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1948/11/09 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 本会議 第7号
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1948/11/09 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 本会議 第7号

#1
第003回国会 本会議 第7号
昭和二十三年十一月九日(火曜日)
   午前十一時八分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第六号
  昭和二十三年十一月九日
   午前十時開議
 第一 日系の大陸在留孤児救済に関する請願(委員長報告)
 第二 在外同胞引揚促進に関する請願(三件)(委員長報告)
 第三 台湾引揚者に対する緊急措置に関する陳情(委員長報告)
 第四 在外同胞引揚促進並びに未復員者家族援護に関する陳情(委員長報告)
 第五 青島における居留民立替金の返還に関する陳情(委員長報告)
 第六 在外同胞引揚促進に関する陳情(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した事件
 一、両院法規委員会規程中改正案
 一、日程第一及び日程第二の請願、日程第三乃至日程第六の陳情
 一、会期延長の件
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。お諮りいたしたいことがございます。本院規則第百七十九條の規定により、議長は、衆議院議長と協議いたしまして、両院法規委員会規程中改正案の成案を得ました。本改正案はすでに印刷配付してございます。
    ―――――――――――――
#4
○議長(松平恒雄君) 本改正案即ち両院議長の協議案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#5
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本改正案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#6
○議長(松平恒雄君) この際、日程第一、第二の請願及び日程第三より第六までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。これらの請願及び陳情は、委員会において閉会中継続審査を終了したものでございます。まず委員長の報告を求めます。在外同胞引揚問題に関する特別委員会元委員長中平常太郎君。
   〔中平常太郎君登壇、拍手〕
#8
○中平常太郎君 在外同胞引揚問題に関しまする特別委員会の第二國会の継続審査といたしまして、休会中ずつと調査いたしておりました事件につきまして、請願並びに陳情に付き、審議の状況並びにその結果を御報告申上げたいと存じます。
 請願第九百八十一号は、日系の大陸に在留しておるところの孤兒の救済問題であります。これは終戰後、日系大陸在留孤兒が沢山に満州の各地にうようよいたしておるのであります。すでに親たちは不幸な死に方をしておる者もあります。又帰る時分に子供を尋ね得ずして、実にもう遺憾ながら親が帰つたという者もありまして、このどさくさに子を収容し切れず、何千という日系の幼児が取残され、さ迷つておるのであります。これに対しまして何ら今日まで手を打つていない。又政府もこれを特別に取扱つたこともない。又今日の中共の戰争の状態からいたしまして、ますます満州方面における各地において、こういうかわいそうな者が到る所にさ迷つておるのであります。親の身になつて見れば、実に只今悔い、歎き、悲しみ、断腸の思いであると思うのであります。これらの前途は全く悲惨そのものでありまして、思想上にも決してよくはならない。將來の日華親善に資するという意味合からいたしましても、一日も早く救済しなければいけないところの問題でございます。又第千四十号、千百七十三号、千百七十四号、この三つは、在外同胞引揚促進に関する請願でございまして、これは採択すべきものと決定をいたしたのであります。今尚四十万前後の者が、又々ソ連地区において、零下三十度、四十度の所で強制労働に服しておるということは、この内地では到底想像も及ばないところの状態になつておるのでございます。
 次に陳情第五百二号、台湾引揚者に対する緊急措置に関するもの、又第五百二十六、第五百二十九、第五百四十、各号は、やはりこの引揚促進の陳情であり、又在外資産の還付、又は在外公館の借上金、即ち当時の難民救済のために地方民から公館が借上げたところの立替金、これは九億一千万円でございます。そういうふうに政府はたびたび責任を持つということを言明いたしておるものでございますが、こういうものを、生活困窮の現状に鑑みまして、引揚者は一日も早く返還して貰いたいという陳情でございまして、審議の結果、各種の調査を行い、これを採択し、院議に付して内閣に送付すべきものと決定いたしたのでございます。右につきまして、各種各方面の調査班を編成いたしまして、今日まで何百何千あるところの陳情に対しまして、全國に亘りまして、各地特別委員のメンバーの方方に御足労を願つたのであります。休会中に八班に分れまして、國民感情のどういうふうな熾烈なものがあるかということを知るために、議員のうち田村、矢野、穗積、星野、北條、細川、池田、山田、木下、河崎、淺岡、岡元宇都宮、千田、安達、太田、木内、城、こういう諸氏を御足労願い、相共に各地の引揚の実情、輸送の船の中、或いは援護物資の配分の状況、又送還するところの状況、定着後の援護施設、特に金融面、厚生面、又北海道の集團開拓の方面、それから無縁故者の收容の実情などを調査いたしましたので、廣汎な報告が参つておるのでありますが、これを一々申上げるのも、なかなか時間が経ちますので、その概略を御報告申上げて、今後の施策に、大いに政府を鞭撻して頂きたいと思うのであります。
 舞鶴方面の施設につきましては、日を違えて二班参りましたのでありますが、船内の設備は大郁丸を調査しております。本船は三千百人くらい入るのでありますが、いつもその半分も積んで來ない。余裕を残しておるのであります。病室、傳染病室の設備も船の中にあります。それで医者及び便所等の設備も十分できております。ただ船員室が狹いというのが遺憾の点でありました。それから食料品で船には大体主食は米であるが、常時六千人分を積込んでおるが、野菜、罐詰等はそのときどきに積込むようになつておるりであります。それから船員は大体一ヶ月に二航海ナホドカからやりたいというのでありますけれども、ソ連からの通告がそう参つて來ません。それで大体現在において一回になつておるのでございます。石炭の割当は大変順調に参つておりまして、毎月四千五百トン舞鶴に参りますが、これは現在でも余つておるくらいで、貯炭も相当のものを持つておるようであります。陸上の設備といたしましては、倉庫が四ヶ所にあり、総面積が五千五百坪で、二十万人に支給するだけの物資を保管しております。これは順調に本年引揚者が還つて張る、復員者が還つて来るという見込で、相当援護局の方では物資を寄せております。で、現在におきましても二十万人くらいの者の一應の援護物資を持つておるのであります。食糧倉庫、炊事場、病院、棧橋、消毒所、或いは物品の交換室、入浴場、復員事務所等の施設は先ず十分に整備されておりまして、引揚収容が毎日一万人ずつありましても、何ら差支がないのでございます。落書などは余り見られません。
 この職員は舞鶴で七百五十人使つておりますが、全員が心からなる熱心を以て、引揚者に対とて親切に歓迎と慰労をやつております。大変都合よくやつて参りまして、その辺は申し分ありませんが、帰還者の要望を聽いて見ますというと、大体米食でありますが、船の中で二回程お粥を食べさす。それはソ連に三年もおりまして、食事事情が大変違つておるのでありまして、とかく粒食をやるというと下痢を起していかんというので一二回お粥をやつておる。ところが下痢を起さんような方が大分不足を言うというようなことでありまして、これはやはり当り前な御飯にして貰いたいという要望が段々あつて、最近は改善されておるような様子であります。それから又援護局と停車場の交通はトラツクと艀を用いておりますが、大体一日で三千人くらいを輸送し得る能力を持つております。
 それから舞鶴の駅頭においては市民によつて歓迎会が開かれる。又ここでは特に婦人会、共産党の活躍が相当注目すべきものがあるのであります。熱海駅から上野駅までの間の各駅においても、共産党の活躍が外に比べで目立つておるようであります。
 北海道方面は舞鶴と異なりまして、大部分は引揚者で、殆んど家族連れであります。寒冷地に居住しておつた同胞であるので、その適應性を考慮に入れますれば、成るべく北海道に定着せしめたいのでありますが、北海道だけでは施設が間に合わない。それでお氣の毒でありますけれども、東北六縣へ特別な援助を願つておる状態であります。本年第一次、第二次において北海道では二万三百五十九人、青森においては千八百六十人、岩手が千六百五十人、宮城が千二百八十五人、秋田が五百人この少いのは水害等の関係が原因になつておるのであります。それから山形が千九百九十人、福島が二千七十人、合計第一次、第二次においては二万九千六百三十四人收容いたしまして、非常な困難の中において各縣民が努力なさつておるのであります。これは全國一般國民、即ち國民の代表であらせられるところの議員各位が十分に認識し、理解し、その地区の人々に対しまして十分なる感謝の意を表示すべき問題であつて、決してこの地区の人々が好んでこれを受入れてやつておるのではありません。風俗、習慣の異なつた、而も資力のない困窮者のみを受入れてこれを援護し、就職の斡旋や生活の保護に特別な努力を拂つておられるということは、私はこの議場で十分に感謝、お礼を申述べたいと思うのでございます。復員者の大部分はそれぞれ自宅がありまして一々帰還して喜び迎えられて、直ちにその日から郷里の人となりまして、温かい同情に心身を休め、慰安の途も十分あるのでありますが、引揚者は久しく海外にあつて相当の地位を占めて十数年を送り、何ら故國に帰りましても縁故もなく、無一文で今日を何として暮すか、かかる人々が、約九万人の人が千島と樺太から帰つて來ておるのであります。
 國民はただ敗戰のどさくさで自己の保身に憂き身をやつして、利己主義、個人主義に陥り、人はどうでもいい、自分さえという浮薄な國情の中へどしどしと帰つて來られる同胞は、我が國にさえ帰つたなれば親切な同胞の手で迎えて貰えるものと、ひたすらに何も彼も打捨てて帰つて來られるのであります。帰つて見れば冷酷、人情は氷のごとく、親族さえも厄介者が帰つて來たという表情の者が多い。思想は悪化し、闇商人は増す。彼らは食わんがために何をなすべきか。全く金はなし、職はなし、正道は教えられず導かれず、國の援助は蚊の涙程しかない。飢餓ひしひしと身に迫つてくる。その結果は知るべきのみでありませう。罪に問われれば一生疵ものの刑余者となつてしまう。諸君、今にしてこの問題を取上げ、引揚者の生産援護の途を講じなければ、結局日本再建の重大なる支障になるということを銘記すべきであると思うのであります。
 函館は舞鶴に比べまして上陸收容所が分散いたしておりまして、トラツクで連絡いたしておりますが、当局及び函館市民が非常に理解がよくて、処置がうまくできております。但し定着の処置は無縁故者にのみ限られておるが、縁故者とて殆んど無縁故者と同様の状態の者が多いのでありますから、一時的の收容所はもつと増設しなければならん必要があると思うのであります。引揚者中、炭鉱技術者等が相当ありますが、受入港でこれらの技術者、専門技能者等一應選別して、早速当局において適当の方面へ就職せしめる必要があるのであります。又北海道にそのまま農民として定著の希望もあるのだから、一概に東北方両に廻す前に、その希望を十分選別すべきであります。これらのことも十分に注意を当局に與えて置いたのであります。
 集團開拓は掛け声はよいがなかなか進捗しておりません。隘路は大体何かというと設備がない。又輸送上の道路の開拓が全然できていない。道路のない、輸送の困難な、而も定著すべき施設のない所へ、如何に集團開拓を希望いたしておりましても行かれはしない。行つても直ぐに逃げて帰つて來る。こういうことになつておる。政府は一層この方面に努力をしなければならないと思うのであります。北海道の集團開拓につきまして一言申上げますと、市町村に工事を委託しておる。そうすると、やはり土建会社がこれを引受けておる。ああいう仕事は失職してしまつておる引揚者に一つ集團的に責任を持たして工事を請負わせるということにすれば、彼らの生活の助けになりますし、仕事も彼らに與えられることになりますから今後直ちに業者に引受けせしめなければならんような大きな問題は別でありますけれども、できる限り引揚者などに優先的に一つ工事を請負わしめる、集團に請負わしめるということが今後最も必要であると痛感したのでございます。引揚住宅も、予算は減額されますし、工事は遅れますし、縁故者も無縁故者も北海道では大分困つておるようであります。衣料の配給は到底引揚者には手が出ない。蒲團が三千円なんというから、たとえ寒さに向いましてもよう買えん。冬が来るのに業者の倉庫にこれがストツクになつて寝ておる。引揚者にはよう買えん。これは何とかして少くとも雨露を凌ぐ程度のものは考慮して、安くスフか綿布を手に入らしめる考慮を講じなければ、わざわざ配給しながら業者の倉庫に眠つておることは実に堪えられないことと思うのであります。漁業権も各地に特権がございまして、どうも新らしい引揚者に漁業権がうまく廻つておりません。同時に漁網の問題も或程度新規業者に二割程度の枠ができておりますが、これも利用しておらん。利用しようにも資金はなし、組織はなしで、誠にかわいそうな状態で、わざわざ漁網の配給がありましても、それを取つて漁業者になり得ない者が相当あるのであります。復金の放出の問題も一應決定いたしておりますけれどもが、この間も問題がありまして、結局今日までの貸付金の回收状況を調べよう、どういうふうになつておるかということを調べてから出すということになつて、復金は後を出さないというようなことになつておる。これも無論非常に皆困つておるのであります。
 各班に分れましたので、とても八班のものを諸君に一々御報告申上げることは、諸君に誠にお氣の毒でありますから、二三にいたしますが、出先機関などが援護局と連絡が不十分なところがございます。福岡、鹿児島等でいろいろ問題が起きておりますが、大体駅頭の援護は相当よろしいが、駅頭に出迎えておるときに、そこを通るお客さんは誰も無理解である、日本國民はお前らとは違うというような恰好で、出迎えしておる人は熱心だが沢山のお客さんは知らぬ顔の半兵衞であります。これは少くとも帰還者が何十人か隊を組んで帰つて來るので、わざわざ地方廳からも旗を立てて出迎えておるのだから、そこを通るお客さんは少くとも一揖して通るくらいの態度がなければいかん。國民はそれくらいの理解がなければならんことである。これでは援護問題もいつも上調子になつて行くのであります。福岡、佐賀、長崎あたりの庶民金庫の金融の問題もありますが、これなども嚴重にやるばかりで、貸付の希望は七百五十万円も出ておりますが、まだ六百万円が貸付未了になつております。その外、漁業用の綿糸にいたしましても、企業の認可が取れないからいけないとか何とか言つて隘路ばかりで、引揚者において実際に血となり肉となつて行くようなその物資の配給ができていないのであります。農地問題は非常に御承知の通り困難な問題でありまして、現在他國におりました時分から持つておつた土地が、帰つて見れば取られてしまつておる。牛を持つておつた者は牛まで取られておる。さまざまな問題がありまして、帰りさえしたら百姓ができると思つたら、案に相違して百姓もできない。いろいろな問題で、多少の安全弁がありますけれどもが、そこを強く主張して漸く今日では約一割くらい都合よく解決した問題もあるようであります。大部分は解決未了であります。住宅問題は戰災都市は尚更のことでありますが、到る所で住宅問題が非常な深刻な悩みになつておるのでありまして、この問題も議会におきましても、今期におきましては、十分に臨時の簡易な住宅建設も、或いは私は諸君の御援助を願つて、十分なる予算を取るべきであると思うのでございます。引揚者は大体勤労意欲は盛んでありまして、健全な身体の者は先ず先ず遊んでおりませんが、そうでない者はどうしても臨時の収容施設の所に附属して授産所を作つて生計を助けしめる必要があるものがあるが、どうしても千人や五百人入つておるような施設へ参りましても、風呂がなかつたり授産所がなかつたりして、ぶらぶら子供を連れて遊びおるというような状態でありまして、誠に生活は窮乏する一方ということになつております。こういう点は、全國的にそういう簡單な施設の所え対しては附属する授産所を作らなければならんということを諸君も十分に御念頭に置いて貰いたいと思うのであります。概して函館あたりの檢疫状態はよろしうございますが、まだ日本人の悪い点がありまして、檢疫場を無事に通過せしめようと考えて、自分の病氣を何の彼のといつて言わない。そのくせ汽車に乘つて悪いことを人に言いおる。それは早く帰りたいということが念願でありますから無理もないことでありますが、延いては傳染病その他の下痢性の者が汽車の中でさまざまの醜態を演ずるというようなこともあるのでありますから、こういうことも國民は考えなければならんと思うのであります。それで今後金品の給與だけでなくして自立更生の精神を大体吹込んで行かなければならん。引揚者であるが故に、在外日本國民はどこまでも援助をせねばならんが、援助して貰わなければそれがいかんというような考えは持つてはいけない。引揚者自体が日本の窮乏せる現状を認識しておらん。自立更生を図るために引揚者目体ももつと力を本当に入れて、みずから働いて耕して食う。又人にのみ継るというような弱いことではいけないと思うのであります。(「同感」と呼ぶ者あり)福島縣におきましては、引揚者の収容施設につきまして分散主義をやつておりますが、これは甚だよいと思います。成るべく定着しておらして郷土の人と融和せしめるという意味でありまして、大きな集團を拵えずとも、小さく割つて方々えやつて、成るべく郷土と融和せしめるという方針で福島縣はやつております。これは誠にいい方法であると思うのでございます。
 いろいろ申上げたいことがありますが、國庫の融資にかかる生業資金、復金、生活保護金、ああいうものは無縁故者を引受けておる各縣に対しましては、特に早く優先的に、而も枠を拡げこれは援助して上げるべきであると思うのであります。授産所の設備は到る所の切なる希望でございます。段段寒くなるのでありますから、應急施設の所にはガラスがありません。雨戸がない。又風呂がない。六百人、八百人も入つておる所にたつた五右衞門風呂が一つある所がある。それはどうしてもそんなことではいけない。だからこのようになりました以上、早く窓ガラスなども補充してやつて、特別に配給を早くしてやる必要があるのであります。蒲團が沢山あればいいが、蒲團もないのにガラスが入つていないというようなことではこの冬は越せません。お互いにこれは考えるべきことだと思うのであります。かかる受入縣に対しましては、地方の配付税の特別割当を増加する希望がどこにもありまして、又國有建物の別途処置などを種々要望して参つております。又各縣におきまして、この対策審議会のごときものは地方ごとに対策審議会を作つて、地に着いた救援の途を取りたい。又働かす途を取りたいというような希望が段々ありまして、厚生省にできておりますところの、我々が第二國会において提案いたしまして、全会一致で以て通過いたしました在外同胞対策審議会、それのようなものを各縣に皆拵えて、そうして地に着いた仕事をさせたいというような希望が段々ございます。
 まだ申上げれば沢山ござひますが、余り長くなりますからもう止めますが、(「遠慮なくやつて下さい、」「どんどんやつて呉れ」と呼ぶ者あり)どうか一つこの問題は國民的感情になつておることを十分御認識下さいまして、党派を超越して編入もやらなければならん。
 而も私はここに一つ諸君に最後にお願い申上げて置きたいことがある。それは敗戰國は正義を主張できないかという問題であります。今國際関係は米ソ問題が中心でございますが、どちらもやはり正義を言うております。どちらが正義か不正義か私は存じません。併しながらドイツのベルリンの問題でも両方とも相執つて讓らない。ところがこれは悉く正義を主張しておる。(「脱線々々」と呼ぶ者あり)だから引揚問題に対しましては、たとえ敗者と雖も、数年も経つてまだ軍服を着て強制労働に服しておられるということは正義でない。(「その通り」と呼ぶ者あり)だから、これが正義でないというなれば、敗者なりと雖も世界の輿論に訴えて、これは声を大きくしてよろしいと思うのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)これは縁の下の「みみず」が鳴くようなことを言つても駄目だ。私はこの点につきまして諸君と共に強くこの問題を取上げて、國民的感情が世界の道義を動かすというところまでやるべきであると思うのであります。(拍手)
#9
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決いたします。これらの請願及び陳情は、委員長の報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います
   〔起立者多数〕
#10
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#11
○議長(松平恒雄君) この際御異議がなければ日程に追加し、会期延長の件についてお諮りいたします。議長は衆議院議長と協議の結果、國会の会期を十一月三十日まで二十一日間延長することに協定いたしました。議長が協定いたしました通り決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつて会期は十一月三十日まで二十一日間延長することに決定いたしました。(拍手)これにて本日の議事日程は終了いたしました。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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