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1948/12/18 第4回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第004回国会 本会議 第16号
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1948/12/18 第4回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第004回国会 本会議 第16号

#1
第004回国会 本会議 第16号
昭和二十三年十二月十八日(土曜日)
 議事日程 第十五号
    午後一時開議
 第一 自由討議
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
 議員外崎千代吉君を懲罰委員会に付するの宣告
 重要産業労働争議解決に関する決議案(片山哲君外三名提出)
 肥料輸入に対する感謝決議案(坂本實君外十三名提出と砂糖消費税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後四時三十一分開議
     ――――◇―――――
#2
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
#3
○議長(松岡駒吉君) 議長は、去る十二日の院議に基き、外崎千代吉君に対し公開議場において陳謝の意を表すべきことを命じます。外崎千代吉君の登壇を求めます。
    〔外崎千代吉君登壇〕
#4
○外崎千代吉君 自分は、議会政治を認め、また政党を愛し、ともに國家國民の生活を一員憂うるの余り、すなわち憂國の至情やみがたく、去る十一日の本会議において綱記粛正の演説中、穏当を欠くの言辞ありしことは、申訳なく考えております。同時に、議長の注意を尊重し、ただちにその場において取消しをしたのであります。しかるに、懲罰委員会に付され、陳謝せよとありますが、まつたく前言のごとくであるので、お示しのごとき陳謝文を朗読することは自分の本旨に反しますので、ここにせつかくでありますが、陳謝文は議長まで御返却申し上げます。
#5
○議長(松岡駒吉君) 外崎君は院議に従いませんから、議長は外崎千代吉君を懲罰委員会に付することといたします。
     ――――◇―――――
#6
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、片山哲君外三名提出、重要産業労働争議解決に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際上程し、その審議を進められんことを望みます。
#7
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 重要産業労働争議解決に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。田中源三郎君。
    〔田中源三郎君登壇〕
#9
○田中源三郎君 ただいま上程になりました重要産業労働争議解決に関する決議案の提案理由を説明いたします。
 まず、説明の前に決議案を朗読いたします。
  現下頻発せる電産、石炭、海員等の争議に対して、政府の無為無策は徒らにその解決を停頓せしめ、復興途上のわが國産業に重大なる支障を與え、國民生活に不安と脅威とを與えている。
  政府は急速に適切なる措置を講じ、争議の終嫁を図るとともに関係労働者の生活安定と生産への意欲発揮とを図るべきである。
  右決議する。
 吉田内閣が成立いたしますと同時に、國内の労働者は多大の不安にかられたのであります。これは少くとも吉田首相の良心からでないとしても、総理の過去の言動がそうせしめたのでありまして、國内労働者のみでなく、國外に日本の民主化を数年退歩せしむるものであるという外國の諸新聞の報道を見たことによつて、必ずしも労働者のみの持つ不安でなかつたのであろうと思うのであります。
 第一次吉田内閣以來の一貫したところの古い自由主義、資本主義的な基調に災いされまして、財政経済の両政策の合理的な堅実性を欠きたる結果であると思うのであります。いかに一定の制約の諸條件下にあるわが國の経済産業の必然性の現実であると申しましても、終戰後の第一時吉田内閣以來の経済財政の復興政策の基調の重大なる誤謬に基因するといわなければならないのでありまして、なかんずく終戰後の國家社会の変革に際して、労働者の心理を無視したる労働政策のごときは、わが國産業経済再建に重大なる支障を來さしめ、加うるに現下わが國の持つ財政経済的諸條件を軽視したるがごとき感を與うる財政経済の施策は、財政の堅実性を緩慢にし、インフレを助長し、企業の再建を遅延せしめ、かえつて労働争議を誘発続出せしむる結果を生ぜしむるに至つた次第であります。
 今発生せる重要産業中の石炭、電氣、船舶労働者の争議の事態を見まするに、電氣産業におきましては、爭議参加人員十四万に上り、これらの爭議の原因は、労資の間に円満なる妥結を見ず、遂に政府の強制調停により締結せられたる爭議解決の諸條項が実施せられざるに基因し、中労委もまた、その声明をもつてその立場を明らかにせるところであります。しかして電氣産業 従業員も、かくのごとき事態に立ち至り、自己の生活権を保持するために、遂に波状ストより全面的な爭議の事態に移行せんとしつつあるの現状を呈しておるのであります。
 また船舶の海上労働者におきましては、その大部分が今日わが國の戰標船でございまして、その能率の低き船によるところの悪條件を克服し、生命を賭して職務に従事せるものでございまして、すなわち九月以前の現行賃金に対しまするところの乗船中の手取り三〇%増の中労委の裁定が決定されたのであります。これに対しましては、船舶運営会並びに政府は中労委の裁定に同意せられたのにかかわらず、その支給を現在に至つてもまだ見ないのであります。九月以降のいわゆる團体協約の面におきましても、労資の間におきましては、いまだその円満なる締結を見ておりませんが、これらの海員労働者は、國家の産業再建の重要性を痛感いたしまして、幾部分不利なるところの條件にあるその使用者の提案すら受諾して、もつて今日の輸送能力を発揮せしめんとするところの心構えがあるやに仄聞せられるのでございます。しかしながら、かような事態に置かれて、すでに九月以前におきまするところの、その決定されたる賃金も、今日まだ入手するに至つていないのであります。海員労働者が、かくのごとき事態に置かれて、遂にこれを座視するあたわずして、今日爭議に入つたのであります。すでに約十五日間以上の爭議を経過いたしております。この海員ストの実態を見まするに、過去の海員爭議におけるところの歴史の上において、二大爭議の段階に入らんとする傾向を帯びつつあります。すでに全船舶は停船し、海上輸送の大半は停止し、日々産業界に甚大なる影響を與えておる事態でございます。しかしてこれらは、いつ底止するともはかり知れないのでございます。
 また、石炭は産業の基盤でありまして、その消長は國家産業の消長を左右するものでありますことは、いまさら私がここで繰返す必要もないのでございまするが、現爭議の段階を見まするのに、十一月十日以降十二月二日までの通計爭議参加人員は、八十八万一千七百五十九人に上つております。この参加いたしましたる炭鉱の数は七百九十六でありまして、二十万五千四百十二トンの出炭減を來しております。おそらく本年度の予定出炭量から見ますならば、百万トン近いところの石炭がこの予定より出炭減になつて來ておると思うのでありまして、これらの波状ストは漸時拡大の状況に向いつつあるのであります。加うるに石炭業界では、すでにこの炭鉱の状態により三十億円の赤字を経営面に出しております。そして、この炭鉱の未拂いはますます増加して参りまして、関連産業を圧迫しつつある事案を見のがすことは今日でき得ないのでございます。これら、すなわち海上船舶における従業員、電気産業の従業員、炭鉱の従業員以外に、わが國における最も穏健なる労働團体として見られておりますところの、すなわち繊維紡績界におきまして、その紡績業従業員が、今や爭議を起さんとするかのごとき段階に置かれつつあるということを、われわれは見のがしてはならないのであります。もしわが日本の國の紡績界におきまして、この争議が誘発いたしますならば、わが國今日の対外決済上の唯一の重要なる使命を占めておりますところの綿紡績におきまして、将来非常な大きな影響を來すのみならず、さらに、われわれが企図するところのわが日本の紡績復興の六百万錘――現在四百万錘許されおりまするが、われわれのの祈願する六百万錘の復興に至る階梯に対して重大なる支障を與えるものと、われわれは懸念いたす次第であります。かように、海上の船舶、石炭、電産あるいは紡績の事態が発生いたしまするならば、おしなべて、この一連の重大企業の爭議がここに発生されるものといわねばならぬのでありまして、今日のこの爭議の傾向は、年末に向つて、波状ストより遂に全面的な大きなる爭議に入つて行く形勢を惹起いたすのであります。もしこのままにして放置いたしますならば、遂にはわが國の産業を麻癒せしめ、國民生活を脅威し、憂慮すべき事態の発生は必然的であります。思うに政府は、これらの爭議発生にあたり、いま少しく事の重大性にかんがみ、よく労働者の心理を理解し、熱意と誠意と努力をもつて労資の間を調整し、政府の持つ正しき権限の行使と、その予算措置を講ずるときは、この爭議は未然に防止することを得たるものと私は信ずるのであります。少くとも今日におきます電産協約における三箇月のスライド制の問題にいたしましても、海員労働者の問題にいたしましても、予算措置を講じておきまするならば、決して今日のごとき大なる爭議の発生することを見ずして済むことができたのであります。これは私は、政府に熱意がなかつたと申すよりほかに道はない。いわゆる古き資本主義、自由主義の経済施策に災いされて来た労働者に対する労働政策が、まつたく無策であつたと私は考え得られるのであります。しかるにまた、これらの面から考えて見ます場合に、この労働條件によつて協約の妥結を見たる幾多のものが、その予算措置の遅延によりまして爭議解決をかえつて遅延せしめ、外資導入をして外國の熱意を稀薄に導く感を與んしめ、のみならずわが國産業の再建を阻止する事態を発生せしめるに至りましたことは、その罪は政府にありと断ぜざるを得ないのであります。ゆえに政府は、その責を重んじ、すみやかに國家産業の基盤をなすこれら重要企業の爭議を解決し、もつて労働者の生性意欲を促し、國民生活、企業の安定をはかるべきであります。これすなわち本決議案を提出するゆえんであります。何とぞ満場一致本決議案に御賛成あらんことを要望いたします。(拍手)
#10
○議長(松岡駒吉君) 討論の通告があります。これを許します。島上善五郎君。
    〔島上善五郎君登壇〕
#11
○島上善五郎君 ただいま上程になりました重要産業労働爭議解決に関する決議案に対し、私は日本社会党を代表して賛成の意見を述べたいと存じます。
 すでに提案の趣旨弁明によつて明らかにされましたように、また昨日の本議場における同僚議員諸君によつても指摘されましたように、今や電産、海員、石炭、繊維、私鉄、全金属等わが國重要産業の血であり肉であるところの基礎産業の爭議は、まさにきわめて重大なる段階に入つております。もし、このまま政府が無為に過すならば、歳末を控えまして、事態まことに憂慮すべきものがあるといわねばなりません。思うに、これらの爭議は、電産のように、今年春の中労委の裁定案を会社が実行しないことに端を発して、半年以上の長期に及ぶものがあり、その他いずれも長い期間にわたつております。労資双方の折衝はもとより、中労委の調停等、労働組合側としましては盡すべきあらゆる手段を盡して、最後の最悪の事態、すなわちストライキに訴えざるを得なくなつたのであります。これが解決のかぎは、かかつて政府及び資本家側の責任にあるというべきであります。労働組合のおきらいな吉田総理大臣は、争議が起るとすぐ不逞の徒の煽動であると言いたがるのでありますが、一体現実の労働者の生活実態に対して、はたして目を開いてこれを見ておるかどうか。昨日の本議場における答弁で、増田労働大臣は、繊維争議について、五〇%増という非常にけつこうな案ができて、近く解決すると言われておりましたが、紡績労働者が現在税込み千五百円という初任給で働いておるというこの事実を知つておるかどうかを疑いたい。手取り八百八十三円、いなかへ帰るためには、半年働かなければその旅費ができないというような驚くべき事実が、今日存在しておるのであります。人身賣買といわれ、女工哀史を生んだ大正年代の労働條件よりもさらに劣悪であるといつても、決して過言ではないのであります。
 炭鉱における争議はなぜ解決しないか。資本家の一提示した最初の案は、一人当り八百円の政府補給金のほかに、一わずかに四百五十五円を、しかも一人当り六・六トンを生産するという。現在の施設・設備では不可能に近い労働強化を交換條件として、わずかに四百五十五円を出すというにすぎない。こんなことでは、断じて現在の争議は解決されるものではありません。
 さらに全國の私鉄は、本日もこの國会の外でデモを行つておりましたが、その代表者の語るところによりますれば、二・四人家族で五千二百六十六円という、人事委員会が政府職員の給與として勧告した案よりもさらに低いものを、経済三原則に名をかりて資本家則が拒否しておるのであります。電産の争議は、先ほども言いましたように、中労委の裁定案を資本家が実行しないことに端を発しておるのでありますが、政府は昨日も、調停の精神は尊重するが、数字には賛成できないと言つております。調停の精神と、その結論である数字とを、別個にして考えておる。こんなでたらめな、誠意のない態度であつては、断じて争議は解決いたすものではありません。(拍手)電産の諸君は、電力復興に対して、いかにまじめな協力をしておるか。一一七%という優秀なる実績をあげておるのであります。私は、政府及び使用者側において調停案を当然受諾実行すべきことはもちろんでありますが、この調停案は五千三百円ぺースを基礎にしてつくられたものでありますから、六千三百円ぺースになりました今日、この調停案も、この基準によつて当然組みかえらるべきものだと考えているのであります。海員につきましては、提案者が相当詳細に述べられましたので、私は省略いたしますが、以上の電産、繊維、石炭、海員、私鉄あるいは全金属等の争議の悪化の原因は、経済三原則に籍口するところの使用者と政府、特に政府の無誠意と無能と怠慢の責めに帰すべきものであると断じて差支えないと思うのであります。(拍手)
 今や、これら重要産業のストライキは、電氣がとまり、電車がとまり、船がとまり、機織機械も炭鉱も眠ろうとしております。そうして、これに参加している労働組合は、産別会議あり、総同盟あり、中立あり、もし政府が権力の重圧によつて事を処理せんとするならば、おそらくは七百万全日本の組織労働者が総蹶起をもつてこたえるであろうと私は思うのであります。(拍手)われわれは、祖國日本を愛するがゆえに、日本の経済のすみやかなる復興と自立を念願するがゆえに、かかる事態のすみやかなる解決を要求してやまないものであります。民主自由党が政権をとる直前に公約した政策、生産第一主義、高能率、高賃金の政策は、もともと実行の具体的なプランも熱意もないところの、選挙のための手形でありましたので、この政策が破綻するのは何ら異とするに足らないのでありますが、われわれは、今日の事態は、國全体のために、もはや一日一刻も猶予することのできないものであると考えまして、ここに、政府において責任をもつて労働者の要求に理解と誠意を傾けまして、以上重要産業の争議をすみやかに年内に解決されんことを強く要求いたしまして、ただいまの提案に賛成するものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○今村忠助君 この際暫時休憩されんことを望みます。
#13
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつてこの際暫時休憩いたします。
    午後四時五十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後六時五十一分開議
#15
○議長(松岡駒吉君) 休憩前に引続き会議を開きます。大島多藏君。
    〔大島多藏君登壇〕
#16
○大島多藏君 私は、ただいま上程せられております船員、電産、炭鉱の争議解決の促進を政府に要求する決議案に対しまして、国民協同党を代表いたしまして賛成の意を表し、あわせて政府に対し嚴重なる警告を発せんとするものであります。
 電氣産業の争議は、勃発後すでに数箇月を経過いたしまして、現下の困難なる國民生活に一層暗黒感を與えておる次第であります。前内閣時代、石炭の生産は、官民の努力によりまして、ようやくにして生産目標を達成せんとする段階にまでこぎつけたのでありますが、これら電力、石炭が、日本経済の打開と國民生活の改善に重要欠くべからざる基礎資材であることは、もちろんであるのであります。一方、最近勃発せる船員争議と相呼應いたしまして、國丙産業全般にわたり重大な障害を與え、これら争議の進展いかんによつては、さらに他の重要産業に悪影響を及ぼす、眞に憂慮にたえない実情となつておるのであります。
 由來、全日本船員組合は、各種労働組合の中におきましても、極左的傾向のきわめて少い、穏健なる組合であるのであります。かかる穏健なる組合をゼネストにまで追い込んだことは、いたずらに産業復興の一大障害を來すのでありまして、一に吉田内閣の怠慢によると断ぜざるを得ないものであります。船員の雇用主は船舶運営会でありますが、政府からの補助金によつて運営をしておる関係上、政府の後援なくしては何ともいたし方がないのであります。この問題に関しましては、小澤運輸大臣は相当の努力をしておられるようでありますが、財政当局は全然無関心で、冷淡きわまるものであることを、はなはだ遺憾とする次第であります。かくて、船舶、電産、炭鉱のごとき超重点産業をかくのごとき重大事態に放任するがごときは、さらでだに困難なる日本経済をして、遂には再び救うことのできない崩壊のふちに陥れる結果になると思う次第でありまして、これらの点については、労働組合側の諸君も愼重なる考慮を拂われんことを希望するものでありますが、この責任はあげて政府において負うべきものであると思うのであります。政府は一日も早く事態收拾に努力をして解決せられんことを、ここに嚴重に警告するものであります。しかしながら吉田内閣は、すでにその組閣に際しまして、他党の勧告と協力とをみずからしりぞけまして、單独劣勢内閣の組織を強引に敢行したることは、これ自体民主政治の本旨に背反するものでありますが、さらに今日まで二箇月の間、施政の実績を見ますときに事ごとに独善的かつ挑戰的態度をとり、いたずらに内外に摩擦を醸成しておりまして、殊にその極右的性格は、勤労大衆との間にますます離反を助長いたしまして、加うるに從來の無能怠慢は、あるいは不幸にして收拾解決は現内閣の手においては不可能なるにあらざるやの危惧を持たざるを得ない次第であります。(拍手)もし、かかる状態を荏苒持続することがありましたならば、勤労大衆の生活苦をますます、深刻ならしめ、その結果は、あるいは彼らをして極左陣営に追いやるの危険なしとしない次第であります。日本経済の全般に恐るべき重大事態を招來するのおそれなしとせない次第であります。
 かれこれ総合的に実情を判断いたしまして率直に申し上げますならば、もし政府は争議解決の能力がなく、いたずらに秕政を続けるものといたしますならば、わが國の不幸これより大なるものはないと思う次第でありまし。よつて、現内閣にして争議解決の自信なくんば、よろしく総辞職を敢行すべきものと、私は信ずる次第であります。
 政府に対して嚴重なる勧告を付して、本案に賛成をいたす次第であります。(拍手)
#17
○議長(松岡駒吉君) 水野實郎君。
    〔水野實郎君登壇〕
#18
○水野實郎君 私は、社会革新党を代表いたしまして、ただいま上程されておりまする重要産業労働争議解決に関する決議案に賛成するものでございます。
 敗戦後すでに三年、わが國重要産業の復興は遅々として進まず、祖國再建のなる日は、はたしていつの日でありましようか。振りかえつて思うに、復興を妨げた最大の原因は、さきの吉田内閣時代における石橋大藏大臣の放漫なる財政支出に某くインフレの高進にあることは、すでに諸君のよく御承知のことと思うのであります。(拍手)しかして、今また吉田茂氏は、内閣総理大臣の地位にあつて、祖國再建の最大責任者であるにもかかわらず、去る十一月半ば組閣以來何らの施策も持たず、在野時代の公約については知らぬ顔で済ましておるのであります。あまつさえ、うわさされるごとく、炭鉱疑獄事件の民自党に波及するのを恐れるのあまりか、いたずらに早期解散を叫び続け、この冬の寒空のまつただ中に勤労者を放置し、何ら顧みようとしないのであります。電産、石炭、海運と、相次いでわが國産業の根幹をなす重要産業にストライキが生じているのも、かかる吉田現内閣の失政によるものであると断じてはばからないものであります。
 しかもなお吉田内閣は、今日に至るも官公吏の給與予算案を決定することもできず、ただべんべんとして日を送り、事態の悪化にほおかむりをしている状態であります。これは、口に民主主義を唱える吉田内閣総理大臣が、その実はかつて、働く国民に対し不遇のやからという暴言は吐いたときと今なお同じ考えを持つことの証左であつて、わが党としては、断じてこれを許し得ないのであります。(拍手)
 ここに重要産業労働争議解決に関する決議案上程に際し、社会革新党を代表して本決議案に賛成するものであります。(拍手)
 もとより現下の國家財政の窮迫は、労働組合の諸君の要求をまつたく満たすことはできないのでありますが、しかしながら、政府が誠意を盡し、努力の最大を拂つて当るときは、労働組合の諸君も、乏しきを忍び、祖國再建のため敢然としてその職場に帰るものと信じて疑わぬものであります。そこでわが党は、今後の政府の施策に対しまして、働く國民を代表し監視に当るとともに、すみやかな実行を要求するものであります。なお別の機会に、かかる事態を招いた吉田内閣の失政に対し、その政治的責任を追及し、すみやかに挂冠することを要求することを留保し、本決議案に賛成するものであります。(拍手)
#19
○議長(松岡駒吉君) 玉井祐吉君。
    〔玉井祐吉君登壇〕
#20
○玉井祐吉君 私は、労働者農民党を代表いたしまして、ただいま議題となつておりまする重要産業労働争議解決に関する決議案に対し賛成の意を表するものであります。
 この労働争議自体の持つ性質は、言うまでもなく日本の産業自身の復興の最後のかぎを握つておるといわなくてはならないのであります。しかも、この労働争議の中心になつておるところの労働組合は多数ありますけれども、特に海員組合、電産等における労働争議は、かつて芦田内閣当時締結されたところの中労委の仲裁案に対して政府が受諾しておつたにもかかわらず、その後現在の政府においては、これを具体的に支拂つていないというところに原因か持つておるのであります。しかも昨日の答弁におきましては、運輸大臣より、海員組合の諸君に対しては三〇%として五億の金が出るのだというように、非常に安心したような、また最も正しいやり方をしたような御答弁があつたのでありまするが、かようなことは非常な間違いである。
 およそ現在の労働組合の諸君が現在の争議を起しておる理由は、結局生活することができないという点における要求であることを忘れてはならない性質のものであると思うのであります。最低賃金とは、すなわち各労働者の諸君が家に帰り、みずから休養し、翌日の労働力を確保し、かつまた自分の家族とともに次のゼネレーシヨンへの労働力を生産して行くための、最も必要にして、しかも先を欠いては労働力の再生産、次の世代の労働力をも維持することができない性質の、最も緊急おくあたわざるところの賃金である性質のものであります。促つて、労働力の再生産を考慮していないような最低賃金というものは考えられず、しかも現在これらの労働組合の諸君が要求しておるところの最低賃金の要求というものは、絶対に政府において支持しなければ、産業の復興などということは単なる空文にすぎないといわざるを得ないのであります。
 特に現在の世情のもとにおいて、政府はいろいろな質問に対し、各種の決議案に対し、それぞれ、形式的なる答弁をしてはおります。また現にたくさんの決議案が出てはおります。しかしながら、國会で決議をしたというだけでは、労働者は決して食えないのであります。しかも政府が、形式的に、各政党の側からの質問に対して要領よく答弁をしたからといつて、労働者は相かわらず食えないのであります。(拍手)こういう点を忘れて産業の復興を口にするということは、國民を、全勤労大衆を欺瞞するもはなはだしいやり方といわざるを得ません。
 今まで幾多の人民大会の中でも、本日も再び人民廣場において人民大会が開かれ、しかもその席上に一万の労働組合員諾君が集まつて、この要求をあくまで貫徹してほしいという大会を開いたわけであります。こういう声は、國会にも通つておるか、通つておらないか。また政府が、はたして眞剣に働く日本の勤労者の立場を考え、これらの人々に手を打つて日本の再建をやろうとしておるかおらないかということは、この問題にかかつているといわざるを得ません。
 以上の理由をもちまして、私は労働者農民党を代表して、この決議案に賛成の意を表するものであります。
#21
○議長(松岡駒吉君) 中野寅吉君。
    〔中野寅吉君登壇〕
#22
○中野寅吉君 私は、新自由党を代表して本案に賛成する意見を述べます。
 労働争議の早急なる解決は皆望んでおるのであります。だれも、けんかしたい人はないです。そこで、ただいまは何よりも産業が第一であります。解散よりも生産が第一であります。(笑声、拍手)そこで労働、すなわち生産の段階における労働の價値は、寅吉が申すまでもなく、皆様がよく御承知である。労働なくしては生産はできません。その労働者を怒らせるということは、すなわち産業を阻害することとなるのであります。(拍手)
 働くとは、自分だけ樂になるのでない。すなわち、はたの人を樂にさせるのが、はたらくであります。(笑声)しかるに、ほたの人を樂にする活動を怒らせるということは、はなはだ残念である。ただいま、まだ給與もきまらないので、はたにおる妻、はたにおる子供、またはたにある関係者は、この給與問題が解決しないか、佐藤官房長官はまだ帰らねえかと、首を長くしておるけれども、どうなるかわからない。この船員、電氣関係その他の人が、ゼネストを起したり、停電したりしている。しかし、これも仕方あるまい。
 それよりも、もつと深刻なことは、私も農業をやり、坊さんをやつておりますが、農家の方では、決して争議などは起さないで、ただ黙々としてやつておるのであります。(拍手)鳴くせみよりもなかなかに、鳴かぬほたるが身焦がす、ということがあります。政府のやり方が悪く行けば、あるいはこの黙つている農民もまた労働争議を起さぬとも限りませんから、どうぞひとつ、よろしく政府においては、この点も御苦労を願いたいと思うのであります。(拍手)
 そこで、インフレという悪魔を退治する妙薬は、これは生産丸という薬であります。その調剤師は、何としてもこの勤労という先生の手によるしかないのであります。(拍手)そこで、今日マ元帥の指令でも、すべての重要國産原料、材料並びに工業製品の生産を増大せよとある。この至上命令は、いかにがんこな吉田さんでも聞かざあなるめと思うのである。(拍手)
#23
○議長(松岡駒吉君) 北二郎君。
    〔北二郎君登壇〕
#24
○北二郎君 私は、日本農民党を代表いたしまして、本決議案に賛成するものであります。
 本決議案が今上程なされるということは、それの責任は、自由党はもちろんのこと、前内閣を構成しておりましたところの社会、民主、國協いずれの政党にも大きな責任があると言つて、はばからないと思うのであります。つまり、眞に労働者を理解する政党がなかつたということを言つても、はばかからない思うのであります。これと同時に、労働者諸君に対しましても、大いに反省を要するところがあると思うのであります。また、かかる決議案が上程されましたることは、現在日本における大政党並びに政治家の政治力の貧困も一つの大きな原因であろうと思うのであります。さらにまた申し上げたいことは、労働者諸君がいかにして喜んで労働に従事するかということにつきましては、各政党が積極的な建設原理を持つておらず、きわめて浅薄な理念でやつておると思うのであります。
 一例をあげますれば、労働者の収入面にはいろいろな論議がなされますが、他面消費の面においては、これと同じような論議を見ないことはまことに概嘆な次第であります。私は、収入の面ももちろん大切であろうと思うのでありますが、いかにして労働者諸君の消費を節約するかということを、もつと掘り下げて考えねばならぬと思うのであります。毎日々々欠くべからざる労働者諸君の主食につきましても、これを考えてみますと、公團法の名のもとに、政府が一片の政令のもとに取るところの中間マージンが非常に多過ぎる。その他すべて生活用品に対する中間マージンも非常に多いのであります。すなわち、生産者、消費者ともにこれを苦しめておるのであります。かかる経済組織では、いかにしても完全なる労働者諸君の生活形態は生れるものではない。
 そこで、今後いかなる経済組織で行くべきかということが基本的な問題となつてくるのであります。ここに、わが党の主張する眞の協同組合原理による相互扶助組織と、生産組合と消費組合との直結による生活方式が必要となつて來るのであります。それゆえに、これまで掘り下げて解決しなければ、他に方法はない。私は、他にどう考えても方法がないと確信いたしておるのであります。かかる意味におきまして、私は本決議案に賛成するものであります。(拍手)
#25
○議長(松岡駒吉君) 林百郎君。
    〔林百郎君登壇〕
#26
○林百郎君 私は、日本共産党を代表いたしまして、重要産業の争議解決の決議案に賛成したいと思うのであります。
 この問題につきましては、一部極左分子の指導によるというような意見もあるのでありますが、この争議の責任がはたして労働者側にあるのか、あるいは政府の経済政策の無能にあるのかということを、私は簡単に述べてみたいと思うのであります。吉田内閣は、組閣以来、賃金の三原則としまして、赤字補給金は出さないということ、均衡財政をとるということ、マル公の價格維持をする、この條件のもとに賃金の問題を決定するということを言つているのでありますが、赤字補給金を出さないということは、今度の追加予算の中に二百億に近い價格補給金を出していることによつて、みずからがみずからの賃金原則を破つておるのであります。しかも、マル公の價格維持をすると言いながら、為替レートの設定に基いて、四月にはマル公の改訂は必至であるということを、またこの内閣は声明しておるのであります。この点におきましても、マル公價格維持自体この内閣によつて破られることは明らかであります。しかも、均衡財政をとると言つておりますけれども、むりな徴税――大口脱税はそのままにしておいて、大衆的な税収奪には、すでに大衆はその負担に耐えかねておるのであります。従つて、徴税の成績は順次下降線をたどつておるのであります。この点から言いましても、均衡財政はすでは不可能であるということは明瞭であります。
 従つて政府が、みずからつくつた賃金三原則を破つておきながら、労働者だけにこの賃金三原則に基く賃金を押しつけるということは、政府側に明らかに責任があると思うのであります。先日起きました泉山問題も、これは決して単なる酒の上の問題ではなくて、この吉田内閣の財政政策が不可能になつた苦悶の象徴であるということは、明らかだと思うのであります。(拍手)泉山問題が起るやいなや、常に政府の生命線であるところの政府職員賃金五千三百円の案を撤回せざるを得なくなつていることは、これを明瞭に物語つておると思うのであります。
 五千三百円は、戦前のわずか十二円であります。これでどうして政府職員並びに労働者の生活ができるでありましようか。しかもこれに当るに、増田労働大臣は、刑法、軽犯罪法、公務員法、あらゆる方法によつて労働者を弾圧しておるのであります。私は、この事態の責任は明らかに吉田内閣の財政政策並びに労働政策の破綻が原因であるということを、はつきり申し上げておきたいと思うのであります。
 従つてわれわれは、本決議案の趣旨をすみやかに吉田内閣は実行すべきだと思うのでありますが、もしこれが実現できない場合には、この決議案にもかかわらず、不幸なる事態はますます拡大するということを銘記すべきであるという重大な警告を発して、私はこの決議案に賛成するものであります。(拍手)
#27
○議長(松岡駒吉君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本件は可決されました。(拍手)
 政府より発言を求められております。この際これを許します。労働大臣増田甲子七君。
    〔國務大臣増田甲子七君登壇〕
#29
○国務大臣(増田甲子七君) 御決議の趣旨はとくと了承いたしました。この際、争議のうち解決したものについて皆様に御報告申し上げたいと思います。それは、繊維のうち化学繊維は、今朝の四時に中労委の調停案を労資双方がのんでくださいましたために、円満に解決いたしました。それから石炭の争議は、今せつかく團体交渉が進行しておるということを申し上げましたが、これもきわめて好難いたしておりまして、不日必ず解決できるはずであります。
 政府といたしましては、御決議の趣旨は厚く尊重いたしまして、各種の争議をできるだけ早期に解決すべく十分努力を傾倒いたす所存でございます。何とぞ皆様におかれましては、この上とも私どもに御協力、御鞭撻あらんことを切にお願い申し上げる次第であります。(拍手)
    〔國務大臣小澤佐重喜君登壇〕
#30
○國務大臣(小澤佐重喜君) ただいま可決になりました決議案の趣旨は、十分了承いたしました。従いまして、政府といたしましては、かねてこの線に沿うて努力して参つたのでありますが、ここに満場一致をもつて、ただいまの決議がありました以上は、ますます鞭撻いたしまして、皆さんの御協力のもとに、すみやかにこれを解決したいと思うのであります。
 なお一言申し上げたいことは、本件船員争議の根本は、昨日成重君の御質問によつてお答え申した通り、一番重大な問題は、六月以降の旧水準に対する三〇%の支給という問題が、三項目のうちの最も大きな問題であります。この金額は、すでにただいま御審議を願つておる追加予算に計上いたしておるのでありまして、この予算案の審議を一日もすみやかに終了していただくことは、少くともこの船員争議の解決の端緒をもたらすものでありますから、どうぞすみやかに御審議あらんことをお願い申し上げます。
     ――――◇―――――
#31
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、坂本實君外十三名提出、肥料輸入に対する感謝決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際上程し、その審議を進められんことを望みます。
#32
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 肥料輸入に対する感謝決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。坂本實君。
    〔坂本實君登壇〕
#34
○坂本實君 私は、ただいま緊急上程と相なりました肥料輸入に対する感謝決議案に関しまして、各党各派を代表し、趣旨の弁明を行わんとするものであります。
 まず、決議案文を朗読いたします。
   肥料輸入に対する感謝決議
  わが國の農業は、主として多量の肥料を投下することによつて生産力を維持し來つたが、戦時戦後を通じて、肥料生産は著しく低下し、ために深刻なる食糧危機を招來することとなつた。
  しかるところ、アメリカ政府並びに連合軍総司令部当局は、困難なる條件の下に、絶大なる好意と理解とを示され、一面、巨額の食糧を輸入せられるとともに、地面、肥料輸入について特段の措置を採られ、以て國民生存の基礎たる食糧問題の解決を促進せられつつある。
  衆議院は、國民経済漸く再建の緒に就かんとする今日、ここに思いを致し、アメリカ政府並びに連合軍総司令部に対し、全國民を代表して、衷心より感謝の辞を捧げるとともに、併せて今後一層の御支援を仰がんとするものである。
  右決議する。
 さて、試みに最近四箇年間に輸入せられました肥料の数量を見まするに、昭和二十年、窒素肥料九万三千トン、昭和二十一年、カリ肥料四万六千トン、昭和二十二年、窒素肥料三十八万九千トン、カリ肥料五万一千トン、昭和二十三年、窒素肥料三十四万二千トン、カリ肥料一万八千トン、総計窒素肥料八十二万四千トン、カリ肥料十一万五千トンとなつているのでございます。全消費数量に対します輸入量の比率はい窒素肥料におきまして平均二割四分、カリ肥料におきましては実に九割一分に達するのでございます。
 御承知のごとく昭和二十二年度におきましては、全國的な食糧一割増産運動を展開し、幾多悪條件の集積下にもかかわりませず、幸いにして所期の目標に近い成績をあげ、供米実績もすこぶる順調でございまして、昭和二十四米穀年度以降二合七勺の配給を断行し、國民生活の前途に少なからず光明を見出し得たのであります。
 かくのごとく、國内食糧事情が一般的に好驚いたしましたことは、もとより全般的に恵まれた氣象條件と、農民諸君の非常なる犠牲心の発露によりますことは、もちろんでありますが、何と申しましても、アメリカ政府並びに連合軍総司令部の高邁なる占領方針により年々輸入せられます食糧並びに肥料の恩恵によることは、多言を要しないところであります。
 しかしながら、一歩退いて考えますとき、過去施肥量反当り硫安換算七貫目ないし八貫目に対しまして、今日ようやく五貫五百を與え得るにすぎず、ことにカリ肥料におきましては、國内生産はきわめて困難なる事情にあります。今後食糧増産の実をあげまするためには、もちろん國内的には石淡、電力、硫化礦等の増産によるべきでありますが、これらの需給状況がきわめてきゆうくつな現状のもとにおきましては、輸入肥料は嘱望するところ、ますます大なるものがあるのであります。
 私はこの際、輸入食糧が果しつつある偉大なる役割を深く認識し、諸君の御賛同を得て、アメリカ政府及び連合軍総司令部御当局に対して満腔の謝意を表するとともに、今後皆様の御援助をお願いいたしまして、趣旨の弁明を終るものであります。(拍手)
#35
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。政府より発言を求められております。この際これを許します。農林大臣周東英雄君。
    〔國務大臣周東英雄君登壇〕
#37
○國務大臣(周東英雄君) ただいま御決議になりました肥料輸入に対する感謝決議の趣旨は、政府におきましても、まつたく同感でありまして、連合國の御厚意に対しましては厚く感謝いたす次第であります。
 戦後におきまして、思想あるいは経済方面におきまする混乱の事情は、その基く原因の大きな点は、主として食糧の不安にあつた次第であります。それが、戦後食糧の輸入並びに食糧増産に対する肥料の輸入等によりまして、今日までいささかも食糧の不安を與えずに過しましたことは、ひとえにこれら肥料並びに食糧の輸入に対する連合國の好意によるものと存ずるのでありまして、ただいまの御決議の御趣旨に対しましても、まつたく同感でありまして、連合國の御援助に対する感謝決議に対しまして同感の意を表するものであります。(拍手)
     ――――◇―――――
#38
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、砂糖消費税法等の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#39
○議長(松岡駒吉君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。砂糖消費税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大藏委員長島村一郎君。
    〔「大藏大臣はどうした」と呼び、その他発言する者あり〕
#41
○議長(松岡駒吉君) 大藏大臣は渉外関係事務のために出席いたしかねております。大藏政務次官が出席しておりますから御了承願います。
    〔島村一郎君登壇〕
#42
○島村一郎君 ただいま議題となりました砂糖消費税法等の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 本案は、輸入砂糖が主要食糧として配給されているので砂糖消費税を課さないこととしてあつたのでありますが、今回右の配給の停止に伴い、これに砂糖消費税を課し、もつて現下の財政需要に應ぜしあるとともに、砂糖に対する砂糖消費税の税率及びサツカリン、ズルチンに対する物品秘の税率を適正に引き下げんとするもりであります。
 本案については、九日より質疑に入り、砂糖を專賣品に加える意思はないか、砂糖の販賣價格及び配給計画等について質疑があつた後、本十八日、討論を省略して、採決に入りましたが、起立多数をもつて原案の通り可決いたしました。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#43
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案の委員長報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#44
○議長(松岡駒吉君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 明日九日は定刻より本会議を開きます。本日はこれにて散会いたします。
    午後七時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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