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1948/11/27 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 人事委員会 第5号
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1948/11/27 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 人事委員会 第5号

#1
第003回国会 人事委員会 第5号
昭和二十三年十一月二十七日(土曜
日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○國家公務員法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○國家公務員法改正案に関する請願
 (第二百五十五号)(第二百五十六
 号)(第二百六十六号)
○進駐軍労働者に政令二〇一号及び國
 家公務員法適用除外の請願(第四十
 三号)
○政令二〇一号の廃止並びに國家公務
 員法改訂案反対に関する請願(第百
 九十二号)
○國家公務員法改悪反対に関する請願
 (第百八十九号)
○熊谷地区官公吏勤務地手当引上に関
 する請願(第二百二十四号)
○國家公務員法の改正並びに教育公務
 員法案に関する陳情(第十三号)
○國家公務員法改正反対に関する陳情
 (第二十九号)
  ―――――――――――――
   午後一時四十二分開会
#2
○委員長(中井光次君) それではこれより開会いたします。昨日に引続いて大藏大臣の御出席がございますから、労働委員の原君並びに共産党の板野君より御質問の希望がありまするが、発言を許してよろしうございますね。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中井光次君) 御異議がないようでありますからそういうことにいたします。
#4
○委員外議員(原虎一君) 大藏大臣にお尋ねいたしますが、この國家公務員法が改正される動機は、御承知のように、マッカーサー元帥の書簡によるものであります。この書簡に基いて政府が立案したものでありますが、この書簡の精神について大藏大臣の所見を先ずお伺いいたして次に進みたいと思います。
#5
○國務大臣(泉山三六君) お答え申上げます。マ元帥の書簡に対しましての私の所見と、さようのことでございましたが、それはどういうふうに申上げましたら御満足がいきますのか、甚だむつかしい問題でありまするが、要するに内閣といたしましては、その所見の現われが國家公務員法である、かように御了承願いたいのであります。
#6
○委員外議員(原虎一君) どうも大蔵大臣の御答弁了解に苦しむのであります。少くとも今度の國会は、マッカーサーの書簡に基きまする公務員法改正のための國会の召集である。そのために審議を急ぐから吉田総理は施政方針演説もしないで審議をやつてくれ、急いでくれ、この審議が終つたらば施政方針演説をやるというくらいに言われておるこの法案であります。よつて以て出て來たところのマッカーサー元帥の書簡の内容を御存じないで予算編成に当られておるということは私、甚だ心許ないのであります。一体大藏大臣はマッカーサー元帥の書簡を精読されておるかどうか疑わざるを得ないような御答弁であります。私の聞かんとしますところは、マッカーサー書簡が言われます、要するに公務員が政府機関を揺がすがごとき争議を行うということは、これは民主主義に反するという言葉があると思うのです。同時にそれを抑制する代りに、政府は政府職員の生活を十分に保障する責任があるという、この二つが要点だと思います。そのことも十分に御存じないで、重要な予算編成の責任にある大藏大臣が御存じないということは、甚だ心許ない、そういう状態でありますから、院議によつて決定されたにも拘わらず今日新給與予算が議会に上程されぬという状態にあると思います。そこで、そういう御認識の上に立つての今度の新給與、人事院が発表しました新給與に対しても当られるという政府の考えであり、態度であり、大藏大臣の考えであるとしか考えられないのでありますが、そこで私は過般発表になりました六百二十五億円の追加予算というものを、一体官公吏の賃金ベースというものを如何に大藏大臣は考えられておりますか。その点をお伺いします。
#7
○國務大臣(泉山三六君) お答を申上げます。只今の原さんのお話は私として甚だ理解に苦しむこと多々あるのであります。マ元帥の書簡については私もとより精読し、その内容を承知いたしております。尚又追加予算の問題につきまして六百二十五億円、かようのお話がございましたが、さようの確定的のものはないのでありまして、この点は未だ曾て言明したことはないのであります。
#8
○委員外議員(原虎一君) 言明はあなたからはされてなかつたかも知れませんが、これは大新聞が全部発表しました政府の追加予算案というものが出ております。これを全部否定されるのですか。私がここに持つて來ておりますのは十一月二十一日の朝日新聞であります。この中で大切なところは、「当初案より六十億円増の六百二十五億円案内定、泉山藏相は同日正午直ちに関係方面に同案を提示して再検討を求めた。」とあります。而も歳出、歳入の予定額が表われておるのであります。これは、あなたが決定されて発表されたのでない、そういうことはないと言われるのですか。この新聞記事はこれは私の持つておるのは朝日新聞でありますが、他の新聞も同様の精神の下に、同様な、ちつとも変らない額を発表されておる。これは、それでは全然政府の関知しないものでありますか。大藏大臣の知らんものでありますか。
#9
○國務大臣(泉山三六君) お答え申上げます。只今お読み上げの記事につきましては、政府といたしまして責任を持つて関知しておるものではないのであります。併しながら、もとよりその情報は誤まりであるとも必ずしも申上げないのでありまして、それは他の機会におきましても私から申上げておるのでありまするが、昨日門屋さんのお尋ねにも申上げました通り、今月の二十日に一應の結論を得たのでありまして、この一應の結論につきまして、直ちに関係方面に連絡をいたす、かようなことは昨日申上げました通りであります。
#10
○委員外議員(原虎一君) 一應の結論が出たのに、新聞の報道は六百二十五億円、全部を合せての追加予算であります。その中に官公吏即ち政府職員の賃金、給與というものは、新聞によりますと五千五百円の見当ということになつておりますが、これはこの見当は間違いありませんか。
#11
○國務大臣(泉山三六君) 公務員、職員の新給與の問題につきましては、その後いろいろ研究に日を重ね、又その他の事情もございまして未だ最終的の決定には至らないのであります。從いまして只今お読上げの計数は、私は今日かように申上ぐべき段階ではないのであります。
#12
○委員外議員(原虎一君) それでは人事院が発表いたしております、科学的な調査に基くと言われております六千三百七円ベースに対しての大藏大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#13
○國務大臣(泉山三六君) お答え申上げます。人事委員会の勧告によります新ベース六千三百七円は、私共といたしましてはともかく尊重に値するものであると、かように思うのでございます。併しながらその反面におきまして、私大藏大臣といたしまして、財政の面におきまして、國民負担の限界、今日このときにおきましての許さるべき限界、まずこの点を思うのでございます。尚又これは申上げるまでもないのでありまするが、この新らしく決められました官吏諸君の新給與が或いは余りに高きところにこれを決定せられるにおきましては、その民間の賃金に及ぼします影響、延いては物價の上に及ぼします悪影響等をも深刻に思いをいたすのでございまして、若しもこの憂にして事実となつて現われまするようなことがありますれば、それこそ折角引上げました官公吏諸君の新給與が実は画餅に帰する、物價の高騰によつてその実質賃金は引上がるどころかややともすれば引下がる結果となるやを心配いたしておる次第でございます。
#14
○委員外議員(原虎一君) 大藏大臣のこの賃金ベースに対する考え方は聊かどうかと思うのであります。併しながら御説明の中にある民間に及ぼす影響、これは考えなければならんことと思いまするが、ただ私は逆に、一体そういう御心配から來るところの結果は、民間の賃金水準よりも政府職員の給與は安くてもいいという感じを受ける、私は政府職員が今度の公務員法ができますれば、罷業権、團体交渉権を奪われるのであります。そうすれば、手足をもがれたと同様な立場に置かれる公務員の待遇が、民間水準より低かつた場合には、どういう人が一体就職し、又働く人達はどういう気持になるか、政府は綱紀粛正を言つている、それから官職の民主化も言つている、サーヴィスをよくするということを言つておりますが、そういうものの待遇が民間水準よりか非常に低い。これで一体さつき言いました政府が言つておりますところの、サーヴィスをよくするとか、或いは綱紀を粛正するというようなことができるとお考になるかこの点は如何ですか。
#15
○國務大臣(泉山三六君) お答え申上げます。只今のお示しの通り、官公吏の給與は今日におきましては、お示しの通り確に民間に比較いたしまして、その低きに失するものと思うのであります。併しながら果してそれをどの水準まで引上ぐべきか。かような観点に立ちます場合、おのずから別個の問題と相成りまするので、その点は只今のいろいろ御心配にございましたようですけれども、我々が今日考えておりますその水準は、決して低きに失するものとは考えておらないのでございます。
#16
○委員長(中井光次君) ちよつと御通告申上げますが、大藏大臣は時間が、やはり大変向うに何か委員会か何かあるそうですから、どうぞ時間を節約して、簡單に一つお願いいたしたいと思います。
#17
○委員外議員(原虎一君) 時間も節約してお聞きしているつもりでありますが、質問を打切られるならば、明日日曜でも出て來ますから……。
#18
○委員長(中井光次君) 若しお残りになつたら、明日又ありますから、大臣にお願いしたらよいと思います。
#19
○委員外議員(原虎一君) 甚だ一人で質問を続けておりまして恐縮でありますが、もう二、三点お伺いしたいと思います。今大藏大臣の御説明によりますというと、予算関係、財政上の関係から、政府職員の給與が低いのは止むを得ん、諦めなければならんというような結論になつて來ると思います。これは非常に私は公務員法制定の改正の審議に当つて、我々議員としての重要な責任を感ずるわけです。で、ありますから、私は最初からマッカーサー書簡の精神をどうお考えになるかということをお聞きしているのです。飽くまで一方的にものを処置することは、これは或る一、二の力によつて、力関係でなし得るかも知れませんけれども、それは逆の結果を生んでくるのであります。極端は極端に通ずるのでありまして、法的な措置のみによつて、一應政府職員の待遇というものを押付けてしまう。あとの生活保障の見通しもつけないというのでは、これは総理大臣が今日は見えておりませんが、総理大臣の言葉を以てすれば、労働者を政治的目的のために煽動して行く、不運の輩ということを言つております。そういう者が仮にあるとしますれば、そういう者の乗ずる機会を政府みずからが作るのであります。これは我々が非常に日本の現状において注意しなければならん、又爲政者として、十分にこの点は考えなければ如何に法律を以て縛り付けても、大衆の納得できるところの政治というものが行われ、或いはその努力が拂われていなければ、法律を以て縛れば済むと思う思想は、それこそ戰争中におけるところの軍閥思想に類するものであります。そこで私は予算措置に対しては大藏大臣の責任は非常に重大であるということをお考え願いたいためにマッカーサー書簡の見解をお尋ねしたけれども、私の質問に対して理解に苦しむとおつしやいますけれども、どちらが理解に苦しみますか、一般の諸君が聞かれましても、大藏大臣は一体マッカーサー書簡のどこを読んでおるか、このような答弁があるということは……恐らく私の強弁ではないと思うのであります。一体私はこの予算が國会に提出されるのか、されないのか、本國会には提出されないと見なければならん、その場合においては大藏大臣は如何なる処置をされるか、この点をお伺いしたいと思うのであります。
#20
○國務大臣(泉山三六君) お答え申上げます。恐らく只今のお話は官公吏諸君の生活の保障、かようの意味合からそれが予算的の制約による場合甚だそれは面白くないじやないか。かようの意味合かとも拜察いたすのでありまするが、單にその場合の予算と申しましても、單純に今日安易に獲得せらるべき財源のみについてこれを申上げるのではございませず、予算当局といたしましてあらゆる努力苦心を重ねまして、捻出に捻出をいたして、その上の限界がございますのが一つ。尚又それ以上の捻出の途もないのではないかもしれないのでございます。かようの点になりますると、おのずから所見の分るるところになるかとも思うのでございまするが、少くともその後者につきましては、私としてはそれが直ちに物價の面に悪影響を及ぼし、その結果は先程お答え申上げました通り、却つて官公吏の方々に御迷惑を掛けるということになることを恐れまして、彼此勘案いたしますのが財政上の見解でございまして、その点を御了承を願いたいと思うのであります。
 尚然らばこの新ベースに即應すべき予算はこれを出さないのか、出さないといたしまするならばいつ出すのか緊急集会になるのか、第四國会になるのか、かようのお尋ねでございまするが、これは私から昨日も申上げました通り、本大臣といたしましては、一日も速かにこれを予算化しようと、今日懸命の努力を拂つておる次第であります。右御了承を願います。
#21
○委員外議員(原虎一君) どうも焦点を外れた御答弁を頂くと、時間が掛かつて困るのでございます。私がお伺いした要点は、本國会には出せないと私は思うが、大藏大臣は出されるのでありますかどうか、出されないとすればどういう措置をなさるのか、これをお聞きしておるのであります。
#22
○國務大臣(泉山三六君) 只今お答えしたところで御了承願いたいと思います。
#23
○委員外議員(原虎一君) 研究しておるというだけで、出すとも出さんとも……、もう会期があと三日に迫つて來ておるにも拘わらず、それが答弁できないということは解せない。
#24
○國務大臣(泉山三六君) 先程私の申上げましたことがお聽取りにくかつたとも思うのでありますが、私は一日も速かにこれは予算化して、本國会に提出すべく懸命の努力を捧げておるとかようのお答えを申上げたのであります。
#25
○委員外議員(原虎一君) そのお言葉はこれは委員会が始まつたときからお聞きしている、殊に院議によつて決定しまして、関連予算を提出すべきであるということを決定いたしまして、その後においても、何回も総理大臣が極力やつておるという御答弁があり、具体的には大藏大臣から説明を聽いて呉れという御答弁を一昨日も受けている、而も会期がまだ一週間もあるとか十日もあるというならば、極力努力しているということで我々も了承できますが、あと三日しかないのであります。それさえ本國会に出せるのか出せないのかというその見通しがついていない、そんな私は不見識な話はないと思う。その辺をもう一度重ねてお伺いする次第であります。
#26
○國務大臣(泉山三六君) 私はたびたび申上げました通り(笑声)懸命の努力を捧げておる、かようのことを申上げたのでございまして、その点を深く御留意願いたいと思います。
#27
○委員外議員(原虎一君) 幾たびお聞きしたところで同じような御答弁でありますが、逆に私は出せなかつたときにはどういう処置をとるか、私は出せないと思つているが、極力努力されているということは、出すつもりであると思いますが、出せなかつたときにはどういう御処置をなさるのか。(「答弁の限りじやない、それは」と呼ぶ者あり)
#28
○國務大臣(泉山三六君) 原さんにお答えいたします。私はお示しのような場合を今日このとき考慮いたしておらないのであります。
#29
○委員外議員(原虎一君) 飽くまで答弁を避けられるという態度である以上、私もできるだけ短い時間で質したいことは質したいと思いますけれども、そうも行きませんので、甚だ恐縮でありますけれども、予算編成が十数日間掛かつても困難である、それは今会期があと三日間というときに出せるとも出せないとも言えないという状態において、こういう重要な法案の審議を進めるということは、それは私は最も責任が……、先程申しまするような見地から、本法案は單に法律を作ればいいという法律ではないという精神から考えまして、政府が考えておると傳えられているところの予算の内容について今少しくお伺いしたい。
 第一にお伺いしたいことは、煙草の値上げによる益金の増收四十億円くらいと見ておられますが、この点について大藏大臣は自信を持つておられるかお伺いしたいと思います。
#30
○國務大臣(泉山三六君) 私は先程申上げましたのは、新給與ベースにつきましてこれを予算化する、かようなことを申上げたのでございまして、單純に法案を出す、かようなことは申上げなかつたのであります。尚更に発展いたしまして問題は煙草の値上げ、かようのお話でございました。今日さようのことを考えてはおりません。(笑声)
#31
○委員長(中井光次君) 原さん重ねて申上げますが、大臣は衆議院の方の予算委員会があつて、あと二人ちよつと簡單に聞きたいという方がありますが、若しありましたら明日もおいでを願うようにいたしますから、それで……。
#32
○委員外議員(原虎一君) 明日委員会が開かれますか。
#33
○委員長(中井光次君) 開きます。どうぞそのおつもりで……。
#34
○委員外議員(原虎一君) それでは私は質問を保留して今日はこの程度で打切ります。
#35
○委員長(中井光次君) いや質問されても結構です。
#36
○委員外議員(原虎一君) よろしゆうございます。そういうことになりますれば、他の方もおやりになつた方がよろしいと思います。(「もう了承できたろう」と呼ぶ者あり)
#37
○國務大臣(泉山三六君) 原さんに諄いようですけれども、もう一度お答えさして頂きたいと思いますが、先程お答え漏れいたしましたが、答弁を何か逃げるかのようなお話がございましたが、私は誠に正直に御答弁申上げておることを御了承願いたいと思います。
#38
○委員外議員(原虎一君) そういうことを重ねて言われますならば、私も更に一言言わなければならん。逃げるかのごとく思うのは私ばかりではなくして、聽いておる者は……。私の質問に対するあなたのお答は誠に、あなたとしては御熱心にやつておられるでありましようが、我々から見ますれば、どうも質問の的を外れた答弁をなさる。あなたは如何に口で眞正直に答弁しておると言われましても、皆がそう承知できないような御答弁では困るということを申し上げておるのであつて、これ以上は、問題はお互いの頭の問題になるわけでありますから、申し上げません。
#39
○委員長(中井光次君) 御質問は明日にお願いいたすことにいたしまして、一人だけ……。山田労働委員長。
#40
○委員外議員(山田節男君) これはこの問題でもございませんけれども、幸い大藏大臣がお見えになつておるので、差迫つた問題として一つお伺いしたいのでございますが、実は北海道の全官公におきましては、この夏以來越冬のための燃料、暖房用のために、荷主政府に対してお願をいたしております。第一回は確か八月だつたと思いますが、これは非常な無理をしてやつております。ところが第二回はなつておりません。実は先月の初旬でございますが、参議院の労働委員会を開きまして、政府を呼んで、そうしていろいろとその策を練つて頂いたのでございます。ところがすでにこれから十二月にならんとしておるのに御承知のようなことでありましで、実は全官公家族合わせて数百万の者が忽ち困つておるわけであります。これに対しまして一つ、大藏省の方でもいろいろ事情もあると思います。今までの経過は知つておりますけれども、今日の状態であると或いは予算の提出がないかも知れない、それで参議院の緊急集会でやるというようなことになるかも知れないという懸念も持つておるわけであります。そうして頂いては誠に困るのであつて、政府として、この問題に対してどういう段階にまで進んでおるかということを一つお伺いしたいのであります。
#41
○國務大臣(泉山三六君) 山田さんにお答え申上げます。只今お示しの通り、北海道におきましての、あの寒風積雪地帯におきましてのいろいろ御生活上の困難に直面せられますことにつきましては、政府といたしましても深く認識をしておるのでございます。從いまして只今御指摘の通り、政府はこれが予算方面におきましても、先ず暖房用石炭に関する手当、又官公吏諸君に対する石炭手当、或いは官吏附の手当、かような三本建で、今日具体的に案を以ちまして折角関係方面と折衝中でございまするので、右御了承願いたいと思います。
#42
○委員外議員(山田節男君) 今の御答弁でございますが、先に申上げましたように一日を爭つておる状態でありまして、関係方面の了解が若し今第三國会会期中に得られない場合に、十二月に入りましたら、どういう処置になるでありましようか、大体のお示しを願えないでしようか。
#43
○國務大臣(泉山三六君) お答えいたします。政府といたしましては、できるだけ今國会にこれを提出したい、かように考えておりまするが、止むを得ない場合には、これを次の國会となるかも知れませんが、併しながら実は相当の多額に上るつもりでございまするが、その計上にはおのずから時期の問題が、而も極めて切迫した状態にございまするので、その点は十分認識いたしまして、この上とも努力を重ねる所存でございます。
#44
○委員外議員(山田節男君) もう大臣の御答弁、そのお氣持は分るのでありますが、先程申上げましたように、これは官公労働者は國家公務員法が通過いたしますと、これによつて適用せられる、それから先程の御答弁によりますと、これに伴う給與の問題もはつきり分らない状態であります。この公務員法が改正せられ、又給與もこれに伴わない、それに又例の寒冷地の手当の問題も、今おつしやるように何時片附くか分らんという状態で、この國家公務員法が通ることによつて、非常な一面において悪い影響が來るかと心配されるようなことになります。この北海道におけるこの問題は全く主食の配給以上の問題で、これを若しこの今会期中にできなければ、参議院の緊急集会においてでも出すというような一つお約束は願えませんでしようか。
#45
○國務大臣(泉山三六君) 十分拜聽いたしました。
#46
○委員長(中井光次君) それでは非常にお急ぎですから、大藏大臣に対する御質問がありましたならば、明日の委員会にお願いいたします。板野さんもそういうようにお願いいたします。(「大藏大臣は少し時間を作つて來て頂きたい」と呼ぶ者あり)
 それでは尚昨日に引続きまして、國家公務員法に対する御質問が残つておりましたならば、御質問をお願い申し上げます。
#47
○東浦庄治君 私は時々休んでおつて甚だあれですが、この百三條第二項の「離職前五年間に在職していた國の機関と密接な関係にあるもの」というこの「密接な関係にあるもの」という限界が、どういうところを具体的に考えておられるか、はつきり承つて置きたいと思います。
#48
○政府委員(佐藤朝生君) この問題につきましては、先日岡部政府委員から大体のことを申上げましたのでございますが、そのときに申上げましたことは、例えば商工省繊維局に勤めておつた者が、商工省繊維局と密接な関係がある或いは繊維会社等の地位で、商工省の繊維局と始終交渉のあるような地位に就いてはいけない、それで例えば繊維会社の地位におきましても、或いは下の方の地位で商工省の繊維局の方と余り関係のないような地位、そういう所には就いてもよろしい。ここでまあ問題になりますのは「國の機関」の範囲だろうと思いますが、例えば商工省におつた者が、商工省繊維局におつた者が商工省に関係のあるすべての営利会社に就いてはいけないということになりますと、非常に廣過ぎますので、そこは人事委員会の方で人事院規則等で研究いたしまして、「國の機関」の範囲を限定したいと思つております。
#49
○東浦庄治君 人事院規則でできるのだろうと思いますが、それはまだはつきり決まつたものはできておらないのですか。
#50
○政府委員(佐藤朝生君) これは只今研究中でございまして、まだはつきりしたものはできておらないのであります。
#51
○東浦庄治君 やはり非常にこれは重要な問題だと思うのですが、官吏の後の生活について非常に問題があると思いますから、できれば早くそういう範囲を決めて國会の方へお示し願う方がいいのじやないかと思います。
#52
○委員長(中井光次君) 御質問が只今ないようでありましたら、実は修正意見についての懇談と言いますか、お打合せを願いたいと思つておりましたが、まだ纏まりません。從つて明日もこの委員会を開くことをお願いいたしたいと存ずるのであります。そういう次第でありまするから、御質問がありましたならば明日にお願いいたすことにいたしまして、本日はこの後におきましては請願並びに調査事項に対する御審議を煩したいと存じます。先ず請願の順序は、公報に書いてありまするようでありますが、急いでおる政府委員がありますので、その方から御審査を願いたいと存じます。お手許に配つてありまする資料の二百五十五号並びに二百六十六号、これを朗読いたさせます。
#53
○専門員(柴田義彦君) 國家公務員法改正案に関する請願、「國家公務員法の改正に当つては、政府又は地方公共團体の機関に勤務する職員であるという公務員の意義を明かに規定し、労働諸法規の適用を受けるのを原則とし、政治活動を認める等の諸点を考慮せられたい」という請願であります。その紹介議員は梅津錦一君であります。後の方はやはり内容は同じでありまして、紹介議員は岩間正男君であります。
#54
○政府委員(佐藤朝生君) 只今の請願に対しまして政府としての意見を申上げます。御承知の通り今回の國家公務員法の改正案におきましては、第二條におきまして特別職、一般職の範囲を現在の法律に比べまして大分変更を加えたのでございますが、政府の國家公務員の意義につきましては國家の公務に從事し、又國家から給與を受けておる者という観念、一應の抽象的観念としてはそういう観念ではないかと思いますが、労働諸法規の適用を受ける点につきましては、先日からの委員会で度々人事委員会でも御説明いたしました通り、今日のマッカーサー書翰の趣旨によりまして公務に奉ずる者と、一般企業の勤労者との間に一つの差異があるという建前におきまして、労働三法及び船員法はこれは國家公務員につきましては除外いたすことといたし、又政治活動につきましても百二條におきまして、現在の法律よりも公務員の政治的中立性の立場をはつきりした次第でございまして、この請願の趣旨とちよつと違うような公務員法の改正案になつておるのでありまして、現在のこの公務員法の改正案が現下の情勢において相当であると政府としては信じておる次第であります。
#55
○政府委員(鈴木俊一君) 地方公共團体の公務員関係の問題についてお答えして所見を申上げます。地方公務員法は実は今回の國会に提案をいたす予定で、いろいろ準備をいたしておつたのでございますが、大体いままでの政府の方針といたしましては今回の國会は一切の地方公務員制度についての規定を網羅いたしました法律案を提案いたしますことは困難の状態でございましたので、暫定的に現在國家公務員について施行になつておりまする國家公務員法の規定と大体同一範囲の事項、即ち服務に関する事項を中心といたしました規定だけを取敢えず今度の國会に提案をいたしまして審議を願いたいという予定で準備をいたしておつたのでありますが、これに関しましては、関係方面から極く最近に國家公務員につきまして、余りに画一的な、一般的な規定を設けて統制をするということは必ずしも適当でないのではないかというような見解の表明等もございまして、当初審議をいたしておりました法律案の提案は見合せることにいたしまして、次の國会に地方公務員に関する根本法を提案するというような心組で目下準備を進めておる次第でございます。それで地方公務員法の制定に当りましては、只今國家公務員につきましてお話のございましたような点は、やはりこれと同じような考え方で盛り込みたいと思うのでございますが、地方公務員に関しましては、國家公務員法のごとく法律において相当細部に至るまで画一的に決めるということじやなく、やはり地方の條例において、その地方團体にふさわしいような実情に合するような形でこれを制定する裕りを與えるように、規定をいたしたいというふうに考えている次第でございます。その際にはここにございますような点につきまして、十分に考慮をいたす予定でございます。ただ、労働関係の諸法規の適用を受けるのを原則とし得るかどうかという点につきましては、國家公務員についての問題と同じようにやはり両相当研究を要する点があると考えておる次第であります。
#56
○委員長(中井光次君) 請願第二百五十五号の要領書では少し大雜把ですが、こちらの専門員の方から請願書の内容についてもう少し詳しく申上げます。
#57
○木檜三四郎君 何号ですか。
#58
○委員長(中井光次君) 初めの方の五番の、請願第二百五十五号であります。
#59
○専門員(柴田義彦君) これは請願の中に修正要点というて修正案が入つております。それが根本となつておるので、その修正案の根本をちよつと御説明申上げます。
「一、公務員とは國又は地方公共團体の行政の手段そのものであり、政府又は地方公共團体の機関に勤務する職員であるという公務員の意味を明確に規定すること、
一、公務員も原則として労働組合法労働調整法労働基準法その他関係法令適用を受けることを明記すること、
一、組合より指名された代表者は、政府からの給與は禁止される場合といえども、公務員としての身分及び代表者としての行爲の自由は保証されねばならないこと、
一、人事委員会は公務員の給與身分等人事に関することを取扱うこと、
一、公務員の給與身分等人事に関する責任者は、任命権者であることを明記すること
一、公務員の政治活動の自由を制限せざること、」これだけの修正であるのであります。
#60
○政府委員(佐藤朝生君) 只今専門員から御朗読になりました國家公務員修正要点の中で、人事委員会は公務員の給與身分等、人事に関することを取扱うこと、これは國家公務員法におきましても、給與身分等の総括的なことは人事委員会で、新らしい人事委員で行うようになつております。それから公務員の給與身分等人事に関する責任者は任命権者であることを明確に規定すること、これも任命権者がその公務員につきましての人事に関する全責任を負うことは勿論でございます。それからもう一点書いてございますが、組合からの專從職員の問題が書いてございますが、專從職員の問題につきましては、先日からいろいろ御質問ございましたし、御答弁申上げたことと存じますが、政府からの給與は禁止される場合と雖も、公務員としての身分は、代表者としての行動の自由は保障されねばならないこと、この点につきましては、第百一條の改正におきましても、人事院規則によつて認めた條件においてはできるということになつておりまして、專從職員につきましては無給休職でありますとか、そういう給與を受けないで、公務員としての身分を受けるような地位を認めることを目下考慮中でございます。こちらの要旨はちよつと簡單で分りませんでしたから申上げませんでしたが、修正点で一應申上げます。
#61
○委員長(中井光次君) 請願第二百五十五号は、只今御説明を申上げ、又政府委員からもいろいろお答えがございましたように、だいぶ決まつた部分もあるのでありますが、これを如何ように取扱いますか、皆様の御意見を伺います。つまり内閣に送付すべきものとして採択するか、もう送らなくてもいいとして不採択にするか御決定を頂きたいと思います。(「不採択でいいよ」と呼ぶ者あり)不採択でよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(中井光次君) それではそういうことに決定いたします。
 次に請願第二百六十六号、これにつきまして説明の補足がありますそうですから……。
#63
○専門員(柴田義彦君) 岩間紹介議員が御説明になる筈でありましたが、いらつしやいませんから申上げます。箇條書に申上げますと、一、組合組織は労組法上のものとすること、二、團体交渉権、罷業権等從來通り認めること、三、國体協約は從來通り締結しし得ること、四、人事院の構成と運営を民主的にすること、五、給與の基準には職務を遂行するに足る生活の保証を規定すること、六、公務員の政治活動の自由を認めること、七、地方議員との兼職を認めること、これだけになつております。
#64
○委員長(中井光次君) 請願第二百六十六号についての御意見、前のと同様の不採択、これと同様の決定でよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○委員長(中井光次君) 先程申上げました不採択という申入は参議院規則第百七十條に「委員会は、審査の結果に從い、左の区別をして議院に報告しなければならない。
一、議院の会議に付するを要するものとするもの、
一、議院の会議に付するを要しないものとするもの」
 この議院の会議に付するを要しないものであるという意味であります。さよう御了承願います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員長(中井光次君) 次に請願第四十三号、これを議題にいたします。紹介議員は原さんですから、原さんから御説明を願います。國家公務員法適用除外の請願ということでありますから、お出になつておるからちよつと御説明願いたいと思います。
#67
○委員外議員(原虎一君) 紹介議員といたしまして御説明を申上げまして、御了解を願いたいと思います。要点のみを申上げますれば現在連合軍の命令に基く政府委員というものが約二十数万人おりますが、これが今度の公務員法によりますと、政府から給與を受けるものが枠に入つてしまいます関係上、進駐軍労務者も一應公務員の枠に閉込められるわけであります。ところが御承知の通り、この労働者の種類と申しますか、業別、種別等を見ますと純然たる工場労務者もありますれば、屋外労務者で港湾荷役等もあります。要するに日雇労働者のごとき形の者もおりますし、自動車の運轉をやつておるものもあります。それから家政婦として雇われておる者もあります。これらの殆んど全部は單純労務でありまして、いわゆる行政権に何ら関係を有していないのであります。現に御承知のごとく公務員法の審議に当りましても、公務員法とは何ぞやという定義につきましてはいろいろ御意見もありまして、行政権の直接行使に当らない單純労務の者まで入れるということはどうかという点からいたしましても、進駐軍労働者が即時に公務員法も適用の範囲に入つてしまうということは、何と考えましても不合理であります。それから待遇の点につきましても全然これは官職の賃金ベースとは別でありますと同時に日給、月給制度をとつておりますし、官吏が受けます恩給等は貰えないのであります、こういう状態であります。然らば今日どういう労働関係に置かれておるかと申しますれば、労働基準法にありますとかいうものは適用を受けております。その完全実施かどうかは疑問がありますが、適用は受けております。と同時に労働組合法に基く労働組合も作つておりまするが、軍の仕事であります関係上ストライキは実質上できないことになつております。ストライキは全然やらないという決意の下に労働組合組織をいたしておりますと同時に團体協約はいわゆる労働組合法に基く團体協約をやつて來まして、何らそこに進駐軍方面から非常な軍の行動に支障を來すようなことを起したことはないのであります。でありますからその仕事の性質と現在行つてあります労働関係から見ましてもこれが公務員法の枠に嵌められましても現在の法で何れにも支障がない、こういう状態でありますが、理論的に考えましても、労働の性質から考えましても、給與を受ける関係から見ましても、政府が政府事業として永久に使用する労務者でなくして、連合軍の命令によつて政府がこれを行うという敗戦下における特務の事情から起つておる関係からいたしましても、それが公務員法の枠に入つてしまうというと非常に合理的でないと考えると同時に、それを入れないといつて法の精神に反したり、最も大切な重大なる連合軍の仕事に差支えるということが現に起つていない、そうして三年数ケ月の経験によつて起つていないという、こういう点からいたしまして請願をいたしておるわけでありまして、その請願の要旨はそこにもあります通り、この公務員法の二條に御存じの通り特別職「これを特別職として扱うということになつておりますが、この改正案の十二号に「連合軍の需要に應じて連合國軍のために労務に服する者」とこれがいわゆる特別職になる、こういうふうに挿入しますとすれば、こういう事情に参りますので、請願をいたしておる次第であります。よろしく御審議を是非さよう扱うように願いたいと存ずる次第であります。
#68
○政府委員(佐藤朝生君) 只今紹介議員の原議員から御説明を承わりまして、我々御意見に対して多々賛成の分が存するのでございます。進駐軍労務者が普通の公務員と違つた性質を持ち、又労働の性質が、それから給與、待遇等につきまして一般の公務員と異つたものであるということは我々も存じておる次第でございます。ただこの度の國家公務員法の改正案におきましては、この解釈といたしましては一應一般職となる次第でございますが、一般職にその編入されましても又我々といたしましては公務員法の附則第十三條によりましていろいろ例外的規定は設けなければならんということを思つておるような次第であります。
#69
○委員長(中井光次君) 特別調達職事業局長根道廣吉君が説明員として出席されておりますから説明を許します。根道君。
#70
○説明員(根道廣吉君) 只今佐藤政府委員からお話がありました通りに、現在の進駐軍労務者というものは一般の公務員とは非常に違つておりますので、現に直接にそれらの労務者の問題を扱つておりまする特調の係の者といたしましては何らかの例外的措置が設けられねばならないであろうということをよく承知しておる次第でございます。御承知のように只今も原委員からすでに御説明がございましたのでございますが、この労務者の身分関係というものは日本政府が雇傭者でございまして、連合軍が使用者であるという特別の形のもので、日本政府は形の上では一句の労務管理をやつておりますけれども、事実は使用者であるところの連合軍の士官等の指示によつて殆んど日本政府が関與できないような面の管理をやられておるというようなわけでございます。又特に給與支拂面におきましては、これ又連合軍の士官等の承認を得た後でなければ拂うことはできないという特殊な立場にもございます。又いろいろ労働関係法規の適用の問題につきましても、使用者が進駐軍であるがために事実上いろいろな労働法規関係のことが起きましても、これを政府として具体的に適切なる処置ができないというような面もございます。又時間外の作業等についての制限もいろいろございまして、どうしてもこれは普通の公務員と完全に同じにはできないというような考え方を実務に当つている者として思つておるような次第でございます。
#71
○大山安君 只今調達廳からの御答弁でございますが、私遅刻しましたのでなんですが、すべては日本國でやつておるようではあるが、実際は指示の下にやつておるということにつきましては、日本政府としては自由にならないような感想を受けるのでありますが、これは日本政府が今日までやり來つたことが國情に合わないやり方によつて今日連合國においてすべての指示を與えるということになるわけですか。それとも固より日本政府が……つまり意見の自由にならなかつたということになつておるのですか、その点を一つ……。
#72
○説明員(根道廣吉君) 先刻申しましたように日本政府は雇傭主ではありますが、現実に使用する者が連合軍であるがために、その間の事実上の食違いが多々生ずるというようなことであります。
#73
○大山安君 ポツダム宣言に日本政府に……、日本のつまり政治関係その他は委せるということになつておるようなわけですが、併し私から考えまして今日すべての指示を受けなければならなくなつたというような感想を私は持つておるのであります。その場合にはかくのごとく一々世話を燒かせるようになつたということはどうしても政府の責任でありはしないか、固より進駐軍の指示は民主國家建設上の目的であつて、それに支障を來さない程度の政治、その他の國情に副うところの政府が力があつたとしたならば、今日すべてに世話を燒かせずに済んだ筈だが、こういうような感想を持つておるのですが……。
#74
○説明員(根道廣吉君) 只今のお話ちよつと私として分りかねたのはございますが、実は使用主と雇傭主が変つているために、具体的にいろいろ細かい問題が起つたときに調整するのに困難なる場合が多々ある、こういうことでございます。又いろいろの労務者の問題というようなものが直接に我々のもとに達して参りましても、これを調整して貰う相手は現に今使つている向うの連合軍の士官等でありますが、その人達に頼んで直すということが不可能である、そういうような面があるということを申上げたわけでございます。
#75
○大山安君 私が聞き損つておるかも知れません。これは只今の調達廳の御意見のあれは進駐軍労働者関係に対する御説明ですか、私は國情のすべてに対することと思いましたから……、ああそれは済みませんでした、取止めます。それは相済みませんでした。
#76
○委員外議員(山田節男君) この特別調達廳として進駐軍労務者の只今御説明があつたような特別の労働関係、特別の身分を容認されているのでありますが、この國家公務員法が規定するいわゆる任命、それから任命して後の昇進、それから給與、それから能率、分限、それから服務、それから退職についての恩給、こういつたようなものをこういう特性のある進駐軍の労務者に対して全面的にこれを適用し、又國家公務員法が要求する公平な人事と、それから能率ある勤務が実現し得るかどうか、この点において一つ自信のあるところを伺いたいと思います。
#77
○説明員(根道廣吉君) 只今山田さんからのお話のごとく、今挙げられましたいろいろな項目、又細かい点はその外にも沢山あると思いまするが、いずれも多分に例外的取扱をしなければならんのではないかと、実務の面から考えておるような次第でございます。
#78
○小串清一君 只今の請願四十三号はやはり採択をしてこの趣旨を取つた方がいいのじやないかと思います。これは実は私も体験を持つております。神奈川縣の第八軍の方の或る仕事を我々の方でやつておりますが、その職員を使つておりますが、これらの人の給與については只今のところは向うの要望があつてなかなかそう行かないのです。だからこれは人事院に嵌め込むということは却つてまずいのじやないか、私はこれは御採択になつた方がいいと思いますから、そういう動議を提出します。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#79
○寺尾博君 只今の進駐軍の場合のごときは、附則の十三條において特別な取扱をするような政府の方針でありますが、そういう点をお伺いします。
#80
○政府委員(佐藤朝生君) お話の通り特別の取扱をするつもりであります。
#81
○寺尾博君 それではこれもそうでありますが、過日の公團職員のことに関する質疑が出まして、この際も十三條で適当に処理をしようという政府のお考えのように伺つたのでありますが、その際に私はそういうことであるならば、その種のものはこういう扱いをするということは、初めから御当局の説明として政府が進んで我々に説明すべきである。こちらは只今公團のごとき職員が普通の一般職として取扱うことを大変心配しておる。政府は十三條で処理するからそういう心配を要しないと申されたが、そういうことは初めて聞いてそういう心配が解けた。それで私はこの法案の説明に対する政府の態度が不親切である、こういう感をその際抱いた。只今の請願の問題も附則の十三條で処理するという方針であるという御説明があつたように思います。そういう意味において私は先程小串委員が言われたように、採択せられて政府に送付するのが適当である、こういうふうに考えます。
#82
○委員外議員(山田節男君) 今の小串委員並びに只今の御発言でありますが、私もこれに同感でありますが、併し政府が附則の十三條でこれを片附けるということは、私はどうもこの公團或いは進駐軍労務者のような特性を持つたものは附則の十三條で片附けられるということはとても不安でならないのであります。從いまして若し第二條の改正によりますと、十二、十三にこれは修正と申しまするか、加えると申しまするか、そういうようにして頂いた方がはつきりしてよいのじやないか、こういうふうに私は思います。
#83
○佐々木鹿藏君 私も山田委員と同感でありまして、除外例ということでなくはつきり明示すべきだと思います。
#84
○小林英三君 この請願の委員会における取扱といたしましては、これは一應採択することに決定いたしたいと思います。これをこの委員会におきまして、修正案を出すとか出さんとかいうのは別の問題だと思いますから、政府におきまして附則第十三條において取扱うということで行くかもしれませんし、又委員会の各位において修正案を出されるというのは別の問題であろうと思いますから、一應小串委員のごとく採択することに賛成いたします。
#85
○委員長(中井光次君) 御異議もないようでありますから、採択に決定いたします。只今の採択の意味は議院の会議に付するを要するものと要しないものと、内閣に送付を要するものと、要しないものとありますが、その内閣に送付することは要しないもの、そういう採択でありますが、御了承願います。
 次に請願第百八十九号、これは説明員が出席するそうですから後廻わしにします。
 その次に請願第百九十二号、政令第二〇一号の廃止並びに國家公務員法改訂反対に関する請願、紹介議員の羽仁さん、御説明がありますか……。
#86
○羽仁五郎君 本請願の趣旨は、政令第二〇一号というものが、憲法の趣旨に違反しておることについて、これは形式論から言えば、或いは憲法の趣旨に違反していないという議論も十分成立つわけでありますが、九月に行われた公聽会においても大体各大学の専門家達の意見は憲法違反である、そうして政府の方からは法制局長の佐藤君が出席せられて、佐藤君の述べられた論拠は余り確実でなく、私はその公聽会に出席しなかつたが、傭えられるところによると、佐藤君自身も個人としては憲法違反の疑があるということを認めざるを得ないということを言われたというふうにも伝えられておる、こういうように大体学者の見るところは、これは憲法違反ということが定説になつております。これを國会が一應黙つて関知しないという態度をとつておられることは國会の権威のために甚だ惜む所以でありますので、どうかこれを廃止することをお願いしたいという趣旨であります。尚内容的にはもうすでにこの委員会において私はしばしば発言の機会を與えられ、その際に私が申上げましたことを思い起して頂きたい、一言で言えばこの間、淺井委員長も認められましたように、基本的人権というものと、公共の福祉というものと同じレベルのものではない、術この際ちよつと皆さんに御注意を喚起して置きたいのは、有名なドイツのワイマールの憲法がやがて崩れたその第一歩は何であるかというと、一九二二年に大統領が官吏の罷業を禁止した。これがワイマール憲法の崩れた第一歩なのであります。これはナチスに対する國際法廷などにおいても問題になつたことでありますので、この新らしい日本の國会がそういう來るべき、或いは慣れなければならない國際裁判の素因の一つを作るということは是非防いで頂きたい、國会の名誉のために、我々國会議員の節操のために防いで頂きたい、そういう意味でこの國家公務員法の改正ということも撤回せらるべきでありますし、政令二百一号というものも廃止せらるべきでおる、これは必ず十年、二十年の後に歴史の審判を受けることでありますので、どうか愼重に御討議をお願いしたいと思います。
#87
○政府委員(高辻正已君) 法務廳の高辻でございますが、只今羽仁委員からお話がございました点につきましては、今までにいろいろ御説明申上げる機会もあつたわけでございますが、この際改めて諄々とは申上げませんが、ちよつと政府の所見を一應極く簡單に申上げて置きたいと存じます。先ず第一に政令二百一号の効力の問題でございますが、これは只今羽仁委員もおつしやいましたように、形式的に論ずれば或いは有効だという途もあるかもしれないというふうな御言葉でもございまたが、それを私共又申上げて甚だ恐縮なのでございますけれども、極く大雜把に申上げますと、これは勅令五百四十二号の緊急勅令に基いて出ておる。緊急勅令はこれは旧憲法下の議会の承諾を得て法律に代るべき勅令となつておるので、これはその効力において法律と変りがない、それで他の旧憲法時代の法律が新憲法下においてもそのまま有効に存続しておるように、その基になる法律もやはりそのまま存続しておる、それに基いた命令であるのだから、法律的に有効であろう、こう見でおるわけなのでございます。
 次に然らば國家公務員法、まあそれは法律に仮になつたとしても、國家公務員法にそういう事項を掲げておるそのこと自体が、すでに憲法に違反するのではないか、從つて國家公務員法も、そういう意味合でこのまま通すことはできないのではないかという御説でございますが、この点も実はしばしば申上げておるので、詳しく申上げるにも及ばないかとも思うのでありますが、一應政府の見解としては、公務員は憲法十五條の「全体の奉仕者」であるという点、それから公共の福祉に從つて基本的人権というものは侵してはならないということから言つて、或る程度の制限を法律で置かれるというのは、これは止むを得ないのではないかという観点から、やはり憲法上も差支ないのではないか、こういう見解を持つておるわけであります。ちよつとその点だけ申上げさして頂きます。
#88
○羽仁五郎君 政府委員の只今の説明は、いわゆる形式論に終始しておられるのであつて、我々國会が民主主義を是非育てて行こう、守つて行こうという情熱とは比較することはできないと思います。日本の官吏は過去において日本を侵略戰爭から守ることはできなかつたのであります。從つて今日は國会が民主主義を守らなければならない、その自覚を是非高めて頂きたいと思います。尚政府は、例えば政府委員は最近國会図書館の調査立法考査局から提出された「官吏と公務員の罷業権、團結権、欧米における学説を中心として」こういう資料を御研究になつておられますか、どうですか。
#89
○政府委員(高辻正已君) 國会の立法考査局でお集めになつているいろいろな資料等については、実を申上げますと私共別に連絡もなくやつておるわけでございます。その点は関知しておらない次第でございます。
 それから五百四十二号の緊急勅令のことを、前に戻つて恐縮でございますが、あの効力につきましては、これは御承知かと思いますが、最高裁判所の判例がございまして、それは新憲法下においても、あれに基いた命令というものは有効であるというようなことがございますので、念のために申し添えさせて頂きます。(「議事の進行について」と呼ぶ者あり)
#90
○羽仁五郎君 法務庁の中にも國会図書館がありますから、連絡がないことはない、関知しないとおつしやらないで、なかなかよく纏つていると思いますから見て頂きたい。今の最高裁判所の判決その他でありますが、ドイツのワイマール憲法覆滅の過程においても、やはりその時その時の当局は合法であるということを常に言つておつたのです。併しその結果から見れば合法ではなかつた、民主主義を覆えすものであつたということの判定が下されるのです。だからただそう思うだけでなく、世界の歴史を無視されないように愼重に考えて頂きたいと思う。政府の方もそうですし、どうかこの委員会におかれましても、只今申上げましたような意味で、國会の権威、又民主主義のためにこの請願を御採択あらんことをお願い申上げます。
#91
○小林英三君 議事の進行について委員長にお願い申上げたいと思う、この請願というものを議題に供しましたが、これに対しては紹介議員が説明をして、然る後に政府委員の答弁を求めて、その上で我々委員としてこれに対する質問或いは討論をいたしたいと思うのです。今羽仁君のは請願の紹介者として御説明なさつてそれに対する政府の意見があり、それに対していろいろ羽仁君が意見を申述べられたのでありますが、これは段階をおのずから変えて頂きたい、請願は請願人としての請願の紹介をすればよいと私は考える。その後において我々委員として意見を申述べたいと思います。委員長において今後請願というもののお取扱に対してはそういう御処置を願いたい。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(中井光次君) 紹介の御説明並びに政府の所見を御開陳になりましたが、この請願第百九十二号の取扱についての御意見を伺います。
#93
○小林英三君 本請願につきましては、最初からこの委員会におきまして、政府といたしましての修正案に対する立入つた説明を我々は聞いております。從いましてこの改正案につきましては、先般のマ書簡に対して政府が提案をいたしましたのでありますが、二、三回前の委員会におきまして、羽仁委員から只今紹介議員として御説明になりましたようなことを、ここで縷々御説明がありました際における吉田総理大臣の答弁によりましても明らかであります。この問題につきましては甚だ残念でありますが、不採択にいたしたいと思います。
#94
○委員長(中井光次君) 小林委員の不採択という御意見がありますが、さように取計らつてよろしうございますか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#95
○委員長(中井光次君) 賛成多数のようですから、そういうように決しますから、羽仁委員一つ御了承を願います。
 次に六番、請願第二百五十六号國家公務員法改正案に関する請願、專門員より朗読いたします。
#96
○専門員(柴田義彦君) 紹介議員は水久保甚作君。「國家公務員法の改正に当つては、民主國家の公務に奉仕する公務員の在り方として、團結権、交渉権を承認せられるとともに暫定的に組合專從者を承認せられたいとの請願。」であります。
#97
○政府委員(佐藤朝生君) 本件に対しましては、今回の改正案におきまして、九十八條においていわゆるオープン・ショップによります團結権並びに労働組合法関係にいう團体交渉権でなく、新たな交渉権を認めるようにいたしたのでございます。
 それから又組合專從者につきましては先程申上げましたが、百一條によりまして政府職員の身分は持つておつても、政府から給與を受けないという意味に驚きまして、組合事務に専從することは人事院規則で認めたいと思つておる次第でございます。
#98
○委員長(中井光次君) 本件の御意見を承ります。
#99
○羽仁五郎君 これはたびたび繰返して恐縮なんですが、今の政府委員の御説明にもあつたオープン・ショップその他の点についても、又タット・ハートレー法が模範になつておる、その模範が崩れかかつておる時に、日本でそういうものを作る、そうして今度は又その模範の方が崩れて、又数ケ月後に日本でこれを変えるということは、どうも國会の権威のために非常に残念でありますので、現政府の所見の如何に拘わらず、先日來縷々申上げました点を御考慮下さいまして、本委員会においてこの請願を御採択あらんことを切願する次第であります。
#100
○小林英三君 本請願につきましては、先程の第百九十二号と同様の意味を以ちまして、不採択あらんことを希望いたします。
   〔「採択」と呼ぶ者あり〕
#101
○委員長(中井光次君) それでは採決いたしますが、羽仁君から初めに採択の御意見がありましたから、請願第二百五十六号は羽仁君の御意見の通り採択に御賛成の方は起立を願います。
   〔起立者少数〕
#102
○委員長(中井光次君) 少数であります。不採択と決定いたします。次に請願第百八十九号、國家公務員法改悪反対に関する請願、これを議題に供します。
#103
○専門員(柴田義彦君) 紹介議員は栗山良夫君、岩間正男君、藤田芳雄君ですが、請願の要旨は、「政府はさきにポツダム政令を公布し、官公庁労働者の争議権並びに團体交渉権をはく奪し、國家公務員法の改悪案が國会に工程されることになつたが、これは憲法第二十八條及び極東委員会による十六原則の第五項に反し、基本的に人権をじゆうりんせるものであるから、日本労働組合運動発展のために、本法の改悪を中止せられたいとの請願。」であります。
#104
○委員長(中井光次君) これは説明を省略してよろしうございますか。……それでは御意見を御決定願いたいと思います。
#105
○小林英三君 前請願と同じ趣旨におきまして、不採択あらんことの動議を提出いたします。
#106
○委員長(中井光次君) 小林委員より、請願百八十九号不採択の動議がありますが、御賛成の方の御起立を願います。
   〔起立者多数〕
#107
○委員長(中井光次君) 起立多数、不採択と決定いたします。次に請願第二百二十四号、熊谷地区官公吏勤務地手当引上に関する請願これを議題といたします。
#108
○専門員(柴田義彦君) 紹介議員は天田勝正議員であります。この請願の要旨は、「熊谷市所在官公庁職員に対し、現在乙地の臨時勤務地手当が支給されているが、物價状況からして当然甲地としての給與を妥当と思考されるから、從來の乙地の地域系数を引き上げ甲地を適用し、給與改善を計られたいとの請願。」であります。
#109
○政府委員(今井一男君) この熊谷地区のみならず、現在地域給引上の要望の出ております地方が約五百ケ所ばかり私共の手許に参つております。これにつきましては、法律第四十六号に基きまして設置せられました地域給審議会の意見に從いまして、そのラインで目下検討中でございまして、その結果、その審議会に諮りまして結論を出したい、かように存じております。でき得れば本年一ぱいに結論を出す予定でございまして、進行中でございます。熊谷地区そのものにつきまして、その結果どうなるかということは、遺憾ながら只今申上げる段階になつておりません。
#110
○大山安君 この請願につきまして、この熊谷地区というと、これは今日まで平均に手当を見られてこの官公吏に対してやつておられるわけでありますか、それとも今日まで熊谷地区の官公吏が特に手当が遅れていて、そのために困るということなのでありますか、政府の説明を聽きます。これは手当を低下さして置くためにこういう請願が出たのか、それとも國家の財政上において平等に考えた結果のことであるというのか、その点を伺いたい。
#111
○政府委員(今井一男君) 現在地域給は特、甲、乙、丙と四階級であります。特と申しますのは六大都市であります。普通の市は乙というふうになつております。乙の中で特別に物價の高い地方は調査した結果、これを田地に引上るということに相成つているのでありまするが、その関係から調査完了いたしまして引上げられたところも全國に二、三十ヶ所ございます。從いまして熊谷地区が特に遅れているというわけじやございません。一應の貰うべき手当は貰つているのでありますが、尚外の町と比べて物價が高いからして、甲地区に上げるだけの力があるものと、かようにこの請願者はお考えになつてお出しになつたかと思います。我々といたしましてはそういつた希望地区は沢山ございますから、それを全部調べまして予算とも睨み合せまして、一番高いところから御希望を処理して行く、こういうわけであります。
#112
○小林英三君 本請願につきましては請願の意を体しまして、委員会といたしましては採択にすべきと思います。
#113
○委員長(中井光次君) 御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○委員長(中井光次君) それでは採択に決して、内閣に送付を要するものということに御決定を願います。
#115
○大山安君 それは條件附で以て出す。國情、つまり財政上と睨み合せてこれを採択する、條件附で……。
#116
○委員長(中井光次君) 請願は一應終りました。次に陳情が二つございますから、基だ御迷惑ですが、陳情第十三号國家公務員法の改正並びに教育公務員法案に関する陳情、專門員の説明。
#117
○專門員(柴田義彦君) これは岩手県の六十六名から來ておる陳情であります。その要旨は「教育の重要性と教育の特殊な地位とを認識せられて、國家公務員法の改正に当つては給與、厚生福祉等について積極的な施策を講ぜられたく、又教育公務員法の制定に際しては、教育の民主化、社会化のために、教育組合の結成を認められたいとの陳情。」であります。
#118
○政府委員(辻田力君) 第十三号によりまして御陳情があつたのでありまするか、教員の特殊な職務とその責任に基きまして、政府といたしましては、この國会に國家公務員法の附則十三條に基きまして教育公務員特殊法案というものを提案いたしたく、今日まで努力して参つたのでございまするが、客観的な情勢のためにそれが今次國会においては提案ができなくなつたのでございます。從つて政府としましてはこの教員の職務と責任の特殊性から考えまして、或る種の特例というものは必要であるという認識の下に、その特殊性を尊重いたしまして、次期國会におきましてはできるだけこの法案を提出いたしたいというふうに考えておる次第でございます。その際この陳情にありますような事項が中に入りますかどうかにつきましては、関係方面との関係もございますので、直ちに申上げることはできないのでありまするが、國家公務員法の精神が全面的に適用されまして、これらの事柄につきましては或いは困難な点もあるのでないかと考えておる次第でございます。
#119
○羽仁五郎君 本陳情はその趣旨誠に尤もだと思いますし、今日公務員法の改正その他について、就中教育の重大な仕事に携つておられる教員諸君の不安というものも可なり大きいのでありますから、そういう点を考慮せられて、國会においては是非この陳情を御採択になつて、從つて政府当局を、激励をせられるようにお願いいたします。
#120
○大山安君 この教員組合の結成を軸められたいという陳情でありますが、今日までに教員が結成した場合に、何らかの欠陷というようなところが、政府の御意見としてあり得たかどうかというような例をお聽きしたいのであります。これはよく團体に上つて選挙関係か何かいろいろな関係の影響をいろいろ及ぼすというようなことを聞いておりまするが、事実は私は聞くだけのことで調査も何もしませんが、今日まで幾らそういうような関係があるか、あるようであるか、ないようであるか(笑声)という点についてお聽きしたい。
#121
○政府委員(辻田力君) 教員組合が從來いろいろな弊害のあるような行動をしたかどうかということについてのお尋ねであつたかと思いますが、いろいろ見方があつて違うと思うのでありますが、例えば最近教育委員会法によつて教育委員会の委員の選挙がございましたが、その際に相当教員組合が活動したというようなことも聞きました。併しそれが悪いかどうかということにつきましては一定の結論に達しておりませんし、研究中でありますので、さよう御了承願いたいと思います。
#122
○羽仁五郎君 教員組合の今までの從來の実績について、今政府委員からの説明があつたのですが、この教員組合の今までのことについていろいろの問題が決してなくはなかつたろうと思うのでありますが、ただ一つ考えて貰いたかつたのは、教員組合を持たなかつた教員はどういう弊害を持つておつたかということを考えて頂きたい、これは八月十五日以前でありますが、教員組合を持たなかつた教員は、そのときの政府が方策を誤ればそれに追從するより外なかつた、政治的に全く盲目的に追随するような教員者諸君が、我我の子弟を教育して呉れたわけなんです。多かれ少なかれ、戰争犯罪的な責任まで負わなければならなくなつて來たわけです。ですから教員組合を結成して、人間は神様ではないから、多少の弊害はあつても、併しながら戰争犯罪に協力するというような、そういう弊害が教員組合がない場合には起つて來る、教員組合がある場合には、そういう盲從をしないで、自分たちの考を述べる、そういう基礎を持つておるということになりますので、さればこそ一昨年アメリカから日本に参られた教育使節團の、日本教育民主化に対する勧告案の中でも、教員組合を獎励せよと明示されておつたのであります。そういう意味で民主化を守つて行くために教員組合が不可欠に、欠くべからざる極めてパラマウントな意味を持つものであるということは、世界の歴史がこれを証明しておることでありますし、就中教育の重責に携わる人たちが自主的な組織を持つて行かれることは望ましいことでもありますので、採択願いたいと思います。
#123
○小林英三君 本陳情は羽仁君の御意見の通り採択あらんことを希望いたします。
#124
○委員長(中井光次君) 陳情第十三号採択の動議が出ましたが、御賛成の方は起立を願います。
   〔起立者多数〕
#125
○委員長(中井光次君) 起立者多数、採択いたします。これは内閣へ送るのであります。
 陳情第二十九号、國家公務員法改正反対に関する陳情、これを議題にいたします。堀議員が出ておられて、この陳情についての説明を御希望になつておるので、許してよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(中井光次君) それじやそういうことにいたします。堀さんは違うところでありましたから取消します。場所が違いました。これは專門員より説明いたします。
#127
○專門員(柴田義彦君) それでは私から御説明申上げます。これは北海道の二十三名の方より陳情になつたものでありますが、その要旨は、「政府の企図しておる國家公務員法の改正は憲法で認められた全官公庁労働組合員の罷業権、團体交渉権を奪うばかりでなく團結権等をもおびやかすものである。このような政府の措置は、日本憲法違反であることは明らかであるから、日本の民主化を阻害するかかる改正には反対するとの陳情。」であります。
#128
○羽仁五郎君 この陳情の趣旨も、すでに私が先に申上げましたような意味で、重大な問題を含んでおりますので、十分御討議を願い、御採択頂きたいと思うのですが、尚一言申上げておきたいのは、先日も申上げまたが、これはアメリカのタフトハートレー法ですら官吏が事議をやつたというような場合には、官吏たるの身分にしか処分が及ばないのに、日本の場合には、公務員が公務員である前に、人間であり、國民であるその権限まで侵すというようなことをやつておることは、必ず数年後に歴史の審判を受けなければならないと思うので、どうかこの我が親愛なる人事委員会の各位が賢明なる御採択あらんことを希望する次第であります。
#129
○小林英三君 本陳情につきましては、先程の請願第二百五十六号と請願第二百六十六号等の趣旨に基きまして、不採択あらんことの動議を提出いたします。
#130
○委員長(中井光次君) やはり先程の堀議員より、この機会に、本陳情について発言をいたしたい旨重ねて申出でがありましたが、許してよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(中井光次君) それでは堀議員。
#132
○委員外議員(堀眞琴君) 大変貴重な時間を割くことに相成りまして申訳ありません。実は私前の請願の二百六十六号岩間君の代りに出て参つたのでありますが、すでに決定済と相成つておりまするので、同じ問題に関連する陳情第二十九号について、私の意見を申上げたいと思うのであります。只今羽仁委員からもお話がありましたように、世界の今日の趨勢から申しまして、政府職員は成る程一面において公務員ではある、併し勤労者であるということにおいては、一般企業におけるところの労務者と変りがないのでありましで、現にフランスにおきましては、千九百年の初めに、行政サンジカリズムの運動に関連しまして、下級官吏は一般企業における労働者と同じ身分を持つものである、從つて彼らはその身分において團結権、團体交渉権並びに争議権を持つことは正しいことである、ということを主張しまして、フランスにおいては可なり早くから一般公務員に関する團体交渉権、團結権が認められ、更に前の大戰後におきましては争議権も認められておるのでありまして、その外各國の公務員に関する法相を見ましても、團結権、團体交渉権は認められており、争議権についてはこれを認める國もあり、認めざる國もあり、とにかく團体交渉権、團結権を労働者の基本的な権利として認めておるということについては、世界各國とも共通なことになつておるのであります。アメリカにおきましては、例の一九三六年のワグナー法によりまして、團結、團体交渉権を認められたのでありますが、昨年六月のタフト・ハートレー法によりましてそれが制限を受けるということになつたのでありまするが、これに対しましてはアメリカ内ににおいても輿論の上に非常な反対な空気が強いのでありまして、最近のアメリカにおける選挙の結果は、いわばこのタフト・ハートレー法に対する勤労者側からの反対がああいうような予想外の勝利を民主党に與えたものである、こう申すことができると思うのであります。それはともかくとしまして、とにかく官公庁職員の勤労者としての立場にこれ等の人々の労働上の諸権利を尊重するということは、今日の世界法制上の一つの共通な傾向である、こう申すことができるのでありまして、この点から、若し國家公務員法が、罷業権は勿論のこと、團体交渉権についてこれを制限するということになりますと、世界法制の趨勢に反対するものになるということが言えるのであります。それから又基本的な労働権の制限ということは、憲法上から申しましても、これをとるべきではないという二合に考えるのでありまして、この陳情が皆様の愼重な御審議によりまして御採択になりますことは私希望いたしまして、ちよつと私の意見を述べさせて頂いた次第であります。
   〔「採択」と呼ぶ者あり〕
#133
○委員長(中井光次君) 大分時間も経ちましたから、もう採決させて頂きましようか。先程小林委員より不採択の動議が出ております。これを採決いたします。小林議員の動議の通り、陳情第二十九号不採択に御賛成の方の起立を願います。
   〔起立者多数〕
#134
○委員長(中井光次君) 起立者多数、不採択と決定いたしました。これで請願並びに陳情の御審議は全部終りました。ただ、甚だ御迷惑でございましようが、本日長時間に亘つて、政府委員の方が、國家公務員の厚生福利施設に関する調査並びに政府における諸事務の能率的運営に関する調査の説明のために参つておられましたのでありまするので、本件につきましての説明をちよつと聞いて頂きたいと思いまするが、現在の國家公務員の中でその厚生福利施設の点において各官庁中最も完備していると思われまする運輸省鉄道総局関係の厚生福利施設に関する現在の状況を運輸省政府委員より説明をお願いいたします。
   〔「印刷物で」と呼ぶ者あり〕
#135
○大山安君 それは後でプリントを配付して頂きたいと思いますが……。
#136
○委員長(中井光次君) それでは資料を頂くことにいたしまして、本日はこれを以て閉会といたします。
   午後三時五十三分散会
 出席者は左の通り
   委員長     中井 光次君
   理事
           小串 清一君
           宇都宮 登君
   委員
           北村 一男君
           小林 英三君
           木檜三四郎君
           佐々木鹿藏君
           大山  安君
           寺尾  博君
           東浦 庄治君
           羽仁 五郎君
           岩男 仁藏君
  委員外議員
   労働委員長   山田 節男君
           原  虎一君
           板野 勝次君
           堀  眞琴君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 泉山 三六君
  政府委員
   総理廳事務官
   (総理廳官房自
   治課長一級)  鈴木 俊一君
   総理廳事務官
   (行政官理廳次
   長)      大野木克彦君
   臨時人事委員  上野 陽一君
   総理廳事務官
   (臨時人事委員
   会事務局長)  佐藤 朝生君
   法務廳事務官
   (法制第三局長
   心得)     高辻 正已君
   大藏事務官
   (給與局長)  今井 一男君
   文部事務官
   (調査局長)  辻田  力君
   運輸事務官
   (鉄道総局職員
   局長)     牛島 達彌君
   常任委員会專門
   員       柴田 義彦君
  説明員
   総理廳事務官
   (特別調達廳事
   業局長)    根道 廣吉君
ソース: 国立国会図書館
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