くにさくロゴ
1948/11/30 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 農林委員会 第7号
姉妹サイト
 
1948/11/30 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 農林委員会 第7号

#1
第003回国会 農林委員会 第7号
昭和二十三年十一月三十日(火曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○市町村農地委員会及び都道府縣農地
 委員会の委員の選挙に関する特例に
 関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
   午後八時二十二分開会
#2
○委員長(楠見義男君) それでは只今から委員会を開きます。昨日から予備審査をお願いしておりました市町村農地委員会及び都道府縣農地委員会の委員の選挙に関する特例に関する法律案亀議題にいたしますやこの法律案は昨日も御報告申上げましたように、衆議院で修正されまして、本院に回付されて参りました。その修正の要点と申しますか、趣旨は、農地改革の途上にある経過的の措置としては、現状と余りホけ離れた選挙人名簿を用いて、それによつて新らしく総選挙をするより底一むしろ現在の委員の任期を多少延長して、而もその延長期間はできるだけ最短期間に延長して、その延長期間満了ま聾の間に農地改革も一應の始末がわくことでありましようし、又政府としても新らしい農村構造の実体に即じた法制を立案することも可能であろうから、そういう趣旨において選挙をやらずに、現在の委員の任期を延長するという趣旨で、この法律全体を修正しておるのであります。今その修正の要点を申上げますと、先ずこの法律の題名を、「農地委員会の委員の選挙に関する特例」とございますのを、その「選挙」を「任期等」に改めておるのでございます。即ち題名は、原案は「選挙に関する特例」でありましたが、修正案においては「任期等の特例に関する法律」とこういうふうに先ず題名から改めておるのであります。
 それから次に第一條でありまするが、第一條は次のように改めておるのであります。即ち第一條「この法律施行の際現に市町村農地委員会及び都道府縣農地委員会の委員である者は、農地調整法(昭和十三年法律第六十七号)の規定にかかわらず昭和二十四年六月三十日まで在任するものとする。」こういうふうに改めております。又第二條の中で「昭和二十五年三月三十一日」とありますのを、「昭和二十四年六月三十日」、に改めておるのであります。それから第三條を削り、第四條を第三條とし、同條中、「昭和二十五年三月三十一日」を「昭和二十四年六月三十日」に改め、又「前二條」とありますのを「前條」に改めております。最後に第五條を削り、第六條を第四條と改めております。
 大体以上のような趣旨でありして、繰返して申しますと、選挙をしないことにいたしまして、「現在の農地委員の任期を來年の六月三十日まで延長する、そうしてその間における補欠選挙等は現在用いております昭和二十一年九月一日現在の選挙人名簿と、本年三月一日現在における補充選挙人名簿によつてこれを行う、こういうふうにいたしておるのであります。この点は、大体昨日その趣旨について各委員の皆様方にも御了承を得ました通りであります。從つてこの修正案を議題にいたしまして、これから討論採決に入りたいと思います。
#3
○藤野繁雄君 私は若干の希望條件を附しまして、本案に賛成する心のであります。即ち農地改革が順調に進捗して、農地の買收百八十万町歩、賣渡百五十万町歩に達し、予定の通り本年末で一段落の運びに至りましたことは、日本農業の將來のために誠に喜びに堪えないのであります。尚買收未済の農地は速かに買收賣渡を完了し、一日も早く日本農業再建の基盤の確立せんことを衷心より希望すものであります。併しながら右の結果、地主、小作は殆んど減滅し、大部分の農家が自作農となりましたので、これらの階層区分には大きな変化を來しており、農村の構成要素は全く新らしい段階に達しておるのであります。この実情から地主、自作、小作の階層区分に基いて選挙せられました現在の農地委員は、農村の実情に必ずしも合致しません状態であります。従いまして、現農地委員の任期満了と共に既往の階層代表制を止めまして、全く構想を新たにした全村選挙の方向に向うのが最も適切であると確信しておるのであります。併しながらまだ買収賣渡の事務が末端まで終了せず、所有権の所在等が必ずしも判明いたしませんので、選挙人名簿の作成困難であることは当然予想せられることであります。ために委員の人気を取敢ず半ヶ年間延長するという本法案も、將來全村選挙に進むということを前提として、その間の暫定処置として又止むを得ないと考えて承認する次第であるのであります。この際私は、農地改革が更に順調に進捗を遂げ、所期の成果を十分挙げるためには、次の所見につき政府の善処を要望したいと思うのであります。
 即ち農地改革が今日の成果を収むるにいたしましたのは、半面農地委員各位の絶大なる努力と“一方地主の拂いました犠牲のあることを忘れてはならないのであります。そこで農地委員各位に対しては、安んじて最後の仕上を完全に果すことができるように、農地委員会に対する補助金の増額を要望いたします。同時に又多数の農地委員中にはとき折り面白からざる噂も聞いておるのでありますから、これらの農地委員には指導監督を十分にして、農地改革に支障を來さないように適切なる処置をお願いしたと思うのであります。
 次に地主に対してでありますが、政府資料に上りますれば、政府から小作農に賣渡された農地代金中、收納済額は一時拂いが約十億円、年賦拂いが約一千万円、他面地主より政府が買収した農地代金中、支拂い済額は現金拂いが約五億円であります。即ち政府の説明によれば、地主に対する支拂い遅延は手続不備のためというものの収納済額の約半額、地主に支拂い残りの五億円を政府で保管しておることは政府り怠慢であると非難されても亦止むを得ないのであります。速かに手続を簡明にして支拂いの措置を講ぜられて頂きたいと思うのであります。
 次に政府買収の農地で証券拂いの金額は約八億七千万円でありますが、この証券が殆んどまだ地主に渡つていないので、関係方面を督励して速かに地主に渡るようん努力せもれたいと思うのであります。又農地証券による金融は停止せられてありますが、今日地主には農地は政府に買収せられ、而も政府の買収代金支拂いは進まず、又農地証券も殆んどまだ渡つていない。而も渡された農地証券は資金化することができないとすれば、收入の道が閉されております地主は、全く行詰つて生活の方法を見出し得ないような状況であります。多くの地主は農地改革の趣旨を了承いたしまして、自己を殺して政府の方針に從つておるのでありますが、この点は正に同情に値いすると思うのであります。政府もこの地主の窮状に同情し、農地証券の資金化を講じてやるのが当然ではなかろうかと考えるのであります。この点につき、農林省においては大藏省と協議中とのことでありますが、農地改革に協力した地主に対しまして、速やかに農地証券の資金化を図られたいと要望する者であります。
 又先の資料によつて見まするというと、買収済面積は百六十二万六千五百二十四町に対し、登記済面積は僅かに三十四万五千八百六十九町で、又賣渡面積は百五十一万三千五百四十町歩に対し、登記済の面積は僅かに三十三万八千四百六十二町でありまして、登記完了には今後何ヶ年かかるか分らない状態であります。登記済でなければ完全に所有権の移轉を証明することができず、万事に不都合を來すのでありますから、登記の手続を簡便にするか、何らかの方法で積極的に登記能率を増進し、速かに登記を完了する方法を講ぜられたいと思うのであります。
 最後に現在の農地改革が昭和二十年十一月二十三日を基準として、当時耕作しておつた者のみに農地を賣渡すことになつておる事情は一應了承するのでありますが、この基準によつて農地を買受けておるところの小作農の側から考えて見まとてでも、有利になつておる者と、不利の状態にある者とがあるのであります。又その後各種の変動があるため、農地の公平なる分配についてはいろいろ考えなくてはできない点が多々あると考えるのであります。これらの点を再檢討の必要があると考えるのでありますから、これらの点についても最善の方策を講ぜらんことを要望いたしまして、私の討論を終るのであります。
#4
○池田宇右衞門君 本案につきましては、すでに予備審査もしておるのでご奪いまして、討論を終つて直ちに決定書れんことの動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(楠見義男君) 只今の池田さんの動議に御賛成のようでありますから、これにて討論は終結いたしまして、これより採決に入ります。本案につきましては、衆議院送付案通り可決することに御賛成の方の御起立をお願いたいします。
   〔総員起立〕
#6
○委員長(楠見義男君) 総員起立、よつて本案は衆議院送付案通り可決することに決定いたしました。
 尚委員長の報告その他につきましては例によつてお任せを頂くことにいたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(楠見義男君) 尚本案に御賛成の方は順次御署名をお願いします。
  多数意見者署名
    藤野 繁雄 徳川 宗敬
    赤澤 與仁 加賀  操
    石川 準吉 國井 淳一
    岡村文四郎 大畠農夫雄
    羽生 三七 星   一
   池田宇右ヱ門 平沼彌太郎
  ―――――――――――――
#8
○委員長(楠見義男君) 署名漏れはございませんか……、それではこれを以て散会いたします。
   午後八時三十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
           平沼彌太郎君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           大畠農夫雄君
          池田宇右衞門君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           國井 淳一君
           岡村文四郎君
  政府委員
   農林政務次官  北村 一男君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト