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1948/11/09 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第4号
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1948/11/09 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第4号

#1
第003回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第4号
昭和二十三年十一月九日(火曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○委員長の報告
○本委員会の運営に関する件
○引揚促進並びに引揚者厚生対策に関
 する件
○本委員会の開催日に関する件
  ―――――――――――――
   午前十時三十二分開会
#2
○委員長(草葉隆圓君) これより在外同胞引揚問題に関します特別委員会を開会いたします。
 先ず二、三の問題について御報告を申上げて置きたいと存じます。休会前にいろいろお打合せを申上げておりました通り、休会中ではありましたが、去る先月の二十六日に委員打合会をいたしまして、そのことにつきましては、大体漁業資材に関します問題と、復金特融緊急措置に関しまする問題を中心に協議をいたしたのでありまするが、このことにつきましてはいずれ本日の議題とも関係いたしまするために、その内容はその際に御報告を申上げることに御了承を願つて置きたいと存じます。翌二十七日に東京都を視察いたしまして、午前十時から午後六時まで星野、淺岡、岡元、穗積、三木、紅露並びに私と東京都の知事應接室におきまして、各関係者を招致しながら、引揚問題についての全面的な調査をいたしたのであります。このことにつきましてもいずれ他の機会にそれぞれ関係の方面で御報告申上げるようにいたしたいと存じます。
 尚二十九日私は渉外課長と一緒にGHQのウイリアムス並びにブラウン両氏を訪問いたしまして、在外同胞引揚に関する特別委員会のことについていろいろ御懇談をいたしたのであります。その際のことを極く簡單に御報告を申上げて置きますと、大体引揚状態についてのいろいろの観点から懇談を申上げたのでありまするが、引揚の問題並びに引揚後の各種の援護の問題について相当詳細なる、そうして熱心なる意見をお互いに開陳をいたしますと同時に、今後における引揚者について、尚特別委員会等が、引揚げて來る人達が日本の現状について認識が十分でない点が沢山あるようであるから、特にこの点を配慮しながら、沿線等の出迎え等に対しても今後一層の御盡力を願いたい。尚今後その問題についていろいろ困難な問題が発生するような場合においては、司令部は全力を挙げて御協力をするから、今後いろいろの場合に御遠慮なく申出て欲しいというような意味のお話がありましたので、この機会にお傳えを申上げて置きたいと思います。
 尚休会前の委員会におきまして、立法、調査小委員会の委員長並びに本委員会の運営に関しまする各委員長を私にその選任方を御一任になつておりましたから、先刻理事会を開きまして、一應理事会において意見が一致いたしましたので、この際皆樣に御報告を申上げ、御承認を得たいと存じまするが、御異議はございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(草葉隆圓君) それではお願を申上げます各委員長を申上げたいと存じます。立法調査の小委員会の委員長には駒井君、本委員会の運営に関しまする企画部の委員長には岡元君、渉外部の委員長には北條君、厚生部の委員長には紅露君、引揚促進部の委員長には淺岡君、以上をお願いすることに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(草葉隆圓君) それではさよう決定いたします。どうぞ各委員長におかせられましては、それぞれの委員会におきまして十分御進行をお願いを申上げたいと存じます。
 では本日の案件につきましては、予めお手許に御通知申上げておる通りでございまするが、只今銀行局長がお見えになつておりまするので、その案件の第三の生業資金復金特融に関する件から一應今までの状態等を御報告を願いたい。又今後の御方針等を伺つて、それから皆さん達の御意見等を拜承いたしたいと存じます。
#5
○政府委員(愛知揆一君) 先ず最初にこの席を拜借いたしましてお詑びを申上げたいのでございますが、去る十月二十六日の休会中の当特別委員会にお招きを受けたのでありまして、かねて御承諾もいたしましたし、又御報告を申上げたいと思つておつたことがあつたのでありますが、当日全く予測せざる事態が起りまして、且夜に入りまして、連絡もとれなくなりまして、そのために折角お待ち下さいましたのに、遂に出席ができません。誠に御迷惑をおかけいたしました。衷心から御詑びを申上げる次第であります。申すまでもなく決してそのことは私共が本問題に対する然意に欠けるところがあつた、或いは又その他の事情によつて出席を避けたのでは毛頭ございませんのでありまして、その点は一つ御了承を願いたいと存じます。
 只今委員長からお話のございました点につきまして、大体いろいろの機会を通じまして御報告を申上げておりますので、重複するかと思いまするが、一應概略経過を御報告をいたしたいと思います。先ず第一の問題は、只今お詑びをいたしました二十六日の本委員会におきまして問題になつた事項でございますが、第二四半期に復金から一億五千万円のマル特融資をすることになつておりましたところが、申入れの状況は一億五千万円を或る程度超過いたしております。そのためにその超過分をどういうふうに扱うかということにつきまして、私共といたしましては、問題が問題でありますので、或る程度政治的に考慮いたしまして、善処いたしたいと思つておつたのでありますが、その意図が復金の当局や地方の関係者などに十分滲透しておりませんでしたために、混乱を生じたのでありますが、この点は特に新大藏大臣にも了解を得まして、内輪限りの措置といたしまして、若干の超過分については、一億五千万円の枠外にあつても、正当な手続によつて申入れたものについては一億五千万円と同樣に取扱うということにいたしまして、その旨は二十七日、八日の両日に亘りまして、現在各地に出張中の者にもその趣旨を電信で連絡をいたしまして、復金の本金庫とは更にその趣旨が徹底するようにいたしましたので、御了承願いたいと思います。
 それから第二点は第三四半期の問題でございます。この問題は、殆ど私共としてもやるべきことをやり盡したような感じがするのでございますし、殊に御承知の福井の問題等について、或いは又第三四半期の復金の融資資金計画自体の承認を得まする場合は、直接大藏省が第一線の担当者であつたために、率直に申しますと、私共としては全く暗礁に乘り上げているような恰好でございます。その経緯は詳しく内閣官房等にも報告をいたしてございまするし、又我々事務当局といたしましても、政治的に大きく取上げて頂きたい。殊に今後引揚者のマル特融資については今までのような私生兒的なものでは必ずどこかに無理が生ずると思いますので、一つ堂々と証人を取りたいというように考えまして、その持つて行き方、その他の関係を当局の関係でも相談をいたしまして、特に閣僚諸公の善処方を私共としても御期待申上げておるような次第であります。從つて今日ここでこの問題の経過をこれ以上申上げ得ないことは非常に残念でございますが、近く政府といたしまして、何らかの措置が期待できるのではなかろうかと思いますが、同時に私の感じといたしましても、この問題については申すまでもございませんが、日本側が本当に一体になつて余程覚悟してかからないと、なかなか効果を期し得られないのではなかろうかと考えるのでございます。
 それから第三に申上げたいと思いますのは、國民金融公庫の問題でございます。その極めて概略の要綱は、只今もお手許に御参考にお配りいたした筈でございますが、その國民金融公庫法案は本臨時國会にも私共大藏省としては是非國会に提出するように手配を完了いたしたわけでございます。ただやはり関係方面との関係もありまして、まだ或る程度問題が残つておる点がないではございませんが、何とかしてこの國会で纒めて頂きたいと考えておるわけなんであります。ところがこれ亦率直に申上げまして、今國会の会期の問題、それから法律案の整備の問題等に関連いたしまして、一〇〇%確実にこの國会に提案ができるかどうかということについては、はつきりしていない模樣でございます。この点は更に私共大藏省としては、是非共この國会に出るように努力いたしたいと思うのでございますが、國会方面からの御協力もお願いいたしたいと考えておるわけであります。この國民金融公庫は、今取敢えずのところといたしましては、極めて金額も少いのでありますが、基本金として十六億円を予定いたしております。この十六億円というのは如何にも少いのでございまして、殊に実際に直ちに融資に向け得る現金はこの中三億円でございます。三億円だけでありましては如何にも金額が少いのでございますが、あとで申上げまするように、多少の、その他にも工作の余地がございまするし、又私共の考え方といたしましては、とにかく何とかしてこの公庫をものにして、でつち上げますれば、後は逐次その業務の進展に應じて基本金の増額をお願いをするということに考えた方がいいのではなかろうか、最初から大きなものを担ぎ出しまして、この追加予算の編成難の折に潰れるよりも、多少でも芽を出しておきまして、時期の経過と共に大きなものにして行きたいということに思つておるわけでございます。この國民公庫と引揚者金融との関係でございますが、その点について若干御説明をいたしたいと思います。その前に、この國民金融公庫の立案の経緯は、御承知のように、從來生業資金を扱つております庶民金庫が再建設備の関係で、資本金が全額なくなりまして、現在は消滅の過程にあるのであります。それから又、恩給金庫も同樣再建整備の関係で、現在のままの状態では続けて行くことができませんので、この二つの金庫を併せて、第二金庫として本当の庶民金融をやつて行きたいというのが、この公庫の狙いでございます。即ちその内容といたしましては、生活資金、生業資金、それから災害の対策の資金というようなものであつて、どうしても他の金融の途を期待し得ないという向きに対しての金融をやろうということに考えておるわけでございます。從つて現在において、そういうような庶民金融を最も必要とするものといえば、私共の考えでは、第一に引揚者がその中に入るというように考えておるわけでありますが、同時に引揚者だけを特に優遇してはいかんというような考え方にも應えるために、戰災者、その他一般の生活困窮者も勿論その対象とするのであるという考え方を取つておるわけであります。それからこの公庫は全部政府資金でございますから、完全な政府機関ということが言えると思うのであります。從つて役員等は全部内閣が任命するわけでございますが、同時に國家の資金を使うのでありますから、その資金の運用等については、本当に民主的な運営を確保することが必要であろうと考えますので、重要な金庫運営の事項についてはすべての審議会の議を経て決定するということに考えておるわけでございます。そして今考えております審議会の構成は、十人の委員で構成することにしておるのでございますが、その構成の中味は、國氏大衆の利益を代表する者を三名予定いたしておるのでございますが、その三名の中には当然引揚者團体の代表者も參加を予定することにいたしたら如何であろうかということを考えておるわけでございます。他の委員は、十人の内容でございますが、官廳側としては、総理廳と大藏省と厚生省をそれぞれ代表する者が一人づつ入る。それから商工、農業、金融、商と工と農と金融、それぞれから各一名、國民大衆の利益を代表する者が三名、この中一名は引揚者の代表者の方に入つて頂くというように考えておるわけであります。そしてその審議会の権限を法律で明記いたしまして、例えば役員の任命を初めといたしまして、事業については、事業の計画、資金の計画、経費予算というようなことについて事前にその承認をするのを以てこの審議会の役割とするというようなふうに考えておるわけでございます。
 さてそういうような考え方でございますが、特に引揚者に対する資金の融通の点について、この公庫ができた場合に、どういうふうに考えておるかということについて簡單に申上げまするならば、資金貸付けの條件というようなことは、業務報告書の中で定められるべきものでありまするので、当然に審議会の議を経る必要があるのでございます。從つてその審議会におきまして、十分に練つて頂きまして、それによつて行うということにいたしたいと思うのでありますが、一應私共の考えておるところを申上げますというと、この公庫からの借受人の資格は先程申しましたように、引揚者、戰災者と、それから一般の生活困窮者というものを対象としてはつきり明記いたしたい。それから貸付の限度においては一應の考えといたしましては、一世帶五万円以内ということを一應の限度にいたしますが、ただ連帶の貸付の場合などについては五十万円以内というふうに決めたら適当ではないかというふうに考えておるわけでございます。それから貸付金の返済の方法でございますが、その方法につきましては、年賦、半年賦を原則といたしまして、特別の場合一時拂ということを考えたらどうかと思つております。それから貸付の期限でございますが、運轉資金については一ケ年、設備資金については五ケ年というくらいの期限にしては如何かと思つております。それから利率でございますが、利率はやはり庶氏金融とは申せ、やはりこの金庫としては経営の收支の状況も考えなければなりませんので、短期のものについては二銭八厘程度、これは現在の平均の市中の金利でございます。長期のものはそれより若干高い程度にいたしたい。それから担保等については確実な保証人一人以上ということを條件とし、連帶貸付の場合には連帶借主の所属する事業團体の連帶保証、これについては、例えば引揚者團体等でございますれば、加入せられたるところの團体の連帶保証を以てやつて行くことにしたらどうかと考えておるわけでございます。場合によりましては物的の担保をも考慮することにいたしたい。それからその融資の実行について御承知のマル特融資でやつておりますものと、それとの関係をどうするかということでございます。現在のマル特融資については、例えばブロツク別でやることについては非常に御非難があり、又同時に府縣單位でやるとそれ相應の弊害がありはいないかという御意見がございますが、現在庶民金庫は厚生省関係の生業資金に当つておりますその庶民金庫の支所がこの仕事に慣れておりますので、若し復金のマル特融資を全部廃止いたしまして、すべてこちらの場合に乘り移るということになりますれば、復金関係で現在やつておりますスタツフをこの新法公庫の支所の方に吸收するということにいたしたらば如何かと考えておるわけでございます。御参考までに申上げますると、現在生業資金等でやつておりますことと相対照應いたしまして、例えば支所單位にやりますような場合におきましては、その支所にやはり諮問委員会というようなものを附置いたしまして、その諮問委員会というようなものが、現在の厚生事業対策金融審議会と同じような組織をそれにくつ附けたらば如何か。若し縣單位の方が都合がよろしいということであれば、縣單位に適当な支所、分所等を設立いたしまして、その縣に相應するような、適当であるような諮問委員会を附置することにしては如何かというようなふうに考えておりますから、その点につきましては十分に関係者の御意見を取入れまして、現在までの経驗を活かして採長補足でやつて参りたいと考えております。
 それから次にこの資金の計画でございますが、先程申しましたように、出資額が一應十億ということになつており、且現金は三億に過ぎないのでございますが、私共といたしましては、先程の復金のマル特融資を今後続けるかどうか、続けるとして恒久的に続けるのか、或いは暫定的に第三四半期等の過渡期を復金の方で泳ぐだけに止めて、將來は恒久的対策として全部公庫の方に吸收するかどうかということの根本方針のまだ御決定を願つておりませんので、そこまではつきりいたしませんと具体的には申上げにくい点もございまするが、一應現在のところで考えておりますのは、この三億円の融資の計画は引揚者以外のものに使いまして、六ケ月間で毎月五千万円程度を引揚者以外の貧困階級に対する生業資金に供給いたしたいと考えておるわけであります。そうして引揚者の方の問題につきましては、十二億五千万円が庶民金庫として日本銀行からすでに借入れておりますところの返済を実は十三億の中から返済しなければならんのでございますが、その返済の中で即時に返済しなければならんものは約十億程度でございますから、二億五千万円程度のものを一應ここ暫くの間引揚者のために留保することができるのじやなかろうか。そうして根本方針がこの公庫の方に全部引揚者資金をやるということになりますれば、先程申しましたように、その必要額に應じてこの出資額を國会の協賛によつて殖やして行くということにいたしたいと考えておるわけでございます。例えば仮りに第三四半期にマル特融資の方が第二四半期と同樣一億五千万円という程度になりますれば、一應それで第三四半期を繋ぎまして、第三四半期以降においてこの公庫として引揚者に留保し得る金として、只今申上げました二億五千万円程度のところをまあ準備として留保して安心してやつて行くことができるのじやなかろうか、その移り変りついて大体そういうふうに考えておるわけでございます。
 大体以上が今日御報告いたし得る事項でございますが、最後に先程も申しましたように、私共の当面の最も大きな問題は、第三四半期分をどうするかということでございます。仮りに國民金融公庫法案がこの國会に提案なされ、そうして可決して頂いたといたしましても、やはり両金庫の併合その他に相当事務的な面倒もございますし、実際動き出しますまでにはどうしても來年になる。そうすればこの公庫には第三四半期は当然頼り得ないということにもなりますので、何としてもこの一億五千万円の問題を解決する焦眉の急に迫られておるわけでありますが、先程申上げましたように、私共としても本当に行き着く所まで行き着いたような恰好でございます。率直に申しますと、更にもう一歩突き進みまして、從來があまり公にしていなかつたことだけに、從來のことについても何か問題になりはしないかというような氣がいたしますので、誠に遺憾でございますが、率直に御報告いたす次第でございます。
#6
○委員長(草葉隆圓君) 國民金融公庫法に関しまする問題を併せて議題といたしたいと思います。
 生業資産復金の特融につきまして伊只今國民金庫の問題につきまして銀行局長から御説明がありましたが、先回の委員打合会について、この問題に相当委員会といたしましても連絡をいたして参つたのでありますが、その状態につきまして、岡元議員から一應御報告願つて置く方がいろいろ前後の関係上便宜であると存じますから、この機会に岡元議員の御報告をお願いたします。
#7
○岡元義人君 只今委員長から御指名がございましたが、二十六日の特別委員会におきまして、銀行局長並びに大藏大臣の御出席をば要請いたしまして、早急にこの問題をば解決をつけたいという考えでおつたのでありますが、銀行局長も、後程状況はよく了解できたのでありますが御出席ができませず、又大藏大臣も連絡の不備の点もあつたかと思いますが、大藏大臣は全然知らなかつたというようなことで、御出席が願えなかつたのであります。銀行局長につきましては、理事会におきまして、各理事の方には十分御了承願つたのでありますので、特別な事情がおありになつて御出席ができなかつたというこでございますから、改めて皆さんの御了承をばこの際願つて置きたいのであります。それで二十六日の夕方六時過ぎまで当委員会で待つたのでありますけれども、お会いできませんので、委員長と、穗積委員と、木内委員と私と四名の委員が外相官邸に大藏大臣をば訪ねまして、丁度佐藤官房長官も同席して頂きまして、一番緊急を要しますところの復金の第三次の特融に関する件、越冬の予算、この問題について申入れをばいたしたのであります。生業資金の方も序でにお願いして置いたのでありますが、その時に大臣は、できる限りこの問題については鶴力するというお約束があつたわけであります。その後におきまして、非常に大臣はこの点については努力されているということを私達はいろいろ聞かされておるのでありますが、只今銀行局長から御報告の通り、最後の解決には至つておらんのであります。尚その翌朝、銀行局長をば大藏省に訪ねまして、そうして先程御説明がありました通りに、緊急な処置を要する事項につきましては、機敏な処置をば愛知銀行局長に執つて頂きましたので、一應緊急処置に関する案件だけは解決ついたというような形になつております。残された問題は、第三次の特融がまだ解決ついていない。こういう実情でございますので、二十六日からの事情をば一應御報告いたして置きます。
#8
○委員長(草葉隆圓君) お諮りいたしますが、この際暫く休憩いたしては如何かと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(草葉隆圓君) 暫く休憩いたします。
   午前十一時三分休憩
   ―――――・―――――
   午後零時十一分開会
#10
○委員長(草葉隆圓君) 休憩前に引続いて会議を開きます。生業資金、復金特融、並びに國民金融公廳法関係について、先程來銀行局長の御説明がありましたが、これについて質疑等がありましたらこの機会に承わりたいと存じます。
#11
○淺岡信夫君 先程銀行局長からのいろいろの詳細に亘りましての経緯を拜聽しましたし、更に岡元委員からのこれに対しましての経緯も伺つたのでありまするが、このマル特融資の問題に対しましてはなかなか一朝一夕には解決し得ないのじやないか、そこでこの問題に対しましてはどうしても委員会自体がもう少し懇談をして、そうして具体的にはこの委員会全部の力を以て、そうして内閣にももつと強力に迫りますと同時に、又関係方面に対しましてもこの眞意のあるところを了解して頂くようなふうに努力を今後に続ける以外にこの解決の途はないのじやないか、こういうふうに私は思うのでございます。そこでこの問題につきましては今銀行局長も眞劍に心配いたされておりまするが、一應この点はここで打切つて頂きまして、そうして今後総理に対してどういう要望を委員会からするか、或いは官房に対してどういう要望をするかという具体的なものを懇談的に結論を出して頂いて、そうしてその方向に邁進するということを私提案を申上げる次第であります。
#12
○岡元義人君 今淺岡委員から提案がありましたが、尤もな御提案だと思うのです。私も委員長にこの際要望いたしたいのでありますが、手を盡すだけは盡した。審議会におきましてもこれを取上げられまして、未だに解決を見ていないのでありますが、こうなりました以上は、而も年末、越冬を控えまして引揚者等が資金問題についてはどれだけ困るかということは、私共同僚議員の言つたのでお分りだと思いますが、何とかして年内に間に合わせたいということは一般の今までの生業資金の第三次、第四回目の貸出をして頂く、この手が一つと、それからもう一つはこの特融の関係なんですが、この特融の関係につきましては委員会で御了解が得られますならば、委員長と理事が総理大臣に直接懇談いたしまして、総理大臣にもう一回関係方面に足を運んで頂く、そういうような手を打つということが一つ、もう一つは関係方面に対しまして委員会から直接もつと了解して頂くような積極的な運動をとつて見たらどうか、この二案をば提案いたしたいと思うのであります。この点委員長にお諮りいたしたい。それから併せて銀行局長にちよつと先程來の御説明に対して二、三御質問したいと思います。この間お願いいたしました枠外の分に対します大体の金額はどの程度に今なつておりますか、私の知つております範囲では約三千万近くなつておるのでありますが、この三千万円は全部お認めして頂くというように、こういうふうに解釈してよろしいか、尚この委員会に対しまして委員長より復金に対しまして出されました通牒の写をば私は提出を願いたいと思うのであります。この点はいろいろその後折衝いたしますと、復金自体の中でどうも通牒が徹底しないでいろいろ間違いを起しておるようでありますから一應委員会にも御提出願いまして、又議員の方々からもそれらの方面に連絡があると思いますので、間違いが起らないと思います。
 それから國民金融公廳法でありますが、恩給金庫との関係はその後どういう工合になつたか。一應これをセパレートして、ただ庶民金庫関係だけの整理で行く法案に改正になりましたが、その点伺つて見たいのであります。それからもう一つこの國会に提案されない。昨日も議院運営委員会の大体の提案法案の中にこの公聽法案が載つていないので、強く要望したのでありますが、どういう理由で政府は提案しようとしていないのか、この点を明らかにして頂きたいのであります。出來ましたならば、是非ともこの臨時國会に法案を提案されるのはそうむずかしい問題ではないと考えますので、その点を一つ明らかにして頂きたい。
 それからもう少しお尋ねしますが、先程銀行局長は復金の特融は第三、第四というものを処置として考慮して、將來は金融公聽法、こういうものでやつて行つたらどうか、こういう工合に拜聽いたしたのでありますが、これは当委員会においても十分檢討する必要があると思うのであります。勿論マル特というような形でこれをば恒久的なものとして行くというようなことは十分委員としても考え、又引揚者自体のためにより愼重に檢討する必要があると思うのであります。併しながら金融公廳ができるならば復金の特融はもう要らない。こういうような解釈で先程御説明がありました。一世帶五万円という標準で、而も五十万円の限度でこれを抑えて行くということになりますと、引揚者の現在の物價高と睨み合わせまして本当の更生ができないと思います。この点はもう少し委員会として考える必要もありますが、銀行局長にももう一度考えを煩わして貰いたい。以上御質問いたします。
#13
○政府委員(愛知揆一君) お答えいたします。第一の枠外の分につきましては只今岡元委員のおつしやる通り三千万円近くのものになつておりますが、これは一億五千万円と同樣に扱いたい。申入れを受付ける中には審査の結果漏れるものもあるかも知れませんが、取扱いといたしましては枠内のものと同樣に取扱つて参りたい。できればその総額を融資することに運びたいというふうに考えております。
 それから通牒電信等の写しは只今ここに持つて來ておりませんが、速かに委員会に提出いたします。尚それらの写し等の外に法的には累次補つておりますので、その点も御了承願います。
 第二の公聽法は昨日運営委員会のことは伺いまして私もちよつと吃驚したのでありますが、私共としては國家公務員法、給與以外のものの中でも取り急ぐものとして大藏省の事務当局としては提案を最後までねばるつもりでいるのであります。この点は若しそういう連絡が國会にあつたといたしますれば、更に内閣官房の方に私共の方としてもう一度取上げて貰いたいというふうに考えております。
 それから第三の点は先程ちよつと申上げました通り、私共としてもそういうようなことになるかどうかというようなことは、根本問題として更に愼重に檢討を要することだと考えておるわけであります。今の程度の規模の國民金融公庫であれば、到底これによつて移り変ることはできないのでありますから、その辺のところは復金の問題と合せて、いわば來年度の問題として、今からいろいろ考えて見たいと思つております。
 それからそれに附加えての問題でございますが、御承知のようにマル特融資の外に中小金融というものについては、十分の効果は挙つておりませんけれども、いろいろの工夫を凝しておりますことは御承知の通りと思いますが、例えば日銀でも最近二億乃至三億の金を特に中小金融の金として出しております。それから復金の中小金融もいろいろ方法を考えて、例えば代理貸等については代理を行う銀行の自分の責任で手つ取り早く貸せるようにするということも御承知のようにやつております。又それから市中銀行等に対しても、いろいろと中小企業廳と協力いたしまして、協力を求めておる関係がございますので、できるならば或る程度落着かれた場合には、その一般の中小金融の方の御利用をもお願いしたい。それについて御注文、御要請がいろいろあると思いますので、そういう面も併せて引揚者團体等の方でも取上げて、我々の方でも御相談に乘るようにしたいと思つております。ただ今申しましたように、復金のマル特融資を全然國内措置としては止めてしまうか、又は國民金融公庫に引継いだら、後は特別の措置をしないで済むと思つておるかというような趣旨のお尋ねに対しては、私共もそう簡單にそれで済むものとは考えておりませんで、引続き特別の措置をも併せてというような、今よりももつともつと正々堂々とこれができるようにしたいというふうに考えております。
#14
○岡元義人君 今のちよつと質問いたしましたこの金融公庫の法案の内容が庶民金庫だけになつたか、それとも……その点を一つ……。
#15
○政府委員(愛知揆一君) ちよつと只今お答えを忘れましたが、法案の内容で問題になつております恩給担保の金融を止めて貰いたいということを関係方面から示唆されております。それに対してまあザックバランに申上げますと、内閣恩給局を中心とする考え方は、絶対にそれは困るというので、多少政府部内で今もめておるのでございますが、私共としては先程もちよつと申上げましたが、とにかくでかすことが第一で、出資金の問題や、それから恩給担保の問題は後に残して貰う、それで関係方面との話が纏つたら修正をお願いすればいいし、或いは又國会の御修正ということも考えられる。とにかく私共としては芽を出すことが先決の問題だということで、現在のところ内閣側と折衝いたしまして、大体話は分つて貰つておるわけであります。それが未解決であつたために、昨日あたりの政府からの提案に漏れておつたのではないかと思います。
#16
○千田正君 銀行局長にお願いしたい点は、團体貸付の場合の五十万円という枠ですが、これは先般のマル特の金融によつて受けたところの各事業團体が、どうも五十万円ではこの物價高においては大した仕事ができない、実際においてはほんの一部の足し前にしかならないような状況で、むしろマル特に対してもう五十万円の増額を、何とか委員会の方から大藏省当局にお願いして頂きたいというような要望が相当あるのでありますので、この点は何らかの理由においてこの枠の拡大ということはできないかどうか、こういう点をちよつしお尋ねしたい。
#17
○政府委員(愛知揆一君) 先程申上げましたのは一應現在やつております程度のことをその運営の内容として申上げたのでありまして、只今も問題になりましたように、國民金融公庫で仮に引揚者金融を全部ここで一手に扱うというようなことになるといたしますならば、御指摘のように五十万円では少いと考えます。その問題は方針の決まり方如何によりましてこの限度は考えたいと思います。
#18
○委員長(草葉隆圓君) それでは復金特廳の問題につきましては、只今淺岡委員から一應この問題はこの程度で打切つて、あとでゆつくり委員間で懇談をしながら方針を示し、これについて更に岡元委員からは委員長、理事と総理大臣との懇談会を開きたい、或いは関係方面にこれを強く要望する方法を取るか、そういうことを打合わせたいという御意見でありますが、淺岡委員の御意見も岡元委員の御意見も同樣、この問題は緊急を要する且つ重要なる問題であるから適当な処置をして行きたいという御趣旨に外ならないと思うのであります。從つてこの問題は一應本日はこの程度で打切り、あとで御懇談を申上げながらその方針を決定して行つたらどうかと思いますが、御異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(草葉隆圓君) ではさよう決定いたします。この問題は生業資金並びに復金特融の問題は本日は一應これを以て打切ることにいたします。
 次に愛護運動実施について援護廳から見えておりますので、援護廳の御説明を承わることにいたします。
#20
○説明員(岡田好治君) 御指名によりまして只今計画を進めて参つております愛護運動の大要について御説明申上げたいと存じます。この運動を一應計画いたしました発端は、御承知の先般留守家族の方々等が東京にお集まりになりまして、その悲痛は決意から断食行爲までなさつたというお氣の毒な状態があつたわけであります。その際総理大臣並びに厚生大臣も特にこの断食行爲の慰留に努められまして、その際留守家族の方々のそういつた切ない氣持を酌みまして、必ず國氏運動として大きく皆さんのお氣持を酌んでいわゆるお助けをしたいというようなことを申出られまして、留守家族の方々もこういつた両大臣のお約束に対して了承されたようなわけであります。それで事務的にはそのことがありまして以來これをどういつた形で一つ國民運動に持つて行くかというようなことにつきまして私共いろいろ考えました結果、一應こういつた國氏運動は戰時中は御承知の政府が大体音頭を取つておつたのでありますけれども、今日の情勢から考えて見まして、尚且つ運動の性質から考えて見まして、むしろ國民側の自発的な運動の形態にこの運動を持つて行つた方がよいのではないか、從つて勿論趣旨は結構なものでありますので、又政府としてもやらなければならんような筋合いでもありますので、一應政府は蔭に隠れておりまするけれども、いろいろな点において積極的な援助を裏から申上げようというようなことで、一應この運動の主体はいわゆる國民側に指導して頂く。その具体的の方法といたしましては、各種の民間團体を動員いたしまして、その民間團体が主唱、或いは又実施主体になつて國民運動を展開して行こうという方式を採つたわけであります。それで前後これまでに約四回、各團体にお集まりを願つておりまするが、大体発議團体といたしましては、全日本民生委員連盟、同胞援護会、日本青年館、新日本婦人連盟、全國学生同盟本部、日本社会事業協会、社会教育連合会、新生活運動連盟、愛の國民運動本部準備委員会、朝日新聞厚生事業團、それから同胞救援議員連盟、その外の協賛團体として、全連、並びに留守家族全國協議会の方にもお入り頂いているわけであります。こういつた團体が発議團体となりまして、更に宗教團体或いは又日赤、或いは又愛育会、或いは救世軍、その他あらゆる婦人團体、宗教團体、こういつたものに呼び掛けまして、あらゆる團体がこの実施團体の中に加わつて頂きまして、これらの方々で、実施協議会を持つて頂きまして、その協議会が中心になつて、中央の協議会が企画、指導に当る。それから地方におきましては、中央の團体の各それぞれの支部、並びに地方独自でそれぞれの又團体があれば、それも加わつて頂いて、それで地方には、地方で実施協議会を作つて頂く。その地方協議会が又実践活動の本体になつているというような方式を採つたわけであります。
 それから実施事項といたしましては、先程申上げましたように、この運動は國民運動でありまするが故に、專ら精神運動を狙つてこの運動を展開したいというようなことから、その行事も宣傳啓蒙の國民運動、それから実践奉仕活動の面に分けまして、それぞれ地方の実情に即應した運動を展開して頂くことに一應の要項を定めたわけであります。先ず宣傳啓蒙運動につきましては、中央は先ず全國的なものといたしまして、ポスター或いはリーフレット、或いは又紙芝居の原画、こういつたものの專ら全面的な宣傳啓蒙の部面は中央で企画いたしまして、すべてこれを地方に配付することにいたしております。尚全國放送、こういつたようなものも放送協会と特別の今話合いを進めておりまして、少くとも週間中は愛の運動の特殊放送をして行きたいというふうなことで、只今いろいろとその細部の企画を進めているわけであります。それから尚地方々々で留守家族の方々、並びに引揚者の方々に対しまして、いろいろな親切な、而も美談として地方的に取上げられている、つまりよき隣人と私共申しております。そういつた立証が各地にありますし、今後そういつたことによつて、大いにこういつたようなことを普及させたいというようなことから、そういつたよき隣人の表彰といつたようなものも中央で企画して行きたい。その他細かいことはいろいろございますけれども、そういつたような全國的な啓蒙宣傳、啓発事項は中央でやつて参ります。その他他方々々の宣傳啓蒙活動はそれぞれ地方に委して行きたいというふうなことにいたしております。
 それから実践奉仕活動の方は、これは地方の実情を加味いたしまして、地方独自でやつて頂く考え方をいたしてしるのでありますけれども、一應私の方の要望といたしましては、次のようなことを地方で十分考えて頂いて、更に地方的にものを加味して頂きたいということを示すことにいたしておりますが、一應の企画を示しました事項は、帰還同胞、それから未帰還の留守家族、外地犠牲者の遺族に対して、週間中、家庭訪問或いは慰藉激励といつたような行事を、その部落、その村でやつて頂く。それから上陸地、駅頭などの出迎えが、御承知のように、最近非常にさみしいような現状でありますので、上陸地、駅頭などの出迎え並びに接待を專ら婦人團体その他青年團等の、こういつた方々に呼び掛けて、これらによつて実施して行きたい。それから生活再建、就職の斡旋、技倆等の指導、或いは又身の上相談、或いは生活再建への相談、こういつたような引揚者のお氣持並びに留守家族の方々の今困つておられる状態の相談相手に、民生委員さん或いは又地元の方々等が積極的に相談に與つて行く。或いは又お帰りなれば、引揚げて帰られました場合には、少くとも近隣の人が集まつて、そうしてその御苦労をお慰めをするというような、近隣の指導と、こういつたものもこの週間中に、部落なり、その近隣でやつて頂く。或いは又引揚列車の慰問強化の一つの手段といたしまして、いわゆる旅行者の雜誌その他の書籍を寄贈して頂いて、それを上陸地に送つて、上陸地からそれを汽車に積込みまして、少くとも列車中、引揚げて復員なすつて帰られた方々の旅行中、お飯めするための雜誌を一般から募集しようというよすな、列車文庫というようなことも併せて考えております。それから学童の慰問作品の募集、その他いろいろ現地で、とにかく地方地方の実情で、必要なことを更に加味して、積極的にやつて頂きたい。これを少くともこの週間中大きく盛り上げて置きまして、而も運動の狙いは、週間だけに止まらないで、その週間中大きく取上げましたその國民的な氣運をどこまでも引つ張りまして、これを永続させようというのが今度の運動の狙いであります。それで各関係團体もこの点を了承して頂きまして、現在のところでは、企画はすべてこの発議團体に只今おろしておりまして、本日も午後一時から、発議團体の幹事にお集まりを願つて、いよいよ最後的に実施決定案の段取をつけることになつているようなわけであります。
 運動といたしましては、実際に発議團体その他各團体とも御熱心に今いろいろと御計画御研究を願つているようなわけであります。期日といたしましては、只今のところ、十二月の十七日から一週間が一番いいんじやないかということで大体そういうふうな目標で、すべての段取を今進めておりますが、ただ國会の解散……衆議院の解散等のお話もちらほら紙上で見えておりますので、その期日が場合によるとダブるような、この期間中にあるようなことになると、運動の効果を削減するんじやないかというようなことで、本日も、この午後一時からの集まりの際に、そういつたことを願みることなく、この期間中実施するか、それともそういう事態ができれば、運動期間を更に多少延ばすかということを決定したいと思つておりますけれども、一應只今のところ十二月十七日から二十三日までの一週間をこの運動の山として展開したいというふうに準備を進めているわけであります。以上大体の筋を御説明いたしました。
#21
○委員長(草葉隆圓君) 時間が大分遅れましたが、特に午後一時から只今の指導課長のお話のように、発議團体の会合がおありとのことでありまして、その会合で大体の根本方針を決定したい、その前に特別委員会の委員の皆さんの御意見等がありましたら十分伺つてその内容を盛り込みたいという御趣旨のようでありますから、御意見等ありましたらこの機会に御発表願いたいと思います。
#22
○岡元義人君 この愛の運動は非常に結構なことなんでありますが、たまたま民間におきましても、又お座なりの運動に過ぎないのじやないかということがすでに危惧されておるのであります。國会におきましても当然これに無関心であつたのでは私はいけないのじやないか、かく考えますので、各同僚議員の方々の御意見をば十分政府当局に反映させるようにお願いしたいと考えるのであります。尚この愛の運動は單に精神面のいわゆる運動ということに重点が置かれておるようでありますが、併しながらもうこの引揚者、復員者の問題は今まで一番内地帰還の再開当初からそのいう問題が十分に徹底しておつたならば、こういう催しも直ぐぴんと來まして、非常に効果が挙ると思うのでありますが、併しもうすでに引揚者、復員者は疲れ過ぎております。これは実際問題を私は申上げておるのでありますが、もう疲れ過ぎておりますので、こういうような運動をされましても、実際にその効果が挙るかということは非常に私は疑問を持つておる。少くも勿論こういう面で行く運動も必要でありますが、半面物の面においても相当考えてやる必要があるのであります。そういう併せた行き方でなければ、この運動は本当に有終の実を期し得ないのじやないかと考えますので、この点援護廳におきましても十分お考えを願いたいと思うのであります。
 尚特に先程岡田課長からお話がありましたが、國会の解散というようなものとの時期的な関係でありますけれども、これを年末を控えまして是非共やつて行かなければならないのじやないかと考えますから、少くとも参議院は解散しないのでありますし、いろいろ計画の方に齟齬があるかも知れませんが、併しながら年末を控えて是非共こういうような運動はやらないと大きな禍根を將來に残す段階に來ておる、こういうように私は考えますので、一應私の所見を申述べて置きます。
 もう一つお願いしたいことは、この兒童なんですが、沢山陳情が参つておりますけれども、実際兒童用の靴がなくて收容所等の子供達が学校に行かないという收容所が沢山あります。こういう学童程度の、いわゆる学校に行ける程度のことぐらいは、この愛の運動期間中に是非とも全國的に解決をつけて頂かなければならん。こういう工合にこの愛の運動を持つて行かれたならば、何か大きな收穫があるのじやないか。
 それからもう一つこの機会に、総体的にこの運動は、引揚留守家族という方々が、促進運動は殆んどそういう人達のみで今までやつて來ておるのであります。これはもう根本的に間違つておる。こういうような引揚促進運動というものはその留守家族がするのじやなくて、本当は全國民がやらなければならない問題であるということを十分この際吹込んで頂きたい、そういうことを一つ要望したいと思うのであります。
#23
○矢野酉雄君 その愛の運動を充実させる一つの方法として、岡田課長に即刻手を打つて頂きたい。それは殊に九州で何十回も体験したのですが、運輸当局が愛の精神で輸送に協力することに非常に吝かであつて、その証拠には、門司に着いて、そうして列車に乘るのに一台乃至二台、たつた一台でもいいから特別の客車をそこに連結して呉れということです。十分座席もあるけれども、全くその措置をして呉れていない。そのために結局立つている者が大部分であります。四つぐらいに分乘して、そうして帰つたはなの諸君ですから、何ら予備知識がないために、折角港で頂いた援護物資を、それをしばしば泥棒に遭つている。若しそれ運輸当局が厚生省の狙つている愛の運動の精神を実際に実践する氣持があるならば、そうした客車の配車なども、一台かそこらの問題ですから直ぐやれる。そういうような手近な問題は、その運動を起す前から、今からできるものであります。それを作らなければ愛の運動ができないという観念がすでに間違いであつて、それはもう現に今ここから問題を著々として解決して行かなければならんと思います。この点即刻に手当して頂きたいと思います。殊に厚生大臣は副総理という大変いい地位におられますので、恐らく厚生的方面の行政の各実績を挙げるのにはいい機会でありますから、うんと局長、課長諸君は大臣を鞭撻して、そうして今日も元の特別委員長から本会議において詳細なるいろいろな報告が文書を通してもありましたから、それらも副総理は聽いておりましたので、丁度いい時でありますから、今日手を打つて頂きたい。
 それから今の、学童が裸足で学校に行けないというのも、これは実に涙ぐましい現実であります。非常に私はこれは共鳴します。と共に過般私は千葉縣の七浦村に参りましたが、あそこに沖縄の諸君が三十名ばかり引揚げて、そうして村長及び漁業会長から感謝状を貰つているくらい、非常に漁業を通して眞面目な協力態勢を整えて、そうして取つた「あわび」にしても、或いはその他の海藻、魚介でもマル公でその港で全部これを供出しております。ところがその住んでいるところの場所は全くの倉庫であつて、板張りであります。そうして莫蓙も敷いてない。そうして「蒲團」一枚もない。こういうようなのは、当然現在困つている引揚者諸君には無償で「蒲團」の一組ぐらいは一人にやれる制度がある。その経済力に應じて二分の一か三分の一の実費でこれを買受けるというような制度もありますが、こういうような諸君に対しては是非即刻無償で配給して頂くような計画を立てて頂きたい。これらが愛の運動の実践を効果あらしめるための裏付けになると思いますから、特にお願いして置きます。
#24
○水久保甚作君 只今愛の運動について説明がありましたが、これは非常に大きな問題と私は思います。これを全國に亘つてお行いになりましようが、これに対する費用はどのくらいお見込になつているか、これを先ず承わりたい。
#25
○説明員(岡田好治君) 御質問の経費の点でございますが、経費の点につきましては、大体実施主体の團体に自主的に一つ或る程度の経費を持つて頂く、その團体の不足する面に政府から補給をして行こうというような費用の考え方を今採つているのであります。只今のところは大体予算といたしましては、五百万円程度の金額で只今財務当局と折衝しているのであります。その他に各團体の関係の、独自な使命において、各團体が負担する費用も相当に上りますので、一應申上げました五百万円程度の予算要求をいたしました企画は、そういつたポスター、その他の中央で手配すべきものと、尚府縣でそれぞれの團体のイニシヤチーブをとるために必要な費用を府縣に流すというような企画から、その程度の予算を只今要求をいたしている次第であります。勿論財務当局の方にも相当意見があることでございますので、どの程度になりますから今後の折衝に俟たなければならないのでありますが、一應事務当局の私共の方といたしましては、申上げましたような額で只今折衝を続けているのであります。
#26
○淺岡信夫君 私がお尋ねいたしたいことは、地方の各團体、或いは府縣ということでありますけれども、中央におきましての各省間の連絡というもの、或いは各省間にはどういう呼び掛けをなさるのか、これを伺つて置きたいと思います。
#27
○説明員(岡田好治君) この運動の実施は、これはもう御承知だと思いますが、先般この対策審議会の、第二回の対策審議会で決議になりました、あの決議要項の第二の國氏援護思想の普及という決議案に基いて、対策を進めたものでありますので、從つて各省幹事並びに委員は全部これは了承済みであります。尚ただこの運動の実施をするに当りましては、專ら精神運動が相当ありますので、文部当局とは非常に緊密な連絡を取つております。例えば國民学校におきまする社会教育科当りの教材をこの際入れて貰う、こういうことで文部省とは大変緊密な連絡を取つております。その他運動の実施に当りまして、いろいろ駅あたりのポスターの掲示等もありますので、運輸省あたりと今連絡を続けております。
#28
○水久保甚作君 私は今この経費のことにつきまして……、政府はこれに対して五百万円ばかり要求するということでありますが、然らば、地方廳においても五百万円ぐらい要るだろうと思います。そう思うのでありますが、かくのごとくこういうような運動に費用を投じて、そうして果して効果ありや否やということは、私は疑う一人であります。どうかと申しますと、今日は援護運動、その他引揚者に対するところの愛の手は廻つているのでありますけれども、これにはいろいろの関係がありまして、私の見ている、又調査した範囲におきましては、そこのいろいろの町村の関係において、当局と密接な関係のあつた、便宜を得たものは、非常に普遍的にその利益を受けているようであります。然りと雖も、又農村なんかに偏在しているところの引揚者は、非常に困難な地位にあるのであります。今は冬季に向つているのでありますが、この冬越をどうしてできるかという家族があるのであります。殊にあり蒲團の薄いのが八人家族に一枚ばかり渡つておつて、それを以て冬越をして参つて來ておる。本年のごときはどうすることもできない。そうしてあの綿だけが塊まつてしまいまして、蒲團の用をなさんのであります。こういうことに政府は力を盡さなければならんと思うのであります。今こういうような運動は、私はこれは決して効果あるもんでありません。これは実際において引揚者が困難であるという立場をよく調査になつて、その調査の方法を採つて、そうしてかくのごとき一千万円という費用が要るならば、これを有意義に使つて貰いたい。私はこういうことを献言いたす一人でありますが、どうか委員長におかれましても、かくのごとき問題はよく愼重に研究されて、そうして問題として取扱つて行つて貰うように私はお願い申上げます。
#29
○千田正君 今水久保委員のお話も誠に同感な点でありますが、岡田課長にお願いしたいのは、愛の運動に裏付けするところの一つの調査と言いますか、実態調査をこれに附随してやつて頂きたい。そうしてそれによつて更に永続すべきところの新らしい施策を講じて頂きたい。これをこの愛の運動と共に、この実態調査をやつて頂きたいということをお願いします。
#30
○委員長(草葉隆圓君) 他に御意見はございませんか。
#31
○細川嘉六君 この運動は表面からは結構なようでありますが、今申されたように、実際の効果はどうであるかということについては、非常な疑問であります。民主政治教育運動、あれには一千万円か出して大掛かりなことをやつておりますが、これは騒ぎが大きいが、費用が沢山掛かつたところが、実際の効果は挙つていない。今度の五百万円はこれをどうしてやるか。これと雖も実際の効果ということになりますと、騒ぎは表向きであつて、そうして実際に引揚げて來た者、或いは未復員の家族が困ることは変りない。実際皆さん御存じだと思うが、皆困つておるのであります。でありますが、このひどい大衆課税のこの財政で又こうした金を使うというよりも、先程お話があつたように、学校へ行けない子供、裸足になつておる子供に、もつとその不足をなくさせるようにしてやるとか、未復員者の家族に対しして手当をよくしてやるとか、それから生業資金にしましても、あの金ではどうとも役立たない。これを殖やしてやるとか、先ずここから始めなければならんことだと思うのであります。こういう派手やかな、又尤もらしい、表面上尤もらしく見えるこういうようなことに、こういう金を使い経費を使うべきことでなしに、実際になさねばならんところから始め、更に力をつけて行かなければならんことだと思うのでありまして、これは実際はよさそうであるが、結局上滑りの問題となるしか考えられません。その点政府委員の方に何か確信があるのですか。
#32
○説明員(岡田好治君) この運動の点につきましていろいろ御意見になりました点は、私共も十分実施の面に注意して行かなければならんと思つておる点であります。ただ先程來お話のありましたかような運動にこの程度の費用を掛けるよりも、まだ政府としてはその他やるべき筋合いが相当あるのでないかというお話につきましては、私共その通りだと思います。ただここで私共この運動を考えました発端は、私共は只今のところ、生業資金にいたしましても、或いは留守家族の援護の点につきましても、なさねばならないことにつきましては、全力を傾倒してやつておるつもりであります。從いましていろいろ政府といたしましてはやり繰りをし、又かくあらねばならんということに対しましては、私共も勇敢に突込んでは参つておるのでありますが、併し一面私は政府だけでこの引揚者の援護が満足に行くとは考えておりません。やはり國民全体の、政府の施策と相俟つて國民全体がこれにやはり協力をして行くという態勢はどうしても作つて行かなければならんと思いますし、又留守家族の方でも引揚者の方でもその日その日の生活が、その近隣の中で生活で行われて行くわけでありますからその近隣の方々がこれらの方々に対して親切に慰め合つて行くということは費用を幾ら出すということよりも、むしろそういうことによつて引揚者の方々が日常生活を愉快に樂しく送られるということの方が私は非常に大きな効果があるのではないか、勿論この運動を実施いたしまして、それがどれだけの効果が出たということは立証はできないとは思いますけれども、少くともこの運動によりまして引揚者の方々及び留守家族の方々に対して少くとも近隣の人が、これらの人に対して、本当の人間愛として親切を盡さなければならないのだという氣持だけは私持つて貰つても、これはこの運動の成功ではないかというふうに私は考えております。勿論運動の実施面におきましては軽卒な上滑りなことはできないことでありますけれども、効果として私はただそういつた点を狙うだけでもこの運動の一つの成功ではないかというふうにまあ考えて、一應團体の方等にも極力そういつた面についてのお骨折りを願うようにいろいろお願いしておるわけであります。勿論この運動に対しまして今申上げました五百万円程度の予算を要求はいたしておりますけれども、これも運動それ自体がさような多少とも政府の行いますいろいろの施策の一翼をなすものといたしますならば、私共といたしましても、さような経費は多少出して頂いても、この運動をやつて行きたいというような、本当の何んと申しますか、民間運動として國民の協力を得ることが私共のこれから仕事をして行きます上に又非常に大きな足場にもなるというようなことも考えておりますのでその点一つ御了承願いたい、さように私は考えておるのであります。
#33
○千田正君 遅きに失したという政府の御施策のように見えますが、私共も全く遅きに失したという感を深くいたします。併し一歩前進して國民運動を展開する上において、我々委員会としては大いに政府を鞭撻してもつと強く要望して盛んにやつて頂きたいと思います。
#34
○委員長(草葉隆圓君) 他に御意見もあろうと思いますが、大分時間が遅れておりますので、この問題は以上を以て打切りたいと思います。各委員から熱心に御意見のありました通りに、遅きに失するが、是非ともこの運動の成果を收めるように政府は一段の方策を講ぜられて、殊に午後の発議者の協議会におきましては、今まで各委員から述べられました趣旨が十分徹底するようにお取計らい願いたいと思います。殊に精神運動だけでは不十分であるから、成るべく物の面の付いた方法にこれを持つて行きたい、更にこの運動を引揚促進の全國運動にするような方法にして行きたい、この点は特に本委員会としても希望を申上げたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(草葉隆圓君) それではさよう決定いたします。
 次に委員会開催日につきまして、從來は火曜と金曜にいたしておりましたが、いろいろの関係から水曜、木曜くらいの連続した日がいいじやないかという意見が相当出ておるようでございますので、午前中の理事会に諮りました結果、水曜、木曜に変更したらどうかというようなことに相成つたのであります。この点について皆さんの御賛成を得ることができましたら水曜、木曜に変更いたしたいと存じますので、御意見を承わりたい。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(草葉隆圓君) 御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(草葉隆圓君) それでは從來の火曜、金曜をこの次から水曜、木曜と変更いたします。從つてこれはこの次の機会から変更いたしたいと思います。
 本日はこれを以て散会いたします。
   午後一時五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     草葉 隆圓君
   理事
           三木 治朗君
           木内キヤウ君
           岡元 義人君
           星野 芳樹君
           駒井 藤平君
   委員
           天田 勝正君
           淺岡 信夫君
          池田宇右衞門君
           水久保甚作君
           伊東 隆治君
           紅露 みつ君
           北條 秀一君
           穗積眞六郎君
           矢野 酉雄君
           細川 嘉六君
           千田  正君
  政府委員
   大藏事務官
   (銀行局長)  愛知 揆一君
  説明員
   厚生事務官
   (引揚援護廳指
   導課長)    岡田 好治君
ソース: 国立国会図書館
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