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1948/11/12 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 人事・労働連合委員会 第2号
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1948/11/12 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 人事・労働連合委員会 第2号

#1
第003回国会 人事・労働連合委員会 第2号
昭和二十三年十一月十二日(金曜日)
   午後二時一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○國家公務員法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中井光次君) 只今より連合委員会を開会いたします。昨日は一般の説明がございまして、質疑の途中で散会をいたしましたが、本日は淺井人事委員長も御出席になりましたから、尚御質疑の点がありますれば、逐條の説明に入る前に続行して頂いたらどうかと思います。
#3
○山田節男君 昨日山下委員に答弁をお願いしたのでありますが、結局具体的な返答がなくて済んだようないきさつがありますので、幸い淺井委員長がおいでになつているので、昨日山下委員にお願いした質問を繰返して淺井委員長に答弁を求めます。昨日山下委員に申上げた私の質問の要旨は、これは十月二十七日付の朝日新聞でありますが、アメリカの陸軍省、國務省、労働省三省で、今度マツカーサー書簡に基く政令と國家公務員法の改正によつて、官公廳從業員の團体交渉権を認めない、禁止する。これは余りに嚴格じやないかというようなことで、緩和するような意思があるやに新聞が傳えております。尚又極東委員会、更に対日理事会においても、新聞に報道されたように、この公務員法の改正の根拠となつたマツカーサー書簡の要旨について、ソ連、英國、その他から具体的な意見が発表されているのであります。ソ連はもとよりのこと、イギリスの代表からも官公廳從業員の爭議、團体交渉権を奪うということは、余りに苛酷だというような意見もあつたのであります。その後この種のニユースは日本に入つておりません。G・H・Qの公務員課のフーバー氏もまだ帰つておいでになりません。これは解釈を各々異にするという立場から言えば、当然この公務員法の改正法案がこの際審議せられましても、いろいろな意見が出て來ると思います。臨時人事委員会としては、この間の情勢、先程申上げた極東委員会、対日理事会並びにアメリカの政府関係当局においてそういうような緩和するというような情報が取沙汰されたについて、今回の法律案を出すに当つて、どの程度のこれに対して意見を持つておられるか、この点を一つお伺いしたいと思います。
#4
○政府委員(淺井清君) 誠に重要な御尤もなお尋ねと拜聽いたしたのでございまするが、只今のところ、人事委員会といたしましては、只今お示しになりました材料以外のものは何も持つていない状況でございます。事柄が重要でございまするので、各方面と緊密の連絡をとつておりまするけれども、今日までのところ、その点に関しまして、何ら当初の考えと異なつた考えに進むと、こういうふうな決心をいたすところまでは只今の情勢では参つておらない状態でございますので、何とぞそのように御了承を願いたいと思います。
#5
○大山安君 只今人事委員長の申されるのには、労働委員長の質問に対しまして何らも考えていないということを申されましたが、この國家公務員法案は國情に対して正当なものであるから考えていないという御意見であるか、又或いは放漫的に無関心の下に何らも考えていないという御意見でありますか、どちらですか。
#6
○政府委員(淺井清君) お答えを申上げますが、只今労働委員長からお尋ねを賜りました問題は、まだ外國電報を新聞等において見まする程度以上に何物も私の方へは到着いたしていない段階でございますので、これに対してこの國会におきまして当方の意見を申上げるような段階には達していない、こういう意味でございます。
#7
○大山安君 そうしますと、正しいものでないか、あるかということはまだ判定しないのですか。
#8
○政府委員(淺井清君) 何分にも國際的にも重要な問題でございまするので、或る一つのことを仮定いたしまして、我々の考をこの席上で申述べるには少しく早いのではないか、そういうふうに考えておる次第でございます。
#9
○大山安君 正しからざるものを國家の法律とするという氣持で人事院として責任がとれるものであるかどうか。私は國家の法律として國民に重大なる影響のあるものを徒らに提案されて、それでこれを採択して貰えば、これを立法提案して差支ないと言うかも知れませんが、何らの根拠のないところを政府として提案するということは納得の行かないところであります。その根拠を正しいと思うか。ただ徒らに提案をしたのみであると言うか。最も國民に影響を及ぼす死活問題、よく本会議でも言いましたが、基本的人権の尊重との関係を愼重に御答弁を願いたい。
#10
○政府委員(淺井清君) ちよつと途中で二つの考が一緒になつておるようでございますが、この議案をここに出しましたのは、私共といたしましては、確乎たる考えの下にいたしましたので、只今労働委員長からお示しの件は、その後に起りました情勢によつてこれを変える意思があるかどうかというようなお考えの御意見のようでございましたが、その方はまだ私共の考えが決つておらないと、こう申上げたのでございまして、これを御一緒になさいますと、どうも私共といたしましては甚だ迷惑に存ずる次第でございます。
#11
○山田節男君 この改正法案を臨事人事委員会が作つたということは、この改正法案が即ち官公廳の事業に対しては、憲法第二十八條の基本的人権に制限を加えることは憲法違反ではないという根拠に立つて私は作成されたものだと思うのであります。一昨日淺井人事委員長からも一議員からの違憲問題に関する質問に対して簡單ではあるけれども御答弁がありました。尚委員会において詳細に説明する……。これは本法律案の審議に当りましての根本問題であります。でありまするから、この点は特にはつきりと人事委員会の見解をここに與して置かれたい。少くとも憲法上……。それからいわゆるこれは社会政策上のものであるとすれば、社会政策の見地から、こういう疑わしい問題を不明朗なまま審査をするということは非常に私たちとしては不安でありまするから、一應政府としても違憲でない、憲法違反でないということを明快な一つの論拠を示して頂きたいと思います。
#12
○政府委員(淺井清君) これも亦誠に重要な適切な御質疑と拜聽いたしました。この國家公務員法に対しまして、若干の憲法違反の問題が起つておるのでございますが、これにつきましては、この委員会でその箇條に参りますときに逐次御説明を申上げ、重ねての御質疑にも應じたいと心得ておりますが、只今労働委員長の仰せになりました憲法二十八條の基本的人権の問題に関しましてお話が出ましたから、私共の見解を申述べさして頂きたいと存じます。御承知のごとく、憲法二十八條は勤労者の團結権及び團体行動権を認めました條文でございまして、誠に尊重すべき基本的人権に関する規定であることは申すまでもない次第でございます。併しながら一方憲法は第十三條において基本的人権が公共の福祉の枠の中において成立する旨を規定しておるのでございまするが、この十三條も亦基本的人権の見解の定めたものといたしまして、重大な規定であると私共は考えております。即ちこれは人間の共同生活に対する責任を規定したものでございまして、基本的人権と、この共同生活に対する責任の規定とは恰かも車の両輪のごとく、そのいずれを欠きましても人間の共同生活はうまく行かないものと考えておる次第でございます。そこで憲法二十八條をやはり十三條の枠の中においてのみ基本的人権として成立いたすべきものだと考えておりますからして、例えば今度の國家公務員法案におきまして、九十八條において勤労者の團結権及び團体行動権等につきまして、若干の制限を加えましたことは、憲法違反ではないと、私共はかように考えておる次第でございます。勿論これは我々提案者の意見を御参考までに申上げた次第でございまして、このような規定を設けるがよいか惡いかはもとより國会において御決定になるべき筋合のものと存じておる次第でございます。
#13
○山田節男君 今の淺井人事委員長のお答えですが、憲法の二十八條の規定は、條文は十三條によつて拘束を受ける、制約される、こういう見解でありますが、私のお尋ねするのは、これは一つの憲法の法理論であつて、憲法の精神解釈とはこれは別個の関係であります。私の申上げますのは、このポツダム政令第二百一号が発せられたその根拠であるところの昭和二十年の勅令五百四十二号、この法律勅令、これがいわゆるこれに基いて発せられたものであります。即ちこのポツダム政令は、このポツダム宣言受託に伴うて日本が処理しなくちやならん事項に関してのあらゆる権能を與えるというものであつたというふうに私は了解しておりましたが、その点私は人事委員長に重ねて一つ御説明願いたいと思います。
#14
○政府委員(淺井清君) 只今の御尋ねは、憲法違反かどうかという御尋ねでございまするから、憲法に基礎を置いてお答えをいたすよりほかない次第と考えております。
#15
○山田節男君 今の昭和二十年の勅令五百四十二号、これに基いたいわゆるポツダム政令の二百一号、これが合法的であるが、或いは憲法に合つてるかどうか、この見解を一つ。
#16
○政府委員(淺井清君) お答えをいたす前にちよつとお断りいたしたいと思いまするが、この勅令二百一号の関係は臨時人事委員会の所管事項ではございませんで、あれは應急措置といたしまして、内閣の所管としてなされたものでございまするから、これに対する見解を人事委員会から申しまするのは如何かと存じまするが、結局この勅令が憲法違反であるかどうかということは、我々といたしましては最高裁判所の判決によつて服するよりいたし方ないと存じておる次第でございまするが、この点に関しましては、すでに六月中に最高裁判所におきまして、違憲にあらずという判決があつたように記憶いたしておる次第でございます。
#17
○羽仁五郎君 さつきから山田労働委員長が質問されておる点に対する淺井委員長のお答えは、我々が伺つておりますと、問題の本質と、それから問題の技術的な面とを混同しておられるように思うのですが、この國家公務員法の改正の問題が、政令二百一号のそれと人事委員会と違うかも知れない。違うかも知れませんが、併し要するに問題の要点を我々は國民の前に明らかにしなければならないのであつて、その要点、即ち國家公務員が一律にその基本的人権を制限されるということが、これが國際的に問題になつておるということは電報を別に受取られなくても御承知だろうと思います。確実に御承知だろうと思います。これは日本の新聞にも出ておつたことでありまするし、それがどういう筋合のものでありますにせよ、國際的な輿論の一部分にこれが重大な問題となつておることは、これはまさか確実な知識がないとはおつしやらないでしよう。從つてそういう知識がおありになる以上、それについては御研究はすでになすつておるに違いない。これについての御研究がなくしてこの改正法案をお出しになるとすれば、これは無責任と言わざるを得ない。だからその点を山田労働委員長はお聞きになつておるのだろうと思うので、確実な電報を受取つていないとかいうふうに拜聽したが、あれは聞き誤りであろうと信ずるのですが、その点をはつきり伺つて置きたい。ただ單に外國においてのみでなしに、七月二十八日ですか東京における対日理事会においても例えば英連邦のパトリツク・シヨウ氏が團体交渉権をも否認するということは納得できない。又現業、非現業の区別というものもやはりもつと重要に考えて貰いたい。又こういう問題については、英連邦における労働立法の歴史の上にもいろいろな参考になることがあるんじやないかと思うから、そういう点を研究して貰いたいという意見を述べておられるのですが、我々としてはやはり國際的なそういう有力なる見解というものに対して、やはり十分研究し、これに対して解決を持つてそして改正に臨むべきものだと信じますので、そういう点について山田委員長の質問の御趣旨に対するはつきりした御意見を伺いたいと思います。
#18
○政府委員(淺井清君) 問題が憲法違反論から始つたものでございまするからして、ややもすれば冷たい法理のお答えになりまして、誠に恐縮に存ずる次第でございます。
 只今本質論と仰せになりましたが、誠に我々もその点は御同感に存ずる次第でございまして、國民の基本的人権というようなものを拘束いたしますることは、これを必要な最小限度に止むべきものだという考え方においては、誠に御同感の至りに存ずる次第でございます。從つて只今の政令二百一号のごときもできるだけ速かにこれを廃止いたすべきものと考えております。現にこの改正案におきましては、これを廃止する規定が入つておるということも御承知を願いたいと思います。
#19
○原虎一君 本案の審議に対して政府側から昨日、参議院は十六日までに審議を終了して通過するように要望して参つたということ、それは参議院の議院運営委員会に申入れがあつたことは事実であります。して見ますれば、昨日本委員会では本案審議に対して公聽会を開くや否やという問題の意見が交換されておるのでありまして、政府が十六日までにこれを審議して呉れという要望をしたその眞意を伺わずして、ただ私は條文であるとか、人事委員長の見解程度を今日論議をしておつたんでは間に合わないと思うのです。政府責任者が、政府の総理が出席されて、そうしてその眞意が奈辺にあるかということを、我々に明瞭にして頂く必要があると思います。私は総理の出席をされるように委員長から要望をされるよう願いたいと思います。そうなくしては公聽会を開く開かないという問題までは議論されない。公聽会を開くとするならば、本日中にも決するようにしなければ、会期の関係もありましてできないというような事情にある。でありますから、その点を私は淺井人事委員長にもお伺いしますし、本委員会の委員長として中井人事委員長はどういうお考えでありますか、その点をお伺いしたいと思います。
#20
○委員長(中井光次君) 只今原委員から御発言がございましたが、本日の議事の予定といたしましては、昨日に引続いて質問を続行し、尚皆樣の御意見に從つて逐條の審議に入ることにいたしたいと存じておつた次第でございますが、根本の審議の期間を制限されるというようなことにつきましては、昨日官房長官からも御発言がありましたが、未だその点について疑義があるのであります、故にその点を審議の進行中におきまして明瞭にいたして、或いは公聽会をやる、その他のことにつきまして進んで行きたいと、かように考えておつたようなわけであります。で原委員の仰せの通り、総理大臣よりこの点を明確にして頂くことは極めて必要と存じまするから、私からその旨を申入れます。尚淺井人事委員長において、この間の審議の経緯の問題についての政府委員としての御見解があれば、或いは御存じの点があれば御開陳を願いたいと存じます。
#21
○政府委員(淺井清君) 期限を切つての申入れということに関しましては、内閣の申入れでございまして、臨時人事委員会といたしましては全然関知をいたしておらない次第でございます。
 尚公聽会その他のことに関しまして、これは議院運営の問題でございまして、我々からこれに対して何ら申上げるべき價格のない問題でございまして、これは議院の方でお決めに相成るべきことと存ずる次第でございます。
#22
○門屋盛一君 今の原委員の要望に関連するのですが、私は原委員とは異つた解決をしております。それは昨日運営委員会におきましても、亦こちらにも見えておつたようでありますが、政府の方から十六日までに上げて貰いたいという申入れは確かにあつたのであります。がその十六日までに上げなければならならいということの説明を、祕密会でもいいからやつて貰いたいということを運営委員会で要求したにも拘わらず、ただ諸般の情勢という言葉以外には何物もない。そこで原委員のおつしやるように、形式的に言えば総理大臣にここに來て貰つて確固たるところを質するということになるのですが、第三國会開始以來の総理大臣の御答弁の状況なり、又ほかの閣僚の方の態度なりを見ましても、恐らくそれによつてここの委員会の運営をどう持つて行くというようなことを確かめるというような御答弁なり、御説明なりはないと思います。そこで私は國会は國会、即ち参議院は参議院の立場において、政府の要望は十六日であろうと、二十日であろうと、そういうことには構いなく、そもそも運営委員会におきましてこの公務員法を主体としたところの第三國会の会期を決めます折に、政府は十日間でやつて呉れといい申入れがあつたのでありますが、そのときすでにこの重要法案は十日では審議し得ないという見解の下に、三週間の会期を予定して十一月三十日までの会期を議院自体が取つておるのであります。それでこれ以上政府に質す必要はない。参議院は参議院、この委員会は委員会として独自の立場で、最も國民の納得し得るような審議をして、而もこの会期中には纒まりを付けなければならん。こういう解釈で解委員会は進むのが本当ではないかという点が私の考え方の一つであります。
 それから淺井委員長に対して質しておきたいことは、このマツカーサー書簡を見ましても、この法案と絶対不可分のものに我々解釈しておりますところの給與の問題であります。この給與の問題は別個に出されることは御自由でありますが、この法案の審議期間中に如何なる給與をあてがい、如何なるこの官公労の案定策を講じてこの法案を通過させるかということは、我々良心的の審議をする上において大切なことなんでありますが、この今審議しかかつておる法案を見ましても、又一昨日委員長の御答弁の中にもありましたように、人事委員会はこの給與水準を決めて内閣に提出するだけであつて、あては責任がないというような御答弁のように伺つたのでありますが、予算を提出する責任はなくても、この法案と絶対不可分であるところの給與の問題に対して、これを一緒に附けて出さなければならんというお考えはあるかないか。給與は付けなくてもいい、これだけは通して貰いたいとして人事委員長はおつしやるか、或いは内閣の方にあなたの方からも要され……当参議院としましては本日決議案を以てこれに予算を出すことを要求しておるのでありますが、人事委員長としてのこの法案と給與との問題に対するお考え方をはつきりして頂きたい。
 それから今のこの審議の問題に対しては私は公聽会を開く方がいいと思います。
#23
○政府委員(淺井清君) 只今お尋ねを載きましたが、これはお答えを申すまでもなく、この給與問題ということは非常に差迫つた問題だと思つております。本会議においてもそのように申上げました通り、この國家公務員法におきまして、政府職員の爭議権、團体行動権を規正いたしまする以上は、一方においてこれに対して適切なる保護を加えるということは、これは常職において認められておるばかりでなく、マツカーサー元帥の書簡の中にもこの二つのことが明確に記されておる次第であります。そこで臨時人事委員会といたしましては、一方にこの法案の改正案を用意いたしますと同時に、給與問題を始めまして、七月の終りから最近までこの問題に沒頭をいたしておつた次第でございまして、御承知のように最近にやつと内閣総理大臣に勧告をする段階になつた次第であります。勿論本会議で申しましたように法理上といたしましては、人事委員会は財源その他を考究する責任も権限も持たんわけでございますけれども、それで勧告書を出したから我々の役目が済んだ、こういう氣持は毛頭ないのでありまして、ともかく二百何十万という人達の極めて差迫つた生活の問題でございますから、結局この公務員法改正の裏打ちを與えるという意味におきまして、この給與法案に内閣は勿論、國会におかれましても、最大の考慮をお拂い下さいますよう、今後の実力を付けることにおいては変りはない、こうお答え申上げたい次第であります。
#24
○門屋盛一君 そう申しますと非常に端的な質問で御答弁が困難なところでありますが、人事委員会としては、この給與の裏付のないままで十六日までに通せということに対しての御意見はどうでありましようか。給與の裏付はない、なくて十六日までに通して貰いたいという政府の要望がある。
#25
○政府委員(淺井清君) ちよつと御答弁が困難なんでございますけれども、この十六日までにこの法案の審議を終了しろということは、これは内閣の申入れでございます。私共としては関知いたしておりません次第でございまして、それについて内閣の申入れを批判いたしますることは、政府委員の職責として公の席上では非常に困難を感ずる次第でございますから、どうぞその点はお許しを願いたいと思います。
#26
○門屋盛一君 それではこういうお尋ねをいたしましよう。人事委員会の委員長としては、給與の裏付を付けて、そうして早く審議を終つて貰いたいという御希望のように了解してよろしゆうございますか。
#27
○政府委員(淺井清君) 今度は搦め手から攻められたような恰好でございますけれども、私達といたしましては、どうぞ國会においても國家公務員法の改正のみならず、人事委員会の発表しておる新しい給與について最大の御考慮をお拂い下さることを切望する次第であります。
#28
○門屋盛一君 了承いたしました。
#29
○原虎一君 門屋委員から只今本委員会は参議院議員としての立場から審議すればいい。これは御意見の通りで、それならば事は簡單であります。ただ我々はこの法案に対する審議に愼重を期さなければならんと同時に、できるだけ早く審議を進めて行きたい。それには法の技術的な問題は私共に言わせるならば、それこそ総理が言うように相当に研究もされたものなのであります。併し問題は研究しておるから僅かの期間でいいということには、総理が考えておるようには行くものでない。鵜の呑みにするならば一日でも済むかも知れません。審議を愼重にしたいという点から行きますと問題がある。政府はこれに関して如何なる考えを持つておるか、如何なる措置をなさらんとするかという問題が、我々議員として非常に重要な審議の前提條件であります。技術的な條文は新聞で見ておりますし、説明も聞いております。これは國際的に関連を持つ法案であればある程、我々は総理が言うかごとき審議の方法で、殊に今淺井人事委員長は、新給與の予算の問題については希望はするが、立場が違うということで意見が述べられないような状態において、この問題の審議を進めろということは、それこそ私共は納得できないのであります。政府の答弁者の陣容を整えると官房長官みずから言明しておるにも拘らず、ただ技術的な條文の審議しかできないような状態で、前提條件を我々が十分納得することのできない状態で進めるというようなことは、我々は納得できない。
 今一つの問題は、昨日委員会において意見の交換がありました公聽会の問題も門屋委員の言われる通り、我々は議員の権限において決すればいいのでございますけれども、それでは我々は十分に意を盡して問題を処理したいということにはならない。政府の意向を聞いた上で、公聽会を開くか開かないかということを決めたいと昨日から相談しておるわけでありまして、この問題に対して委員長は公聽会を開く問題に対してもはや政府の意思、総理の考というものを聞かないでもいい、この委員会で決してよろしい。こういう委員長の御所見ならば、われわれはこの問題を即座に取上げて御審議願いたいと思うのであります。
#30
○委員長(中井光次君) 原委員にお答えしますが、只今総理の出席を求めております。第二の公聽会の問題につきましては、委員会として独自の立場において公聽会をやることは差支ないと存じますが、昨日の委員会において政府より重大なる申入れがございまして、その点についての理由、その他について明快なる御答弁がないのであります。公聽会を開くことには大体皆さん御賛成であるのであります。本日最後にこれを決定したいと存じております。その間、審議の御続行を願いたい。かような意味で会議の進行をいたしておりますから御諒承願います。
#31
○羽仁五郎君 今原委員、門屋委員から述べられましたことと一致しておることなんですが、私は実は甚だ失礼なことでありますが、淺井さんは久しい間、殊に戰爭前、戰爭中にかけて学者として非常に尊敬しておつたのでありますが、お目にかかるのはこの委員会で初めてで、多大の期待をしておつたんですが、殊に國家公務員法の改正というような重大問題、又人事委員会の責任というような重大問題を負担されるのに十分の識見を持つておられる方であるというふうに固く信じておつたのであります。先日第三國会開会以來の印象では、端的に言つて、この人事委員会、或いは國家公務員法改正というような重大問題を負担せられる上に、どうかやはり学問的な良心に立返つて頂きたいというふうにお願いをする次第であります。これは言うまでもなく、技術的な問題ではないのです。結局日本の國家公務員が、國家公務員としての任務を民主的に、能率的に喜んで果すことになるか、それともそれができないかという実に重要なところにかかつておるのであります。ですからどうか、あなたの御答弁がそうだというわけではありませんけれども、併し單にいわゆる八月十五日以前の議会答弁のようなことをなさらないので、眞実この人事委員会が、或いはこの國家公務員法の改正というものが、果してあなた自身の良心からお考えになつて、日本の國家公務員が実際喜んで國家の公共の利益のためにその身を捧げるということができる方向に向つているかいないかということは、これは実際我々が、殊に本日市ヶ谷において公判の判決が下される日に深く反省して頂きたいことだと思うのであります。我々は決してああいうことを繰返してはならない。日本の官僚主義が繰返したような過ちを今日も続けようとする人は、今日下される國際法廷の判決を無駄にする人であります。我々が國会に今立つておりますゆえんのものも、全くそういう過ちを繰返したくないと思つておることなんです。どうかその点において、單に字句の上の問題ではないのですから、はつきりと識見を吐露され、又主張を主張して頂きたいと思うのです。これは、本日の本会議においても多数を以て可決されたのでありますが、この國家公務員法の改正の問題というものは、その給與の問題と切離して審議するということはできない、これは事実できないんです。國家公務員自身にしても一方において重大な制限を加えられ、他方においてその生活の安定について安心ができないということでは、到底この所期の目的を全うすることはできないと思います。それでそういう点については、淺井さんがいわゆる官僚であるならば別ですが、併しそうではないというふうに私は承知をしておりますので、仮りにこの國家公務員法の改正をやつても、生活の安定ができない場合には、どうしてもこれが穩やかに行く筈はないのです。穩やかに行く筈がないと、今の吉田総理のお考え方なんかから推測すると、これを警察立を以て解決しようとするようにされるのじやないかということを私は非常に心配する。そうすると、現実を無視した法律を出して、その法律が行われないからといつて警察力を使つて行けば、結局行く道は一つしかないのです。つまり、日本はもう一遍警察國家になるということなんです。だから、どうしてもこの國家公務員法の改正というものは、現実の基礎の上に立つていなければならない。決して一片の法律を以て政治を行い得るというような考え方を我々は続けていてはならないのであります。その法律が喜んで実行されるような、そういう現実の基礎の上に立つていなければならないのです。その意味で、恐らくは人事委員長としては政府の申入れがあつたにも拘らず、新らしい研究に基く新給與の基準というものを勇敢にも御発表になつたんだろうと思いますこの点については、私は非常に敬意を表するのです。併しそれは單に勇敢にこれを発表しただけではやはり済まないと思います。我々國会としても、それだけでは済まないと思います。單に発表し、政府はそれを取入れなかつたということではならない。政府に向つても、國家公務員法を改正するということはどういうことなんだ、ストライキ権或いは團体交渉権というものを法律を以て制限するということはできないので、現実にそういうことをしないで國家公務員が國家の公共の利益のために身を捧げるということができるようにしなければならないことだと思う。そういう意味で、どうかさつきからのお答えの場合にも、我々としては眞実の御意見を伺いたいと思うことが伺えないことがあるので、大変その点は遺憾に思うのです。日本がこの國家公務員法改正を行なつて、これが或いはすでに英連邦を代表してパトリツク・シヨウ氏が述べられておるような見解を全く無視してやつて行くような場合に、その影響がどうあるかというような國際的な点も、我々國会としては十分考えなければならない。或いは、延いてはこの國家公務員法の改正ということは、講和会議に対して惡影響を及ぼさないとは限らないのです。端的に申せば、若しこの國家公務員法の改正の惡影響が(「議事進行について」と呼ぶ者あり)低賃金というようなことに端的に現われるならば、やはり極東市場に重大な関心を持つ諸國は、講和会議に対して躊躇せざるを得ないだろうと思う。そうすれば、この國家公務員法の改正ということを軽々しく我々が通すならば、國民に対しては守ることのでない法律を強い。國際世界に対しては日本の將來に対しての不安を與える。こういう重大な点を含んでおるので、我々が本委員会において審議を続けて行くときにも、單にこの法律を出せばストライキをやらなくなるのだというような、そういう簡單な考え方でなくやつて頂きたい。特に、この國家公務員法というものが人事委員会に任され、人事委員会が非常に強大な権力を持つて行く、これが再び官僚主義の温床になるようなことがあつてはならないということを人事委員長に向つてお願いすると同時に、さつき門屋委員、或いは原委員から述べられましたような意味で、是非こういう法案を、或いは國内に向つて、或いは國際に向つて、十分納得をして審議を進めて頂くという意味で、さつき委員長からおつしやられましたように、是非本日において公聽会の件を決定して頂きたいと考えます。
#32
○田村文吉君 段々皆樣の御意見を靜かに伺つておつたのでありますが、私はこの議事進行上についてお伺いいたしたいのであります。それは、公聽会をお聞きになるとすれば相当の日時を要する。それから、政府からは十六日までにこの法案を上げて欲しいと、こういう運営委員会において御相談があつた。この二つの事柄は全然矛盾いたしておる事柄でありますので、若し公聽会をお開きになるということであるならば、十六日までにはこの法案は上げられない、こういうことを御表明なさることに相成るかと考えます。過去において我々は、随分重要な法案を一日か二日で上げた経驗がある。誠に願わしいことでなかつたが、我々はさような苦い経驗を甞めております。でありまするから、私はこの際公聽会をお開きになるというようなことには反対いたします。一日でも時間がありましたならば、愼重にこの問題を審議する時間が頂きたい。公聽会をやるということは、即ち十六日に上げて欲しいということを拒否する、こういう態度を委員会としては私は取りたくない、こう考えます。尚もう一つ、お二人か、お三人から御意見があつたのでありますが、給與の問題が決まらないとこの問題を審議することは困る。こういうような御意見があつたのでありますが、これに私反対いたします。何故反対いたしますか申しますと、給與の問題は一時の問題であります。この公務員の法案は今後に続いて行われる法律でありますので、たまたまこの際給與の問題をどうこうするから、この法案を通すとか通さんとかというような、軽々しく論ずべき問題でないと考えます。(「同感」と呼ぶ者あり)又來年になつたら給與の問題も審議しなければならんかと思います。私共は賃金を上げてやるべきものはどしどし上げて頂きたい。これは考えますけれども、そういう問題と公務員法案と一緒にするということは、根本的に間違つている、こう私は考える。若し正当な給與が支拂わるべきであるというならば、公務員法案の中に、この審議が正当に行われるような法律を盛上げるということが我々の責任でありまして、この目先の給與をどうするとかいうような問題をこれに関連してするということは、甚だ不合理であると考えますので、さようなことには頓着なく、逐條審議を進行して頂きたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#33
○委員長(中井光次君) 総理大臣に出席を求めましたところ、総理は只今閣議中であります。そして一面閣議が終りまして議院に出て参つた際に、丁度衆議院の会議時間になつておりまするが、衆議院が開会いたしますると、その方に出なければならないという状態にあるという報告であります。一方官房長官は昨日すでにここにおいて言明並びに答弁をされて行つたのでありますが、只今衆議院における運営委員会に出席中であります。かような状態にありまして、出席の要求はいたしておりまするが、只今出席を求むることは困難な状態にあります。私は委員長といたしましては、尚御質疑がありますれば、一般御質疑を願いまするし、さもなければ田村議員の議事進行についての御発言がありましたように、一應時間を稼ぐ意味におきまして、逐條審議をして頂いたら、どうかと私は考えあおりますが、皆さんの御意見に從つて決定をいたしたいと思います。
#34
○田村文吉君 尚私は逐條審議の間においても一般的の質問もお許し頂くことを了承の上でお許し頂きたい。
#35
○原虎一君 逐條審議の間に一般的質問をという田村委員のお話でありますが、今日はもう十二日であります。御承知のように……。それから明後日は日曜日であります。そういう点を考えましても、これは、私は條文の審議に反対する者ではありませんが、先日來からの政府並びに総理の態度から見ましても、又昨日の初めてのこの委員会においても、政府を代表するところの立場の政府委員が出席しないで、失礼でありますけれども、一人事委員が出て來て説明するというようなことで、実に、これは私共議員の体面とか何とかということは毛頭考える者ではありませんが、先程も申しますように、本案が如何に國際的の関連の中に、大きく申しますれば、世界の各國の注目の的になつていると申しても敢て過言でない。法案の審議の状態このままが外國新聞に報道されたといたしますならば、日本の國際的な関係というものは決してよくなると私は考えませんのであります。そういう点から考えましても、政府の責任ある態度、又この本案審議に対する眞摯な態度というものが、議員のみに要求されるべき問題では私はないと思うのであります。田村委員の折角のお言葉でありまするが、私は公聽会を開くことによつて十六日までに審議打切りが不可能になることは当然予想されます。然るが故に、政府が十六日までに審議を打切つて貰いたいという要望は、如何なる理由に基くかということを質したいのであります。十六日までに私は打切るということに反対なるが故に、公聽会を開くことを主張している一人ではありません。それから又法案によつては前内閣、前々内閣、或いはその以前の内閣におきましても、一日二日で法案を通したこともあります。併しながらそれは本意でないことは勿論であると同時に、先程來私が申上げまするように、本法案は、例えば軽犯罪法であるとか、或いは生活協同組合法の通過とは違いまして、國際的な非常な関連を有するものであるということは、どなたも御承知のことと思うのであります。そういう点から、政府が何故に十六日までに打切らなければならないかということを、大きく申しますれば、吉田内閣が十六日までに打切らなければならんかということを世界が納得するような説明がなければならんということを私は申上げておるわけであります。從つてこれから條文の審議を反対するものではありませんが、先程も申しますように、政府の今までの態度が、何かそういう問題に、我々が眞劍に檢討したいというこの事柄に触れることを避けるがごとき態度、初めからこの法案を議会に出すときに十日間で審議して呉れというそれ自体が我々は納得できない。それを國会は二十日間、本月いつぱいの審議期間を決定いたしました。にも拘らず、昨日になつて、閣議も開かれないで、吉田総理が一人で決定されて、十六日までに審議を終えて呉れと言う。余程のこれは何かの理由があるに違いない。先程門屋委員からは、議院運営委員会において別に諸般の事情ということは言わない。それならばそのことを直接私は総理から聽いて、全委員が十分に総理の意のあるところを関知して、審議を進めたいのであります。そういう点から考えますれば、十六日までに私は審議を打切ることは反対であるから公聽会を主張しておるものではなく、理解に苦しむから、総理の説明を十分聽いて、そうして議事の運営を円滑にやりたいということを申し述べておることを御了解を願いたいと思います。給與の問題を必ずしもこの法案とくつ着けてやらなければならんということはありませんが、田村委員の言われまするように、給與の問題と法案は形式的には別であります。同時に私は本法案が、これは淺井人事委員長にもお聽きしたいのでありまするが、現在出ておりまする政令によつて、法律の國会通過が十日遅れることによつて、如何なる人事委員は支障を來すのであるか。現実は今日二百数十万の官公吏は、罷業もできなければ團体交渉もすべて、爭議行爲の一切を禁止されております。それで休憩時間にでもした者も、上司の許可を得てでなければ、服務規律によつて処罰されております。こういう状態において、何故に十日間くらい、或いは十五日間くらい審議が延びることが、人事委員において如何なる支障が起るのであるか。現在において給與の問題と法律とを切り離すと、労働者はこの法律の改正のために出ました政令のために、官公廳労働者は、今申上げましたような基本的人権を停止されているような状態であります。從つて私は法律の審議の時間を延すということが國家にとつて、どれだけの支障があるかということを御伺いしたい。労働者の方は、淺井委員長が六千三百円の給與の妥当性を発表されても、政府はそれから一千円以上を下るところの額の支給すら、即時にやるということができないような状態である。これは何を意味するか、法律の成立は必要でありましよう。併し先程羽仁委員からも言われましたように、法によつてのみ問題を処理しようとするところに、いわゆるいろいろな好ましからざる問題が起り易いのであります。問題は、法が通過すればそれでいいんだという態度が、我々は、國家のために憂うるということを申上げておるのであります。技術的にこの法文は、私は司令部のフーバー課長からも御説明を承つておりますし、又人事委員からも承つております。自分らのできるだけの範囲においては研究もいたしております。條文の問題ではないのであります。そういう点から考えまして、私はむしろ法案成立より給與の問題の方を急ぐのであります。法律の効果は、政令により労働者は、抑えつけられておるんであります。給與の問題について、私は後廻しでいいという御意見は何としても納得できない。何も法案を審議するために、給與の問題と法案と関連があるからそれへ絡まして、困難なる予算問題を無理やりにどうこうしようとする私は意思ではなくして、現実は法を急がなくても、……急がなけりやならん理由がどこにあるか。十五日間、或いは十日間の審議を延期することが、どれだけ國家に支障を來たすかと思う。ここに私は解せない問題がある。そして労働者の給與の問題はいつでも後でやればよい、いつ予算を出されるか分らんような状態で審議しようということは、私はたびたび申しますけれども、そういう審議の仕方はこれが、直ちに國内に期待しておるところの一千万人の官公吏諸君は勿論、國際的に及ぼす影響を考えますれば、そう簡單に田村委員が言うように、法と予算は別だというふうには考えられないということを申上げまして、審議を妨げるものではないのであります。併しながら政府委員が何故おいでにならないか。昨日から今日にかけてなぜ総理が出ておいでにならんのかということを言うと同時に、先程申しますように、何か審議の重要なるポイントに触れる審議を避けんとするがごとき態度は、我々はこの法を審議するために、法の審議の権威のためにそういうことは望ましくないのである。これだけ申上げまして委員長の然るべき委員会の進行を願いたいと思います。
#36
○田村文吉君 只今私の申上げました、本案と給與の問題は連関性を持たしてすべきものでないということは原委員も大体御承認頂いたようでありますが、ただ私が何か給與の問題を、これが決まつたあとからやるのだ。こういうふうの発言でも私がしているかのようなお言葉があつたのでありますが、それは私は全然違いますから、その点は議事進行上において、この問題は給與の問題と絡めて行く性質のものでないということをはつきり申上げたわけでありまして、或いは給與の問題が緊急であるならば、これは緊急に別に早く決めなければならぬかも知れません。又その順序が整わないために遲れる場合もあるかも知れない。さようなことは、私はあとにすることが順序だという意味でありませんことをはつきりと原委員に御諒解願つて置くことが、議事進行上都合がいいと考えますので、申上げて置きます。
#37
○羽仁五郎君 これはすでに論じ盡されておる事柄でして、又本会議においてもこのことは論じ盡されたことなんですが、つまりこの七月末の最高司令官の書簡の中にそういうことははつきり言われておるのであつて、公務員の権限というものの問題と、それから公務員の生活の安定ということとは切離すことができないということは、もうすでに皆さんの御了解済みのことであります。そうして今我々が公務員の基本的権利を制限するところの法案を審議する前に、同時にそれが公務員の生活の幸福ということを保障する点において実際にどういうことが現われているかというと、遺憾ながら殆んど現われていないのです。まあその中の多少これを現すかと考えられる点が只今の給與の予算の点にあるので、それで本院においても、先程その決議が通過したのだと思うのですが、本委員会においても、本院の決議の趣旨を十分尊重せられまして、且又その二つが不可分の関係にある。で、今原委員が縷縷述べられました通り、この國家公務員法の論議もすでに久しいのですが、併し公務員の給與の問題も実に久しいのです。これは七月末打切られたままになつておることは、皆樣の御承知の通りであります。で、これは可なり國際的にも問題になつておることで、政令は出されておる。併しながらその当時係爭中であつた給與の問題は、それきり打切られて全然考慮が拂われていない。これは非常に残酷なやり方だということは、國際輿論にも現われておりますので、やはりこれは本日の決議にもあつたように、並行して審議されることが我々の責任ではないかと考えます。
#38
○大山安君 この賃金ベースと國家公務員法と並行して提出されたらいいのではないかという御意見がおありになるわけですが、私は本日は決議案にも白票を入れました。白票は入れましたが、私個人の見解といたしましては、何も國家公務員法案と賃金ベースを並行して提出すべきであるというような考えはどうしても考えつかないのであります。というのは今日インフレが昂進するということは、これは私一人ではないのであります。この場合何か新らしい政策を発見して賃金ベースを余り昇騰させないという方法を講じなければならないものであるというような考かを持たれるのであります。その点を考えます場合に、賃金ベースは果して國民大衆労働階級を將來におき、又現在としましても、保護できるかどうか、これは全く私としては予想がつかないのであります。私の考えといたしましては、これに対しては、むしろ物價を安定させることに政策をとつたならば、賃金を上げるより却つて安定が見られるではないかというような考えを抱かせられるのであります。それのためには、今日國家公務員法案を提出されるについて、それに並行して賃金問題を提案しろということは、どうしても私の意見としては納得できないわけであります。故にここは政府に対して感情的でなく、じつくりと賃金ベース問題については本法案、つまり國家公務員法案と切り離してやられることが望むところであるのであります。これは諸君も感情ということでない限りはこれは私の意見に賛成ができ得るものと私は思います。でありますから、並行して出せということを余り主張することは、果して國民を安定させるかさせないかということをよく考えて主張して頂きたいと、こういうような考えを持つています。それからこれは人事委員長にお尋ねしますが、公聽会の問題に関連するのであります。今日までこれを起草する場合に、どの程度に民間の意見を採入れて起草せられたかということですね。それに起草する場合の経過を全面的にここで明らかにお知らせして頂きたい。そうしますれば、本会に対しまして幾らか審議上便宜な点もあるかと思います。それを明らかに報告して頂きたいと思います。或いは公聽会を開かずにでき得るというような程度に、愼重に民間の意見を採り入れて起草されたとしますれば、無意味に公聽会を開く必要もないと思うのですが、それをよく申し述べて頂きたい。
#39
○政府委員(淺井清君) 完全なお答えになりますかどうかは甚だ疑わしいお尋ねでございまするが、マツカーサー元帥の書簡の最後にも、重ねて助言に應ずる用意があるというような意味が書かれてございまするので、この点に関しましては、先方の助言を求めた事実はございます。又これを起草しまするにつきましては、外國の制度、或いは外國の構想というふうなものも参考にいたして事実もございます。又國内における各方面の人の考え方、或いは新聞の論調に至るまでもいろいろと考慮した事実はございます。これだけ申上げて置きます。
#40
○門屋盛一君 討論の時期でないと思いますから、最前から大分遠慮しておつたのでありますが、只今の大山委員や、それから田村委員のお話に引代えて、私の先程申上げましたことが徹底していなかつたように思いますから、重ねて申上げてみたいと思います。この十六日までという申入れは、政府の申入れでありまして、先程から原委員の言われますように、これはどうしても十六日までに上げなければならんという納得できる理由があれば、運営委員会でもこれを取上げた審議することができたのでありますが、ただおいでになつた方が諸般の情勢上十六日までにやつて呉れというので、祕密会にしても言われぬか、祕密会にしてもこれ以上のことは言われないというようなお話があつて、ただ納得が行かないので、運営委員会としてはこれを聞き置くという程度に止めおいたそのままになつているのであります。それで私達は、その運営委員会の方に申入れに來られましたところの林副総理と運輸大臣とに、先程大山委員が感情に走るなと言われましたが、感情問題を拔きにしまして、我々はこの重要法案は十六日までに上りにくい、十六日でも十五日でも、十四日でもよいから、急ぐという事情があるならば揃えるだけのものを揃えて出して貰いたい。揃うものが揃つておれば、今までも一晩で上げた例もあるそうでございますから、上げられるかもしれませんけれども、揃つていない。これは田村委員のお考えと大山委員のお考えと非常に違うのでありますけれども、公務員法と給與の問題は別々である、関連しないというお考え、これは全然違つていると思います。これはマツカーサー書簡の上でも給與のことを切り離してはいかんというように解釈できるように書いてありますのみならず、もうすでに七月以來いろいろの苦労を官公労はやつておる。そうして曾て與えてあつたところの権利を沢山抑えておる。これはこの法律を遂行する技術の上から行きましても、この公務員法を出して國家の公務員に安心して能力の出る仕事をして行つて貰いたいという目的で出す法律が、整うだけのものを整えずに出したために思いも寄らぬ騒動が起つたらどうする。吉田総理大臣はこの法律を早く出して或る事を未然に防ごうとお考えになつておるかも知れないけれども、給與の問題を別としてこの法律を出した場合には、吉田総理のお考えになつておるより反対の方向に発展する虞れが十分にある。これは昨日運営委員会で言つたことを今ここで繰返しておる。こういう意味で我々はこの問題に対しては超党派的に考えておる。給與の問題も必ずしも人事委員会で内閣の方に御提出になつた六千三百円をそのまま認めるとか認めぬとかいう問題ではない。今私が大藏大臣になつても今日や明日に予算を出せと言つても出せません。予算の組みにくいことは十分承知しておるから、本当の予算が組めないならば組めないだけに暫定的にでも官公労の生活の安定のつくという見返りをつけて、そうしてこの法案を出せばよかつた。併し同時に出せと言つても、もう法案の方は出ておる。同時に出せというのじやない、暫定的な処置はいつどういう方法で出せるかという責任ある弁明があればそれでもよろしい、これはどうか、というふうに、非常に打ちくだけた話をしたのでありますが、それに対してすら政府の方では何らのお答えがない。残念ながら自分達はこれに対してお答えをするだけの自由を許されておらん、であるから今日ここのお使いに來ることはいやであつたけれども、仕方なしに來たというのが國務大臣のお答えなんだ。そういう國務大臣や総理大臣を今ここへ出席を求めることはいいです。いいですけれども、その人の御意見を聞いてここの審議の方法を決めて行こうということは、この重大法案の審議上に必要はない。議会は議会の独自の審議の方法を計画的に決めて行けばいいということを前申上げた。決して私は十六日までに上げないという前提でもない。十六日の政府の申入れは、議会を構成しておるところの運営委員会において、これを聞置く程度に止めてある。運営委員会は政府の申入れが納得が行けばこれに対しての審議をするのですけれども、納得が行かないから審議しないのでありますから、十六日までという申入れはあつたと解釈するだけであつて、これに対して私はこれ以上深くこだわる必要はないと思うのであります。
 それから給與の問題は、今申上げました通り、公聽会をやるということは、この法文の逐條の審議の意味でやろうという意味じやない。こういう政府の出し方、又こういう重大な法案に対する國際的の問題とか、それから及ぼすところの官公労だけじやない、一般労働者、一般國民……、官公労が間違つて騒動でも起せば、その被害を蒙るのは一般國民である。この意味において條文の逐條審議とかいう意味じやなしに、國民一般がどういうふうに考えておるかということを公聽会において聽く必要があろう。それと政府の扱い方が今日まで非常に法案を軽く扱つておる、軽卒に扱つておるというふうに考える。軽卒に扱つておるという事実は、今日でも、昨日でもこれにまともに答弁のできる閣僚なり政府委員がお見えになつておらん。それから今一生懸命御答弁願つておるところの人事委員会の委員長は……、人事院というものは成る程独立の機関でありましようが、もう少し内閣と……、やはり最後は政府機関に相違ないから、連帶責任をお取りになる。責任を取つて辞めるという意味ではないが、公務員法を通して、本当に公務員を安定させて能率を挙げさせるという意味があるならば、もう少し何といいますか、これは委員会ですから、別にそれで政府委員を懲罰にするということはできないので……。もう少し親切な御答弁が願いたいと思います。どうぞ誤解のないようにお願いいたします。決して私は何でも彼でも給與が一緒でなければならん、同時に出さなければならんと言うのではないが、この場合はマツカーサーの書翰の趣旨から申しましても、又現実の問題としても、公務員の安定策を講ぜずにこの法案を決定して出すことは、國民を代表する國会として取るべき途ではないと思います。
#41
○平野善治郎君 この公務員法案の重大なことは、もう臨時國会、この第三國会が開かれた趣旨が、この法案を審議するために開かれたと言つても過言でないくらい重大な問題であります。從つて我々委員としては各方面から愼重にこれは檢討を加える必要があることはもう当然である。いろいろな御意見もあります。從つてこれに対してあらゆる我々としては角度から檢討を加える。一つのものとして公聽会も開いて、廣く國民の輿論を聞いて、そうして過ちのないようにしたいというのが私の意見であります。ところが昨日から只今までいろいろの人から話がありました通り、政府から十六日までに上げて欲しいという希望があつた。併しもう分つておる通り、その理由について何ら説明がない。今日又運営委員会においてこれが続行されましたが、政府からきその後も昨日の通りのことでありまして、今日は政府委員すらも見えない。そういうような政府がこの法案をどう考えておるかという……、我々は常識的にも政府にこの法案に対するところの態度を疑うものであります。決して我々は事を構えて政府を困らすとか、この審議の期間を延ばすとかというような意思は毛頭ない。この國会をこの法案のために開いて置きながら何ら我々が質問いたしましても答弁もしない。或いは又早めて貰いたいという希望を出しながらその理由を説明しない。これくらい納得のいかないところの國会というものは私は想像ができないのであります。從つて今日いろいろな閣議、或いはその他の用件がありまして、総理が出席できないならば、或いは副総理、或いは又労働大臣等、この法案に最も関係の深い政府の代表者が出まして、各委員にその理由を十分に説明をして、虚心坦懐に審議を円滑にするのが当然だと思うのであります。昨日から今日までこの二日の状態を見ますというと、殆んど無誠意極わまるところの政府の態度であります。そうして置きながら十六日までに審議をやれと、こういうことは不可解なことでありまして、私はこの際にもう一度委員長から政府に反省を求められまして、それで政府が依然たる態度であるならば、我々委員会といたしましては委員会独自の見解で推し進めて行つた方がよろしいのではないか、こういう意見を申上げます。
#42
○山田節男君 ちよつと速記を止めて……。
#43
○委員長(中井光次君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#44
○委員長(中井光次君) 速記をつけて。
#45
○木下源吾君 この法案が通過するだけで、マ書簡の意図することが全部滿足に遂行することができるかどうかということですな。動機がマ書簡にあるのですから……。この法案をこういうふうに改正したことによつてマ書簡の意図することが滿足に遂行することができるか。先ずこれを一つ……。
#46
○政府委員(淺井清君) それは半分だけ達成することができると考えております。外の半分は最前からもしばしばお話も出しまたように、公務員の保護を全うする。そういう面でございます。
#47
○木下源吾君 それでは佐藤官房長官にお伺いしますが、お聞きの通りであります。マ書簡の趣旨に副うことにおいて半分のことはこれで達成せられるということでございますが、あとの半分は政府の責任だと考えますが、政府はこれに対してどういうふうにお考えになりましようか。
#48
○政府委員(佐藤榮作君) マ書簡の趣旨によりまして、今回提案いたしております法案は、國会公務員法案、國有鉄道法案並びに日本專賣公社法案、更に又公共企業体労働関係法案、更にこれに追加しまして、逓信省の行政機構改正の法律案、これらの大体の法律案が骨子となつて、法案としてはそれらが一應考えられるわけであります。同時に只今お話になつておりますものは、多分新給與その他の公務員の給與に関する予算案の提出のお話ではないかと、かように考えるのでありまするが、その点につきましては只今まで人事院からの報告には接したのでありまするが、それを予算化して國会に上程する予算案がまだでき上つておらんのです。政府といたしましては極力これが成立を急いでおります。関係の筋と折衝を重ねておる。かような状況にございまするが、今日のところ然らば早急にここ数日の中にこれが成案を得るか、さような見込があるか、かような点につきましてはまだそれまでの見通しが着かない現状にあります。併し私共はこの点は誠に残念なことに考えておりますので、この上とも在來拂い続けておりました努力を一層続けて参る。かような所存でおります。
#49
○木下源吾君 この法案が早急に通過することを政府の望んでおる。而もそのことが妥当だと政府は考えておらんようであります。併しながらこれをこの情勢において早く十分にというような日限を切つてまでも、この法案を通過させなければならないということは、何かこの國会において現在の構成においては、政府はこの法案を通過させるだけに……あとの半分の政府の責任については不十分だということをお考えになつておるのかどうか、この点をお伺いしたい。
#50
○政府委員(佐藤榮作君) その点は今まで政府が数次に亘りまして、所見を明らかにしておるのでありますが、御承知のようにマ元帥の書簡が出まして、その趣旨に基いての政令の公布のあつたことは皆様御承知の通りであります。この政令が公布された当時におきましては、給與そのものはまだ人事院の手許において審議されておる程度でありました。実は政令は出ましたが、予算化は何らされていなかつた、かような状況に置かれておつた。かように考えます。併しこの政令を一日も速かに法律化するということが本來の建前である。かように考えられまして、この第三國会が召集を見ておる、私共はかように考えるのであります。でこの第三國会におきましては、皆様方のいろいろの御要望がありますにも拘わらず、政府といたしましては、絶えず國家公務員法改正の法律案、その他のマ元帥の書簡に基く法案の成立を一日も速かにお願いいたしたい。かように念願をしておる次第でございます。只今十六日の期限云々についての御意見が出て参つたのでありますが、この点については政府といたしまして、政府の氣持を率直に両院に申入れた次第でございますが、御承知のように衆議院の方におかれましては、本國会の審議期間である月末までに審議をする、かように運営委員会でもお決めになつたように伺つております。又参議院におかれましては、恐らくそのときの立場に立たれまして審議なさる。さような立場にあるのではないか、かように考えるのでありますが、私共はできますだけ早くこの法案が成立いたしますように重ねてお願いをいたす次第でございます。
#51
○木下源吾君 この法案の急ぐゆえんはたびたびお聞きして分つておるのでありますが、それ以上はこの点は止めといたしまして、このマ書簡の中にいろいろのことを書いてありますが、この法案についてはいわゆる政府職員の当然の権利を要求する武器とでも言いますか、そういうものだけを取るということが一つと、もう一つは人事委員を独立性を持たせる、強化するという点があるわけであります。でこれだけのものを抜き取つて見れば、公務員の生活、そうして書簡にあるところの、内容にあるところの公務員の福祉安定というものは、これは望み得られないと私は考える。政府もそうであると思います。そうすればこのマ書簡を完全にするためには、いろいろの手続を経なければならんと思いまするけれども、同時にそういうようなことだけをやつたんでは、この人々のつまり行動がどういうように発展するのであるかということの考慮をしておられるかどうか、これが一番大切だと思います。恐らく今の公務員諸君は、ざつくばらんに言うならば、この自分達の当然の権利だけをもぎ取つてしまつて、そうして一方に何にもこれを保障する裏付けのものがないというようなやり方は、これは非常に残酷な反動の政治だと、こう考えておると思います。殊に二百一号の政令の出た当時は、國際的関係においてもそういう傾向がややもすれば判断する者の上には濃厚であるというように考えらるる情勢であつたのであるが、今日はそうでなく、又変化した情勢ということも政府は鋭敏に考えなければならんと思うのであります。こういうような廣汎に亘つて我々が客観情勢を考究してこの問題の処理を行わない限りにおいては、日本の現在において非常に悲しむべき事態の起ることを我々は憂うるのであります。政府も亦憂えなければならない。殊に政府の今日のような態度ではこれは少数者が團結して政府の権限を抑圧するようなそういうことはいけないと書いておると逆に、同じに少数の権利、権力を持つて大多数の公務員大衆を抑圧するというようなことが現実に起つたならば、この声明書にどういうようにして應えるようになるか、私はこの点について現政府は一党一派の政府ではなく、國民の政府であるということに十分認識が徹底しなければいけないと、かように考えるのであります。かかる意味において、私は一つの提案をしたいと思いますが、委員会においては、この点について十分にこれを愼重にやるために公聽会を開くことを一つ提案したい。こういうように考えます。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(中井光次君) 公聽会の問題は、先程申し上げましたように、いよいよ最後の時にお決めを願いたいと存じまするが、尚時間もありまするから、然らば尚政府の逐條と申しまするか、詳細なる説明は残つておりまするから、これを聞いてしまいたいと存じまするが、如何でございましようか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#53
○原虎一君 それでは時間がないですから、もう四時十五分ですから……。
#54
○委員長(中井光次君) 逐條というか、説明の残つておる分がまだあるのです。
#55
○原虎一君 逐條審議が残つていることを言つているわけではない。私は條項に入る前に、先程も前提にあるところの政府の所信、或いは信念を伺うということは残してありまするが、この法案の説明に入る前に淺井人事委員長にお願いをしたいのは、現在の人事委員の構成、それから將來の法案通過後における構想、そういうものが現在のものは簡單に資料に出て参つておりますが、あれでは余りにも簡單過ぎて分らない。私は司令部のフーヴアー課長の説明を聽き、相当に課の充実ということが人事院の強化に必要だということを痛感して帰つた一人でありますが、そいうい点について人事院の構成というものが一目瞭然に分りまするようにできまするならば、図解でもして御説明を願いたい。この現在の人事院の機構というものが法案通過後にはどういうふうに変つて行くか、こういう点について説明を願つて、……私共アメリカのフーヴアー課長の申しておられることは分りましたけれども、日本の現実のものというものについては不幸にしてまだその知識を得ておりませんので、そういうものをやはり頭に入れて考えながら法案というものを審議して行けばよりよく分るのじやないか、こう考えますので、その資料を簡單なものを頂いておりますが、あれは余りにも簡單過ぎて分りませんので、それができますかどうか。
#56
○政府委員(淺井清君) 早速お手許へ差出すことにいたしたいと思います。
#57
○田村文吉君 併せて委員長にお願いしたいのでありまするが、人事院の方で恐れ入りますが、三級官以上の昭和八年以後の官吏の異動表は頂いたのでありますが、願わくば総員の雇員、傭員も入れたものの異動表を一つ作つて、私共の方へ至急お廻し頂きたいと思つております。要求を願います。
#58
○委員長(中井光次君) 田村委員の要求について……。
#59
○政府委員(淺井清君) 実はそういう統計の一番欠けているのが我が國でございまして、そういう御要求に非常に困るのでございますが、でき得る限りお手許へ差出すことにいたしたいと思います。
#60
○田村文吉君 今の問題は大変私共として是非知らなければならない数字なんでありまして、三級官以上のものは頂いた。ですから三級官以上ができておるのだから当然雇員、傭員のものもおできになつている筈だと思いますが……。
#61
○委員長(中井光次君) 如何ですか。
#62
○政府委員(淺井清君) 最近のはあるそうでございますから……、古いのがないのでございます。その今御要求の分は最近のお手許へ出すことにいたしましよう。
#63
○委員長(中井光次君) 田村委員、よろしうございますか。
#64
○政府委員(淺井清君) 昭和二十一年度以後の分だそうでございます。
#65
○田村文吉君 それは頂いておりますが、それじや満足しませんので、そのくらいの統計は内閣の統計局がどこかにある筈だと思うのですが、日本の官吏が幾らいて、傭員、雇員が幾らいたということが統計に載つていない筈はないと思いますが……。
#66
○政府委員(淺井清君) 早速取調べまして……。
#67
○田村文吉君 どうぞ。
#68
○委員長(中井光次君) それではもう時間も大分迫りましたから、本日は最後に、昨日來議論になつておりまするこの公聽会を開くかどうかという問題でございますが、大体皆さんそういう賛成のような御意向のようでありましたが、先程田村委員から御反対の御意向もありましたが、如何いたしましようか。
   〔「採決」と呼び者あり〕
#69
○田村文吉君 私は若しそれをお決めになるにしても、もう一両日若し日がありましたらお待ち願つて結構だと思いますが、もう日がないということでしたら、私は公聽会の必要なし、こういうことを申上げて皆さんの御賛成を得たいと思います。
#70
○委員長(中井光次君) つまり田村委員に申上げますが、委員会としての審議の方法は十六日までであるということを運営委員会としては承わり置くという程度で、決つておらない。從つて委員会は独自の見解を以て進むということでありますので、その後において重大なることが起つて來たならば、これは別の変化でありまするから、一應当委員会といたしまして田皆樣の御意向によつてお決めを願つたらどうかと思います。
#71
○寺府委員(淺井清君) 私は明日、明後日の中に公聽会の手続をしないのだつたら間に合わないというのなら、私は反対したいのであります。併し一日、二日お待ちになりまして、若し公聽会を召集する期間があるのでありましたら、本日御決議を下さないで、一日、二日お待ちを願つたらどうかと、こういうことを申上げたいのであります。
   〔「採決、採決」と呼ぶ者あり〕
#72
○委員長(中井光次君) それでは公聽会を開くことに賛成のお方の挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#73
○委員長(中井光次君) 多数であります。公聽会を開くことに決しました。
 つきましては、参議院規則第六十七條におきまして、公聽会において意見を聽く利害関係者及び学識経驗者等、即ち公述人は、予め申出だて者及びその他の者の中から、委員会においてこれを定め、本人にその旨を通知するという規定になつておるのでありまするが、これを公告いたしまして、申込みを取るのであります。又その他の者を選定いたすのでありまするが、これを委員会でお決めを願うことに規定はなつておりまするが、これにつきましては行例によりまして、委員長にお委せを願いたいと存じまするが、御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○委員長(中井光次君) 御異議がないものと認めます。さように決します。田村委員御発言がありますか。
#75
○田村文吉君 委員長に対して、今の問題についてお話しようと思つたのでありますが、もう御決議になりましたから止めます。
#76
○委員長(中井光次君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#77
○委員長(中井光次君) 速記を始めて下さい。それでは日時の点につきましては、委員長にお委せ願うことに御決定を願つたことといたします。
 本日はこれを以て閉会いたします。明日は午前十時より開会をいたしますから、よろしくお願い申します。
   午後三時五十三分散会
 出席者は左の通り。
  人事委員
   委員長     中井 光次君
   理事
           木下 源吾君
           小串 清一君
           宇都宮 登君
   委員
           赤松 常子君
           北村 一男君
           木檜三四郎君
           佐々木鹿藏君
           大山  安君
           東浦 庄治君
           羽仁 五郎君
           岩男 仁藏君
  労働委員
   委員長     山田 節男君
   理事
           一松 政二君
           平野善治郎君
           竹下 豐次君
   委員
           原  虎一君
           村尾 重雄君
           門屋 盛一君
           田村 文吉君
           波田野林一君
           早川 愼一君
           水橋 藤作君
  政府委員
   内閣官房長官  佐藤 榮作君
   臨時人事委員長 淺井  清君
   臨時人事委員  山下 興家君
   臨時人事委員  上野 陽一君
   総理廳事務官
   (臨時人事委員
   会事務局長)  佐藤 朝生君
   総理廳事務官
   (臨時人事委員
   会事務局法制部
   長一級)    岡部 史郎君
ソース: 国立国会図書館
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