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#1
第004回国会 運輸委員会 第2号
昭和二十三年十二月六日(月曜日)
    午後二時八分開議
 出席委員
   委員長 有田 二郎君
   理事 前田  郁君
     小笠原八十美君   岡村利右衞門君
      小西 寅松君    井谷 正吉君
      境  一雄君    成田 知巳君
      正木  清君    佐伯 宗義君
      志賀健次郎君    橘  直治君
      矢野 政男君    館  俊三君
 出席國務大臣
        運 輸 大 臣 小澤佐重喜君
        労 働 大 臣 増田甲子七君
 出席政府委員
        運輸事務官   小幡  靖君
 委員外の出席者
        專  門  員 岩村  勝君
        專  門  員 堤  正威君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小運送行政に関する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○有田委員長 会議を開きます。
 これより小運送行政の現況について、当局より説明を聽取いたします。
#3
○小幡政府委員 御承知の通り、最近閣議決定によりまして、小運送業の複数制を実施するということに決定をいたしたのでありまするが、大体これが現況について御説明申し上げます。
 もともと小運送業なるものが、荷主、公衆に大きな利害関係があるということは申しまでもなく、またその元になります鉄道自体の運送の面から申し上げまして、鉄道施設を効率的に利用しなければならぬ。あるいはまた計画経済の強力な実施というようないろいろな面から言いまして、これは非常に公共的な性格の強いものでありますので、すでに大正八年の昔からおおむね三十年の期間、この小運送業をどうするかという問題につきまして、いろいろと手を打つて参つたのであります。公認制度から指定店の制度、さらに小運送業法による免許制度、こういつたふうに逐次手を打つて参りまして、今日の情勢になつておるのでありますが、もちろんこういつた免許方針をとつて、さらに一駅一店という方針をとつて参りましたのは、今まで、特に大戰期間中のころにおきましては、非常に意味があつたのでありまして、先ほど申し上げたように、鉄道施設の合理的な利用、あるいはまた計画経済の強力な実施という面におきましては、確かに功續があつたものであるということを確信いたしております。また現在におきましても、この一駅一業者という方針が利点を持つておることは、はつきりとこれを認めるのであります。しかしながら一面におきまして、どうしてもそこに独占の幣と申しますか、いわゆる刺激のないところにおのずから弛緩というものがあり、沈滯固定というものが起つて参るのでありまして、そういう幣が今日において認められないこともないわけであります。從つてつとに小運送業の複数制の実施ということが、各方面から政府に対して盛んに要望があつたわけであります。私どもといたしまして、もちろんかくのごとき大きな根本方針の問題でありますから、小運送業法の改正をまちまして、新しい通運事業法によつてその方針を決定して、この線から進んで参りたいということを念願いたしたのでありますが、各般の事情から通運事業法の実施が延びておりますので、今期國会にはぜひとも出したいと、今のところその準備を急いでおるのでありますが、かりに今期の國会を通過いたしましても、いよいよ実施ということになりますれば、そこに相当の期間を待たなければならぬ。そういうことになると、あの熾烈な國民の要望の実現が相当遅れることになりますので、とりあえず行政措置をもつてこの方向に進んで行つたらどうか。かように考えて先般閣議決定を見たようなわけであります。もちろん私どもは現在の方針の長所も認め、同時にまた短所も認めるという立場にありますから、從つてその両者の長所を生かすという方針のもとに解決をはかつて参りたい、かように考えておるのでありまして、かつてわれわれが苦い経驗をなめました小業乱立といつたような形に再び導くことのないように、そういう点については十分戒愼を加えてやつて参りたい、かように考えておるわけであります。大体それだけのことを御説明申し上げまして、あとは御質問にお答えいたすことにいたします。
#4
○有田委員長 正木委員。
#5
○正木委員 ただいま局長から小運送の現況について御説明があつたのでありますが、基本的なことについては、大臣が出席されましてから大臣との間に質疑を試みてみたいと思うのでありますが、まず事務的な点で局長にお伺いしたいと思いますことは、局長のただいまの御説明によつて、事務的な経過は一應了承できるのでありますが、ただいまの御説明にあります行政措置としての小運送審議会なるものは、閣議で決定されたと申されたのでありますが、一体これは政令に基く審議会なのであるか、この点を一應明確にされたいと思います。
#6
○小幡政府委員 この審議会は、私どもこれを設けますにつきまして、愼重に取扱うという考え方は当然持つておつたのでありまして、一應その構成につきましても、最も民意を代表するという形に持つて行かなければならぬことは当然でありますし……。
#7
○有田委員長 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#8
○有田委員長 速記を始めて。ただいま労働大臣がお見えになりましたので、小運送に関する御当局の説明を一時留保して、正木委員の寒冷地手当等についての発言を許します。正木君。
#9
○正木委員 非常に御多忙のところを労働大臣の御出席を煩わしましたので、私は簡潔に労働大臣にお伺いしたいと思いますが、私の質問に対してはおわせて運輸大臣からも御答弁を賜わりたいと思います。というのは、政府当局が非常に熱意をもつて雪害地蔕における鉄道從業員を初めとする全官公吏に対する石炭手当及び寒冷地手当の予算を組まれたことは、新聞その他で私も承知するばかりでなく、労働大臣等からも直接実は承つておつたわけであります。御承知のように、労働大臣はかつては北海道の長官として北海道地方を特に御承知あらせられるわけでありまして維現在吉海道におけるところの全官公吏の諸君が非常の待望いたしておりますものは、すなわち石炭手当であり、寒冷地手当であるわけであります。幸い政府の努力によりまして、北海道全体の道民に対する石炭の特例價格は本予算案の中に計上されてあるように私は心得ておるのでありますが、全官公吏の職員の石炭手当及び寒冷地手当は今回御提出になられた予算案の中には、不幸にして見つけることができないのであります。もしこの石炭手当及び寒冷地手当が支給されないというような悲境に陥りますならば、運輸当局がどのような熱意をもつて労需物資その他の万般の手配をいたしたといたしましても、当然今年度の輸送計画を完全に実施することは、非常に困難であると考えるばかりでなく、北海道におけるところのその他の全官公吏が非常な生活の脅威から、いろいろのことが予想されますので、政府が從來とり來つた両問題の解決に対する熱意は了とされますけれども、本予算からなぜ除外されたのか、もし除外されたとするならば、他の方法で政府は解決するところの処置を現におとりになられておるのか、この点を明確に御答弁願いたいと思います。
#10
○増田國務大臣 正木委員の御質問は、私きわめて衷心より同感いたすところであります。吉海道その他寒冷地における官公吏諸君が非常な困苦欠乏に耐えておる、ことに俸給、給與等はほかの土地の官公吏とほとんど同樣でありながら、高額の石炭代その他の暖房用の支出をしなくてはならないということは、衷心より同情にたえない次第でございまして、たしか二十一年の暮、私の北海道におりましたときに、ときの政府が寒冷地手当を出してくれたということが濫觴になつていると思うのでありまして、その後去年も出たはずであります。今年の分につきましては、われわれ努力はいたしましたが、御承知のような結果になつておりますけれども、その詳細につきましては、祕密会等でないと申し上げかねるのでございまして、この程度で御了承願いたいと存じます。
#11
○正木委員 本日でなくても、委員長のとりはからいによつて、祕密会等において御経過を承りたいと存じますが、重ねて一言お伺いしたいのは、政府としてはこの両問題を解決するという御信念のもとに、各般の処置をとられているのかどうか、この点だけをお伺いしたいと思います。
#12
○増田國務大臣 その方向に向つて極力努力中でございます。
#13
○正木委員 運輸大臣にお伺いいたしまするが、過日の委員会においても、私は賃金ベースと関連して運輸大臣にもこの点ただしたのでありましたが、運輸大臣としてこれらの問題の解決のために、当然今日まで非常な御努力を賜わつたと思うのでありますが、主管大臣としての、この問題に対する御熱意並びに見通し等について御所見を承りたいと思います。
#14
○有田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#15
○有田委員長 速記を始めてください。
#16
○正木委員 委員長にお願いいたしたいことは、石炭手当の問題、寒冷地手当の問題は、政府当局においても非常な熱意を持つておられますことは、私も了承いたしたのでありますが、ひとつ適当なときに、委員長のおとりはからいによつて、当委員会の祕密会を開いていただきたいと思います。
#17
○有田委員長 正木委員の仰せの通り、委員長としては近い日において、祕密会を開くようにとりはからいたいと思います。
#18
○正木委員 先ほどの私の、小運送審議会という機関は、閣議に基くところの政令的処置であるかという質問に対して、局長から御答弁があつたのでありますが、その答弁それ自体が、私は非常なことではないかと思います。私自身ひそかに考えておつた心配の点を、局長から明確に御答弁になつたわけであります。というのは、この審議会というものが実質的にはすなわち政令と同じような意味を持つものであり、法律によつて規定されたと同樣な効力を持つところの審議機関であるにかかわらず、同じその筋に交渉いたします場合には、運輸省関係のその筋とのみの折衝であつて、別個の折衝を試みておらないということなのです。この点でなぜ私申し上げるかというと、これは政府当局もすでに十分おわかりでありまするように、國家行政組織法というのは四月一日から実施を見ることになつておる。その第八條にはこのことが実はきちんと明記されておるのであります。ということは、運輸大臣も十分に御承知であるわけでありますが、敗戰後の三箇年の間において政府がとつてまいりました何々委員会、何々審議会というものは、行政措置としては違法行為ではないけれども、当然民主的な方向のあり方としては、それは立法的処置を経た上でなさなければいけない。これはその筋の非常に強い意見であつて、この四月一日から実施を見ようとするところの、この國家行政組織法の第八條には、かように明確に規定されてあるのであります。私申し上げる必要はないと思うのでありまするが、「第三條の各行政機関には、前條の内部部局の外、法律の定める所掌事務の範囲で、特に必要がある場合においては、法律の定めるところにより、審議会又は協議会(諮問的又は調査的なもの等第三條に規定する委員会以外のものを云う。)」というように明確に規定されておる。これが國家行政組織法の審議会または委員会に対する精神です。しかも局長が言われるように、いろいろの困難なその筋との折衝はございましようが、すでに運輸当局としては案ができておらないのではない。できておる。すでに通運事業法という一つの案ができておつてどんな困難があろうともこの通常國会には出す意重がすでにある。この通運事業法の中の一番生命とするところは、しからば何であるかと言えば、この民主的な審議機関であります。通運事業法というものを私は詳細に知る由もありませんけれども、一体通運事業法の最もかわるところは何であるかというと、昭和十二年に発令された小運送業法と一体どこが違うのだと言えば、この民主化された委員会を、この法律に盛つたというところに、大きな違いがあろうかと思うのであります。こうした國家行政組織法の法律の精神を無視とは申しませんけれども、この方針を閣議で決定はしたが、政府では政令を出さない。その出さない理由は何だというと、出し得ないのです。ということは國家行政組織法の精神と相まつて、その筋ではそういうことをするなと言つておる。これはおそらく運輸大臣もそうした傾向は御承知であられようと思うのです。では一体大臣が行政処置としておやりになつたこの小運送審議会というものの規定を、私ども拜見いたしますと、これは非常に大きなことを大臣に答申するところの強力なる権限を持つている。局長から言わせれば、先ほどの答弁のように通運事業法が國会にかかつて、國会が通過した後でも、この委員会の答申に應じてとられた行政的処置は、責任と信頼のもとにするのだということを言われておりまするが、さような言葉は愼しむべきではないか。通運事業法というものは今國会に出るのか、來議会に出るのか、全然見通しがつかない、しかし現在の小運送業界をこのまま放任しておくわけには行かない。だから大臣の権限に基くところの行政処置をとるのだと言うならば、話はわかるのであるけれども、そうではないのですか。私はこの点をひとつ明確にしておかなければならぬと思いますので、お尋ねいたした次第でありますが、これに対する御所見を承りたいと思います。
#19
○小幡政府委員 お話の趣旨はよく了承できる次第であります。先ほど申し上げましたように、今期の國会にぜひとも出したいという熱意を私どもは持つてやつているのでありまするが、実はこの小運送業法の改正問題は、もうすでに第一國会のときから問題になつておつたのでございまして、今日までそれが延びて参つたということは、その間非常にむずかしいいろいろな問題があるという点はおわかりになろうかと思うのでありまして、從つて私どもとしては、いつまでもこれを遷延するということは、まことに相済まぬという事務当局の氣持もありまして、ぜひとも早く解決したいという考え方は、現在でももちろん持つているのでありまするが、今申し上げたように相当なやはり困難が伴う。かりに今期の國会にこれがかかるといたしましても、結局その実現というのには、おそらくこの秋までぐらいには実現はできないということになろうかと思うのでありまして、この点は結局そうなると、それまで一体待てぬのかという問題になつて來るわけでありまして、その点あるいは正木委員と見解の相違があるのかもわかりませんが、私が今まで了解しておる限りにおきましては、第一國会のときから早くやれ。第二國会のときにこの委員会の席上で私にも質問がありました。そのときにもなるべく早く出そうということで、ただいま一生懸命精を出しているのだが、どうしてもこれがうまく行かぬ。第二國会にはむずかしそうだという見当がついているので、せめて國民の熾烈なる要望にこたえて、小運送の特殊性という問題だけは、この通運事業法の改正を待たぬでも、ぜひやりたいと思うということを私御答弁を申し上げたのであります。そういうように結局そこまで待てぬのかどうかという点が、見解が違つていると思うのでありまして、私どもとしてはさらに今期國会を通つても、なお実施までには悪くすると小一年遅れるというような形になることをおそれて、一日も早くやるべきだ、かように考えた結果、その点少し見解の相違はあるかと思いますが、特に待ち得ないという見解のもとに、早急実施という取運びにいたしたわけであります。
#20
○有田委員長 速記をとめて……。
    〔速記中止〕
#21
○有田委員長 速記を始めてください。
#22
○正木委員 小運送審議会の持ちまするその性格権限、責任というものは、非常に重大なものであると本員は考えます。從つて行政的措置としておとりになられる場合においては、当然政令を公布し、その政令の基礎の上に立つて委員の任命がなされることが、私は基礎的條件でなければならないと考えます。しかしこの政令を公布して、かような権限を持ちまするところの委員を任命するということは、來年の四月一日から実施を見る國家行政組織法の第八條の精神に相反するものである。私はかように考えております。從つて今回とられた運輸当局の行政措置を違法だと考えませんが、少くともかような委員会をおつくりになられるような場合、しかも委員を発令されるような場合には、当然通運事業法を出すと政府は言明いたしておるのでありまするから、その精神に基いて当委員会と十分に連絡をとり、当委員会と十分に話をした上において、行政的措置をとられることが、最も妥当なりと考えられまするが、一体当局はどのように考えておられるか、その点の御所見を承りたいと思います。
#23
○小幡政府委員 先ほど申し上げましたように、この点新たな通信事業法の改正によりまして、その面からこれに根拠を持つたものでやつて行く、この範囲からはるかに出るようなことは絶対避けて、その範囲の中のごく内輪のところでやつて行つて、必ず將來政令と抵触することのないようにという考慮を拂つてやつて行つた関係上、おそらくあとに問題を残すことのないような前提で、今度のような措置をとつたわけでありますが、この点正木委員の御見解ごもつともでありまして、今後そういう点については十分御連絡をとつた上でやつて参ることにいたしたいと思います。
#24
○有田委員長 本会議が始まりましたので、本日はこの程度で終了いたしまして、次会は明七日午後一時より開会して小運送問題を続行いたしたいと思います。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後三時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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