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1948/11/28 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 人事委員会 第6号
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1948/11/28 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 人事委員会 第6号

#1
第003回国会 人事委員会 第6号
昭和二十三年十一月二十八日(日曜
日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○國家公務員法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午後二時四十三分開会
#2
○委員長(中井光次君) 只今より開会いたします。前日に引続きまして質疑を行います。
#3
○東浦庄治君 第九十八條の第四項の冒頭にあります警察職員、この意義、範囲について一つお伺いして置きたいと思います。これは御承知のように労働組合法の第四條におきましても問題になつておりました点でありますが、参議院規則の第二百十七條によりますと「議長は、衛視及び警察官吏を指揮して、議院内部の警察権を行う。」こういうことになつております。これによりますと、國会内のこの衛視はその関係が殆んど全部警察官と同じ形になつておりますので、これについてどういうふうに考えておられるか、当局に伺つて速記に止めて置きたいと思います。
#4
○政府委員(佐藤朝生君) 國会内の衛視につきましてこの九十八條第四項の警察職員に包含せられるや否やという御質問でございますが、我々只今まで考えておりますことは、國会内の衛視は、この警察職員の中に包含されないという解釈を持つております。
#5
○大山安君 衛視は警察職員に包含されない、その理由をお尋ねいたします
#6
○政府委員(佐藤朝生君) この警察職員と申しますものは、一般的の治安の維持に当つておる警察職員というふうに解釈しておりまして、院内だけの警察権を持つております衛視は、含まれないという理由でございます。
#7
○委員長(中井光次君) 他にありませんか。大藏大臣炉御出席になりましたので、前日の質問申込みの残りに板野議員からの御質問がございますが、許してよろしうでございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(中井光次君) 御異議ないようでありますから、さように決します。
#9
○委員外議員(板野勝次君) 大裁大臣にお尋ねしますが、昨日も給與問題について、少しも原委員の御質問に対して誠意のあるような答弁が見られなかつたので、誠に私も遺憾に思つておるのでありますが、先ず最初にこのマ書簡の中にこういうふうなことが書かれてあるのであります。それは「國家の公益を擁護するために政府職員に課せられた特別の権限があるという事実は政府に対して、常に政府職員の福祉並びに利益のために十分な保護の手段を講じなければならん義務を負わせている。この理念は、民主主義理念においては完全に理解され、案施されているのであつて、それ故にこそ公職が威厳と権威と永続性とを備えており、公職に就き得る機会が廣く一般から好ましい特権として認められ、且つ求められているのである。」こういうことがマ書簡の中に言われておりますし、又マ書簡の最初の部分におきましても「給與、健康、安全、厚生、休養並びに退職に関し科学的に管理することを定めた。」というふうな趣旨があるのでありまして、このような観点から見ますると、どうしてもこの改正の問題以前に、私はこの給與その他の待遇改善に対して、当然政府が処置されなければならないと思うのでありますが、只今指摘しましたマ書簡の二つの部分に対する先ず大藏大臣の見解を質したいと思います。
#10
○國務大臣(泉山三六君) 板野さんにお答え申上げます。見解どいうと、どういう…。先ず第一に十分な福祉……誠にその通りでございまして、政府といたしましてもその方向に向つて十分施策を展開する、かように考えておるのであります。第二点はどういう……。
#11
○委員外議員(板野勝次君) その点です。ただその十分なという具体的な内容を一つ示して貰いたい。
#12
○國務大臣(泉山三六君) それはもとより十分でございまして、こう言うよりほかないのであります。
#13
○委員外議員(板野勝次君) よく分らないのです。
#14
○國務大臣(泉山三六君) 例えばこれを申上げますと、財政の面におきましては、その財政の許す限りにおいてはこれを認める、かようなことになろうと思うのであります。
#15
○委員外議員(板野勝次君) そうしますと、結局許す範囲で、こういう一点にかかつておるようでありますが、政府が出しました第二次の経済白書で示されておる物價の指数は二百倍と示されておると思うのであります。そうしてその当時三千七百円ベースでは賃金が基準年度からの五十六倍にしかなつ百ていないと思うのです。それではもうすでにその当時においてこれだけの開きがあるわけですが、賃金と物價の関係というふうなものをどういうふうにお考えになつておるでしようか。
#16
○國務大臣(泉山三六君) お答え申上げます。賃金と物償の関係は極めて緊密なるものがあると思うのであります。而してその現実に即しまして考えまする場合には、実は今日におきましては、例えば経済指標といたしまして、生産とか或いは物價とか、通貨とか、或いは賃金、この四大支柱について最近の足取りを見まするときに、ひとり賃金の方がまあ何と申しますか、他の三要素におきましては、概ね我々安本の当局といたしまして予期している傾線を辿つておるのでございますが、ひとり賃金はその傾線よりも遥かに上の線を歩いておると、かようの現情であるのであります。
#17
○委員外議員(板野勝次君) 今の、他の三つの要素の傾線よりも上の線というのは、賃金の方が高くなつておるという意味ですか、それでは私最初尋ねましたときの三千七百円ベースのときは、基準年度の、賃金が五十六倍、それから第二次経済白書で政府が示しておる物價指数が二百倍というのは、これは大臣はお認めになるのですか。
#18
○國務大臣(泉山三六君) そのときの計算を前提にしてはその通りだろうと思います。
#19
○委員外議員(板野勝次君) それでは今のその物價指数と賃金の指数から見ると非常に開きがあるわけで、賃金の方が上に出て行つて上つておるという答えにはならないと思うのですが、どうも常識的に考えて見てその答えが出て來ないと思うのです。
#20
○國務大臣(泉山三六君) 私は先程御指摘の百十倍とか六十五倍というのは、いつのどういう数字か存じませんが、併し私の申上げましたのは最近のこと、最近の傾向について申上げたのであります。
#21
○委員外議員(板野勝次君) 最近の傾向と言いましても、まだ最近の、今この公務員関係の賃金の三千七百円べースというものはまだ変つて來ていないと思う。すでに物價は改訂されておつて、まだ給與ベースというものが変つて來ないのに上つておるという結論はどうしても出て來ないと思います。それから他の方面におきましても、前の物價改訂以後、賃金の指数が上らないために電離でも、鉱山でも、その他のところでもいろいろ闘争が起きておると思うのでありますが、どうもただ大臣の頭だけでそう思われるのでなくて、事実上つて來ておるのなら、どのように上つて来ておるかということを具体的な指数若くは数字で示して貰えば納得が行くんですが、そうでない限りには、ただ上つて來ておるというだけで、事実の上では少しも物價改訂後、賃金がそれを追い越すような、引上げられておる事実がないように思うのですが、その事実を一つ証明して貰いたいのであります。
#22
○國務大臣(泉山三六君) 板野さんにお答え申上げます。私は先程のあなたのお尋ねは物價と賃金との関係についてのお尋ねかと、かように拝聴いたしたのであります。それから私は先程の御答弁を申上げたのであります。只今伺えば物價と三千七百円ベースとの関係如何、こういうような御質問なれば、私はそのお尋ねにはお答え申しておらないのであります。
 次に先程申上げました経済指標の四大支柱と申しますかその四つの中で賃金が最近におきまして、外の傾線の上り工合より非常に高い線を通つておる、かようなことを御参考に申上げたのでございまして、もとより実数に基いて申上げておるのであります。
#23
○委員外議員(板野勝次君) それではその実数を一つ先ず第一に示して貰いたいということです。それからその傾線が上つて來ておるというのは、前の賃金と物價の状態は、物價の方が高いということはもう客観的にも承認されておつた事実であるかと思います。それよりも今度は賃金が上つて來た、こういうふうに理解されるのであります。昨日の原委員の疑質應答を聞いておりますと、やはり依然として物價が高く賃金が後から行つておるので、現状としては賃金は上げなければならないような状態にあるというふうな意味のことを答弁されたように記憶しておるのですが、その事実と今の御答弁とは喰い違いができて来るように思うのですが、その点はどうなんですか。
#24
○國務大臣(泉山三六君) 私は、昨日原さんにさようなお答えを申上げた覚えはないのであります。
#25
○委員外議員(板野勝次君) 昨日賃金と物價との悪循環が出て來るということは確かに言われたと思います。物價より賃金が安いから、その状態は改善されなければならないということは、昨日の速記録を見れば明らかな事実だろうと思います。それから又全体としての賃金指数とそれでは現在の全官公関係の、つまり公務員関係の給與ベースとの開きは、片方では一般的な賃金が大臣としては他の要素より上つて来ておる、つまり傾線が上に出て来ておる、三千七百円ベースの問題とは別だというお話であります。それからその一般的な賃金と、現在給與されておる三千七百円べースとはどの程度の開きが重きておるか、それでは現在の三千七百円ベースを他の賃金指数と同じ水準までに上げればどの程度になるのか、こういうことを一つはつきりさして頂きたいと思います。
#26
○國務大臣(泉山三六君) お答えいたします。いずれ研究の上にお答え申上けます。
#27
○委員外議員(板野勝次君) 今併し大臣は他の三要素よりも賃金の方が指数が出て來ておるので、それははつきりした根拠の上に立つておるのだ、こういうお話でしたが、はつきりした根拠の上に立つておるならば、この三千七百円ベースというものも私は賃金の範疇から出るものでないと思います。賃金の範疇外にあるものでないとするならば、それから直ちに回答が出て來ると思います。それでは先程言われた賃金が物價よりも上の線に出ておるのは、何らかの根拠に基いておるのは嘘だつたということになるのですか。線が上に出て来ておるということが事実で、根拠の上に基いておるならば、今の全官公の給與が下にあるということは、大臣もお認めの筈だからその開きがどの程度まであるかということはもうすでに分つている筈だと思うのであります。その点がどうもはつきりしないのですが、その点を一つ。一体前に言われた指数というものはただ抽象的なんですか。具体的なものを持つているように言われておつたのですが、その点を明らかにして頂きたい。
#28
○國務大臣(泉山三六君) 板野さんにお答え申上げます。先程申上げました四大、何と申しますか、重点につきましては、数字を持つておりましてのお答でありまするが、只今忘却いたしただけであります。
#29
○委員外議員(板野勝次君) それではどうも大藏大臣の答弁とも思われんので、誠に誠意のない回答のように思いますが、併しこれは止むを得ませんが、昨日私は、確かに賃金と物價の悪循環というものが出て來るというふうに聞きましたのですが、つまり賃金が上つて來れば物價をどうしても上げなければならないものかどうかという点を一つ。賃金が上ればつまり物價が上るという……。
#30
○國務大臣(泉山三六君) 賃金は物價を形成するその要素にございまするので、その物價との間に密接不可分の関係あることは今更申上げるまでもないのであります。併しながら賃金が上りましたとて物價を上げなければならない、かようの結論には到達しないものと考えます。
#31
○委員外議員(板野勝次君) それではその点は必ずしも賃金が上れば物價は上るとばかりは言えないという点から見ると、昨日の原委員の質問に対する答弁とは非常に違つて來たと思うんですが、もう一つその四つの要素について重ねて質問したいわけですが、現在の賃金指数が一般的に上つて來ているというのならばつまり一般物價よりも賃金指数が高くなつて来ているというのならば、今少し購買力というものが高くなつて来なければならないのですが、大体今我々の知つているところでは、昨年の購買力の約六割に低下して來ている。こういうふうな状態は何に原因しているとお思いになるでしよう。つまり指数が上つて来て購買力ができている筈なんです、大藏大臣の賃金指数の説明から言えば……。そうするならば昨日よりも今日購買力が六割ぐらいになつている、四割ぐらい低下とて来ているということと、非常に矛盾して來ているように思うのですが、それは何に原因するでしよう。
#32
○國務大臣(泉山三六君) 只今のお尋ねは、ただそのままでは只今お示しの結果に直ちになると、かようなことは言いにくいかと思うのであります。併しながら最近におきましての賃金の趨勢からこれを見まする場合に、その間相当程度と申しましようか、或る程度の生活の向上、かような要素が含まれておると、かように認識いたされまするので、その前提におきましては、何程かの購買力はその点からだけでは出て來る筈と、かように思うのでございまするが、併しながら経済の現実の面に即しましては、板野さんも先般御承知の通り、金融上並びに経済上のいろいろの原因がございますでしよう。或いは又ひとり勤労者諸君の賃金だけが購買力を形成すると、かようなものでもないかと思うのでございまして、これらの点はよく実際に即しこれを判断しなければ、何ともお答えしかねる次第であります。
#33
○委員外議員(板野勝次君) もうどうも幾らその問題についてお伺いいたしましても、誠意のある答弁が得られんようでありますが、この際希望したいことは、一國の大藏大臣でありまするから、今少しく、我々は何も政略的に質問を重ねておるのではないのでありまして、本当にこの公務員の生活が低下してしまつて、そうしてマ書簡の中の精神さえも政府によつて実現のできないような事態にあるので、そうしてこの事態を打開するために現状、実態を、つまり大藏大臣に把握して貰つて、そうして待遇の状態を改善して貰いたい。こういう一点にあればこそ、私たちは辛抱強く大藏大臣の誠意のない答弁にも拘らず、質問を重ねておるわけです。礎つて昨日の六百二十五億の予算の問題をめぐりまして、同じく原委員が新聞紙を問題に出されて、そうして大藏大臣の見解を質されたけれども、これに対しても何か責任が持てないというふうなことであるならば、今の泉山大藏大臣に一体財政の施策というものが、政策というものが一体あるのか、ないのか、あるのならば、私は今の現状の下において努力するとか、いや極力努めておるというのじやなくして、これまでの数字の具体的の内容について、今の段階でこのような具体的な考えを持つておるのだということを、私は明らかにして欲しいと思う。それが私は大藏大臣として國民の前に明らかにできない筈はないのであつて、新聞紙に出ておることは責任が持てない、いわゆる大藏大臣の名においてあれが出ておるかどうかということに対しての責任は別問題としても、併しあのような六百二十五億の予算をめぐつて、何らか大藏大臣が計画を持たない筈はないので、若しも持たないのならば、私は先般來の衆参両院の大臣の答弁を聴いておつても、何となしに常識を欠いておると我々こういうふうに思えるので、そういう能力を全くお持ちにならないのかというふうに断定せざるを得ないことになると思う。併し少くとも一國の國家財政を背負つて立たれる大藏大臣であるのならば、一應の今の予算に対する見解、これが大藏大臣個人としてでも明らかにされない筈はないと思うのです。從つてその腹案をお持ちならば、先程の三千七百円ベースをどの程度の水準にして行く。これが物價と睨み会せてこの程度の水準になるだろうという凡その見解は明らかになし得る筈だと思う。従つて今持つておられる大藏大臣の本國会に提出しようと努力せられておる予算の概略でも示して頂きたい。そうしてその概略の中には、公務員の給與べースというものの腹案があると思うのです。それが一つ細かく指摘されないでも、概略でよいから私は承りたい。そうしないと公務員の給與というものに対して、どの程度まで改正される意圖を持つておられるかどうかということもはつきりしないし、この審議に我々が反対、賛成を決する上にも、常に大きな基点になると思う。その点に対する藏相の一つ率直な見解を披瀝して頂きたいと思います。
#34
○國務大臣(泉山三六君) 板野さんにお答え申上げます。私の財政につきましての、否、予算編成につきましての財政上の方針、並びに見解につきまして申述ぺろと、さようの御言葉でございましたが、私はその適切なる時期にはこれを表明いたしたい、かように存ずるのであります。併しながらただここに板野さんに一言申添えたいと思いまするのは、今日只今構想の中に置いてございまするものは、ひとしく予算と申しましても、追加予算であることをお認め願いたいのでございまして、その財政上の方針、延いては只今御指摘の新バースを如何に持つて行くか、かようなことは何と申しますか。問題は二つあるやに私は考えるのであります。而してこの新ベースに関連いたしましては、先程板野さんも御指摘の通り、私といたしましても、マ元帥の書簡を熟読いたしまして、その勧告に盛られました十分の趣旨を体得いたしまして、のみならず公務員法によつて受くる公務員諸君の地位、かようなものにつきましての十分なる認識の上に立つて、新給與ベースの点に当りたい、かようの熱願を持つておる次第であります。
#35
○委員外議員(板野勝次君) どうも大臣のは要領を得なくて分らないのですが、この意味は、適切なる機会ではないと言われるのですが、その適切なる機会というのは、例えば本会議等でなければいけない、人事委員会のような場所ではそういうふうなものは話ができないという意味かどうかという点であります。この点を伺いたい。それから、勿論私は追加予算というものの上に立つて、追加予算の編成の方針を大藏大臣に尋ねておるわけなのでして、従つて適切なる機会さえ得れば明かにできるが、今参議院の人事委員会なんどいうものは適切なる機会ではない、こういうふうにお考えになつてのお答弁でしようか、その点をお尋ねしたいと思います。
#36
○國務大臣(泉山三六君) 私の申上げましたのは、只今御指摘のような点ではないのであります。
#37
○委員外議員(板野勝次君) 他の委員に、非常に時間を取りまして御迷惑なんでありますが、これ以上この問題に対して質問を重ねましても意味がないし、大藏大臣の心の中から誠意の一片も認めることができないように思うのでありますが、ただもう一点給與問題についてお尋ねしたい点は、先程物債よりも賃金の指数が上つて來ておるというお話でありますが、今全官公の諸君が、手取り七千三百円その他の諸要求を提出して、その要求の実現のためにあらゆる努力をしておるようでありますが、大藏大臣はあの全官公の要求しております手取り七千三百円、この要求に対してあれを不当とお思いになつておられるのか、或いは正当とお思いにおなつておられるのか、この点をお尋ねしたい。
#38
○國務大臣(泉山三六君) お答え申上げます。全官公労諸君の御要求にかかわる七千三百円につきまして、これを不当と思うものではございません。併しながらその高きや低きや、かようの判断になりまするときには、これは高過ぎるものと、かように考えております。
#39
○委員外議員(板野勝次君) 政府はこの給與の問題について、先程も財源その他で非常に苦慮しておられるということでありましたが、今の大藏大臣の答弁では七千三百円というのは高過ぎる。こういう御答弁でしたが、その手取り七千三百円ベースが高過ぎるという意味は、他の賃金水準に比較して高くなるという意味なんですか。そういうふうに理解したらいいわけなんですか。
#40
○國務大臣(泉山三六君) それは一つには財政上の見地から、二つには物價との関連において私はさように申上げたのであります。
#41
○委員外議員(板野勝次君) 財政上の問題から言うならば、本年度の予算におきましても、價格調整費始めいろいろの補助金が大資本に出されておると思うのであります。そういうふうな予算や、或いは國家予算の中でも相当に節減し得る面に眼を向けて貰う、つまり節減し得る、節約し得る部分が多々あると思うのであります。その價格調整費等を出さないようにする。或いはいろいろな補助金を打ち切るとか、そういうふうな方法によつて、予算の節減もできるでありましようし、それから前年度においても、本年度においても、相当な脱税があるのでありまして、我々が知り得た範囲におきましては、昨年度と本年度で九千億円近くもあると思うのであります。この大口の大脱税を徴収して参りますならば、官公労の諸君の給與改善には、当てて余りある程あると思うのでありますが、そういう方面に対する大脱税に対して適切なる措置を講じ、若しくはこういう大資本家に與えでいる調整費、その他の補助金等を節約するという意思をお持ちになつておられるのでしようか、どうでしようか。その点をお伺いします。
#42
○國務大臣(泉山三六君) お答え申上げます。官公労の諸君に対する賃金を引上げんがため、その財源調達上價格調整費を切下げては如何か、かようなお尋ねであつたように思うのでありますが、これは板野さん御承知の通り、公定價格の引上げによりまして、その原價の上に占めます赤字、かようなものを國家補給金によつてこれを支弁するのが本價格調整費でありまして、むしろその價格の構成には資金が大きい要素をなしていることは、これ又板野さん御承知の通りでございます。従いまして、さような面からこれを切下げまして、官公の諸君に與える。かようなことは、一般労働者の一應左手から右手に渡す。かようなことになりはしないかと私は考える次第であります。
 次に財源調達上大口の闇所得と申しますか、脱税者を捕捉してはどうか、こういうことでございました。誠に御尤もの御指摘でございまして、政府は極力その方向に努力いたしたいと思うのであります。
#43
○委員外議員(板野勝次君) この大脱税の徴収については、一つ大いに大藏大臣も褌を締めてやつて頂きたいと思うのでありますが、この價格の面の中に賃金が大きな部分をなしておるというのでありますが、これは非常に私は大藏大臣と見解を異にいたしますし、物價廳におきましても、この物價を決める場合におきましては、賃金の算定よりもむしろ他のいろいろな恣意的な要素が入つて来るから、物價が高くなつて来ておるのだ、内容については相当に懇意的な要素が入つて非常に高くなつておる。こういう点で、非常に大藏大臣の言つておることとは違うのでありますけれども、併しこの問題は、当面する公務員法の問題と関連しない問題でありますから、別の機会に大臣の見解を質したいと思うのであります。そこで私は、先程來大藏大臣が表明しております行政整理の問題についてお尋ねしたいのでありますが……、
#44
○小串清一君 議事進行について一言発言を求めます。板野さんの御質問はまだ相当お続きになるでしようが、もう一点でやめるというお言葉がありましたので、原君がお待ちになつておるのです。又大藏大臣も帰られるだろうし、原君も迷惑するだろうと思いますから、一人で占領しないで、原君の質問をやつて頂くように、大臣の方もお忙がしいよあですから、そういうふうに議事を進行して頂きます。
#45
○委員外議員(板野勝次君) 私は簡単な問題なので、最初から大藏大臣の方から率直に話して貰えば、少しも長くなる問題でも何でもないのですが、少しも核心に触れないものだから、あらゆる角度から質問して行くので、勢い長くなるので、こういう点、むしろ大臣の方の責任じやないかと思います。私のもう一点は、やはり行政整理の問題と公務員法の問題が関連して來るので、私の質問の内容は簡単なわけですから、他の委員の方も御了承下さつて、今少し時間を貸して頂きたいと思います。
 行政整理の問題でありますが……、
#46
○委員長(中井光次君) 発言中ですが、ちよつとお待ち下さい。実は私の方も今日は議事があるのでございますから、簡単に一つお願いいたしたいと思います。両原君も先程からお待ちになつておりますから……。
 それでは二分間だけ休憩いたします。
   午後三時二十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時二十七分開会
#47
○委員長(中井光次君) それでは御着席を願います。開会いたします。どうぞ御続行願います。
#48
○委員外議員(板野勝次君) それでは行政整理の問題だけで私質問を終らして頂きます。委員会に出て参りまして、大変長時間頂きまして、相済みませんでした。
 國家の全給與予算のうちで、大体人件費は八%程度のように思うわけなんでありますが、行政整理については、國家の経費を非常に節減するという面から、行政整理を大藏大臣は主張されておると思うのでありますが、この行政整理の面から申しますると、人事委員会が我々に配付しておる昭和七年以降の官吏予算定員調べを見ますると、一級、二級、級では、非常な数字の殖え方に差があるわけなんです。昭和七年を一〇〇といたしますると、二十三年度の指数は、一級官におきましては六五四、二級官においては六一七、級官は僅かに二八九というふうな指数が出て来る。これは政府提出のものでそのような指数が出て來るわけであります。これは勿論戰時中の統制、戦後における統制というものから殖えて來たと思うのでありますが、その殖え方が、指数において六五四も一級官は殖えて來ておる。こういうふうな方面に対して厖大な殖え方をして來ておる。これが大藏大臣は、何に原因し、若しくはそういうむしろ官僚制度が温存され、悪い面、いろいろな腐敗しておる方面はこういう一級官の中に極めて多いわけでありまして、こういう方面に対して、むしろ現状の下におきましては、整理する必要があると思うのでありますけれども、これに対する見解と、一方におきましては、三級官は昭和七年を一〇〇といたしまして、僅かに二八九しか殖えていない。これは勿論一般会計についてでありますが、先程大藏省の脱税徴収の問題に対して、大藏大臣は、努力されるように答弁されたのでありますが、現在の税務官吏等は現状の下におきましては、非常に労働が強化されて、そのために結核、過労等が続出して来ておるということを聞いておるのでありまして、むしろ第一線に出て行つておる税務官吏のごときは、現状の倍くらいは必要としておると言われておるのであります。更に國鉄等におきましても、現状よりも更に三万人くらいは増員しなければならないというふうな状態にあるということを聞いておるのでありますが、大藏大臣の考えておる行政整理は、そのような実情に対して逆行するものだと思うのでありますが、その点に対する大藏大臣の見解を質しておきたいのであります。問題は二つであります。一級官の整理がむしろ必要なのじやないかということと、逆に下級官吏は増員の要があるのではないか、この二点であります。
#49
○國務大臣(泉山三六君) お答え申上げます。行政整理の必要は、在野時代かち痛感いたておるのでございまするが、只今その具体案につきまして、鋭意研究を続けておると、かようの実情でございまして、只今お示しのように、一級官、或いは下級官吏と、かようの点につきましては、未だその方針を明らかにすべき段階ではないのでございます。
#50
○委員外議員(板野勝次君) 行政整理を三割やるというのは、大藏大臣の方針ではなかつたのですか。
#51
○國務大臣(泉山三六君) 私はさようなことを言明いたした覚えはないのであります。
#52
○委員外議員(板野勝次君) それじやもう私はこれ以上……。
#53
○國務大臣(泉山三六君) 増田君じやないのですか。
#54
○委員外議員(板野勝次君) それはどうも失礼しました。
#55
○委員外議員(原虎一君) 私は極く簡単にお聞きしますから、簡単にお答え願えばよいのでありますが、要点は、新船與という予算と公務員法との関係において、法的は別にいたしまして、不可分にこれを扱わなければならんという段階であるということについての大藏大臣のお答えを伺いたいと思います。
 それから第二に、この会期中に予算を出されるということになれば、いわゆる昨日お伺いしました六百二十五億円、総括的な追加予算を出されるのであるか、或いは新給與だけの予算を出されるか、この点を明らかに願いたい。この二点であります。
#56
○國務大臣(泉山三六君) 原さんにお答え申上げます。質問の第一点は、相変らず官公吏の新船與ベースと予算と、この可分、不可分の関係につきましてのお話でございますが、今日只今の政治情勢におきましてもその間には可分、不可分の問題とは全然別個にこれが動いているものと私はさように理解をいたしておるのであります。御質問の第二点、追加予算を國会に提出いたします。場合に、これを何と申しますか、一本予算と申しますか、いわゆるホール・ピクチヤー式に出すのか、或いは又特殊の特定の費目を取上げてこれを予算化するのか、かようなお尋ねでございましたが、でぎるだけ前者の方式によりたいと思つておるのでございます。
#57
○委員外議員(原虎一君) 前者の方式と言いますと、総括的な追加予算、即ち去る二十日発表になりました六百二十五億円を基本とする予算と解釈いたしまするが、そういたしますと、昨日お伺いいたしました配給煙草の値上による四十億という増收を見込まれたことに対しては、値上はしないという言明でありましたが、四十億はどういう方面に財源を求められるのであるか、これをお伺いいたしたいと思います。
#58
○國務大臣(泉山三六君) まださようのことを申上ぐべき段階には立ち至つておらないのであります。
#59
○委員外議員(原虎一君) 配給煙草の値上をしない、そのためから來るところの予定の四十億の收入減、これの代り財源を求めなきやならんということは事実だと思います。どこから求めるかということは言えないといたしましても、四十億を他に求めなきやならんということは事実と思うのですが、この点はどうですか。
#60
○國務大臣(泉山三六君) 別に事実とは考えておらないのであります。
#61
○委員外議員(原虎一君) それでは配給煙草の値上は初めから考えていなかつた、新聞に発表になつておるのは新聞の間違いだ、こういう結論になりますが、よろしうございますか。
#62
○國務大臣(泉山三六君) 先刻來予算の編成につきましての私の構想を申上げたのでございまして、その内容的の面につきましては、いずれ予算委員会におきまして、これを明らかにしたいと、かように存ずるのでございます。以上御了承願います。
#63
○委員外議員(原虎一君) 昨日お伺いしましたのと、今日少し怪しくなつておりますので、もう一点念を押してお聞きしたいと思いますが、配給煙草の値上げということは、今度の予算の中にはしないということは、昨日言明されたが、その点は間違いございませんですな。
#64
○國務大臣(泉山三六君) お答えいたします。昨日の言明には間違いございません。
#65
○委員長(中井光次君) それでは本日の会議はこれで散会いたします。
   午後三時三十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     中井 光次君
   理事
           木下 源吾君
           小串 清一君
           宇都宮 登君
   委員
           佐々木鹿藏君
           大山  安君
           東浦 庄治君
           岩男 仁藏君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 泉山 三六君
  政府委員
   臨時人事委員  上野 陽一君
   総理廳事務官
   (臨時人事委員
   会事務局長)  佐藤 朝生君
   大 藏 次 官 野田 卯一君
ソース: 国立国会図書館
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