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1948/10/19 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第2号
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1948/10/19 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第2号

#1
第003回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第2号
昭和二十三年十月十九日(火曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○請願及び陳情処理小委員選任の件
○本委員会の運営に関する件
○引揚者厚生対策に関する件
○東京都の引揚者厚生施設に関する調
 査の件
  ―――――――――――――
   午前十時五十四分開会
#2
○委員長(草葉隆圓君) 只今より在外同胞引揚問題に関する特別委員会を開会いたします。前回の委員会で請願及び陳情処理小委員選任の件について委員長に御一任になつておりましたので、その委員を穗積委員、岡元委員、木下委員、駒井委員、淺岡委員、木内委員、細川委員、以上七名にお願いいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(草葉隆圓君) それではさよう決定いたします。
 次に委員会運営について、法案審議の小委員を選びたいと存じますが、これも委員長に前会御一任になつておりましたから、北條委員、宮城委員、駒井委員、水久保委員、天田委員、伊東委員、星野委員、以上七名に決定いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(草葉隆圓君) さよう決定いたします。
 次に委員会の運営についての企画、渉外、厚生、促進の四つの委員をそれぞれ選任して今後の運営の適切を期して参りたいと存じますが、これは各会派からそれぞれ御推薦を願うことに相成つております。御推薦の結果を一應申上げます。企画委員は木下委員、岡元委員、水久保委員、伊東委員、渉外は天田委員、北條委員、小畑委員、駒井委員、厚生は三木委員、矢野委員、穗積委員、池田委員、紅露委員、千田委員、促進は宮城委員、淺岡委員、木内委員、星野委員、細川委員、以上であります。尤もこの委員はその御都合によつてはおのおの適当な方面にお変りになることもできますから、この点御了承願つて置きます。以上で御異存はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(草葉隆圓君) それではさよう一應決定いたします。
 次に北海道視察が急速を要するために前会の委員会で委員派遣を決定いたしておりましたが、その委員は木下委員、三木委員を十日間の予定で成るべく早く北海道へ視察に出張して頂くように決定いたしたいと存じます。それぞれ手続を進めたいと存じますが、御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(草葉隆圓君) それではさよう決定いたします。
 それでは次に本日の議案としまして、引揚者厚生対策に関する件、これについて御意見を承わりたいと思います。
#7
○岡元義人君 議事進行について、今の引揚者厚生対策についてはイロハ順でお進め願いたいと思います。
#8
○委員長(草葉隆圓君) 引揚者厚生対策の中で先ず復金特別融資に関する件についてお諮りを申上げます。
#9
○岡元義人君 岡元から大体この点につきまして概略をば御説明して置いた方がいいと思いますので御説明申上げますが、復金特別融資は今年の第二四半期までは大藏省独得の見解で融資が実施されたのであります。併しながら第三四半期におきまして地方におきましてはすでに受付済みになつているにも拘わらず、今度この受付をば突然中止する、こういうような指令が出たわけであります。復金特別融資に関しましては先の地方長官の会議におきましても、各知事からこれが中断されることは非常に大きな影響があるので、尚一層これをば持続して頂くということを懇願されたのであります。その席上において大藏大臣は復金特別融資は全然中止されておらないということをはつきり言明したのでありますが、安本とそれから大藏当局の事務担当者からは地方に宛ててすでに受付を中止せよという指令を出しておるのであります。ここに非常に食い違いがありますが、先に審議機関におきましてもこの復金融資の問題が取上げられまして、審議機関では、その大体の結論を得るには至らなかつたのでありますけれども、このまま大藏省が、いわゆる腹藝で以てこれをば実施をするということよりも、むしろ積極的に関係方面と折衝するならば、必ずしも〇・Kが得られないというようなことはないんだという見解から、そのようにしてはつきりしたもので今後もやつたらどうかという案に傾いたのが結論となつておるのであります。それで各委員の皆さんにおきましては、どのようにしていわゆる三四半期、四四半期をば大藏省独自の見解でそのままやらせるか、或いはこの際はつきりしたものでやらせるために、政府が若し力足りなければ委員会がいわゆる渉外関係の方でこれを担当いたしまして、直接関係方面にも折衝してこれの途を開くか、どちらか解決をつけなければならんという事態に立ち至つたのであります。それですでにもう第三四半期の実際から申しますと、貸付期限は参つておるのでありまして、何とか速かに処置してやらなければ、地方では事業を計画して着手しているものもありますし、速かに各委員が地方の状況をば付度して頂きまして、これが解決に曙光を見出して頂くようにお願いしたいと思うのであります。以上今までの概略を御説明申上げて置きます。
#10
○委員長(草葉隆圓君) 只今の岡元委員の御説明のように、大藏省独自で從來通りにやるように促進するか、更に明瞭に〇・Kを取りながらはつきりとやるか、どちらかを急いで決定する必要があるのであります。これに対する御意見を承わりたいと思います。
#11
○木下源吾君 これは今起草しておるのですから、大藏省が独自でやり得ればそれをやりながら、根本的な問題は〇・Kを取つたらいいと、こう考えます。併し大藏省独自でやるということが決定的であるかどうかということが問題だと思います。以前からもこのことがいろいろ問題化しておるのですから、大藏省の見解を一應承つて見たいと、こう思います。
#12
○穗積眞六郎君 この問題は今月引揚者團体の全國連合会の委員会がありましたときに、代表数名を選びまして大藏省にも差向けたのでございますが、そのとき大藏次官の話では、何とか十月中には解決して見たいと思つておる。まあ一生懸命でそういうふうな回答があつたようでございます。從つてさればといつてそれのみにただ漫然と依存しておるわけには参りませんので、岡元委員の言われたようにこの委員会で直接解決に乘り出すということも結構だと存じますが、ただその前によく又大藏当局の意向というものも確かめて置く必要があるのじやないかと、こういう氣がいたします。
#13
○岡元義人君 尚多少補足いたしますが、大藏当局が……勿論新らしい大臣がどういう肚を持つておるかということはまだ伺つて見なければ分らないと思うのです。併し事務当局の者は非常にこれに対して消極的な考えを持つておるのです。で、関係方面から又々注意をされるということはやり切れない、できるだけこれははつきりしたもので今後行きたいというのが事務当局の担当関係者は全部そういうような考えに傾いて來ておる、こういう傾向なんです。昨日も私荒木政務次官に事務整理の責任を追及に大藏当局に参りまして、各事務当局とも会つたのでありますが、そういう空氣が非常に強い。併しながら私が今まで調べた範囲では、政府当局の関係方面への努力は行われていなかつたということが言えると思います。それで結論としては再三熱意を示して関係方面に折衝すれば、必ず関係方面は〇・Kを與えるだろうという見取しは各担当の事務官の者が抱いている氣持なんです。それと今木下委員の案も非常に結構だと思いますが、大臣の肚一つでとにかくこうしてぎりぎりまで追つているから、三四半期は二四半期と同樣、いわゆる國内的な考え方によつて処理し得る問題である、こういう見解からこれをやつても差支ないじやないか、こういう二つの何があるのであります。要するに地方では早い方がいいわけなんであります。その点よく皆さんお汲み願いたいと思うんです。
#14
○委員長(草葉隆圓君) 御意見如何でございましようか。
#15
○木下源吾君 大藏当局は見えておりませんか。
#16
○委員長(草葉隆圓君) 今日は見えておりません。
#17
○木下源吾君 やはりこれは新らしい内閣の大藏大臣ですね、こういう委員会に來て述べて貰つて、そうしてそれによつて必要があれば、委員会と委員会独自にそれぞれ関係方面と折衝する必要があろうと、こう考えるんですが、新内閣の責任者を一つここへ呼ばんことには、私はこの問題の進捗上困ると思います。
#18
○委員長(草葉隆圓君) それではこの復金の特別融資の問題につきましては、只今の岡元委員の御説明のように、これは急いでおる問題でありますから、一應第三四半期の分は從來のように大藏当局がやつて呉れるということになりますと結構でありまするから、一應只今木下委員の言うように大藏当局の責任者を呼んで意見を聞いて、それと併せて一方この委員会の独自の立場から関係方面の了解を得るように、併せて運動を進めて参ることにいたして進めて参つた方が……次の委員会のときに大藏当局を呼んでその模樣を聞いてよく承知して、併せて一方関係方面の〇・Kを取る運動を進めると、こういうことで進めて参つたら如何ですか。
#19
○岡元義人君 只今の案に賛成であります。金曜日に大藏大臣と、それから銀行局長と、それから復金外長とこれだけの出席を要請したいと思います。尚安本はこれにはタッチしておりますから、安本の責任者も……できたならば長官に來て頂きたい、そうすれば話がうまく付くんじやないかと思うんですけれども、如何でしようか。
#20
○木下源吾君 できたならばでなく、安本長官を是非呼ぶこと、そこで從來よくこちらが要求しても大臣などが都合が惡いなんということが多いんですが、衆議院とかち合わん限りにおいては、衆議院並びにもう一つは関係方面とかち合わん限りにおいては、そういうことのないように、國会が呼ぶんですから、これは是非出るようにしなければいかんと、こう考えております。
#21
○委員長(草葉隆圓君) それでは復金の特別融資の問題は、次の委員会に、大藏大臣、銀行局長、復金課長並びに安本の長官を呼んで、当局の実際の方針をよく承つた上にいたすことにいたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○委員長(草葉隆圓君) さよう決定して進めます。
 第二の問題は、生業資金の問題及び越冬対策予算に関する問題、この問題を議題といたします。
#23
○岡元義人君 私が企画の関係で、今までの経過を簡單に御説明申上げます。生業資金を、今まで一世帶で七千円貸付を行なつておつたのでありますが、物價高等と睨み合せまして、どうしても金額を引上げて呉れという要望が全國からありましたので、それぞれ政府当局でも非常に努力を拂つておるのであります。先日來、約二ケ月前でありますが、一世帶法七千円を一万円に引上げる、尚特別の事情のある者は一世帶一万五千円まで引上げるということが、大体内輪において協定ができて、その件はすでに援護廳から発表にもなつたのであります。ところがその後におきまして、関係方面との折衝の結果、まだ完全な〇・Kが與えられないという段階に現在あるわけであります。この生業資金の何は、一万円に値上げされるというようなことが早く耳に入りましたために、全國みんなが借入れを躊躇いたしまして、値上げを待つて借入れをしよう、非常に資金は渇望して止まないのですが、そういうような現象を今來しておるわけであります。ここで各委員の方々にお諮りしてお願いいたしたいと思うことは、生業資金の一万円と一万五千円に値上げをいたします場合には、只今本年度の本予算に組入れられましたところの五億円のいわゆる財源が、交付世帶数を減らさずに行く場合には当然追加予算等でこれを殖やさなければ解決が付かないという問題にぶつかるわけであります。関係方面におきましても、この点を非常に強調いたしまして、財源は五億円しかないんだ、これに関係しないという範囲であれば一万円と一万五千円はよろしかろうというようなことを言つておられるわけであります。この点につきましては、交付世帶数は減つてもよろしいという一應建前から、一万円と一万五千円の値上げを早く確認して頂く、そうしてその後に委員会として考えなければならんことは、最初要求額が二十八億円なんです。その二十八億円に対して五億円しか政府は與えなかつたのでありますから、その二十八億円の目標額の解決を委員会が努力すべきじやないか、こういう結論に到達するわけであります。この点をよく各委員の方々がお呑込み頂きまして、是非とも速かに一万円と一万五千円を取敢えず解決を付けて置く、その後に第二段の問題として、目標額二十八億円を今まで五億円しか頂いておりませんから、この方の金額を殖やす、こういうような方針で進んだら如何かと考えますので、私見として申上げて置きます。
 尚越冬対策もこの際説明申上げて置きますが、非常に越冬対策は大事な問題でありまして、そこにお配りしてございます引揚者等の越冬対策に必要な経費の一頁の一番最後に越冬住宅補修費というのがあるのであります。一億二千八百万円になつておりますが、この予算は……全國を廻つて見ますと、もう引揚者の住宅は殆んど修繕をしなければ凌げないという事態に立ち至つておるのであります。今までの折衝経過を見ますと、大藏当局はこの越冬対策に対しまするところの費用を全然默殺しておるのであります。かかつてこれが解決はこの特別委員会にあるのでありまして、委員の方々の是非とも私は御理解と御協力が願いたいと思うのです。これは全部で三億幾らになつておりますが、若しこの予算が貰えないということになりますと、北海道や東北六縣等における越冬対策は完全にゼロなのであります。どこからも金の出所はありません。特に寝具類でありますが、毛布でも、今度一人当りに渡りました毛布の金額は八千円になつておるのであります。八千円という金額は、到底引揚者には負担できないのでありまして、何らかこの越冬対策の予算を解決付けまして、この冬を無縁故者その他の越冬に万遺憾なきを期してやらなければならんのではないかと考えられます。これは非常に急を要しますので、この際ここにお諮りを願つたわけでございます。
 尚漏らしましたが、先程の生業資金の一覽表がここにお配りしてありますが、これは八月三十一日現在でありまして、約一月半前でありますが、大体現在はこれから多少の違いはありますけれども、全國的に三億二千五百万円というものが貸付未交付になつて残つておるのでございます。これらは当然特別委員会としても、簡單にこの問題を檢討すべきじやないかと思うのであります。今非常に金が欲しい欲しいと引揚者が言つておるのにも拘わらず、各地方々々におきますところの実際行政面における運営が抽いために、三億二千五百万円というような厖大な金額がそのまま金庫の中に眠つておるということは、これは非常に大事な問題だと思うのです。その意味におきまして、各委員が全國を調査に廻るというようなことが非常に意味があるのでありますが、こういうような三億というような厖大な金額が八月三十一日現在で眠つておつたというようなことに対しましては、各委員におきましては、よく御檢討して頂きまして、政府にこれが万全を期するよう要請をすべきじやないかと思うのであります。
 以上簡單に御説明申上げます。
#24
○委員長(草葉隆圓君) 生業資金の貸付の限度引上げ、一世帶一万円、特別の場合は一万五千円とする場合において、人数が減つても一應引上げを強く要請して、次に二十八億円の要求額を通過する方法を採つて行くのが適切ではないかという御意見でありますが……。
#25
○木下源吾君 私はこういう件を審議する場合に、やはり厚生省の指導部あたりから來ておらにやいかんと思いますが、見えておりませんか。
#26
○委員長(草葉隆圓君) ちよつとお断りして置きますが、実は大体火曜の委員会は、この委員だけでいろいろな点を檢討して、そうして金曜の委員会で一括しながら、大体火曜の委員会での関係の方面を呼んで、そうして進めて行こうというこの前の話で、今日は呼んでいないのです。
#27
○木下源吾君 それでは金曜日にこの問題を解決することになるのでしようが、今三億数千万円残つておるのは事実なんです。この貸付未了は、この金は各都道府縣にどういうふうに割当てて、各都道府縣では消化しておるところと消化しておらんところとどういうふうになつておるか、金額等をよく調べて持つて來て貰いたいということですな。
 それから今の一万円と一万五千円の問題にもこれは関連するのですが、五億円というものを二十八億にいたしましても、一万円と一万五千円にしますれば、到底今の全部にはその金額は行き渡らないです。ですから、そういう問題を考慮することなく、一万円と一万五千円に引上げよということを当然國会が要求してやるべきだと考えるのであります。その結果として足らんければ政府は追加予算なり、いろいろそういうことは政府の責任においてやらなければならんことだ、こういうことに考えられるので、私は〇・Kが取れんというような事務的なことをここで鵜呑みにしてやる必要はないというように考えます。
 次に今岡元君の言われた越冬の場合の家屋の補修費でありますが、今岡元君が言われたように家屋を殆んど修繕しなければならん、こういうように言われるけれども、これは無縁故住宅というのは大体昨今建つたのでありまして、この補修は余り必要はないのです。ただ実際問題として無縁故者を容れる場合の一時收容所、そういうようなものを以前に自治体で古い空家を借入れて充当しておるものが沢山ある。この場合借入れた者に対しては自治体でそれを借入れておるので、まだ所有権が向うさんにあるので、そこで向うさんではそういうものに充当するだけですから、無料か或いは些細な貸賃で貸しておるのですから、そういう補修などしては合わないからやらない。又自治体で借りておるものを大金を掛けて屋根を修理するというようなことをやることは、なかなかこれは困難であるという事情にあるのです。そのために実際にこれらの收容所はひどいところであつたらざあざあ雨の漏るところがあります。こういうものを、差当り越冬の修理というものはどうしてもやらなければならん、今のように殆んど昨今建てたものが全部そうなつておるというようなことを言うても誰も本当にしないのです。又新らしく建つておるのですから、そういうわけもないのです。そういうような問題でもやはり指導官を呼んで來なければ、ここでいい加減なことを言うても向うさんでも通らんのですから、実際のことは係を呼んで、一体どういうようなところに借りて惡いのはどのくらいある、冬に耐えられんものはどのくらいあるということをはつきり数字を以て、又金額も示して、そうして要求をしなければいかんと私はそう思うのであります。
 それから毛布の問題ですが、成る程昨今商工省配給の毛布は一枚二千円もする毛布ですが、これはどのくらい一体毛布をやるか、何枚くらいやればいいのか、同時に蒲團の場合もそういうことを根本的にはつきり決めなければいかんと思う。決める場合にもある者は別としまして、以前に來ておる者でもない者が沢山ある。昨今は比較的多く持ち帰らせるから、後から來た者でも十分とまで行かんでも相当持ち帰つて來ておる者がある。これは実際に調査して誠に困つておる者が以前から來ておる者の中にある。そういう者に渡るようにやはり精密な調査をして、予算化して行かなければならん、こういうように考えるのでございます。これらの問題をひつくるめて一体審議会がどういうような審議状況をやつておるのか、私はこの次に出席を要求するのは、審議会の会長並びに会長に代る者を一つここに呼んで、ただ審議会というような形を作つても、内容が何にもやつておらんようでは何もならん、こういうように考えるのでございます。ですから是非この次には審議会長を呼んで、この問題は全部審議会に出ておる問題ですから、審議会はこういうものを自分達の責任において早く決めて実施しないかという問題であります。そういうように取運びを願いたいのであります。
#28
○矢野酉雄君 審議会の問題はそれで結構ですけれども、審議会は実行機関でなくて單なる調査機関で、それは案をただ出すだけですから、むしろ実行の問題は対策審議会にその責任がなくして、我々のこの特別委員会にその責任が十分あると考えなきやいかんと思います。それから私はこの特別委員会の運営について所見を述べたいと思います。非常に懇切にできているけれども、これは私は民主的じやないと思うのです。少くとも第三回に新たに特別委員会を作るならば、その特別委員会は如何なる構想によつてこれを運営するか、すでに第一回、第二回は我々は命掛けでやつて見たが、どうしても鉄の扉で、これを開くことのできない一つの隘路がある、難点がある。それを打開して、山の上から我々の歩いた方を改めて見て、そうしてその隘路をどうしたら打開するかということを委員会で民主的に大いに討議しなきやならない、その解決ができずにですね、いろんなことをやつても実に労多くして効少い。一万円の問題にしても一万五千円の問題にしても、すでにこの問題は大藏当局と、それから厚生当局においては十二分に了解ができておる。併しながらもう引揚者の諸君にですね、何遍これを放送したか分らないが、何一つ……最後の日にも、僕は民主党出身の荒木君に、大藏政務次官に対して最後の置土産としてもこれを直ぐに今日の中に〇・Kを取れと言つたけれども事実の上においてはできない、そうすると特別委員会の権威がそれだけマイナスされる。引揚者に対して一万円になつた、一万五千円になつたと言いながら現実においてはそれは未だ鉄の扉の向うにしかない、だから私は山の上から第一回、第二回國会と我々が歩いて來たこの道を顧みて、一番の難点になつているものは、いわゆるG・H・Q当局に対して我々の了解運動が未だ非常に足りなかつたということである。一つは更に政府当局の認識を改め得なかつたということである。その具体的内容は何であるかというと引揚者に対する漁業資材の配給にせよ、割当てにせよ、或いは庶民金庫を通しての生業資金にせよ、或いは我々が作つた復興金庫における特別融資の問題にせよ、これは引揚者を特別待遇しているという認識が関係筋にあり、我が政府にあるのです。だから先ず日本政府の考えを根本的に是正せしめると同時に、その筋の考え方も根本的に改めて貰わなきやならん、飽くまで我々の言つているところの一切の具体的な要求というものは國民の平均水準というものに……デモクラシーの平等とそれから自由の原則の一つである平等の線に近付けて貰いたい。庶幾くはその國民の水準に一致さして貰いたい。その水準よりも一歩も出て、より以上の待遇を要求したことは一回もない。然るにこの我々の要求の仕事が下手であつたか或いは取上げ方の遂に至らなかつたか、とにかくその筋の認識というものは私は決して我我の欲するところの線に副うて未だ頂いていない、これは特別委員会自体にこの要求がこの方向に向つて全力を傾向していなかつたという我々に責任があるということを反省しなきやならんと共に、新内閣がここに漸く成立しました今明日を逸せずしてです、首相並びに外務大臣並びに厚生大臣、安本長官、大藏大臣のこの関係閣僚に対して徹底的に今まで第一回國会から要求し、そうして未解決の問題を具体的に列挙して、この要求は國民の水準に漸く一歩一歩近付けて貰いたいという実に憲法の保障する、いわゆる生活権の、生存権の最低の要求であつて、このためには、政府は、第一回、第二回の國会の、政府と違つて、面目を一新して、命がけで、この問題に当つて、貰いたいということを、特別委員会に強く要望する必要がある。と同時に渉外課に申上げるならば、渉外課が、その中心となつてG・H・Qに十分の理解と、而も引揚者更生の水準に達せしめるという、その更生の一切の事業が、或いは存外資格のこの処置に対する一つの方向を示して貰うということが、それが水準への一つの一歩々々である、ということについての認識とそれから、希くば、私は愛を仰ぎたいと思うのであります。そういうような問題については、先ず第三回の特別委員会の冒頭において、民主的に決定して、その一線に沿うて、さて残された問題を、どういうようにして解決して行くかというふうに、やはり委員長は、そこに着眼して、委員会、そのものの運営に当つて貰いたい。でなければ、そういう機会がなければ、結局こうした、残された問題を、一つ一つ解決して行く上で、非常に我我は具体的に支配して進んでおりまするが、根本的な問題が解決しなければ、この一歩一歩の事実問題自体が、私は解決ができないと思うのでありますから、私は第三回國会の特別委員会の、最も有終の美を発揮することを念願いたしまするので、心からこの問題を要望してやみません。
#29
○岡元義人君 今矢野委員から民主的な運営がされていないというお話がありましたが、私は決してそう思つておりません。なぜならば今まで第一、第二委員会にしましても、できるだけ、今矢野委員のおつしやつた方面に進みつつあるということをば申上げたいと思います。というのは各委員の方は、身を以て体験した委員でありましたならば、これは十分、分るんであります。併しながらその他の委員の方に、いわゆる身を以て体験した議員と同じように分つて頂いて、初めて成果が上るのであります。それでここに運営方法といたしましても、先程木下委員から申出がありました通り、なぜ政府委員を呼ばないんだというお話もありましたが、先ず委員が十分に自分のものとして、これを呑み込んで頂いて、それから各委員から政府当局に対して、委員会が、委員の権威を十分に発揮し得るという態勢を整えて與えたり、各委員に十分に檢討して頂き、この運営方法を取つて頂きたいということに、私は感じておるのであります。この点は渉課関係のお話もありましたが、先程から檢討して頂いておることを、矢野委員は聞いておらなかつたと思うのであります。勅諭に関しましても、直接G・H・Qに、当委員会が当ろうということまでも、先程ここで檢討されておると思うのでありますが、今の矢野委員のおつしやいました民主的な運営が行われていないということに対しては、多少訂正して頂きたいということを、私は申入れておきます。
#30
○木下源吾君 僕も矢野君の劈頭に、特別委員会は実行の機関だということに対しては、これに違つておると思う。これは、あくまでも國会は行政をやるものじやない。あくまでも、ここは実行機関ではない。この点を一つ誤つてもらつてはいかん。私はそう思う。勿論審議会も審議機関であるけれども、これは行政機関の審議会であるんで、どこまでも実行機関の、同じ審議にしても、実行機関の審議会であるというので、これに重きを見ておる。我々が実行機関だということの考え方は、從來しばしばそういうふうになつていると、私は思うんでありますが、そうではない、例えばG・H・Qの了解を得る問題にしても直接その問題は政府がこれをやるべきなんだ、私達は仮りに政府の原案に対しましてこれを修正するというような場合において、我々はG・H・Qに事前の了解を求めというようなことが当り前の処置であつて、政府をさて措いて我々の方からG・H・Qの了解を求めて、それは我々の方で案を作る、法律案を建てるなら別でありますが、そうでない限りにおいては、飽くまでも政府が実行機関であるということの認識でなければこれはいかんと私は考えます。もう一つ岡元君が言われた各委員が皆認識を持たなければならない。委員一人々々がこの問題に対してすべて認識があるのだという考え方もこれは私はいかんと思う。我々が扱うのは今回の引揚者問題ばかりでなく、尼港事件の引揚を政府との交渉で十数年間やつたもので何も引揚げた人ばかりがこういう問題に対して、引揚を認識しておるというように思い上つた考では絶対にいかんと思う。そうではない私共はそういう考でこの委員会に臨んでいないということをはつきり申上げる。私は特別委員の職によつて認識を與えられるということは、そういう不見識なことでは絶対ない、そういうように考えております。我々は少くともあらゆる角度から、あらゆる面から調査研究してこの委員会に臨んでおるのであるということを強く申上げて置きます。
#31
○矢野酉雄君 岡元委員の申入れは初めから誤解に出発しているのである。私はそれを受れ入れる必要がないとはつきり申上げました。政府自体の認識をそこに根本的に百尺竿頭一新せしめよという要求、G・H・Qに特別委員会が積極的に働き掛けよ、この二つの問題は特別委員会の運営の根本である。だからこの問題に対して大いに民主的に各委員会が理解して共にやろうじやないかという輿論を作興するということが断じて根本の問題である。これを否定するがごとき思想こそ非民主的であると考える。今の木下委員の御意見はこれは行政、司法、立法の子供でもよく存じ上げているところの日本の立憲政体の一つの姿で当然である。併し行政をしてその実情を挙げしめるものは國権の最高機関である立法府である。これを否定する思想もこれも誤謬である。例えば漁業資材が水産廳によつてちやんと新規事業の枠で各縣に割当てられてたが、それが現実において割当てられたかどうか、行政的措置が妥当に行われたかどうかということはこれは立法府が当然調査し、必要に應じては査察することもできる。かくして行政の実をそこに結実せしめる一つの政治行動というものは当然立法府が取らなければならない。対策審議会は我我の行政の実行機関として作つたのじやない。我々が立法したところのそのことをよく御存じがない考え方であつて、こういうことをはつきりとして置かなければならない。それから岡元委員から言われたことを非常に木下委員が特別に主観的に御観察のようであつたが、最前の岡元委員の御意見は、決して引揚げていない議員諸君を俺が教育してやるぞというようなお氣持ちで仰しやつたのでも何でもないわけで、これを余り角立ててああいうふうにお取りになると、どうも特別委員会が何かそこに摩擦のあるようにさえも誤解を受ける可能性があると思いますから、虚心坦懐にその問題はそういう意味でなくて親切に考えて皆がやつて行くというような意味において私は有難く御意見は頂戴しておつたわけでありますから、どうぞ木下委員もその点は了として頂くように第三者としてお願いをする次第であります。どうぞよろしく……。
#32
○委員長(草葉隆圓君) 在外同胞引揚問題は現下の最も緊要であり速急な重要な問題でありますために、今矢野委員のような御意見が出たり或いは木下委員、岡元委員の御意見が出たと存じます。この各々の御意見は御尤もだと存じまして、その精神は御同様であると、從つて今後この委員会がいよいよ緊密に、且つ最も熱心にこの問題の促進を図つて行くことが必要だと存じまするから、只今矢野委員の本委員会の第三回國会における運営についての、強い御意見などもよくお互いの意見と同じことだと存じまするから、いろいろ御意見等もおありと存じますが、一層今後熱意を以て進めて行きたいと存じますので、この点どうぞ各委員の御了承を願いたいと思います。
 元の問題に移りまして、一万円並びに一万五千円は共々に各委員の御提案のように、本委員会としては政府に強く要望いたして参りたいと存じまするが、御異存ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(草葉隆圓君) それではさよう決定して参ります。
#34
○矢野酉雄君 それに付帶してどういうふうに要求するかという問題は、結局最前僕が申上げたように、特別委員会として政府の今列挙したような、少くとも首相に対しては……何となれば、吉田首相は引揚者に対して曾て五分間しか面会しないというように時間を限定して会うようなこともあつたのです。そういうような曾ての歴史があるので、現在の吉田内閣をして引揚問題についての命がけの覚悟をさせるためには、特別委員会として組閣当初において、新たな感情にまだ浸つているときに、強く心の底から考えて覚悟して貰えるように一つ取扱つて貰いたいというのがさつきの私の要求であります。一万円も結構、一万五千円も行政処置としてできておる。その難点は関係筋の了解を得られないから、それを合せてお考えを願いたいと思います。
#35
○委員長(草葉隆圓君) 只今矢野委員の御意見の件、十分に了承いたしまして、後でどういう方法と、次の委員会に誰々を呼ぶかということで十分御相談したいと思います。御了承願いたいと思います。越冬対策予算の促進の問題も同樣でありますが、これも先程岡元委員の御説明のように進めて参りたいと思つております。
#36
○岡元義人君 今越冬対策について、毛布の問題で申しましたが、これは無償支給と、半額有償、全有償、こういうような比率を当委員会で十分政府に申入れして解決する方法がいいのではないかと考えております。
 それから、先程木下委員から要望がございました。明細を出せというお話でございましたが、大体明細はこの表に各縣とも出ているので、これによつて御檢討を願つたらいいのではないかと思つております。勿論政府側に対してその当時逐次質問等によつて不明な点は御質問なさつて私は納得の行くところまでやつて行けると思います。
 尚この際委員長にお願いいたして置きますが、委員部をして各委員に只今までに國有財産として引揚者收容所に当てがつておりますところの建物の一覧表が、國有財産局にでき上つておりますから、これをば要求して頂きまして、各委員にお配り願いたいと思います。そうしますとどれだけの建物が全國に今利用されているか、それによつて当然ここに補修費というものが要るのだということがはつきりして來ると思います。そのようにお取計らい願います。
#37
○木下源吾君 これは次回の問題の運営に関することは大体今の例でいいのですが、その次に來る問題、これは先ず引揚者の帰農に関する問題、つまり就農に関する問題を農林当局、それから引揚者に関する教育問題、学校ですね、その他教育に関する問題等の文部省に関する件であります。
#38
○委員長(草葉隆圓君) その問題は一つ一應これを済まして、そうして御相談したらどうですか。
#39
○木下源吾君 ですからこの次にはこれこれを我々で決める、この次にはこれこれを決める、もうすでにどれも皆山積しておるのです。ですからこの次には今の私の言うたのに附加えて、就農の問題と附加えて、新漁田の開発の問題、それだけをこの次とその次の委員会に一つ採上げる、こういうように一つ予めここで申合せなり、何なりしておきますというと、そういう問題に対しては、委員諸君は十分な檢討と用意ができると、こう考えます。
#40
○矢野酉雄君 今のようなふうにいろいろな意見があるでしよう。だからよく第一回のときに、一体第三回ではどういうことをやるかということを各委員から意見を聞いて、根本の問題を根本に決めて、そうして一つ一つの具体的の問題をどうしてやる、そういうようなことを最も民主的によく相談しろというのが僕のさつのき……。
#41
○木下源吾君 今私から申上げたことは分りますね。もう一つ緊要なものをそこに出しておきます。
#42
○委員長(草葉隆圓君) ちよつと、これが済んであとで進めて行きたいと思います。
#43
○木下源吾君 私の言うのから決めて行つたらいいでしよう。
#44
○矢野酉雄君 それはあとでやつたらいい。この問題が内容に入つておるから、今の内容の中の例の寢具、毛布……。
#45
○木下源吾君 あとじやない。今、この次の金曜日には特別の融資の問題に……。
#46
○委員長(草葉隆圓君) ちよつとお諮りをいたします。今日の議案を先にして、それを一應済まして、次の委員会をどうするか、今後どうするかという問題を進めて参りたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#47
○矢野酉雄君 今の内容の問題、例の布團とか毛布は今岡元委員からお話があつたように、すでにこの援護局では生活の困難なものに対しては無償、それから或る程度によつてはその二分の一、或る程度によつては三分の一、或る程度においては全額有償というふうに四通りで実施しておるようですから、そのやつておる実情を、この次に呼ぶときに聞合してその方法が妥当を欠いておる場合には、特別委員会で又修正を要求するようにしたらいいと思いますね。現に今やつております。
#48
○委員長(草葉隆圓君) 口の問題、生業資金並びに越冬対策の問題には、以上のようにして一應次の委員会に十分政府当局を呼びまして、その意向を聽き、又是正するように進めて参りたいと思います。
#49
○矢野酉雄君 その越冬対策の問題で、さつき岡元委員から出ました無縁故者にしてもその他今すでに定着しておるところの諸君の修理問題、これは今木下委員からは新らしいできた無縁故者住宅は修理の必要はない。それはその通りでしようけれども、鹿兒島から北海道を見ましても実際に今入つておるところの、例えば久留米ならば久留米にしても、或いは各縣の各所の援護寮等を視察して見るというと、やはりこの冬を迎えて急速に修繕費を臨時にでも放出してやらなければ、この冬を越すことはとても困難というような所が沢山ありますから、これもこの次に政府委員が出席したときに、新らしい住宅は必要でないなんかもう言わなくてもいいのですから、これは早急に採上げるようにしなければいかんと思います。
#50
○委員長(草葉隆圓君) 越冬住宅の修理の問題その他の問題は、國有財産としてやつておるものそれから私の物を借上げてやつておるもの、從來の施設を利用しておるもの、そういうものを詳細当局に調べさせまして、その資料を成るべく早く出させるようにいたしましよう。御了承願います。
 次は日の丸の國旗の製作に関する問題であります。これを議題といたします。
#51
○岡元義人君 私説明役を引受けていたしますが、日の丸の國旗はすでに前に多少いろいろなトラブルがありましたけれども、只今十六万でき上つたのであります。その十六万の中、大きなのが四千だけできております。これの配付につきましては、先日委員会で資料をお配りしてございますが、只今やつて配付実現の時期に到達したのであります。この十六万個というものをいよいよ配るということになりますと、配りようがないという実情なんであります。大体今の世帶数が百二十万か百三十万の世帶数とみなされておるのでありまして、十六万だけ貰つたところで、これはもう配給のしようがないというので非常に困つておるのであります。で政府では特別に委員会が尚後をば持続するかせんかということは、委員会が決めてからにして呉れ、生地も準備してある、作れとおつしやるならば後は作るということで、そのままお預けの形で今日の至つておるのであります。早く何とか委員会の意向を纏めて、政府にそれじや山を作つて呉れということをはつきり言わないと、政府としてはこれはお預けになつた形でありますから……九州引揚者團体から四十五万、それから東京都連からもすでに約三十万でしたかの要望、陳情が出ておるわけであります。だからこの際委員会で日の丸の國旗は後を作つてやつて呉れということを纏めて頂けば、そのように申入れさえすれば直ぐ製作にかかるそうでありますから、この点お諮り願いたいと思います。
#52
○矢野酉雄君 それは現在の下においては幾らになつておりますか。卸値が幾らで小賣がどのくらになつておりますか。
#53
○岡元義人君 昨日私行つて参つたんですが、染料金の方がまだ分らないのですが、大体三、四十円までのものであるということを聞いておるのであります。値段はまだ昨日まで決定しません。
#54
○委員長(草葉隆圓君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#55
○委員長(草葉隆圓君) では速記を始めて。日の丸國旗製作に関する件は次に廻しまして、次にラジオ放送に関する件。
#56
○岡元義人君 このラジオ放送は、すでに第二國会の継続審査で舞鶴に先日派遣されまして、帰つて來てから委員会を開きましたその席上で、各船舶運営会の從業員が、この三年余りというもの黙々として輸送に從事しておるのだけれども、我々に対しては何らみんなが関心を持つておらないというような、非常に愚痴が出たのであります。そういうような從業員に対し、又は駅頭援護の婦人、学生同盟等に対して何らか労を犒うような放送をしてはどうか、これは皆さんが賛成されまして、放送局からも部長が出席して、大体了解しておるのでありますが、その後休会等によつて今まで放任されておるのであります。速かにこの点を改めて、この委員会で、どういう工合にして放送をするか、誰が放送するかというようなことを決めて頂きたい。これが一つと、それから未整理有價証券の処理に関する放送というようなのがあるのでありますが、これは舞鶴、佐世保等で、逐次今度許可になつて來ました有價証券類がそのまま相当数量受取人不明で帰つて來ておるのであります。こういうものは、受取りますと直ぐ金になる有價証券でありまして、多少の数字でなくて、相当な数字でありますから、今まで調べて見ますと、政府当局が放送局に言つてもなかなか放送して呉れないというお話なので、委員会としてこの問題を処理してやつてはどうかというので、ここに提案したのであります。
#57
○委員長(草葉隆圓君) 御意見はございませんか。
#58
○木下源吾君 未整理有價証券というものは、その内容がどういうことかよく分らないのですが……。
#59
○岡元義人君 証券は、株券だとか、或いはその他それに属する登録公債だとか、そういうような有價証券類が、大藏当局と関係方面との折衝の結果逐次許可になつたものがあるのですが、最初帰つて來た時は、一括して税関の倉庫に預けられておるわけです。その倉庫に預けられておる中から、できるだけ本人に送り返すように処置をとつておるのであります。けれども、本人が轉々と住所を変えたり何かしておりますので、その中の大部分が本人の手に渡らんで戻つて來ておるというような書類が沢山あるのであります。そういうものをその後どういう処置をとつておるかというと、そのまま何ら処置をとつておらないで保管しておるのであります。永久にその書類は眠つてしまいますから、どこに本人がおるか分りませんから、もうできる限り放送等によつて知らせるより外に途がないのではないか。放送で知らせる場合にも、前以て有價証券についてこういうような放送をするということを新聞社その他の協力を得て発表して置いて、そうして何月何日の何時からこういう放送をすると……一日や二日で終る放送じやありませんが、何らかそういうような処置を講じておらない限り、引揚者の手には入らないというものなのであります。
#60
○矢野酉雄君 もう十二時十五分にもなつたし、こういうものは沢山の人がいろいろ討議しても何だから、これに関係のある、特にその方面に興味を持ち又研究したいという熱意のある人がむしろ一人か二人、その程度で具体的方法を練つて貰つて、そうしてこういう方法でやろうじやないかということを決めて、そうして処理して頂くように私は動議を提出します。
#61
○委員長(草葉隆圓君) 只今矢野委員の動議のように、ラジオ放送、殊に船舶運営会復員輸送從業員なり、駅頭援護婦人或は学生同盟が熱心に引揚同胞の援護をいたして呉れておりまする方面に対するラジオ放送なり、或は未整理の有價証券が手続を知らないために、現在その処置ができずに困つておることを一般に徹底せよという放送は、これは是非必要だと存じますので、具体的な計画は企画部でお進め願うことに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(草葉隆圓君) ではさよう決定いたします。
#63
○岡元義人君 ちよつと今委員長は少し解釈を間違えられたと思いますから。未整理有價証券処理というのはですね、そういうような整理手続じやなくて、その本人の名前を呼んで、こういうものがあなたの分があるということを知らせる。いわゆる引揚者の時間というのを設けたのと同じようなことを言つておるわけです。
#64
○委員長(草葉隆圓君) そう……。
 それでは次の金融公社の貸付要綱檢討の件について御意見を承ります。
#65
○岡元義人君 金融公社の貸付要綱は今漸く大藏当局で勘案ができたところであります。これをば一應大藏当局から説明を願いまして、委員会としての意見を述べて置く必要があるのじやないかということを申し出てるわけであります。
#66
○矢野酉雄君 これはすでに出て、金額においても例えば五万円にするとか、或は團体の場合には五十万円にするとか、この間復金の局長が私と一緒になつた時に説明しておりましたが、その金額にしてもです、個人的貸付の金額、團体貸付に対する金額。それから今の復金或は庶民金融等の貸付の実態を見るというと、現金化が実に遅い、実に不親切であるということを、手続が煩瑣であること、それから今度立法するところの國民金融金庫の貸付の方ですね、特別委員会で十分事前に意見を開陳して、そうしてこの手続きの方法について、これらの庶民金庫復金等の実施を勘案して、そうして最も早く借りたい人に現金が渡されるような方法を一つ委員会から強く要望しておこうじやありませんか。そういう意味において次の機会にこれもやはり取扱うように延して頂きたい。
#67
○委員長(草葉隆圓君) この問題は次の機会に政府当局の説明を聞きながら、これに対する委員会としての要望を決定いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(草葉隆圓君) さよう決定いたします。
#69
○岡元義人君 今お配りになつた國民金融公社法の第四條の基本金が三十億円となつておりますが、十六億円と訂正して頂きたいと思います。三十億円が十六億円と訂正になりまして、それから表紙に國民金融公法となつておりますが、國民金融公社法になります。そこがそういう工合に名前が変りました。尚三十億円が十六億円となつたのは別に意味はないのでありまして、復金の普通の貸出制度と同じように関係方面との折衝の結果、これは公債で発行するために尚それで足りない時につどつどに公債を発行して殖やして行くということでありますから何も三十億円の最初の予算が與えられなかつたというような工合に解釈する必要がないのであります。
#70
○委員長(草葉隆圓君) 次に漁業資材配付に関する件を議したいと思います。
#71
○岡元義人君 これは非常に大事な問題でありまして、第二四半期に新規着業の枠を設けまして、その中で引揚者等の漁業資材の配付を考慮して頂いたのであります。ところが新規着業をやるのは引揚者だけではなく、一般の新らしく始める人も含んでおる。引揚者等からの問題は起つておらんが、新規に事業を始めるという者と既存業者と摩擦がありますので、非常に地方の出先が困りますので、第三四半期からは一本で行きたいという案を水産廳が中しておるのであります。果してそういうような方法で引揚者や復員者等が漁業資料がうまく円滑に貰えるかということは、委員会においてよく吟味した結果、どうしてもいけないということになれば別の方法を委員会の意見として政府に申入れる必要があるのではないかということを考えます。
#72
○矢野酉雄君 この問題が起つたのは水産廳の資材課長の長谷川君がまだ全國各縣の正式なる報告を集めておらんで、各地の二、三の既存業者、或いは農林省資材調整事務所の事務官等が來て報告したその二、三の報告を根拠としてそういう考を今構想しつつあるのであります。過般も私が行つてその考え方の誤謬を私は指摘した。この前の委員会においても矢野は他の委員会に行くためにこの問題を強く要望して、そうして長谷川資材課長に対して、新規事業の枠は飽くまで第三四半期においても堅持して欲しいということを要望して、私は出て行つたのであります。それにも拘らずまだそういうようなことを構想しておるとするならば、今の岡元委員のように次の特別委員会の時に長谷川資材課長の出席を求めて、多くの材料を提供して、そうしてそう考え方の誤謬であることを私は指摘して、是非第二四半期のような方式の下に水産廳が計画をして、若しそれに何らかの多少の弊害があるならば、その弊害を除去する行政的処置を勘案させるように要望したいと思つております。これも次に延して頂きたい。
#73
○木下源吾君 この問題は同時に資金の問題と関連するのでありますから、これは引揚者に特別に枠を設けるということが困難だとしても、どういう案がいいということをやはりこちらで一應具体的に示す必要があると思うのです。ですから、資金の問題、只今の問題等をもひつくるめて小委員会で一つ研究して貰うことにしたらいいと思います。
#74
○委員長(草葉隆圓君) この問題は先の矢野委員の動議のように、政府の意見を聞くと同時に、木下委員の御意見のように当院としては委員会として研究をする必要があるのではないか、從つて次の委員会に長谷川資材課長を呼んで、その説明を聞くと同時に、当院では厚生委員会で具体的にこれを檢討をして進めて行くことに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○矢野酉雄君 第二四半期のこの割当の方法を水産廳をして行わしめるためには、随分いろいろと考究して、そうして五月二十四日の水産廳局長の通牒、五月二十六日の通牒、それから七月某日の水産廳次長の通牒というように、ずつと断続的に、いろいろ檢討して、そうして最も合理的な方法として実は生み出したのが、この第二四半期の示達になつておるわけであります。だから更にこれを愼重に研究することも結構でございますけれども、大体私といたしましては、現在の方式をやはり原案として委員会が重視する必要があるかと思いますので、初めから手の着けなかつたことをやつて行くというような取扱い方では、ちよつと手心を違わせなければならんかとい思つております。
#76
○木下源吾君 この第二四半期のやり方に対しても、事実において引揚者に滿足するようにやつておるかというと、なかなか末端までそうは行つておらない。ですからこの点を今度もう少し研究してですね、以前のやり方に附加して、もつと普遍的に亘る、そうして実際に使えるというようにするということを、私は意味しておるわけなんです。
#77
○委員長(草葉隆圓君) 漁業資材の配付の問題につきましては、方針としては、只今矢野委員のお話のように、新らしい枠を折角取つたのだから、これは一つどこまでも堅持して行くが、これの具体的に行き方について、尚先の矢野委員からの御説明にありましたが、いろいろ障害になる点を除去する。そういう点を委員会で檢討しながら進んで行くということは、木下委員の御説明の通りであると思います。さよう進んで御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(草葉隆圓君) ではさよう決定いたします。
 次の問題は、本日は延します。本日は中央地区引揚げは延します。最後に二、三の点について御報告を申上げながら御決定を願つて置きたいと存じまするのは、先程御意見の中にもありましたが、大体この委員会の運営としては、毎週火曜、金曜の二回、定期の委員会を開きまして、早急を要する場合は、その都度早急に開きまするが、定期としては火曜の午前十時、金曜の午後一時といたして、火曜は主としてこの委員を中心にした檢討にし、金曜は政府委員等を交えて委員会を進めて行きたいと存じておりますが、この点は御異議はございませんか。
#79
○矢野酉雄君 大体異議なし。政府員を委員会の中に入れることもできますが、是非具体的に対策審議会の内面的な連絡を図るために、その政府という中に是非それを加えて置きたいと思います。
#80
○委員長(草葉隆圓君) それでは一應さよう決定いたします。緊急を要します問題は、勿論その都度理事会等でお諮りをして進みたいと存じます。
 次に全回の委員会で、矢野委員から全國に特別調査班というものを派遣する計画というものを進めて來たが、どうかという動議が出まして、これは企画委員会で具体的に計画を進めて頂くようにお願いしたいと存じます。つきましては地元の東京都の状態を全員が参いりまして、一度親しく調査をして、それを中心に今後全國をお廻りになる一つの標準を作つて行くことも、適当ではないか、こういうことで先程の理事会で、東京都の調査を、來週の水曜日、十月二十七日にいたしたいと存じまするが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(草葉隆圓君) 十月二十七日午前九時半玄関にお集りになつて、自動車の準備をして午後三時頃までに終了する予定で進めたいと思います。
#82
○矢野酉雄君 九時半……それは正式にやるのですか。
#83
○委員長(草葉隆圓君) 正式です。
#84
○矢野酉雄君 正式にやるとすれば議院運営委員会にかけて正式に手続を取つて下さい。
#85
○委員長(草葉隆圓君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#86
○委員長(草葉隆圓君) 速記を始めて……それでは十月二十七日午前九時三十分参議院玄関に御参集願います。手続等はそういうふうに進めて行きます。それから今回から本委員会に專属の自動車ができました。今後引揚問題について御入用の時は御利用願いたいと思います。こちらから申しますのは以上の点であります。
#87
○星野芳樹君 その次の問題はどうですか、木下委員から出ておりますが……。
#88
○委員長(草葉隆圓君) それでは次回の金曜の委員会は午後一時から開きたいと存じます。先程いろいろ出席を要望されました政府委員の外に、特に尚連絡をするようなことがありましたらこの機会に承つて置きます。
#89
○矢野酉雄君 その特別委員会の効果を大ならしめるために、全連の何か代表者を傍聽させるというような環境を作つてやつたらいいと思うのですが、委員会において積極的に民衆と握手するという民主的な運営の一つの形として、或いは御希望があれば帰還促進の協議会の誰か代表者に成るべく出て貰うというふうにして傍聽さしたら、だんだん國会と有機的に連絡ができるのじやないかと思います。
#90
○木下源吾君 それは委員会からではなく、それは委員各自からそういう心構えで行くという程度でいいのじやないかと思います。
#91
○矢野酉雄君 又委員会自体の根本的な態度がそういうような民主的な方向に進むように運営されるのが至当だと思います。
#92
○木下源吾君 それには異議はありませんけれども、委員会に國会の傍聽者を呼ぶというように、そういうことは……。
#93
○委員長(草葉隆圓君) 理窟なく適当にやつて下さい。
#94
○木下源吾君 これは今の矢野委員の提案のような私も心構えです。成るべく引揚團体、引揚関係の方面の傍聽について御連絡を願うように進めて行つたらいいでしよう。さよう一つお取計らいを各自お持ち願いたいと思います。
#95
○委員長(草葉隆圓君) 本日は以上を以つて散会いたします。
   午後零時四十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     草葉 隆圓君
   理事
           三木 治朗君
           木内キヤウ君
           岡元 義人君
           星野 芳樹君
           駒井 藤平君
   委員
           木下 源吾君
           淺岡 信夫君
           穗積眞六郎君
           矢野 酉雄君
ソース: 国立国会図書館
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