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#1
第004回国会 地方行政委員会 第2号
昭和二十三年十二月七日(火曜日)
    午後一時四十五分開議
 出席委員
   委員長 山口 好一君
   理事 小暮藤三郎君 理事 門司  亮君
   理事 高岡 忠弘君 理事 小枝 一雄君
   理事 大石ヨシエ君
      大内 一郎君    千賀 康治君
      武藤 嘉一君    竹谷源太郎君
      打出 信行君    坂東幸太郎君
      木村  榮君
 出席政府委員
        運 輸 技 官 小幡  靖君
 委員外の出席者
        專  門  員 有松  昇君
十二月七日
 委員大内一郎君辞任につき、その補欠として中
 山マサ君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員中山マサ君辞任につき、その補欠として大
 内一郎君が議長の指名で委員に選任された。
十二月六日
 消防吏員に司法警察権の一部を付與に関する請
 願(坂東幸太郎君紹介)(第五号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 地方出先官廳整理に関する件
    ―――――――――――――
#2
○山口委員長 これより会議を開きます。
 本日の日程は地方出先官廳の整理に関する件でありますが、まず委員の方の調査研究の結果の報告を願います。
 なおこの際出先官廳の整理に関する調査以外においても、警察、消防などに関する結果もございますれば、お述べいただいてもけつこうと存じます。小暮委員。
#3
○小暮委員 地方出先官廳の存廃を論ずるにあたつては、まずそれが何ゆえに最近かくも多数、しかも急速に設置せられるに至つたか、その原因を究明してみることが必要であろうと思います。
 一、地方の行政がいわゆる官選知事から公選知事へ移つてから、何といつても、今回の知事が地方の政治情勢に動かされやすく、廣く國家的視野に立つてこれを処理するというよりも、さしあたり手近の府縣内の利益を考慮するということは免れがたいところであります。しかるに戰後物資の窮迫は、今なお統制を解除し得る状態に至つておらず、中央政府の行う統制は強い國家的要請に基くものであつて、個々の地方的事情の考察はこれを第二義的に讓らなければならない。そこで中央各省は、それぞれみずからの施策を強力に遂行しもつて地方政治のボス的勢力からこれを守ろうとする傾向が強くなり、必要な出先機関を設けるに至つた。
 二には、社会の進運につれまして経済事情が変化発達し、もはや從來の局限せられた狹少の府縣の区域では足れりとせず、その関係するところが数府縣にまたがるに至つたものが多く、また一面鉱山事業とか電氣事業とかのごとく、初めからその性質上当然に数府縣にまたがつて行政的事務を展開しなければならぬものが相当あり、これらの諸事情のため、行政を一つの知事にまかせておくことは不適当なことがあるのでこれらに対処するため、中央官廳は必要な地方出先機関を設けるに至つた事情もあるのであります。
 第三として、しかしながら地方出先機関の中には、あえてことさらにこれを設けなくても、地方廳にまかせておけば十分に事足りるものもあり、見方によつては官僚が自分の子分を地方の要所に植えつけて、その勢力温存ないしは拡張の一段階にせんとするとまで行かなくても、少くとも自分たちの仕事の便利のために官僚を各地に派遣して、もつていわゆる事務の円滑を期せんがために、地方出先機関を設けたものもある。以上は地方出先機関誕生の原因をきわめて概略的に考察したものであるが、いやしくも新憲法が施行せられて地方自治の根本法規が明示せられた以上、國民も官僚も相ともに協力して、憲法所期の目的を達成するよう努力しなければならぬのが当然であります。從つて地方行政の面においても、できるだけ多くの國家事務を地方に委讓し、知事をして中央よりの拘束をできるだけ排除し、その良心とその責任とにおいて思う存分手腕を振わしめることこそ、地方自治確立の第一要件でなければならないのであります。この意味において、たとえ統制は國家の重要な事務であるとはいえ、そこはひとつ知事を信頼して、微量なものはもちろん、大量のものといえども、関係方面の事情の許す限り、思い切つてこれを中央から地方に委讓すべきが当然であろうと思うのであります。いわんや單なる官僚の便利のために、特に勢力拡張等の疑いあるものはこの際断固排撃して地方に委讓せしめることが、地方自治発達の上から見て、喫緊事であるといえましよう。これらの見地から、以下各地方出先機関を各所管に大別し、さらにこれを出先機関ごとに細別しまして、存廃に関する調査の結果を記述してみようと思います。これを一々述べますと非常に長時間を要しますので、詳細は速記録によつてごらんを願いますることにして、以上をもつて、私の報告をとめておきます。
#4
○山口委員長 ただいま小暮君の御報告につきまして、以下速記録に掲載することに御異議ありませんか。
#5
○山口委員長 御異議なければ、さようとりはからいます。
#6
○高岡委員 この際私ども治安及び地方制度小委員会の東北班といたしまして、視察調査いたしました状況並びに結果について、ここにその概要を御報告いたしたいと思います。東北班は同僚大内一郎君、高橋清治郎君及び私の三名でありましたが、國会の閉会を利用いたしまして、去る七月二十六日午前中仙台駅前、仙台ホテルへ集合を申し合せまして、午後一時よりただちに宮城縣の調査にとりかかつたのであります。視察調査の目標は、國民が即時断行を強く要望する出先官廳の整理に関する問題、警察法及び消防法施行後の状況、あるいは地方財政の実情等にその重点を置いたのでございます。まず知事室におきまして、千葉知事より地方出先機関の整理の問題について要望を聽取し、引続いて会議室におきまして、副知事高橋進太郎氏以下関係部課長、公安委員等、多数の会合を得て懇談会に移りまして、きわめて熱心にかつ愼重に質疑應答を重ねて、大体左の結論を得たのでございます。その詳細につきましては調査報告書も提出しているのでございますが、時間の関係等もございますので、ここに同僚各位の御了解をいただきまして、以下速記録に登載をせられんことを望む次第でございます。
#7
○山口委員長 ただいま東北班に関する高岡君の報告を、以下は速記録に掲載することに御異議ありませんか。
#8
○山口委員長 御異議なければさようとりはからいます。
#9
○門司委員 國政調査の御報告を申し上げたいと思います。私どもは福岡縣並びに熊本、鹿兒島の両縣を坂田道太君、坂口主税君私とで調査を行つたのであります。調査の内容は、地方出先官廳の整理に伴います調査並びに警察法施行に伴いますその後の情勢、さらに消防法及び消防組織法施行後における諸般の状況並びに地方財政に関する四つの事項であつたのであります。
 まず出先官廳の整理に伴いまする調査といたしまして、各縣の出先官廳のおもなるものを一應調査したのでございますが、その点につきましては、福岡縣において大体三十三の出先機関、さらに熊本縣においては四十四、鹿兒島縣においては十五の出先機関についてその意見並びに希望を調査したのでございまするが、いずれも知事会議の決定及び全國において、治安及び地方制度委員会の整理案に対して、すみやかに、その実現方を要望したのでございます。これは各般の事情を綜合いたしまして、私どもかねて治安及び地方制度委員会において、本議場に議長を通じて提案いたしましたその整理案の全貎を、ほとんど知事会議におきましても要求しておりましたので、そのことについては省略をいたしたいと思います。なおこの出先官憲の人員の数につきまして、一体どのくらいの者が地方出先官廳としておるかということを、各縣の廳員との対照比較をいたしてみましたところ、鹿兒島縣におきましては、十五の出先機関についてその人員の調査を依頼いたしましたところ、食糧事務所の八百六十六名、作物報告事務所百八十六名、公共安定所の百八十二名等を合せますと、総計千六百四十名の多数に上つておりまして、縣廳人員の三千五百人に対して約半分に及ぶ者があつたのであります。さらにこの点につきまして参考のために申し上げておきたいと思いますが、神奈川縣においても同様調査したことがあつたのでございますが、それによりますと、出先機関の定員は大体二千七百十名でありまして、これもやはり縣廳員の半分に達しておるというような状況でありまして、今日出先機関がいかに地方に多くの人員を擁しておるかということ、さらにその人員によつて重複した事務が行われるかということが、この数字の上から見てもうかがい知られるのであります。從いましてその整理を必要とし、そうして地方分権と地方自治の責任制の向上をはかることが、民主政治の急務であることを知ることができると思うのであります。
 その他警察法施行法に伴いまするその後の状況等についても、それの組織であるとか、装備であるとかいうようないろいろな点、さらに連絡に関する点というような條項にわけて一々御報告申し上げる方がいいと思いますが、非常に長くなるおそれがありまするので、各自のお手元の報告書を一應ごらんを願いまするとともに、この報告書の全文をそのまま速記録に掲載することによつて、一應私の御報告の御了承が願いたい。かように考えます。
#10
○山口委員長 ただいまの門司君の御報告につきまして、以下は速記録に掲載することに御異議ありませんか。
#11
○山口委員長 御異議なければさようとりはからいます。
    ―――――――――――――
#12
○山口委員長 報告聽取はこの程度にいたしまして、次に運輸関係の出先官廳に関する当局の説明を聽取いたします。陸運監理局長小幡靖君。
#13
○小幡政府委員 運輸省の陸運監理局長の小幡でございます。ただいま私の方で出先機関として持つておりまするのが、陸運監理局関係といたしまして、各府縣に道路運送監理事務所というのを設置いたしてございます。これはすでに御承知かと存じまするが、道路運送法の実施に伴いまして、今年度初頭から各府縣にそれぞれ一箇所ずつ設置いたしまして、ただ北海道に限り七箇所ばかり設置いたしてありますが、その各府縣の道路運送関係の行政をつかさどることに相なつておるわけでございます。大体の仕事は、詳しく申しますると相当長くなりまするが、トラック、バス、その他自動車関係の運轉手の免許の関係を除きまして、これだけがまだ縣の方に残つておりますが、その他の免許、その他すべての行政を道路運送監理事務所で実施する形に相なつております。そのうち現在各鉄道局が設置せられておりまする箇所にある道路運送監理事務所を、特定道路運送監理事務所ということにいたしまして、御承知の通りに輸送行政は二府縣以上にまたがるものがたくさんございまして、全体としての総合行政をやらなければならぬ面が多々ありまするので、單独の府縣内の仕事は道路運送監理事務所に監理させまするが、他府縣にまたがるようなもの、その他共通的の問題を特定道路運送監理事務所でさせる、こういう仕組みになつておるわけでございます。目下その形で道路運送関係を監理することに相成つております。大体そういう実情でありまするが、なお御質問がありますれば詳しくお答え申し上げたいと思います。
#14
○山口委員長 何か御質問がありませんか。
#15
○門司委員 道路関係の監理事務所でありますが、この事務所の仕事は、大体先ほどのお話のように、自動車の運轉手の免許の方は縣廳にまだ依然として残つておりまするのと、それから同時に、從來地方で行われておりましたものが、一年ばかり前からこういう形になつていると思いますが、これを地方に移した場合にどういう不便があるかということの御説明を伺いたいと思います。
#16
○小幡政府委員 では少しく長くなるかと思いますが、詳細に申し上げたいと思いますので、お聞き取りを願います。
 御案内のごとく、交通運輸の仕事というものは、これは普通の仕事と違いまして相当特異性を持つているように考えます。ごくわかりやすく申しまして二つの特徴がございます。第一に、交通は連続性ということを一つの本質といたしております。一府縣の中における交通というものは割合に少いものでありまして、貨物の関係におきましても、また旅客の関係におきましても、二府縣以上にまたがる場合が非常に多いのであります。これはもう簡單な例をとつて申しましてもわかりますが、米、麦のごとき、あるいは薪炭その他いろいろなものにいたしましても、必ずある府縣から他の府縣にまたがつて輸送され、またお客の面にいたしましても、多くは二府縣以上にまたがつて動かされるという情勢にあるのでありまして、この点はいまさら御説明するまでもなくおわかりのことかと存じます。
 その次にはいわゆる総合性と申しまするか、交通機関の緊密な連絡と調整ということが必要に相なるのであります。もちろん貨物を一つ運びにいたしましても、トラックで運ぶという面がありまするし、また鉄道でもつて運ぶという面がありまするし、さらにまた荷牛馬車でもつて運ぶという面がありまして、それぞれ交通分野というものがあるのであります。これらをうまく総合調整いたしまして、その間にむだのないようにやつて参るということは当然のことであります。この点も交通関係の一つの特異性でもあろうかと思うのであります。さらに現在最も大きな問題でありまする燃料、タイヤ、チューブといつたような資材の面でありまするが、この問題につきましては、御案内のごとく現在こういうものは全部輸入に仰いでいるのでありまして、これを適正に配分するということは非常に大きな問題であります。
 この点につきまして輸入にかかつておりまする関係上、特に適正な配分ということについての配意は、関係御当局の方の御注意をまつまでもなく、考えてやらなければならぬのでありまして、この点私どもとして今一番留意をいたしておるところであります。結局狭い一つの府縣單位といつたような考え方でなく、総合的にこれを活用するという面からいたしまして、資材配分について考慮を拂わなければならぬのであります。こういう点は、わが國のように府縣がごく小さな單位になつておりまするところでは、交通というものの全般性、廣域にわたつての交通というものが全体の姿であるという現実からながめまして、どうしても廣い総合的な意味の行政をやつて行くということが根本的に必要であることは、くどくど申し上げぬでもおわかりいただけると思うのであります。具体的にこの道路運送監理事務所で取扱つておりまする仕事を考えてみましても、たとえば免許の仕事、あるいは運賃、料金の認可の問題、あるいは事業計画をいろいろ変更するというような問題、さらにまた連絡運輸、あるいは共同経営、あるいは運輸協定の認可、こういう仕事もやつておりまするし、事業の讓渡、合併、解散あるいは休止、あるいは運送の命令、これらいろいろやつておる仕事もございますが、どれをとらえてみましても、いわゆるナショナル・コンサーンと申しますか、一府縣に限られていない問題がほとんどでありますので、大きな目から見た全体的な取扱いを考えなければならぬという点がたくさんあるのであります。そういう点も私ども考えまして、交通という面から考えた場合に、やはり一府縣一府縣に限るということでなしに、廣く考えるということがすべてにわたつて必要だということは、現状においてどうしても認めなければならぬ点であろうかと考えるのであります。御承知のごとく道路運送法が國会を通過いたしまして、そうして國会の御審議に基いて道路運送監理事務所というものの設置ということが実現をいたしたのであります。その当時におきまして、もちろん地方自治の問題とは十分関連して國会におきましても詳細に御檢討の上、御承認相なつたものかと思うのでありますが、現在におきまして地方自治との関係を考えてみますときに、やはりこの必要性というものは少しも薄らいでいない。しかも地方自治の強化の問題と決して抵触していないということも確信を持つて申し上げることができると思うのであります。しかも地方自治法の第百五十六條によりまして、地方自治体において、地方自治的の立場から必要な指導監督をこの道路運送監理事務所に対してお加えになることは決して排除せられていないのであります。この意味においては、知事の指導監督の道もはつきりと開かれておるのでありまして、地方々々の御事情を十分に道路運送監理事務所に対して御反映になることは、何らさしつかえない仕組みにも相成つておるのであります。また実際の問題といたしまして、これを地方に委讓するという場合に、予算の点を考えてみましても、財政上の負担をやはり地方公共團体が相当多く負わなければならぬという点がございます。さらにまた地方廳におきまして、先ほど申し上げました通りに、あげて道監の方に仕事が移管されております関係で、重複事務という形にはなつていないというのが現状であります。
 時間の都合がございますから、もう少し詳しく申し上げるつもりでおりましたが、要するに今申し上げたようなわけで、地方の自治の強化という点については、もちろん私どもはその根本精神に反対のあるわけではありませんが、この仕事が決して地方自治の強化ということと根本的に、本質的に違反するものでもないし、また具体的に仕事の上から考えてみても、廣い意味のナシュナル・コンサーブ的な仕事がほとんど大部分だという点から考慮いたしまして、ぜひ存置してやつていただきたい。ことに発足以來半年そこそこの日がたつておるだけでありまして、今のところ欠点もあろうかと思いますが、ぽつぽつ軌道に乘せて、むしろ強く進めて行きたいと念願しておる次第でありまして、このところこのまま存置の形でもつてぜひやつていただきたいと私どもは考えておるわけであります。
#17
○小暮委員長代理 この場合おはかりいたしますが、ただいま議長から、委員会を中止してただちに議場へ入つてもらいたいという達しがありました。ただいま小幅局長からお話があり、質問等もございますと思います。ことに坂東さんからいろいろ出先官廳その他調査の御報告を本委員会で御説明願うようになつておりますけれども、これもひとつ後日にまわしまして、本日はこの程度で散会したいと思いますが、御異議ございませんか。
#18
○小暮委員長代理 しからばさようにいたします。
#19
○門司委員 次の委員会でぜひ地方財政関係のことを少しお聞きしたいと思いますので、できれば大藏大臣の出席を求めたいと思います。その旨をひとつお傳えを願います。
#20
○小暮委員長代理 それでは本日はこの程度をもつて散会いたします。
    午後二時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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