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1947/08/01 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第3号
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1947/08/01 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第3号

#1
第001回国会 通信委員会 第3号
昭和二十二年八月一日(金曜日)
    午前十時五十分開議
 出席委員
   委員長 岡田 勢一君
   理事 白井 佐吉君
      梶川 靜雄君    片島  港君
      成田 知巳君    野上 健次君
      小島 徹三君    千賀 康治君
      田島 房邦君    長谷川政友君
      村上  勇君    森  直次君
      河口 陽一君    林  百郎君
 出席政府委員
        遞信政務次官  椎熊 三郎君
        遞信事務官   大野 勝三君
        遞信事務官   小笠原光壽君
        遞信事務官   中山 次郎君
 委員外の出席者
        遞 信 次 官 鈴木 恭一君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 郵便に關する事項につき當局の説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○岡田委員長 ではこれより會議を開きます。
 まず郵便法に關する事項について當局より説明を聽取いたします。質疑をなさる方はあらかじめ事務局の方に御申出おきを願います。
#3
○小笠原政府委員 それでは簡單に郵便事業のサービス概況を申し上げまして、なお近く今期國會に提出いたします豫定でございますところの郵便法の全文改正の大體の方向につきまして、遞信省として考えておりますところをお話申し上げたいと存じます。
 郵便事業は終戰前後―これはもちろん郵便事業だけの状況ではございませんけれども、郵便事業を執行しておりますところの最も重要なる條件である郵便局舎でありますとか、あるいは郵便を輸送しております鐵道郵便車でありますとか、あるいは自動車でありますとか、あるいは自動車でありますとか、また郵便物を輸送しますために絶對必要な郵便物を入れますところの郵便行嚢といつたような物的施設が、御同様相當重大な戰災の被害を受けまして、物的施設が非常に低下いたしたのでございますが、これと同時に從事員の點におきましても、他事情同様、終戰直後におけるところの精神的な影響竝びに生活不安というような各種の條件から、一般に勤勞意欲が低下いたしました。また戰爭中からこの郵便の從事員が不足いたしておりまして、あるいは經驗者が多數應召いたしましたし、また一般的な行政簡素化というような各種の原因から、郵便事業の施設が低下いたし、また郵便事業の制度あるいは取扱いの方法を簡單にしましたような各種の原因が競合いたしまして、終戰直後以來、郵便事業のサービスが非常に目立つて低下いたしまして、その結果國民の皆様方から、郵便事業のサービスにつきましていろいろと御批判をいただくに至りましたことは、まことに遺憾に存じておるのでございます。これらの事態に對處いたしまして、遞信省といたしましては、何とかして郵便事業の業務を正常な状態にできるだけ速やかに取戻すということにつきまして、鋭意努力してまいつた次第でございます。すなわち從事員の待遇の問題につきましては、私がここで申し上げませんでも、すでに皆様方がよく御承知のことと存じます。また戰災施設の復舊すなわち先ほど申し上げました郵便局舎でありますとか、あるいは郵便車でありますとかあるいは自動車その他の物的設備の戰災施設の復舊、それから戰爭中低下しておりました施設を復元し、またいろいろの取扱いの制度中におきましても、戰爭中はやめておりましたような仕事をその後大部分復舊いたしまして、また取扱いの方法もさらにもとに戻すという努力をいたしてまいつたのであります。かような經過をたどりまして、それがどういうふうに郵便事業のサービスに具體的に現われているかという點を取上げてみますと、郵便事業のサービスについて一般の皆様方が最も關心をもたれることは、申すまでもなく郵便物でありまして、差出した物の安全を確保すること、スピードの問題にあろうと思います。安全の問題について、これを阻害するものは、申すまでもなく事業關係の犯罪問題になつてまいります。この犯罪の最も典型的なものは、小包郵便物の中にはいつている有價證券類の抜きとりであります。これら犯罪の數字的傾向は、前々囘の會の際に資料を一應カードにしてお手もとに差上げましたので、あるいはごらかくださつたのではないかと思いますが、二十一年度においては、二十年度に較して遺憾ながら相當の犯罪件數の増加を見ております。簡單に具體的な數字を申し上げますと二十一年度の犯罪人員は部内者約六百名、部外者約四十名、その他犯人不明のもの約八十件、合計七百二十件程度の犯罪がありました。この部内者約六百名は二十年度に比較して約三割の増加を示しております。こういう郵便關係の犯罪は多くは年少の從事員、まだ思想も定まらず、十分の常識も具えていないような年少の從事員によつて多くは行はれているのでありまして、年齢別にみましても、二十五歳以下の者が七割以上を占めている状況であります。從いましてその犯罪をやるのも大多數はそのときの一時のでき心でやるのであります。その他一般の生活難を反映いたしまして、生計上の困難からかような不祥事件を釀しておるということもあるのであります。しかも二十一年度には、北海道におきまして大規模な集團的な郵便犯罪がありました結果、數字として先ほど申し上げましたように、二十年度に比較しまして部内者が三割も増加しておるというまことに遺憾な状態にあるのでございます。しかしながら二十一年度のこの犯罪の状況を月別に調べてみますと、その集團的な多數の犯罪は、大體二十一年度初頭において犯されておるのでございまして、大體におきましてカーヴの上から見まして昨年の七、八月以降は犯罪の件數は著しく減少してまいつておるのでございます。これらの不祥事故に對しましては、私どもといたしましては申すまでもなく事故を未然に防止する措置を講ずると同時に、萬一遺憾ながらさような事故が發生した場合には、急速にこれを調査いたしまして、徹底的に掘り下げて、その原因を除去するということに努めております。これがために犯罪を未然に防止するための制度、あるいは取扱い方法の點におきましても、各種の改善を行いまして、同時に物的設備におきましても犯罪の發生を未然に防止するように努力いたしますると同時に、監督者の指導に遺憾なきを期しておる次第でございます。
 次に郵便のスピードの問題について申し上げますが、郵便の速度の向上に對しましては、第一にもちろん物的施設を改善することに努力いたしております。すなわち戰災によりますところの鐵道郵便車の復舊、竝びに戰爭中ほとんど修理を加えられなかつたところの郵便車内部の整備をいたしますると同時に、國鐵その他一般鐵道のサービスの復舊に伴いまして、可能な限度におきましてこれを郵便物の輸送に利用するように努力いたしております。また鐵道以外の輸送施設、すなわちもつぱら郵便物の遞送に使用しておりますところの自動車、また集配用に使つております自轉車というようなものの整備を行いますと同時に、大都市における郵便物の集中いたします局の局内の物的設備を復舊整備いたしております。かような物的施設の改善を行つておりますと同時に、一定の取集め、あるいは配達をいたしますところの度數の勵行、竝びに速達郵便物につきましては特に速度を確保いたしますために、一般の郵便物とは切り離して、これを配達いたしますることを嚴重に勵行するようにいたしております。同時に郵便の速度の問題につきましては、ただいま申し上げましたような物的施設の整備のほかに、郵便物の區分ということ、これは技術的な問題でございますけれども、郵便物の速度の上にきわめて重要な役割を占めておるのでございまするが、この郵便物の區分の方法を戰爭中はなるべく簡單にいたしまして、年少な從業員あるいは女子でも簡單にやれるように作業を簡易化いたしました結果、郵便の速度が下つてまいつたわけであります。これを終戰後は逐次復元いたしまして、この面からの郵便の速度を引上げることに努力いたしております。さらに近く、今秋にはまつたく戰前の状態に復舊するように、ただいま物的設備その他を整備いたしております。
 かような状況でございまして、この郵便物の速度の點につきましても、前前囘の委員會の際にお手もとに資料を差上げましたので、これまたその資料をごらん願つたことと存じまするが、私どもといたしましては、一、二箇月おき程度に東京を中心にいたしまして全國四十五の主要都市相互間に、相互の關係におきまして郵便物の速度を試驗をいたしております。その結果の表をお手もとに差上げた次第でございます。最近の試驗通信の結果を見ますると、東京から地方へ、また地方から東京へこの四十五主要都市相互間の通信は最近の資料によりますると、一應私どもが標準の日數として考えておるものの範圍内にはいつております。もちろんこのお手もとに差上げました表に載つておりますものは、檢閲にかかつておるものは除外されておるのでございまして、檢閲にかからないで郵便が發受せられる場合においては、大體現在は一應基準の時間内に送達されておるという數字を示しております。もちろんそれは代表的な都市を選びましたことと、それからもちろん數字といたしましてはそう多數の試驗通信をやつたわけではございませんから、これは大體の傾向としてごらん願うようにお願いいたしたいと思います。要するにごく最近の七月の試驗通信の結果から見ますると、まず一應は私どもの考えておる基準内にはいつてきておるという結果を示しておる次第でございますが、なお今後ともできるだけ郵便物の速度を許される範圍において引上げるように努力いたしたいと考えておる次第でございます。大體サービスの問題は以上申し上げましたような状況でございます。
 それから先ほど申し上げましたように郵便法の改正をただいま計畫いたしておりまして、近くこの委員會の御審議を煩わすことになるものと想像いたしまするが、もともと明治三十三年に制定されました現行郵便法によりまして郵便事業を運營いたしておる次第でございまするけれども、新しい憲法が施行せられました今日一般の情勢から見ましても、法律的に見て、あるいは形式的に見まして必ずしも適當でない點もございまするので、この郵便法の全文改正を計畫いたした次第でございます。
 その大體の考え方といたしましては、もちろん新しい憲法の各條項竝びにその精神に即せしめることをもつて改正の基本的方針としておるのでございまするが、法案の内容を立案するにあたりましては、もとより郵便事業が國民の事業であり、國民によつてその基本的方向が定められ、かつ國民のために運營されるものであることを思想的に明らかにすることに努めて立案をいたしております。同時に郵便法の條文をできるだけ平易化いたします見地から、もちろん用語は平易な字句竝びに口語體で立案をいたしておりまして、どなたにでも容易に内容を理解し得るようにいたしたいと考えております。
 その内容の若干を申し上げますると、第一に郵便が國の事業であるということを明らかにいたしたいと考えております。同時に郵便事業の管理に關するところの行政機關の權限を、具體的に記載することにいたしたいと考えておるのでございます。すなわち遞信大臣が郵便の管理をいたす職責にあり、そうしてその職責の内容がいかなるものであるかということを郵便法の法案の中に規定いたしたいと考えておる次第でございます。次には國民の個人の基本的權利の法律により制限は、郵便事業の運營のために絶對必要な場合だけに限定することにいたしたいと考えております。すなはち現在の郵便法におきましては、いろいろの、俗に郵便特權と稱しておる規定が郵便法の中に若干ありまするが、これらのものにつきましては、原則としてこれを削除することにいたしたいと考えております。ただ郵便物を運送いたしまする義務を現行郵便法で運送營業者に對して、課しておるのでございますが、これはもちろん新しい郵便法におきましても、郵便事業の運營を確保いたしまするためにはどうしても必要であろうと存じまするので、この規定は存置いたしたいと考えておりまするけれども、かような一種の公用負擔を課する場合につきましては、その條件等につきましてさらに具體的に法律的な規定を設けまして、その義務を課せられる人の利益を保護する上において遺憾のないようにいたしたいと考えておる次第でございます。それから郵便法におきましても、檢閲はこれをしてはならないという新憲法の規定を受けまして、郵便法の中に設けることも考えております。國民の權利義務に關しまする事項は、すべてこれを法律に規定いたしまして、命令の規定に讓る場合をできるだけ範圍を狹めまして、かりに命令に讓る場合におきましても、その根據を法律に必ず明かにするということにいたしたいと考えております。この意味におきまして、郵便に關する料金につきましては、たとえ例外的な場合において適用されるような料金でありましても、一切これを新しい郵便法の中に包含されるように、具體的に數字を上げて法律に明記することにいたしたいという考えで取運んでおります。
 それからいろいろの郵便に關する制度の内容につきましても、現在の郵便法ではほとんど全部遞信省令に委任されているのでございますけれども、新しい郵便法におきましては、各種の制度内容につきましても、できるだけこれが大綱だけは法律の中に盛りこまれるようにいたしたい。かように考えております。
 それから、この郵便法の改正にあたりまして、一部郵便の取扱いにつきまして改正を行いたいと考えて計畫いたしているのでございますが、その一つは小包郵便の制度でございます。現在は御承知のように普通の小包郵便の利用の仕方と、小包郵便物を書留にいたしまして出す方法と二通りあります。しかしながら實際の利用の状況は、約七割程度のものが書留で出ております。私ども郵便事業を擔當いたしております者から見ますと、もちろん小包に限りませんけれども、特に小包の場合におきましては、現在の一般の情勢に鑑みましてその取扱いを特に愼重にいたす必要があると考えますので、すべて小包郵便物は、引受けましてから各宛人に配達いたしまするまで、一貫いたしまして、その受渡しを記録するという現在の書留の取扱い方によりまして小包は處理していくことにいたしたい。かように考えている次第でございます。今日は書留にいたしません小包がかりになくなりましても、どこでなくなつたのか、どういう經路をたどつて行つたのか、現在の制度ではわからないのでございます。そのために非常に利用者の方に御迷惑をかけ、御不便をかけているのでございまして、私どもとしましては、利用者の方々にできるだけのサービスを提供したく、また小包がなくなるというようなことをなくします上におきましても、小包はすベて書留に準じまして、書留扱いにして、引受けてから配達するまで、その授受責任者において記録していくという方法をとることにいたしたいと考えているのが一點であります。
 それから二番目には、今日はそれは實行しておりませんけれども、現在の郵便事業の財政状況も考えまして、一面において公衆に對するサービスにもなるであらうと存じます。一面増收策の一つとも考えますので、新しく同じ市内の相互間に發受されますところの小包に對しましては、特に料金を安くしましてサービスを提供したい、かようなことを考えております。たとえば東京市内相互間、あるいは大阪市内相互間のように同一市内相互間の小包につきましては、これらのものは鐵道でもつて運送することはないわけでありますから、普通の小包の料金より安くしてサービスを提供するようにしたい、かように計畫いたしております。
 それから第三點といたしましては、通貨を輸送いたしますのに從來は價格表記という制度がございましたが、戰爭中以來停止いたしております。これを今度、從來價格表記と言われておりましたものを保險扱いという名稱に改めまして、言いかえれば一般の方々に名前を聞いただけでその制度の内容がはつきりわかるような保險扱いというような名稱に改めまして、通貨竝びに物品の輸送を取扱うことのできるような規定を設けることにいたしたいと考えております。保險扱いの場合には、最高およそ五千圓程度、その範圍内の要償金額をあらかじめその郵便物を差出される人が郵便關係に申出になりまして、萬一郵便物が不幸なくなつた場合に、初めに申し出られたところの要償額をお支拂するということを新たに考えております。現在の書留賠償額というのは、わずかに百圓、全部なくなりましてもわずかに百圓であります。小包その他重要なものがなくなりました場合におきましても、百圓の賠償ではまことに不十分でございますので、この法案が成立いたします曉は、まだ金額ははつきりきまつておりませんが、およそ五千圓程度までのものは要償額として決定されますならば、その金額までは賠償されることになるわけでございます。それから無料郵物の制度につきましては現在は遞信官署から出します郵物ばかりでなしに、一般公衆の方からお出しになるものも、特別な場合に限りまして無料扱いをいたしておりますが、これはいろいろの事情から、郵便官署の依頼によつてお出し下さる場合に限つて無料にするというようなことにいたしたいと考えております。
 はなはだ簡單でございまするが、目下立案中の郵便法の全文改正のきわめて概要につきましてお話申し上げた次第でございます。なおいろいろ御質問がございましたらばお答え申し上げます。
#4
○岡田委員長 それでは郵便事業と、前會から引續きの電氣通信事業特別會計等についての質疑に入ります。
#5
○白井委員 小さいことでありますが、一應お聽きしたいと思つている點がございますから申し上げたいと思います。
 本年度の通信事業歳入關係におきまして、七十二億圓に達する歳入缺陷を見ることになつていることを調書によつて拜見したわけであります。これを補填するの途といたしまして、最近郵便料金の値上げということをまさに實現化されんとしつつありますが、これはまことに重大な問題であると思います。しこうして問題が單にそれだけで止まればよろしいのでありますが、目下の状況から推斷いたしまして、あるいはまたこの次にそうした缺陷を補填するための追加豫算を必要とするのではないかということが豫想されると思うのであります。しかしこれはそれぞれやむを得ない事情等がありとするならば、いたし方ないことでありますが、要は郵便事業方面における能率の向上、あるいは施設の完備という方面に對しまして、當局として現在行つている、また考えておられる點について二、三お聽きしたいと思うのであります。まずこの施設の問題で、先ほど小笠原政府委員からお話がありました自轉車等の問題であります。これらは現實の問題としてその日その日非常に不自由を感じ、また困つておるという實情でございますが、これはおそらく全國的な問題であろうと思うのであります。これは單に考えておるとか、あるいはやろうとしておるとかいうようななまぬるい考えでは困る問題であろうと思うのでありまして、急速にこれらの問題を解決していただけるかどうかということをお伺いしたいのであります。なお能率の關係におきまして、食糧問題は非常に重大な關係をもつておると思うのであります。聞くところによりますと、最近では晝食を携行しない傭員が相當できてきておるというようなことでありますが、これはゆゆしき問題であります。それでなくてさえも傭員が不足しておる今日なのであります。いわんや現在この最も頼るべき期待するべきその人々が晝食ももたずに出勤するというようなことで、はたして能率の向上が期待できるか。こういう點から考えますと、ここに食糧休暇を與えてくれ、現行の週休あるいは一年に二十日というような程度の休暇ではとうていこれはやりきれない、何とかそこに特別の措置として食糧休暇を適當に與えてもらいたいという聲も聞くわけであります。こういう點についてどうお考えであられるか。
 それから給與の問題であります。これは申し上げるまでもなく通續年限制をとつておられるようでありますが、これらはある程度能率給を加見さしたらどうかと考えるのであります。そういう點についてのお答えが願いたいと思うのであります。
 それから信賞必罰の制度を明確に、かつこれを勵行していただきたい。罪を犯した者に對しての制裁はきわめて積極的でありましても、善良なる傭員、從業員、こういうものに對する待遇態度ということはどのようになつておるか。
 それから被服の問題であります。到るところで郵便配達の諸君を見かけるのでありますが、その人々の被服が非常に汚いのであります。私はここで申し上げることは差控えたいと思いますが、その汚いためにいろいろ精神的に、あるいは肉體的にかなり苦痛を感じておる。これはある事件によつてそういう體驗をされたという人々も相當あるのであります。他の警察官であるとかいうような者に比較いたしまして、實に見劣りのする服装をして街頭を歩いておることは、通信事業という國家的事業の權威の上から言つても、あるいは威信の上から言いましても、いま少しく改善されなければならぬ問題じやないかというふうにも思うのであります。いろいろなことがありますが、勤勞意欲の高揚ということはこの場合最も必要なことと思うのでありまして、そこに能下の増進向上も自然とこれに伴つて現われてくる問題であるために、特にそういう點はお考えを願いたいと思うのでありますが、當局はどうお考えでありますか。簡單で結構でございますから、ひとつ御答辯願いたいと思います。
#6
○小笠原政府委員 ただいま御質問のありました中で自轉車の問題についてまずお答え申し上げたいと思います。自轉車はお説の通り郵便事業を執行する上におきまして、その物的設備のきわめて重要な一つの問題でございます。この自轉車の整備あるいは増備という問題につきましては、關係者みな鋭意努力いたしておる次第でございますが、具體的に數字を申し上げますと、昭和二十一年度中におきまして新しい車を配給いたしましたのは、郵便事業に關しましては六千三百輛になつております。それから、二十二年度すなわち今年度の六月末までに新車を配給いたしました輛數は、一千輛になつております。なお二十二年度中の見込みといたしましては、これはもとより資材の状況からいたしまして、必ずしも私どもの希望しておる通りにいくかいかないかが遺憾ながらただいまわかりませんが、私どもが計畫しておりますのは、新車を配備いたしますのは六千七百輛を計畫しております。
 それから信賞必罰の問題につきましてお話がございまして、まことに御同感の次第でございますが、もとより犯罪その他不正な事項に對しましては、一罰百戒の趣旨によりましてこれを將來にわたつて絶滅するように努力いたしまする一方、ただいまお話のように、成績の優良な從事員、あるいは成績の優良な局に對しましては、機會あるごとに表彰の方法をとつておるのでありまして、先ほど申し上げました一例を申し上げますれば、業務の監察を執行いたます場合におきましても、今日は單に悪いところだけを見るという行き方ではないのでありまして、いいところも見ていく、そうして非常に成績のよかつたものに對しましてはこれを褒賞するということも實行しておる次第でありまして、ただいま御質問の御趣旨に即するように現在實行いたしております。その他の問題につきましては大野政府委員からお答えき申し上げることにいたします。
#7
○大野(勝三)政府委員 その他にお尋ねがございました能率の問題、特に食糧休暇の關係についてとの御質問、それから能率給の問題、最雷に被服の問題、こういう三つあつたように思うのでありますが、ちようど主管局長が今日いずれも差支えがございまして出ておりませんので、私からお答え申し上げるのが適當かどうかわかりませんが、承知しておりますだけのことを申し上げたいと思います。第一に能率低下が非常に全般的になつておりまして、そのために事業の運營面に非常な影響のありますことは、ただいま白井委員から御指摘のありました通りでございまして、殊に最近における食糧事情の悪化が、六大都市その他の通信の面から申しましても、最も大切な地域にそれが高い程度に影響を表面的に現わしておるのでございまして、この問題の解決につきましては、遞信大臣以下われわれに至りますまで、その對策に腐心を、いたしておるのでございます。御承知のように遞信現業員の特殊の職種については、現在勞務加配米を頂載いたしておりますが、そのほかに特に食糧事情の悪い、そうして通信の面から申しますれば、一番大切な六大都市その他の重要地帶に從業員に對しまして、先般苦しい際にもかかわりませず、特別の措置として特殊の加配米を致載いたしましたようなわけで、これが當面の一つの對策として非常に從業員の食生活の危機を打開する上に效果があつたことは疑い得ないかと考えるのであります。そのほかわれわれの仕事に從事いたします者は非常に若い者が多うございまして、大都市におきましては、そういう人たちが合宿生活をいたしておる者がかなりございます。問題はそういう合宿生活をいたしております者の日常の食糧の確保の問題でございますが、この點についても詳細に農林當局と先年來から特別の了解が成立いたしておりまして、普通の配給量でございますけれども、優先的に確保できるような途が與えられておりまして、その確保の實をあげるように、せつかく努力をいたしておるような次第であります。さいわいいろいろな手を構じまして、今日までのところ決して滿足すべき状態であるとは申し上げられませんけれども、とにもかくにも通信の運行に大きなひびを入れさせないように苦心をいたしてまいつておるようた次第でございます。
 次に能率給の問題でございますが。現業の仕事につきましては、能率が上るごとにそれに相應した給與が支給されるようにということは、確かに一つのいい方法であることは疑いの餘地がないのでございます。御承知のように現在の官吏の一般給與制度の上から申しますと、こういつた能率に應じて給與額を加減するという方法が、自由にはとり得ないようなぐあいになつております。しかし私どもの方で申しますと、御承知の簡易保險とか、郵便年金とか、あるいは特殊の預金の募集等については、ある程度、能率給と申しますか、かせぎ高式と申しますか、そういつた給與の部面が現にございます。たとえば保險などは募集の額に應じて募集の手當が支給されるといつた類でございますが、しかしそういつたものは、他の郵便とか電氣通信、特に電氣工事の方面などには一般的にはございません。しかしお説の通りで、こういつた能率増進が最も大事な場合には、能率増進を刺激するような給與制度があることの望ましてことは明らかでございますので、何らそういう措置をとり得る方法についてただいまくふうをいたしております。現在の給與制度一般を崩すわけにまいりませんから、その上に立つ特殊な仕事については、かせぎ高式と申しますか、あるいは特殊の褒賞制と申しますか、そういつた特別の手當とか、給與の方法がとれるように研究をいたしておるのでございます。
 最後に從業員の被服の問題については、現在は非常に見劣りがするし、そのために志氣を振わない。ひいては官業の威信にも及ぶといつたようなお話がございましたが、まことにこの點もお説の通りでありまして、何とか被服の改善をはかりたいと百万努力をいたしておりますが、いかんせん御承知のような繊維事情でありまして、思うに任せないのが實情でございます。しかしながらとにもかくにも必要なだけの維維資材は、商工當局その他と私どもの方の主管の局との間に折衝を常に續けておりまして、これもすべての人に新しい質のいい被服を支給することはなかなかむずかしいのでございますけれども、被服の者がありますが、そういう職種の人々には、かつかつながらではございますけれども、次々と新しい支給ができるように計畫はいたしておるのでございます。しかしこれもまつたくこういう今日の事情で、それをもつて十分だと言い得る状態ではございませんので、繊維事情がよろしくなりましたならば、さらに一段とこの點には改善を加えなければならないことは、十分われわれも承知いたしておるような次第であります。以上簡單でございますが、お答えいたします。
#8
○岡田委員長 林百郎君。
#9
○林(百)委員 遞信事業として今一番重要な問題はやはり遞信者の赤字をどうするかという問題だと思います。そこでこの郵便料の値上げという問題も起きておると思いますが、郵便料は今相當値上げされておるので、ここで郵便料を値上げすることによつて、はたして遞信省が豫期しておるような増收があるかどうかということが問題になるのではないか。そこでわれわれとしても遞信省の赤字がどうしたら消えるかということはまことに重要な問題で、しかもそれを大衆の負擔に轉嫁させないような方面があるかどうかという點をいろいろ考えてみたのでありますが、この點について遞信省當局はどう考えておるかという點をお尋ねしてみたいと思います。まず第一に郵便貯金と簡易保険の保険料の最高額、これをもう少し上げる意思があるかという問題、第二としてそうした郵便貯金や簡易保險は大藏省への預入金となるのでありますが、遞信省から大藏省への預入金について、これは原則として遞信事業に對しては優先的に使わしてもらうのだという――遞信省が優先權をもつという交渉を大藏省にすることは、政治的な意味もありますが、獨立採算制を遞信省に迫つてくるならば、遞信省からの大藏省への預入金も、これを優先的に遞信省に使わせるという政治的な折衝をすることによつて、政府を牽制することができるか、大藏省を牽制することができるかという點が一つ。さらにこうした郵便貯金とか、保險料などによつて得た現金をいろいろの事業に投資して、積極的に收入をはかるという方法があるかどうか。どういう事業に投資するかということは問題でと思いますが、たとえば放送の方の問題であるとか、あるいはその他の事業にこれを投資して増收をはかる。こうした預入金に對して少くとも利子を保證し、それから將來にはこうした預入金を遞信省が使つても、それに對して保證し得る程殺はこれを確保してやるような適當な事業があつたら、それに投資する方法を考えておるかどうか。もう一つこれは地方によくあることですが、實は戰災に遭つたような都市の電話、少くともその電話の復舊というような問題については、地方の有力を動員して寄附を仰ぎ――有力者は早く電話事業の復舊を望んでおりますから、おそらく相當の寄附があるのではないか。長野縣の例ですが、長野縣の岡谷あたりの郵便局では、ここは名古屋遞信局の管轄ですが、預入金、借入金がなくて、地方の大口寄附で大分賄つておる。場合によつては長野縣岡谷の電話局の方が遞信省に金を貸してやるというほどの寄附金を募集できた例もあるのでありますが、こんなような點を考えておるかどうか。こんな問題について當局の考えを聽きたい。もう一つは先日私が質問した特定郵便局制度のことですが、これはよく考えてみると、局長を文官任用にするか、自由任用にするかという問題よりも、問題は局長と從業員との間の勞務關係、これがいわゆるあまり封建的な、徒弟的な關係だから、特定局制度反對の聲もあるのだと思います。結局特定局の人の從業員との間の勞働條件をもつと近代的に改善するなり、あるいは本省でもつてこれに適當に干渉する、と言うと變ですが、適當にコントロールして、全遞側から出ているところの特定郵便局制度の廢止の趣旨に副う意向があるかどうか。こういう點をお聽きしてみたいと思います。
#10
○椎熊政府委員 林委員にお答えいたします。貯金と簡易保險の最高額を上げる考えがあるかどうかということでありますが、目下それぞれ關係方面に折衝中でございます。それから今日の郵便貯金あるいは簡易保險の募集金は、ことごとく大藏省の預金部にはいつておるのでございますが、郵便貯金の問題については當初からそういうような方法は大分聞いております。簡易保險の積立金は、本來保險事業の性質から言つて保險事業の全體のわくの中で運營されておらなければ保險事業はうまくゆかない。そういう見地から舊來は遞信省自體がそれを運營しておつたのでありますが、戰爭中國庫資金の投資の統一ということ主張せられまして、これが大藏省一本建で國家資金を投資していくという方法になつて、遞信省の自由の範圍でなくなりました。終戰後そのことが舊來に改まつたように承つておりましたが、一昨年の十一月か再び大藏當局がすべて運營することになつて、遞信省は自由に運營できない。ただ契約者に對する賃付だけは遞信省でやり得る、その他一切はだめということになつておりましたが、最近省内におきましても、どうしてもこれは保險事業の發達の上から當然遞信省が運營すべきものだ。ただし運營上の範圍條件等もありまして、こういう零細な金を集めておる責任の重い積立金ですから、囘收等に不安があつてはいかぬというようなことも考えられまして、なるべく公共の事業に使いたい。主として地方の公共團體等に貸付けるという程度ならばいいのではないかという考え方をもつておりまして、それぞれ目下交渉中なのでありますが、保險事業の運營發展の上からは、大體そういうふうにすべきであるという原則論らは贊成のようであります。大藏當局におきましても、内部の事務當局の中には大體了解がいきそうに思つております。目下それぞれ當局において折衝中でありまして、今議會中にそういうことが實現できるかどうかは言明のできないのを遺憾と思うのでありますが、私どもの考えとしては簡易保險積立金はその事業の性質上遞信省が自由に運營する――自由というよりも國家公共のために、しかも確實なる範圍において運營していくことが、保險事業自體の發展の上からも、また今日の地方財政の逼迫緩和の上から言つても非常に適當であろう。それからまた林委員の言われたように、その間幾分の増收等をも勘案できるのではなかろうか。こういう大藏省から切り放して、舊來のごとくこちらへもつていきたいという希望をもつて折衝してをります。地方有力者からの寄附の問題は私存じませんので他の方から申し上げます。
 特定郵便局制度の問題については、全遞の要求等もございますが、遞信省といたしましてはすでにこの見解を明らかにしておりまして、今特定郵便局制度を廢止する考えはもつておりませんが、林委員の申されたように、主として從業員と局長との勞働關係が全遞の主張する要點だと思われますので、そういう點に對する改善あるいは具體的方法等については、もとより林委員と同意見のもとにそういう指導をなしつつあるのであります。なおこれらの最後的決定は、特定郵便局制度改正の委員會がありますから、全遞の遞信省側と同數の委員が出ておりまして、それの決定に從うということになつております。そういう言質も與えております。以上たいへん不完全な答辯でございますが、專門家から補足していただきます。
#11
○大野(勝三)政府委員 ただいま政務次官からお答えがございましたのでほぼ盡きておりますが、全般論といたしまして、郵便料金の値上げによつてはたして所期の増收が期待できるかどうかという點は、私どもまつたく同じような不安をもつておるのでございます。しかし一方から考えてみますと、現在の通信は戰爭前の通信の状況に比較すると、非常に落ちておるのでございます。ということは、つまりほんとうの必需の通信量が現在現われておるというやうに見られなくもないかと思うのでありまして、それだから料金を上げても利用が落ちないだろうというのは、これは少しどうかと思われますけれども、しかし料金の値上げいかんという問題につきましては、前囘にも申しました通り、まだ最後的にどうと政府の腹もきまつているわけではございませんので、關係筋と目下いろいろ交渉中でございますが、もしそれが決定されるといたしましても、おそらく他物價との均衡などを見合いまして、最も妥當な、つまり國民大衆の利用される方の側の負擔を最小限度に止めるところで、しかも通信事業の獨立採算の線にも沿うというようなところが見出されるのではないかと考えておりますが、そういう線が見出されれば、ある程度豫定された收益は上るのではないかと考えておるのでございます。しかしそれにしましても、それだけでもつてこの通信會計の非常な苦しいところを乘り切ることは所詮むつかしゆうございます。それに並行してやはり能率の増進あるいは事業の合理化、さらにできるだけ節約のできる面は節約をするといつたような、積極消極兩面の事業自體の努力がそれに並行していくことがぜひ必要だと思います。そういう意味でただいま御指摘になりましたような、いろいろな新しい企畫はぜひ取上げて眞劔に檢討していく必要があると思うのでありますが、さてその方向につきましては、ただいま政務次官かろ詳細に御説明がございました通りでありますので、附け加えて申し上げることはありません。ただちよつと一言通信の復舊について、たとえば地方の有力者から寄附を求めたらどうかという問題がございます。電氣通信電話の復舊などについては、相當地方の電話復舊に御協力を願う有志の方、あるいは電話復興會というような團體をつくられる場合もあるようでございまして、そういう向きからいろいろ精神的にも、物質的にも非常に御協力をいただいておるような例はお話にもございましたように多々あるのでございますが、これはやはり程度がございまして、なかなかその邊のところはむつかしいと思うのでございまして、原則はやはり必要な豫算を立てて、そうして復舊をどんどん進めていくというのが、何としても本筋でなければなりませんけれども、豫算もなかなか思うようには頂戴できないといつたような現状におきましては、場合によつてはお話のような便法をある程度實際面に取入れる方が適切だという場合もあろうかと思います。これは具體的な一つ一つの場合に應じて、おのずから判斷しなければならぬ問題であろうかと思うのでありますが、お話のありましたような點は、なおひとつ十分研究していきたいと考えておるわけであります。
 それから特定郵便局の制度については、これはやはり政務次官からおつしやつた通りでございます。お話の通り、局長の自由任用であるかどうかということが問題なので、問題の要點は、局長對從業員の關係が、昔のいわゆる全部請負制度であつた時代の、何となくそこに拔けきれない封建的制度とでも申しますか、そういつたことを脱却することが要點ではないかというお話はまつたく同感であります。そういうわけで現在從業員は全部直轄になつておりまして、普通局の從業員と少しも取扱い上に差別はございません。つまり局長の渡切りの中からその局員の給與が出るという昔の制度は、まつたく今はございませんので、そういう點では非常に明朗になつておりますが、なお至らぬ點はさらにどんどん改善をしていくという方向に現在進んでおるわけでございます。
#12
○林(百)委員 これは私もよく考えてみたいと思いますが、ただいまの地方の有力者の協力を仰ぐということは――遞信事業は結局遞信省という官廳だけの仕事でなく、官民一體となつてやらなければならぬのであります。そういう意味で少なくとも二等郵便局あたりを中心としての電話會の會長會議、全國の電話會の會長議會というようなものを遞信省が開いて、民間の人の意見を聽き、今の遞信省の――殊に電話復舊あるいは電信事業の復舊の現状を訴えて協力を仰ぐということをなされるのも一つの思いつきじやないかと思うのであります。民間の中にも非常に熱心な方もあると思うのです。そういう意味で電話會の會長會議だとか、そういうものを開いて、殊に地方で電話なり電信なりを高度に利用している人たちから特殊の寄附なり、特殊な遞信事業に對する寄附を請うということを試みられて、官民一體となつて遞信事業の非常時を乘り切るという體制を整えたらどうかということを、これは思いつきでありますが、申し上げておきます。
#13
○岡田委員長 千賀君がこの間の會議で保留されておりました質問をこの際許したいと思いますが、時間の關係がありますから。なるべく簡明に願います。
#14
○千賀委員 私は遞信事業に對しましてはまつたく素人でございまして、どうして勉強しようかといろいろ苦心をしまして、機會のあるごとに郷里へ歸つて、郵便局長初めの方、關係者に集まつてもらつて座談會をやつては教育をしてもらつておるのでございます。その際聽きました一致した議論の方向は、よほど今までの皆さんの質問の中に盛られてはおりまするけれども、大體鐵道省の吏員と遞信省の吏員と少し待遇が違うということに相當な不平があるようでございます。鐵道省などは鐵道運賃の値上げ等も非常に手ぎわよくやつていくのに、遞信省の方はいつもこの値上げにぐずついて後囘しになり、輿論にぶつかつて相當に難儀をしていくことになる、かような點も、遞信省の特別會計の取扱いがすこぶる不手ぎわだから、俺たちがこんな難儀をするのだというような結論になるのでございまするけれども、こうした末端の官吏諸君の考えていることは、中枢部の首腦者のお考えと一致するのだろうか、それは考え違いをしておるからそういうことになるのだというようなことになるのか、この點はつきりいたしたいと思つておつたのでございまするが、今日あたりその御答辯を承るのが非常によい機會だと思います。また遞信事業が戰災によつて非常に大きな災害を受けまして、そこでこれの復舊をいたしますのに、特別會計の範圍内におきまして復舊するということは、いかにも困難だと思います。もしこれが減價償却を完全にされておりましても、これは貨幣の取扱い、豫算の取扱いだけのことでございまして、結局は資材のないというこの宿命が、遞信事業の復活を遲らしておる一番の原因だと思つておりまするが、こうやつてもますると、必ずしも遞信事業の過去における責任において復活が遲れているとばかり言えないと思う。一つの日本人の宿命と申しまするか、やはりその宿命の一端として遞信事業もきわめて困難な中にはいつておる。そうしますと必ずしも遞信事業の復活は特別會計だけが責任を負う必要はないのだ、相當に國家として大きな方面から援助があつてもいいのだ、こんなことも考えさせられるのであります。やはり下級官吏の諸君もそういうことを考えておるようでございます。この點につきましてただちに遞信事業の特別會計を解放する意思はないか。國家事業を一般會計に繰入れるべしという意見をもつのでもないのでありまするが、根本的な考え方として、そういうようなこともお考えになつておるか。あるいはこの宿命的な大きな災害を、やはりこうした既定方針によつてうまく切り拔けていけるというお考えをもつておいでになるか、その點を伺います。
 また吏員諸君の教養機關におきましても、鐵道省では若い吏員が教育を受けてどんどん上級になつていくのに、あまり深刻な拔摺試驗というようなものはなしで累進していけるそうです。そうして教育機關の恩澤に浴することができるそうでございまするが、遞信事業におきましては、そこに深刻な競爭試驗がありまして、若い吏員たちはその競爭に耐えるために全力を盡して、相當に健康その他を損ねておるというようなことも言つておりまするが、これは改善の餘地があるのかどうか。やはりそうなれば、所要人員の全部よりも、教育を受けたいという人がオーバーするときには、試驗によらざれば、何かえらい人におもねつて、おせじを使うということになつて、それにも弊害があると思うがどうだろうということも言つてみたのですが、とにかく私の郷里、愛知縣の一部分の若い吏員たちは、この制度は相當に頭を惱めているようでございます。これについて御信念を伺つておきます。
 次に特定局のことでございまするが、集配局の特定局を解消せられて、これを全部官業になされたときには、例外なく倍の人員が要つたということを聞いております。官業になれば民業に二分の一の能率に低下する。これで常識であつたようでございます。現在殘された無集配局の特定局に對しまして、これを官業に引上げるべしという議論に對しまして、おそらくこれが實行されたとすれば、倍の人員がやはり必要になることになるだろうと思いまするが、これは大體當局の御意見を伺えば、今にわかにその要求を充足せられる御意思がないようでございまするから、この點は結構だと思いますけれども、しかし先ほど委員の中からも質問がありましたように、時代の波はなかなか深刻にすべての階級をあおつております。きのう非公式でありましたが、天野委員が親分子分の間は別だというような述懐をしておられましたけれども、なかなかそうばかりもいかないように思つております。やはりその點は先ほど椎熊政務次官から御意見もありましたが、最後に殘つております特定局に働く從業員とその局長の間に、ほんとうに時代の感覺を取入れるというか、ここに世相を取入れて、清新な生きがいを感じさせる處置が必要であると思います。そういうことになれば、しばらくは問題はそのままで濟んでいくようにも感じておるのでございます。
 最後に先ほど御説明になつた新しく郵便法を改正なさろうというその御説明の中に、小包郵便の賠償額を百圓から五千圓に進めたい、増額したいということがありました。これも結構でありまするが、この五千圓というのは、大體何を基礎として計算せられたのでございましようか。ただいまの價格のうち、纖維製品を計算せられたのか、あるいはその他の生活必需品を計算せられたのか。これは參考になると思うので、伺つておきたいと思います。以上お願いします。
#15
○椎熊政府委員 第一に遞信省從業員の待遇の問題、それが鐵道省と著しく縣隔がある。そういう聲が地方にあるというふうに承りましたが、私は鐵道省の從業員と遞信省の從業員との待遇は、表向きには今日さしたる相違はないようにできておると思います。しかしこの状態を從業員自體が生活の上に活用したりする點では、鐵道省の方が非常に便利のようであります。私鐵道省に二箇年ほど秘書官をしておつたことがあるのですが、その經驗から申しますと、本人の無料通勤パスがあります。子供の通學パスがあります。家族にも今はどうなつておりますかわかりませんが、その當時ですと、一箇年に何週間かを限つて全國のパスなどをくれておりました。遞信省でははがき一枚といえども、ただくれるということはないようですから、そういう點でかなりの開きができてくるのではないか。それから鐵道省の從業員の間でやつておる消費組合などは、古くから非常によく發達しておりました。というのは輸送機關を優先的に使つておるのか――まさか無料で使つておるのではないでしようが、ときとしては無料で使つておることもありましよう。そういう意味で他の役所の消費組合よりも、實際において集荷等は便宜を得ておるようです。それから價格も幾分安いというようなことを聞いておりました。われわれ鐵道省におつた間には、この消費組合を利用して、かなり一般からうらやまれるような生活にあつたのであります。そういう點は鐵道省と遞信省との間に、かなり懸隔があるようでありますが、一般官吏の待遇については國家が統一していこうというふうにしておるときでありますから、大體平均レベルに達しているのではないかと思います。鐵道省だけとの比較で論ぜられることは多少弊害がありますから、私の思いついたことを申しておるのでありますが、目下遞信省といえども、他の官廳に比べて待遇が悪いということは言うないのであります。なお待遇上については目下千八百圓になるかどうかというような状況にあつて、現在のところでは勞働組合との間にいろいろな取極めがあり、それに從つて大體待遇上の點は圓滿にいつておると思います。
 それから獨立採算制に關連して、戰爭災害を遞信省獨自で全部復舊していくということはおかしいのではないか。これは私は同感であります。戰災による電信、電話の復舊のごときは遞信省自體、あるいはその利用者自體が解決していかなければならぬという問題ではなくして、國家全體の不幸なる災厄であつたのでありますから、この點について私は國家全體として見るべきが當然であると思います。ただ獨立採算制はこの内閣においてきめた原則論であつて、どこまでもそれを徹底していく趣旨ではなかろうかと、私は解釋しておるのであります。それでありますから、一應事業官廳の獨立採算制というものは原則論であつて、特殊の事情のある場合は、一般會計からも相當に繰入れを考慮されても、必ずしも獨立採算制を破るということはなかろうと思います。目下大藏省と本省において、追加豫算の折衝などをやつております。それについても私どもは、必ずしも遞信省だけで負擔しなければならぬという趣旨ではないように承つておるのであります。その他のことについては私は存じませんから、關係當局よりお答えいたします。
#16
○大野(勝三)政府委員 最初に鐵道吏員と遞信吏員との待遇の差についての御質問に對しまして、お答えしたいと思います。ただいま政務次官がお話になりましたのは、まつたくその通りでありまして、名目賃金と申しますか、そういう點では水平運動が行われておりますけれども、そのほかの點については遺憾ながら及ばない點があるかというのであります。そういう點について末端の人が、どうも遞信の首脳部の方は要領が悪いと申しますか、努力が足りないというか、あるいは勞銀の値上げについても不手際ではないかという考えをもつておるかどうか。こういう御質問でありますが、それについてはわれわれとしては、できるだけ努力しておると申すよりほかないのでありまして、あとは皆さんの御批判を仰ぐほかないのであります。
 獨立採算の問題についてはただいまお話がありました。
 三番目にお尋ねのありました鐵道と比較して、遞信關係では若い人がだんだんと昇進をしていくのに、非常に競爭的な試驗があつて、そのために非常に悩んでおるといつたような意味のお話でありますが、これは實は私どもちよつとよく思い當らないのでございます。と申しますのは、昔は判任官を登用いたしますときには、書記補試驗がありましたが、今日ほとんど一定の學歴、勤續年數によりまして現在の三級官に昇進し、さらに二級官になります際にも、大體選考と申しますか、その人の經歴や、あるいは平生の勤務ぶり、人物を見まして選考して昇進をするのが、一般のやり方でございまして、特に競爭試驗を行うことは今日はほとんどないと思うのであります。ただ試驗があると申しますれば、私どもの方では特殊の養成機關といたしまして、各地方に遞信講習所がございます。これは普通科と高等科の二つにわかれておりまして、普通科は二年、高等科は一年。それからさらたもう一つその上の養成機關といたしまして、高等遞信講習所がございます。これは東京に一箇所だけございます。それで前に申した普通遞信講習所は、昔の學制の中等學校制度でございます。今度の新學制では、これはあるいは高等學校の程度になりますかどうか、まだはつきりいたいませんが、昔の程度では大體中等學校程度でありまして、そこに試驗がございます。もう一つの上の高等遞信講習所は、これは相當競爭がはげしいのであります。これは部内の從事員の人ばかりが志願をするのではございませんで、廣く一般の中等學校卒業者も志願できることになつております。そこで部内の從事員の人と一般の外から入つてくる人とが、高等遞信講習所の場合には同時に競爭することになります。そういう點でその邊の試驗のことを、あるいはお話になつたのではないかと思いますが、それですと確かに試驗はございます。しかしこの點は、そういう試驗があるのがいいのか悪いのかという點も、またいろいろ議論があるのだろうと考えますので、ただ實情だけを申し上げておく次第でございます。
 それから四番目に特定局制度の問題に關連して、時代の影響は所詮逃れることはできないのであるから、何とか局長と局員との間の空氣を明朗にする處置をとつたらどうかという御意見でありましたが、まつたくその通りに考えております。その處置の一端といたしまして、以前は全部請負制でございまして、特定局の局員の人は、局長に對する渡切の中からその給料の支給を受けておつたのでございますが、それが何となく局長に使用されておる人というような感じを、局員の側の人に與えておつた場合もあつたかと思うのであります。またそのために一般の普通遞信從事員と比較すると、待遇上にも差を生ずるという原因になつておつたかと思います。そこで一昨年からでしたか、すべて特定局の從事員の給與は直轄給與といたしまして、給與の支給という面においてはすべて國の直接負擔にして、そこの局長さんの全然關係はございません。從つてまたそれぞれの職種に應じまして、ほかの從事員と同じバランスまで今待遇されておるわれでございます。あとの問題は定員の多い少いといつたような關係から、あるいは勤務が過重であるとかないとかいうようなことで、ついまた非常に酷使されるという印象を喚び起す場合もあると思いますが、これは實はよく考えてみますと、必ずしもそうではないのであります。特定局と申しますのは御承知のように――市内の特定局は別でございますが、地方の特定局は事務量から申しますと、それほど繁忙ではないところで多うございます。從つてほんとうに事務量に相應した人を配置していくという關係からいきますれば、どうしても一人が二つ、三つの仕事を兼ねることが、規模が小さい場合にはあり得るのであります。そういう場合には非常に過重に見えますけれども、詳細に科學的に調べていきますれば、必ずしもそうでないこともありまして、その邊はお互いの立場をよく了解し合つて、ほんとうに氣持を明るくしてやつていくように、お互い同士の間でも努めていくことが必要だと思います。すべて物事にこだわつた考え方でなく、科學的に協力的に考えれば、おのずから解決のつく問題ではないかと思います。
#17
○千賀委員 それから二・一ストに失敗いたしました全遞と申しましようか、若い人たちの集合勢力は、ほとんど現在は給料値上げということにはあまり魅力がないようであります。私は何度も接觸してみましたが、やはり一致しているところは、現物給與でしつかり欲しいということが本音らしい。私ももつともだと思うのであります。あの加配米のあつたのは、郷里で座談會をやりました後のことでありますが、現在は絶對量はどのくらいいくのですか。これをちよつと參考に伺つておきたいと思います。
#18
○鈴木(恭)説明員 御説明申し上げます。現在支給しております加配米は、一人當り一合四勺程度の配給をいたしておりまして、總量にして月六千石餘でございます。先般今日の非常な危機に直面して、先ほど説明のありました加配米の増加をしていただきましたが、これは千二百五十石でございます。これは六大都市竝びに北九州、長崎地方を含めて考えております。その他現物支給として私どもがいろいろ考えておりますことは、農場をつくりまして、直接從業員が、あるいはまた他の人を雇つて耕作いたしまして、食糧を補給するという意味をもちまして、現在の計畫といたしましては現業從事員一人十五坪という目標で農耕をいたす豫算を計上いたしております、それから最近鹽の事情がきわめて窮迫しておりますので、自家製鹽を從業員にさせております。大體一箇月一人、現在私どもが配給を受けておりまする二百グラム程度は配給しようという目途のもとに――現在はまだその半分くらいしか實行上の結果を見ていないと思いますが、そういうような施設をしております。
#19
○小笠原政府委員 先ほど御質問のありました保險扱いの最高額の問題につきまして、簡單にお答え申し上げます。郵便法の改正案につきましては、ただいままだ研究中でございますので、そういう意味てお聽取り願いと思いますが、先ほどおよそ五千圓と申し上げましたのは、今日までのいわゆる價格表記という制度がございまして、その制度の名前を保險扱いという名前にして復舊したい。現在の物品價格表記によつて物品を送ります場合に、つまり小包のようなものを價格表記にいたしますことは、現在すでに實施いたしておりますので、新たに通貨を送る場合を今度含めて實行いたしたいということを考えております。それで先ほど申し上げました損害賠償額は、大體現在やつておりますのを、おおむねそのまま踏襲していきたい、かように考えております。もちろんその金額は郵便物として送られる物の市價を超えてはならない、通貨の場合にはその通貨の價額を超えてはならないということにいたす豫定でございます。同時にこれに對しましては、必要な料金をもとより別に頂戴することにいたしたいと考えておる次第でございます。百圓と申し上げましたのは、これは價格表示の場合におけるところの損害賠償額でございまして、これは別でございます。現行通りになるわけであります。
#20
○岡田委員長 では別に通告もありませんので、本日はこの程度にしまして、次會は來週の火曜日、八月五日午前十時より開會しまして、去る七月二十六日當委員會に付託になりました請願三件を審査いたしたいと思います。なお八月八日金曜日午後一時から通信施設の視察を行いたいと思いますので、その點お含みおきをお願いいたします。
 本日はこれをもつて散會いたします。
   午後零時三十三分散會
ソース: 国立国会図書館
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