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1948/11/20 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 労働委員会 第4号
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1948/11/20 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 労働委員会 第4号

#1
第003回国会 労働委員会 第4号
昭和二十三年十一月二十日(土曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○職業安定法第十二條第十一項の規定
 に基き、職業安定委員会委員の旅費
 支給額に関し議決を求めるの件(内
 閣送付)
○日本國有鉄道法案に関する件
○日本專賣公社法案に関する件
○公共企業体労働関係法案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
   午前十時五十五分開会
#2
○委員長(山田節男君) 只今から労働委員会を開会いたします。最初の議題といたしましては、今回政府からの本委員会に提出されました職業安定委員会委員の旅費支給額改訂に関し、議決を求める件について、この件につきまして竹下労働事務次官のご説明を願います。
#3
○政府委員(竹下豐次君) 職業安定委員会委員の旅費支給額改訂案を審議せられるに当たりまして、本案の提出理由をご説明申上げます。
 第二國会に提出しました職業安定委員会委員旅費支給額は本年六月三十日議決を得まして直にこれを実施しておりましたが、最近の経済事情特に現在進行中の物價改訂等による影響によつて甚だしく低額に失するに至りましたので、これが支給額の改訂につきましては職業安定法第十二條の規定に基いて、これを両議院の労働委員会の合同審査会の議を経て國会の議決を得なければならないことになつておりますので、ここに提案する次第であります。
 本案の目的とするところは、職業安定委員会の委員が委員会に出席する場合又は事情調査等公務のために本邦内を旅行する場合において、それに要する鉄道費、船賃、車馬賃、日当、宿泊料等の旅費を支給するのでありまして、この支給額は一應官吏の旅費額を基準として定めましたことは、第二回國会に提案いたしましたときにご説明申上げた通りであります。
 即ち今回官吏の旅費支給額が暫定的な改訂が行われましたので、職業安定委員会委員に対する支給額もそれに準じて改訂しようとするものでありまして、その増加額は一率に官吏の相当職の増加額と同等に増加した次第であります。
 以上本案の趣旨及びその内容の大体についてご説明申上げたのでありますが、何とご審議の上速かに議決あられんことをお願い申上げます。
#4
○委員長(山田節男君) 只今の竹下政務次官の提出理由のご説明に対して、まだ附加える問題がありますか。……職業安定局長から、この内容についてご説明をいたします。
#5
○政府委員(齋藤邦吉君) 私から旅費額改訂の実際の内容につきましてご説明を申上げます。お手許にお配りいたしてありまする資料の後ろから二枚目の裏頁でございます。職業安定委員会委員旅費額比較料というのがございます。これにつきましては、第二國会でお決め頂きました内容が、この車馬費、日当、宿泊料等の現在支給額とありますのが先般お決め頂きました額でございます。すなわち例を引いて申上げますると、中央の職業安定委員会、これは本省労働省に設置せられておる委員会でございますが、これの車馬賃一キロについてというのを見ますと、会長は現在支給額では一円八十銭、委員のほうは一円六十銭であるのでありますが、それを四円八十銭、四円五十銭に改訂をして頂きたいと、かように考えておるわけでございます。それから日当につきましては、会長が七十二円、委員が六十四円でありまするものを、百九十二円、委員は百八十円に改訂をしていただきたい。即ち増加額、会長につきましては百二十円、委員のほうは百十六円、宿泊料につきましては、甲地方、乙地方につきまして、その表にありまするように改訂をして頂きたい。それから、地方又は特別地区職業安定委員会につきましても、その欄にありますように改訂をして頂きたいと思う次第でございます。地区職業安定委員会と申しますのは、地方の職業安定所に設置せられております地区の職業安定委員会でございますが、これにつきましても、この表にありまするような改訂をお願いいたしたいと考えておる次第でございます。
 尚この改訂額は、先程提案理由説明にもありましたように、官吏のそれぞれの相当職の増加額と同等に増加いたしておる次第でございます。即ち今御説申上げました表の次の表、即ち一番最後の紙の表頁の方でございますが、即ち中央職業安定委員会の会長は十三級職に該当する額と同じく六割増、即ち旅費につきましては、官吏の基本的額が決められてありまして、その基本的額の六割増にするという、こういうことになつておるわけであります。即ち中央職業安定委員会の会長は六割増、中央職業安定委員会の委員は五割増、それから府縣の安定委員会の会員は五割増、特別地区の安定委員会の会長も五割増、それから府縣の職業安定委員会の委員並びに特別地区安定委員会の委員、地区職業安定委員会の会長は四割増、それから一番下の職業安定委員会の委員の方は三割増、こういうふうな基準になつておりまして、この基準は先般の第二國会におきまして、お決めに頂きましたのと同じでございます。官吏のこうした基本の額が変りましたので、安定委員会の委員の方々の旅費、日当、宿泊料につきまして、改訂をお願いいたしたいと、かように考えておる次第でございます。尚安定委員会の旅費といたしましては、本省の中央職業安定委員会の旅費額といたしまして、先般の第二國会の予算においてお決め頂きました予算におきまして、約五万円程度の旅費がすでに計上せられておるわけでございます。そこで今回旅費の改訂をしていただきましても、第二國会でお決め頂きました予算額は増加するわけには参りませんので、將來中央或いは地方の安定委員会を開くに当りましては、予算額に拘束を受けまして、そうたびたび開くということも相当困難になるのではないだろうかと、かように考えておる次第でございます。中央の職業安定委員会の旅費額五万円程年間にあるわけでございますが、今日まですでに四回開いておりまして、その四回分でどの程度使いましたか、その詳細な資料を本日持合せておりませんけれども、この旅費額の改訂をいたしますると、当初予算成立当時に予定されました程の回数を開くことが多少將來は困難になるのではなかろうかと、かように考えておる次第でございます。以上簡單でございますが、内容を御説明いたしました。
#6
○委員長(山田節男君) 只今の竹下政務次官並びに斎藤政府委員からの本案に対する御説明に対しまして、御質疑はございませんでしようか。
#7
○田村文吉君 政務次官にお伺いしたいのですが、この種の旅費は労働省関係ではこれ一つですが、類似の似寄つたものはありませんか。
#8
○政府委員(竹下豐次君) 外に労働基準委員会等いろいろ委員会がございますが、旅費額の融通は利かないことになつています。
#9
○田村文吉君 融通利く利かないでありませんが、これを出すと同時に、同じような性質のものがあればやはり同じように旅費を直してやらなければならんということになるだろうと思うのですが、そういうものを続いてお出しになるようになつているのですか。
#10
○政府委員(齋藤邦吉君) 私からお答え申上げます。労働省所管の委員会はいろいろございまして、御承知の中央労働委員会という委員会もございます。この委員会の旅費を決めまするのは、労働組合法等の法律に基きまして、政令で決めるということになつております。旅費額は政令で決める、こういうことになつております。それからその外の委員会といたしましては、府縣委員会、それから労働基準委員会、まあその他のいろんな委員会がございますが、これらの委員会の旅費額は、大臣の告示で決めてよろしいということになつておりまして、そうしたものは國会の議決なしで、官吏の旅費額改訂と同時に改訂せられておるわけであります。で安定法の第十二條に基きまして、この委員会の旅費額だけは、両議院の労働委員会の合同審査会の議を経て、國会の議決を経なければならんということになつておりますので、労働省関係では、労働委員会の議をお願いするのは、この旅費額だけでございます。
#11
○田村文吉君 政令でお決めになつたり或いは省議でお決めになつたものは、もうお直しになつておりますか。
#12
○政府委員(齋藤邦吉君) 目下その手続を進めて出るようなわけであります。この委員会と同じ式の額で決めようということで進んでおるわけでございます。
#13
○早川愼一君 ちよつとこの際お伺いして置きたいのです。職業安定委員会の委員の選任状況は、どういうふうになつておりますか。それからこの委員会の予算額、これがどうなつておりますか。
#14
○政府委員(齋藤邦吉君) 職業安定委員会につきましては、八月の中旬に委員の委嘱が済みまして、九月から今日まで四回すでに中央の職業安定委員会は開催せられております。それから府縣の職業安定委員会は目下委員の人選を済みまして、労働大臣がすでに委嘱をいたしましたのが約二十府縣近くあるわけでございます。尚その外の府縣の委員会につきましては、主として労働者側代表の委員の選出につきまして、地方で多少問題があるようでございまして、その方が多少遅れておりますが、これは目下のところできるだけ早くやるようにということで、急がしておるような次第でございます。
 それから地区職業安定委員会と申しまするのは、例を引いて申しますれば、東京、神奈川、埼玉、千葉といつたふうな、大きな労働市場地域――府縣の行政区画とは別に――大きな労働市場を対象といたしまして、委員会を作ろう、これが地区職業安定委員会でありますが、これにつきましては、目下のところ、できておらんわけでございます。私共の方といたしましては、只今のところ府縣の職業安定委員会を早く作るということに、目下努力を傾注しておるという次第でございます。
#15
○早川愼一君 そういたしますと、二十府縣はもうすでに決まつた、それからあとはまだ府縣から申請がないわけでございますか。
#16
○政府委員(齋藤邦吉君) 中には、申請の出ておるものもあるのでありますけれども、例えば府縣廳の手落によりまして、例を引いて申しますると、この安定委員会の委員には、女子の方を一人必ず委員の中に入れなければならんと、こういう規則があるわけでございます。ところが府縣廳におきましては、そういう法律を見落しまして、そういう婦人の方を委員の中に一人も入れて寄越さないというふうなのがありますると、私の方から、規則の通り女子を入れにやならんというので、返してやるというのもあります。それから又例えば中立の委員の中に、どう見ても使用者側の代表と思われるような方を、中立委員として推薦して寄越すというものもありますので、そういうのは如何かというので照会をする。そういう例もありますが、遅れておりまする大体の大きな根本の理由は、労働者側代表の推薦につきまして、いろいろ地方で問題があるようでございまして、その関係で、労働者側代表の推薦を思うように得られないで、遅れておるというのが、やはり遅れておる一番大きな理由だと、かように考えております。
#17
○早川愼一君 もう一つ伺いますが、この予算は全体で職業安定委員会の費用として計上されておるのですか。
#18
○政府委員(齋藤邦吉君) 予算は、中央の安定委員会として幾ら、府縣の委員会として幾ら、こういうふうに決められておるわけでございます。全部の委員会の総経費は分りませんが、委員の旅費額だけを今資料がありますので申しますと、中央の職業安定委員会の年間の旅費が五万円であります。それから都道府縣、全府縣の職業安定委員会の旅費額が約二百二十万円の旅費額に相成つております。地区職業安定委員会につきましては約九十万円ということに相成つておるわけでございます。この旅費額の外に、会議をやりまするのいろいろは消耗品、そういつたふうな経費がついておるわけでございますが、その方の経費はそう沢山はない筈だとかように考えております。
#19
○委員長(山田節男君) 私から御質問しますが、特別地区職業安定委員会は全國に何ケ所ありますか。
#20
○政府委員(齋藤邦吉君) 目下のところ特別地区安定委員会として考えたいと思つておりますのは、東京の労働市場地域と、それから大阪の地域と、それから福岡、山口が大きな一つの労働市場を構成されるのではないだろうかというので、三ケ所に考えて見たいということで、そのやり方等につきまして、目下内部で研究をしておるような次第でございます。
#21
○委員長(山田節男君) 外に御質問ございませんか。
#22
○田村文吉君 今日の情勢から行きましたら止むを得ないものと考えますが、これ以上の討議を略しまして、即決可決あらんことを希望いたします。
#23
○委員長(山田節男君) 本件は職業安定法第十二條によりまして、「両議院の労働委員会の合同審査会の議を経て、國会の議決を得なければならない。その金額を変更するときも同樣とする。」こういう規定がございますので、今日のこの本案の予備審査の状況を衆議院との合同審査会に報告いたしまして、合同審議会におきまして議決を経たものを更に本委員会に持つて帰りまして、本審査として討論、表決するのが建前になつております。尚この規定によりまして、両院の合同審査会におきましては、労働委員会の理事から本委員会の本件に関する審査の模樣を御報告願うことになつておりますので、今日お見えこなつておりまする早川理事にお願いいたしまして、追つて決定した期日に、今日の審議の模樣を御報告願うことにいたします。それでは本件に関する予備審査はこれを以て終了いたします。
 次に公共企業体労働関係法案の予備審査に移るわけでございますが、労働大臣が只今閣議に出席中で、もう暫く遅れるそうでございます。ここに運輸省、それから逓信省の政府委員が参つておりますので、日本國有鉄道法案、それから專賣公社法案に関しまして御質問があれば、政府委員よりお答え願うことにいたしたいと思います。
#24
○原虎一君 國有鉄道法案、この方を進めてよろしうございますか。
#25
○委員長(山田節男君) どうぞ。
#26
○原虎一君 一点お聞きしたいのですが、現在鉄道職員が地方の議員をいたしております。この法案によりますと、法案成立後は辞めなければなりませんが、現在なつておる議員に差支が生じたからであるか、差支があるならば、その理由を御説明願いたいと思います。
#27
○政府委員(牛島辰彌君) お答えいたします。只今のお話の通り、國有鉄道法案におきましては、職員たる資格といたしまして、地方公共團体の議員を兼ねることができないようになつております。私共といたしましては、この法案を作成いたしますにつきまして、極く大雜把に申しまして、國家公務員とそれから一般の企業の従業者との中間に位するところのものを狙いまして組立てたつもりでございます。この法案におきましても、第三十四條におきまして、公務員たる性質といたしまして、この公共企業体の職員は、國家公務員法は適用いたしませんけれども、法令により公務に從事する者であるというふうにいたしておるのであります。又國有鉄道という仕事の性質上、公共の福祉に重大なる関係を持つておりまするといたしますので、職員といたしまして、その三十二條の第二項におきまして、全力を挙げて職員は職務に專念しなければならんというふうに規定いたしておりまして、ただ職員であつて公共企業体の仕事をしない者は、いわゆる組合の、職員の組合に專從する者だけであるというふうに規定しているわけであります。こういう観点からいたしまして、職員は法令により公務に從事する者であるし、又公共企業体の性質上、それに從事する者は、全力を挙げて公共の福祉増進のために働いて貰うというような観点からいたしまして、他の職業を兼ねる、又他のお話のような、公共團体の議員を兼ねるというようなことは、認めない方がいいだろうという点から、こういうふうに規定したわけでございます。
#28
○原虎一君 大体公務員は、公に奉仕するという観念から、他の仕事に関係しない方がいいだろうという考えらしいのでありますが、現在やつている既得権利を同法成立と同時に剥奪してしまうといろ考え方が、果して正しいのであるか。その点について、少くとも現在の議員である者に対しては、任期中やめさせるということはできない。又そうすることによつて、どういう弊害があるか。こういう点についてお伺いしたいと思います。
#29
○政府委員(牛島辰彌君) 実はこの公共企業体の日本國有鉄道法案は、明年の四月一日から施行をいたしたいと存じております。現状におきましては、國家公務員法によりまして、國有鉄道の職員も規制されているわけであります。先ず差当り、この國家公務員法が施行されますると、それによりまして規制をする。然る後にこの國有鉄道法案が施行されると、こういう結果になると思うのでありまして、現在の方につきましては、改正の國家公務員法案が先ず先に適用される。その方が先ではないか。こういうふうに考えているわけであります。
#30
○原虎一君 その点については、人事院の方に聞いたのでありますが、二ケ月間のズレというものは、一体人事院はどう考えているかという質問をしましたら、それは、その二ケ月間のズレというのは、合理的ではないけれども、結局鉄道國有法案というものが、鉄道法案というものが成立すれば、四月からやれなくなるんだから、大した違いはないという御答弁があつた。あなたの答弁によると、國家公務員法の方が先にやるから、それは鉄道の方は考える必要がない。現にやつている人間の既得権利を侵害することに対して、人事院の責任を轄嫁をしているのは、僕らは了解できん。あなた方は本当に鉄道の從業事を愛するという考えがあるならば、既得の権利に対しては、どう考えているか。既得の権利を剥奪することが正しいと、二ケ月間の違いであるから、その公務員法でやられるのは仕方がないという理論的なものが出て來ない。私のお聞きしているのは、既得の権利を剥奪しなければ、少くとも現在なつている人間の業務に差支えるということです。なつている人間をそのまま認めることが差支えるという理由がどこにあるかということをお聞きしたいのですが、それが大事なことであります。將來の人間はなれないということは、この法律でできますが、現在持つている人間に対して、何らかの既得の権利を保護する処置をお考えになる必要はないかということをお聞きする、その結果、それは、その答弁をしなければならんのが、今度は逆に國家公務員法で。二月にびしつとやられるのだから、鉄道の方では考えないという御答弁では、どうも私は納得できない。あなた方は、本当に何人今日地方の議員を兼ねていか。或いは他の公職を持つているか。他の公職を持つているかということ、それに対しては、どういう扱いをしなければ、業務上差支えるというお考えか、法律に一緒くたにかためてしまう。それは成る程法を立案される立場或いは責任のある政府から言えば、そうやらざるを得ないかも知れないが、そういうことをやはり微細なところまで思いやりを十分氣を遣うというところがなければ、労務行政というものは、うまく行くものではない。それをお尋ねすれば、逆に人事院の國家公務員法に責任を轉嫁するのでは、私共は納得できない。それをもう一度伺いたい。
#31
○政府委員(牛島辰彌君) 私が如何にも責任轉嫁をしているようにおとりになつているが、私は、決して責任轉嫁をしているとは思わないのでありまして、私共としましては、先ずこの法案が、四月一日から施行されますので、この法案に盛られておりますることと、國家公務員法に規定されておりますることとは、只今の問題のみならず、外の面においても、すべてその中間においては適用されて來ることと相成るわけであります。從いまして職員の職階の問題におきましても、給與の問題にいたしましても、全部國家公務員法の規制の下に入りますので、この現務廳と公共團体の議員との間の兼務の問題につきましても、そうなるのでありますから申上げたりでございまして、決して責任轉嫁をしたわけではありませんから、その点は御了承願いたいと思います。現実の問題としまして、現在職員で地方公共團体の議員を兼ねております。場所によりましては、随分一ケ所で多く出ているところもございますし、そういう点は、新憲法下におきまして、当然のこととは一面においては考えられますけれども、聊か度を過して、進出し過ぎていいると思われるような個所もなきにしもあらずであります。私共としましては、それが全然悪いという意味合いから、業務に重大な支障を來すという意味合いから申しているのではないのでありまして、鉄道の業務を專念してやつて貰うという建前で、鉄道の業務以外のことは、組合の專從員以外の……專從員として認めた人以外は、鉄道の職務遂行に專心挙げてやつて頂くというのが非常によいのではないかというような考えからやつて参つているのでございまして、この点は、経過的にも問題が起りますし、併し將來においても、実際の話を申上げますと、或る程度は、非常に鉄道職員が地方公共團体の議員になつておりますと、地方鉄道職員が多数住んでおります所なんかにおきましては、非常に喜ばれている面もあるのでございまして、この点は、若干は考慮はできますけれども、現状におきましては、職務遂行に專念して貰うということが、鉄道の業務途行の上からいいんじやないかと、こういうふうに考えております。
#32
○原虎一君 どうも私、お聞きしたいのは、それは弊害があるために、この際、この法律が制定されることによつて、辞めて貰うことは非常に必要だという、積極的な弊害面を除去するために必要だという御意見はない。これは既得の権利ということに対して、余りに簡單にお考えになり過ぎているのではないか。これは居住権や何かと違いますけれども、一つの権利であることは事案であります。既得の権利、既得の権利者に対して特別な何らかの保護する考えは必要でないか、こういうことを申上げておるわけでありまして、そのことと、それは全然ないと言われるならば、これは我々委員が別に考える。この法律を作るときには、そういうふうに細かいところまで考えなかつたのでありましようが、実際において既得の権利、來年四月になれば大体後二ケ年。四ケ年の任期がおれるのでありますから、大体後二ケ年ぐらいは現在の議員というものの辞職をしなくても、公務員の職員として働けるという特例を設けることが必要ではないかということを申上げておるのであります。先程から伺つて見れば、現在なつておることに非常に弊害があるという御説明もない。事案はどの程度に人数がなつておるかということも、詳細には未だ伺つていませんが、そういう数字のことよりも、実際の既得の権利をいうものを余りに簡單に考え過ぎておる。重ねて申上げますると、議員という者と居住権とは違いますけれども、居住権なんかに対しては相当の保障がされたければ、公共のために学校の敷地、鉄道を敷くといつてもこれはできないのであります。議員であるということが、これは逆に憲法から言えば一つの基本権であります。それが今度この法律によつて侵される。非常な弊害がない限りにおいては、既得の権利は特例を設けて何らかの方法を採るということが必要ではないかということを申上げておるのであります。
#33
○政府委員(牛島辰彌君) 原委員のお説は私共もよく分りするが、現実の問題としましては公務員法の施行が先になりますので、そのときにいろいろの問題が起ると思いますけれども、又その問題がどう片附きますことにいたしましても、國有鉄道法の施行に至るまでの間におきましても、私共におきましても十分研究いたしたいとは思つております。
#34
○原虎一君 公務員法の先になりますことは存じておりますし、先刻も申上げましたが、公務員法でこの問題を議論いたしますと、こういう形になるのであります。もう國有鉄道法であるとか、專賣公社法であるとかいう、この法律によつて公務員から逃れるといつては語弊がありますが、公務員にあらざる者になる者に対して、その所管省が特別に考えれば、公務員法の審議に当つて、我々は十分考慮をなし得る。簡單に申しますれば、官公廳の非現業員はこれは公務員として現在おるのであります。併し現業員の諸君は、先般の政令に基いて公務員法の適用を受けておるわけであります。その関係上現在議員という者は、職員であつて、議員を兼ねておる。そういう関係から考えて行きますれば、事実上何も審議とか、或いは責任を轉嫁されて、人事院の方に委しておるというわけではありませんが、事実において鉄道法案によつて公務員であらざる者に対しては、その所管の責任者か当然考えるべき問題だと思う。でありまするから、公務員法が決まるからしてそれによつて自分の方はやつて來たんだ……。これは私に言わせれば、鉄道はそれで考えたんだということは、余りにも既得の権利者が現におる所のあなた方の考え方が、單純過ぎはしないかということであります。非現業の公務員の方には、現在においてもいわゆる公務員なる者の方にはそういうものはないのであります。ない所に將來もやつちやいかんと決めることと、現におる所のあなた方の官署が決めることとは、違うのでないかということを申上げる。私の言うことは御理解になつておるようであります。何故ならば、鉄道は現におるんだからこう考えるということがあつて然るべきじやないかということを申上げているわけであつて、それはあなた方の方で、只今までの御答弁ならば、公務員法の関係において止むを得ん、やらなければならん、そういう規定を設けなければならんというお考えならば、公務員法の方の審議に当つて、我我もそう考えるというより外ないと思います。
 尚重ねて申上げますが、運輸大臣は長年議員をやつて來られている人で、小澤君は長年僕は同僚であります。この問題については、小澤運輸大臣が就任される前に殆んど決まつたことで、先般一回お見えになつて説明がありましたが、大分お忙しいようでもありますから、強いて御出席を求めませんけれども、あたの方からも話をされて、これは考えられるべきじやないか。その点は運輸大臣は東京市会議員も長くやつておりますし、東京市役所にも勤めておりまして、國会議員もやつておる。そういう点については理解がある筈であります。是非特例を設けるための理解ある態度を採られることを希望して置きます。
#35
○政府委員(牛島辰彌君) 只今の原委員の御意見につきましては、運輸大臣にもよく申上げまして、十分研究いたしたいと思つております。
#36
○委員長(山田節男君) ちよつと私から御質問したいのですが、この日本國有鉄道法案、この鉄道という一つのサービス産業の企業体から見まして、できれば從業員の意見をも入れて、いわゆるサービスをよくする。工夫改善する、こういうような意味で、これは鉄道という事業の特性からして、一種の経営協議会というか、從業員の創意を入れる……。この三十二條には「職員は、その職務を遂行するについて、誠実に法令及び日本國有鉄道の定むる業務上の規程に從わなければならない。」こういう單なる命令だけの條文だけなんですが、これに比較して、公共企業体労働関係法第八條の團体交渉の所に「公共企業体の管理及び運営に関する事項は、團体交渉から除かれなければならない。」こういうように謳つてあるのでありまするが、この鉄道事業の特殊性に鑑みて、從業員のそういう創意工夫を反映せしめて、サービスをより改善し、能率を挙がらしめるというような、そういうことは考えられていないのですか。
#37
○政府委員(牛島辰彌君) この公共企業体のごときものにおきまして、経営であるとか、管理、運営という面に労働組合の経営参加と申しますか、國体交渉と申しますか、そういう面を考えて、いろいろの組織機関ができておる法制も各國にはあるようであります。今回ここに考えましたのは、いわゆる團体交渉、團体協約とかいうような意味合いにおきまして管理運営、経営に対しましては参加をするという点は考えなかつたのであります。この点はただ國体交渉としてでなしに、國有鉄道のごときものにつきましては、その組織を通じまして、実際上の問題としましていろいろの業務上の会合等を利用して参りますれば、十分に経営の能率向上にも役立ち得る、こういうふうに考えておるのであります。
#38
○委員長(山田節男君) 重ねて御質問しますが、この國有鉄道という仕事……鉄道が國有であることは経営の民主化であるということが、これは本質的な條件となつておると思うのです。然るにも拘わらずこの法案を見ると、経営の民主化という部面が余りに官僚主義に陷つておるのじやないかという多分にそういう色彩が窺われるのでありますが、これにつきましては他の各國の鉄道会社は、特にサービス産業においては、從業員の意見を取入れる。これは單に團体交渉の條件ではなくて、今日の経営改善、能率という意味において、特にそういう声を入れる。又一部それが経営の参加に関してもこれを当然入れるべきじやないかと私は信ずるのでありますが、この点一つ政府において先程原委員の言われた希望と同じような意味に一つ御配慮願いたいと思います。
 國有鉄道法案に関する何か御質疑はございませんですか。それでは國有鉄道法案の労働に関する質疑をこれで打切ることにいたします。
 次いで労働大臣も專賣局の官房長松尾政府委員も見えておられまするが、專賣公社法案に関する労働関係の御質疑はございましうか。
#39
○門屋盛一君 私はこの際お忙しい中を御出席になつておる労働大臣に対しまして、專賣局の法案のみならず一般的の労働問題についてちよつと御所見を承わたりいと思いますが……。
#40
○委員長(山田節男君) それではどういうふうにいたしましよう。只今門屋委員からの御発言がありましたが、專賣公社法案の一部労働関係に関する御質疑がなければ、それと総括して労働大臣から御答弁を頂くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○委委員(山田節男君) それではさように取計らいまして、それでは公共企業体労働関係法並びは今回國会に付託されました日本專賣公社法案並びに日本國有鉄道法案の労働問題を総括いたしまして、労働大臣からの御意見を伺うことにいたします。
#42
○門屋盛一君 増田労働大臣は非常にお忙しい中を要求いたしまして出席して頂いたのでありますが、今片方においては、公務員法その他のこれに関連する諸法規がかかつておるのであります。又この國会を取巻く空氣としましては、毎日赤旗の行列が続いておる、こういう状態にあるのであります。そこで私は先ず第一に公務員法の上程に関連しまして、公務員の生活安定面の予算化ということを叫びまして、これは院議を以て予算を早く提出して貰いたいということが要求してあるのであります。本筋ならば大藏大臣に伺うところでありますが、労働大臣とされてもこの公務員法を繞つてのいろいろの面から考えまして、予算処置はどういうふうにおとりになるか、閣議の模樣をお差支のない程度で聞かして頂きたいのであります。それから大体にこの労働爭議を防ぐためにどういうお考えをお持ちになつておるか。ややもすれば現内閣は反動性を持つておるとか何とかいういろいろな批評を受けられている内閣でありますので、率直に言いますと、労働團体の受けは余りよくない内閣なんでありますが、併しながら幸いにしてこの内閣の中に非常に練達の士であり、且つ良心的であるところの増田労働大臣のおりますことは、我我は日本労働問題の解決の上に一つの力強さを感ずる一人なのであります。できますならば、この際労働大臣としての抱負を伺つて、それによつて少しづつでも今後の労働爭議を未然に防ぎ得るどころまで行きたい。こういうふうに私は考えておる一人であります。そこでこの労働爭議を防ぐために今後立法的な処置に重きを置かれるのか、或いは生活安定とか職業の安定等によつて、つまり安定感を與えるような処置をとつて、労働爭議を未然に防ぐという処置の方に重きをおかれるのかということをお伺いしたいのであります。又立法的処置によつてのみ抑えつけるのでなく、実際の生活の安定、職業の安定等によつて失業の心配がないようにする。労働者に安心を與えて労働爭議が起らずに、いわゆる高能率、高賃金の方面に持つて行くとされるならば、行政整理ということと、企業の合理化ということは必然的に起つて來る問題であると思うのであります。同時に又非常に大きな失業者が出て來る。こういう結果になるので、今いろいろと起つて来るところの労働爭議の、形の上に現われているところは変つておりますが、要するに職業を失うという心配と、生活ができないという心配が一番爭議の原因になつているのでないかと私は考えている。そこで立法的だけで抑えるのではなくて、本当の実際に食う心配がないようになり、失業しなくて済むという状態にするためにはどういうふうにやつたらいいかということは、すでにお考えになつていることと思うのでありますが、これは組閣日の浅いあなたにこういうことをお尋ねするのは非常に無理な注文のようでありますけれども、第一次吉田内閣においては、この失業対策ということに非常に重きを置いておられたのであります。それでその当時の厚生省の所管におきまして失業対策本部というものを設けて、この産業の合理化と行政整理をやつた結果、失業者を出さずにそれを十分に働かして、いわゆる高能率高賃金の方面に向つて行こうという努力をされた事案があるのであります。例えて申しますならば、失業対策本部というようなものを設けまして、民間の非常に練達の士を登用されて、その調査立案を急いでおられる事実があるのであります。第一次吉田内閣において、それが労働省というものができるようになりまして、失業対策というものが現在は安定局の一部、僅か一課ぐらいな組織に縮められておるように私は思うのであります。そういう点に対しまして、行政整理と企業の合理化というものから、必然的に私の推定に誤りがあるかも知れませんが、八百万乃至一千万の失業者を生ずると思う。この失業者を有効に働かして、日本の基本産業の建設面に使いましたならば、非常にいいのじやないかというふうに考えておるのであります。それらのことに対しまして、労働大臣はどういうお考えを持つておられるか。要約して申しますならば、今後の労働爭議を未然に防ぐために、立法的措置に重きを置かれるのか、実際に不安のないようなところに持つて行くような施策に重きを置くのであるかという、こういう意味で労働大臣の御所見を伺つて置くことは、この際吉田内閣がややもすれば労働問題に対して理解がないという謬りを受けておる際に、こういうことを一掃して、幾らか労働組合の方からも理解され得る時期に向くのではないかというふうに考えまして、伺つて置くのであります。
#43
○國務大臣(増田甲子七君) 門屋さんの御質問にお答えいたします。先ず予算の方面がどういうふうに進行しておるか、差支のない程度において説明せよという御質問でありますが、私共公務員法が改正されますれば、これに伴つて引続き給與のことも心配する必要があるということは、御決議を待つまでもなく、かねてから痛感いたしております。そこでできるだけ委員会の勧告に則りまして、給與を組立てたい。こう思つておる次第でありますが、一面門屋さん御承知の通り、財源は非常に枯渇いたしておりまして、なかなか今の財政ではいろいろな飛躍的な方法でも講じない限りは、賄い得ない部分が多々あるのでありまして、まだ給與かどういうふうに決まつたか、予算がどういうふうに結論されたかというところに至つておりません。毎日実は審議しております。昨夕なども遅くまでやり、又今朝早くからやつておる。こういう状況でございますから、そういうような経過を申上げまして、御了承を得たいと思います。ただお説のごとく給與が公務員法の改正に伴わなければならん。この御趣旨は厚く奉戴して参りたい。こう思つております。
 それから一般労政についての御質問でございますが、門屋さんが御研究されていらつしやいまして、すでに御質問の中にそれぞれの解答が與えられておるというふうに、私は拜察いたした次第であります。深く御意見に敬意を表しておる次第であります。とかく民主自由党が労政について、労働行政について或いは反動的と思われるような虞れがあるという言葉でございますが、私はこれは門屋さんも御承認下さると思いますが、今の労働運動の戰後における一部過激な指導分子の持つて行き方が、一つそういうふうに意識的に持つて行かれた関係である。こう思つております。それでともかくも誤解のある点は、御指摘の通りでございましようから、誤解のないように努めて行きたいと思つております。又私先だつて或る委員会においても申上げましたが、生産方法に関しては、私共と社会党の諸君、況んや共産党の諸君と主義主張が違います。生産方式、産業の社会化ということは、これは生産力の発展の上に、生産力を発展させようと思つて、産業の社会化ということを考えることは、その動機は分りますけれども、産業の社会化によつては、生産力は到底発展しない。我々に必要なる生産財、消費材が十分に増産されない。我々の私企業の原則、或いは公正なる自由競爭の原則、私有財産制度の原則というような原理原則に立たなかつたならば、生産力は発展しない。我我に必要なる生産財、消費財が十分に潤沢に壇産されない。そこで勤労大衆を含む全國民大衆が困つてしまう。こういう見地に立ちますからして、生産方法については我々の主張する生産方法の方が、結局勤労大衆を含む國民大衆の生活を保護し、これを安定せしめることに役立つというふうに考えておる次第でありまして、反動でないことは勿論、勤労大衆の利益に必ず合致する。こういうふうに考えております。生産方法に関して極端な社会化を主張しない方も社会党の中にございますが、若し極端に社会化をいたしますと、人間の本性に鑑みまして、社会党の諸君が分配の公正だとか、或いは勤労大衆の生活の安定向上ということを、眞劍に考えるその動機には賛成いたしまするが、今までの実績に徴して見れば、諸外國なり或いは日本でも相当の産業の社会化もいたしておりますが、これでやればものが伸びて來ない。マルクスのいわゆる生産力の発展が期し難いという結果も見ておる次第であります。我々の主義主張が強ち、或いは強ちという言葉は使わないでもよろしいと思いますが、勤労大衆のためでないばかりでなく、ためになつておるという確信に我々は立つております。ところで生産方法については、そういう意見の相違がございます。併し労働政策については、私は根本的に意見の相違があるべき筈のでものではない。こう考えております。社会党にいたしましても、國協党にいたしましても或いは民主党にいたしましても、私の属する民主自由党にいたしましても、事労働政策に関しましては主義主張が二、三あるべきではないと思つております。労働者の独裁を主張する政党は違います。そうでない政党ならば労働政策は同じである。こう考えております。即ち労働條件をできるだけ維持し、これを改善して、そうして労働者諸君に労働の生産性を発揮して頂く、一生懸命働いて頂くということが、労働政策であると思つております。併しながら從來の労働運動を見ますと、権利と義務との関係に少し履き違いがあるのではないか。これは民主主義の履き違いということからも、原因が出発しておると思いますが、私は皆さん御承知の通り、権利というものは平面的なものではない、二次元の世界ではない。必ず立体的なものであり、三次元の世界である。人間は三次元の世界に住んでおる次第でありますが、権利には義務という裏付、立体的な関係がなければ権利思想というものは、それ自身存在しないものでございます。余り働きたくないけれども、権利は相当主張する。こういうような労働運動が過去においてなかつたでもないと思つております。又現在でも指導分子のうち、極く左傾した指導分子によつて、指導されておる労働運動といたしましては、権利は主張するけれども、働く方はまあいい加減にして置く、成るべく働きたくないというような思潮があるかのごとく私は感じます。とにかく義務というものが、完全に権利と同じ比率において裏付けされるというのが、我々の習つた法律観念としての権利思想でございます。いうような権利思想が分らない間は、本当の民主主義が分つたというふうには、私にはまだ思えないのでありまして、そういう見地から労働運動についても私達は臨みたい。こう思つておりまして、これは門屋委員も御同感下さるであろうと思つております。どうか労働運動全体を健全な方向に向けて行きたい。これは私共は御承知の通り、労働組合に基礎を持つた政党とは言われませんが、併しやはり労働組合の後ろには國民、八千万の大衆がおるわけでありまして、その八千万大衆の我々は代表者であるという意味において、労働運動をよく持つて行かなければならん、こう思つております。又労働組合自身は政治的中立性を強調さるべきでありまして、どの政党を支持してもよろしい、こういう見地に立つておる次第でありますから、健全なる労働運動を維持する、こういう方向に向つて行きたい、こう存じております。これは労政全体としての考え方でございますが、現段階に起きておる労働爭議を防ぐために、一体如何なる考えを労働大臣は持つておるかという御質問にお答え申上げたいと思います。これについて立法的措置を講ずるのか、或いは立法的措置によらずして、給與をよくするとか、職業安定の方面において考慮するとか、いわゆる行政的措置に重きを置くのか、立法的措置に重きを置くのかという御質問でございますが、私は立法的措置というのは……勿論直さなくちやならんような労働法規もございます。併しながらこれよりもやはり職業を安定させるか、或いは給與についてできるだけこれを維持し、これを改善して経済的地位を保障する、そうして喜んで働くようにするかどうかということにつきましては、後者の方面において大いに努力をすべきものである。ウエートは後者にかかつておるというふうに私は考えております。その点は門屋委員も御同感のようでありますが、これは行政整理なり、企業合理化は、民主自由党の政策でもございますが、どこの党が内閣を担当しても、必然性を持つてこういうような現象は必ず起るというようなお考えも、私も御同感でございます。そこで失業者の待遇を如何に措置し、如何に善処するか、このことは豈にただにこの内閣のみならず、皆さまのような指導者中の指導者の共通の関心事であり、御心配になつておることと私は思う次第でございます。お説の通り、職を失うことの不安、食物を失うことの不安、こういう不安から解放されるようにならなかつたならば、本当の労働の生産性を発揮することもなかなかできないであろうと私は思う次第でございます。御承知の通り職業安定関係は、一つの局とその下に又一つの課ができたに過ぎないということも御尤もでございますが、併し労働省が設置されまして、そういう專門の課ができたということは、やはり一つの進歩である、こういうふうに考えられる次第でございます。併しこれはどのくらいの程度において失業者ができるか、これは種々の見解によつてそれぞれ違いますが、御承知の通り現在の失業者は六十七万という数が去年の十月に出ておりますが、今年はもつと殖えたろうと思つております。國勢調査をいたしておりませんから明瞭には分つておりませんが、一部失業者といいますか、潜在失業者が四百万人ある。尤もこれはそれぞれ部分的の労働には從事しておるわけでございますが、この四百万の者が、段々流通秩序を確立するとか、闇取締をするとか、経済統制を外すとかいう関係で、段々顕在の失業者、本当の失業者になりつつあります。從つて顯在失業者が段々殖えつつありますから、行く行くは数百万というとことにもなりかねないと思う次第でございます。これに対する対策といたしましては、民主自由党はかねてから積極的の受入れ態勢ということを主張しております。私このことについては、特に力を入れる必要がある、こう思つておる次第でございます。お話申上げますと時間が掛かりますから、省略さして頂きますが、要するに産業方面で失業者の群を積極的に受入れするということが先ず第一に必要ではないかと思つております。貿易の振興にいたしましても、或いは雜貨品の工業、或いは加工品の工業を大いに起し、これはクレジツトの導入ということが前提になりますが、それから産業道路を建設するとか、終戰処理費が段々減りますと、それによつてセメントそのその他重要資材が他に轉用できますから、それによつて電力の大開発をするとか、門屋委員も御承知の通り、終戰処理費は金額においては相当の額になつておりますが、事業量においては段々減る傾向になつておりまして、労働者、経営者諸君が増産して下さつておる重要資材も、段々一般産業復興に向け得るということに相成つて來つつあります。その方面によつて、從來我々が提唱したような政策をどしどし実行に移したい。積極的受入れ態勢というものは、先ず第一に必要であるということになつております。
 その次には、御説の通り、労務と需要関係の需給を調節する、そうして結び付けるという、いわゆる職業安定の仕事、失業対策の主なる仕事であるところの職業安定の政策を活溌にやらなくてはならんと思つております。成る程、局ができておる、課ができておる、それでいいことには、門屋さんのおつしやる通り相成らんわけでございまして、從來河合さんのときにできておりました失業対策本部というような構想も我々は持つておる次第でございまして、指導層の経営者に集まつて頂き、それから官も集まつて頂き、民の指導者も集まつて頂き、それから労働者諸君の代表者にも集まつて頂くというような意味の、職業安定委員会が中央にあるからいいじやないか、地方にはそれぞれの府縣にあるからいいじやないかというふうには考えていないのでございます。この構想も持つておりますが、その具体的なものは、今のところまだ申上げる域に達しておりません。
 それからその次に第三の受入れ態勢としましては、失業保険なり失業手当なり、最後の受入れ態勢は生活保護法でございますが、我々はこういうような社会政策は勿論必要だと思いまするが、社会政策というものはやはり消極的の効果を果すに過ぎませんで、本人の賃金の六割を貰う、この六割を八割にするだとか、或いは保険料金をもう少し殖やすとかいうような問題がございますが、併し幾らやつたところで、これは第二段の而も消極的な意味があるに過ぎないと思つております。併し社会政策も勿論絶対に必要でございますから、この方面についても篤と研究いたして参りたいと思つております。ただ、今のところ、失業保険は三十三億円金が集まつておりまするが、今まで給付した額は一億円ばかりに過ぎません。我々の予想では二十万人くらいは給付を要求するであろうと思つておりましたが、まだ一万人くらいしか要求しておりませんので、相当金は余つております。失業保険の運営は成功以上の成功を見ておるということを御報告申上げたいと存じておる次第でございます。大体以上で御了承願いたいと考えます。
#44
○門屋盛一君 大体非常に御丁寧な説明であり、考え方も、私の考え方と殆んど同じでありまするが、ただこの際重ねて伺つて置きたい問題は、その予算の問題でありまして、これはこの國会が法案の審議を徒らに遅らすのではなくて、この予算がどういうふうな工合に出されるか、正式予算として組まれない場合には、どういうような安定措置をとられるかということを、極めて早い機会に明らかにして頂かないと、非常にあの公務員法の審議に差支えますということをお含みの上で、閣議でも尚一層の御努力を願いたいということをの希望を申上げて置きます。それから権利と義務等のお話は特に同感いたすところであります。
 それからどうせ行政整理をやらなければならんと思うので、行政整理をやるために公務員法を先き通して置いて、そうしてめちやくちやな整理をやるのじやないかというような、不安な感じも皆持つておるようでありますから、行政整理をおやりになる時期と、その対策という点かつ考えまして、私は只今の安定局の中にある一課でなしに、内閣の中に特別の本部をお設けになつて、そうして予算定員だけでなしに実人員の整理まで思い切つておやりになつた方がよろしい、そうしてその失業する人の持つて行き場を産業方面に持つて行く。私は失業保険とか生活保護法とかいう消極的な行き方で救うということは、根本的において反対なんであります。どこまでも産業を興して行くという建前で行かなければなりません。そうするとその産業を興す上においては、今大臣も言われましたように、或いは物資の面とか、資金の面とか、いろいろな問題が起つて來ますが、これは労働者が主体になられまして、建設省その他各省に関係がありますので、そういうところから本当の委員を出し又民間の委員も入れまして、本当に権威のある実際に行えるところの失業対策本部見たいなものを拵えまして、行政整理を行うと同時に失業者は出さないのであるという処置をとりませんと、行政整理を行いました途端に失業春が溢れる。而もその失業者はインテリ層の者が多いのでありますから、これが一番好ましからざる方向に拡がり過ぎる慮れがあるので、これを一番憂えておりますから、重ねてお願いいたしますので、このためにも私は労働大臣だけに申上げるのじやない、総理にも申上げたいのでありますが、組閣以來の國会に対する考え方が少し親切を欠いている、もう少し國会つまり各反対党とでも御協議下さるようにした方がいいのじやないか、そうして緊急止むを得ないものだけは急いで通して、そうして明朗なる政局安定を図るためには解散以外に方法がないということは各党とも考えているようでありますから、一應率直に各党に話し掛けられて、そうして急ぐものだけは急いで通して、極めて早い時期に解散をやつて明朗なる政局安定の方法を考える、そうしてこの次にできますところの、総選挙後にできますところの内閣は、必ずしも吉田内閣でなくても、片山内閣でなくてもよろしい、どちらがおなりになつてもよいから、せめて三年や四年くらいは腰を据えて政策を行えるような内閣ができない限り、私は日本はどうしても救われない状態に追い込まれるのじやないかということを考えております。そういうことの根本はどういうことになつて來るかというと、動力面とか基本産業の面は追い追い復活して來ているようでありますが、最も余つているところの働く人の力、力が余り過ぎていてその力が禍を來している現状でありますから、これを除去する上においても、もう少しこの内閣はせめて労働大臣くらいのお考えで協調的に出て頂いたら非常にいいのじやないかと思います。これは大臣から言いにくいかも知れませんが、閣議等におきましてそういう空氣を作つて頂く、通してしまつたら蹴つちまえといいう喧嘩腰でなくて、却つて協調的にした方が円満に目的を達するのじやないかということを申添えて、時間の関係もありましようから、私の質問を終ります。
#45
○委員長(山田節男君) 外に労働大臣に御質問はありませんか。
#46
○原虎一君 増田労働大臣から御懇切なる答弁を伺つたのでありますが、時間の関係もあると思いますが、日本の労働組合運動がお説のように意識的一部の過激の分子によつて指導される部分がこういう過去三ケ年の状態を現わしたということを強調されておりまするが、私はそれで片附けるには余りに簡單だと思います。その面のみによつてお考えであるとするならば、労働大臣のお考えに対しては我々は共鳴することを得ないのであります。その面もあるが、他の面に大きな原因があるということをお考えにならなければならんのじやないかと思うのです。
 それから政党的中立が嚴守されなければならんというお説でありますが、それは政府としてそういうことを言われることは、私は了解できんのです。どういう御意思であるかお伺いしたいと思います。次は労働政策が、民自党においても、或いは社会党においても、民主党においても、少くとも暴力革命等でないものは同一だというお考え、これは或る程度私はそうだと思いますが、併しその考えが如何なる形において現れておるかということを考えますときに、非常な差があるということを労働大臣はお考えにならないか。現にこの國会に現われておる事情から見ましても、労働大臣御自身が答弁に聊かお困りのようなふうに拜察いたしておるのでありまするが、公務員法は、御承知のように、マ書簡によつて公務員の取締のみを強調してはいないのであります。私が申上げるまでもなく、公務員の生活の保障ということは同樣に國家が考えなきやならんのだ、その責任があるのだということを言つておるのであります。ところが公務員法の審議のために召集された本臨時國会に予算の面は一向に出ておりません。今日までも公務員に対する新給與予算というものは出ない。それは私共の聞いておる範囲におきましては、最少二百二十億円程度のもので、十一月の初めに十二月分を繰上支給をして置いて、暫定的措置で、十二月に解散をやつて選挙をやろう、これはもう吉田総理が何と言われましようとも、周知の事実であります。公務員を取締る法律は決めるけれども、政府の責任であるところの予算の方を組めないで解散しよう、まだ甚だしいのに至つては、公務員法の審議中においてすら解散しかねまじき声明をするということは、それは労働政策が同じであると言われるけれどもあなたのお考えと民自党の総裁の労働政策というものは違うということをはつきりしなきやいけない。同じ政策であるならば予算が出て來なきやならん、國会において予算が出ない、場合によつては予算は出ないかも知らんというような今日の状態で私は労働政策が同一だ、違わないということは肯けない。まあ時間もございませんので、この程度にお伺いして御所見を伺いたいと思います。
#47
○國務大臣(増田甲子七君) 労働運動の大先輩である原委員から有益なる御質問がございまして、謹んで拜聴いたしました。私は先程門屋委員から、とかく民主自由党が一部の方面から反動と思われる傾向があるが、こういうような御質問の一節がございましたから、それに対する私の立場、私の見解を表明申上げる意味から、そのよつて來るところにこういうこともありはせんかという意味で申上げた次第でございまして、終戰後一時労働運動が非常に悪化した、そういうような原因については、これはおのずから別な原因が多々あるということは私も了承しておる次第でございます。とにかく当時の吉田総理が失言をしたというようなこと、又これを誇大に宣傳されまして、あのときにあの言葉は労働運動を趣く悪い方面へ持つて行こうという一部の極左分子を指したに過ぎない言葉として使つたものであるというふうに我々は承知しておりまするが、これは全労働大衆に対する侮蔑的言辞であるというように非常に詭弁的に悪用されまして、これは非常に私は損をしておると思つております。この点は原さんも御同感下さるであろうと私は思つております。全労働運動が悪化したというような原因は勿論各種の総合的の原因があり、よつて來るところは遠く深く且つ多々ある、こう思つている次第であります。
 それから組合の政治的中立性について私が申上げた点について御意見があつたようでありますが、私はやはり労働組合法の精神に照して見まして、労働組合は経済團体でございます。労働條件の維持改善ということを目的とした團体でございまして、政治目的のために存在した團体ではございません。政治團体ではございませんが勿論政治運動はできる、これはできますが、やはり政治的中立性というものが尊重さるべきものだというふうに私は考えております。禁止する趣旨でも何でもございません。而してこれはむしろ共産党の諸君なんかが力を入れていることでございまするが、我々もその点は同感でありまするが、労働組合を形成している各個人即ち労働組合の各個の組合員というものは、政党支持自由の原則というものが基本的人権として尊重されなければならぬ、こういうふうに考えております。或る労働組合においてその労働組合員が共産党を支持しようと民主党を支持しようと社会党を支持しようと政党支持自由の原則というものは、労働組合各個の基本人権の一つとして尊重さるべきものであると私は考えるのであります。
 それから一般労働政策の御質問に対しましては概ね同感でありまして、私は別に原さんに対しましてこちらでは異つた見解はございませんから、余り申上げることはございませんが、ただ給與の関係をこの際出さなかつたことは、これは吉田内閣の一つの性格を示すものであるというようなことにつきましては、私ちよつと申上げたいと存じます。御説の通り公務員に関する制度が確立されたならば、これに伴う物質的な給與條件その他勤労條件の改善が必ず予算措置として提案さるべきものであるという点は全然同感であります。そこでこの議論を実は遡及さして行きますと、あのポツダム政令によつてもう労働協約も無効になつてしまい、况んや爭議権も無効になつたのですから、七月三十日に若し予算ができれば、あのときに処置をなすべきものである。少くとも八月九月ぐらいには私は処置さるべきである。私は國家公務員法が改正されましたけれども、この公務員法改正以上にポツダム政令はあれ以上に公務員たる勤労大衆から見ますと、困つたものがあるというふうに思われる点がなきにしも非ずでございまして、今回は取敢えずマツカーサー書簡を尊重する意味におきまして、ああいう政令が出ておりますが、今度はマツカーサー書簡をいよいよ精神的に本当にこれを遵行する、これに則つて生かすという意味合いにおきまして関係筋の御指導を受けつつ公務員法の改正案が提案された次第でございまして、私は予算処置が若しできるならば、ポツダム政令ができたときに出すべきものである、こういうふうに考えております。ところができなかつたというのは、やはり原さんも御承知の通り財政的措置というものは、これはなかなか時間のかかるものであり関係筋との交渉もございまして、直ぐはできにくいのでございます。我々も公務員法が第一次に改正されましたときは、改正案というものは九月の半ば頃でございますから、お互い國会議員の書類箱に入つておつたのであります。芦田内閣のまだ活動していらつしやつた頃、九月の半ば頃にすでに印刷物として法案が國会議員の書類箱に入つておつたのであります。そのときどきら以来からは、実はもう芦田内閣はこうした財政的措置は心配して下すつておると思つておつたのでありますが、ところが段段ああいうふうになつてできなかつた。而して我々が内閣を組織してからもまだできないというのは、原さんが重々お叱りになることは御尤もでございますが我々はお叱りだけは十分受けます。受けますけれども、これが一つの我が党の持つておる労働政策の性格を示すものであるというふうにお考えになることだけは、すでに七月三十日から前内閣が予算処置をしたかつたにも拘わらずできなかつたという点を当時の與党としてお味合い下すつたならば御了解できる、こう存じておる次第でございます。
#48
○原虎一君 時間もありませんから簡單にいたしたいと思いまするが、先の労働組合が政治に中立でなければならぬ。これは私は非常な問題だと思う。と申しますのは、労働省が労働者の教育をいたします。今大臣のお話の労働組合員個人と労働組合とがはつきりした関連の上で御説明がされなかつたように思います。労働組合それ自体が政党支持には自由でなければならん。その建前で、若し今の労働省が労働者教育をするとならば、これは非常に私は弊害を來す。労働組合自体は政党を支持しないということを決めることもできる権限を持つておりますれば、支持する権限も当然持つております。これは説明を要するまでもないのであります。イギリスの労働組合はイギリスの労働組合総評議会が非常に支持しておることは事実であります。今のようなお説で行きますというと、労働組合員が政党支持をしてはならんのだというふうに解釈できるのであります。これは私の聞き間違いならばと思いますまれども、労働組合の個人がどの政党にあろうが、それを拘束してはならん、これをどの政党になれということを強制してはならんということならばよく分りまするが、労働組合が政党支持は自由ではないか、中立性を失つては勿論なりませんけれども、逆に申しますれば労働組合が政党からの從属物になつたり、或いは政党の道具に使われることはいかんということなら理解はできますけれども、逆に労働組合員個人が政党加入の自由の権利があるということと、労働組合それ自体が政治活動をおのおの選ぶ、如何なる政治活動を選ぶかということを選定する、これは分けてお考えを願いたい、こう思うのであります。
 それから第二の予算の措置の問題でございます。予算の編成が非常に困難であるということは分りまするが、少くとも私の申しますのは、増田大臣が労働者の労働大臣として労働政策を考えるのと、吉田総理が総裁であり総理として今度の議会に臨まれたということは非常な差があるということは、如何に御説明になつても私は多数の人が了解できるのではないか、そこに労働大臣の大なる私は今後の努力を希望し期待いたしまして、私の質問を打切りたいと思います。
#49
○國務大臣(増田甲子七君) もう余りお答えもしないでよろしいようでございまするが、一言お答え申上げます。原さんの御質問のうち、私も先程はつきりと分けて申したわけでございまして、労働組合及び労働組合員と、こう分けております。労働組合としては私はやはり政治的中立性というものは望ましい、こう思つております。というのは政治的活動を禁止するというわけでは絶対ございません。併しながら労働組合法第二條には、主として政治運動を目的とするものはこれは労働組合ではないということになつて労働組合としての存続を禁止されることにもなるのでございまして、要するにあの労働組合はあれは何党を絶対支持するのだというようなことは社会的常識的に言えると思います。併しながら法律的と言いまするか、この労働組合法の関係においては余り言われんじやないか、というのは、お説の通り労働組合は政治的活動をしたつてよろしい、主として政治活動さえしなければ、從としての政治活動ならよろしいのであります。ただこれが望ましい、望ましくない、こういう点についての若し御質問がございましたならば、私は組合としては政治的中立性が望ましい、こう考えるわけであります。勿論從として政治運動をすることは差支ありませんし、それから組合を形成しておるところの各個人々々、即ち組合員個人々々は、或いは組合員といつてもよいのですが、組合員それ自身は政党支持自由の原則というものは基本的権利として與えられなければならん。でございますからそういうことになりますというと、組合の幹部が或る政党をこの労働組合を支持するのだから支持して行けという指令も無理であるということは、GHQの御指示もあるわけでありまして、又御指示がなくても、これはものの道理上当然でございます。でございますから、從つてこの労働組合は何党の支持だということにも結局ならんということになるのでございます。又組合員は政党支持自由の原則が飽くまで尊重されなくては基本人権の問題に触れますから、結局法律関係、政治関係から申しますというと、労働組合というものは、結果的には結局社会的、常識的にはあの労働組合は何政党を支持するということになりましても、何といいますか、政治的、或いは法律論的には、結局組合員自身がどの政党を支持することは自由ということになると、その組合員が集まつたその労働組合であるますから、組合としてはやはり、今申したようなことになり、やはり政治活動としては法律的に申せば從の政治的活動、こういうことに限局されると思います。
 それから労働政策につきましては、お説御尤もでありまして、私は任を労働大臣を受けましたからには、又民主自由党といたしましては労働行政はウエイト・ポイントにいたしております。この方面におきましてはむしろ民主自由党の労働政策は非常に文化的であつて、進歩的であり、積極的な労働政策であつたというふうにあるために、極力閣僚なり、総理の協力を得て、或いはこれを補佐して参りたい。お説はよく承つて置きます。
#50
○原虎一君 甚だ時間も迫つておりますが、労働組合と政党との関連については、非常にこれは私は問題が労働大臣のお考えと見解を異にします。同時に、もう一つ私は檢討願いたいと希望いたしますことは、労働組合法が主として経済問題、政治活動をしてはならんということは分つておる。併しながらそういう法律があるために政治的に中立でなければならんという私は説を持つて大臣が、今後労働者教育に当られるということは、これは非常な由々しい問題である。政治的活動という範囲は何を以て規定するか、政党を支持する、何々政党を支持するということも政治活動である、それから勤労所得税撤廃のデモストレーシヨンをやる、あれは政治活動だ、かくのごとき労働者に不利益なる法律を作るのには反対だという署名運動をやる、それも政治活動である。今後日本の労働組合運動が政治活動を軽視して労働者の権利を擁護することは不可能であります。そうして又どの政党を支持するということも、政党支持の自由の立場に権利を持つところの組合員の個人の結成する労働組合でありまするけれども、その労働組合員が自己の政治要求を達成するために何々政党によつてやろうということを多数によつて決定するならば、これは当然その組合はその政党支持の活動のためにやることも、これは自由なんである。こういう点から考えて見ますれば、労働組合法に規定されておるから政治的中立でなければならんという御議論は私は誤まりじやないか、本日ここで大臣と討論をして決定しようと私は考えませんが、今後の尚檢討を続けて行きたいと考えております。
#51
○國務大臣(増田甲子七君) 原さんにお答え申上げますが、私は政治活動をしてはならんということは絶対言つておりません。政治活動は從たる意味において活動するということは、これは労働組合の目的を達成するために必要ります。
#52
○委員長(山田節男君) 御質問まだあると思いまするが、すでに予定の時間を過ぎておりまするので、本日の委員会はこれを以て散会いたしたいと存じます。
   午後一時三十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山田 節男君
   理事
           一松 政二君
           平野善治郎君
           早川 愼一君
   委員
           原  虎一君
           田口政五郎君
           門屋 盛一君
           田村 文吉君
           波田野林一君
           水橋 藤作君
  國務大臣
   労 働 大 臣 増田甲子七君
  政府委員
   労働政務次官  竹下 豐次君
   労働事務官
   (職業安定局
   長)      齋藤 邦吉君
   運輸事務官
   (鉄道総局職員
   局長)     牛島 辰彌君
ソース: 国立国会図書館
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