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1959/06/23 第32回国会 参議院 参議院会議録情報 第032回国会 本会議 第2号
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1959/06/23 第32回国会 参議院

参議院会議録情報 第032回国会 本会議 第2号

#1
第032回国会 本会議 第2号
昭和三十四年六月二十三日(火曜日)
   午後零時三十七分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
  昭和三十四年六月二十三日
   午前十時開議
 第一 議長の選挙
 第二 議席の指定
 第三 常任委員の選任
 第四 常任委員長の選挙
 第五 会期の件
    ━━━━━━━━━━━━━
#3
○副議長(平井太郎君) 参事に報告させます。
   〔参事朗読〕
本日議員佐多忠隆君外六名から委員会審査省略の要求書を附して左の議案を提出した。
 正副議長の党籍離脱に関する決議案
    ―――――――――――――
#4
○副議長(平井太郎君) その他諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#5
○副議長(平井太郎君) これより本日の会議を開きます。
 お諮りいたします。
 佐多忠隆君外六名の発議にかかる正副議長の党籍離脱に関する決議案の委員会審査を省略し、日程に追加して、これを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○副議長(平井太郎君) 御異議ないと認めます。よって正副議長の党籍離脱に関する決議案(佐多忠隆君外六名発議)を議題といたします。
 まず発議者の趣旨説明を求めます。佐多忠隆君。
    ―――――――――――――
   〔佐多忠隆君登壇、拍手〕
#7
○佐多忠隆君 私は、日本社会党、緑風会、無所属クラブを代表して、正副議長の党籍離脱に関する決議案の趣旨を説明いたします。
 まず最初に決議案を朗読いたします。
  正副議長の党籍離脱に関する決議案
  参議院の正副議長は、院の公正な運営を期するため、党籍を離脱すべきである。
  右決議する。
    理 由
 参議院議長及び副議長は、院の最高の責任者にして、其の言動は公平無私、いやしくも一党一派の制約をうけてはならない。ここに、党籍を離脱して院の運営についての絶対中正を期すべきである。
 これが決議案提出の理由であります。
 輝かしい希望をもって初めて出席された新議員諸君を迎えて開かれました第三十二臨時国会は、議長、副議長の選任について紛糾をしております。冒頭から自民党と自民党を除く全会派とが正面衝突をし、召集日の初日一日を空費し、しかも本日、本国会の冒頭にこのような決議案を提出せざるを得なくなったことを、われわれはまことに遺憾に存ずるものであります。(拍手)これまでの国会運営の経験、特に良識の府たるべき参議院のあり方、世論の動向など、いずれの角度からみても、国会、特に参議院の正副議長は党籍を離脱すべきことは、今や当然自明のこととなって参りました。それなのに、今さらのようにこれをここに問題とすること自体が奇怪千万と言わざるを得ません。その自明のことを自民党に要求をし、その理をあらためて説明しなければならない情なさ、諸君は必ずやこの私に同情して下さると思います。(拍手)
 すでに戦前の帝国議会においてすら、衆議院では、大正十四年、第五十回議会の粕谷義三議長、小泉又次郎副議長を最初の例として、以後正副議長は党籍を離脱することが普通となりました。議長、副議長は、憲政治下における最も名誉ある、かつ権威ある地位である。同時に公平無私の態度でその職に当らなければならない。もとより議長たる者はだれしも公正たらんと努めてはいるが、党籍を持って党の本部に出入り上、また党の役員として大小の党務に参与すれば、公正たらんと欲しても知らず知らずの間に公正を欠くおそれがある。よって、議長、副議長たる以上は、よろしく党籍を離脱すべし。このような理由から党籍離脱が行われたと、当時の記録は書き残しております。諸君、自民党の諸君、特に松野鶴平君、この歴史を静かに回顧し、深く思いをしずめていただきたい。
 戦後の新憲法下の民主国会では、この問題は特に重要であります。なるほど衆議院では、第十六回特別国会の堤、原、正副議長、現在の加藤、正木、正副議長が党籍を離脱しただけであります。しかし、国会の運営を民主化し、円滑にするために、少くとも一党独占を避けて、与野党に配分をする努力がなされて参りました。その好ましい慣例を自民党が強引に破って、昭和三十三年、第二十九回国会で、星島、椎熊、正副議長ができたとき、一党独占の弊がその極に達しました。警職法改正案をめぐる混乱が起り、衆議院はその機能を全く失いました。それに対する深い反省から正副議長の党籍離脱が行われて、現在に至っております。
 わが参議院では、なるほど議長、副議長の党籍離脱こそ行われていませんが、第一回以来昭和三十一年の第二十四国会まで、引き続き一党独占はずっと避けて参りました。しかるに、その後は、松野議長、寺尾副議長によって、この良識の府としてのよき慣例が破られてしまって、一党独占が行われました。果せるかな、その直後、松野議長は自民党の指令に基いて、この議場に警察官を導入し、神聖なるべきこの演壇を彼らのどろぐつで踏みにじらせ、わが日本の憲政史上にぬぐうべからざる汚点を残しました。(捕手)この一党独占の弊きわまれる事態を深く反省して、第二十五回国会では、社会党、緑風会その他から、松野議長、寺尾副議長の党籍離脱が強く要求されました。わが党は議院運営委員会において、藤田、阿具根、戸叶等の諸君が品をきわめてこれを要求いたしました。たとえば藤田君は、昭和三十一年十一月十三百、第二十五回国会参議院議院運営委員会において、「過般来、特に緑風会、社会会党その他において、二十四国会の反省から、やはり議長、副議長は少くとも党籍を離脱すべきであるという結論に到達いたしております。二十四国会の実情をいろいろ横付してみるときに、おそらく当時の松野議長、それから寺尾副議長、これが未曾有のああいった事態をみずから指令し、内閣に要請するということは、決して快しとしなかったであろう。しかし自由民主党、こういう党の鉄の団結、鉄の指令の中にあるという現実は、あるときは岸幹事長が、あるときは国会対策委員長がというふうに、参議院の議長、副議長にある種のものを促して、かなり強い要請、要求をしてきた。やはりこの際は、少くとも正副議長に関する限り党籍を離脱して、党規、党の綱領、党の政策、党のそれぞれの決議、方針、こういうものの外にあって、全く自由な立場で議長は院の運営に当り、院の代表につくべきである。」、こう申し述べております。阿具根登君、戸叶君も同じ趣旨を繰り返し、議長、副議長を追及しております。現在は自由民主党に属しておられますが、その当時緑風会に属して、議院運営委員として非常に活躍しておられた某々氏等も、同じ主張を繰し返し強硬に主張をしておられます。よもやお忘れにはなっておらないでありましょう。私はその名前を具体的に言うことに忍びませんから申しません。これに対して松野議長は、「私の信念は、政党人としてあくまでも党にとどまる。党籍を持っていても議長として公平無私にやれるし、やるべく決意している」とて党籍離脱に頑強に反対し続けてこられました。ところが、そのために、松野議長就任以来、与野党の紛争はいよいよ激しくなり、強引なる中間報告がしばしば行われるようになりました。前国会のごときは、一会期中に二回もこれが行われました。そして前国会の終末には、松野議長が本会議場で最後の告別の辞すら述べられずに、混乱のまま閉会という醜態を演じたのであります。この紛争は、選挙後新たに構成される今回の国会にまで引き続いて、世のひんしゅくを買っております。われわれも、もちろん反省自粛をいたしますが、自民党の諸君は、特に松野氏は、反省自粛して、その頑迷な態度を改めてはどうですか。自民党幹部は、松野氏がすなおに党籍を離脱して、再び議長におさまってくれれば問題はないのだが、というのがその本音のようだと伝えられている昨今であります。参議院の正副議長は、院の最高の責任者で、外に対しては参議院を代表し、また、内にあっては院内の審議を円滑に進行させ、各党派の主張を公平にさばく強い権限を持った権威ある地位であります。政府の代弁者であったり、一党一派の代表であってはなりません。絶対中立を期すべきであります。これはむしろ国民の常識であります。この常識に従えば、現段階においては、正副議長がまず党籍を離脱し、公平無私の基本的態度を身をもって実証することが必要であります。正副議長の党籍離脱は、この際ぜひ実現をすべきであります。
 昨年、自民、社会両党による国会正常化の約束によって、すでに衆議院でこれが実現をしているのに、良識を要望される参議院で、正副議長が党籍を持ったままでよいはずがありましょうか。議長の権威を高め、その公平無私の地位を確立するために、これこそわれわれが今なすべき最小限度のことであります。参議院の現状、参議院の自主性を口実に、党籍離脱を拒否する態度は、牽強付会もはなはだしいものであります。参議院の長い慣行、慣例から見れば、すでに述べたように、現状がむしろ不合理な変則であり、従ってこれは改められなければなりません。悪い現状を合理化するために参議院の自主性が使われては、自主性たるもの泣くに泣かれない思いでありましょう。(拍手)昨今のように、自民党が過半数獲得の魔力に取りつかれて、再び高姿勢でわれわれに臨むならば、政争はいたずらに激化し、その災いがひどくなることは必至であります。二大政党対立の現実のもとに、なお、それから生ずる災いを避け、参議院をもって良識の府へ高める当面の道は、まず正副議長の党籍離脱以外にはありません。
 私はここに、繰り返し、しかも執拗にこれを要求いたします。自民党をも含めて全会派の諸君が、欣然として全会一致御賛成あらんことを切望いたします。(拍手)
#8
○副議長(平井太郎君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。高瀬荘太郎君。
   〔高瀬荘太郎君登壇、拍手〕
#9
○高瀬荘太郎君 私は、ただいま上程されております参議院議長、副議長の離党に関する決議案につきまして、賛成の討論をいたしたいと思います。(拍手)なぜ賛成するかという理由につきまして、きわめて簡単明瞭に申し上げたいと思います。
 議長は、国会運営を公正にするという立場から、不偏不党の立場を堅持しなければならないことは当然のことであります。こういう議長の中立性を十分に確保するためには、議長は進んで党籍を離脱すべきであると考えます。各国の議事規則を見ましても、そういう議長の中立性確保につきまして非常に厳格な議事規則をきめておりますところもたくさんにあります。またイギリスのように、党籍離脱の慣行が古くから確立しております国もあります。また、わが国におきましても、ただいま提案者から御説明のありましたように、旧憲法時代、大正十四年三月、第五十回帝国議会におきまして、衆議院議長粕谷義三氏、副議長小泉又次郎氏、この両氏が党籍を離脱いたしまして、それ以来、おおむね正副議長は党籍を離れる慣行が長く続いておりました。また昭和二十八年五月、第十六回国会におきまして、堤康次郎氏、原彪氏、この両氏がそれぞれ改進党及び社会党から党籍を離脱した実例もあります。なお最近におきましては、第三十回国会の混乱収拾に当りまして、両党首会談が行われ、議長の高い地位と不偏の立場を確立するために、衆議院の正副議長は党籍を離脱すべきことをきめられまして、すでにこれが実行されております。この両党首の会談は、もちろん直接には衆議院に関する問題でありますが、当然、参議院にも当てはまるべき事柄であります。
 これにつきまして、本年三月三十日、参議院の予算委員会におきまして、緑風会の森議員が質問いたしましたが、それに対して岸首相は、「私自身、正副議長の党籍離脱の問題は、参議院においてもその方向に持っていきたいと考えており、その趣旨が実現されるよう参議院自民党のそれぞれの機関に諮っている。しかし、いまだその結論には到達していないが、今後も努力を続けて結論を得たいと考えている。」、こう答弁をされております。これによって見ますと、岸首相も、参議院における議長、副議長の党籍離脱に、はっきりと賛意を表していると言ってよいと思います。従いまして、この際、参議院自民党の各位には、こういう岸総裁の見解を十分に尊重をされまして、この決議案に賛成されることを希望する次第であります。
 以上の理由から、この機会に、本院の正副議長は党籍を離脱するという慣行を確立することが、国会運営を正常化するため、また衆議院に対する抑制補完の参議院の機能を全うするために最も必要であります。
 以上がこの決議案に対する賛成の理由であります。(拍手)
#10
○副議長(平井太郎君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより本案の採決をいたします。表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は有色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#11
○副議長(平井太郎君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#12
○副議長(平井太郎君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#13
○副議長(平井太郎君) 投票の結果を一報告いたします。
  投票総数 二百三十二票
  白色票     百五票
  青色票   百二十七票
 よって正副議長の党籍離脱に関する決議案は否決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
 賛成者(白色票)氏名   百五名
   佐藤 尚武君  石田 次男君
   牛田  寛君  市川 房枝君
   柏原 ヤス君  小平 芳平君
   須藤 五郎君  野坂 参三君
   岩間 正男君  加賀山之雄君
   原島 宏治君  森 八三一君
   前田 久吉君  中尾 辰義君
   白木義一郎君  奥 むめお君
   常岡 一郎君  北條 雋八君
   辻  武壽君  高瀬荘太郎君
   杉山 昌作君  天坊 裕彦君
   大竹平八郎君  村上 義一君
   石黒 忠篤君  竹中 恒夫君
   辻  政信君  千田  正君
   大森 創造君  永末 英一君
   豊瀬 禎一君  鶴園 哲夫君
   千葉千代世君  山本伊三郎君
   武内 五郎君  基  政七君
   鈴木  強君  坂本  昭君
   相澤 重明君  松永 忠二君
   木下 友敬君  平林  剛君
   秋山 長造君  久保  等君
   岡  三郎君  大倉 精一君
   松澤 兼人君  山口 重彦君
   片岡 文重君  高田なほ子君
   東   隆君  小林 孝平君
   野溝  勝君  清澤 俊英君
   棚橋 小虎君  藤田藤太郎君
   中村 正雄君  野上  元君
   米田  勲君  向井 長年君
   中村 順造君  安田 敏雄君
   田上 松衞君  小柳  勇君
   大矢  正君  森中 守義君
   北村  暢君  横川 正市君
   占部 秀男君  森 元治郎君
   鈴木  壽君  光村 甚助君
   大河原一次君  伊藤 顕道君
   田畑 金光君  永岡 光治君
   藤田  進君  亀田 得治君
   加瀬  完君  阿具根 登君
   大和 与一君  近藤 信一君
   矢嶋 三義君  相馬 助治君
  成瀬 幡治君  小笠原二三男君
   江田 三郎君  中田 吉雄君
   天田 勝正君  小酒井義男君
   阿部 竹松君  荒木正三郎君
   松浦 清一君  木村禧八郎君
   田中  一君  藤原 道子君
   佐多 忠隆君  椿  繁夫君
   吉田 法晴君  栗山 良夫君
   羽生 三七君  千葉  信君
   内村 清次君  山田 節男君
   赤松 常子君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名百二十七名
   手島  栄君  鈴木 万平君
   安部 清美君  野本 品吉君
   三木與吉郎君  秋山俊一郎君
   上原 正吉君  苫米地英俊君
   岩沢 忠恭君  大谷 瑩潤君
   近藤 鶴代君  太田 正孝君
   笹森 順造君  黒川 武雄君
   泉山 三六君  杉原 荒太君
   山本  杉君  谷村 貞治君
   天埜 良吉君  米田 正文君
   鮎川金次郎君  谷口 慶吉君
   村山 道雄君  小幡 治和君
   鳥畠徳次郎君  田中 清一君
   村上 春藏君  仲原 善一君
   西田 信一君  松村 秀逸君
   青田源太郎君  松野 孝一君
   大谷藤之助君  稲浦 鹿藏君
   佐藤 芳男君  吉江 勝保君
   江藤  智君  柴田  栄君
   増原 恵吉君  岡崎 真一君
   古池 信三君  武藤 常介君
   田中 啓一君  松平 勇雄君
   山本 米治君  小林 武治君
   田中 茂穂君  館  哲二君
   村松 久義君  堀  末治君
   藤野 繁雄君  杉浦 武雄君
   西川甚五郎君  迫水 久常君
   高橋進太郎君  吉武 恵市君
   下條 康麿君  林屋亀次郎君
   小林 英三君  寺尾  豊君
  大野木秀次郎君  草葉 隆圓君
   松野 鶴平君  鍋島 直紹君
   徳永 正利君  北畠 教真君
   鹿島 俊雄君  大沢 雄一君
   下村  定君  櫻井 志郎君
   櫻井 三郎君  宮澤 喜一君
   金丸 冨夫君  堀本 宜実君
   二見 甚郷君  前田佳都男君
   井川 伊平君  石谷 憲男君
   植垣弥一郎君  中野 文門君
   塩見 俊二君  平島 敏夫君
   勝俣  稔君  山本 利壽君
   鈴木 恭一君  河野 謙三君
   最上 英子君  佐野  廣君
   小沢久太郎君  剱木 亨弘君
   青柳 秀夫君  井上 清一君
   加藤 武徳君  大谷 贇雄君
   重政 庸徳君  安井  謙君
   斎藤  昇君  小柳 牧衞君
   谷口弥三郎君  新谷寅三郎君
   西郷吉之助君  木内 四郎君
   紅露 みつ君  野村吉三郎君
   堀木 鎌三君  重宗 雄三君
   郡  祐一君  一松 定吉君
   鹿島守之助君  木村篤太郎君
   津島 壽一君  伊能繁次郎君
   横山 フク君  川上 為治君
   大川 光三君  岡村文四郎君
   上林 忠次君  高野 一夫君
   高橋  衛君  梶原 茂嘉君
   小山邦太郎君  木暮武太夫君
   石原幹市郎君  野田 俊作君
   湯澤三千男君  井野 碩哉君
   植竹 春彦君
     ―――――・―――――
#14
○副議長(平井太郎君) 日程第一、議長の選挙を行います。
 投票は無名投票でございます。議席に配付してございます白色の無名投票用紙に被選挙人の氏名を記入して、白色の木札の名刺とともに、御登壇の上、御投票を願います。氏名点呼を行います。
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#15
○副議長(平井太郎君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#16
○副議長(平井太郎君) これより開票いたします。投票を参事に点検させます。
   〔参事投票及び名刺を計算、投票を点検〕
#17
○副議長(平井太郎君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数 二百三十二票
 名刺の数もこれと符合いたしております。本投票の過半数は百十七票でございます。
  松野 鶴平君 百二十五票
   〔拍手〕
  石黒 忠篤君   百四票
   〔拍手〕
  羽生三七君     一票
   〔拍手〕
  無効        一票
  白票        一票
 よって松野鶴平君が議長に当選せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
 議長選挙投票者氏名
   佐藤 尚武君  石田 次男君
   牛田  寛君  市川 房枝君
   柏原 ヤス君  小平 芳平君
   須藤 五郎君  野坂 参三君
   岩間 正男君  加賀山之雄君
   原島 宏治君  森 八三一君
   前田 久吉君  中尾 辰義君
   白木義一郎君  手島  栄君
   鈴木 万平君  安部 清美君
   奥 むめお君  常岡 一郎君
   北條 雋八君  辻  武壽君
   野本 品吉君  三木與吉郎君
   秋山俊一郎君  上原 正吉君
   高瀬荘太郎君  杉山 昌作君
   天坊 裕彦君  大竹平八郎君
   苫米地英俊君  岩沢 忠恭君
   大谷 瑩潤君  近藤 鶴代君
   村上 義一君  石黒 忠篤君
   竹中 恒夫君  辻  政信君
   千田  正君  太田 正孝君
   笹森 順造君  黒川 武雄君
   泉山 三六君  杉原 荒太君
   山本  杉君  谷村 貞治君
   天埜 良吉君  米田 正文君
   鮎川金次郎君  谷口 慶吉君
   村山 道雄君  小幡 治和君
   鳥畠徳次郎君  田中 清一君
   村上 春藏君  仲原 善一君
   西田 信一君  松村 秀逸君
   青田源太郎君  松野 孝一君
   大谷藤之助君  稲浦 鹿藏君
   佐藤 芳男君  吉江 勝保君
   江藤  智君  柴田  栄君
   増原 恵吉君  岡崎 真一君
   古池 信三君  武藤 常介君
   田中 啓一君  松平 勇雄君
   山本 米治君  小林 武治君
   田中 茂穂君  館  哲二君
   村松 久義君  堀  末治君
   藤野 繁雄君  杉浦 武雄君
   西川甚五郎君  迫水 久常君
   高橋進太郎君  吉武 恵市君
   下條 康麿君  林屋亀次郎君
   小林 英三君  寺尾  豊君
  大野木秀次郎君  草葉 隆圓君
   松野 鶴平君  鍋島 直紹君
   徳永 正利君  北畠 教真君
   鹿島 俊雄君  大沢 雄一君
   下村  定君  櫻井 志郎君
   櫻井 三郎君  宮澤 喜一君
   金丸 冨夫君  堀本 宜実君
   二見 甚郷君  前田佳都男君
   井川 伊平君  石谷 憲男君
   植垣弥一郎君  中野 文門君
   塩見 俊二君  平島 敏夫君
   勝俣  稔君  山本 利壽君
   鈴木 恭一君  河野 謙三君
   最上 英子君  佐野  廣君
   小沢久太郎君  剱木 亨弘君
   青柳 秀夫君  井上 清一君
   加藤 武徳君  大谷 贇雄君
   重政 庸徳君  安井  謙君
   斎藤  昇君  小柳 牧衞君
   谷口弥三郎君  新谷寅三郎君
   西郷吉之助君  木内 四郎君
   紅露 みつ君  野村吉三郎君
   堀木 鎌三君  重宗 雄三君
   郡  祐一君  一松 定吉君
   鹿島守之助君  木村篤太郎君
   津島 壽一君  伊能繁次郎君
   大森 創造君  永末 英一君
   豊瀬 禎一君  鶴園 哲夫君
   千葉千代世君  山本伊三郎君
   武内 五郎君  基  政七君
   横山 フク君  川上 為治君
   鈴木  強君  坂本  昭君
   相澤 重明君  松永 忠二君
   大川 光三君  岡村文四郎君
   上林 忠次君  木下 友敬君
   平林  剛君  秋山 長造君
   久保  等君  岡  三郎君
   高野 一夫君  高橋  衛君
   梶原 茂嘉君  大倉 精一君
   松澤 兼人君  山口 重彦君
   片岡 文重君  小山邦太郎君
   木暮武太夫君  石原幹市郎君
   高田なほ子君  東   隆君
   小林 孝平君  野田 俊作君
   湯澤三千男君  井野 碩哉君
   植竹 春彦君  野溝  勝君
   清澤 俊英君  棚橋 小虎君
   藤田藤太郎君  中村 正雄君
   野上  元君  米田  勲君
   向井 長年君  中村 順造君
   安田 敏雄君  田上 松衞君
   小柳  勇君  大矢  正君
   森中 守義君  北村  暢君
   横川 正市君  占部 秀男君
   森 元治郎君  鈴木  壽君
   光村 甚助君  大河原一次君
   伊藤 顕道君  田畑 金光君
   永岡 光治君  藤田  進君
   亀田 得治君  加瀬  完君
   阿具根 登君  大和 与一君
   近藤 信一君  矢嶋 三義君
   相馬 助治君  成瀬 幡治君
  小笠原二三男君  江田 三郎君
   中田 吉雄君  天田 勝正君
   小酒井義男君  阿部 竹松君
   荒木正三郎君  松浦 清一君
   木村禧八郎君  田中  一君
   藤原 道子君  佐多 忠隆君
   椿  繁夫君  吉田 法晴君
   栗山 良夫君  羽生 三七君
   千葉  信君  内村 清次君
   山田 節男君  赤松 常子君
     ―――――・―――――
#18
○副議長(平井太郎君) ただいま議長に当選されました松野鶴平君を御紹介いたします。
   〔参事議長松野鶴平君を演壇に導く〕
   [拍手]
#19
○松野鶴平君 ただいま本院議長に当選いたしましたことは、私の最も光栄と存ずるところであります。本院議長の職責の重かつ人なることはよく承知いたしております。誠心誠意、あやまちなく使命を果したい所存でございます。つきましては、諸君の一そうの御援助と御鞭撻を心からお願い申し上げます。
 これをもってごあいさつといたします。(拍手)
   〔副議長退席、議長松野鶴平君議長席に着く〕
     ―――――・―――――
#20
○議長(松野鶴平君) 日程第二、議席の指定。
 議長は、本院規則第十四条により、諸君の議席をただいま御着席の通り指定いたします。幸
     ―――――・―――――
#21
○議長(松野鶴平君) ただいま副議長平井太郎君から辞任願が提出されました。
 この際、副議長辞任の件についてお諮りいたします。
 辞表を参事に朗読させます。
   〔参事朗読〕
 先般の通常選挙により参議院は議員の半数が改選された。よって改選後初の国会が召集された。この機会に参議院副議長を辞任いたしたい。
 右御願いする。
  昭和三十四年六月二十三日
       参議院副議長 平井 太郎
   参議院議長松野鶴平殿
#22
○議長(松野鶴平君) 副議長の辞任を許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#24
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、副議長の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 投票は無名投票でございます。議席に配付してございます白色の無名投票用紙に被選挙人の氏名を記入して白紙の木札の名刺とともに、御登壇の上、御投票を願います。氏名点呼を行います。
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#26
○議長(松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#27
○議長(松野鶴平君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。
   〔参事投票及び名刺を計算、投票を点検〕
#28
○議長(松野鶴平君) 投票の結果を執行いたします。
  投票総数 二百三十五票
 名刺の数もこれと符合いたしております。本投票の過半数は百十八票でございます。
  平井 太郎君 百二十八栗
   〔拍手〕
  羽生 三七君   百五票
   〔拍手〕
  千田  正君    二票
 よって平井太郎君が副議長に当選せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
 副議長選挙投票者氏名
   佐藤 尚武君  石田 次男君
   牛田  寛君  市川 房枝君
   柏原 ヤス君  小平 芳平君
   須藤 五郎君  野坂 参三君
   岩岡 正男君  加賀山之雄君
   原島 宏治君  森 八三一君
   中尾 辰義君  白木義一郎君
   手島  栄君  鈴木 万平君
   安部 清美君  奥 むめお君
   常岡 一郎君  北條 雋八君
   辻  武壽君  野本 品吉君
   三木與吉郎君  秋山俊一郎君
   上原 正吉君  高瀬荘太郎君
   杉山 昌作君  天坊 裕彦君
   大竹平八郎君  苫米地英俊君
   岩沢 忠恭君  大谷 瑩潤君
   近藤 鶴代君  村上 義一君
   石黒 忠篤君  竹中 恒夫君
   辻  政信君  千田  正君
   太田 正孝君  笹森 順之君
   黒川 武雄君  泉山 三六君
   杉原 荒太君  山本  杉若
   谷村 貞治君  天埜 良吉君
   米田 正文君  鮎川金次郎君
   谷口 慶吉君  村山 道雄君
   小幡 治和君  鳥畠徳次郎君
   田中 清一君  村上 春藏君
   仲原 善一君  西田 信一君
   松村 秀逸君  青田源太郎君
   松野 孝一君  大谷藤之助君
   稲浦 鹿藏君  佐藤 芳男君
   吉江 勝保君  江藤  智君
   柴田  栄君  増原 恵吉君
   岡崎 真一君  古池 信三君
   武藤 常介君  田中 啓一君
   松平 勇雄君  山本 米治君
   小林 武治君  田中 茂穂君
   館  哲二君  村松 久義君
   堀  末治君  藤野 繁雄君
   杉浦 武雄君  西川甚五郎君
   迫水 久常君  高橋進太郎君
   吉武 恵市君  下條 康麿君
   林屋亀次郎君  小林 英三君
  寺尾  豊君  大野木秀次郎君
   草葉 隆圓君  平井 太郎君
   鍋島 直紹君  徳永 正利君
   北畠 教真君  鹿島 俊雄君
   大沢 雄一君  下村  定君
   櫻井 志郎君  櫻井 三郎君
   宮澤 喜一君  金丸 冨夫君
   堀本 宜実君  二見 甚郷君
   前田佳都男君  井川 伊平君
   石谷 憲男君  植垣弥一郎君
   中野 文門君  塩見 俊二君
   平鳥 敏夫君  勝俣  稔君
   山木 利寿君  鈴木 恭一君
   河野 謙三君  最上 英子君
   佐野  廣君  小沢久太郎君
   剱木 亨弘君  青柳 秀夫君
   井上 清一君  加藤 武徳君
   大谷 贇雄君  重政 庸徳君
   安井  謙君  斎藤  昇君
   小柳 牧衞君  谷口弥三郎君
   新谷寅三郎君  西郷吉之助君
   木内 四郎君  紅露 みつ君
   野村吉三郎君  堀木 鎌三君
   重宗 雄三君  郡  祐一君
   一松 定吉君  青木 一男君
   鹿島守之助君  木村篤太郎君
   津島 壽一君  伊能繁次郎君
   大森 創造君  永末 英一君
   豊瀬 禎一君  鶴園 哲夫君
   千葉千代世君  山本伊三郎君
   武内 五郎君  基  政七君
   横山 フク君  川上 為治君
   鈴木  強君  坂本  昭君
   相澤 重明君  松永 忠二君
   大川 光三君  岡村文四郎君
   上林 忠次君  木下 友敬君
   平林  剛君  秋山 長造君
   久保  等君  岡  三郎君
   高野 一夫君  高橋  衞君
   梶原 茂嘉君  大倉 精一君
   戸叶  武君  松澤 兼人君
   山口 重彦君  片岡 文重君
   小山邦太郎君  木暮武太夫君
   石原幹市郎君  高田なほ子君
   東   隆君  小林 孝平君
   野田 俊作君  湯澤三千男君
   井野 碩哉君  植竹 春彦君
   野溝  勝君  清澤 俊英君
   棚橋 小虎君  藤田藤太郎君
   中村 正雄君  野上  元君
   米田  勲君  向井 長年君
   中村 順造君  安田 敏雄君
   田上 松衞君  小柳  勇君
   大矢  正君  森中 守義君
   北村  暢君  横川 正市君
   占部 秀男君  森 元治郎君
   鈴木  壽君  光村 甚助右
   大河原一次君  伊藤 顕道君
   田畑 金光君  永岡 光治君
   藤田  進君  亀田 得治君
   加瀬  完君  阿具根 登君
   大和 与一君  近藤 信一君
   矢嶋 三義君  相馬 助治君
  成瀬 幡治君  小笠原二三男君
   江田 三郎君  中田 吉雄君
   天田 勝正君  小酒井義男君
   阿部 竹松君  荒木正三郎君
   松浦 清一君  村尾 重雄君
   木村禧八郎君  田中  一君
   重盛 壽治君  藤原 道子君
   佐多 忠隆君  椿  繁夫君
   吉田 法晴君  栗山 良夫君
   羽生 三七君  千葉  信君
   内村 清次君  山田 節男君
   赤松常子君
     ―――――・―――――
#29
○議長(松野鶴平君) ただいま副議長に当選されました平井太郎君を御紹介いたします。
   〔参事副議長平井太郎君を演壇に導く〕
#30
○平井太郎君 ただいま皆様方の御推薦によりまして、再び副議長の重責をになうことに相なりました。私といたしましては身に余る光栄であり、感激をいたしております。つきましては、今後は誠心誠意、公平無私なる態度をもってこの副議長の職に当りたいと存じます。どうか皆様方の十分なる御援助をお願いいたします。(拍手)
#31
○議長(松野鶴平君) 一松定吉君から発言を求められました。この際、発を許します。一松定吉君。
   〔一松定吉君登壇、拍手〕
#32
○一松定吉君 私は、本院における最年長議員の資格におきまして慣例により、ただいま御当選に相なりました議長並びに副議長に対してお祝いの言葉を申し述べたいのであります。
 御承知の通り、両君は、議会政治に対しましては豊富なる御経験と練達堪能にして卓越せる識見を有せられる方でありますから、正副議長の重責を託するには最適任の方であると確信いたすものであります。現下わが国内外の情勢は、複雑多岐、真に憂慮にたえないものがあります。これを打開してわが国の安泰をはからなければならないことは、本院に課せられたる重大なる使命でありまするから、この際、両君のごとき練達の七が正副議長に選任せられましたことは、両君の光栄は申すに及ばず、国家のため真に慶賀にたえないところでございます。こいねがわくは、両君とも、その責任の重大なるにかんがみまして、自重加餐、公正無私、事に当られ、その重責を全うせられまするよう切望してやみません。
 ここにいささか所感を述べて、議長、副議長に対するお祝いの言葉といたします。(拍手)
     ―――――・―――――
#33
○議長(松野鶴平君) 議員松沢靖介君は、去る八日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 同君に対しましては、すでに弔詞を贈呈いたしました。
 ここにその弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は議長従五位勲四等松沢靖介君の長逝に対しましてつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
    ―――――――――――――
#34
○議長(松野鶴平君) 相馬助治君から発言を求められました。この際、発言を許します。相馬助治君。
   〔相馬助治君登壇、拍手〕
#35
○相馬助治君 ただいま議長から御報告のありました通り、議員松沢靖介君は、去る六月八日病魔のため長逝されました。同僚議員としてまことに痛惜哀悼にたえないところでございます。ここに同君の生前を回想し、その功績をしのび、つつしんで哀悼の意を表したいと存じます。
 松沢君は明治三十二年山形県に生まれ、大正十五年北海道帝国大学医学部を卒業、同時に同大学付属病院に残り、ひたすら医学の研さんを積まれ、昭和七年には「外科的結核における牛型結核菌の感染について」の論文をもって医学博士の学位を受けられ、その研究の成果は、日本医学界において今日においても高く評価されておるものでございます。昭和九年山形市の至誠堂病院長として就任、以来同病院の経営と医療に専念され、卓越した技術をもって高き声望に包まれたのであります。
 戦後、国土の荒廃を目のあたりながめまして、国家再建の基盤は国民教育の振興にあることを痛感しておられましたところ、たまたま昭和二十三年教育委員会制度が新たに発足いたしまするや、推されて県民の衆望をになって県教育委員に当選、同時に教育委員長の重責をになったのであります。白人引き続き、昭和三十一年に本院議員に当選せられまするまで県教育委員長として昭和二十五年からは全国教育委員会連絡協議会副会長として教育振興のために貢献されたのであります。一面、医師としては、日本医師会の理事、中央社会保険医療協議会委員、山形県医師会長、保険医指導委員会の委員長等、日本の医学界におきましても常に指導的幹部としてその立場を与えられて参りました。県内におきましても、行財政審議会、災害救助対策協議会、身体障害福祉審議会の委員を初め、多くの重要な役職についておられたのでございます。
 本院議員として当選されて以来、特に文教委員あるいは社会労働委員として、きわめて精励恪勤、その豊富な経験と卓越した識見をもって、各種の法案の審議に当られたのでありまするが、特に文教の面におきましては、僻地教育の振興と勤労青少年教育について御熱心でございました。昨年、僻地教育振興法の一部が、本院におきまして各派の共同提案によって画期的改正をみるに至りましたことは、もちろん、自民党、緑風会諸君を初めとする良識ある御協力に待つところ多大ではありまするが、かかって松沢君の不退転なる熱意と積極的な努力のたまものであることを、ここに申し上げることができると思うのでございます。委員会の席上、同君が切々として、教育の暗い谷間にある恵まれざる僻地に働く教師の苦労を訴え、政府が財政の面においても積極的にこれが振興をはかるべきことの急務を説いた、当時の真剣な言葉と、その謙虚な態度は、長く私たちの胸に残っている貴重な思い出でございます。君はまた、昭和三十二年、社会保障制度審議会委員に選任されました。ちょうどその折、同君と同じく審議会へ委員であった私は、社会保障制度確立のために非常なる努力をする同君の活躍を目のあたり見たのでありまするが、特に国民年金制度、国民健康保険等に熱心に努力されたのでありまして、その中正不偏、しかも学問的な立場に立つ卓越せる意見は、この委員会においても貴重な存在であったのであります。
 一昨年秋、君は直腸疾患によって倒れ、入院手術を受けられたのであります。仄聞いたしまするに、その後の症状は、現在の医学をもってしては、いまだ決定的治療の道がないところの難病であるとのことでございました。専門家でありまする同君は、この事情はすでに発病当時から熟知しておられたのでありまするが、同僚にはもちろん、家族に対してもこのことを固く秘め、静かに病魔と戦われながら、しかも本院議員としての責務を全うするために、病躯にむち打って、退院後は登院をいたし、努力をされたのであります。今春来は特に容態が悪化し、病床につかれる日が多かったのでありまするが、みずから所属する文教委員会が開かれまする当日は、同君は必ず病床を蹴って登院されました。君のすぐれない顔色、弱々しい声音を、われわれ同僚は深い憂慮の念をもって見たのでありまするが、君自身は、莞爾としてほほえみつつ、法案の審議に当られたのであります。同僚議員が君に静養を勧めまするや、同君は、「私の病気は寝ていたからそれでなおるという性質のものではありません。やれるところまでやりましょう」と答えたとのことでありました。君の胸中すでに期するものがあったと思うのでございまして、今静かに君の胸中に思いをいたすとき、粛然として私はここに言うべき言葉を知らないのであります。
 松沢君は、人となり温厚篤実、事に当っては真摯、人に対しては常に温容をもって接せられ、まことにりっぱな国手として敬愛され、信頼される人柄であり、議員としては党派をこえて深き信頼に包まれ、その高き識見はすべて同僚議員によって認められるところでありました。
 今や、こつ然として幽明境をここに隔て、もはや再び君の姿を親しくこの議場に拝見することできないのでありまして、まことに痛恨哀惜にたえないところであります。
 輓近内外の諸情勢ますます多事多難なる折から、国会の責務いよいよ重きを加えんとするこのとき、同君のごとき円熟有能の士を失いましたことは、ひとり本院のためのみならず、国家のためにも大なる損失と申さなければなりません。
 ここに同君の御逝去に対し、つつしんで哀悼の言葉をささげまするとともし、衷心よりその冥福をお祈りする次第でございます。(拍手)
     ―――――・―――――
#36
○佐多忠隆君 去る二十日、多年憲政のために貢献せられました元内閣総理大臣衆議院議員芦田均君が逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 つきましては、この際、参議院は、同君に対し、院議をもって弔詞を贈呈することとし、その弔詞は議長に一任することの動議を提出いたします。
#37
○大竹平八郎君 私は、ただいまの佐多君の動議に賛成するものでございます。
#38
○議長(松野鶴平君) 佐多君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 議長において起草いたしました弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は多年憲政のために貢献せられました元内閣総理大臣衆議院議員従二位勲一等芦田均君の長逝に対しましてつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
    ―――――――――――――
 弔詞の贈呈方は、議長において取り計らいます。
 午後三時三十分まで休憩いたします。
   午後二時十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時四十九分開議
#40
○議長(松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
 日程程第三及び第四は、次会に延期いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
     ―――――・―――――
#42
○議長(松野鶴平君) 日程第五、会期の件。
 議長は、会期について、議院運営委員会に諮りましたところ、本院といたしましては会期を十二日間とすべきであるとの決定がございました。会期を十二日間とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#43
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって会期は全会一致をもって十二日間と決定いたしました。
 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします、
   午後三時五十一分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一 議長の選挙
 一、日程第二 議席の指定
 一、副議長辞任の件
 一、副議長の選挙
 一、故議員松沢靖介君に対し弔詞贈呈の件
 一、故議員松沢靖介君に対する追悼の辞
 一、故元内閣総理大臣衆議院議員芦田均君に対し弔詞贈呈の件
 一、日程第五 会期の件
ソース: 国立国会図書館
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