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1948/11/16 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 農林委員会 第3号
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1948/11/16 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 農林委員会 第3号

#1
第003回国会 農林委員会 第3号
昭和二十三年十一月十六日(火曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○畜産に関する農業協同組合又は農業
 協同組合連合会が馬匹組合又は都道
 府縣から財産の移轉を受ける場合に
 おける課税の特例に関する法律案
 (内閣提出)
○家畜市場法を廃止する法律案(内閣
 提出)
○米の再生産保障に関する特別措置の
 実行状況に関する件
  ―――――――――――――
   午後一時三十分開会
#2
○委員長(楠見義男君) それでは只今から開会いたします。本日は最初に本委員会に本付託になつております「家畜市場法を廃止する法律案」及び「畜産に関する農業協同組合又は農業協同組合連合会が馬匹組合又は都道府縣から財産の移轉を受ける場合における課税の特例に関する法律案」この二つの法律案を議題にいたしまして、農林大臣から提案の理由を伺うことにいたします。それが済みましたらかねて公報を以て御通知申上げておりますように、先般米價決定の際に將來の再生産保障のために必要な措置として附帶條件として閣議で決定を見ました事項につきまして、経済安定本部並びに農林省等からその後の経過などを伺うことにいたします。
 では最初に農林大臣から提案理由の説明をお願いいたします。
#3
○國務大臣(周東英雄君) それでは只今提案になつておりまする、二つの法案について提案理由を御説明申上げます。
 先ず最初に家畜市場法を廃止する法律案の提案理由を御説明いたします。
 家畜市場法は明治四十三年家畜取引の公正を図る目的で、家畜市場開設の許可制度を骨子とし、その他市場取引の方法及び市場施設等に対する公益的見地からする取締及び監督に関する規定を内容として制定されたものでありまするが、爾來約四十年を経過いたしました今日におきましては、市場開設に関する許可制度や、農業協同組合市場開設に関する特典を存続させることは、私的独占禁止の趣旨に鑑みまして妥当を欠く点もあり、且つ家畜の市場取引の実際につきましても、同法制定の趣旨の徹底によりましてすでに取引の当事者が公正な自由競争によつて自主的に取引に当るべき時期に至つたと考えられまするし、その他の公益上の取締を必要とする事項につきましても、例えば衞生に関する事項は家畜傳染病予防法の運用によりまして処置することもできまするし、その他の一般的取締事項に関しましては、現行法を以て画一的に規定することはむしろ地方の実情に適しないと認められまするので、家畜市場法はこれを廃止いたすことにいたしたのであります。何とぞ愼重御審議の上速かに可決せられんことをお願いいたす次第であります。
 次に「畜産に関する農業協同組合又は農業協同組合連合会が馬匹組合又は都道府縣から財産の移轉を受ける場合における課税の特例に関する法律」案について御説明いたしますが、畜産に関する農業協同組合又は農業協同組合連合会が競馬法第三十七條第三項の規定に基きまして、旧馬匹組合連合会又道府縣から買受ける場合と、馬匹組合の整理に関する法律第四條に、畜産の讓渡しを受ける場合におきまして、これらの財産の移轉に対しまして地方税を免除すると共に、買受資産の登記を受けまする場合におきまして、登録税の課程標準の價格を帳簿價格とするという特例を認め、畜産に関する農業協同組合又は農業協同組合連合会の財産的基礎を確立いたし、それらの健全な発達に資しようとするつもりでございます。何とぞ愼重に御審議の上速かに可決せられんことをお願いする次第であります。
#4
○委員長(楠見義男君) それでは畜産に関しまする本日の二つの法案並びに昨日御審議を煩しました馬匹去勢法廃止に関する法律案、この三つの法律案につきましては、木曜日午後一時から開きまする農林委員会において愼重に御審議を願うことにいたしまして、次に農業再生産保障の問題に関連いたしまして質疑をいたしたいと思いますが、只今農林省から農林大臣、それから経済安定本部から中川政務次官、東畑生活物資局長がお見えになつております。後程食糧管理局長官も見えるそうであります。この問題につきましては、かねて申上げましたように、先月の二月に本年度の米の生産者價格が閣議で決定を見ました際に、農林省から附帯條件として、以下三つの項目が持出されておるのでありまして、朗読いたしますと、その一として「パリテイ方式は了承するが生産用品、生活用品など農家の必需品の最低必要量はマル公で配給できるようそれらの生産と配給に万全を盡すこと」二は「米價問題は農家の税負担と密接な関係があるので農家所得税課税の標準、方法などについては、経済閣僚懇談会に諮り決定することとにし、農家の再生産に支障を來すような課税を避けること」三は「米價は全國一律に決定することは止むを得ないが、例えば北海道で行われる温床苗代のような生産費が特に高くなる特殊地帯には生産費を低減するような別途施設を講ずること」以上の條件がついておるのでありまして、生産者價格の問題につきましては、いろいろ論議も交わされ、又意見の存する所でありまするが、要するに問題は、今後の農業再生産が確保できるかどうかという点に問題の焦点があるようでありまして、只今朗読いたしました三つの報告は、我々といたしましても、かねて再生産保障の問題上として特に重要視いたしておりました事柄の中の一部でございますが、これらのことは我々としても、特に重大な関心を持ち、又その実現を期待しておる所でありますので、この閣議決定を見ました、その後の政府の措置の状況等も一應伺いまして、同時にその問題を中心にして質疑をし、又意見の交換をいたしたいと思いますので、さように御了承願いたいと思います。
#5
○政府委員(中川以良君) 只今お尋ねございました産米及び甘藷の供出に対しまするリンク制の物資の今後の運用でございまするが、これに関しましては、昨年は御承知のごとく甚だ不手際の部面がございまして、いろいろ非難等もございまして、実際農家の熱意に副い得なかつた点が多々ございました点は誠に遺憾と存じます次第でございまして、本年はこれらの経過に鑑みまして一層これを改善いたしまして、適切なる処置を講じまして、農家の真の努力に対しまして政府が熱意を以て感謝り意を表することにいたしたいと考えて、只今いろいろとこれに関しまして努力をいたしておりますような次第であります。これに関しましては去る十月十二日に閣議決定によりまして、リンク制実施要領というものを決定いたしまして、これに基いて実施をいたすことに相成つております。特に本年度といたしましては、リンク制物資の種類につきましても、昨年のようなラジオであるとか、或いは化粧品であるとかいうような不適品はこれを除きまして、実際農家の実用に供するものを供給をするということを考えております次第でありまして、殊に綿製品につきましては、昨年はこの繊維製品が、スフ、人絹等の作業衣がございまして、農家に非常なる迷惑を掛けておりますので、本年はのスフ、人絹は全部止めることにいたしまして、綿製品を而も原反で以て配給するという処置をとることにいたしております。而も時期につきましては、大体繊維製品、或いは自轉車のタイヤ、チューブ等は十二月末日までに中央部の発送を終えるということを目標といたしまして、その他の物につきましては十一月末にはそれを終えるということに努力を進めております、尚本年は進駐軍の厚意によりまして進駐軍の放出物資が沢山出て参りまして、これは煙草、マツチ、その他下着類、靴等でございまするが、これらは超過供出並びに早場米に対しましてこれを充当いたしまることに相成つております。尚この配給の迅速を期しまするために、去る十一月十三日附を以ちまして経済安定本部副長官、並びに農林次官、商工次官の連名を以ちました、各都道府縣知事宛に次官通牒を発しまして、昭和二十三年度産米、甘藷供出用リンク物資の配給促進に関する件という強い通牒を出しまして、これは関係方面からの切なる御注意等もございまして、各都道府縣におきまして、これが活用に対しまして誤りなからんことを指摘し、督励をいたしたような次第であります。尚從来はこれらの物資が産業復興公團を経由いたしまして配給をしておつたのでありますが、本年からは産業復興公團を経由しないことにいたしまして、末端配給を迅速に確実にするようにいたしております。ただ末端配給の面は繊維製品等は大体予約制度に相成つておりますので、これらいろいろ不便な点はこの際にいろいろ檢討されましてこの配給制度も改正いたしまする意向であるのであります。尚詳細の点につきましては、本日生活物資局長が参つておりますので局長より補足的に説明を申上げるわけであります。要するに本年度は実状に即應すべく一層の努力をいたしております次第であります。御了承頂きたいと存じます。
#6
○説明員(東畑四郎君) 只今政務次官から概略申上げました通りでありまして、お手許にお配りいたしました資料について御覧願いたいと思います。お手許の資料の昭和二十三年産米及び甘藷の供出に対するリンク制実施要領、この中にリンク物資、主として綿製品、ゴム製品、生活用品、それからアメリカ軍の余剰放出物資の総量をここに掲げてございます。先程申されましたように、本年は繊維品は主として綿織物、これは輸出滞貨のものを放出許可を願いましてこれを配るのであります。昨年は絹、人絹、昨年はそれらを作業衣等に織りまして配つたために非常に評判が惡かつたので本年はその点を國会の御要望等もありまして、全部原反配給ということにいたしました。中には染色加工をする。要するに混織をいたしまして、配るという方式に切換えたのであります。その数量は一番最後から三枚目の表がございますが、これは去年との比較をして分り易い表にしておきましたから御覧を願いたいと思います。昭和二十二年度、二十三年度産米及び甘藷供出に対するリンク物資比較表というのがございますが、その初めの欄に織物という欄がございまして綿織物、昨年は綿織物は三百八万五千九百十九反、その他に作業衣、絹及び人絹と、こうあつたのでありますが、これを切換えまして綿織物だけにする、その量を九百二十五万一千反ということにいたしました次第であります。これを大体供出農家で平均いたしますと、一戸当り約二反平均参る、こういう数量になるわけであります。その他作業手袋、ゴム製品であります地下足袋、ゴム靴、自轉車タイヤ、チユーヴ、リヤカータイヤ、チユーヴ等は各々その項に書いてあります数量が参るわけでありますが、ゴム製品等はいまだゴムの入荷その他が潤沢でございませんので、農民の要望通り参るというわけにはなかなか参りませんが、地下足袋等におきましては、昨年よりは余程努力をいたしておるつもりでございます。例えば本年は二戸当り約一足程度のものが参るということになつております。それから薪炭加工炭、飼料、その点は去年と大体同じでありまして、殊に米單作地帯の農家の再生産を保障するという意味を兼ねましてリンク物資として配当するということに相成つております。自轉車からリヤカー、ゴム草履、ラヂオ、化粧クリーム、鍋及び釜、香油、塩、サツカリンというふうないろいろな雑品を掻き集めまして配つたのでありますが、こういう消費資材物資というものは農民が歓迎しないところでありますので、本年は全部これをリンク物資から落した次第であります。その他この表にはございませんが、生産資材である肥料等につきましては、本年は議会の御要望もございましてリンク物資から止めまして一般の肥料の配給をいたしておる次第であります。それからそのあとの米軍放出物資、これはいろいろな種類がございますが、去年は殆んどこういう物は出なかつたのでありますが、今年はこういういろいろな物資を米軍の余剰物資の放出がございましたので、これを超過供出農家及び早期供出の米作農家に点数制を以ちまして配るということにいたしております。大体平均で行きますと織物類にして約七〇・七反ということになりますから、前の綿織物の二反と合せまして、大体リンク物資としては二・七反の綿類その他の織物がある、こういうふうに御了承願いたいと思います。
 それからもう一つ、先程政務次官の申されましたリンク物資の配給の点でありますが、本年は軍の放出物資及び輸出滞荷の綿織物でありますので、取扱いが比較的簡單であるために産業復興公團というものを使はないで、直接貿易公團から卸賣業者に現物を流す。それで染色加工するのは卸の方で委託染色いたしますので、卸賣業者から共同荷受機関に参りまして、それから小賣業者に流れて行く、こういう段取にいたしたのであります。それらの商業的な金融及び染色加工の金融につきましては、日銀斡旋の金融措置によりまして、現物が動いておる次第であります。一番末端におきます配給でございますが、この点は規則上は実に予約購入ということになつております。要するに購入券を提示して買う。購入券を提示しまして、その購入券によつて小賣業者がリンク物資の割当を貰う。こういうことになつておりますが、現実はそういう規則がありますに拘わらず発券数は各々がばらばらに去年はやつておつたのであります。上から天下り的にやつておつたり、いろいろな方式があるのであります。ところが予約制度を厳密にやりますと、非常にリンク物資の購入券の発給が遅れまして、購入券を発給して、それを小賣業者に持つて行つて、始めて現物が來るというので非常に遅れるというので、本年はその点につきまして、もう少し制度を合理化して現在の衣料規則を改正いたしたいというので、今関係官廳で相談をいたしておる点でありますが、その事前に先程政務次官が申しましたように、実は本月十三日に通牒を出しまして、一番最後の資料にございますが、相当きつい通牒が出ております。その要点を申上げますと、從來は供出が一つの縣が完了しませんと、なかなか購入券というものを出さなかつたのを、ある村の一農家で供出を完了すれば直ぐ購入券を渡すということにいたす。それからここもう一、二週間で供出が完了するということが分つておつても、まだ手続上政府の買入が済んでいない。併し農民は完全に供出することが分つておるという場合には、リンク物資購入券を出してもよろしいということをはつきりと通牒したのであります。それからどんどんと供出農家から渡して貰う。リンク物資を渡してしまうというようなきつい通牒を出しまして迅速に行くように措置いたしておるのであります。現実にその程度進行しておるかと申しますと、大体政務次官の申されましたように綿製品につきましては超過供出分は除いて、一般の農家に渡す分は中央では少くとも一番遅くても十一月末までに完全に出荷が完了する。
 ゴム製口につきましては十一月末には全部出荷が完了する。こういう段取になつております。十月末の資料よりまだございませんが、それで見ましても、例えばゴム靴のごときはすでに千四百七十二対が農家に末端まで届いておるこういう数字が出ております。
 それから自轉車のタイヤのごときは農家の手許に三千七百対だけは届いておる。こういうような数字になつておりまして、昨年に比べまして余程配給の方はうまく行つております。
 それから繊維製品のごときは原反配給でございますからこれは確実に出荷だけは十二月分末に参るだろうと考えております。
 問題は末端における購入券と現物との引替が、如何にうまく行くかということについては、今後大いに努力いたさなければならんと考えておる次第であります。リンク物資の点につきましては、大体この程度の説明で終りたいと存じます。
#7
○委員長(楠見義男君) 只今の御説明に対する御質疑をお願いする前に、農林大臣は間もなく閣議が始まるそうでありますから、大臣に対して御質問のある方は先に願います。
#8
○山崎恒君 では私から大臣に御質問申上げますが、去る八日の委員会の折に、私は農業災害補償法によるところの消費者價格への災害補償金の織込み、これをオミツトしてあつたというような点について御質問申上げたのでありますが、当時大臣は特別会計から繰入金をいたしたい、又その一部を一般会計から繰入れるような方針を進められるというような御答弁を承つたのでありますが、今会期も余すところ日にちもないのでありますし、又勿論法律上の手続といたしましては、すでに法規に謳つてあるものをオミツトして價格が立ててありますから、これは法理的に違反行爲だというようなことにも思われるのでありますが、この問題につきましては大臣が誠意を以て特別会計なり、一般会計なりから支出するというようなことになりますれば、勿論二十三年度産米にもこれを消費者價格に織込まないというような処置をせんければならんと、こう思うのでありますが、特にその後の事情等につきまして、大臣に一つはつきりした方針をお伺いいたしたい、かように思うのであります。
#9
○國務大臣(周東英雄君) お答えいたします。お話のように農業災害補償法の規定によりまして、農作物共済掛金の一部は、消費者に負担させるということになつておりますので、そういう方向に向つていろいろ私共努力いたしたのでありますが、いろいろの事情で本年も又昨年同樣に、これを一般会計から負担することになつたわけであります。つきましては当分二十二年度の場合と同じように、それらの必要な経費は、これを一般会計で負担するような法的措置を講ずることになつております。將來の問題といたしましては、是非こういう問題につきましては法律に定めてあるように、異常災害の掛金等につきましては、これを一般会計で負担するとしても、通常災害における共済掛金は、法の決めておるようにこれを消費者に負担せしめることが至当である。これはその方に向つて努力いたしたい、かように考えております。
#10
○山崎恒君 続きまして大臣に特に私がお願い申上げて、確乎たる方針を立てて頂きたいと思うのは、さような点から申しますれば本年度産米は、別の方式によつて本年度の災害補償の一部の負担は、政府の経費からこれを充当して頂くということに相成るのでありますが、全國に一万五千の從業員がおるのでありますが、これは勿論、法律にも第十三條かに謳つてあると思いますが、この職員に対しての一部の助成をするということが謳つてありますので、これはベースが変りますので、今度の臨時予算に繰入れるか何かいたしまして、やはりこのベースに順應するだけの支出を是非ともお願いいたしたいと、この点を重ねてお願い申上げます。
#11
○國務大臣(周東英雄君) 共済保險組合の事務費の負担でありまするが、これにつきましてもお話の通り從來の予算は比較的少いのであります。殊に今の人件費の補助等におきましては、その基準が低いときに決められたのであります。お話のように増加した基準に從つて只今予算を増加するように努力をいたしております。
#12
○板野勝次君 農林大臣に二、三の質問をしたいのですが、今のこのリンク物資にいたしましても、都市の工産品との價格の均衡が現状ではとれていないと思うのです。その点からしますと、折角リンク物資をいろいろ計画をしましても農家に買えない現象が起りはしかいか。この点が一つと、第二番目には、このパリテイ方式はどうしてもパリテイ品目の中のウエートの立て方で、どのようにでも計算されて来るために、適切なる生産費の補償がなされないのではないかと思います。都市の工産品の場合はこういうパリテイ計算の方式によらないのですが、何故にこの農産物の價格だけをこのような方法を採るのか。この計算方式の差と、同時にパリテイ方式を止めて、生産費を償う米價の新らしい計算方式を立てる意思があるかどうかという点と、第三番目には事前割当の問題ですが、地方へ廻つて見ますると、事前割当をする場合に、例えば部落会等を開いてよく末端で相談されなければならないのに、それがなされていないように思うのですが、そういう場合に上から押付けて、異議申立の期間も極めて少いのに、民主的に相談をなされずに事前割当がなされた場合に、どういうふうに処置されるかということと、それから第四番目には、現在匿名供出というものがなされておりまするが、從來のこの割当の内容においても極めて不公平な中に、匿名供出でずつとやつて行くということは、將來民主的な割当を決定する上に障害を來たすのではないかと思うのです。それに対する匿名供出に対する農林大臣の見解、並びにこの米の自由販賣の問題については紙上で明らかにされておるようでありますが、若し自由販賣を実施するとすればどういうふうな構想で米の自由販賣をなされるのかどうか、以上の点についてお伺いいたします。
#13
○國務大臣(周東英雄君) お答えいたしますが、第一の点であります農産物價と工産品物價との鋏状差という問題でありますが、お話のようにリンク物資を認めましても、工産物價の方が高いために、農家が買入れにくいのではないかという点につきましては全く私は同感であります。私は將來の農村に対する政策として、農家が農業用必需物資とその他生活物資を量において余計に多く、價格において適正に得させるということが一番大きな狙いでなければならんと思うのでありますが、何と申しましてもそれにつきましては、現在の状態として必需物資の生産に必要な原料、材料、資材等が、その多くは内地に材料が少いか、或いは主として外國に依存しているものが多いようであります。まずそういう面において輸入の増加を懇請するということが一つと、もう一つはやはりそれらの生産工場における工場の合理的健全化ということが行われない限りは、どうしても價格が安くなりにくいにじやないか。稼働率以上の工場における経営方法がとられておる限りはどうしても高からざるを得ない。その点において農産物の方が常に比較的安く割安に決められて行くということの矛盾があると思うのであります。これらの点を解決することによつてできる限り均衡のとれた價格に必要品を下げるという方法と、量を増加することに努めて行かなければ只今の御質問の点は解決しないとかように考えておりまするが、そういう方向に向つてあらゆる努力をして行きたいと思います。
 それから事前割当の問題につきまして、從來どうも適正に行われていなくて、これを直すのに部落会等において十分意見を聽いてやつたらどうか。又その際に不合理な決定に対して異議の申立期間等が短かいから比較的圧迫することになるのじやないかという御質問であります。これは誠に御尤もでありまして、將來ともこの事前割当の方式をとつて供出制度を行なつて行く以上は割当の問題について十分に考慮しなければならんのでありまして、それにつきましては何と申しましても適正な地方調査が必要だと思います。その地方調査に基いてお話のように、できれば地方的な民主的な委員会でもあつてそれらの意見をも聽きつつ割当を決定することが最も民主的で適正に行われて行く所以だと私共考えますから、これらにつきましては十分將來のやり方につきまして御意見をお聽きして行きたいと、かように考えます。
 それから匿名供出の問題でありまするが、これは只今一般供出について匿名供出ということを考えてはおらんのでありまして供出の過ぎました後超過供出を求めますときには、匿名供出という一つの途を開いたのでありまして、これにつきましては常に農家の方でいろいろ心配をいたしておりますので、超過供出をいたした、その分量が次年度における割当の基礎に考えられはしないかということであります。これらの点を一つ安心させるためにも匿名供出の方法を以ちまして超過供出の協力を得ようという趣旨でありますから御了承を願います。
 それから自由販賣、供出後自由販賣の問題でありますが、これは昨日衆議院でも申しましたように、將來適当な時期と、その方法を以て十分事情を考慮してこれを実行するために研究はいたしておりますが、只今具体的な方法をお話申上げる時期に至つておりません。
 それからパリテイの問題については別に……。
#14
○説明員(長谷川清君) 米價の決め方に関しましては、今お話のありましたようなパリテイ計算でやつてあるのでありますが、パリテイ計算が採用されております考え方と申しまするものは、これは度々いろいろの機会に申上げておりますので、十分御了解を願つておると思うのでありまするか、從來やつております生産費計算でやりますると、とにかく恣意的な要素が入る虞れが多い。特に御承知のように我が國の農業が、北は北海道から南は九州まで、非常に地理的の條件が違うし、又農家の経営内容におきましても、自作、小作いろいろ違つており、又具体的に作つております物につきましても、單作地帯あり、二毛作地帯がある、二毛作地帯もいろいろその間に耕作物の種類も違つているというようなこともあるので、客観的に妥当な一つの基準農家を選ぶということはなかなか困難であるのであります。その上これも又御存じのように、農産物價格の大部分を占めておりますものは、農家の労賃を如何に見るかということになるのでありまするが、この労賃もこれ又御存じのように自給部面が非常に沢山ありまして、妥当な労賃が幾らであるかということを計算いたしますることが実際問題といたしまして非常に困難でありまして、從來の生産費計算におきましては、都市の労賃に比較して七割とか八割とかいうような一つの推定を用いまして、その労賃の計算をする、こういうことをやつておるのでありまするが、それにいたしましても、やはりそこに相当恣意的なものがあるのであります。それよりもむしろ農産物の價格はその農産物の價格によつて購入せられる物の價格との間に一つの均衡を得たものにする方が、むしろ客観的には妥当性が多いというふうに考えられまして、現在米價は或いは米價に限らず、農産物は大体においてこのパリテイ計算を中心に農産物價格を作つておる次第でございます。
#15
○委員長(楠見義男君) ちよつと申上げますが、農林大臣は先程も申上げましたように予定の席に参らなければなりませんので、明後日のこの委員会の際に御出席を願うことにいたしまして農林大臣に対する質問はその際にお願いします。
#16
○板野勝次君 今農林大臣の再質問の点と関連するのですが、主として私は今の場合に都市の工産品と農産品とのシエーレ差というものを問題にして生産費の計算の方法について質問したわけですが、都会の工産品の場合には、今農林大臣も設備の状況その他から、どうしても生産の合理的な健全化を図らなければならない、これは産業の合理化の上に立つて言われたと思うのですが、ところがそれがために、やはり都市の工産品の場合には、幾分恣意的な要素が入つておるというのが現実だと思う。何か標準的な工場を作つてやられているけれども、いろいろ陳情やいろいろな條件が入つて來て價格が非常に高くなつて來ている。物價の改訂の度毎にどんどん上つて行つている。ところが農家の労働の基準の問題には分りにくい自給部面等があつて分りにくいというので、そのためにそれを理由にしてパリテイ方式を探つている。一方では恣意的な要素が入つておることが許されるし、一方は許されんから、非常に低いものになつて來ている。この点が非常に問題だと思う。從つてその恣意的な要素が入つておるならば、それに対抗するだけの農産物の均衡をとる具体的な内容、そういうものを或る程度都会の工産品の原價計算の方式と同樣にしたらいいのじやないか。我々は何も恣意的要素を認めたいというのではなく、やはり同じような計算方式しか止むを得ないならば、農村の方だつてそうすれば均衡がとれるのじやないか。こういう点なんです。
#17
○説明員(長谷川清君) お話のように農産物につきましても原價計算と申しますか、生産費計算をやることができますれば、これは一つの理想であろうかとも考えるのでありまするが、先程申しましたように、とにもかくにも非常に千差万別な農家経済でありますので、その中から標準的な農家を選び出すというところに非常に困難が感ぜられると考えるのであります。で、先程農林大臣、現在の工産物の價格が割高に價格ができるのではないかというようなお話があつたかとお聞きしたのでありまするが、或いはその意味は、どういう意味であつたか、私には直接は何でありますが、私が考えますに、特に戰後、戰災の影響を受けました地域が都市に多かつたという関係におきまして、作業能率等の点から見まして、工産物の價格が農産物の價格に比較して、高く出るということはあり得ることであるというふうに私は考えておるのであります。それと然らば農産物の價格はどうなるかという点になりますると、パリテイ計算は、農家の必要なる物資の價格との均衡を中心に考えておりますので仮りに工産物の價格がその意味において高く出るということでありますれば、それと釣合のとれた農産物の價格が一方に形ち造られる。そういうことも考えられるのではないかというふうに考えております。直接の御答弁にはならなかつたかと思いまするが、御参考までに申上げます。
#18
○藤野繁雄君 農業の生産にはその主なる資材である肥料を適正に配給することが最も必要であると考えたのであります。
   〔委員長退席、理事石川準吉君委員長席に著く〕
 そういうふうな意味からいたしまして、取引高税の施行現則によつて見まするというと、第三條の第四号に、硫安、石灰、窒素、過燐酸石灰、硝安及びカリというようなものは取引高税を廃止するということになつておるのでありますが、現在実際然らばどういうふうになつておりますかと申しますると農家が購入しておるところの硝安に対しても塩化カリに対しても取引高税が課せられておるのであります。それは取引高税法を見てみまするというと、政府が價格調整補給金を支出してないところの肥料に対しては取引高税を課せない、こういうふうなことになつておるために、目下輸入しておるところの硝安及びカリに課税しておるというような状態であるのであります。先つきも申上げましたように一方において硝安及びカリというようなものには課税しないというようなことであつたならば、輸入肥料であるとかその他というようなことに関係なくすべてのものにこれは課税しないのが適切ではないかと思うのであります。現在右申上げましたような取引高税が課せられておるといたしましたならば、政府に速かにこれを廃止して、改めて一般の肥料と同樣にする意思があるかどうか、こういうふうなことをお尋ねしたいと思うのであります。又現政府が取引高税は一般に速かになくすというような方針を立てておられるようでありますが、取引高税全体に対しても速かにそういうふうなことをやられる考えであるかどうか。
 第二番目には、九月一日の安本訓令の第五号の一部改正によりまして、從來肥料配給業者が登録しておるところの一農家当り五十円ずつの保証金を公團が取つておつたのでありますが、それを今回十二月一日から二百円に増加するということであるのであります。一体こういうふうな保証金を農家から取るということはどういうふうな意味で保証金を取られるのであるか、取られるころの保証金の意義をお尋ねしたいと思うのであります。次には五十円のものを二百円に増加せられるのでありますが、その増加せられるところの理由はどこにあるのであるか公團は、いろいろ種類があるのでありますが、他の公團においてもこの肥料配給公團のように需要者から保証金を取つておるところの例があるかないか、若しないとしたならば何故に肥料公團のみが農家からこういうふうな保証金を取るのであるかどうか。肥料は農業生産上最も必要なものでありますから、できるだけ公平な方法で生産意欲を増すような方法で配給されなければいけないにも拘わらず、現在のような又農村の金融の行詰りの状態であるにも拘わらず、政府は一方の方においてあらゆる方法を講じ、農村の金融を円滑に図ろうとしつつあるのにも拘わらず、この際五十円のものを二百円にも増して取るということは、ますます農村の金融を行詰まらせて再生産ができないような羽目に陷らせつつあるのではなかろうか、又陥らせようとするのではなかろうか、こう考えるのであります。又そういうふうにしてとつたところの保証金に対しては、幾らの金利をつけておられるのであるが、又農村に供給しようという資金に対しては幾らの金利で貸そうと、融通しようとせられておられるのであるか、これの金利の関係についてもお尋ねしたいと思うのであります。こう考えて来てみますると、私は今回の通牒は速かに取消して、今まで五十円ずつとつておつたのも、
   〔理事石川準吉君退席、委員長着席〕
農村金融の行詰りを打開するためには、將來は全くそういうふうな保証金は取らないのだ、こういうにやるのが再生産の意欲を大にするところの元ではなかろかと思うのであります。最後にはこの訓令を取消して全く農家の保証金を取らないようにする意思ありや否や、こういうようなことをお尋ねしたいと思うのであります。
#19
○政府委員(中川以良君) 只今藤野委員の御質問につきましてお答えを申上げます。肥料の関係、特に只今御指摘の硫安、カリ等に対しまする取引高税を掛けておりまするという点は、私共も誠に遺憾なる措置であると考えております。殊に肥料の確保につきましては、農家にとつては最も重要なことでございまして、これもややともいたしますると、十分なる量は確保されないというような現初におきまして、更にこの肥料代金が農家に加重なる負担になるということは、誠に農業増産の上に対しまして、私共も堪え難きものを感じておりまする次第でございます。御承知のごとく現政府におきましては、取引高税の撤廃ということを只今鋭意考究中でございまして、ただ今日國家財政がかようなる窮乏状態にございますために、これが代り財源がない以上はなかなか実現が困難でございまするが、少くもこの肥料関係につきましては、できるだけ優先的に只今御指摘の御意思に相添うように只今懸命に研究努力をいたしておる次第でございまするので、何とぞ御了承頂きたいと思います。尚御質問の公團の点につきましては、生活物資局長よりお答えいたさせることにいたします。
#20
○説明員(東畑四郎君) 肥料の配給業者の免許料五十円を二百円に上げました安本の訓令案を撤回してはどうかという御意見に対してお答えいたします。一つこういうものができました経緯を明からさきに申上げまして、御了承願いたいと思うのでありますが、実は免許料として五十円を取りましたのは、当時肥料の配給業者というものの一つは信用というものを重点にしたという点が一点と、もう一点はやはり金融的な措置、或いは資金的な肥料公團の措置を兼ねまして、五十円を取つたのであります。この二百円に上げましたのは、九月からでございますが、当時農業協同組合の切替りがまだやつと済んだところであります。農業協同組合に対してどれ程の出資が集まるか、或はどれくらいの資金が出るかということにつきまして我々の方といたしましては、関係当局とも折衝をいたしたのでありますが、明確なあれがなかつたということと、もう一つは実は肥料の配給というものが、非常に季節的なために、十二月までは非常にいいのでありますが、一月から三月頃になりますと、春肥のストツクが相当殖えてまいります。本年の今の見通しを申上げますと、大体一月二月を合せまして二十億程度の運轉資金と申しますか、予備貯藏的な資金が大体要るではなか、これに対しまして復金の融資というものは第四・四半期につきまして実はまだ増資案というものが議会の御協賛を経なければならん未決定の問題であります。從いましてこの公團に対しましてそういう季節的な運轉資金が出るかどうかということは、実は不明確な点があるのであります。ましてここに二十億とい大きな資金をそれではどこから出すかこういう問題等がありまして、この際農業協同組合の春肥のための貯藏を一部やつて頂ければ非常にいいのでありますが、なかなか農家の方が、本当に肥料が要るときでなければ肥料を引取らないという從来の慣行があるために、肥料公團としては運轉資金に実は参つたんであります。その参つた運轉資金の一部を商人及び農業協同組合から、免許料という形で約九億程度でありますが、九億程度の金を集めまして、その九億と別途二十九億でありますから、二十億ばかり足らないのでありますが、これを中央金庫なり復金等から、何とかして仰いで先ず春肥までの間の硫安の貯藏をいたしたいと、こういう氣持からですね、こういう制度を農業協同組合に切替わる八月頃に計画をしまして、具体的に訓令として出た次第であります。その後農村の金詰りも非常にひどい状態でありますし、農業協同組合出資金というものもたかだか一戸当り百五十円程度しかないという事情が段々判明いたして参りまして、併し復金の融資が果して第四。四半期に二十億というような運轉資金的なものが、貸して貰えるかどうか。只今のところ増資案が通りませんので何とも申上げられません。中金の方はどうかと申しますと、今はまだ金融がいいのでありますが、二月、三月になつて來ますと、又ずうと苦しうなつて來ます。まして中央金庫がそれだけの協同組合に運轉資金を出して、肥料の貯藏ができるかどうかということになりますと、これ又今のところ明確ではない、そうなりますと肥料公團としましては肥料の製造業者から肥料が、どんどん出て来ても捌けない、認証手形というものがございますが、期間が二ケ月で買換ができない、こうなりますと実際としましては肥料が足らない、そうなりますと、肥料製造業者の方では又困つて來る、こういうような実は八方塞がりの傾向を考慮しまして一部は無理かもしれませんが、農家といたしますと協同組合が肥料取扱所の信用を得るという意味を兼ねて、こういう制度を考えた次第でございます。最近農林省及び農民團体の方から相当反対がございまして、安本としましても、この訓令は現実にまだ行われないで、訓令の程度で実行されておらないので、何とかしてこれを御趣旨に副つて訂正したい。こういう意図は持つておるのでありますが、ただ責任当局としましては、金融の問題をどう解決するか、現実に肥料を春肥の貯藏をしなければならないのでありますから、これをどういう措置で解決するかという問題を至急上司の方とも相談いたしまして、関係方面とも了解を付けた上で金融ができましたら速かに訂正をいたしたいと、こう考えて、実は研究中でありまして、今日これを訂正はいたしたいのでありますが金融も兼ねまして訂正をいたしたいとこういうふうに考えておりますから御了承願いたいと思います。
#21
○藤野繁雄君 別な配給公團にこういう例かあるのですか。
#22
○説明員(長谷川清君) もう一遍……外の配給公團にこういう例があるかという点でございますが、これは確かのことは分りませんが、確か飼料團が免許料を取つておつたかと思います。それから石油配給公團が一ケ月前渡しと申しますか、代金の一ケ月の前渡しを取つておるというふうに聞きました、これは不確実でございます。
#23
○岡村文四郎君 大臣が御欠席になつておるので、それ以下の方にお尋ねいたします。
 先ず一番にパリテイ計算の表を出して貰うことをお願いしておつた筈でありますが出て來ないのであります。この間貰いましたあれは、政府が出したのでないのでありまして、あれでは駄目なんであります。米の價格のパリテイ計算の表を出して貰いたいと思います。そこで今部長からいろいろお話がありましたが、パリテイ計算を出して米の價格を決める時分に、農家の自家能力が非常に個々まちまちであり、地帶別に違うために非常に困るというお話であります。それは数字的に見ますと、こういうことが出ると思います。私の言わんとするところは、物價廳でも安本でも、すべての農業に関係のいたしますことを審議しますために、先ず考え直して貰わなければいかんことがあると思いますということは、現在の農業を如何なる方法によつて一体やらせておるかという問題が一つも是正されておりません。自由経済当時に百姓をさせておつたと同樣のつもりでお取扱いになるものですから、いろいろのことが起ると思うのであります。そこで現在の百姓はソヴイエツトのコルホーズよりずつと惡いのであります。ソヴイエツトのコルホーズは農家の労働賃金を國家が負担して拂うのでありますが、今の日本の農業は、土地の所有権はあると言いますが、賣ることも買うこともどうにもならん、担保に入れようにもどうにもならん、土地を相手に公課を拂つて、肥料も全部自分が買つて、値段の方は政府が決める。百姓の方は勝手に作つて取上げられたというふうになつておりまして、これ程実にみじめな業をやつておる者は恐らくないと思います。そこでその賃金の決め方さえも決まらんというお話でありますが、私の言いますことは、それ以上大切なことは、これもパリテイ計算に入つておらんということであります。これは基準が非常に面倒で入らんそうでありますが、今の農家が最も必要な道具として使つております役馬、役牛の價格を一つも取つておらんのであります。これは昔ならば、我々が百姓をいたしておりました今から十五、六年前には、何とかして一ケ年千五百円或いは千円の收入を取りたいと思つて熱心に百姓をやる。その時分は馬を買えば七、八十円、高くて百円牛も同様の價格で買えました。その時分ならそれで結構、千円の收入でも千五百円の收入でも百円の馬がなくなればその馬を買えたのであります。今の馬は大体十五万から二十万を目標にして百姓をせなければならんと思います。その收入を目標にとして百姓をいたしておりまして、若し馬が死にますと昔のときの比例から見て全然比較になりません。若し北海道にしますと 十五万円借りますればどうにか五百町歩耕作する馬が買えるのであります。それが何年に一遍死ぬかという統計は面倒でありますが、併し統計的に出せば出ると思います。若し一頭馬が死にますともう代馬を買うことが、全然困難である、協同組合の金融も困つております。そういう面も考えますと実に遺憾千万でありますが、元へ戻つて考えまして、米が三千六百円にいたしましても、一升の米が三十六円で買えます。ところがそれにはいろいろな経費が入つて実に高いものになつて配給されております、ということは、これは当然のことでありまして、今の米は政府が買上げて、役所の経費が全部それに負担をしてそれから公團という誠に怪しからん團体が実に栄耀栄華をしてそうしてその経費も全部それに負担をしておる。あらゆる面にそういうふうになつておつて結局消費者は非常な高い米を配給されて誠に怪しからんと怒つておられるが、農家の方では安くてどうにもならんと言うのであります。これは肥料にしましても同樣であります。私は北海道で長年やつておりまして自分が一人で四年間ほど過燐酸を十四万トン、硫安を六千五百トン、一人で内地に來て一人で買つて発送した男であります。それが今はと見ますと中央の公團の方からハイヤーを七台も使つておる、これは百姓の負担になる非常に高い肥料を使つておる、今藤野さんからの御質問があつて、安本の部長のお話に補償金の問題が出ましたが、いろいろと金融の関係で方法が付かなくてそういう策を講じられたと、こういうお話でありますが、羊頭狗肉でありまして、若し部長がそういうおつもりでやつたならば商店のお手傳と同じで、そんなことを百姓がしようとしてもこんなことはできないと思います。僅か五億か十億の金でそういうことをしないで何でも政府がやつておりますから公團は政府の事業であつて我々民間の事業ではありませんが、そのためにもう少し掘下げて百姓がどういう立場に立つてどういう仕事をしているかということは一体お役所はちつとも分らない、これは分らないということは御尤ものことで、國民の百姓には分りません。併しながらそうではありませんから責めるわけには行きませんが、もう少し我々の納得の行くような施策をとつて頂きませんと、こんな数字ばかりあつて、下の不平ばかり殖えてさつぱり効果が挙がらない、いつ来ても我々の納得することが絶対ない。何と申しましてもパリテイ計算の基礎なので三千六百円の枠が決まらんと同じなんです。それで今物資部長のお話で、例えば補償金を成るべく早く止めたいという御趣旨は了解します。そんなことは止めて、それが若し代金が取れんかも知れないから、少しでも取つてやれということは別であります。そうでない、その莫大もない予算を計上する世の中で、國の方でおやりになる、私に言わせますと食糧管理局の特別会計でもそんな金は何時でもできると思う、それを下から取上げて、そうして今の藤野さんのお話のようなことをして置くということは、全く今以て盛んにやつておる昭電事件の手傳をしておるようにしか考えられません。こんなことは早速に止めて貰うことをお願い申上げます。今止めようというお話でありますが 遠からず、遠からずでなく、即時そういつたようなことは止めて貰うようにすることは、私は安本の職務であり安本の職責であると思います。若し安本がやるとすれば、これは安本でない、どうも話が卑屈でありますが、物價局の方ではパリテイ計算の表を直ぐ出して貰うということと、それにはもう少し今度は本当に百姓に副う、現在の日本の百姓に副う考えで計算をして貰うと、決してあんな三千六百円の價格は絶対に出ません。論より証拠で、一升三十六円のものが安いか高いかの問題ではない、直ぐお分りと思います。そうするとあんな價格は出ません。そこで立つたついでにお願い申上げて置きますが、安本の方でお分りならお答えを願いますが、今の肥料の配給状態では、これは内地はどうにかやれるだろうと思いますが、北海道では絶対にやれないのであります。硫安や硝安を貰つても、今年は幸いに天候に恵まれて穫れましたが、若しあれが普通に置かれるなら死ぬ苦しみであります。来年からは硫安が硝安より、できれば硫安と硝安の倍の過燐酸を貰わなければ普通の農業はできないのであります。今年は天候のためにああいう作が穫れましたことは特別であります。これが今後穫れることは期待できんわけでありますから、北海道に対して過燐酸の増配ができますかどうか、どのくらい増して頂けますか、お分りならお聞かせを願いたいと思います。それからこれは長谷川部長にもう一つお願いしておきますが、内地の方のパリテイ計算の表と、北海道のパリテイ計算の表を両方から出して、それをいろいろと研究をして、日本の米價を決めるパリテイの表として出して貰つたのです。ところがそれでも決らないが、これは、一体どういうわけか、そうすると一方的に單なる役所の方で消費者のことを考えるか、或いは机上の理屈かどつちかにおいてお決めになつたと思うが、あれはどういうわけで、あの表の通り決らなかつたかということをお尋ねいたしたいと思います。
#24
○説明員(長谷川清君) 米價決定に際しましてやりましたパリテイ計算の表は、大変遅くなつて申訳ありませんが、只今お手許に配りました筈でありますので御了承願いたいと思います。このパリテイ計算をやります項目は一つといたしまして、役馬の料金がこのパリテイ計算の中に入つておらないのは、面白くないという意外のお話でありますが、実はこの役馬は御承知のように役馬とか或いは家屋でありますとか、或いは台所道具とかいうようなものは一つの財産的な支出である。馬を買いますれば現金は支出でありますけれども、馬という資産の形において、それが残る、こういう考え方であります。從つて若しこれをパリテイ計算の中に採用いたしましようと思いまするならば、その財産の償却費が基準年次と現在と幾らぐらい上つておるかということを算定をいたしまして、パリテイ計算の中へ織込むべき筋合いのものであるのであります。現在我々が使つております農林省の農家経済調査の資料によりますると、役馬の償却費というものはその資料に出て來ないのでありまして、遺憾ながら、そういう意味合でこれを採用できなかつたのであります。ただ併しここで一つ御了解願つて置きたいと思いまする点は、パリテイ計算は生産費計算ではないのでありまして、若し生産費計算でありまするならば、生産に要しましたすべての費用を一々拾い上げまして、それを積み重ねて生産費の決定をする、こういうことが絶対必要になつて來るのであります。從つて役馬のごときこれも最も大きな支出金額でありますので、これは当然採用しなければならないのであります。併しパリテイ計算は何も生産費計算ではないのであつて、ただ農家が生産に必要なる支出金が具体的に申上げますると、飲食費のごとき家計費、或いは肥料、農機具などの経営費、こういうものが基準年次に対して何倍上つておるかということを見る一つの計算方法に過ぎないのでありますからして、從つて何もかも全部採上げなければならないという性質のものではないのでありまして、むしろ何を採ることが最もよくその騰貴率を正確に反映するかということを主眼に見るのであります。無論役馬のごとく先程も申しましたように、償却費が明らかでありますれば採用いたしましても、少しも差支ないのでありますけれども、今申上げましたように資料の関係でそれが採用できないということになれば、これを落しましても別段それで農家が役畜を使つておるということを否定しているのでは決してないのであります。むしろ逆にこの役馬の関係を落しておりますことは、結果的には本年の米價で申しますると、役馬の償却費も基準年次の百三十二倍に上つているということを逆に肯定したと申しますが、そういうことを認めておるということと同じ意味なのであります。たとえまだ外に小作料のごときもこれも入れておりません。生産費計算では当然小作料を入れなければならないのでありますけれども、御承知のように小作料は基準年次と現在におきましては非常に性質を異にしております。性質を異にしておるもの同士を比較することは意味がありませんから、このパリテイ計算の中には入れてありません。入れてありませんけれどもこれを延いて結果的に見ますると、やはり百三十二倍上つたということを意味する、またこの外に例えば土地費のごとき、或いは租税のごときものもこの計算に具体的に入つておりません。併しそれは何れも比較すべきものが正確に騰貴率を反映する資料が得られないために採らなかつたというに過ぎないのでありまして、結果的には百三十二倍なら百三十二倍上つたということを意味しているのでありますので、その点は一つ落したから怪しからんということではないのでありまして、御了承を得て置きたいと思うのであります。
 それに関連いたしまして、重ねて農業会なり、或いは関係方面から北海道のパリテイ指数域いは農業復興会議の方から一つパリテイ計算試算表というものを出しておる、併しその何れの試算表よりも今度の政府のやりました試算表は低く出ている、その理由はどこにあるのかということのお話でありますので、その点主な点だけを二、三申上げて見たいと思います。
 一つ最も大きく違います点は、やはり先程御指摘の役馬借入金のごとき、或いは大農機具のごとき財産的支出を如何にこのパリテイ計算に織込むかどうかという点であります。私達ちのまあ考え方といたしましては、先程申上げましたように、償却費の倍率が基準年次と現在とが明らかであれば、これを採用することが理論的に正しいと考えておるのでありまするが、現在農家経済調査の出ております資料、從つて北海道の資料も或いは農業復興会議の資料もそれに農家の購入金額が出ておるのであります。その購入金額を以て償却費ということに考えられましてこのパリテイ計算をやられますから、その出て來る指数は相当高いものになつて來る、これが相違の大きな一点であります。
 それから第二の大きな違いはフイツシヤーの方式というものをこのパリテイ計算では採用しておるのであります。お手許に配つてあります資料の最後の締括りの所に、算術の計算をやつておるような表がありますが、あの方式がフイツシヤーの方式でありまして、これによりまして、基準年次と現在との價格騰貴率の調整値を求めておるのであります。この考え方は基準年次と現在とのウエートが違うのでありまして、具体的な極く卑近な例を申上げますると、この鉛筆一本が基準年次に一円であつた、現在十円になつたといたしますると、一本同志で計算しますと、十倍に上つたのに間違いないのでありますが、仮に基準年次一円支拂つたというのは、二本が一円であつたのだ、現在の十円というのは一本が十円であるということになれば、二本の鉛筆の値上り倍率は二十倍であるわけでありますし、又その逆に、基準年次は一本買つて、現在は二本買つておるということで、基準年次一円支出し、現在十円支出しておるということになれば、それは逆に五倍の値上がり率にしかなつておらない。こういうことになるのであります。農家経済調査の資料は、現在のところ農家の支出金額だけがはつきりしておるのでありまして、農家の購入数量化というものが少しも明らかでないのであります。從つてその数量の調整を何らかの方法でしなければ、先程申上げましたような倍率の算定が必ずしも正確でない。これはほんの一例でありますけれども、具体的には肥料の数量だとか、或いは衣料品の数量だとかいうようなものについて、そのお手許にある資料でもお分かりになりますように、基準年次と現在とでは相当ウエートが違つておるのであります。從つて正確なる騰貴率を算定する場合に何らかそこに方式を用いざるを得ない、こういう場合に普通の用いられておりますのがフイツシヤーの理想算式でありまして、日本政府におきましても從來から消費者價格指数を統計局で算定いたしまする場合にもこの方式を用いてやつておるのであります。このパリテイ計算にも又その資料を、その方式を採用したのであります。ところがこれは非常に專門的な話になりますが、このフイツシヤー方式の中にそのラスパレスという式とパーシエーという二つの式がありまして、それを幾何平均するのでありますが、農業復興会議等の原案にはこのパーシエーの方式は不当に騰貴率を低くする要素を持つているからこれを止めてもつと外に高く出る方式を採用したらどうかという御見解で一つの新たなそこに算術方式を持つて來られまして、パーシエーの方式に置換えて一つの新たな算術方式を当嵌められてそれでまあ計算をせられました結果、最後に出て来る指数が確か十か十五ぐらい違つておることになつておるのであります。この点につきましては、非常に大きな問題でありますし、我々といたしましても、又経済復興会議の方の御意向もありましたので内閣の統計委員会等でもいろいろこの問題を研究してみたのでありますが、必ずしもこのパーシェーの方式を用いることが低く出るということを断定するということはできない、高く出る場合もありますし、或いは低く出る場合もある、併しいずれにしてもその差は問題に関する程の差ではない、併し農業復興会議の言われるように必ず低く出るというふうに限つたことでは決してないということであります。現在こういうようなウエートの調和方式を採ります方式としては、やはりフイツシヤーの方式を採る以外にはないというそれぞれ專門家の御意見でありました。我々といたしましては、その方式をまあ採つておるのであります。その点におきまして又相当の開きが出たわけであります。そういう二点が大きな違いでありまして、あとの二点はそう取立てて申す程のことはないだろうと思いますが、いずれにいたしましても我々といたしましては、一應現在の米價のパリテイ方式でやるという方針でありますので、その方針に從いまして、出來るだけ資料に忠実に、理論的に正しい方法を採つて考えたのであります。ただこうして出ました結果が北海道のごとき單作地帯、或いは特に生産費の高いような地帯に対しましては、全國一率的な米價が必ずしも妥当しないという場合もこれは想像に難くないのであります。早場米奨励金等もできるだけ増額するというようなことによりまして、少しでも早場米地帯の不利をカヴアするというようなことで考えて行きたいとこういうふうに思つておる次第でありますので御了承願いたいと思います。
#25
○説明員(東畑四郎君) 過燐酸のお話しでございますが、本年の一月から七月まで、本年の要するに春肥でありまして、過燐酸として配当いたしましたのが四十七万七千トンになつておる、そのうち朝鮮向けの輸出等がありまして、作物に具体的に割当いたしましたのが三十八万四千トンになつております。來年の見通しでありますが、これは物動が決まりませんために確実な数字は申上げにくいのでありますが、最近朝鮮向けの輸出はよろしいということを司令部の方から申しておりますために、その他増産等を考えまして、本年は五十五万トン、作物にいたしまして、昨年の三十八万四千トンに対しまして五十五万トン程度の春肥の過燐酸の割当ができる。具体的に申しますと、昨年は水稲で反当り全國平均二貫ということになつておりましたが、これが二貫五百から三貫の間の程度の配当が全國平均でできるのではないかと、こういうふうに考えております。北海道にどのくらいということは農林省の方でよく決めると思います。
#26
○門田定藏君 二、三簡單にお尋ねしたいと思います。パリテイ計算の御説明がありましたが、我々農民としてはパリテイ計算というようなむずかしいことはなんですが、大体全國的に近來農村における課税が非常に重税が掛かつて來る、これは今いろいろお話を聞きましたが、農家の農業経営に対する労賃というものを税務署がそれをお入れになつてない、我々五十年も百姓しておりますが、一反に二十人役から三十人役掛かるのであります。労賃はこの頃御存知でしようが、一日二百円、二百五十円出さないと來ない、稻の刈賃は一把五厘であつたものが六十銭も取る。二十人役から三十人役掛かるところの労賃を税務署が入れないのです。我々聞いて見ると、農民は労賃を入れていけない、小企業家だと言つておる、果して我々農民が……、私は一町作つておりますが自分の資本を投じて作り上げた收穫が労賃にならないような仕事を経営しておる者を以てこれを小資本家とみなすということは最もこれは不当である。そこでこの二十人役から三十人役掛かるところの労賃を農家の收入としてこれを入れて計算して貰わんと非常に重税が掛かつて來る。農林当局はこのことをよく考慮して頂いて税務署にこのことを交渉して、必ず税務署は農家の一反に対するところの労賃を資本の中に入れることを大藏省と是非これは農林省が連繋をとつて頂かないと、年々農民はこの重税に苦しめられて、場合によれば農業を放棄するようなところができて來る状態でありますから、このことを一つ当局として真劍に大藏省と交渉をして頂きたい、これについて如何なる御見解であるか承りたいと思います。それから甘藷の問題でありますが、本年は非常に当局の奨励その他天候にもよつて甘藷が豊作であつたのであります。東京に來て見ますと配給してあるところの甘藷が腐つておつて食糧に堪えないというような場合があります。各地方廻つて見ますと、非常に甘藷が余計余つておる。本年は恐らく甘藷の専門地帯は三分の一くらいは下手をしたら甘藷は腐敗さすじやないか、こういうように農家は心配しております。超過供出もやりますが、それでも且つ甘藷が余つておる。折角作り上げたところの甘藷を腐敗させるということは國家的に見ても個人的に見ても非常に憂慮すべな問題である、そこでこの余つた甘藷について当局はどれくらい本年の甘藷が余つておるか、こういうことの予想が付いておりますか、又この余つたところの甘藷を如何にして有効的に腐敗させんようにこれを運用して行くかということをお考えになつておりますかということを一つお尋ねしたいと思います。それから今肥料の話が出ましたが、私は本年夏から八月、十月に掛けて岡山縣、廣島縣、島根縣、山陰地帶から山陽地帯に廻つて見ました。本年の稻が非常に豊作であつたという評判であるけれども、我々はこの間も実際に見てみると余り評判ほどでない、どういうわけかというと、虫害もいろいろありますけれども、肥料の関係である、窒素肥料は先ずやや農家からの希望したほど配給されておるけれども、加里肥料のないために長い間戰爭中に土地を濫用したために有機質が洩つておるところに以て來て、窒素肥料が過ぎたのじやないか、どうも全國的に加里肥料が足らない農林省としては、農家に対して加里肥料の不足が必ずこれはどこにもこの現象はあると思いますが、これについて如何なる対策を講じておられるでしようか、又本年の稻作はまだよく分りませんけれども、我々收穫してみましたが、実際予想したときより二割以上も少いという地方が余計ある。加里肥料のことについて農林省当局のお考えはどうであるか承りたいと思います。簡單でよろしいのですが。
#27
○委員長(楠見義男君) 加里肥料は農林省という御質問でありますが、安本の方からお答えいたします。
#28
○門田定藏君 結構です。
#29
○説明員(東畑四郎君) 加里につきましては仰せの通り誠に我々といたしましても、それの欠乏ということを痛感いたしておるのでありますが、何分加里は全部輸入によるものでありまして、全輸入如何に拘わる次第であります。幸いに最近加里が入つて参りまして來年の一月までに大体五万トン余の加里肥料が確実に入荷する、こういう状況でございます。この肥料をどういうように配分するかということにつきましては、各作物皆欠乏しておりまして、実は完全に配給するべく余りに少いのでありますが、今の予定では大体水田の非常なる加里欠乏地帶というものが農林省の報告によりまして三五%程度ある。こういうことでありますから、その三五%の水田に反一貫目程度のものが春肥として直ぐ渡せるのじやないかというような状況であります。一月以後どれくらい來ますかは、今のところ申上げられないと思います。
#30
○説明員(安孫子藤吉君) 甘藷のお話がございましたが、今年の甘藷は非常に出廻り状況がよかつたのであります。これは私共の見方から申しますと、絶対量が非常によかつた。こういう関係よりもむしろ買出に行かなかつたために、供出に相当藷が乗つて來たという関係で、殺到したというふうに了解いたしております。從つて第一期は大体過ぎまして、ちよつと一段落が來ておりますが、麦の蒔付も続いておりましたが、直ぐ第二期が出て來やしないかというふうに思つております。それでこの処理の方法について、前から心配しておつたのでありますが本年は特に切干を奨励いたしておるようなわけでございます。そのために價格につきましても特別にいい値段をつけて、それで一時に生藷で出て來ますことを價格画から防止したい、こういう指導方針をとつております。それから昨今非常に殺到いたしましたので、東京でも手を挙げましたし、東北、北海道方面にも相当無理をして廻しております。又関西方面にも廻しております。尚その外アルコール工場、或いは合成酒の工場或いは澱粉工場等に対しましては、極力これを抱かせまして、これの緊急処理を図つて來ておるようなわけでございまして、尤もこの頃非常に有名になりました茨城の品種の問題が一つ絡みまして、澱粉含有量が少いためにいろいろな加工工場等におきましても、余り好まないようであります。それから消費者の立場から申しましても、いろいろこの点について不満があるのであります。從いまして、來年度の作付計画等に付きましては、この点を適当な状態に落着きますように考えて行きたい、こういう点について目下研究を進めております。
#31
○門田定藏君 この農家の資本の中に入れるということを極力当局で、現政府にも出して貰いたいと思いますが、当局で一つ御考慮願いたいと思うのでありますが、その点について御意見を伺いたいと思います。これは重大問題ですから。
#32
○委員長(楠見義男君) それは明後日……。
#33
○羽生三七君 その問題に関連して、明後日私出て來られないので、幸い政務次官が來られましたから、ちよつとお伺いして置きたいと思います。この前第二回國会のときに税金の問題で、特に超過供出分の所得税課税の免税を、この参議院農林委員会で全会一致で決定しまして、それが決定したにも拘わらずまあ何処ですか、財政金融委員会か、大藏省か知りませんが、不問に付されてしまつた。その後前内閣では農林大臣が國会閉会後の処置として、御承知のように半分だけ課税を免除するということになつたわけです。あれはでき得べくんば少くとも超過供出分については免税して貰いたい、こういう処置を是非とつて貰いたいと思うのであります。今の税金のその他の分全部ということになると問題が大きくなりますが、当面その問題だけでも一つ解決して貰いたい、こういうふうに思うわけでありますが、政務次官にお考えがあつたら承りたい思います。
#34
○門田定藏君 どうですか、政務次官に何して貰つてもいいと思いますが、これは重大問題ですから。
#35
○委員長(楠見義男君) その問題は一昨日でしたか、食糧管理局長官から課税の問題について、経過的の御報告を承つたのですが、その際には源泉課税というものがなかなかむずかしい、殆んど問題にならないようなお話を承りました。ところが今日の農林大臣の御答弁の中にもありましたが、匿名供出はやることになつた、こういうことになると、この匿名供出を認めたことと、それを課税対象としてやる場合には、どういう徴税技術が講ぜられるか、恐らく匿名供出の場合には源泉課税でない限りは、なかなかむずかしいのじやないかと思うのですが、その関係をお聞きしたいと思つておりましたが、いずれ甘藷も関連してのお尋ねですが、その問題はよく伺いたいと思つておりましたところであります。それから政務次官から経過的の問題については、まだ確定をしないから、速記を止めて一應お話をしたいということでありますから、速記を止めて伺うことにいたします。速記を止めて下さい。
   午後三時十九分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時三十八分速記開始
#36
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。
 先程の門田委員からの御質問に対しまして、大藏省の主税局忠第一課長から御答弁があります。
#37
○説明員(忠佐市君) 農業所得の計算につきましては、農家の労力費と申しますのは、これは他人を雇入れまして、その雇入れました他人に賃金を支拂いますとか、或いは賄いをいたしますとか、そういう費用は必要経費として引いております。但し農家の世帶主なり或いは家族なりが労働いたしまするその労力は、これが結局農家の所得になるわけでございまして、この点は所得税法もさような建前でできておるような次第でございます。その農家の自己勢力によりまして所得を生む、その所得の中で生計費を賄つて頂き、亘つ税金も支拂つて頂くと、かような建前になつておりますので、農家の所得計算といたしましては自己労力がどうしても所得になつたということはこれは当然のことだろうと考えております。その点は私共俸給生活者につきましては精神労働と申しますか、それの対價として收入する俸給等につきまして課税が行われるということに相成りますので、農家の自己労力を除きますと、農家の所得はないとかようなことになりますので、現在の税法の考え方がこれが適当であろうと存じておる次第でございます。
#38
○門田定藏君 只今第一課長は農家の労力が利益になるとおつしやるのですが、その農家の労力を資本の中に入れないので、その労力に対する利益は、例えば二石四斗米を穫つて、肥料を拂い、他の雇入れた労力を拂いして残つたところを、その労力に課するということになると、労賃というものはゼロになつてしもうのであつて、そこで農民は一年中働いて、一反歩に二十人役三十人役掛かるところの労力に対する報酬があつて、初めて生活して行けるのでありますもその労力対するところの報酬がない場合には農家は食つて行けない。それに対してその資本の中に労力というものを入れないということになると收入に対する、つまり收入がそれだけ減つて來まして、少くなつて、農家の生活が苦しくなつて來るということになりますから、我々の方は肥料は金肥と、その他直接雇入れたところの費用はこれは知れたものです。五月田植に一反に三人役雇うとか、四人役雇うことは知れたものでありますが、一年中農民が二十人役から三十人役掛かつたところの労賃が、労働力に対しての報酬がなかつたならば、農民は何で生活して行くかということになる。そこで我々が費やしたところの労力は二十役掛かれば二十人役、三十人役掛かつたその労賃を成る一定の労賃として資本に加入して課税して貰わんと農家の利益はないということになる、これは当局と農民との見解が大いに違つておるこれは全國的な輿論でありまして、これは私個人じやないどこに行つても学者の話を聞いても、月給取のことを今言われましたが、月給取も月に十五日なら十五日以上勤めれば一ケ月の俸給が貰える、にも拘わらず百姓は一反に二人役から三人役掛かつておるのにその労賃を入れないというのは、これは大きな私は間違いだと思います。これがそもそも農民に重税を課せられるところの原因であると思う、このことを一つ当局は十分考慮して頂いて将來の農業の発展からいつても、是非これは問題にして頂きたいと思います
#39
○説明員(忠佐市君) 重ねて申上げるようになりますが、農家の所得を計算いたしますと、どうしても自己労力が所得となつて現われるということでございまして、只今御質問になりました問題の根本は農家の負担がどうあるべきかというような観点を強くおつしやつておるものと考えられます。この点は本年はいろいろな情勢の変化に伴いまして税制改正を行いました結果、昨年度と比較いたしますと、農家の負担も本年は相当軽くなると思われる次第でございます。尚農家の負担につきましては税率の問題、それから基礎控除の問題、扶養控除の問題等々関連する問題がございまして、こういう観点から問題を採上げて頂くということに相成るのではないかと考える次第でございます。
#40
○藤野繁雄君 現在の農家に対する所得税のやり方を考えて見ますると、眞面目な農家には大なる負担を與え、不眞面目な農家には税金が軽いというようなことになる結果になつて來るのであります。今例を以て申上げて見ますというと、朝から晩まで眞面目に働いたならばどれだけ働いてでも得たるところのものは利益だと計算されるのであります。今度は一方の方において身体の工合が惡いとか、或いはその他いろいろの事情で怠けておつて他人を雇うて農業の経営をやつたらばそれだけは支出になるということであるのでありますから、自分の農業経営をやるのについて他人を雇うてやれば利益は少くなるし、自分がやつたらば利益が多くなる、眞面目にやつたらば利益は少く、不眞面目にやつたらば税金がそれだけ引かれるから安くなつて來る、こういうふうなことになるというと、将來において善良なるどころの農民をますます善良にして増産の意欲を増させようというような点に支障を來すのではなかろうかと思うのであります。それでありますから先つき門田さんからお話のように、米その他の物の生産に要したところの労力というものは支出として計算するのが適当であつて、この際所得税法を改正し、その改正の結果労働賃金というものは経費に入れて行くべきものであるということに一つ政府で決定して直ちにこれを実行して頂きたいと思うのであります。今私の調査したところによれば、総税金の八割五分までが所得税であるのであります。この八割五分の所得税が農家に過重に掛かつておるために現在においては、これも私の調査によつて見れば米の代金を全部支拂い、藷の代金を全部支拂つてでも尚且つ課せられたところの所得税に対しては追つつかないというような状況であるのでありますから、将来においてこの税制の改革をせなかつたならば、農民は如何に努力してでも生産意欲を増すというようなことは殆んど困難ではなかろうかと思うのであります。私共は外國の食糧にたよることなく、自力によつて食糧自給の方法を講じなくてはいけないのでありまするが、そのためには先つき申上げたような課税の過重であるということであれば、生産意欲がないことになるのでありますから、この際所得税法を改正し、農民が進んで増産に邁進するように政府の方で方策を講ぜられんことをお願いし、又これに対してどういうふうにお考えであるかお伺いしたいと思うのであります。
#41
○説明員(忠佐市君) 只今御質問のございました税制の改正の問題でございますが、繰返すようでございますけれども、所得税の建前といたしましては、收入があります、その收入の程度に應じて負担をする、これが所得税の建前でございまして、只今累進税率を採つておりますので、所得が多くなるに從いまして税金が雪達磨のように膨らんで行く、これが建前でございまして、さような課税方法を採つて應分負担ということを考えます限り、やはり労働によりまして取得いたしました所得、これが一應課税の対象になるということは当然でございますので、農家の自己労力と申しますのは、これは飽くまで課税の基になるというような考えでおる次第でございます。尤も他人を雇い入れました場合にはその分だけ所得が少なくなりますから税も少くする。これも只今の理論から申しまして当然であろうと考えます。その代り雇い入れられました者につきましてはその支拂われました賃金が所得になりまして、これも又所得税の課税の対象になると、かような関係に相成ります。
 尚多少問題と外れるかも知れませんが本年の課税におきましては、先程も申しましたように農家の負担は相当昨年に比較いたしまして軽減される予定でございます。供出代金の増額に対しまする税の比率と申しますのは、これは只今お話になりましたより想像以上に少なくなる、かように私考えております。正確な数字を持つておりませんので、この席で申上げることは困難でございますが、本年の供出代金に対します割合は、パーセントで申しましても、非常に少くなるというようなそういうような推定をいたしておるような次第でございます。この点も併せて申上げておきたいと思います。
#42
○池田宇右衞門君 これに関連しておりますからこの際第一課長にお尋ねいたしますが第一課長のお言葉によりますれば、今年は農家に対するところの課税が相当減額されるというようなことを申されておりますけれども、地方におけるところの税務署が各々所得税を賦課するときにおきまして、本省の方針はどういう方針をおとりになつておるか知りませんけれども、我々の聞くところによれば腰だめ式と申しますか、割当方式を取る結果、税を取るに、例えば本省は農家の軽減をするというような指令を発しても、実際に賦課するときにおきましては、その賦課する單位をやはり農家に求めるというような傾向が多いのであります。而ういたしまして、若し米價なり或いはその他の農産物價格が高騰すれば必ずそれに対してその價格を訂正した以上に賦課するから、今日農家に対するところの所得税が或いは八割五分、或いは見様によつては九割、全農産物を供出した、その供出した全部を納税に振り向けても尚足りないというのが今日の農家の実情であります。門田さんからも、何故労力費を資本として、そうして所得税の中からこれを除かないかという趣旨は御尤もでありまして、政府の考えと農家自体の考えの違うところはここにありはしないかと私は思うのであります。何故ならば、農家は自分の土地を愛して、そうして自分の土地からよりよき品物を生産し、そうして増産するところに農家の経営の眞髄があるのであります。然るに政府の今の御答弁によりますならば、使用人を使つた場合には引いてやる、若し農家の本当の、今日の農地法によりまして、或いは自作農の創設を基盤といたしまし、そうして自作して生産して、供出するという者が生産が増加すれば増加するだけ税金を余計掛けられるというような結果に相成りまして、惰農を作る以外に方法はないというのが農家の実情でありますから、この点をよく認識いたしまして、そうして生産農家、精農をしてますます増産させるには、やはり労力費を引く以外にはないということにお気付き下さらんことをお願いするのであります。尚この際申上げますべきことは地方によりまして一毛作地、二毛作地の所得税を課するに、その基準が沢山違わない、例えて言えば山間の地において麦作が、畠地が一石しか穫れないところが、二毛作田において、水田において、相当し米の收穫が二石から二石五斗を穫り、麦作において一石五斗から二石近く穫れるところの土地も、一年中一回しか穫れないところの土地もその所得税を掛けるにおいて大した違いのないような、今日所得税賦課の方法は、労役を沢山に使役いたして、そうして且つ收益のないところの農家に沢山の所得税を掛けるから、山間におけるところの傾斜地の農家は耕地を放擲したくなる。そして農業経営者は、闇取引かその他の方法によつて生活を維持して行かなければならない実情である、かような実情に追い込まれておりますところの現段階は、所得税の、税制に不備がある結果であると指摘せざるを得ないのであります。よろしく所得税法を改正しなければならない。
 第一課長の答弁には、農家に軽減するというけれども、先程までの調べによりますれば、一戸当り二万四千円が八万四千円という程度になりましたが、今日公務員法が若し制定して、俸給生活者の俸給が増加された場合に、その所得税を賦課するのは一体誰に賦課するのか、全國に五割を占めておるところの農家が大部分を負担しなければならん。果してお言葉の通り軽減するとの御意思があるならば、どの程度に農家に対するところの課税を軽減する方策であるということを明快にこの際お示し下さるならば、私共は納得できたのであります。同時に農家に対するところの所得税には、相当確信を持つて御改革下さらなかつたならば、農家といたしましては、その経営に非常に苦しむ立場に追い込まれるであろうということを御認識頂きたいと思うのであります。
#43
○説明員(忠佐市君) 只今再び税制の面においてお話がございました次第でございますが、所得税法の建前といたしますと、その人の資産、或いは労力によりまして得ました所得、これについてその大小に應じて、應分な税を納めて頂く、これが建前でございますので、農家の労力は一應所得の基準になりますことは、これは当然でありまして、各國の所得税も皆同樣でございますので、この点は議論の余地が非常に狭められるのではなかろうかと考えておる次第でございます。尚税によりまして農家の増産意欲が減退すると、かようなことは私共といたしましても毫も考えておりません。と申しますのは普通の農家の所得の状況から申しまして、所得税率は少くとも三〇%とか、三五%というような程度になつておりますわけですから、所得が殖えましても、その大部分はやはり農家の手に残ると、かような関係に相成りますので、税によりまして農家が相当働く意欲を低めるというようなことは、只今実は考えておらないような次第でございます。
 尚農家の課税の実際につきましていろいろお話がございましたが、この関係を多少述べさして頂きますれば、本年は各町村毎に田、或いは畑につきまして一反歩当りとか、或いは米一石当りの收入がどのくらいで、経費がどのくらいで、従いまして所得がどのくらいになるということを刻明に計算いたしまして、税務署が市町村役場、或いは市町村丙の農業国体、そういう公的な機関に一應お諮りをする、かような準備を進めておるような次第でございます。その田、或いは畑の一反歩当りの所得の目安につきましても、できるだけ土地柄によつて收穫が違いますとか、只今のお話がありました、一毛作二毛件の区分によつてそれぞれ所得が違いますとか、そういう情況を成るべく細かく実情を明らかにいたしまして、目安を機械的な一律的なものでなくできるだけ実情に合うようなものにいたしまして、農家の所得税の適正を期したい、かように考えておるような次第でございます。で、実はこの点につきましては、昨年衆議院の農林委員会に、ある程度の資料を差上げまして、御審議を願いましたのでございますが、本年は只今或る農家につきまして、私共の手によつて調査をいたしたものもございますので、機会がございますれば、この委員会にも御報告を申上げまして、御批判を仰ぎたいとかような心組でございますが、これは私の私見でございまして、大藏省といたしまして、この問題をどういうように探り上げるかまだ確定しておりませんですが、私共の調査と、これが税務署、財務局と共同して調査いたしたのでございますから、こういうような試みを全國に致すような準備を進めておりますので、本年の農家に対する所得税の課税といたしましては、昨年より格段の改善をいたす。かような決心を固めておるような次第でございます。
#44
○池田宇右衞門君 私の質問に対して、ただ一点課長と我々と所見を異にしておる、見解の相違であるとするならば、それは止むを得ないのでありますが、一言この際政府当局として胸に置いて頂きたいことは、何故今年の更正所得の決定に対しまして、私共の長野縣あたりの農家が率先して各税務署に一齊に押し掛けたが、恐らく全國の農家が税務署に押し掛げた原因は、決して農家の所得税賦課に対して公平適切でなかつた結果であると断言せざるを得ないのであります。同時に今日政府が相当奨励や、こうしたあらゆる物資を農家に特配し、リンクして、そうして米、麦の主食の供出をしなければならない原因はどこにあるか、いわゆる農家に対して税制が適正公平であつたならば、これ程苦しまなくてもいい、又先程私が申上げました通り相当供出して、そうして眞面目な農家が供出すればそれだけあの農家は收入があつたといつて所得税を増加されて徴税されておるのが現在でありまして、農家は正直者が馬鹿を見るというような実情に追い込まれているのであります。これに思いをいたして所得税を賦課するにおいては、十分に考慮し、今日のごとく中等学校を出て二、三年くらいで直ぐに事務官の名稱を與えまして、強制的に、課税徴收するような方法は実に惡徴税と断言せざるを得ないのでありますから、よろしく税務の当局といたしましては、この点を考慮いたしまして供出の農家に対しては、三〇%そこそこというふうなお考えでありますが、私共は決してさような低い課税を賦課されていたということを自分自らも勿論でありますが、農家全体からはさような声を聞いておりませんので、この点を十分御認識なさつて課税をしで頂くと同時に、所得税は速かに農家に対するところの労銀を、労力を資本として認めて、これを控除する方法をとられんことを希望いたしまして質問を打切ります。
#45
○岡村文四郎君 これは所得の賦課に関連いたしますが、一課長に申上げたいと思いますが、生産費の調査を基準として値段を決めるのでなく、パリテイ計算に上る物價の高騰指数を基準にして價格を決めておりますが、どちらにしても日本の原始的農業を営んでおるので、なんぼしても農産物の價格の決め方には適合いたしません。それだから……それは日本の政府が決めるのでなくて、相手方があるので、これはなかなか困難で方法がつかんと思いまするが、それにしましても騰貴率の非常に大きいものをこの資料に入れてないということです。それは例えば農具と書いて、鍬や鎌や鋤というようなものが書いてありますが、そんな花のは農具ではありませんので、これは消耗費の一部で、最近一番高くなつております馬具、それを農具に入れなければならんと思います。それから家畜のことを申上げましたが、これも考えてみればあれは八年とか十年とか分ります。そうしてこれも上げることが当然なのに、それも又上げない、ただ政府がなんとか安くしようとも考えておりますが、安くなるとも言えないような資料を拾つておりますから、こういう結果になりますから、なんぼそうして頂いても日本の原始的農業には、今のパリテイ計算による取纒めのものでは正当な價格は出ないということを十分にお考えになつて、向うのどうにか納得されるような方式を変えて、そうして今後やつて貰わなければいかんと思います。この点十分お考え置きを願いたいと思います。
 それから課税の問題でありますが、これは非常にむづかしいのでありまして、必要経費を差引いた残りに所得を賦課することになつております。これは税の建前でそうでありますが、百姓の税の立て方はそれとは全然違う意味でなくてはならん筈でありますが、所得税によらず、普通の給料生活者と同様に考えますと、村に例を引きますと、普通の生活者と……、百姓の村の負担が著しく重くなつて参ります。それは給料取でないというような建前でありまするが、労賃を計算して課税を出すようにいたします。これはやればできます。必要経費を差引くだけでありますから、全部必要経費にして差引きますと、その必要経費を受けた家族に対して課税をすればよいのでありますから、源泉課税でも結構であります。ところが現在の大蔵省のお考え、それから一般政府のお考えから考えてみますると、今後の百姓は夜を日に継いで一生懸命働いて、闇賣りを多くした者はどうにか助かつて行くという結論が出るのであります。それは非常に歎かわしいことで、そういうことではいかんのだから、何らかの方法にによつて、働く者が馬鹿を見ないように、正直者が馬鹿を見ないようにしたいと思う。我々はやつて参りましたがここいらで諦めております。そこで仕方がありませんから、夜を日に継いで働いて普通供出をしたあとは闇に流す、こういうふうにしなければ立つて行かない。若しそれがそうでないという御議論がありましたらお聞きいたしますが、現在の状態では必要経費は雇人以外に拂つたものは控除になりません。それから價格の決め方は原始的な百姓を基準にした價格の決め方で、これも方法がつかん、そうすると方法がつかんから、人より三人前働いて、朝は暗いうちから夜星を戴くまで働いて、供出に出す以外の収入を取つて、闇に流して賣つて、どうにか生活を立てて行く。これより途のないことはよく次官もお考えになつて、今後の施策に寄與して貰いますことをお願いしておきます。
#46
○藤野繁雄君 今大蔵省からのお話によるというと、今年の農家に対する所得税が非常に軽くなる見当だというお話でありますが、果して我々といたしましては然らば如何なる方法によつて軽くなすような具体案があるのであります……、その具体案をお示しを願いたいと思うのであります。それから食糧確保の問題で本月の末には農業調整委員の選挙が行われるのでありますが、現在の宣傳状況からいたしましたならば、重大なるこの委員の選挙に対して、余りにも低調じやないかと考えられるのであります。若しこの農業調整委員の選挙が完全に行われなかつたならば、将來の食糧確保に重大問題を來たすと考えられているのでありますが、政府がこの選挙に対して如何なる方法を以て趣旨の宣傳を適正なところの選挙が行われるようにしておられるか、こういうふうな点をお伺いしたいと思うのであります。又政務次官は從來農村工業に対しては、あらゆる方法を以て振興を図つておられるのでありますが、第二國会以來農村工業に対する資金その他の方面において、農林省は如何なる対策をとられたのであるか、又今後如何なる方法によつて、農村工業を振興されるお考えであるか、その点お伺いしたいのであります。
#47
○説明員(忠佐市君) 農家の負担の関係について御質問がありましたのですが、只今適確な数字を持ち合せておりませんが、昭和二十二年分の農家の課税所得の平均を大体三万円ちよつと割つておる、かように考えております。昨年の所得が三万円といたしますと、税で五千四百九十円程になると思います。これは扶養親族三人と計算しておりますが、本年は超過供出の状況がまだはつきりいたしませんので、超過供出状況はこれは一應不問という形にいたしまして、大体農家の所得が六万円前後に平均してなるのではないかと考えております。本年六万円の所得がございますと、同じく扶養親族が三人というところで、計算いたしまして、平均が八千三百二十円程に相成ります。所得が約倍に殖えておりますけれども、税は約五割増し程度で済む、かような実情でございます。それからもう一つは、税制改正で相当負担が低減されました結果、零細農家の相当の部分は、所得課税から抜けてしまうという観がございまして、この農家の戸数も昨年の課税からいたしますと、少くとも二割は越すだろうと、かような一應の推定を只今いたしております。從いまして、農家の負担全体といたしまして、相当の軽減が行われる筈であると、かように考えておる次第でございます。
#48
○政府委員(北村一男君) 只今藤野委員からお尋ねの農業調整委員の選挙につきましては、御指摘の通り、私も必ずしも普及徹底いたしておらんと考えるのでございます。この点につきましては、ポスターでありますとか、或は市町村長に、農林当局としては、その重要性を強調しまして、一段の注意を喚起するように、今手配中で、もう進行しておるものと考えますが、尚一段の注意を拂いたいと存じております。
 それから後段の農村工業の振興につきましては、これも御指摘のように、第二國会の半ばから本委員会楠見委員長も非常に御熱心で、又委員各位も非常にこれに御協力下さいまして、私自身も驥尾に附して努力いたしまして、一應資金面の解決がついたと考えておりました、ところがその後金融の末端の復金の折衝などになりまして、実際窓口の関係を当つてみますと、私等の希望するところと甚だ遠いような状態になつておることが実情でございます。この点につきましては、これは農林省内の担当分野が少しく複雑いたしておる点もございますので、今折角その調整をとりまして、これを單一化して、そうして復金に当つて資金の融通を滑らかにするように努力をいたしております。資材の面につきましても、資金の問題が解決いたしました際に、続いて資材の割当などについて適当な措置をとりたいと努力いたしておりまするから、さよう御了承を願いたいと思います。ただこの際尚お願い申上げて置きたいことは、本問題はひとり農林省溶けでございませんので、この又委員会の引続いての御協力、御鞭撻を頂かんと、なかなか私の見るところ、完全に我々の希望するような方向には進まぬと思われる節が多々ございますので、一段の御協力をお願い申上げとう存じます。
#49
○岡村文四郎君 実は私は十八日、十九日と会議に出張することになつておつて、大切なときに委員会に出られませんから、ここで政府当局にお願い申上げておきます。生産臨時確保の法律にあります裏附物資の明細な表を即時出して貰いますことをお願い申上げます。零農資金の準備がどこまでできたか、それができませんと、委員を選挙して割当されても困るのでありまして、これは安本、農林、商工もあると思いますが、各省とも即時それを出して貰います。これが完全にできておりますと、お引受もでき、我々も十分責められますが、その裏附が不十分なときには、お引受申しても駄目でありますから、その点はつきりと本会期中にその資料を十分にお示し願いますように、委員長から…。
#50
○委員長(楠見義男君) その点は実は私も政府の方に要望しようと思つておつた点でありますが、本日農林省から頂いた米決定の際の農林大臣申出事項実施状況、この参考資料を頂いたのですが、実はこの資料を見て実に失望したのですが、私委員長として農林省並びに安本にお願いをして置きたいのは丁度岡村さんからの只今の質問と同様の趣旨なんですが、この出資状況を見ますと、実は例えば肥料のごときは、本年の八月ですか、頃までのことが主として書いてあるのですが、実は本日の会議の目的は、こういう過去のことでなくして、申出事項にありますように、今後の生産確保に関して、農家の生活物資、或いは生産用品というものがどういうふうに確保されるかという点にあつたのであります。この参考資料を見ますと、その点は、例えば肥料においては今後考慮を要する点として、肥料の生産が思わしくないと予想される、或いは削減される見込であると、こう悲観的のこと、それから又最後に地下足袋、作業衣、ゴムタイヤ、チューブ等は報奨用として配給せられるものの外は、現在の生産量から極めて困難であるように思われるとこういうふうに農林省が申入れられた事項については、むしろそれが実現が非常にむずかしいようなふうの参考資料を頂いて、実は唖然としたのであります。この問題は恐らく臨時生産確保措置法で事前割当をせらるる際に、只今岡村さんから仰せになつたような裏打ち物資の計画を当然お立てになることと思うので、その資料を……。実は事前割当を、最近において行われるように新聞でも拝見しておりましたので、その資料が本日出ることと予想しおりましたところが、案に相違したこういう資料で、非常に遺憾に存ずるのであります。岡村さんの今の御質問の御要望の点、又私只今申上げました点について、早急に資料をお整え願つて、御提出願いたいと思います。農林省並びに安本の方とよく御相談願つてお願いいたします。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           門田 定藏君
          池田宇右衞門君
           柴田 政次君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           山崎  恒君
           板野 勝次君
           國井 淳一君
           岡村文四郎君
  國務大臣
   農 林 大 臣 周東 英雄君
  政府委員
   経済安定政務次
   官       中川 以良君
   農林政務次官  北村 一男君
   農林事務官
   (畜産局長)  平田左武郎君
  説明員
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   生活物資局長) 東畑 四郎君
   総理廳事務官
   (物價廳第二部
   長)      長谷川 清君
   大藏事務官
   (主税局監理第
   一課長)    忠  佐市君
   食糧管理局長官 安孫子藤吉君
ソース: 国立国会図書館
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