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1959/07/03 第32回国会 参議院 参議院会議録情報 第032回国会 商工委員会 第2号
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1959/07/03 第32回国会 参議院

参議院会議録情報 第032回国会 商工委員会 第2号

#1
第032回国会 商工委員会 第2号
昭和三十四年七月三日(金曜日)
   午前十一時三十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     山本 利壽君
   理事
           上原 正吉君
           川上 為治君
           栗山 良夫君
   委員
           鮎川金次郎君
           井川 伊平君
           斎藤  昇君
           鈴木 万平君
           高橋進太郎君
           宮澤 喜一君
           岡  三郎君
           近藤 信一君
           島   清君
           吉田 法晴君
           奥 むめお君
  国務大臣
   通商産業大臣  池田 勇人君
   国 務 大 臣 菅野和太郎君
   国 務 大 臣 中曽根康弘君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       原田  憲君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○経済の自立と発展に関する調査の件
 (通商産業政策に関する件)
 (科学技術政策に関する件)
 (経済計画に関する件)
○理事の辞任の件
○継続審査要求の件
○継続調査要求の件
○委員派遣承認要求の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山本利壽君) これより商工委員会を開会いたします。
 まず、委員長及び理事会の打ち合せの結果について御報告いたします。
 本日は、これより池田通産大臣、菅野経済企画庁長官、中曽根科学技術庁長官よりそれぞれ所信の表明を聴取いたします。
 次に、閉会中の委員会は、七月四日、八月十日に開会する予定であります。
 次に、委員派遣については、東北、九州、北陸の三カ班を出すことに決定いたしました。以上でございます。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(山本利壽君) それではこれより経済の自立と発展に関する調査を議題といたします。まず、池田通産大臣より所信の表明を聴取いたします。
#4
○国務大臣(池田勇人君) 先般の内閣改造に当りまして、不肖通商産業大臣を引き受けることになりました。今後国会の審議に当りまして、委員の各位から格別の御支援をいただきたいとお願いする次第でございます。
 さて、私の通産行政に対する所信につきまして簡単に申し述べさしていただきたいと思います。私は政治の要諦は、国民生活の安定向上と、いわゆる完全雇用を目ざして産業を拡大し、そうして国を力強くし、社会保障制度の拡充と相まって、福祉国家に向って進むことが要諦であると考えておるのであります。私は過去の経験から申しまして、そしてまた日本人の力強い努力と、あの頭の聰明さを極力活用いたしまして、先ほど申し上げました国民生活の安定向上、完全雇用に向って進んでいきたいと考えておるのであります。過去の実績を見ますると、国民各位の非常な御努力によりまして、敗戦後ほとんど破壊に近かった日本経済も、世界の人の驚くべきほどの発展を見たことはまことに御同慶にたえないのであります。私はこの過去の実績を今後とも伸ばして、またより強く伸ばしていきたい、これが私の念願でございます。幸いに、過去十年間いろいろの起伏はございました。あるいは昭和二十八年の国際収支の赤字また三十一年から三十二年にかけての輸入の激増に基きまする一時的の赤字がありましたけれども、長い目で見たならば、経済の復興は先ほど申し上げましたごとく、予期以上の成績をおさめたと言ってもいいと私は信じておるのであります。しかも最近におきましてのわが国の経済の状況は、国際収支が非常に黒字であると同時に、また国内産業も一時の停滞機運を脱しまして、相当伸びて、最近における鉱工業生産は、有史以来と言っては大きいのでございますが、いまだかつてないほどの生産をなしておるのであります。しこうして物価も安定しております。国民の貯蓄もふえて、ほんとうに仕合せなことであるのであります。私は繰り返して申し上げまするが、この傾向をもっともっと進めていきたいと思います。
 しこうしてこれがためにはやはり世界の情勢を常に注視しながら国内の施策を誤りないようにしなければならないと思います。われわれに関するところにおきましての世界の情勢は、貿易自由化の問題が大きくクローズ・アップしておるのであります。もちろん理想といたしまして貿易の自由化は各国の望むところでございまして、またわが国が大きく伸びんとするときには、これにたよることが一番よいと私は考えておるのでありますが、しかし口で言われるごとく完全な自由化はまだまだ期待できません。ことに西欧におきまするあのブロックの状況等を考えますると、これに対処するとともに、また国内におきましても、戦後為替管理等、為替面からの自由化ができないために、国内の産業構造もこの為替の制限によりまして、いろいろの形をとってきておるのであります。自由化がいいといって、これを直ちに自由化に持っていくということは、なかなか困難でありますし、危険を伴います。また今後日本が発展していきます東南アジア等におきましても、外貨不足のために、こちらが自由化と申しましても、貿易のバーター等の関係上、すぐそれとなかなかあらためることができかねる点が多いのであります。しかし自由化の目的に向って国内体制を整備していく、そしてわれわれの理想の拡大強化、そうしてまた未開発国とともに栄えていく政策をとって参りたいと思います。
 いろいろ具体的の問題もございまするが、私は自由化を目標にいたしまして、わが国の産業構造を自由化と見合いながら力強い合理的なものにしていきたい。それにはいろいろな問題がございます。資本の蓄積あるいは税制等からの企業の資産構成の健全化、あるいは科学技術の振興に伴いましての生産の合理的拡充等々、いろいろ考えなければならぬ点があるかと思うのであります。
 またわが国の経済の実情から申しまして、中小企業の振興につきましては、できるだけの力を注ぐ、私は全力をあげたいという気持をもっております。中小企業の振興につきましては、従来金融面からもまた組織面からもいろいろ手が尽されております。私は中小企業の振興につきまして、あらゆる面から今までの考えられた施策を推し進めると同時に、自分としては今後実体を十分見分け検討しながら適切な措置をとっていきたい。ことに私は雑貨類の振興、これは輸出関係から申しましても、特別な注意を払わなければならない、と同時に中小企業と申しましても、これに零細企業の方面につきましては、まだまだ手の届かないところが多々ある。零細企業の方面につきましても十分な施策を考えていきたいと思います。
 何分にも浅学非才でございますので、多年商工委員として御活躍の皆様方からお知恵を拝借し、また鞭撻を得たいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
#5
○委員長(山本利壽君) それでは大臣は本会議に出席の必要がございますので、質疑のございます方はこの次に譲っていただきまして……。
#6
○岡三郎君 この次というのはいつなんですか。
#7
○委員長(山本利壽君) あとから理事の方と御相談いたします。
#8
○岡三郎君 議事進行について。それは本会議の出席はわれわれも当然招集されているのだから、これで議事を打ち切ってもらわなければならないと思うのです。だからわれわれ委員会として、本会議が開会されているのをやはり無理して今せっかくここへおいでになっていただいているわけですから、大臣の所信表明を聞いて、そしてこれに伴って一、二の質疑がある方があると思うので、それをやろうと思っているわけですが、大臣がここで中坐されるというならば一応これで打ち切ってもらって、本会議は所定の仕事が終ったならば休憩になると思うので、あらためてそれから再開してもらったらいいのじゃないかと思います。
#9
○委員長(山本利壽君) ちょっとお諮りいたしますが、岡君の御希望でございましたが、一時休憩して、その次に開会いたしましても、ちょうどきょううまく大臣の時間の都合がつくかどうか、そのことが非常に疑問でございますが、この際、中曽根長官の所信を、せっかくおいでいただいて、相当時間待っていただきましたので聞いたらいかがでございましょうか。
#10
○栗山良夫君 そんなのは理由にならないですよ。
#11
○島清君 今、岡君から動議が出されましたから……。
#12
○栗山良夫君 休憩をして、きのうの理事会の申し合せのように、本会議、予算委員会との進行状態をにらみ合せて、当委員会がさらに再開をしまして、そうして大臣の出席を求めてきょうの議事を終ると、こういうことにしてもらいたいと思います。
#13
○委員長(山本利壽君) いかがですか、それでよろしゅうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(山本利壽君) それではそのように決します。一時委員会を休憩いたします。
   午前十一時四十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時六分開会
#15
○委員長(山本利壽君) これより委員会を再会いたします。
 まず、理事の辞任についてお諮りいたします。
 本日理事上原正吉君より理由を付して理事辞任の申し出がございました。この際、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(山本利壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#17
○委員長(山本利壽君) 次に、継続審査、調査についてお諮りいたします。
 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案は、先国会以来審査して参りましたが、今国会は会期も短かく、審査を完了することは困難であります。また従来より調査中の経済の自立と発展に関する調査も同様調査を終了することは困難でありますので、本院規則第五十三条により、継続審査要求書及び継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(山本利壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお要求書の内容、手続等につきましては、委員長に御一任願います。
  ―――――――――――――
#19
○委員長(山本利壽君) 次に、委員派遣についてお諮りいたします。
 閉会中電源開発事情、石炭事情、石油開発事情、その他産業事情について調査するため、委員派遣を行うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(山本利壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、議長に提出する要求書の内容、手続等につきましては、委員長に御一任願います。
  ―――――――――――――
#21
○委員長(山本利壽君) それでは午前に引き続き、科学技術庁長官及び経済企画庁長官より所信の表明を聴取いたします。
 まず、中曽根科学技術庁長官より御発言を願います。
#22
○国務大臣(中曽根康弘君) 私はこのたび科学技術庁長官に就任いたしたのでありますが、この機会に一言科学技術振興に関する私の所信を表明させていただきたいと存じます。
 今日科学技術は、世界各国において産業活動と国民生活のあらゆる分野にわたって深く浸透し、その向上発展の原動力ともなっている実情でありまして、諸外国が科学技術の振興に強い関心を示し多大の努力を傾注しておりますゆえんのものもまさにここにあると申されます。
 わが国の場合は、各国にもまして科学技術振興の重要性を深く認識し、これを強力に推進していく必要があろうかと存じます。申すまでもなくわが国は狭隘な国土の上に一億になんなんとする人口がひしめきあっていることに加え、天賦の資源に乏しく、この悪条件を克服してすべての国民がおのおの豊かな生活を享受するためには乏しい国内資源を最も有効に活用することと国際競争力を涵養し輸出を飛躍的に伸長することがその不可欠の要件であると考えられますが、このためにはその基盤となる科学技術の振興をこの際大いに推進するよりほか道はないのであります。
 このため政府におきましては、その重要施策の一つとして科学技術の振興を取り上げておるわけであります。従いまして現在政府が企図しております新経済十箇年計画策定に当りましても目ざましい科学技術の進歩とこれに伴い予想される産業や消費の面におけるさまざまの変化などの新しい要素を盛り込んでいく必要があると考えておりますが、これと同時に日進月歩する科学技術の世界的動向に対処し、従来の後進性を脱却するはもちろん、一日も早く先進諸国の科学技術水準を凌駕するため必要な諸方策を長期的並びに総合的な観点から樹立する必要があろうと考えております。
 先般設置をみました科学技術会議は、この長期的総合的な科学技術振興基本方策の審議を一つの目的とするものであり、今回内閣総理大臣から「十年後を目標とする科学技術振興の総合的基本方策」が同会議に諮問され目下審議中でありますが、この諮問に対する答申は、わが国科学技術振興の基本路線を示すものであると考えます。従って私としては、この答申の内容を深く検討し、答申の線に即して効果のある科学技術振興の諸施策を推進して参りたいと存じているのであります。
 次に、私が科学技術行政の当面の責任者として科学技術の振興に関し、平素考えているところを二、三披瀝いたしたいと存じます。
 第一に、科学技術の振興を推進するメカニズムの問題であります。軍事力が科学技術振興の重要な推進力となっている諸外国は別として、戦争の放棄を中外に宣言し、平和文化国家として立ち上ろうとしているわが国において科学技術振興の推進原動力を何に求めるかということであります。私は経済界における自由競争が科学技術振興の一つの重要な原動力であることはもちろん承知していますが、これのみでは国家全体の総合的な国力増進の原動力を造出することはできないと思います。私は国民の総意を代表し国権の最高機関たる国会が中核となり学界、産業界等各界の御協力により真に強力な科学技術振興の原動力を造出するメカニズムが打ち立てらるべきであると考えており、幸い科学技術振興の問題につきましては党派を超越する問題でありますので、従来にも増して一段の御鞭撻を賜わりますようこの機会にお願い申し上げておきたいと存じます。
 一方科学技術の振興を推進するメカニズムの一つは行政機関であり、現在科学技術庁、原子力委員会、科学技術会議等がその衝に当っておりますが、これらの既設の組織を全面的に活動させて所期の目的を達成する所存であります。なおさらにこれらの機構につきましては、あるいは科学技術庁を省に昇格せよとか、原子力局を庁に昇格させよ等の御意見を拝聴しておりますが、私も同感でありますので、御趣旨の点が生かされますよう極力努力を払いたいと存じます。
 第二に、科学技術振興をになう人的条件の整備の問題であります。科学技術を振興する上に最も肝要と考えられるのは、人的ヒンターランドの培養であると私は信ずるものであります。具体的に申し述べますと、わが国科学技術の将来を託すべきものは、科学技術者となるべき広く厚い学生層、青少年層であるということであります。しかしながら、科学者、技術者養成の現状を顧みますといまだ不十分な点が少くないのでありまして、現状のまま推移いたしますならば、とうてい必要とする科学技術者の確保はできないと考えられます。従って、早急に学制の抜本的改革、青少年教育のための措置等その必要とする施策について、文部省その他関係省と検討をいたし、抜本的な措置が講ぜられるよう努力する所存であります。
 なお、わが圏の現状において考慮すべき問題として、官界、産業界、学界の三者一体の協力体制確立の問題があります。すなわち、たとい部分的にすぐれた研究の成果があげられたとしても、これら相互の連係が不十分であるならば、わが国科学技術がその本来の使命を果すことは不可能であるといわざるを得ません。従って総合的重点的に科学技術を振興するという観点から、私は、この際、官界、学界、産業界の緊密な協力体制を確立いたしたいと存ずるのであります、人的条件の整備の問題に関連しまして最後に私が申し述べたいのは、科学技術アタッシェ、科学技術情報センターについてでありますが、これらは海外の科学技術情報収集の重要な機関でありますので、その質、量両面にわたる整備、強化をはかりたいと考えております。
 第三に、科学技術振興を達成するための資金的条件の整備の問題であります。御承知のように先進諸国、たとえば米国英国の科学技術研究費の国民所得に占める比率、及び政府支出の科学技術研究費の総予算に占める比率をわが国のそれに比較いたしますと、はなはだ不満足であるといわざるを得ません。すなわち科学技術研究費の国民所得に占める比率については、米国の二・六%、英国の二%弱に比べ、わが国は〇・六%に過ぎず、また政府支出の科学技術研究費の総予算に占める比率は、米国の四%、英国の五・六%に比べ、わが国は一・七%程度であっていずれも相当の開きがある状況であります。
 私としては、米国、英国とわが国の国民所得、財政規模を比較いたしまして、研究費の絶対額を右の各国並みに引き上げることは無理としても、少くとも科学技術研究費の総予算に占める比率については、これを米国並みの四%程度に引き上げるよういたしたいと考えるのでありますが、特にこの際申し上げておきたいことは、国家的にみて重要な研究を推進するに必要な財政措置が欠除していることでありまして、今後この点につき予算上必要な措置を講じて参りたい所存であります。
 また民間研究の促進については、従来の補助金制度の適正化のほか、民間研究に対する税制上の改善措置その他についても検討を加えたいと存じます。
 最後に、一国の科学技術の水準を端的に示すものは、特許発明であると考えられますが、出願の審査及び審判の現状につきましては、なお満足することができない点が少くありません。従ってこの点につきましては、関係省と充分意思の疎通をはかり、改善の方向に向って努力したいと存ずるのであります。
 以上、簡単ながら私の従来抱懐している所信の一端を申し述べました。私は従来から科学技術振興の重要性を痛感し、そのための努力を惜しまなかったものでありますが、このたび科学技術庁長官に就任し、みずからに課せられた職責の重大性をいよいよ痛感しているのでありまして、新たな決意をもって全力を傾注する覚悟でありますので、国会議員各位はじめ関係各位の切なる御努力をお願いする次第であります。
#23
○委員長(山本利壽君) 速記をとめて。
   午後二時十七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時三十九分速記開始
#24
○委員長(山本利壽君) 速記を始めて。
 それでは菅野経済企画庁長官の所信の表明を願います。
#25
○国務大臣(菅野和太郎君) このたび私は経済企画庁長官に就任いたしたのでありますが、この機会に所信の一端を申し述べて各位の今後の御協力をお願い申し上げたいと存じます。
 経済企画庁の任務は、長期経済計画の策定推進、基本的経済政策の企画調整等を行い、もってわが国経済の安定成長を期するところにあるのであります。ここ数年間におきまする日本経済の成長は、まことに目ざましいものがありますが、なお一そう健全な成長を遂げ、国際社会における地位の向上をはかっていくためには、今後ともますます経済に関する適切な計画や政策の策定と推進とが強く要望されておりますので、私といたしましては、この任務達成にできるだけの努力を傾注いたしたいと存ずる次第であります。
 最近の経済動向を見ますると、昨年秋以降における国内経済活動の上昇は、まことに顕著なものがあり、すでに経済諸指標は、景気後退前の水準を回復して、新たなる成長を遂げる段階に入ったものと認められます。また海外経済情勢も、米国経済の上昇を中心として、漸次好転しつつあるものと考えられます。
 このような比較的に明るい環境の中にあって、本年度の日本経済はさらに順調な活動を続け、かなり高い成長を遂げるものと考えられます。その間にありまして日本経済が再び行き過ぎに陥ることのないよう、輸入と設備投資の動向を注意深く見守らなければならないと考えるのでありまするが、今後の経済施策について、政府はまず内においては企業資本の充実、金融正常化、公共投資の拡充、その他各般の経済の体質改善のための努力を続けて、安定成長の基盤を充実し、外に対しては為替貿易の自由化の趨勢に応じつつ、輸出と経済協力に関する施策を進めるなど、各般の有効施策を強力かつ総合的に満たして参りたいと存ずるのであります。
 さらに、より長期にわたるわが国経済の発展の姿を想定してみますとき、著しい科学技術の進歩や産業や消費に関する構造の変化なども予想されますので、政府におきましては、これらの諸要素を織り込んだ長期展望作業を行い、この基礎の上に国民所得倍増の長期経済計画を策定することを準備いたしておるのであります。
 もとより日本経済の発展は、民間企業の創意と努力に負うところが大きいのでありますが、政府におきましても、以上その一端を申し述べました通り、今後とも財政、金融、産業投資等各般にわたり適切な施策を講じていきたいと存じます。つきましては、今後とも一そう各位の御協力を特にお願い申し上げる次第であります。
 どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
#26
○委員長(山本利壽君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#27
○委員長(山本利壽君) 速記を始めて。
#28
○栗山良夫君 私は質問ではありません。長官にはいずれ次回の委員会、次回といって明日は別でありますが、次の次の当委員会において、企画庁長官がお述べになったお考えについて、私はある程度こまかくお尋ねをいたしたいと思っております。従いまして実はその点については、この前の通常国会において当時の世耕長官に私は相当詳しく予算委員会等を通じて、当時の長官の御所信をお尋ねしてあるわけです。それをどういう工合に将来政府が取り上げられて、しかも行政の実施がされるかということは、非常に私は深い関心を持っているわけです。たまたま今示されている一つの方法は、漠然としてよくわかりませんけれども、世耕長官が述べられた当時の方針が、どの程度かよくわかりませんが、一応貫かれて踏襲されておるようにも私伺うわけです。そこでいずれ、政府委員も当時出席しておられましたから、そういう点をも一つ御勘案をいただいて、やや具体的な質問に対して御答弁をいただけるように一つお願いいたしたいと思います。
 特にこの際、資料的なものをお願いしておきたいと思いますが、過日、通商産業省が経済白書を出しました。私もずっと、まだこまかくは拝見しておりませんが、通読をいたしますと、先ほど池田通商産業大臣もお述べになり、あなたもお述べになった、また世界的にも非常に問題になっておる貿易の自由化とか、通貨の交換性の回復とかの問題が経済白書にはほとんど中心点になっていない。今度経済企画庁の御所信の中には、繰り返し繰り返しこれが中心題目として取り上げておるように言われておる。そこで、経済白書が発表されてから今度の内閣ができるまでの間に、どうしてそんなに大きな変化があったのか、これがよく私にはわからないわけです。この点はもし今お答えがいただけるならば、ここでちょっとお答えをいただきたい。ただこういう非常に具体的な経済行為の問題ですから、抽象的な御答弁だけではわれわれも理解できないのであって、世界各国の通貨の自由化の問題が具体的にどんな変遷をたどって今日まできているのか、時々刻々変っておるようですが、そういう点について、日本の国内態勢として具体的にどうするか、そういうものをある程度まとまったもの、経済白書の追加のような形でもけっこうだけれども、私どもにぜひそろえてちょうだいいたしたい。この点は経済白書として非常に落ちているのじゃないか。きのう皆もらったんだが、ほとんどあそこにはないのです、重点ではないのです。どうしてそういう食い違いができているのか、長官からごく概略でもいいです、お答えいただければお答えをいただきたい。そうしてさらにその具体的な内容については次の委員会に譲ります。
#29
○国務大臣(菅野和太郎君) 今のお尋ねの件ですが、前の世耕長官とどういうふうにお話しになっておられたか、それをよく知らずにおりましてその御質問になった点についてその後どういうふうになっておるのかということについてはこれは一つこの次の機会にお答えしたいと思います。
 それから貿易の自由化、為替の自由化ということが最近日本の大きな課題になったのでありますが、その点につきましては、おそらく一年前ほどはそれほどまでに取り上げられてなかったと思います。それが最近だんだん取り上げられてきたのは、諸外国がそういうような方向に向ってきましたから、従って日本も取り残されてはいかぬというようなことで、こういう問題が日本の大きな問題になってきたと思うのでございますが、諸外国がやってきたということにつきまして、どういう方法でどういうふうにやってきたかということは、今私の方でも外国調査課へ課査さしております。その上で日本としてとるべき対策というか今後の政策を考えてみたい、こう思いまして、この間私も就任直後この問題を非常に重要視しましてまあ諸外国でとっておる経過を一つ至急に調べてほしい、こういうことを外国調査課へもお願いしてありますから、いずれそれらの問題をも合せて具体的に一つこの次の機会にお答え申し上げたい、こう存じておる次第でございます。
#30
○栗山良夫君 私の先ほどの発言の要点は二つあるのですが、一つは貿易の自由化の問題が日本の産業経済にとって大切であるということ、これはもうこの前の通常国会でさんざん言われたことで、もうおそらくこの方の関心を持っておる人は、官と言わず民と言わず、たれでも異議はないと思うのです。それはいいのですが、その意味では今の長官のお答えは、きわめて表面的であるけれども、そうだと思います。そういう問題があるのに三十四年六月の日付で出された通商白書にはほとんどその問題は中心点になっていないのです。これは読んでごらんになれば、あんなに厚い本にたくさん書いてあるけれども、ほとんどない。六月に発表された通商白書にないのに、そのときにできた内閣が一生懸命この問題ばかりを経済問題の中心にしているというのは、どうして一体そういう突然変異的な主張が出てきたのか、それが私どもわからない。これが非常に賢明な人、博識な経済閣僚が、前内閣のやっていることはだめだったということで、急に思いを新たにして力説されるということであれば、またその通り私どもも受け取る、了承しますけれども、ところが経済というものはそういうものではなくて、やはり毎月々々歩んでいく道筋というものがある。やはり主張するなら主張するで、その根拠がなければならない。その根拠がつかめないものだから、私はその点お聞きしておる。この点は従って資料的なものをきちんとそろえてもらうということが一つ。
 それから自由化が大事だから大いに関心を持って善処しましょうということなんですが、私はこれは通産行政、現業庁としての通産行政で言えばやはり今の通商産業省の中の一番ポイントの点だと思うのです。為替管理について……。従ってその壁に真正面からぶつかるから、なかなか企画庁にしても、通商産業省にしても思い切ったことが言えないのだろうと思うのですよ。しかしこの段階になれば、もうどういう対策で臨むものだということは、もう少し具体的に明らかにせらるべきだと私は思います。ところがそういうところまでいくというと、さっぱり言葉がないわけですね。非常に勇ましいけれども言葉がない。先ほど私は池田、中曽根両国務大臣の前で、今度の経済閣僚はラッパの音色は大へんよさそうだということを言ったのは、そのことなんです。ですからそういう意味で返事していただきたい。
#31
○国務大臣(菅野和太郎君) 今の通商白書は通産省が出しておるのですが、私まだ拝見しておりませんが、御趣旨の点はよくわかりました。今のところ前にも申しました通り、問題はやはり為替管理の問題、これが結局ポイントだと思うのです。そういう点何とかしなければならないということに結局なってくると思います。そういうことはこれから一つわれわれの研究題目にさしていただいて、この次には私の考えを申し上げたい、こう存じます。
#32
○栗山良夫君 それで私前の世耕長官のときに、ある命題を、若干私の私見にわたる点もあったのだが、企画庁としては一応私の私見にわたる点も含めて、これは速記録をごらんいただけばわかりますが、ある程度の賛意を表せられたわけです。従ってその中心はやはり長期経済計画というか、長期財政計画というか、そういったような形式のものなんです。その点は特に私は関心を持っておる。それから特にこの次までには、今あなたの方で作業に着手されておるようですから、ある程度中間的なものは作業の結果もできるかもしれない。そういう点なんです。
#33
○国務大臣(菅野和太郎君) 承知しました。
#34
○委員長(山本利壽君) よろしゅうございますか、どなたもよろしゅうございますか。
 それでは本日はこれで散会いたします。
   午後二時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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