くにさくロゴ
1948/11/16 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 本会議 第12号
姉妹サイト
 
1948/11/16 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 本会議 第12号

#1
第003回国会 本会議 第12号
昭和二十三年十一月十六日(火曜日)
   午前十一時九分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第十一号
  昭和二十三年十一月十六日
   午前十時開議
 第一 副檢事の任命資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)(委員長報告)
 第二 戸籍手数料の額を定める法律の一部を改正する法律案(内閣提出)(委員長報告)
 第三 災害対策に関する補正予算の本國会提出に関する決議案(小川久義君外二十六名発議)(委員会審査省略要求事件)
 第四 樣似漁港並びに冬島、鵜苫両船入ま築設に関する請願(委員長報告)
 第五 増毛漁港拡張並びに船入ま築設に関する請願(委員長報告)
 第六 浦河漁港修築に関する請願(委員長報告)
 第七 政泊船入ま築設に関する請願(委員長報告)
 第八 香深井、元地、知床各船入ま改修工事に関する請願(委員長報告)
 第九 燒尻漁港築設に関する請願(委員長報告)
 第十 鴛泊漁港築設に関する請願(委員長報告)
第十一 漁船保險に関する請願(五件)(委員長報告)
第十二 靜内漁港築設並びに元靜内外一箇所の船入ま修築等に関する請願(委員長報告)
第十三 漁村政策に関する請願(委員長報告)
第十四 香深漁港築設に関する請願(委員長報告)
第十五 太田名部漁港に船だまり場築設の請願(委員長報告)
第十六 襟裳魚田開発及び漁港、船入ま修築に関する請願(委員長報告)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した事件
 一、災害復旧対策に関する緊急質問
 一、災害対策に関する補正予算の本國会提出に関する決議案
 一、日程第四乃至第十六の請願
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。
#4
○千田正君 本員は、この際各地に発生しましたるところの災害に関しまして、政府の対策を聽取するために、緊急質問の動議を提出いたします。
#5
○小林勝馬君 千田正君の動議に賛成いたします。
#6
○議長(松平恒雄君) 只今の千田君の緊急質問の動議に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#7
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。千田正君。
   〔千田正君登壇、拍手〕
#8
○千田正君 私が災害復旧に関しまして緊急質問をいたしますゆえんのものは、今回吉田内閣が成立に当り、国家公務員法改正法律案を通過せしめて即時解散するがごとき意図のあるように、世間が承知しているのであります。吉田内閣が成立いたしましてから、すでに一ケ月になんなんとするのに拘わらず、現実におきまして災害を受けたところの罹災民は、一日も早く何らかの方途を講じて立ち上る意欲を全うせしめるような施策を求めて止まない状況にあるにも拘わらず、未だに追加予算の一片すらも明示されないという点において、私は敢てここに緊急質問をする次第であるのであります。敗戰の痛苦の中から立ち上ろうとするところの国民に対しまして、無情にも震災、風水害と相次いで起る災害に、國民は正に絶望のどん底に陷らんとする際に、何らの十分なる施策を講じ得ずして、何の民主政治と言えましようや。試みに本年の災害の大体を檢討いたしまするときに、本年度における災害の実情は、死者が五千六百八十六各、傷者が一万九千二百六十名、行方不明が六百八十四名、戸数にいたしますと、全壞が六万七千四百六十一戸、半壞が三万二千六百一戸、全燒が四千八戸、半燒は一百七十七戸、流失家屋に至つては八千百二十八戸であります。水害において殊にひどかつたものは床上浸水が七万六千八百五十七戸、床下浸水が十三万七千九百四十二戸、田畑の流失が一万三千五百二十一町歩、冠水が二十五万町歩、道路決壞が三千五十三ケ所、橋梁の流失破壞が二千七百九十八ケ所、堤防の決壞が三千四百五ケ所であります。これに対しまして、本年度の災害に関して関係各省と折衝調査しました結果に誤まりなくんば、本年度の公共事業費の復旧総事業費としましては八百四十七億七千余万円の多額に上ります。これに対しまして國費支弁を要するものが六百二十億八千万円、そのうち本年度追加予算として二百六十三億五千万円を要せねばならない現況でありますが。然るに政府は六十億見当にて押切ろうとする氣配でありますが、要求額の約一割にも充たない有樣で何の復旧ができるでありましよう。かくのごとき貧弱なる予算にて如何なる対策をなされるや。吉田首相の御答弁を頂きたいと思うのであります。
 第二点といたしましては、若し政府が解散した場合、次期内閣成立までの空白時期を暫定予算で一時を糊塗するつもりでありましようか。それとも解散前に、切実なる罹災民の要望に應えて追加予算を計上せられるところの意思あるかどうか。この点において明確なる御答弁を頂きたいと思うのであります。
 次に大藏大臣兼安本長官にお伺いいたします。第一に、前にも申上げました通り、各省の本年度追加予算の要求額は大体二百六十三億、そのうち安本は最低百億を要求し、大藏省は、これに対して六十億に値切ろうとしているのでありますが、大藏大臣兼安本長官であるところの泉山氏が大藏大臣として如何なる方策を採るか。或いは安本長官として如何なる方策を採らるるか。いずれを採つて國民にその信念を問わんとするのでありまするか。その点を明確にお答え願いたいと思うのであります。(拍手)
 第二は、若し大藏案のごとく六十億とせば、安本要求額との差額四十億に対するところの不足を如何にして補うつもりであられるか、如何なる点に重点を置いて、いずれを切捨てて、いずれを取つて、この災害の復旧対策をなさるるつもりであるか、この点につきまして泉山大臣にお伺いいたす次第であります。
 次に、建設大臣にお伺いいたしたいのでありまするが、建設省関係につきましては、第一回國会以來、日本の復興は各省のセクシヨナリズムを拂拭して綜合対策を立てなければ、日本の戰後の復興というものは成立たないという点について、しばしば本院におきましても各議員からの要請があつたのにも拘わらず、未だに綜合対策は立てられておらない、そうして年ごとに災害は増加して行くだけのことでありまして、誠に政治の貧困をさらしておるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)願わくば、新大臣は一切を捨て、この災害復旧に全身を投げ込むところの意思を表示して貰いたい。第一に本年度の災害につきましては、建設省関係は、河川、砂防、道路、住宅、営繕、都市計画等の所管の復旧総事業費は約五百五十一億の多額に上り、そのうち國費支弁は約四百十二億、本年度における原局予算の請求額は百七十八億に上つておりまするが、第三・四半期までの決定額は僅か約十五億に過ぎないという状況に伺つております。かかる少額なるところの復旧費において、果して現下におけるところの罹災地が救われるかどうか、この点に責任のあるところの御答弁を頂きたい。第二には、今月の初め瀬戸内海におきまして、あの周辺の地盤の沈下に伴うとろの高潮の被害が誠に甚大なるものがありまして、この二三日以來、現地罹災民らたびたびの陳情が起つております。この最も最近におけるところの被害に対する報告と、その対策についてお伺いいたしたいのであります。運輸大臣にお伺いいたします。このたびのアイオン台風におきまして、交通運輸上におけるところの最も災害のひどかつた所は、岩手縣の盛岡市と宮古市を繋ぐところの山田線約百キロの大半が流失され、そのうちの三十五キロというものが鉄道有史以來の災害を被むつたのでありまするが、これに対するところの復旧をなさるる意思ありや否や。この沿線の約二十万の住民は、今日主食の配給さえも受取れないこいう悲惨なる状況に喘いでおります。これに対しましても一日も早く復旧して貰いたいという各方面の要求がありまするが、これに対しましては運輸大臣は如何なる方策がありまするか、お答えを頂きたいのであります。若しもこれが予算の不足で復旧できないとするならば、これに対するところの予算を組めるかどうか、この点をお答えを願いたいのであります。第二には、交通の未復旧の間、罹災地におけるところの重要資材の運搬及び生活物資の輸送は如何なる方途においてこれを行わるるか、そうしてこれが完全に罹災地に向けらるる時期はいつ頃になるか、この点において運輸大臣に確信ある御答弁を頂きたい。
 次に農林大臣にお伺いいたします。本年度の災害は、水陸稻耕作地は七十万町歩、麦類の耕作地は十七万町歩、その他六万町歩、合せて九十三万町歩の大なる被害を受けました。而もこれに加うるに水産、林産の被害合口計二百九十二億に上り、本年の復旧費は百一億を要求し、補助要求は七十四億にも拘わらず現在の補助決定額は僅かに五億、緊急融資決定額を合しまして十六億に過ぎないのでありますが、生産の根幹を成すところの農民、漁民は、かかる状態で果して明年の生産に予期した收穫を得らるるや否や、又來年度におけるところの生産が農林省の案に対して期待さるるだけの十分なる成果が求められるや否や、この点に対して、はつきりしたところの施策を立てる意思があられるかどうか、この点につきましても御質問申上げます。
 厚生大臣に対しましては、本年度の災害に対しては災害救助法案を適用されまして應急の処置はやや見るべきものがありましたが、その後衣食住の中の衣料の配給に関しまして、罹災地において非常な不満を買つておるのであります。尚蒲團或いは毛布、こういうものは殆んど闇値に近い値段で配給されておる。而も災害救助法によりますると、現金に換えてこの毛布或いは寝具を與えておる、而も二千円、三千円という額に相当するものと称して與えておりまするが、これはもう災害救助法案は羊頭を掲げて狗肉を賣るの法案に過ぎない。こういうような状態においては厚生施策というものは徹底しないということを我々は感ずるのであります。この点について今後如何なる方策を執られるつもりでおりますか、この点厚生大臣にお伺いいたします。
 更に冷寒の地におきまするところの罹災民は住宅に悩んでおります。然るに本年度の罹災地に対するところの住宅は、三千戸の要求に対して一千百戸しか建築することは罷りならんという決定だそうであります。三千戸の戸数のただの三分の一にしか過ぎないところのこの建築で、果してこの罹災民が救われるかどうか、これに対する善処する方法はありや否や、この対策をお伺いいたします。
 又もう一つ國民保健上由々しい問題としましては、住宅の不足のために各所に分住しておる罹災民に対するところの衞生設備が全然なつておらない。そのために將來あらゆる傳染病その他の病気が発生する虞れがあります。併せてこの罹災地におけるところの診療所若しくは病院、そうした医療設備の復旧は全然未だ手を着けられておらん。こういう点に対して厚生大臣は如何なる施策を執られるか、この点についてお答えを頂きたいのであります。
 以上各省に亘つて御質問申上げましたが、今日の一億を惜んで明年の数百億の災害を再び招かんとするならば、その責任はいずこにありや。私は現内閣、吉田内閣がすべてを捨ててもこの災害復旧に対するところの予算は本会期中に提出して、一日も早く罹災民の生活安定を期さねばならない、その責任の帰趨は吉田首相始め各省大臣にあるということを私は敢て再び申上げて、私の質問に対する明快なる御答弁を頂きたいと思うのであります。私の質問はこれで終ります。(拍手)
   〔國務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
#9
○國務大臣(吉田茂君) お答をいたします。御質問の趣意は誠に御尤もであります。又政府といたしましても各地の深刻な罹災状況については、いろいろと承知をいたしておることもあり、誠に同情に堪えないのであります。故に組閣以來この救済等については頻りに各省とも連絡をとり、又交渉もいたし、財源等においても当局において頻りに研究いたしております。成案を得次第、國会に提出いたして御協賛を得たいと、こう考えております。(拍手、「答弁にならんぞ」と呼ぶ者あり)
   〔國務大臣益谷秀次君登壇、拍手〕
#10
○國務大臣(益谷秀次君) 只今の御質問にお答をいたします。
 第一点は災害対策に対する総合計画の樹立を要望いたされた趣旨であると拜聽いたしたのであります。この点は國会において強い御要望があり、政府におきましても、特に建設省といたしましても、総合計画を樹立して、そうして根本的に災害対策を樹立いたさなければならんという考えを以て、この方向に今努力いたしておるのであります。これには申すまでもなく、國会における強い御要望でありまする建設行政の統一というような問題も起つて來るのであります。私共も十分にこの点は國会の意思を体して努力いたす覚悟でありまするから、今後皆さん方におかれましても一層の御協力を賜わりたいと存ずるのであります。
 第二点は、今年の災害應急対策についての十五億の対策費で十分かどうかという御質問のように拜聽いたしたのであります。申すまでもなく昨年來、台風、豪雨によつて多数の人命を損じ、田畑を破壞し、そうして非常な全國各地に惨害を及ぼしたのは、誠に國家再建のために遺憾に存ずる点であります。政府におきましては一日も速かに災害を復旧いたし、そうして国家再建のために努力いたさなければならんと考えております。遺憾ながら國家の財政の上から、昨年は御承知の通り災害復旧に対しては僅かに四割の復旧をいたしたに過ぎなかつたのであります。六割が残つたのでありまして、そのために本年の雨のために一層惨害を多くいたしたという事情になつておるのであります。この点につきましても建設省といたしましては、大体政府に対して本年度約百二十億以上の予算を請求いたしておるのであります。ただ併し今日の國家財政等から見まして、取敢えず應急的の緊急な復旧という点から鑑みまして、これを圧縮いたして取敢えず五十一億二千万円の要求をいたしておるのであります。そうしてこれを予算化するために努力いたしたいと存じておるのであります。
 第三は、瀬戸内海におけるところの地盤の沈下、これに対して如何に処置するかという御質問のように拜聽いたしました。申すまでもなく、これについては昭和十三年度、二十四年度におきまして、二ケ年で八億三千万と記憶いたしておりますが、これだけの費用を出して、これを回復復旧いたそうという計画を立て、本年は三億円をすでに予算といたして決定いたしておるのであります。然るに更にこの瀬戸内海或いは和歌山縣等において、地盤の陷没というようなことで非常に復旧を急がれるという事情に差迫つて参つたのであります。大体この復旧費用は十九億と算定いたしております。來年度においては是非ともこの復旧に努力いたして、年度において予算化して復旧に努めたいと存じておるのであります。
 次に私に対する御質問ではありませんでしたが、厚生大臣に対する質問のように聽いたのでありますが、住宅の問題であります。住宅の問題は建設省の所管でありまするから、私に対する御質問ではありませんが、私からこの点についてもお答えを申上げて置きたいのであります。北陸震災等においては、御承知の通ら政府が斡旋いたしまして預金部から金を借りまして、地方公共團体に斡旋をして地方公共團体が借り、それを委員会を設けまして、そうとして各被害者と申しまするか、その人に貸付をいたす処置を取つておつたのであります。而してこの水害その他の災害に対してもこれと同じ方法を取つたと考えまして、その方面に対しても建設省といたしましては今交渉中でありまするから、これも是非とも実現いたしたいと存ずるのであります。以上大体私に対する御質問に対してお答を申上げる次第であります。
   〔國務大臣小澤佐重喜君登壇、拍手〕
   〔「しつかりやれよ」「実のある答弁を頼む」と呼ぶ者あり〕
#11
○國務大臣(小澤佐重喜君) 千田正君の御質疑中、運輸省の所管に属する分を御答弁申上げます。お話のように先般のアイオン台風によりまして、殊にとのお示しの岩手縣の山田線に大きな被害を受けまして、その結果、地元沿線の住民諸君が非常な困苦欠乏に堪えながら目下その窮状を訴えておるという事情は、誠に御同情に堪えません。從いまして運輸省といたしましては、鋭意この山田線の復旧復興に全力を注いで参つたのであります。併しながらこの被害が非常に甚大でありまする関係上、これを急に回復することのできないことは非常に遺憾であります。從つて運輸省といたしましては大体これに対する復旧を三段階級程度に考えまして、第一には恒久的な根本対策、第二には差当りの應急対策、第三にはやや恒久的な應急対策というような見地から、鋭意復興に努力をいたしておるのであります。例えば盛岡――松草間はすでに開通を見ておりまするし、松草――平津戸間は大体十二月中ぐらいに復旧の見込であります。更に宮古――茂市間も大体明年の三月頃には復旧いたして鉄道の運轉を開始する予定であります。ただこのお示しの平津戸――茂市間は約三十五キロでありますが、非常大きな破損でありますので、仮に参これを今までの通りに復旧をいたしましても、又明年になりまして同一の雨量がありましたならばなのでありますので、これに対しましては単なる復旧というよりは大きく改良的見地から根本的な復旧施策をめぐらしたいという考えの下に、省内におきましては、これに対する根本的な復旧調査班というものを設置いたしまして、この調査班があらゆる角度から、即ち治山治水等も深く研究いたしまして、根本的に、いわゆる復旧工事というよりは改良工事の下に、本線を全部開通いたしたいと存ずるような次第であります。これに対してこの三十五キロの開通までの間に、先ず第一にモーター・カーを走らせまして、そうしてこのモーター・カーは勿論一般の乘客の利便に供するのではありませんが、こうした特別の場合でございまするから、これを利用しながら差当りの地元沿線のいわゆる生活安定のために何らかの便宜を図るということを第一次的に考えております。第二次的には茂市――平津戸間は道路が近い中に開通さるるということを承わつております。果してそれが眞であるといたしますならば、差当りこの臨時の省営バスをこの茂市――中津戸間に運営いたしまして、そうして鉄道が根本的に復旧するまでの間、いわゆる第二の應急処置としてやろうという計画の上に着々その方向に進んでおります。尚いろいろ地元民の窮乏を應急的に処置するために、私営バス、省営バス等もこの線に止まらず、宮古――盛岡間を連結するため、或いは沿線の住民に物資を供給するために、万全の策を講じつつあるということを御了承願いたいと存じます。(拍手)
   〔國務大臣周東英雄君登壇、拍手〕
#12
○國務大臣(周東英雄君) 千田さんの御質問に対して私の所管する点についてお答えを申上げます。お話の通り本年の各地に起りました災害によりまして農山漁家の被むりました被害というものは誠に甚大でありまして、誠にお氣の毒に堪えない次第であります。政府といたしましては、農山漁家の生活安定から申しましても、亦倉糧その他の増産確保からいたしましても、この復旧に対しては最も重点を置いて施策いたしたいと目下努力いたしておる次第であります。從つてこれに対しましては應急並びに恒久両方面に施策いたす考えでありまして、先ず融資の面と財政の面とを考えております。先に預金部の資金を活用いたしまして、地方財政と睨み合せまして、農林省関係の耕地その他の施設に対する復旧資金として約十億くらいの枠内において一應融資のことを決定いたしておりまするが、更にアイオン台風以後、この九月以降に発生しました風水害等に対しましては、先ず農山漁家又は炭燒等に対する営農資金或いは炭燒窯に対する補助、融資を主として地方の森林を中心といたしまして貸付け、不足は農林中央金庫からその補填をさせるように考えておりまして、差当つて四億の枠内において融資を決定いたしております。更に長期資金といたしましては、漁業復興資金の活用並びに復興金庫に対する融資を目下考えておる次第であります。更にこの復旧事業に対する財政的処置といたしましては、お話のように相当被害が甚大であります。可なり大きな耕地の復旧、林地の復旧、水産施設等に対する要求は多いのでありまするが、いろいろ緊急必要な点に圧縮いたしまして、農林省関係といたしましては、耕地、水産、林業等合せまして約七十四億余りを目下予算として要求いたしておる最中でありまして、私は鋭意この線に沿いましてその実現方について努力いたすつもりであります。(拍手)
   〔國務大臣林譲治君登壇、拍手〕
#13
○國務大臣(林譲治君) 九月十六日の大暴風雨によりましての宮城縣或いは岩手縣の災害を私も親しく拜見をいたしましたので、誠に御同情に堪えないと考えたわけであります。政府といたしましては先に中央救助対策協議会を数次開きまして、そうして各省の緊密なる連絡の下に、災害救助法の定めるところに從いまして、應急の救助対策は遺憾なきを期したというつもりでおるのであります。併しながら先程のお話の中に衣料の問題につきまして甚だ遺憾のお話を伺つたのでありますが私未だ寡聞にいたしましてその闇のごとき値段を以て配給いたした事柄については、今日においては存じておりません。十二分に調査をいたして見たいと考えます。尚政府におきましては被服、寝具、日用品などにつきましては、災害の発生と同時に中央より必要量を送付いたしたのでありますが、その後、衣料品については、昭和二十三年度非常災害用衣料切符のうち、中央保留分から家屋の全壞流失を被むつた被災者などに対しましては、それぞれ或いは一人に対して五十点であるとか、半壞、床上浸水を被むつた方々には十五点であるとかというような基準に基きまして、特別の割当を行なつて、岩手縣には約百五十万点、宮城縣には百万点の衣料品の特別の割当をいたしたような実情にあるのであります。尚今後におきましても各縣と共に緊密なる連絡をとりまして、全般について適当な処置をとつて見たいと考えるのであります。尚建築の問題につきましては、建設省の所管大臣がお話を申上げるので私は省略いたします。
   〔國務大臣泉山三六君登壇、拍手〕
#14
○國務大臣(泉山三六君) 千田議員のお尋ねにお答え申上げます。
 災害復旧の問題は國民として誠に重大なる関心事であり、又特にその施工につきましては或いは地域により特別の関係もありますので、政府といたしましては時を移さず災害の現地に係官を派遣いたし、災害の実情を調査すると共に、これが適切なる復旧対策を講ずることに全力を挙げたのであります。災害の復旧に要しまする経費につきましては、既定予算の中から相当の金額を繰替支拂いすると共に、預金部並びに民間金融機関を動員いたしまして、相当程度の資金配付に努めて参つたのであります。併しながら何と申しましても、既定予算のやりくりや金融力の動員ではおのずから限度がありまするので、本國会に追加予算を提出いたすべく鋭意その準備を急いでおる次第であります。併しながら只今千田議員の御指摘のごとき計数につきましては、予算の総合的均衡を保つ必要の、あります関係上、各般の事情を併せて檢討中でございまして、尚未だ正確なる計数を得るまでには至つておりませんが、できますならばお示しの金額以上の財源を充足せしめたく、目下建設省始め各省と連絡を密にいたし、速かに最後的決定を急ぎたいと努力中であります。右御了承願います。(拍手)
     ―――――・―――――
#15
○議長(松平恒雄君) この際議事の都合により日程の順序を変更し、日程第三、災害対策に関する補正予算の本國会提出に関する決議案(小川久義君外二十六名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とするとに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。本件は発議者小川久義君外二十六名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。これより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。三好始君。
   〔三好始君登壇、拍手〕
#18
○三好始君 只今上程せられました災害対策に関する補正予算の本國会提出に関する決議案につきまして、発議者を代表して簡單に決議案の趣旨を御説明いたします。
 先ず最初に決議案を朗読いたします。
  決議案
  本院は各地に発生せる災害対策の緊急性を認め、これに対し、政府は速かに対策を予算化し、本國会に提出せられんことを要望する。
 右決議する。
 これが決議案であります。戰時中以來の治山治水施設の荒廃と引続く天災によりまして、終戰後殆んど連年に亘りまして各地に水害その他の災害の発生を見ておることは、すでに御承知の通りでありますが、最近におきましても相次いで災害の発生を見ておりますことは、先程の緊急質問並びに政府の答弁によつても推測し得るところであります。從つて私はここに被害の状況を繰返して指摘することは省略さして頂きますが、これが対策につきましては、一方において拔本塞源的な恒久対策を必要とすると何時に、地方におきまして、應急的に緊急対策を必要とすることも争われない事実であります。即ち罹災者の生活確保、農地その他生産施設並びに通路、河川、橋梁などの應急復旧、危險箇所の処置などが速かに講ぜられねばなりません。
 ところがアイオン台風以後最近までに発生いたしました災害に対しましては、公共事業費は第三・四半期認証後であり、既定経費の繰替にも多くの期待がかけられず、予備費の残額も僅少でありますので、補正予算の成立を俟たなければ、実質的な措置はできない状況にあると認められるのであります。ところが本國会の会期も残すところ二週間でありまして、政府の熱心な御希望にも拘わらず、災害対策の緊急予算につきましては必ずしも樂観を許さないものがあると存ずるのであります。而も補正予算の成立が一日も早く実現することを待望しております罹災地の状況は、予算措置を第四國会に延期することを許さない実情にあると認められますので、政府に対しまして、先程承わりましたごとく、折角進められつつあるところの災害緊急対策の予算化を急ぎ、速かに補正予算を本國会に提出せられんことを要望いたす次第であります。
 右のような事情から、先程成案を得次第に災害対策の予算を提出する予定があるという言明を吉田首相から得ましたことは、少しも本決議案の不必要を示すものではないと思うのであります。我々はここに国民を代表する本院の決議を通じて、災害緊急対策の重要性を強調し、補正予算提出に関して政府を鞭撻し、且つ要望する次第であります。ここに提出せられました短かい決議文の背後には、罹災に苦しむ多数の國民と、災害復旧に日夜頭を悩ましておられる多数関係者の血の滲むような切実な要望のあることを御了承頂きまして、何とぞ満場の御賛成あらんことをお願いする次第であります。簡単でありますが、以上を以て提案の趣旨説明といたします。(拍手)
#19
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#20
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本決議案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#21
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更し、日程第四より第十六までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水産委員会理事尾形六郎兵衞君。
   〔尾形六郎兵衞君登壇、拍手〕
#23
○尾形六郎兵衞君 只今議題となりました請願第五十一号外十六件につきまして水産委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 請願第五十一号、同じく六十九号、同じく九十五号、同じく九十六号、同じく百八号は漁船保險に関する請願であります。説明がありました。即ち海上保險は生命保險と違い不側の素因を多分に持つているから、不時の欠損に應じ得る準備をして置かねばならぬ。然るに漁船保險は立法当時からその準備が不完全であつたために、敗戰後、人と物との荒廃で漁船の海難事故が頻発するや、忽ちにして漁船保險事業は收支のバランスを失い、赤字続出し、漁業者が唯一の頼りとしていた保險金の支拂は半年も遅れ、その上、建造修理費は日ごとに高騰するので、漁業者の困惑は目に余るものがある。かくて漁業者は、政府の再保險額が九割というので、恰かも大船に乘つたつもりで安心しておつたのでありますが、あに図らんや、その保險金はなかなか貰うことができない。從つて新船建造も修理もできないという有樣である。仄聞するに、保險金支拂の遅延は政府の再保險特別会計に資金が不足しておる結果である。そもそもこの保險制度は漁業の保護と発達のため制定せられたものであるにも拘わらず、今やその政府保險の安い保險料と早い保險金の支拂という二大特色を失い、何らの魅力も持たないものと化し、その前途は誠に憂慮堪えない状態に陷つているのであります。事情右のごとくであるから、漁船保險に対し次の対策を講じて貰いたい。一、政府は、速かに未拂再保險金を支拂うに十分な金額を一般会計から繰入をすること、二、政府は漁船保險組合に対し毎年相当額の補助金を交付すること、以上であります。
 この請願に対し、各委員の発言要旨を申上げます。政府の漁船保險制度は発足当時からいろいろ改善されて來たにも拘わらず一向に振わない原因は、恐らく次の三点にあると思う。第一は、海難に際しての救助が敏速を欠くこと、第二は、救助費や保險金の支拂が遅いこと、第三は、手続が面倒であり、官僚式であること等であります。政府はこの三点を十分に改善し、特に一般会漁船保險特別会計に繰入する等の方よつて、右の特別会計を充実し、速かに保險金を支拂うよう措置すべきであるというのが、委員発言の要旨でありました。この請願は、採決の結果、全員一致を以て採択し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
 次は第六十二号、漁村政策に関する請願であります。十一月十日と同じく十一日の水産委員会で審議いたしました。即ち三重縣漁民三万の自主的意思によつて組織されましたる漁村振興会の決議によつてものでありまして、第一は、生産資材の完配又は実情に即した魚價の設定及び資材の入手手続の簡易化、第二は、漁業協同組合法案並びに改正漁業法の早急なる上程、第三は、水産加工冷凍設備に対する國庫補助金の交付ということであります。右に関し農林当局からの説明があり、各委員と政府当局との質疑應答がありましたが、これは省略いたします。採決の結果、議院の会議に付し、意見書を付して内閣に送付すべきものと決定いたしました。
 次に、請願第三十五号外十件は漁港修築に関する請願であります。紹介議員木下源吾君、千田正君からそれぞれ説明がありました。
 請願第三十五号、様似漁港並びに冬島、鵜苫両船入ま築設に関する請願であります。同港は、北海道日高地方沿岸中、特に魚族の豊富な樣似沖合の魚田開発上重要地帶であり、又避難港として重要であるから、國庫補助により速かに修築をせられたいというのであります。
 請願第三十六号は増毛漁港拡張並びに船入ま築設に関する請願であります。即ち増毛町附近の海面は北海道第一の「にしん」漁業の中心であり、漁船も多いが、港内が狭隘で支障があるから、速やかに漁港の拡張、船入まの築設を実現せられたいというのであります。
 請願第三十八号は、政泊船入ま築設に関する請願であります。同港は、昭和十一年國費で小漁港として築設されましたが、浚渫が不十分で漁船の入漁並びに收容に不便が多いから、防波堤を含む総合的築設工事を國費補助の下に施行されたというのであります。
 請願第四十七号は、燒尻漁港築設に関する請願であります。同港は狭隘で漁船の收容能力が需要の十分の一にも達しない現状で、「しけ」の場合、漁獲物の全部を放棄して避難することが多いから、速かに國庫補助の下に修築をせられたいというのであります。
 請願第四十八号は鴛泊漁港築設に関する請願であります。同港は北海道の宝庫である魚田を控え、近時各方面の漁業者に注目せられておる上に、交通運輸の点から見ても、亦避難港としても重要であるから、速やかに修築國庫補助の下にせられたいというのであります。
 請願第五十五号は靜内漁港築設並びに元靜内外一ケ所の船入ま修築等に関する請願であります。同港は日高國の中央に位し、海陸共に豊富なる天然資源を保有しておるが、交通路線の不備と船入ま施設の貧困が発達の遅々たる原因となつておるから、國庫補助によつて速かに修築をせられたいというのであります。
 請願第七十三号は香深漁港築設に関する請願であります。同港は二十三年度から工事施行をすることになつておるが、南堤と北堤は防波する何物もないので、強風の場合波浪を眞正面から受け、漁船の出入、碇泊不能又出漁操業もできず、無盡の魚田を傍観するばかりであるから、速かに築設を完成されたいというのであります。
 請願第三十七号は浦河漁港修築に関する請願であります。同港は釧路――室蘭間唯一の重要漁港であつて、その整備如何は沿岸町村の消長に影響するばかりではなく、我が國水産業の進展上重要であるから、速かに拡張工事の実行を図られたいというのであります。
 請願第三十九号は香深井、元地、知床各般入ま修築工事に関する請願であります。同港は天與の漁田と、あらゆる魚族に惠まれた離島であるが、漁村の生命である船入まが昭和六年に築設されたままであつて、再度の災害によつて防波堤の決壞等大なるものがあるから、速かに改修工事をせられたいというのであります。
 請願第七十六号は太田名部漁港に船だまり場築設の請願であります。同港は岩手縣の宮古と八戸港の中間にある漁港で、好漁場に惠まれて漁獲高も多いが、漁港不完全のために遠く宮古又は八戸に寄港しなければならない状態であるから、速かに修築せられたいというのであります。
 請願第九十三号は襟裳魚田開発及び漁港、船入ま修築に関する請願であります。同港は北海道漁業の生産高が逐年低下しておる際に、新資源開発の点から見て好漁場を有する日高沖合の好魚田に近接しておるので、速かに國庫補助によつて築設せられたいというのであります。
 右十一港に関して政府当局から、これらのうち運輸交通上重要なるものについては、運輸省がすでに計画しておるものもあり、又農林省においても漁港として予算化しておるものもあり、いずれも漁業生産上重要であるという説明がありました。而して愼重審議いたしましたところ、千田委員から、國の公共事業中、運輸省関係避難港の修築は國庫補助七割に、又建設省関係の河川、道路は五割に対し、農林省の漁港の國庫補助が四割となつており、不公平であるという意見があり、これに対し強力なる論議が戰わされましたが、これは省略いたします。
 以上採決いたしましたところ、右はいずれも妥当であるから、議院の会議に付し、意見書を附して内閣に送付すべきものであると決定いたしました。以上御報告申上げる次第であります。(拍手)
#24
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は委員長の報告の報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#25
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午後零時六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト