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1948/11/18 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 水産委員会 第5号
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1948/11/18 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 水産委員会 第5号

#1
第003回国会 水産委員会 第5号
昭和二十三年十一月十八日(木曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○水産業協同組合法案(内閣送付)
○水産業協同組合法の制定に伴う水産
 業團体の整理等に関する法律案(内
 閣送付)
○漁業権等臨時設置法案(内閣送付)
○水産業の金融に関する件
  ―――――――――――――
   午後一時二十六分開会
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から水産委員会を開催いたします。前回に引続いて水産業協同組合法案害に法案の政府の提案理由の説明に対する質疑をいたします。水産業協同組合法案の第四章に移つておりましたが、まだ質疑が大分あるようでありましたからして、更に第四章漁業協同組合連合会から審議に移つて頂きたいと思います。
#3
○青山正一君 この法案の第八十八條において連合会の規模を制限した理由はどうか、それから第二としまして、連合会の規模は組合数三百を標準とした根拠はどうか、この二点について承りたいと思います。
#4
○説明委員(藤田巖君) この連合会の規模を制限いたしましたのは、これは主として独占的な形態になるということを、協同組合の連合会を結成する場合には考えなければならないというふうなことからいたしまして、率直に申しますと、從來の中水のような組織については、これは独占形態になるからというふうな意味で支障がございまして、その意味でここに制限をおいたのであります。それで地区が都道府縣の区域をこえません場合は、これはその会員たる組合の数には制限はございませんけれども、地区が都道府縣の区域をこえますものにつきましては、その所属員たる組合の数が三百という限度を置いておるのであります。これは大体現在漁業会が結成されておりますのが約三千近くあるのでございまして、今度の協同組合というものは、相当それ以上多くなると考えますけれども、現在を基礎にいたしまして、三千といたしますれば約一割、一割程度の連合会でございますれば、独占ということにはなるまいというふうな考え方からいたしまして、この三百という限度を置いたわけであります。
#5
○青山正一君 大体御説明によりまして承知いたしましたが、連合会は所属員たる協同組合の数が三百をこえないことになつておりますが、この点はこれでよいかもしれませんが、この漁民の啓蒙教育とか、或いは総合的調査研究という面では非常に具合が惡いと私は思うのですが、何か全国的な組織の教育とか、或いは文化、或いは指導的な批判というものが絶対に必要だと私はおもつております。で、農業の方面に許しておりまするのにこの独占形態では困るとのその理由でそういつたものはやらんということをお聞きしたわけでありますが、この農業の方面に許して、漁業の方に許さないという根拠は、農業の方が漁業に比べまして、進んでおると言うふうに解釈しての結果か、若しそうだとするならば、この農業の方より尚更この漁業の方に、その全國團体というものが必要なのでありまして、私はその全國團体のできないように、法律化しているのは一点同いうわけか、それともこれは速記停止ということに関係しておることか、その点についてはつきりと率直に御返答をたまわりたいと思うのであります。私はこの点につきましては何が何だかさつぱり分からないのであります。序でだから申上げますが、例えば中央の農業会が閉鎖を受けずに中水が閉鎖を受けておる。これも私は分からない。中水が閉鎖を受けたので、その後漁業者は行きどところを知らず非常に混乱に陥つた。その中水を閉鎖させたのは、これも中水も多少責任はあるにしましても、この水産局に半分は責任を持つべきだといううわさが世間に相当高い。そういつた点について、これが当局に原因があるかどうか、それが分かればこの全國團体の設立問題もたやすく解決することができるんじやないかと思うのです。こういつたいろいろな問題について一つの頭の惡い私は御教示を願いたいと思うのであります。
#6
○説明員(藤田巖君) 速記を止めてください。
#7
○委員長(木下辰雄君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#8
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めてください。
#9
○江熊哲翁君 関連しておるというばいえるのですが、第八七條の第四項、これは貸付、貯金の受入以外の他の事業を一緒に入れない、これはよく分かるのであります。おそらく今青山議員の言われたことに対してお答になつたような似たようなことが、又言われたのだろうかと思うのです。余り事情をしつておりますから……。これは非常に大きな問題だと思うのでありますが、実は漁民たちはこのことを非常に心配しておるのですが、一應原案がこういうふうになつておるということで、私共は非常に遺憾におもつております。そこで、私は今日はそういうことをいろいろ議論することを差控えまして、現在の縣水産業会で、この金融の方の仕事をやつていない業会が水産業会に幾つあるかお調べになつておるだろうと思います。重大な問題でありますので、それをちよつとお尋ねしたい。
#10
○説明員(藤田巖君) 現在水産業界の数が四十二でございまして、その中貯金業務をいとなんでおりますものが三十五、それから貸付業務をいとなんでおりますものが、二十四、さようなことになつております。
#11
○矢野酉雄君 八十九條のこの問題は、今青山委員から御質問がありましたが、これは非常に重大な問題であると思う。若し地区が都道府縣の区域をこえないことが絶対的の條件であるとするならば、結局行政部面において、農林省の結局水産廳が官という立場からのみ考えたのであつて、絶対水産業会の民主的発展のために、全国的のひとつのそこに指導機関、助成機関というようなものがない限りにおいて、どうして民主的な一つの行政の中にその民意を表現させるかということに、これは非常に重大なる支障が生ずると思うのですね。これは市町村という一つの例を採つても、全國市町村の総意を行政面に反映させるために、それぞれの会合を持ついる、それは統制機関というような、或いは独占機関というような、その意義を強調させるために、関係当局のOKを取ることが不可能ではなかつたかと思うのですが、さて更にそこへ行くまでの過度期においては何かこれに代わるべき、民意を総合的に当局として看守するために、何かの適当なそこに、事業者團体法にも違反せず、又独占的事業にもならない、或いは戰時中の全体主義的な立場からいう統制機関にもならない、GHQも当然のOKを與たえるような、そこに協議会と申しますか、何かそれらについて、それに変わるべき一つの團体を或いは会合を助成するというような意図はありませんか。
#12
○説明員(藤田巖君) 中央におきましても、やはり指導部面、或いは漁民の啓蒙をいたします部面におきましての中央の團体というものが必要であることは、從つてこの漁業協同組合法ではそれを設立することはできませんわけでありますけれども、事業者團体法に抵触しない範囲におきまして、社團法人でありますか、或いは任意團体であるますか、いずれにいたしましても、さような團体を設けてやつていくということは、これは必要であると考えております。
#13
○江熊哲翁君 八十九條に対する水産廳次長の御説明を今承りましたが、矢野議員の質問に対するお答えというものから私共判断いたしますと、これは私は水産廳の考としては不都合じやないか、怪しからん考えだと思うのであります。そういうような重要性を認めおつて、更に何かここに別途の方法を講じましようというならば、何故これが條文の中に入れられないか、そんなこと入れられない筈はないと思う。それは要するに努力がたらなかつたのでないか、これは非常に大きな問題なんです。それは一應何かの方法で一つ考えてみたい。それだけの考があるということは、この重要性を御自身認めておいでになる。これはもう全國漁民は非常に強い要求なんですよ、このことについては……。だからこの漁民の声を本当に御理解になつておるならば、少なくともこの法案を作る際に、いま少し十分な研究をされて、このような実現を期しなければならない。然るに本日のこの提案を見るとこの体たらくである。これは私共非常に残念に思うのです。消費生活協同組合法などを見ましても、明かに明文が入つて全國の連合体を作るようにしてある。最前の農業協同組合法の場合においては、事業別には認める。併し農業と水産の場合は、比較にならん程農業は大きいのです。あれは分割したからといつて、尚水産一本より遥に大きい力を持つておる。だから水産のような小さいものが、あの沿岸の小漁師たちの全國連合会ができたからといつて独占禁止だとか、そういうものに抵触するだとかなんとかいうふうな考え方が本当に日本の現在の沿岸漁民のあり方というもにに対する政府の研究が不充分である、認識が足りないのだと私は言いたくなる。これは一つ我々としても十分研究してもみたい、そういうふうに思うのです。どうもこの八十九條のこういつた書き方については、私共も非常に不満を持つております。おそらく、衆議院では公聽会を開くといわれておるのですが、公聽会にあつまつた人達は必ずやこの点について強い要求をされるに違いないと私は思う。ただ次長から今、何とかといつた……。その何とかということが許されるのならば、私は少なくともこの法案には一應消費生活協同組合の全國連合会程度のものでもいれたら、漁民はどれだけ明るくなつたかと私はそう思う。この問題についてはいずれ後日又問題になると思いますから、私はただそれだけを申上げておきます。
#14
○委員長(木下辰雄君) 外にありませんかーそれでは第四章はこれで質問を一先ず保留しまして、第五章に移りますが、その前に、昨日の委員会で皆さんとお約束しておりました金融問題に関して、大蔵省の復興金融課の松平さんがお見えになつております。で、浅岡さんあなたから一應御質問……。 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#15
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。
#16
○矢野酉雄君 それに直接の関連はないのですけれども、主として引揚者特に沖縄の引揚者ですが、この諸君がやはり海草のうちの海人草というのを盛んに採るべくGHQの殆どOKを取つているわけです。ところが御承知ののように海人草は融資の順位からいうと丙になつている。これは刻下の保健上の立場から言つて厚生省の医務局、薬務局等の立場からすれば、寄生虫の駆除についてサントニン等の必要なる薬品が非常に不足しているため、是非そういう海人草等の採取を奨励したいというように言明しております。これらの方面の人の御苦心等に副われて、そうして幹事会なら幹事会においてこれをOKすれば、復金の融資等はできると私は見るのですが、これはどういうふうに大蔵省としては御勘考になつていらつしやいますか。
#17
○説明員(松平忠晃君) 只今お話の海人草につきましては、現在國民保健上駆除剤が非常に必要であるということは、私共も存じておりまして、サントニンも容易に入手できませんし、ヘキシール・レゾルシンというのがございますが、これも簡單に國民の全体の需要を今直ちに充足するという程度にはできておりません。お話の海人草につきましてもこれを企業化することができますれば、融資の対象としまして考えられるとおもつております。ただ具体的にどういうことになりますか、企業体の内容その他につきまして、ここに伺いました上で決めるように……。
#18
○矢野酉雄君 船なんかを購入する設備資金等はどうですか。
#19
○説明員(松平忠晃君) 船の購入資金はできますでございます。
#20
○矢野酉雄君 それだけ承つて置きたいと思います。
#21
○淺岡信夫君 今の矢野委員の説明に対しまして、可なり具体的なことをお話下さいましたが、私はもう一歩具体的な面を質問申上げまして、そのお答を頂きたいと思いますが、実はその引揚者の、或いは復員者の遺家族というような人達でありますけれども、この静岡縣の網代というところで事変前には五つの生き「いわし」或いはふつうのものを獲ります巾着網というものをやつておつたのであります。そうしますと、戰争中に船は徴用される、人は應召するというようなことで、遂に五つのものが二つになつてしまつた。ところが敗戰後段々人がかえつて参りまして、そういう人達が始めたいというようなことで話あつておりますけれども、今そうした生き「いわし」をとるというような巾着網をやることになりますと、先ず二千万くらいの金がかかるということです。そこで何かとこれに対してよき方法はないかということをこの引き上げの特別委員会などに聞かれまして、たまたまこの五月に引揚者、或いは戰災者が新規着手するものに対しては、先ず資材というものを相当やろうということが水産廳次長の名において各都道府縣になされた。そういうような点を知りました結果約七五名程のものが、會つておつた人たちが皆組合いたしまして、そうして二百万円近いものを集めて、船を約四杯作つて、それから網を作る練糸を頂いて、そうしてその業に就こうとしたわけです。ところがどうしてもその網なり船なりの後の金というものは六百万円近いものが要るというようなことで、農林省に斡旋方を頼んだ。ところが農林省といたしましては、九月七日に水産廳で四百七十五万円融資してもよいということの斡旋を復金なされたわけです。その結果、復金といたしましては、現地の静岡で融資懇談会を数回開きましたところが、現地で決定せずに中央に送られて來たわけです。で、中央におきまして、審議をなされたのですけれども、結局留保ということになつたのです。その留保になつた理由というものが、日銀並びに復金方面からうかがいますと、一應引揚者の事業体であろうとなかろうが、それが本当にやつて行けるかどうかということを先ず考えなければならない。併し曾てやつておつた人がやるということになら、それはやつて行けるでしよう。それは肯けるけれども、農林省としての根本的な融資のケースが外れておるのです。その点に疑義を持つ。だから地方の懇談会は中央で審議するということになつてこつちへ送つてきたわけで、この中央の審議にかけたところが、農林省即ち水産廳の係官よりはつきりした全國的なデータ、この程度の線までは沿岸漁業でも融資を認めるというような詳細なる説明が不充分であつた。その結果留保になつたということを言われたのです。そこで水産廳の方にそうしたデータを一つ作つてはどうかということを申出たのですが水産庁としましては、なかなかそう簡單にできるものではない。それは全國的にそういうふうな資料の立案が幾つか出ておるか、或いは各縣から幾つか出ておるか、その特異性はどういうような細かいデータがなければ、それを取上げることができないというような結論に至つておるわけであります。ところが昨日のここにおきましての水産廳の立場からいたしましては、至急にそうしたデータを作つてやるという結論に到達いたしまして、そういう安本といたしましても、そうした面に対してはできるだけ沿岸漁業に対して、優先的に今後やるのだという見解をここではつきりされたのですが、たまたま大蔵省の方はお帰りになつた後だつたものですから、今日又御越し頂いて、その質問を重ねてするわけですが、大体そういうふうなケースですから……。これは一つ今網代組ということを申しましたが、こういう面は神奈川にも、或いは長崎県の五島にもあるのです。そういうふうなケースのものは……。果たして水産廳或いは農林省からそういうふうな線をはつきりして出て來た場合において、大蔵省としてはこれを取上げていいというような立場において御指導なさるかどうか。金融機関に向つて……。その見解を伺いたい。これは可なり具体的な点を申上げたのですが、どういうふうな御見解をおもちでしようか。
#22
○説明員(松平忠晃君) 只今お話のございました生き「いわし」の需給状況は著しく振興しておりまして、これを獲るための網の新設の必要であるということは水産廳の説明によりまして、私共了承いたしておるのでございます。ただこれは「いわし」の獲れます地域と、或いはそういつたような企業を起こす計画がどこにあるかというような全國的な見とおしが一應知りたい。また農林省といたして、この四半期、あるいは年度中に、こういつたようなものをどの程度に作る計画を持つておるかというようなことを私共も承知いたしたいというふうに考えまして、只今お話のございましたように、留保いたしたのでありまするが、それは復金の融資は御承知のように國家資金でございまするので、いわゆる早い者勝ちに陥らないようにいたす必要もございまするので、できるだけ資金を効率的に使いたいという趣旨によるものでございます。常識といたしましては、私共融資として差支えないというふうに考えております。ただ昨日安本、復金がどういうふうにお答申上げましたか、私承知しておらないのでございまするが、この決定には幹事会の会議制によつて決めなければならないのでございまするが、私の私見といたしましては、適当な融資というふうに考えております。
#23
○淺岡信夫君 今のお答で大体了承すべきでありますが、たまたま昨日のこの委員会で、次長も長官もお見えになつておらなかつたのですが、私はこの機会に次長に一つ質問をいたしたいと思うのです。昨日の遠洋、或いは沿岸漁業、行政各課長のお話を総合いたしまして、それから各金融機関、安本のお話を総合いたしました結論は、なかなか水産関係のものは、特に沿岸関係のものは、金融の対象として非常に、その調査飼料を出すということは至難でありましようが、どうしても今後におきましては、この八十%近くも淡白源を補給しておるという立場においてのこの沿岸漁業というものに対して、定置でありましようと、或いはその他のものでありましようと、金融機関が納得する、或いは金融機関を監督する監督官廳が納得するというようなデータを、これは揚繰網に限らず、その他の点について即刻私は作つて頂きたいということを強く要望するのであります。そうしたことに対しての今後のお見通し、或いは今後水産廳としてはどういうふうな処置をなさるかということを水産廳次長にお尋ねいたしたいと思います。
#24
○説明員(藤田巖君) 現在各産業部門を通じまして、金詰りが非常に嚴しいのでありますが、特に子の水産業方面は資金難が嚴しうございまして、現在起つております問題は、ほとんどこの資金によつて行き詰つておる。資金さえ解決すればもつと増産ができるというふうなことを考えておるわけであります。從來とも水産廳といたしましては、この問題については努力いたしておるのでありまするが、まだ甚だ微弱でありまして、御要望に副いかねる点の沢山ありますことは、甚だ残念におもつております。今後とも私共といたしましては、この問題については更に積極的な努力をいたしたいと考えております。尚水産金融にたいします私共の案につきましても、確か昨日この委員会で説明いたしたことと考えますが、今後ともよく金融の問題につきましても、御意見を伺いまして、早く対策を考究して、又これは水産廳方面だけではなかなか解決のできない問題があるわけでありますからして、国会方面からも十分なお口添えを願いまして、そうして行き詰まつております水産金融の打開に努めて行きたいと、こういうふうにおもつております。
#25
○江熊哲翁君 今次長の御返答で大変私共結構だと思うのですが、從來水産廳は勿論ですが、農林省と言うものが非常に弱い、大藏当局は農林省の仕事にたいしては認識が至つて薄いというよりも、熱意を持つて呉れない。特にこの水産業に対しては認識がない。沿岸漁業に対しては皆目分からない状態におるので、今水産廳次長も甚だ微力だと言うことをおつしやいましたが、微力も微力、とてもお話にならん。微力ですから水産廳というものがこの際できたわけなんでありまして、大いに一つのこの方面に力を入れて貰いたい。水産委員会もその方面については大いに努力しなければならんと思います。私はこの協同組合法が今ここで研究されておるのですが、いかに立派な協同組合法ができたところで、資金の関係において不充分であるということでは、こんな法律なんかもう要らないのです。資材面においても、或いは漁船関係におきましても運営面におきましても、或いは漁業協同組合自体の金融の仕事におきましても、資金という問題において十分な裏付けがなされない限りにおいては、どんな協同組合ができても何にもならないということで、この際水産廳ができたわけで、新しい協同組合法も生まれようとしておるわけでありますから、この水産金融、零細漁業をもつてなるところの漁村金融の問題については、今後水産廳は一つ特設の御努力を願いたいし、幸い大蔵省からもお見えになつておるから、この協同組合の組合員の金融問題については、從來と違つた意味におうてご同情のある一つご心配をして頂きたい。これを合わせてお願いいたして置きます。
#26
○淺岡信夫君 幸い大蔵省からも見えておりますので、更に私は強く要望しておきたいのであります。と同じに、水産廳にも強く要望して置きたいと思います。と申しますことは、江熊委員の言われましたように、この沿岸漁業というものに対しまして、どうしても一段のお力をして頂かなければならん。このことにつきまして、昨日衆議院の小松水産委員といろいろお話をいたしまして、その結果更に衆議院の委員長、並びに理事とお話をいたしたのでありまするが、その衆議院の委員長の話では、少なくとも沿岸漁業に対して今の十倍くらいのものを何とか処理するような方法を一つ考えようじやないか、だから一つ衆議院の水産委員会と合同の会議をして、更にこれに水産、農林省を差加えて、そうして一つの根本的な策をこの沿岸漁業に対してのみ一つ建てようじやないか、あつたのであります裏付けとして金融をどうするかということを一つ即刻やろうじやないかというお話があつたのであります。これは水産廳にも要望いたしますと同時に、この参議院の水産委員会にも私はこれを強く要望しますと同じに、たまたま先週の土曜日に橋立丸捕鯨漁船團が南氷洋に出て行くというときに、この参議院の水産委員長を始め、その壮挙を見送つたのでありますが、ああした機会に水産業界のみが行つたつて、私は本当に今後の捕鯨というようなものに対しては大きな力にはならないと思う。勿論水産業会の人も行くことは必要でありましようが、ああいうような機会にはどうしても大蔵省、安本というような、金融の面、或いは予算の面を担当しておる人たちに見せなければならん。これは勿論その水産廳のそこに思いが及ばなかつたということを私は甚だ遺憾に思いもするが、私もたまたまあの敗戰國の日本において、一万トン以上の船は殆ど氷川丸か或いは日新丸か橋立丸しかない。而も二杯の船で鯨を捕る船だ。そうして敗戰後とにかく悠々として横浜の港を出て行く、而も行くところは南氷洋で各国と捕鯨を争う、こうした実に壮大も或いは壮嚴ともいうような所を大藏或いは安本というようなこの予算面を担当しておる人に見せるということは、非常に水産というものに大きな理解を持たれるのではないかということを私は強くおもつたのであります。今後におきまして、幸い委員長並びに今度の水産廳官は非常な力強い熱意を持つておられますので、今後はこの水産界のみでなくして、他の面に一つ、特に予算面を担当しておる向きに力を持つて行つて頂くようなことを一つ今後においてして頂きたいということを要望するのであります。
#27
○委員長(木下辰雄君) 水産金融につきましては、又改めて委員会をやることにしまして、今日は法案の審議の場合において昨日の大蔵省の答弁のみを要求したのでありますから、金融の問題についてはこのくらいで一應打切りまして……。
#28
○矢野酉雄君 関連しておりますから一つだけ、今各委員から非常に熱烈なる水産の資金問題について具体的な御意見が出ましたが、全く同感でありますが、何故そういうような金融面の非常な打開することのむずかしいと思われるような隘路があるか、結局これはいかに根本的原因があるかというと、大体大蔵省、それから安本或いは復金等のそういう金融面の関係者の方方が、日常の生活において、水産業の資金を出しても一体魚はどうなるという問題、鯨が取れても、あの鯨だけでも十三億予算が今度要つて、而も七億捕鯨船團に出しても足らんということでありますが、その鯨が我我の食膳に上がるかというと、淡白源をとにかく供給するためには、それらの鮮魚を最もたやすく、而も鮮度を落とさないようにして食卓に供給してやるということが、私は資金面を打開するところの根本策であると思う。魚を捕るためにこの資金を出したけれども、殆ど配給によるところの魚は鮮度が落ちて、臭氣紛々たる実情である。この夏なんかもう私なんか十数回そういうことを経験しておる。だからこの金融面の打開と離すことのできない重大な問題はいわゆる鮮魚の配給統制の方式をもつと打開しなければならん、過般高級魚の統制を撤廃するというような、これは参議院の水産常任委員金のバツクによつて、水産当局が当局協力してこの実現を見たのであるけれども、もうすでに百尺竿頭十歩を進むべきところである、百歩を進むべきときであるからして、資金面の打開と共に並行してこの問題を一つ次長は、新しい長官と共に大臣を督励して、そうしてそれぞれ関係当局とも了解を求められるようにして、豊富に食膳に鮮魚が供給せられるような方策を立てて頂きたいと、これを要望して置きます。
#29
○委員長(木下辰雄君) 法案第五章、水産加工業協同組合のことについて質疑を願います。
#30
○江熊哲翁君 私は第五章の水産加工業協同組合のこの條文全般に対して非常に大きな疑義をもつております。それはこの第十條のこの法律において、「水産加工業」とは、水産動植物を原料又は材料として、食料、資料、肥料、糊料、油脂又は皮を生産する事業をいう。」とこうあるんです。これが水産加工業と、こう言うんです。 この水産加工業というのは、勿論こういうようなことを專業とする人も漁村には極めて稀にはある。併し一体私共は、漁村工業の問題として、漁村協同体自信の仕事として、こういうことを考えておるわけです。今日、漁村が協同組合を作らなければならない、このことをやることを言つておるのです。ところが政府は私共の考えと違つた角度において、突如として水産加工業の協同組合というものを、一應ここにでつち上げたわけであります。現在商工業協同組合法というものがあるんです。そうしてこの加工業の協同組合の第五章のその第九三條を見ますと、一号、二号に「組合員の事業に必要な資金の貸付」、「組合員の貯金の受入」等を言つておる。この問題は、私共と根本的に違つておるんです。これは私は水産廳から今日水産廳官なり、農林大臣の出席を求めて、一体この漁村協同体として、漁業協同組合としての性格をはつきりした説明を聽きたい。これは私後に譲つて行きたいと思いますが、とにかくこの第五章の加工業協同組合を突如として加えなくちやならんないような事情になつた理由を承りたい。
#31
○説明員(藤田巖君) お話のように、私共といたしましては、この漁村における漁民の生産、流通、或いは生活の面、各方面に亘つての母体としては、この漁業協同組合というものでやつて行きたいというふうな根本の考え方にはちつとも変わつておらないのでありますが、從つて漁業協同組合におきましても、この加工の問題はこれは私共としては当然やるべきことであり、漁業協同組合方の中でも、十一條におきまして、「生産物の運搬、加工、保管又は販賣」ということが書いてあるわけであります。從いまして、漁村によりましては、おそらく第一時加工の過程、各魚獲物の処理に属する段階のものにつきましては、漁業協同組合にそれらのものが小さな加工業者も入りまして、そして漁業協同組合と一体になつて仕事をやつて行くというふうな形が採られることであろうと思います。併しながらそれ以外の加工業者というものもこれはあるわけでありまして、從來は水産業團体法によりまして、加工業者についての当別の組織というものを認めておるわけであります。特別製造業会というふうな組織も認めておつたんでありまして、水産の廣い立場から申すますれば漁業者もあり、又加工業者もある。これは又我々としてはきわめて重要な一つのグループでありますので、これらに対する組織というものを作らないということについても亦実際問題としては、不便な点が起つて來る。協同組合の制度があるから加工業者も皆協同組合の中に入ればいいじやないかというふうなことだけでは、やはり地方地方の実情に副わないところもあると思います。又そういうやり方をいたしますと、却つて何と申しますか、本來漁民の團体である生活協同組合の性格というものが歪められてしまうというふうな空氣も私共はあるように考えてます。從つて法制としては、漁業協同組合の外に水産加工業協同組合というふうな法制もこれは加工ぎようしやのために設けてあるわけであります。ただこの二つの組織は決して対立するような関係にあるものでなくて、即ちその地方地方の実情によつてこれが円満に設立いたされまして、お互いが協同して助け合つて、そうしてお互いの便宜になるように作られて行くと言うふうなことの結果になることを、私共としては期待をいたしておるわけであります。ただお話のような御懸念の点については、私共も十分そういうこともあろうかと思つておりますので、そういうふうな点についての趣旨をよく徹底せしめる、或いは指導する、啓蒙せしめる点については、今後法案の各地方に浸透いたします際によく徹底さしていきたいというふうに思つております。
#32
○江熊哲翁君 非常にこれは大きい問題でありますので、諄いようですが、まあ今日意見を言うというのもどうかと思いますが、意見を挟んで申上げておきたいと思うのは、私はこの第九三條の第一号、第2号当たりの仕事から判断しましても、私は何も漁村に時計工業までいれて、漁村工業と言うようなものを考えようというのじやございません。農村あたりでは、賀川豐彦氏あたりは、御承知のように農村工業の中にスウィスの眞似をして時計工業まで考えて行なつているようですが、私共はそこまでは考えていない。又そこまで行くまでに我々はなさなくちやならん仕事が余りに多いのです。ところがそのなさなくちやならん仕事が、この水産加工業協同組合とこういうもので、同一地域内にこれは相当強い力で起こるのであります。丁度同じ籠の中に鼠と猫を入れるようなものなのですよ。鼠は業者なんです。数は多いかもしれませんが、業者というものは鼠なんですよ。力の弱いもので、一睨みされればどこかに縮こまつておるというようなたぐいの人達は鼠なんです。鼠は数は多いけれども、幾ら結束してみたところで猫には中々かなわない。そこでどうも私は飛んでもないことになるのでじやないかということを非常に心配するのですよ。これが單なる心配である、つまり杞憂であればそれはもう大変有難いことだと思うのです。併し余程今後の実施についてはお考えにならなくちやいけない。これはもう漁業協同組合法が作つてあるのですから、そしてこれは漁業協同組合の純組合員でも、或いは正式な方法で何か考えて行くことも無論できるわけです。いろいろ業者というものを保護する方法は幾らでもある。併しここに別個にこういう性格を與え、強力なる性格をここに付與されるということになると、非常に余程の注意をしなければいけないということはこれは記憶して、將來、漁村協同組合の運動というものが展開される場合において、余程注意しなくてはならん問題だろうと思うわけであります。これは私が機会があればこの問題については別にもう少し根本的問題について申述べたいと思います。從つて漁業協同組合連合会なるものについて、私個人として別にこの程度で意見はありません。
#33
○委員長(木下辰雄君) 質疑を一つお願いします。
#34
○矢野酉雄君 次長にお尋ねしますが、なかなか分からない男だからお尋ねしますが、これと関連しますが、第十條ですが、第十條の二項に「この法律において「漁民」とは、漁業を営む個人又は漁業を営むもののために水産動植物の採捕若しくは養殖に從事する個人をいい、「水産加工業者」とは、水産加工業を営む個人をいう。」この「営む」というときは経営主体ということですか、一問一答で、それと関係があるから……水産加工協同組合の関係があるから……。
#35
○説明員(藤田巖君) その通りであります。その漁業を経営する、その経営における法律上の責任をもつておる者。こういうことです。
#36
○矢野酉雄君 そうすると、水産加工業者とは、水産加工業を営む個人をいうのだから、水産加工業を経営する個人だけであつて、水産加工業に從事する諸君はこの中には入らないという意味ですね。
#37
○説明員(藤田巖君) さようでございます。
#38
○青山正一君 どうですか先ほど江熊さんからいろいろ意見がありましたが、私も第二読会に移したいと思います。加工協同組合は原案者の考えによると、ボスになりやすいような地位にあるお方ばかりが結束するというような行き方になつておりますが、おそらく東北の事情から見ましても、或いは九州方面その他の方面を見ましても、漁村の仕込み業者というものは、殆ど加工業者を以つてやつておられるわけですが、これをはつきり区別するということになると、この加工協同組合というものが非常に力強くなるのですね、協同組合の力が非常に弱くなつて來やしないか。却つて漁業協同組合の一部分的なものに織込んでゆく、例えば正組合ではなく、準組合という行き方で進んでいつた方が非常によいと思いますが、これについての見解はどうですか。
#39
○説明委員(藤田巖君) その点は内部的にもいろいろ議論がありました点であります。從つてこの水産加工協同組合を作らず、今お話がありましたように、本來の商工組合法ででもやれる團体ではないか。從つて何も特に水産加工協同組合にしないで、この法律は漁業協同組合というふうにやつていつたらよいではないかという意見も中でいろいろああつたと思います。ただ從來の水産業團体というものは、これは御承知のように漁業会と製造業界、製造業者の特別の團体というものはやはり認めておるわけです。私は結局それは実力の問題だと思うのです。商工組合が作れるというふうなことであれば、それは何も外に置かないで、やはりそれは水産の中の問題として、この協同組合として、そしてこちらがこれを場合によれば指導もして、そうしてやつていく。相手に廻さず、水産廳自体がこれを指導するという、体制を取つておいた方がいいのではないか。しようこうくみあいになりますと、これは細かい話をして甚だ恐縮でありますが、縣に参りますと、水産課から離れる。そういうふうな場合に、果たしてその対立の関係は前よりも非常にひどくなるというようなことも懸念されるが、もう一つは加工業者もやはりこれは廣い意味の水産業者であります。それに対する組織については、やはり我々は行政官廳の立場として、親切に考えてやらなければならないということからいたしまして、その点いろいろの問題はあつたのでありますが、やはり水産加工業の特別組合を認める。そうして全体を水産加工業組合と、こういうふうに持つて行こうと最後的にはなつたわけであります。結局お話の通りに、加工業者は、水産者、漁民を搾取するボス的のものが多いということでありますが、これもなかなかそうも言えないのでありまして、やはり漁民と加工業者というものは円満に行つている所もあるわけであります。我々としては、こういう團体が出きるから、協同組合が弱くなるというふうなことよりも、今後の協同組合運動というものは、いろいろの者と闘つて行かなければならん。官廳がそれを保護したりいろいろして、從來のような温床的な存在、特権を付與されて、そのためにひよろひよろと存在をかろうじて存在をかろうじて保つておるという格好ではいかんので、やはり裸でいろいろのものと競争していく、闘いとつて行く。それによつて初めて私は漁業協同組合の運動というものも眞劍なものになる、根強くなる。その過程経ないことが、私は農業協同組合と比べて漁業の協同組合が脆弱である。脆かつた。その本質を本当に理解しないために、指導者自身もはつきりしないために、横の方に行つているということがあるわけで、やはりこれは私共としては、丁度まあ可愛い子供に旅をさせるようなもので、協同組合も外のものと喧嘩をして実力を付けていく相手があつても構わんぢやないかというような考え方で私共はおるわけであります。
#40
○矢野酉雄君 次長、これを立案されるについては、各府縣の水産業会、その他の輿論調査というような立場から、それらの意見を十分参考にせられるような手段をお取りになりましたか。
#41
○説明員(藤田巖君) これは協同組合法にいたしましても、漁業法にいたしましても、私共はその正式発表ということを早くやりたいと思つておりましたが、これが許されませんので、正式の発表は非常に遅れておつたのでありますが、事実問題といたしましては、漁業法にいたしましても、協同組合法にいたしましても、各縣の縣廳方面には緊密に連絡をいたしました、そういう方面を通じましての声というものは十分聞いておるわけであります。なお一般の方たちにこの法案を正式に発表して、意見を聞くというふうな正式の機会はございません。ただ案の内容はおのずと漏れておりましたし、それに対する声も或る程度は分かつておるというふうに……。
#42
○江熊哲翁君 質問なし。
#43
○委員長(木下辰雄君) 第五章はもう御質問がないようでありますから、第六章に移ります。水産加工業協同組合連合会。
#44
○松下松治郎君 第二読会に移します。
#45
○委員長(木下辰雄君) 同章第九十七條から第百條まで……。それでは第六章はありませんならば、第七章に参ります。登記の問題、これもないでしようね。
#46
○矢野酉雄君 登記はもう歴史的で、問題はないでしよう。
#47
○委員長(木下辰雄君) それでは第八章、監督の事項、第九章罰則。
#48
○松下松治郎君 これは意見はありますけれども、第二読会に移します。
#49
○委員長(木下辰雄君) 大体水産業協同組合の提案理由の説明に対する一通りの質疑はこれで終わりました。
 次には「水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案」これを議題に供します。これは割合に簡單な法律ですからして、全部一括して質疑をお願いします。
#50
○青山正一君 これはどうですかね。政府委員にお伺いしたいのですが、たとえば水産團体が解散になりまして、漁業会なら漁業会が漁業協同組合に変わる場合に置きまして、一つの区域に今まで一つの漁業会で担当しておつた部面が、二つの、或いは三つ、四つというふうなことに今後はなり得るところもあろうと思いますが、そういつた場合において、財産をどういうふうにして振り分けるか、そういつた問題が非常に問題になろうと思いますがね。
#51
○説明員(藤田巖君) お話のように一つの漁業会の地区に一つの協同組合ができます場合は、その財産は包括的に何か引続いて円満に行くと思いますが、二つ以上の組合に分かれます場合には、これは当然分割しなければならん。場合によればその財産の分割というような格好で行ける場合もありますし、或いは從來の所属組合員がどういうふうに新しい協同組合に入るか、それぞれその持分を持分として持分を計算いたしまして、その自分に相当する部分を、例えば甲は片つ方の協同組合に皆持つて行く、乙は又別の方に持つて行く、甲いうふうな格好でやつて行かなければならんと思います。
#52
○青山正一君 ところが、それはなかなか困難な場合があるのですが、一つの地区に一つの建物があつて、そこにタンクもあれば船着場もある、魚を販賣する販賣所もある、その他施設とか、そういうふうなものが全部一つの場所にあるという場合が相当あると思うのです。
#53
○江熊哲翁君 関連して私ちよつと質問しますが、第五條の第三項に、「前項の協議が整わないとき又は協議をすることができないときは、漁業協同組合は行政廳に対し裁定を申請することが出きる。」これでやつて行こうと、こういうわけなんですね。
#54
○説明員(藤田巖君) さようでございます。
#55
○江熊哲翁君 ところが、さようでございますという答があつたので話を進めますが、これは水産業会の場合を考えてみますというと、今までのところ一つ縣がある、ところが縣によるというと、日本海と太平洋岸に面しておる、瀬戸内海に面しておるという所があるわけです。それから著しく環境を異にする海域を教海区持つておるときには、これは先ずできるのは、その環境ごとの連合会というものが先にできるのですよ。そうしてこれは相当……。青山議員から言つたように、一つの建物についても相当ごたごたするわけなんです。これは無論第五條の3項によつて裁定が行なわれるといつたところで、それは文章で書けば簡單なものですが、これは非常に困難な問題になることは明かなんです。それが私は仕事に非常に影響して來ことになると思うのですが、この條文は実は一遍は読んだんですが、どうもそういうよないろいろなところに対する行政廳としての処分というか、指導監督の方法は何かこれだけで以つて行政廳が裁定して決めればよいということで終つているのですか。私不勉強でその点が分からないのでありますが、何かむずかしいのですか。
#56
○説明員(藤田巖君) 只今のように一つの漁業会の地区に二つの協同組合ができます場合は、五條の規定によりまして、分割という手続きをとらなければならないというわけでありまして、二項に書いてありますように、「漁業協同組合と漁業会との協議により、当該漁業の会員の持分の総額のうち当該当漁業会の会員であつて漁業協同組合たるものの持分の総額の占める割合に應じて当該漁業協同組合に帰属すべき財産を定めてこれをしなければならない。」つまり持分によつて財産を分けなければならんわけです。この協議が整わないときには、協同組合が行政廳に対して裁定を申請して、そうして裁定があつたときには、第二項の協議が調つたものとみなされて、「第一項の場合には、漁業会の財産は、第二項の規定による協議の定めるところにより当該漁業協同組合に帰属する。」裁定が下れば当然その裁定通り所有権が帰属する、こういうような建前になつております。
#57
○江熊哲翁君 私は妙なことをお尋ねすることになるかも知れませんが、一應は府縣の水産業会の場合で申しますと、後続の機関ができたら、それに一應そのまま引継ぎ、そうして分割は後で考えるという手は縣の水産業会の場合は考えられる。つまりそれだからなんと申しますか、引継ぎの後にして、どうしても分けることは分けるが、分ける仕事は内輪同志でやつてもよい。それまでは厭でも應でも引継ぐという形は何か強力にとれないものでしようか。
#58
○説明員(藤田巖君) ちよつと説明が足りなかつたのでありますが、只今五條と申しましたのは、これは漁業権の財産のことでありまして、從つて都道府縣水産業界の財産の問題は十一條に書いてあるわけであります。十一條で「漁業協同組合連合会は都道府縣水産業会に対し、水産加工業協同組合又は水産加工業協同組合連合会は製造業会に対し、行政廳の認可を受けて、その資産の譲渡又は債務の引受に関する協議を求めることができる。」併しこの場合には持分の分割というものは手続きでございませんので、資産を譲り受けたり、或いは債務を引受ける、こういうような格好で処理するということになつております。
#59
○委員長(木下辰雄君) それでは次の漁業権等臨時措置法案に移ります。これも簡單ですからして、一括して質疑をお願いいたします。
#60
○青山正一君 藤田さんにお伺いしますが、これはいつまでこの法律が適用されるか。
#61
○説明員(藤田巖君) これは第一条にございますように、現行の漁業法によつて新たな法律が制定実施されるまでの間この法律が適用されるということに……。
#62
○青山正一君 だからあなたの氣持ちは……、胎を割つたところを一つ示していただきたいのですが、來議会あたりにかけられる自身がおありでしようか、どうでしようか。
#63
○説明員(藤田巖君) 事務的にはすでに成案を得ておるわけでありまして、その成案について現在これを公開しております。從つてそれに対する輿論を……私共としてできればこの國会が終わりますれば、直ぐに漁業法、或いは協同組合法を中心にいたしましての公聽会を各地でして行いたい。或いはその話を聽く会をして行きたいと思つております。それによつて直すべき点があるかどうかを確かめまして、次の國会に出したいというふうな考え方をしておるわけでありまして、これは又関係方面との話合いで、直すべき点においては制約を受ける点もあろうかと思いますけれども、だいたい話を取り纒めて言えば、事務的にはすでに成案ができてあるわけでありまして、ただ内閣においてこれを出すという決定をして頂きますれば、少なくとも次の國会には上程できるのではないかというふうに思つております。
#64
○青山正一君 この法案は第二読会に……、生産組合という問題にからんで相当関係が深いように思われますから、先ず一應私の意見はその時に述べることにします。
#65
○江熊哲翁君 私はこの全体の特別措置法に対して、なぜ今頃出したかということ、この前あなたはお見えにならなかつたとおもいますが、これは私非常に必要だと、各漁村の漁業権の動き方から判断して、これだけは急いでやらなければならないのだという氣持ちがしたのです。これが早く出ておれば、私共としては漁業法が多少遅れてもいいのだといふうな氣持ちは随分そのときあつた。それで協同組合法を分離して早く出してほしいということを要求したことがあるのです。これは私は大変よくできておる法律だとおもつておりますが、どうも少し出し遅れた感じがするのです。これは二年くらい前にやつて、今日研究しました協同組合法を待つことにして、一年でも早く出せばなんでもなかつたように思う。これは一日も早く実行したい、実施されるようにお願いしたいと思います。やはりこういうふうに遅れたということに対しては、あなた方に相当な責任があるのじやないかと思います。これが出る前に随分いろいろと問題が各地とも起つておるから、遅くなつたことを非常に遺憾に思います。
#66
○説明員(藤田巖君) なぜ遅れたかとの御質問ございますが、これは私共といたしましても、これを出します形は当初は実は法律でなく、これはこういうふうにこの内容の者を非常に長い期間さらして置きますとその間に問題が、その間に問題が起こつて來るということで、間髪をいれずにこれを施行しなければならんという関係からいたしまして、できればポツダム宣言に基く政令としてこれを出したいというふうに考えておつたのです。ただそれを出しますにも、漁業法というものがはつきり大体こういうふうにということに決まりませんければ、それは到底出せんという関係であつたのであります。從つてこの案はずつと前からポツダム宣言に基く政令として準備をされておつたのでありますけれども、漁業法がはつきりしないために、この政令が出せなかつた。御承知のようにポツダム宣言に基くものは指令が、ディレクティヴがなければ出せないわけです。ところが漁業法がこの國会に出ますれば、その点も可能であつたのでありますが、漁業法もこの國会にはちよつと見送りになりました関係上、やはり形といたしましては、法律を以つてやる意外にちよつと執る方法がなくなつたわけでありまして、從つてそういうふうな関係で今度法律を以つてやるということになりました次第であります。
#67
○委員長(木下辰雄君) この三法案に対しまする一通りの質疑はこれで終了いたしました。ちよつと私、この際政府当局に質問いたしますが、この水産業協同組合法案も、それからこの組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案も、最後の附則に「この法律施行の期日は、その公布の日から起算して九十日を越えない期間内において、政令でこれを定める。」こういう附則がありますが、非常に急いだこの法案を、交付の日から起算して、九十日を越えない期間内において……、少なくとも九十日間、九十日後において更に政令を以つてこれを定めるというような附則は余り優長に過ぎませんか、臨時議会において非常に急遽出されたこの法律に対して、余りに公布の日が優長に過ぎませんかという点、それから政令でこれを定めるということは、普通の法律の場合においてはいつも修正されておりますが、それに対して政府はどういう考えを持つておらるるかお述べ願いたいと思います。
#68
○説明員(藤田巖君) これは大体この施行関係の政令等を出します手続きからいたしまして、一應この九十日ということを書いたのでございますが、お話のように私共も一日も早く協同組合法はこれを施行したいというふうに考えております。ここは一應こう書いておりますが、決して三ヶ月もかかるような考え方ではおらんのであります。できるだけ準備のでき次第速やかにやりたい。私共の心ずもりといたしましては、少なくとも二月一日施行でなんとかやれるように、九十日と書いてありましても、それまでに準備を終えまして、少なくとも二月一日から施行のできるような心構えでやつて行きたいということに考えております。
#69
○青山正一君 この二月一日から施行するというても、全部の團体ですか、協同組合だけですか。
#70
○説明員(藤田巖君) この暫定措置法、漁業権等臨時措置法は、これは公布の日から施行する、直ぐやる。協同組合法とそれから整理に関する法律案、この関係はこれは一緒にやらなければいけませんが、これはこう書いてありますけれども、我々の心ずもりとしては二月一日から施行するようにしたいと考えております。
#71
○委員長(木下辰雄君) 次の委員会からは改めて総合的の質問なり、或いは質問に関連して意見は述べてはいかんとなつていますけれども、質問に関連した意見はよかろうと思いますからして、そういう点についてこの次の委員会においてはお述べを願いまして、大体明日、明後日の両日間においてでき得るならば、質問を打切りたい、かように存じております。それでは本日の委員会はこれを以つて散会いたします。
   午後三時十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
           松下松治郎君
           淺岡 信夫君
           西山 龜七君
           江熊 哲翁君
           矢野 酉雄君
  説明員
   農林事務次官
   (水産廳次長) 藤田  巖君
   大藏事務官
   (大蔵省銀行局
   復興金融課勤
   務)      松平 忠晃君
ソース: 国立国会図書館
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