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1947/12/02 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第53号
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1947/12/02 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第53号

#1
第001回国会 議院運営委員会 第53号
  付託事件
○新憲法の活用に関する陳情(第二十
 七号)
○戰爭犠牲者の負担公平を自由討議の
 問題とすることに関する請願(第百
 三十二号)
○政党法制定反対に関する陳情(第四
 百三十九号)
○衆議院議員選挙法中船員不在投票制
 度改正に関する陳情(第四百八十九
 号)
○政党法制定反対に関する陳情(第五
 百九号)
○衆議院議員選挙法中船員不在投票制
 度改正に関する請願(第四百八十七
 号)
○全國選挙管理委員会法案(衆議院送
 付)
――――――――――――――――
昭和二十二年十二月二日(火曜日)
   午前十時三十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○議案の付託に関する件
○全國選挙管理委員会法案(内閣送
 付)
○衆議院議員選挙法中船員不在投票制
 度改正に関する請願(第四百八十七
 号)
○衆議院議員選挙法中船員不在投票制
 度改正に関する陳情(第四百八十九
 号)
○戰爭犠牲者の負担公平を自由討議の
 問題とすることに関する請願(第百
 三十二号)
○新憲法の活用に関する陳情(第二十
 七号)
○政党法制定反対に関する陳情(第四
 百三十九号)(第五百九号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木内四郎君) それでは只今より委員会を開きます。先ず議案の付託についてお諮りいたしたいと思います。
#3
○参事(寺光忠君) 昨日内閣から建設院設置法案が提出せられまして、予備審査のためにこちらに参りました。これはこの前の建設院設置法案の際に決算の委員会に託せられたのでありますが、今回撤回せちれたものに代つて提出されたものでありますから、同じく決算委員会に付託せらるることになるかとも存じますけれども、一應御審議を願いたい、こういうことでございます。
#4
○委員長(木内四郎君) 只今議事部長から説明がありました建設院設置法案を決算委員会に付託することに御異議ございせんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。
 次に衆議院の政党法及び選挙法に関する特別委員会委員長淺沼稻次郎君から提出されました全國選挙管理委員会法案が予備審査のために当院に送付されまして、この委員会に付託されたのでありますが、この法案は成るべく明日本日予備審査として御審査願い、そうしてできますれば明日の本会議のある中に採択して頂いて、本会議に緊急上程させて頂きますれば非常に好都合だと思います。衆議院では本日委員会の審査を省略しまして本会議に上程して、こちらの方に送付するそうです。淺沼稻次郎君がまだ來られませんが、衆議院の法制部長が來ておられますし、こちらの法制部長もいろいろ参画しておる点がありまするので、両法制部長に若し御質疑がありましたら御質問なさつたら如何かと思いますが、如何でしようか。
   〔「異議なしにと呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(木内四郎君) それでは左様に取計います。それでは衆議院の法制部長から概略説明して頂きます。
#7
○衆議院参事(三浦義男君) 私衆議院法制部長の三浦でございます。この法案は先程委員長から御説明がありましたように、衆議院におきまして政党法及び選挙法に関する特別委員会が設置せられまして、御承知の通り政党法立案に関する問題を主としてその委員会において取扱つていたのでありますが、いろいろの事情によりまして内務省解体に伴いまする所の選挙事務といものに関する委員会の設置法案を第一段として立案するというようなことに変つて参りまして、その委員会におきましては内務省が從來扱つておりました所の選挙事務所並びに政党法立案要綱におきまして考えられておりました所の政党管理委員会というよかなものをも併せ含みました趣旨におきまして、立案せられることになつたのであります。從いましてこの選挙管理委員会は内務省において扱つておりましたいわゆる選挙事務と、それから政党に関する事項等を扱うことになつておるわけでございます。大体要旨を申上げますと、第一條におきましてはその趣旨を逃べてございまして、これが行政機関であるに鑑みまして、内閣総理大臣の所轄に属するということになつております。尚第二條におきましてはこの委員会は、後に出ておりまするが國会におきまして各政党、各党派から推薦いたしました人たちを委員として指名して総理大臣がこれを任命するということになつておるのであります。併しながら委員となりました場合におきまては、それらの党派のいわゆる純然たる代表という意味でなくて、この委員会の趣旨に基きまして、独立の職権を以て委員しての職務を行い、且つ又形式的には内閣総理大臣の所轄に属しておりまするけれども、実質的には委員会独自の権限を以つてその職務を行う、こういう建前になつておるのが第二條でございます。
 第三條におきましては、一号、二号、三号、四号、五号とございまするが、この内容は從來内務省が持つておりましたところの、いわゆる取扱つておりましたところの國会議員の選挙と、それから地方自治法に基きまするところの地方公共團体の議会の議員、並びに長の選挙、その他解職請求等の投票等に関する事務、並びにその調査及び資料の蒐集等に当るのでありまするが、更に最高裁判所裁判官國民審査法が先程両院を通過いたしまして、法律となつたのでありまするが、これに伴いまするところのいろいろの事務というものもこれで行うことになつておる次第であります。尚それらに伴いまするところの予算とか、用紙の斡旋等も同様に取扱います。それから政党、政治結社に関する事項等も扱うのであります。その他法律に基づきましてこの権限に属する事項等を行うことになる次第であります。
 それから第四條におきましては、從來ありまするところの参議院の全國選出議員選挙管理委員会、それから都道府縣、市町村におきまする所の選挙管理委員会との関聯をいかに考えるかこういう問題でございまするが、これらに対しましては、この全國選挙管理委員会との縦の繋がりを以ちまして、指揮監督するということが第四條の規定となつておる次第でございます。尚最初には最高裁判所裁判官國民審査管理委員会もこの指揮系統に入れることになつておつたのでありまするが、これはいろいろの事情から、その点は取除くことにいたしまして、それが別個独立の機関としてその職務を行う。併し事務といたしましては、この三條におきましてこの選挙事務行う。かようなこになつておる次第であります。
 第五條におきましては、委員の構成でございまするが、これにつきましては、いろいろ調査研究せられたのでりますが、結論といたしましては、九人ということになつた次第であります。それでこの委員の選任につきましては、第六條に規定してございます次第でありますが、第一六條の第二項におきまして「委員会、國会における同一党派の各所属國会議員数の比率による政治的実勢に基き、各党派の推薦した者につき、これを、これを指名しなければならない。」ということがございまして、これが委員選任の原則でございます。それで党派の各所属國会議員の比率によると申しますと、衆議院参議院を入れまして、國会の同一党派を一緒にいたしまして、それらの所属國会議員数の比率を出しまして、それに基きまて、各九名の人員の按分をいたすわけでございます。「政治的実勢に基く」と申しまするのは、それらの各所属國会議員の数の比率によることの趣旨を、実際的な意味において政治的実勢に基くということ表わした次第でございます。次に小党派の利益を保護する目的を以て、小党派はこの委員を推薦する目的を以て聯合することができる。尚、更に、「國会は委員の指名を行うに当つては、小党派が共同じて推薦した者も指名されるように措置しなければならない。」かようなことにいたしてありまして、これらの國会の議決によつて指名せられた人を内閣総理大臣が任命する、かような建前になつておる次第でございます。尚これらの点について言葉の足りない点は後で質問があれば尚、申上げたいと思つておりますが、要点だけをあらまし申し上げておきたいと思います。
 第七條においては、委員と同数の予備員を置く建前になつておりまして、これに関しては委員に関する規定を準用しております。
 第八條においては、委員の任期を三年として、委員の任期中その委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。これは從來の委員会制度の建前を採つておる次第であります。尚再任することができるようにいたしまして、九年を大体最高の年限と考えておる次第であります。それから更に國会の閉会とか、衆議院解散の場合に任期が満了したときの措置として、第八條の末項において規定してある次第であります。それからこの委員は委員会の継続性という点に鑑みて、例えば合同、解散等の行われた場合において、それが委員を出す比率に影響するような場合においては、ただ一人、二人の異動でなく、比率に影響するような場合には更にその都度委員の選考をするというようなことも考えられたのでありますが、この委員の行政機関である性質に鑑み、又その継続性を必要とするという趣旨から、三年間は、その委員は一應六條の原則によつて選任せられた以上におきましては、その期間継続して委員の職務を行う、かようなことに考えておる次第であります。
 第九條におきましては、委員は「國会議員又は地方公共團体の議会の議員若しくは長を兼ねることができない。」これは選挙管理委員会の選挙事務を行う性質上当然かと考えております。
 第十條においては委員となることのできない資格、つまり一般的に申します選挙権のない者等に該当する事項、その他の事項を挙げた次第であります。
 第十一條においては、委員が特別の事項に該当する場合において、これを罷免するという規定を置いてある次第であります。
 第十二條においては、一定の事項に該当した場合には当然退職するものとするという規定でありまして、これらは例えば國家公務員法においてもこれに準じたような規定もございます。
 第十三條は委員長並びに委員会に対する規定であります。
 第十四條も同様でございます。
 第十五條においては、この委員はいろいろ考えられるのでありますが、常勤とするというような趣旨でこの法案が出來ておるのでありまして、從つてその手当等について委員長は國務大臣の俸給に準ずる報酬を、委員長以外の委員は一般官吏の最高の俸給よりも少くない程度の報酬を当然貰えるということにいたしてある次第であります。
 第十六條においては、この委員会の事務遂行を円満にいたしまするために、且つそれに補助的な部局として事務局を設置する規定を置いてある次第でありまして、この事務局の人員等についての細かい点は政令に譲ることにいたしてある次第であります。
 第十七條においてはこの委員会が職機執行の上において官公署等に対する関係を規定してある次第であります。
 第十八條におきましては、委員会独自の権限を以ちまして、この法律に規定してあります事項以外におきまして、事務処理に関するところの必要な内部規則、或いはその他の事項等を決定し得ることにしてあるのでありまして、その必要とするような事項につきましては、官報で告示するということにしてある次第であります。
 附則以下におきましては、経過的な規定として、他の法律等に掲げてあります規定で、この選挙管理委員会が設置されますに伴いまして改正を要する点を規定してある次第でございますが、その要点を申上げますると、
 第十九條におきまして、施行期日を規定してあるのでありますが、これは十二月五日とプリントにはなつておりまするけれども、いろいろ手続上の都合等もありまして、十一月十日ということに変更いたすことになつたのでございます。これは正誤表を以ちまして、昨日そういう手続をいたさしておきましたから、予め御了承をお請いいたしたいと思つております。十二月十日を、以ちまして、一應内務省の選挙事務は選挙管理委員会に移ることになるのでありますけれども、まだ委員会が設置されますまでの間、内務省においてその事務を行いませんと、補欠選挙等いろいろ選挙事務もございますので、そのことを明らかにいたす必要がありますので、十九條の但書に規定してある次第であります。
 十九條二項におきましては、尚それらの事後におきまして、選挙管理委員会がその事務を審査できる規定を置いてあるわけであります。
 第二十條におきましては、十二月十日にこの法律を施行行する予定になつておるのでありますが、参議院を通過いたしまして、これが至急に公布せられることになりますれば、この施行前におきまして、管理委員会の委員を以て予備委員の指名を行うということにしてあるのでありまして、本國会の会期が十二月九日まででありますので、その期間におきまして、委員及び予備委員の指名をこの國会においてして頂きたいとかように考えておる次第でございます。その定が二十條でございます。尚その場合におきまして、「所属國会議員数は、この法律の公布の日の現在による。」ということになつておるのでございまして、第六條に規定しておりますところの所属國会議員数は、この法律施行の第一回の委員会におきましては、委員会の委員及び予備委員を選任します場合におきましては、法律公布の日の現在によることにいたしておるのであります。
 二十一條におきましては、十二月十日からこの法律は施行になりまして、できるだけ速かに選挙管理委員会のこの事務の引継ぎの行われることを希望する次第でありまするが、その点に関しまして、特に二十一條に規定をいたしたのであります。併しながら内務省の解体は本年一ぱいを以てすべて終りますので、遅くとも本年の十二月三十一日より遅く行われてはならないというような規定をいたしておる次第でございます。
 二十一二條の衆議院議員選挙法の一部改正、二十三條の参議院議員選挙法の一部改正及び二十四條の最高裁判所裁判官の國民審査法の一部改正等に関しましては、從來内務大臣の権限に属しております事項等におきまして、この選挙管理委員に移す必要のあるものにつきまして、それに改めることにたした規定であります。尚参議院議員選挙法の一部改正におきまして、参議院議員の全國選挙管理委員会は、從來通り存続させることになつているのでありますが、それは事務の性質上この選挙管理委員会の指揮監督を受けることになりますので、従來「内務大臣の所轄とし」という文句のありましたのを創ることにいたしたのであります。
 それから第二十五條の規定は、これはいろいろ問題の法律でございまするが、選挙運動の文書図画等の特例に関する法律でございますが、この問題は内容的にいろいろ檢討を要する点があるかと思われるでありまして、衆議院におきましてもさような意見が相当あつたのでございます。併しながら一應昭和二十二年を以ちましてこの法律の期限が切れますので、これを暫定的に昭和二十三年まで延ばすことにいたしまして、そうしてその内容的な問題等につきましては、尚追つて檢討を加えるということにいたしたのであります。その問題に触れましたゆえんは、その中におきまして、全國選挙管理委員会に改める事項が一ケ所ありましたので、同時にその問題に触れました次第でございます。
 次に二十六條におきましては、國会法の一部改正でございまするが、これ、は第百十條におきまして「各議院の議員に欠員が生じたときは、その院の議長は、内務大臣に通知しなければならない。」という規定がございますが、これは選挙管理委員会ができますと、当然この委員会に通知しなければならないことになるわけでありまするので、その点の改正を加えました次第であります。
 大体以上が衆議院の政党法及び選挙法に関する特別委員会並びにその小委員会等におきまして協議せられましたこの法案の要綱の説明でございます。
#8
○委員長(木内四郎君) この法案は当委員におきましてもすでにこの委員会の、政党法に関する小委員会の方で衆議院の方とかねがね緊密な聯絡を取つて今日まで來ておつたのでありますが、只今衆議院の法制部長から御説明がありました。又衆議院の政党法及び選挙法に関する特別委員長も來ておられますので、何か御質問なり御意見がありましたら……
#9
○佐佐弘雄君 念のためにちよつとお伺いいたしたいのでありますが、第三條の第四に、「政党及び政治結社に関する事項」とありますね。これは全國選挙管理委員会が政党及び政治結社に関する事項というものは、事務的なことでございますか。大体どんなふうなことでございますか。
#10
○衆議院参事(三浦義男君) この点に関しましては、先ず政党の点に関ししては、政党法が御承知の通りでありまして、政党法ができますれば、いわゆる法律上の政党というものがはつきりいたして参るのでございますけれども、それが現在法律になつておりません関係上、ここに申しまするところの政党は、社会的のいわゆる政党、こういうものを政党と呼んでおる次第でございます。尚、政治結社と申しまするのは、それ以外におきまして、政策綱領等を掲げまして、政治的な一定の目標に向つて結集しておるいわゆる團体等を含めまして政治結社と申したのでございまして、この事務は実際問題といたしましては、今まで内務省がやるのか、或いは外がやるのかはつきりいたしておらないような嫌いが多少あるのでございますが、御承知の通り聯合國の最高司令官の要求に基きますところの政治結社、協会等の禁止に関する條項は、内務省の調査局で扱つておるのでありまして、これは今度最高法務廳の方に移りますけれども、それらの結社等の禁止等に関する事項以外におきまして、一般的な政党政治結社に関する事項等の事務の世話をこの選挙管神委員会が必要があればするということでございまして、差し当りの問題といたしまして、特にどういうことを今具体的にするかという所まではまだこれでは考えてないのでございまするが、將來のそれらの発達或いは法案等の模様等も見ますれば、この事柄等がはつきりして参ると思つております。
#11
○佐佐弘雄君 大体届出を受けましたり何かするよりなことでございますか。
#12
○衆議院参事(三浦義男君) 容等に亘りますと現在政党等の届出のことは政党法か何かできますればそれで義務が課されまして、この委員会に移るということになりますけれども、そういうことも今のところございませんから、特にここで届出をするというようなことも、今との案におきましては差し当りは考えておりません。
#13
○佐佐弘雄君 ないのですか。
#14
○衆議院参事(三浦義男君) それは先程申しました例の内務省の調査局で從來扱つておりました政党、協会その他の團体等の結社等の禁止に関する事項というのがございまして、あの勅令に基きまするところの規定によりまして、届出をいたすのでありまするが、それは今度は最高法務廳の方へ届出をすることになります。
#15
○佐佐弘雄君 そうしますとここでやる政党及び政治結社に関する事項は、差当つては内容がないのですね。
#16
○衆議院参事(三浦義男君) 差当つては特に内容はございませんが、これは一般的な政党の例えば調査をいたしますとか、或いは政治結社の調査をいたしますとか、そういうようなことはこの選挙管理委員会がいたして差支ないと考えております。
#17
○佐佐弘雄君 調査だけですか。
#18
○衆議院参事(三浦義男君) はい。
#19
○竹下豐次君 法制部長に念のためにお伺いしたいのですが、任期三年間の内に政党の消長があつた場合に比率の相違があるわけですが、結局三年間継続してやるのだという御説明ですね。政党がすつかり解消しいというときにはやはり同じような解釈ですね。
#20
○衆議院参事(三浦義男君) その点はいろいろ実は問題の点でございまして、最初の案におきましては、解消になりましたり、合同になりました場合も考えたのでございまするけれども、これは又一方の見方から申しますと、そういうようなことで絶えず委員の変更いたすことは、委員の永続性と、行政機関たる性質等に鑑みまして、適当でないという意見等も現われましたので、さような世場合のございます、場合いおきましては、多少実際に合わない場合もあるかと思いますけれども、一應三年間はそのままに継続して行くとうことに考えておりますので、お尋ねの点はやはり三年間は変えられない。かようなことになると思います。
#21
○藤井新一君 この十四條に「委員の議事」ということがございますが、出席委員の過半数で決するとあるのです。最初の方から読んで見ると、半数以上の出席というと九人の中で五人です。五人の中で又過半数ということになると三人です。三人で議事が進行できるということになるわけです。重大な事項を三人で議事進行できるということには、聊かそこに不安があると思うのですが、淺沼委員長の御意見を承りたい。
#22
○衆議院議員(淺沼稻次郎君) その点は、從來行れております会議の通例を採つてこに規定したのでありまして、無理と思われる点は場合によつては入れようと思います。それから会議を開く場合においては三人以上の請求ということに規定いたしまして、これもやはり会議規則の通念に從つて決定をしたわけでありまして、その点御了承願いたいと思つております。
#23
○板野勝次君 選挙管理委員会の基本的な問題についてちよつとお尋ねしたいのですが、この法案の全体を眺めて見ても、次のような点がはつきりしていないので、その点を承りたいのです。選挙管理委員会の職務というものは、我々の考えるところによると、憲法第十五條が保障しておるところの國民固有の権利でありまする選挙権、被選挙権を最も公平に且つ効果的に行使することを保護助成するために必要なので、從つてそれを眞に保護助成するためにあらゆる党利党略等から超越して、本当に民主的に管理することが必要だと思うのですが、そういうふうな精神がどうも見当らないので、そういう憲法第十五條から流れて來る精神から発したものかどうか。何かどうも既成政党を保護するというふうな建前から立案されておるように見えるのですが、その点に対する御見解を承りいたと思います。
#24
○衆議院議員(淺沼稻次郎君) それは板野君が申されました通り憲法第十五條の規定で、公務員を選任し罷免する、この國民の基本的権限から流れて來ております法案でありまして、これを保護助成するための法案であります。断じて一党一派、或いは党利党略のためにこの法案を作るということではないのでありまして、この点は篤と御了承を願いたいと思うのであります。又衆議院おいて審議に当りました際にも、そういうような既成政党を保護するというような観点でなく、今申されました十五條の規定に基いてそれを保護助成するという観点で審議に当つたのでありまして、この点も篤と御了承を願いたいと思うのであります。
#25
○板野勝次君 そうするとこの第六條なんですが、今の点から行くと第六條で、「國会における同一党派の各所属國会議員数の比率による政治的実勢に基き、各党派の推薦した者につき、これを指名しなければならない。」という点は、明らかにこの政治的実勢というものが基礎にされておるので、勢い党利党略に利用される面が明らかに窺えると思うのです。而も今日の既成政党は、まだ終戰後僅かな期間しか経つていないし、眞に成長しておる立派な政党だということは言えない段階に、この第六條の規定が著しく既成政党の実勢に左右されて來ると勢い選挙管理の問題が党利党略に利用される危險性があると思うのですが、先程の説明と少し矛盾して來るように思うのですが、その点に対しては……。
#26
○衆議院議員(淺沼稻次郎君) この点につきましては、衆議院の審議の際にも非常に議論のあつた点でありまして、いかようにして全國選挙管理委員会の委員を選ぶかということが非常に大きな問題になつて参りました。併し選ぶ場合におきまして、何らかの基準がなければいかんというような意味合よりいたしまして、現在ここに掲げてあるような規定を描いたのでありまして、而も現在衆議院並びに参議院の内部の実状を政治的実勢について考えて見ますならば、自然政党ならざる政派があるのでありまして、いわゆる院内交渉團体というものがあるのでありまして、その院内交渉團体につきましては、この各党派の推薦したるというこの意味の中には政党のみならず院内にある團体、こういう工合にこの意味を含めて決定したのでありまして、決して今ある政党に有利のように作るというような意味合ではないのであります。ただ政党についてはいろいろな批評もあろうと思うのですが、現実ある政党の姿というものを無視して政治ができるというわけでもないのでありまして、理想は理想として、尚且つ現実のありのままの姿をこの施行の場合に現わして行く。そういう意味で決めたのでありまして、その点よく御了承願いたいと思うのであります。
#27
○佐佐弘雄君 今の第六條の第二項でございますが、國会における同一党派各所属國会議員数云々とありますが、緑風会は、いわゆる社会通念における政党ではないのでありますが、一種の特殊の政治結社でありますが、これも同一党派の所属國会議員数という中に入るものと私共は了解いたしておりますが、淺沼委員長如何ですか。
#28
○衆議院議員(淺沼稻次郎君) この点につきましては、只今私が板野委員の質問に対してお答え申しました通り、ここに党派とあるのは政党及び会派、並びに院内團体を指すものであることを御了承願いたいと思うのであります。從いまして緑風会は院内團体の中に入るという結果になるのでありまして、これも御了承を願いたいと存じます。尚且つこれを決めるに当りましては、必然的に衆議院並びに参議院の議会運営委員会等を通じて、そのいわゆる政治的実勢力に基いてその候補者を決めるというような結果になろうと思うのでありまして、この運営において今板野さんが指摘されたことのないようにして行くことが、私は必要でなかろうかと存じます。
#29
○佐佐弘雄君 もう一つ伺いますが、只今頂いた國会議員の各派別の統計表でありますが、自分等の会派のことばかり申しますが、その一つの方は、緑風会九十名とあります。もう一つの方は緑風会八十一名とあり、國民協同党九名とあつて、分けてあります。実は國協党が緑風会に入りましたときの約束は、参議院においては國協党という党を解消して、個人の資格において入れてくれということでまあお入りになつた。從つて参議院においては、殊に緑風会の中に融け込んでおるというふうに了解しておりますのですが、これは選挙管理委員を選出します場合に、直ちに具体的に影響のある問題ですから、それはどういうふうに衆議院の方で御了解になつておりますか。
#30
○衆議院参事(三浦義男君) お手許に上げました表は、かような前提においてお考えを願たいと思つております。これは昭和二十二年の十一月十五日現在を以て調べてあるのでございまするので、その後のいろいろの実際の党籍の変更等によりまするところの、所属議員数の変更等はこれに加わつておりません点を先ず第一に御了承願いたいと思つております。
 それからこの法案の二十條の説明におきまして、先程申上げましたように、実際この委員を選任いたします場合におきましては、公布の日の所属議員数によるということになつておるのでありまして、参議院の方でも近く御可決になりまして、或いは七日か八日頃でも公布ができるようになりますれば、その日の現在員によるということになつております点を、予めお含み置きを願いたい。それから只今お尋ねの点でございまするが、最初におきましては、参議院の緑風会の八十一名と國民協同党の九名という者を一緒にいたしまして、緑風会の中に九十名として引括めました表を作つて出したのでありますが、衆議院の御審議の際におきまして、國協党の代表の方から意見が出まして、緑風会の中に九名の國民協同党の人があるので、これはいわゆる院内の團体としては緑風会に或いは入つておるかも知れませんが、政党として選挙の際に打つで出た人たちであるし、これは党として当然衆議院の國民協同党の中に入つて計算して貰わなければ困るというような意見もありましだので、その点を参酌いたしまして、最初緑風会の中に引括めておりましたのを特に取り出しまして、國民協同党として挙げた次第でございます。從いましてそれらの点に関しましては、先程淺沼委員長からもお話がありましたように、実際委員を選任する場合におきまして、尚議院運営委員会等を通じて最後の御決定を願えれば結構であると思つております。
#31
○委員長(木内四郎君) 外に御質問はありませんか。それでは若し外に御質問がなければ、今日はこの程度で打切りまして、明日……、そうして各党派で御意見をお纏めになつて置いて頂きまして、今日衆議院の方を通過して参りましたら明朝討論、採決をいたしたいと思いますが……。
#32
○板野勝次君 ちよつと……第五條の委員の九人でですがね、これはどうい根拠で九人というような……。
#33
○衆議院参事(三浦義男君) この委員の数につきましては、経過とありの儘に申上げますれば、最初十一人と考えたのでございます。十一の人の中の三人を学識経驗者、八人を只今こういうような國会から指名された人というようなことに考えたのであります。その場合におきまして八人を一應考えましたのは、衆議院、参議院の議員数を合せますと七百十六名でございますかになりますので、それらを併せ考えまして八人ということにいたしたのであります。しかしながらいういろいろの点から学識経驗者を特に取り出すこともどうかというようなことになりましたので、各政党から推薦された方々ということにいたしまして、その場合に、人数等の点も考慮いたしまして、代表を出される委員の人数等も考慮いたしまして、一人殖やしまして九人と、こういうことになつたわけでございます。それでこの九人を、もつと少くてもいいぢやないかというような説もあつたのであります。それは、これが常勤であるし、又行政機関である。それに大勢の人が実際この委員となつて來ても、余り大勢では事務の執行上却つて円満な運営ができないのじやないかという意見等もあつたのでありまするが、結論として九名ということになつたのであります。
#34
○委員長(木内四郎君) 外に御質問がなければ、全國選挙管理委員会法案の方の審議はこの程度にいたしたいと思います。
 次に請願及び陳情についてお諮りいたしたいと思います。ちよつと速記を止めて……
   〔速記中止〕
#35
○委員長(木内四郎君) それじや速記を始めて……。それでは小泉秀吉氏の紹介にかかります「衆議院議員選挙法中船員不在投票制度改正に関する請願」についてお諮りいたしたいと思います。先ず紹介議員から御説明を願います。
#36
○委員外議員(小泉秀吉君) 紹介の要旨を極ぐ簡單に御披露さして頂きます。
 國民の政治に関する関與は平等でなければならないということは申すまでもないのでありますが、現行の衆議院議員の選挙法は、職務に起因して選挙権を行使することができない者に対して不在投票の制度を設けて、選挙権の行使を十分にさせようということにしておるのは御承知の通りでございますが、実際上現在の不在投票の制度では、船員は殆んどその選挙権を十二分に行使することができないというのが実情であります。御承知のように、船員は船員としての生活が続く限り、いわゆる不在者でありまして、船員の生活におきましては、家におるということは例外である。そうして絶えずその居住が移動をしておる。僅かに定期船に乗り込む船員だけが、予定の通りほぼ自分の居住が確定しておるというのが現状であります。大多数のトラソパ一その他小船に乗つておる船員はその移動性が甚だ不確案であります。こういうような船員の生活、いわゆる居住の確立していない者に、不在投票の現行の制度で果して選挙権を完全に行使させることができるかというようなことでありますが、実際は先般の四月の総選挙におきましても、殆んど……ただ兵庫縣だけの例を引きましても、全有権者の二%乃至は三%というくらいの投票をしたに過ぎないよろなことであります。このままでおりますると、全國二十万人以上に亘る船員が、その職務のために選挙をする、ことが絶対に不可能だというようなふうに申しても善支ないと思うのでありまして、かような欠点をぜひ法の改正においてして頂きたいというのが本請願の要旨であります。一体現行の行き方でおりますと、選挙名簿に登録されておる者が登録しようとするためには、郵便で三回ほど通信の往復をしなければならないというようなことであります。又市町村の選挙管理委員会に対して不在投票用紙や封筒を請求しまして、これが船員の手に届いて來るまでに、先刻申上げましたような船員の所在が甚だ確実でない者ですからして、期限のうちに果してその郵便が届くかどうかというようなことの不安があるばかりでなしに、事実においては届いてみても、それが又轉送をしなければならないといいうような実情にあるのでございます。こういうような不便な観点から、ぜひ現行の選挙規則を適当に変改して頂きたい。そうして船員である國民、而も二十万に達する者にもぜひ均等の選権を洩れなく行使するようなふうに選挙法を作りて頂きたい。こういうような要旨でありまして、お手許に差上げました日本海員組合長から一つの試案も出ておりますが、必らずしもそれによらないでも、そうしたような方法で一つぜひ船員が十二分に選挙ができるようなふうにお取計いを願いたいという趣旨であります。以上私紹介者として皆さんにぜひ本請願が採択になつて、至急に法文化せられることをお願いいいたす次第でございます。有難うございました。
#37
○委員長(木内四郎君) 次に戰爭犠牲の負担公平を自由討議の問題とすることに関する請願についてお諮りいたしたいと思います。
#38
○天田勝正君 前の件についてちよつとお聞きしたい。そうすると衆議院議員の選挙法の改正ということだけに限定したんはどういうことか、これが一つ。それからこれはお答えする方が長くなるので御無理かと思いますが、小泉さんは海外の事情に非常に精しいので、英米等ではどのようにこの問題を処理しておられるか、これは紹介者でなくとも、法制部長でも次の機会に返事してよいのですが、その二つをお伺いしたい。
#39
○委員外議員(小泉秀吉君) お答えいたします。この不在投票の規則というのは、ずつと前の憲法の時分であつて、衆議院と貴族院の時だけであつたものだから、衆議院の選挙法の方に不在投票の規則がありまして、それが参議院の方のことにまでその当時及んでおらなかつたので、この法の改正も、いわゆる船員不在投票制度を改正する時分にも、当然ひとり衆議院ばかりでなくて、一切の投票に及ぼして頂きたいというのが請願者の趣旨であると私は了解しております。
#40
○松本治一郎君 衆議院を國会議員に替えてもよいわけですね。
#41
○委員外議員(小泉秀吉君) そういうようにお取計らいをぜひ願いたいと思います。
#42
○委員長(木内四郎君) 次の議案に入ることに御異議ございませんか。
#43
○参事(宮坂完孝君) 戰爭犠牲の負担公平を自由討議の問題とすることに関する請願、請願者は東京都中央区築地三丁目一番地渡邊勝男外百十九名、紹介議員北條秀一君、「今後の日本再建のために、戰爭への正しい反省と決算をつける戰爭責任問題と戰時利得処理とは、不充分ながら一應推進されつつあるが、戰爭犠牲の著しい不均等がそのまま放置されていることは、理論的に不合理であるのみならず、現実的問題として戰爭犠牲者の甚しい生活の困窮を放置することは、日本再建の重大障害となるから、戰爭犠牲の負担公平の問題を、國の重要なる政策を決定すべき自由討議において討議されたい」との請願であります。
#44
○委員長(木内四郎君) 御質問ありませんか。紹介議員は來ておりませんが……。尚陳情書をこの際朗読して貰つて、それと前の請願の取扱権についてあとで一括してお諮りいたしたいと思います。
#45
○参事(宮坂完孝君) 陳情第二十七号、新憲法の活用に関する陳情、自然の推移は日本をして人類存在の意義を自覚せしむるに至りし結果、その実現の基本として民主主義的憲法の公布を見るに至れり。されば極望するところ宇宙の秩序を維持するの前提として人類の平和的一体を建設するにあり。然るに平和は生活の平等に成立し、生活の平等は共存共栄の結果に到達す。故に憲法十一條は國民の権利は平等なるべき旨を掲げ、これを全うするにはその当然として共存共栄の手段に俟たざるべかざるを十二條に規定し、以て平和建設の礎石となしたり。而してこの両條の出生は人類普遍の原理に基ずくものとせり。
 そもそも人類の平存は天恵の公平に理拠するの天命なると同時に、その平和は右の天命を履践するがために個人生來の差等を相互援助に利用したる場合に生ずるの結果なり。
 旧憲法においてもその精神とするところ四民平等にありたるに拘わらず、現下の情勢を見るに至りたるは、廃止せられたる貴族制度に存するにあらずして、國民の実生活の高低を生むべき競爭を奨励したる政策に因するものなり。
 而して競爭あるところに平和なく、平和なきところに尊重なく、自由なし。故に新憲法の目的を達するがためには、その活動に國民の生活を平等ならしめて上の競爭を杜絶するの政策を伴わせざるべからず。
 これが新憲法活用に関する陳情であります。
#46
○委員長(木内四郎君) 尚この外に陳情第四百三十九号、第五百九号、陳情四百八十九号というのがありますが、これはいかがでしようか、朗読を省略しまして、先程來御審議願いました請願と共に一括庶務関係の小委員に一應付託しまして、取扱い方を研究して頂いて、それからこの委員会において相談したらどうかと思いますが、いかがでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○委員長(木内四郎君) それでは御異議ないものと認めまして、そのようにに取計らいます。
 外に若し議題がありませんければ本日はこの程度にしまして、明日は午前十時からこの委員会を開きまして、全國選挙管理委員会法案の討論、採決をして本会議の方に緊急上程して貰うように言いと思います。本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時三十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木内 四郎君
   理事
           藤井 新一君
           駒井 藤平君
   委員
           天田 勝正君
           松本治一郎君
           淺岡 信夫君
           黒川 武雄君
           左藤 義詮君
           櫻内 辰郎君
           佐佐 弘雄君
           佐藤 尚武君
           板野 勝次君
           佐々木良作君
  委員外議員
           藤田 芳雄君
           星野 芳樹君
           小泉 秀吉君
  衆議院議員
   政党法及び選挙
   法に関する特別
   委員長     淺沼稻次郎君
  事務局側
   事 務 総 長 小林 次郎君
   参     事
   (事務次長)  近藤 英明君
   参     事
   (法制部長)  川上 和吉君
   参     事
   (議事部長)  寺光  忠君
   参     事
   (委員部長)  河野 義克君
   衆議院事務局側
   参事
   (法制部長)  三浦 義男君
ソース: 国立国会図書館
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