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1948/12/12 第4回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第004回国会 内閣委員会 第3号
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1948/12/12 第4回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第004回国会 内閣委員会 第3号

#1
第004回国会 内閣委員会 第3号
昭和二十三年十二月十二日(日曜日)
    午後零時十二分開議
 出席委員
   委員長 小川原政信君
   理事 田中 稔男君
      今村長太郎君    植原悦二郎君
      庄  忠人君    鈴木里一郎君
      關内 正一君    夏堀源三郎君
      松井 豊吉君    山本 猛夫君
      小坂善太郎君    東井三代次君
      大島 多藏君    黒田 寿男君
      北  二郎君
 出席國務大臣
        國 務 大 臣 岩本 信行君
 出席政府委員
         総理廳事務官 大野木克彦君
 委員外の出席者
        專  門  員 龜卦川 浩君
十二月十一日
 委員水野實郎君辞任につき、その補欠として田
 中健吉君が議長の指名で委員に選任された。
同月十二日
 委員小平久雄君、冨田照君、菊池義郎君、中嶋
 勝一君及び唐木田藤五郎君辞任につき、その補
 欠として關内正一君、松井豊吉君、夏堀源三郎
 君、今村長太郎君及び大島多藏君が議長の指名
 で委員に選任された。
十二月十一日
 中央出先機関廃止の陳情書(東京都議会議長石
 原永明)(第七号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 行政機関に置かれる職員の定員の設置又は増加
 の暫定措置等に関する法律案(内閣提出第一五
 号)
  陳情書
 中央出先機関廃止の陳情書(東京都議会議長石
 原永明)(第七号)
    ―――――――――――――
#2
○小川原委員長 これより会議を開きます。
 行政機関に置かれる職員の定員の設置又は増加の暫定措置等に関する法律案を議題といたし、質疑に入ります。御質疑のおありの方は発言を許します。
#3
○黒田委員 二、三お尋ねしてみたいと思います。委員会に配付せられました政府職員数に関する資料によりまして、大体大づかみに見て、昭和七年から二十三年度までの間に、どの程度の予算定員の増加の状態であるかということがわかつたのでありますが、これをもう少し具体的に、たとえば各省別というような分類のしかたで、わかつておりますれば、お示しを願いたいと思います。
#4
○岩本國務大臣 ただいまの黒田さんのお尋ねでございますが、ただいまお手元の方に資料がまわしてあるそうであります。今差上げてありまする表以外の各省別の問題は、たとえばこれは大藏省主計局の手元にありますものをとつたのでありますけれども、今お尋ねのように、具体的な各省別のものは、燒けた関係や何かでわかつておらぬそうであります。今お手元に配つてある点だけがはつきりしておる、こういうことのようであります。
#5
○黒田委員 ただいまいただいております資料は総括的のものでありますから、この総括的のものの算定の基礎になるものがあつて、この数字が出たのだと思うのでありますが、その基礎になるものはないのでありましようか。今すぐお答え願えませんければ、またあとから資料を出していただいてもけつこうであります。わからぬと言われるのではちよつとどうかと思います。
#6
○岩本國務大臣 よく調べましてわからなければわからないなりに、わかるもので極力調べさして、あとからお届けしたいと存じます。
#7
○黒田委員 それではそういうようにお願いしておきたいと存じます。
 それから次に、政府職員数予算定員が増加したということは、この資料で示されておりますが、どういう原因で増加したか。たとえば統制経済の時代になりまして、統制機関が数多く設置せられますために定員がふえた、これも原因の一つでありましようが、そういう増加の原因につきまして御説明を願いたいと思います。
#8
○岩本國務大臣 お尋ねの、いかなる理由による増加かということでありますが、御指摘になりましたように、統制経済の機構の関係ももちろんふえた理由の一つであろうことは大よそ予測ができます。しかしてまた新しい制度がいろいろにできまして、法令上による自然増というのもあろうかと存じます。しかし一番大きな問題は、私はこういうことから來ておるのじやなかろうかと思うのであります。すなわち戰時中に大勢應召された、そうしてその間少いままでやつておれば別でありますが、相当数を――その欠員全部ではありませんけれども、ある程度補充した。しかして復員されてもとの役所の方へ、あるいはもとの勤務地の方へまたもどられた。それを一遍もう補充は入つておるけれども取入れなければならなかつた。このことが一番大きかつたのではなかろうか。たとえば特殊な例で申しますと、これは皆様御承知のように、鉄道は戰時中は二十三万何ぼでやつていた。ところが復員後になつて、ただいま六十三、四万になつておるということを聞かさるるのであり、また事実のようであります。そういうことが一番大きな理由であろうかと存じますが、しかしそういうような三要素なりいろいろな結果でかようになつておると想像さるるのであります。
#9
○黒田委員 私は先ほど各省別に数字をお示し願いたいと申しましたのも、今大臣がお答えになりましたような鉄道の例をあげて、こういう方面の仕事についてはどの程度ふえておるかというようなことをもう少し知りたかつたからであります。
 なお次の問題に移りたいと思います。この法律案の提案理由の説明におきまして、將來の政府の方針といたしまして、進んで徹底的な行政整理を断行し、行政の簡素化、強力な体制を実現すべく目下愼重に檢討中である、こういう御趣旨が説明されておるようであります。この政府のただいま愼重に檢討中と申されておりますその内容を、言いかえれば、徹底的な行政整理を断行するというその政府の具体的な対策、これをお聞かせ願いたいと思います。
#10
○岩本國務大臣 徹底的な行政整理に及ぶという、その徹底的な行政整理ということについてお尋ねでございますが、お話の通り提案理由の説明で申し上げましたように、徹底的に行政整理をしたいと考えております。そのことは要するに行き詰まつた日本の打開のために精一ぱい働く。これは國民全体のことでありますが、その模範をまず官界から示す、こういう行き方をとりたいのであります。そして構想としては、人員整理の数について、本会議でも申し上げたような一應の予測を立てておるわけでございます。けれども一般的に三割と申しましても、その三割の中には一割にも達しない面も実際にぶつつかればありましようし、あるいは四割に及ぶ面もあろうと思いますが、それらを通算してそう押えておるのであります。そういうことにおいて相当人数を減員する。ただしこの減員のためには少くとも働らけるという、やりくりができるという、事務に澁滯を來さないでなし遂げられるという態勢を整えるために、機構の積極的なる簡素化、あるいは事務の簡素化、迅速化こういうこととにらみ合せてこの問題を解決したい。かように考えるのであります。しかしてたびたび申しますが、これまた御質問の一番重点になろうかと存じますけれども、裏づけの問題でございます。退職金の問題、失業対策、失業対策の中で最も大きなものは就職せしめるということでございます。このことは非常に重大でありまして、実は文字通り各方面の意向をただいまお聞きしているようなわけでございます。そういうことでこの裏づけ條件は不可分と考えておりますから、この点について愼重な檢討を遂げておるような次第でございますが、いまだここで発表の機会に到達いたしておりませんことを残念に存じます。しかしそういう考えで進んでおることをお答え申し上げます。
#11
○黒田委員 通算して三割くらいの整理をするというようなお話でありましたが、どういうところから三割という――もつとも大臣は一割の所もあり、四割の所もあるというお話でありましたが、どういう基礎に從つてこういう数字が出るものでありましようか、これをお聞きしたい。
#12
○岩本國務大臣 何の基礎に基いて三割とか、二割という数字が出るかということでございます。それは事務を減らし、機構を簡素化し、現実の問題を客観的に見て、この程度におちつけたい、これでやつて行けるんじやなかろうかということでありまして、科学的にピタツと二割一分が相当だとか、一割九分が相当だとかいうことに参らぬのでありますが、そうした三つの関係を照し合わせて、このへんで働いてもらおうという構想なのでありまして、何の根拠によつてということはないと思つております。
#13
○黒田委員 ただいまの御答弁は非常に抽象的でありまして、私の質問に対するお答えといたしましてははなはだ徹底を欠いておると思います。ただ漫然とそういう抽象的な議論で、三割くらいだろうというような見解で將來政府が行政整理をされることになりますと、いろいろまたそこに困難な問題が生じて來ると思うのであります。しかし大臣にはそれ以上のお答えができないように思いますので、その程度に承つておくことにいたしますが、なおその次にお尋ねしたいと思いますのは、政府職員の増加を抑制しようというのがこの法律の根本のにらみになつているように考えますが、現在政府の機関の中で、職員が欠員になつておるものがあるのではなかろうか。たとえば税務署関係の職員諸君が定員を欠いておる、こういうものもあるように聞いておるのでありまして、そのために、たとえばやみ所得に対する徴税を國民が熱心に希望しておりますにもかかわらず、規定の職員をなお欠くということから生ずる手不足によりまして、そういう仕事が十分に行われないというような節をわれわれは聞くのであります。政府職員の増加を抑制するというこの法律の反面に、そのような現実においてむしろ欠員になつている所がある。政府は一体こういう事実をお認めになつているかどうか。こういう現象の生じておりますのはどういう機関においてであるか。私はただいま徴税関係の機関について申し上げただけでありますが、こういう点に関する政府の御調査がありましたら伺いたいと思います。
#14
○岩本國務大臣 予算定員に対しまして欠員のある所はたしかにあるようであります。從いまして欠員率も大藏省主計局が給與を拂います関係からかなり調査をとげておりまして、大体において一般会計で予算定員に対しまして七分三厘の欠員と見ており、特別会計において一分七厘と見ているのでございます。しかしてお話にありましたように、定員がそつくり充足しても仕事がまだ満足でない一例を上げられました徴税事務のごとき問題、そういう面もたしかにあるかと存じます。從いましてそういう重要な面は減すばかりが能ではありませんから、これは十分充足しなければならぬと存じます。人員を充足すると同時に考えられますことは質の改善で、優秀な腕の人を見つけるという方法をとらなければならぬと存ずるのであります。從いましてただいままでに申し上げましたような数の整理をするといたしましても、ときにはもつと定員をふやさなければならぬという面も、実際にぶつかりますれば局部的には起つて來ようかと存じます。しかしそういうことは十分取入れて、なおかつすべてを調整したあげくの結論として、ただいままで申し上げましたような数字を結果においては整理したい、かように考えるのであります。
#15
○黒田委員 欠員率につきましてきわめて一般的な数字の御説明がありましたが、欠員はなぜ生じたか。われわれの見るところでは、たとえば徴税機関に関する政府職員の欠員のごときは著しい一例でありますが、その原因が職員の待遇に関係し――もつと具体的に申しますならば、待遇が非常に劣惡である。仕事に対して報ゆるところがあまりにも薄いのでやむなく職を辞し、他の職を求めるという状態であるということを聞かされておるのでありまして、それにつきましてここでいろいろと詳しくは申しませんが、具体的にいかに困つておるか、苦しんでおるかという例は数多く聞かされておるのであります。政府はこの欠員の原因につきましてどういうように認識されておりますか。政府の認識を聽かしていただきたい。これはやはり給與の問題と関係がございますので、お聽きしたいと思うのであります。ただいまも大臣は質の改善をはかるというように仰せられておりますが、もとより良質の職員諸君を充足するということは議論のないところでありますが、よき質の職員を求めるということのためには、やはり待遇をよくしなければならぬ。これは私は表裏一体の関係にあると思いますが、この点につきまして私は政府職員に対する待遇が非常に劣惡であると考えますので、そういう点についてお尋ねするのでありますが、この欠員の原因を政府はどういうふうに認識されるか、これを聽かしていただきたい。
#16
○岩本國務大臣 いわゆる欠員と申しますか、予算定員に比べれば欠員なんでございますが、予算定員というものは非常に理想的の定員を認めている面が一應あると存じます。しかして実際にはやれるからぴつたりの数にはいかぬというのもありましようし、あるいは病氣のために順々に欠員になつているという面もあろうかと存じます。しかしてたとえば小学校の例で申しますと、つい最近までは一学級一人の先生であつた。ところがそれが理想として一学級一・五という人員になつて來たということで、あと補充が今のところまだ満点でないというような欠員もあろうかと存ずるのであります。しかして待遇が惡いから欠員になつておるというのではなく、たしかにお説のような面もあろうかと存じますが、しかしその反面には、実は履歴書を持つて騒いで歩いておつて、待遇には関係なく使つてくれという面も相当ありますけれども、それがいろいろの都合で、今のところこういう結果になつておるという面もあろうかと存じます。しかしお説の通り待遇の関係でということは重大な問題でありますから、これは政府の相当責任的に考えなければならぬことであります。そもそも私どもがこの行政整理を考えまする基本的なものは、熱心に働いてもらつて、そうして待遇をそれ相当な方法に持つて行きたい。こういうことが実は行政整理の相当大きな理由であります。人数が減つても國の政治、公共事業はやつて行けるという事態を現出することによつて、待遇を改善して行くというふうにこれを取上げたいのが、この趣旨の相当なる部分であることを御了解願いたいと存ずるのであります。
#17
○黒田委員 欠員の原因の一つとして、待遇の劣惡ということが根本になつておるのであります。しかし念のためにお聞きしておきますが、一体私が今上げましたような徴税関係だけでなく、政府職員一般の現在の給與等から見ました待遇が、現在の経済情勢に即應していない。こういう面を全般的に政府は認められるでしようか。どうでしようか。
#18
○岩本國務大臣 全般的の面から申し上げても、現在の物價高、物價指数、そういうことからいつて満点でない、こういうことは私ははつきり考えられると思います。たとえば現在審議されております給與ベースの問題、予算の問題、こういうことでありますが、もちろん五千三百三十円というものは、一應がまんしてもらうということにあろうかと存じます。できることであれば、現実の問題として、あらゆる点から考えても、何ほどでももつと増したい、こういう考え方にはあるのでありますけれども、歳入関係等から考えまして、まず忍んでもらうという意味の予算であろうかと、私はかように考えておるのであります。
#19
○黒田委員 この委員会は予算委員会でもなく、人事委員会でもないので、別にこういう問題につきまして、私はここでより詳細な質問なり、私の意見なりは控えておきますが、ただ私は、現在の五千三百三十円の政府案では、とうてい現在の経済状態のもとにおきまして、政府職員に対する適当なる給與の額でないということを、はつきり申し上げておきたいと思います。こういう面を解決し得ずして、いたずらに行政整理を断行するというような御方針を立てることは、結論において政府関係の職員に対する圧迫になる。こういう結果を生ずることを私は非常におそれるのでありますし、ただいま承りますと、整理された後にどうするかということにつきましては、何ら具体的な條件をまだお考えになつていないようであります。漠然と通算三割くらいの整理をやる、こういう御方針であるようであります。政府の職員の増加ということも、私は各省別にお示しを願いたいと申し上げたのでありますが、ただちにお示し願えなかつたことははなはだ残念であります。たとえば國鉄等の話を聞いてみましても、しろうとから考えると、非常に余分なものがふえているように考えられるのでありますが、よく専門的に話を聞いてみますと、國鉄の現在の資材の関係、諸種の國鉄関係の汽車その他の消耗状態、石炭の質の劣惡になつている点、いろいろそういう原因があつて、どうしてもこれだけのものが要るというので、ふえているような面もあるということもわれわれ知つている。統制経済というような面からの増員というだけでなく、そういう別な面から増員のやむを得ないような事情もあるようでございます。こういうところにもつて來て、いたずらに行政整理をする。ただその中で天引何割整理するというようなやり方をすることは、非常に危險であります。何ら政府にお尋ねしたところをみても対策が開かれない。漠然と三割ぐらいというようなことで、私はこれは危險な考え方だと思います。たとえば行政整理についても、どういう面をどういうふうにするというようなことがきまつてからでないと、職員に対する生活の圧迫になるような結果に陷るという憂いを持つているものであります。しかし一應私の質問はこの程度で打切つておきます。
#20
○小川原委員長 他に御質疑もありましようが、時間の関係もありますので、暫時これで休憩をいたしまして、午後は二時から開会いたします。
    午後零時四十五分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後三時十四分開議
#21
○小川原委員長 午前に引続きまして会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
#22
○北委員 わが党といたしましては、行政整理には賛成するものでありますが、自由党の三割くらいではまだ手ぬるいと思つております。実は四割も五割もやらなければならぬと思つておりますが、まずお伺いしたいことは、今日官吏が眞劍に働いておると思われるかどうか、この点を大臣にちよつとお伺いしたいと思います。
#23
○岩本國務大臣 大体において眞劍に働いていてくれると思います。しかしながら中にはそうでない面もいろいろの点から察知できると存じます。この点は非常に遺憾だと存じますが、そういう傾向も明らかにあると私どもは考えておるのであります。
#24
○北委員 私はこのごろの官吏というものは、まつたく眞劍に働いていないと思います。第一番に、この間実は陳情團が参りまして、私は各官聽に行きましたところ、朝九時に行きましたところが、だれも役に立つ人が出て來ていない。十時になつてもまだ出て來ない、十一時ごろにならなければほんとうに話し得る人が出て來ないというような状況でありますが、これは何とか是正していただきたいと思う次第であります。
 次に戰時中もそうでありますが、日本の行政機構というものは、大体私どもの観点から見ますと、官吏が握つておるように思うのであります。社会党が天下をとろうと、民主党が天下をとろうと、自由党が天下をとろうと、相かわらずその裏に官吏がおつて、これらの政策を遂行しようと思うその場合において、どうにもならない逆の攻勢にあうというようなことをたまたま耳にするのであります。一例をあげますれば、戰時中に行われましたところの農業会にいたしましても、これはすべて官吏がやつたものだと私は思つておりますが、そこでこの官吏の首脳部に対して思い切つてこれを首切る腹があるかどうか、その点をちよつとお伺いしておきます。
#25
○岩本國務大臣 ただいま北さん御指摘のような場合が起ります場合においては、要するに今度提案いたしておりますこうした趣旨も、むやみに人を減らすということではなくして、成績をあげつつ財政の面を考えつつ行くのでありますから、御趣旨に沿うようにいたしたいと考える次第であります。
#26
○北委員 次にお伺いしたいことは、今農村面から行きますれば、はなはだめいわくなのは公團であります。前内閣当時も、自由党はまつこうから反対しておられたようでありますが、この公團に対していかなる処置がとられるか。この点ちよつとお伺いしておきたいと思います。
#27
○岩本國務大臣 ただいまの北さんの御質問でありますが、われわれも公團法式というものが満点でない。満足でない。こういうふうに考えている点においては旧來とかわらぬのであります。從いまして公團の方式についても種々檢討を加えておりまして、諸般の情勢が整いますならば、これを民間に移すような方式に持つて行きたいと研究を進めているところでございます。
#28
○北委員 満足されていないことはわかるのでありますが、たとえば農業方面におきまして肥料公團であるとか、最も重要な食糧公團であるとか、そういうものは戰時中からなされておつたところのいわゆる官僚統制機関であつて、農業会に一任されているのが惡いというので官吏が取上げたらしいのでありますが、一体これを農業会から取上げてその当時よりうまく行つているかどうかという問題です。
 それからもう一つは、これらの職員が地方に來まして、私から言いますと働いておらぬような氣持がするのです。忙しい最中にでも魚つりをしているというようなことがたまたま見受けられるのであります。こういうことはぜひとも改革していただきたい。
 それからもう一つは、今度新しいほんとうの民主的な團体として農業協同組合ができたのでありますから、これらの農業の生産物に関係するところのものは、一切の公團方式をやめて協同組合に移管していただきたいと思うのですが、政府にその腹があるかどうか、その点をお伺いいたしたいのであります。
#29
○岩本國務大臣 やや北さんのお考えと私どもの考えと一致する点があるのであります。從いましてここで即座にどうとは申されませんが、いろいろの面を取調べた上でそうした方向に極力努力したいと考えるのであります。
#30
○北委員 そこで考えなければなりませんことは、行政整理をする、從つて失業者が出て來るのでありますが、この失業者をどこへ向けるかということが問題になつて來ると思うのであります。われわれといたしましてはこれをなるだけ生産面に向けたい。いわゆる開拓であるとか、あるいは日本は山國でありますから電氣を起すダムをつくる使用人とか、道路工事をする者とか、土地改良、その他そういうような生産面に、これは少し金がかかつてもいいから生産面に向けたいと思つているのですが、政府はこれに対していかなる考えを持つておられるか、この点をお聞きしたいと思います。
#31
○岩本國務大臣 大体において同感であります。ただ問題は、インテリ層の失業という問題がありますので、これの処置がなかなか困難であろうかと考えますが、しかしながらたとえば五十万にせよ、六十万にせよ、四十万人にいたしましても、東京なら東京という一つの所で失業する形だと、この対策は困難ではありますけれども、おのずから樂な面がある。ところが整理をいたしまする関係は、全國各地方にばらまかれた整理と思いますから、これらもなかなか困難なことでございます。しかし主として失業者を生産方面に向けることは非常に理想でございます。從いまして眞劍な意味において御趣旨に沿つて進んで行きたいと考えるのであります。
#32
○北委員 今大臣の御説によりますと、失業者のうちでインテリが困るというお考えのようでございますが、そのインテリが一番問題になるのではないかと思います。やはりインテリの人にも、生産面に携わるべく何かの処置がとられなければ、普通の労働階級の人の同じ仕事はできなくても、それらの仕事に携わつて苦労をなめていただかなければ、日本の復興再建はできないと思う次第であります。政府はどんな考えを持たれておりますか。
#33
○岩本國務大臣 確かに北君の言われる通りであると思います。但し現実の問題としては、そう一方には行かないことが起ころうかと存じますけれども、ただいまの御趣旨のようなことを体しまして、これから構想を練り上げて行きたいと考えます。
#34
○北委員 先ほど國務大臣が言われたインテリでありますが、インテリが仕事をしないでよけい金をほしいという考えから、今日の給與の労働攻勢もあろうし、いろいろなことがあると私は思つているのですが、これを思い切つてやつていただきたい。たとえば、一例でありますが、農林関係の職員にいたしましても、北海道におきましては何万町歩からの開懇地があるから、政府職員をして、給料を拂つてもいいから、そこにつれて行つて開懇をやらせるという勇断があつてほしいと思うのですが、政府はこれに対してどう考えているか、御所見を伺いたいと思います。
#35
○岩本國務大臣 たいへんごりつぱな御意見として拜承いたしまして、今後の進み方の上に大なる参考とさしていただきます。しかしながら方向は賛成でありますけれども、現実の問題として相当考慮が必要であろうと存じます。趣旨とするところは同感でございます。
#36
○北委員 次に鉄道の人員であります。戰前には二十三万でありましたが、戰後には六十三、四万という増員を見ております。これらを勇断に半分は切つていただきたい。たとえば輸送の面を考えてみましても、輸送量は戰前の三分の一、人員は三倍、こういう矛盾が日本の生産を阻害するのだと思つております。そこでこれは勇断にやつていただきたい。今國務大臣の話を聞きますと、公團についてもそうでありますが、ただ、考えてやるようにする。そう考えるというだけで、勇断にこれを押し切つてやるのだという信念がなさそうに見えるのでありますが、一体ほんとうにやる信念があるのかどうか、この点をお伺いします。
#37
○岩本國務大臣 勇断に敢行する考えでございます。ただ戰前二十三万が今日六十三、四万であるから、ただちにそれだけの人数は樂になるとばかりは言えないという筋は、先ほど黒田君がお話になりましたように、資材の面とか石炭の面とか、そういうこともあつてふえている面もありましよう。それは一つの例でありますけれども、何にしても戰前はそれで仕事がやれておつて、扱い量も多かつた。しかるに今日は扱い量も少いのに驚異的ふえ方であつて、このままでおるというこの現実は、相当勇断を行つても支障はなかろうと考えております。勇断の点においてはひとり鉄道の問題ばかりではございません、全面を通じて大なる決意をもつて断行するのでなければ、この仕事はできませんので、発表いたしましたについては大なる決意を持つておるということを申し上げておきます。
#38
○北委員 くどいようですが、農業関係の現実面を取扱つておる肥料、食糧その他の公團ですが、自由党は前から公團を廃するという公約でありますけれども、今急にやらなくとも、いつごろからやられるのか、この点をお知らせ願いたい。また協同組合に完全に移管する腹があるかどうか、この点を承りたい。
#39
○岩本國務大臣 率直にお答え申します。公團方式が大体において思わしくない。しかしながら公團にも幾種類がございまして、現在の日本の状態としてはやむを得ざる面もあろうかと存じますが、思わしからざる分については、漸次これを民間のいわゆる親切な行き方で取扱わせるという方向に進みたいと存じます。北さんの御質問に対しては、はがゆいお感じであろうと存じますが、いつごろやり得るということは、今ここでお答えはできないのであります。
#40
○北委員 肥料公團でありますが、これができたときは確か自由党が内閣をとられておつたときだと思います。一体どういう理由で自由党はそのときに肥料公團を承認したか。その理由を聞かしていただきたい。
#41
○岩本國務大臣 幾つかの公團はございますが、初めのうちできました船舶とかいろいろありましたが、そういうのはほとんどがいわゆる連合國の勧めによるものであつた。中にはメモランダムの來ておる面もあるのだろうと考えますけれども、大体においてそうした方向から指導されたという面も、公團においては多々あるように考えておるのであります。
#42
○北委員 そういたしますと、現今行われておるところの公團方式は、社会党内閣においてやられたのでありますが、それも今と同じような解釈でよろしうございますか。
#43
○岩本國務大臣 私はそのときの眞実は承知しませんけれども、御承知のように公團法が幾つか通りましたときに、第二國会の末だつたと存じますが、衆議院が最後の日の十一時五十五分に終つて、しかして参議院は━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━これらのときの客観情勢から考えまして、大体そういうことであつたと見て間違いないのではなかろうか、こういうふうに存ずるのであります。
#44
○北委員 そうしますと、われわれ國民の理想であります公團廃止、農村面から言いますれば、公團の事業から農業協同組合に向うということは、これはなかなかむずかしいことと考えますが、政府にこれらにまさるいい具体案がありますか。
#45
○岩本國務大臣 これは正式の先方からの命令によらざる分においては、國民の大多数が、要するに議会の大多数が、その方式よりこうした方式の方がいいという具体案がととのつた上においては、変更は可能であるべきであると私は考えるのであります。
#46
○北委員 しからば現内閣においてそういういい具体方策が立てられたのですか。あればひとつ教えていただきたいと思います。
#47
○岩本國務大臣 現内閣においてただいまの趣旨に基くいい案をつくる、そうして通す可能性があるか、こういうことでございますが、もちろんそういう方向に持つて行くべく努力いたしますけれども、この議会としては、御承知のようにもうたちまち終るという客観情勢でございますので、とうてい間に合いません。しかしながらその次の機会において十分善処してみたい、かように存ずるのであります。
#48
○北委員 しかし今議会といえども、政府としては何かこれにまさるいい具体案ができておらなければならぬはずだ、私はこう思いますが、その点できておるのですか。
#49
○岩本國務大臣 遺憾ながら現在におきましては、それにまさる具体案として的確なるものを目下のところ持合せておりません。
#50
○北委員 そうすると、やはり関係方面から指摘されれば、この公團の廃止はなかなか困難な事業でないかと思うのですが、ひとつ政府は早急に具体案をつくつて、選挙前にそれをお示しを願いたいと思います。そういうことができますか、どうですか。
#51
○岩本國務大臣 率直に申し上げまして、この議会にということはとうてい間に合いかねると存じます。しかしてまたこの次の議会でありますが、なるべくすみやかに御趣旨の筋を各方面へ折衝もし、また会議も重ねてみますけれども、いつごろまでにこれをどうということは、実はお答えがしかねるのであります。
#52
○北委員 そうすると話を承りますれば、結局は、政府は公團方式に対してはこれを廃止する具体案がなくて、自信がないということになるのではないかと思うのですが、どうですか。
#53
○岩本國務大臣 私は自信がないとはこちらでは考えておりませんが、それは北さんの御推察で、この程度でその問題は終らしていただきたいと存じます。
#54
○小川原委員長 田中君。
#55
○田中(稔)委員 岩本國務大臣に質問いたします。この間本会議において、民自党の辻君の質問に対して、行政整理の問題で御答弁がありましたが、その際に大臣は、以下述べることはまだ閣議決定は見ていないが、閣議決定を見るように努力をする、そういうつもりで聞いてくれというので、つまりこれは私見として、相当つつこんだ御答弁があつたのであります。午前及び午後にかけて本委員会で御答弁になりましたことは、大体の筋としては本会議の答弁と同じだと思いますが、これはその後において閣議の決定を見ての答弁でありましようか、それとも依然としてまだ正式の閣議決定はなされないが、私見として今後の努力を含んでの御答弁でありますか。
#56
○岩本國務大臣 お答えを申し上げます。あのときの質疑は、行政管理廳長官としての構想を尋ねるということでありましたので、行政管理廳長官事務取扱としての現在における行政整理に関する考え方を申し述べたのであります。しかしてなおここであらためて申し直しますが、行政整理を断行する、このことは、民主自由党の多年にわたる政綱でございます。これを政策化してどうするということについても、人員の減らし方、あるいは機構の簡素化の方法、事務の敏速化の問題、これらも相当長年にわたつて研究を遂げたことであり、同時に総理の施政演説にもありますように、行政整理は断行する、かように申し上げているのでありまして、行政整理を相当強度にやる、このことは現内閣の政綱であるわけであります。從いまして私の申し述べた構想というのも、一私案ではなくして、もちろん行政管理廳長官事務取扱としての、いわゆる政府の責任ある一員としての構想であります。從いまして閣議の最終決定は経ておりません。それはいろいろな理由に基くことでありまして、この点は申し上げたのでありますが、いわゆる裏づけの問題等は各方面へ尋ね中でありますから、それで最終決定には至つておりませんけれども、率直に申し上げれば、これは政府の発言と受取つていただいて支障がないものと私はお答え申し上げます。それはそういうようなことでありますから、この案をもつて政府の最終決定にいたすべく、私どもとしては十分の確信を持つておる次第でございます。
#57
○田中(稔)委員 國務大臣は本会議における御答弁、それから本委員会における御答弁で相当思い切つたことを言つておられますが、今の御説明を聞きますと、やはりそれは必ずしも実現できないものも私は含んでおるのではないかと考えるのであります。政府部内においてもいろいろ御意見もありましようし、また先ほど黒田君の質問の中にもありましたように、官吏なり、一般職員のことを考えました場合に、特に現業方面におきましては、人を減そうといたしましても、実際に減せないという事務上及び技術上の事情もありましようから、実際に事に当られた場合には、大見当でもつて三割減すとか、いくら減すとか揚言されましても、これは必ずしも実現できないと思います。さらにまたこれは御承知の通り、日本が占領治下にあります事情からして、どうしましても関係方面のいろいろな意向というものは無視できない。裏づけの点その他については、すでに今大臣がみずからお話になつたところでありまして、そういう問題だけでなく、職制の問題のごときも、これは日本政府だけの意向ではどうにもならない。現に郵政省と電氣通信省、この両省の設置法案をこの間この委員会で審議したのでありますが、私どもはこの一つの逓信省を二つにわけて、しかもそれぞれの新しい省において、総務長官や理事とか局長であるとか、課長であるとかいうようなものが非常に殖えて、数倍になつておる。行政整理を云々される民主自由党の政府において、こういうでたらめな機構の厖大化をあえてされることについては非常な不満を持つております。いろいろ御質疑もしたいのでありますが、やはりこれは関係方面の意向が非常に強いのではないか。私どもが少くともこれだけは削りたいと考えました電氣通信省における総務長官のポストも、これ一つを削ることでも許されないという事情でありますから、岩本國務大臣が勇敢に、大担に私見を発表されましても、私は必ずしもこれが実現できるものとは考えないのであります。こういう点におきまして、私は何箇月かたちまして、岩本國務大臣の見当違いにつきまして、その政治的な責任を追究しなければならぬような事態が起らないとは私は保障できない。
 そのことはその程度にいたしまして、さらに私質問いたしたいのでありますが、行政整理をするについて、先ほどのお話では三割程度だというお話でありましたが、その三割程度というのは官吏だけについてでありますか。それとも廣く職員全体についてでありましようか。それからまたその三割というのは、一般会計と特別会計についてはどういうふうな関係になりましようか。一律にお考えになつておられるでしようか。その点お伺いします。
#58
○岩本國務大臣 田中さんのお尋ねにお答え申し上げます。まず第一の点、この間現われた逓信省を二つにわけるのは行政整理と逆行するじやないかということでありますが、これは二つにわけたときの提案理由の説明、あるいは政府当局の質疑に対するお答え等でおよそおわかりになつたと存じます。要するに、敗戰日本が諸外國とこれから結んで行つて、日本の生き立つような進展を見せるため電氣通信あるいは郵政というものが非常に遅れている。しかも今日講和條約がいまだに許されない。そのときにおいて國際通信條約とか、條令とかいうものに参加できる。こういうことで日本を引立てるためにこの問題を発達させよう、こういう大きな趣旨、そして電氣通信、郵政というものを現在のみじめな姿から建直させようというところに、これを二つに分割した趣旨があつたのでありまして、日本内地の情勢から考えましても、逓信事業というものが未熟であり、しかして行政簡素化をなし遂げるためには、この面に負うところが非常に多い。こういうことで、これは必ずしも行政整理と逆行するものではないと考えているのであります。しかしながらとりあえずの過渡的に今できたのでありますけれども、全体の行政整理を断行するときになれば、すべての行政機関全体をあらためて見直しまして、そして人員整理等につきましても、ついこの間できたからということとは別に、いわゆる全体をながめた上で、これにもまだ研究の余地があろうかと、この問題については考えているのであります。
 それから第二の問題であります一般会計と特別会計は、全部の職員と申しますか、ただいままで通つている言葉で言うならば、公務員、雇傭人まで含んでいるのであります。しかして三割、二割と申しましても、実は内容にいろいろございまして、法制的あるいは実質的に引き得ない面もあることは先ほど申し上げた通りであります。たとえば警察であるとか、消防であるとか、いろいろ引き得ない面もございます。しかしそれらをおしなべて申し上げたことでありまして、三割と申しましても、中には四割の部面も起つて來ましよう。あるいは二割と申しましても、一割の面も現実にぶつかつては起つて來ると存じます。しかしそれらを全部ひつくるめ合せまして、構想としてはこういうことにおちついておるのでありますが、現実にぶつかつて、たとえば地方をまぜて五十七万と申し上げましても、それがふえる場合もありましようし減る場合もあろうかと存じますが、大体の中心を、御説明申し上げたところに置くということで御了承願いたいと存じます。
#59
○田中(稔)委員 三割のことは全体を通じるという今の御答弁でありますが、本会議における御答弁では、一般会計においては原則として三割、特別会計においては原則として二割、こういうふうに両会計について区別をしておられますが、その点はいかがでしようか。
#60
○岩本國務大臣 今あるいは説明が漏れたかも存じませんが、ただいまお話になつた通りであります。一般会計においては三割、特別会計においては二割、ただし特別会計中にも、現場でない人は一般会計同様に三割とみなしておる部類もございます。そういうわけでその中にはいろいろの種類があるわけでございます。
#61
○田中(稔)委員 黒田君の質問に対して欠員率を一般会計において七分三厘、特別会計において一分七厘と言われたのでありますが、これはやはり個有の官吏だけでなく、いわゆる公務員と言いますか、雇傭員を含めた全体についての欠員でございますか。
#62
○岩本國務大臣 さようでございます。
#63
○田中(稔)委員 ところがこの欠員率というものは、予算定員と実員との結局差でございますが、そうしますと、これは私どもしろうと考えとしては、欠員率は少し少いように思いますが、この数字は十分御自信をお持ちでございますか。
#64
○岩本國務大臣 これは大藏省主計局が給料として拂出しておりまする面からの推定でございますが、しかし拂出している面から考えておりますから、この数字では、私の考えでも田中さん仰せの通り、少し少いように考えておりますが、拂出しの面からの推定であるわけでございます。
#65
○田中(稔)委員 私は今はつきりした資料を持つておりませんが、たしか一月ほど前、やはり行政整理の問題について増田労働大臣が御答弁になつた際のお言葉だと思うのでありますが、予算定員と実員との間の開きが非常に大きいように私ども承つたと思うのです。そしてそういうふうに大きな開きがあるから行政整理をやつても血の出ない行政整理ができる。つまりすでに相当そこに欠員があるから、実員に手をつけぬでもよろしいというようなお言葉があつたように記憶しておるのであります。岩本國務大臣はこれに反して、本会議におきましては、勇敢に実人員を整理の対象とするというお言葉を述べておられます。きようの御答弁でも確かに実人員を対象としておるように承るのでありますが、私どもはどうも増田労働大臣のお言葉の方が眞に近いのじやないか。そしてこれは推測でありますが、何か一種の幽霊人口みたいなものが給與の面に現われて來ておるのじやないかと思うのでありますが、そういうことはありませんか。
#66
○岩本國務大臣 この点は申し上げて置きます。公團はもちろんこれは政府の権限、監督の届くところでございますから、これはもちろん対象に考えます。地方公共團体は、政府の方針にのつとつてその通りにやられることを期待するということでありますが、ぜひ國策に順應してやつてもらおうということであります。その場合において、公團及び地方公共團体は欠員率を私の計算では見ておりません。と申しますることは、現実にわれわれも触れて見て、かりに欠員がありましてもきわめて少い、ほとんど実員でやつておる。こういう事実を見ておりますから、これは少いものから二割なりいくらなりを引いた数でございます。それでただいまお尋ねの点は、いわゆる政府の公務員ということになつておるわけでございます。増田労働大臣がどういうふうに申したかは別でありますが、私どもは十二月一日の現在における見積りの予算定員及び実人員ということで考えておりまして、その基礎とするところは、主として大藏省主計局の調査にまつておりますから、給料拂出しの面から構想しておりますので、そう違つておるとは思わないわけでございます。
#67
○田中(稔)委員 ただいまの私の質問に対する御答弁については、私まだ必ずしも満足いたしません。私自身ももう少しこれを調べて見たいと思いますが、それはそれで、その次に、この提案されております法律案の関係するところでは、行政機関の職員ということになつておりますが、公團であるとか裁判所だとか、それからまた今度運輸省が日本國有鉄道となり、專賣局が專賣公社となりまして、これも行政機関でなくなつて、いわゆる公共企業体になると思うのであります。そうするとそういう個有の行政機関でない團体、機関に働く人々、こういう人々が政府の行政整理の対象になることは、今岩本國務大臣の言われた通りでありますが、定員を押えるというような問題については、一体どういうふうな法的な措置をおとりになるかお伺いいたしたい。
#68
○岩本國務大臣 郵政省にいたしましても、あるいはただいまの公共企業体の問題にいたしましても、これの施行は四月一日以後でございまして、その間になしとげようと存ずるのでありますから、これは別段関係ないと考えるのであります。
#69
○田中(稔)委員 それから今度は行政整理ということを言われますが、その時期の問題です。四月一日以降ということになるのでないかというふうにとられるのでありますが、ここに現在問題になつております法律案の提案説明の中に、第三に「雇員、傭人、工員等につきましても、それらの定員を、本年十二月三十一日までに総理廳令、法務廳令または各省令等で規定いたすことにいたしました。」とありますが、ここにこういう規定をする場合に、現在ありますところの実員をもつと減らすというようなことはお考えになつておりませんか。
#70
○岩本國務大臣 法令上の定めがなかつた雇員、傭人、工員等を省令あるいは廳令で十二月末までに規定する、これはきようかりに御賛同を願つて、これが法律案になつて初めてできることでございますが、なる場合においてはこういう方法で行きたいと構想しております。しからば、今まで定めのなかつたものを、ここで十二月末、当月ということでむやみに人員を余計とるというような行き方が行われはせぬか、こういうことが構想せられるのでありますが、目的とするところが減員、整理ということを目指しておるのでありますから、省令、廳令等において十二月末までに規定する場合においても、現実のただいま使つておるただいま間に合つておる員数、それ以上越すようなことのないように、十分行政管理廳としても各省と連絡をとつて注意を拂いたい、かように考えるのであります。
#71
○田中(稔)委員 大臣は私の答弁をちよつとはき違えておられるのでありますが、私は現在定員の定めのないこれらの雇員、傭人、工員についてふやすということはもちろんないと思いますが、ただむしろ行政整理の先がけとして、現にある人員をずつと減らして定員を定めるというようなお考えはないかということであります。
#72
○岩本國務大臣 よくわかりました。先ほども申し上げましたように整理減員、こういうことを目途とするところの――別の言葉で言えばストツプ令、こういうようなのが今度の法案でございますので、その趣旨に沿うためには十二月末に規定するところの定員というものの上において、相当儉約できるだけの数を規定して行きたい、かように考えておるのであります。
#73
○田中(稔)委員 そこで冗員を整理するということについては、私ども社会党としてももちろん異議はないのでありますが、ほんとうに冗員であるかどうかということが問題になる。これは先ほど黒田君の質問の中にもありましたように、特別会計に属する郵政省、電氣通信省というような所、あるいは今度公共企業体になりました日本國有鉄道、專賣公社というような所においては、特に現業に当る人々が非常にふえておる、戰前よりずつとふえておるという現象があつて、一見これは非常に不合理に見えても、実はそれは機械設備が非常に惡くなつたためであるとか、あるいは消費します石炭その他の資材の品質が非常に落ちておるためであるとか、それからまた食糧が十分でないために労働能率が落ちておるためであるとか、あるいはまた通勤をする際の交通機関が非常に惡くなつておるために能率が落ちておるとか、さらにまたこれは違つた意味でありますけれども、労働基準法が実施されたということの結果として、どうしても一見非常に多過ぎるように見える定員も実際は必要なことで、今日の技術的な、それからまた社会経済的な事情のもとにおいて、これは必要なんだということが、その方面の労働組合の代表者の私どもに話すところである。私どもはそういう諸君の話を聞いて、むしろそれはもつともであると考えておる。それで私は岩本國務大臣が非常に勇敢な整理をやろうとお考えになりましても、それからまた北委員はさらにそれに拍車をかけるような御提言がありましたが、私はなかなかできないと思う。しかしながら冗員がかりにあるとするならば、それは私はむしろだんだんと階級が上に進むに從つてその冗員はあると思う。高級官吏というようなものは、これは十分整理していただきたい。相当私は冗員はあると思う。だからもし整理をなさるならば、むしろこういうところに大いに注目してもらいたい。このことは政治的にも重要だと思う。北委員からも御発言がありましたように、日本の民主革命は表面的にはなめらかに進行しておるようでありますが、一皮はぎますと、社会の実体においては民主革命の進行は決してそうなめらかに進んではない。政治の上においても社会党が政権をとる、あるいは民主党がとる、民主自由党がとる。こういうふうに政党が一應政治の責任をとつておりますが、実際に日本の政治を動かしておるものは、むしろ戰爭によつて大して変動を受けないところの官吏層、そうしてその官吏層においても、特に高級官吏というところがやはり一つの特権的な地位を擁して、陰に陽に日本の民主化の進行を妨害しておるという事情も私はあると思う。こういう高級官吏の諸君は、朝に源氏を迎え、夕に平氏を迎えるというようなかつこうで、そのときどきの政府のごきげんをとり結ぶことにおいては非常に巧みでありまして、そういう官界遊泳術には長けておりますが、これがなかなかしぶとい存在でありまして、これが一つの政治的な力を持つておる。歴代の政府はこういう高級官吏層に対しましては徹底的な態度をとることはできない、いつのまにかそういう官吏層の手玉にとられるというようなかつこうになつておる。民主自由党はいろいろな点において私どもは不満であります。しかしながら民主自由党があくまで民間の総意を政策の上に盛ろうという多年の御主張に対しては一應敬意を表する。私はそういう民主自由党の出身者である岩本國務大臣に対しましては、雇員、傭員という公務員の下層を占める人々に対して、首切りのなたを振うのではなく、むしろ高級官吏層に向つて、そこに冗員があるならば、徹底的に整理してもらいたい。ただしかしながら、私はこういうことを岩本國務大臣に希望するのでありますけれども、民主自由党はこの間から古手の高級官吏をたくさんかかえ込んで、次期の総選挙に立てようというようなお考えもあるようでありますから、このことは私は民主自由党の大臣に望んでもできることだかどうかわかりませんが、一言希望を申し述べておきます。
 私の質問は大体この程度にしてこれでやめることにいたします。
#74
○小川原委員長 他に御質疑はございませんか。――なければこれにて質疑は終了いたしたいと思います。
 これより本案に対する討論に移ります。討論は通告順にこれを行います。
 民主自由党山本猛夫君。
#75
○山本(猛)委員 民主自由党を代表いたしまして、本案に賛成の意を表します。
 本案は行政整理の第一段階であると存じます。行政整理に関しましては、年來わが党が強く主張し來つたところでありますので、なお今後一層の徹底いたしました行政整理を要望いたしまして、もつて本案に賛成の意を表するものであります。
#76
○小川原委員長 社会党田中稔男君。
#77
○田中(稔)委員 社会党としましては本案に賛成するものであります。私の質問の際にも大体党の見解は述べてありますから、もう詳しいことは論じませんが、一言いたします。第一條には「各行政機関の職員の定員を規律し、その増加を抑制し、」というようなことになつております。この中には別に定員を減らすということは何も書いてない。私どもとしましては、さつき申し上げましたように、冗員を整理することは反対ではありませんけれども、冗員整理という名目をもつて官公廳の労働者諸君に対して大きななたを振つて、首切りをやるということに対しましては絶対に反対であります。ただ第一條にはそういう首切りをやるということは何も書いてありませんから賛成するのでありますが、もしそういう不必要な首切りをやるということになりますれば、そのことはまたこの法律案に対するわれわれの賛成の態度とは別にわれわれは政治的の問題にしたい。こう思つております。
#78
○小川原委員長 民主党小坂善太郎君。
#79
○小坂委員 民主党といたしましては、本法律案に賛成の意を表するものであります。國家行政組織法が施行されますまでの間、各行政機関の定員を設置し、または増加いたします場合法律によることといたしまして、職員の増加を抑制するという御趣旨は、行政整理の叫ばれております際きわめて私は当然のことと考えるのであります。なお、この定員の問題もさることながら、ただいま質問の中にもありましたように、政府の職員の事務の能率化をはかるという点につきまして、また職員の心構えが、全体のための奉仕者であるということに徹しまするよう、当局におかれまして十分この法律案の施行と並行いたしまして配意せられんことを希望いたすのであります。
#80
○小川原委員長 國民協同党大島多藏君。
#81
○大島(多)委員 私はただいま議題となつておりまする本法案に対しまして國民協同党を代表いたしまして賛成をするものであります。本法案の趣旨とするところは、結局するところ行政整理にあると思うものでありますが、從來わが國におきましては、屋上屋を架す体の官廳機構の複雜化のために、厖大な職員を擁し、その結果として、國家能率に比して人件費の膨脹は國家財政のがんであつたと言えるのであります。歴代の内閣におきましてたびたび行政整理を口にした者はありますが、遺憾ながら歴代の内閣にして完全なる実行をなし得た者はなかつたような次第であります。從つて、本法案の成立によりまして、幾分かでもその所期の目的を達することができまして、そうして財政の危機を救うに役立つことができることを切望すると同時に、また私は、行政整理に必然的に伴つて参りますところの失業救済、その他幾多の社会問題につきましても、万全の措置を政府がとられるということを希望いたしまして、そういうことを條件といたしまして本法案に賛成するものであります。
#82
○小川原委員長 労働者農民党黒田寿男君。
#83
○黒田委員 私は労働者農民党を代表いたしまして本案に賛成の意思を表明いたします。この際簡單に多少の希望意見を述べておきたいと思います。先刻私から國務大臣に対しまして、將來行政整理に関する問題につきましての御見解を承つたのでありますが、大臣の御見解によりますと、この問題についてはまだ何ら明確なる御方針がないようであります。ただ漠然と通算約三割程度の人員の整理をするというようなお話のみでありまして、その三割という基礎がどこにあるかという点についても、何らの明確な御説明がない。また整理されたあとの方法につきましても、これまた何ら明確なる方針がないのであります。人員の整理の前提となります行政機構それ自身の簡素化等の問題につきましても、これまた何らの明確なる御方針がない。このようなことを明らかにすることができたのであります。かような際にただいたずらに行政整理を呼号するということは、私は國家の職員に與える影響から申しましても、相当これはわれわれとして愼重に考えなければならぬ問題であると考えるのであります。このような点につきまして、われわれが危惧いたしておりますように、政府のいわゆる行政整理なるものが、國家の職員に対する一方的な生活の抑圧の行為になる、こういう結果になつて、かえつて國家の職員に対してその生活の不安を増大せしめるようなことになるおそれが、私ははなはだ多分にあるような氣がいたしたのであります。この点につきまして、私は軽卒にさような行為に出でられないように特にお願いいたしたいと思うのであります。なお職員の待遇の問題につきましてもいろいろと承つたのでありますけれども、これも政府から満足なる御答弁を得ることができませんでした。われわれどもの見地からいたしまして、私は現在のごとき國家職員に対する待遇が、職員に関する種々の問題を提起しておると思います。たとえば先ほど指摘いたしましたような人員が非常な欠員になつておる。そのために國家の重要なる行政機関の能力が十分に発揮せられていないという点がある。これ一に國家職員の待遇の取扱いの問題に帰着する。言いかえれば待遇が惡い、そういう結論になる。こういうことも私は政府として嚴重に反省されんことを希望するのであります。本法案の内容それ自身といたしましては、別に異議はございません。とりあえずこれだけの希望を申し述べまして、本案に賛成いたしたいと思います。
#84
○小川原委員長 農民党北二郎君。
#85
○北委員 私は農民党を代表いたしまして、本法案に賛成するものであります。今日の國民の声は、これ以上官吏をふやされてはたいへんだというのであります。そこで本法案が出て來るのは当然だと私は思つております。ただいまの日本の状態から考えますれば、非常に官吏が多い。しかもたとえますれば、家を一軒建てるにしても、五十三回官吏の手を経なければ家が建たない。また先ほども申しましたが、各種公團にいたしましても、完全にいま農業協同組合がやつて行ける現物までも官吏が取上げておるということも、ただいまの國情として私は非常に遺憾だと思います。また先ほど黒田さんから待遇の問題が出ましたが、われわれ農民側からいたしますれば、米一石三千五百円の立場を檢討いたしますれば、先ほど國務大臣から申されました五千三百円ベースというのは、必ずしも安いとは私は思えないのであります。そこでこの法律案で行政整理ということになつて來るのでありますが、先ほど申しました通り上級官吏、いわゆる戰前、戰時中も軍閥政治家が背後におつてこれらを自由にした。いまなおそれらが日本の政治を自由にしておるような感を深くするものでありますが、これらの官吏を徹底的に粛正してもらいたいということを希望いたしまして、本案に賛成するものであります。
#86
○小川原委員長 これにて討論は終局いたしました。これより採決いたします。
 行政機関の職員の定員の設置又は増加の暫定措置等に関する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
#87
○小川原委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
 なおこの際お諮りいたします。本案に対する委員会報告書の作成並びに提出等の手続に関しましては、委員長並びに理事に御一任願いたいと思います。
#88
○小川原委員長 御異議なければ、さようとりはからいます。
    ―――――――――――――
#89
○小川原委員長 さらにこの際、お諮りいたしたいと思います。それはただいま可決いたしました法案とも関係があることと思いますが、昨日本委員会に送付に相なりました中央出先機関廃止の陳情書を本日の日程に追加いたしまして、審査を進めたらどうかと思いますが、御異議ございませんか。
#90
○小川原委員長 御異議はないようでありますから、本件の審査をいたすに決しました。まず本陳情書の内容を專門員より紹介していただきます。亀卦川專門員。
#91
○龜卦川專門調査員 陳情の第七号といたしまして、中央出先機関廃止の陳情というものが参つておりますが、これは全國都道府縣議会議長会議の決議に基きまして、その常任幹事長東京都議会議長の石原永明氏から提出されておるのであります。この件はすでに皆さん御承知のことでありますから、詳しく御説明申し上げるまでもないと思うのでありますが、この陳情書の中にあります一節を読ましていただきます。
 地方自治法「第百五十六條の法意はあくまで出先機関は制限列挙主義を採用し地方自治の確立をはからんとするものであるにかかわらず改正法施行以來すでに一年になんなんとする現在、なお制限外の機関が何らの具体的廃止方策を講ぜられず残存し、地方自治行政の運営を阻害しつつあるはまことに遺憾にたえず。よつて政府は残存出先機関を廃止しその権限を地方に移讓して地方行政の綜合運営の妙を発揮し得るよう即時早急に措置せられることを要望してやまない。
こうなつております。
#92
○小川原委員長 次に本陳情書に対する政府の御所見を承りたいと思います。
#93
○岩本國務大臣 ただいまの陳情の趣旨は、先ほど御議決を願いました法案に関連し、同時にそれに付帶いたしますところの行政整理とにらみ合せまして、すでに私の構想の中にも申し述べましたように、幾多の出先機関を整理もしくは委讓するということと符合いたしております。但し本日の陳情にあります全面的委讓にするか、あるいは廃止にするか、こういう面は実際にぶつかつていろいろ調べることにし、同時に善処したいと存じますが、原則的にはただいまの陳情を政府としても至当と考えるのであります。
#94
○小川原委員長 何か委員の方で御質疑はございませんか。
#95
○小川原委員長 ほかに御意見はございませんか。――御意見もないようですが、本件に対する取扱いについてお諮りいたします。この陳情書の趣旨は、地方自治行政の総合的な運営をはかる上からも、あるいはまた國家行政機構の簡素化の点からも、その趣旨は妥当なものであると認められますので、本陳情書はこれを議院の会議に付し、採択の上内閣に送付することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
#96
○小川原委員長 なければさようとりはからいます。なお本陳情書に関する委員会報告書の作成、提出に関しましては、委員長及び理事に御一任願います。
 なお先ほど北委員の御質疑に対しまして、岩本國務大臣の答弁中に、参議院において━━━━━の言葉がありましたが、これは不適当と認めますので、委員長におきまして速記録より削除いたします。これにて散会いたします。
    午後四時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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