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1948/12/13 第4回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第004回国会 災害地対策特別委員会 第5号
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1948/12/13 第4回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第004回国会 災害地対策特別委員会 第5号

#1
第004回国会 災害地対策特別委員会 第5号
昭和二十三年十二月十三日(月曜日)
    午後二時五十六分開議
 出席委員
   委員長 椎熊 三郎君
   理事 小平 久雄君 理事 原  孝吉君
   理事 成瀬喜五郎君 理事 志賀健次郎君
   理事 高橋清治郎君 理事 加藤吉太夫君
      淺利 三朗君   小野瀬忠兵衞君
      小暮藤三郎君    高田 弥市君
      梁井 淳二君    石井 繁丸君
      石川金次郎君    金野 定吉君
      田中織之進君    林  大作君
      馬場 秀夫君   青木清左ヱ門君
      鈴木 強平君    長野 長廣君
      外崎千代吉君    石野 久男君
      只野直三郎君    木村  榮君
 出席國務大臣
        建 設 大 臣 益谷 秀次君
 出席政府委員
        内閣官房長官  佐藤 榮作君
        経済安定政務次
        官       中川 以良君
        運 輸 技 官 後藤 憲一君
        建 設 技 官 目黒 清雄君
 委員外の出席者
        総理廳事務官  大平 正芳君
        農林事務官   池田 大助君
        農林事務官   土屋 四郎君
        農林事務官   林  眞治君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 災害復旧予算に関する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○椎熊委員長 これより会議を開きます。
 災害復旧費六十億の府縣別割当につきまして、先般來政府と交渉いたしまして、いまだ本格的の決定ではございませんが、あらましの御計画の一端をお漏らし願つたわけでございまして、お手元にガリ版で差上げておるものを御参照願います。本日は政府側からは林野局の林務部長池田大助さん。水産廳漁港課長の林眞治さんがお見えになつておりますので、関係事項につき御質疑を許します。
 御発言はありますか。――別に御発言ないようでありまするから、この際委員長から林野局の林務部長にお願いいたしまして、関係事項について一通りの御説明をお伺いいたしたいと思います。池田大助君。
#3
○池田説明員 それでは昭和二十三年度の林野局関係の被害及び復旧の計画について概略を申し上げます。
 御承知のように、本年は六月の北陸震災と九月のアイオン台風と、この二つの災害を初めといたしまして、かなりな風水害があつたのでございます。これらの災害の林野局関係の災害が全部で約六十三億円に達しておる次第でございます。これは木材の流失、木炭の流失、炭窯の破壞、林道の被害、荒廃林地の被害、こういうふうなものを全部を合せた総額が、ただいま申し上げましたような六十三億円に達するわけでございます。このうち一應林野局の方で復旧を要するものといたしまして計画いたしましたのは、民有林の林道の復旧、それから同じく民有林の荒廃地の復旧、それから炭窯の復旧の三つでございます。
 これの数量を申し上げますと、民有林の林道は延長百五十五万八千間、これの復旧費が十七億円でございます。このうち二十三年度に復旧を要するものとして計画いたしましたのが、六十七万九千間でございます。それから民有の荒廃地の復旧の数量でございますが、復旧を要する数量は六千二百六町歩、これの復旧の総計費が二十一億八千九百万円、このうち二十三年度に復旧を要するものとして計画いたしましたのが、一千九百五十五町歩でございます。それから炭窯の破壞が一万三千二百九十九窯でございますが、これを全部復旧いたすといたしまして、復旧費が一億八千六百万円、合計、復旧費におきまして四十億円を要する。このうち先ほど申し上げました数字、すなわち林道におきましては、六十七万九千間、荒廃地におきましては一千九百五十五町歩、炭窯におきましては、一万三千二百九十九窯、これを復旧するといたしまして、その経費が約十億円。
 この復旧の内容でございますが、林道におきましては、補助率八割、荒廃地におきましては同じく補助率は八割、炭窯の復旧におきましては補助率五割、こういうふうに補助をいたすものとして、総計約十億が必要と考えまして、大藏省、安本のそれぞれ事務当局に事務的に折衝いたしたのでございますが、このうち炭窯の復旧は結局認められないで、民有林の林道及び荒廃地の復旧の若干が認められたわけでございます。
 今度の六十億の災害の追加予算に計上いたしております林野関係の経費は、総額二億四千三百万円でございます。この内訳は林道の関係が一億四千三百万円、治山の関係が一億円、こういうことに相なつております。この内容はお手元に差上げてございます表に出ておるような内容をもちまして、各府縣別の内訳は一應そのように予定いたしておる次第でございます。概略でございますが、一應それだけを申し上げておきます。
#4
○志賀委員 炭窯の問題が漏れたのはどういうわけでございますか。從來、災害復旧では炭窯に対する復旧の助成というものはなかつたのですか。それをお尋ねしたいと思います。
#5
○池田説明員 炭窯の復旧に対する助成の問題でございますが、これは戰時中薪炭の供給が非常に苦しくなりまして、政府といたしましては、薪炭の生産、特に木炭の生産に対しましては、いろいろな助成の方法を講じたのでございますが、從來災害による炭窯の破壞に対しまして、復旧の補助をいたしたことは、ずつと以前に一度ぐらいございます。最近におきましては、これは一應主張はしておりますけれども、認められない状況にあるわけでございます。
#6
○志賀委員 次にお尋ねしたいのは、林道と治山の復旧の問題ですが、先ほどのお話のように補助率は〇・八でございますか。
#7
○池田説明員 要求の〇・八に対しまして、認められておりますのは〇・五、つまり五割の補助でございます。
#8
○志賀委員 そうすると、事業費としては二億四千三百万円の補助費ですが、その二倍だけの事業をし、あと残りは起債というわけですか。これは民有の問題だから、どういうことになるでしようか。
#9
○池田説明員 これは林道と治山の二つにわけてお話申し上げます。
 林道の関係におきましては、復旧工事費の五割を國から補助いたします。あとの五割は地元の負担ということに相なつております。その地元と申しますのは、おおむね町村であるとか、森林組合であるとか、その林道の存在しておる関係の方面の地元負担ということに相なつております。
 それから治山の関係でございますが、治山の復旧事業は、縣が施行をいたします。それで縣の施行いたす事業費の五割が國から行く。残りの五割が縣の負担に相なりますので、縣としてはそれに対しまして、おおむね縣の起債によつてまかなつております。
#10
○成瀬委員 最前からの説明によりますと、東北の水害及びアイオン台風のみに限定されておりまするが、リビー台風による、特に四國方面の災害の予算というものは、この六十億の追加予算編成中におきましては、目下調査中であるというような――関係方面のいろいろな折衝もあつて、そういうお話がありましたが、はたしてリビー台風に対するところの災害及びそれについての追加予算等は、御計画になつておるかどうかということを聞いてみたい。
#11
○池田説明員 先ほどアイオン台風及び北陸震災の名前をあげましたが、そのほかにも各地方にいろいろな数多くの災害があつたのでございまして、それらもこれに含んでおります。お話のリビーの関係でございますが、比較的後に起りました災害等は、一部これに含んでいないものもございますが、おおむねの災害は、林野関係におきましてはこれに含んでおります。
#12
○成瀬委員 あとの分は調査中ですか。
#13
○池田説明員 これは後から後から災害が起つておりますので、ことに西南の九州の方においては十一月の末になつてから一部災害が起つておるような状況でございまして、それについては起つたのに應じまして調査はいたしております。
#14
○成瀬委員 さらにお尋ねしますが、林野の荒廃の点については、本年度における災害以前から相当廣範囲に面積が及んでおるのでありますが、そういつたものも全部ひつくるめてこの二億四千三百万円、これではたして山林関係が急速に復旧されるかいなか。林道その他山村における復旧は、次年度における災害を予想する場合に、そのままに放置し得ないところの性質であります。また特に林道というようなものは、山村居住者の生活において、最も急を要する密接なる足の問題であるだけに、復旧の急を要することでありますので、この種の復旧は思い切つて相当の予算を計上いたしまして、急速に復旧しなくてはならないと思うけれども、これではたしてそういつた要請にこたえ得られるところの数字であるかないかということを伺いたい。
#15
○池田説明員 御質問の点については、林野局でとつております治山の根本の計画について、一應お話申し上げた方がよいと存じますが、いかがいたしましようか。
#16
○志賀委員長代理 御説明願います。
#17
○池田説明員 それでは林野局のとつております治山の根本の事業の実行状況について御説明申し上げます。
 今の仕事は御承知のように、明治四十三年の水害の状況にかんがみまして、明治四十四年度から森林治水事業として始められたわけでございます。第一期の事業は、明治四十五年から昭和十年に至る二十五箇年にわたつて施行せられたわけでございまして、これの総経費は二十五箇年間で約二千五百万円でございます。これらの内容は荒廃地の復旧ということを主にいたしまして、そのほかに森林の状態の根本的な整備と申しますか、そういうふうな点、つまり公有林野の整備統一、それに対する施業案の編成、さらに造林事業の促進、こういうふうな点を主眼にして二十五箇年間にわたつて施行せられたわけであります。
 第二期の事業は昭和十二年から昭和二十三年間における十二箇年の計画でもつて、荒廃地の復旧を主にしていろいろな事業をやつて参つたわけでございす。まところで戰時中になりまして治山の仕事というような、かなり経費を要するけれども、その効果がただちには目に見えないというふうな事業はおおむね繰延べになつて、戰時中はこの事業は中止せられたわけでございますが、戰時中の今の木材、薪炭生産のための増伐と一方続発する災害のために山地の荒廃は放つておけないような状態に相なりましたので、林野局としては昭和二十一年と、二十二年両年にわたつて林地の荒廃の状況を一應正確な調査をやつたわけでございます。これによりますと、わが國の荒廃地の面積は、山地の荒廃地で二十五万五千町歩ほどでございます。海岸の砂地においては約四万五千町歩の荒廃の砂地がある。こういうことがわかつたわけでございます。そこで荒廃地を復旧いたしますために、さしあたりそのうち應急に復旧を要するものをここ五箇年間で復旧する、こういう計画を立てております。その数字は山地の荒廃地においては五箇年間に八万七千町歩を復旧する、それから海岸の砂地においては五箇年間に一万二千町歩を復旧する。そのほか災害防止林と申しますか、これは防風林であるとか、なだれの害を防ぐ大切な防止林であるとか、あるいはまた海岸からの潮風を防ぐ潮害の防備林であるとか、そういうふうなものの造成をここ五箇年間に三万四千町歩行う。さらに最近において昭和二十二年度にかなり大きな災害があつたのでございますが、その災害及びそれまでに二十一年度等にあつた災害の復旧の仕事を一万五千町歩ほど行う。そのほか重要河川の水源である保安林として重要な水源林の造成を二十四万町歩行う。こういうふうないろいろな仕事を今後五箇年間にわたつて行う必要がある。それの総経費は五箇年間にわたつて三百八十五億円の経費が必要である。それの第一年度分としては、後ほど申し上げますが、三十三億八千万円の経費が必要だというふうに考えまして、この経費を二十四年度の本予算に計上いたすべく目下事務的に手配を進めておる次第でございます。
 このように二億四千三百万円は本年度の災害に対する復旧費でございます。むろんこれで本年度の災害全部を復旧することはとうていできませんので、残りますものは來年度の本予算に当然計上いたさなければならぬと存じますが、しかしながら事業の全体の計画というようなものにつきましては、ただいま申し上げました通りでございます。
#18
○長野(長)委員 治山治水のうちでも、砂防問題はきわめて重要な問題となつて、年を追うて予算の割当上留意せられなければならぬことと思います。ことにその理由の一つとしましては、戰爭中における山の切り荒しからいたしまして、ほとんど山岳地帶至るところに山くずれが増加いたしております。從來山から吐き出された砂礫というものは、大体支流の程度にとどまつておつたものが、最近は支流から本流へ流れ出まして、現に堤防とほとんど同高程度にまで達しておるような――それは本流までではありませんが、支流の渓谷より本流へ通ずるまでのやや廣くなつた部分の川にも、山のように吐き出されている部分が非常に多いのであります。この意味において私は拔本的な対策をとる必要があると考えます。さらに滑石片岩系統の岩層のところへ参りますと、ほとんど十五、六丁、二十丁という地面で地すべり程度に落ちておる部分があります。はなはだしきは、最近五箇年間に百メートル以上地盤がすべつて、竹やぶ、あるいは小さい森林などが消えてなくなつた地帶も私の高知縣などには見えるのであります。さらに長野縣その他の地方にも大きな規模の山くずれが多いようであります。
 さような意味からいたしまして、私の考えとしては、各地方には少くとも砂防課というようなものを置く、それから中央におきましても、砂防費に対して十二分の経費を盛ることにしなければならぬと思います。これはいわゆる單に足元の問題ではありますが、永久的な先を考えてみましても、ぜひともどれだけ金がいつても、やつてもらわなくてはならぬ仕事を考えております。同時に、これに連関をしまして、永久性から考えると、植林というものも必要になつて來る次第でありまして、砂防の面からも、ひとつ植林の促進を計画していただきたい、かように考えておる次第でございます。これに対して政府で何か御意見がありましたら、伺いたいと思います。
#19
○池田説明員 先ほど治山の計画の概要を申し上げたわけでございますが、この計画のほかに、造林関係の概略を申し上げてみたいと存じます。
 わが國の戰時中の伐採跡地の造林がこれに伴わなかつたということは御承知の通りでございます。この面積が幾らあるかと申しますと、昭和二十二年末におきまする要造林地にして造林のできていないところが百四十一万町歩ございます。この数字というものは、早急に造林をして行かなければならぬ数字でございます。そのほかに年々の伐採に伴う造林は当然やつて行かなければならぬ。わが國におきましては、大体今後の木材生産の計画から申し上げまして、年々七十万町歩くらい伐採いたすわけでございますが、從來の斫伐地であつて、造林を要するものでありながら、長く放置せられているもの百四十一万町歩を造林することが必要である。それらの関係を織り入れまして、造林五箇年計画を立てている次第であります。このように造林を促進することは、お話のように治水の上におきまして、ぜひ必要なことだと考えますので、先ほど申し上げました治山の計画に並行して、造林五箇年計画を立てまして、それを推進して参りたいと存じます。
 それから先ほど砂防のお話がございましたが、御承知のように、砂防関係は現在の所管関係から申し上げまして、河川砂防に属するものは建設省でやつております、そうして山林の山腹におきまする砂防は林野局においてやつている次第でございまして、その林野局に関係あります荒廃地の復旧、さらに災害防止林の造成、こういうものを含めます五箇年計画は、先ほど申し上げました通りでございます。その問題は一部建設省の関係にもなりますが、さしあたり林野局関係だけについて申し上げます。
#20
○長野(長)委員 なお私はさらに根本にさかのぼつて、最近農林省における開墾の奬励ということと、この問題をあわせ考えてみますと、どうも少し開墾が山林地帶に多く許され過ぎておりはしないか。ことに利根川の上流であるとか、その他各府縣の大河川の上流地帶の最近における開墾、開拓事業は少し度を過ぎているように考えます。私最近三箇月間ほど、いなかをまわつてみました。割合極限せられたものでありますけれども、現在欝閉の度を保つている山林をどしどし伐採し、開墾をしておる者が多いのであります。この関係を、相当調整をする必要がありはしないか。これについては常に法規的にも制限を加えることができることになつておりますが、少し緩慢にというと語弊があるが、寛大に過ぎていはしないか。こういう感じがいたしますが、砂防その他の関係を、あなた方の方ではどういうふうに感じておられますか。
#21
○池田説明員 緊急開拓の事業と治山の問題でございますが、申し上げるまでもなく、緊急開拓の事業は、戰後の縮小した國土に多くの人口を包擁しなければならない、それに必要な食糧の増産をするというふうな観点から立案せられたものでございまして、現在の國内事情からいたしまして、この緊急開拓の仕事が推進せられることは、当然だと考えております。緊急開拓の大体の目標面積は、百五十五万町歩ということに相なつておるわけでございます。この百五十五万町歩の土地は、現実の問題といたしましては、おおむね山林の開拓ということに相なるわけでございます。林野当局といたしましては、この面積は、実地の選定が適当に行われるならば必ずしもむりな数字だとも考えてはいないのでございますけれども、現実の問題といたしましては、ただいまお話のように、開拓に適しない所が開拓地として選定せられ、自作農創設特別措置法によつて買收せられるという事実があるという声が、かなり高いのでございます。そこで農林省といたしましては、林野局及び開拓局の両局で十分協議いたしまして、いかなる所が開拓に適するかというような点を技術的にきめる必要があると考えまして、現在開拓地選定の基準というものを近く決定することに相なつておるのでございます。この基準がきまりますと、その開拓地の備える自然的な條件だとか、社会的な條件だとかいうものが詳しく記載されておりますので、結局それらの基準に当てはめて、その土地をいかに利用した方が國家のために、國民経済的に有利であるかという点を考慮に入れてやることに相なります。この問題は、その基準が出ますれば、おのずからはつきりすると考えておる次第でございます。
#22
○志賀委員長代理 長野委員にちよつと申し上げたいと思いますが、ただいま建設省の目黒河川局長がお見えでありますから、先ほど御指摘になりました河川の砂防の問題など、御質問がありますれば、関連して御質問願えればけつこうだと思います。
#23
○長野(長)委員 それでは、私は二つだけお尋ねをしておきたい。
 第一は河川の砂防問題でございます。最近私の調べたところでは、直轄河川級の川で、砂防問題がきわめて急を告げておるものが少くないのであります。ことに上流の渓谷から発しまして、一番大きな支流ですが、その支流の部分に底がはみ出して、ほとんど山のごとく砂が盛り上つておる。もう一歩これが行きますと、ちようど愛媛縣の重信川ですか、あの程度にまで危急を告げるような状態になると思います。これはよほど山林地帶が鬱閉を保つておると思われる地帶にそういうようなものが多いのであります。つきましては砂防の行政面におきまして、ひとつ本省の砂防費についても、あるいはその砂防機構についても再檢討を加え、思い切つてやつていただかなければならぬが、さらに地方の砂防予算あるいは砂防的機構、これのいまだ不十分なものについては再編成をして、一層徹底をする必要がありはしないかということが一つであります。
 第二は、大阪以西の海岸地帶が、相当沈下をし始めました。本年四國、中國方面で願い出たもののみでも、約八億円に達しておりますが、しかし私どものきわめて疑問としますところは、南海地震で一應沈下部分の堤防の復興をやつた。しかしながらその復旧したものが、さらにまた今度の高潮のために危險である。高潮というが、実は地盤が沈下しておりはしないかというので、私どもの関係方面で調べたところでは、現に沈下をしておる。かりにこれがいよいよ沈下ということになりますると、何しろ中國、四國の大面積において、日本海面の海岸もその通りでありますから、これは國家として重大な問題ではないかと考えられます。ことに稻田との関係を見てみますと、海岸約半里ぐらいの程度の部面では、もうすでに稻田に潮水がどんどん押し込んでくる。これは沈下のためであります。――沈下かもしくは特殊の高潮でございましようか。まず測量の結果は沈下ということになつておりますが、そういうことになつておる。私どもがそれを沈下として特に重きを置くゆえんのものは、大阪市のごときは、私の直接調べたところでは、特に神崎川の下流のごときは、当局側で御存じの通り、工場の煙突が海の中に立つておる。それから工場の大きな屋根、二階建の工場は軒まではもう水の中に沒してしまつたというのが非常に多いのであります。これらの原因は、單に自然的の地盤沈下以外に、工場に水を吸い上げるための沈下ということも想像されておるようでありますけれども、おそらく私はそれだけでなしに、やはり大阪方面においても、地盤の沈下ではないかと考えるのであります。そこでこの際政府とせられましては、この全地区にわたつて基本的な測量調査をしていただいて、そうしてこれが救済につきましては、思い切つた経費を投じて、一日も早くこれを解決していただきたい。申すまでもなく、わが國の水田地帶は海岸約一里の所が非常に土地が肥沃であり、收量の多い所であります。それが今の地盤沈下によりまして、海水のために脅かされるということは、これは國として私は黙過することのできないことと思います。つきましては当局におかれて、これらに対する多少大がかりな測量調査をお願いいたしまして、これが復旧に対して――ここ少くとも五十年、百年の先を考えての堤防その他の復旧工事について特別な計画を進めて行く必要がありはしないか。もしさようにおぼしめすならば、ひとつ具体的案でもあればそれに示していただきたい。
#24
○目黒政府委員 前段の砂防の問題でありまするが、お説の通りに、最近山が荒廃しまして、そのために土砂が流出して、從つて河床が上昇しつつあるということは事実であります。これは相当河川に手を入れておりますれば、ある程度防げたのでありまするが、戰時中河川工事の中止というようなことと相まつて、非常に河床が隆起して参りました。そのために河床の上昇による洪水が氾濫したというのも事実であります。それでわれわれとしては、できるだけ河川に土砂を流出せしめないように砂防工事をやる予定でありますが、これがなぜできなかつたかと申しますると資材の点であります。大体においてセメントが主要資材として相当量を要する関係上、戰後セメント生産の事情から申しましても、なかなかこれに相当量のセメントをつぎ込むことができなかつたということによつて、砂防工事の不振が現在まで來たのであります。しかしながら大分その見通しも好轉しそうでありまするから、今後はこの点にわれわれは力をいたして行きたいと寄り寄り協議中であります。
 また機構上の問題でありまするが、これはいろいろ農林省と建設省との砂防行政の一元化とか何とかいうこともありまするが、われわれとしては現在の機構をもつて一應これに対処して行きたいとこう考えております。地方の縣におきましては砂防課を設けておりまする縣が多くあります。また直轉の工事といたしましては、地方建設局として砂防工事を実施させております。これらを両方活用しまして、われわれは河川直接の砂防及び治水に直接関係のある砂防を、相当大幅に仕事をして行きたいという計画は持つております。ただこれも將來のセメントの見通し、あるいは財政的な見通しというようなことによつて、大分かわつて來るだろうということは心配されるところであります。
 それからあとの御質問の地盤沈下の問題であります。四國方面あるいは中國、近畿というところが、南海震災の影響を受けまして地盤沈下をしたということは確かでございます。これは地理調査所すなわちかつての陸地測量部が大々的に調査しました結果から見まして、沈下をしておるということが発見されたもので、これに対してはこの年度の当初におきまして地盤沈下に対する災害の補助を出したのであります。これが現在はお話の出ました八億三千万円程度の金であります。ところが最近になりまして地方から、さらに新しいところの沈下が発見されたというようなこともありますので、これらが八億三千万円プラス十三億程度の金が必要だという話なのであります。現在これは地方に出て詳細は査定中でありまして、いずれ確かなことがわかると思うのでありますが、大体総計二十数億の地盤沈下の費用ということになろうと思うのであります。それでこれらの原因につきまして、今までやりました地理調査所の調査の結果によりますと、一應は地盤の沈下自身により地盤の沈下、――あるいは場所によると高くなつたところもありますが、こういうことが明らかに発見されているのでありまして、その後この調査を、さらに進めようと考えておるのであります。あるいはこの現象は、他の原因によるのではないかという説が起つて來つつありますが、これは詳細な調査がはつきりいたしませんと申し上げられないと思います。いずれにいたしましても、われわれとしては、この原因を究明して、これに対してはどうしても対策を立てなければならぬというつもりでおります。最近聞くところによりますと、中國、四國地方、元の行政協議会のブロツクでありますが、あの地方におきまして、地盤沈下に対する対策の委員会をつくつているようであります。近くこの委員会が活動いたしまして、技術的に実地調査をいたすことになつております。もちろんこの委員会の中には、中央の方からもその專門技術者が参ることになつております。その調査研究の結果を見ましてから対策を講じなければならぬというふうに考えております。
#25
○志賀委員長代理 ちよつと河川局長にお尋ねいたしたいのですが、この六十億の災害復旧費のうち、河川の復旧費は三十六億になつておりますが、ただいまの河川砂防費用が含まつておるのでございますか。
#26
○目黒政府委員 お答えします。この中に「砂防」というのが特別に出してございます。ところが砂防はわれわれの考え方は、災害としてとる砂防は、大体砂防工作物のあるところが災害砂防としてとるべきだという取扱いもあります。もし山がはげて崩落しまして、これが將來河川に惡影響を及ぼすだろうという予想のところは、これは災害としてはとりませんで、本予算としてこれを計上するというのがわれわれの取扱いになつております。そこで災害砂防としては非常に少いのでありますが、これはそういうような意味の、非常に限定された、局限された範囲内でありますから、少いのでありまして、災害が起きまして、相当の山くずれがありましたところは、將來砂防工事として、本予算としてこれを要求したいというつもりであります。
#27
○長野(長)委員 水産方面でございますが、南海地震のために災害を受けまして、現に船だまりとして使用できない程度になつたものが、私の高知縣の方に一箇所あるのであります。これは今から災害復旧の意味でお願いをして、補助等において当時の取扱い方法によつていただけるものでありましようか。
#28
○林説明員 南海震災の漁港、船だまりの復旧につきましては、大体予算に計上いたしまして、――なお予算の都合で多少残つているものもございますが、少くとも明年度には全部完了いたしたいつもりであります。その後アイオン台風、あるいはリビー台風等によりまして、でき上つたところが一部破壞いたした所もあり、また増破いたした所もありますが、そういう問題につきましては、別途に復旧をはかつて参りたいと考えております。
#29
○長野(長)委員 それは見込みがございますか。
#30
○林説明員 南海震災の復旧は実施しておりますが、なおその後の増破もお話の点は認めておるところもありますので、アイオン台風、リビー台風の復旧費によりまして復旧をはかつて行きたいと思つております。
#31
○志賀委員長代理 ちよつと申し上げますが、政府側から新たに運輸省の港湾局長後藤さん並びに農林省開拓局庶務課長土屋さん、御両氏が見えておりますから、お含みの上御質問願いたいと思います。
#32
○小平委員 私は主として利根水系のことについてお伺いしたいと思います。特に当局でも御承知の赤麻の遊水池をめぐる問題であります。御承知のあの遊水池の周辺の堤防でございますが、あれは昨年の暴風雨の後補強かさ上げを行いましたが、これができるかできないかのうちに、本年のアイオン台風によつて相当痛めつけられておる。これが修復もいまだできておらぬというような状況で、周辺の村民は今から非常に恐怖を覚えておるという状態にあるわけでありますが、この周辺の堤防のかさ上げ工事というものは今後どんな予定で、またいつごろ竣工の予定で当局はおやりになつておるかということを、まず最初に承りたいと思います。
 それからこの堤防と関連する問題でありますが、御承知の通りあの場内が一水出るたびに相当底が上昇いたしますので、周辺の排水と申しますか、堤防の外側の耕地の側の排水、これが非常に大きな問題になつておる。本年のごときも、御承知かと思いますが、あそこの生井村というところに排水機を設備いたしまして、これを数十日間にわたつてほとんど晝夜兼行で運轉をし続けた。それでもなお水がはけないというような関係にありますので、この経費の負担というものは今や非常に莫大なものに上つておる、こういう問題があるのであります。これは今申しました單に生井村の排水機ばかりでなく、最近ではあの赤麻遊水池をめぐる周辺各所において、次から次へと、從來あつた施設はさらに増強しなければならないし、從來なかつた所も新たに施設して行かなければ、ちよつとの雨でも排水ができないというような実情にあるわけでありまして、この排水のために年々莫大な経費を要するわけであります。かように排水設備を要するに至つた、あるいは増設を要するに至つた原因は、今申す通り赤麻沼の底の上昇ということが原因なのでありまして、かような点から考えますならば、この排水機の増設あるいは新設、あるいはこれが維持、管理の費用というようなものは、当然これは國家が負担すべきものである。地元民もかように熱望いたしておるし、われわれが考えましても当然かくあるべきものというふうに考えられるのでありますが、從來は一向そういうこともなかつたようであります。特に從來、これは直接ただいま御指摘の点とは関係ないかもしれませんが、税務当局などにおきましては、この排水機関係の費用というものは特に用水関係の費用ではないという意味において、農業関係の必要経費ということにも、所得税額の計算上見ないというような取扱いまでして参つている。そういう点において、あらゆる角度から考えて、きわめて不合理になつているし、特殊な負担がますます殖えつつある。こういうところでありますので、この点につきまして当局の見解を承りたいと思います。
 それから第三には、今申す通り赤麻沼の底がどんどん上昇しているということは、もう爭えない事実でありますが、特に現在では水路がほとんどなくなつてしまつているというような状況にありますので、ただいま申しましたこの堰堤外の排水という点から考えましても、どうしてもこれは早急に、まずとりあえずの策として水路をしつかりしたものをつけるということがどうしても必要であろうと思います。ところが、このための浚渫なども一向行われておらないというような状況であります。聞くところによりますと、浚渫船も逐次できるというような話でありますが、あの方面に対する浚渫船の配置の予定というようなものはどういうふうになつているか、この点を具体的に承りたいと思うのであります。
 それからこの赤麻沼遊水池と当然関連して参ります渡良瀬川であります。この渡良瀬沿岸の堤防の修復あるいは補強ということも一昨年來若干はやつているようでありますが、なかなか遅々として進んでおらない、特に御承知の通り足利市のごときは、一昨年などはひどい、全市ほとんどといつてもよいくらいの水浸しになつているような状態でありますが、この工事が現在どんな予定で行われているのか、この点を承りたいと思うのであります。特に御承知の通りあの渡良瀬の関係におきましては、足利市の東端にあります岩井山、あの山を取除いてもらいたいというような希望が足利地方としては非常に熾烈なのであります。しかしまたこの点につきましては下流の者から申しますと、あれを取除くことになりますと、水がそれだけ早く下に來るということによつてむしろ赤麻遊水池をめぐる町村等においては被害がさらに大きくなるのではないかというようなことも案じているようであります。そこで、この岩井山の処置について技術的に当局はどんなふうに考えておられるのか、この点を第四点として承りたいのであります。
 最後に、一般的な問題でありますが、安本の建設局から承るところによりますと、今回の災害関係の予算におきまして、道路関係の費用というものは各府縣には一向補助が参らぬように承れるのであります。若干直轄工事だけであるというようになつておりますが、累年の災害によつて道路関係の破損も非常にひどい、國道といわれるような道路であつても、御承知の通りきわめて凹凸がはげしくて、自動車さえなかなか容易には通れないといつたような所が非常に多いのであります。聞くところによりますと、最近関係方面からも道路の修復ということが強く要望されているようでありますが、この道路の修復ということにつきまして災害関係の各縣に対する予算がないというのはどういうわけであるか。また一般的に申しまして道路の復旧についてどういう御予定でおられるか、その点をあわせて承りたいと思います。
#33
○目黒政府委員 赤麻沼の問題についてお答えいたします。これは一、二、三、四ともみな関連していると思いますが、御承知の通り、あの沼は利根川洪水の遊水池として過去においてつくつたものであります。從つて渡良瀬はもちろんのこと、利根川本流の洪水の問題とも非常に連関をもつているものであります。そこで利根川以西の洪水防禦河川改修ということになりますと、これは上流群馬縣から下流千葉縣に至る全川の問題として考えなければならぬのでありまして、赤麻沼それ自身切り離して考えるわけには参らぬのであります。そこでわれわれといたしましては、昨年の利根川の決壞以來非常に重要な十河川のうちの最も重要なるこの利根川に対して、治水調査会を設けたのであります。その目的は、これらの問題を総合的に技術的に、これは妥当である、あるいは適切であるという計画を立てようと思つたのが目的であります。それが着々委員会を開催いたしまして、もう大体結論まで到達しようというところまで参りました。もちろん現在の委員会は單に技術者、権威者の集まりの委員会でありまして、まだこれについて地元の府縣の知事さん、その他の方々の御意見を徴するまでには至つておりませんが、最後はそこにもつて行つてこの最後の決をとろうと考えておるのであります。その中にはもちろん赤麻沼をいかにすべきかということも論議されております。そういうわけでありまして、これを來年度からこの案に從つて具体化そうという心組みは持つておりますが、いまだ予算の見通しもつきません。そこで何年までにこれを完成するかという問題に至りますと、不明であるとお答えするよりほか方法はないのであります。できるだけこれを早急に解決しなければならぬと考えております。その案の一部は赤麻沼を現在のまま放置すべきか、あるいはさらにあの中に渡良瀬その他の河川を合流して水路を掘り、一部堤防内にさらに輪中堤を築堤しまして、小洪水のときに輪中堤内はある程度の收穫を上げるというようなこと、從つてそのために必要なる土砂は現在の河川を浚渫してそれをもつて当てる、そういうことによつて河川の浚渫あるいは輪中堤というものを一挙に解決しようというようなことも考えておりますが、まだその点は非常に疑問どされておるのであります。從つてこれは將來さらに研究して、その対策を練りたいと考えております。渡良瀬川の堤防補強の問題は、これも早急に解決しなければならぬとわれわれは考えておりますが、これにしても現在の予算の程度では、これを年内に解決するということは困難であります。御承知かもしれませんが、昨年の災害のときに、わずかではありましたが、足利の地先の堤防の補強をやつたのであります。今年のものは昨年の利根川の洪水よりも、渡良瀬流域は多かつたのでありますが、そのためかどうかわかりませんが、足利としては災害が起きなかつたというのが事実なのであります。われわれは、遅々として進まないのでありますが、できるだけ災害に対して防禦を試みようと考えております。
 次に道路災害の問題でありますが、この表には道路災害としては、直轄工事でやつておりまする箇所の災害のみが載つておるのであります。その他のものは河川災害という中にあつて、大部分が府縣の補助でありまするが、この府縣の補助は一括いたしまして河川のうちから出すことになつております。從つて府縣の補助に属する部分は、全部この災害の中に含まれておるのであります。それで道路と名は打つてありませんが、河川の府縣災害の補助のうちの三割程度は道路であるというふうにお考え願いたいと思うのであります。
#34
○小平委員 たいへん御親切な御回答をいただいたわけでありますが、ただ先ほどお尋ねした事項のうち、堤防外の排水設備の問題です。先ほど申す通り沼の底の上昇のために、増設するとか、あるいは新たに設けるとか、そういう問題があの周辺でおそらくは十箇所にもなんなんとするほど起きておると思う。それは結局國家があそこへああいう遊水池をつくつたということが根本の原因をなしておるわけであります。ですから、これらに要する費用というものは、新設も、あるいは増設も、あるいは維持管理費等もあげてこれに本來國家が持つべきものだというふうには考えておるのでありまするが、その点に対する御見解がなかつたようでございますので、重ねてその点を承りたいと思います。
 それからもう一つ、浚渫船の問題でありますが、利根の恒久的な改修の問題は、ただいまのお話で一應了といたしておきまするが、とりあえずの策として、水路をつくるということがどうしても必要であります。そのために浚渫船の配置というようなことを現在お考えになつておられるかどうか。またその御予定があれば、どんなふうになつておるかということを、ややこまかい点で恐縮でありますが、おわかりでしたらお答え願いたい。
#35
○目黒政府委員 排水機の問題は農林省の方のことと思いまするが、過去の取扱いはどうなつておりまするかわかりませんが、われわれといたしましては、できるだけ排水機の費用をセーヴするといいますが、少くて済むように持つて行きたいと考えておるのであります。あそこは場合によりますと、堤防が切れたために排水機の活動が不可能になるという場合が想定されるのであります。排水設備の全部が水中に没することがときどきあると考えられまするので、そういうところはできるだけ堤防の補強を考えなければならぬというふうにして、われわれは側面からこれを援助するつもりで考えておるのであります。また浚渫船の問題でありますが、ただいま浚渫船は利根川下流に二台働いておるのでありますが、さらにこれをもう一ぱい購入する準備中であります。本年度中にはもう一ぱい整備できるのじやないかと考えておりますが、それでもまだ浚渫船が足りないのであります。あるいは新規購入でなしに、他のあいておる個所から浚渫船をまわすというようなことも考えなければならぬのじやないかと考えておりますが、何にいたしましても、各河川とも浚渫の要望が非常に強くて、土砂が堆積いたします関係上、早急に浚渫を要するというような声が強いのでありまして、なかなか思う通りには参りません。いずれ來年度の予算でも相当増額になりますならば、さらに浚渫船の新造を計画したいと考えております。
#36
○小平委員 ただいまのお答えによりますと、排水機を設けても堤防が決壞すると水浸しになるおそれがあるから、堤防の方を増強して行くようにやつて行きたいという御意見のようでありましたが、これはあるいはちよつと考え方が違つているのじやないかと思うのです。堤防を強くすることは、もちろん必要であります。しかし堤防を強くしてそこに年々歳々水をためて行くということになりますと、ますます堤内は、つまり遊水池内は底が申すまでもなく上るのです。そのために堤外の水が、とにかくちよつとの雨でもたくさんたまつてしまう、こういうことになつてどうしても排水機を設けなければならぬという事態が現に起つておるのでありますから、これは河川局の関係じやないかもしれませんで、あるいは農林省の方の関係になるかもしれませんが、そういつた排水機の施設が必要になる原因は、今申すところにあるのでありますから、あえて何省の所管だという関係にとらわれずに、むしろ建設省の方で積極的にそういう問題については農林省の方とも連絡をし、督励をして、これを地元民の負担に帰せないように、ぜひともひとつ建設省側でもお骨折りを願いたいと考えるわけであります。一應その点を重ねて申し上げておきます。
#37
○目黒政府委員 非常に簡單なようでありますが、ちよつと困つた問題でありまして、われわれとしてはわれわれに與えられた範囲で、しかもそれが地元に対して最善であるという方法を考えて、側面的な援助を惜しまぬのでありますが、農林省のおやりになつているところまでわれわれの方で手をつけてこれを促進しろと申されても、なかなかこれはむずかしいのであります。しかしながら、そういうことがありますれば、農林省とも連関がありますから、その機会にそういうお話を申し上げたいと考えております。
#38
○土屋説明員 ただいま開拓局関係のことに関連して御質疑がございましたので、私の方に関係のあります分について簡單にお答えいたしたいと思います。現地の事情は私いまだ承知いたしておりませんが、こういつたような問題について農林省としては現在どういうふうな政策をとつているかということについて御説明をいたして、御質疑にお答えしたいと思います。
 耕地の関係でありますが、耕地が災害等によつて水浸しになる、その水浸しになつたところを排水機をかけて排水するとか、あるいは新たに從來あつた水路が埋沒したために、そういつたような現象が起るということは間々あるのでございますが、そういう場合に、その水路を修復するというようなことは――本年等も頻発しましたアイオン台風その他によります耕地に対する水害は典型的なものでありまして、こういつた水害による耕地の災害復旧のためには、用水機の設置とか、あるいは埋沒した水路の修復というために、大体國としては普通六割五分の補助を出しております。これはすなわち耕地の災害復旧その他いろいろございますが、公共施設に関する事業でございますが、これは現在も六割五分の補助率に相なつております。それから、今申しました水害等による分でない、從來からそこは別に大きな水害があつたということによらずに、非常に冠水している、水はけも惡い。そこの排水をやると、あるいは從來一毛作のところが二毛作になり、土地の生産力が上るというような場合には、これは災害としてではなしに、土地改良事業としてやはりこの排水機の設置に対する補助がございます。これはやはり五割でございますが、あるいは水路の開設等についても――これは災害によらない場合でありますがそういう土地改良事業としても、お話のような事業は國の助成のもとにすることができるのであります。もしただいまの御質疑の問題が災害によるものであれば災害の方で、それから、今年の新規の水害による分でなければ、あるいは土地改良事業として実行できるのではないか、かように考えます。なお現地の実情は私承知いたしておりませんが、農林省関係の耕地に対する灌漑排水の事業は、常に建設省関係の河川の方と密接不可分の関係がございますので、こういつたような事業を実施するに際しましては、関係省の方と十分連絡をとりまして、遺憾のないようにいたしたいと思います。
 それから、排水機を設置した場合に対する補助は、ただいま申しました新設の補助でございますが、そこで設置してからあと石油代とかあるいは電氣料金というような維持管理の費用でございますが、これに対する御質疑もございましたのでお答えいたします。この維持管理費については、ただいまのところでは、農林省ではどうにも方法がないのでございます。しかし最近いろいろ各地の事情を承つてみますと、非常に電氣料金が上つたために、用水池あるいは排水池を設置しているところでは、反当の生産費がかさむというようなことで、いろいろ御陳情があります。そこでわれわれの方でもこれはできるならば、二十四年度の予算あたりに、こういつたような電力料金等に対する一部政府の補助というような施設も新たに考えたいと思つて、目下研究中でございます。
#39
○小平委員 ただいま開拓局の方から、たいへん詳しい御説明を承つて感謝しておるのでございますが、ただいまの御説明にもありました通り、近年のように相当の大雨が続きますと、維持管理費という面でも、非常に大きな負担になりがちなのでございます。私どもの聞いておるところでは、先ほどちよつと申しました生井村というところの排水池では、本年度あたりは、とにかく反当千円からの維持管理費を要したというような関係もありますので、この点につきましては、ぜひ來年度からでも、少くとも当局の補助ぐらいは出してもらうように御盡力を願いたいと思うのであります。一應御希望を申し上げておきます。
#40
○石井委員 いろいろと治山治水の問題で、要するに植林をしなければならないというような問題が出て來ておるのでありますが、戰時中農林省の苗圃関係はみなこれを掘り拂うようなことをして、ほとんど食糧増産というふうな形にしてしまつたのでありますが、これらに対して、植林しようとしても、急に苗が間に合わないというような関係になつております。これらについていろいろと対策ができておるかどうかという点をお伺いしたい。
 それからもう一つの問題は、よく口を開くと、水害というものは開拓からだというふうな点が論じられるのでありますが、昨年赤城山あたりを見ますと、松林が根ごと拔けてくずれておる、それが一番大きな災害を及ぼしておるというふうに東京大学のいろいろな関係者が來て調査したときにおいても述べられておるのでありますが、要するに今後治山治水の関係上、植林をするにしましても、植樹ということにつきまして相当にその種類を選択しなければならないと思うのでありますが、苗圃の点につきましても、それらの点を相当に考慮して植林をするというふうにならないと、また災害の二の舞いをする。木を植えたからそれでいいのでなく、適当な植林ができなければ、災害というものはなお大きくなるというふうの関係にあるかと思いまするが、それらの点についての対策はどんなふうになつておるか、お伺いしたいのであります。
 それからもう一つ、それに関連しての問題でありまするが、現在開拓を非常に反対しておる。開拓をするために洪水ができるというふうに論じておるのでありまするが、この点につきまして、それでは自分の山を戰時中に伐採した人は、早急に植林をするかというと、いろいろ経費の関係上なかなか植林をしない、こういうふうな点について、放置されたところの個人持ちの山に対する植林や何かをどうするか。またそれに対して植林すべきところの樹種等は林野局においていろいろと指導し、將來におけるところの治水治山と結びつけて指導しておるのであるかどうか。それらの点についても一應お尋ねをしておきたいのであります。
#41
○池田説明員 ただいまの御質問の苗木ないし苗圃対策の点でございます。お話のように戰時中、食糧生産の方に苗圃が轉換いたしまして、苗木の生産がほとんど中絶いたしたわけでございますが、今後、先ほど申し上げました造林の五箇年計画に計上せられてある造林を遂行いたしますには、何と申しましても、苗木の生産が先決の要件でございますので、林野局といたしましては、苗圃につきましても、やはり造林の五箇年計画に相應する苗木の生産を目標といたしまして、苗圃の五箇年計画をしております。本年度の数量でございますが、本年度の所要苗圃は三千八百町歩、これが漸次大きくなりまして、來年は六千余町歩、さらに大きくなることになつておりますが、こういうふうな数量の苗圃を、まず第一に確保する必要がございます。この苗圃用地の確保につきましては、新しく開墾された苗圃用地に対しては、自作農創設特別措置法の農地の保有限度について特別な例を認めるというふうな、苗圃の確保にとつて必要な措置を講じております。
 さらに苗木の生産につきましては、苗木の養成費に対しまして二割の補助金を出す、こういうふうな措置も講じておりまして、本年度、來年度あたりにおきましては、ほぼ計画に相應する苗木の調達ができるという見通しを持つております。
 それからその樹種をいかにするかという点でございますが、これは日本の將來の振興、造林の政策から申しますと、すぎであるとか、ひのきであるとか、そういうようなものを指導いたして参つたのでございますが、むろんこれはその土地に適した樹種を植栽いたさなければ、成績はあがらないのでございまして、すぎ、ひのきのほか、その土地に適した樹種すなわち人工植栽のほかに、天然更新による造林ということも考えております。天然更新によるものは、針葉樹もございますが、そのほかに濶葉樹というようなものも当然入つて來るわけでございまして、その土地、所に適する樹種を選ぶように計画いたしておる次第でございます。
 それから開拓との調整の問題でございますが、これは先ほども申しましたように、開拓も必要でございますし、一方において森林資源の造成、治山治水のことも十分考えなければならないのでございまして、要は開拓に適する所を選ぶということ、そうでない所は森林として有効な経営をやつて行く、総合的に見て國土の合理的な利用を行うという観点をもちまして、先ほど申し上げましたような開拓適地の選定規準というものが近く確定することに相なつておりますので、その調和の点は、今後におきましては十分保つて行かれると考えております。
 さらに伐採跡地の造林、これは伐採跡地がそのまま造林せられないで放置してあるものがあるが、これをどういうふうに扱うかというような御趣旨であつたように思うのでございますが、この点は少くとも伐採跡地はそのまま放置することがないように、何らかの方法によつて伐採跡地には必ず必要な造林ができるような措置を当然考える必要があるのでございまして、この点につきましては林野局で目下研究を進めておる次第でございます。
#42
○石井委員 植林をするにしましても、利益を見るということだけでなく、治山治水とのにらみ合せにおいて、いろいろ樹種を選択して植林を指導されるようにお願いいたしたいと思います。
 もう一つ、開拓局の方がおいでのようでありますからお尋ねしておきたいのでありますが、いつも政府の買上げによる開拓には、非常に反対するのでありますけれども、そこへ行つて実地に調べて見ますると、本人はかつてにあちらこちら無計画に開拓させている例が多いのであります。本人はかつてに無計画にやらせておきながら、政府がこれを買い上げて入植開拓をするということになると、非常に反対が出て來るというような傾向があるのでありますが、そういう無計画な開拓あるいは開墾というものが、非常に水害等の発生の原因になるのであります。これについて水害等の点をも考慮したところの指導的な開拓の必要があるのではなかろうかと思うのでありますが、これらの点について開拓局の御意見を承つておきたいと思います。
#43
○土屋説明員 お答えいたします。ただいま計画的な開拓を実行しろ、無計画な開拓をやるから水害等の問題を起すというお話でございました。御承知だと思いますが、開拓部におきましては、もとより計画的に開拓を進めておるのでございまして、たとえば二十三年度は内地に何戸の新規の海外引揚者あるいは戰災者等の入植者を入れるかということを決定いたしまして、二十三年度で申しますと、内地は九千五百戸の新規の入植者を入れるということにいたしておりますが、その九千五百戸をそれぞれ内地の各府縣に割当をいたしまして、それぞれの縣に百戸、二百戸というふうに新規に入植する人をきめるわけでございます。そういたしますと、それぞれの府縣ではこの新規の入植者を收容すべき開拓地を決定いたすのでございまして、もとよりその前に開拓適地調査というものを事前にやつてあるわけでございますが、その適地の中で新規入植者に必要な土地を決定いたしまして、それを買收いたしまして、そこに入植者を入れまして、入植者が今後そこに新しい農村社会を建設するわけでございますので、その入植ときまりました土地の開拓計画は、どういうふうにやつてどこにたんぼをつくり、あるいはどこに畑をつくり、どこに採草地をつくり、あるいはどこに薪炭樹林を設けるというような、その地区の開拓計画をつくらせまして、そこに入植者をおちつけるというふうに指導をいたして参つておるのであります。ただ終戰直後に、あの当時の混乱した社会情勢を反映しまして、戰災者等で附近の適当な未懇地にかつてに入り、あるいはそのほかの山林原野等にかつてに入つて、まず開懇をし、その後においてその入植した土地の買收手続を行うというふうに、ちようど前後反対になつたような事例もあつたのでございます。現在いろいろ問題になつておりますのは、そういつたところに多いと思うのでございまして、そういう既入植地区で開拓計画がまだ十分行つていないというところにつきましては、目下それぞれ現在入植しておる土地につきましても、もう一ぺん調査しまして、ぴつたりした開拓計画を立て、もとより今後入植させる地区につきましては、先ほどお話がございましたように、十分治水治山の関係等を調整いたしまして、ほんとうに造林をしなければならぬ土地は造林をやり、それから造林するよりも、そこの自然的條件等によりまして、開拓して食糧増産する方がその土地の利用として合理的だという所につきましては開拓をやつて行く、こういうふうに指導いたして参りたいと考えております。
#44
○石井委員 ただいま開拓局の御意見はよくわかつたのでありますが、一番私たちの心配するのは、要するに今相当適当なる開拓地の開拓に反対しておる人がある。ところが実際の農村等におきましては、耕地が少い関係上、あるいは傾斜面あるいは川に沿う両側、こういうような所を非常に無計画に開拓する者があるのであります。つまり開拓適地は開拓を拒んでおり、そして土地の狹小な関係上、いろいろかなりむりな所を開拓する。これは開拓局としては、個人の土地の開懇を本人がする分には、これを防止したり、あるいは反対するわけにも行かないというふうの立場にもなりましようが、しかしながら治山治水という点から考えると、そういうふうな開拓が非常に間違いのもとだ。たとい個人の所有地を自分自身が開拓するにしましても、將來におけるところの災害発生の原因となるのでありますから、こういうことについての対策はどうお考えになつているか、これをお尋ねするわけであります。
#45
○土屋説明員 先ほどお答えいたしましたのは、主として一團地五十町歩以内くらいのいわゆる小團地の開懇の場合を申し上げたのでありますが、ただいまお話になりましたような五十町歩以下の小團地の開懇ということは、從來からも行われておつたところでございます。現在も土地の所有者が自分の土地を開懇いたしますと、政府の方で助成をいたします。本年度は開懇の助成は二割ということに相なつておりますが、大体開懇の事業費の二割を國で補助しておるのであります。その助成の対象になつておりまする開懇は、ただいまお話の五十町歩以下のちつぽけな面積の開懇でございます。これはたとえば本年度で申しますると、面積は非常に少いのでありまして、内地で一万町歩しかやつておりません。そこでこういつたような政府の助成の対象になつておりまする開懇は、縣当局でそれぞれ指導しておると思うのでありますが、今のお話のように、自分の土地を自分で開懇するについて一定の取締りをするという手段は、現行の法制ではないのでございます。そういうところから水害等の原因をかもすというようなおそれも、あるいはあるかと思うのでありまして、この制度につきましては、今後ひとつ研究をいたしたいと考えております。
#46
○石井委員 河川局長がおられますからお尋ねいたしますが、大体直轄河川は政府の方で國庫負担でやつてくれているのでありますが、たとえていうと、利根川についても、烏川上流点のような所になつて來ますと、これが縣費の負担でやつているようなことになつておるのであります。しかしながらああいう大河川でありまして、そして地方財政も困難であるときに、また河川の水害対策に対しては一應一貫性を維持させるためにも、相当の上流点までも一切を國庫負担でやる必要があるのではないかと思うのであります。先ほども利根川については委員会を開いていろいろ対策を講じているというお話がありましたが、それらの点についての御研究はどうなつておるかを承つておきたいと思います。
#47
○目黒政府委員 國直轄の河川工事というものは、一つの標準がありまして、その標準に沿つたものを直轄として取上げておるのでありますが、だんだんこれは拡充されつつあるのであります。その原因は國が直轄でやることが早く仕事が進むということと、地方財政に及ぼす影響が非常に少いということで取上げられて來ておるのでありますが、ただ考えてみなければならぬことは、ただいま直轄と申しましても全額が國費ではないのでありまして、三分の一が地方の負担、三分の二が國費という形になつております。地方が河川をみずからやるといういわゆる府縣施行の河川になりますると、これが二分の一の補助ということになりまするので、三分の一と二分の一の差額が地方の財政に影響を及ぼすという結果なのであります。ただそれだけでありまして、これを極端に手を廣げて多くするということが、必ずしも地方の実情に沿うかどうかということには、相当疑問を持つものであります。と言いますのは、國の予算もやはりある程度限られておるのであります。また一方地方河川に対する補助もある程度計上されておるのであります。このどちらをとるかということは、結局その予算のどちらが多いか少いかによつて決定されるものと考えております。ただ理想といたしましては、河川を水系別に上流から下流まで一貫してこれを國直轄といたしますことが非常に望ましいのでありまするが、先ほど申し上げました通りに、あまり手を廣げた結果非常に分散的になり、工事の所期の目的を達するために数年かかるということになりますると、直轄の趣旨を失うことになりまするから、その点はわれわれとして十分考えて行かなければならぬと考えております。行き方といたしましては、いずれかの方式によつて早く河川の改修が促進されることが望ましいとわれわれは考えております。
#48
○金野委員 災害の追加予算全体に対して御質問をいたしたいと思います。この問題は私ども第三國会以來、大藏、安本に向つていろいろ説明を要求し、祕密会まで開いて意見を求めておるのでありますが、私どもが入手いたしました情報の範囲によりますると、関係方面においてこの予算に対してまだ十分なる了解を得ておらないということでございます。本日御出席の農林、建設両省の事務当局は、災害予算六十億というものを大藏省と安本から與えられておるのでありますが、この災害復旧費だけでも完全に了解を得る自信があるかどうか、今日御出席の建設省、農林省の最高責任者から明確な御答弁を願いたいと考えておる次第であります。建設省にいたしましても、農林省にいたしましても、いわば被害者でありまして、災害地対策特別委員会の任務は、もちろん災害復旧の根本方針を樹立する役割を帶びておるに違いないのでありますが、緊急問題といたしましては、何といたしましても予算を拡充する以外に道がないのでございますが、この委員会において大藏、安本当局はきわめて不熱心で誠意がないということは、この前も御指摘しておるのであります。かつて災害地対策委員会において建設省の意見も聞きましたし、農林省の意見も求めたのでございまして、これらの両省が大藏、安本両当局に対して要求している金額もわかつておるのでございますが、あの最小限度の要求が、しかも今日全体を通じて六十億という少額の金額でございますので、この六十億の内訳を私ども一昨日ですか安本の建設局長からお話を承りまして、数字は持つておりますが、たとえて言うならば建設省の河川局の河川の予算が三十六億何がしという少額であります。この少額の金額で一体今年度起りましたところの災害の何パーセント程度のものが復旧できるかという点であります。さらに農林省関係における耕地の復旧費たるや、わずかに十五億であります。この点についても私ども全國をまわつてみて、相当大きい災害を見ておるのでございますが、わずかに十五億というこの金を、一体どこにどういうふうに使つて、どんなに耕地の復旧をされんとするのか。また農業水利の復旧というようなものも、このわずかばかりの金でできるかどうかということを、非常に私ども心配しておるのでありまして、建設省といたしましても、農林省といたしましても、河川といい砂防といい、あるいは農業水利の一環である耕地の復旧はもちろんでありますが、明年度の作付に直接重大な影響を及ぼしますので、私はかような質問をするわけでございますけれども、事務的に建設省から安本、大藏省、農林省からまた大藏省、安本という事務的折衝は、事務当局がもちろんやるでありましようが、本災害地対策特別委員会は、これら建設省や農林省とは不可分の関係にありますので、予算を要求する場合、予算を編成する場合には今後は事前にわれわれにお知らせを願いたい、われわれに緊密なる連絡をとつてもらいたい、かように考えておるのでございます。どうも大藏省といたしましても、安本といたしましても、災害の問題につきましては食糧増産と不可分の関係にあるという認識が欠けておるのであります。たとえて言うならば山林の復旧についても、私ども少からず関心を持つておるのでございますけれども、この金額たるや、一体どういうふうに配分して、どういうふうに金を使うつもりであるかしりませんが、まことに少額な金額でありまして、わずかに二億四千三百万円、こんなことで一体山林の復旧ができるかどうか、こういう点を心配しているわけであります。また水産関係においてもまことにわずかな六千万円、こんなもので、一体日本の將來を水産日本とか何とかいうふうに言つているのでありますが、そういうことができるかどうか。こういう点は私も多少役人をし、その経驗がございますが、まことに予算をとるのにあなた方はへただ、私は会期がなくて大藏省と安本と鬪う時間的な期間がないことを、はなはだ遺憾に思つておりますけれども、この議会が明日あるいは明後日まで延長されるとすれば、私どももう一ぺんこの災害予算に対しては根本的な修正を加えて鬪つて行きたいというふうに考えている次第でございます。河川砂防、山林、耕地復旧、これらは一体今年度に起きた災害の何パーセントを復旧できるか、大まかでよろしゆうございますから、参考のために御答弁願いたいと思います。
#49
○目黒政府委員 災害予算全般にわたつて、ことにあの額では少額ではないかという御質問でありますが、われわれは最小限度五十億程度で應急的にやりたいというのが最初の予算要求でありましたが、結局三十六億何がしになつたのであります。これが災害総額から言いますれば、本年度三百五十億程度のものでありますから、一割にも満たないという状態であります。これで十分かというお話のようでありますが、決して満足はいたしませんが、これをもつてわれわれは重点的に最小の仕事をやりまして、來年度の出水期までには應急的の措置を講じたいと考えておるのであります。またこれは來年度出水期の七月までには間がありますので、來年度に入りましても工事を相当量遂行いたしまして、七月までにはある程度の仕事をしたい、また決してこれでもつて満足して引下つておるものではありません。さらに來年度に希望をつないでわれわれはやつて行きたいと考えておるものであります。不満足ながら一應これで仕事をやつて行くよりほかないというのが現状であります。
#50
○土屋説明員 お答えいたします。二十三年度の水害、地震、雪害、早魃等、いろいろ新規の災害によります耕地の被害、その被害を復旧するに要しますところの事業に対しまして、農林省で出したいと思つておりましたところの補助金の額は、ただいまお話のように相当の巨額に上つておつたのであります。これに関しましてただいまの追加予算で耕地に予定されておりますのは十五億ということで出したので、この金額は私どもといたしましてももとよりきわめて不十分な金額だと思うのであります。國家財政の現状からやむを得なかつたとは言え、何とかもう少しでき得るならばこの予算をふやしてもらいたい、かように考えておつたのであります。この上は少くとも補助金を最も有効適切に使用して、來年度の作付にできるだけ間に合うようにいたしたいと考えております。たとえて申しますと、今年最も被害の激甚でありましたアイオン台風でございますが、これは大体日本の北部の方に被害が大きかつたのであります。北の方は御承知のように植付が早うございますから、開拓関係の災害の復旧費もそういう方面に重点的に配付をいたしまして、北の方の寒い地方が來年の春の植付に間に合うようにひとつやつてもらいたい、かように考えております。
 なおこの金は御承知のように二十三年度の追加予算でございますが、被害の程度によりまして今年度一ぱいではどうしても復旧ができない、いわゆる継続的にやらなければならないというところもたくさんございますので、大体最も被害の程度の強かつた地方に対しましては、三年計画で復旧をはかるよりほかない、その他はできるだけひとつ二年程度のうちに復旧いたしたい、かように考えております。從いましてこれは本年度の金でございまして、來年度以降またできるだけこの復旧のために努力をいたしたい、かように考えております。
 なお食糧増産と災害というものをどういうふうに考えておるかというお話もございましたが、ただいま私の方で計算いたしますると、今年の新規災害によりまして約四百万石の減收になる見込みでございます。これはこれだけの耕地があるいは水路、閘門等の公共施設が災害によつてこわれますと、そのこわれたことによりましてそのままに放置しておきますと來年以降で四百万石の減收になる、こういう見込みでございます。
#51
○金野委員 安本の公共事業課長がお見えになつておりますから一言御質問申し上げたいのですが、先ほど私が指摘いたしました通り、私どもこの六十億なんという金に対しましてはもちろん不満足であつて、賛意を表しかねる金額でございまするが、國の全体の予算から行きましてやむを得ない事情もありまするので、これはこれとして、一体このわずかな六十億の災害に対する追加予算について関係方面との了解を完全に得る自信があるかどうか、この点について簡潔に御説明を願いたいとこう思います。
#52
○大平説明員 関係方面との連絡は、非公式に議会に提案される段階までは私どもが担当して参りましたけれども、その後の情勢につきましては、どのように展開しておるか寡聞にして私承知いたしておりません。
#53
○金野委員 私がもつと詳しく聞きたいのは、この六十億というわくをきめたのは、おそらく安本と大藏当局とが話合いの上できめたのであろうと、かように私は考えます。この六十億の数字をきめるにあたつて、今年度の災害に対しては、追加予算としてこれだけ出す、六十億なら六十億出すということについて、関係方面との了解が完全についておるかどうか、ついた上で出すのかどうか、こういうことを聞いておるのであります。これは災害地対策特別委員会ですから、災害のことだけに限つて質問をしておるように聞えましようけれども、われわれ予算全体を審議するにあたつて、重大な問題でありますから、この予算を出されるときに、このわくをきめるときに、関係方面の了解がついたのかどうか、この点を伺いたいと思います。
#54
○大平説明員 当初私どもが御報告を申し上げておつた段階におきましては、非常に難航をきわめておりました。と申しますのは、公共事業費というのは、御承知のように四葉期にわたつておりまして、認証の段階に初めて予算化されるのであります。第四・四半期に残されておりますのが九十六億九千万円でございます。それを使つて災害の復旧をやればいいじやないか。今の財政状況では、新しく災害復旧費を國会に要求するということはいけないというわけです。しかしながらこちらといたしましては、第四・四半期の計画というのは、年度当初にすでに策定しておりまして、事業実施主体としましては、事業を計画的にやつて行く準備を整えておるのでありますから、これをやめるということになりますと、場合によつては人件費をまかなうこともできないというような事業箇所もできますのみならず、そのまま放置するにおきましては、完全な手もどり工事になりまして、事業の再開という面が非常に不経済になるのみならず、今年の災害は当初予算でもつて消化するというにはあまりに大きい、何としても御容認願いたいということで何回も足を運んだのでありますが、最後まで結論が出なかつたのであります。はつきり記憶いたしませんが、國会に提案する前々日でございましたか、大藏大臣が関係方面と最後の予算折衝の段階に移りまして、非常に大臣が御盡力なされまして、災害復旧費まで認めて、その残余の費目は削除されたというように伺つております。從いまして予算として國会に提案する以上は、政府首脳部におきまして関係方面の容認を得た上でお出しになつたものと承知いたしております。
#55
○金野委員 私はそういうことを聞いているのではなくして、第三回國会の終り近いころであります、二十幾日だつたと考えておるのでありますが、大藏省の主計局長を呼びまして予算全体に対する質問をした際に、何ら了解を得ていないのだ、こういうことを言つておるわけでありますし、泉山大藏大臣が災害に対しては建設公債というようなことを新聞に漏らしておりますので、これらの点についても大藏事務当局の意見を求めた際に、それはとんでもない話だというので引きさがつた次第であります、こういう答弁をしておるのでございますが、今日の日本の客観情勢から考えまして、関係方面の了解のつかない予算あるいは法律案、そういうものを審議しても、われわれはむだだと考えておりますので、少くとも國会に一つの追加予算として出すからには、確固たる見透しを立ててわれわれに審議を求むべきではないか、こういう質問をいたしまして、私は警告を発しておつたのでございますが、私の感じを率直に申し上げるならば、ひとり災害予算六十億だけでなくして、全体に対して了解を得ておらないとわれわれは考えておるのであります。ですから、公共事業すなわちこの災害の追加予算に対しましても、あなた方が直接関係方面との事務折衝をされるわけでありますし、しかも了解を事務的に求めて來る必要があろうと考えておりますので、この六十億の予算が関係方面の了解を求め得る自信があるかどうか。ただ財源がないから、災害に出す金は六十億しかないからということで、事務的に六十億を出したのか、了解を求めて六十億という数字を出したのか、その点を承りたい、かように私は考えて質問しておるのでございますから、私の質問の趣旨に、くどくなくてもよろしいから簡潔に御答弁願いたい。今委員長を通じて大藏当局の出席を要求してございますが、なかなか連絡がつかないようでありますけれども、安本の立場から、大藏当局とは別個に、このことの質問に対しまして御答弁を願いたい、かように考えて質問をしておるわけでありまして、この点もう一度御答弁を願いたいと思います。
#56
○大平説明員 予算を國会に提案する前に、私どもの記憶では関係方面と折衝したときの意思表示は、完全に予算案をアプルーヴしたという御返答をいただいたことはないと思います。と申しますのは、向うの表現はアプルーヴもしないがデイスアプルーヴもしないというような表現を一應とられておるような次第であります。と申しますのは、予算執行の途中におきまして新しい事態が起りまして、その内容をかえるというような場合があり得ますので、向うではそういつたように態度を留保されているのではなかろうかと思います。從つて、今度の追加予算につきましても、そういうような態度をとられたのではないかと思いますが、その辺のデリケートなところは、予算案全体の折衝に私ども当つておりませんから承知しておりません。しからば、仮にアプルーヴもしなく、デイスアプルーヴもしないという追加予算案を、國会の御承認を経たあとで、これを関係方面との関係において通す用意があるかというお尋ねでございますが、現在の段階に参りまして、また災害復旧の性質から考えましても、是が非でも通さなければならない予算であろうと確信いたします。
#57
○椎熊委員長 ただいまの政府当局の説明は実に重大な発言だと私は思います。この状態でこの審議を続けることは、おそらく無意味じやないかと思います。われわれは今日まで政府提案の予算というものに、かなりの信頼性をつないでやつて來たのであるが、安本当局において、関係方面の何らの確実な了解がないということが暴露されております。そうすると、私どもはこの委員会で審議するわけには参りません。暫時休憩して、各党へ帰つてこの問題を檢討せられまして、そして意見をまとめて再び会議を開きたいと思います。これはすこぶる重大でございます。この問題は、格言すれば第四國会を開かれましてから今日まで、私どもは政府を信頼して來たが、実はこれはまつたくのからくりであつたということが暴露されたのであつて、全体の予算を審議する上においても重大な問題でありますが、この事実は國会のたれもが知りません。これは國会全体を通じての大問題です。こういうことではわれわれはまじめに審議を続けることはできませんから、暫時休憩いたします。
    午後五時十六分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後五時二十八分開議
#58
○椎熊委員長 それでは休憩前に引続き会議を開きます。
 先刻の会議におきまして、金野君の質問に対する安本公共事業課長の答弁中、本予算案成立までの過程についてのお話がございましたが、このことに端を発しまして、予算全体に対する委員各位の疑惑が深まつたような疑いもございましたので、各党それぞれの態度をきめ、政府の答弁を統一せしめる意味におきまして、休憩を宣告したのであります。ただいま建設大臣並びに政府全体を代表して官房長官も見えられまして責任ある御答弁があるそうでありますから、金野君からさようにあらためて先ほどの質問を繰返していただきます。
#59
○金野委員 ただいま委員長からお話がありました通り、この追加予算、ひとり災害の予算だけではなくして、全体の予算にわたりまして、私ども第三回國会から引続いて今日まで審議しておるわけでありますが、この審議の過程にあたりまして、第三回國会の終りに近いころに、大藏省の主計局長の出席を求めまして、祕密会を開いてこの予算全体に対しまして関係方面の了解を得ておるかどうか、こういう質問を試みたのであります。本日の委員会におきまして、私ども先ほど安本の大平公共事業課長から、これに対しての意見を求めたのでございまするが、大平公共事業課長の発言はきわめて愼重であつて、きわめて懇切丁寧でございましたけれども、私ども災害地対策特別委員会の委員といたしましては、十分納得の行かざるものがございますので、政府の責任ある方々に出席を願つて、これに対するところの答弁を要求する次第であります。從つて私がお伺いしたいのは、災害予算もそうでありまするが、災害予算を含めた全体の追加予算に対して、関係方面との完全なる了解がついておるかどうか、これが一点であります。
 第二点は、災害復旧の追加予算は、六十億という額に限定をされておるのでございます。私どもこの六十億という金額に対しましては、今年度の災害の事情を考えてみまして、はなはだ不満足なものがあるわけでありますが、それは別といたしまして、われわれがこの六十億の災害予算を審議するにつきまして、はたしてこの六十億が、この委員会を通つた際には完全に向うとの了解がつくかどうか、この二点であるわけであります。
 もう一点、特に官房長官にお尋ねしたいことは、六十億しかどうにもならぬのか。建設省あるいは農林省、こうした主たる被害を扱つておる当該官廳の要求はもつと厖大なものがあるわけであつて、この六十億の予算の計上だけでは、とうてい耕地の災害復旧あるいは河川の復旧、砂防とか道路とかの復旧は不可能だと考えまするし、從つて來年度の出水期に相当大きな影響をもたらすと考えております。農林当局の御意見によりますと、この災害によつて明年度は四百万石の減收を見越しておる、こういうことでありますので、この点から考えてみましても、日本の食糧問題解決の上に、食糧増産の上に最も重要な関係のある災害復旧費でありますので、これ以上はどうにも絶対にならぬのかどうかを明確にお答え願いたいと思います。
 以上三点をまずもつて御質問申し上げ、さらに私は答弁のいかんによつては御質問申し上げるつもりであります。
#60
○益谷國務大臣 ただいま御審議を仰いでおりまする補正予算全部、その筋の完全なるアプルーヴを得ておるのであります。災害予算六十億についても同じくオー・ケーをもらつております。なお六十億では不足であるから、さらに増額する考えがあるかどうかという御質問でありますが、政府といたしましても六十億で十分であるとは考えておりません、満足はいたしていないのであります。しかしながら國家の今日の財政の窮迫いたしておりまする状態からながめて、大体建設省といたしましては、來年の七月を出水期の目標といたして、さしあたり雪解け出水等もにらみ合せまして、緊急地点に対する復旧に努めたいと思うのであります。從つて國家財政の許す限りは復旧費も相当さらに要求いたしまして、來年七月の出水期に備えたいと存じておる次第であります。
#61
○金野委員 私は建設大臣に質問しておるのではなくて、建設大臣に対しましては官房長官のお答えがあつてから御質問申し上げるつもりでありまして、私先ほど質問いたしました三点について、官房長官から御答弁を願います。
#62
○佐藤(榮)政府委員 ただいまお尋ねがありましたうち、特に官房長官からというお名ざしがありましたので、実は私お答えをすべきか、かように考えたのでありますが、災害費の全般につきましては、建設大臣の主管されておる点が非常に大きいのでありますので、実は建設大臣の御発言の後にでも申し上げたい、かように考えたのであります。その点は御了承いただきたいと思います。
 御承知のように予算をつくりますに際しましては、政府部内におきましても実は再三再四の閣議を重ねたものでございます。その閣議の経過等につきましては、一々御報告いたしますだけの自由を持たないのでありますが、今回の追加予算編成にあたりましては、時局柄最も重点を入れなければならないと考えますものがこの災害復旧費であり、また当面しておりまする公務員の給與予算であり、あるいはまた民間においても電産、炭労その他民間労働爭議等の解決につきまして政府が特に力を入れなければならない、こういうような問題があつたわけであります。それぞれの部門におきまして、先ほど御指摘になりましたごとく、なかなか厖大な要求があるのでありまして、この厖大な要求を國家財政の現状とにらみ合せまして、そうして予算案をまとめ上げて行くのでありますが、この点につきましては、私とやかく申し上げるまでもなく、容易に御想像がつくことだと思います。この間に処しまして、政府といたしましては数回閣議を開き、各主管大臣の御意向等も伺い、さらにまた財源を考究すべきものは考えておるし、あるいはまたその中間におきましても関係筋とも連繋を緊密にいたしまして、ようやく最終的な案を得て、そうしてその案に対するオー・ケーを得た上で、國会の御審議にまわしておるような筋合いのものでございます。この間におきまする政府当局と申しましても、これは大藏省がその指導力を持つものでありまするが、各省の御協力なり御苦心の点につきましては、皆樣方の御理解ある御同情が必ず願えることを確信するものであります。かようにいたしましてでき上つております今日の予算でありますので、ただいまお尋ねになりましたごとく、今日この際におきまして新たな財源を設けてこの災害復旧費が増額される、こういうようなことは、実は想像がつかないのでございます。先ほど來申しますごとく今日まで再三再四檢討に檢討を重ねて得たところの最終案でありますので、これ以上財源を付加するということは至難であり、まずできないところではないかと、かように考えるのでございます。
#63
○金野委員 大体了承いたしましたが、この六十億の災害予算に対しては、私ども不満足ではありますけれども、先ほど申し上げました通り、一應これを通さなければならぬのではないかという考え方を持つておるわけであります。しかしながらこれをこの委員会で通し、本会議においてこれが可決された場合に、この六十億円が完全に守られる自信があるかどうか。この点についてもう一度お答えを願いたいと思います。
#64
○佐藤(榮)政府委員 ただいまのお尋ねは、予算を通過した後に、この予算を実施することができるか。たとえば資材の裏づけが十分に行くか、かようなお尋ねと伺つてよろしゆうございますか。
#65
○金野委員 資材もそうですが、少くともこの六十億という予算は、國会を通つた場合には必ず向うからオー・ケーをもらえる自信があるかどうか。
#66
○佐藤(榮)政府委員 これは先ほど申しましたごとく、この総予算のオー・ケーをとりまして――オー・ケーなしに國会に予算を提案いたしておるわけではないのでございます。その全体の予算のオー・ケーをとります際におきましては、先ほど來申しまするごとく、数回にわたつて閣議を聞いておりまして、各省大臣の協力を得ておるわけでございます。その前におきましてそれぞれの事務当局の折衝がもちろん行われる筋合いのものでございますし、全体としてのオー・ケーはすでにとつておるものであるということを御了承願えることと思います。
#67
○椎熊委員長 実はこういう質問が出たのは、こういうわけなんです。六十億の予算を各府縣別に割当てた内容を、この委員会の熱望によつて、政府はあまり望まなかつたようですが、ここに出していただいた。これを出す際におきましては、これは將來一々向うの了解を得てオー・ケーをとらなければ実施に移されないのだというお話があつたのです。それで現在全体としてはオー・ケーをとつてむろん予算は出したのでしようが、地方別のこういう額に対して政府が自信をもつて実施できるかということが聞きたい趣旨です。
#68
○中川政府委員 最初に先ほど安本の大平課長が事務的に関係方面との折衝を申しておりました、その過程のお話を申し上げました中に、皆樣方の御了解を得られない部面等がございまして、いろいろ御心配をおかけ申し上げましたことは、まことに遺憾に存ずる次第でございますが、この点はただいま建設大臣並びに官房長官の御言明になりました通りでございます。しかしてただいま御質問のございました六十億の内訳、すなわち府縣別の災害復旧費に関しましては、これは政府といたしましては國会においてもいろいろ御審議も願つておりますので、あくまで先ほど御了承を得ました内訳通りに敢行いたしまする決心でございます。ただ司令部の方に四半期ごとに一應承認を求める建前になつておりますので、その際にはあるいは変更というようなことが考えられないこともないのでございますが、しかし政府といたしましては國会の御意思をあくまで尊重いたしまして、熱意をもつてこれを予定通り敢行いたしまする考えでおります。
#69
○金野委員 官房長官、安本政務次官の説明を聞きまして大体了承いたしました。
 次に私は特に建設大臣に伺いたいのは、建設省の事務当局から、本年度の災害に対しまして全國の状況を聽取すると同時に、災害復旧のために必要とする予算の要求案をわれわれに提示願つたわけでありまするが、その要求額から見ますと、非常に心細いものがあるのでありまして、河川においては三十六億何がしという少額なもの、砂防においては五千万円程度のもの、道路において六千万円程度のものであるとすれば、これらの少額の予算によつて本年八月以來三回にわたつて起りましたところの災害が、パーセンテージから申しましてどの程度復旧ができるか、こういう点を河川、砂防、道路の三つの関係についてお答えを願いたいと考えておるのであります。私ども全國をまわつて見まして、これらの少額の予算によつては、農林当局が言明されておるように、米四百万石の減收は免れ得ないものであるというふうに考えておるわけであります。農林当局がいかに耕地復旧を考えておりましても、砂防あるいは河川、これらの復旧が完全に行われませんければ、耕地の復旧は用をなさないわけであつて、これらの復旧を進めて行く責任は、もちろん吉田内閣の責任であろうし、また被害官廳として一番大きい予算を要求しなければならないはずの建設省の責任であろうと、かように考えておりますが、この復旧と減收の問題をいかように考えておるかという点について、明確なお答えを願いたいと考えておる次第であります。
#70
○益谷國務大臣 先般当委員会で建設省といたしましての予算要求の金額を申し上げたのであります。すなわち最初の要求額は相当金額になつております。しかしながらこれから工事をいたしますについても、御承知の通り本年はもはや第四・四半期になります。本年度内において仕事のできるのは、大体三月というふうに見ておるのであります。その期間と、それから最も重要な点は國家財政の現状であります。それとさらに御承知の通り本年の災害に対しては、公共事業費の一部を支出いたし、また事業費に対する融資の方法を講じて、緊急を要する部分をさしあたり施行いたして参つておるのであります。もとよりそれは不十分であります。しかしてそういう建前から先般お話申し上げました通り、建設省といたしまして圧縮に圧縮をいたしまして五十一億二千万円の要求をいたしたのであります。もとよりこれとても十分であるとは申し上げることができないと思いまするが、緊急を要する應急施設をこれでやつて行こうという考えで要求いたしたのでありまするが、遺憾ながら國の財政から見まして、今回六十億の災害復旧費中三十八億六千七百円、大体この数字と記憶しておりますが、それだけ建設省の所管いたしまする復旧費に割当がなつたのであります。その金で、もとより全般的にも申し上げました通り満足いたすものではありませんが、來年の七月を出水期の目標と定めまして、これで緊急地点に対する復旧工事を進めて行きたい。そうしてさらに財政の許す限り出水期までの手当をいたして、あとうだけ來年の災害の復旧に使いたいと存じておるのであります。
 なおここで申し上げておきたいと思いますのは、御承知の通り近年水害が頻発いたすのであります。しかして昭和二十年、昭和二十一年並びに南海の震災に対する災害復旧に対する補助に関し、政府が年々予算を要求いたして補助金を予算化いたして参つたのであります。これが本年度の第四・四半期でようやく補助金の交付を完済することができるのです。しかして昨年の災害に対する補助金のごときは、まことに遺憾ながらまだ六割以上足りないのであります。こういう状態から見ますると、六十億は本年の災害に対する復旧費であります。さらに昨年の災害に対する復旧費をもあわせて要求いたして参らなければならぬ。こういう状況から見まして、また國家の財政の現状からかんがみまして、私の責任が非常に重大なことを痛感するのであります。できるだけ多くの費用を予算化して復旧に努めたいと思うのであります。繰返して申しまするが、もとよりこれで満足いたしておる次第ではありませんが、重ね重ね申し上げまする通りの財政状態であります。これとても祕密会においていろいろの事情を申し上げたことと存じます。六十億の予算を復旧費として御審議を願うに至りまする経路についても詳細申し上げたことと思います。現在の國家の財政といたして、しかも現内閣といたして、閣僚のすべてが災害復旧費に対する強い要求があつたのでありまするが、財政の現状から、これで当分しんぼうしなければならぬということになつたのであります。私といたしましては、これだけの費用をなるべく有効に使つて復旧に努めたいと思うのであります。
#71
○金野委員 どうも建設大臣の答弁を聞いておりますると、災害の実態というものを十分把握しておらないという感じがするのであります。出水期は來年の七月だということを繰返して言われるのでありますが、出水期が七月以降であるということはわれわれも想像しますし、予想がつくのでありますけれども、現在の災害の状態というものは、出水期の七月を待つまでもなく、一面河原のような状態であります。大体作付は五月でありますから、この第四・四半期でどうしてもできるだけの復旧を行いませんと、作付に間に合わないのであります。出水期が七月だから、今度の予算ではしようがない、三箇月しか仕事をやる期間がないのだから、この程度でしようがないという考え方でなくて、この三箇月、すなわち第四・四半期において大わらわに災害を復旧しませんと、五月の作付に全國的に間に合わないという結果になるのでありますから、出水期が七月であるという考えの上に立つてこの予算を運営されると、非常に農村では困る結果になるわけであります。私の聞いておる点では、全部で総額三十八万六千何がしの金で、どれだけの復旧ができるのか。現状のままでは四百万石の減收は明らかになつておる。ところがこの三十八億何がしの予算でどれだけの復旧ができて、この四百万石の減收をどの程度最小限度に食いとめる自信があるのか、こういうお尋ねをしておるのであります。これに対して、もう一度建設大臣から答弁を求めたいと私は考えております。
#72
○椎熊委員長 ちよつとお待ちください。先般建設省関係では河川局長から、今出ておるこの予算の範囲でどの程度であるかということを明確にせられております。こまかい数字をあげて答弁がありました。それは速記録に載つておるはずでありまして、同一答弁を同一当事者に繰返してすることはどうかと思われますので、それは速記録によつて御承知願いたい。何割程度の復興というようなことも数字をもつて示しておりますから、どうかその点で御承知願いたいと思います。それ以外に御答弁がありましたら……。
#73
○益谷國務大臣 何割復興になるかということは、私ここで数字を完全に記憶いたしておりません。すでに政府委員から説明があつたことと思います。ただ私は、本年のごときは、復旧を完全にいたしてなかつたために、出水期においてまた非常に災害を増大したということがありますので、出水期を七月と目標いたしておることを申し上げたのであります。作付のことは地方によつても相違いたしますでしようが、大体五月、六月が作付時期であるということも、またそれ以前に田を起して作付に備えなければならぬことも承知いたしておるのでありますが、土地とか地域の関係、また雪解けの関係等を勘案いたしまして、ただいま委員長の申された通り、各府縣に対する内訳の詳細を決定いたしておる次第でありますことを御了承願います。
#74
○淺利委員 ほかの委員会の関係上遅れて出ましたから、あるいは重複する点があるかもしれぬと思います。すでに他の委員から北上川の治水対策等について質問があつたそうでありますが、それにつきまして建設大臣から特に伺つておきたいことは、北上川の水害は昨年三たびの水害をこうむり、また本年も甚大なる水害をこうむつたのであります。この根本対策については建設省において特に委員をあげて対策を調査中ということを承つたのであります。もう一回開けば調査が完了するというように、さきに当局から御答弁があつたそうであります。その調査ができ上りましたならば、ただちにこれは二十四年度の予算に具体化するというところまで進む御計画であるかどうか、その点を特に大臣から伺つておきたいと思います。
#75
○益谷國務大臣 建設省といたしましては、災害の復旧も、もとより急を要することであります。同時に災害を未然に防ぐという建前から、治水の方に対してもそれぞれ治水調査会というようなものをつくりまして、学識経驗者の協力を得て計画を立てておるのであります。從來の計画にさらに檢討を加えて、しつかりした計画を立てて進みたいと思つております。それで北上川のお話がありましたが、これに対しても相当調査を進めておることは事実であります。しかしてそれぞれこの北上川に対する対策もでき上つておることと存じます。でき上つたものに対しては、逐次実行に移して参りたいと思うのであります。しからば來年度必ず着手して、どれだけの計画のうち、どの部分を実行するかということになりますと、ここで確言を申し上げることはできませんが、建設省といたしましては、つとめてその計画をすみやかに実行に移したいという考えで進めつつあることを申し上げます。
#76
○淺利委員 なおついでにもう一つお伺いしたいのですが、これは前からの計画でありますが、北上川の洪水緩和のために、戰前より膽沢川ほか五河川のダムを建設するという計画を立てておつたわけであります。戰時中これが中止になつて、目下着手いたしておりますのは膽沢川だけであります。そのほかの雫石川も建設半ばにしてこれは中止になつております。今年度以降において、この五箇所のダムは現在の程度でありますが、さらにこれを二箇所以上あるいは三箇所というふうに着手せられる御計画がありますか。その点もあわせてお伺いしたいのであります。
 それからもう一つは、これは大臣はあるいはあまりこまかいことで、御承知ないかもしれませんが、河川当局の方がお見えになりませんので――実は砂防工事の問題であります。先刻頂戴いたしました各府縣の割当から見ますと、宮城縣に対しましては六百六十万円、岩手縣は三百六十万円割当ててあります。面積の点において、被害の程度において、岩手縣は宮城縣に増しても劣らない現状であります。しかるにかくのごとき比率を設けられたということは、私どもはなはだ遺憾に思うのであります。ことに山田線の不通になりました原因は、早池峰山の山くずれであるというような現状から見ますれば、岩手縣の砂防工事というものは、宮城縣以上に重点を置かなければならないと思うのであります。先般この砂防費の要求額を見まして、宮城縣と岩手縣がその額が約半分くらいでありましたから、縣の当局に聞き合せましたところが、縣からは一億五千何百万円の要求をいたしておるということでありました。それがかくのごとき状態であるということは、はなはだ遺憾であります。大臣としてはこの詳細のことは御承知ないのでございましようけれども、現実に即して、かりに予算の上ではこうありましても、実際にあまり緩急軽重のないように今後御配慮を願いたいと思います。もしおわかりでありましたならば、何ゆえにこういうことをなされたかということをお伺いしたいのであります。
 なお時間の関係上同時に農林当局にもお伺いしたいのですが、岩手縣の砂防につきましては、直接河川の上流は建設省であり、また山林の部分は農林省の所管に属しているという関係で、その連繋が十分でないのであります。営林当局に聞いて見ますと、営林署の特別会計でありますか、その範囲内において砂防工事を実施している。そういう関係上営林当局においては、この営林特別会計のうちにおいては常に赤字である、こういうことであります。山林砂防は、あるいは当然山林の方の目的であるかもしれませんが、河川の上流に位しております以上は、これはむしろ國家的事業として特別会計内の範囲で、赤字になるからというような意味合いにおいて消極的にやるということではなく、むしろ進んで災害予防のために、國家事業として、一般國費でもつて遂行するという方針で進んでいただきたいと思うのであります。こういうことについて農林当局はどういうお考えでありますか、その点もあわせてお伺いいたしたいのであります。
#77
○益谷國務大臣 砂防の金額で岩手縣と宮城縣と相違いたしておる点でありますが、この係数の基礎は、実は私よく承知しません。技術の関係のことは大体技術專門家にまかせてあるのであります。岩手縣を薄くしても宮城縣を厚くするというような考えは、毛頭なかつたことと信じております。ただ建設省は御承知の通り上流砂防をしております。そういう関係から治水の計画をいたして、おそらくはこれだけの金額が生れて來たのではなかろうかと思つております。繰返して申しますが、どの縣に厚くして、どの縣に薄くするというような考えから出たものではないと確信いたしております。
 それからダムの問題でありますが、これは私の方では治水の方で主として計画を立て、大きい意味の治水政策にかかつておるのでありますが、治水と同時に利水という建前から計画を進めて参つておるのであります。從つてこれまでの計画をさらに大きくして実行する考えであるかどうかということでありますが、北上川に対しては、たしか大体ダムを五箇所つくるという計画になつておると存じます。それで完全に水を治めることができない、もう少し大きくすれば、さらに利水の方面に役立つというようなことになりますれば、これは計画をやるのにやぶさかでないのであります。先ほど申し上げました通り、計画を立ててもそれを実行しなければ画餅に終るのであります。計画を立てますと、つとめてそれを実行に移したいという考えでおりますことを御承知を願い、御了解を願いたいと思います。
#78
○土屋説明員 開拓局でございまして、直接その向ではございませんが、大体関係しておりますので、ただいまの御質問にお答え申し上げます。國有林関係の砂防は、御承知のように特別会計になつておりまして、林野局の方でやつておりますが、これは國有林といわず、民有林といわず、建設省関係といわず、農林関係といわず、要するに治水という観点から申しますと、一つの系統に属することでございますので、役所の所管を異にするからといつて、その一本の系統の治水事業を区々にやつたのでは効果がないことは御指摘の通りでございます。今後は十分関係省とも密接なる連絡を保つて、さようなことがないように注意をいたして参りたい、かように考えております。
#79
○淺利委員 ただいま建設大臣は私の質問した趣旨がはつきりわからなかつたのかもしれませんが、先刻申し上げた通り、北上川の從來の対策としては、一番重要な問題は、大臣御承知の通り、一ノ関下流における狹窄部の開鑿でございますが、その前にまずもつて縣内二川の水を緩和するという建前において、戰前において五箇所のダムを計画いたしたのであります。それが戰時中中止になつておつて、ただ一箇所だけ今日着手され、計画されておるのであります。昨年來の洪水の影響から見まして、この五箇所のほかに、もう数箇所をあわせてこの際急速に実施するにあらざれば、この洪水の惨害は防げないということで、しばしば要望いたしておつたのであります。聞くところによればもう一箇所やるといううわさも聞いておりますが、それをどの程度にやられて、どのくらいの予算をとられて、この五箇所の計画だけは何箇年間に遂行するかというような御計画が進められているかという点を確かめておきたいと思う次第であります。
#80
○益谷國務大臣 これまでは計画を進めて、所要の経費を見積つて予算化するように努めておることと存じますが、私就任以來まだ日も浅いのでありまして、來年度の計画について、どの程度の予算を要求し、それを予算化するかということは、私が建設大臣に就任いたしましてから完全にまだ省議として確定いたしておりません。但し從來の計画をどこまでも尊重して、さらにこれを治水の上から、あるいは私どもの方は主として洪水調節のためのダムをつくるという建前ではありますが、ただいま農林省の政府委員の仰せになつた通り、これは灌漑用にも使わなければなりません。また水力電氣の方面にも使い得るものは使わなければなりません。從つて商工省、農林省とも緊密な連絡をとり、協力いたして参らなければならない、またこれに対しては経済安定本部の協力も求めなければならないのであります。從つてこの所管の各省並びに安定本部とも協力いたして、そうして予算化に努めなければならぬ、でき得れば私どもは計画のできたものから着々一日もすみやかに実行に移したいと思つております。正直に申し上げますと、私就任いたしましてまだ省議としては完全に決定になつておりません。しかしながら從來の計画に対してはそれぞれの官廳がいろいろ協力いたして計画を進めて、予算化するよう努めておるということは事実であります。さらにこの点についても十分に檢討を加えて進めて参りたいと思うのであります。
#81
○高橋(清)委員 宮城縣の北上川の米谷と浅水村に新川をつくるということがすでに決定してこれをやるというので、関係十七箇町村の町村長が、数度にわたつて過般來陳情に來ておりますが、これは建設省といたしましてどの程度に御進行でありますか、承りたいと思うのであります。もし建設大臣にそれがおわかりにならなければ、あとで河川局の方なりから明日でもお知らせ願いたいと思います。
 それから先ほど砂防工事においていわゆる宮城縣よりも岩手縣の方が多いということを淺利委員から申されましたが、実際宮城縣より岩手縣の方が多いというようなことであるかどうか。これは他の縣は言わずして、ただ自分の縣だけの御主張をなさつていただくようにお願い申し上げたい。
 もう一つ承りたいことは、この各府縣の割当でございます。これを特別委員会でしきりに要求しておりましたが、ようやくこれが一昨日初めてわかつた次第であります。それがここに関係なく、議員にすでにわかつておつて、そして向うから私どもは聞いておつた事実であるのであります。これはそういうことのないようにひとつお願いしたいと思います。
#82
○椎熊委員長 ちつとお諮りいたします。今日はこの委員会は最後の締めくくりをやる委員会であつて、本予算の大綱等についての質疑應答をしたいということを、先ほど少数ではございましたが、理事の間で話合いをして、縣別の事業内容あるいは予算等についての質疑等については、政府側の陣容からいつても至当ではないと思われます。河川局長もおりませんし、大臣としては予算の大綱だけよりのみ込んでおられない状況でありますから、大体こまかい点は、明日委員会が開かれるという予定があればよいが、もはや今日議会も解散になるかもしれぬというので、今日以外は開かぬ予定になつております。個々の各縣等の問題はそれぞれ個人的にしかるべくお問い合せ願いたいと思います。たいへん失礼ですけれども、そういうふうにお願いいたします――小野瀬さん、河川局長はお帰りになつたそうですから……。
#83
○淺利委員 ただいま宮城縣、岩手縣の問題がありましたが、実はこの問題について先般砂防について親しく承つたのであります。宮城縣は砂防課の施設があつて、予算の要求は非常にお上手である。岩手縣はその点について不十分であつて、先刻申し上げたように、漠として一億五千万というような要求をした、宮城縣は一億円というような要求をしておりましたが、それについて、一体建設省の割当は実地調査の結果であろうかということを承つたところが、そこまでは手が届いておらぬ、ただ宮城縣は專門家がいるから、それを信用してやる、岩手縣の方は專門の技師がいないから、この程度にとどめておいた。これは内輪話ですけれども、そういうような話であつた。そこで大臣に希望することは、今後こういうことについて緩急軽重をはかる上においては、ただ縣の要求ばかりでなく、実地の調査に力を入れていただいて、そうしていずれが重きかいずれが軽きか、あるいはいずれが急を要するか、緩急軽重について十分に御調査をせられて、そうして割当をきめていただきたいということを希望申し上げまして、私の質問を終ります。
#84
○青木(清)委員 私が特にお聞きしたいことは、各府縣別の表にも見る通りに、各府縣にわたつて、北陸震災以後、アイオン台風その他各種の災害が生れておるのであります。これに対する追加予算がわずかに六十億であるということについては、おそらく本委員会の委員諸君すべてが御不満であろうと思う。從つて國民全体ははなはだ不満の意を現政府に表することは、私は確実と思うのであります。しかし客観的情勢から六十億以上の予算が組めなかつたという政府のこれに対する処置については、あながちこれを否定することはできないと思う。しかしながら本年度の追加予算はこれでいいといたしましても、各省から要求されているあの厖大な予算を、明二十四年度予算中に、いかにして計上されるかということについては、私は危惧の念を抱くのであります。はたして國民の要求する実情に即した災害復旧が現政府の手において可能なりやいなやという点について、相当の疑義を持つのであります。この点に対する政府の決心をまずお聞きしたいと思います。
#85
○中川政府委員 ただいまの御質問につきまして、政府といたしましては、ただいま御指摘の通りに諸般の情勢きわめて困難な中にございますが、この災害復旧は本予算の中におきましても、最も重要なるものと認めておりまして、あくまで熱意をもつて本予算を実施せしめることにつきましては、十分に努力をいたす決心でございます。
#86
○青木(清)委員 ただいまの御答弁は的はずれだと思うのであります。この六十億の予算の実施については、金野君の質疑に対する明快なる答弁があつた。政府の全責任においてのあの答弁であるから、関係方面との間に、予算総体についての了解があつたことは、私はいなむことはできないと思う。しかし資材の面その他について、根本的な完全な打合せができているかどうかについては、やはり私どもの疑問は解けない。しかしながらそれは政府の責任における答弁である、すなわち完全な了解を得ておるのだという御答弁であるから、一應これはわれわれは信任する。その信任する意味において、金野君も質疑を打切られたものと思いますし、私どももこの点に対する質疑は反復しないのである。從つて今の御答弁は私は要求しておらないのであつて、各省から出ておる災害復旧の要求は厖大なものであるはずなんだ、しかしそれが、わずかに六十億しか現在追加予算として計上されておらないのであるが、残余の災害復旧に関する経費を、昭和二十四年度において、いかにして予算面に実現化するか、その問題についての政府の決心を聞いておるわけであります。
#87
○中川政府委員 ただいまの御指摘の点につきましては、ただいまお説にございましたごとく、本年度におきますこの補正の六十億というものは、きわめて少い数字でございまして、私どももこの点はまことに遺憾と存じておる次第であります。ことに從來災害の復旧に対しましては、初年度において三〇%の完成をいたすことが慣例になつております。しかるに六十億のこの予算をもちましては、ようやく二〇%または一〇%程度のものしかできないのでございまして、かような予算をもつてやることにつきましては、今日財政窮乏の折柄まことにやむを得ないのでございますが、明年度の予算に関しましては、政府は極力この点を補いまして、ただいま御指摘になりましたような点は十分に檢討を加えまして、ぜひこの災害が一刻もすみやかに復旧をいたしますことをひたすら念願をいたしておる次第であります。
#88
○青木(清)委員 ただいまの御答弁は非常に抽象的な御答弁であると思うのであります。私が聞きました眞意は、各府縣にわたり災害がかくのごとく多く今までにある。またさらに昭和二十四年度においても数多くの災害が出て來ると思うのです。しかるにもかかわらず、今までの災害についてわずかに三〇%を実現させてあとの七〇%を翌年送りにする、その翌年送りにされたその翌年に、さらに現在に数倍する、あるいは現在と同樣な災害が生れたときにどうするかという、これはある意味においては、少し考え過ぎると思われる節もないでもないのでありますが、しかし現実に毎年々々多くの災害が生れて來ることは、これは事実なのであります。そうすると、これに対するところの根本政策というものを政府は少くとも持つていなければ、うそだと思う。今の御答弁では、こういうような事態については善処して行きたい、これでは國民は納得しない。ことに各省から要求した相当大きな要求に対してわずかに六十億しか計上されておらない現状において、ただいま六十億であるけれども、今後はこういう計画のもとに今までの災害ないし今後起るべき災害について政府は対処するのであるという一つの確固たる方針を聞かなくては、私は國民は納得しないものと考えるのであります。しかしこれ以上政府当局にこの問題を抽象的な言葉で論議すべきでないと思いますので、私はもう少し具体的につつ込んでお聞きしたいと思う。それは一つの例をあげて申しますならば、戰爭当時にこうむりました都市の被害、いわゆる爆彈によつて家を燒かれておりまた一方において、農村その他の方面においては、そうした被害がなかつたのであります。だから片山内閣時代においては非戰災家屋税というようなものを創設いたしまして、戰後の復旧の資に充てられたのであります。さきに私から申し上げたように、過去においても多くの災害があり、今後もなお多くの災害を残念ながら日本の現状においては予想さるるのでありますから、これに対して片山内閣が非戰災家屋税というようなものを創設したごとく、何らかの方法をもつて災害対策の予算を消化する面において恒久的な財源をおつくりになる御意思ありやいなや、この点をまずお聞きいたしたいと思います。
#89
○中川政府委員 ただいまの御指摘の点につきましては、経済安定本部においても、災害復旧の財源の確定につきまして、ただいまいろいろ苦心をし、將來に対する計画を檢討中でございます。ただいままでいろいろ檢討をいたしております事項については、大平課長より詳細御説明を申し上げることにいたします。
#90
○大平説明員 先ほどからるる御説明がありましたように、非常に災害が頻度が高まりますし、規模が大きくなりまして、このままで放置しておけない非常に重大な難局にあるのであります。そこでわれわれとしては災害対策として考えておる重要なる項目につきまして、やや詳細に御説明申し上げたいと思います。
 第一点は、從來災害は原形に返すということが眼目でありましたが、しかしながら御承知のように、河川の最近の災害を見ましても、年々歳々増水になりまして、ただいままでの公共施設をもちましては、これを阻むことができないということに相なつておりますので、單なる原形復旧では弱い。從つて先ほど御説明がありました災害対策をも加味いたしまして、重点箇所には原形復旧に加えまして、さらにその施設を強化するという施策を同時に敢行せなければならない。從つて災害土木費補助規程というような原形復旧主義の現在のやり方について再檢討中でございます。しかしながらそういう災害対策を実施するにいたしましても、第一は、財源の問題が最大の隘路になるわけでございまして、財源的にはただいまの公共事業費のわく内においては当年度の災害費をまかなう財源がございません。本年度においてわずかに十三億程度の予備費が残されてある程度でございまして、本年度の厖大なる災害復旧費に充つべき財源としてはきわめて乏しいのでございます。過年度の災害につきましては百十億円ばかりが本年度の公共事業費の中に入つております。しかしながら本年度の災害復興費総額は八百億を越えている現状であります。もつとも八百億の中には地方で負担する経費もありますので、國費で負担する分といたしましては、六百億余でございます。從つてこういつた厖大な災害復旧費を既定の財源からひねり出すということはとても不可能でございます。從つて当初から災害対策という費目を別に設定いたしまして、過年度の災害に充てるのみならず、当年度の災害復旧にも應急的に充当できるような予算的措置を講じたい。從つて公共事業費の予算科目の設定にあたりまして、災害対策費というものを予算的に独立した費目といたしまして國会の議決を仰ぐというようなぐあいにやりたいと思いまして、目下大藏省と私どもの間に折衝中でございます。しかしながら何といたしましても、予算科目だけができ上りましても、とるべき財源が豊富でなければなりませんので、財政政策全体に新たなる公共事業費ないしは災害復旧費にできるだけ多くの財源を割当てられるような措置が、財政当局に対してなされなければならないと思いますし、この点は私どもは今から努力いたします焦点になろうと思つております。ただ最近のような非常に窮迫した財政状態のもとにおいては多くを期待できない場合もあろうかと思いますし、安定本部といたしましては災害対策費特別会計というようなものを設置して、その歳入として特別の目的税的な課徴金を一般の財源に繰入れて、あわせて災害対策に充てるというような方向に問題をほごして行つたらどうかというような意見が有力化いたしまして、目下そのやり方について技術的に檢討を加えております。しかしながらこれはまだ安定本部内部の事務的な研究の段階にありまして、関係各省ともまだ正式に協議の段階には入つておりません。
 それから資材の問題でございますが、災害対策を推進して行く場合も現在財源が一番の問題になつておりますけれども、資材が何といたしましても考慮の問題に相なります。そこで來年度災害復旧を果敢に推進して行く資材的基礎でございますが、この点大体來年度の物資の生産増強見込みは、本年度と大差ない樣子でございます。たとえば鋼材におきましては約二十万トンほど増産になる見込みでありますが、ほとんどその全部を輸出産業に重点的に割当てられるような計画を組まれつつあるようでございます。從つて公共事業に向けらるべき資材は、本年度の全体のわくの中に公共事業の資材をどれだけ食い込むことができるかということにかかろうかと思います。その点につきましては特に災害対策の重要性を力説いたしまして、ただいま安本部内の物資当局と話合いの段階にありますが、若干目的的に重要資材の配分を公共事業費に割愛しよう、増量しようというような話合いで今作業を進めております。
 以上ただいま研究段階にあります事項につきまして申し上げました。
#91
○青木(清)委員 大体今の御説明によつて、事務的な処置については了承し得るのでありますが、しかし残念ながらここには私が聞かんとする点の大きな政治的な一つの動向、方針に関する御答弁を願うための政府委員も出席されておらないかと思うのであります。私の質疑はまだ不満なものを多く包藏しながら、この点で残念ながら打切ることにいたしたいと思います。
#92
○椎熊委員長 この際委員諸君にお諮りいたします。当委員会におきましては、委員会設置の趣旨にのつとりまして、災害対策樹立のため、鋭意檢討を加えて來たのであります。しかしながら第四回國会の閉会もまさに近くに迫つている状況でございますから、本委員会をもつて、この第四回國会中の委員会の最後としたいと思います。よつて委員長より今日までの委員会開催の経過にかんがみまして、結論的な意見を開陳いたしまして、政府当局に傳達しておきたい節があるのであります。
 政府当局の懇切なる御説明によりまして被害の状況、復旧事業の計画、予算の割振り等につきましては、かなり明確にされたのでありますけれども、本委員会の審査の経過をたどつてみますときに、まさに國家財政逼迫の折柄ではございますが、とうていこれまでの災害に対する対策としては、本委員会は満足できるものではないのであります。よつて先般來の委員諸君の熱望もございましたので、委員長は先般來予算委員長との間に打合せ等もいたしまして、予算委員会におきまして、当委員会のまとまつた意見を表示して、政府の責任ある答弁を求めんとしたのでございますが、御承知のごとく二、三日來、予算委員会の状況はまつたく委員会を開催するのいとまなきがごとき状況で、関係方面との折衝、各政党間における協議等、委員以外の発言を許すほどの間隙がないということで、遺憾ながら今日まで委員長は予算委員会においての発言が不可能になつているのでございます。しかしながら委員長におきましては、予算委員の各委員に対しまして、今日までの当委員会の審査の経過を詳細に報告いたしておりまして、その結果予算委員会といたしましても、本追加予算のうち六十億の災害復旧予算に対しては、すこぶる不満足の意思表明がございまして、目下これを原案通りに確定するか、あるいは修正するかにつきましては、本朝來、いな昨夜來各党間あるいは政府の間において関係方面とも非常な折衝が行われておりまして、いまだ決定に至つておりません。本委員長はこの間に処しまして今回の追加予算に計上せられたる六十億の災害復旧の予算は、國家財政上やむを得ざるものとして一應了承いたしまするが、これをもつてしては、とうてい根本的な災害復旧は不可能であるということを、当委員会の審査の経過にかんがみて明らかにいたしまして、政府当局に重大なる警告を発します。よつて政府当局におきましては先般來の全國にわたる災害に対しまして根本的なる対策を樹立し、十分なる復旧ができるがごとき予算措置をとつて、適当の機会に、たとえば來年度予算等におきましては、國民の納得できるがごとき予算を提出せられんことを、当委員会としては政府に要望するものでございます。
 政府当局におかれまして、本委員会に対しまして、特に官房長官、各大臣、政府委員等、重ね重ね出席せられまして、かなり詳細なる御説明をくださいましたことについては、当委員会として敬意を表します。しかしながら予算の全体、將來の見通し等におきましては、委員会は断じて満足するものではないということを明確にしておく次第でございます。
 それでは委員諸君に申し上げます。第三回國会に引続き第四回國会に至りましても当委員会は、先ほど申し上げたるがごとく、この多忙なる議会の中において、ほとんど連日この委員会を開くがごとき状況でありまして、諸君の熱心なる態度、熱心なる討議に対しましては、委員長は深甚なる敬意を表する次第でございます。しかしながら当委員会はただいま申し上げたごとく満足なる結果を見ずして、第四回國会閉会に直面するという事実は、はなはだ遺憾でございまするが、政府当局の十分なる責任をもつて將來邦家再興のために御健鬪賜わらんことを諸君とともに期待いたしまして、災害地対策特別委員会は終末を告げる次第でございます。
 簡單ながら御挨拶をかねて委員会の総意をここに披瀝した次第でございます。
    午後八時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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