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1947/08/08 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第5号
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1947/08/08 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第5号

#1
第001回国会 通信委員会 第5号
昭和二十二年八月八日(金曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長 岡田 勢一君
   理事 重井 鹿治君 理事 天野  久君
      海野 三朗君    大石ヨシエ君
      成田 知巳君    小島 徹三君
      千賀 康治君    田島 房邦君
      長谷川政友君    多田  勇君
      森  直次君    山口 武秀君
      河口 陽一君    林  百郎君
 政府出席委員
        逓信政務次官  椎熊 三郎君
        逓信事務官   村上  好君
        逓信事務官   岡井彌三郎君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 郵便貯金及び郵便為替に關する事項竝びに全逓
 組合夏期半休問題に關し説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○岡田委員長 會議を開きます。
 これより郵便貯金及び郵便為替に關する事項竝びに簡易保険及び郵便年金に關する事項について、當局より説明を聽取いたします。
#3
○村上政府委員 私は逓信省の貯金局長の村上であります。貯金局で取扱つておりまする郵便貯金その他の業務について、概略を御説明いたしまして、皆様の御参考に供したいと存じます。
 貯金局で取扱つておりまする業務は、御承知の通り郵便貯金、それから郵便振替貯金、郵便為替、恩給年金の支拂事務、それから各官廳の歳入歳出の出納事務、これらの業務を所管いたしております。そのうち最もおもなるものは郵便貯金の業務でございます。
    〔委員長退席、天野委員長代理著席〕
その概略の數字を申し上げますと、郵便貯金の現在預かつておりまする金額は、昨日現在をもちまして四百五十三億五千餘萬圓あります。口數にいたしまして一億九千三百萬、それから振替貯金におきましては、その額は十三億五千萬圓、加入の口座數は七十九億九千口であります。それからこの郵便貯金に附随いたしまして、御承知の通りいろいろな國債もしくは勸業債券等の證券の保管をやつております。この枚數は一億四千五百萬枚、金額にいたしまして二十五億八千萬圓、内國の郵便為替は昨年度におきましては四千九百萬口ありまして、その金額は百二十一億圓であります。拂いも大體同じようであります。大體の取扱いの件數、金額等は以上の通りであります。
 その取扱いの機關は、御承知の通り全國各郵便局約一萬三千。それからその原簿を所管しております貯金支局が全國に二十八ございます。近く宇都宮に設置する豫定になつておるものを入れまして、二十九に相なります。これに從事しておる從業員數は現在約七萬一千人であります。大體仕事の幅、取扱機關は以上の通りであります。
 つきましてはこの貯金業務の目下大きな問題として考えられ、またわれわれがこれを重要視して處理しなければならない業務が相當ございます。そのおもなものについて概略申し上げたいと存じます。その一つは戰災復舊の事務であります。今次の戰争によりまして、郵便貯金の業務に非常に大きな戰禍を受けたのであります。その結果貯金の受拂いについても、證券の保管についても、振替についても、その他國民各位に非常なる不便と御迷惑をかけておりますことは、まことに恐縮に存じておるのであります。これらの被害竝びにその處理模様について概略を申し上げたいと存じます。
 郵便貯金についての戰爭の被害を申しますと、ただいま申し上げましたように郵便貯金の口數が約一億九千萬あるのでありますが、その中には外地の分も含まつております。大部分が内地でありますが、それの約三〇%の貯金原簿が燒失いたしたのであります。原簿數において約五千二百萬餘これが燒失して、これの復舊には非常に容易ならぬ手數が要るのであります。原簿は貯金の受拂いの基礎的な資料であるのでありますが、これらの原簿がなくなつても、貯金通帳を持つておればよろしいのでありますが、原簿もなくなり通帳もなくなつて、よりどころのないような貯金も相當にあつたのであります。それの處理方法といたしましては、戰後ただちに各預入者から申告をさせたのであります。それで通帳のあるものは、通帳を基礎といたしますが、通帳もなくなり、原簿も燒失したものについては、保證人をつけて申告させて、一應の資料としてこれを採用する方法をとつております。ところがそれではなかなか復舊が進捗いたしません。それでその後戰災を受けました貯金原簿に對應する通帳の引上げをやることにいたしました。それで今の各預入者から通帳を引上げて、その通帳を基礎にして新しい原簿を作成するという方法を、今年の二月一日から採用いたしまして、六月一ぱいその方法をとつたわけであります。その方法によつて戰災を受けました通帳を、その期間において五〇%復舊させる計畫であつたのでありますが、なかなか預入者も豫定通りもつてまいりませんで、五〇%まではまいらなかつたのであります。それで六月末現在におきまして、それらの通帳を引上げ、原簿を作成したものは、全體の罹災數の三四%、これだけは燒失貯金原簿の復舊を一應完了いたしております。それで貯金原簿につきましては、來年三月末までには七〇%を復舊させる計畫で、大いに拍車をかけてやつております。七〇%完了いたしますれば、あとの三〇%は、これは大體從來の實績に徴しまして、睡眠貯金とみなされるので、七〇%復舊ができれば、まず國民大衆には、さまで御迷惑をかけることはないのではないか、かような計畫で進んでおります。これはぜひ實現させたい意氣込みで努力いたしております。
 次に公債その他證券を保管いたしておりますが、それの原簿がまた燒けてしまつたのが相當あります。原簿は大體一五%が燒けました。それから原簿のほかに當選調査表、これは專門的になりますが、債券の割増金附等の場合、これは各個人とも郵便局に預けて安心いたしておりますから、當選したかしないか調査するカードをつくつておりますが、このカードが一〇〇%燒けてしまいました。これを早く復舊しなければならない。それで六月末までに復興いたしましたものが、原簿におきましては一五%、當選の調査のカードが八三%まで復舊いたしております。本年度の目標といたいSMASITEHA、證券の原簿は五十%、當選の調査のカード一〇〇%復舊を完了させる豫定で進行努力しております。
 それからその次に振替貯金の口座でありますが、これも相當燒けてしまつたのであります。この原簿が三〇%燒けてしまいました。その後鋭意復舊に努力いたしまして、六月末をもつて四一%復舊いたしております。この振替も年度内に復舊を促進させることにいたして、極力努力いたしております。復舊に關しましては大體以上の通りであります。
 また復舊と竝んで非常に御迷惑をかけておりますことは、日常の業務、新しい貯金通帳に書替えてもらう仕事、それから利子の記入、これらの日常の業務竝びに振替貯金の預入、拂渡し、これらが原簿の燒失しました関係に伴いまして非常に澁滞いたしておりまして、これがまた非常に國民各位に御迷惑と不便を與えておりますることは、まことに遺憾に存じます。はなはだ申譯ないと存じております。この日常業務の澁滞、これも復舊と並行して、この積滞數の山の切崩しに鋭意努力中であります。建前といたしまして、この月のものは翌月に繰越すな。少くとも前月から送られたものより、翌月に送りこむものを殖やしてはいけないという建前で、今後はその月の業務は當然處理し、積滞數を消化していくことに目標をおきまして、少くとも年度内、もつと早ければ年内に非常にうず高い日常の積滞業務の一掃を期して努力いたしております。かようにいたしまして、復舊の事務と、日常の業務の遅滞分は遅くともこの年度内、すなわち來年の三月末までには、國民各位に御迷惑のかからない程度に片づけて、處理してしまいたいと考えております。實は、この戰災の復舊竝びに日常業務の處理については、貯金業務の仕事というものは、計算業務、原簿事務、なかなか前後左右に關連の多い仕事でありまして、新しい者を採用しても、なかなか能率が上りません。そろばんの遅い者は達者な者の三分の一、五分の一くらいの能率しかしりませんので、人間を數多く採用してもなかなか能率が上りませんという實情であります。これらの日常業務の積滞等も、戰時中竝び戰後非常に新しい人間がはいつておりますので、能率の低下等に伴いましてかような結果に相なつております。
 その次には貯蓄奨勵の問題でありますが、貯蓄奨勵の必要なことは申すまでもございません。本年度は通過安定對策本部で千二百億の貯蓄目標をきめまして、逓信關係に對しては郵便貯金百六十億を目標にして奨勵をしてもらいたいということでありまして、われわれはこの目標に向つて鋭意努力中であります。
 その次には貯金事業の經營について一應申し上げたいと存じます。先般の内閣の經濟危機對策といたしまして、通信會計獨立採算制が唱えられまして、會計全體として非常な大きな問題になつておりますが、その一部を構成いたしまする貯金事業、これについてもこの獨立採算制の建前からこれを見ればいかになるかということを一應申し上げたいと存じます。貯金に關しまする經費は、本年度成立いたしておりまする經費が十三億五千九百萬圓であります。これが今囘の人件費の増嵩の千八百圓案、物件費約三倍半、旅費が約三倍、その他諸物價の高騰によりまして本年度はさらに非常な經費の膨張を來すのであります。現在のところ二十五億九千二百萬圓、これだけなければどうしてもいけないという計算に相なつております。從いましてさらに十二億三千萬圓ほどの増額を必要とするという状態であります。それで一體貯金は何をもつて収入とするかと申しますと、業務の収入といたしましては振替、それから為替、これらの料金から三億一千四百萬圓、各省の歳入金等を扱いますので、これが九千九百萬圓、それから大蔵省預金部から二十億二千萬圓、その他借入れによらなければならぬと思うのでありますが、一億五千九百萬圓、こういう収入源をもつて二十五億九千二百萬圓というものを考えておるのであります。それで貯金の經費の足りない部分は大藏省預金部からもらうことに相なつております。郵便貯金の金は御承知の通り逓信省で集めますが、これの運用はあげて大藏省預金部に統制されております。この運用の利差をもつて貯金の業務の經營に充てるという建前になつております。それで大藏省の預金部から二十億二千萬圓をもらわなければつじつまが合わぬという状態にあるのでありますが、一體それでは大藏省の運用利差というものはどのくらいあるか、どういうふうな状態になつておるかということを申し上げますと、運用の収入と見らるるものは、郵便貯金は本年度の初頭において四百五十七億圓ございました、これを大藏省がやつております運用の方法でやりますと、利囘り三分四厘六毛、これをかけてみますと十五億八千四百萬圓しかしりません。それで支出はどうなるかと申しますと郵便貯金の利子の支拂い、これが利囘り二分五厘と大體見まして十一億四千四百萬圓、そうするとその運用利差というものは四億四千萬圓しかありません。この四億四千萬圓しかないところから、實は逓信省へ二十億二千萬圓、そのほかに大藏省の事務費等が一億圓くらいかかると思われます。かようなものを賄わなければならないという状態になつております。これは昨年度までは大體において預金としてもかような赤字にはならなかつたのであります。昨年度までは大體運用利差によつて貯金局の經費も賄い得たような状態であります。本年度にはいりまして、殊に最近の社會情勢から俄然かくのごとき數字に轉向いたしてまいりました。これは將來相當な問題であるのでありまして、大藏省はもちろんのこと、われわれ貯金業務の經營擔當者といたしまして、これらの對策については相當考究せねばならぬと考えております。本年度の郵便貯金の運用は、最近大藏省の計畫では、郵便貯金の六〇%を地方債のためにまわして運用するという方針をとりまして、これが利率五分三厘くらいの豫定で計畫をいたしております。ところが一方郵便貯金は本年度それではどのくらい殖えたかと申しますと、實は四月一日から見ますと、かえつてまだ今赤を示しております。はなはだ殘念なことでありますが、二十二年度の初めは四百五十七億九千五百萬圓ところがこの八月五日現在では四百五十三億五千六百萬圓、まだ四月初めよりは四億三千九百萬圓少いのであります。これでは郵便貯金も地方に貸せないという現状であります。郵便貯金のほかに振替貯金もありますが、先ほど申し上げましたようにわずかに十三億圓、これは經營の改革には縁遠い數字でございます。
 次に外地貯金と軍事郵便貯金の概略を申し上げたいと存じます。外地貯金、軍事郵便貯金ともに相當厖大な數字が外地において預入されまして、それが今日國内にもちこまれて、これを處理しなければならない状態に立ち至つております。外地の郵便貯金は朝鮮、臺灣、關東州、樺太、南洋、それから沖繩で、これらについて申しますと、數字はちよつと古うございますが、この四月末の合計で二百十四萬八千口數あります。終戰當時にありました貯金の現在高は十三億五千七百萬圓であります。それから終戰後便宜日本内地の郵便局で、原則として毎月五百圓、特殊な事由のあるものは千圓という制限附で拂渡しを認めております。これによつて拂ひ出されたものが八億九百萬圓、その殘高が五億四千八百萬圓という數字になつております。この數字は内地のわれわれの手もとに到着しました證擔書類の完全なものの數字であります。ところが證擔書類の不完全なもの、もしくは證擔書類の到着しないもので、貯金通帳には記入してあるという郵便貯金が戰後相當あるのであります。まだそれの調査はできておりません。これは將來戰災賠償の問題とからんで、ひとり逓信省一個の問題として切り離してではなしに、解決されるべき問題に相なつております。
 次に軍事郵便貯金について申し上げます。今のは軍事郵便貯金ではなしに、軍人以外の一般の日本人が、日本政府の郵便局に預けました貯金でありますが、軍事郵便貯金というのは、野戰郵便局で軍人軍蜀が預入した貯金であります。軍事郵便貯金は現在帳簿ではつきりいたしておりますものは、預入が四十五億九千五百萬圓、それから拂出しが十三億八千四百萬圓、それで原簿の上で殘となつておりますものが三十二億一千百萬圓あります。ところが軍事郵便貯金も先ほど一般外地預金で申し上げましたように、終戰後にその野戰郵便局が閉鎖されるまで非常に厖大な金をもつていつて預入したのがたくさんあるのであります。その證擔書類がついたものとつかないものとまちまちであります。それで證擔書類のついたものはただいま申し上げました數字の中にはいつておりますが、證擔書類がつかないもの、これがどのくらいあるか。これは推算をいたしたのでありますが、その推算によりますと、まだ殘とみられるものが百三十六億くらいはあるのではないかというふうな一應の推算が得られるのであります。この推算の方法等もさらに吟味しなければなりませんが、一應の資料からあげました數字がかようになつております。それでこの軍事郵便貯金の支拂いについて國家はいかにこれを扱うべきかについてはまだ最後的の決定は見ておりません。さしあたり預入者一人について一千圓までは拂出しを認める。それ以上のものはその貯金通帳とともに國家がこれを保管するという建前をとつております。この後の處理は非常に大きな問題でありまして、將來國民の非常な利害關係を伴う問題でありますから、相當愼重に檢討さるべき問題であると考えます。
 それから次に貯蓄奬勵とも關連いたしますし、もともと動機は貯蓄奬勵でありますが、憲法の改正に伴いまして、從來の逓信省の法規を憲法の精神に即應するようの改正する建前をとりまして、貯金為替關係に關する法律の改正を本議會に出す豫定でございます。郵便貯金法、郵便為替法、郵便振替貯金法、この三法律を提案する豫定でありますので、その節はここでまた御審議を煩わすと思いますから、その點はどうぞよろしくお願いをいたします。その中で特に金額の制限、これが郵便貯金は今一萬圓が最高でありますが、これを三萬圓に引上げること、それから郵便貯金の一つの型として割増金附のものをつくりたいというので、この郵便貯金の創設、これが比較的今までのと違つた内容でありますが、どうぞよろしくお願いいたします。これらの二つとも貯金奬勵に非常に重大な關係をもつておる點であります。それから貯金奬勵に關連しまして利率の引上げ、これは政令できめてよろしいことに相なつておりまして、議會に提出いたしませんが、一般の民間銀行と歩調を合わしまして近く郵便貯金の利率を引上げることにいたしております。六月一日から實行したいと思いましたが、延び延びになつてはなはだ申譯ないと思います。近く實施を見る豫定であります。
 最後に郵便貯金に關する犯罪を申し上げたいと思います。そのうちで金に關する犯罪、これは主として為替貯金の犯罪が多いのでありまするが、新聞でもしばしば報道されまして何とも申譯ないと存じております。われわれ當局者といたしまして極力これの防遏と事前の監督に苦心をいたしておりますが、なかなかその跡を絶たないので、はなはだ遺憾に思つておるのであります。殊に原簿が燒失しましたので、原簿を偽造してからの預金をつくつて詐取する、あるいは金融措置令の違反とか、保管資金の流用とか、いろいろな手段によつて非常な巨額な犯罪が出ておるのであります。昭和二十一年度におきましては部内者によつてなされました、これらの犯罪金額は一千四十五萬圓、部外者によりますものが三百四十三萬圓というような數字を示しております。昭和二十年度、つまり一昨年度におきましては少かつたのでありまして、部内者はわずかに百五十一萬圓、部外者が百二萬圓というような數字でありますが、この點はだんだん逓増の傾向にありましてはなはだ申譯ないと存じます。これは先ほど申しましたように戰災をこうむつて證據書類が不完全であること、外地關係におきましても證據書類が途中で紛失したり、いろいなことで燒失以外面において非常な悪條件がたくさんあるのであります。それに加えて生活難いろいろな問題、その他のフアクターが錯綜して容易に跡を絶たないのでありますが、これらについては極力最小限度に止めるようにいたしたいと思います。大體以上をもちまして私の所管業務の概要を申し上げました。
#4
○長谷川(政)委員 ただいま御説明の中に睡眠貯金という言葉がありましたが、原簿を三四%復舊してそうして本年末までには七〇%完了の見込みで、あとの二〇%は睡眠貯金として處理する。そういうようなお話でありました。そうすると、これは三〇%といいますと、かなりの金額に上り、また口數もかなりの口數に上ると思います。睡眠貯金の性質竝びにそのどういうものであるかという御説明がございましたが、その三〇%をどういうふうに處理するかということをお聽きしたい。
 さらにもう一つは、本年一千二百億の貯金目標を安定本部できめられて、その目標に向つて進むのだという御説明でありましたが、最近私たちの農村方面におきましても、貯蓄心が非常に低下しておる。これにつきまして逓信省といたしましてはどういう具體策をもつて、この低下しておるところの國民に對して貯蓄心を旺盛ならしめるかということを伺いたい。
#5
○村上政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。三〇%の睡眠貯金の點でありますが、睡眠貯金と申しましても、これを直ちに權利が消滅するものとして處理するのではございません。權利消滅は、それの受拂いその他何か時效中斷の事實があつてから、その後まつたく手を染められずに十年間經過した場合に、初めて一應國が催告をいたしまして、返事がなかつた場合に國庫に歸屬するという建前になつておりますので、私が申し上げました睡眠貯金というものがすぐに國庫に没入金となるのではございません。睡眠貯金と申しますと、日常あまり受拂いのない貯金である。一年に一遍か二遍である。人によつては通帳を何冊か持つておりまして、都合のいい通帳で出し入れしておりまして、場合の悪いものはひきだしにしまつておく人があると存じます。そういつたようなものが統計上、またわれわれ擔當者からながめてみますと三〇%くらいに上るのではないかというのであります。
 その次に貯蓄奬勵の問題であります。これはきわめて重大な問題でありまして、この貯蓄奬勵には非常に苦心をいたしております。具體的な方法といたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、できるだけ高額な貯金を吸收するという意味におきまして、最高一萬圓を三萬圓に引上げる。それから利率も高い利率で――これはそう期待はできないかも知れませんが、一般銀行も上げるのだから、これもそれと歩調を合わして利率を高めるという方法、それから割増金附貯金、これは從來も定期貯金というやや公債に似たような貯金がございますが、あの定額貯金の最高額よりもつと高額なものをつくりまして、一年間無利子にいたしまして、その利子をもつて賞金に充てるという方法をとりまする割増金附定額貯金というものを考えて、その法案を提出することにいたしております。これで本年度は二十億の貯金を期待しております。その他積立貯金、一般の團體貯金についてもむろん奬勵はいたしますが、本年度主として重點を注いでわれわれが努力目標にしようと思いますのは、ただいま申し上げました二十億の割増金附定額貯金でございます。一般の方法では將來の實績に徴しまして非常に困難であります。殊に逓信省は簡易保險と郵便貯金と同じ場所でやつております、どつちも貯著奬勵、インフレ防遏を目標といたしておりまするような關係で、あれもこれもというわけにいきません。そんなふうに努力目標を掲げております。大體以上であります。
#6
○長谷川(政)委員 睡眠貯金というのは、これは今度戰災に遭つて原簿がなくなつて初めて生じたものでなくて、從來からもあつたのですか。
#7
○村上政府委員 そうでございます。
#8
○長谷川(政)委員 從來はどのくらいの金額に上つておりますか。
#9
○村上政府委員 ちよつとただいまその數字は記憶しておりませんが、やはり大體三〇%くらいのところが動かない數字と見られます。
#10
○天野委員長代理 この際お諮りいたします。今日は午後一時から逓信施設の視察がありますので、簡易生命保險及び郵便年金に關する事項は次會にまわしていただきまして、これから政務次官より全逓夏季半休問題に關して經過の聽取をいたしまして、それで本日は散會いたしたいと思いますがいかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○天野委員長代理 御異議がないと思いますから、さように決定します。椎熊政務次官
#12
○椎熊政府委員 先般夏季半休の問題につきまして、一般國民に多大の御迷惑をおかけし、殊に當委員會を通じまして、議會に對して少からず御心配をおかけしたことは、逓信當局としてはまことに申し譯けないことと恐縮しております。しかしただいまの状態では、逓信當局としてはまことに申譯けないことと恐縮しております。しかしただいまの状態では圓滿に解決をして、事業状態は從前通りに復歸しておるのでございます。これから經過の大要とその結果を御報告申し上げたいと思います。
 先月の二十六日に閣議の申合せによりまして、夏季半ドンの廢止が決定されました。各省それぞれ全職員に對して指名を發したのであります。逓信省におきましても同樣でございましたが、二十七日に至りまして逓信省におきましては、全逓が中央執行委員會を開きまして、これは勞働協約の違反であるということに中心點をおいて反對の意思表示をし、それに加えて二、三の要求事項などを文書をもつて通告されたのであります。逓信當局はこの全逓の要求に對しまして、非常に愼重なる態度をとりまして、その後數囘にわたつて全逓の幹部と會見いたしまして、穏便に事が解決するように念願し、また説明もし、また勸告もしたのであります。最後に至りまして、今月の一日になつて全逓は書記長をもつて代表者として、逓信大臣以下逓信省の首腦部と會見するということに相なりました。その席上におきまして逓信部内のみならず、一般社會情勢、あるいは今日の政治情勢等をも説明申し上げまして、かなり深い了解を得かたのごとくに私どもは感じておりました。書記長も逓信當局の意のあるところを十分了解せられました。しかしながらなお全逓側の強い要求をも重ねて傳逹せられましたが、歸つて機關を通じて何らか圓滿なる妥結の途を講じたいということでありました。私どもはこの書記長の誠意ある態度と言葉を信じて事の圓滿に解決することを期待したのでございます。しかるに越えて八月の二日になりまするや、全逓の中央執行委員會の結果、當初の要求通り、これは勞働協約違反である。從つて全逓當局が、從前通り夏季半トンをやつていくのが當然だという意味の指令を、全國の組合員に發したということでありました。その指名に基きまして、東京におきましては貯金局、保險局の一部分が半ドンを敢行したものもございました。地方においても多少その指令通りにやつたものもあります。しかしながら一部の地方においては、全逓の中央の指令の内容の意味を解譯するに苦しむ、どうしたらいいのかという問合せの電報等も打つて來たものもあるのであります。從つてまちまちでございまして、全逓全體の組合員一齊に半ドンを敢行したというわけではございません。ほんの一部分とも申されないのでありますが、大半はその行動に疑義をもつて、全體が一致して休んだというふうには申されなかつたのであります。しかしながらともかくもこの厖大なる組織のうちの一部分でも、その指令に基いて、内閣の申合せに反して、半ドンを敢行したということは、そのこと自體、國民全體に對しての御迷惑は莫大なるものであつたろうと思うのであります。われわれ當局といたしましては、すこぶる心痛いたしまして、ただちに善後處置を講すべく、それぞれ全逓と交渉を開始いたしましたが、事すでに指令を發しての後でございましたために、まずこの行動の法的根據、あるいはこれに對する處置等について愼重に私どもは研究いたしました。その研究の途中におきまして、中勞委から私どもの大臣に面會を求められました。そしてそれは三日であつたと記憶しますが、大臣と中勞委の委員長末弘博士と會見いたしまして、つぶさに内容を聽取せられました。私どもは見解通り申し上げたのであります。越えて本月の四月に至りますると、中勞委はこの行動をみずから積極的に仲介の勞をとろう、すなわち爭議行為あるいは爭議行為に至らんとする憂いある場合、希望によつて中勞委がこれを仲介することができるという法文があるそうでございます。その根據によつて、中勞委は、事いやしくも公共の事業に關する重大な事件でありまするから、進んで仲介の勞をとろうというので、四日午後三時を期して逓信首腦部とが同時に中勞委に招致せられまして、兩者に對して、勞働委員會の斡旋委員たるの資格をもつて末弘嚴太郎博士から勸告文をつきつけられたのであります。その勸告文を朗讀いたしますと、勸告の第一は「組合はただちに特別指令第一號を徹囘すること。」第二は「當事者双方は勞働協約第五條の適用を受けない從業員の勤務條件に關し、双方の間に十分了解ができるよう速やかに協議を開始すること」この二個條でございます。これにはこれを説明した理由書もついておりまするが、とにかく主文といたしましてはこの二箇條でありまして、われわれはただちにこの勸告文を受けまして、引續き逓信省内に首悩部の會議を開きまして、省議を決定することに相なりました。その夜午後八時半に至るまで、重大協議を續けました。この第二項の當事者双方は勞働協約第五條の適用を受けない從業員の勤務條件に關し、双方の間に十分了解ができるやう、速やかに協議すること、ということそれ自體には異論がないのでございますが、それを命ずるにいたりました理由書の内容に對しては、われわれはやや見解を異にする點なども、多少なきにしもあらずでありますけれども、大乗的見地に立つて、國民にこれほどの迷惑をかけておるのに、逓信從業員の組合というものは他人ではない、私どもの内輪のものでございます。その内輪の間における問題によつて、全國民に迷惑をかけるということは、忍びないことであるという大乗的な見地から、私ども多少疑義がございましたが、せつかくの中勞委の御勸告でもありますので、全面的に無條件で受入れるべきであるというように、省議が一決いたしました。その夜午後九時をもつて勞務局長を代表者として中勞委に派遣いたしまして、受諾の意思表示をしたのであります。同時にその際全逓に對しましても、事は非常に急を要する問題であるから、君らの方でも即夜通しかかつても執行委員會を開いて、これに對して最後的の決定をしてもらいたいということを、われわれの方からも意思表示いたしました。全逓の方でもそれを諒とせられて、ただちに執行委員會も開く準備をなされた模樣でございましたが、何とも申しましても夜半のことでもございまするし、執行委員會を開くに至る定數が缺けたということによつて、その夜は全逓では執行委員會を開くことができませんでした。越えて翌五日の午前九時から、全逓は執行委員會を開いたのでございます。その結果全逓も、この中勞委の勸告を全面的に無條件で受諾するということを決定いたしまして、その意思表示は當日の午前十一時に中勞委に逹したのでございます。それによつて双方はこの中勞委の勸告を、まつたく無條件で受入れるという態勢になりました。これを受入れると同時に、全逓では組合員にそのことを告知するあらゆる方法をとりました。ラジオの放送等によつてもそのことを傳えたのであります。よつて第一號指名徹囘の指令を全國に徹底したのが六日でございます。それ以來一切の爭議的行為が中止せれまして、平常通りに全員が勤務する状態に復歸したのであります。ここで御説明申し上げなければならぬのは、しからば組合員がただちに特別指令第一號を徹囘する。それは今日の事態、すなわち半ドンを敢行したことをやめるということは、あなた方には當然御了解願える點と思います。第二の、勞資双方は勞働協約第五條の適用を受けない從業員の勤務條件に關し、双方の間に十分了解ができるよう速やかに協議を開始することと、いうことでありますが、私どもの協約の第五條には、こういうことを規定しておるのであります。第五條、勤務時間は一日拘束八時間、一週四十八時間を最長とする。但し現業勤務時間については右の範圍内において甲乙、甲とは逓信大臣、乙とは全逓の代表、甲乙協議の上にきめる、こういうことになつて、これには覺書第三に詳しくその説明もついておるのであります。逓信省は御承知のように現業官廳ではございまするけれども、この拘束八時間勞働をやる、一週四十八時間をやるという實際の現業勞働者は、一日三交代になつて、八時間ずつ三交代制をとつておる。現業官廳でありましても會計であるとか庶務であるとかいうものは、實は三交代をやるの必要がなくて、一般官吏と同樣なる執務時間に從つて勤務しておる。よつて保險局の局員であるとか、あるいは貯金局の局員であるとかいうものは、この勞働協約あるいは勞調法の對象になつておらぬのであります。從つて逓信省部内における執務時間には、一般官吏のすなわち昭和十一年の閣令によるところの一般官吏の服務紀律に從うところの者と、逓信大臣が決定したところの拘束八時間、四十八時間制でやる者とがあります。その間におきまして、あるいは深夜業に從事する者に對する特別手當であるとか、あるいは超過時間に對する手當等のこまかい規定がありまして、それらについてはその職分に從いまして、多少の差がついておるのであります。これらの問題に對して、全逓といたしましては、官吏たるもの一切同一條件、同一時間でやつてもらいたいというのが、逓信事業の主張であつたのでありますが、逓信事業の現實に即して、それが今日までのところは不可能であつたのであります。そこでこの第二は、即刻そういう點が了解いくように、兩者の間で決定せよということであろうと、私どもは了解するのであります。そこで私どもは今度の内閣の措置につきましては、勞働者の勞働時間に關する問題でありまするから、單純に解釋いたしますると、勞働協約、勞働條件というものは、經營協議會その他によつて決定すべきものであろうという、單純解釋もつくのでありますが、私どもは今日の社會情勢を勘案し、法文の解釋からいきまして、一般官吏の服務時間規定に基くものは、内閣の申合せによつて變更されても、それは當然協約違反でないという解釋をとつたのであります。その點について全逓との間に解釋上の相違があります。これらについても將來禍根が殘つていけませんので、その勸告に基きまして本日から――八月八日から全逓代表と逓信省首腦部側との間に協議會を開いて、勞働時間その他勞働條件、なお要求せられたこまかい問題等もございますので、併せて愼重なる協議をきようから開始する。きようは私は十時前に役所を出ましたが、おそらく十時からその會議が開かれておることと存じます。この結論はなるべく速やかに發見いたしまして、そうして今後は兩者の間に解釋上の違いがないように、また誤解のないように、そうしてこれの取極めも單たる一方的の取極めにあらずして、まつたく經營協議會の精神を尊重して、ほんとうの了解のもとにいく方法をとりたい。それを發見したとい努めております。よつて今囘の問題は、たいへん世間を騒がせまして、御迷惑をかけまして、まことに恐縮ではごさいましたが、その間一日二日御迷惑をかけた期間もありましたけれども、これを契機として全逓と逓信省首腦部との間に、より深き了解と協力が成り立つとならば、これまた禍を轉じて福とする原因ともなろうかと存じます。私どもは、全逓とわれわれ逓信當局とは常に對立關係ではないのだ、まつたく部内における同じ仕事に協力するものであると、大精神の上に立つて處理していきたい。こう考えております。國民全般に對する御迷惑の點につきましては、逓信當局として幾重にもお詫びを申し上げます。監督その他について多少遺憾の點があつたのでございましようが、この際速やかなる解決を見た今日におきましては萬事お許しを願いたいと存じます。また勞働協約の法文上の解釋に疑義がある場合には、これは一方的の行動に出られないので、中勞委の裁定を受けるということが規定されておるのですから、今度の場合もそういう手段をとつてもらわねば事ここに至らなかつたとも思うのであります。いずれにいたしましても全逓に對する逓信首腦部の指導陸の點について御批判を受けるならば、私どもは幾重にもお詫び申し上げるよりほか途はないかと思います。右御了承を願います。
#13
○天野委員長代理 それでは本日はこの程度にいたしまして、次囘の會議は公報をもつて御通知いたします。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後零時十分散會
ソース: 国立国会図書館
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