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1948/11/11 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 法務委員会 第3号
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1948/11/11 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 法務委員会 第3号

#1
第003回国会 法務委員会 第3号
昭和二十三年十一月十一日(水曜日)
   午後一時三十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤修君) それではこれより法務委員会の検察及び裁判の運営等に関する調査会を開会いたします。御承知の通りこの調査会の目的は裁判官、検察官の封建的観念及び現下日本の國際的、國内的立場に対する時代的識見の有無、並びにこれら司法の民主的運営と能率的処理を阻む残滓の存否を調査し、不当なるものあるときはその立法的対策を講じ、又最高機関たる國会の立場で、司法部に対しこれを指摘勧告する等適切な措置をとることを目的といたしておるのであります。それにつきましては最近日本の検察廳の検察の方法についてこの目的に副わないものがあると考えられまして、その事実の中二、三これを調査の目的として調査いたしたいと存じます。その二、三の取上げる分を、これから簡單に内容を申上げる次第であります。
 先ず昭和電工関係事件の検事の非行に関してこれを調査いたしたいと存じますが、昭和電工に関する涜職事件の捜査の衝に当つておる検事の中で、同事件に関係の弁護士その他の者から饗應を受けた者があり、その中の一部の検事はすでに依願退職となつておる者があり、その事実関係を明瞭にすることが検察運営に対して最も必要であろうと、かように存じまして、この事件を先ず取上げたいと存じます。
 次に宮城高検並びに地検に関係する事件といたしまして、同市在住の宮城竹三郎事件を取上げたいと存じます。同人は仙台土地区画整理委員会副会長、仙台駅前防犯協会長、仙台商工振興会会員の公職を兼ねて、仙台駅前に宮城ホテルを経営する外、外数の旅館飲食店等を営み、相当の資産を有しておるが、前科数犯の博徒で、地方的ボスとしての世評もあり、米、味噌などの食料品の配給、宿泊場所の斡旋などの方法で、巧みに検察廳職員に取り入つて、仙台地方検察廳検事をして
 (一) 仙台駅前路線のいわゆる曲直問題に関し、地元利害関係者を代表して、自己の主張たる直線説を貫徹するために、約百万円の運動費を当時殊に関係市会議員に贈つて、これを買収せんとした事実が発覚しで、昭和二十三年三月仙台地検において同人の息子宮城宗雄を検挙し、同年六月中に捜査完了したにも拘わらず、不当にも該事件を今日まで未済のまま放置させた外、
 (二) 昭和二十三年春頃、仙台市内某綿屋の経済事犯に関し保釈の運動をしてやると称して、同人より数万円の交付を受け、
 (三)昭和二十三年九月宮城縣繊維範品配給組合連合会理事長九谷由三郎なる者を業務横領事犯に関して、その保釈の運動をしてやると称し同人より全員の交付を受けたとの社会の疑惑を招いておるものであります。
 次に甲府地方検察廳検察官舎の敷地問題に関して、やはり調査の目的といたしたいと存じます。内容は甲府地方検察廳検事正池田九郎が昭和二十二年十二月頃上村文一と、甲府市の繁華街にある同検事正官舎の敷地と郊外の住宅地敷地とを交換し、その條件として検事正官舎の移築と検事官舎四棟及び運轉手官舎一棟とを新築して寄附せしめるという契約をして、上村文一に莫大な不当利得をなさしめたと疑われておるのであります。上村文一は終戰時までは名も富もない一青年であつたが、戰後巨万の富を蓄え、右検事正官舎の隣りにオリオンパレスという映画館を経営し、みずから社長となり、昭和二十二年六月葡萄酒の闇賣事件で罰金十万円、懲役八月、三年間執行猶予の判決を受けた者である。尚池田検事正は山梨縣瑞牆山内の恩賜縣有林二千四百町歩の拂下げを受けて、犯罪少年等の保護事業として財團法人「少年の町」の設立を計画し、それに対し前記上村が百万円の寄附を約しておる点からも、この疑いを濃くしておるのであります。
 以上の外東京市に在住する佐々木松夫事件を取上げたいと存じます。これは淺草千束小学校にある戰災者救済会の会長佐々木松夫は元来暴力團的傾向のある男で昭和二十年十一月頃当時の内務大臣堀切善次郎に対する傷害事件で懲役六月、二年間執行猶予の判決を受け、又その頃戦災者救済会で耕作していた不忍池水田の返還問題に関して当時の東京都深川区会議長を傷害し、罰金五百円に処せられたが、昭和二十二年十一月十五日恐喝罪で起訴され、次いで同年同月十七日救済会の繊維製品等の業務上横領詐欺事件で追起訴勾留された。然るに同年十二月二十六日病気の故を以て翌年一月十五日までの期間勾留執行停止となり、更にその期間延長決定によつて同年二月十五日まで出所、同年三月六日保釈され、東京地方裁判所の一審判決では検事の求刑四年に対し、五月四日併合罪とし懲役十月及び同八月に処せられておる。被告人及び検事の双方からの控訴により目下東京高等裁判所に係属しておるのであるが、第二審の第一回公判期日たる九月二十九日には出頭せず、十一月一日にはその主宰する戰災者救済会は昭和二十一年勅令第百一号第一項第七号暗殺その他の暴力主義的計画による政策の変更又はかかる方法を是認するがごとき傾向の助長若しくは正当化に該当する團体として解散を命ぜられ、十一月大甘関係方面の文書による命令により保釈取消決定を受けて再び拘禁せられるに至つた者であるが、かかる暴力主義的傾向の著しい者に対し前後二回に亘る長期間の出所を許し、公判の終了を遅延せしめた点に裁判の運営上好ましからざるものがあるというのでありますが、以上四件を本調査会の目的といたして今後調査いたしたいと存じますが、御異議ありませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○鬼丸義齊君 それでそれに対する大体資料はお手許にも來ましたか。
#4
○委員長(伊藤修君) これは先に先月中旬でありましたか関係方面から示唆がありまして以来、専門員の方で調査いたさせまして、大体の資料は纏まつておるのであります。
#5
○鬼丸義齊君 勿論資料が固まつておればそれでまあその方面から調べれば明らかになるのでありましようが、これを公開することになるとするならば、若し資料の乏しき場合においては証拠津波の虞れが多分にある。この程度においてこれを公開されて調べ上差支ないことになるでございましようか。
#6
○委員長(伊藤修君) 尚専門員におて十分資料を纏めさせたいとは思つておりますですが、その上において改め関係者を喚問して取調べると、こういう方向に進みたいと存じております。
#7
○鬼丸義齊君 今取上げられたる四件のみに限らず、久しきに亘る検察陣の最も廣く、又最も深く國民に公信を持たれておる検察官が、近来著しく世の批判を蒙つておる。殊に只今取上げたる四件の事件は、ただ本当の一部に過ぎない、若しそれ世評のいうがごとくであるとするならば殆んどこの類に属する全國的検察官の今の現況であると我々聞いております。同時に非常に憂うるのです。これを我々委員会の手によつて、検察界の粛正というものを望み、且つ期することは容易ならんことと思いまするが、このいわゆる扱いについては、最も効果的に而うして従來のこの検察官の公信用というものを、少くとも今までの公信用というものを、何とかしてその程度において収めて行きたいということを私共は非常に希望しております、故にその趣旨において、今後この調査は非常な影響するところが大きいと思いますので、細心の注意を拂つて委員長の方で最も効果的な扱い方を希望いたして置きます。
#8
○委員長(伊藤修君) 只今鬼丸委員のお説御尤もでありますから、只今のお説の趣旨に副うた調査方法を遂行いたして行きたいと思います。又お説の中にありましたごとく、只今取上げました事案は、ただ代表的に取上げたに過ぎないのであり、当委員会においてすでに知悉しておる事案といだしましても、本庄事件及び京都の前堀次席検事事件、及び大阪の高等検察廳検事に関する事件、又奈良におけるところの検察廳の事件、これらもいずれも調査を要するような事案でありまするが、これらを盡くするということは、到底当委員会において早急に片付得ないが、先ず以て四事件を調査いたしまして、以て國民が如何に検察廳に対して監視の眼を向けておるか、又検察官におきましても、國民の批判の下に十分将来とも戒心して頂く方向に出て頂かなくちやならん。それと共に國会といたしましても、さような事案が今後続々起るような傾向があるといたしますれば、将来立法的の措置も考慮しなくちやならん。又その間において、調査中、非行その他の事項がはつきりされるといたしますれば、これ又その職務にあるところの資格審査委員会の方へ回送するというように、適当な方法を取つて、只今のお説のような趣旨に副うてやつて参りたいと思います。
#9
○鬼丸義齊君 すでに今回の臨時議会にも提案され、昨日も副検事のこの不足問題についてその運用に非常に困難をしておるというようなことから、臨時措置の規定の延期法案すら出ておりまするような現状である。そこで検察官の非行を國会の法務委員会において、これから段々調べるということになりまするということになれば、とかく近来浮き腰である検事をして現職より去らしめる、多くの退職者が出やしないかということを氣遣うわけですが……尤も不正をなさざる検事が、正しき保護を受けて現職に留まり、そうして良心的に、又堂々と國家のために検察事務を扱つておるということは、これは正しき意図を護ることになるのでありますから、正しからざる人間がやることは、これはもう脅えて心配するには足りませんが、どこまでも正しき検事を刺戟して、この際現職より、堪能なる且つ有能なる検事を失わないことにも細心の留意を拂うことが必要ではないかと思いますから、ここにいよいよこの委員会がこうした方面に手を染めて調査に掛かるということになりますることが一度新聞等に報道されますならば、恐らく大変な大きなセンセーシヨンを起すと思います。故にその影響については、國家のために最善愼重なる注意をいたしたいと思いますから、委員長におかれましても、その点は一つ扱い上、余程深い考慮を煩わしたいと思います。重ねてお願いいたして置きます。
#10
○委員長(伊藤修君) 只今鬼丸委員のお説誠に御尤もの次第でありまして、我々といたしましても、勿論正しき検察官の擁護若しくはその人のますます國家のためにお盡し願うことに対しましては、勿論異論のないところでありまして、我々といたしましては、たださような有能な人の中に混つて、一、二の悪い人があるために、全検察官の地位を害するという結果を招來する、又國民に対して大きな影響をもたらすことでありまして、検察官は何をなしても差支ないという観念は、我々として排斥しなければならんと存じますから、國会といたしましては國民の名においてさような不正に携わるような検察官に対するところの事実の糾弾であつて、決して正当な検察官に対する職務に対しては、これを毀損するというようなことは毫も考えていない。さような方向は極力避けて行きたいと存じます。
#11
○鬼丸義齊君 本議会も甚だ不穏な状況下にあつて、或いは解散というようなことにならんとも限りませんが、本件の調査は従来のやはり不当裁判に対する調査同様に、國会召集中のみに限らす、今後引続き休会中と雖も調査を進行する意味であるか。尚又次に資料ありとするならば、ひとり本件の四件のみに限らず、引続きその点についても調査されるのであるか。その点をこの際はつきりして置きたいと思います。
#12
○委員長(伊藤修君) この点は御承知の通り、この議会は短いものと予想されますから、勿論今会期中においては成し遂げられない。かように考えておりますから、成るべく直ぐには解決いたしたいとは思いますが、引続き継続審査に入ることと存じております。尚次の御質疑の、この外の事案に対しましても、必要ありといたしますれば、その事案に対しましては、調査を進めることに異議がないと存じます。では他に御質疑がなければこれを本委員会において調査することに決定することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(伊藤修君) ではさようにいたします。尚この調査につきましては、幾多の証人喚問を要しますし、その証人を喚問する時期もありますし、又その尋問に対するところのいろいろ緊密な事項もありますが、これは委員長及び理事に御一任願うことに御異議ありませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(伊藤修君) ではさよう決定いたします。次に御報告する事項がありますが、先月十九日頃でありますが、関係方面より呼ばれまして議院における証人の宣誓、及び証言に関する法律に関連いたしまして、先に衆議院において偽証の罰ありとして検察廳において取上げ、目下公判中である事案があります。これに対しまして裁判所の取扱は御承知の通りな公訴不十分の決定をいたしました。当事案に対しまして関係方面から当裁判官を一應取調べたらどうかという御意見がありましたが、我々といたしましては、それは日本の司法権の独立を侵すものであるから、さような取調をなすことはできないという意見を申上げた。然らば当法律に対するところの見解を申出よという、こういうようなお説がありました。当時自然休会中でありましたから委員長におきまして、専門員に調査せしめまして、次に述べるような意見を報告して置いた次第であります。その意見に従いまして衆議院の方へ示唆があつたのか、衆議院の方で決議があつたような次第であります。
 当時述べました意見を一應皆さんに御報告申上げて置く次第であります。
   議院証人法第八條の再発は起訴條件なりや。
 一、公訴の提起は検察官の専権に属し、他の意思によつて左右されないのを原則とする。從つてその例外は厳格に解釈し規定せらるべきである。右例外の場合における從來の立法例は「告訴を待つてその罪を論ず」とか「請求を待つてこれを論ずる」とか「告発を待つてこれを論ずる」と明示している。刑法の親告罪「猥褻、姦淫の罪一八〇條、親族相盗二四四條、旧姦通罪、暴行罪・國交ニ関スル罪九二條、旧九〇、九一條、労働組合法三三條、労働関係調整法四二條、独占禁止法九六條。右用語例に從わないもので、大審院の判例上告発を訴訟條件と認めたものに間接國税犯則者処分法(國税犯則取締法と改称)の税務官吏の告発がある。同法第十三條、收税官吏ハ……直二告発スヘシ、十四條、財務局長又ハ税務署長ハ……直ニ告発スヘシ、十七條、……財務局長又ハ税務署長ハ告発ノ手続ヲ爲スヘシ
 刑法の親告罪、單行法における請求を待つて論ずる罪につき、起訴を條件にかからしめたことは、それぞれこれを肯定するに足る強い理由があるのであるが、これを逆に起訴を條件にかからしむるに足る強い理由があるから告発等を起訴條件と解するためには、実質的理由のみならず、文理的にも最も厳格に解釈せねばならん。
 議院証人法第八條本文は、各議院若しくは委員会又は両議院の回合審査会は、証人が前二條の罪を犯したものと認めたときは、告発しなければならないと規定し、文理的には刑事訴訟法第二六九條第二項指定の官公吏の公発と同様の表現形式をとつている。これを國犯法の例にならい、告発を起訴條件と解せねばならぬ実質的理由があろうか。
 議院証人の偽証罪は憲法第六十二條に基く議院の國政調査を完全に施行せんとして設けられたもので、國会における証人の証言の眞実性を裁判所におけるそれと同一程度に構威あらしめるために、その刑も刑法偽証罪と同じものとした。
 元來刑法偽証罪の本質は裁判事務を妨害する行爲の一種であり、國家の権力作用に対する犯罪であつて、実質的な犯罪の部類に属し、いわゆる法定犯ではない。議院証人の総記罪もやはり國家の権力作用に対する犯罪であり、この限りにおいて、刑法のそれと区別すべき理由はない。「國会内の出来事は國会の中で処理する」といういわゆる國会自治の原則は右のごとき國会内における個人としての資格の証人の偽証の問題にまで及ぶべきではない。國会の権威のために、本質的な社会悪として厳重に処罪せらるべきである。従つて第八條の本文は、刑訴法二六九條の官公吏の告発と同じく、單に告発の義務を規定したものと解すべきである。
 若しこれを公訴提起の條件と解した場合には、
 一、請求を待つで論ずると書かれたものとその効果が同じくなる筈なのに、ただ起訴條件という点だけが同じで、刑事訴訟法二六七條の「告訴ハ第二審ノ判決アル迄之ヲ取消スコトヲ得……請求ヲ待チテ受理スヘキ事件ノ請求ニ之ヲ準用ス」條文の適用を見る條文上の根拠がなく「告訴又ハ請求ヲ待チテ受理スヘキ事件ニ付告訴又ハ請求ノ取消アリタルトキハ判決ヲ以テ公訴ヲ棄却スヘシ」という刑訴三六四條も適用されないことになり、非常な片手落である。
二、地方自治法第百條第九項に、「議会は、選挙人その他の関係人が第三項又は第七項――僞証罪――の罪を犯したものと認めるときは、告発しなければならない。但し、虚僞の陳述をした選挙人その他の関係人が、議会の調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは告発しないことができる」といい、第八項に「第七項の罪を犯した者が議会において調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、その刑を減軽し又は免除することができる」とある規定を議院証人法の場合と同様告発を起訴條件と解するのであろうか。到底無理な解釈という外ない。次に議院証人法第八條但書は「但し虚偽の証言をした者が当該議院若しくは委員会又は合同審査会の審査又は調査の終る前であつて、且つ犯罪の発覚する前に自白したときは、当該議院は告発しないことを議決することができる」と規定しているが、この規定は一定の場合に議院に不告発の議決権があることを明らかにしたもので、國会が不告発の議決をしたときは、検察官は最早その事件について起訴することはできないと解すべきである。この意味において不告発の議決は起訴の消極條件をなすものと言えよう。このように一定の條件の下に國会が告発せずとの意思を議決の形式で表示したときには、検察官もこれを尊重し、事案の処理をその判断に委ねるのが最も至当なことであろう。かかる場合に國会側の意思を無視して検察機関が公訴を提起し得ると解することは、立法機関の決議と司法機関の処分との間に矛盾衝突を来し、正常な解釈ということができん。結局國会は検察機関の円満な職権の行使を期待し、ただ僅かに不告発の議決によつて消極的に國会自治の原則を留保したものと解すべきである。殊に本法の立案の経過において、議院証人偽証罪につき議院側の告発を起訴條件とすれば「正義が数によつて蹂躙される」虞れがあるということから、当初の草案に存した「本條の罪は議院の請求を待つてこれを論ずる」旨の條項が削除されて、その後第八條本文及び但書が置かれた経緯があることと、多数決によつて事が決せられる議院及び委員会の審議方式上、政党の政策に関係のない事柄であつても「正義が数によつて躁躍される」虞れなしとしない現状において、告発を公訴提起の要件とすることは実状を無視した夢のような議論と言わざるを得ない。
 これを要するに第八條本文の告発は起訴の條件ではなく、單に告発義務を規定したものであり、但書は公訴提起の消極條件を規定したものと解すべきである。」
 かような趣旨の意見書を提出いたしました次第です。以上御報告申上げます。
 ではこの調査会の日取及び証人喚問のことにつきましては、理事の諸氏と諮りまして、追つてその目にちを決定いたしまして招集することにいたします。本日はこれを以て……。
#15
○遠山丙市君 ちよつと……大体今のところは了承いたしましたが……。
#16
○委員長(伊藤修君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#17
○委員長(伊藤修君) それでは速記を始めて。
#18
○遠山丙市君 今問題になつでおりまする玉屋参議院議員の逮捕状に関しまして、これが承諾を参議院に求めて來ておるのでありますが、これに対しましては運営委員会がその衝に当つて、目下質疑應答が交されておると聞いておるのでありまするが、併しながらこういうような非常に重要な法律問題に関しましては、啻に運営委員会のみに一任するにあらずいたしまして、法務委員会といたしましても連合委員会を開いて頂くよう私は希望するのであります。かくいたしましてその方の専門家が揃つておりまする法務委員会と運営委員会と協力いたしまして、その眞相を究め、間違いのない判断を加えまして、決定を見たいと、こう考えております。提議をいたす次第であります。
#19
○委員長(伊藤修君) 只今の遠山委員の御発言に対して御異議ありませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(伊藤修君) では議院運営委員会に対しまして、玉屋喜章氏の逮捕状問題について連合委員会を要求することに決定いたします。
#21
○遠山丙市君 そうしてもう只今やつておるそうでありますので、早速申出て頂きたいと思つております。
 それから最後にちよつと私、重要な問題であると思いますから、調査を願いたいと思いますが、申上げてよろしうございましようか、……それは実は昭電事件に関しまする問題でありまして、その昭電事件に関しまする弁護人は曾ての司法省における大官ばかりであつて、彼らより外には何人も介入しないというような態度を取つて来たということについて、私は非常に遺憾に思つているのであります。ただそればかりではありません、いわゆる弁護料でありまするか、調査料でありまするか、私はよく承知しませんが、巷間傳うるところによりますると、三百万円若しくは五百万円の金を取つているというようなことも言われているのであります。それでありまするためか、これに関連いたしまして、最近検事が二人罷めさせられている、こういうような重大な問題があります。殊に曾ての司法省の大官というものが弁護士をしている。而もその人達が、大部分は追放に掛かつておる人でありますが、追放に掛かつておる者は今までの職場の出入りも禁ぜられておるにも拘わらず、弁護人といたしましては裁判所へ出入りは自由であるという点も誠に公務というものの本質論になりますけれども、非常にむずかしい問題であろうと思います。とにかく現われましたる二人の檢事がこれがために罷めさせられたというようなこと、而も最近の出來事であります。是非とも調査をして頂きたいと思います。詳細はいずれ又申上げます。
#22
○委員長(伊藤修君) その問題は只今御決定になりました事項の中に含まれておりますからそれは取上げることにいたしまして、お説のような点まで入つて行くことになると思います。又関係方面のその点に関する意向も聴取してありますから後日又申上げます。それではこれで散会いたします。
   午後二時三十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           鬼丸 義齊君
           宮城タマヨ君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
          大野木秀次郎君
            鈴木安孝君
           遠山 丙市君
           奧 主一郎君
           深川タマヱ君
           來馬 琢道君
           星野 芳樹君
  政府委員
   法務調査意見長
   官       兼子  一君
ソース: 国立国会図書館
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