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1947/07/29 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第2号
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1947/07/29 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第2号

#1
第001回国会 通信委員会 第2号
昭和二十二年七月二十九日(火曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 岡田 勢一君
   理事 重井 鹿治君 理事 天野  久君
   理事 白井 佐吉君
      梶川 靜雄君    片島  港君
      成田 知巳君    野上 健次君
      千賀 康治君    田島 房邦君
      多田  勇君    村上  勇君
      森  直次君    林  百郎君
 出席政府委員
        遞信政務次官  椎熊 三郎君
        遞信事務官   大野 勝三君
        遞信事務官   浦島喜久衞君
        遞信事務官   中山 次郎君
 六月五日委員原榮作君退職につき、その補闕と
して七月八日山口武秀君が議長の指名で委員に選
任された。
 七月七日委員水谷長三郎君及び米窪滿亮君辭任
につき、その補闕として同月八日海野三朗君及び
大石ヨシエ君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
七月二十六日
 北高根澤村大字上高根澤に郵便局設置の請願(
 山口好一君紹介)(第七號)
 牛根境郵便局に電信電話事務開始の請願(前田
 郁君紹介)(第三〇號)酒田港に無線海岸局設
 置に關する請願(金野定吉君外三名紹介)(第
 四四號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 通信事業の勞務状況全般、電氣通信に關する事
 項及び通信事業特別會計についての説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○岡田委員長 ではただいまから會議を開きます。
 まず遞信省の部内の勞務状況一般について當局から説明を聽取いたしました後、先日の打合會に引續きまして、通信事業特別會計及び通信事業勞務状況などに關しまして質疑を行いたいと思いますから、質疑せられます委員諸君は、あらかじめ事務の方へお申し出おきを願いたいのであります。
 それでは當局から遞信部内勞務状況一般について説明を聽取いたします。
#3
○椎熊政府委員 この委員會を開きますにあたりまして、遞信省全體にわたりますところの事業關係その他を概括的に御説明を申し上げて、それからあるいは勞務關係であるとか、保險であるとか、保險であるとか、電話であるとか、電信であるとかいう細部にわたつて御説明申し上げた方が福序なのでありますが、本日はちようどこの時刻に、關係方面から郵務局長その他重要なる局長が呼ばれておりまして、この時間に間に合いません。それでただいまは總務局長、電務局長、勞務局長等が見えておりますので、はなはだ順序としてはまずいのでございますけれども、この席に見えております方から部分的の説明を申し上げて、いずれそのうちに全部が揃うであろうと思うますから、その際總括的の説明をあらためて申し上げたいと思います。御了解を願つておきます。
#4
○浦島政府委員 それでは私から遞信部内の勞務關係につきまして、概略を御説明申し上げたいと思います。
 まず勞務關係としまして部内の勞働組合の關係でございますが、御承知のように部内の組合といたしましては、全遞信從業員組合、いわゆる全遞の組合があるのであります。この全遞の組合は昨年の五月三十一日に全國の單一組合として結成せられまして、現在組合員數は全遞が公表していますところによりますと、三十三萬四千三百二十三人ということになつております。地方の支部數は、普通局におきましては各郵便局を單位としまして、また特定局は地域的に數局が一單位となりまして支部を結成しまして、その數は約一千餘にわたつているのであります。全從業員數はおよそ四十萬人と言われているのでありますが、現在組合に加入しておりますのは、ただいま申し上げますように二十三萬四千人でありまして、この四十萬人の中には御承知のように管理者側の從業員と申しますか、管理者の數と、それから郵便局長の數、特に特定局長は全國に一萬三千餘人おりますので、その數と、それから東京都内におきましては、一部の地域において特定局の從業員が全部全遞にはいつていない所もあつたのであります。從つて從業員の數四十萬人に對しまして、現在組合員數は下まわつておりまして、三十三萬四千三百二十三人ということになつておるわけであります。この全遞は、その組合員數の多い點におきましても、また昨年來組合活動の上におきましても、相當活溌に、全國の勞働組合の中におきましても、相當有數なものとして活躍をしておることは御承知の通りであります。全遞は産別にはいりまして、産別内におきましても最も有力なものとして活躍をいたしておるわけであります。
    〔委員長退席、天野委員長代理著席〕
この全遞の今日までの活躍の状況は、まず昨年結成しまして七月鬪爭をやりまして、遞信大臣に對しまして待遇改善を要求いたしたのであります。その後放送局のストライキ問題に關連しまして、國管放送反對鬪爭をいたしました。また昨年の暮よりいわゆる全勞働者階級の鬪爭でもありました二、一ゼネストにおいても有力な活躍をいたしまして今日に至つておるわけであります。その間の事情はすでに皆さん十分に御承知の通りでございますので省略をいたしますが、最近全遞は五月の上旬に松江で全國大會を開きました。この松江の全國大會は昨年の京都の大會に次ぐ第二囘目の全國大會でありまして、しかも今囘の大會は二、一ゼネスト後の初めての大會であります。全遞としましては今日までの歩んできた姿に對する反省と、また今後の鬪爭の行き方につきまして、この全國大會を開催いたしたのであります。この大會の模様もすでに新聞等で傳えられておりますので、御承知のことと思うのでありますが、この大會におきまして全遞は數項目にわたるところの決議をいたしまして、最近遞信大臣に對しまして要求事項を提出してまいつたのであります。その要求事項の内容も新聞等において傳えられておりますので、御承知のことと思うのでありますが、特にこの中で全遞は物價安定を基礎とする最低賃金制の確立という項目を第一に要求いたしまして、その中に適正物價による生活必需物資の完全配給、これに基く地域的な生活給の確立という、勤勞者としまして、現在の經濟情勢に鑑みまして、あくまで勤勞者として生活し得るところの生活必需物資を完全に配給してくれ、こういう強い要求をいたしておるのであります。この要求は、ひとり遞信省限りにおいては囘答し得ないことでありまして、これは政府全般の大きな政策に關連してくることであります。問題といたしましては最も重要な問題であると考えられるのであります。その他の地域も管理地としまして管理地手當を確立してくれとか、あるいはまた從業員に住宅を與えてくれ、制服を支給せよ。あるいはまた結婚資金を支給せよ、特定局制度の徹廢を促進せよ、あるいはまた大藏省の中でやりますところの簡易保險竝びに郵便貯金の運用權を遞信省に移管せよ。こういう要求を出して來ておるのでありまして、これに對しまして遞信省としましては、愼重審議、しかも關係方面とよく打合せをいたしまして、今月の二十三日に遞信大臣から正式に囘答をせられたのであります。この遞信大臣の囘答に對しますところの全遞の態度は目下不明でありますが、近く全遞としましては全國代議員會を開催いたしまして、この囘答に對する態度を決するものと考えられるのであります。その態度いかんによりまして、今後全遞の動きがどうなるかということにつきましては、管理する私どもとしましては、十分なる注視を拂つておる次第であります。
 次に從業員の一般の給與問題でありますが、これは御承知のように二・一ゼネストを中心といたしまして、官公廳の職員の給與については、官公職員待遇改善委員會というものをつくられることになりまして、その準備會を目下開催いたしまして、その準備會で二・一ゼネスト以後のすべての處置を講ぜられておるのであります。御承知のように二・一ゼネスト直後におきましては、待遇は水準を大體千二百圓に置いて一應解決せられたのでありますが、その後の物價事情に鑑みまして、さらに平均水準を月收千六百圓に引上げられたわけです。この千六百圓の水準をもつて本格的な給與制度を一月に遡及して實施するということになつておるのであります。この本格的給與制度におきましては職階制、いわゆる能率給をあくまで組み入れるという形におきまして、その内容を成案中でありまするが、なかなかむづかしい問題でありまして、早急に決定を見ないというような状態にあつたわけであります。しかもごく最近新物價體系によりまして、この官廰職員の待遇平均水準が千八百圓に引上げられるというような傾向もありますので、その千八百圓が正式に決定せられましたならば、さらに一般の待遇の水準が向上せられるのではないかと考えられるわけであります。
 次に勞働關係としまして、二・一ゼネストの機會におきまして、遞信大臣と全遞との間に勞働協約が締結せられまして、目下この勞働協約の内容につきまして、逐次實施をいたしつつあるのでありますが、その協約の内容の實行につきましては、協約におきまして中央經營協議會というものを構成いたし、四月の中旬以來、この經營協議會を逐次開催いたしまして、勞働協約その他當面の重要問題につきまして、經營協議會に付議いたしまして、勞働問題の解決をいたしつつあるのであります。今日までこの經營協議會におきまして主として解決せられました問題は、勞働協約中において提出せられましたところの週給制度の實施、それから女子に對します生理休暇の實施、祝祭日休暇を年五日與えるということでありますので、これらの祝祭日休暇の附與の方法、あるいは現業員に對しましては從來慰勞休暇五日程度ありましたものを、今囘の勞働協約におきまして、年間を通じまして二十日間の慰勞休暇を與えるるということになりましたので、この慰勞休暇の實施方法につきまして、すでに經營協議會におきましては決定をいたしまして、それぞれ實施をいたしているのであります。しかし一番大きな問題でありまする一日拘束八時間勤務時間制の問題につきましては、つまり官廰執務時間以外のいわゆる現業官廳の三番交替の勤務につきましては、勞働協約におきましてはさらに遞信當局と組合との間に協議の上決定していくということになつているわけでありまするが、この現業事務の勤務時間につきましては、目下經營協議會に付議中でありまして、經營協議會の中にさらに專門委員會をつくりまして、官側と組合側との專門委員において目下勤務時間を制定中であります。この勤務時間がきまらないと、すべての勞働問題も、特に勞働條件の問題につきましては、最後的な決定に至らないもとの考えますので、目下鋭意專門委員會を通じて案の内容を決定中であります。
 次にこの勞働問題の裏づけとなりまする從事員の厚生施設につきまして、一言御説明申し上げたいと思うのであります。まず從事員の厚生施設としまして、現場の勞務者に對しまして、政府より一應操作米として現在勞務加配米を頂戴いたしているのであります。これが現在月六千石、勞務加配を頂戴いたしているのでありまして、全國を通じて六千石でまするが、これを重勞務、輕勞務にわけまして、それぞれ一人當り一合四勺ないし三勺の加配を實施いたしているのであります。この勞務加配の對象人員は二十三萬六千四百十七名でありまして、おもに通信事業の現場の仕事をやつておらるる方方であります。さらに勞務加配の調味料と申しますか、それに附隨しまして勞務者用としまして鹽、酒、煙草等も適宜、ごく小量でありまするが、關係廳より頂戴いたしまして厚生用として勞務者に配給をいたしているわけであります。なお直接官の施設といたしまして、從事員の食生活の幾分でも補助になればという意味におきまして、農場の經營をいたしているのであります。現在大體全國を通じまして五百三十四町歩の耕地を確保いたしまして、それぞれ現場におきまして農場の經營をいたしているのであります。また全國各所に製塩施設をいたしておりまして、これが現在におきましては全國十九箇所、月産といたしまして八十五トンの生産を目下いたしつつあります。
 次に從事員の住宅關係であります。部内の從事員におきましても、戰後、戰災その他復員、あるいはまた引揚者等におきまして相當住宅に困つておる向きがありまして、大體私の方で推算いたしまして、現在全國におきましてかように困つておる方々は八萬五千名あると見當いたしておるのであります。これらの方々に對して、できるだけ直接官の施設におきまして住の解決をいたしたいと努力いたしておるのでありまするが、現在までにおきまして共同の宿舎、あるいはまた合宿所等の施設もいたしておりまして、その救濟をいたしております者が約九千四百名程度にすぎないのであります。しかし二十二年度におきましては、さらに豫算の成立を見まして、約一億二千萬圓程度の豫算が成立をいたしたのであります。この豫算におきまして世帶構成者として二千名の共同宿舎を建設し、また獨身者におきましては獨身者の合宿所として三千名程度を收容し得る施設をいたす豫定なのであります。しかしこの一億二千萬圓の經費におきましても、決して現状を救濟し得ないのでありまするので、さらに本年度の追加豫算として約六千萬圓程度の追加豫算を現在要求中であるわけであります。しかしこれらの施設をいたしましても、とうていこの八萬五千名の住宅に困つておる從事員の人々の住宅難の解決は困難なのでありまして、今後さらに一段と私どもとしましては努力をいたしていきたい。かように考えておるわけであります。
 なお從事員の健康方面のことにつきましては、これまつ勞働條件の維持向上のためにも特に必要なわけでありまして、これらの健康維持の醫療施設につきましては、遞信省は從來よりそれぞれ相當の施設をいたしてきておるのでありまして、まず全國各遞信局の所在地に遞信病院を設立いたしまして、それぞれ從事員竝びに家族の診療に當つておるわけであります。しかしこの遞信病院十箇所の中におきまして、名古屋と熊本が戰災によつて全曉いたしておりますので、これらの名古屋、熊本の病院の復舊につきましては、本年度ぜひ完成をいたしたい。こういうふうに努力をいたしておる次第であります。その他各主要な郵便局の所在地、約百十何箇所に診療所を設けまして、やはり醫師竝びに看護婦を配しまして、その所在の郵便局從事員の診療に當つているわけであります。その他これらの遞信病院竝びに診療所の施設のない所には囑託醫――いわゆる一般の開業醫の方を囑託いたしまして、局員の健康を維持し、あるいはまた診療の方面にも措置を講じていただくことになつておるわけであります。
 さらに遞信部内の從事員には非常に結核による病氣缺勤が多いのであります。これは仕事の關係上非常に胸の方を冒される危險性があるのでありまして、殊に電信等の仕事、オペレーターにおきましては、相當結核患者が多いのであります。これも統計的に非常に強く現はれております。この特殊性から考えまして、遞信省といたしましては、特に結核の療養所を設立したいという考えで、今日まで大阪管内の淡路と熊本管内の津屋崎、それからまた同じく大阪管内の明石に、それぞれ結核の療養所を設置いたしおるのであります。また最近は靜岡縣の凾南にある昔の陸軍病院でありました函南病院を、私の方にいただきまして、轉地療養を主としたところの病院の經營をいたしていきたい。こういうふうに考えておるわけであります。その他健康管理につきましては、定期の健康診斷等をいたしますとともに、積極的に從事員の體育を奨勵いたしまして、各種スポーツの體育大會等も逐次それぞれ實施中であります。以上簡單でございますが、勞務關係の概略につきまして御説明申し上げた次第であります。
#5
○天野委員長代理 それではこれに續いて電氣通信の關係について電務局長より御説明をお願いいたします。
#6
○中山政府委員 電信、電話の現況につきまして一應御説明いたしてみたいと思います。
 まず現在の電信電話が非常な戰災を受けました結果、サービスの低下を來しておりまして、一般國民の方に多大の御迷惑をかけておりますことはまことに申譯なく思つておる次第であります。一應現況を御説明するにあたりまして、現在遞信省といたしまして戰災をこうむりました電信電話の事業について、どういうような方針で終戰後來ておるかということを申し上げたいと存じます。御承知のように終戰時におきます電氣通信事業の施設は非常な荒廢を來しておりまして、先日來總務局長から、豫算その他の關係につきまして御説明がございましたような状況でございます。後ほど個々の問題についても申し上げますので、總括的には省略いたします。これの復舊にあたりまして、遞信省といたしましては、まず戰後の經濟の復興及びその他社會秩序の安定をはかります上に、通信がその基本となります關係上、一應五箇年計畫を立てまして、豫算といたしましても約五十六億圓を計上いたしたのであります。しかしこの計畫は初年度、昭和二十一年度におきまして十七億九千約十八億の豫算を施行いたしましただけで、その後の社會情勢の變化によりまして、これを遂行することが困難となりまして、三年計畫に變更いたしたのであります。ところがこの三年計畫にいたしましても、なおかつ社會の變動により計畫實施が伴わないおそれが生じてまいりましたので、さらにこれをまた五箇年計畫に變更するような状況に立ち至つたのであります。その五箇年計畫にいたしました理由といたしましては、まずいろいろな計畫の基本となるケーブルの生産が、一般經濟界の復興の遲れたのに伴いまして、非常な遲延を來したことが一つの原因であります。またその他の補修運用の面におきましても資材面から相當の制肘を受けましたのと、また三年計畫を實行するに伴いまして巨額の公債發行を必要とするに至りましたが、これも金融面において至難となりましたので、現在電氣通信事業として最低の復興計畫の内容であります。三箇年計畫を、五箇年に延長せざるを得なくなつたのでありまして、現在といたしましては五箇年計畫に基きまして計畫を實施いたしておる次第であります。また二十二年度の計畫の概要につきましては、先日總務局長から一般的の説明をお話いただきましたので、この數字につきましては省略さしていただきます。ただその方針といたしましては、特に加入電話の復舊に重點をおいております。その他計畫といたしまして重點をおいたのは、戰災都市の復興と同時に、戰災を受けません地方の農村、漁村の經濟力の復活、また増進のために必要と認める地域に通信施設の増置を計畫いたしたのであります。それからまた現存の通信力を極度に利用するために、破壤されました通信機器、殊に高等通信の方式の復活に重點をおいて、これの生産及び施設の増強に力を置いたわけであります。その他進駐軍の占領目的達成またはこれに順應する必要な事業、專用の通信施設も計畫に盛りこんだ次第であります。大體今申しましたような方針に基いて二十二年度計畫を實行したわけであります。
 それからまず一番重點をおいております戰災電話の復舊計畫につきましては、終戰後直ちに戰災をこうむりました電話の實況調査をいたしました。それに基きまして大體昨年十二月に一應の調査を終了いたしました。その後におきましては從來からの復舊計畫を増強いたしまして、大體復舊電話につきましては、二十二年、二十三年、二十四年の三箇年間におきまして全部復舊を完了いたしたい方針で進んでおります。また一般加入者の利便その他經濟活動の御便宜のために、從來認めておられませんでしたところの電話の所屬局の變更も認めるということにいたしました。戰時中に制限をいたしておりました電話に關するいろいろな制限も、一應解除して自由にいたした次第であります。それからその後いろいろの資材その他の關係から、新しく電話を架設いたすものについても、また電話を復舊いたす工事についても、非常に費用がかかる關係上、新しく架設するのと復舊する電話の工事等に装置料という名目で一率に料金を徴集するように改めました。復舊關係の工事については、一應重點主義、また工事の可能不可能な程度に基きまして工事を進めている現状でございます。
 その結果、それでは現在までにどの程度に加入電話の復舊ができたか一應御説明申し上げますと、大體終戰直後における電話の被害というか、休止状況は、戰災による燒失と、また戰時中における電話の動員によりまして、約五十八萬の電話が休止状態になつたわけであります。それを大體二十年度においては十二萬を開通いたしました。二十一年度におきましては約九萬を開通いたしました。今年の三月末までに大體二十一萬から二十二萬開通いたしております。この三月末現在における總加入者は百七萬でありまして、そのうち現に開通いたしておりますものは約七十一萬であります。その開通率は約六六%になつております。これの全國的の數字、また六大都市の數字はお手もとに差上げてあります資料によつてごらんいただきたいと存じます。
 次の現在電信、電話の利用状況はどういう状況にあるかということにつきまし御説明申し上げますと、まず電信でございますが、昨年度、二十一年度の電報の利用状況は、有料電報の發信總數が約六千四百萬通でございまして、これは戰爭前の昭和十一年度の數字に比較いたしまして、約一割六分の増になつております。電信につきましては電話と違い、利用總數において戰前より通數が増しておるような現況でございます。これはお手もとに差上げてあります資料によりましても、戰爭中の繁忙な年度からは減つておりますが、今申しましたように戰前より殖えておる状況でございます。それから電話の方の利用状況につきましては、まず市内通話につきましては、昨年度一加入者の一日の通話數は平均十度程度でございます。これは昭和十二年度の當時の利用數から比べますと、約三割内外の減少になつております。これはおそらく電話をかける先の加入者の數の非常な減少も原因しておると思います。それから市外通話の状況は、昭和十二年度ごろに比べまして、非常な減少でありまして、五割減であります。これは先日も御報告いたしましたように、市外囘線が非常に戰災をこうむりまして、利用率が悪いのと、それから今申しました市内電話加入者の數が非常な減少を來したために、利用數も減りましたし、またこちらのサービスといたしましての市外線の利用状況が悪いために、需要に應じ切れないという二つの原因から、五割程度に落ちている實情でございます。それからついでに申し上げますと、本年四月に料金の値上げをやりましたその影響でありますが、電報につきましては約一割ほど減つております。それから市外通話につきましては、一割八分程度減つております。これは四月の状況でございまして、五月、六月の状況は、電報につきましては遺憾ながらまだ囘復の状況を示しておりません。大體四月、五月と少し下つております。しかしその下つておる率も、今のところはある程度停頓の状況を示しておりまして、まだ向上線を描いておりません。それから市内通話の方は、これは五月、六月と同分囘復してまいつております。これは大體電報は通數、それから市外通話は通話時數を申し上げたのでありますが、料金の額から申しますと、電報の方はサービスの悪い結果、特殊な至急な電報を御利用いただいておる結果でございましようが、料金の収入はあまり率が下つておりません。市外通話の方はもちろん料金値上率と同じ程度増收になつております。ただいままでにその利用状況を申し上げましたが、次にそれでは今はどんな程度のサービス状況になつておるかという現況を御説明申し上げたいと思います。これは冒頭におわび申し上げましたように、非常に終戰後悪い状況でございまして、これは終戰前からの引續いてのサービスの現況でありますが、その後やはり從事員の心構え、また施設の囘復状況の遲延、資材、豫算その他に制肘されておりまして、できるだけの努力はいたしておりますものの、まだはかばかしい改善が行われていないのであります。まことに申譯なく思つておりますが、しかし終戰當時なり、昨年と現在と比較いたしますと、ある程度の囘復の状況は、數字によつてうかがわれるのでありまして、今後もこの數字の改善に努力いたしたいと思つております。その數字につきましても、お手もとに差上げてあります資料によつてごらんいただきたいと存じます。私どもといたしましては、この數字はもちろん戰前のサービスに比べまして雲泥の相違がございますので、少くとも戰前の程度には一日も早く囘復いたしたいと努力いたしておる次第であります。これが對策といたしましては、從事員の養成、それから能率の向上のためにいろいろな訓育をやらなければならぬと思つております、また設備の復舊と同時に、現在あります設備も、技術上非常に能率が落ちておりますので、この保守につきましても全力をあげております。現在ある施設を十分高能率でもつて利用するようにも努力いたしております。またいろいろな取扱い方法なりその他につきましても、簡單にまた能率的に改善すべく努力いたしておる次第であります。まず電話の通話疏通状況でありますが、市内通話につきましては、現在加入者の方が電話をおかけになつて完全に話を完了していただく率が、御利用いただいた囘數の約三一%から三五%程度であります。つまり十囘おかけいただいて、三囘ないし四囘しか完全に通話できない、その他は話中だとか、雜音がはいつて十分に聞えぬとか、なかなか出てこないとかいうような理由で、三一%から三五%程度しか御便利をいただいてないのでありますが、これは昭和十一年ごろの成績によりますと、約七五%程度であります。私どもといたしましては、この程度にまで一日も早く囘復いたしたいと心がけております。それからまた加入者の方が受話器をはずして電話局をお呼びいただくのに、戰前は約三秒程度でありました。また私ども電話局といたしましても、三秒程度を標準に能率なりその他電話のサービスの保守をやつておつたのでありましたが、現在は遺憾ながら十二秒から十三秒程度もかかつておりまして、標準の約四倍以上も時間がロスされているので、まことに申譯ないと思つております。それから市外通話の疏通状況でございますが、これも先ほど申し上げましたように、向うの加入者の電話機の状況が不良なもの、また市外囘線の數が少く、またその施設が荒廢しておるために能率が悪い。またその交換手の取扱い方法が未熟練であるというような原因で非常に利用能率が下り、また一般利用者の方には多大の待合い時分をかけて御迷惑をかけておる次第であります。その實況につきましてはこれもお手もとに差上げてあります表によりましてごらんいただけると思うのでありますが、これも終戰後、昨年に比べましてはある程度の向上は示しておるわけでありますけれども、まだまだ私どもといたしまして戰爭前の状況には遠いので、この點も一日も早く囘復いたしたいと思つております。
 それから次に對外通信のことをちよつと附け加えさせていただきたいと思います。戰爭前には對外通信網といたしまして、無線電信その他海底線を通じまして約四十九囘線ありました。それが戰爭状況にはいりまた終戰後におきましてはほとんどストツプいたしまして、現在では對米通信に東京・サンフランシスコ間に電信囘線が三囘線ありますのと、對英國關係でコロンボとの間に一囘線その他戰爭中から續いておりますジュネーブ、ストツクホルム、モスクワというようなものも加え、また大阪・パリー間を加えまして大體十囘線に滿たない現状であります。これはおそらく今度貿易が再開されます結果は、占領軍の指示なりその他援助によりまして、できるだけ早くこの囘線を増加いたしまして日本の對外貿易、また國内の經濟復興のために支障のないように手配いたしたいと考えておる次第であります。對外無線電話につきましては現在一般の方々には利用されていないと申し上げてよろしいかと思います。それから電報につきましても今日本人から直接電報が打てません。これは貨幣の關係であります。向うの返信料によつてわずかに電報が打てる現況でありますが、これも貿易再開後には解除されまして、また自由に電報を打つていただける時期も近いのではないかと考えておる次第であります。
 大體電氣通信につきまして一般の概要を御説明申し上げたのでありますが、まだ技術的その他の方面につきましては工務側からも御説明いたさせていただきたいと思いますけれども、工務局長はちよつと差支えがありましてここに出られませんので、鈴木市内課長が參つております。御要求によりまして御説明を附加さしていただきたいと思います。
#7
○天野委員長代理 それではこれから通信事業特別會計及び勞務状況、一般電氣通信状況について質疑に入りたいと存じます。林君から質疑の通信がありましたが、今席におられませんのでどなたか御質疑がありましたら伺つていただきたいと思います。
#8
○梶川委員 それに入る前に、今度の豫算の特に廳舎新營費あたりのところを見ますと、戰災を受けられた度合というものは、電信電話についてはわかつておりますけれども、普通局舎とか、あるいは電話局、あるいは貯金支局、特に本省竝びに仙臺の遞信局というようなものについて新しく載せられておるところを見ましても、これらが戰災によつたものであるかどうか、あるいは現在の状況との關係が明確でありませんので、われわれがこれを審議することが非常にむずかしいように考えます。
 それから次に、この豫算の全般の仕組方というものが、逐次特別會計へ移行するというふうな方針を立ておられるようであります。豫算則實行の形に移していくというふうに言つておられるのでありますけれども、しかしながら大體政府豫算というものと家計簿の場合とは別でありまして、これを何もすべて帳じりを合わせるということは要らないというふうにわれわれは考えます。
    〔天野委員長代理退席 委員長著席〕
これに對しまして、どうしても合わせなければ通信事業が破綻するというふうに、特に昨年からの赤字の堆積によつて言われております。しかしながら現在の資産というものの見積りをしてみますときに、先ほど配られました豫算の概觀というところの、固定資産というのはどういうものを入れておられるのかわかりませんが、あまりに低きに失しますし、從つてバランスというものが、ただ表面の運轉資金という面だけにのみとらわれるということはいけないのじやないか。從つて借入金あるいは公債というものが現在の遞信事業全般に對する總資産をオーヴアーした場合のみ、初めて危機が唱えられるのであつて、しかもまたかりにオーヴアーしても、政府の事業としてやつている限り、そこに信用というものがあるのでありまして、それで多少カヴアーできるというような特殊の事業體です。その場合にただ無信用なもの、あるいは全然資産のない場合と同じように、ただバランスのみによつて危機を傳え、その危機の行方を結局通信費の値上げに求める。先ほどから勞務局長より説明しておられることは、とりもなおさず勞務費の改善というか、全遞の活動が強過ぎたために、結局それを料金の値上げにもつていくというふうに見られまして、今までの御説明と一連の關連性があると思うのであります。それはかいつまんで申し上げますと、先ほどの勞務局長の説明にしても、あるいは先般の總務局長の説明によりましても、要するに特待改善のための今度の通信費値上げはやむを得ないというように、すべては遞信從業員に對する待遇改善解決に、通信料金値上げの責任を轉嫁せんとするような形になり、しかもその結果が前に申し上げたような次第であります。またそれらにつきましては、今までの説明を見ておりますと、そういう感じがするのであります。なおその内容が、先ほども申し上げましたように、廳舎の新營費も相當の額に上つておりますし、あるいはまたそれは改良費であるというふうに、項目をあげてはおられますけれども、それらも相當綿密に檢討しなければならぬために、先ほども申し上げましたように資料をいただきたい。また説明もしていただきたい。それから郵便自體の業務系統の費用を見ましても、管理費というものが、大體本豫算の上では三億八千萬圓ほどで、全體の數字から見れば大したこともないように思われますけれども、やはりこれも相當な大きな面をもつておるということも言えますし、それから全般の豫算の立て方そのものも相當考える餘地があるのではないかという二點をちよつとお伺いしたいと思います。
#9
○大野(勝三)政府委員 第一に御質疑になりました本省その他の廳舎の新營費の件でございますが、これらはいずれも、ただいまお話にもありました通り戰災によりまして廳舎が全く燒失して、現在民間の倉庫を借りたりなどして非常に不便をいたしておりますものを今度新營しようというので、本豫算に要求して成立したものでございます。それらのこまかい資料の御要求がございましたら別途具體的に書いて差上げたいと思います。なお本省につきましてはちよつと事情が違うのでありまして、現在御承知のように本省は麻布の貯金局の廳舎に一時はいつておるのでございますが、これは貯金局のあの現在の廳舎は、貯金の原簿を保管するために特別ないろいろな設計でできておりますし、その貯金局自體も戰爭中疎開しておりまして、今は各地に散在しておりまして非常に不便になつております。これを早く何とかもとの廳舎に納めまして、仕事が順調にまいりますようにはかる必要があるのでございますが、そのためには本省は現在建物がございませんので、どこかに出なければならない。こういう關係に立つておるものでございます。なお附け加えて申しますが、これらの新營費はいずれも建設關係でございまして、資産面からのバランスには關係のないものでございます。
 それから次にお話のございました豫算の立て方その他についてでございますが、バランスシートの上におきましてはまさに御指摘の通り、本來に自己資本と申しまして、會社事業の場合のような自己資本に屬するものは、通信會計が特別會計として出發をいたしました際にもつておつた固定資産だけでございます。それにしましても當時引繼ぎました電信電話事業公債などといつたような公債、その他何と申しますか、そういうものは見合いの勘定に立つておるものでございますから、總體的に申せば、ただいまお話がありましたように、主として公債あるいは借入金と、固定資産、その他の資産とが見合うという形になつておるのが常態でございます。そういたしまして今度は最近に非常にバランス・シートの上では缺損という形を出しておりますのは、これは實は損益勘定、もとは業務勘定と申しておりましたが、その業務勘定の方で運營をいたしてまいります上に必要な經費を、この通信事業自體の歳入金で賄え得ません場合に、相當の赤字の借入金を最近には出しております。その赤字の借入金をどこかで償いをつけなければならぬという問題でありますが。今の公債などのように、その公債を發行することによつて代りの資産ができておるというようなものと違いますので、從前の會計法はこれを資本勘定と申しておりましたが、その資本勘定の方にその缺損を移しまして、自己資本をそれだけ落して、それでバランス・シートをつくる、こういう建前になつておつたのであります。その自己資本を落すのも限度がございますので、最初はこれを缺損という形に立てておつたのでありますが、それならば、現在の固定資産というものは、あまり額が小さ過ぎるから、これをむしろもう一遍再評價したならば相當なものになるのではないかというようなお趣旨のお話もあつたかと思うのです。まさに御指摘の通りなんでございます。しかし通信事業のようなもので、實は資産と負債とを見合いにいたしますバランス・シートは、資産状態、事業状態を見る方便としてはよいのでありますが、そのために固定資産を再評價して、支出の異常にふくれました物價によつてこれをふくらましていくということが、はたしていいか悪いか、これは相當問題があるかと思うのでございます。また評價の方法にいたしましても、なかなか特殊な資産でありますので、問題も多いかと思いますが、そういうことはとにかくといたしまして、直接問題になつております通信會計の損益を見る上におきましては、この固定資産の評價價値について、さらにこれは益の方にすぐに好影響をもたらすというものではございませんので、さしむきこれは相當問題もありますから、今のところでは從前に記録されました價格のままでバランス・シートをとつておるのであります。一番問題になりますのは、むしろそういつたことでなく、今度の新しい會計法から出ております損益勘定という面でございます。これは直接事業を行つていきます上に必要なる經費と、それからその事業運營によつて上つて來る收入と資産の見合いの勘定でございますが、この方は經費がもしもその收益よりも超過するということであれば、端的にこの分は事業の赤字ということになるのであります。それはその状態が續くならば、年々に累積されていく赤字でありまして、しかもこれはそれの見合いになる資産など殘るものでもございませんので、これは通信事業の運營をほんとうに健全にするかしないかという大きな一の指標とでもいいますか、そういうものになるわけでございます。それが最近二十年度以降、年々赤字の現象を呈してまいりまして、明らかにこれは通信會計の原價が償われていないということを示す赤字にもなつておりますので、これの克服の對策に何らかの手を打たなければならないという立場に現在追いこまれた次第でございます。
#10
○梶川委員 わかりました。損益勘定の問題でありますが三、四箇月前の本年度の豫算の損益勘定において、第十七ページの二十二年度の損益勘定で見ても、要するに缺損なしということでつくられておるならば、また二三箇月したならば大幅の値上げをしなければならぬ。そんなことでは財政五箇年計畫などの見透しはつかない。今度十月頃に臨時議會でも開かれれば、また値上げしなければならんというような、しかもこの前私が指摘しましたように、通信料の値上げというものは、現在この四月に上げられた分がすでに一般物價の水準に達している。しかも官業としては非常に高い率にある。さらにまた今度値上げされるということになれば、一般市中の物價水準をもはるかにオーヴアーしたところの高い水準にもつていかれる。そういうことは、とりもなおさず二、三箇月先にこのバランスを破つて新しく追加豫算を出さなければならぬことになり、從つて再びそれからこの賃金と物價の悪循環の直結を始めるようになつてくるというようなことが考えられるのでありまして、大體ここで辯解されることはよろしいでありましようけれども、そもそも立て方が非常にまずいのではないかと思うのです。さらにこの前私が指摘いたしましたところ、一般の物價體系の場合に、各市中の會社において通信費用というものは、たいして生産コストに見込まれていないということを言つておられましたけれども、今度の値上げによつてやはり相當これは大きな響きを與えてくると思う。なぜならば電話などの場合を見てもわかりますが、電話の利用率、あるいは通信の利用率というものが低下してきている。これは文明の進歩とともに、あるいはインフレの高進とともにむしろ殖えなければならぬ。それが通信料金を値上げをしたために減つてきているというような状態である。二十二年度の見積りが減つているようになつているが、その理由として値上げをしたから減つているというようなことを言つておられる。減つているということはとりもなおさず各物價の生産コストの中に、通信費用というものが織りこまれているという一つのりつぱな證據だと思う。特に電話料金などは値上げすれば各會社におきましても、どんどんこの通信費というものがコストの中に織りこまれてくる。どこの會社の經理を見ましても、必ず事業の部面に、通信費はあるいは雑勘定の中に入れるとか何とか、とにかく通信費というものが織りこんである。それが今度は相當大きな負擔になつてくることが考えられます。それでありますから、この際結論を申し上げますれば、大幅の修正をするというのには適當な根據がなければいかぬし、また一般物價體系もにらみ合わせなければならぬ。その次には立て方を――だれも先の見透しは立たないかもしれないが、先の見透しをつけてやつてもらいたい。五箇年計畫を立てられるならば、なぜ二、三箇月先の見透しがつかなかつたか。私はもう一度考え直していただきたいと思う。言葉が少し亂暴になりましたが、問題はそこにあると思う。われわれも筋道の立つことなら強いて反對したくないのですが、こうやつて一年に三囘も五囘も値上げのために委員會を開いてもしようがないと思う。そういう意味でもう少しよく自己反省し、檢討もされるようにお願いいたします。
#11
○大野(勝三)政府委員 たいへんいろいろ剴切なお話を伺いましてまつたく傾聽いたしたのであります。あるいは申し上げ方が足らなかつたかもしれませんが、實は本年度の豫算の成立を見ました當時におきましては、いわゆる賃金水準は千二百圓というものでございましたし、物價も豫算編成の時期の關係もございますけれども、昨年の十月程度の物價が豫算の根據になつております。そういうことで經費の見積りを立ててみると、あの四月の値上げで――まだ二億足りませんけれども、五十三億ほどの借入金をする豫定のところを、五十一億までは料金の改正によつて補いをつけ、あと足らない二億の分はこれは努力によつて何とか年度内に克服ができるという見透しであつたのでございますが、その滑りだしをいたしました四月にはいつた途端に、もうすでにその千二百圓が千六百圓に變り、物價は御承知の通りどんどん變動しているというようなことで、四月當初からすでにもう今年度はとてもいかぬという見透しはついておつたのでございます。その點は豫算編成の時期、いろいろな關係ですぐおいそれと右から左にこれを訂正するわけにいきませんので、訂正の時期がずれてきまして、今度の國會ということになつておるわけでございます。その邊の通信會計の面をよく御理解願います意味合から、前囘に二十二年度の豫算要求といたしまして、ただいま關係方面といろいろ折衝中のなまのものを實はお目にかけたわけでありまして、これとてもまだまだ關係先は關係先の意見がございまして、この國會へ提出して御審議を煩わすまでの間にこれは相當變貌してくると思います。また實は五箇年計畫というものは、この委員會において五箇年計畫の御審議を願うという趣旨ではなく、今年の赤字の部分を百パーセント値上げで賄うというような考え方は、これは何としても、とるべきではございませんが、いろいろ事業の合理化、能率の増進をやりつつ、多少長い期間にわたつてこれを囘復していくという建前をとることを御理解願う意味において、參考資料的の意味でお目にかけたのでございまして、決して五箇年計畫を御承認願いたいということを考えておるわけではございません。そのときに五箇年計畫にいろいろ條件があることを申し上げたのですが、その條件のごときは、端的に申しますれば、賃金水準、物價水準が現在のままであるということが非常に大きな條件です。これなどはただいまお話がありました通りで、私どももそれを非常に希望はいたしますが、はたしてその通り望めるかどうかには非常な疑念をもつておるという不安定なフアクターでございます。そういう趣旨でありますので、とにもかくにも二十二年度の收支がどういうことになるか。少くとも事業の運營をしていく上において必要な追加經費はどういうことになるか。またその追加經費の不足分の財源としては、能率増進やあるいは事業増收をはかることによつてどれだけを賄えるか、またどれだけを他の財源、たとえば借入金によつて賄えるか、あるいは原價も割れておるということでありますから、どれだけを料金の面で直す、そういつた面をただいまいろいろとやつておるのでございます。前囘は今申した通り、本當のなまのままをお目にかけたのでありますので、そういう趣旨でひとつ御了解をお願いいたしたいと思います。
#12
○片島委員 電務局長にちよつとお聽きしたいのですが、東京都内あたりの高級住宅で一日に一囘も使わないとか、一月にいくらも使用しない電話が非常にたくさんあるそうであります。一方今非常に利用率の高い緊急な電話の申込があるのを、斷らなければならないような、あるいは延ばさなければならぬようなことになつておりますが、これは電話というものの性質から見てももつたいない話で、また度數料を基本としている都内の電話のごときは、取入の面から見ても、基本料が安いために非常に不經濟だと思う。そういう意味において、そういうものは一定の利用率を見て整理をして必要な方面にどんどんまわしてやるというふうな計畫はお考えになつておりませんか。
#13
○中山政府委員 お答え申し上げます。ただいまの、非常に利用のない電話の取上げというようなことを考えておるかどうかという問題につきましては、私ども現在新しく増設する場合に、重要産業その他現在の日本として國家的に見て、電話利用の非常に必要程度の高いものからかけるという優先受理方針に從つてやつておりますし、また戰災その他休止電話の復舊につきましても、この點に重點を置いて復舊いたしております關係上、現在開通しております電話については、やはりその線に沿うて私どもといたしましては統制をやりたいというふうに考えております。しかし現在の社會情勢から言いまして、そういうふうに現在電話を利用しておられる方々からそれを徴發する、また動員する、またはそれを一時的にも取上げるとかいうようなことを、すぐに斷行いたしますことはどうかと考えられますので、今後の社會情勢なり、またわが國の政府の方針に副いまして、それを實施する適當な機會がありますれば、また考慮いたしたいと思つておりますが、今のところはまだそこまでは考えておらない現状でございます。
#14
○岡田委員長 ちよつと野上君に御相談申し上げます。あなたの質問御通告があるのですけれども、片島君が今御發言中でありますが、よろしうございますか。
#15
○野上委員 どうぞ片島君の質問を御繼續になつてください。
#16
○片島委員 總務局長がおいでになつておりますが、事業の收入ということを考える場合において、從來非常に汽車賃なども安かつたような場合には、從來のような方法もいいでしようが、たとえば小包などの料金というものは北海道の端から鹿兒島の端まで送つても、東京都内から都内まで送つても同じ料金を現在課せられておると思います。こういうようなものについては地域的に運賃なども相當高くなつておるのですから、料金に差をつけられるような方法を考慮せられた方がいいのではないか。あるいはこれは郵便等についても汽車の便のある所だけは汽車で送る、しかも汽車では相當料金に差がついておる。それを非常に山の中にかつぎ込んで遠い所を配達するようなものまでも、定料金の郵便小包によつて送つておるというような現状については、何らか方法を考慮せられる必要がないか。いま一つ、これは椎熊次官もおいでになつておられますが、通信事業の能率が上らないという問題について伺いたい。これはいろいろ戰爭中における質の低下とか、あるいは現在の食糧問題とか、いろいろ困難な問題がありますが、私は根本的には機構の問題が一番大きな問題ではないかと思います。この一般の通信事業とか、鐵道事業のような、こういう現業官廳というものを、普通一般の行政機構、一般の官吏機構というものによつて、そのわく内において運用するということについて、非常に非能率的な不合理の點があるのではないか、私はこれは從業員が怠けているからというのではなくして、郵便局などの業務の運行状況をよく見ますと、もしある民間の有能な經營者が經營した場合には、從業員が相當の數少くとも、より一層のサービスも改善でき、あるいは能率も上るのではないかというようにつねづね考えておつたわけでありますが、これは何も從業員の例というのではなくして、一般の行政機構、官吏機構のわく内において運用するがために、非常に非能率な點がある。從つて私は人事問題について考えて見ましても、何ら經驗もない抱負もないような、大學を出て一年か二年見習をした人、見習期間中といえどもそう別に勉強しているようにも見受けない、そういう人たちが新任の場合に地方の郵便局長にぽつと轉任になつていきます。そうして早いのは六箇月、あるいは場合によつては三箇月ぐらいでまたほかに轉任になつていくということが從來見られるのであります。これは一般の官吏の人事というような問題からすれば當然かも知れませんが、こういう仕事をやつている官廳については、そういう一般の官吏の人事機構によつて動かしていくことは、事業の能率を非常に阻害するものであると考えております。かような現業官廳においては、人事の面なりあるいは行政機構について、ほかの内務省系統その他の官廳系統のような一般の行政機構と同じような方法でやらずに、特別な行政機構を考える必要がありはしないか。そういう問題について遞信側としてお考えになつたことはないが、また今後も考える必要がないと言われるか、御意向を承りたい。
#17
○椎熊政府委員 ただいまの御質問は大部分同感の點が多いのでありますが、遞信事業の能率の低下ということはだれも口癖のように言うのですけれども、私はそうは考えないのです。これは從業員の質の低下だとか、各般の状況だとかいうようなことではないと私は思います。日本の敗戰の現實の状況が、あらゆる部面に波及したというのが現實で姿であつて、ひとり遞信從業員の質の低下なんという小さな問題ではなくして、日本の今日の非常に不幸な状況がそうさせているのだと私は思います。もとより戰爭の影響として從業員の有力な人々が徴兵されて亡くなられた、それを補給するのに年の若い女の子を使うというようなことによつて、多少の技術的面において缺けた點も認めないわけではないけれども、それもことごとくは遞信從業員の負うべき責任ではなくして、國家全體の不幸なる運命であつたと、私は國家の前途のために悲しんでおるのであります。しかしこれをこのまま放置しておいていいということではなくして、もしそれあなたのおつしやるように遞信事業のごときは民營にした方が能率が上るのではないかということも、それは一つの御議論であります。ただ私は今日の日本の遞信事業というものは、長い歴史の間に非常に國民の間に信頼を受けている事業だと思うのでありまして、この厖大なる組織、厖大なる事業を、今日のような日本の經濟の状態の中にあつて、民營にしてこれほどまでに能率的に運營されていくとは私は考えられません。現在の日本の状況では官營の方がいいと私は確信しております。ただ現在のままの機構でいいかということであれば、機構の上では大變革を考慮してもいいのではないか、私はまだ遞信省に入りましてわずかで詳しい事業の内容をよく知りませんけれども、係の人々の説明を聽いても、相當機構上の問題で研究しとおられるようでございます。それらについてはそれぞれの専門の方々から説明があると思いますけれども、未だ議會にその内容を發表するまでには至つておらぬのだと思いますが、その問題については相當遞信部内において重要視して考えているのであります。私のお答え申し上げた點は、今日世間に言われるところの遞信事業の能率の低下、あるいは從業員の質の低下等について、私は遞信省の關係者として一言御了解を願つておきたいと思うのであります。
#18
○片島委員 私の質問の焦點とは非常に違つているようですが、私は民營にするということは一言も言つておらないので、これはもちろん國營でやらなければいかぬ問題だと思います。また能率が低下しているからけしからぬとは一口も言つておらぬのです。一層能率を向上させるために、現在のような一般の行政機構のわく内において、あるいは官僚機構のわく内において、遞信事業あるいは鐵道事業のようなものを運營することの方がいいのか。あるいはそうでなくして、こういう現業官廳については、一般の行政機構、管吏機構というものとは別の一つの行政機構を考えまして、その特殊な形態におけるところの組織を考える必要はないか。またそういうことについて御研究になつておらないかどうかということを質問したのであります。
#19
○椎熊政府委員 その別な機構という意味において、民營論もなきにしあもらずなのであります。だから民營などというものは私は考慮しない。しかし官吏機構のうちで今ののような行政機構でいいかどうかという問題には、非常に議論があるので、部内においても重要な機構の改革について考慮中だ、研究中だということを申し上げたのであります。
#20
○野上委員 私は勞働關係に關して二、三局長にお伺いしたのですが、先般遞信從業員組合から七月十六日附で大臣に對して要求が出されておるわけであります。それに對して遞信大臣の名前で、囘答が去る二十三日になされました。一應この基準はきまりましたのが、今日の遞信從業員諸君の惱みは――單に遞信從業員に限るものではありませんが、一般の勤勞階級の生活がきわめて窮迫した困難な状態を續けておる。先般新物價體系による安定價格が發表されましたが、されによつてむしろ物價の安定をはかり得ずして、やみ物價の高騰を促進したいという現實と照らし合わして非常に各勤勞者の生活は窮迫しております。ここにおいて千八百圓ベースというものをかりに維持されたといたしましても、はたして遞信從業員諸君の最低生活を維持し得るや否や。さらに私は實際に本省といたしまして、從業員の生活の實態調査というようなことが、眞劍になされておるかということを第一點としてお伺いしたのであります。
 次に拘束八時間制度の問題が非常に重大な問題であつて、經營協議會その他において檢討されておるようでありますが、これらの拘束八時間制というものをかりに實施するとすれば、現在人員において可能であるかどうかという一つの見透しについて、お伺いしたいのであります。本年度の通信事業の損益勘定收支見込調書によりますと、約三億五千二百五十五萬一千圓ですか、大體經費を節減されるように承つておるのであります。そのことは結局當然必要だと思われるところの人員をも節減してそうして從來の勞働量その他において、あるいは過重される點があるかもしれません。人員を節減されんとしておる本省の意向は、大體において了承されるのでありますが、これは結局勞働強化というような面になつて現われやしないか。ほんとうは必要な人員は、やはり私は遠慮なく十分使わくなくちやならない。こういうふうに考えるのであります。ただ先ほどから問題になりました能率の問題、あるいは技術の指導において、あるいは機構の改革において、能率を十分に上げることによつて、この人員節減ができるということになれば、たいへん結構でありますが、そうした點についてどういうお考えをおもちであるか。一應以上の二點について伺いたいと思います。
#21
○浦島政府委員 ただいまのお尋ねに對しましてお答え申し上げたいと思いますが、第一のお尋ねは、今度の全遞の要求にもあるように、從業員が現在の國情において非常に生活が困難である。それに對して從業員が最低の生活を維持し得るために、官として從業員の生計調査をするかどうかということであります。實はこのことにつきましては私どもも從業員の生活調査ということについて、相當詳しく統計をとつておるのであります。これは各局に大體統計員というものを指名いたしまして、調査の要領も詳しくその統計員に指示いたし、また各從業員からそれぞれ出してもらつたものを月々とりまとめまして、私どもの方でそれぞれ集計調査しておるのでありますが、その生計調査に現われておるものは、遺憾ながら毎月赤字を出しておる状態であります。昨年の四月からずつととつておりますが、毎月赤字を出しておる状態であります。これはひとり遞信從業員のみならず、一般の勤勞者の生計の状態ではないかと思うのであります。從いましてこの遞信從業員の生計費に現われました赤字の状態に對する打つべき手といたしましては、これはひとり遞信省のみではなし得ない。全官公職員の全體の給與問題として、今とり上げておるのでありまして、その方面で解決らせらるべきものであろうと存ずるのであります。ただ私どもといたしましては、こういう生計費に現われました數字をもととして、常に最善の努力をいたしておる次第であります。さような御了承を願いたいと思います。
 それから第二の拘束八時間制を完全に實施するために、どれだけの人員が要るか。また今度の會計の節減からいたしまして、はたしてそれを實施する見込みがあるかどうかというお尋ねのようでありましたが、この點に關しましては、從業員の官廳執務時間につきましては、現在通りであります。その問題は現業の三番交替の勤務時間をどういうふうにきめるか。そのきめ方によりまして、出てくるところの人員というものは非常に違つてくると思います。これにつきましては先ほども申しますように、専門委員會において相當科學的な基礎のもとに、勤務の實働時間をどこにおくか。さらに休憩時間をプラスしまして拘束時間としまして、どういうふうにきめていくか。私どもの方は郵便あり、電信あり、あるいは工務あり、電話あり、それぞれ職種の違た問題が非常に多いのでありまして、それぞれの職種に適應しました勤務時間をきめていかなければなりませんので、非常にむつかしい問題であります。專門委員會でもまだ最後の結論に達しておらないのでありますが、しかしこの專門委員會、さらに經營協議會におきまして、これらの現業の勤務時間がきまりましたならば、それによつて生じた人員は増員をしなければならぬと思います。しかしながらその大體の増員の見込數というものは、はつきりした數字もありませんし、また會計の現状からいたしまして、相當節減をしなければならぬ。こういう關係がありますので、先日も總務局長からお話がありましたように、四十二萬八千程度に現在員を押える。ところが現在員は約四十萬程度ありますので、その間約二萬餘の増員ができるものと考えられます。しかしそれらの増員につきましては、一面においては事業の赤字克服をするために事業の増進をはかる施設をやらなければならぬ。その方面にも相當人員が要る。こういう關係がありますので、この二萬餘のわくの中から、それらの必要經費、必要人員を勞働條件の改善の人員の増員とにらみ合わせて今後できるだけ實施したい、こういう考えである次第でございます。全然増員をやらないというのではなくて、できるだけやりたい、しかし勤務時間がきまつたために數學的にでき來る増員は、事業の會計の現状からいたしまして、今年度はなかなか困難である。こういうふうに考えておるのであります。その必要なる人員が増員ができれば、別途また配置轉換ということも考えまして――現在の人員におきましては各地域毎に相當でこぼこがあるようであります。たとへば東京、大阪等の大都市においては非常に缺員が多い、しかし地方の局においては相當過剰人員になつて、全體の人員は現在においては缺員であるけれども、部分的に見ると、過剰である、それで配置轉換も相當研究してべき問題ではないか、ほんとうに事業の内容のあるべき姿に人員を配置した上に、また考えていかなければならない。こういう問題もあるのでありまして、あれやこれやかみ合わせて目下研究中であります。はつきりした點を申し上げられませんが、その點御了承願います。
#22
○片島委員 先に私お尋ねしました小包等の料金について地區別に料金をかえる考えはないか、この點を伺いたい。
#23
○大野(勝三)政府委員 私がお答えを申し上げるのが適當かどうかと思いまして差控えておつのでございますが、御指摘の趣旨はまつたく私ども同感に考えておるのでございます。ただいまのところ具體的にそうしようという案をもち合わせておるというわけではございませんが、なおよく研究をしていきたいと存じます。
#24
○成田委員 ただいま問題になつておりました全遞の要求に對する政府の囘答でありますが、特定局制度撤廢問題、これを全遞から要求し、その他相當の強い特定局局長の生活問題についても相當關心のある問題だと思います。これについて大臣の方から囘答として、特定局制度特別研究委員會において結論を得たものを實行する。結論を得ないものは國において善處するという御囘答があつたようでありますがその結論の具體的内容、それから將來の御方針についてお聽きしたい。
#25
○浦島政府委員 全遞から特定局制度撤廢に對する要求は、二・一ゼネストの際の要求として出ておりまして、それ際に大臣からの囘答といたしまして、これは三月十四日に囘答されたのでありますが、實はその前に官側と組合側の代表者とその制度問題撤廢につきまして懇談をいたしまして、局長の任用の問題、局舎の問題、渡切り問題、切手歩合の問題、從業員の待遇並びに厚生施設の問題、それぞれの懇談會においてある程度の意見の一致を見たのでありますけれども、さらに一番の問題は局長の任用、自由任用にすべきか、あるいは全遞が申しますように一般官吏竝にすべきか、こいう問題については、その懇談會においては結論を得なかつたのであります。從つて三月十四日の大臣囘答においては、特定局制度研究委員會というものをつくつて、そこで一つさらに兩者研究していこうということになつておるのであります。從いましてこの囘答の線によりまして、五月の終りごろに制度研究委員會というものを一囘開きまして、官側から十名、組合側から十名の委員が出まして、この問題につきまして研究をいたしたのでありますが、その際にこの研究委員會におきまして、局舎、渡切り、切手歩合、それから從業員の特遇竝びに厚生施設、これは大體三月十四日大臣が囘答されました線において異議がないということに委員會においても結論が出たのであります。ただ問題は局長の任用問題のみが第一囘の制度委員會におついては結論が出ずにそのままになつております。從いまして、この特定局制度研究委員會というものは今後さらに開催いたしまして、この結論を得なければならん。こういう現状であるわけであります。まだ完全な結論を得ていないという現在において、さらに今度全遞から要求が出た次第でありまして、大臣の囘答としましては、特定局制度委員會において前囘の組合との申合せのようにやつていこうということになつたのであります。
#26
○成田委員 前囘通りでございますか。
#27
○浦島政府委員 前囘通りであります。
#28
○重井委員 希望意見ではありますが、郵便料金の値上げに關しましてすでに折衝が進められており、なお近く閣議も開かれる、こう承つております。そうして國會に提出になるということ、この點につきましては、鐵道運賃の場合と違いまして遞信當局のとられた態度というものに對しまして、その熱意に對しましては喜んでいる者でありますが、その料金の取扱いに關して御考慮願いたいことは、あくまで郵便料金の値上げ、電信、電話その他の値上げによる通信の復興ということは、日本の經濟最建の最も重要な役割を果すための郵便料金の値上げであるということに觀點を置かれまして、そうしてそのためには遞信從業員諸君の待遇も改善しなければならん、こういうような基本的な考え方をもつていただきたいと思うのであります。ややもしますると、從業員の待遇を改善するために料金を値上げしなければならぬというような、そうした響きを國民大衆諸君に與える場合が多いのであります。それは鐵道運賃の値上げを見ましても、國鐵從業員諸君の待遇を改善するために運賃が上つたんだというように國民大衆に響いているように思つております。このために鐵道運賃の値上げに對しまして、その從業員諸君は一應反對の決議をいたしておりますが、私どもはこの通信料金の値上げに對しまして、技術的に上手に扱つて貰いたいと思うのでございます。かつての經濟白書にいたしましても、また緊急對策にいたしましても、國民の多くがそれを讀む餘裕をもつておらないのであります。あるいは報道機關なんかもうまく協力を願いまして、あるいは放送關係もうまく協力願いまして、簡單に率直に、親切に、なぜ通信料金の値上げをしなければならないかということを、國民諸君に知つてもらうような方法を講じてもらいたい。特に私が申し上げますのは、この責任を從業員諸君に負わすということはたいへん氣の毒であると思いますので、あくまで日本の經濟再建のために遞信事業の重要性を強調して、その上に置かれる郵便料金の値上げである、こういう方向に技術的にもつていつていただきたいということを切に希望する次第であります。
#29
○椎熊政府委員 ただいまの御意見と私どもはまつたく同感でございます。そうしてそういう趣旨によつて進めております。ただ先日のように、確定した豫算ではないのですけれども、皆さんの御參考のために、總務局長から説明して、追加豫算等の數字などを現わしてごらんに入れますと、あれだけの金額のうちで非常な高額に達しているという事實が數字の上で現われてくるので、そういうふうに解釋せらるる向きもなきにしもあらずと思われますが、私どもの精神といたしましては、遞信事業全般の普及發展のためにやるのだ、そういう心がけでおるのであります。
#30
○千賀委員 委員長……
#31
○岡田委員長 千賀君に御相談しますが、先に林君から質問の通告がありますので、林君から先に願いたいと思いますが……。
#32
○千賀委員 通告があればどうぞ。
#33
○岡田委員長 林君。
#34
○林(百)委員 各派交渉會がありまして、少しく時間が遲れて恐縮いたします。簡單に御答辯を願います。三つの點についてお聽きしたいのであります。郵便料金の値上げは、その値上げされたことによつて遞信省が得る利得をいずれの方面に使用するにしても、民衆の間から非常な不滿があるということは一應覺悟しなければならない。われわれとしてもこれに贊成はし得ない。ところがもしもこれが政府の方針として、どうしても遞信省の獨立採算制をとるのだ、獨立採算制によつて遞信省の赤字をよその面に及ぼさないのだという方針が確立しているということになれば、ゆゆしい問題だと思いますが、獨立採算制の問題は遞信省關係にはどう響いてきているかということが一つ。
 もう一つは、この前の三億五千萬圓の人件費の節減の問題です。これは新規採用しないことによつて、大體豫算でとつてある人員に對する金額を浮び上らせるのだという話でありますが、大體遞信省と遞信從業員組合との勞働協約によると、遞信從業員組合の方では六十萬人と要求したのを協議の結果四十六萬程度の増加に止めておくという勞働協約ができているのだと思うのだけれども、その勞働協約を無視して新規採用をしないのかどうか。殊に八時間制、週休制、生理休暇をとれば、どうしてもここで人員を増加しなければならないことになるのだが、この點と人件費の節減の問題はどうなるかということを聽いてみたいと思います。
 もう一つ、先ほど勞務局長から御説明があつた勞務加配米の問題だが、これは結局從來夜勤者と、農家で遞信從業員になつている者、つまり自家保有をもつている從業員に對する加配米を六月一ぱいで停止したものを、一般の遞信從業員に増加配給という名義で配給したにすぎないものであつて、實際は從來配給を受けていたものにプラス勞務加配があつたのではなくて、從來配給していたものを一時停止して、それを新しく勞務加配という名義で配給するのではないか。いわゆる夜勤者に對する配給、それから農家の遞信從業員に對する加配、これを停止してしまつて、そこから出た餘剰を一般從業員に勞務加配という名義で配給しておるのではないか。この三つの點をちよつと説明願いたいのであります。
#35
○大野(勝三)政府委員 獨立採算制の問題でございますが、御承知のように通信會計が昭和八年に特別會計として獨立いたしました際に、收支のバランスを自分の事業の中で合わせるということがそのねらいでございましたので、通信會計に關する限りにおきましては、獨立採算はもう最初から一つのねらいであつたと言えるかと思うのでございますが、最近内閣から發表せられました經濟緊急對策の中でも、さらにこの點をはつきりというたつてございますので、その限りにおきましては、さしむきこの通信會計の赤字を一般會計から埋めるとか、ないしはそのほかの方法をもつて他に依存してこれを解消するということは、相當むずかしい問題ではないかと考えております。
 それから次にお話のございました三億五千萬圓の人件費の節約でございます。これは前囘にも申し上げたように、まだ固まつたものではございませんが、一應の私どもの目安といたしまして、豫算人員の四十六萬四千人ばかりを、四十二萬八千人程度までは縮めても、何とか勞働協約その他の關係に大いなる支障なくやつていけるんじやないかという見透しを立てたものでございます。もつとこの勞働協約によりますところの八時間勞働制、あるいは週休制、女子の生理休暇の問題等につきましては、先ほど勞務局長から詳細に御説明があつたのでありますが、まだ現實には勞働時間などをどういうふうに具體的にこの勞働協約に合わせてきめるかという點がきまつておりません。專門委員の手もとでただいまいろいろ檢討中でございますが、そういうものがきまりますればいま少しはつきりするのでありますけれども、大體の見透しといたしましては、人員の配置轉換、あるいは能率の増進、そういつたことをやることによりまして、大體この程度ならば支障なく勞働協約の實施ができる見込みをもつておるのであります。
 それから次の問題につきましては、勞務局長からお答えいたします。
#36
○浦島政府委員 お尋ねの第三項目の、今度政府が鐵道、遞信、特に遞信省に對しましては千二百五十石の勞務加配米を特配をいたしました。これは一般の勞務加配の規正された、節減されたその穴埋めじやないか、こういうお尋ねのように承知しておるのでありますが、實はこの今囘の千二百五十石は、結論的に申し上げますと、從來の勞務加配米の規正された量を穴埋めしたものではないということをはつきり申し上げてもいいのじやないかと思います。實は今囘の千二百五十石の特配は、とにかく現在の食糧事情のもとにおきまして、遞信從業員が非常に困つておる、それに對して何とかこれは遞信大臣としても手を打たなければならぬ、こういうお考えのもとに閣議において發言されまして、何とかこれを救濟してもらいたい、そういう御發言に基きまして、農林省においては特に鐵道、遞信は現業官廳であるし、これが主食遲欠配によつて業務が停止しては困る、こういうお考えのもとに特に農林省の手持の中から千二百五十石を特配していただいたのであります。從來規正された勞務加配米の穴埋めではないのであります。と申しますのは、從來勞務加配米としましては六千八百九十石だけ毎月もらつていたのであります。それは要するに從來自家保有の農家出身の從業員に對しましても、勞務加配の對象人員の方にはいつておつたのであります。それを嚴格に査定されていたのであります。もう一つは宿泊者に對してもやり得るという數量がはいつておつたのであります。これをやれば宿泊者は實際稼働しないのであるから、實動の稼働に對しては勞務加配はやるべき筋合ではないという趣旨で節減されたのであります。その人數と、また算出されました數量が大體八百何十石減少されまして、現在六千石となつております。これはやはり依然として毎月續いておるのであります。今度の千二百五十石はそれと別の加配米であります。當然勞務者を對象としてもらうべき數量は從來通りもらつて、その上に千三百五十石を加配されるわけであります。
#37
○林(百)委員 農家保有者の配給をどういうふうに規正したか。それから夜勤者に對する加配米は依然として六月以降も行われていたかどうか。これをもう一度明確にしていただきたい。
 それから先ほど質問もあつたと思いますが、全遞からもきつい要求がありますし、現に私どもの方に地方から電報が來ておりますが、特定局廢止の問題、これについては特定局の從業員が封建的な、徒弟な勞働を強いられる。ぜひこれを文官任用命で官制の中に入れるようにという要求が非常に強いのですが、これに對してそうすることに困難があるかどうか。それを簡單でいいですがお聽きしたい。それから私の方も將來遞信省の問題については大いに研究してみますが、もし他から新しい財源があれば、これは研究しなければならないと思います。獨立採算制もそう政府が要求するようにきついものかどうかは研究しておきたいと思います。
#38
○浦島政府委員 ただいまの、勞務加配米を自家保有米のある農家出身者の從業員がどういうふうに削減されたかというお話でありますが、これは實は私の方でも正確な數字はありませんし、これを査定しました安本にも正確な數字はなかつたのであります。私の方の一地方の實例がありましたので、それによりまして大體自家保有米農家出身者の從業員はこのくらいのパーセンテージ、これは大體勞務加配對象人員の約二%の數に達しております。宿泊者の數も大體從來勞務加配の對象人員となつておつたその人員に對して何パーセントであるか、正確な數字は記憶しませんが、ある程度合理的な數字をもとに計算して差引いた數字であります。われわれとしてもこれは一應假定の數字でありまして、今後實際の實數が出たならば、いつでも訂正することは差支えないと言つておりますので、六箇月分の實施以後の實施状況を私の方で調査中であります。實際の數字の算定が違つたものになりますれば、私の方では訂正してもらうつもりでおります。
 それから特定局の局長の任用問題ですが、これは先ほど成田委員からお尋ねがありましたので、お答え申し上げておきました。目下制度研究委員會において結論を得るということになつております。
#39
○林(百)委員 廢止する可能性があるのですか。
#40
○浦島政府委員 大體彼らの意向はあくまで自由任用制で行きたい……。
#41
○林(百)委員 現在のままですか。
#42
○浦島政府委員 そうです
#43
○岡田委員長 まだ通告質問が二、三ありますか、時間の關係もありますので、次會にこれを延期いたしたいと思います。次會はいずれ公報をもつて通知申し上げますが、八月一日金曜日午前十時から開會いたしたいと思います。
 本日はこれで散會いたします。
   午後零時四十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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