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#1
第004回国会 大蔵委員会 第2号
昭和二十三年十二月七日(火曜日)
    午後二時五十分開議
 出席委員
   委員長 島村 一郎君
   理事 島田 晋作君 理事 梅林 時雄君
      石原  登君    苫米地英俊君
      宮幡  靖君    川合 彰武君
      佐藤觀次郎君    中崎  敏君
      松尾 トシ君    荒木萬壽夫君
      山下 春江君  早稻田柳右エ門君
      内藤 友明君    本藤 恒松君
 出席政府委員
        大藏政務次官  塚田十一郎君
        大藏事務官   黒金 泰美君
        專賣局長官   原田 富一君
 委員外の出席者
        大藏事務官   原  純夫君
        專  門  員 黒田 久太君
十二月六日
 旧日本貯蓄銀行の第二封鎖預金に関する請願(
 櫻内義雄君紹介)(第七号)
 医薬品類に対する取引高税免除の請願(早稻田
 柳右ェ門君紹介)(第一一号)
 旧新井崎軍用地跡地有償拂下の請願(大石ヨシ
 エ君紹介)(第一四号)
 質屋業に対する取引高税免除の請願(櫻内義雄
 君紹介)(第一五号)
 喫煙用具に対する物品税の免税点引上に関する
 請願(叶凸君紹介)(第一六号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)
  請願
 質屋業に対する取引高税免除の請願(櫻内義雄
 君紹介)(第一五号)
    ―――――――――――――
#2
○島村委員長 これより会議を開きます。
 まず製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑に入ります。
#3
○佐藤(觀)委員 議事進行について……。実は委員会の開会のときには、なるべく時間を守られるように、とにかくせつかく來ても時間が遅れて開けぬようなことになりますと、お互いに本会議とか関係がありますので、今後は大体の予定を立てていただきまして進行されんことを切に要望しておきます。
#4
○島村委員長 了承いたしました。できるだけ正確な時間で開会することにいたします。
#5
○島田委員 私はタバコの問題について二、三お尋ねしたいと存じます。政府の発表されました今回の製造タバコの定價に関する法律案につきます提案理由を見ますると、昭和二十三年度の專賣益金としては九百四十三億円を計上して、この目的を達するために努力した。努力したのだが四月から十月までの賣上げ高というものは四百九十八億で、結局本年度のタバコ賣上げ予算の千百二十一億円の四四%しか得なかつた。これは事実でしよう。事実でありますが、これはどうしてそういうような結果になつたか。この説明を見ますと、主としてピースが当初予定した通りの賣れ行きを示さなかつた。こういうふうに説明してあります。そこで問題になりますのは、私どもが最初に本年の六月の第二國会におきまして、タバコの値上げにわが党におきましては賛成したのであります。これはそのときとしましては、いろいろの予算の全体とにらみ合せまして、財源の関係から、実は心ならずも賛成したことは事実であります。ところがそのとき同僚からもいろいろ御質問がございましたが、六十円に上げて賣れるか。前の新生のときにもすでに失敗をしております。その失敗を繰返すのではないかと、同僚議員からも再三の質問があつたのであります。これに対しまして、当局はそういうことはないのだ、賣れるのだ、こういうような御答弁でありました。しかし実際上においては、結果は賣れなかつた。こういうことを私がなぜ申しますかというと、たしか第一國会のときだつたと思いますが、これもあのときはタバコの問題だつたと思いますが、私が事務当局に対して質問いたしましたときに、五十円以上ではとても賣れないのだ。事務当局といたしましては、政治的な意味において、上の方から言われれば値上げもやむを得ないのだけれども、技術的な面から見ますと、どうしても賣れないのだ。賣れないのだけれども、いろいろな政治的な意味から、上司から値上げを命ぜられたときには、やむを得ず上げるのだという御答弁があつた。そのときは原田さんが專賣局長官でなく、野田さんが專賣局長官で、答弁されたのはその当時のどなたでしたか忘れましたが、そういうことは事務当局としては当然でありまして、上から來た命令に対して値上げをする。これはやむを得ないが、これは結局國民の立場から見ますると、賣れなかつたというのじや済まないと思います。前から賣れないのじやないかということを再三質問され、これに対して賣れるのだと言つたが、賣れなかつた。こういう場合に政府は一体どういう責任をとられるのか。これをまず政務次官に伺いたいと思います。
#6
○塚田政府委員 質問の点はまことにどうもごもつともな趣旨でありますが、いかんとも御答弁のいたしようがないのでありますけれども、現実の問題として計画通り賣れなかつた。そこでどういう責任をとるかというお話でありますが、今後そういう事態の絶対に起らぬようにいたしまして、ひとつこの場だけは……。しかしこれは率直に申し上げまして、計画に齟齬があつたということでありますから、事務当局を責めると言えば責めるのでありますけれども、最後にはやはり政府の責任なのでありますから、決して責任をのがれるという意味ではないのでありますが、まことに恐縮な次第であるが、そういう事態を絶対に起さないように、愼重に今後の処置を盡して行くということで御了承願いたいと思います。
#7
○島田委員 塚田次官のお答えはまことにお察しするのでありますが、私どもも事実におきまして、ともかくも値上げ案にはこの前賛成したのでありますから、私ども國民に対しては責任を感ずるのです。しかしながら賛成しました理由は、先ほど申しましたが、他のいろいろな予算との総合的なにらみ合せから実は賛成したのであると同時に、事務当局の賣れるという自信に対して私らは信頼したのであります。今後これが信頼できないとなつて來ると、こういう問題につきましても、今後はわれわれとしても態度をかえなければならぬ。これはひとり大藏当局のみならず、あらゆる官廳にも共通でありまして、われわれどもがかりに値上げは賛成する、あるいは反対でありましても、実際の事務は事務官僚がやるのでありますから、こちらがそこに飛込んで、中に入つて製造するとか、あるいは賣るとかいうことは、國会はできないのでありますから、信頼が置けないとなつて來ると――この問題に限らず、置けないとなつて來ると、われわれとしても審議できない。審議しましても、結果に対してはどうも信頼が置けない。こういうことになつては、すべての國政を実行する場合において澁滯を來すのであります。どうしてピースは賣れなかつたかということにつきまして、專賣局長官の專門的な隠れない腹を腹藏なく、なぜ失敗したかということの自己批判をしていただきたいと思います。
#8
○原田政府委員 ピースの賣れ行きが予定に比べて非常に少いことは、島田さんが今もおつしやつたように、私どもほんとうに見込み違いでありまして、これは恐縮に存じておるのであります。最初ピースを六十円に値上げする案は、予算の編成当時、政府部内でもいろいろ議論があつたので、結局財政全般の事情から六十円にすることになりました。最初は六十円の値上げということは、まだ政府部内でも案が出ていなかつた。昨年度のうちに、二十三年度のピースの販賣数量を九十億本と見たのであります。全体が五百五十億本でありますが、ピースはそのうちの九十億本つくつた。五十円の一番高いタバコを相当たくさん賣つて財政收入をあげることにしよう。ところがいろいろの事情で今申しましたように六十円にすることになりました。そのときに、その九十億本を減らすべきだつたと、今にして思えばそうなるのであります。いろいろの予定がありましたが、これはまた專賣益金を相当多く見込むことになつた関係も実はあります。それから製造の方の関係もありますが、一應九十億にいたしまして、できるだけ賣ろう。それで委員会でも私は賣れるということを申したのでございますが、これはあの当時、今後物價の関係もありますし、いろいろの情勢から見て相当通貨の流通高もふえれば、九十億本もまた大体賣れるだろうということを見込み、期待しておつたのであります。ところがやつてみると、今申しましたように、非常に賣れない。これは六十円が高いということもあるのでありますが、一つは五十円を十円越えただけで、勘定が非常にぐあいが惡い。これがまた一つは非常に強く響いたことと思うのであります。その結果ピースの賣れ行きが非常に惡くて、九十億本の予定に対しまして十月末までに賣れた数量が二十六億本であります。私どもはピースが賣れないということを見まして、賣れ行きに應じた販賣の仕方をして、できるだけ予算の九百四十三億を達成するようなくふうをいろいろ考えたのでありますが、結局ピースが賣れない分を光以下の自由販賣品に振りかえて、そうしてできるだけ製造数量を最初の予定よりもふやすことにして、そうして全体の賣上げ高について同じように持つて行こうということでやつて來、現在そういうふうにやつているのであります。ピースの賣れなかつた理由といたしましては、結局六十円が割高になつたことと、勘定がちよつとぐあいが惡い。これに大体帰することと思います。それは高いのでありますから、できるだけよい品質のものにしようと思つて、香料の点あるいは砂糖を少し入れる点等努力いたしておりますが、これは何しろ目に見えて急によくなるということはなかなか困難なのでありまして、実際においていろいろな見込み違いを生じて、恐縮に存じておる次第であります。
#9
○島田委員 ここの説明書にタバコの販賣計画内容を修正するとありますが、ピースは今後は製造しないのでありますか。
#10
○原田政府委員 本年度の十二月一ぱい一應予定通りつくりますと、大体本年度賣る計画の数量ができますので、しばらく中止しよう。なくすという意味ではないのであります。先ほど九十億の予定と申しましたが、それに対して十月までに二十六億余、それから十一月以降三月まで十二億くらいを賣る予定でございます。これはこれまでに比べて非常に少い。一年間を通じて三十八億本にする予定であります。ですからまた三月ごろになつてあるいは始めることになるかもしれませんが、全然やめてしまう意向ではございません。
#11
○島田委員 そうしますと、賣れないからそこで販賣数量を多少加減しまして、そうして賣つて行く、こういうことになるのでありますが、三十何億本にしましても残つておる。また製造も若干続ける。ここで思い切つて六十円を五十円にする。そうして早く賣りさばいてしまう。そういう御意思はありませんか。
#12
○原田政府委員 この問題は考え方としていろいろあるのでございますが、お話のように値下げをするということも一つの案だとは思いますが、実際問題としていろいろ調査いたしますと、ピースの愛好者というものも相当あるようにも思います。で六十円でもやはり買つて吸う方もかなりあるように思いますので、数量がそうたくさんなければ、そうむりをして賣るということでなくても相当の收入はある。そうしますればやはり六十円にしておいて数を少くしてもいいものをつくつて、特殊の高級タバコということにして、光の五十円のタバコもあるのでございますから、價格は現状のようにして数を少くして賣つて行きたい。こういうように考えております。
#13
○島田委員 私の聞きたいことは、根本はどうも專賣事業の通弊でありましようが、机上のプランで始める。そうするとできないと思つていても、いろいろな関係上政府の事業であるからして始めてしまう、やつてみたところが案の通りできない。そういう場合に普通の民間の事業ならば、さつそくここで販賣方針なり、製造方針なりを大轉換をしなければならぬと思うのです。ところが役所の面子があるものですからできない。しかし何とかしてごまかして切り拔けて行こう。こういう根本的な態度があると思う。これが今の政府とかあるいは前の政府とか言うのではなくて、大体專賣事業がそういうところに根本的な弊害があるのではないかと思う。これは私ども專賣事業がいかぬとか、そういう根本問題ではなくて、現在ある專賣事業というものを生かすためには專賣收入をあげなければならない。これは專賣でありますから当然あげなければならないが、あげ方がやはり民主的にしませんと、結果において惡いなと氣がついた場合は原因にさかのぼつてすぐかえて行く。そうしませんと、私ども國会議員としまして、こういう問題の法律案の審議をしまして、後の結果に私ども責任を負わなければならぬことになるので、この前の値上げはいたし方ないといたしましても、今後におきましてはやはりあやまちを犯した、失敗したことを認めたならば、それをただ單に時間的にごまかして切拔けるというのでなくて、根本的に考え直す必要があるんじやないかと思います。たとえばただいまの長官の話では、ピースの品質をよくし高級タバコにする。そうかと思うと砂糖を入れても香料を入れてもすぐはよくならないと言われる。どつちをとつていいのか私どもにはわからない。長官の苦心はわかりますけれども、私ども消費者の立場から言うと、よくするならばほんとうの高級タバコにする。そうできないならば光とピースを同じようにしてしまう。あるいは光そのものの五十円も再檢討してみる。実際において全体の額がこれだけの專賣收入をあげればいい。そういう問題につきまして大藏次官から大藏当局としてのお考えを伺いたいと思います。
#14
○塚田政府委員 前回のタバコ値上げから今度の値上げの一年間を通じましての考え方の基本的なものとして、御指摘の点は確かにごもつともであると思うのであります。そこで前回には先ほど御指摘のようにたいへん失敗をして、その失敗を繰返えさない意味において、今度は政府も愼重に考えましたのであり、また本委員会において皆様方の忌憚のない御意見を伺わしていただいて、善処して行きたいと考えておるのであります。ただ一應現在考えておりますところでは、この程度の案で、しかも先ほど專賣局長官が申しましたように、高い賣れないタバコといいましても、やはり数量のある限度までは相当に購買力があるんじやないか。そこで購買力がある程度の数量まで減らしまして、もちろんそういうタバコの質もよくしましてでありますが、そういうタバコを賣ることによりまして、他のものにかかつて來る総收入を上げるための圧力を幾らかでも軽減して行く。そうして一般大衆のものは安くして行くというような方法で、相互勘案いたしまして大体今度の案程度で、一應調和のとれたものになるのではないかというように考えて、今度の値上案を決定いたしましたわけであります。なお十分御審議いただきまして適当に考えていただけば、あわせて参考にいたしまして最終的なものにいたしたいと考えます。
#15
○島田委員 今度の第四回國会は目前に解散を控えて、ここで審議する時間もございませんが、その後におきまして政界がどうなるかわかりませんが、專賣当局としまして、從來のタバコの製造方針、あるいは販賣方針につきまして、今回のこの法案は別にしまして、根本的に再檢討しまして出直すという御意思があるかどうか。これを伺いたいと思います。
#16
○塚田政府委員 これは今度專賣局そのものの組織も、公社になりましてかわります際でもありますし、一應新しく発足する段階になつておりますから、來るべき國会におきましてはそういう新事態とにらみ合せまして、十分再檢討いたしてみたいと考えております。
#17
○島田委員 そういう場合におきましては國会に事前に連絡しまして、内面的に折衝しまして、ぽかつと法案を出さないようにしていただきたいと思いますが、その前にりつぱに專賣公社が発展して行くよう、方針だけは確立していただきたいと思います。ただここで議題になつております配給タバコの値上げにつきましては、意見はあとで申しますが、これは結局今までの自由販賣タバコの賣上げが予定に達しなかつたから赤字になつた。その赤字を補填するために配給タバコを上げる。これは非常に不合理なことでありまして、大衆は二重の負担を負うことになります。しかもこれが三十億の予算になつておりますが、こういう案を撤回しまして、他の財源によつて三十億くらいはまかない得るんじやないかと思いますが、これにつきまして率直な御意見を伺いたいと思います。
#18
○塚田政府委員 御指摘の点につきましては私どもも実はこういうものの値上げをすることは、ほんとうはあまり好ましくないというので、今度の追加予算を編成いたします段階におきましては、ずいぶんいろいろと審議をいたしましたわけであります。しかし結局におきまして、どうも適当な財源がないというような結末になりまして、ここに落着いたようなわけなんでありまして、ほんとうは適当な財源があつてそういうものにかえられれば、こういうものはなるべくこれを避けて、歳入に欠陷を生じたならば生じたままにして、他のものでカバーいたしたいという考え方は、確かに氣持の上においては持つているわけであります。ただそれと同時に、今までのタバコの値段というものは、官公吏では三千七百九十一円、一般では三千七百円ベースの給與賃金というものを、一應基準において定めたものであり、それが民間の給與がその後自然発生的に大分動いており、今度はそれに合せて官公吏の給與も大分上がる。その上げ方も政府案でも三割二、三分になつておりますので、この程度のものはそういう事態とにらみ合して、決してむりなものではないじやないかというようなことを考え合せまして、今度の値上げ案を出したわけであります。
#19
○佐藤(觀)委員 專賣局長官にちよつとお尋ねいたしますが、先ほどピースの購買力の問題についてちよつとお話がありましたが、われわれこの前の委員会におきましても、タバコを政府の財源のために上げても、必ず賣れるとは保証ができないと言つておきましたが、そういう点について、購買力という問題をお考えになつてあの当時値上げになられたのかどうか、その点ちよつとお尋ねいたします。
#20
○原田政府委員 この前の國会で御審議をいただいた当時、初め案をつくりました当時に、私どもも六十円は割高だということは認めていた。またそう思つておりましたが、多少割高といたしましても、その後の物價の上る趨勢などを考えまして、大体賣れるだろうとにらんだわけであります。
#21
○佐藤(觀)委員 これは今の政府がきめたのではないのですから、今の次官を責めるのはむりかと思うのですが、実は政府が見込み違いをした。自由販賣のピースが賣れ行きが惡いから、その穴埋めに今度の一般家庭配給なるものを値上げするということは、政府のやつた間違いを罪のない一般國民大衆に轉嫁するということになつて、はなはだおもしろからざる結果になると思うのでありますが、これについて、タバコが相当今値段が高いということを一般に言われておるのでありますが、こういう追加予算を立てないで、何かほかの方法でこのくらいのことは、ひつと大衆に轉嫁しないような方法で何とかできないかということについて、政務次官の御答弁を願います。
#22
○塚田政府委員 御質問の点は、ただいま島田委員にお答え申し上げましたと同じ考え方なんでありまして、やはりできるならばこういうものにおつかぶせたくないという感じは、確かに持つておつたのでありますけれども、どうしても予算の編成の段階におきまして、こういうような結果になつてしまつたのであります。今度の追加予算をごらんいただいてもよくわかりますように、相当財源の面に徴税――殊に税の自然増收の面などを見て参りますと、今日の税務機構の状態とにらみ合してかなりな困難が予測されるというような状態になつておるのであります。そういうような一般財源のあり方というものとにらみ合してやむを得ないじやないか。ことに先ほども申し上げましたように、民間の給與水準というものが大分上つて参りましたから、どこまでも今までのタバコの賣れなかつたための歳入欠陷をここにかけた。結果においてはそういうふうになつておりますけれども、しかしそういう事態がかりにありましたとしても、一方給與水準などの上り方で、そういう他の業態がありませんで、どうしても配給タバコを上げるということが今日の事態にそぐわないということであれば、おそらくこの方法はとらなかつたと思うのでありますが、そういうような事態とにらみ合せて、この程度のごしんぼうをひとつ國民にお願いする方が、他の面で御迷惑をおかけするよりもまだましじやないかというような比較判断において、こういう結果になつたと、こう御了承願います。
#23
○佐藤(觀)委員 その他のことについて專賣局長官に御質問申し上げます。大体そのほかのタバコについては、こういうような見込み違いで、またほかのものを上げるというような懸念のあるものがあるかどうか、ちよつとお尋ねしておきます。
#24
○原田政府委員 ちよつと御質問の御趣旨がよくわからなかつたのですが……。
#25
○佐藤(觀)委員 ほかのタバコの種類で、ピースと同じような結果になるような懸念はないかどうか。
#26
○原田政府委員 ピース以外のものにつきましては、そういうことはないと思つております。光におきましても相当賣れ行きはよろしゆうございますし、ほかの、朝日、憩、ハツピー、ききよう、新生等につきましても、そういうふうな心配は今のところ持つておりません。
#27
○内藤委員 今度の値上げはきんしが十五円になり、みのりが十グラム十五円、のぞみが同じく十一円になるのでありますが、この原價はどのくらいになるものか、ひとつ教えていただきたいと思います。
#28
○原田政府委員 給與ベースを今度の追加予算で御審議願つている五千三百円ベースにいたしまして、それから原料の葉タバコの價格を、本年産をもう間もなく使い始めますから、本年産の葉タバコの價格にいたして計算してみると、今年全体の分でなくて、これからできるタバコの原價でありますが、ピースで申しますと、ピース十本六十円の定價のものが六円七十三銭二厘、光が六円六十二銭一厘、それから憩が五円九十七銭九厘、ハツピーが五円三十一銭六厘、新生が五円四銭七厘、それからききようが五円七十九銭八厘、それから配給品になりまして、きんしが四円八十三銭九厘、みのりが四円七十五銭九厘、のぞみが四円五十七銭七厘であります。
#29
○内藤委員 そこで今度きんし、みのり、のぞみの値上りによりまして、三十億円の増收をはかろうという御計画でありますが、これは今までの配給量でこれだけの増收になるのでありますか。あるいは配給量が今度はふえるのでありますか。そこらあたりをひとつお話し願いたいと思います。
#30
○原田政府委員 家庭配給品の配給量の問題につきましては、この前の第二國会で値上案を御審議願つたときに、増配の御意見、御要望が非常にありまして、私どもも下半期におきまして、できるだけ早く増配することを考えたいと申し上げておつたのであります。その後未だにできずに申訳ないと思つておつたのでございます。大体一月から十本増配する予定にいたしております。ちようどこの値上案を一應一月からということに予定しておるのでございますが、それとかち合つたことはちよつと私どもとしてもぐあいが惡いのでありますが、増配の方は前から考えまして、製造数量の関係で一月から五十本を六十本にすることを予定いたしております。從つて一月から値上げいたしまして三十億を出すということは、一人六十本にして十本増配した数字で計算をいたしております。
#31
○内藤委員 三十億増收の内容がわかつたのでありますが、そこでこれは島田、佐藤両委員からもお話があつたのでありますが、これで予定の通り大丈夫收入がありますでしようか。この次に行きまして、またどうもないということになるのか。ここが一番かんじんなところだと思うのでありますが、そこのところをひとつおつしやつていただきたいと思うのであります。
#32
○原田政府委員 今日までの賣れ行きの実績を見まして、私どもはこのまま値上げをしないで三十億程度の收入減ということを見ておるのであります。見方につきましては悲観的な見方、樂観的な見方、いろいろあるわけでありますが、私どもの今のところの見通しとしましては、値上げすれば大体当初の九百四十三億の益金が上るものと考えております。
#33
○内藤委員 これは次官にお尋ねしたいと思うのでありますが、今度政府は官公吏の給與ベースをお引上げになる法律案を出されております。あの中にタバコの値上げのことはやはり考えてあるのでございましようね。
#34
○塚田政府委員 一應織り込んだ数字になつておると存じております。
#35
○宮幡委員 わが党の立場としてちよつとお尋ねいたしたいことがございます。前議会におきましてタバコの値上げということについては、大衆課税に轉嫁するということで、根本的には反対であつたのであります。当時の政府の財政事情を考慮に入れまして、原案に一應賛成いたした。しかもその賛成いたしますについては討論に際しまして、今後値上げの場合におきましては、大衆の負担となる配給タバコのごときものの値上げはぜひ差控えてほしい。かような希望條件をつけておいたわけであります。この点は速記録において明らかであります。今度の値上げは遺憾ながらこの面に及んでおりまして、その金額の多少にかかわらず、われわれは引続いて國民大衆の負担軽減を念願とする以上、一應疑意を持たなければならないのであります。これはむしろ本委員会においてお尋ね申し上げますよりは、予算委員会において申し上ぐべきことだと思いますが、予算委員会が時間の繰合せが非常に困難でありますので、便宜この際記録にとどめる意味で、政務次官に簡單にお答えをいただきたいと思うのであります。ただいま予算委員会において現われております状態は、十一月現在の國民所得の算定を二兆三千九百億、そのうち課税所得が九千三百余億、こういうことを標準として税の自然増收を見積つておるように説明されておりますが、これに対しまする各党の質問を靜かに聞いておりますると、もつとその課税所得が多いのではないか。具体的に言えば六千億ぐらい――公聽会においても会計檢査院にお勤めになつております官公労組の事務局長をやつております南磐男さんから、現にそういうものが脱けておるというような説明をせられておりました。もちろん公聽会御出席の立場は全官公労の事務局長でありますが、御勤務の関係は会計檢査院でありまして、よく事情を御承知のはずだと思うのであります。私ども考えまするには、六千億というものの課税が残されておる。まだ捕捉できないものがあるのだ。こんなふうには考えたくないのであります。実際の面といたしましては、神ならぬ人間のやることでありますから、捕捉されない所得もむろんあると思うのでありますが、さような憂いはないか。むしろ現在の税法の上からとるべき所得自体が、すでにこれを純理論的に考えれば、課税すべからざる部面さえ持つておるわけであります。なぜかと申しますると、高進して参りまするインフレの過程においては、一つの資本の回轉におきまして、一巡還ごとに仕入原價が上つて参りまして、いわゆる資本の維持と経営規模の継続ということが根本になつて参るのでありまして、そこにたまたまインフレの差益が出て來たから、所得税法の上から行けば、これは課税をしなければならぬのでありますけれども、実際は負担できないのであります。かような面を見ますると、むしろこれ以上課税をするということは間違いである。しかるにまだ六千億もあるというような空氣でありまして、そうであれば結局タバコの値上げの三十億のような微細なる所得財源を求めるというようなことにつきましては、非常な難点があると思うのであります。そこでこの際政府からぜひともかような三十億の歳入を見積らなければならない、いわゆる必然性と申しましようか、ほんとうに健全財政の立場から割出されまして、三十億を出さなければならない予算編成の実情を、ぜひとも本委員会において御表明を願いたい。かように考えるわけであります。
#36
○塚田政府委員 宮幡委員から御指摘の点は、実際私どもも野党の時代に同じような考え方をもつておりました。なるべく大衆の負担にかかるようなものは値上げをしないという趣旨において、この前の委員会においてはタバコの値上げの法案の際に、その態度で審議に臨んだことはただいま御指摘の通りであります。そこで今度の値上げしたときの考え方と、どういうぐあいに連関を持つものがあるかということでありますが、問題はそのほかの点において御指摘になりました税負担の点においても、共通にあると思うのでありますが、國民の負担が非常に重過ぎるということは、これはおそらく議論のないところではないかと思う。その重過ぎる税負担というものがどこから出て來るかと申しますると、結局國の財政の上において、國民の力よりも財政規模が大き過ぎるというところから出て來るのであります。問題はそこまでさかのぼつてこれを解決して行くのでなければ解決がつかないのではないか。そこまでさかのぼつて問題を解決するということは、言うことは非常に簡單でありますが、実際問題として非常にむずかしい。しかしむずかしいからといつて、これを放つて行けるという段階でないことは、私もしばしば本委員会で申し上げた通りでありますが、少くとも今度の追加予算というような段階においては、そこまで財政政策の根本までさかのぼつたものがなかなか立ちにくい。時間的の制約もありましてなかなか立ちにくいというようなことで、一應現在の財政というものの規模を、そのまま最小限度にこれを実施して行くという意味において、今度の追加予算案が組まれたわけであります。そういうような前提で追加予算が組まれます以上、やはりそれにマツチするだけの收入を國民の皆さん方から御負担願つて、上げて行かなければならぬということになりまして、そこでどの面にどれだけの御負担をおかけする方が、一般國民の立場から樂な方法で、また國民生活全般の観点からもその方が一番いい方法だというような判断が、結局今度の予算の上に出て來たという、そういう形だと一應御了解願えれば一番いいと思う。そこでタバコ値上げが大衆負担になるということでありまするが、御指摘の点はその通りであります。先ほどから繰返して申し上げます通り、一應今度は数字的には値上げになりましたが、それに應ずべき給與の値上りというものが一應あつてだから、この程度はいいのじやないか、そういう判断であります。
 それから不正利得の上に捕捉されない利得があるという考え方については、どういうぐあいに考えるかというお尋ねでありますが、私も一應今日のこの所得税法が、実質的な所得と名目的な利得と税法のもとでは区別しておりませんので、その区別されない建前からやはり捕捉されない利得というものが、確かにあるのじやないかということはあると思う。それは先般六千億というように言われましたが、そういう数字であるかどうかということは私も確信はないのでありますが、とにかく相当なものがある。そこで今度の追加予算に組まれました自然増收におきましても、これはどこまでも、その自然増收はもちろん勤労所得などの賃金の値上げによつて、当然に出て來るものは別でありますが、企業所得のような場合にはむしろそういう捕捉されないでおつた部分に、この重圧をかけて行くという方向で行かなくちやならぬのではないか。そこで税機構の強化、査察部などの健全なる活動というものが非常に重要視されて來るのであります。とにかくそういうような総合的な方法を講じまして、なるべく捕捉されない利得というものと所得というものを捕捉して、自然増收というものを上げて行くようにいたしたい。さらに根本にさかのぼつて名目利益というものに課税することの可否という問題でありますが、これは確かに私どもも同感なのでありまして、名目利益というものは、これはできるならば課税しない方がいいのだ。また課税をすると結局これは元本を食いつぶすということになつて、だんだんと國の経済組織というものの規模をそこなうからという考えにおいては同感なのでありますが、ただ今日のように國力を越えた財政、國の台所をまかなつて行くのに、名目利益というものは全然課税をしないのだという建前では、全然收入の上げ道がないということで、ことに各階層の負担の要素を見ておりましても、やはり單に企業者だけでなしに、勤労所得者にいたしましても、みんながこの名目利益に一部分の負担をつけておるのと同じ結果になるという意味合いにおいて、一應ごしんぼう願いたいというように考えて、今日の税制があるとこういうように御了解を願いたい。
#37
○宮幡委員 大藏政務次官の御答弁はきわめて細部にわたりまして満足するものであります。ただそこで要点を一、二確認する――と言うと言葉は惡いのですが、お確かめしたいと思います。三十億のタバコ値上げをいたします財源というものは、ただいまの御説明から申しますと、これを拔いては今度の追加予算のくさびが拔ける。かような重要な要素になつておる。かように考えてよいかどうかということと、それから税の捕捉できない課税部分が残つておる金額は不確定であるが、あるに相違ない。從つて自然増收を見積つておりますのは、先ほど委員からいろいろ説明がありましたが、これは水増し予算であると申しておるが、今の御説明をそのまま伺いますと、これは水増しされていない。きわめて着実に見積られた自然増收である。かように考えてさしつかえないか。この二点を伺います。
#38
○塚田政府委員 御質問の第一点のタバコの値上げというものは、御指摘の通り、これを拔きましては、今度の追加予算は相当大きく狂いを生ずるとともに、とうていこれは拔けない性質のものであることを御了解願いたい。それから今度の自然増收が追加予算の上に相当大きく見積つてございますが、これは税の根本理論にさかのぼつてお考えくださつても、御了解が行くと思うのでありますが、政府は所得のないところに認定でもつて税をかけて行くというような考えは、毛頭持つておらないのでありまして、どこまでもあれだけの自然増收というものは――捕捉されておらない部分においてあれだけのもの、もしくはその他の自然増收の部分において、あれだけのものが出るはずのものであるという推定の算出の根拠に基きまして、あれを計上いたしました。そういうふうに御了解願います。
#39
○島村委員長 ほかに御質疑ありませんか。――では本日は質疑をこの程度にして次に移りたいと思います。
    ―――――――――――――
#40
○島村委員長 本委員会に付託されました質屋業に対する取引高税免除の請願を議題といたします。まず紹介議員の御紹介を願います。梅林君。
#41
○梅林委員 紹介議員櫻内議員が不在でありますので、私は本人にかわりまして、全國質屋連絡協議会会長小坂浅郎次氏よりの請願について、その請願の趣旨を御説明申し上げたいと思います。
 質屋の融資の対象は庶民大衆の階層であつて、融資の目的は大部分生活必需品の調弁資金であります。すなわち彼らはこれをもつて主食、副食、みそ、しようゆ、その他一連の日常生活の資料を購入するの資に充てるもので、ことに現在のごとく生活品の配給を受くる代金は、質屋より一時の融資を求めて、急場の間に合す場合も多いのであります。このような意味におきまして質屋の貸付は金と物との相違こそありますが、その本質は生活必需品の取引と同じものであります。しかるに庶民大衆が自己の手持ち資金で購入する場合は、取引高税をまつたく免除せられ、たまたまその用意なく困窮のため一時質屋よりの融資によつて問に合す場合にはかえつてその質利に取引高税を課せられるのは、まつたく実際の彼らの生活事情に即したものとは言えないのであります。大体以上のような意味合いにおきまして、社会的必要度は理髪であるとか、あるいは浴場その他の取引に比して、まさるとも劣るものではないと思われるのであります。下層階級の厚生福祉等の施設運営の趣旨にもかなう次第でありますので、この際庶民一般のためこの難局を切り拔けるところの、比重大なる負担を緩和するの意味合いにおきましても、取引高税をこれらの取引の対象より除外せられんことを切に懇願する次第であります。以上簡單でございますが、趣旨を御説明申し上げます。
#42
○島村委員長 本請願を採択するに御異議ありませんか。
#43
○宮幡委員 本請願はまことにごもつともだと思いますので、本請願につきましては採択の上、内閣に送付すべきものと議決せられんことを望みます。
#44
○島村委員長 宮幡君の動議に御異議ありませんか。
#45
○島村委員長 御異議なしと認めまして採択することに決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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