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1959/07/03 第32回国会 参議院 参議院会議録情報 第032回国会 文教委員会 第2号
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1959/07/03 第32回国会 参議院

参議院会議録情報 第032回国会 文教委員会 第2号

#1
第032回国会 文教委員会 第2号
昭和三十四年七月三日(金曜日)
   午後一時三十七分開会
  ―――――――――――――
  委員長の異動
本日相馬助治君委員長辞任につき、そ
の補欠として相馬助治君を議院におい
て委員長に選任した。
  委員の異動
本日委員植竹春彦君辞任につき、その
補欠として北畠教真君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     相馬 助治君
   理事
           北畠 教真君
           近藤 鶴代君
           吉江 勝保君
           松永 忠二君
   委員
           迫水 久常君
           杉浦 武雄君
           野本 品吉君
           二見 甚郷君
           秋山 長造君
           千葉千代世君
           豊瀬 禎一君
           柏原 ヤス君
           村上 義一君
           岩間 正男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工樂 英司君
  説明員
   大蔵省主計局主
   計官      相澤 英之君
   文部省初等中等
   教育局長    内藤誉三郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の互選
○教育、文化及び学術に関する調査の
 件
 (僻地教育予算に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(相馬助治君) これより文教委員会を開会いたします。
 本日の本会議の委員長選挙によって、私、再び文教委員長に選任されました。まことに不行き届きでございまするが、何分よろしく御協力のほどをお願いいたします。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(相馬助治君) まず、委員の変更について報告いたします。
 本日、植竹春彦君が辞任され、その補欠として北畠教真君が選任されました。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(相馬助治君) 次に、理事の互選を行いたいと存じます。
 互選の方法は、慣例によって、委員長の指名によりたいと存じまするが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。それでは委員長は、本委員会理事に北畠教真君を指名いたします。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(相馬助治君) 次に、僻地教育予算に関する件を議題にいたします。
 本件に関して、政府側から内藤文部省初等中等教育局長、相澤大蔵省主計官が出席されております。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○松永忠二君 へき地教育振興法が改正になって、それに伴って僻地の学校の指定基準について文部省と大蔵省との間に交渉が進められているように私たちも聞いているのでありますが、その交渉の経過について、文部省並びに大蔵省の方から一つ御説明をいただきたいと思うのであります。
#8
○説明員(内藤誉三郎君) 先般へき地教育振興法の一部改正が行われましたので、それに基きまして、文部省といたしましても、鋭意検討を進めて参ったわけでありすすが、一番問題になりますのは、御承知の通り僻地の指定基準の問題でございます。で、指定基準の問題といたしましては、全国各府県で人事院基準を適用いたしているのでございますが、その適用の仕方について各県それぞれ独自な立場をとっておりますので、この各県のいわば最大公約数というものを作っていきたいというので、私どもも何べんか試算をいたしたわけでございます。そこでただいまのところ、当初第一回に……第一回と申しますか、数回かの一応の結論を出しましたのは、学校だけの特殊な基準を設けて、これによって試算をいたしましたけれども、この点について関係方面にもいろいろ難色がございまして、できるだけ人事院基準はそのままにいたしまして、国家公務員に適用されておるこの基準は維持していく、僻地教育の特殊性のものだけを付加点数の形で改めるようにというような関係方面からの意見もございましたので、そういう点を加味いたしまして、私どもとしては、最終的に一応の結論を得まして、ただいま大蔵省あるいは自治庁、人手院等とも協議を進めておるわけであります。大体その方向は煮詰まって参ったわけですが、人事院基準を厳密に適用いたしますと、四三%が適用になりまして、五七%が適用除外を受けるというような事態でございます。これを僻地教育の特殊性にかんがみましてできるだけ現状を確保し、さらに僻地教育の振興ができるような線で検討を続けました結果、私どもの今までの計算によりますと、八五%程度が救われる。これはもちろん十数県のサンプル調査でございますので、全国の悉皆ではございません。で、一五%が現在の指定から落ちるという結果でございます。同時に、逆に今まで指定されていなかったところが新たに僻地教育として指定される分が一〇%程度ございます。で、差引いたしますと、まあ結局九五%程度は一応対象になるという結果になるわけですが、そこで問題点は、八五%はいいのですが、残った一五%をどうして救おうか、ここに一番問題がございますので、私どもとしてはこの分を何らかの形において救済して参りたいと、ただいま大蔵省とも最終的に意見の調整を進めておる段階でございます。
#9
○説明員(相澤英之君) 僻地の地域の指定基準につきましては、折衝の経緯につきましてはただいま初中局長から答弁がございました通りでありますが、若干補足さしていただきますと、当初文部省から提案がございました僻地の指定基準の案につきましては、先ほど初中局長から答弁ございました通り、国家公務員の指定基準との関係から参りますと、僻地の指定基準の基礎をなすところの基準点数と付加点数の双方において教員の特殊性を加味するというような立て方でございました。そこでこの点につきましては、私の局の給与を担当しております給与課、あるいは国家公務員の給与の関係を担当いたしております人事院等からも異議がございまして、基準点数についてはできるだけ人事院の指定基準と合わせてほしい、教員の特殊性は付加点数で考えるならば考えてほしい、こういうような意見がございましたので、その線で文部省にもお話申し上げたわけであります。ところで、人事院の基準をそのまま適用いたしますと、先ほどもお話がございましたが、五七%の現在の僻地校が指定除外になるという結果になりますので、これではとてもへき地教育振興法にうたわれた僻地教育振興の目的を達するとことができませんし、また現状にあまり大きな変革を加えることになりまして問題がある、かように存じまして、そういう付加点数で極力教員の特殊性を考慮するという文部省の地域指定の基準案につきましても、私どもといたしましては原則的には異議がないわけであります。ところで、その文部省の案によりますと、現在の僻地指定校の八五%が新しい基準によりましても僻地として指定されますが、一五尾が除外されるという結果になり、別に新しく一〇%程度が加わりまして、差引九五%が僻地の指定校になるわけでありますが、この落ちる一五尾をどうするかという点が問題になるわけであります。文部省の現在の案で参りますと、この落ちる学校につきましては、ほかの僻地に指定される学校とのバランス等を考慮いたしまして、これを当分の間一級地として指定することができるという案になっているわけでありますが、この点につきましては、私どもの基本的な考え方としましては、僻地の地域指定の基準を国として設ける以上新しく入ってくるところもありますし、また級地の変動するところもありますし、また僻地からはずれるところもありますが、それはやむを得ない結果ではなかろうか、そういった僻地から除外されることのある点も考えまして、へき地教育振興法の改正法におきまして附則第二項に、現在僻地手当をもらっている教員については現給保障の規定を置いてある、かように考えているわけであります。従いまして、その一五%の除外される僻地の学校をそのまま従前通り僻地として考えるということはどうも筋が通らないのではないかというふうに考えておるわけであります。しかしながら、僻地の指定は、単に教員の僻地手当の問題だけではなく、へき地教育振興法にもうたわれております教員の住宅、あるいは集会室の建設費の補助、あるいはスクール・バス、ボートの補助、それから僻地の医療施設の補助というような点とのからみ合いがございますので、この、いわば従前僻地として抜けておった、何と申しますか、特典を一挙に失わせることになるのは混乱を招くおそれもある、かように存じまして、その当分の間のいわば暫定的な措置をどうするかという点につきまして目下文部省と検討を重ねておるところでございます。
#10
○松永忠二君 大蔵省の方にお聞きをしたいのでありますが、今のお話でもわかりますように、文部省としては基準点数と付加点数、両方をいわゆる人事院の基準とは別個に、教育的な意味から両方面から考慮をしていきたいというのが希望であったと、それに対して大蔵省側では、これはやはり一応人事院の基準をもとにして、それに付加点数によってこれを考慮していきたいというお話であったわけであります。この点について食い違いが出てきて、今の初中局長の話では、幾分その大蔵省の意向に沿わざるを得ぬというような状況のお話もあったのでありますが、この法律を正しく解釈をしていくと、この第五条の三の2というようなところに明確に、これが文部省が省令で指定の基準をきめるのだということが出ているわけなんです。従ってこれは、大蔵省があるいは人事院規則を準用すべきだという精神をどうこうとか、いろいろなことはいいとしても、この法律に規定されている権限にまで大蔵省なり人事院がとやかく言う筋合いのものでは私はないと思う。こういうことについては、一体大蔵省はどういう考え方を持っておられるのか、そこを一つお聞かせを願いたいと思います。
#11
○説明員(相澤英之君) 僻地の地域の指定基準につきましては、お話の通りこれは文部省令で定めることになっております。刑に法律におきましてこの省令を制定する際に大蔵省に協議すべしというような規定がない以上、法令的に大蔵省に協議をすることは、あるいはおっしゃる通り必要はないかもしれませんが、問題はやはりこの僻地の指定基準によりまして僻地の手当の金額に相当な影響があるわけであります。で、義務教育費国庫負担金の対象に僻地手当がなっておりまするものですから、新しい基準が設けられて、これに準拠した都道府県の条例が制定され、それで僻地手当が支給されることになりますと、当然実支出額の一分の一が義務教育費の国庫負担金として国が支出することになるわけであります。その点におきまして財政的な、財政との関連が非常に大きい問題でありますので、従前この種類の基準の制定につきましては、他の一般公務員との関係もございますので、御協議を願っているわけであります。
#12
○松永忠二君 そういうことになると、私もお聞きをしたいのでありますが、一体へき地教育振興法という、この僻地教育振興という立場からこの法律ができ、現にこの法律の改正も行われて、つまり基準の作成ということについて文部省が新たにしっかりした権限を持つようになった。しかも人事院がそれをきめている。今までは大蔵省の準則によったものが人事院のものにかわり、しかも人事院は隔遠地指定基準というような、そういう性格のもとで、つまり基準が設定をされておるわけです。従ってその原則が全然別であるということを考えなければできないと思うのです。従って文部省が今度規定するその基準というものは、あくまで僻地振興というような精神に基いて、まず基準の点数の設定においても、付加点数の設定の上においても、そういう精神のもとに実施をされるべきものだと私は思う。で、むしろ基準点数というものについて、それをカバーできないものを付加点数で考慮をしていくべきものであって、全然意味の違う人事院規則を付加点数によって考慮していくということは、原則的に一体やり方が違うのじゃないかと私は思うのであります。おそらくこういうことについては、再々文部省からも強力な意見が開陳されたと思うのでありますが、この点についてあなたは担当の主計官として、その精神は十分わかる、またそうなければならぬというようなお考えでおやりになっておられるのか。いや、その財政的な措置からわれわれの方へ相談があるし、われわれは理屈の上からいってもそれが正しいのだとお考えになっておやりになっておられるのか、そのところを一つお聞かせいたただきたいと思うのです。
#13
○説明員(相澤英之君) 私から申し上げるまでもないと思いますが、僻地の指定は、これをどうするかというのは、この僻地の教員の問題だけではなく、一般公務員につきましても同様な問題があるわけであります。現在は人事院は、僻地の手当につきましては官署指定でございまして、その指定基準について人事院規則その他の法令を制定しているわけではないのでありまして、いわば内規として一応の基準を持ち、その基準に従って官署指定をするというような形になっております。ところで、その人事院の僻地手当の級地の指定基準と、それからごの教員の僻地基準の関連でございますが、私どもが基本点についてはできるだけ人事院の内規に準じて定めてほしいという意見を文部省に申し上げておりましたわけは、御案内と存じますが、その基準点数は、たとえば交通機関の運行回数が一日五往復以下の場合には何点を加算するというような形になっております。その場合に、教員の場合には交通機関の運行回数がたとえば五往復のときには何点の加算をする、公務員の場合には何点の加算をする、そういうような立て方をとるときに、一般の職員と教育職員とがなぜそこで点数が違わなければならないか、なかなかその間の説明が困難な点が非常に多いわけであります。そこで私どもといたしましては、先ほどもお断わり申し上げましたが、教員につきまして特にへき地教育振興法においてその僻地手当の率を引き上げ、またその指定基準を文部省令に譲りました趣旨のものは、これはやはり教育の教員における僻地手当の持つ意味の特殊性というものを考慮してのことであると思いまして、その点につきましては、私どもとしましても、できるだけこの法律の精神に沿いまして、こういう点数をきめます際にも、十分な考慮を払わなければならないと、かように存じているわけであります。ただ、その基準点数でそのような、先ほど一例申し上げましたが、そういう交通機関の運行回数というようなところで差異をつけますと、何か非常に説明のむずかしい点ができる。そこで教員につきましての僻地手当の特殊性、たとえば文化的、あるいは経済的な諸条件というようなものをできるだけ考慮する、それは付加点数で考えた方が実際問題としまして非常にスムーズに参りますし、また一般の公務員との水平運動を防ぐことができるのではないか、こういったような考え方があったわけであります。で、現に僻地手当の支給率につきましても、なぜ一般の公務員とそれから教員とが違わなければならないかというような点につきまして、一般の公務員の側からもまた問題が起きておるわけであります。同じ地域に勤務いたしておりまして、その率が違うのはおかしいではないかと、一般の公務員も教員並みに引き上げるべきではないかというような意見がすでに出ております。それになお地域の点につきまして、非常なそこに指定基準の差がつくことになりますと、また同様な問題が起きるのではないか。従いまして、教員についての僻地手当の特殊性を十分に発揮するためには、むしろ一般公務員との比較がきわめて容易な、かつ、その点について差異を設けることが困難な基本点数で考えるよりも、むしろ付加点数でその特殊性を認めていった方がいいのではないか、こういったような考え方を文部省に申し上げておったわけであります。この点につきましては、現在の段階では、文部省も大体同じ意見でございまして、その方向は大体近いところにきているわけであります。
#14
○松永忠二君 あなたのおっしゃったことについては、私たちはちょっと納得ができかねるわけです。一応、あなたの御説明は、あなたとしての、国家公務員なり、地方公務員との均衡というような点から考慮をしなければできぬという点についての御説明は一応納得できるわけです。ただ、しかし、へき地教育振興法という単独の法律が作られ、その法律に基いて実施をしているわけなんです。従って、今あなたの申されたようなことではこういう僻地の教育の振興はできないから、別個に単独の立法として設けられ、その単独立法の中で基準が設けられ、付加点数が設けられていくということになれば、別の法律の基準をどこまでも押しつけてこなければできぬという性質のものでは私はないと思うのです。むしろ僻地の基準点数を設定するときに、別個の法律の公務員なり、国家公務員のものが考慮されながら、しかもなおかつ僻地の教育振興という立場から基準点数がまず設定をされて、それではなおかつ不公平はなるので付加点数が考えられるというならば、法律としての建前も通るが、それじゃ何のために法律を作ったのかというようなことにすら私はなると思うのです。その点については、おそらく文部省が再三再四にわたって主張されたと私は思うのでありますけれども、大蔵省はその点について、その均衡というような点から、あるいは他の公務員への波及というような点から、がんとして応じないというのが私は真相だと思う。こういう点については、文部省があくまでもやはり主張を貫いていくべきだと私は思う。どうです。文部省の方の意向も一つ聞かして下さい。
#15
○説明員(内藤誉三郎君) 松永委員のお説大へんごもっともでございまして、ただ私どもこの給与体系というものを考えてみますと、国家公務員の給与体系というものをどういうふうにするかということは、これは原則として人事院が所掌しているわけでございます。ですから、お説の通り、文部省令でできる建前にはなっておりますけれども、僻地基準だけの問題を取りはずすわけにも私は参らぬと思う。ですから、公立学校教職員について全部別の給与体系がとられておるなら、これはお話の通りでありますけれども、原則として、公立学校の教職員の給与体系は、国家公務員のいわゆる国立学校の給与の例を基準としておりますので、国立学校の給与については、これは人事院が基準をきめる権限を持っておるわけであります。従って私どもは、人事院とも十分打合せなければならない義務があるわけでございます。同時に、これは地方負担の問題でございますから、自治庁にも協議しなければならぬし、また国庫負担の建前もございますので、大蔵省局とも十分協議を重ねて参らなければならぬ性質のものだと考えておるわけでございます。
 そこで、お話の点でございますが、私どもは学校だけの立場から考えれば、これは全然別個な基準も設け得るわけであります。で、学校だけの特殊性から考えた基準を一案作ったわけですが、しかし、いろいろ折衝しておる過程におきまして、共通のものは一応共通で見たらどうか、こういう意見も私確かにごもっともだと思うのです。
 そこで、交通機関のようなものは、これは学校の教員に限らず、その他の灯台守とかあるいは営林署の方にも同じであると思うのです。そこで、教育上非常に支障のあるような、たとえば電気が供給されないような場合はどうするとか、あるいは電話が設置されていないような場合はどうするとか、あるいは飲料水を雨水から受けているような場合はどうするとか、こういう点については、これは一般の基準にもございますけれども、特に教育の場合にはこの点を重視する、あるいは全然新しい基準として、学用品や教科書の購入地までの距離を問題にするとか、あるいは生徒に貧困児童が多いとか、あるいは教員住宅の問題とか、分校から本校への距離とか、いろいろ教育的な点について、あまり他の公務員に波及しない要素をできるだけ詳細に、かつ十分にあげまして、これを付加点数の形で計算をする、こういうことも私決して、僻地教育振興の面から見て不適当とは考えていない、むしろそれも非常に結構な案だと考えまして、国家公務員とのバランスを考えながら、同時に僻地教育の振興が十分できるような要素を付加点数の中に盛り込んだわけでございます。ですからこの点数を、いずれの計算をとりましても、私どもとしては、前者の場合でも、ただいま私が申しました基準の場合でも、対象校が八五%程度になることは、これは両方とも同じでございます。
#16
○松永忠二君 あなたのおっしゃるのが、現在の文部省の心境だと思うのですが、しかし、あなたの方でも事実上、基準点数も付加点数も別個な基準から考えて出しておるわけです。私は均衡を失するなと言いはしないのであって、均衡を考えて基準点数を自主的に作っていくべきだということを主張している。そんなことは今論議をしても……、文部省自身がそんな腰の弱いことではどうにもならぬと思うわけです。まあしかし、それをカバーする以上の付加点数を考えて、合意に達していくというなら、これは別でありますが、そういう点で努力をしていって、とにかく、せっかくこういう法律ができたことであるので、一つ自主性を持ってやってもらいたいと思うのです。
 そこで、先ほど御説明になったことなのでありますが、今考えている指定基準を適用し、付加点数を考えていって、現在支給されている学校数、教員数は、一体どういう状況なんでありますか。あなたはただばく然と、八五%に一〇%を加えてという活でありますけれども、これは十数県についてやっているというふうなお話もあるし、それじゃ現実問題として的確に、文部省としては、一体、今、実施をされている一級地の学校の数はどれだけであるか、教員はどれだけであるのか、それに対して、今度の基準を適用すれば、学校数は幾らか、教員数は幾らかということを、言ってもらわないと、ただサンプルになったところだけでその率になっているというのでは、実際の状況はわからぬと思うのです。その点はどうですか。
#17
○説明員(内藤誉三郎君) 現に僻地に指定されている学校は、小学校で五千六百校、中学校で二千三百校、合せて七千九百校が対象になっておるわけであります。教員数で申しますと、小学校が二万七千、中学校が一万二千、合せて三万九千人が僻地学校の指定とされている教職員の数でございます。そこでお話のように、これは全国調査をするには大へん時間がかかりますので、一応私どもはそのうちから約十県ほどを抽出して調べたわけでございます。北海道、岩手、福島、群馬、石川、岐阜、三重、広島、愛媛、大分とそれぞれ僻地の学校を持ったところで、相当僻地教育にも熱心なところを一応拾ったわけであります。ですから、これを全国的に調査してどういう結果かとおっしゃいますと、これはなかなか時間がかかりますので、とてもこの規則を作るには間に合いかねますので、今後十分に基準を作った上にこれは適用されると思うのです。
 そこで、一番御心配なのは、私もこの僻地基準を早急に作るということについては、当委員会でも大へん難色を申したわけであります。それは現在四十六を全部しらみつぶしに検討して、そうして何べんも何べんもこれは積み重ねていきませんと、妥当な基準が作れないわけです。そのときにこの委員会では、附則があるからまあ局長そう心配せんでもよろしいという御意見もあったわけです。附則で救うと、こういう当委員会の御意見もあったわけであります。そこで、しかしながら私どもとしては、私どもの能力の及ぶ限り、できるだけ広く調査して妥当な結論を得るべく今日まで努力して参ったわけであります。
#18
○松永忠二君 私は、それではやっぱり一般の人が不安に思うわけだと思うのですよ。非常に困難ではあるとしても、やはり現在の指定されている基準もわかっていることであるし、これが指定されたらば現在の学校数、教員数に対してオーバーをしていくし、あるいは減少の仕方も非常に少いのだと、そういうふうなものの調査ができて、その土台に立って交渉が進められていかなければできないわけだと思うのです。サンプルで交渉が進められているところに問題が僕はあると思う。幾ら大へんな仕事だといいながらも、これは大事な仕事ですし、そのためにこういうものができたのでありますから、これは的確に数を調べて、そうして今僻地教育振興として必要だからこうして実施をしているので、それをなお充実をさせるために法の改正をしたのにかかわらず、結果としては、指定した学校の数や教員の数が少くなってしまったということでは、何のために法律改正をしたのかということになり、成り立たぬと思う、そのほか理由はあるとしてもですね。だから、むずかしいから調査ができないからできないというようなことでは私はいかぬと思うのであります。大蔵省の方は一体どうなんですか、そういう点については。あなたの主張される以上は、僻地教育振興という建前から、今言ったような基準についてやはり相当はっきりした考え方を持っているべきだと思うのですが、そういう調査はすべて文部省の資料に基くのですか、それとも独自に主張される根拠をお持ちでありますか。
#19
○説明員(相澤英之君) 僻地の指定基準を適用いたしました際に、どの程度学校数なり何なりで現在と異同を生じてくるかという点については、目下のところ文部省が調査されましたサンプル調査を基礎にして考えているわけであります。ただ一、二点つけ加えますと、この対象として選んでおります十県の中には、先般の基準でいきますと相当著しく下る県が数県含まれております。従いまして、まあ平均しますと同じような結論になったわけでありますか、おそらくこの十県で全国を推定いたしましても、その八五%という率が下回ることはないのではなかろうか、むしろ若干上るのではないかというような感じを持っております。
#20
○松永忠二君 まあ、そういうばく然たるお話でありますが、文部省としてはやはりそこまでの十分な一つ調査をして、最終的に決定の段階に至ったら、そういうところまでもって調べて交渉していただきたいと思うのです。
 そこで、先ほど御説明のあった通り、当分の間とか、つまり附則の第二項の措置でありますが、ここには明確に、附則によって今指定をされているものが指定からはずされていくというようなことを防ぐために、これらの教員や職員について不利益な結果が生じないように必要な経過的措置を当該条例において定めるというようなこともあるわけでありますが、これがやはり今非常に重要な問題だと思うのです。先ほどの付加点数をできるだけ一つ考慮してもらって、そして指定に漏れないようにしていってもらうことに最大の努力を払ってもらうということと、もう一つの問題が一つ残っておることだと思うのでありますが、そこで、現在今考えている経過措置という点については、一体どういうことを考えておられるのですか。その点を一つ両省からお聞きしたい。
#21
○説明員(内藤誉三郎君) 今、松永委員の御指摘の通り、附則第二項によって、従来受けておった待遇に不利益のないようにということが一つの措置でございます。同時に、文部省といたしましては、さらに現在級地指定になっているところが今回の指定によって落ちる場合は、これは当分の間一番下の一級地に指定することができるように、そういうことで全部救っていきたいというのが私どもの考え方でございます。
#22
○説明員(相澤英之君) 今回の指定基準によりまして、従前よりも僻地手当の月額が下るところにつきましては、附則の第二項で、その教職員については不利益な結果が生じないように必要な経過的措置を条例で定めることになっております。これは、従いまして、文部省の省令として出します場合、僻地学校級別指定基準とは別の問題になると思います。ただ、この条例において指定された場合には、当然それに基く僻地手当の支給額は国の負担の対象となるわけであります。問題は、現在僻地におります教職員は、かりにそれが今回の基準によって僻地でなくなった場合でも附則の第二項によって現給保障の規定がありますので、これは問題がないわけでありますが、そういう僻地から除外された僻地学校へ今後新しく来られる先生方の僻地手当につきましては、これは建前からいきますと、それが僻地の指定を受けないことになる以上、当然これは、僻地手当はもらえなくなる。そこに問題があるわけでありまして、この点文部省の省令案によりますと、今お話がございました通り、自然的、経済的、文化的な諸条件、及び交通条件ももちろん入りますが、そういう条件に恵まれていないと認められる場合にあっては、当分の間これを一級地の僻地校として指定することができるというような経過措置を考えておられるわけであります。この点につきまして、私ども当初の考え方は、基準を作りましたことによって相当級地が上る学校もございます。下る学校もあります。なお、新しく僻地として指定されるものも一〇%程度あるわけでありまして、従いまして、若干その僻地からはずされるところができるのも、これは現在の各府県の僻地の指定基準がばらばらである以上やむを得ないことではないか。従って、その除外された学校について、さらにこれを全部一級地として取り扱うというのはどうも筋が通らないのではないかという考えでおったわけであります。しかしながら、これを全部一挙に僻地から除外するということになりますと、最初に申し上げました通り、教員の僻地手当の問題のみならず、いろいろ集会堂なり教員住宅の従来の問題等の関連もありますので、暫定的に範囲を限って僻地手当が支給できるような経過的な措置を考えなければならないのではないかというふうに考えておりますが、その具体的な方法につきましては、なお文部省と協議中であります。
#23
○松永忠二君 だいぶまあ、だんだんお考えをいただいているようでありますけれども、今御説明にもあったように、新しく赴任する者、それから古くいる者、そういうものはおのおのまあ関係も非常に困ってくるし、それからまた後ほど少しお話を聞きたいと思うのでありますが、このへき地振興法に基いて教員の住宅であるとかあるいは集会所についてその施設の補助もある。これも指定基準を動かされてしまうと事実上これをつけることのできない状態になってくるわけであります。そうなってくると、先ほどお話申しましたように、もともと振興という建前から必要で実施をしているものが、まあそういうものが全然、他の方が上ったから他の方がへこむのは当りまえだという考え、給与について全体の予算の上ではそういう言い方が成り立つかもしれないけれども、僻地教育を振興するという上からいって、片方がついたら片方が落ちていいという考えは私は成り立たないと思う。僻地振興のために設備とかあるいはそういう面についてのつまり補助も考える。その、それじゃ基準というものについてそれを非常に高くするということが妥当でないから、結局そういう一つの基準を持ち、各県でもそういう点を実施をしてきているわけなんです。だから、そういうふうな意味でも私たちはやはり当分の間というのについては、とにかく指定をするという、僻地として指定をするということはどんなことがあってもやはりしてもらって、その指定をされている僻地の中で、結局そういうことの条件の中から従来の僻地手当を確保するし、また設備や施設の補助やそういう問題についても、それができるというような方向を貫いてもらわないと私はできないのじゃないかと思う。だから、そういうふうな意味で、まあ今その方法について文部省との間に折衝を進めているというお話であるけれども、その点については一つほかのものについては、逆な事例も実はほかにも出てきているわけでありますから、どうしてもこの点については基準を作った精神からいっても、指定からはずれてしまう、他の地域が高くなったから指定基準からはずれてしまうのは当りまえだという、まあ一つの理屈と同時に、また他の理屈からいえば、僻地教育振興のために今まで指定されていた地域に施設や設備が補助されていた現状が除去される事態が出てくるというようなことから考えてみると、その原則をどっちの方から一体確保するかということを考えてもらうべきなのです。そういうような意味で、まあ私たちは決して文部省が今主張していることを貫いてやってもらわなきゃできないと思うのでありますが、その点について文部省はどうなのですか。
#24
○説明員(内藤誉三郎君) まあ大へんごもっともな御意見でして、巽は私どももやはり基準を作る場合は、どうしても基準からはみ出るものもあるし、新しく入ってくるものもあるし、高くなるものもあるし、低くなるもの、ある程度は私はやむを得ないのではなかろうか。しかし、全体から見て日本の僻地教育が振興するという大きな線は貫いていきたい。そこで、今具体的な問題としましては、結局私どものサンプル調査によって一五%が落ちないようにこれを何らかの形において確保していきたい、この点については私どもとしては強い決意を持って臨みたいと、かように考えております。
#25
○松永忠二君 もう一つの点をお聞きしたいのですが、予算的には、今度その予算が、国庫負担法の中でも手当の改善に伴う予算増というものが出てきているわけです。一体この金額というものは、今文部省が考えているような方向でやっていった場合に、それで十分であるのか、これは余るということになるのか、その辺はどうですか。
#26
○説明員(内藤誉三郎君) これで余るなら問題ないのですけれども、とても足りないということでございます。
#27
○松永忠二君 それは計数にわたって具体的にこまかいのを聞いてみなければわからぬわけであります。が、そういう点で予算的にも範囲が大へんだという気持はわかるのでありますが、今言うような話の全般的なへき地振興法がなぜ改正をされたのか、へき場地教育振興法が独立法として作られたかというところで一つぜひ今の点を確保していただくように、これはまた特に僻地については関心も深いことであるので、私はこのへき地振興法が改正になったものだから指定地が少くなってマイナスになったという、そんな理論は私はないと思う。それだけでなくて、予算的に現に増加しているのでありますから、そんなばかな理屈はないけれども、現実にはそうい、ことにとられるような結果にもなると思うわけです。そこで、そうなってくると、集会あるいは住宅というものについて、あるいはその保健維持という面について、本年度とにかく従前指定されたところについてはこの補助金を特に取り上げてどうこうするとか、あるいはそういうところには補助金を考えていかないとかいうようなことはないのですか。この点はどういうふうにことし考え、またどういう、ふうに今後考えていくつもりなんですか。そこを一つ文部省の方から聞かせてもらいたいと思う。
#28
○説明員(内藤誉三郎君) 今お尋ねのように、僻地の住宅手当あるいは集会所等のこともございますので、何らかの形でこれは残ったものを僻地として指定していきたい。僻地として指定されますならば手当も保障されますし、住宅の建設もあるいは集会室の建築も従来通りでき得ることでございますから、その線に沿って交渉を進めて参りたいと思っております。
#29
○松永忠二君 これは、初中局長は管理局との方の話はそういうふうにできているのですか。またそういうふうに進行しているのですか。その点はあなたがしたいとおっしゃるのか。現実にこれはもう補助金がきまっちゃっている時期なんで、ですからそういう点はあなたはどういうふうに把握されているのですか。
#30
○説明員(内藤誉三郎君) 私は、これから僻地を指定から落そうなんて考えていないので、また落ちたときにどうなるかということはこれは別問題ですから、落ちることにきまれば、きまりそうなら、これは管理局とも十分打ち合せますけれども、私の今の心境では、これを僻地から落そうなんという気持は毛頭ないので、何らかの形で確保していきたい、こういう気持で、まだそこまで、その次の段階まではまだ考えが及んでおりません。
#31
○松永忠二君 その決意だけでなくて、実際にそれが実行できるようにつやってもらいたいと思う。そこでもう一つ、現在暫定的な措置としてこれは一体、どういうふうに各県が実施をされているのか。そういう点については一体、文部省としてはどういうふうに指導されているのか。そういう点を一つ。それからもう一点は、大蔵省の方で特殊勤務手当については、特別交付税のところの中に入れて考えているとかというようなお話を聞いているのでありますが、そういう点についてはどういうふうな財政的な措置がすでになされているのか、あるいはこれを取り除いて今後特別交付税の中で考えていくというふうに考えておられるのか、そういう点も一、二聞きたいところがあるので、そういう財政的な措置についてはどういうふうになっておるのか、その二つの点を一つ、もし文部省の方でいいというお話ならば、文部省の方でいいです。その点を一つお聞かせ願いたいと思います。
#32
○説明員(内藤誉三郎君) 今の僻地手当につきましては大部分のところが従来の例でやっております。ですから、別に今度の改正法を適用してはいないと思います。それから、あるいは改正法が出るまでしばらく見合せておく、ストップしておくというところもあるようであります。それから地方交付税との関連の問題でございます。これは地方交付税の方は地域の特殊性によって態容補正いたしておりますので、これを特別交付税で見るという形じゃなくて、一般的財源ですでに財源措置はしておるところでございます。
#33
○松永忠二君 もう一点、大蔵省の方に一つ最後にお聞かせを願いたいのでありますが、先ほど僻地に指定をされて、集会、住宅あるいは保健保持等についての予算措置がなされている。調べてみると、現在僻地に指定されておるところでもまだ集会所が持てないで、設置されていないところが、小学校については六七%ある。中学校については八〇%。あるいは住宅について言うと、小学校が二八%で、中学校は三六%だ。あるいは保健保持についても寄生虫等の状況については、相当現在指定されている僻地の子供たちの健康について問題がある。それからまた、現に学力テストを実施されているわけだけれども、それを見る際も、僻地に指定されている子供たちの学力等について言うと、普通の都市とか平地の子供と比べて学力が落ちておる。こういうデータがすでにあるわけです。そういうことを考えてみたときに、私たちが先ほどから申し上げておるのは、あなたの方で基準が出れば、基準に落ちるところがあったり、入ってくるところがあるのは当りまえだという考え刀の僻地教育の振興では私たちは困るのだということです。だからやはり、そういう面から財政的な措置が特別に法的に考えられて、ただ単に均衡だとか、あるいはその他の方に波及するところからということだけで、僻地に住む先生ばかり優遇されるのはおかしいじゃないかという、そういう理屈でこの問題の処理をしないように。あなたはそういう点十分御理解があると思うのですが、こういう点についてあなたはどういうお考えを持たれているのか。あるいは法の実施についてあるいはあなたは一つの見解を、お持ちだろうと思う。そういう点について私たちとしてはできるだけ今言っておるような経過措置を生かして、少くとも一級地指定を当分の間置いて、そういう面についての充実をはかりながらなおかつその基準を正しく守っていくという方向にいくまでやはり配意をしてもらわなければならないのじゃないかということを強く私たちは考えている。あなたは担当の主計官だと聞いているのでありますが、あたなの頭の中には財政的な一向だけが相当強くあるのじゃないかということで、非常に私ども心配しているのであります。まさかそういうことはなかろうと思いますが、今言ったようなことについて、一つ私たちの要望に沿って、この問題についても教育に従事する者の失望を招かないように努力してもらいたい。そういう点に触れて御意見を聞かせていただきたいと思います。
#34
○説明員(相澤英之君) 僻地教育の振興の問題につきましては、私この席でこういうことを申し上げるのは少し出しゃばるようなことになるかと思いますが、やはり戦後の六三制の制度が十年たちまして、大体普通の一般の教育の面については相当整備されている段階に参っていると思います。やはりこの六三制の谷間と申しますか、そういうおくれている面と、一般の教育ではやはり僻地教育、それから養護学校、その他の特殊教育の面ではないかというふうに感じているわけであります。従いまして今後こういう各種の国の助成措置というものは、やはり従来以上に僻地なり、そういった特殊教育に注がれてしかるべきものじゃなかろうか、かように考えているわけであります。この僻地の手当の問題につきましては、これは文部省令でその基準を作るという趣旨は、やはり現在各府県が何と申しますか、ばらばらに実施している僻地の指定では、どうしても工合が悪い。そこで何らか的確な基準を設けてこれを合理的に指定する必要がある。こういった考え方から特にへき地教育振興法にこれがうたい込まれたのではないかと考えております。先ほど私が申し上げましたことが、あるいは誤解を招きやすいことを申したかと思いますが、私としましては、別に片方でふえるから片方で落ちたつてかまわない、当りまえだというふうに考えておるわけではないのでありまして、そういう国として一つの基準を作りますと、現在各府県に設けられている指定基準が必ずしも統一されておらぬということを前提に考えますと、当然そういった結果が出てくるのではないか、そういうことがあるのを予期して、つまり僻地からはずされる学校のあることを予期いたしまして、特に現給保障の規定を附則の第二項に置かれているのではないか、かように考えているわけであります。僻地の指定基準の省令案におきまして、その基準からはずれた学校も、これは従前通り一級地の僻地学校として取り扱うというような形の省令を置きますこと自体が果して法律から委任されました省令でできることかどうか、多少本直に申しますと疑念がないわけでもございません。しかしながら、現実の問題を処理いたします場合の、いわば実際上の必要からして、やはり何らかの暫定的な基準を設けることもやむを得ないのではないかというふうに私ども感じております。従いまして、これはあくまでも暫定的な救済規定として考えるべきでありまして、従ってその範囲、程度というのは、ある程度の制限を受けるのは当然じゃないかというような感じも持つわけであります。
#35
○松永忠二君 あなたの理屈は一応わかります。ただしかし、私は今度は逆にほかのことを考えてもらいたい。今何のために、たとえば全国的に言うと、基準の低い所、ひどい所では香川の方では額で言うと二百五十円なんです。そういう少い額を支給しておる。それを今度はパーセントで支給していくというと、非常に上るわけです。これは非常にけっこうなことであるけれども、同時に私は、これを支給しなければできない事情がやはりその県にはあると思う。それからまた、現に相対的の僻地というものをあなたは考えておらぬという話を人から聞いたのでありますが、私は理屈からいえば、相対的の僻地というものはあり得ないと費えるかもしれないが、その県における僻地というものだって考えられる。また、そういうことを考えなければスムーズな人事異動とか、人事管理はできないわけです。そういう中から、地方の実情に即して出てきておる僻地の基準もあるわけです。ところが、国が僻地として指定をしていろいろするには一つのやはり基準があって、それに基いて相当なところにとどめなければできないという、財政的にやむを得ないからとどめなければできぬという気持はわかるけれども、やはりあくまでも実情に即してそれが実施されるために、私は、県が条例を作れと言ったし、文部省は基準を作れと出ていると思う。それはあくまでも国家公務員なり人事院の基準に沿わなければできないものだ、それを少し緩和した形で教育的に配意をするのだということだけでは、このへき地教育振興法の精神にならないと思うのです。そこら辺があなたと私とだいぶ食い違っておるところだと思う。私は文部省もそういう気持は足らない思う。基準を作るなら、基準に落ちることがあってもやむを得ないという言い方をされるけれども、もう少し実情をーーなぜ二百円そこそこの金をくれているかということを考えてみたときに、やはりそういう僻地の振興のためにくれる金がこれで一気に消えてしまうということについては、やはり何らかのその地域の僻地教育振興のための配意というものがあるし、事情があると思う。そういうことを考慮に入れて、十分に考えてもらいたいということを申し上げてる。そういう点についてあなたの御説明では、私は十分とは言えません。あなたの意のあるところはわかりますけれども、私がしつつこくいろいろ申し上げてる理由も、実はあなたとは少し違った角度があるということを申し上げているので、こういう点について、担当官として今後十分関係の方面等の意見も聞かれ、特にその折衝の一番中心である文部省の意向も十分にくまれて、一つ、いたずらに大蔵省がワクを引っかけて強硬にがんばるということのないように願いたいと思うのであります。これは要望であります。
#36
○豊瀬禎一君 先ほど来の松永委員の質問で大体私の聞きたいこともわかったのですが、内藤さんが説明されたように、抽出して調査をされたために全体的な落ちるパーセンテージというものは八五%というのは必ずしも正確でないと思う。たとえば三重県においては六一%になってるし、愛媛県においては七五%、しかもこれが抽出されたところが僻地教育に熱心なところを抽出して調査になったのだ、こういう点で割と不熱心なところが全部出てくると、もっと大きく落ちるところが出てくるのじゃないかという懸念が出てくるのですが、それと同時に、学校数では大体一五%ですが、教員数にすると、正確な数字はわかりませんけれども、大きい学校が落ちるために、パーセンテージとしてはもっと大きな数になってくる。あるいは三〇%程度になるのじゃないか、こういう危惧があるのですが、その点はどういうふうに考えておられますか。
#37
○説明員(内藤誉三郎君) 実は今問題になっておりますのは、従来から僻地教育に非常に熱心な県が問題になっている。僻地教育に不熱心なところはあまり僻地指定をやってないわけです。ですから私どもが、今おあげになったところは大へん熱心な県ですから僻地指定が割合と普及しているし、ある意味では基準が緩和されていると申していいと思う。ですから、こういう県を抽出しますれば、残りの県はむしろ逆に救われる方が多いわけでございます。ですから、御指摘のように、三重とか愛媛が非常に熱心だと、この熱心な県がこの僻地教育振興の意欲をそがれてはならないので、そがれないように、先ほど申しましたような救済規定で何とかこれを救済したいというのが私どもの念願でございます。
 それから大体、私どものサンプル調査でございますが、従来サンプル調査というものは、全国の悉皆調査とそんなに変るわけではございません。ただ私どもの抽出しました県は、北海道にいたしましても、群馬にいたしましても、非常に熱心な県でございますから、これから推定しますれば、全国平均はさらに落ちる率が下回るのではないかと思うのでございます。
#38
○豊瀬禎一君 相澤さんの管弁を聞いていますと、あなたをばかとは言わないけれども、いささかの尊敬も払わない、こういう言葉を使っておられるのと全く同じような気がするのです。これはへき地教育振興法というのは僻地教育を振興するというのが主たるねらいであるということはあなたも十分御承知のことと思う。ところが、あなたの答弁を聞いていると、均衡論が出てきたり、あるいは法律論が出てきて、一つの法律を制定し、基準を設置すると、これから落ちるものはやむを得ない、こういう考え方に立っておられるようです。やはり一日、二日あなたもお会いになったと思うが、全国の僻地からわざわざ出てきて、この現在の大蔵省、特に大蔵省が考えておるような内容によっては僻地教育の振興はできない。むしろ今内藤局長が言われたように、僻地教育に対して熱意を失う、こういう気持のもとに多くの人たちがあなた方にいろいろと要望したと思うのです。こういう点から考えて、やはり松永委員が言われたように、この問題は単に国家公務員との均衡といったことでなくして、基本態度を僻地教育の振興という点に赴いていただいて、特に文部省が現在要望しておる教員の特殊性でなくして、教育の特殊性に立った付加点数の問題については十分尊重してもらいたいと思うのですが、あなたの答弁を聞いていると、暫定措置として目下考慮中であるとか、あるいは最後は附則ですが、附則を利用してどうしてもやむを得ないものはこれから救済措置をするという、こういうきわめて抽象的な答弁ですが、この法律は四月一日から実施するようになっておりますが、大体そういう救済措置なり、あるいはこれからこぼれ落ちてくるものに対して、具体的にどういう内容を持って、いつごろまでに文部当局との話を終る予定か、この点をお伺いいたしたいと思います。
#39
○説明員(相澤英之君) 僻地の級別指定基準の基本点数、付加点数等の問題につきましては、付加点数についてはできるだけこれは文部省の案のごとく、教育の特殊性というものを反映した姿にすることについて、たびたび申しましたが、私どもとしましては原則的に特に異論を持っているものではないのでありますが、問題がその基準を適用いたしましたときに何と申しますか、落伍するといいますか、除外される従前の僻地指定校の取扱いをどうするかという問題になってくるわけです。この点については、その暫定的な救済措置をどうするかということについて文部省と今後案を練りまして、できるだけ早急にこの解決をはかりたいと考えております。時期的にはもうだいぶたっておりますし、七月中には必ずこれはでるきようにいたしたいという考えでおります。七月中と申しましても、できればもう少し早い時期にやりたいというふうに考えております。
#40
○豊瀬禎一君 ずいぶんこの問題だけで時間をとっておりますので、両者に対して要望を付して質問を終っておきたいと思います。
 まず最初に、内藤局長に対してですが、松永委員も指摘されたように、非常に熱心にやってこられたことは認めるのですけれども、最後は大事な段階にきて、やはり局長の言葉の端々に公務員との均衡論的な考え方が残されているような気がする。これは皮肉ではありませんけれども、あれだけ学者陣も反対した勤評をああいう態度で押し切られる勇気をもって、この問題に対しても大蔵省文部局ではなくて、文部省という立場に立って、一つぜひとも文部省が作られた付加点数の問題については百パーセント実現していくように努力していただくことを心からお願いしますとともに、大蔵省に対しましても松永委員から指摘されたように、どうしてもあなた方の頭の基本が予算という面に立つことは、これは官僚としてやむを得ないことと思いますが、本年度の一兆四千一百九十二億円の予算の中から、今年度の僻地予算は、わずか六億程度見てあるだけです。この僻地に勤務しておる教職員の数は、局長から示されたように、全体のパーセンテージからすると、きわめて低いものですけれども、この人たちがどれだけ多くの苦労をしておるかは、十分御承知のことと思うし、また、僻地に住んでおる貧困家庭の児童どういう状態の中で教育を受けておるかということも、十分御承知であろうと思うのです。従って、こういう問題については、予算という立場を離れて、あなたの子供が山間僻地の中で教育を受けておる場合にはどういう考え方に立つべきかという点を考えていただいて、ぜひともこの問題につきましては僻地数千の教職員の要望しておる内容がしかも早急に実現できるように善処願いたと思います。
#41
○委員長(相馬助治君) その他御発言はございませんでしょうか。
#42
○野本品吉君 僻地教育振興という大きな立場から法律が改正されて、新しい法律に移行するためのいろいろな措置が研究されておる。その移行に際しましていろいろと問題の起っておりますことは私も承知はいたしておりますが、その当面の措置をどうするかの問題は別といたしまして、私は根本的な問題として二つのことを考えておったわけです。それは、僻地指定にどれだけの科学的、と言うと大げさですが、客観性妥当性があるかということ、このことは今まで僻地問題を混迷に陥れておる一つの大きな理由だったと思う。各府県、各地方によっていろいろと違っておるので、それに全国的な一応の客観性を持った僻地基準を設定しよう、こういう努力がもっとなされてしかるべきじゃないか、こう思っておるのですが、それは内藤局長、どうでございますか。
#43
○説明員(内藤誉三郎君) 御承知の通り、人事院基準がございまして、その人事院基準において各府県がそれぞれそれを適当に解釈しておった。そこで、各府県まちまちの実態が現われた。このたびのへき地教育振興法の改正に伴いまして、今度は明確な全国的基準を文部省令によって作りたい。できるだけ御指摘のように科学的に合理的な基準でありたいと思いまして、せっかく準備をしておりますので、これができますれば、ただいま野本委員の御質問に対して十分お答えできると思っております。
#44
○野本品吉君 今のそこに根本の問題があるのですから、当面の問題を早速に措置しなければならないということも私どもわからないわけでもありませんけれども、その僻地指定の基準を作るためにはいわゆる拙速でいきますというと、また問題をすぐ残す。従って、文部省としましても、私は、できるだけ自信のある、そして人に示して何人も納得のいくような僻地基準を作ることにさらに一段の努力をお願いしたい。
 それからもう一つお伺いしたいのですが、これも私の個人的な見解であるかもわかりませんが、私は僻地は移動するという考え方を持っておるのです。それはどういうことかといいますと、特に今後日本の国内の、内地植民といいますか、国内の開拓をどんどんして、耕地をふやしたりしていかなくちゃならぬ。それからもう一つは、電源開発とかその他いろいろな工業部門の開発のために僻地の様相というものは変ってくる。そこで、そういう角度から私は僻地は移動する、こういう見方ができると思う。従って、僻地が移動するということになれば、そのときにできるだけ科学的な一定の基準を作るにいたしましても、やはり五年なり十年ごとに再びそういうあらゆる角度からの検討をして、やっぱり僻地指定というももか更新されてしかるべきだ、こういう考え方を持っておる。一つの例を申しますというと、従来いわゆる人跡きわめてまれな山間部が、最近、電源開発その他によって一朝にして非常な恵まれた地帯になってくる。それを旧態依然として明治の初年あるいは最近までの僻地として考えるという考え方このこと自体に私は実情に合わない点があると思う。さらに、私は、実は北海道の僻地という僻地をほとんど回って見たつもりです。ところで、そのとき特に感じましたことは、北海道のように開拓が進んでいる所は、かつて開拓当初におきましては、文字通りの僻地なんです。ところが、開拓は奥へ奥へと進んで行きますから、当初において僻地であった所が、相当の年数を経過しますというと、その奥にほんとうの僻地ができて、かつての僻地というものが僻地の条件が非常に変ってくる。こういうふうに考えて、僻地は移動するという考え方を私は持っておる。従って、五年なり十年なり適当な間隔を置いて僻地の諸条件というものが行動した諸条件の上に更新さるべきだ。そうでないというと、いつまでもはっきりしたものが出てこない。そういうふうに僕は考えておるのだが、二の点について文部省はどう考えていますか。
#45
○説明員(内藤誉三郎君) まことに同感で、ございまして、文化が進めば進むほど僻地はなくなっていくわけですし、私どもも、なるべく僻地がなくなるように文化がすみずみまで行くことを期待しておるわけでざいます。ですから、お説の通り、僻地は移動すると思いますし、また、その移動された後にさらに基準については再検討する必要があろうかと思っております。
#46
○野本品吉君 これは、大蔵省の相澤主計官が来られておりますが、ただいままでの他の委員各位からもいろいろと指摘されましたが、大蔵省が予算の立場からいろいろこういう問題にやろうと思ってもできないということもわかるのでありますが、率直に申しまして、大きなはでの問題には異常なる興味を持ちまた努力をされるのでありますけれども、こまかい小さなところに、きわめて大きな教育の問題がひそんでおり、きわめて大きな社会問題がひそんでおる。従って、ぜひこの種の問題に対しまして大きな問題以上によく研究をし、よく考えていただきたい。今までそうでなかったとはおっしゃらないであろうと思いますけれども、政治全般を通じまして、はでの問題には政治的な関心が集中される。それからまた、政府側としても、そういう点の解決に向かっての熱意が傾けられるが、見落されておる小さくはあるけれどもきわめて必要であり、きわめて大きな問題があるということをいつも頭に置いて一つお考えをいただきたい。これは、大蔵省全体に対して相澤主計官を通じて私は希望を申し上げておきます。
#47
○委員長(相馬助治君) 各委員から御熱心な質疑がございましたか、私からも一点特に政府側にお願いしておきたいと思うんですが、御承知のように、このへき地教育振興法は、さきの国会で全会一致で成立した議員立法です。で、その成立までの過程を考えると、当初自民党は、与党として、この種の法改正によればかなり程度の予算をこれに付さなければならないので、趣旨としてはきわめてよろしいか、にわかに賛成しがたいという意向もあったことは、御承知の通りです。にもかかわらず、これを押し切って全会一致で国会はこの法律を制定したわけなんです。ところが、今日若干錯誤に基く理解もあるかもしれないけれども、各地から、この振興法ができたために僻地手当を打ち切られるという悲劇が予想されるという陳情をわれわれも受けておるのであって、政府当局もたくさんそういう実例を示しての陳情に接していられると思うのです。従いまして、本委員会は文教政策問題についてたくさんの問題をかかえているにもかかわらず、本問題一つに局限して本日取り扱ったわけで、いまだその経過中でございますから、結論をわれわれは聞くまでに至っておりませんけれども、各委員の要望を体されて、文部当局はもちろん大蔵省におかれても格段の努力をされるよう、しかもまた近いうちに本委員会は本問題について再び取り上げて、政府の所信をただす用意があるということを申し上げて本日の質疑を終るつもりです。何分よろしく一つお願いします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後三時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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