くにさくロゴ
1948/11/18 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 農林委員会 第4号
姉妹サイト
 
1948/11/18 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 農林委員会 第4号

#1
第003回国会 農林委員会 第4号
昭和二十三年十一月十八日(木曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○畜産に関する農業協同組合又は農業
 協同組合連合会が馬匹組合又は都道
 府縣から財産の移轉を受ける場合に
 おける課税の特例に関する法律案
 (内閣提出)
○家畜市場法を廃止する法律案(内閣
 出)
○馬匹去勢法を廃止する法律案(内閣
 送付)
○請願及び陳情の取扱いに関する件
  ―――――――――――――
   午後一時四十一分開会
#2
○委員長(楠見義男君) それではこれから委員会を開会いたします。
 本日は畜産の関係の三つの法律案を議題に致します。できますれば、本日一應の質疑を終了したいと思いますので、どうぞそういうお心組みで御進行願いたいと思います。尚最初に、前回の資料の問題につきまして、畜産局の方から補足して御説明があるそうでありますから、それを伺います。
#3
○政府委員(平田左武郎君) 前回御審議を願いましに際に、委員長並びに石川委員より、配付いたしました資料の数字のうち、畜産増殖五ケ年計画の新目標に関しまする点、並びに飼料の需給状況に関しまする数字上の御質疑があつたわけであります。それにつきましてお答え申上げます。
 第一の畜産増殖五ケ年計画の目標頭数の点でありますが一例えばこの数字につきまして、乳牛の点を御覽頂きますと、当初樹立いたしました昨年の畜産審議会の目標は二十七万六千頭になつております。それを地方のブロック会議に移しまして、その要望に應じて取纏めました数字が三十万四千頭になつております。最後に、今年安本の全体の五ケ年計画に関連いたしまして決定いたしました新目標が二十三万一千頭になつておるのであります。当初の目標数字に比して、殊に乳牛のごとく、今後増殖を必要とする家畜の頭数が減少している理由はどういうわけであるかというような御質疑であつたかと存じます。これは地方の目標が三十万四千頭に殖えたということは、それだけの要望が各地に漲つておるということを如実に現わす数字であるのでありますが、その増殖の方法として考えられました点は、乳牛につきましては、御承知のごとく北海道が主産地でありまするので、北海道の移出力に依存して各府縣より要求されたところの集計の数字であつたのであります。ところで新目標を全國的に確定いたします際には、家畜の繁殖率と、その繁殖いたしました家畜が死ぬ、斃死の率並びに屠殺率等を勘案いたしまして、総計において、どれだけ自然的に殖えて参るかという数字を勘案して決定いたさなければならないのであります。こうした家畜の繁殖能力を考慮いたしますると、例えば乳牛のごとき、北海道に、各縣からそれぞれの地方に、事情に基いて要望されるという移出頭数が、実は北海道の移出力を超過するということにつて参りましたので、それらの点を勘案いたしまして、要望はあるけれども、現状において自然的繁殖率並びに斃死、屠殺率等を勘案いたしますると、かような数字に相成るということによりまして決定されました新目標であるわけであります。さように御了承願いたいと思います。
 第二の飼料の需給の数字であります。第一の点は、昭和二十三年度の需要の数字が非常に減少しておるのは、どういうわけかという点と、今一つは、濃厚飼料の供給数量のうち、國内産のものが非常に減つておる、これはどういうわけであるかというのが第二、第三は、需要と供給との過不足を見ると、毎年相当多額の不足があるが、これはどういうわけであるかという御質疑であつたかと存じます。第一の需要の数字において本年度において非常に減少いたしておる、年々の需要数に比して著しい減少を示しておるという点は、これは本年度の飼料の需給計画は、連合軍の司令部において輸入飼料を要請いたす必要上、厳密に新らしい方法によつて査定せられましたので、その数字を採用するようになつたのであります。即ち司令部の要求資料によりまして、万國食糧委員会に提出しなければならんというようなことからいたしまして、家畜の各種別ごとに、所要濃厚飼料の量を査定されましてそのトータルといたして、而も若干の、一割、二割程度のランニング・ストックを見て、それを総計いたしましたのが、ここに掲げた数字になつておるのであります。でありまするから、これまでに畜産局の方において採用いたしましたこの基礎数字と、二十三年度の只今のような過程を経まして決定されました数字には、方法の基礎において差が生じましたので、従つて数字上減少を見たがごとき観を呈しておるのであります。
 第二の、國産飼料の問題でありますが、これは御覧になりますと、昭和十五年頃において著しき減少を見ておりますると、今一つ、最近の二十二年以降において著しく減少を見ておる段階が掲げられておるのであります。この理由は、第一の、昭和十五年頃に起りました減少の理由は、当時の大旱魃、昭和十四年の秋に発生いたしました大旱魃に対処いたしまする食糧政策の一環としまして、米の七分搗き制度が実施せられまして、従来は白米として九一・三%の搗精歩合を以ていたしたのが九四%に高められた。米の搗精歩合が引上げられました結果、それによつて生ずる米糠の量が減少いたし、又小麦粉におきましても、従来は七五%を小麦として利用し、二五%が「ふすま」等になつておつたのでありますが、それを八五%に引上げられ、飼料に廻るものが一五%しかなくなつたというような事情からいたしまして、計算上、かような減少を見たのであります。又昨年以來の減少率、これは從來は各種の食糧につまして、食糧政策に影響を及ぼさない利用率を考慮いたしまして飼料への供給数量を算定いたしたのでありましたが、新たに農家の保有量が食糧管理局の数字によつて決定せられまして、従來の方法と違つて更に多く食糧の方に廻すということになりましたので、これ亦数字上の飼料として供給せられまするものが減少することになつたのであります。計算上、掲げたのが國内産の濃厚飼料の数字であります。
 さて最後に、然らばかような過不足の状態で、家畜が如何に生きていたかということになるわけでありますが、ここに掲げました数字は、濃厚飼料の需給の飼料でありまするので、飼料全般としましては、この外に粗飼料の需給を考えなければならんわけでございますけれども、これは牧野その他の草の資源、これは家畜が最低限度の生活を維持する、生存の維持する方面は、主としてそうした粗飼料に俟つておる点が多かつたのでございます。濃厚飼料の方は、生産飼料といたしまして、乳牛でありますれば、乳を出す方面、鶏でありますれば、卵を生む方面、こういう方面に主として使われておつたのでありますが、それも昭和十二年頃までは必要量の約一五%程度は不足の状態であつたのであります。この不足料は段々と拡大いたして参つたということは、牛乳の生産量、卵の生産数量、その他家畜の能力発揮に必要な飼料が減つて來て、それだけ全能率がダルになつたというような状況を示しているような状態であります。尚二十三年度の過不足におきまして、二十二年度より減つているということは、これは前段に申上げました需要数量において、大きな狂いが新計算上生じたということに起因するものであります。
#4
○説明員(伊藤嘉彦君) 只今のお話で、すべて盡きているのでありますが、ただ一点乳牛の頭数の点で御質疑のありました点は、前回の國会に出しました資料と比較して、頭数が減つているではないかというようなお話があつたのでありますが、この前に申上げました時に、私からここに出してあります十五万九千一百八十一頭は、推定の数字であるということを申上げたのでありますが、これは間違いであります。十五万九千一百八十一頭は農林統計の数字であります。それで昭和二十二年の二月現在であります。昭和二十一年は、概数で申しますると十六万三千頭でありまして、二十一年と二十二年において、確かに乳牛は統計上減つているのであります。これは二十一年という年の生産が、二十二年の二月に反映をするわけでありまして、二十一年が、乳牛というような濃厚飼料に依存する家畜が、如何に苦しかつたかということを如実に現わしているものでありまして、やはり飼料、その外家畜を飼つて行きます上におきまする困難があつたために、こういうふうに減つて参つている。ところで二十三年の、即ち今年の最近におきまする状況はどうかと申しますると、これはブロック会議等で推定をされました数字によりますと、やや回復の兆候を見ているようでありまして、甚だこれは危かしい数字でありますけれども、二十三年度としましては、乳牛も上昇の方にやや向いつつあり、十七万ぐらいになるであろうという推定をされているのでありまして、そういう意味からいたしまして、先程局長から申されましたように、將來の目標が山を下りましたので乳牛については減少を來した、こういうことであります。それから前の飼料の問題につきましては、マイナスがかなり出ておりまする点についてのお話でありますが、手つ取り早く申しますると、昭和二十二年までの需要の数字と申しますのは、諸外國で学術的に検討されました合理的な飼養の数字であります。でありますから、畜産が相当発達しておるということを前提としまして、十分に合理的に飼料をやるというような場合において考えておりまするので、これの飼養法の仕方によりましては、或いは粗飼料を以て代替をするとか、或いは能力を落して、もう少し何と言いますか、合理的でない、畜産の最高度の発達の上から見ますると、合理的でない飼い方というものもあるわけでありますので、そういうわけで以前の需要は、そういう最高度の場合の需要を書いておつたのであります。二十三年度以降におきましては、GHQ関係の場合におきましても、それから畜産振興の計画を立てまする場合におきましても、もう少し現実に即しました数字で需要を計算しておるのであります。そういう意味で、二十三年度以降は、需要の数字が割合に大きく減少を來しておるわけであります。
#5
○委員長(楠見義男君) 三つの法案に関連して、又それ以外に畜産に関して廣く御質疑がございますれば、どうぞお願いいたします。
#6
○山崎恒君 飼料の問題を一つ取上げて御質問申上げたいのですが、飼料政策については、すでに御説明をお聽きいたしたのでありますが、最近澱粉粕の問題をめぐりまして、今非常に澱粉を製造しておる府縣におきまして澱粉粕を、その工場を有する土地に還元して貰いたいといろ要望が非常に多いのでありますが、昨年の例を見まするというと、澱粉粕は一旦統制をするという形式になつたのでありますが、國が三分の一を買上げ、三分の一は縣の自由に任せ、あとの三分の一はその町村なり、或いはその工場のある所の地元の農家に、直接還元するというような方策を取つておつたのでありますが、今年度は、これを全部一旦統制しようという計画があるように思われるのでありますが、一般供出するところの農家といたしましては、先ず芋は買上げられまするが、せめて粕だけは、これを土地に残して飼料にいたしたいというような希望が非常に多いのであります。又澱粉を製造するところの工場を有する町村におきましても、そういう見地から豚なり、牛なり、そうしたものを飼育しておるのでありますが、今年度はこれを全部買上げるというような計画があるように聞いておりまするがこれは私共は先ずその工場のある地帶の畜産業を発達せしめるためには、どうしても大部分の澱粉粕をその土地に還元して貰いたいというような気持があるのでありますが、その点について畜産局の一つ御意見を拜聽いたしたいと、こう思うのであります。
 次に、去る國会におきまして通過を見たところの農業災害補償法の関係でありまするが、現在家畜の面に限りましては任意加入の方法を取られておるのであります。それはもう災害補償法の十五條、十六條で、はつきりと謳つておるのでありますが、それについて先ず家畜を繁殖させようというような見地から、これを少くも政府が一部家畜の災害に対して助成の方法を取る意思があるかどうか。又そうした予算を取り得るかどうかというような問題と併せて、これに対して普通災害補償法と同じに、家畜を飼つておる者は全部対象的に加入するのだ、強制的に加入するというような方法を、補助の政策と睨合してやる計画はないかどうか、こうした点をお尋ねいたしたいのであります。以上二つの点について御質問いたします。
#7
○政府委員(平田左武郎君) 澱粉粕は、御説のごとく家畜飼料といたしましては非常に大切なものであり、殊に甘藷増産計画と関連いたしまして、その重要度を増加いたして参つておるのであります。従いまして我々といたしましても、できるだけそれを家畜飼料の面へ十分に向け得るような措置を講じたいということは考えておるのでございまするが、現在までのところにおきましては、これは食糧管理局の方で統制いたしまして、そうして生のものと、乾燥されたものとありまするところ、畜産局の方で飼料用に配給を受けておりまするものは、その乾燥された澱粉粕の一部を飼料用としての枠を貰つておる、こういうような状況であります。從いまして全般的統制かどうかという問題につきまして、並びにこの取扱いを如何にするかということにつきましては、一つ食糧管理局の方ともよく打合せの上お答えいたしたいと思います。
 第二の、農業災害補償法、この点につきまして、家畜の災害と米麦等の耕地の災害との関係の取扱いが違つておるではないか、こういう御質問でありました。これ又農政局の所管事項ではありまするが、私の考え方を申しますると、田畑等の耕地の收穫に及ぼしまする災害につきましては、一般の農民がその加入に対しまして、十分の理解が浸透いたしていない時代におきますると、連年災害を起しまする危険のある地域の田畑の所有者のみが加入するというようなことになりまして、保險技術上、この全体の経営というものが非常に困難になつて來る虞れがあるのであります。從いまして事務費の補助というようなことを加味いたしまして、強制的に災害補償の運営を行いませんと、この農業災害補償ということが、運営上困難になつて参るということが事実として存在いたしておるのであります。そこで家畜の方になりますると、そうした一定地域に自然の條件が或る程度差別があるというような実情とは違いまして、どの家畜にどうした事故が起るかというようなことは、全く偶然の所産でございまするので、必ずしも全家畜所有者が強制的に加入せられずとも、そこに統計上発生いたしますプロバビリティーというもの即ち保險経営上の基礎の数字において大した差異が出て参らないということが、農業の一般の耕作地に対する保険制度と、家畜の保険制度の性質上の大きな差異ではないかと思います。もともと家畜保險の農業保険とは別個の系統によつて成立いたした制度でありまするけれども、ただ保険の制度といたしまして、必ずしも両方に分離する必要もあるまいというような取扱いの面で、農業災害補償法と申しまするか、農業保險というか、統一されたような次第ではありまするけれども、性質上さような差異の存在することでございまするので、耕作農地について採用せられておる現行制度は、ただ家畜の面に及ぼすべきであるということには相成らないのではなかろうかと思うのであります。尚助成の問題につきましては、これは農業災害の保険補償の制度につきましては、事務費は國庫が負担するというようなことになつておりまして、保険金とその掛金との関係におきましては、大体プラス、マイナス殆んどとんとんになるということを骨子としてでき上がつておることでございますし、米麦等の作物につきましては、その一部の掛金を消費者に負担せしめるという点が取られておりますが、これは米麦は政府の強制買上げでありますし、供出分につきましては、桑等につきましても、主として輸出に向けられるというような関係上、その制度が取られるわけでありまするが、家畜の事故につきましては、消費者に如何に轉嫁せしめるかということも、必らずしもそれらの耕作物との関係と同一でないように存じますのでお説の趣旨につきましては、更に愼重に檢討を重ねまして考えて見たいと考えております。
#8
○山崎恒君 澱粉粕の問題につきましては趣旨はよく分るのでありますが、今年度の管理局の方針といたしましては、できるだけ澱粉粕だけは統制を解きたいというような意向があるということを聞いておつたのでありますが、たまたま飼料公團がこれを全面的に買上げたいというような、そこに一つの公園の事業のために、そこに食い入るというような意向があるというような感がないでもないと、こういうような観測を持たれるのであります。先程も申しましたように、農民は割当てられたところの甘藷を供出して、少くも地元で潰すところの澱粉粕ぐらいは、これを一つの希望を以て、家畜の飼料に当てたいというのが澱粉事業を営んでおる町村といたしましても、又澱粉工場の附近の農家といたしましても、そうした点を希望して澱粉工場が少くもできておるのであります。殊に全國において、この澱粉工場の数は千二百工場ぐらいあるのでありまするが、いずれもこれは生産地帯でありまして、澱粉工場の地帶は必らず家畜の飼育が非常に旺盛になつておるような状況から考えましても、今後この増殖計画と睨み合せまして、一部これを買上げられることは、これは止むを得んと思いますが、大部分のものは、やはり地元に還元して頂きたいというのが一般の要望であります。さような点で、最近生まれるところの飼料公團が、やはり地方にあるのでありますが、各地方の支所がこれを全面的に買上げて、それを地方に配給するということになりますと、少くもそこにやはりマージンというものが生まれる、やはりそこにマージンが生れますれば、消費するところの農家は高いものを買わなければならん、こういう結果が生れるので、かような点については、我々断乎として反対せざるを得ないというような考え方を持つておるので、一部買上げられることは、これは止むを得んですが、さような地元の、少くも粕ですから、戰後三年も過ぎて粕まで統制する必要はないと思うのでありますが、主食はすでに二合七勺を配給するということを声明しておるし、すでに配給されつつある現状でありますので、さような点を特に一つ局長さんの方で御研究願いたい、こう思うのであります。
#9
○政府委員(平田左武郎君) 飼料の國内資源を最高度に利用して参るということは、食糧と同じように、輸入の懇請をいたしておる現状といたしまして、又止み難い事情にあるのであります。併しながら何をどの程度に統制するということにつきましては、我々は決して飼料公團の事業のために、これを決定いたしてはいないのでありまして、畜産増殖の必要性に基いて、又他の方面に適う範囲においてやつておる次第でございまするので、その点は御安心を頂きたいと思います。尚澱粉粕、これは先程申上げましたように、生のものと乾燥されたものとありますが、いろいろと輸送等の事情をも考え、併せますれば、生のものでも統制の対象とするということは、これは恐らく性質上困難のことと思いますので、統制の範囲というのは、こうしたものに一應限られるかとも思いまするし、又お説のごとく、地元の消費を重視して参るということは、これは結構なことと存じまするので、逆説的に申しますれば、こうした飼料も多くできます土地に家畜の方も多く飼育して頂いて、逐次増殖を図つて参るというような方針が望ましいことと考えております。尚最後の粕まで統制するのはおかしいじやないかということであつたのでありまするが、実は飼料になりますものは、主として粕ではありますが、豆の粕であるとか、魚の粕であるとか、そうしたものが畜産の飼料になつておるというような一種の含みがあることでございますから、これは御寛容な御解釈を願いたいと思います。
#10
○國井淳一君 畜産に関する地方税制の法律でありますが、この法律で二つ程お聽きして置きたいと思うのであります。一つは「畜産に関する農業協同組合」となつておりますが、この「畜産に関する」と特に謳っておるわけですが、畜産の事業を総合的に行なつておる協同組合ですね。総合的な事業を行なつておる協同組合、無論その中には畜産の仕事をやつておるわけですが、これにも本法は適用するがどうかという点、もう一つは、これは畜産局の方の方でない、外の方の返事になるかと思うのでありますが、農業協同組合から生活協同組合、それから農業会かも農業共済組合に財産を移される場合、これが本法上同様減免税の措置を講ずる必要があると思うのでありますが、これに対する政府の、同様の法律を出す意思があるかどうか、同意があるかどうかということについてお聽きして置きたいと思います。
#11
○政府委員(平田左武郎君) 御質問の第一の点でありますが、「畜産に関する農業協同組合又は農業協同組合連合会」とあるのは、他の一般農事をも行う、いわゆる総合の協同組合をも対象とするかという点でございまするが、その通りでありまして、畜産を専業とする協業組合だけでなく、他のものと一緒に、いわゆる総合の協同組合として事業を経営しておりますものでありましても、畜産に関する事業を取扱つております協同組合は、この対象となるわけであります。第二の点、生活協同組合乃至は農業共済組合の関係についての点でございますが、これは我々の直接所管しておる点でもございませず、又参議院の事務当局の方でも研究中のように承わつておりますので……それでは、その方からお答えがあるそうでございます。
#12
○委員長(楠見義男君) 國井さん、共済保険の方は今農林省の保險課長が來ておりますから、保險課長の方からお答えいたします。
#13
○説明員(庄野五一郎君) 農業共済組合の所管いたします資産について、移轉税を賦課するかどうかという問題でございますが、これについては地方税法の十三條で、すでに農業共済組合の事業については地方税を課することができない、こういうふうに規定されておりまして、保險組合、いわゆる縣單位の農業保險組合が含まれていないように條文上なつておりますが、これは将來保険組合も含む意味で、共済組合とあるのを改正したいという考えであります。尚農業共済組合の、事業という、その事業のうちに、財産承継を含むかどうか、これは初めは包括的に廣い意味に解釈されておつたのでありますが、最近連絡いたしましたところでは、非常に純粹の事業に対してというふうに狹義の解釈になつておりまして、財産の取得を含むかどうかということについて疑義か生じておりまして、この点について私たち地方財政委員会と連絡いたしましたところでは、同じく十三條の二十号、二十一号に、「相続に因る土地、家屋又は物件の取得」或いは「法人の合併に因る土地、家屋又は物件の取得、」というような條文がありまして、これを解釈いたしまして共済組合、或いは保険組合が包括承継によつて、法律上当然承継すべき物件については地方税を課さないような処置を講ずるというふうに、財政委員会の方と今連絡を付けて参つたわけでありまして、これについては十三條と、それからもう一つ十四條に「地方国体は、公益上その他の事由に因り課税を不適当とするときは、課税をしないことができる。」この條文と併せて財政委員会の方から地方に通牒を以て、農業共済團体が旧團体から承継する物件についての課税は免除するような処置を取るように、今話をして來たわけでありまして、それによつて大体処理できると考えております。
#14
○池田恒雄君 只今國井さんの質問された法律案ですが、ここでは畜産に関する農業協同組合、又は農業協同組合連合会、こういう言葉を使つておるのですが、畜産に関する農業協同組合というのは何を指すもりであるか。その農業協同組合というものには、私まだ法律の上で畜産に関する農業協同組合というものはできておらないと思います。この点、この法律一におきましてどういうふうになつておりますか。お伺いいたします。
#15
○政府委員(平田左武郎君) 先程お答え申上げましたように、この法律で畜産に関するという言葉を使いましたのは、畜産に関係した事業を行うという意味でありまして、農業協同組合の一つの形として別個のものが存在するという考え方ではないのでありまするが、と申しまするのは、結局これは課税の軽減を主たる狙いといたしておりまするので、従來の畜産関係の團体が所有しておりました資産を、畜産の関係の協同組合に継承されます際に課税を軽減免除しよう、こういう趣旨でありまするので、この資産を一般の畜産に関する事業を行わない他の協同組合、又は他の團体に移轉します際には特に國家的にその事業を助長するというような必要も少ないわけでございますので、課税の減免という見地からいたしまして、従来行なつておりました畜産の事業を承継する團体に限つて必要ではあるまいか。又そう限つたことによつて、この法律が是認せられるのではなかろうかと、こう考えたわけであります。
#16
○池田恒雄君 そうすると、現在の協同組合法に基いて設立されておるところの農業協同組合にして、畜産に関する事業を行なつておる組合がこの法律の適用を受ける、こういうわけなのでございますか。
#17
○政府委員(平田左武郎君) その通りでございます。
#18
○池田恒雄君 ここで字句に余りこだわる必要もないのですが、畜産に関する農業協同組合という見出しを附けますと、何か畜産に関する農業協同組合が、法律上存在しておるように考えられます。それから若しそうでないとするならば、農業協同組合及び農業協同組合連合会が、畜産に関する国体から資産を譲り受ける場合、その場合何とかという関係で法律が現われて來ていいのじやないかと思いますが、こういうふうにしますと、畜産に関する農業協同組合というものが別個に存在するようにも受け取れるわけです。内容を読むと全然そうでないように思えるのですが。
#19
○政府委員(平田左武郎君) 字句の点でございますが、いろいろと我々の内部でも險討いたしたのでありますが、法律の表題としましては、余り長くなつても困るというようなこともございまするので、先ず関するという表現を使いますことよりしまして、お説のような趣旨に十分に読み得るということに政府部内でも意見が纏まりましたので、との表現を使つたわけであります。両誤解のないように、行政的措置は別に我々としても講じたいと思います。
#20
○池田恒雄君 何か言葉というものが現われまして、法律上一定の定義を下せば、そういうことに解釈してもよろしいのですが、文理的な議論をする必要もないのでありますが、併しこの法案で折角畜産に関する農業協同組合、こういう言い方をなされておりますが、この際お尋ねして置きたいのですが、畜産の奨励と申しますか、振興のために從来畜産に関する農業團体を組織して、いろいろとやられて來られておつたのですが、現在そういうような方式を取られてやつておられますか。又やろうとする積極的な意思があるでしようか、農林省の当局といたしましては……。
#21
○政府委員(平田左武郎君) 農業協同組合の設立に関しまする方針は、すでに御承知の通りかと存じますが、農民の自主的意思に基いて設立を進めて参るという方針を政府が取つておりまするので、積極的にどしどし畜産の組合を作るようにというような指導はいたしていなかつたようであります。從いまして今日までのところを申しますると、七月三十一日分現在数によりますれば、一般の農業協同組合は一万二千あまりでき、養蚕に関しまするものが四千九百ばかり設立されておりますのに、畜産の方は五百六十六というような数字があるわけであります。從いまして十分に普及をまだ見ていないように考えられるのでありまするが、これは政府としましても、積極的に畜産の組合を作るような政策を強く取上げなかつたと思うのでありまするが、併し段々と畜産の振興発達を図つて参ります上におきましては、やはり畜産関係の事業は、その團体で行うのが適当だというような場面も最近感じておりまするので、我々としましては、そういう團体が農民の自主的意思に基いて成立しますることにつきましては、許される範囲の援助をいたして参りたいと、こう考えております。
#22
○池田恒雄君 その畜産に関する農業協同組合が、今若干設立されているといろ御報告でございますが、どういうような形態の組織でしようか。お伺いして置きたいと思います。
#23
○政府委員(平田左武郎君) 只今申しました五百六十六の内容は、出資の畜産組合が百九十二、非出資の畜産組合が二百八十二、酪農組合として出資のものが五十一、非出資のものが二十九養鶏の組合として出資のものが九、非出資のものが三というようなことでありまするが、これが更に縣に統合され、そうして全國的の團体としましては、先般全図畜産販賣協同組合連合会といたしまして、十一月の十一日に創立総会が開かれまして、全図の各府縣の畜産の協同組合を組合員として、出資金一千万円、借入金が八千五百万円事業としては、或いは飼料工場とか、酪農工場等も経営しようということで創立総会が開かれました。いずれ追々手続を経まして、事業が進展いたして参ることと考えております。
#24
○池田恒雄君 畜産に関する組合が只今若干できておられる、農業協同組合が一万いくらできておられるというのでありますが、そういう一つのでき方と同じような動機を以てできておるのじやないかと思うわけであります。というのは、一應協同組合につきましては実績があるわけでありますから、それの編成替という形において相当できておられると思うのであります。さて一應それはそういうふうにしてできて来たといたしまして、更に今後政府が畜産ならば畜産に関する政策をどういうふうに取上げて行くか。その取上げ方如何によつて、畜産に関する組織のでき方も又違つて行くのじやないかと思います。私は只今までできておる農業協同組合、或いは畜産に関する農業協同組合等は、特にそういう方向というものはまだ持つてないと思います。ただ組織しなければならない事情があつて、経過的な事情と申しますが、そういうものがあつて、むしろできておるという程度を超えてはおらないと思います。更にどう行くかというような方向は見られないと思います。それで政府が、若し畜産政策を今後積極的にやつて行く、殊にこういう計画的にやつて行くということになりますと、当然私はそれの実行的な組織として協同組合のような組織が必要になつて行くだろうと思うのであります。その場合、そういう協同組合をどういうような形において、それは單に出資であるとか、或いは非出資であるというのではなく、その組合の結合の仕方とか、事業の持つて行き方とか、或いは政府の政策の結び付き方とか、そういうようなものにいろいろな変化があるのだと思いますが、そういうことにつきまして、多少の畜産局長の抱負をお伺いして置きたいと思います。
#25
○政府委員(平田左武郎君) 戰後の我が國の農業再建と申しますか、一つの大きな方法としての有畜産業の採用ということが、朝野において必須の趨勢と認められておりますし、又國民の食糧確保の上から申しましても、蛋白食糧の不足上いうしとが日本の一大欠陥とされておりますので、そうした要請に應えるために、畜産増殖の必要性ということについては議論のないところと存じますし、その目標につい七昨年以來、畜産の審議会を設置いたしまし二四百数十万頭の家畜を持つ目標が、掲げられておることも御承知のことと思うのであります。さてこの目標頭数への畜産増殖を遂行いたしまするために、如何なる方策を採用するかということにつきましては、この計画の実施上の問題といたしまして、尚残された問題が多々あるのであります。その第一は、飼料の確保の問題であり、第二が、資金の斡旋、融通を如何にするかという問題であり、第三が、畜産増殖の基盤をなしまする牧野の問題を、如何に扱つて参るかというような点に帰著するかと思うのであります。で飼料の問題、これは先般も申上げたのでありまするが、國内飼料資源を最高度に活用いたしまするのに、輸入方面についても万全を期して参るような措置を漸次取りつけておのでありまして、これは特にここに申し上げ程もないかと思うのであります。第二の金融の問題、これは畜産の金融は一般の農業金融と違いまして從來の信連等により、まする組織的の機構上いうものも確立いたしておりません。蚕糸の金融というような業界の取扱もまだ十分に熟していないという情勢にあるのでありまして、たまたま昨年以來の租税等に基づきまする金融梗塞に関連いたしまして、大きな問題として取上げられておるのであります。この点につきましては、一面復金資金乃至は農林漁業の復興金融等によりまして、或る程度の措置を講じつつありますけれども、更に掘下げて民間金融機構の関連において、畜産の金融をどう取扱つて行くかというようなことが、私就任以來の懸案として残つておるのでございまして、これは目下審議会の金融専門部会といたしまして、実は先般その発足に着いたような次第でありまするが、專門家一斯界の権威者にお集まり願いまして研究を続けておるような次第であります。こうした金融面に対しまする方策の確立というようなことも、お説の通り、畜産経営内容に立入つて内部的に如何なる方向に経営を持つて参るか、從つてそれが又畜産の團体組織を如何に形造つて参るかというようなこととも関連いたす次第でありまするので、そうした基礎條件がまだ十分に確立しておらない今日におきまして、その最後の形態でありまする團体の組織は、かくあるのが最もよいだろうということを決定いたしますには、まだその時機に到達していないのではないかと考えておるのであります。即ち金融の問題上か、経営の問題とか、その他の問題を固めて参りますうちに、自然と團体の組織は如何にあるべきかというようなことも結論として生じて來るかとも思いますので、私共といたしましては、それらの基礎條件の確立を急ぎつつ、最後の團体組織の点を頭に浮べ適当な方向に導て行きたい。こう考えるおる実情にあります。
#26
○池田恒雄君 まだそこまではつきりとしていないという最後のお話でありましたが、これ以上更に詳しくお伺いするというわけではないのでありますが、局長のお話の中に、特に飼料の問題と資金の問題を大きく取上げられておられることを私は喜びとする者であります。ところで飼料は國内産を活用するという見地から、この國内産という意味におきましては、当然自給の飼料という意味合が非常に強まつておるのだろうと思うのであります。そういうふうにいたしますと、飼料の自給ということと、更に今日農村では非常に資金が止まつて、このことが畜産の発展に大きい邪魔になつておるわけであります。組織問題を解決しなかつたならば、畜産は決してないという状態に入つて來ておるわけであります。この二つの問題は非常に組織の問題と関連しておるのでありますが、この飼料の自給ということと、資金ということと絡みまして、今後の農業協同組合と、それがどういうふうに行くのか、そういうことを私は或る程度のお考え方を承わつて置きたいし、又農林省としましては、そういうことについて一應の方向を與えて置く必要があるのではないかと思うのであります。そういう方向が與えられておらないで参りまするというと、今現われておるところの畜産に関する農業協同組合というのが、どういう方向で出て來るか分らんわけであります。地方なんかで出ておりまする畜産組合というようなものを見まするというと、非常にこれは形がばらばらであります。地方によつて事情が違うのであるということは一向差支ないのでありますが、或る種の畜産組合は縣を單位といたしておるのであります。こういうような畜産組合もあるのでありまして、これは要するに政策の取上げ方によつて、こういうことに影響して來るのであります。でありますから、政策の如何によつては縣を單位とするところの畜産組合が悪いという結論までにはならないのであります。併し又政策の如何によりましては、縣を單位とするところの畜産生産組合というものは、あり得ないと言えば、これはあり得ないのであります。で取上げ方如何によつては、自立更生運動が農村で非常に盛んであつた時代には、有畜農業組合というような貧弱な組合もあつたのでありますが、ああいうような組合の進み方というものも正しいことになるわけであります。でありますから、私はただ漠然としておつてはまずいのではないか、何らか政策の方向が農林省の方でも抱負というか、何かを明らかにして置いて、そういう方向に副つて、將來適切な組織運動が起つて來るような工合でないと、却つてでき上つた組合のために、新らしい政策を出そうと思つても動きが付かなくなる。こういうようなことにもなるんじやないかと思います。尚局長さんの御説明では、協同組合は自主的にできるものである、こういうようなわけでありますが、私共もそうあるべきものだと思うのであります。ところが自主的とは申しましても、日本におきましては農民の自主的な活動による政策の支配というよりも、政府が持出して呉れるところの政策の支配の方が大きいのであります。このことかは別として、とにかくさようなわけでありますから、そうだとするならば、私は政府が持出て呉れるところの政策は、非常に大きく農村を支配する從つて幾ら自主的であるということを申しましても、農民はそれによつて動かされる、農民が政策を動かすというよりも、動かされることが大きいのであります。こういうことを考えますと、政府の政策というもの、その方向というものを明らかにして置かないと、これは非常に困ると思うのであります。それで附加えて諄いことをお伺いしたわけであります。
#27
○政府委員(平田左武郎君) 自給飼料の面、資金の面等が、畜産増殖の上において重要なフアクターになつておることは、お説の通りであります。そこで現在畜産團体が、地方々々によつてばらばらになつておるのではないかという点でありますが、これは畜産業自体の性質に由來するところも少なくないのでありまして、畜産と申しましても、牛、馬、豚、緬羊、山羊、鶏、兎というように、又その牛につきましても役牛あり、乳牛ありというようなヴアラェティーに非常に富んでおりますし、そうして北海道とか、東北には馬は沢山出るけれども、関西の方面は牛を主としておるとかというような各懸の事情、畜産発達の段階並びにその様相が非常にヴアラェティーに富んでおるのが、畜産の一つの特色ではないかと思います。從いまして米麦をする一般の農民の国体、繭の生産を主とする養蚕の團体というように、全國を一色に塗り潰して、一つの方式を当て嵌めるということに、若干そこに非常な困難性が胚胎しておるのではないかと思うのであります。ところでそれは、そこで政府が政策を確立しておつて、それで以て引摺つて行くのがよいではないかという点に段々と議論がなつて参つたのでありますが、我々も実はさように考えるのでありまして、自主的に極めて徐々に設立されつつあるこの畜産協同組合の現状を以ていたしましては、必ずしも畜産増殖の計画を完遂することは困難ではなかろうと思つておるのでありまして、從つて我々としましても、急速に強力な政策を確立して、その目標に邁進する必要があると思うのでありますが、それには先程申ましたように、金融方面の施策なり或いは飼料等に関しまする方策なりまだ確立への道程にあるわけでございまするので、その方策の固まらざるに先じて、十分固まらない方策を農民に無理に押付けるということは、却つて臍を噛む憂があるのではあるまいかと、かように考えておりまして、特に強力に組合の助長に乗出すという段階にはまだ参つておらないのであります。で前提となりまする政策の確立と申しまするか、資金問題その他の懸案の解決に特に万全を期したいと、こう考えている次第であります。
#28
○赤澤與仁君 課税の特例に関する事項といたしまして、一つは酪農協同組合が産業組合法に基きまして、酪農組合から資金の譲渡を受ける場合があるのであります。具体的に申上げますと、徳島縣におきましては、産業組合法に基きまする酪農組合連合会なるものがありまして、國の助成を得て、相当森永練乳と共に施設をやつておりますわけなのでありますが、資産を持つておるわけであります。それが今日酪農協同組合というものができまして、それに引継ぐという具体的な実例があるわけなのでありますので、一つこの特例に対しましても、産業組合の方面からお考を願わなくちやならないのではないかと、かように考えておるわけであります。それから家畜市場法に関しまする事柄でございますが、家畜市場に関しまする府縣又は市町村條例というものの基準が、この法の廃止によつて失われるものと解釈いたしますわけでありますが、そう解釈いたしましてよろしいかどうかお考えをお洩らし願いたいと思います。それから第三点は畜産の面からいたしまして、地方税といたしましての牛馬飼育税に関しまするお考えをお洩らし願いたいと思います。以上三点についてお伺いします。
#29
○政府委員(平田左武郎君) 産業組合の資産を畜産の協同組合に移轉しまする場合の問題に関しまする御質問でございまするが、この点は我々としましては、現在考えておりまするこの財産移轉の方式は、農業團体並びに馬匹組合等の法律に基きまする制度士の廃止に伴つて、移轉を強制せられる場合に生ずる税の特例を開いたわけでございまするので、産業組合につきましても、できればそうしたいような感じもいたしておりますけれども、その事例が必ずしも制度の改変に伴う不可避の移轉ということも考えられませんので、この際に一緒に取扱うということについては、若干如何かと、かような考えを持つております。
 第二の、家畜市場法の廃止に伴いまして、市町村の條例というお話でございまするが家畜市場法に基きまして、現在市場を開設いたしまするには市場業務規程を定めて、地方長官の許可を受けなければならん、その業務規程を変更するときには、地方長官の認可を受けなければならんということになつておりまするので、現在の家畜市場は地方長官が市場業務規程を定めて、その許可を受けなければならんということになつております。從つてこれらの規程は本法の廃止に伴いまして知事の許可又は認可を受けなければならんということは消滅するわけであります。
 第三の地方税の問題として、牛馬の飼育税を軽減又は廃止するようにというお説でございましたが、実は畜産関係におきましても、この振興を図ります上に、いろいろの税法上のネツクが存在しているということは、各方面において唱えられておるのであります。所得税につきまでも、例えば牛が四万円すれば、一万五千円ぐらいは所得税として取られるとか、そういうことでは到底伸びないというような意見も承わつておるのであります。で、一般のこうした畜産に関しまする粗税の軽減という問題につきましては、これは又別に考を纏めて、大藏当局とも折衝いたしたいと考えておるのでありまして、この際提出いたし直したのは、先程も申しましたように、馬匹組合乃至は競馬法に基いて、財産の移轉を時期的に強制せられる、制度上不可避となつている移轉について、取敢えずの緊急措置として、他の一般の農業協同組合に許されたような課税の特別措置を講じて参りたいと、こう考えております次第でございますので、全般的の粗税問題ということにつきましては、用意ができましたならば、又別の機会に御審議を願いたいと考えておる次第であります。
#30
○石川準吉君 今回家畜市場法が廃止になるようでありますが、現在の家畜市場の状況はどうなつておりますか、それからこれを直ぐ廃止し放しで何ら差支えないかどうか、その点を伺います。
#31
○政府委員(平田左武郎君) 現在の家畜市場に関しまする統計等につきましては実は戰争末期におきまして、十分の統計を持つておりませんので、お手許に配付しました資料の末尾に、十七年の家畜市場調査の表がございます。それによりますれば、総数が二千九百十九、そのうち常設市場が百七十三、定期の市場が千三百十臨時の市場が千四百三十六となつております。その内訳として、市町村の開設いたしているものの、畜産組合の開設いたしているもの、畜産組合以外の組合の開設いたしているもの、会社又は個人の開設いたしているもの等がありまするが、そのうちにおきまして、畜産組合の開設しておりますものが圧倒的多数を占めております。その取扱いました内容を申しますれば、法律の定めておりまする家畜市場の家畜とは、牛、馬、豚、羊を言つておりまするが、賣買頭数を申しますると、牛が六十四万余頭、馬が十二万余頭、豚が二万四千余頭、緬羊が一万六千余頭、山羊が若干、その價格におきまして、牛は一億五千二百万円、馬が五千三百万円、豚が四十三万円、緬羊が七十九万円、山羊が若干というような数字になつております。さてここで申上げましたように、既存の家畜市場は畜産組合、農業会或いは馬匹組合のものが多いのでございまするので、これが制度の改変に伴いまして、組織を変更しなければならんということに当面いたしているわけであります。この間、現在のところ法制上、市場の開設を地方長官の許可権にかからしめてありますので、それをめぐつての一種の競争と申しますか、そうした市場も地方によりましてあるようでありまして、或る縣においては、或いは縣営を以て押通すとか、或る懸におきましては、畜産の協同組合のみに任せるとかいうような方針を取られた地方もあるようであります。この方針がいろいろ中央にも反映いたしまして、司令部当局においても檢討を経たのでありまするが、特定の團体に特権的権能を付與するということは、アンチ・トラスト思想からいたしまして認め難いのではないかというようなことからいたしまして、この知事の許可権制度というものが、現段階に驚いて廃する方がよいであろうということになつて参つたのであります。そこで、さてこの地方長官許可制度を省きまして、残つたものが何になるかと、こう申しますると、法律の條文は若干ございまするが、主文が、只今申しましたような実質的の主とした條文が、地方長官の許可制度ということになつて参つておりまするので、その外の條文と申しましては、或いは取引方法、施設等に関しまする監督規定でありまするとか、或いは市場の衛生上の取締規定というような問題乃至は仲立業者に関する規定等が現行法に盛られておるのでありまするが、これらの点につきましては、段々検討を加えて参りますると、現段階といたしましては、相当一種の当事者の自由な公正な競争に任した方がむしろ農民のためにもなるのではないかというような考えもありまするので、我々といたしまても種々檢討を加えたのでありまするが、この際残つた條文だけを存置するというよりは、むしろ本法を廃止した方が是であるいう結論に到達いたしまして、廃止の法案を提出したような次第であります。
 尚家畜の衛生上の問題につきましては、前期國会におきまして、家畜傳染病予防法が通過可決になつておりますので、その運用によりまして大体処理することは可能かと思います。尚一般的の取締ということにつきましては、要すれば地方の自主的の措置ということも可能でありまするし、我々としましては、先ず法律を廃止いたしまして、その後必要がありますれば、これに対処することも考えて参りたいと思うのでありまするが、現在のところにおきましては、本法は全部廃止するということで処置し得ると考えておるような次第であります。
#32
○板野勝次君 課税の特別に関する法律案の中の、この帳簿價格によるというものですね。なぜこの直前の帳簿價格によるとされたか、それをちよつと説明して貰いたいのであります。
#33
○政府委員(平田左武郎君) この帳簿價格によらない場合には、時價によるわけでありまするが、時價によつた場合と、帳簿價格によつた場合の比較を申して見まするならば、この都道府縣から譲受けました不動産の評價額は、大体四千六百万円ばかりと考えられます。それに対しまして、登録税は千分の四十が課せられることになつております。馬匹組合より譲受けまする不動産は六千五百万円と推定されるのでありますが、それにつきましては千分の四の課税がされることになつております。從いましてこの課税標準の價格を時價といたしますれば、合計前者におきまして百八十四万円、後者において二十六万円、合計二百十万円の登録税が課せられることとなります。今課税標準を帳簿價格といたしますると、馬匹組合の資産の評價の実情等を考慮いたしますれば、大体五十万円前後に軽減せられることになりまするので、從つてそれだけ新らしい組合の財政的基礎が強固になつて來ることと考えております。
#34
○委員長(楠見義男君) 今のお話の二十六万というのは、二百六十万円じやないのですか。
#35
○政府委員(平田左武郎君) 千分の四ですから……。
#36
○委員長(楠見義男君) 六千五百万円の……。
#37
○政府委員(平田左武郎君) 前は四千六百万円で、千分の四十なんです。
#38
○委員長(楠見義男君) 四十ですか……。
#39
○板野勝次君 それで分りましたが、帳簿價格によります場合に、実際に譲受ける場合のこの資産の現状というふうなものについては、何も檢討を加えずに、ただ帳簿面だけでそういう財産の譲渡しがなされるわけなんですか。つまり現状について、帳簿の上に現われて來ておるものと、実際とが相違しておるかどうかというふうなことを檢討せずに、ただ帳簿面だけでやられるわけですか、どうなんです。その具体的のことを承わりたい。
#40
○政府委員(平田左武郎君) 具体的に新らしい團体が旧團体より資産を引継ぎまする場合には、御説のごとく十分に現状を検討の上引継ぎが行なわれることと信じます。ただ併しながら不動産の登記の関係におきましては、その價格標準を如何に見るかという見方によりまして、登録税が非常に違つて來るわけでございますので、通例で申しますれば、時價で以て評價すべきでありますけれども、この法律によつて帳簿價格を課税標準とするということになりますれば、帳簿に記載されておりまする資産價格を以ちまして、登録税金額が決定されるとしまして、これは課税の標準の場合の基準でありまして、実際の賣買の價格というものとは別個に相成るかと思います。
#41
○板野勝次君 私の尋ねたいのは、つまり譲渡する以前に横流れをしたり、いろいろなことが行われることのないように措置されたいという点にあるわけなんで、從來の農業会から農業協同組合に資産の譲渡をする場合において、我々の知る限りでは相当な不正が行われて來ておつた。若し今度の場合でも、その資産の譲渡をする場合に、適切な措置が取られないならば、何も價格を高くして買うとか買わないとかいうことを言うのじやなくて、適当の措置が取られないならば、その関係者を中心にして、又の場合にでも不正が起きやしないかと、そういう点に対する当局の措置があるかどうか、措置があれば、そういう点承わつて置きたいと思います。
#42
○政府委員(平田左武郎君) 馬匹組合又は馬匹組合連合会等の資産の承継に当りましては、御説のような点は、司令部におきましても強く懸念せられましたので、一種の閉鎖機関のごとき取扱いを受けることとなりまして、その資産は一應都道府縣に譲渡し、そうして都道府縣に譲渡す前におきましては、資産の処分をしてはいかんというような農林省令が出ておるわけであります。從いまして、それに違反した場合には、この移轉を監督する罰則が加えられるというような事情もありまするので、我々としましては、そうした方法によつて御懸念のような横流れ、不正のないようにいたしておる次第であります。
#43
○池田恒雄君 私その関係法規をよく見ておらんために、こんな質問を、先かとなると、甚だ申訳ないことになるのでありますが、これに一應農業協同組合及びその連合会が、現在馬匹組合等の財産を持つておる都道府縣から、その財産の譲受けを受ける、こういう工合になるわけでありますが、ところでその農業協同組合と、こういうふうにここに出して來ますと、これは農業協同組合ですから、非常に廣いわけでありますが、実際農業協同組合と申しますと、これはその村で言うと、村に一つか、二つ決つておるのであります。何何村協同組合と幾らでも作れることになつておりますが、実際にないのであります。縣農業協同組合、これも自主的に作るのでありますから、五十でも百でも作つていいのでありますけれども、実際問題として縣連合会というようなものも大体事業を中心として五つか、六つしかないのであります。そうすると政府から、この法律ではどういうということは書いておりませんが、もつと詳しく言うならば、どうせ面倒くさいから、この際千葉縣なら山崎さんは販連や、信連の方に御関係で全國的に販連の会長をやつておるのでありますが、つまり法律で連合会と言つておりますが、連合会というのは山口さんが会長をやつておる馬連なら一つしかないわけです、ところがそう書いてもいいわけでありますが、法律的にはそういうふうに書いてはいけないのですから、これでいいとして、一体具体的に誰がやつておる会にその譲渡しをするのか、千葉縣なら千葉縣には五つか、六つしか連合会がないわけです、その連合会のどこにこの財産を譲るのか、それを一つこの際お伺いしたいのです。全國的にどうかということです。
#44
○政府委員(平田左武郎君) この法律の動きます場合は、法律の一條にありまするように、競馬法三十七條の三項の規定によつて、都道府縣から協同組合が資産を讓り受ける場合、又は馬匹組合の整理等に関する法律第四條の規定によつて、都市を区域とする馬匹組合から、農業協同組合が資産を讓受ける場合と、こういうふうに、それが法律のこの二つの場合に限定せられておるのであります。次に、今馬匹組合等の整理等に関する法律の四條を申しますると、こういうふうになつております。「馬匹組合の組合員たる者の一部を組合員とする農業協同組合は、都道府縣知事の許可を受けて、当該馬匹組合に対し、その資産の譲渡、又は債務の引受に関する動議を求めることができる。」こういうふとになつております。従いまして、その讓受けるべき主体たる農業協同組合は、昔の馬匹組合の組合員たるものの一部を組合員としておるものでありまするし、そうして又協議を求める場合には、都道府縣知事の認可を受けて協議を求めるというようなことになつておりまするので、從つてこれらの規定の運用上、御説の通り誰のところへ行つていいか分らんというようなことではないので、大体知事の行政方針は、適当なところに落ち付くのではないかと、こう考えております。
#45
○池田恒雄君 その適当なところなんでございますが、それはつまりそういうふうに、はつきりと一つの資格というものは掲げておるわけです。ところでそういう資格のある團対を作ろうと思えば幾らでもできるわけでございます。資格のある團体を、資格を見てそうして讓渡すということでありましようが、ところが実際としては協同組合というものがそんなに沢山ないわけです、村に一つ、普通一つしかない、三つも、四つもないわけです、その縣で申しますというと、ほんの五つか、六つしか連合会はできておらないわけです。そこでそういう前の馬匹組合なら馬匹組合の組合員の一部を組合員とするところの協同組合は、これは一部ということになると大概入つて行けるのぢやないかと思いますが、そうしますと、六つなら六つの協同組合がここにありまして、何かやり出しますと、どつちにやるかというようなことになつたか、或いは讓受けを目的として、合法的に組合を組織するということも不可能ではないのです、ですからこれは実際讓渡しをやる場合、どんな工合になりますか、殆に現在、すでに連合会であるとか、協同組合ができておるのですから、目星がついておるのじやないかと思うのですが、資格ある者というのじやなく、資格ある者というのは、一体千葉縣で言えば、山崎さんの連合会が資格があるかどうかということは、もう農林省では目星がついておるのじやないかと思うのですが、資格をはつきりされた方が運用の方からも、且つ連合会、一農業協同組合を組織して、この法律に基いて事業をして行く上においても便利じやないかと思うのですが、そこを一つお伺いしたいと思います。
#46
○政府委員(平田左武郎君) 畜産に関する協同組合がもう決つているなら言えと、こういうようなお話のようでありますが、我々のところには実ははつきりこれこれという報告は得てはおりませんけれども、恐らく府縣において、或いは当該郡市において、この畜産の事業をこの協同組合に渡すが適当であろうというようなことは、これは客観的に見て、恐らく自然にむらなく決つておると申してはおかしいのでありますけれども、考えるのではなかろうかと思います。畜産に関する協同組合の総数が、先程申しましたように五百幾つでありますし、日本の郡市の数が五百ということでありますので、そんなに沢山ございませんし、特に讓受けるための目的を以て、そうした團体を作るというようなことも余り起つているようには考えておりませんので、実際問題としては、自然進行して参るのではなかろうかと、かように考えておるのであります。
#47
○池田恒雄君 その点は余程考えものだと思います。譲受けるために組合をでつち上げるというような人も、なかなかこれはできないものです。そういうことはできないが、そういうことに非常に重点を置いて組合ができないわけでもないと思うのですが、それから農業協同組合の連合会を見ますと、地方によつていろいろ畜産連合会というものを作つて、そこで畜産事業をやるという團体もありまするし、すべて連合会を作つて、そこで畜産の事業をやるというような工合に事業の取上げ方をしておるところもあるようです。名称によりまして一定しておるというわけではありませんが、そういうふうに普通の農業協同組合が畜産に関する事業を取上げてやつておる。各連合会間で一應事業の協定もやつておるという工合にも見えるのでありますが、場所によりましては、全然畜産に関する連合会が別に出ておつたり、畜産組合というものが別に組織されておつたりするわけです。そういうふうになれば、畜産に関する事業を行うところの、そういう團体が一つか、二つくらい出たり、商買の競争をやつたりする場合もあるわけです。それで私はそういう場合、どつちかこつちかというて、いろいろ競り合うということも当然考えられることであります。各連合会の方で俺の方もやるのだ、俺の方もやるのだということで競り合うということも考えられる。要領よく旧團体の財産を、こういう合法的手続を持つて受け取ろうじやないかというようなことも起らないわけではないわけであります。でありますから案外、そう安心してはいられないのじやないかと思うのです。
#48
○政府委員(平田左武郎君) 勿論安心をいたしているというばかりではないのでありますが、これはやはり当事者の意思を尊重すべきものと考えまするので、譲渡すべき旧團体と、譲受ける新團体とが協議をするということが原則かと思いまするが、御説のような場合に一種の競合関係に立ちました場合には、譲渡す方としましても、こうした大衆性を持つている團体の資産のことでありますから、そう勝手に利用することもできんと思いますので、協議が整い兼ねることもあるかと思います。その場合におきましては、法律におきましては、協議が整わないとき、又は協議ができなかつたときは、都道府縣知事は当事者又はその一方の申請によつて、当事者の意見を聴いて、資産の譲渡を命ずることができるというような規定もあるわけでございますので、法制上の用意ができておりまするから、大体におきまして大した間違いがなくできるのではないかと、こう考えて、決して安心はいたしておりませんけれども、制度上といたしましては、我々の方としても余り突つこんだ干渉をいたすということも、現在としていたし兼ねると思いますので、さような現在の制度で運営いたして参りたいと存じております。
#49
○山崎恒君 これは乳牛飼育者が非常に大きな声を持つておるのですが一現在の米麦なぞの供出の対象に、牛乳の総合供出を要望しておるのであります。殊に千葉縣のごとき、房州の牛の飼育者は、房州は御承知でもありましようが、非常に田畑が少ないために、また氣候に恵まれ、天恵の地だということで、乳牛が盛になつたのでありまするが、それは一つにはやはり田畑などが少ないために、農業経営の一環に酪農業が旺盛になつたという。過去の歴史を持つておるのでありまするが、現在供出をめぐりまして、これはもうひとり房州ばかりでなく、全國的にもそういう声があるように聞いておるのでございますが、牛乳を供出した場合に、或る一定限度綜合供出の対象にして貰いたいというよう声が強いのであります。それについて、畜産局の方から管理局の方面に、従來も或る程度の御意見は出してあるように聞いておりますが、目下の状況からいたしまして、さような点について、一つ牛乳を総合併出の対象にする意思があるかどうか、又そうした点について今後の見透しはどうかという点についてお尋ねいたしたいのであります。
#50
○政府委員(平田左武郎君) 乳牛の生産者は、その圃場からいたしまして、牛の飼料を獲得いたしておるのでありますが、麦類であるとか、その他の飼料資源も同時に食糧の方面と競合いたしまする関係上、食糧供出が非常に嚴しく行渡つておりまするために、乳牛の飼料の部面を食糧の方面に割かされて、そうした食糧の方へも供出しなければならず、又牛を飼つてできた牛乳又は乳製品をも供出しなければならん、二種の二重負担の責に任じなければならんということは、到底酪農の発展上黙過できないという主張からいたしまして、お説のように総合供出として牛乳を供出すれば、食糧の方は一定比率を以て供出しなくてもいいようにして欲しいという陳情と言いますか、運動が展開いたしておることは、我々も承知いたしておるのであります。この問題は農林当局といたしましても、たびたびそういう場面に当面いたしまて、或いは一定の飼料圃を乳牛の飼育のために割くとか、或いは牛乳を一石供出すれば、その見返りリンクといたしまして麦類を三斗三升配給いたすとかいう方針を立てたことがあつたのであります。ところが、そうした方軒を立てたにも拘わりませず、現地の実情として如何に運営されておるかと申しますると、何と申しまするか、飼料圃の点につきましては空文化したり、或いは三斗三升のリンク飼料の配給におきましても、時期が非常に遅れておるというような実情でありまして、山崎委員のお説のような要望は、全國の酪農業者と團体より目下のところ運動の形において展開しておるのであります。牛乳乃至乳製品は乳幼児とか、病人に取りましては、いわば主食なのでございますので、他の食糧について國政と申しますか、農政上最優先出の措置を取ると同じように、この乳幼児や病弱者の主食たるべき牛乳につきましても、同様の取扱いをなすべしという主張なのでございますので、我我としましては、その主張の趣旨に対しましては全く同感であり、酪農の発展上こうした方向に施策を進めて参らなければならんと考えておるのであります。ところで現実の問題といたしまして、飼料圃の問題なり、リンク飼料の配給の問題なりを確立し得なかつたことは、結局一般の食糧事情乃至は飼料事情の影響を受けておる点が多々ございますので、そうした一般情勢を無視いたしまして、ここに鞏固な酪農対策を確立する上いうことも或いは至難かと思うのでありますが、その趣旨とせられるところ、即ち乳牛の生産者に対して二重供出の責を負わしめない、又乳幼児その他の主食たるべき牛乳の供出の取扱を、他の主食と同一と申しますか、同じような取扱いにいたして参るということにつきましては同感でございますので、結論として如何なる形になりまするかは、まだ決定いたしておりませんけれども、そうした要望の趣旨に副うような解決をいたしたいと、かように考えておる次第であります。
#51
○石川準吉君 大分時間も迫つて來たようでありますが、簡單に一つ配付になりました畜産振興対策要綱についてお聴きしたいと思うのであります。この五ケ年計画によつて四百九十万家畜單位を増殖することは、先程局長からお話がありましたように、食糧対策或いは農業対策上から極めて必要であります。これの実行方法として掲げられておりますところの飼料の増産確保、或いは金融の改善という点につきまして、これは非常にいろいろむつかしい問題が多いのであつて、いずれ確信はおありと思いますが、例えば飼料用作物の作付確保という項がありますが、これは前議会において、食糧の確保臨時措置法によつて食糧作物の作付統制を行うことになつております。これと早速ぶつかと思います。從つて飼料用作物の作付確保につきましては、どういうような現在の経過並びに今後の確信を持つておられるか。それから金融の問題につきまして、「家畜の貸付事業に要する資金の融通を受け、これに融資した当該機関がこれにより損失を生じた場合には、これを補償する制度を確立する。」という一項があります。又「金融機関資金融通準則中畜産業資金の貸出優先順位乙を甲に引上げ、融資の円滑を図る。」という点がありますが、これらの見透しの問題はどうなつておるか。それからさつきちよつと御質問申上げたのですが、取引及び金融の改善の項に「家畜市場の整備強化」という点がありますが、先程の局長の御説明とこの点はどういうように関連するか、その点を伺いたい。
#52
○政府委員(平田左武郎君) 飼料作物の面積確保について、前段山崎委員の御質問に対しまして、お答えいたしましたように、酪農方面から強く要望されております点が、今日までなされていないということに対しまして、我々としましても、その要望に副つたような解決をしたいというお答えを申上げた点によつて御了承願いたいと思います。それから第二の金融の点につきましては貸付順位が乙や丙になつておると、誠に畜産の振興を叫んでも乙や丙になつておるという國家の取扱いでは相済まんと考えて奉りますので、これは関係方面に大いに強硬に主張して、その是正を図りたいと考えておりますが、ただ先程來申しましたように、金融の問題全般につきまして、十分の方策が確立していないという点もございますので、我々としてはこういう制度を金融上確立して、こうしてやるのだから、安心して、こうして慾しいというようなことが強硬に主張し得ることと考えておりますから、それらの金融委員会の研究の結果と相俟つて、この掲げられた目標のように進みたいと考えております。先程家畜市場の整備という問題が、只今の方針と違うのではないかという御説は、一見さような点があるのでありますが、この振興対策ができましたのは、昨年の九月の頃でありまして、その当時は家畜市場に対しまするアンチ・トラストの考え方が十分に委員諸君にも反映していなかつたのであります。最近に及びまして地方の事情等と関連いたしまして、この問題が表面化いたしたようなわけでございますから、これは当時のこの要綱と法案の趣旨とに差のあるということは、その趣旨によつて御了解を願いたいと思います。それから損失補償の問題につきましても、資金を貸付けて損をした場合補償をするというようなことも、できれば取計いたいと思つておりますが、これは現在の金融の制度上相当困難なことのように思いますので、目標として掲げてありますが、これらの具現化ということについては、現在の我々の感じといたしましては、若干時がかかるのではなかろうかと考えております。

#53
○石川準吉君 今のに関連いたしまして、飼料の確保と金融の問題が並行しなければ、如何に五ケ年計画を立てても、結局机上の計画に終つてしまうと思います。從つて、例えば飼料の作付確保という問題になりましたならば、これは畜産関係に関係すると思いますが、こういう方面とも十分な打合せをして頂きまして、本当に作付確保ができるような具体的方策を、できるだけ早く決めて頂きたい。その他ここにいろいろありますが、農耕の改良というような点につきましても、これは生産関係と非常に大きな関係を持つと思いますが、これらの点については書いただけでなく、実行しなければ五ケ年計画が不可能だと思います。でありますから、これを実行するような方途につきまして、我々も大いに協力しますから、十分に確信を以て具体的施策を立てて頂きたい。(「賛成」と呼ぶ者あり)それから金融問題につきましては、私共が通常なぜ畜産に対して金融がうまく行かんかということを、金融機関側からいろいろ聽いて見ますと、畜産に関しましては非常に確信を持つていない、というのは、家畜が死んだ場合にそれを今のような、例えば牛一頭何万円というような場合でありますから、死んだ場合におきまして、これを果して農家が返せるかどうかという点につきまして、非常に金融機関が危惧の念を持つております。でありますから、先程山崎委員からお話がありましたように、農業災害補償法などにおきまして、場合によつては強制加入もする、そうしてその補償金についても、或る程度予算的措置を考える必要があります。損害補償ということは、なかなかむずかしいでしようが、少くとも順位を引上げるという点につきましては、これは大いに頑張つて頂きたい、かように思うのであります。これらの点は質問でなく、むしろお願い申上げて置きます。
#54
○政府委員(平田左武郎君) 御尤もな御意見でございますので、御意見の通りに取計いたいと存じております。家畜の死んだ場合に返せるかというような問題も、金融業者としての一つの懸念になつておるように承知いたしておりますので、これらの点につきましても、金融委員会におきまして十分の檢討をいたす手筈にいたしております。ただ、まあ家畜保険もございますので、保険を掛けて置けば、金を貸すということにいたして置けば、若干救われるかと思います。
#55
○藤野繁雄君 遅れて参りまして、重複する点があるかも知れませんが、家畜市場法が廃止されたならば、その後にはどんな方法で取引をした方が最も適当であるというお考えであるか、具体的の案がありましたならば、それを示して頂きたいと思うのであります。家畜市場が廃止されたならば、私の考えでは、状來牛馬の取引が混乱するような状態に陥りはしないか。購入するところの者も、生産するところの者も非常に不利な状態に陥るのではないかと考えるのであります。そういうふうなことについて当局はそういうふうなお考えであるが、この点をお尋ねしたいと思うのであります。又畜産の奨励をするのについて、牛馬の籍を明かにせなければできないのでありますが、今後市場が廃止になつた後に、牛馬籍の整理はどういうふうな方法でやられる考えであるか、これもお尋ねしたいと思うのであります。現在牛馬の取引には、牛馬商が参加しておつて、いろいろのことをやつておるのでありますが、將來において、この牛馬商の取引改善に対する参加はどういうふうな方法で参加した方が最も適当であるとお考えであるか、参加の方法についてお聴きしたいと思うのであります。民主的な家畜市場を開くことになるのでありますから、そういうふうな場合においては、お互いが自由に市場を開いて、いつどこででも取引が勝手にできるとか、或いは衛生的な設備であるとか、或いは市場の設備であるとかというようなことについて、何か一つ制限を作られるところの考えであるかどうか、この点もお伺いしたいと思うのであります。
 それから御配付になつた印刷物によつて見ますというと、この郡市を区域とする馬匹組合の資産及び負債調、これによつて見ますれば、純資産と資産と、こう分けてあります。純資産と資産とはどういうふうになるのであるか、今この表によつて見て見ますというと、純資産よりも負債の大きいところの縣があるのであります。そういうふうな府縣については、どういうふうな方法で負債の返還をさせられる考えであるか、そういふような縣は固定設備があるといたしましたならば、その固定設備の見積り増をやつて返還せしめる見込であるかどうか、この点もお伺いしたいと思うのであります。又自分の縣を言うては相済まんのでありますが、この表の中に長崎縣が落ちておるところの理由はどこにあるか、長崎縣はそういうようなことがないのであるか、お尋ねしたいのであります。
#56
○政府委員(平田左武郎君) 藤野委員の御質問に対してでありますが、先ず最初に、この家畜市場法の廃止によつて、牛馬の取引は混乱いたし、一体どんな取引が行なわれるというようなことになるのであるかというお尋ねでございました。これは家畜市場法はなくなりますけれども、家畜市場はなくなるわけではないのであります。即ち知事の許可制度によつて存在いたしておる市場という制度はなくなりますけれども、現在行なわれておりまする家畜市場は、そのままの仕事ができるわけでございまするので、從つてこの法律のなくなつた後におきましても、恐らく従来の通りな方法が当分踏襲されると思いまするし、又必要に感じて新らしい市場開設者が出て来られるというようなことに相成るかと思います。
 それから第二の牛馬の籍の問題でございまするが、これは非常に金もかかることでございまするし、この馬の籍等について、どういう方法を今後実施いたして参るかということにつきましては、私共の方におきましても目下検討を重ねておる次第であります。ただ従来馬等につきましては、或いは軍馬の徴用というような見地から、この制度が即設けられておつたようなこともございまするので、そうした存在の理由は消滅したこともあろうかと考えております。
 牛馬商の問題、これ又市場に参加いたします仲買者としての牛馬商の地位は、法律がなくなつても、その機能には影響がないことであります。ただ例えば何と申しまするか、取締りが全然なくなつた結果、そこに弊害が生じないかということも予想されないわけではないのでありまするが、これは牛馬商の取引に対して、どうして監督と申しますか、取締りをやつてか行くべきかということに関しましては、我々の方としましても、いろいろ他方の御陳情等をも承わつておりまするので、慎重に検討いたして参り互いと考えております。
 第四は、家畜の市場経営は全く自由になつてしまうのか、こういうことでございます。これは家畜市場法が廃止されますので、この法律に規定せられました禁止の條項はなくなるわけでありますし、従ってその目玉をなしまする許可制度ということはなくなりまするので、家畜市場の経営ということは、自由に開設できることになつておるのでありまするが、ただ我々として考えておりますのは、市場経営につきましては、勿論固定設備も要ることでありまするし、相当の獣医等の衛生に関する施設もなければ、安んじて農民並びに購入者が集まらないことにもなりまするので、そう無暗やたらに簇生するというようなことはないのではなかろうかと思つております。
 最後の衛生上の見地につきましては、家畜傳染病予防法の規定がございまするので、必要に感じては地方長官承取締りができ、その十六條、十八條によりまして、一定の地区を限つて家畜の出入往來等を停止するとか、或いは屍体又は傳染病の病毒傳播の慮れあるものの予防の措置ができるとか、或いは更に家畜市場を閉鎖できるというような規定がございまするので、それらの取締りはできることになるのであります。
 最後に、郡市の畜産組合の表のことでありますが、純資産と資産とあるのはどういうわけか、こういう最初のお尋ねは、資産から負債を差引いたものが純資産になるわけであります。プラスとマイナスと相殺して、残りの金額が純資産、こういうことになります。それから長崎が落ちているではないかということでありますが、長崎縣は、縣の地域を区域とする組合が一つありまして、郡市の地域を区域とするものはないそうでございますので、あの資料の第三、郡市を区域とする馬匹組合の資産及び負債額という中には入つておらないのでありますが、資料の二にあります都道府縣が馬匹組合連合会(縣を区域とする馬匹組合を含む)から承継した費用額総計事億三千万円、この表の中に縣別はございませんけれども、長崎縣は入つているということでございますので、御了承を願いたいと思います。
#57
○藤野繁雄君 只今の御説明で、家畜市場のことは分つたのでありますが、家畜市場は、御説明のようにしてでも自由であるのでありますから、いつ開いてもよい。併しながら衛生的方面から考えて見たならば、それを制限することもある。こういうふうなことであつたならば、やはり家畜市場というものを開く場合においては自由であるけれども前以て何らかの方法で、こういうようなことで家畜市場を開くからというような届出か、或いは何かをしなかつたならば、いつどこで家畜市場を開いておるかということが分らないようなことになつて、衛生的な監督ができないようなことになりはしないか。こういうふうなことが考えられるのでありますが、そうすれば、結局家畜市場は自由であるけれど、開く場合においては、何らかの手続を取らなくてはできないということであれば、或る程度の制限を與えられることになるのではなかろうか。こういうふうに考えるのでありますが、この点について更にお答えをお願いしたいと思うのであります。
 それから、これは家畜市場には直接関係がないのでありますが、農村の牛馬を持つているものにつきましては重大なる影響があるのでありますから、お尋ねしたいと思うのであります。現在農村では牛馬がいろいろの事故のために切迫屠殺をしなければならない場合か多々あるのであります。こういうふうな場合においては、死んだところの牛馬を或る業者に買うて貰う。その際においては農家は殆んど手の付けようがないのだから、殆んどただのような値段で買うて貰う。又輸送のためにも相当の費用を要する。例を取つて申上げて見たならば、十万円の牛馬が亡くなつたならば、切迫屠殺をするというと、一万円かそこらの金でなくらや貰わない。併しその切迫屠殺の事故によつては、その肉は食べられる。皮も売れるということでありますから、これを一万円かそこらで買うたところのものは、皮を取り、肉は普通の値段で売買するというようなことになれば、その業者というものは莫大な利益を得るのであります。それで私のお尋ねしたいと思うのは、そういうふうな場合においては、畜産に関係するところの農業協同組合があるとしたならば、その農業協同組合に獣医の立会を求めて、又切迫屠殺をした際においては獣医が要るのでありますから、その農業組合で或る設備をして、これを解体し、肉は普通の値段で売れるということであれば、その肉と皮とを売つた値段で、殆んど牛馬の値段に等しいところの値段が取られる。一方の方においては、又保険料を貰うというようなことになれば、牛馬が亡くなつても、その農家は大なる損害を受けないことになつて來るのであります。これが将來農村の牛馬を持つておる者を救うところの一つの方法であろう考えるのでありますが、そういうこうなことをできるようにして貰いたいと思うが、できるのであるか、できないのであるか、若しできないのであつたならば、如何なる理由によつてできないのであるか、こういうふうなことをお尋ねしたいと思うのであります。
#58
○政府委員(平田左武郎君) 家畜市場法がなくなつても、家畜傳染病予防法等の規定があれば、全然自由というわけではないのではないかという御質問でありますが、その通りでありまして、家畜市場法による制限は消滅いたしますけれども、傳染病予防法等に基きまする取締り等は、又その見地からいたしまして存在すると、こういうふうに御了承願います。
 第二の、切迫屠殺の際に、殆んど只のように売らしめるのはいけないじやないかということは、全く御同感でありまして、その所有者のできるだけ損失のないように有利な方法によつて販売せしめるということは、当然のことと信じておりますが、具体的方法等について如何にいたしておりますか、更に取調べて見たいと思いますが、当然藤野委員の御趣旨のごとく取扱うべきであると信じております。
#59
○藤野繁雄君 今のお答えで、まだ納得が行かないのでありますが、どうも衛生的の取締りがあるから、家畜市場の場合においてもそのことはあるということでありますが、私のお尋ねしておるのは、そういうふうな法律があるのであるから、家畜市場を開く場合は、前以て届け出なくちやいけないというような或る通牒、制限が與えられるのじやないか、そういうことであれば、自由々々というけれども、或る一つの制限があるのじやなかろうか、そういうふうなことは届け出なくても何でもいい、届け出ることについては、こういうふうなことを届け出でなくてはならないか、どうかという問題であります。
#60
○政府委員(平田左武郎君) 國家的制度としては、必ずしも届出を必要としないのでございます。ただ実際上の措置として、お設のように、折角開いたところが、後から閉鎖を命ぜられるということになりますれば、市場開設者としても却つて不利なことと存じますので、事前に縣当局と密接な御連絡をお取りになるということは望ましいことと存じますし、或いは縣によりましては、その自治権に與えられたる権能によりまして、届を求められるというようなこともあろうかと存じます。以上でございます。
#61
○山崎恒君 本日はこの程度で……。
#62
○委員長(楠見義男君) 私ちよつと聴きたいことがあるのですが、岡村さんがお休みになつておるものですから、私代つて伺いたいのですが、馬匹去勢法を廃止する法律で、この前の委員会で岡村さんのおつしやつたことについては、一應尤もだと思われる節が実はあるのですが、その点について、もう一度詳しく、分るように御説明願いたいと思います。岡村さんのおつしやつたのは、現在馬匹去勢法といろ法律があるから、民間においても自治去勢が行われておるところがそれが法律が廃止されると、民間の自治去勢というものも、場合によつては減少する虞れがありはせんかということは、特に農村では去勢した方が使いやすいというようなことがあるも分らんが、都市においては、特に競馬等については、去勢しない方が馬力が強くて能率的である。從つて相当いい馬が、去勢をせずに競馬の用に供せられて、それが又種付けの用に供せられる。而も安い種代の料金で以てできる。これからの畜産の状況を見ると、普通の種馬を使用することは、非常に高い費用がかかるので、その面から見ても、今言つたようなことが起りはせんか、從つて馬匹去勢法廃止の問題については、相当考慮しなければならんじやないかという御意見であつたのであります。それに対しての政府側の御答弁では、尚御満足でなかつたように思われるし、又他の委員の中にも、その点をはつきりしたいといろお方もあるように思われますので、もう三度その点を詳細にお話を願えれば、非常に仕合せだと思います。
#63
○政府委員(平田左武郎君) 現在の馬匹去勢法が、一種の官行去勢の制度を採用いたしておりまする、主たる理由は、いろいろ、前回に提案理由として述べられましたところによりましても御承知かと思いまするけれども、丁度日露戦争の前後におきまして、軍馬の徴用を主たる事情といたしまして、明治三十四年に法律ができたのでございまするが、この法律自体を直ちに実施するということは、いろいろ実情にそぐわんというようなこともありまして、法律は明治三十四年にできたのでありまするが、実施は大正五年になつておるというような沿革を持つておるのでありまして、軍馬、徴発馬の要請に基いて法律ができたけれども、実施上の困難性というようなことも考えられまして、約十五六年も法律が施行されなかつたというような沿革を持つておるのであります。そこで今日までのところは、御説のように、民間の自主的去勢というような、二種の法の反射的の作用によつて官行去勢を行わない者が、民間の去勢に赴いておるのではないかということもあろうかとも思いますけれども、これは政府としまして、府縣に配付しまする乏しい費用を以ちまして、全部の明三才の馬に去勢をいたすということになりますると、期日の上におきまして、場所の上におきまして、非常な制約になりまするので、その間、農民自身の都合の上から、若干代金は高くなつても、その欲する時期に、欲する業者に頼んだ方がいいという事情もあるのでございまするので、必ずしも法の改正に反射的にそういうことが存在いたしておるということも、我々として認め難いのであります。更に、都市輓馬は去勢しない方が能率的ではないかというような御意見もあつたのでございまするが勿論全部の馬の中には、或いは去勢しない方が役に立ち得るというようなこともあろうかと存じます。從いまして、去勢法を廃止いたしまするならば、そうした場合には、去勢しない馬を使えるわけでありまし、去勢法を存置すればそういつた場合にも去勢せざるを得ないということになりまするので、却て結論は逆になつて参るのではなかろうかと考えております。尚種付料の点につきましては、收支均衡の見地から、現在三百円程度になつておるのでありまするが、それは又段々上りますれば、大蔵当局よりも料金を引上げられるというようなこともございまして、民間の種付料は高きは千五百円、低きは五百円くらいで、概ね引き合う程度の平均と存じておりまするが、馬の種付けと申しますか、前回にも申しましたように、大切な馬を作り上げて行き、又これを育て上げるということを考えますれば、私は種付けに要しまする費用ということは、比較的小さな金額で済み、而も後代にまで影響があろうかと思いまするので、この金額は余り過大であるということは如何かと考えております。現在の四囲の情勢は、開業獣医師の数も段々と殖えて参りますし、去勢の方法も、必要性等につきましても、大体関係業者の理解を得つつある情勢でありまするので、こうした沿革を持ちました馬匹去勢法は、我々としてはこの際廃止をいたして差支えないのではないかと、かように考えておる次第であります。
#64
○委員長(楠見義男君) それでは大分質疑も終了したようでありますから、畜産関係の三つの法律案につきましては、一應これで質疑を打切りたいと思います。御承知のように馬匹去勢法廃止の法律は予備審査であり、他の二つの法律は本審査になつておりますが、従つてできるだけ早い機会に、本審査の方は採決に付したいと思いますので、そのお心組でおつて頂きたいと思います。それから尚本日最初に御相談しました陳情、請願の件でございますが、來週の月曜日から、委員会においてこれを取上げて行きたいと思いますので、最初に開拓局関係のものと林野局のものを取上げたいと思いますので、その際に陳情、請願に関連し、或いはそれ以外のことでも今申上げました開拓局、林野局に関係のある事項は、政府委員も出て参りますことでありますから、その際にいろいろ街質疑のあります点は、併せて御質疑をして頂きますと大変有難いと思います。そういうふうにお願いいたします。本日はこれで散会いたします。
   午後三時五十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           大畠農夫雄君
           門田 定藏君
          池田宇右衞門君
           高橋  啓君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           山崎  恒君
           板野 勝次君
           池田 恒雄君
           國井 淳一君
  政府委員
   農林政務次官  北村 一男君
   農林事務官
   (畜産局長)  平田左武郎君
  説明員
   農林事務官
   (畜産局畜政課
   長)      伊藤 嘉彦君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト