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1948/12/08 第4回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第004回国会 大蔵委員会 第3号
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1948/12/08 第4回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第004回国会 大蔵委員会 第3号

#1
第004回国会 大蔵委員会 第3号
昭和二十三年十二月八日(水曜日)
    午前十一時二十一分開議
 出席委員
   委員長 島村 一郎君
   理事 大上  司君 理事 島田 晋作君
   理事 梅林 時雄君
      苫米地英俊君    宮幡  靖君
      川合 彰武君    佐藤觀次郎君
      重井 鹿治君    細野三千雄君
      山下 春江君  早稻田柳右エ門君
      内藤 友明君    本藤 恒松君
 出席政府委員
        大藏政務次官  塚田十一郎君
        大藏事務官   黒金 泰美君
        大藏事務官   平田敬一郎君
 委員外の出席者
        議     員 叶   凸君
        大藏事務官   日下部 滋君
        專  門  員 黒田 久太君
十二月八日
 委員堀江實藏君辞任につき、その補欠として松
 谷天光光君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)
  請 願
 一 旧日本貯蓄銀行の第二封鎖預金に関する請
  願(櫻内義雄君紹介)(第七号)
 二 医藥品類に対する取引高税免除の請願(早
  稻田柳右エ門君紹介)(第一一号)
 三 旧新井崎軍用地跡地有償拂下の請願(大石
  ヨシエ君紹介)(第一四号)
 四 喫煙用具に対する物品税の免税点引上に関
  する請願(叶凸君紹介)(第一六号)
    ―――――――――――――
#2
○島村委員長 これより会議を開きます。
 法案の審議に入ります前に、本委員会に回付されました請願の件について、これを議題といたします。本日ここで御紹介をいただきたいと思いますのは、旧新井崎軍用地跡地有償拂下の請願及び喫煙用具に対する物品税の免税点引上に関する請願、この二件を審議いたしたいと存じます。喫煙用具の方を先にいたしまして、まず紹介議員の御紹介を願います。
#3
○叶凸君 貴重なお時間を頂戴しまして、説明をさしていただきます。私が居住いたしておりまする布施と申しまする所は、大阪が大半戰災で灰燼に帰しましたあとで、残つておりまする中小工業都市としては最も注目すべき箇所に相なつておるわけであります。ことにいろいろ製造工場があるわけでございまするが、戰爭前に廣く貿易品として、また國内大衆の需要向けといたしまして、いろいろのセルロイド関係の業種があるのでございます。本日請願いたしたいと存じておりますのが、喫煙用具に関する物品税のことでございまするが、ここにサンプルを持つて來ておりまするが、いろいろ種類があるわけでございます。こちらの方は大体六円五十銭くらいのものから、高いのでは三十八円くらい、お手元にまわしまするので、ごらんを願いたいと思うのでありますが、こちらの方はやや高級品になつて五十円くらいから百十五円、しかしこの値段は製造業者が製造いたしまして、これを小賣業者の方にまわして行くときの値段でございまして、これに税金が五〇%かかるわけなのであります。これに五〇%の税が込まれまして、そうしてそれが小賣業者の手に渡つて行つて、皆さんの手に渡つて行く。こういうことに相なるわけでございまするが、値段の関係で製造業者の方では小賣業者に五〇%の税金をかけてしまいますると、小賣業者の方でいかんともその値段のつけようがなくなる。こういうことで常に五〇%分の税金をかけずに、しかも五〇%の税金を製造業者が負担するというふうなことに相なつて來ておるわけでございまして、非常に業者が困つておるのであります。私は敗戰下の日本の工場の問題につきまして、特に戰爭前の技術水準というものを確保することが、非常に重要な問題であると考えておるのでありまするが、ことに將來日本が大規模な重工業に依存せずして、かようにいろいろなほんとうに日本人的な小まめな技術によりまして、外貨獲得の目的を達することができるところのこういうふうな喫煙用具等につきまして、特に政府がこのような業者諸君の労苦を買われまして、技術保存の意味からでも、この物品税につきまして相当程度に御考慮を願いたいと、かように存ずる次第であります。ここでこの請願書を読み上げまして、委員諸賢の御参考に供したいと存じます。
 敗戰下多事多難なる國家の要請にこたえて、國民として業者として納税義務の完全履行をはかることは当然であります。しかしながらわれわれ喫煙具製造組合は、戰時中より敗戰後の今日まで非常なる惡條件のもとに惡戰苦鬪を続け、経営に盡し、能うる限りの納税をいたしております。
 さて当組合設立は昭和七年四月当時円ブロツクの輸出の先がけとして活躍し、同年九月には欧州一円にまで廣く輸出するまでに成長しておりました。昭和七年四月ごろより組合本部を東京浅草に設置し、支部を秋田、新潟、小田原、名古屋、大阪等の支所に設け、喫煙用具の全國需要に應じておりました。われわれ業者の有する技術は優秀にして、將來の貿易に対処すべく努力中でありますが、あらゆる惡條件はますます倍加し、材料の入手難、價格の暴騰、なかんずく種々の税金の加重により、経営難、不能の悲境に陷りつつあります。特に物品税の税率は百分の五十でありまして、免税点はわずかに一本十円のものに限られております。この免税点ではキセル(越後のつばめ)は恩惠に浴しますが、われわれのごとく各種の大衆向きパイプ製造業者はまつたく恩惠に浴せません。よつて一面喫煙用具製造業者の最低生活を守り、他面往時の実績より考慮して、將來の有力なる貿易品として技術保存の建前より、断固免税点を一本四十円までに改正せられたく、ここに業者一同署名捺印、サンプルとりそろえ添付の上請願に及びます。
 こういう意味のことでございまして、この請願書の中のキセルで越後のつばめと申しますのは、日本向きの竹の先に金具がついております普通の刻みタバコを吸うものでありますが、これは十月まで製造業者は免税されることになつておりますので、こういうものは製造業者として相当恩惠に浴せるわけです。ところが少し技術を加え、こういうものに少し磨きをかけたり、大衆の嗜好に投ずるということになりますと、とうてい免税点の恩惠には浴せられない。品物でごらんになりますとわかりますように、決してごむりをお願いしているわけではありませんので、これを四十円まで免税をしてもらいたい。そのほかは從來通り納税の義務を果そうと業者は言つているのであります。ここでくれぐれも申し上げたいことは、日本の將來にわたりましても必要であり、アジア圏等におきましても、この品物は相当貿易品として有望であるということは、貿易関係の人にも折紙をつけられているものでございまして、やはり東京にも相当の業者がおりまして、別個に運動を続けているようでございますが、私の地元の者も詳しくその製造業者の業態を知つておりますので、財政難の折からごむりであるとは思いますが、技術保存の意味において、特に委員会において御配慮を煩わしたい。かように存じて、あえて陳情書を出しまして皆さん方の時間を拜借したような次第でございます。何とぞよろしく御採択をお願いいたしたいと思います。
#4
○島村委員長 ただいま叶君の御紹介がありましたが、一應政府委員等の見解も参考といたしまして、採択の可否は後刻決定いたしたいと思いますが御異議ございませんか。
#5
○島村委員長 御異議ないものと認めまして、次に移ります。
    ―――――――――――――
#6
○島村委員長 次は旧新井崎軍用地跡地有償拂下の請願につきまして、本藤君の御紹介を願います。
#7
○本藤委員 紹介者の大石ヨシエさんの代りに皆さんに御紹介いたします。請願の問題の土地は京都府與謝郡朝妻村の新井崎という場所でありまして、これは昭和九年新井崎の砲台、それから一つは新井崎防備衞所になつて軍の敷地になつておつたのでありまして、土地の面積は砲台の方は三千四百七十六坪、防備衞所の方は七百十三坪で、計四千百八十九坪であります。現在はコンクリートやいろいろの荒地になつておりますが、元々の美田であり、よい田圃であつたのであります。戰爭中に買上げに應じたのであるが、その部落は非常に耕地の狹いところで、農村として困つているから、食糧増産の上これの拂下げを受けて開墾をして、元のような土地にしたいという考えからの請願であります。食糧増産の折柄、なおまたこういう土地をただあけておくことは國家としても遺憾なことだと思います。なお價格は、当時の買上げは約二円でありましたから、大体二円ということで計算したのでありますが、もしこの價格について差異があつた場合には、地元民と協議の上でお願いしたいと思います。以上のような趣旨でありますから、本請願に対して御採択あらんことを切にお願いいたします。
#8
○島村委員長 ただいま本藤君紹介の請願につきましても、政府委員の見解等もまだ承つておりませんので、採決は後刻に讓りたいと思いますが、御異議ありませんか。
#9
○島村委員長 御異議ないと認めましてさよう決定いたします。
 それでは暫時休憩いたします。
    午前十一時三十四分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後零時開議
#10
○島村委員長 休憩前に引続きまして会議を開きます。
 製造タバコの件につきまして、本藤君から発言の要求があります。本藤君。
#11
○本藤委員 タバコの値上げの問題でちよつとお伺いしたいのは、栽培者の方の買上げの値段はどういうようになつていますか。多少やはり農村の方でも、いろいろな物價の値上りに対して、やはり買上げ値段もそれに準じて高くなるか、ならぬか、こういうこともお聞きしたいし、それから本年の春でしたかも、よくありましたが、栽培者が現在の買上げの價格ではなかなかうまくない。要するに食糧に対しましても、多少供出の残りを、よくはないけれども、農村は物々交換をするか、あるいは多少横流しをして、そうして農村の必要なものを買い入れるというようなことで、食糧増産なんかも多少犠牲を拂つて、供出値段でやつておるが、タバコの栽培者に対して、自家用をどの程度に認められるのであるか、またどういうことをされておるかということがはつきりしないので、われわれもちよつと栽培者から聞いたのであるが、栽培するときは、ある程度の必要量は認めると言つて栽培さしておいて、後に、幾分自家用として持つておつたものを、突如みな調査をして、これを引上げて、処罰するというようなことをされて、非常に困るということを聞いておるのですが、栽培者に対する自家用の方はどんなような方針でおるのか。これをちよつとお聞きしたい。
#12
○日下部説明員 耕作者の葉タバコの買上げの値段でございますが、これは法律には賠償價格と申しております。これは昨年の買上げ價格に比較いたしまして、本年は諸物價の高騰等とにらみ合せまして、二倍余りの價格にいたしました。平均いたしまして二倍二分程度になつております。二倍二分程度にいたしますというと、大体收支が赤になるということはないという見通しでやつておるのであります。
 それから耕作者が、自分のつくつた葉タバコを、一枚なりあるいは数十枚なり留保するということは、これは絶対認めておりません。一枚でも全部残らず出す。これは昔からのずつと一貫した方針であります。つくつてくれれば、若干自分の葉を刻んでのんでもよいというようなことの印象を受けたことがあつたかのようなお話でございますが、それは全然間違つた印象でありまして、そのとれたはつ葉をみずから使う、もしくは留保するということは、全然認めておりません。ただ耕作者に対しましては、労務配給、つまり家庭配給と同じ趣旨のものを、家庭配給の数量よりも特別に配給してやつております。從つてこれは有償配給でありまして、耕作者一人につきまして月百五十本ずつを特配しております。その恩典と申しますか、その恩典だけはあります。ほかに自分でつくつたのを若干目こぼしして、それを自分で使えるという道は全然ありません。
#13
○本藤委員 ただいまお話のことも一應ごもつともと思いますが、これは長野縣のある部落であつたことなのでありますが、栽培の方に主として関係のあるむろんその筋の方面の言葉であつたと思うが、栽培者はある程度――この数量は聞いたが、ちよつと忘れましたが、ある程度まではよいのだ、それを越えてはいかぬというようなことをはつきり言われて、そういうような指導をされておつたから、われわれはある程度まではいいんだということで、うちに公然とその程度は置いてやつておつた。ところが突如專賣局の関係から來られて、一切檢挙されて、それを持つて來いと言われて、処罰されたというようなことで、非常に心配しておつたことを聞いたのでありますが、これはもしそういうことだつたら、一貫してこれはいかぬもんだと言えば、むろんそういう注意をして、採算に合う價格でお互い耕作するが、それとももしどうしても赤字になつて採算がとれぬとなれば、買上げ値段の引上げ方を要請するか、いずれかであるけれども、今の農村の経営というものは、必ずしも眞正面に世の中を考えておらない。いずれにしても今の世の中は眞正面の生活ができぬというところから、一應表面と裏面とにらみ合せて、一切の農村の経営なんかも、自主的というか、お互いが考えておるのであるから、同じ米をつくつても、供出米一本で行くということになれば、とうてい農村はやりきれぬけれども、そこのところのかいとして、余分に増産したものを幾分物々交換に使用しようというような、いろいろな点を含んで、農村は努力しておる点もあると私は思つておるのでありますが、タバコの耕作者の連中も、いろいろそこに考えを持つておる耕作者もあるのでありますから、後日処分されて、非常に恐怖心を抱いて、農村がいろいろ心配するようなことがあると、農村という純朴なものが、將來長い間の農業をして行く氣持から言つて、指導者にもしそういう間違つた指導や、もしくはそれを嚴格にしなければいかぬという二通りの道があつたとすれば、將來葉タバコ耕作者もいろいろ迷うと思うので、これは一貫してやつていただいた方がいいと思いますが、こういうことも御注意願つて始まりからそういうようにしていただきたい。それと私自身はタバコをあまり吸わないので知りませんが、この説明書の中で見ると、別に葉巻を日本專賣局でこしらえておるかどうかということも知らないのですが、日本人の中でも吸つておりますが、ピース以上に高いものだと常識的に考えております。大衆の購買力が落ちておるからピースのようなものが賣れないことも一面はあるかもしれぬが、しかし日本人の中には好奇心というか、ぜいたく心というか、非常によいものを吸いたいというので葉巻を吸つておるかもしれないが、葉巻を製造しておるかおらないか、参考に伺いたいと思います。
#14
○日下部説明員 耕作者が間違つた方向に行かないようにということで、この專賣法の建前を徹底させますことに実は非常に苦心いたしております。何しろ全國に六十万戸ばらまかれておりますからなかなか徹底いたしません。タバコは賠償價格という言葉を使つておりますように、米の供出とは全然観念を異にいたしておるのであります。なかなか徹底しなくて、そういう間違いが起つたことに対しましては今後十分注意いたします。なお本藤さんもそういう間違つた耕作者に対しましては、機会がありましたら教育をお願い申し上げたいと思います。
 それから葉巻でございますが、現在葉巻は約二十万本ばかり東京の工場でつくつており、それは一箇所だけでございます。それ以上つくるだけ原料がありません。しかもその原料は戰前にあつた残りのものでございます。それを細々とつくつておりまして、一年に二回くらいまとめて大都会に出しております。
#15
○本藤委員 敗戰國民として滅び行く國民もあるだろうし、正式なタバコを吸うことの困難な國民も多くなるだろうと思いますが、中にはぜいたくな、かつてないような生活に移る國民もできるのではないか。千差万別な國民が次から次へと現われて來ると思います。今の國民の全体量を考えることも一つであるが、外國に劣らないような葉巻や巻タバコのうんと高級品をつくつて、これを吸う者は日本のほんとうに優秀なぜいたくな國民だというような、一つの代表的なものをつくつて行くことも必要ではないかと私は思います。さもないと人間はかりに生活に困つても、自分の体面とか位置とか、いろいろな関係で、ときにはでな生活をして、その人の事業なり人格を保たなければならぬような行き方もあると思います。もしも日本にそういう一つの紳士的なものがないとすれば、結局外國品に頼つて、紳士的な顏をすることになる。私はタバコの知識はありませんが、今は進駐軍や外國のタバコを吸つてはいかぬ、買つてはいかぬということもあるらしく聞いております。日本政府がそういう高級タバコをこしらえないならば、そういうものにあこがれると思うし、今度生れる文化的な日本人とすれば、そういう外國製品にあこがれて行く。そこにいろいろ考え違いや行き違いが起きると思うので、政府としては外國タバコに負けないような品物をつくつて、一應店舖に並べて自由販賣をさせたらどうかと思いますが、これに対する御所見を承りたい。
#16
○日下部説明員 お話はまつたくごもつともで私どもも一日も早く外國タバコに負けないタバコをつくることに、一生懸命になつておるわけであります。ただいまある桃山というパイプタコバは、二十万グラムぐらいつくつておりますが、愛煙家に聞きますと、何処へ出しても恥しくないものだというお話であります。この一品だけでなく、さらにシガレツトにおいてもいいタバコをつくりたいと、今一生懸命になつておるわけであります。今までは数量をふやして、愛煙家の満足する数量だけはせめてやりたいということで、戰爭直後、戰前の半分以下に生産が落ちたので、これを戰前までにもどすためにあらゆる努力をして、これにこぎつける。大体おかげさまでその数量の見通しも今年あたりつきました。御説に從いましてこれからは質の改善、それから日本でもこういうタバコができるというような製品をつくることにせつかく研究しております。
#17
○島村委員長 ほかに御質疑はございませんか。――質疑もないようでありますから午前中はこの辺で休憩に入りたいと存じます。しばらく休憩いたします。
    午後零時二十一分休憩
ソース: 国立国会図書館
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