くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第004回国会 大蔵委員会 第4号
昭和二十三年十二月九日(木曜日)
    午前十一時三十八分開議
 出席委員
   委員長 島村 一郎君
   理事 大上  司君 理事 島田 晋作君
      大澤嘉平治君    苫米地英俊君
      松浦  榮君    宮幡  靖君
      川合 彰武君    重井 鹿治君
      中崎  敏君    細野三千雄君
      喜多楢治郎君    山下 春江君
    早稻田柳右エ門君    本藤 恒松君
      松谷天光光君
 出席政府委員
        大藏政務次官  塚田十一郎君
        大藏事務官   黒金 泰美君
        大藏事務官   平田敬一郎君
        專賣局長官   原田 富一君
        大藏事務官   愛知 揆一君
 委員外の出席者
        大藏事務官   原  純夫君
        大藏事務官   太田 源三君
        復興金融金庫理
        事長      北代 誠彌君
        專  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 連合審査会開会に関する件
 大藏省預金部特別会計外二特別会計の昭和二十
 三年度における歳入不足補てんのための一般会
 計から繰入金に関する法律の一部を改正する法
 律案(内閣提出第一号)
 砂糖消費税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二号)
 製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)
 復興金融金庫法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四号)
    ―――――――――――――
#2
○島村委員長 これより会議を開きます。
 前会に引続きまして、製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案、及び大藏省預金部特別会計外二特別会計の昭和二十三年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、砂糖消費税等の一部を改正する法律案、及び復興金融金庫法の一部を改正する法律案を一括議題に供しまして、ただいまより質疑を継続いたします。
#3
○川合委員 ただいま議題となつておりまする法律案は、一見したところ前内閣以來からこういうようなことがしばしば法律案として提出されておつて、いかにも事務的な法律案というようなことに見受けられますが、しかし事はそうではなくしてかなり政策の根本問題を含んでいるわけであります。本來ならば大藏大臣の出席を要求して、政府として責任ある御答弁を煩わしたいのでありますが、大藏大臣は御多忙のこともありますし、むしろ大藏大臣よりも練達堪能な政務次官がおられますので、あえて大藏大臣の出席を要求しないわけでありますが、まずそれに先だちまして特に政府委員から明確に御答弁を煩わしたい点は、第三國会において本委員会が請願し採択をしたのであります。御承知の通りに本委員会は、財政金融委員会当時より、請願を議決する場合においては政府委員の意向を聽取して、必ず次の國会においてこれを実行するもののみを採択するという不文律を設け、その不文律によつて第三國会において請願を採択したものがあるのであります。そのうちで最もわれわれの関心を拂うのは、御承知の通りに大きな政策の問題となつているところの取引高税の問題であります。われわれは現下の状況から見て、惡税であるところの取引高税というものを、全面的に撤廃したい強い要求は持つておりまするが、幸いにして現在は民主自由党の單独内閣なるがゆえに、民主自由党はおそらく政府として、積極的に取引高税の全面的撤廃をこの第四國会に提出してくれるものと、われわれは期待したのでありまするが、はたして第四國会にこれが提出されるかどうかという点、さらにもう一つはわれわれとしては、全面的撤廃ということは、言うはやすくして行うはかたいということから、おそらくこれが提案されないとするならば、われわれはこの際にこの委員会としては一應各党の立場を離れて、請願を採択したこの事実にかんがみて、たとえて申しますならば、美容師に対する取引高税とか、あるいはまた水産加工品に対する取引高税の免除というようなことを、この第四國会において、しかも会期は非常に切迫しております。但し必ず審議が議了し得られるような時間的な余裕をおいて、政府としてはそういうような法案を提出する用意があるかどうか。この二点を先にお尋ねしたいと思います。
#4
○塚田政府委員 取引高税に対する政府の方針につきましては、本委員会において過日御答弁申し上げたのでありますが、重ねてお答え申し上げたいと思います。これが非常に困難な事情に遭遇いたしているということは御指摘の通りであります。それは端的に申し上げますならば、かわり財源をどうするかということであります。しかしこの問題は実は本日もその筋へいろいろと折衝に参つているはずでありますが、政府といたしましては與党と十分緊密な連繋をとりまして、何とかして適当なかわり財源を捻出して、ぜひ本國会にこれを全面的に廃止する法案を提出いたしたい。そういう考え方で鋭意努力をいたしておる次第であります。
 そこで第二の点、もしそれができなかつたならば、部分修正でも――前國会から請願の採択の形において趣旨だけは一應了承されているから、それはこうしたらどうかという御指摘の御質問の点でありますが、これはただいまのところ今そういうような状態になりまして、政府としては何とかして全面的な廃止案を提出いたしたいという考え方でおります関係上、今それに対してのお答えは、まことに恐縮でありますがいたしかねる。こういう状態になつているのであります。何とぞ御了承願いたいと思います。
#5
○川合委員 この際委員長に私は特に強い要望をしておきます。それは先ほど申し上げました通りに、われわれは財政金融委員会の当時から請願を採択する場合においては、必ず次の國会において政府をして、あるいはまた各政党をして実行せしめるということを、今日までかたい不文律として参つております。從いまして第三國会の末日において、われわれが請願を採択した当時においては、これは委員長も必ず第四國会において、議員の提出あるいはまた政府の提案として実行せしめるというような條件のもとに、われわれは請願の採択をお願いした。この点はつとに委員長も御了承の通りであります。從いまして私は取引高税の全面的撤廃が、第四國会において不可能であるとするならば、この委員会の名誉にかけてもわれわれ請願を採択したものは、内閣あるいはまた場合によるならば議員提出の方法をもつてしても、必ず実行せしめるということを、この機会に委員長からも特に御発言願いたいと思います。
#6
○島村委員長 ただいまの川合君の御意見はごもつともと存じまして了承いたしました。しかるべくとりはからつて参りたいと存じます。
#7
○川合委員 次に大藏省預金部特別会計外二特別会計の昭和二十三年度における云々というような法律案でありますが、これは前々内閣以來こういうような特別会計に対して、一般会計から赤字の補填をするということが続けられて参つたのであります。しかもこの問題は御承知の通りに、芦田内閣のもとにおいて鉄道運賃あるいはまたタバコの値上げというような問題で、大きな政治問題化したところの原因をなした問題であります。しこうして私どもとしましては、特別会計の独立採算制というような見地からいたしまして、こういうような一般会計から特別会計に補填するという方法は、極力これを避けたいというように思つており、また当時野党であつた民主自由党の諸君もこの主張をされたのであります。ところが今回は再びこういうようにいたしまして、赤字の補填額を増額しなければいけない。一体われわれが思うのに諸般の状況から察して、政府の財政の一般会計並びに特別会計の財源を確保せんとし、同時にまた特別会計の独立採算制というものを確保しよう。しかも御承知の通りに日本鉄道國有というものができたということの趣旨にかんがみて、私はこの特別会計中における鉄道会計に対して、一般会計から補填するという方法は、從來の民主自由党の主張と相反するものである。このことは選挙を前に控えて、鉄道運賃の値上げをしないというようなことによるところの選挙戰術であつて、忠実に國政を担当するところの責任ある内閣としては、とるべきものでないというように思うのでありますが、これらに関して政府の所見を承りたいと思います。
#8
○塚田政府委員 御質問の点は御指摘のような考え方もたしかに成り立つと存じます。ことになるべく特別会計は特別会計自体において、採算ができるようにしたいということは、御指摘のように私も強く考えておるのでありますが、ただ何にいたしましても当面の問題として、そう急速には考え方の通りに行きかねる事情がいろいろあります。それで独立採算の考え方は先行きの將來の問題として、御指摘のように必ずこれを実現するように努力をして行きたい。その過渡的なものとして一應今度の程度の措置をいたした次第であります。
#9
○川合委員 私は過渡的な趣旨でやつたと言われる政府のいろいろな苦しい立場はよくわかるのでありまするが、こういうような特別会計への赤字補填というものは、ことに鉄道に関しては日本國有鉄道というものが、特にああいうような形態をもつて独立した事情にかんがみて、この機会にはつきりと独立採算制を確保すべきではないか。選挙ということを前に控えて鉄道運賃を値上げすることは、自党にとつて不利であるというような観点からやつた、多分に党利党略的なにおい紛々たるものを感ずるというふうに思うのであります。そこでこれはそれぞれの見方の相違とは言いますけれども、こういうようなところにおきましても、私は現在の吉田内閣の欺瞞的な政治というものが、はつきりうかがえると思うのであります。しからば今後においてこの一般会計から特別会計への赤字補填策をやめるということに関して、これがかりに経過的処置であつても、しからばどういうふうな具体的措置を持つておるか。今回のこれによるならば、鉄道会計に対する赤字補填が二百九十一億七千四百万円から、さらに十一億ふえて三百二億七千九百六十九万五千円となり、一年間に鉄道の特別会計に対するところの一般会計の補填金が三百二億、しかもわれわれはいろいろなことを考えた場合において、今後もむしろこれは減少することなくして、増加の一途をたどると思うのであります。從いまして今においてわれわれは、日本國有鉄道の独立採算制を確保する具体的方策を考えなければならぬ。從つてそういうような具体的方策をどういうふうに考えられておるか。この機会に承りたいと思います。
#10
○塚田政府委員 今回の鉄道、通信料金の値上げをしなかつたことが、民自党の選挙対策ではないかというような御意見でありますが、決してそういうことはないのでありまして、予算が編成されます経過をごらんいただきましてもよくわかりますように、一應そういうものを考えた時代もあつたのであります。しかし各般のいろいろな事情を総合判断いたしまして、今日の情勢ではこれが適当でないという結論に到達いたしまして、今度はいたさなかつたわけであります。そこで將來これを独立採算に行く場合に、どういうような具体的な処置をするかということでありますが、これは結局独立採算をいたします以上は、よくその企業自体が合理的な基礎において経営されておるか、どうかということをまず基本におきまして、そして合理的な基礎において経営されて、なお赤字を生ずるというような場合には、やはり運賃、通信料金の値上げという形においてこれをカバーして、一般会計にその負担を持つて行かないようにする。そこで合理的な基礎においてということになり、その具体的な方策いかんという問題になると思いますが、やはりそういうような場合には、今日の経営全般にわたりまして人件費の部分、物件費の部分、建設費の部分その他全般にわたりまして、ほんとうに民間の企業などと同じような一應の観点に立つて、これを合理化して行くという考え方が、どうしても必要ではないかと考えている次第であります。
#11
○川合委員 ただいまのお話では、今後特別会計の合理的な運営というようなことを目安にして、特別会計の独立採算制を確保したいというようなお話でありますが、抽象論としてはごもつともなお話であります。しからばお問いするわけでありますが、日本國有鉄道の出資財産というものは、御承知の通り鉄道特別会計に全部引継ぐということになつておるのでありますが、この引継ぎの財産目録とか、そういうようなことに関して大藏省はどの程度に内容を熟知されて、しかもどの程度において將來の会計の見通しが立ち得るか、というようなことに関する詳細な具体的な材料があるならば、この機会にお聞かせ願いたいと思います。
#12
○塚田政府委員 手元に今数字的な資料を持ち合せておりませんので、係官に資料を持たして参りましてお答えいたします。
#13
○川合委員 そこでこの一般会計から特別会計に対するところの、赤字補填の一番大きな部分を占めるのは、申すまでもなく鉄道特別会計であります。この鉄道特別会計の問題は御指摘になつたような合理的な経営ということが主眼であり、それは物件費並びに人件費の節約、また同時に建設方面におけるところの合理的な経費の節約というようなことが、一應のねらいとなるのでありまするが、この点に関しましては一昨日の行政整理の問題と関連いたしまして、同時にまたこの問題は、私は第三國会において人事委員会と本委員会との合同審査の際にも、吉田総理大臣並びに小澤運輸大臣及び増田労働大臣にも質問したのでありまするが、一体現在の鉄道の人員が六十四万人ある。そうしてこれに対して政府の考えておるところの行政整理は、実際上の出血をあらかじめ考えておるかどうかという点と、同時に特にこれは他の機会においても、私は指摘する場合があろうかと思いますが、この機会に申し上げて政府の所見を承りたいと思うのでありますが、一体行政整理をして当該年度の財政に寄與したというようなことが、日本の歴史にあつたでありましようか。なるほどわれわれは現在の状況から見て、ある程度の行政整理というものはやむを得ない。しかもこれは單に一般的に受けられる言葉である行政整理というような言葉をもつてせずして、私どもは行政の簡素化とかあるいは行政能率の向上化というような角度を通して、実際上の行政整理を行うことがいいのだというように思つておるのであります。そうして一般的に歓迎せられるような行政整理というものはいたずらに出血が多い。しかもまた受入態勢すなわち失業対策ができてない。しからば他の一面においてプラスになり得るものがあるかと言うならば、ほとんど当該年度はもちろんのこと、次の財政年度においてもプラスとなり得ないということは、濱口内閣以來の日本におけるところの行政整理の歴史を見ても明らかであります。かりに國務大臣の岩本君の言つたように、五十七万人の官公吏の諸君を行政整理で首にするといつた場合において、吉田内閣がいつまでも続くわけでもありませんし、かつまた現在日本の行政機構というものは、御承知の通りにいろいろな関係において改廃されております。その点において逓信省が電氣通信省となり、そうしてまた郵政省になつて、しかも芦田内閣当時において考えられたような電氣通信省あるいは郵政省と異なつて、きわめて多くの局課が常置されるというようなこと、これらは他の関係においてこういうような事態をもたらしたのであります。從いまして日本の行政機構の改革とか、あるいは行政整理というものは、一片の空想あるいはまた岩本國務大臣の個人的な構想ならば言い得るけれども、内閣の一つの方針としてはなかなか困難な問題を含んでおる。同時にまたかりに五十数万人という者の首を切つた場合においては、この財政的負担というものは幾ばくに達するか。そこで私はまだ閣議にかかつていない事項であるから、政府の責任ある答弁は困難ではなかろうかと思うのでありまするが、五十数万人を首切つた場合において、一体どういうような財政の負担を本年度あるいはまた來年度に及ぼすかということを、あらかじめ事務的に計算してあるかどうか。そうしてそれらに対するところの財政的措置というものは、どういうようなことを考慮しておるか。この機会にこれは特に鉄道特別会計との関連において、御答弁願いたいと思います。
#14
○塚田政府委員 政府が今意図しております行政整理は、出血を予定しておるものかどうかということであります。これは私も詳細な案は、先日一度党の役員会に出席いたしました際に、岩本國務大臣に聞いたばかりでありまして、当時はまだ確定案であつたように承知しておらぬのであります。しかし当時聞きましたお話から申し上げますと、政府が今意図しておりますものは、やはり相当の出血を予定しておる。こういうふうに感じられたのであります。そこで一体行政整理をやつて予算の削減になるかという御指摘でありますが、御指摘のように、私どもも少くとも当該年度、それから一両年のうちは、大して予算の削減にはならないということも御指摘の通り同感であります。ただ私たちがこの行政整理というものを考えます場合には、必ずしも予算の面ばかりを考えておるのではないのでありまして、日本の産業機構全体、もちろん行政機構も大きくはそういうものとにらみ合せて、人員の配置というものを考えなければならぬと思うのでありますが、そういうぐあいに考えましたときに、國民の総体の割合、それからそれが産業に分布されております状態などとにらみ合せて、どうも官聽機構に携わつておる人の数が多過ぎる。つまり比例をくずしておりはせぬかという観点に立つて、この人員の再配置をするという考え方においてこれを考えておるのであります。それがもちろん当然予算の上にも影響して参りますし、またそうなることを私どもはあわせて希望いたしておるのでありますが、しかし必ずしも予算の上の削減というものを重大視しておるわけではない。そういうように考えておるわけであります。そこでさらにそうは申しますものの、予算の上の削減ということにそう重点を置いてはおりませんけれども、人間を減らすということはやはり物件費の節約をいたしますし、その他万般の國費全般を節約いたします上には、基本はやはり人間を整理して行くということが行われなければならぬのではないか。そこで人間を減らすことによつて、單に減るのは給與だけでなく、物件費も当然それに伴つて相当程度減るし、さらにもう一歩根本にさかのぼつて、とにかく今日の國全体の立場として、すなわち消費を節約しなければならないことは申すまでもないのであります。今日の日本の立場として、消費を節約し生産をふやすということによつて、國の建直しをするということが考え方の基本であると思います。そこで國家というものは今日の國民経済の上では相当大きな消費をするものである。この一番大きな消費をするものを、やはり消費節約の根本の考え方に合致さす。そういうことがむしろ根本の氣持としてあるわけであります。そこでそれをいたします場合には、当然失業対策というものを考えなければならぬのでありますが、これももちろん並行して当該部局において考えておるはずでありまして、私ども今手元に詳細な報告資料を持ち合せておりませんので、具体的な数字その他については、適当な機会に適当な所管大臣の出席を求めて御質疑願いたい、こういうように考えております。
#15
○川合委員 これはまた他の機会にいろいろと所見を承りたいと思うのでありますが、民主自由党の考え方というものは、行政機構に対する考え方、あるいはまた政治に対する考え方というものが、非常にわれわれとは根本的に違つておる。それはすなわち民主主義政治というものを、アメリカにおいての発祥当時において考えられたリースト・ガバメント・ザ・ベスト・ガバメントというような考え方で來ておるようであります。しかし私たちは人民のための生活の安定なり、幸福というものが確保される場合においては、行政機構が非常に多角的になり、官公吏の数がふえてもいいのだという考え方を持つております。ただそれが全人民の幸福にどの程度の作用をしておるかというところが問題であつて、そういうような点においてわれわれと民主自由党とは、非常に見る立場が違うということを申し上げておきます。それはそれといたしまして、そこで今回の赤字補填の問題であります。これは主として給與の値上り関係からこういうことになつたと思うのでありますが、各特別会計から出されたいろいろな赤字補填の資料をよく分析し、査定して出されたと思うのでありますが、こういうようなことに対してはたして各特別会計からの要求をうのみにしたものであるか、あるいは相当に吟味したものであるかというような事務的なことをお尋ねします。
#16
○黒金政府委員 ただいまの点につきましてお答えします。各特別会計の予算につきましては、本予算成立後において人件費その他について節約を行つております。また今回の繰入れに際しましても、個々のものにつきましてはいろいろございますが、たとえて申しますならば、國有鉄道会計におきましては、給與の改善額の五箇月分を新たに繰入れますと同時に、給與の予算で不用になつておる金が相当にございますので、その差引額を繰入れ増額してここに計上するということをいたしております。今のお尋ねは金額で申しますならば、給與の改善に要する経費は四十三億千三百三十万千円に上つております。給與の予算の不用額といたしまして三十二億七百六十万六千円を差引きまして、今回提案いたしました十一億五百六十九万五千円の増額を計上してある。かように内容にわたりましてもいろいろと吟味をいたしておる次第であります。
#17
○川合委員 その増加額は予算定員でやつておられますか。あるいは実在人員でやつておられますか。その点を承りたい。
#18
○黒金政府委員 これは予算定員でございます。
#19
○川合委員 そこに予算定員と実在人員との問題があり、また場合によりますならば、打明けた話が地域給の問題その他に関して、今まで大藏省給與局のいろいろなやりくりの余地があつたわけでありまするが、ここらあたりにもわれわれとして吟味すべきものが、相当あるのではないかというように考えるのであります。從いまして今後主計局においてはそういう方面においてもつと各特別会計に対してするどいメスを入れ、拂うべきものは拂う、給料として上ぐべきものは上げて、しかしてその間においてあまりいろいろな彈力性あるところの処置をとらせないことが望ましいように思う。特にこの点を申しておきます。
 次にタバコの問題でありますが、これはきんしを現行十一円を十五円にするというようなことを基本にして、約三十億円程度の益金の増收をはかつて、一面においてピースの賣れ行き不振に伴う予定專賣益金百億円ぐらいの減收見込みをカバーするということが、本法案提出の理由のようであります。そこでお尋ねしたいのでありますが、一体高級タバコのピースの販賣に関してもう少し考える余地がなかつたかどうか。ピースの値段を六十円にきめたことが惡いのだという、傍観的な態度が見受けられるようなことはなかつたか。ピースが賣れないとすれば、製造の種目を轉換して光とか憩などを大量につくつて賣るということが考えられなかつたか。今日ピースはどこへ行つてもあるけれども憩とか光はない。そういう点において依然として專賣局は從來の官僚的な氣分から、製造なり販賣政策を考えておつたのではないかと思うのでありますが、これらに関して專賣局長官の所見を伺いたいと思います。
#20
○原田政府委員 ただいまのお話まことに恐縮の点もあるのでありますが、最初本年度の販賣計画を立てましたときに、これはこの前の値上げの御審議を願つたときに、御説明申し上げたことでありますが、本年度のタバコの販賣計画の数量は、総数量が五百五十億本でありましたが、そのうち二百二十億本を自由販賣に予定いたしまして、ピースが九十億本を予定してあるのであります。これはピースの値段を六十円に値上げする案がきまらぬ前に、実は私どもの部内でつくつたのでありますが、その後いろいろな事情で六十円といたすことになりました。そのとき九十億本をどうするかという問題は当然あつたのでありますが、一應最初の予定通りに九十億本にいたしまして、できるだけいろいろ努力をいたしまして、計画の完遂をいたそうといたしたのであります。その後実行してみますと、ピースの賣れ行きが私どもの最初予定しましたところと違つて非常に不振でありました。私どもはその賣れ行き情勢は、もちろんいろいろな方面で宣傳その他で努力をいたして増進さすべきことはすべきであります。一方賣れ行きの状況を見まして、販賣数量をかえなくてはいかぬと思いまして、ピースの予定数量をできるだけほかの品種にかえることにいたしました。それで現在の賣れ行き状況に即應しまして、その都度かえて参つたのでありますが、現在のところで申しますと、ピースの最初九十億本の予定は本年度三十八億本に減らす予定であります。そうしてそのかわりと申しますか、光を最初三億二千万本の予定でありましたのを五十億本に殖やすことにいたしております。憩は二十億本の予定が二十四億本の予定にし、ハツピーは四十四億五千万本を五十二億本、新生三十三億本を三十六億本、ききようは二十二億、それはその通り同じ二十二億であります。こういうふうにいたしまして、できるだけ光以下の自由品にふりかえまして、製造の予定数量も最初よりできるだけ殖やすことにいたしまして、なるべく全体としての計画を、予算にきめられた通りに持つて行きたいと努力いたしておるのでありますが、こういうふうにいたしましてもなお私どもの最初の予定から見ますと、三十億円程度の收入減を來すのではないかと今のところでは見込まれるのであります。これを配給品の値上げによつてできるだけカバーをしたい。こういう案があるのでございます。なお憩、ハツピー等をさらに増製したらという問題も起るのでありますが、これはいろいろの材料品の準備の都合、機械の都合等もありまして、大体製造関係で手一ぱいのふりかえをいたして、今申したような数字にかえてやりたい。こういうふうにいたしておるのであります。
#21
○川合委員 なるほどピースというような高級タバコの賣れ行きが不振である。そして特にミス・ピースというようなものでもつて、大いにピースの購買力をあおるようなことを年末時にやられたのでありますが、專賣局の営業政策と申しますか、どうもあまり因習にとらわれておる。もう少し斬新なことをやる必要があるのではないか。この点は專賣局が改組されて、專賣公社等になつたあかつきにおいては、專賣事業としてもう少し活発な動きを見せてくれるものであるというように、期待しておるわけでありますが、しかしここで考えねばならない点は、十本六十円のピースは賣れないけれども、実際問題としては外國タバコのキヤメルとかチエスター・フイールドとかラツキー・ストライクというようなものが、二十本百三十円から百六十円で羽が生えたように賣れておるという現実に顧みたときにおいては、ここにわれわれはピースの賣れ行き不振と関連して考うべき点があるのではないか。外國製の高級タバコが実際問題として賣れておる。日本の高級タバコは賣れない。そこに味わいが惡いとか、品質を改善すべき点があるのではないかと思います。こういう点について專賣局長官はどういう考えを持つておられるか。
#22
○原田政府委員 お話のように品質の点においても專賣局のタバコをもつと十分研究してりつぱな質のタバコをつくらなくてはならぬと、私どもほんとうに痛感しておるのでございます。この品質の点について、今あまりよくないと私どもが考えている一番の原因は、原料の問題でございます。御承知のように以前はホープとかチエリーとか世界的に申しても相当な品物だと思うタバコが、やはり專賣局の工場でできておつたのでございます。そのホープなりチエリーなりというタバコは、原料のうち五割以上が大体においてアメリカのヴアージニア葉だつたのであります。しかもヴアージニアのいい品質のタバコだつたのであります。戰爭以前から葉タバコの輸入がなくなりまして、日本の中で肥料その他の研究をし、できるだけ質のいいタバコを研究いたしたのでございますが、遺憾ながら日本ではアメリカの種を持つて参りましても、ほんとうのヴアージニア葉のいいものができないのであります。まして戰爭になり、終戰後は肥料の関係も惡いし、いろいろの條件が惡くて、遺憾ながら質のいいものがあまりできないのであります。それと質よりも量が非常に激減いたしましたので、まず私どもとしては量だけでもできるだけたくさん供給すべきだということで、大体昨年ごろまでは持つて参つたのでございます。本年あたりからそれだけではいかぬというので、原料の品質をよくするという点を、これは肥料の関係で相当苦しい面もあるのでありますが、できるだけ努力し始めたような次第であります。原料の点についてはこれでありますが、さらにそのほか香料の問題についても同樣なことが言われる。ピースも最近では砂糖を少し入れてりますが、これもごく最近、今年になつてから始めたような次第でございます。香料の問題もなかなかいい香料ができないのを、最近香料の工場なんかも拡張いたしましてやつておるような調子で、憩にも少し香料を入れておるような次第であります。それから紙が非常に問題で、いい紙が手に入らないために、包装のいい模樣のものができない。これも一つの原因だと思うのであります。それから製造の作業の面におきまして、石炭の問題、電力の問題等があるのでございます。御承知のようにタバコは非常にこまかく刻んでいろいろの作業をやります。刻むときには適当なしめり氣を與えなくてはいけませんし、包装するときには乾燥させなければいけない。つくつたあとも相当の期間乾燥させて、あるいは適当の濕度の所へ入れておくというような処置を講じなければならぬのが、最近におきましては電力石炭の関係で、そういうような操作がとれない一面もかなりあるのであります。こういうような部面がいろいろありまして、私どもといたしましても思うような質のタバコができないのであります。これはできるだけの処置を今回いたしまして、できるだけいいタバコを早くつくるように持つて行きたい。
 それからピースよりももつといい、ほんとうに立派なタバコを日本の專賣局においてもつくりたいということで、研究中であつたのでありますが、いいタバコがなかなかできないことはまことに恐縮であります。これは廣く一般の方々から御指導なり御示唆をいただいて、私どもできるだけ勉強してやつて行きたいと存じております。
#23
○川合委員 次にお尋ねしたい点は、やみタバコが依然として東京駅から日本橋へかけて相当賣られておる実情を見ております。ことに葉タバコが收納時期になつてからというものはひどいようであります。こういうような私製タバコに対してその後どういうような取締りをしておるか。つまりやみタバコの絶滅に対してどういう手を打つておるか。この点をひとつ承りたい。
#24
○原田政府委員 やみタバコの問題は非常に私ども苦心しておる問題でございますが、やみタバコが流れ出す部面が、いろいろ考えられるのであります。まずタバコ耕作者がつくつた葉タバコが流れる。それから密耕作の葉タバコが流れる。そういうものから製品がつくられるという部面が一つあると思いますが、これが相当の数量に昨年においても上りましたし、また本年も相当あるのではないかと思います。それから專賣局の工場なり倉庫あたりから、いろいろ流れるという部面もあると思います。私どもは、実は御承知のように、昨年新生を、これも定價を割高にきめまして、それがちようど去年の十一月だつたのでありますが、御承知のように十一月から暮にかけては耕作者が自分のうちに葉タバコを持つておる時期でありまして、これがやみを多くする一つの動機になつたのだと思いますが、非常にふえまして、私どもとしましては非常に心配して取締り官吏の大増員をいたしました。去年からことしにかけて大増員をいたしまして、いろいろの方法で取締りに当つておるのでございます。耕作地に対しましては、取締員を増員ばかりいたしましても、これは十分な人数とまでとても行かないのでありまして、こういう手段も実はやつておるのであります。と申しますのは、タバコの産地と申しましても九州の方は非常に成熟が早い。そうすると九州の方の收納は非常に早いのでありまして、鹿兒島が一番早い。鹿兒島が早くタバコができた時分には、北海道なり東北の方の産地の取締り官吏を向うへ集中して、取締りをやるというふうなこともやつておりますが、これに関しましては一般の警察はもとより、檢察廳、それから進駐軍におかれても一緒になつて取締りに当つてくれておるのであります。現に産地の方から都会に向つて走る汽車の取締りをやつたり、そういうこともいたしております。なおまた大都会――東京、横浜あるいは大阪等におきましても、一般の市中でやみタバコを賣つておる者に対する取締りは頻繁にやつておるのであります。ただ遺憾ながら十分というまでにまだ行つていないのでありますが、これは司令部当局も特に強く、しよつちゆう注意されておることでありまして、私どももこれを放任することは益金を非常に食われるわけでありまして、できるだけ努力をいたして行きたいと思つております。
#25
○川合委員 そこで問題の核心に触れるわけでありますが、この前の第二國会において專賣局長官は、きんしの配給を現在の五十本を十本ぐらいふやすということを、年内中にやるというような言明があつたわけであります。ところが予算委員会における同僚の川島君の質問に対して、來年の一月からは必ず十本ふやすというようなことを言明されたようでありますが、この間まあ一箇月か二箇月の時間的ずれがあるように思うのでありますが、專賣局長官は誠心誠意その実現に向つて努力せられておるということは、私どもも多とするわけであります。そこでお互いは五十本の配給だけでとうていやつて行けるものではありません。從つて大なり小なりやみタバコを買つておる。從つておそらくやみタバコが現在二十円か二十五円して、とにかく配給タバコより高いことは事実であります。從つてわれわれは一箇月の一家計におけるタバコの支出費というものが、どの程度であるかというようなことを、この前も資料を要求しておきましたが、そういうような資料ができているかどうか。簡單にいえば月五十本で五十五円であつたものが、今度は六十本の配給で九十円になるというようなことになるのでありますが、私は必ずしもタバコの價格の上ることを不可とはしないのでありまして、むしろ一箇月なら一箇月の全体の家計の支出費において、タバコ購入に要する支出をその当時における給料その他の收入との比較において、檢討すべきであろうと思うのであります。こういうような角度から專賣局においても、單にタバコの專賣益金の増收をはかるために、簡單に十一円を十五円にするというようなことでなくして、勤労階級の支出をなるべく少くする。そしてまた実際において、これは嗜好品ではなくして、生活必需品になつているのでありますから、そういうような点を勘案して、しつかりした科学的な調査に基いていろいろな資料を出すならば、われわれもその資料をよく見て納得するだろうと思うのであります。どうかそういうような資料があるならば、この機会に出していただきたい。そういう資料をお持ちかどうか、御発表願いたいと思います。
#26
○原田政府委員 ただいまお話の資料は手元にございませんので、あとで差上げます。
#27
○川合委員 專賣局においても、今言つたような角度から、タバコの値上げに対して関心を拂うことが必要ではないか。專賣益金の増加をはかるというような財政的角度からのみではなくして、そういうような國民経済的な角度において、こういう問題に触れてもらいたいということを特に要求いたしておきます。それと同時に、もう一回確認しておきますが、專賣局では八百億本程度つくるならばタバコは自由販賣にするということを、しばしば言明されているのでありますが、はたして專賣局の工場の増設あるいは新設というものが予定通り進行しておるかどうか。同時に、配給タバコのきんしを基本にして言うならば、きんしは來年の一月現行の五十本から六十本になる。しからば四月ごろには一体どの程度の配給になるか。そういうような配給計画の見通しをもこの機会に御答弁願いたいと思います。
#28
○原田政府委員 本年の販賣計画は、先ほど申しましたように、全体で五百五十億本の予定で、大体これはできると思います。來年の予定は、現在の工場の復興状況等から考えまして――これは大体予定通りに行つております。建築の関係等で多少遅れているものもありますが、大体本年度計画しているものは本年度工事ができることになつております。これで六百二十億本を予定いたしております。それで、來年の四月から配給数量をどうするかということは、まだ具体案は出ていないのでありますが、現在のように配給品と自由品を同じような割合で振りわけるとすれば、それだけ配給品が多くなるわけであります。しかしこれがいつごろからどういうふうに増配できるか、あるいはまた増配ということでなくて、別の方の形でできるかということは、なお一層よく研究いたしましてから、具体案をつくりたいと思います。
#29
○川合委員 やはりこれはタバコの價格の問題と密接な関係にある問題でありまするが、われわれは第三國会において日本專賣公社というものを樹立したわけであります。專賣公社のねらいとするところは、いろいろな角度があるわけでありますが、特に高能率生産主義ということを目標にしておるのであります。その高能率生産主義というものは、申すまでもなく專賣公社、つまり公共企業体の從業員の福祉増進というような点、すなわち一般の官公吏の給與よりも、生産の状況によつてはある程度の高賃金が拂えるというようなことも、專賣公社の創立目的の中に入つておつたということは疑いのない事実であります。從つて一方において、來年度は六百二十億本しかできないという一つのわくがある。それに対して專賣公社の從業員は企業形体の解組によつて、自分たちの勤労收入が増加するというふうに考えておる。そういつた場合に六百二十億というようなわくがあるために、せつかくその能率を増進しても、それが労働者諸君に還元しないというようなことがあつてはならないと思うのであります。そこでわれわれは專賣益金の確保と同時に、今後におけるところの專賣公社の從業員の收入というものが、はたしてどの程度増加し得る見込みがあるか。そういう点に関して專賣局長官の御答弁をお願いしたいと思います。
#30
○原田政府委員 先ほど申しました六百二十億という一應の見込みは、現在私どもが考えている一應の見込みでありますが、來年六百二十億の見込みでも、あるいは七百億の見込みでも、そのために労働者の待遇の問題をそういう計画数量、製造数量のためにどうするということは考えるべきではない。私はこう思つております。労働者の厚生施設なり、あるいは待遇の問題をどの程度にすべきかということは、今後いろいろな面を檢討して、至急案を立てたいと思つておりまして、現在は別に具体案を持つていないのでございます。私はやはり能率給というものを相当加味してやるべきではないかということは考えておりますが、今後十分研究して、至急にそういう具体案を考えて参りたいと思つております。
#31
○島村委員長 この際政府当局に対し一言申し上げておきます。先刻川合委員の御発言中に、本委員会において採択された請願に対しましては、政府は委員会の意思を尊重してすみやかに実行に移すべきであると思うが、委員長はどう思うかというお尋ねがございました。お聞きの通り委員長からもお答えいたしましたが、どうぞこの点につきましては委員長からも、政府にさようお願いいたしたいということを要望いたしておきます。
#32
○塚田政府委員 ただいま委員長からの政府に対する御要望は十分了承いたしました。國会の意思を尊重してそのように運びたいと考えます。
#33
○島村委員長 それでは午前中の質疑はこの程度にいたしまして、午後は一時半から会議を続行いたします。これにて暫時休憩いたします。
    午後零時三十五分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後三時四分開議
#34
○島村委員長 休憩前に引続きまして会議を開きます。
 砂糖の問題につきまして、川合君から発言の御要求があります。
#35
○川合委員 私は砂糖消費税法等の一部を改正する法律案につきまして質疑をいたします。提案理由の説明を私承る機会がなかつたのでありまするが、まず最初にお尋ねしたいところは、今までこういうような糖分にわれわれが惠れなかつた。これが主食として今まではわれわれに配給があつたけれども、幸いにして漸次主食が米麦を中心とする昔の姿に還元され、代用食であるところの砂糖が主食からはずされるという点は、まことに國民の一人として同慶にたえないわけであります。この機会にわれわれとして、根本的に砂糖というものに対するわれわれの考え方を、考え直す必要があるのではなかろうかというように思います。これは財政の根本に触れる問題でありまするが、私思うに、日本の税制というものは、どこまでも直接税中心主義の建前をとるべきであることは申すまでもないのでありまするが、しかし現実の日本の徴税の実情から参りますならば、遺憾ながら徴税の対象となるところの國民所得と、一般的に算定される國民所得との間にはかなりな幅がある。この点は私どもとして深く考えねばならぬ点であります。言葉をかえて言うならば、日本の國民所得のうちにおいて、ときに経済安定本部が発表し、あるいは非公式に大藏省より発表するところの國民所得というものの中には、税收の対象となつておらない國民所得というものが相当にある。さらに具体的に言うならば、やみ所得というものが國民所得の中において相当の部分を占めておるということは、否定しがたい事実であります。そういうような観点から言いまするならば、私は日本の現在の國民の担税力というものは、少くとも直接税中心に見た場合には限界に達しておるということは、お互い各党の人々がみな一樣に認めておるところではないかというように考えられます。從つて理論的には直接税中心主義をとつたにしても、現実の徴税の確保というような観点からいたしますならば、ある程度間接税依存というところに走らざるを得ないと思うのであります。ところで間接税ということを考えたときにおいては、現在惡税と言われておるところの取引高税、この取引高税のごときは、私は理論的には正しいものであるというような考え方を持つております。しかし國民の受くる感情、あるいはこの取引高税の徴税の方法において、末端の税務行政機関がきわめて拙劣であるというようなことからして、國民の感情というものは取引高税を否認する方向にあるということは、皆樣が御承知の通りであります。そこで考えられる点は、日本の財政を眞に健全化し、そして税收入の確保をはかるというようなことからいたしまするならば、どうしても專賣益金の増加というようなことを、政党の立場を離れて眞劍に考うべき段階に來ておるだろうというように思うのであります。そこでわれわれは、專賣益金の拡充ということを考えたときにおいて、專賣品としては、現在塩とかしようのう、それから專賣益金の大半を占めるところのタバコというものを持つておるけれども、われわれは塩とかしようのうというものは同じ專賣品であるけれども、これはいわゆる税收入の確保というような点においてはあまり期待し得ない。そこでわれわれは、專賣品の拡充というような角度から見た場合において、砂糖というようなものが專賣品の対象となり得る可能性がきわめて濃厚である。すなわち大衆に消費されると同時に、必需品でない――必需品であるかどうかというような点は、相当論爭があろうかと思いまするが、しかしタバコ同樣の程度のものであろうというように私は考えるのであります。そこで私は、專賣益金の増加というような観点から、タバコ同樣な意味において、砂糖というものをば專賣品の対象と考えることはどうか。まずこの点において政府はどういうような考えを持つておられるか。この点を承りたいと思います。
#36
○塚田政府委員 日本の財源をあげる方法として、專賣を拡張するということはどうかということは、先般も御質問がありまして簡單に当時の氣持をお答えしておいたのでありますが、本日は具体的な砂糖について專賣にしたらどうかというお考えでありますが、私どもは專賣というものそのものに対しまして、実は相当いろいろな観点から研究をして、はたしてあれが企業形態の上で非常にいいものかどうか。それは具体的に申し上げますならば、現在タバコの專賣をやりまして相当な利益を上げておるが、はたしてあれが民間企業でやつた場合に、そうして何らかの形で税をとつた場合と、今の專賣の形と比較檢討した場合に、はたしてどちらがいいか。もちろんタバコは御承知のように非常に生産費に比較しては高い値段で賣つておりますから、益金は相当たくさん上つておりますが、ほんとうに経済的な運営の観点から、うまく行つておるかどうかということに対しては相当研究の余地がある。抽象論として申し上げますならば、專賣形態というものと自由企業の形態というものとに、相当比較檢討の余地があるということを、実は考えておるわけであります。ただこれは根拠が数字的に十分でない議論でまことに恐縮でありますが、私どもの氣持としてはむしろ個人企業の方が、能率を上げて行くという上において一層いいのじやないか。そういうように考えて実は專賣を今日以上にあまり大規模に拡張して行くということは、まだ研究の余地が相当あるというように考えておるのであります。そこで砂糖の問題についてでありますが、そういうような観点から一應ただいまの川合委員の論旨を伺いまして、ごもつともと考えられる節も多分にありますけれども、今すぐにこれを專賣にするというようなところまでは、まだ結論が参つておらない。しかしただいまの御意見は十分参考とさしていただいて、今後一層研究をして行きたい。こういうように考えておるわけであります。
#37
○川合委員 あるいは提案理由の説明の際に補足的な説明があつたかも存じませんが、私はそのときにちようどほかに参つて、おりませんでしたので承る機会がなかつたのでありまするが、この砂糖消費税の内容について、たとえば今までは從價税で幾らであつたか、あるいは從量税で幾らであつたか、あるいはまたサツカリン、ズルチンに対する物品税を引下げる。これは今まで一グラムたしか十五円ぐらいであつたものを幾らというように引下げたと思うのでありますが、そういう点について補足的な説明を承りたい。かように考えます。
#38
○平田(敬)政府委員 私から砂糖消費税の税率をどういうふうにしてきめたかといつたようなことについて申し上げまして、御参考にしたいと思います。今回免税を廃しまして課税することにいたしましたのは、すでに御承知の通り、今までは主食として配給いたしていたのでございますが、昔に帰りましてこれを調味料として配給するということに相なりましたので、課税することにいたしたのでございます。その際におきまして税率をどの程度にするかということは、いろいろ研究してみたのでございます。一面から申しますと現在の財政需要からして、もう少し増税の余地があるかどうかということも研究してみたのでございますが、各般の材料からいたしまして、むしろ若干税率を下げまして、今回提案いたしたような税率にするのが妥当ではないか。こういう結論に到達したのであります。と申しますのは現在砂糖の値段が白糖で一斤当り十九円、外國から入つて來ます色の黒い方で十七円五十銭に相なつております。今回これをいろいろな價格政策等の関連も考慮いたしまして、白糖の方は五十円程度に値上げする。それから粗糖の方は四十円程度に値上げをする。かようなぐあいのところの値上げが一番妥当ではないか。と申しますと、基準年度に対しまして大体二百十一倍程度の高さになるのでありますが、現在米は御承知の通りに大体消費價格は百四十五倍程度に相なつております。それからみそ、しようゆ等は百倍前後でございます。油が少し高くて二百十倍程度、酒はもう少し高くて二百五十倍程度に配給酒はなつております。自由販賣酒は最も高くて五百倍を越えておりますが、砂糖も大部分配給でございますし、今申し上げました種類の酒以外のものに比べまして嗜好品的な趣きがございますので、ある程度高くてもいいのではないか。諸般の見地から考えてこの程度が妥当じやないか。さようなことを考えまして、税率といたしましては、大体提案いたしておりますように、一斤について、現在二十二円ですが、それを二十円程度の税率にいたしますのが、この際政府として一番妥当じやないか。かような見地でこの税率を提案いたしました次第でございます。この程度の値上げでございますれば、家計等に及ぼす影響もさほどのこともなく、しかも國庫といたしましては相当の收入になるということを考えまして、提案いたしました次第でございます。
 なお配給の状況を簡單に申し上げておきますと、一應課税の基礎になりますのは、十二月から來年の三月でございますが、この十二月から三月までの配給計画の総量が約十万七千トン程度になつております。そのうち一人一月三五グラムずつ配給いたしますと、その分が九万七千トンに相なります。その他の分が約一万トン程度でございます。この税率をもう少し高くしてはどうかということについても檢討してみたのでございますが、以前は御承知の通り砂糖の六割程度はお菓子の製造その他の加工用に向けていたのでございますが、今申しましたように今回の計画では大体やはり九割以上は調味料として家庭配給される。こういう実情も考えまして、あまりこの際むりな増税をするのもいかぬであろうというので、先ほどの値段も考えましてきめたような次第でございますが、配給の内容から申しますと、大体さようなことになつております。その他の中で若干煉粉乳用、育兒用、これらのものにつきましては特別に免税することにしております。そういうものを差引きまして課税高といたしましては、十万一千トン程度が十二月から三月まで課税になつております。それで税額を算出しまして予算に提案いたした次第でございます。將來また物價政策、なかんずく公定價格を相当再檢討する機会におきましては、あるいはさらに税率等につきましても檢討の余地があろうかと思いますが、現在の段階としてはこの程度のところが妥当じやなかろうかという見地からいたしまして、かようなことになつておる次第でございます。
 それから次はサツカリンとズルチンでございますが、これにつきましては昨年におきまして砂糖が非常に入つて來ない時代に、やみ價格が相当高いということを考慮に入れまして、相当大幅な増税をいたしたのでございます。ところがその後本年になりまして、砂糖が大分入つて参りました結果、やみ價格が相当下りまして、最近におきましては税金自体の値段よりもさらに低くなつておる。こういう情勢に相なつて参りまして、生産者の方面におきましては、一方においてすでに生産した分が相当滯貨になつておる。他方において新規の生産は相当に手控えざるを得ぬという実情に相なりまして、いろいろ陳情等も受けたのでございまするが、結論といたしましてはやはりこの際相当引下げるのが妥当であると考えまして、今回提案したように税率については引下げることにいたしたのでございます。現在は一キロ一万二千円の税率になつておりまするが、大体六千円程度に改める。かようなことにいたしたのでございます。この程度でございますれば現在の市場價格からいたしまして、大体相当程度の能率をあげて、この税金も生産者の場合におきましては、大体においてそう大きく生産費等にも影響しないで負担しきれるのじやないか。大体最近におきましてはズルチンとサツカリン等の市場價格は、これは調査にいろいろ問題の点もございますが、一万一千円から一万二千円前後しておるのが多いようでございますが、そのうち六千円ぐらいの税率になりますと、あとの残りが約五千円程度になりまして、この程度でございますれば、生産者の方からいたしまして大体負担しきれる税ということになるのでございます。この際改訂するといたしますれば、この程度が妥当ではないか。かような結論からいたしまして提案いたしたような次第でございます。なおサツカリン、ズルチンは今申しましたような状態で、相当生産に支障を來しておりますし、出荷にも惡影響を來しておりますので、この税率を下げましても税收全体としては大体とんとんではないかと思つておりまして、予算には特別増減も立てないで提案いたしておるような次第でございますが、一應御説明申し上げた次第であります。
#39
○川合委員 実はサツカリン及びズルチンの物品税の引下げに関してはわれわれもしばしば陳情を受け、ことに三井化学においては物品税が高いために会社の製品の出荷ができず、そのため労働者に対して労賃の支拂いができないというような事態が生じておるから、至急に物品税の引下げをやつてほしいというような陳情が参つておる点は、平田主税局長もよく御存じのところであります。そういたしますと、六千円に引下げた場合においては現在のマーケツト・プライスが一万一千円であるから五千円の実際の價格差で、これからはたして中正な生産費をもつ会社が十分ペイされるものであるか。たとえば三井化学の例について、おそらくお手元に資料があろうかと思いますから、具体的に説明を願いたいと思います。
#40
○平田(敬)政府委員 個別的に会社について調べた資料は今持ち合していないのでありますが、大体檢査に合格するような、お話の中庸程度の生産者のコストから申しますと、先ほども申しましたように四千五百円から五千円程度に相なつております。さような点から行きまして、決してこれは相当余剩があるとは申しがたいと思うのでございますが、この際といたしましてはしんぼうできる税率ではあるまいか。かような趣旨から六千円にいたしたような次第でございます。
#41
○川合委員 このサツカリン及びズルチンの物品税を引下げるという点は、私は現状の時宜に適した処置とは思いますが、しかし財政を審議するわれわれとしては大いに反省させられる点もあると同時に、また大藏省の事務当局としてもこの点は深く反省する必要がある。理論の点においてはわれわれあるいは大藏事務当局の考え方が正しかつた。すなわちいろいろなやみ價格その他を勘案して、物品税を非常に引上げたけれども、いろいろな関係において遂に現実にわれわれが負けて、物品税を引下げなければならぬということになつたわけであります。これはこれらの法案を審議したわれわれも大いに反省するところがあらねばならぬ。というように考えておりますが、同時にまたこういうような問題に関しては、お互いが改むべきものは率直に改めるということを、この機会に私どもも確認しなければならぬという点を痛感いたします。
 それはそれといたしまして、次にお尋ねいたしたいことは、今まで主食の代用品として扱われて來たところのキユーバ糖の價格に関しまして、いろいろな問題があつて、少くとも揣摩臆測に基くいろいろなデマが飛んでおつたということは、過日も貿易資金特別会計法の審議の際に私が質問した通りでございます。言葉をかえて申しますならば、キユーバ糖のFOB價格と日本のCIF價格とが非常に開きがあるということを言われておるのであります。そこで、今までは白砂糖一斤が十九円だつた。今回は課税をして、しかも五十円だ。こういうことになるのであります。われわれはこういう日本のCIF價格とキユーバのFOB價格との開きが、どの程度あつてもさしつかえないということは一應了承しているつもりでありますが、しかし共産党諸君の宣傳等によつて、國民諸君はかなりいろいろな疑惑を持つているようであります。そこで、白砂糖一斤を五十円にきめるという根拠について、もう少し具体的にお答え願いたいと思います。
#42
○平田(敬)政府委員 最初にサツカリン、ズルチンの税率のことにつきまして非常に有益な御意見を拜聽したのでありますが、これが非常にやみ價格を下げましたのは、砂糖の輸入が相当一時にたくさんあつた。これはそのことから申しますと、むしろわれわれといたしましては望ましい結果になつたわけでございまして、その結果、サツカリンの需要が非常に減りまして、砂糖におきかわりましてやみ價格が下つたということでございます。こういう情勢の変化に対應して、税率等につきましてもできるだけ早く適当に処理する。こういう御意見につきましてはまつたく私どもも同感でございます。
 それからさらに輸入砂糖の値段の問題についてお話がございましたが、大体今回の値段になりますと、輸入價格の円レートは百三十五円程度になります。これは大体現在の主食の輸入円價格の平均とあまり遠くない値段でございまして、この程度の額でございますれば今の輸入食糧の全体の見地からいたしましても、輸入品の観点から考慮した價格といたしましても、嚴密には申しがたいのですが、大体のところは総経済的に見て妥当な値段であると考えまして、安定本部、物價廳等ともよく連絡いたしまして、決定になつた價格であるということを申し上げておきたいと思います。
#43
○川合委員 そういたしますと、ここで注意しておかねばならぬ点は、御承知の通り日本の現在の輸入品に対するところの為替換算率というものは、円が非常に高く評價されているわけです。ところが輸出品の場合においては円がきわめて安く評價されている。そうしてたとえば現在の軍票換算率のごとくに、円が二百七十円というようなレートにかりに確定した場合においては、日本の輸出産業というものはおそらくその七割が潰滅的打撃に陷るというようなこと、これらは別個の問題でありますが、かりに二百七十円あるいは三百円というようなレートになつた場合においては、現在の五十円という砂糖がおそらく為替の関係から一斤百三十円くらいになるのであります。もちろんこの場合においては輸出品とのプール計算というようなことで、ある程度の調整はできるかもしれませんが、少くとも輸入品はその為替レートによつてそのまま價格を立てる、繰作を行わないというならば、そういうようなことになりますので、こういう点も考慮されているかどうか。すなわち為替レートが、これは極東委員会のああいう勧告に基いて、日本が好むと好まざるとにかかわらず為替レートをきめられる。しかもわれわれとしてはこれに対してはもつと愼重に考えて、もし傳えられるような二百七十円というようなレートできまつた場合においては、日本の産業というものは先ほど申し上げた通り潰滅的打撃に陷る。同時にこれを通して日本の企業整理、さらに失業対策というような問題が起つて來るわけでありますが、それはそれとして、砂糖の場合においても一應五十円だつたものが急に百三十円、四十円というようになることは、國民に與える影響をかなり注意しなければならぬと思いますので、そういう点を考慮されているかどうか伺いたいと思います。
#44
○平田(敬)政府委員 御指摘の通り、現在の輸出品の円價格は、非常に円安と申しますか、円で換算した方が高く出ているようでございます。これに反しまして輸入品、なかんずく食糧の價格は比較的低いようでございますが、これも特に低くしているというわけでは実はないのでございまして、食糧につきましては御承知の通り大体國内の生産者價格を元にいたしまして、それで貿易廳の賣渡し價格がきまつている。それで輸入レートを計算してみますと、非常に低い数字が出て來る。そこで問題は、御指摘の通り一本レートになる場合において、いろいろ問題が出て來るのではなかろうかということが考えられるわけでありますが、砂糖につきましても確かにその一例に該当すると考えるのでございます。ただ問題は全体といたしまして、そういう場合においていかなる調節方法をとるか、総合的な考え方のもとに処理さるべき問題であろうかと考えるのでございまして、今砂糖の場合につきまして具体的にどういうふうにすべきであるか、ここで申し上げるだけの具体的な考えは持たないのであります。そういう大きな問題が円為替のレートをきめるにつきまして介在しているということは事実でございまするが、これにつきましては、政府といたしましてもおそらく万般の角度からいろいろ檢討いたしまして、現状に対しましてあまり大きな変革を加えないで、しかも合理的な方向に極力努力すべきではなかろうかと考えておりますが、これはむしろ他の省から必要でございますれば詳しく御説明申し上げた方が妥当だと思います。御参考までに申し上げておきます。
#45
○川合委員 次にサツカリン及びズルチンの問題に関連いたしまして、同様の意味において物品税の税率を変更するも、実際の税收入には増減がないというような物品もあるやにわれわれは見ているのでありますが、これに対して主税局長はどうお考えになつておられますか。
#46
○平田(敬)政府委員 現在物品税の税率はだんだん物の供給がふえて行くに伴いまして、税率は少し高過ぎるというようなものが大分出て來つつあるように見受けられるのでございます。ただ今回のサツカリン、ズルチンのごとく急速に情勢の変化によりまして値段の変更があつたものは、ほかには多数はないように見受けられまして、若干こういつた傾向があることは事実でございますが、この際緊急に適当な調節をとらなければならぬというところまでは、今のところ考えていないのでございますが、なお來年度におきましては、そういう問題もあわせて檢討いたしまして、できる限り情勢の変化に即應しまして、妥当な税率をきめるように努めたいと考えている次第であります。
#47
○川合委員 これは直接大藏省の主管ではないと思いますが、しかし税率をきめる場合の有力な参考になるべきものだと思いますからお尋ねしておきます。十二月、三月までの本財政年度において、十万七千トンの砂糖が入ると言われているのでありますが、來年度以降の砂糖の輸入状況というものは、今年の十二月、三月と同じような比率をもつて輸入され、そして一月一人に対して三百グラムという配給量が確定的に見通されるかどうか。この点もお聞かせ願いたいと思います。
#48
○平田(敬)政府委員 現在のところ食糧輸入の関係から、來年度六月までの配給計画がきまつているようでございます。七月以降の分につきましては目下いろいろ檢討中であると考えるのでございますが、最近のいろいろな食糧事情、あるいは世界の砂糖の需給状況からいたしまして、大体同じ程度の配給が続くのではなかろうかと見ております。ただ現在の段階におきましては、確たることはきまつておりませんので、申し上げかねる次第であります。
#49
○川合委員 これはやはり貿易廳の問題であろうと思うのでありますが、世界の主要食糧というものは今年度から來年度にかけて、むしろ過剰生産恐慌という傾向が多分に見受けられる。昨年度から今年度にかけての世界の砂糖の需給状態というものはきわめて需給が緩和され、ある見方からすればむしろ供給過剰というような見方さえなり立つていることは事実であります。そこで先ほど申し上げましたように、アメリカがキユーバ糖のダンピングのマーケツトとして、日本に砂糖を輸出したというようなことさえも言われているのでありますが、われわれは現在糖分が不足しておりますから、極力海外の砂糖を輸入されることは好ましいことには違いないけれども、ダンピングのマーケツトとして日本が扱われるようなことがあつては、いかがかと思うのであります。そこでこの輸入にあたつては世界の砂糖の需給状態その他をよくにらみ合して、適正な値段で入るようになつているとは思いますが、それがはたして事実であるかどうか。ちよつと速記をやめてください。
#50
○平田(敬)政府委員 今の御質問に対してお答えするだけの判断能力は持ち合せていないのでありますが、ただ一言御参考に申し上げますと、今回の輸入砂糖は昔の輸入量に比較して決して多いものではない。また一人月三百グラムの配給でありまして、しかも今度は調味料として配給されるのが大部分であつて、戰前において製菓用その他に消費しておりましたのが、まだ輸入されていない状態でございまして、御心配のようなことはあまりなく、むしろ日本の食糧をあらゆる角度から確保するために、司令部といたしましてはいろいろな事柄を総合して、妥当な輸入計画を立てられているのではないかと考えているのでございます。それ以上のことはちよつとお答えいたしかねます。
#51
○島村委員長 この際申し上げます。復金の理事長がお見えになつておりますから、復金の増資問題に関して御質疑があれば願います。
#52
○川合委員 砂糖のことは私の方がくろうとらしいから申し上げますが、砂糖の消費量によつてその國の文明程度がわかるといわれておりますけれども、日本は戰前において大体一人当り年二十二斤ないし二十四斤の間を往來していたわけです。そういうような事情をよく考慮に入れてやらないと、いろいろな問題が生ずる。もちろん砂糖はいろいろな工業原料になることも考えられるわけでありまして、そういうようなことも御参考に供しておきますが、大藏省としても貿易廳との折衝にあたつて、いろいろな國民の不満誤解を招かぬようなことを考えることが必要ではないかと思います。私の砂糖の消費税に関する質問は以上をもつて終りといたします。
 次は復金の増資の問題についてお尋ねいたします。実は昨日も復興金融金庫の小委員会があつたわけでありまして、今回の増資に関しまして銀行局長よりるる御説明を承つたのでありますが、きのうの会合におきましては、機構問題に関しては触れない建前で論議を進めて参つたわけでありますが、私どもは今日復興金融金庫の増資という問題は、どうしても機構の再編成とにらみ合してこれを審議しなければ、審議が困難であると考えております。これは現在の政界、官界、財界の疑獄事件の温床地としての復興金融金庫というような印象が、國民の間にかなり高まつておりますと同時に、また現実的にも復興金融金庫の貸出しによつて、いろいろな事件の原因ができているように思つております。そこで今まで第一國会以來復興の増資のたびごとに、私どもはこれまたそれぞれの政党の立場を捨てて、何とかして復興金融金庫をりつぱにしよう。現在の塚田大藏政務次官の言葉をもつてするならば、この放蕩息子を何とかして立派な成人にしなければならぬという考え方を、われわれは持つているのであります。ついては機構の再編成に関しては、大藏省におかれてもおそらく一應の案をお持ちではないかと思いますので、この機会に御発表願いたいと思います。
#53
○塚田政府委員 復金の機構改革につきましては御指摘の通り、確かに今度の増資と関連して問題を進めて行かなければならないということで、先般來金融制度全般の改革の一環といたしまして、復金制度の改革ということも相当に研究を進めまして、まだ最終的決定には至つておりませんけれども、大体の草案というものができておりますから、銀行局長からお答えを申し上げさせます。
#54
○愛知政府委員 ただいま塚田次官よりお話がありましたように、最終決定にはなつておりませんけれども、大体関係各方面の意向をとりまとめまして、こういうことが少くとも暫定的にやるべきことではなかろうかというところのものが出ておりますので、その概要を御説明いたします。
 まず第一は融資決定の責任についてでございます。復金の融資決定の責任の帰属を明瞭にいたしますためには、もつぱら復金の理事長の責任において個々の融資の決定を行うように改める。これが第一点でございます。御承知のように、現在復興金融金庫の監督機関は復興金融委員会でございまして、從來の日本にありきたりの制度とは非常に違つておりまして、委員会自体が監督機関ということになつておるわけであります。これは法律あるいは勅令によつてきまつておるのでありますが、さらに復金委員会としては行政的な監督、あるいは人事の推薦、あるいは監査というようなことのほかに、復興金融委員会自体の決定といたしまして、たとえば五千万円以上の融資については、一件ごとに委員会が決定をするということになつております。從つてまた委員会の下部機構でありますところの復金の監事会が、相当程度個個の融資の認定について関與いたしておるわけであります。それが各方面からいろいろの批評の的になつておるわけでありまして、その当初の趣旨から言えば、むしろ各方面の意向を代表して、そしてガラス張りの中で民主的に融資の決定をすべきであるという趣旨から出ておるのであつて、決してその間に他の意図をもつて融資を決定せんとするがごときことは、毛頭なかつたのでありますけれども、その後の運営の状況から行きまして、一体どこにその決定の責任があるのかというようなことがともすると明確を欠きますし、從つてまたそこにいろいろな問題が伏在するのではなかろうか、というような印象を與えないでもなかつたと思いますので、この際この点は明瞭に個々の融資の決定からはさような委員会や監事会から手を離れて、いわゆる復金の自主性の改革ということをいたしたいというのが、融資決定の責任についての問題でございます。
 それから第二は、復興金融委員会、監事会の権限運営につきまして、ただいま申しましたように、法律によつて與えられた権限を行うことにとどめ、そして個々の融資の可否の決定等についてやつておりましたことは、全部これを理事長の一元的責任に復元をするということにいたすのが第二点でございまして、そのために復金の委員会は復興金融金庫監督の大綱である。それから融資方針、たとえば赤字融資はやらないとか、石炭融資についてはかくのごとき方針でやるというような大づかみな大綱、しかも政府各部局、あるいは生産担当、輸送担当といつたような各方面の意向を十分に反映するような大きな政策的な点について、いろいろ理事長に対して意見を申す。それからまたそういう大綱から申しまして、復金の個々の融資が適正な方法において行われるように監視するような役割を、復金委員会の本來の役割として発展させようということに考えたわけであります。從つてまた監事会というものは、機構としての監事会は全部廃止いたしまして、監事は單に委員の補佐機関として、委員のお手傳いをするにとどめる。監事だけで一つの独立の機構をつくつて、そこが個々の融資に関與するというがごとき從來の制度は、廃止しようということになつているわけであります。
 第三点は地方機構の問題でございます。從來東京以外の地方におきましては、復金の融資について日本銀行の支店長が中心になりまして、その諮問機関として、官廳側では財務局、商工局、民間側では金融関係その他の代表の方によつて、融資懇談会というものが設置せられております。その懇談会におきまして復金融資の適否、それから市中融資あつせんの可否等を認定することとなつていたのであります。これを中央における復金の自主性の改革と同時に、從來日本銀行を中心に行つておりましたものを改めまして、あくまでもこれは復金理事長の諮問機関として、運営されるようにいたそうというふうに考えているわけであります。
 それから第四点は、復金自体の地方機構の整備でございまして、この点は現在まだ十分に結論を得ていない点でございますが、場合によりますれば、現在の地方機構を整備強化する必要があろうかと考えているのでありますが、同時にしかし不必要に復金の機構が大きくなることは、かえつていかがかとも思われますので、あるいは理事の重要地点における駐在制というようなものを、暫定的な実行方法としてとることになるかもしれないというような程度に考えられております。この点につきましては、いろいろの方面からいろいろの御意見が出ておりまして、まだきまつておりません。
 それから第五点は、産業行政、金融政策、復興政策、財政政策等との調整をどういうふうにするかという点でございます。これは從來は復金委員会、監事会等に関係各省の役人、それから日本銀行その他の機関の代表者が出ておりましたために、そこでいわゆる産業行政その他との調整あんばい等が議せられておつたのでありますが、今後監事会を廃止し、また委員会の役割を大綱にとどめるということになりますと、復金の理事長の諮問機関として何らかの形で連絡機関を置く必要があるのではなかろうかという点が、問題になつているわけでございますが、大体関係方面の意向もこれは法令等に基かず、事実上の理事長の諮問機関として、何らかの機関ができればいいのではなかろうかというふうに考えております。率直に申しますと、産業界その他におきましては、やはり何らかの形でここに強大な発言権を持つような組織を、えてして望まれがちなのでありますが、これが非常に強くなりますと、また復金当局の自主的責任制の確立ということがぼんやりいたしますので、そこのところの調整あんばいはなかなかむずかしいと考えているわけでございます。
 それからお尋ねの範囲をちよつと逸脱すると思いますけれども、以上が機構についての面でございますが、ついでに一言付言いたしますならば、復金融資の対象範囲の問題につきまして、大体次のように考えているのであります。
 そもそも復金は経済復興の促進のために必要な資金であつて、かつ他の金融機関からは融資が困難な資金の供給を目的として、発足いたしたものでありますが、その発足の趣旨使命に徹することが、ますますもつて必要になつて來たのではないかと考えられるわけであります。從つて從來の融資の対象あるいは從來の融資の範囲等についても、再檢討を加える必要があるものと考えるのでありまして、そのために、たとえば当然財政の補給金というようなもので負担すべきようなものは、財政の方できれいにこれを見てもらうようにする。また当然物價改訂等の際に織り込んでもらうべきでありまして、かつ返済の見通しもないようなものは、從來と同じように復金の融資に漫然と仰ぐというようなことはやめたい、というようなことを考えておるわけであります。同時にたとえば既存の赤字融資の処理についても、至急対策を講ずる必要があると考えまして、現在石炭等に対する既往の復金の赤字融資の始末につきましても、至急対案を立案いたしておるわけであります。
 それから最後に第七としまして監査機構の強化でございますが、とりあえず復興金融金庫法第三十一條によりまして、融資先についての監査を從來に増して力を入れてやることにいたしております。大体現在復金の融資のうちで一億円以上の残高を持つておりますものは八十二社ございますが、この八十二社についてとりあえず來年三月までの間に、大藏省を中心とする監査班を強力に組織いたしまして、片つぱしからしらみつぶしに監査をやろうという計画を立てておつて、すでにこれは発足いたしております。今申しましたのは法律に基いて官廳が主動となつて行う監査でございますが、それと並行して從來通り復金の監査部による監査を励行することにいたしております。なおまた復金自体の経理等につきましても、当局として監査をいたすことにいたしておるわけでございます。大体以上申しました点は、一部地方機構の問題、それから産業行政等との調整をどういう形でやるかということ以外は、大体関係方面の了解を得ておりまして、また実施に移し得ることは可能なものから移すようにいたしておるわけでございます。
#55
○川合委員 ただいまの御説明によつて復興金融金庫の制度の暫定的改正に関する当局の方針は、よく了承したのでありますが、問題を根本的にわれわれが檢討した場合において、第一に氣づく点は、委員会制度というものが、きわめて日本の実情に合わないということを、われわれははつきりと認識し得たのであります。これはおそらく関係筋の慫慂によつたものと思うのでありますが、私はアメリカにおいて発達し、同時にまた顯著なるところの成績を上げておるボード・システムあるいはコミテイー・システムというようなものが、日本においてはきわめて適切を欠くという本質的な欠陷をば、復興金融金庫の場合に露呈したというように考えるのであります。そこで政府は総選挙後の臨時國会に提出するであろうところの金融制度の改革、すなわち金融業法というようなものを出すようであります。これに関しては関係筋からこれに関するアドバイスと申しますか、サゼスチョンが参つておるようであります。ところがその中心になるものは依然としてボード・システムである。この点は前内閣当時の大藏大臣になつた北村氏に対しては、私は強い警告を発したのでありますが、責任の所在を分担して民主的に運営して行くというようなボード・システムすなわち委員会方式は、アメリカのような國情においては適切であるかもわかりませんが、日本の場合においてはまだその段階に達しがたいということを、われわれよく了承するのであります。
 そこでまず第一にお聞きしたい点はこの復金の制度の問題とも関連するのでありますが、近く実行せんとするところの金融制度の改革にあたつて、委員会制度というようなボード・システムを採用する方針を持つておられるかどうか。場合によるならば、こういうような問題に関しては関係筋のいろいろな慫慂があつたにしても、われわれは日本の國情と、またこういうような復興金融金庫におけるところの委員会制度の幾多の過誤から、これを根拠にして関係筋に対して強く当ることもできようかと思います。そこでまず來るべき金融制度の改革に際して、その中心の題目をなす委員会制度に対するところの当局の見解を承りたいと思います。
#56
○塚田政府委員 委員会制度がわが國の実情に適しないということは、確かに私らも御指摘の通り同感であります。もちろんこの根本的な考え方といたしましては、民主政治の行き方と委員会、制度というものは、マツチいたしておるはずなのでありまして、從つて今日の現段階の実情に適しないから、これは全部いけないという考え方で行くというようには必ずしも考えない。なるべくは民主政治の行き方というものとマツチする。そういう行き方にむしろ日本の現状が早急に追いつけるように、努力して行かなければならぬということは、議論として私どもも考えておるのでありますが、現実の問題としては御指摘の通り追いついておらない。從つて種々の欠陷を発生しておる。そこで今度の金融制度の根本改革におきましても、世間に漏れておりますいろいろな原案として、そういうものが一つ構想されておることは御承知の通りであります。しかしただいまの御指摘のような点につきましては、政府も十分よく了承いたしておりますので、そういう線に沿いましてなるべく今日の日本の現状に即するような形において、当面の改革というものは行われるようにということを強くその筋にも進言をいたして、熱心にそういう形が改革の上に現われて來るように努力いたしております。
#57
○川合委員 この問題はかなり日本として大きな問題として、とり上げられなければならない問題でありますし、かつまた私自身が関係筋といろいろな折衝をいたしておる立場からも申し上げたいのでありますが、たとえば公正取引委員会、または持株整理委員会、あるいは閉鎖機関処理委員会というようなものは、法制上の建前としては日本政府の機関になつておるのでありますが、その実体はそうではないのであります。そこに現在不当財産取引調査委員会におけるいろいろなトラブルが起る余地が残つておるわけであります。私はこういうような問題ははつきりと日本の政府の機関であるけれども、実際は占領政策との関係からこうだというようなことを、明らかにした方がいいじやないかというようなところまで來ておるということを、この機会に申し上げたい。この点に関しては私どもが國会全体の問題としてこういうような問題を再認識して、これに対処すべきことを考えねばならぬというように思うのであります。これらはいずれまた他の機会に私は総理大臣なりそういうような責任者に、あらためてお聞きしたいと思うのであります。ところで復興金融金庫の問題に返つて参りますと、大体復興金融金庫の最高の責任者というものは理事長にあるべきはずである。ところが今までの理事長というものは表見的な権利しか持つておらずして、実際上は融資の懇談会とかあるいは先ほどの御説明のあつたような委員会、監事会というものによつてこの融資が決定されておる。從つて復金の理事長というものはロボツト的存在であつたというても、私は過言ではないと思います。ところでこの機会にここに北代理事長もお見えでありますので、今まで過去の経驗を通してどういうような弊害があり、あるいはまた今の暫定改組案に対するところの復金の理事長の立場における御感想というものを、この機会に承れれば、仕合せと思います。
#58
○北代説明員 ただいま川合委員から御請求がありましたから私から率直に申し上げますが、実は復金の制度につきましては世間にいろいろ誤解がございまして、そのために何か不当なことが起れば、それがすぐ復金の機構と直接の因果関係があるようにも思われている節がございますが、それはある意味においては思い過ぎの点があるのではないかと私自身は思つております。今お話のように復金理事長は表見的権限しかなかつたというようなお話でございますが、それは私微力で私の意思がよく傳わらなかつたというようなこともあると思いますが、ただいままでやつておつたことを見まして、私が一番不都合と考えられることは、先ほど銀行局長からお話もございましたように、監事会というか、各現業官廳なりの意見が相当強くあそこで反映しておるということは、これは事実だつたと思うのであります。その際復金側の者の意見が、多勢と申しますか、多数決であそこできめられる関係から弱く、從つて復金の意見が強く出られなかつたということがあつたのじやないかと思います。しかしながら最近におきまして、金融としての大きな原則がきまつて参りまして、御承知のように世間で言つております三原則と申しますか、赤字はしないという、その一つの赤字融資の問題でありますが、これが一つの原則として、政府として大きな方針をおきめくださいました関係から、復金の立場というものが非常にやりやすくなつて來たということは事実でございまして、最近資金が計画通り出ないというのも、多少そういう関係があるのでございます。
 今後それならば復金をどういうふうに改革して行くかという問題でございますが、これは大体先ほど銀行局長が御説明になりました点が、われわれといたしまして希望した線に沿つたところなのでございます。ただ銀行局長の御説明になりました最後の産業行政との調整でございますが、これは眞劍に掘り下げて考えますと、なかなかむずかしい問題でございます。御承知のように復興金融金庫は、他の金融機関が融資できないものに融資するというところに、その使命があるのでございます。ところが復興金融金庫はそれならば金融的な立場からだけ、金融して行けばいいというのならば、案外金融機関としての任務はやさしいのでございますが、それならば日本の復興が遅れるということは、また事実だろうと思うのであります。その復興を助け、しかも金融的立場に立つて融資しなければならないというところに、復興金融金庫の根本的悩みがございます。從いまして先ほど銀行局長のお話のように、復金の自主性があると申しましても、根本の方針というものは國がきめて行くのであります。また赤字融資をしてはいけないとか、あるいは融資の対象をどこへ持つて行くとかいう、先ほどの銀行局長のお話になつた点は、私の方からもお願いした点でございまして、重点産業、それに関連したものに限りたいというようなことも、金融としてやりやすくしたいという一つの希望なのでございまして、その大きな方針のきまつた前提のもとに、個々の融資につきまして、相手の信用あるいは資金の回收状況を見まして、復金としては個々の融資を決定する、責任を持つてやつて行くというところに、今度の改革の中心があるのでございまして、われわれといたしましては、金融機関だけから、狭い範囲で自分の金が帰ればいいというだけの立場で、われわれは今回の自主性を――自主性と申しますか、融資の責任をとろうという意味ではございませんで、大きな意味の國の政策と合つたその融資を、責任をもつて決定して行こうというところに、われわれのねらいがあるのでございます。ごく簡單でございますが、これをもつて御説明といたします。
#59
○川合委員 この暫定的改組のことに関しては、また私もいろいろと質疑申し上げたい点がありますが、本藤君も質疑したいという話でありますから、私の質疑は一應保留しておきます。但しこの機会に、政府も多分そういうようなお考えをもつておられると思いますが、懇談会の形式で、今回の百億円の増資の問題と、対関係筋の問題があるように思いますから、そういうようなことも懇談会の席で話された方が、委員が納得するのではないかと思いますので、その点は委員長が適当にひとつそういう機会をみて、善処されんことを希望しておきます。
#60
○本藤委員 復金の融資の問題でお尋ねいたします。復金という制度がなければ、日本の基本的産業は復活しないということはわれわれは了解いたします。しかしこれはまだわれわれも政府にはつきり聞きませんが、これは國民もよく復金の金をいじつている、またはいじりたいというような氣持の――要するに事業家には復金の金を借りれば、ほとんどもらつたものだというような考えで復金の金を借りようとしている人たちも、往々にあるようにわれわれは思うのであります。一体復金の金は、設備資金であろうが、運轉資金であろうが、大体これは國でやらなければならぬというのであるか。何でも重点的な基本的なそういう一つの産業であれば、おそらく借りれば借り得だというような考えをもつている方が間違つているか。貸す方のそういう役員の側なり政府なりの上において、そういうことがいささかあるのですか。まず第一にそれを先に承りたいのですが……。
#61
○北代説明員 実は今お尋ねの件は、私たちにそういうことを現にいろいろ御注告くださる方がございまして、私自身も実は不審を抱いているのでありますが、その原因についていろいろ探索してみますと、結局石炭のような、とうてい経営者から見ては返せないような金を、時の國家の政策に應じて融通いたしました。主として石炭でございますが、そういうような関係から復金の融資は返さなくてもいいのだというような考え方が、廣まつて行つたのじやないかと思います。私の方から貸しますときには、石炭につきましては現地を見るときもございますが、大部分は見なくて貸しておる。ほかの融資につきましては一々現地を見て貸しております。また現に延滯したものにつきましては、その個人の資産を処分させて返させておるということもございまして、ほかの石炭以外につきまして、私たちがそういう苦情を受けることは、私自身も不審に思つておるのでございます。もし今お話のように、融通を申し込むときには、そういうような考えをもつて融資を申し込むんじやないかというような点もございます。そういうものにつきましては、私の方は嚴格な査定をやつております。また幹部を通しておりますから、そういう点はないと思う次第でございます。
#62
○本藤委員 当然そういうような御答弁はあることと思います。くれるなんということはありつこない話ですが、しかし実際問題として、設備資金というものは一体政府でほとんど補助したと同様な氣持であるのですか、ないのですか。これもはつきりだんだんに聞きたいのですが、実はこれは一月に計算すればわかるように、増額々々でもつて何十億という増額をしているのですが、それだけ一体事業が拡張して行くのであるか。一体これが赤字資金となつて行くのであるか。回收の表を――私もいろいろ調査の表をとつているのですが、まだ出て來ませんけれども、設備資金の方の回收は、回收がすぐなくてもわれわれ納得できるが、昨年の一月から八月までらしいのですが、これから見ても運轉資金の方でいつて最も成績の惡いのは電氣業で四%、それから農林業については九%、窯業のせとものなどの場合は金額は少いけれども、製材業に対するものは一〇%、おそらく一〇%か、または一二%、一三%という運轉資金の回收率であります。かりに今の鉱業である石炭も含んでおるでしようが、いろいろ鉱山関係であつても運轉資金は三一%ということになつております。こういうのから見るとわれわれはほとんど貸したものをみなくれて行くような感がするのであるが、これは一体実際問題はどうなのか。きよう一日では全部聞ききれませんが、一体どういうことになつたんですか。そうしてなおここに昭和電工の大きな刑事事件の問題が起きる。あるいは京都製粉ですか、何か製粉会社の事件が起きております。炭鉱融資に対してもたくさんの事件が起きておる。これはいま日本再建で國民が死ぬか生きるかという時期なんで、日本の貿易に対しても日本の再建に対しても困つておるときに、復金の金だけがこういうでたらめなことを、政府というか委員会でやられておることは、われわれ國民としてはどうしても納得できないのです。こういう運轉資金に対する説明だけでも概略を御説明願いたい。
#63
○北代説明員 ただいまお尋ねの運轉資金だけに限りましてお答えいたしますが、運轉資金は市中銀行で借りられるものは、原則として市中銀行の方へ連れて行く。われわれの方といたしましては、例を製材にとりますれば、地方でこれはぜひ必要だという製材業を助けるわけです。それは市中へ持つて行つても市中でも借りられないものを私の方で取上げるので、順調にまわるような金でございますれば、私の方では取上げないという方針なのでありまして、多少金がなくても、経営からいつて長い目で見れば返つて來るものも、さしあたつては返つて來ない。たとえば進駐軍の関係なんかで製材がぜひ必要だというものに、私の方は貸すのが原則である関係上、運轉資金の回收は普通の金融機関よりも遅れておることは免れないところで、そこに私どもの方の貸付の悩みもあるわけです。それから設備の方で、それなら生産力がどれだけ増したかという問題でありますが、これはたとえば昭和電工にいたしましても、大体年に硫安二十五万トン計画がそこで一應完成することは、結局私の方の資金が出たのであります。また船舶につきましても御承知のようにほとんど私どもの方でいたしておりますし、それから漁船につきましても非常に漁業関係に出しておりますが、これは大体いま戰前に復旧したとも言えるだろうと思うのでありまして、設備については私の方でそれだけのものが出て行きますから、資金の使途を監査するのにも、比較的簡單に行けると思うのであります。運轉資金の方はただいま申し上げましたように、なかなか事業にしてむずかしいものに貸しますものですから、自然その回收も遅れることはやむを得ないところだろうと思います。
#64
○本藤委員 そういたしますと、私はこれはますます復金の金には非常に疑惑を抱くのですが、大体筋道の通つたのは、要するに復金の金を市中銀行にまわして融資の道をつける。むしろ私はこの方が実際賢明な策であると思うのでありますが、ただいまお聞きすると、かりに國策に沿つたもので困難なものは直接貸す。実は私はここにあいまいなことがあると思う。直接貸すということになると政治力が必要で、これはやはり相当な政治の力のある人が結局これをやる。大東亞戰爭中に、政府のあらゆる資金を使うときには、何でも飛行機会社をつくるとか、船をつくるとかいつて、できないでも何でもたくさん会社をつくつて、名目だけは國策に沿つたようなことにして、いろいろ金を政府から借りて、むちやくちやなことをしておつた。敗戰になつたからといつて、戰爭中と今日と打つてかわつたような正直者に全部の國民がなればいいけれども、日本の國民性はなかなかそうは行かない。政府自体が、一体総理大臣をしていた者が監獄に入つたり、栗栖さんのように大藏大臣をしておつた者が、復金の金ですでに問題になつておるのだから、これは相当復金の改革をしなかつたら、今後日本の再建には非常な支障が起ると思うのであります。これはだんだんに話を進めて行かなければだめであるが、一体こんなものを市中銀行なら市中銀行へ持つて行つた場合、市中銀行が自分の信用なり、資本の運轉に対して相当嚴密なる取扱いをし、また市中銀行の制度として適当なことをやることはいいと思うが、二本建で行けないものは直接で行くことになると、政治力の無力のものが生れはしないかと思うのです。市中銀行の今までの回收の成績と、直接の成績とがどつちがどうか。まず大づかみのところをちよつと承りたいと思います。
#65
○愛知政府委員 市中銀行の回收の率の詳細な資料をただいまここに持つておりませんが、復金の回收の方はすでに資料でも御承知のように、現在までの回收の平均が五七%になつております。それから融資全体の中で、運轉資金が非常に多い、公團融資の方は八八%の回收率になつております。非常に惡いのは一般産業一三%でありますが、その中の相当部分は設備資金ということになつておるわけであります。この公團に対する運轉資金の回收率、それから全体の平均で申しますれば、今まで一般の金融機関に対しましては、そう顯著に惡いということは言えないかと思うのであります。ところが先ほど來もお話でございますが、御承知の通り復興金融金庫法の第一條を見ますると、復興金融金庫は経済の復興を促進するため必要な資金で、他の金融機関等から供給を受けることが困難なものを、供給することを目的とするということでありますので、他の金融機関がやらないものを直接に貸すということを理事長が言われましたのは、復金の法律で定められた本來の目的を、運営することになつておるわけであります。
 それからもう一つのお尋ねだつたと思いますが、つけ加えたいと思いますのは、一般の金融機関は御承知のように預金を預かる機関でありまして、その預金が現在のところ定期の、長期の預金というものは、遺憾ながらまだ全体の預金の中の二〇%にも達しないような状況であります。從つて一般銀行の健全なる経営をして参らなければならぬのでありますが、そうなれば一般の金融機関としては、長期にわたつた大額にわたる設備資金はもちろんでありますし、運轉資金も一般の金融機関は期待し得ないというのが、現在の状況であります。從つてもし復金というようなものがなければ、結局必要な生産関係の資金というものは、求めるに道がないということにならざるを得ないということになりますことを、つけ加えて申し上げておきたいと思います。
#66
○本藤委員 銀行局長の御説明は、よい方のことばかり言われるのですが、昨年の表からいつても、今言われたような成績はさらに現われておりません。しかしそういうことはあまり申しませんが、ひとつ資料として次のものをもらいたいと思います。回收不能に陷つているのが一体どのくらいあるか。その資料をいただきたい。それから借金をしても利子を拂つて、手形なり書きかえて行つているのもあるでしようが、しかしほとんど設備にしても運轉にしても、利子の計算もできぬというものがどれくらいあるか。これもひとつ資料をもらいたいと思います。何といつてもこれは委員全部が、大きな改革をして日本の再建のためにやる、そういう氣で行かなかつたならば、先ほどの銀行局長の言われるように、特殊なものに限つてという、その特殊というところが非常に不可解なところで、そこに惡いことが生れるように思うのであります。これは現に刑事問題になつて現われているわけです。これはいずれそういう資料もいただいてからやることにして、今日説明を聞いたところでわれわれ納得できませんから、今日はこの程度にしておきます。
#67
○島村委員長 復金増資の問題は本日は質疑をこの程度で打切りまして、明日午後一時から委員諸君と当局との懇談会を開くことにいたします。さよう御承知置き願います。
 次に昭和二十三年十一月以降の政府職員の俸給等に関する法律案、これは人事委員会に付託されております。これに対しましては議院運営委員会における申合せもあり、本委員会といたしましては、本案に関して人事委員会と合同審査会を開くよう申入れるかどうか。これにつきましてお諮りいたします。合同審査を申入れることに御異議ありませんか。
#68
○島村委員長 御異議ないものと認めまして、人事委員会にさよう申入れることにいたします。
#69
○宮幡委員 議事進行に関して……。復金増資の問題でありますが、復金の機構あるいは制度の改革の問題につきましては、本藤委員初め川合委員等から御意見がありました。これは十分なる檢討をなすべきで、從つて委員長のおはからいによります明日午後一時からの懇談会を数時間くらいやりましても、決して議論は盡きないと思うのであります。この國会の行き先というものは各委員とももうすでに御承知のはずでありまして、この機構改革あるいは復金制度の抜本的改革というような問題は、休会中等を利用いたしまして、小委員会におきまして別に審議せられるが妥当である。ただいま上程されておりますものは、あくまでもこの百億の増資可否を決定すべき問題でありまして、いろいろ会期等の関係もあるわけでございますので、範囲をそこにつづめまして、事務的な質疑を早く済まして、百億を認めるか認めないか。この点でひとつ委員会の意向をまとめてもらうのが妥当でないか、かように考えております。たとえて申しますならば、われわれがお尋ねしたいと考えておりますのは、この資料に基きますと債券発行余力が二百二十九億あるとなつておる。これは消化能力があるのかないのか。もし消化能力があるならば、とりあえず百億の増資は見送つて、考えてからでも遅くはないじやないかということになると、これは今病氣の者に注射を打ちかかつて快方に向つたものを、どうもあと注射を打つ金を調達できないから、見殺しにするというような形も出て來るのではなかろうかと思います。ぜひともこの際委員長のおはからいによりまして、議案の審議の範囲をつづめまして、本委員会の使命といたします復金制度の改革、こういう問題は他日の機会において愼重審議、ほんとうに國民の期待に沿うような檢討を続けて参りたい。ぜひさようにおとりはからいを願います。
#70
○島村委員長 ちよつと宮幡君に御相談申したいのですが、明日の懇談会はなるべく機構の改革の問題その他につきましては、あとまわしにしていただくことにいたしまして、それで概要今本藤委員からの資料の提出等、そういうものに対する御説明の程度になるべく簡單にとどめていただいて、議案の審査に移る。その程度で御了承がいただけましようか。
#71
○塚田政府委員 これは宮幡委員からも法案の審議を進める上において、いろいろ御好意ある御発言をいただいてまことにありがたく存じておりますが、私どもの希望といたしましては、先ほど本藤委員の御指摘になりました通り、実際この問題は重大な問題なのでありますし、眞劍にお考え願うということをぜひ希望いたしたいのであります。その意味におきましてなるべく委員会を勉強して開いていただいて、少くとも相当程度の審議は進めて、もちろんそれでも根本の解決の点までは行かないかもしれませんが、相当程度までは御審議をお進め願つて、この増資の法案が上るようにおとりはからい願つた方が正しい行き方ではないか。こういうように考えております。
#72
○島村委員長 しからばさようとりはからうことにいたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後四時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト