多くの犯罪にあると、世間はいうておるではないか。(発言する者あり)幸いにして、民主自由党が正しきをもつてこれに應戰せんとするならば、何か恐れて……(発言する者あり)われわれは、ひとりやじを恐れるものではない。やじをする前に、まずわれの意見を聞けば、よくわかるのである。
 民主自由党は、立憲政治を口にし、民主政治を叫んでおるけれども、眞に國会を解散せんとするならば、今いうごとく、昭和電工から兵器処理、炭鉱國管から纖維事件に対して、あくまでこれを追及し、國民の前に堂々と事件の全貌を明らかにして、しかる後に國会を解散するごときは、喜んでわれわれは迎えるものである。もし、このままにして解散せんか、もし、このままにして解散せんとするならば、疑惑の人物再びこの選挙場裡に立つて、正しいところの國民をして惑わしめるもはなはだしいものであると、われわれは考えておる。何を好んで、何を急いで解散をせんとするか。もし、眞に國民の利害を考えて解散せんとするならば、この事件をして、完全に処理して、しかして正しいところの選挙を行うこそ、ほんとうの解散であると、われわれは考えておるのである。(発言する者あり)やかましい。何をするか。議長、制止したまえ。
 なお続々として引揚げて來るところの引揚者の声を聞き、その人方は何と言うておるか。さんたんたる敗戰國土を見、しかして帰つて來てみれば、その家族はほとんど救われておらず、戰爭において多くの犠牲者は、その日の生活に困つておるときに、これを顧みるの政党は一つもなく、いたずらに百万円だ、五十万円だ、あるいは三十万円だといつて、金に目がくらんでおる。かくのごとき指導階級の人々は、小管監獄をして内閣なりとあくまで言わせるというがごときは、まことにもつて遺憾きわまるものである。また前内閣は、現職安本長官檢挙されて、その責任を感じて、ここに内閣を投げ出したのである。吉田内閣は、もし眞に立憲常道を唱えられるならば、たとい大臣ならずといえども、副大臣である、ところの田中政務次官が、━━━━━━━━━━━━━そうして家宅捜索を受け、もしそのまま身柄を収容された場合には、吉田総理大臣は、いさぎよく内閣を投げ出すほどの良心を持つておるか。人を責むるに急にして、われをもつてやらんとするときに行い正しからざれば、その政治は邪道であつて、必ずしも國民がこれに対して信頼をするものでないとわれわれは、考えておる。
 また、三党協定であるの、四党協約であるの、ということをよく言うておる。こういうことは、民主政治の今日に行わるべきはずのものではない。しかるに、いかに今日世の中はやみ取引横行するといえども、この議会のまん中において、大政党が組んで、そこにやみ取引をなし、そうして一日延ばし、二日延ばしに解散を延期せんとするは、まことに奇怪千万にして、憲法違反と言われても何とも言う言葉はないではないかと、われわれは考えておるものである。
 そこで、先ほど申したことくに、引揚者の人々ばかりではありません。われわれ農山漁村に住む者にいたしましても、今日のごとき政界の腐敗堕落は、國民の世論として、解散する前にまず政党を解消せよ。わが日本の既成政党は━━━━━━━━━━━━━(発言する者、離席する者多く、議場騒然)諸君が何といつても、事実はこれを証明しておるものである。もし、そうでないとするならば、総理大臣を初めとして、列閣の大臣が続々として現在小菅監獄におるではないか。━━━━━━━━━━━━━(発言する者、離席する者多く、議場騒然、聽取不能)大政党みずから解党して、あらためて出直すことが当然であると考える。われわれは、本案に賛成するものであります。
    〔発言する者多し〕
#54
○議長(松岡駒吉君) 静粛に願います。
 外崎君、纖維疑獄に関し並びに石炭國管疑獄の氏名をあげたる点及び不穏当にわたるような言辞があつたように思われますから、これらの点をお取消しになつてはいかがですか。
    〔発言する者多し〕
#55
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
靜粛に願います。
    〔━━━━━━━━━とは何だ」と呼び、その他発言する者多し〕
#56
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
#57
○外崎千代吉君 ただいま議長さんより、氏名をあげたる点を取消してはいかんということでありまして、では今まであげました━━━━━━━━━━━━━━━それから……。
#58
○議長(松岡駒吉君) 議長の注意によつて取消すなら取消すと簡単に言つてください。
#59
○外崎千代吉君(続) それでは、議長の注意を尊重しまして取消しいたします。
#60
○議長(松岡駒吉君) これにて討論は終局いたしました。
 まず、今村忠助君提出の修正案につき採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#61
○議長(松岡駒吉君) 起立少数。よつて今村忠助君提出の修正案は否決せられました。
 次に、本案につき採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#62
○議長(松岡駒吉君) 起立多数。よつて本案は可決せられました。
     ――――◇―――――
 吉田総理大臣の政治資金に関する緊急質問(高津正道君提出)
#63
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、高津正道君提出、吉田総理大臣の政治資金に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
#64
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 吉田総理大臣の政治資金に関する緊急質問を許可いたします。高津正道君。
    〔高津正道君登壇〕
#66
○高津正道君 私は、梅村清氏の政党献金に対する吉田総裁の受取書に関する緊急質問をいたさんとするものであります。ただいま政、財、官界の徹底的粛正に関する決議案は多数をもつて可決されました。私のこの緊急質問は、提案説明者石田君が國管事件、昭電事件、纖維事件とかぞえられた、第三の纖維事件に関するものであります。
 初めに、本件の事実関係を申し上げますが、梅村清氏は、繊維事件の渦中にある中心人物であります。ところが吉田首相は、昨年三月十九日付で、あの梅村氏あて手紙の形式によるところの金百万円の政治献金に対する受取書を送つておられるのであります。これは、うわさではなくて事実であつて、その証左は、今月四日午前、東京地方檢察廳沼里檢察官に対し、梅村氏の東亞興業株式会社の関係者の一人村岡氏から、問題のその百万円を受領したという礼状の手紙が提出されているのであります。また、同僚議員星島二郎君が、本日のいくつもの新聞に談話を発表しておられるが、その一つ毎日新聞によれば、梅村氏に総裁から礼状が行つているという談話で、事実を確認しておられるのであります。私は、以上の諸事実に基いて、吉田首相に対して、左の二点について質問をいたします。
 第一点、勅令第百一号の第五條には、政治團体の「主幹者ハ予メ其ノ團体二付左ノ各号ニ掲グル事項ヲ其ノ主タル事務所ノ所在地ノ市町村長(東京都ノ区ノ存スル区域に在リテハ区長)ニ届出ヅベシ、届出デタル事項ニ変更アリタルトキハ七日以内ニ之ヲ届出ヅベシ」とあり、すなわち有力なる財政的援助者の住所及び氏名並びにその援助の金額は届出でねばならぬことになつておりますが、吉田首相は、あなたが受取書を出された梅村氏の百万円献金について、届出をなされたかどうか、これが第一の質問であります。
 第二点、この問題に関する星島二郎君の弁明の談話に、私は吉田総裁に、こういう事情で梅村氏から應援を受けたから、総裁から礼状を出してほしいと頼んだら、総裁は快く承知して礼状を出してくれた、とありますが、これでは、何だか星島君への個人献金に対して吉田総裁が受取りの礼状を出したということになりそうなのであります。他人が百万円献金を受けたのに対して、あなたの名義で受取書を書いて出すということは、常識から考えてあり得べからざることであります。(拍手)だから、これは民主自由党への政党献金であると考える以外に考えようのないものであります。(拍手)星島君は、あの受取りの手紙は破つてくれと梅村氏に傳えてあるとも新聞に談話を発表しておられるが、そういうことが、もし許されるとするならば、いかなる政党献金であつても、受取りさえ破れば、個人献金にただちに変形し得るということになるでありましよう。
 そこで、吉田首相にお尋ねをいたしますが、星島君の言われるごとくであるならば、他人が金を受取つたのに対して、あなたが、あなたの名義の受取りの手紙を出したということになるのであります。私は星島声明は信じたくないのであります。中平常太郎君が、参議院において、本日この問題について質問した場合に、総理は、受取つたから受取りの手紙を出したという答弁をしておられる。同じ事実に関して、星島声明と、この総理の中平議員に対する答弁とは、違つているのであります。この相違の点は、どういうわけであるか、これを総理自身からはつきりと承りたいと思うのであります。これが私の第二の質問であります。
 そして最後に、吉田総理は、麻生太賀吉氏から百三十万円の献金を受けたということを、不当財産委員会において、みずから証言されているのでありますが、そのうち七十万円を党に献金したということまでも、はつきりと明言されているのであります。しからば、その百三十万円は、明らかに、どう使おうとも、それは所得であるが、税務署にこれを申告されているかどうか、これをもあわせてお伺いして、私の質問を終る次第であります。(拍手)
    〔國務大臣吉田茂君登壇〕
#67
○國務大臣(吉田茂君) お答えをいたします。党に献金があつたから私に礼状を出してくれという希望がありましたから、私が礼状を出しましたが、金員の授受について私は何ら関係ないのみならず、梅村という人は、私は全然知らぬ人であります。
 また、先ほどの七十万円云々というのは、私が他から借りて出したのでありますから、税務署とは何らの関係はありません。(拍手)
    〔高津正道君登壇〕
#68
○高津正道君 私は、総理から打明けて御答弁があることを期待したのでありますが、現在の御答弁は、その長さにおいて失望したばかりでなく、内容において、私の質問した第一点の、総裁は主幹者であるから、主幹者は届出なければならないという規定になつておるが、届出をされたのであるかどうか、したのかしないのか、これが第一点。第二点は、参議院における中平議員に対する答弁と、星島君の声明とは違うが、事実はただ一つであつて、違うはずはなかろうと思われるのであるが、これが違うが、どういうわけか。これが第二点。第三点は、百三十万円の税務署に対する申告をしたかどうか。明らかなる聞いてあるから、もう一應御答弁を願いたいと思うのであります。(拍手)
    〔発言する者多し〕
#69
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
    〔國務大臣吉田茂君登壇〕
#70
○國務大臣(吉田茂君) お答えいたします。党への献金であるそうでありますから、私は何ら届出も何もいたしません。
     ――――◇―――――
#71
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、……提出の……取調状況に関する……。
    〔発言する者、離席する者多く、議場騒然、聴取不能〕
#72
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」「異議あり」と呼び、その他発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
#73
○議長(松岡駒吉君) ……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)に異議ありの声があります。それでは、今村君の動議に賛成の方の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#74
○議長(松岡駒吉君) 起立少数。動議は否決されました。
    〔発言する者多く、議場騒然〕
#75
○議長(松岡駒吉君) この際暫時休憩いたします。
    午後七時十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後八時五十三分開議
#76
○議長(松岡駒吉君) 休憩前に引続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
#77
○議長(松岡駒吉君) 田中織之進君より、成規の賛成を得て、議員外崎千代吉君を懲罰委員会に付するの動議が提出されました。右動議を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。田中織之進君。
    〔田中織之進君登壇〕
#78
○田中織之進君 私は、ただいま上程せられました、議員外崎千代吉君を懲罰委員会の議に付する動議について、その提出の趣旨を弁明いたしたいと存じます。
 先ほどの本会議におきまして可決いたされました政界、財界、官界の刷新に関する決議案の討論にあたりまして、この議案に賛成する各党派を代表して討論に立たれましたところの社会革新党の外崎千代吉君の発言中に、いわゆる纖維事件に関係ありと新聞紙が傳えておるわが党の数氏に対しまして、具体的な氏名をさして、さも歴然たる犯罪容疑者であるかのごとき言動をなされたことは、これはきわめて不穏当な言辞であり、いかに國会における言論の自由が許されておるとはいいながら、これは断じて許すことのできない発言でございます。しかも、この点に対しましては、議長からの注意によりまして、外崎君は一應取消しをなされましたけれども、その取消しの態度たるや、何らこの発言がきわめて不穏当であるということを心から反省しての態度とはわれわれは見受けることはできなかつたのであります。しかも、外崎千代吉君の発言には、そのほかにも、たとえば石炭國管事件の容疑者の問題につきましても、特定の政党にのみそれが限られておるかのごとき断定を下したかのごときこの政党を――なりと断定したがごときは、議員みずからいわゆる國会の権威を傷つけるものでありまして、この点は、外崎君から何らの取消しの意思表示もされておらないのであります。
 私が、この動議を提出いたしまする第二の理由は、外崎君は、この決議案に賛成をするところの各党派を代表しての賛成討論であるのであります。この決議案に賛成しておる党派のある者を中傷するがごとき、また自己の党派の立場のみを誇張いたしまして、計画的にこれを傷つけようとするがごとき発言は、きわめて遺憾なことでございます。われわれは、われわれの党派を代表して立つた外崎君を、ここに懲罰委員会に付さなければならないということは、まことに遺憾なことでございまするが、この点は、國会の権威を維持し、議員の品位を向上するという崇高なる使命にかんがみまして、この問題を國会法第百二十一條によりまして懲罰委員会に付してこの言動に対する外崎君の責任を追及しなければならないということを確信いたしまして、ここにこの動議を提出いたした次第でございます。(拍手)
 なお、具体的に氏名をさされた数氏の中には、本日の不当財産委員会に証人として出頭いたしまして、委員会において宣誓をした上において、はつきりと事実を否認したところの証言をなしておる事実があるのであります。もしも外崎君の指摘するような事実があるといたしますならば、当然偽証罪という忌まわしい罪名に問われなければならない。そこまで重大なる決意をいたしまして、この議会内における不当財産委員会において証言をしておるという事実をも、外崎君も本日の本会議に出席しておる一員として、知らないはずはないと思うのであります。そこにわれわれは、外崎君のこの発言が計画的であり、ことにこれらの計画的中傷は、議員の政治的生命にも重大なる影響のある問題である点にかんがみまして、本会議における言論のあくまで公正なるべきことを特に確立いたすためにも、この懲罰動議に対しましては、満場の諸君の賛成あらんことを最後に特に希望いたしまして、この提案の趣旨弁明を終る次第でございます。(拍手)
#79
○議長(松岡駒吉君) 懲罰の動議は討論を用いずして採決いたすのであります。よつて、ただちに採決いたします。田中織之進君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#80
○議長(松岡駒吉君) 起立多数。よつて議員外崎千代吉君を懲罰委員会に付することに決しました。
     ――――◇―――――
#81
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、参議院提出、地方財政委員会法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#82
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議にご異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○議長(松岡駒吉君) ご異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 地方財政委員会法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員長山口好一君。
    〔山口好一君登壇〕
#84
○山口好一君 ただいま上程になりました地方財政委員会法の一部を改正する法律案に関し、地方行政員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地方財政委員会法の一部を改正せんとする、きわめて簡單なる内容を持つものでありまして、改正の第一点は、同法第四條第二号に、國会議員の中から代表者として衆議院議長及び参議院議長の指名した者一人とありますのを、衆議院議員の中からその代表者として衆議院議長が指名した者一人と、参議院議員の中から、その代表者として参議院議長が指名した者一人ということに改め、かつ学識経験者一名を加え、その結果、従來委員の数は五人であつたのを七人に改めようとするものであります。これは、國会議員の代表者のうち、一人は参議院議員ということにしておきませんと、もし衆議院が解散せられましたる場合、國会議員を代表する委員がなくなるからであります。しかしてまた、学識経験者を加えましたのは、かくすることによつて委員会の審議を一層愼重ならしめ、かつ議決に便宜のため委員の数を奇数にせんがためであります。次に改正の第二点は、同法第六條の規定を改正いたし、從來は委員三人以上の同意をもつて会務を決するものとしていたしたのを、今度は委員四人以上をもつて会務を決するものといたさんとするものであります。これは委員の総数が増加した当然の結果であります。
 地方行政委員会におきましては、十二月十日、本法律案の付託を受け、即日委員会を開きまして、本法律案の提出者たる衆議院地方行政委員長岡本愛祐君から提案理由の説明を聴取した後、昨日及び本十二月十一日の二回の委員会において慎重審議をいたしました結果、この程度の改正は必要にしてかつ適当なものと認めましたので、これを可決すべきものと議決いたした次第であります。
 右御報告をいたします。
#85
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#87
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、昭和二十二年度、昭和二十三年度衆議院予備金支出の件を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#88
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異義なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 昭和二十二年度、昭和二十三年度衆議院予備金支出の件を議題といたします。議院運営委員長の報告を求めます。議院運営委員会理事石田博英君。
    〔石田博英君登壇〕
#90
○石田博英君 ただいま議題に供せられました昭和二十二年度及び同二十三年度衆議院予備金支出の件に関して御説明をいたします。
 昭和二十二年度國会予備金のうち、衆議院予備経費の予算額は四百五十万円でありまして、昨昭和二十二年十二月五日までに支出いたしました分については、前常会において承諾を得ておりますから、今回報告の上御承諾を得る分は、その後同年度の予備金から支出いたしました四百十七万三千円と、昭和二十三年度衆議院予備経費予算額七百万円のうちから本年十月二十六日までに支出いたしました四十六万六千円であります。
 その費途は、國会予備金支出報告書に詳記してあります通り、昭和二十二年度分は、在職中逝去された議員の遺族に対して支給いたしました弔慰金と、不当財産取引調査特別委員会において要した経費並びに國会図書館顧問の來朝に関して要した経費と、職員に支給される超過勤務手当並びに議案類印刷費の予算に不足を生じ、これが補足のために支出した経費等であります。また同二十三年度分は、在職中逝去された議員の遺族に対して支給いたしました弔慰金と、國立國会図書館開館式挙行に要した経費でありまして、そのうち國立國会図書館開館式挙行に関して要しました経費は、これを國立國会図書館と参議院及び本院において分担することとしたため本院の分担した経費であります。
 以上いずれも、その都度議院運営委員会の承認を経て支出したものでありますから、御承認あらんことを希望いたします。(拍手)
#91
○議長(松岡駒吉君) 本件は承諾を與うるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて承諾を與うるに決しました。
     ――――◇―――――
#93
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、社会保障制度審議会設置法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#94
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 社会保障制度審議会設置法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員長佐々木盛雄君。
    〔佐々木盛雄君登壇〕
#96
○佐々木盛雄君 ただいま議題となりました社会保障制度審議会設置法案について、厚生委員会における審議の経過並びに結果をご報告申し上げます。
 憲法第二十五條に規定する、國民の健康で文化的な最低生活を保障するためには、現在の社会保険制度や生活保護制度では不十分であり、新しい社会保障の確立が必要なことは申すまでもありません。政府におきましても、かねてより社会保険制度調査会を中心として本制度に関する研究調査を進めていたのでありますが、本年七月、連合軍より勧告の次第もありまして、早急にこれが具体化をはかることとなつたのであります。しかしながら、社会保険制度は、政府行政の各部門にも種々の関係があるばかりでなく、國民各層にも深い利害関係がありましので、その企画立案につきましては、各方面の利害関係者の意見も十分に聞き、慎重に審議を行う必要があります。よつて、從來厚生大臣の諮問機関として設けれておりました社会保険制度調査会を廃止し、新たに内閣総理大臣の所轄のもとに社会保険制度審議会を設置して、本制度の立案企画等について万全をはかろうとするのが、政府の本法案提出の理由であります。
 本法案は、本月十日厚生委員会に付託せられ、十一日政府の提案理由の説明の後、ただちに審議に入り、各委員と政府との間に活発熱心なる質疑應答が行われたのであります。かくて、本日審査を終わり、討論を省略して採決に入りましたところ、全員一致をもつて本案を原案通り可決すべきものと決した次第でございます。
 以上、簡單ながら御報告申し上げます。(拍手)
#97
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#99
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、食糧管理法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#100
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程を追加せられました。
 食糧管理法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員長坂本實君。
    〔坂本實君登壇〕
#102
○坂本實君 ただいま議題と相なりました、内閣提出、農林委員会付託にかかわる食糧管理法の一部を改正する法律案に関しまして、委員会におきまする審査の経過並びに結果の概要を御報告いたします。
 御承知のごとく、食糧配給公團の基本金は八千万円でありますが、この基本金は、什器備品の取得及び常備在庫品の購入以外の用途に使用することは許されないことになつておりまするので、全國約一万五千に上る配給所を持つ食糧配給公團といたしましては、この金額では、常備在庫品の購入はもとより、日常の配給に必要な資材を整備いたすことから困難でありまして、公團の業務能力を一層整備する必要が認められまする今日、同公團の基本金につき五千万円の増額行いたいいうのが、本法案提出の主要な理由であります。
 本法案は、十二月十日農林委員会付託となり、十一日、政府より提案理由の説明を聞き、質疑應答を行いましたが、本法律案の趣旨は至つて明瞭でありますので、討論を省略して、ただちに表決に付しましたところ、全員一致をもつて原案の通り可決すべきものと議決いたしました次第であります。
 以上、簡單ながら御報告といたします。(拍手)
#103
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者ある〕
#104
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたします。
    ―――――――――――――
#105
○今村忠助君 國務大臣の演説に対する質疑を延期し、明十二日定刻より本会議を開くこととし、本日はこれにて散会されんことを望みます。
#106
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後九時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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