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1948/11/20 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 人事・労働連合委員会 第7号
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1948/11/20 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 人事・労働連合委員会 第7号

#1
第003回国会 人事・労働連合委員会 第7号
昭和二十三年十一月二十日(土曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○國家公務員法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午後一時五十七分開会
#2
○委員長(中井光次君) それではこれから連合委員会を開会いたします。昨日に引続いて御質問を願いたいと思います。本日は労働大臣が御出席になりました。総理の方は只今連絡中、大藏大臣は二時過ぎには出席するという回答であります。
#3
○水橋藤作君 労働大臣にお伺いしたいのですが、國家公務員が官廳の民主化のために、相当今まで役割を果して來たと私は考えておるのであります。それでこの公務員法が実施された場合に、何と申しますか、昔の官僚独善的が復活する虞れがあると私はかように考えておるのでありますが、この点に関しまして大臣は如何なるお考えを持つておられるか。又この公務員法が施行されましたときに、後に起る何物か大きな問題が、問題と申しますか、運動と申しますか、大きな波乱があるのじやないかと予想されるのでありますが、そのときに何を以て、如何なる方法によつてそれを整理なさるお考えであるか、又仮りに警察力によつてこれを抑えるとするならば、又これに対抗するものが、大きな問題が、波乱が起きる虞れがあると、かように心配するのでありまするが、こういう方面に対して大臣の御見解をお伺いしたい、かように思います。
#4
○國務大臣(増田甲子七君) 水橋さんの御質問にお答え申上げます。この公務員法が改正されれば、官僚が官僚独善的機構にいよいよ立籠ることになりはせんか、余計官僚的になりませんかという御質問であります。御心配なさる点は私は御尤だと思いまするが、併し私はむしろ惡い意味のビユーロークラシイというものを破壊するために設けられた改正法律案である。飽くまでも改正であると私は存じております。即ち職階について、或いは訓練について、或いは考査について、或いは安全、厚生、給料、諸般の規定を文化的な考慮の下に置いてある次第でありまして、こういう意味合から、最も立派な善良にして適格なる官僚を作つて行きたい、そうして目的とするところは、パブリツクサーヴアントとして立派に活動ができるようにと、こういうわけであります。すべて官吏が皆様の奉仕者として立派になるために、こういう法規が作られたのでございまして、官僚が本当に國民全体の奉仕者として立派な官僚になる。即ち惡い意味のビユーロークラシイというものは、そこで破壊されたことになりますから、この法規の目的とするところは、水橋さんの御心配の点を破壊するためである、こういうふうに御了解願いたいと思います。但し運用につきまして、若し官僚機構に立籠るということがあれば、これはよくないのでございしまて、極力運用は注意しなければならんと思つておりますが、とにかくこの法規というものは改正である、立派な國民全体の奉仕者としての官僚機構を打立てたいという趣旨から出ておるものと私は確信しております。それから今回公務員法が改正されたり、その他の関係で、一般労働運動が惡化するようなことがあるかも知れない。その際に対する労働大臣はどういう方針を以て望むかという御質問でございますが、私といたしましては、先ず水橋さんも御同感下さると思いまするが、公務員と言わず、一般の勤労者と言わず、すべて労働條件の維持、或いは改善によつて、此の経済的地位の安定向上を図るというところで一生懸命力を入れまして、そうしてできるだけよき労働條件の下に勤労にいそしんで貰う、このことに先ず注意をいたして参りたいと思つております。午前中にも御質問がございましたが、労働運動に対して何らかの強権的な、立法的な措置を以て望むということは今のところ考えていないのでございます。それよりも、もつと文化的な、進歩的な御政措置によつて、労働運動を健全な方向へ努力を傾倒して進めて参りたいと、こう存ずる次第であります。お答えは少し抽象的になりましたが、具体問題につきましては、その後の労働運動の、或いは労働爭議の措置につきまして、具体的妥当性を得て行きたいと、こうお答えを申上げる次第でございます。どうぞ御了承を願いたいと思います。
#5
○水橋藤作君 大臣は、今お答えの通りに行けば、我々も心配ないのでありまするが、私の経驗からいたしまするならば、今大臣のお答えのように、順調にものは運べるとは考えられないのであります。先ず官廳の民主化にいたしましても、下部のものが今までに、よく大臣も御存じのことと思いまするが、今日まで官廳の取り來つたことはよく御存じの筈と思います。それに対して何一つ抗議をすることができ得なかつた惨めた奴隷的な、要するに下部組織、下部の從業員は涙を呑んで我慢せざるを得なかつたのであります。漸く組合が組織されてから、手足を延ばして相当高級官僚の惡質とか、或いは独善的のものを排除して、漸く民主化されて來たのを又元へ復活するということは、私は言を俟たないと、かように考えておるのでありまして、大臣の見解と正反対なのであります。それから第二番目のお答えの、何ものかあつら場合に、私も何ものかあつた場合に、如何なる方法を取られるかということにつきましての心配も、恐らく大臣も、多少そうしたことはありはせんかという御心配になつておられると思いまするが、このまま平凡にこの法案が通つて、そうして今まで組織された組合が、そうでございますかと言うて、簡單に治まるとは考えられないのであります。そこで私の経驗からいたしまするならば、今日本の組合は相当大きく組織されたが、期間が短いために、質の惡いことも率直に私は認めるのであります。その質の惡い或る一部のものを抑えるために、善良な組合員をこの公務員法によつて抑えることは妥当であるかどうかということは相当考えなければならん。その質の惡いその指導者なり、或いは組合員を、どうしたらいいのかということを考えられるのが至当ではないかと、私はかように考えるのであります。先ず組合の質の惡いには大きな原因が二つあると思うのであります。
 先ず第一番には、單産、單一組合といたしましては、地方から代表者、地方委員とか、或いは責任者が地方から出て來る場合に、日本の國情からして東京では住宅難、又食糧難、或いは経済方面、そういう方面からいたしまして、非常に若手の責任のない人が中央部へ寄つて組合を指導しているという大きな欠陥があるのであります。それがために血の氣の多い人が、先ず國内情勢とか、或いは対外関係とか、いろいろなことを睨み合せないで、ただ一方的に組合の力を持つて行くという懸念もないとは申さないのであります。併しそれがほんの一部でありまして、それらを何らかの方法によつて是正して行つて、正しい組合を育成し、そうして事業に協力させる方針を取つたならばこの組合の力というものを相当有意義に使うことができるじやないかと、かように私は考えるのであります。
 もう一つは、組合が組織されて日も浅いために、下部組織の役員を選挙する場合でも、ややもすると局長とか、課長の前に出て、テーブルを叩いて多く喋べる人を選挙する嫌いがあるのであります。これは私は体驗しておるのであります。これらも日を追うてそういう人の行き過き、その他のことを組合員がよく理解しまして、段々とこうした役員が出なくなつて、組合運動が正常に入る時期は近い將來にあると、私は確信しておるのであります。又指導者もそういう方向に指導して行かなければならん。そうしてこの組合の力を産業の復興に役立たせなければならん。こういうような見解に達して、そうして組合を指導されるならば、私はこの國家公務員法を、殊更ここで無理やりに押付けて、組合の行過ぎをこれによつて抑える、又それをやつた場合に直ぐに大きな罰金に処するとか、或いは刑に処するとかいうような、昔の軍閥当時の取つて行動と同じに逆行するものと私は考えるのでありまして、昨日も羽仁さんから学問的に詳しくお述べになつて、私も同感でありまするが、我々委員といたしましても、この公務員法を通す上においては相当先の見透しを付けて、そうして組合の今日までの欠陥を十分我々は認組いたしまして、その欠陥のみを直すことに重点を置いて行く必要があると、かように考えるのであります。その一部の者の行き過ぎを直すために、こういう対外的にも、又國内外にも大きな問題を持ち上げようとするこの國家公務員法に対しまして、昨日羽仁さんから言われたように、人事委員会の委員の方々、或いは政府委員の方々が本当に裸になつて、日本のこの組合運動を如何にして産業に協力させるか、経済の復興にこの組合の力を利用して、そうして日本の再建を図らなければならんというふうな氣持になつて、それからこの公務員法を審議されることが望ましいのであります。そういう意味におきまして、今の大臣の答弁には私は納得行かないのでありまするが、先ずそうしたことがなければ結構ですが、私は先程申しました二点に対しまして非常に心配しておるものでありまして、なければ結構ですが、それに対しての対策を講じられんことを希望いたしまして私の質問を終ります。
#6
○大山安君 労働大臣にお伺いします。この國家公務員法の改正法案、これは只今水橋委員及び大臣のお説をお伺いしましたが、この公務員法案を提出するという根拠について、審議上委員としてお伺いしたいのであります。それはこの國家公務員法は何のために提出しなければならなかつたか。今大臣が申されますところでは、進歩的労働組合を発達せしむるためにというような、誠に美しいようなお話でありますが、労働組合関係に從事しているところの水橋君は、自白と言いますか、全体でないが、或る一部にあるということを申されております。これは私も事実だと思います。併しいずれにしても、この法案は政府において深く檢討されて提案されたものでないというような感じを持たれるのであります。とにかく、審議上、政府の意見としまして、この法案を提案しなければならなかつたという根拠、それをお伺いしたいと思います。それについて今日まで、この労働組合関係が、現にこの法案について反対の意見を叫びつつあるようであります。これらについて考えまする場合には、只今労働大臣が、進歩的組合を作るためにという意見より深いところの、今日までのあり方によつて、この法案によつて、これを処置するというよすうに感じられるのであります。でありまするから、私は人事委員会といたしまして、今日までの経過過、労働組合と接触した経過をお伺いしたいのであります。これはこの法案の審議上最も重点的な資料でありまして、これは最も重要な法案でありまするから、責任を持つた答弁をお伺いしたい。その責任を持つた答弁によつて我々は審議をする。そうしてこの三百万以上の組合員の叫ぶところは正しいところであつたならば、遠慮なく、私が組合員に対して……審議の経過によつて、これを設定したいということにいたしたいと思いますが、責任を持つた今日までのあり方、組合との接触関係、これを明僚に伺いたいのであります。
#7
○國務大臣(増田甲子七君) 大山さんの御質問にお答え申上げます。御質問の御趣旨は誠に御尤もでございますが、これはあとで一つ淺井委員長からも補足して頂こうと思つておりますが、御承知のごとく、この法案はマツカーサー書簡に基いてでき上つた法案でございます。マツカーサー書簡の御趣旨を体しまして、先般七月三十日にポツダム政令なるものができ上りました。このポツダム政令は、いわゆる緊急的な政令でございまして、法律でないと、やはり民主的でないというわけで、今度これを皆様の御協賛を得て法律化せんとする趣旨でございます。そこで私が先程水橋委員にお答え申上げた点について、大山さんが、この法案は健全なる労働組合の発達のためというふうに答弁したかのごとき御質問でございましたが、これは水橋委員は労働行政の專門家でもあり、また労働運動の大家でもあまりして、決して誤解はされていないと思いまするが、大山さんが何か聞き違いをなさつたようでありますから、私が申上げます。水橋さんは、この法律を作つた場合においては、官僚機構がいよいよ惡い意味の官僚化しはしないかという御心配の下に質問をされた次第でありまして、それに対して私はお答えをしたのであります。即ち官僚というものは、國民全体の奉仕者である。そういう意味合から、今度はこの法律が改正されたのでありまして、奉仕者としての職責を十分果すために、民主主義的の見地から、或いは職階制だとか、或いは任用の問題だとか、試驗の問題だとか、或いは官紀、規律の問題だとか、そういうようなものを規定してある次第でございまして、要するに奉仕者としての適格を持つて純良た官僚を作りたい。こういう趣旨からでき上つておる次第でありまして、從來のような惡い意味の官僚機構を打開したいために、この法規が作られたものである。この趣旨を御了解願いたいということを水橋委員さんにも申上げましたし、水橋さんもその点は御了解下さつておるようであります。ところで御説のごとく、然らばと当つて、決してこの法規が、大山さんの御心配になる点がないというわけではありません。大山さんも御心配でありましたが労働組合運動に対しては、どういう影響があるというような御心配はあるであろうと思つております。即ち御承知のごとく、労働組合といたしましては、これは團結権はありますから労働組合自身は作ることができます。併しながら、労働組合の活動としての團体交渉権、或いは爭議行爲というようなことは相当の制約を受けます。團体交渉権については、労働協約を作つてはいけないということになつておりますし、又爭議権については、これを否認されております。労働運動としては相当の限局された労働運動しかなし得ないということに相成るのでございまするが、これもやはり公務員の特殊の性質に鑑みまして、政府と政府に奉仕するところの公務員との関係は、労働運動については極めて制限されれ範囲においてのみ活動し得ることにならなくてはならない、こういうことがマツカーサー書簡にも強調されております。その理由は、労資関係は、いわゆる労資対等の原理に立つものであります。労働平等の原理に立つものでございまするが、公務員と政府との関係は対等ではない。即ち上下の関係に立つものである。どういうわけかというと、主権者は人や國民の全体が主権者でありまして、この主権者である國民に奉仕するものが即ち公務員である。その國民を背景とするものが政府である。こういうことになりますと、これは何も上に政府が立つから偉いというわけじやないのでございまして、主権者である國民を背景にしておるという、政府と公務員との関係は上下の関係に立つ。即ち労資対等の関係ではない。こういう関係からいたしまして、労働運動が、或る程度の制約を受けるものであるということは、これは止むを得ないわけでございまして、マツカーサー書簡にも、政府と公務員との関係は、労働運動は相当制約をされなければならない。制限された範囲内において、この労働運動は行われなければならないというような御書簡である次第でございます。そこでこの御書簡を我々が法制化するに当つて、大山さんの御質問は、労働組合の幹部と、どれだけ相談をしたかという御質問でございまして、これは御尤もなことと思うのであります。尤も私共は当時野党でございまして、併しながら尚書簡に接するや否や、政府の飜訳もございましたが、私もこの政府の訳が果して適当であるかどうかというわけで、私自身でも飜訳をして見まして、そうして政府の飜訳と照合して見たというようなことをいたした次第でございます。というのは、私も自由党の政務調査会長を長くいたしておりましたし、そういう関係で、御書簡の趣旨を立派に活かさなくては、政府としては相済まないし、又野党としても我々相済まないというわけで、私は正確な飜訳をいたしたこともある次第でございまするが、政府の訳は別段少しも誤訳がないように……私は当時一字々々照合して観察いたした結果は、誤訳がないという結論に到達いたしました。その訳をしておるときも、その後におきましても、労働組合幹部、殊に官公労の諸君等は、私のところへしばしば参りましたし、私も相当議論をいたしましたが、要するにこういうふうになるのは止むを得ないということに結論された次第でございます。時の政府におきましても、やはり現下の状況に鑑み、又公務員という特殊の性質に鑑みまして、ただ労働運動が行過ぎであつたとか、行過ぎでなかつたとかという、当時の客観情勢から來るだけのものではないと私は思うのであります。公務員と政府との特殊性質に鑑みまして、これはこういうような改正がなさるべきものであるという一つのあるべきものである。ゾルレンという立場から、こういう法規が置かれるべきものである。こういうふうに私は解釈しております。そこで政府におきましてもポツダム政令を出した。ところがこのポツダム政令というものは、とにかく皆樣全体の御協賛を得たわけでありませんから、ただ民主主義的見地から皆さんの御協賛を得べく、これを法律化いたした次第でございまして、必ずしも大山さんの御心配のような労働組合の諸賢が全幅的に反対でない、或いは反対の点もあつたにはあるのでありますが、こうなるのは事の本質上から、又客観情勢からも止めを得ないことになつたのではないかと私は考えております。
#8
○大山安君 只今國務大臣は、大山は法案の提出について、労働組合関係と接触したかというように聽いたということでありますが、私はそういう意見でなく語つたつもりであります。この法案を作るについての労働組合関係と今日までの接触状態をお聽きしたい。どういう意見で法案を作るために接触したかということを聽いたわけでなく、法案を出す以前の労働組合との接触関係をお尋ねしいのです。そうして労働組合が法案に対して納得する、しないというような大山の意見であるというようなお話もありましたが、私は労働関係には納得するしないということを、私個人が審議の結果、これを定めた場合に、組合員の不平なるところを納得せしめるために、つまり必要であるからこの法案の根拠、いわゆる出さなければならなかつたという意見をお伺いしたい。こういう伺い方をしたのであります。何しろ、どの頃につきましてもポイントが外れておるのであります。今日まで法案を提出する以前に、組合と接触した経過をお尋ねしたい。というのは細かく言いますれば、この法案を出さなければならん理由がある。これが正しかつたか、出すのが正いしか、労働組合がこの法案に対する不平を言うのが正しいというのか、それが我々議員の責任である。やはり、その程度まで審議をせなければ、我々が審議をした結果において非難をされた場合に、それに回答する意見がない。盲判を押したと言つては我々は済まないのであります。正当の審議をしなくちやならん。そういう場合には、政府はマツカーサー書簡の指令であると言つて、或いは逃げるかも知れん。マツカーサーが、つまりG・H・Qがそれまでに檢討しておるにも拘わらず、日本の政府は何をしておるか。マツカーサーの指令を受けるということは、國民全体に取つて恥辱である。我々日本國民が管理下にあるということは、政府の大臣として言うまでもなく知つておるわけであります。かようなことが一にもマツカーサー、二にもマツカーサー、なぜそういう世話を焼かせるか、被管理國として突然にこれを出さなければならんという、政府はなぜそれをしなければならんのか、我が同胞である、何とかお互いに話合つてできないことはないわけである。或いはその結果によつて、この法案を出したか、出したとすれば、労働組合が惡い。組合員が惡い。そうでなく、つまり何と申しますか、封建制と申しますか、資本主義と申しますか、私はどうも分らないのですが、私は労働組合関係は知りませんから、一方的に政府の氣持で出したとすれば、これこそ労働大衆に対して、我々はこれでよろしいといつた場合には申訳がないと、こういうわけになります。だから今日までのあり方を、我々にこの委員会の資料として報告して貰いたい、その外この審議のしようがない。こんなことは読めば分る。國会議員は……。
#9
○國務大臣(増田甲子七君) 今日までの労働組合と政府との、この法案を作るに当つての交渉の経過を話せという御質問でございます。
   〔大山安君「そうじやない」と述ぶ〕
#10
○國務大臣(増田甲子七君) 先ずそれからお答えいたします。段々とお答えいたします。それに対して私先程触れましたが、労働組合の幹部諸君は、相当の意見を持つております。私は一つ一つ申上げますから、どうぞお聽き下すつてから、又御質問をお願いいたします。
   〔大山安君発言の許可を求〕
#11
○委員長(中井光次君) ちよつと待つて下さい。発言中ですから……。
#12
○國務大臣(増田甲子七君) これは私野党におりましたときも、この公務員法の問題につきましては、官公労組その他の諸君が來まして、すでに種々の意見、即ち違つた見解というものを私共しばしばお聽しいたしております。又各方面からもお聽きいたしております。その後政府の当局者となりましても、全官公労組その他の諸君も、この公務員法の改正は困るというような意見、これも違つた見解であります。そういう意見をお聽きいたしておりますが、私は先程申上げました通りの理由によりまして、この法案を提出するの止むを得ざるに至つたということは、どうか御了承を願いたいのであります。
 それから第二番目の御質問で、あのマツカーサー將軍から御書簡が來たということは、これは非常な恥である。これはむしろ政府が、自主的にこういう問題を解決することが必要であるならば、解決すべきではないかというい質問と拜聽いたしました。それは如何ですか、そういうふなう御質問と仮定いたしまして、私はそういうふうに拜聽いたしましたから御答えいたしますが、御指摘の通り、私は一應御尤もだと思つております。大山さんのおつしやることは、むしろ政府が本質的に公務員と政府との関係は、これは労資対等の見地に立つものではない、國民の代表たるその政府の公務員との関係は、上下の関係に立つものであつて、労働運動がマツカーサー書簡の言うような或る程度の制約をされるのは当然である。司法権や行政権の代行をなすべきものではない。労働組合運動というものは、一般の労働運動については大いに奬励すべきであるけれども、官公関係の労働運動が、若し外の労働運動と同樣に放任されるならば、司法権や或いは行政権の代行をするということになるかも知れないが、それは代行すべきものではないという御書簡の趣旨は、本質的に御尤もだと思つておる次第でありまして、そういうような趣旨も初めから分つておるならば、むしろ政府の方で自主的に公務員法を改正をすべきではないか。マツカーサー將軍の御心配を煩わしたということは非常に恐縮であるということは私は同感でございますから、このことをはつきりとお答え申上げます。
#13
○水橋藤作君 先程二問質問いたしました。それを私が了承したかのように大臣が先程言われましたが、先程私は遺憾ながら大臣の答弁と異にすることを申上げたのでありますから、誤解のないようにお願いいたします。
 それから又只今の大山さんの御質問の中で、この公務員法は今官廳に必要であるんだという、故にこの公務員法は制定されたんであるというお答えのようでありましたが、この官廳は突如として我が日本にできたのではない。公務員法が突如としてここに出たものである。その大臣の今までの言われた趣旨から言つて、官廳を民主化するために、この公務員法によつて官廳が民主化されるものであるという見解であつたとするならば、恐らく今まで日本の政府及び官の、今日までこの公務員法を布いてなかつたということは、どういうわけで、この公務員法は今日まで日本國家が必要でなかつたかという矛盾が生じて來くのでありまして、私はやはり何か事があつたから、この公務員法によつて抑えようと、その事というのは何かと申しまするならば、先程縷々申上げたように、或る一部の何ものかがあつたために、全体の者もこれによつて抑えようとされるのではないかということを、私はお尋ねしたのであります。
#14
○國務大臣(増田甲子七君) 水橋さんの御質問にお答え申上げます。先程私が、水橋さんの御了解して下すつておると思うことは、大山さんの御質問が、この公務員法は、官公労の労働組合運動の助長発達のために設けられたということを、増田が答弁したかのようなお言葉がございましたから、それはそうではございません。(「分りました」と呼ぶ者あり)水橋さんのおつしやつたのは、私は官僚機構の拡大強化にありはせんかというような御質問で、私はそうでないということをお答えしたわけで、この点は御了解下すつていると、こう思うということを申上げたのであります。
 それから尚民主的にこの官僚機構を形作ろうとしておるということは、私先程御答弁申上げましたが、然らば報酬だとか、或いは人員を新らしく任命することだとか、或いは官紀の問題だとか、或いは年金の問題だとか、或いは雇傭関係の種々の條件だとかいうようなことは、非常にこれは欧米の各種の長所を採入れた民主主義的なことになつております。それから又科学的のいろいろなテストをするといつたような、科学的人事行政を採用しております。或いはエフィシェンシーのことなんか非常によく採入れております。そういう意味においては、私も職階制から始まる各種の任用制度は非常に民主的であることと思つております。從つていろいろ我々があの法規を読んで見ると、実はむつかし過ぎるくらいに近代的の科学を取上げた民主主義的の公務員制度になつております。これを運用することが本当に立派にできるかどうか、実は今の人員では不十分ではないかという或る議員の御質問があつたくらいに、民主主的になつております。然らば水橋さんの御質問のようにそういう民主主義的制度を、なぜもつと早く解らなかつたかというような御質問も御尤もでございますが、これは我が國がまだ近代化することがやや遅れておつて、段々こういういい方法を採入れまして、より進歩的、より文化的の國家になるというお答えを申上げて、御了承を得たいと存ずる次第でございます。
#15
○委員長(中井光次君) 総理大臣が御出席になつておりまするが、衆議院の本会議が始まつてお急ぎのようですから、総理大臣に対する御質問を先にお願いしたいと思います。それから簡單にお願い申上げます。
#16
○羽仁五郎君 國会公務員法改正の審議を進める上に、政府の行政面の最高の責任者のお考えを伺いたいという私の希望に、総理大臣が應えて下すつたことを感謝いたします。成るべく簡單にお尋ねをしたいと思うのですが、いろいろの問題があるので、十分に討議を許されたいと思うのです。(「無論」と呼ぶ者あり)ここは特に参議院でありますし、我々がこの國家公務員法改正を賛成するにしましても、或いは反対するにしましても、或いは修正するにしましても、その理論的な理由はやはり國民の行に明らかにするということが愛々の義務である。又参議院の権威に関することでもあると思いますので、根本的な点からお考えを伺いたいと思います。
 私は極く最近東京國際裁判においての判決文の中に、ウェツプ裁判長が、日本の戰爭責任者たちがごまかしと言逃れとに終始しておるということを言われたことは、実に非痛の感に堪えないのであります。これはどういうところから來ているかというと、私はあの方たちのしても、必らずしも意図としてごまかしをし、言逃れをされたとは私は考えない。やはり理論的にはつきりしていない、それが結局言逃れとなり、ごまかしとなつたことはあるのであります。そういう意味でどうか理論的に我々はつきりさせて頂きたいと思うのであります。
 第一に伺いたいのは一般的な問題でありまして主に、四つの点につきまして、この國家公務員法の改正ということについて、言うまでもなく、首相は立法権は國会にあるというふうに御理解になつていると存じますが、如何でございましようか。從つてこの國家公務員法を通過し、或いはこれを否決する、或いはこれを修正するかということは、一に全く國会に属するものであるということを十分お考えになつていると存じます。で、決して政府提出の修正案原案というものに固執せられるものではないというふうに固く信じております。
 それから第二にはつきり伺つておきたいと思いますことは、この改正は先程からも言われますように、いわゆる連合軍最高司令官の書簡に基くものであるというふうに言われますが、その点について伺いたいことは、連合軍の最高司令官の書簡は命令であるか、そうでないかということであります。この点についても前内閣はこれを命令と解釈されておつたようでありますが、併し八月二十八日の対日理事会において、議長は明瞭にこれが命令ではないということを言つておられます。で、我々はそういうふうに理解しておりますが、恐らく首相はさよう了解されておると思いますが、どうですか。
 それから第三に伺いたいことはやや重大な問題でありますが、これは我々がこの被占領國民として、占領政策を忠実に守らなければならないということは、私も固くそれを信じております。併しながら、ここで考えなければならないことは、これは主として軍事的及び政治的な意味において正にそのその通りであるのであります。併しながら、人間には軍事的、政治的のものの奥に、人間として何物も侵すことのできないところのヒユーマニズムといいますか、人間の貴重なものがあると思うのであります。これまでもたやすく蹂躙するというようなことは道理に反することでありますし、又如何なる占領政策に合致するゆえんでもないのであります。占領政計の根本はどこにあるかと言えば、これはやはりポツダム宣言、なかんずくこの労働組合に関しては、極東委員会の十六原則というものにその根本があるのでありまして、從つて絶えずこの根本を眼目に置いて、このマツカーサー書簡というものを正しく解釈しなければならないと考えます。この際特に注意を喚起したいと思いますことは、占領されておる國民が、占領軍に対して守るべき最高の私は節操というものがあると思います。これは我々が被占領國民として今日、或いは憲法或いは國家公務員法の改正というものを作つておりますものは、これは飽くまでも平時法というか、ピース・タイム・レジスレイシヨンである。これに戰時法というかウォアー・タイム・レジスレイシヨンといいますか、そういうような色彩が加わつて來るということは、被占領國民として我々は節操を以て、これを防がなければならないことだと私は考えます。これは古來の歴史に鑑みましても又最近の日本が犯したいろいろな犯罪からみずから反省しましても、この点は被占領國民というものは、ポツダム宣言で保障されておりますように、我我は奴隷にされることが目的ではないのでありますから、この我々の作つております平時法の中に、若しも戰時法的な、色彩が入つて來ると、これは日本を民主化するという占領政策の根本方針に一致しないことになるのでありますから、我々としては、殊に國会としては、この平時法の立法についてのみ全責任を負うておる國会としては、この点を十分に氣を付けなければならないことであろうというふうに考えます。この点、首相はどうお考えになりますか。
 次に第四の点でありますが、これはやはり同樣に根本的な問題でありますが、現行の國家公務員法第三十八條などに現われております考え方です。言うまでもなく、第三十八條の、暴力によつて、現在の民主憲法が成立した以後の政府、或いはその憲法を覆がえそうとういことを主張する政党に参加し或いはそれを結成しておる者は官吏になることはできないという條文です。これは非常に重大な問題を含んでおります。極く簡單にその点を申上げますが、社会主義或いは共産主義ということに賛成するか、反対するかということは、これはそれぞれの人々の考えに基ずくところであります。併しながらその社会主義或いは共産主義、或いは暴力というものに反対するということが、何らかのエゴイズムの手段となつてはならない。他のエゴイズムの口実となつてはならないということであります。第二には、昨日の日本の新聞にも連合軍の労働顧問のダウテイ氏が共産主義に対する最も正しい方法は、積極的な経済政策を行うにあるのであるということを言つておられますように、共産主義の問題を解決する唯一の方法は、民主主義を実現して行くより外にないと確信するのであります。その外の方法は必らず悲惨に導くだけであつて、決して正しい方法ではないのであります。それに続いて暴力の点でありますが、これは首相御自身が、或いは首相の父君が経驗されたように、明治維新というような事義を、若し暴力が全然完全に否定せられたならば、我々は今日でも封建時代に住んでおるのであります。明治維新において、徳川幕府、或いは徳川慶喜というような方々は、やはり立場の上からは飽くまで幕府を倒すという運動に反対であつたに相違ない。その立場において飽くまで反対であつても、併し歴史の動きがすでに幕府は倒れる。そうして明治維新にならなければならないということを感ぜられた場合に、ステーツマンとしてこれに從われたのであろうと思います。これは俗には、いわゆる天皇に政権を帰し奉るという意味から賛成したということが從來からの説明でありますが、それはもはやこの最近の國際裁判の判決を見たる我々として、そう簡單に考えられるのでなく、やはり明治維新は民主化に向つての一つの革命であつたのです。そういう意味で暴力ということが普通の意味で、極く卑俗な意味で使われる場合と、法律の上に、或いは学問上、理論上用いられなければならないそういう政治的な力という場合とは、はつきり区別しなければならない問題があると思うのです。そういう意味で、この法律の上に、こういうような誤解を招き易い言葉を用うる、從つてこれが歴史の進歩に逆行するような動きを招く虞れがあつた場合には、これはやはり國会としても十分の責任を感知しなければならないのです。若しも國家公務員法を改正せられるならば、やはり改正は進歩的な方向に向つてのみ法律というものは改正できるものであるのであります。むしろこういう問題を問題にして頂きたいと考える。先ずこれらの一般的な問題について御所見を伺いたいと思います。次に今度は個々の点について御意見を伺いたいと思いますが、一應以上の点についてお考えを承りたい。
#17
○國務大臣(吉田茂君) 第一の御質問は、この公務員法等を國会の自由に改正若しくは訂正というか、否決することができるかという御質問かと思いますが、これはしばしばお答えいたしますが、議会としての審議権は御自由であります。否決せられようが、或いは訂正なさろうが、これは議会の審議権としては、無論権限に属することであつて、御自由でありますが、政府としては、芦田内閣当時どういう約束があつたか存じませんが、とにかくマツカーサー司令部の書簡の意味するところは、命令と解しましたか、勧告と解しましたか、今日事情は知りませんが、とにかく日本政府としては、これを法制化する、立法化する。そうしてそのために特別議会を招集するということになつておつて、政府としての義務はこれを法律化することにありますが、議会としては議会の権限に從つて、審議は自由であると存じます。それから又マツカーサー書簡の意味するところは命令なりや否や、これは当時は命令と解したからこそ、芦田内閣としてはポツダム政令によつて一應の政令を公布したことと思います。又私としては、或いは現内閣としては、それが勧告であれ、命令であれ、如何に拘らず、これは現下の労働問題解決のためにも必要と考えまして、この点については前内閣と同じ意見でこれを今度の第三國会に提出するわけであります。
 それからこれは戰時立法に属するのではないかと、こういう御質問でありますが、これが意見の立て方でありますが、我々としてはそうは信じないのでありまして、國家公務員に相当の適当なステータスを與えて、それによつてその地位を保護すると共に、その利益も保護したい。こういう政府の考えでございます。
 それから第三は、暴力により云々というお話でございましたが、この暴力はいわゆる社会通念によつて自然に決定できるものであると思いまするが、お考えのような暴力については、私はちよつと了解しかねまするが、一應のお答えとしては、暴力なるものの意味合いは、いわゆるそのときどきの社会通念によつて自然解決するものではないかと私は思います。
#18
○委員長(中井光次君) 総理大臣はあちらの本会議から大分請求がありまするので、この程度で次の機会までお待ちを願えませんか。
#19
○羽仁五郎君 続いて個々の問題について御意見を是非伺つて置きたい、そうでないと良心を以て審議して行くことができない。最近の機会においてどうか甚だ恐縮でありますが、國民のために御意見を聞かして頂きたいと思います。
#20
○委員長(中井光次君) どうぞあしからず……。
#21
○木下源吾君 総理大臣がいなくなりましたから、一つ労働大臣に……。政府はお説のように、前内閣時代にでき上つたこの法案に対して、現内閣の指導方針によつて変更した部分があるならば、どういうふうに変更せられたか、それが一つ。それから、この公務員法の問題については、当然給與の問題が附随して考えられるのであつて、すでに臨時人事委員長の、本年七月三十一日の談話によつても明瞭なように、相当綿密な調査、日本の経済、財政の状態等を調査の上に、この給與の問題を國会に提出する予定であるということを言われておつたのですから、相当この研究が積んでおる給與案であると私共は考えるのであります。こういうふうになつておつたのが、丁度政変になつて今日になつておる。併しながら政府としては、やはり一貫せる臨時人事委員会の方針に添うてやらなければいかんと思うのですが、今回人事委員会で発表しましでた給與、いわゆる六千三百七円というものについては、今日これをどういうふうにお考えになつておりますか。いろいろの機会に各方面から財源の都合とか、いろいろなことを申されておることは私も聽いておりますが、そういう問題ではなくして、人事委員会が七月三十一日以來、一般の官公吏諸君の要求などは差控えておれ、お前たちの要求などがあつても、俺の方で妥当な、そして誰が見ても正当な日本の経済状態、財政状態より、又生活状態によつて、これだけは支拂わなければならんものであるという妥当なものを出すから、お前らはそういうことに対しての意見は差控えておれ、こういうようにして長い間抑え付けて來た。その結果として六千三百七円というものが人事委員会で発表せられたのである。この点については今更財源云々ということで、これに対する考を明確にしないということはできないだろうと思います。これが一つ、現在もうすでに我々は、この公務員法を早急に処置しなければならないのでありますから、一つこの席で御発表を願いたい。勿論大藏省の関係もありましようが、労働大臣としては労働者の保護或いは福祉などについて責任を持つておられるのだから、内閣においてはこれをどういうふうに決定せられておるか、一つ伺いたいと思います。
 それからもう一つは、もうすでに苦情処理機関ができておるべき筈のように私共は考えておるのでありますが、マ書簡の内容等をずつと見ますというと、それらが今日までどういうふうになつておりますか、又今後公務員がみずから意見等を持ち出したら、人事委員会の公正課で、そういうことについていろいろなさるようになつておりますが、公務員のいろいろな要求或いは主張などは、完全にここで納得の行くように処理できるという確信を、この法案で確信を持つておるかどうかということを、この際伺つて置きたいと思います。
 尚もう一つは、政府は今日の公務員は、いわゆる天皇の官吏ではないのだ、國民の公僕である。こういうことが強調されておるのですが、これに対する切替指導について、どういう方法を取れば一番有効適切であるとお考えになつておるか。経済的によくしてやるというのか、又交渉の相手は一体誰にあるかということを明確にするといようなこと、いろいろあるでありましようが、天皇の官吏だということから、國民の公僕であるのだということに対する、この頭を切り替えるために、実質的な裏付けを一体どういうように指導せられる方針であるか、これは労働大臣として私は極めて重要なことだと、こう考えておりますのでこれらの点について一つお答え願いたいと思います。
#22
○國務大臣(増田甲子七君) 木下さんの御質問にお答え申上げます。先ず第一に、先般の芦田内閣の下において、この法律を審議しておつたけれども、その時と吉田内閣になつてからの変更した分があるかどうかということを御質問でございますが、これは字句の点等で多少直した点はございますけれども、本質的に変更した部分は殆んどございません。そのことをお答えといたして置きます。
 それから給與関係については、六千三百七円というこの人事院の勧告は、非常な勉強をした結果、適切妥当なる勧告であると思うが、これに対する予算措置は、殊に労働者の保護その他の任務を持つておるところの労働大臣としては、どういう配慮をし、どういう手続の下に行動しているか、予算審議の内容、経過について若し話すならば話せという御質問でございます。私は人事委員会が非常に勉強をされて、苦心の結果新給與案を政府に勧告された心については、深く敬意と謝意とを表しておるのであります。概ね妥当なる新給與水準であると私は考えております。でございますから、政府に対しましても、政府に対するというと、何だか私が政府外である者のような感がいたしまするが、勿論政府部内における労働大臣といたしまして、極力この新給與水準を尊重し、これを実現することにして頂きたいということを、財政当局はもとより閣僚、総理等にも強硬にお願い申上げておる次第なのでございます。尚審議の経過その他については、まだ発表する時期に至つておりませんが、その点はどうか惡しからず御了承頂きたいと思います。但しできるだけ早く新予算の中に織り込みたといいうわけで勿論給與というものは殆んど、このマツカーサー書簡にもございました通り、公務員制度ができたならば、給與その他の條件についても、直ちに引続いて政府としては配慮する責任があるわけでございますからして、公務員の改正案が提出されて以來、実は同時に提出するという意向の下に一生懸命予算を審議しておる次第でございますが、各種の事情上今日までまだ提出の運びになつておりませんが、できるだけ早く予算として提出したい、こういう考えで折角努力中でございます。どうか御了承願たいと存じます。
 それから苦情処理機関等は、もう活動しておるべきものであるけれども、何故に活動せんかというお尋ねに対してお答え申上げます。苦情処理機関という、何か新らしい機関が設けられるわけではございませんで、併し木下さんがおつしやるような苦情処理的活動をする役所はあるのであります。即ち人事院が苦情処理機関として活動をするわけでございまして、これは將來の人事院の活動を一つ御覧願いたいこう存ずる次第であります。以上を以てお答えいたします。
#23
○木下源吾君 この法案の中には、人事院規則というものがやがて作られるということが各所に謳われておるのであります。なかんずく團体交渉、個人交渉と言いますか、こういうことの処理については、まだ人事院規則というものはできておりませんので、我々不明確であり、そうして非常な不安を持つておるものでありますが、この人事院規則に関して現在どういうふうに考えておられるか、その骨子を一つここにお聽かせを願いたいと思います。これはこの法案審議の上において、極めて私共重要な事項だと考えておりますので、そこで現内閣になつてから、この人事院規則というものに対して、新たな何か構想を以て、これから作ろうとするのか。以前から継続的にこの問題を考えておるならば、そのあらましでもよろしうございますから、この際一つお聽かせを願いたい。かように考えます。
#24
○政府委員(淺井清君) これは労働大臣よりも、私からお答え申上げた方が或いは適切ではないかと思うのでありますが、人事委員会規則或いは今度の改正案では人事院規則と相成りますが、只今の現行法におきましても、人事委員会は七月一日以後におきましては、この委員会規則を作れるわけでございます。併しながら今日まで実際に作つたものは一つもございません。それは段々と仕事の進み工合と関連して参つている次第でございます。
 それから尚將來この改正案が仮に通つたといたしますれば、人事委員会規則は御承知の通り今度人事院規則と名を改めるわけでございます。但しお尋ねの点、これはいろいろ重要な点について、これから人事院規則を作るという段取りになりますが、そのいろいろな構想につきましては、いろいろな都合もございまして、まだこの席上で具体的にこうだということは申上げる段階になつておりません。ただ御審議の上に一番重大だと思いまするのは、百二條で、人事院規則の定める政治活動を制限する、こういう問題がございまして、これは非常に重大な問題でございますから、目下頻りに急ぎまして、この委員会の席上へその大体の要項とでもいうようなものを差出しまして、御覧に入れたい、こういうように考えております。
#25
○木下源吾君 それでは成るべく速かにお願いいたします。
#26
○羽仁五郎君 労働大臣に対する質問なのですが、退席されたので、淺井委員長からお傳え願いたいと思います。先刻水橋委員、大山委員に対する答弁の中に、労働大臣の識見を疑う点があるので、これは是非傳えて頂きたいと思います。先程から政府或いは淺井委員長も頻りとそういう言葉を使つておられますが、その一つは公共の利益のために公務員の基本的利益が制限されるというようなことを言つておられますが、これは特に憲法学者として、淺井さんが單に人事委員長だとか、役員という立場でなく、その憲法及び基本的人権というものがヨーローパにおいて、又世界において発達して來たこの歴史を十分御承知のあなたが、そういうことを学問上言えるとお考えになるかどうか、それを伺いたいと思います。基本的人権というものは、何者によつても動かすべからざるものであるということと、公共の福祉のためにこれを制限することがでぎるということとは、同じレヴェルの議論ではないということをお認めになると思いますが、それをはつきりお答え頂きたい。
 それから第二は公務員の落合は一般労働組合の場合と違つて、これは特に労働大臣にお傳え願いたいのでありますが、一般労働組合の場合には、労働と資本とが対等の立場をとるが、公務員はその対等の立場は否定せられるという説を述べられますが、不幸にして私はこういう説が学問上どこに認められているか、それを伺いたい。これは恐らくいわゆるマ書簡というものを曲解せられたものと考えますが、これはに現人事院の方から特に深切にも下さいました公務員という雜誌がございます。これを拜見して大分勉強になりました。この中に御記憶だろうと思いますが、十二頁を後で是非増田労働大臣に読んで頂きたい。そして十分勉強して頂きたい。こういう重大問題について、勉強しないでやるということは許されないのです。これがどういうことが書いてあるかということ、第一にアメリカにおいてはタフト・ハートレー法案ができるまでは、公務員の爭議権制限するところの法律は一つもなかつをたということがはつきり書いてあります。次にそのタフト・ハートレー法というものが、今日どういう運命にあるかということは御承知のことと思います。而もよくお考えになつて頂きたいのは、タフト・ハートレー法というのは多分に戰時法の色彩を持つているものであります。而もこのタフト・ハートレー法が、國家の公務員がストライキをやつた場合には、雇傭を解除されたり、文官としての身分を奪われるという程度のことでユースフルネス、使用関係だけのことで、決してそれ以上の人身に加える刑罰などをもつてする制限というものは、タフト・ハートレー法にすらないのです。その点どうお考えになるか。それからタフト・ハートレー法ですから、これにもあるように公務員の團体交渉権については何らの規定をも持つていないのです。先程申しましたのは爭議権のことですが、その場合でもその公務員を解雇するということはユースフルネでないと政府は考えるだけのことで、それ以外には何も制限せられる根拠はない。況んや團体交渉権というものは認めている。そうして先程の増田労働大臣の珍説は、即ち公務員においては資本と労働と言いますか、公務員がその雇傭主と対等の立場におかれるということはできないのだという御説が、いわゆるマツカーサー書簡の中に引用されておるルーズヴェルトの書面というものによるのでしようが、ここに委員会のお出しになつておる雜誌にどういうことが書いてあるかというと、ルーズヴェルトは一九三七年の声明において、この團体交渉権というものは否定しようとしたが、その後現実には、俸給、勤務時間、待遇條件等において團体交渉は行われているということを書いてあります。これは是非專門家として考えて頂きたい。惡法は法律ではないのです。或る法律を作つても、それが実行できるかできないか、それが法であるかどうかということは、法はテストされなければ法でないという金言でも分るように実際実行できていないのです。これはルーズヴェルトの考えで法律ではない。私はルーズヴェルトを非常に尊敬するけれども、彼の言つた言葉のすべてが眞理ではない。況んやこれは現実的には実行されていない。そういう点で労働大臣は十分勉強して頂きたい。
 それでどういう根拠に基いて國家公務員なるものは、その雇傭主と対等の立場を持つことができないか。これは若しこういう説が成り立つならば、イギリストなりアメリカなりにおける数十年の労働組合の歴史というものは、どこかへ消えてしまう。單に日本の歴史だけではないのです。何故労働組合が團結権、團体交渉権、罷業権というものを持たなければならないかということは、單に誰がどう言つた、或いは自分がどう考える、政府がどう考えるというだけじやない。実に数十年或いは数百年に亘る國際労働運動及び労働組合の歴史から出た來た結論なのであります。それを軽々しく変えることができるとお考えになつているかどうか。そういう点を十分研究して頂きたいとお傳え願いたい。
 それで又現に最近ミシガン、ウイスコンシンの両州の法律が公務員の團体交渉権を保護するように進みつつあることは注目に價するとこの論文は結論てしております。労働組合の團結権、團体交渉権、爭議権というものは尊重せねばならない。戰時状態にあるアメリカですらそうであつた。我々の立法は戰時立法ではなく、飽くまで平等立法でなければならない。そういう場合にああいう間違つた考えを持つ人が労働行政の責任者であることは、私は心配であるということを傳えて頂きたい。できれば淺井さんの御意見も飼いたい。
 第三にあなたに承りたいのは、先日來頻りに言つておりましたが、國家公務員の單純なる仕事に服する者を一般職として保護するとおつしやつた。こういうことがあなたの口から出るということは実際不思議に思う。これは岡部法制部長に向つてパタアナリズムということは法律上の進歩であるか退歩であるかと伺つたところ、岡部さんは進歩であるとお答えできなかつた。そういうことはあなにもはつきりお分りになつていると思う。國会議員を辞めていい加減なことを答えているので、あなたのために惜む。國民のために憤りを感ずる。あなた自身の高い学問地位というものの反省の上から言葉を使つて頂きたい。國民の前にもやがてそういうことが分つて來る。現に爭議権というものの意味も恐らくなかなかお分りになつていないのじやないか。これは爭議権のない労働組合というものが、即ち不健全な労働組合なのであります。その不健全な労働組合をお作りになろとうしている。これは誰がどう言つたということでなく、國際的な発達の歴史の上に基く労働組合というものから爭議権を取つてしまう。あとに残つたのは労働組合でありません。それは産業報國会であり、戰犯的組合です。婦人から節操を奪うようなものである。そういうことはあなたが学者としてはつきりお分りになつていると思う。どうですか。
#27
○政府委員(淺井清君) 羽仁さんから段々お言葉がありましたが、お言葉を聽いておりまして私も聊かすまじきものは官吏という感がしたしますが……
#28
○羽仁五郎君 そうですよ。本当です。
#29
○政府委員(淺井清君) 第一に心外に思いましたが、私が何か國会議員を辞めておるというようなお話でございましたが、決して政府委員といたしましても、私個人といたしましても、そのような感じは持つていないのでございますから、それだけは御撤回を願いたいと思うのでございます。
 只今のお話は大部分が御意見で有難く拜聽いたしました。又増田労働大臣にお傳えをいたしまするが、ただ私が申述べることを得まする部分について申述べますれば、基本的人権と公共の福祉のための制限ということは同じレヴェルと考えておりません。基本的人権を先ず以て尊重することは申すまでもありません。これは憲法に照しても明らかでございますが、又同時に憲法十二條等におきまして、基本的人権が「常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う」というような條文がここにありまして、これ亦基本的人権に通ずる原則であろうと存じまするので、決して公共の福祉ということを強調いたしまして、基本的人権をひどく抑えようと、こういう考えは私個人として考えたこともございませんし、又の法案としてもそのようには考えていないように存じております。
 それから又單純なる労務に服しまする者その他を一般職に入れましたことは、本人の保護のためであるという説明に対しまして、段々と反対の御議論がございましたが、私は國家公務員法というものは、ややもすれば公務員を彈圧するような方面ばかりが強調されておりまするけれども、そうではないと、私個人といたしても信じておる次第でございまして、ここにありまするところの身分保障その他につきましても、私は十分これは國家公務員を保護するという建前に立つておるものと信じておる次第でございます。そこで單純なる労務に從事いたします者が特別職にありますると、これはその意味において欠けるところがありはしないか。これを羽仁さんは掘り下げましてこういうものが爭議権と團体交渉権を持たなければ、これは結局本人は保護できないのだ、こういう御観点からでございましようが、これはまあ官廳民主化とか、或いはいろいろな方面におきましても論議のある点でございまして、官廳の民主化は労働組合の團結権と團体交渉権と爭議権とで以て押して行くことによつて、官廳の民主化ができるという考え方もございまするし、又この國家公務員法というような一つの忠実性を持つた法律で職階制を施行いたしましたり、或いは人事委員会というような制度でやつていくというのも、官職民主化だと、こういうことになりますので、これは要するにこの民主主義というものに対する一つの根本的なイデオロギーの相違になつてきておるのでございまして、これはどうもこれ以上お答を申上げましても御満足はいかないだろうと思います。これは結局國会でどちらをお採り下さるかをお決め願うより外は仕方がないと私は思いまするが、
 私はもうこれは民主主義の考え方に対する根本的な問題だというふうに考えておる次第でございます。
#30
○羽仁五郎君 その今のことはやがて歴史が証明するでしよう。そういう國家公務員法の改正が淺井さんが今お考えになつておるような効果を挙げるか、挙げないかは、数日の、数日でもないかも知れないが、数ケ月の中に判明することと思うのです。併し我々として、私は單に学者として立つているのじやない、納税者或いは國民の利益のために立つているのであつて、これはあなたが学者としてどつちが効果が挙がるか、先日來この六千三百七円ベースというものについてさえ、これがあなたのおつしやるような、いわゆる保護ということすらですね、実現できんものであるかどうかということが、これは恐らく政府は約束に從つて間もなく予算を組まれるでしようから、その際に又伺いましよう。それでこの間上野さんは、実際上野さんがこういうことでいわゆる保護ということすら、実際できるとお考えになるかどうか、法律上の観念として反動であるのみならず、実際実現できないのです。幾ら保護してやろうつたつて、そういう保護はできるものじやない、それができるならば私も勿論賛成します。併しできないものをできるようにするヒポクリシイ、僞善です。だからそんなものをやるのじやない、ごまかしや、言逃れをやるべきじやない、國家公務員の保護される唯一の途はみずから保護する途しかないのです。これは歴史の示すところであり、そんな数ケ月、数日の実驗を俟つ必要もなと思うのです。どうかそういう点を十分考えていただきたい。昨日この参議院の委員会において岡部法制部長、それから上野委員長に対して私が申上げたことは、委員長は報告をお聞きになつていると思いますから、そう点について篤とお考えになつて頂きたいと思うのです。これは実際アカデミツクな問題じやないですよ。これによつてあなたの手の中にですね、二百五十万の人の生死が握られているのです。汽車の沿線から見ても十七八の蒼い子供が菜ツ葉服を着て、肺病ですよ。ああいう人たちの生活があなた方三人の手の中に握られるのであつて、だからこれはアカデミツクな問題じやない。二つの考え方があるということじや困るから実際それはどつちが本当にそういう人たちの生活を守る途であるか。これはただ保護してやる、彈圧されるのじやないというふうな、そういうことの議論を私やつておるのじやない。この國家公務員法が改正された、改正された國家公務員法が、改正の意図を実現する可能性があるかないかということを、我々は学者として良心に從つて断定するのです。あなたはあると断定されますか。
#31
○政府委員(淺井清君) 段々御論議を承りましたが、結論においてどうも羽仁さんの意見と全く違うのでございまするが、この結局私は二つ申しました中の一つの民主主義の見方に立つ者であり、從つてこの國家公務員法の行き方でやれるものだとこういうふうに信じておる次第でございまして、もうこれ以上はお答をいたしましても御満足が行くまいと思いますから、どうぞこれで御免を蒙ります。
#32
○羽仁五郎君 それは六千三百七円で守れるというお考えですか。今申上げたのは國家公務員法の改正が意図した、よい意図が実現できるということを良心に立つて信じていらつしやるかどうかということ、それでですね、それは六千三百七円ということにもかかつておるわけですね。ただここでにやにやお笑いになつて済むもんじやないですよ。事実がやがて明らかに示す問題なので、委員長あなたが本当に良心に立つてそう信じておりますか、あなたは学者なんだから分らない筈はない。そういうことが分らないでおつしやる筈はないのです。外の場合と違いますからね。だからそれは良心が、良識に基いた御良心があるかどうかということは間もなく分ることです。ですからそういう点について深く考えて頂きたい。もう御答弁の必要はないのです。だからその点について考えて頂いて、若しもこの國家公務員法改正というものが所期の目的を挙げ得ないという学問的な結論に達しられたらば、大胆にそれこそこの改正を撤回されるというだけの勇氣を持つて頂きたいのです。
 役人になられるとどうしても決めた既定方針というようなもので盲のようになつていかれる。その行先は現在判決の下された國際法廷でしかないのです。絶えず学問的な良識を持つて、これは間違つていたかも知れん、間違つていたと知つたらばいつでも撤回して頂きたい。昨日もその点を申上げたのです。
#33
○赤松常子君 先程吉田首相の御答弁のお言葉の中で、大変遺憾に存ずる点がございましたので、その点をお尋ねしたいと思つたのでございますけれども、機を逃したのでございますが、それについては又後からお尋ねしたいと思いますけれども、それについて今淺井委員長にお伺いしたいと思つておるのです。それは先程羽仁委員が、この公務委員の必要性をどこに求めるかというお尋ねがあつたと存じますが、それに対して、この法律は労働運動一般に影響を及ぼすようなお考えもあるやに伺つたのでありますけれども、この公務員法は言うまでもありません。この公務員の対象は國民であると言われましたし、その関係は上下の関係であるとおつしやつておられましたが、他の一般の労働組合の労働運動は言うまでもございません。資本家と労働者の対等の立場における関係が示された関係でございまして、この公務員法の決定いたしますその関係と全然違う。他の一般の労働運動にもこれを影響せしめるようなお考えをお漏らしになつたのでございます。私は吉田首相の就任以來の言葉、又この前の吉田総理自体のお考えが、労働運動に関して非常に一方的であるし、反動的であることを私は強く知つておりますし、遺憾にも思つておりますが、そういうお考えが、図らずも先程のお言葉の中に出たのではないかと思うわけでございます。で公務員法と並んで示されました公共企業体労働関係法で拜見いたして見ますと、その底に流れております考え方は、非常に労働者の権利の圧縮が強く出ております。こういうものが果して今の公務員全般に支持と納得が得られるかどうかということをお考えになつたのでございましようか、どうでございましようか、又給與の問題も、ここで取上げましても急に政府がお考え付いてなされたような次第でありまして、全然最初から裏付けになる給與問題もお考えにならなかつたのではないかと思う次第でございます。それやこれや思いますと、こういう法律が果して國民の支持はもとより、そこに働いております公務員一般によく納得ができて、そうして今ここに資料に示されておるような公務が、民主的に、及び能率的に運営できる。その狙いが果してもたらせられるという確信がおありになるのかどうでしようか。これらについてお尋ねいたしたいと存じます。先ず最初に、この法律が單なる公務員のみに適用されるということが、私共反対なんです。まだいろいろ問題がございますが、総理のおつしやいましたような、そういう一般的な労働運動にも、これを延長せしめてるようなお考えは無論ないと存じますけれども、その点についてお考えを伺わせて頂きたいと思います。
#34
○政府委員(淺井清君) 御尤もの御質疑でございますが、これは私からお答えをするのは少しく道が外れているようでございますけれども、この國家公務員法も、文字通り國家公務員だけの問題でございまして、これを他に及ぼすというようなことは、私に関する限り、それはないのでございます。法律の文字といたしましては……それから公的企業の方の労働関係の法規でございますが、これはこの人事委員会の所管事項でございませんので、私の方からお答えせするのは不適当かと存じますから、どうぞ所管大臣の方からお聽き願いたいと思つております。
#35
○赤松常子君 私はこの底に流れている考え方についてその点を申しただけでございます。
#36
○羽仁五郎君 淺井委員長にお伺いますが、國家公務員法は、國家公務員だけの問題であつて、一般労働組合は関係ないというふうにおつしやいますが、一般労働組合に影響なしと判断されますか、それを伺いたい。
#37
○政府委員(淺井清君) その影響という言葉がどういう点でございましようか。私はこの法律の適用範囲について申しました。これは申すまでもなく、御了解ができると思うのでございますが、私はマツカーサー元帥の書簡にも示されておりまするように、勤労を公務に捧げるものと、私的企企業に捧げるものとの顯著な区別というものは、私は一つの常識であろうかと存じております。
#38
○羽仁五郎君 最高司令官の書簡について、私は批評しません。明らかにして置かなければならないのは次の点です。労働階級というものは一つです。労働階級の基本的権利というものも一つです。その一部分にひびを入れるものは、その全体にひびを入れるものなのです。
#39
○大山安君 淺井委員長にお伺いします。審議上、私として相当修正するというような点も見受けられますが、それについて第一に、人事院規則に從わなければならんということが各條項にあります。これが現在のままで、これを審議して採決する場合に、相当法律案が、何と申しますか、拘束する、力のないものにするというようなところがあるのです。これがどの範囲ですか。ただ執行上と申しますか、施行上と申しますか、私は執行上と申すのですが、執行上の範囲に規則を設けるということなれば、法律案に從つて差支えないと思いますけれども、現在の提案されておるところの條項に見受けられておると思いますが、これに限りのないことが出て來やしないかということの疑いを抱くわけです。それは私の修正意見として作つてもいいのでございますが、それがどの程度であるかということを、これは直ぐに資料として出して頂ければ好都合だと思います。というのは、いろいろ研究もされておるでしようから、私共御承知の通り專門家でありませんから、私が考えるよりも審議上有効な試案が現われたとしたならば、これは好都合と私は思います。だからできるならば速急に人事院規則というものを出して頂きますならば、相当権威のある意見が含まれていやしないか。これを決めてしえまば、その人事院規則が非常に力あるものであつたとすれば、これは行政廳といたしましても、又組合関係の方といたしましても、甚だ迷惑のことがお互いにあると思うのです。それを明らかにして我々は審議したいという氣持があるのです。これは、あるとすれば明日にでも提案して頂きたい。私は今日でも修正案の準備にかかります。
#40
○政府委員(淺井清君) お答えいたしまするが、誠に御尤もでざごいます。御承知のごとく、この人事院規則というものの範囲が非常に廣うございまして、それであつちこつちに出ておるようでございますから、國会の方としては、一体その中に何を書くのかと、その書き方によつてはいろいろ論議があるがという御議論が出るのは、誠の御尤もであります。併しこの人事院規則は、大体においてこの人事行政のテクニツクの規則でありまして、それがためにこういう廣い範囲が認められておるわけでございます。ただ問題になりまするところは、只今私の方から申しましたような、政治的行爲の制限とか、何とかいうような部分については定めし御関心もあろうかと思いまするが、これは直ぐに委員会の方を御覧に入れたいと思つておる次第でございます。その他の部分といたしましては、そういう技術的なことは、これから動いて行きませんと実は分らないのでございます。そこで甚だ何でございまするけれども、この席上へ、その人事院規則の草案を未だ出し得る程度に至つておらんのでございまして、どうかその点惡しからず御了承願いたいと思います。
#41
○委員長(中井光次君) 本日は、時刻も移りましたから、この程度で打切ろうと存じますが、如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(中井光次君) それでは本日はこれを以て散会いたします。明後日は午前十時から公聽会がございます。何とぞ御出席をお願い申上げます。散会いたします。
   午後三時三十七分散会
 出席者は左の通り。
  人事委員
   委員長     中井 光次君
   理事
           木下 源吾君
           宇都宮 登君
   委員
           赤松 常子君
           北村 一男君
           木檜三四郎君
           佐々木鹿藏君
           大山  安君
           羽仁 五郎君
           岩男 仁藏君
  労働委員
   委員長     山田 節男君
   理事      平野善治郎君
   委員
           原  虎一君
           田口政五郎君
           竹下 豐次君
           水橋 藤作君
  國務大臣
   内閣総理大臣  吉田  茂君
   労 働 大 臣 増田甲子七君
  政府委員
   臨時人事委員長 淺井  清君
   臨時人事委員  山下 興家君
   総理廳事務官
   (臨時人事委員
   会事務局長)  佐藤 朝生君
   総理廳事務官
   (臨時人事委員
   会事務局法制部
   長一級)    岡部 史郎君
   労働政務次官  竹下 豐次君
ソース: 国立国会図書館
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