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1947/08/12 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第6号
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1947/08/12 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第6号

#1
第001回国会 通信委員会 第6号
昭和二十二年八月十二日(火曜日)
    午前十時四十七分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 白井佐吉君
   理事 重井 鹿治君
      海野 三朗君    大石ヨシエ君
      梶川 靜雄君    成田 知巳君
      小島 徹三君    千賀 康治君
      田島 房邦君    長谷川俊一君
      長谷川政友君    多田  勇君
      森  直次君    河口 陽一君
      林  百郎君
 出席政府委員
        逓信事務官   岡井彌三郎君
    ―――――――――――――
八月十一日
 山東村所有電話資材を逓信省に移管の上同村に
 電話線架設の請願(坪川信三君紹介)(第七七
 號)
 白山村安養寺に郵便局設置の請願(坪川信三君
 紹介)(第七九號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 簡易生命保險及び郵便年金に關する事項につき
 説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○白井委員長代理 それでは會議を開きます、委員長不在のため、委員長の指名によりまして本日私が代理を勤めます。
 これより簡易生命保險及び郵便年金に關する事項につきまして、當局より説明を聽取いたします。御質疑の方はあらかじめ御申出おきをお願いいたします。
#3
○岡井政府委員 それではただいまより簡易生命保險事業竝びに郵便年金事業の現況につきまして御説明を申し上げたいと思います。
 まず事業の成績であります。簡易生命保險は創始以來三十一年、郵便年金は同じく今年で二十一年に相なりまするが、その間兩事業とも年々目ざましい發展を續けてまいりました。その結果お手もとに差上げてありまする簡易生命保險及び郵便年金事業概況中にありまするがごとくに、簡易保險におきましてはその第一表にあります通り、現在契約件數が九千三十六萬八千八百四十五件、その保險金額は三百四十億五千餘圓と相なつております。また郵便年金におきましては、お手もとの表の第四表でありますが、現在契約件數が百八十五萬一千三百三十三件、年金額は三億八千四十九萬九千圓、かように相なつております。そうしてこれらの事務を取扱つておりますものは、全國一萬三千の郵便局と、六つの簡易保險支局でありまするが、その從業員の總數は逓信省、逓信局の官吏傭員を含めまして、五萬六千名となつております。よく官吏の數が多いとか少いとかいう問題に關連いたしまして、取扱事務量とこれに對する從業員數の對比、これがよく問題になりまするが、簡易生命保險事業におきましては、昭和十二年度におきまする契約件數がこの第一表にあります通り約二千八百萬件、これに對してその當時の從業員數が大體二萬八千人でありましたのに對して、現在契約件數九千萬件、これに對しまする從業員數五萬六千人でありまするから、十年前と今と比較いたしまして、契約件數は約三倍以上に上つておりまするが、從業員數は大體約二倍になつておるのにすぎないのでありまして、一人當りの事務負擔量は五割増と相なつております。この五割増となつている部分は事務合理化によつて賄つているというわけに相なる次第であります。
 次にこれらの事務の運行状況であります。戰時中から終戰直後にかけまして、取扱つておる郵便局あるいは支局などの罹災、あるいは進駐軍による接収、關係書類の焼失や逓送途中の亡失、あるいは從業員の素質、出動率の低下、交通通信事情の不圓滑、これらのいろいろな悪條件によりまして事務は著しく澁滞いたしまして、これがため公衆の不評をかつておつたのでありまするが、最近に至りましては、これらの悪條件の次第に解消するに伴いまして、事務の運行はだんだんと戰前の状態に復しつつあります。ただ數の上ではごく少いのでありまするが、保險證書の發行が著しく遲かつたり、保險金の支拂いがずいぶん長くかかりましたり、あるいはせつかく保險にはいつても集金になかなか來ないというような申告が時々ありますることは、事業の信用上はなはだ遺憾に思つております。今後これらの點は、絶對にさようのことのないように注意いたしております。
 次に保險年金關係書類の罹災状況、その復興状態について申し上げます。岐阜の保險支局が燒けましたために、ここに格納してありました契約申込書が六百五十萬件燒失いたしましたが、これはただいまとなりましては全部復舊いたしております。また郵便局にありました契約原簿、あるいは徴収原簿は、それぞれ契約原簿は七百八十萬、徴収原簿は六百八十萬が罹災いたしましたが、これまた今日に至りましては九五%以上を復舊いたしております。
 次は兩事業の經理状況であります。先日のこの委員會におきまする鈴木次官からの説明でも一言觸れたようでありましたが、簡易保險、郵便年金の特別會計は、あとで申し上げまするように、約十億圓に近い厖大な赤字を抱いておりまして、その對策にいろいろと苦心しているというのがいつわらざる現状であります。これはもとより最近のインフレの高進によつてかくのごとき結果となつたのにほかならぬのであります。一般的に申しまして、生命保險事業はインフレの高進に對してきわめて抵抗力の弱い事業の一つとなつておりまするが、なかんずく簡易保險のごとく小口であり、かつまた毎月集金をするという建前をとつておる事業にありましては、契約の維持のためにきわめて多くの人と物とを要する次第であります。從つてインフレの影響が事業費の膨脹という形となつて急速にかつ顕著に現われてまいります。その反面におきまして、これに對應して収入保險料を増加いたそうといたしましても、それには保險金の最高制限額が頭を押えておりまして、期待通りの増収がはかられない。またこれが官營であるがために、すべての事業活動が法令の制限を受けて、インフレに對處して臨機應變の處置がとれないというところに、今日の經營難を招來した必然的の運命性があると言うことができると思います。
 それではこの事業において収支の均衡が破れ始めたのはいつであるかと申しますと、それは昭和十九年度からであります。昭和十八年度までにおきましては、年々多額の金を被保險者に、福利施設あるいは長期還付金の形において還元しても、なおかつ多額の剩餘金を生じたのでありまして、昭和十八年度におきましては二千三百萬圓の繰越剩金を生じたのでありますが、昭和十九年度に至いりまして、このときにはまだ事業費の膨脹ということは現われておりませんで、むしろ事業費の収入保險料に對する割合は一割三分でありまして、事業創始以來未曾有の低率でありまたが、一方におきまして戰死者に對する保險金の支拂が相當多額に上りましたがために、十九年度におきましては一千三百四十萬圓ほどの赤字を初めて生じたのであります。さらに二十年度にはいりましては、戰死者に對する保險金の支拂と、もう一つはこの年度に至りましてインフレの影響が徐々に現われてまいりまして、事業費の収入保險料に對する比率が一割七分になり、その結果として六千九百二十萬圓の缺損を生じたのであります。さらに二十一年度にはいりまして、戰死者に對する保險の支拂額は合計一億六千萬圓となり、インフレがますます高進いたしまして、そのために業費の比率が三割九分となりましたような關係で、合わせて四億八千二百二十萬圓の大赤字を出すに至つたのであります。そうして二十一年度までの累計の赤字は、今申しましたような數字を集めまして結局累計五億四千百八十萬圓の赤ということになつたのであります。さらに本年度、すなわち二十二年度にはいりまして、數次にわたる待遇改善、あるいは物件費の値上りのために、事業費がこの豫算の當初におきましては、九億九千萬圓くらいで濟むということでありましたのが、今度の追加豫算の結果、まだ判然とはいたしませんが、大體十億圓足らずの金が足らぬ。合わせて二十億圓近い事業費が必要になりました結果、二十二年度の末におきましては、いろいろな對策をやります。たとえば、從來赤字克服對策としてやつておりました集金の合理化であるとか、あるいは大額契約の大量募集であるとかいうようなことをさらに徹底的にやりました上で、民間の利益配當に相當する長期還付金を廢止し、これによつて約八億圓ばかり浮いてまいります。そのほか保險料の値上げ、保險金額の制限引上げ、かようないろいろの手段を講ずるといたしましても、なおかつ二十二年度の末におきまして四億三千三百六十萬圓の赤字、今までの累計五億四千百八十萬圓と合わせまして、實に九億七千五百四十萬圓の大赤字を生ずるという、破局的な様相を示すに至つたのであります。それでは簡易保險事業はもう絶望である、將來再起の見込みがないかと申しますれば、私ども決してさようには考えておらないのでありまして、もしインフレの高進状況が、今日以後あまり急激でない。そしてまた新規の契約がわれわれの期待いたします通り――われわれの期待と申しますれば、本年度は第一囘の保險料にいたしまして一億圓、これは保險金額に換算いたしまして百七十億圓になります。來年度以降は、保險料にいたしまして一億七千萬圓、保險金額に換算いたしまして三百億圓、この新規契約ができますならば、この第三表に現わしてあります通りに、昭和二十三年以降赤字は除々に減少いたしまして、昭和二十六年度におきましては、八千九百十五萬六千圓という、些少ながらも黒字が出る計算に相なる次第であります。もつともその年になりましても、累計の赤字といたしましては、なお十九億八千四百何十萬圓の赤字が殘る次第であります。ともかくも當該年度といたしましては、八千九百十五萬圓餘の黒字に轉ずる見込みが立つわけであります。なお戰死者に對する保險金の支拂は、合計四億圓ばかりになりますが、これはいずれ機を見まして一般會計から補償してもらうつもりでおります。またあとで申し上げますが、積立金の運用を再開いたしますことによりましても、平年度約一億圓の増收がはかられる見込みであります。さらにまたこれもあとで申し上げますが、今度の法律改正によりまして、小額契約の併合、整理ができます途を開こうと思つておりますが、それができますれば、これまた多少の事業費の節減をはかることができる見込みでおります。しかしかようなまだ不確定のものにつきましては、この計數には載せておりません。要しまするに、今後の事業の運命を左右いたしますものは、主としてインフレの高進状況、そして高額新契約が多量に募集できるかどうかにあるのでありますが、前者につきましては、もとより私どもの力で及ぶところではありません。これはより高い大きい政治力にまつほかないのであります。後者、すなわち新契約が募集できるかどうかということは、もつぱら私ども事業當務者の努力いかんにかかつておるのでありまして、私ども目下この線に沿いまして、死力を盡して努力いたしているような次第であります。さいわいにいたしまして、今年度におきまする新契約募集状況は、從業員の事業再建の熱意と努力によりまして、私どもが期待いたしておりまする一億圓の目標額のうち、すでに六千四百萬圓、すなわち率にいたしまして六割四分の獲得を達成いたしておりますことは、先ほど申し上げましたような暗澹たる經營難のさなかにありまして、なおかつ前途に對して多大の光明を認めてよい。かように存じているような次第であります。
 次に今問題になつておりまする積立金の運用に關しまして、いささか御説明を加えたいと思います。積立金の總額は、この第二表にあります通り、簡易保險におきましては五十八億九千五百何十萬圓、郵便年金におきましては、第五表にありますように、二十七億八千五百九十九萬三千圓となつておりまするが、この積立金は事業當時から事業の本質、使命に鑑みまして、公共の利益のために運用する。地方に還元する。かつまた事業のため有利確實に運用するという、この三大方針のもとに事業主管廳、すなわち逓信省みずから運用してきたのでありますが、昭和十八年、當時の金融財政上の必要からいたしまして、契約者貸付、地方團體に對する貸付を除きまして、殘りの資金はすべて大藏省預金部をして運用せしめるという協定を、大藏省と結んで終戰に至つたのであります。終戰と同時に――もとよりこれは戰時中の協定でありますから、もとに復して、逓信省みずから全面的に運用すべきでありまして、大藏省とも打合わせて、著著その準備に取かかつておりましたが、昨年一月に至りまして、契約者貸付を除く一切の直接投融資は、逓信省みずからやつてはいけない。資金は一切あげて大藏省預金部に預入すべしということになつたのであります。このことは資金を地方に還えすることによつて、その地方の福利を増進しなければならぬという、事業本來の使命を達成する上におきましても、またそれによつて新規の募集を容易にするという營業政策の見地から考えましても、はなはだ支障あり不利な點であります。殊に從業員の士氣から申しましても、せつかく自分たちの力で集めた金を、自分たちの省でなくして、他の省で運用されるということは、まことに士氣に影響するところが大なるものがあるのであります。それで極力努力しておりますが、遺憾ながら今日までまだそれが實現いたしておりません。しかしながらこの積立金をわれわれの手で運用するということは、先ほども申しました通り事業の經營上必須の要件であり、かつまた最近は全國局長會議の決議となつて強く要望されておる次第でありますし、また全逓信從業員組合から逓信大臣に最近要求事項として提出せられております事情もありまして、かたがたもちまして今後においてもこの目的が達成いたしますまで、懸命の努力を續けていきたいと考えております。
 最後に郵便法などと同じように簡易生命保險法、郵便年金法もまたその全面的の改正を、できれば本議會に提案いたしたいと考えまして、著々準備を進めておりますので、この機會におきましてそのおもなる要點を申し上げまして御參考に供したいと存じます。
 改正要點のおもなるものといたしましては、第一に從來の法律構成を改めまして、契約條項の中の基本的なもの、公益的なもの及び民法、商法の例外的規定をなすものだけを法律を揚げまして、そのほかの契約條項は、從來の例によれば政令あるいは命令に讓るところでありますが、今度の改正におきましては、これをやめまして、すべてこれらの契約條項は約款に讓るという新しい形式をとつたことであります。これは簡易生命保險あるいは郵便年金法はまつたく純然たる私法上の關係でありますから、これを本來國民の權利義務の關係を律する命令事項とすることは不穏當である。民間業者と同じ立場に立つて同じ方式、すなわち約款の形式によることが妥當であるという多數學者の意見をも徴しました結果、かような新しい方式をとることにいたした次第であります。
 改正要點の第二は、事業目的、經營立體、逓信大臣の職責などを法律事項として明記いたしたことでありまして、これは他の郵便法あるいは為替貯金法などと同じ歩調をとつたわけであります。
 第三點は金額制限の引上げであります。現在簡易保險の最高制限額は五千圓となつておりますのを一萬五千圓とし、郵便年金の最高年金額六千圓となつておりますものを二萬四千圓にい引げ上たいと思います。これは最近の經濟情勢に應ずるためと、また先ほど申しましたような經營難ということを緩和する一つの手段ともいたしたいためであります。なおまたこの機會に今までは最低制限につきましては何らの規定がなかつたのでありますが、今囘初めて簡易保險につきましては最高制限を一千圓以上郵便年金につきましては郵便年金額二百四十圓以上ということにいたしたいと思つております。
 改正要點の第四は、從來は保險料、郵便年金の掛金などの計算基礎を法律に規定していませんで、命令に讓つておつたのでありますが、これは基礎的な非常に大事なことでありますから、法律事項として取上げましたほか、附加保險料につきましては、その計算基礎を命令にも規定しておりまりませんでして、ただ單に純保險料の計算基礎のみを規定しておりましたのを改めまして、純保險料とともに附加保險料の計算基礎をも法律に明記いたしまして、事業經營の公明化を期することといたした次第であります。
 要點の第五は小額契約の整理でありまして、從來保險金額が數度にわたつて引上げられましたために世間には一人が小額の契約を數箇もつておるのが現状でありまするが、これは事業の合理化の立場から見てまことに遺憾の次第でありますので、今囘の法律改正によりましてこれらを整理統合いたしまして、一つの新しい契約にするということのできる途を開きたいと存じております。
 要點の第六は寡婦、癈疾者の保護規定でありまして、從來は郵便年金の差押制限におきまして、これらの寡婦、癈疾者に對しまして何らの特典を認めておりませんでしたのを、新たに寡婦癈疾者の年金はすべて差押することができないという規定を設けて、これらの人々を保護いたしたいと考えております。
 以上はなはだ雜駁でありましたが、私の一應の説明を終りたいと思います。
#4
○白井委員長代理 御質疑はございませんか。
#5
○林(百)委員 ちよつとお尋ねいたします。この第二表と第五表の簡易生命保險積立金運用状況、郵便年金積立金運用状況、この表の合計額は、これは從來の積立金全部の合計ですか、このほかにまだあるのですか。
#6
○岡井政府委員 おつしやつた通り全部の合計であります。
#7
○林(百)委員 そうするとそのうちに預金部預金というのがある。預金部預金というのが大藏省の方にはいつて逓信省で自由に運營することができないのですか。
#8
○岡井政府委員 まつたくその通りでありまして、預金部預金とありますのは、先ほど申しましたように逓信省で直接運輸しないで、大藏省の預金部で運用しておるその額でございます。
#9
○重井委員 第二表の積立金運用状況に関するうちの投資種目のうちで、社債及び債券、株式その他有價證券、この内容がわかりましたらお願いしたいと思います。それから大藏省預金部預金となつておりますこの預金は逓信省の方の意見を何ら尊重することなく、大藏省單獨で運營しておるのかどうか。この點をお聽きしたいと思います。
#10
○岡井政府委員 第一の公共團體放資、證書貸付、地方債證券その他の詳しい内容の内譯につきましては、ただいま資料をもつておりませんので、後刻書類といたしまして提出することにいたしたいと思います。
 第二の、預金部の預金は逓信省は全然關係していないかどうかということのお尋ねでありまするが、これは御承知の通り預金部には運用委員會というのがありまして、その委員として逓信省のたしか次官でありましたか、これがはいつております。その意味におきまして關係いたしておりまするが、その他事務的の、つまり省同士の交渉というものはいたしておりません。
#11
○重井委員 詳細なことでなくてもいいのですが、大體どういう方面に流れておるかということがわかればいいと思います。それは簡易生命保險の方と竝びに郵便年金の關係の方も放資種目の中のただいま申し上げた部分をお知らせ願いたいと思います。
 それから先ほど新たに契約條項の改正がなされる、今その立案中である、こういうお話であつたのでありますが、私はこの最高額五千圓が一萬五千圓に、簡易保險は上げられ、郵便年金も二萬四千圓に上げられる。これはたいへん結構だと思いますが、ただ普通の民間保險のように、もつと高額に引上げることはできないのかそれはやはり民間營業を壓迫するというような關係において、この限度に止められるのかどうか。これをお聽きしたいと思います。
#12
○岡井政府委員 先ほどの貸付の内容でありますが、詳しいものでなく、大體の御説明ならばいたしたいと思いますが、公共團體放資と申しますのは、主として縣、市町村を言うのであります。そのほか營團、金庫などがあります。具體的に申しますれば、恩給金庫などにも投資いたしております。それから社債、債券は、これは大體におきまして公共的性質を有する會社の株式、あるいは社債を言うのでありまして、具體的に申しますと、電氣會社とか、あるいは、これは在外資産の喪失によつて失われましたが、滿鐡の株であるとか、あるいはこれは社債の中にははいりませんが滿州國の國債、そういうようにいろいろなものを含んでおります。
 第二點の、最高制限額が簡易生命保險は一萬五十圓、郵便年金は二萬四千圓、これは少きに過ぎる、もつと多額にする意思はないか、あるいは無制限にする意思はないかという御趣旨の御質問だと思いますが、御承知の通り簡易生命保險は、元來民間では、小額であつて營業政策上やつてはいけない、歡迎しないというものを、國民大衆の利益のために官業として取扱つてやつていくというのが、事業を始めました根本趣旨でありまして、もしそういう建前が變りましてらこれはともかくでありますが、そうではない限りは、やはり民間事業を壓迫しない程度にこの最高制限額を定めておかなければならぬ、かように思つております。一萬五千圓以上にいたしますれば民間事業を壓迫するかと言われますと、それはその通りでありまして、大藏省ともいろいろ協議いたしました結果、私どもの方といたしましては、さらに二萬圓あるいは三萬圓を希望いたしたのでありますが、民間事業を管轄しております大藏省方面の意見といたしましては、それでは民間事業を壓迫して困る、やはり一萬五千圓以下にしたいというような話で、その結果一萬五千圓に止めた次第であります。
#13
○林(百)委員 これは非常に微妙なことだと思いますが。……。
    〔速記中止〕
#14
○岡井政府委員 もとよりその事情ははつきりと私どもには説明されておりません……。
    〔速記中止〕
#15
○林(百)委員 そうすると内閣の方で、逓信事業というものは獨立採算制をとると言つて、こうした會社の面では獨立採算制を強調しておきながら、そこから上つた収入の運營については國家で統一するということは非常に矛盾しておると思うのですが、この點についての政治的折衝を逓信省としては内閣としているかどうかおわかりですか。
#16
○岡井政府委員 もとよりそういうことも含めまして、直接の關係は國内におきましては大藏省でありますが、大藏省と折衝いたしまして、大藏省といたしましては、ある程度逓信省がみずから運用することは、これは昔からやつていることだし、しかたがない、賛成であるという了解をいたしております。
#17
○成田委員 この三表の支出に分についてちよつと伺いたい。他會計へ繰入れというのがあります。その内容、それと先ほどの御説明では、赤字財政になつたのはインフレの高進ということが大きな原因と申されましたが、人件費その他事業費というものは支出の中のどこにはいつておりますか。そうしてまたインフレの高進をどの程度までお見込みになつて二十六年度までの豫算を立てられたかということをお尋ねいたします。
#18
○岡井政府委員 他會計繰入れとありますのは、すなわち先ほどから申しておりまする事業費のことであります。その制度といたしましては、保險の特別會計から通信の特別會計へ經費を繰入れるという仕組になつておりますので、ここにあります他會計繰入れというのは、保險を取扱うための事業費のすべてを通信特別會計へ繰入れるのであります。他會計の繰入れすなわち事業費というように御了承願います。その二十億の内譯はいずれ表にして差上げようと思つておりますが、大體におきまして人件費が七割、あとの三割は物件費、かようになつております。
 それから第二點のインフレがどの程度までいくか、あるいはいつからデフレになるか、さらに破局的なインフレになるかというようなことは、いろいろ世間では言われておりまするが、私どもといたしましてはまつたく判斷の方法がないわけであります。そこでこの計畫を立てる上におきまして、判斷がつかないということから、全然要素に取入れないというのは、あるいは實際と合わないかもしれませんが、私どもの立場といたしましては、一應現在の状況ということをベースにするほかはなかつたような次第でありまして、これをどの程度見込んでいくか、あるいは全然見込まなくていいかということは、遺憾ながら判斷がつきませんので、さしあたりそのままということにしております。
#19
○多田委員 先ほど政府委員からの御説明によりますと、事業費に赤字を生じたということは、官營であるがために法規の制限を受けているのが相當大きな理由のように承つたのでありますが、具體的にはどのような法規によつてそういう制限を受けたのであるか、大體の點をお聽かせ願いたいと思います。
#20
○岡井政府委員 お答えいたします。たとえて申しますれば保險料あるいは最高制限額の引上げこれらは民間でありますと、もうただちに事業經營上困るということがありますれば、その日から上げられるはずでありますが、簡易保險事業におきましては、すべて法律あるいは命令に規定されている事項でありまするので、すぐには上げられないというような關係であります。また民間でありますると、例の利益配分、これは經營上苦しくなればいつでもストツプすることができまするが、官營でありまするがために、これまた命令事項でありますので、すぐにはやれないという關係であります。しかしこれが重要な要素であるというふうに私は申し上げたかもわかりませんが、實際はそれほど大きな要素ではありませんので、最も大きい要素はインフレの高進といういわば不可抗力、これが原因であろうかと思います。
#21
○多田委員 ただいま最も大きな原因は、インフレの不可抗力によるという説明でありますが、先ほど來説明を伺つておると、何かその時その時によつて御答辯があいまいなような感じがするのであります。ただいま林委員から御質問がありました獨立採算制に對する考え方についても、國内的には別段問題がないという説明でありましたが、私どもそれだけの説明では十分わかりませんし、ただいまのお話でも、大きな原因はインフレによる不可抗力であるという御説明であります。頂戴した資料によると、經營の五箇年計畫ですが、五箇年計畫の收支豫定表という相當はつきりした數字も出しておりますので、もしこの數字が、今後たとえばお話のような不可抗力によつてこの計畫通りいかないとすれば、つまり責任をもてないものであるということになるとすれば、このような收下豫定表というものは、現在のような經濟状況においては、これだけのものをつくるということはある程度むだなことであるという感じがするのでありますが、いま少し責任をもつたお話をお廳かせ願いたいと思います。
 次に生命保險の契約高が、二十年度から比較すると二十一年度は件數において半數である。本年度は非常に増加しておるという御説明でございますが、二十一年度はどういう理由でこのように低下したのであるか。その點伺いたいと思います。
 第二の點は通信特別會計に繰入れをする金額であります。先ほどのお話によると、簡易生命保險竝びに年金に要する所要人員は五萬六千名であるというお話であるが、これは通信特別會計に繰入れをする金額から支出する人員がはいつておるかどうか、あるいははいつておるとすれば、このうちにどの程度の人員がはいつておるか、お話を願いたいと思います。
#22
○岡井政府委員 第一の二十一年度の契約が非常に少いということについてでありますが、これは終戰後間もなくでありまして、一般的に申しまして國民貯蓄の増強ということは非常に困難な年であります。そういうような客觀的情勢の影響、もう一つは内部的事情においても内部としまして、問題があり、特定局制度の改善の問題、從業員の勞働攻勢の問題等いろいろありまして、そのために豫定の通り新規の契約が募集できなかつたという事情があるわけであります。
 それから次に事業費の二十億圓と申しますのは、保險年金の事務取扱いに要するすべての人員、すなわち五萬六千名の給料などの人件費、そのほかに物件費等がすべてを含んだ額であります。
#23
○多田委員 その次に先ほど御質問があつた簡易保險と郵便年金の最高額を引上げる場合に、一萬五千圓と二萬四千圓とに引上げる豫定であるというお話でありますが、この金額についてはこれが當然であるというような、要するにこの程度の金額をきめた何か理由と言いますか、そういうような點がありましたらひとつお伺いしたいと思います。
#24
○岡井政府委員 最高制限金額をきめまするにつきましては、過去と現在との物價指數であるとか、あるいは日銀券の發行高であるとか、生計費であるとか、いろいろな要素を比較してきめなければならぬ次第でありまするが、しかしそれを總合してやりますと、大體におきましてもう少し高いところに行くのじやないかとも思いまするけれども、それは先ほど申しましたように、民間業者をあまり壓迫してはならないという建前のもとに、一應一萬五千圓とした次第でありまして、いいろろ正確に計算いたしまするともう少し高いところが適當ではないかと思つております。
#25
○白井委員長代理 林君。
#26
○林(百)委員 第三表ですが、政府委員の方にお聽きしたいと思います。第三表ほ私にもよくわかりませんので、御説明願いたいと思うのであります。支出の部の純剩餘金というのが赤字になるかどうかということが一つ。そうなると昭和二十三年度は、二十二年度よりずつと赤字が殖えておるが、この點はどうかということと、それからこの收入の部の收入保險料という保險の拂込金、これを全部使つてもなおこの剩餘金の四億いくらの赤字が出るかどうかという點でありますが、これをひとつ説明していただきたいと思います。
#27
○岡井政府委員 最初の二十二年度の赤字四億三千三百何十萬圓と、二十三年度の赤字七億二千四百何十萬圓との比較でありますが、これは先ほどちよつと御説明申しましたように、本年度は民間の利益配當に相當いたします長期還付金を廢止いたします結果、積立金としてここに八億圓ばかり浮いてまいりますがために、二十二年度は特に赤字が二十三年度と比べましてすくなつておるわけであります。もしその長期還付金を廢止しなければ、十二億三千三百萬圓の赤字が出る計算であります。ほんとうは十二億三千三百萬圓の赤字が出るのが至當でありますが、これは長期還付金の廢止によつて、八億圓浮いてまいります。それを充當いたしました結果、差引二十二年度は四億三千三百萬圓の赤字に止まつた。二十三年度はそういう關係がありませんから、あたりまえに七億二千萬圓、それ以後はだんだんと減少していきます。
#28
○林(百)委員 もう一點、保險料の二十三億圓、これを一應運營して、運營した利潤を支出の部へ割當てるのか、保險料全部を支出の部へ繰入れても、なおこの赤字が出るのか。その點をひとつお伺いいたします。
#29
○岡井政府委員 收入保險料と運用收入と雜收入がありまして、このすべてをひつくるめた二十六億二千萬圓の中から、保險費を拂う。保險費と申しますのは、保險金の支拂に要する額でございます。保險事故が起りますと、早速保險金を支拂わなければなりません。それが大體二十二年度に五億七千三百萬圓ありますから、それを掲げてあります。それから他會計繰入金というのは、先ほどから説明しております事業費、それから責任準備金四億八千千萬圓は、收入保險料を全部事業費なり、あるいは保險金の支拂に使つてしまいましては、將來の保險事故に對しまして、保險金を支拂う金がなくなりますから、保險金を受取りますれば、その中から必ず責任準備金を――これは計算すればおのずから出てまいりますから、その金は積立てておかなければなりません。そういうものはすべてひつくるめまして、二十六億二千萬圓から賄うといたしますれば、四億三千三百萬圓の赤が出る。こういうことであります。
#30
○林(百)委員 そうすると、もし預金部の預金の一部を事業費の方にまわすことができるとすれば、これは計算の上では收支の上に赤字が出るにしても、逓信省の會計としては赤字にならないと思いますが、その點はどうでありましようか。
#31
○岡井政府委員 預金部で運用しております金を、逓信省で直接運用してまいります結果は、先ほど申しましたように、平年度――と申しましても五、六年先でありますが、平年度におきましては一億圓ばかり剩餘金が出てまいります。その金はこの表で申し上げますと、運用收入、この金がさらに一億圓ばかり増してくる結果になるのであります。つまり二十五、六年度あたりにおきまして、直接運用しておりましたならば、ここに掲げておる運用收入七億なんぼか八億なんぼになるという結果になるのでありまして、結局一億圓だけは收支の改善ができる。こういうことになります。
#32
○白井委員長代理 成田君
#33
○成田委員 いわゆる第三表ですが、責任準備金は保險料に對して大體何パーセントという割合がきまつていますか。もしきまつているとしましたならば、昭和二十二年度の四億八千萬圓に對して、二十三年度は二十一億というように急増しておる。保險料の増加より保險金の準備金が増加しているが、そり理由をひとつ伺いたい。
#34
○岡井政府委員 これは保險の種類、あるるいは保險の期間などで一々違いますが、大體におきましては、保險料の六割ばかりが積立金になると見て差支えないと思うのであります。一々の計算は、これはむつかしい數理になりますから、私から説明申し上げかねます。
 それからこの責任準備金の編入は二十一年度四億八千萬圓、二十三年度は二十一億一千七百萬圓、これは先ほどから申しておるように、長期還付金を八億だけ今年減らします。長期還付金を廢止することによつて積立金がそれだけ浮いてくる。差引四億八千萬圓、從つて實際の數は十三億ばかりになります。
#35
○白井委員長代理 重井君
#36
○重井委員 これは意見でありますが、大藏省預金部預金に關しまして希望を述べてみたいと思います。逓信省で働いたものが、大藏省で運用されることになつております。これは卑近な例ですが、息子が一生懸命働いて、親父が何もかもすべて自由にするというようなことになつているようなものです。もちろん一家の經濟を親父が切り盛りすることは當然かと思いますが、そこには精神的なものが相當あると思うのであります。自分が働いたものについては、ある程度まで積極的に自分に相談して運用する。すなわち逓信從業員諸君が熱意に滿ちて、こうした生命保險、郵便年金に對して努力した結果、その集積したものに對して大藏省が全權を握る結果になると、そこに精神的にこうした事業に對する熱意が薄らぐということは、一家の經濟についても言えると思うのであります。もちろんこん問題はやむを得なかつたように考えますけれども、少くとも國民の代表である國會の委員會におきましては、これをできるだけ逓信省の方で運營するように――もちろん大藏省の全面的な資金運營の基礎において運用はするけれども、そう運用の事務的な方面だけでも、逓信省の方に任した方が、從業員諸君の熱意が高まると思うのであります。その他おそらくその數字におきましても、こうした實際の實情、運營ということを考慮に入れましたならば、必ずや了解してくれると思うのであります。なお簡易保險の契約條項の改正でありますが、その場合におきましても、なるたけ社會化された改正の方向へ努力していただきたい。このことを希望いたしておきます。
#37
○白井委員長代理 森君
#38
○森(直)委員 この點に關して大藏當局の御意見を聽くことができれば結構だと思います。積立金運營に關しては、料金値上げその他とともに相當逓信省として大きな問題だと思いますので、適當な機會に大藏當局のこの點に關する御意見を聽くことができれば結構だと思います。
#39
○林(百)委員 その點について次の機會には郵便預金の状況、運營についての状況報告をひとつ希望しておきたいと思います。
 それと政府委員の方にもう一點、この第三表について質問したいと思います。その責任準備金編入額というのは、これはやはり大藏省があるいは日銀かどこかへ預金しておくと思いますが、どこに預金しておきますか。
#40
○岡井政府委員 先ほどから申し上げております通り、現在では逓信省では直接運營することができませんので、大藏省の預金部で運營することになつております。
#41
○林(百)委員 その責任準備金を……。
#42
○岡井政府委員 そうでございます。責任準備金と申しますのは、いわゆる積立金であります。
#43
○成田委員 そうすると、それは預金という形でなくして、準備金として建物などにするという形のものもあるのでしようか。
#44
○岡井政府委員 預金部は建物への投資は許されておりません。もつぱら債券、國債とか公共團體に對する貸付、そういう形で投資をされております。建物に對する投資は預金部も認められておりません。
#45
○白井委員長代理 それでは本日はこの程度にいたしまして、次會は公報をもつて御通知申し上げます。
 本日はこれにて散會いたします。
   午前十一時五十四分散會
ソース: 国立国会図書館
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