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1948/11/10 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 法務委員会 第2号
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1948/11/10 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 法務委員会 第2号

#1
第003回国会 法務委員会 第2号
昭和二十三年十一月十日(水曜日)
   午後二時三十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○副檢事の任命資格の特例に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
○戸籍手数料の額を定める法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出)
○訴訟費用等臨時措置法の一部を改正
 する法律案(内閣送付)
○罹災都市借地借家臨時処理法第二十
 五條の二の災害及び同條の規定を適
 用する地区を定める法律案(内閣送
 付)
○下級裁判所の設立及び管轄区域に関
 する法律の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤修君) それではこれより法務委員会を開会いたします。
 当委員会に付託となつております副檢事の任命資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題に供します。
 先ず政府委員の本案に対するところの提案理由並びに内容の説明をお伺いいたします。
#3
○政府委員(木内曾益君) 副檢事の任命資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申上げます。
 副檢事につきましては、御承知の通り二級の檢察官たる資格を有する者の外に、檢察廳法第十八條、第二項において「高等試験に合格した者」、及び「三年以上政令で定める二級官吏その他の公務員の職に在つた者」で「副檢事選考委員会の選考を経たものの中からもこれを任命することができる」のでありまするが、この任命資格を有する者を以てその定員を充たすことが困難でありましたので、第一回國会において副檢事の任命資格の特例に関する法律を制定しまして、その「施行の日から一年以内に限り、副檢事は「檢察廳法第十八條第二項の規定にかかわらず、副檢事の職務に必要な学識経験のある者で副檢事選考委員会の選考を経たものの中からもこれを任命することができる」ものといたしまして、檢察事務官、警察官等より廣く人材を登用することにいたしたのであります。その後政府におきましてはこの特例法律によりまして鋭意副檢事の充員に努力して來たのでありまするが、現在までに二百三十七名を任命し得たに止まりまして、正規資格により任命せられました、百十八名を加えましても、定員五百三十名に対して尚百七十五名の欠員を残しておる状態であります。而も刑事訴訟法に伴いまして、檢察事務はますます多忙となることが予想せられるのでありまして、檢察官の増員は必至でありまするが、これを檢事のみをもつて充たすことが到底困難でありまして、その大部分は副檢事を以てこれに充てなければならない次第であります。これらの副檢事を任命いたしますには、今後も任命資格の特例によらなければならないのでありまするが、この特例法律は、本年十二月十七日以後はその効力を失うことになつておりますので、これを更に一年間延長することといたしまして、この現状に対処いたしたいと思う次第であります。以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。何卒愼重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
#4
○委員長(伊藤修君) 別に御質疑がなければ質疑は……。
#5
○鬼丸義齊君 質疑はありますが、今日中引続きまして質疑をしていいですか。
#6
○委員長(伊藤修君) 又改めて質疑をして頂いてもよろしいのですが、……よろしいですか。
#7
○鬼丸義齊君 後日でよろしいです。
#8
○委員長(伊藤修君) よろしうございますか、じや本法に対する質疑は後日にすることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(伊藤修君) ではさよう決定いたします。それでは次に本委員会に本付託となりました戸籍手数料の額を定める法律の一部を改正する法律案を議題に供します。先ず政府委員の本法案の提案理由並びに内容の御説明をお願いたします。
#10
○政府委員(佐藤藤佐君) 戸籍手数料の額を定める法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
 戸籍手数料の額は、咋昭和二十二年政令第二百一号で同年十月一日から五円に増額され、右政令はそのままの内容で、本年六月戸籍手数料の額を定める法律に切り換えられ現在に至つているのでありますが右増額以来、物價の騰勢は依然として続き、日本銀行統計局作成の物価價指数表により、例を東京小売物價及び同卸買物償にとつて見ましても、右増額当時に比べ、いずれも二倍以上となつており、又戸籍の謄、抄本を作成するに要する実費を、実地について調査いたして見ましても、昨年の約三倍となつておりまして、現行手数料を以ては、戸籍の謄、抄本を作成するに要する実費を償うにも足りない状態であります。
 このため戸籍事務に要する経費を負担しております地方公共團体の財政的負担は、いよいよ大きく、この際戸籍手数料の額を増額をいたしますことは、諸経費の増大に悩む地方公共團体の強い要望に答え、延いては戸籍事務の円滑な運営を計るゆえんでもあります。よつてここに戸籍手数料の額を増額するためこの法律案を提出した次第であります。
 以下その内容の概略を申し上げますと、戸籍手数料の額を定める法律第二條は、閲覧手数料に関する規定でありまして、現在戸籍簿、除籍簿届書その他市町村長の受理じた書類、又は戸籍訂正申請書類の閲覧手数料は、一回につき五円と定めておりますがこれを十二円に増額いたします。
 同法第三條は謄、抄本交付手数料に関する規定でありまして、現在戸籍又は除かれた戸籍の謄本又は抄本の交付手数料は一枚につき五円と定めておりますが、これも十二円に増額いたします。
 同法第四條はいわゆる記載事項及び受理証明の手数料に関する規定でありまして現在右謄本若しくは抄本の記載事項に変更がないことの証明、戸籍若しくは除かれた戸籍に記載した事項に関する証明、又は届出若しくは申請受理の証明書、届書その他市町村長の受理した書類、若しくは戸籍訂正申請書類の記載事項の証明書の交付の手数料は一件につき五円と定めておりますが、これも亦十二円に増額することにいたしました。
 右増額の割合は、大体現在の二倍半足らずでありまして、前述の物価價指数と戸籍謄、抄本作成に要する実費を標準といたしました。以上がこの法律案提案の理由であります。何とぞ愼重御審議の上速かに可決せられんことをお願い申上げます。
#11
○委員長(伊藤修君) 本案に対する質疑も他日に譲るに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(伊藤修君) ではさよう決定いたします。
 次に本委員会に予備審査のために付託せられましたところの、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題どいたま乏先ず政府委員の本案に対する提案理由の説明並びに内容の御説明を願います。
#13
○政府委員(佐藤藤佐君) 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申上げます。
 民事、刑事の訴訟費用及び執行吏手数料等は、御承知の通り、それぞれ民事訴訟費用法、刑事訴訟費用法及び執達史手数料規則の三法律に規定されているのでありますが、戰時中の諸物價の高騰に應じて、臨時的にこれらを増額するため、訴訟費用等臨時措置法が制定され、更に引続く諸物價の高騰に伴い一昨年九月及び昨年十一月と再三増額を見たのであります。
 然るに、その後一年間の経済情勢の変遷は、眞に甚だしく、例を日本銀行統計局調査の東京における小賈物價指数にとつてみましても、本年七月の物價は、昨年同期の物價に比して約三倍の高騰を示し、現行手数料等の額は、全く実情に副わぬものとなりました。このため民事、刑事の訴訟関係者は、非常に重い負担を強いられるに至り、又執行吏は現在の收入を以てしてはその生計を維持することが極めて困難な状態にありまして、延いては民事、刑事の訴訟や強制執行制度の円滑な運行にも支障を来たす虞がある状態に立ち至つているのであります。よつて政府はこの際更に暫定的に右手数料等の額を増額して、現状を打開するためにこの法律案を提出いたした次第であります。
 以下改正の要点を申上げます。
 第一は民事、刑事の訴訟費用及び執行吏の手数料等を現状に印するように増額した点でありまして、今回の改正の眼目とするところであります。増額の程度は物價指数により大体現行の二倍半から三倍程度にいたしました。但し旅費、日当、宿泊料も同じく現行の三倍程度の増額になつていますが、その算定の基礎は、事の性質上諸官聽における内國旅費支給規定に準じてこれを定めたのであります。第二條、第三條、第四條第一項、第四項及び第五項の改正規定が即ちそれであります。第二は、執行吏の差押及び競費手数料の計算方法を改めた点であります。この手数料は、債権額又は競資金額の多寡に感じて定められるものでありまして、現行法では手数料計算の標準となる債権額又は競資金額を五万円以下六段階に分けてあるますが、現在ではこの分け方はすでに細かきに過ぎ、且つ五万円を超える場合に適当な段階が設けてないため手数料の算定に適正を欠く憾みがありますので、今回の改正では十万円以下を六段階に分け、且つ一事件の平均金額の騰貴及び手数料逓減率等を考慮しまして、各段階毎に適当な手数料額を規定することにいたしました。第四條第二項及び第三項の改正規定がそれであります。
 以上がこの法律案提案の理由であります。何卒愼重御審議の上速かに可決せられんことをお願い申上げます。
#14
○委員長(伊藤修君) では本案に対しましては、前通り後日質疑を継続いたしたいと思います。
 次に本委員会に予備審査のために付託せられましたところの罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案を議題に供します。先ず本法案の提案理由並びに内容の御説明を政府委員にお願いいたします。
#15
○政府委員(佐藤藤佐君) 罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案の提案理由を御説明申上げます。
 罹災都市借地借家臨時処理法は、或いは罹災建物の旧借主に優先的に借地権を取得させ、或いは罹災地の借地権で今後存続させる意思のないと認められるものを、貸主の側から消滅させる等の途を開き、これらに関連する借地借家関係を調査して、職事による罹災都市の急速な復興を図ることを目的として制定されたのでありますが、同法第二十五條の二の規定によりますと、戰災の場合のみならず、別に法律で指定した火災、震災、風水害その他の災害の場合にも同法の規定を適用して、かかる災害地の復興の促進に資することとなつております。そしてその適用地区は同法第二十七條第二項の規定によりますと、これ亦災害毎に別に法律で定めることとなつているのであります。
 昭和二十三年六月二十八日北陸地方に起つた震災及びこれに伴つて発生した火災、同年七月二十四日福井地方に起つた水害並びに同年九月十六日東北地に起つた風水害につきまして、その被害状況及びこれらの地区における借地借家関係等を愼重に調査檢討いたしましたところ、これらの災害につき同地区にも罹災都市借地借家臨時処理法の規定を適用することといたしますのが、同地区の住民に一日も早く安住の場所を與え、同地区を速やかに復興させるゆえんと考えられますので、ここに本法律案を提出いたした次第でございます。
 何卒愼重御審議の上速かに可決せられんことをお願いいたします。
#16
○委員長(伊藤修君) 本案につきましても質疑は前同様後日にいたします。
 次に前同様、本委員会に付託されました下級裁判所の設立及び官轄区域に関する法律(昭和二十二年法律第六十三号)の一部を改正する法律案の提案理由並びに内容の御説明を伺います。
#17
○政府委員(佐藤藤佐君) 下級裁判所の設立及び管轄区域恒関する法律(昭和二十二年法律第六十三号)の一部を改正する法律案につきまして御説明申上げます。
 この法律は、新憲法第七十六條第一項及び裁判所法第二條第二項の規定に基き、高等裁判所以下の下級裁判所の設立及び管轄区域について規定したものでありまして、昭和二十二年四月法律第六十三号として制定公布せられ、同年七月法律第八十九号を以て、その一部が改正せられて今日に至つたのでありますが、今回更に次のような改正を要することになりましたので、この法案を提出いたした次第であります。
 即ち、その改正の第一点は、家庭裁判所の設立及び管轄区域に関する規定を設けることであります。先の第二回國会において、少年法を改正する法律(昭和二十三年法律第百二十八号)が成立し、昭和二十四年一月一日から施行せられることになつておりますが、この法律の改正に伴い、政府は下級裁判所の一種として、少年法で定める少年に対する保護事件の審判及び同法で定める成人に対する刑事事件の裁判の外、家事審判法で定める家庭に関する事件の審判及び調停を行わせるため、家庭裁判所を設置する必要を認め、別途裁判所法の一部を改正する等の法律案を提出いたした次第でありますが、この家庭裁判所は、その取扱事件が重要且つ廣汎なものである関係上少くとも各地方裁判所の所在地に一つづつこれを設け、その管轄区域も所在地を同じくする地方裁判所のそれと同一とすることが適当と認め、その趣旨の規定を設けようとすることであります。
 その第二点は、土地の状況及び交通便否等に鑑み、簡易裁判所の管轄区域を是正することであります。簡易裁判所は裁判所法の制定に伴い、全國を通じ五百五十九箇所に新たに設立せられたのでありますが、設立後一年有余の実績に鑑み、その管轄区域の変更を要するものが、あることが判明いたしましたので土地の状況及び交通の便否等実情に即してその是正をしようとするものであります。この管轄区域の変更は全國を通じて二十四箇所に及んでおるのでありまして、いずれも当該市町村の外、関係官公署及び地元弁護士会等の意向を徴して愼重に決定したものであります。
 第三点は宇都宮地方裁判所管内の日光簡易裁判所及び名古屋地方裁判所管内の中川簡易裁判所の所在地の移轉及び名称の変更の点であります。これらの簡易裁判所はそれぞれ栃木縣上都賀郡旧光町及び名古屋市中川区に設置せられているのでありますが、その廳舎の都合等止むを得ない事由によつて、これをそれぞれ同縣今市及び同市中村区に移轄し、その名称をそれぞれ栃木今市簡易裁判所及び愛知中村簡易裁判所と改称しようとするものであります。
 又第四点は裁判所の管轄区域の基準となつた市町村その他の行政区画の名称等に変更のあつたことに伴いこの法律の別表を訂正する点であります。即ち從前の町や村が合併して市又は町となり、又市町村の名称が変更せられる等裁判所の管轄区域の基準となつた行政区画に変更がある場合に、これに待つてこの法律の別表中に記載せられた市町村名等を訂正しようとする点であります。
 以上誠に簡單ではありますがこの法律案の要点について御説明申上げました。何卒愼重御審議の上速かに御可決あらんことをお願いいたします。
#18
○委員長(伊藤修君) 何か最後の法案につきまして御質議ありますか。
 別に御質議もなければ、これも次回に質議をお譲りして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(伊藤修君) ではさよういたします。明日は午後一時から法務委員会を開会いたしたいと存じます。
 本日はこれをもつて散会いたします。
   午後三時一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           鬼丸 義齊君
           岡部  常君
           宮城タマヨ君
   委員
           齋  武雄君
           鈴木 安孝君
           深川タマヱ君
           來馬 琢道君
           松井 道夫君
  政府委員
   檢 務 長 官 木内 曾益君
   法務行政長官  佐藤 藤佐君
ソース: 国立国会図書館
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