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1948/11/13 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 法務委員会 第5号
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1948/11/13 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 法務委員会 第5号

#1
第003回国会 法務委員会 第5号
昭和二十三年十一月十三日(土曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○副檢事の任命資格の特例に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
○戸籍手数料の額を定める法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出)
○下級裁判所の設立及び管轄区域に関
 する法律の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○訴訟費用等臨時措置法の一部を改正
 する法律案(内閣送付)
○罹災都市借地借家臨時処理法第二十
 五條の二の災害及び同條の規定を適
 用する地区を定める法律案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
   午前十一時二十三分開会
#2
○委員長(伊藤修君) それでは法務委員会を開会いたします。
 副檢事の任命資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題に供しますから、昨日に引続き質疑を継続いたします。
#3
○齋武雄君 昨日は起訴して無罪になつた場合、その場合に問題になつたのでありますが、私はその反対のことも言えると思います。起訴する場合において檢事は愼重に取扱つた、それでも無罪になつた場合においては止むを得ないのである、こういう見解を持つておるのであります。それと反対に檢事が起訴した者に無罪を発見した場合に、それをどこまでも有罪にする、位置によつて有罪にする。こういう観念が憂慮されるのでありまして、私はそういう場合においては、檢事は裁判所に協力して進んで無罪を要求する。こういうふうなことが必要であると考えるのでありますが、この点について如何なる見解を持つておりますか、お伺いいたします。
#4
○政府委員(木内曾益君) お答えいたします。檢事が起訴に当りまして愼重な態度を執らなければならないことはその通りでございまして、私共の方におきましても、勿論そういう考えを持つて事件を取扱つておるのであります。その結果無罪になるという場合もあることは考えられるのでありまして、そのために檢事が責任を取るというようなことは、昨日申上げました通り考えておりません。ただ記訴したものが無罪になるということは、檢察官として喜ばしいことでないことは勿論でありまして、そのためにそういうことのないように一層の注意をいたし、今後の取扱いにおいても、又捜査の上においても十分注意するよう慎重な態度を以て当るよう注意をしておることは勿論であり、又注意しなければならんことと考えておるのであります。
 併しながら無罪を出すことは檢察官として誠に不名誉なことであるからといつて、どこまでも自分の起訴したものは有罪の判決を得なければならん是が非でもそうやらなければならん……、有罪の判決を受くべきものに対してその控訴を維持することは当然のことでございますけれども、事情によりまして誰が見ても無罪になるのが相当だと思われるような点につきましては、從來の例におきましても、檢察官が進んで無罪の主張をいたしたこともあります。現に私も浦和の次席檢事をいたしておりました頃に、或る信用組合の横領事件につきまして控訴審を担当いたしました。そのときに記録を見まして、これはむしろ無罪が相当であるというので、私が進んで無罪の論告をいたしたという実例もあるわけでございます。その他にもそういう場合がいろいろあるのでありまして、決して有罪を必ず得なければならん、是が非でもやらなければならんということは、却つて檢察の威信を落すものと考えておりますので、私共の方もそういう方針でやつておる。又御注意に対しましては一層徹底するようにいたしたいと考えております。
#5
○松井道夫君 只今の政府委員の御論旨の中に出て來たと考えておりますので、質問いたしますが、檢事が起訴をしましたところが、事実の誤認に上りまして無罪の判決があつた。そういつた場合に今の法務廳の立場としては、格別の檢事の責任を問うというようなことは考えておらんというような御意見でありましたが、その檢事に誤認乃至は重大な過失があつて、その誤認をいたしたというような場合にも、檢事の責任というものについて考えるべき余地がないものでございましようか。
#6
○政府委員(木内曾益君) 勿論これはどの程度のものがどういうふうにするということを、ここで具体的に、いわゆる抽象的に申上げることはちよつと困難と思いますが、具体的事件につきまして、これは妥当でないというような場合につきましては、從來におきましても事実上適当の処置をとつたという例もあるわけでありまして、ただ無罪になつたがそれは止むを得ないという場合と、まあいろいろの場合が考えられるのでありまして、その場合々々にそれぞれ考慮いたしまして適当な処置をとることは当然と考えている次第であります。
#7
○委員長(伊藤修君) 政府委員より本日提出されました昨日の議員要求にかかる資料について、御説明を願います。
#8
○政府委員(木内曾益君) 昨日御質問に與かりました点につきまして、これを書面にして提出いたしました。それは副檢事に関する調査表という書面でございます。これを一つ御覧願えれば御了承頂けると思うのであります。ただ足りなかつた点がありますのでちよつと附加さして頂きたいと思いますのは、第一表のところに裁判所書記と書いて檢察事務官の項がないのは、檢察事務官も、その前は裁判所書記という名称を以て呼んでおりましたので、この裁判所所書記という中には、檢察事務官を含んでおることを御了承願いたいのであります。そうしてこの採用したものの大部分が、裁判所側の裁判所書記というものは極く少数でありまして、大部分がいわゆる檢察事務官から採つたものの数になつておるということを御了承願いたいと思うのでございます。
 それから第二表の総計の点が三百五十八名となつておりますが、これは提案理由のときには私が三百五十五名と申上げまして、ここに三省の相違が出ておりまするのは、その後において三名任命発令された関係上殖えておるのでございます。
 それから第三表の、弁護士から採用された数の中三十九名となつておりますが、現在はその後檢事正級のものが三名やめておりますので、現在はこれから五名減つておるということを御了承願いたいと思います。
#9
○大野幸一君 只今、特例による採用者の中、第一表の弁護士一となつておるのは、これはどういう場合に特例によつて弁護士を副檢事に採用されたのかお答え頂きたいと思います。
#10
○政府委員(木内曾益君) この点は私も正確には申上げられませんが、確か私の聞いておるところでは、正式の弁護士というのではなくして、弁護士たるいわゆる修習……司法科試驗を通つてそうして弁護士になる前には一定の修習期間を経なければ弁護士になれんわけであります。その修習を受けるのが好まずして、そうしてむしろ副檢事に採用して貰いたいというのでなつたと、かように承知いたしております。
#11
○齋武雄君 第一表でありますが、第一表の司法科合格者正規採用者九人、特例による採用者六人とありますが、これはどういうことで正規採用者が特例による場合に六人となつておるのは、只今弁護士の特例による採用者一名は、これは試驗をとつてまだ弁護士にならないので、こういう場合には司法科合格者に入るのではないかとこう思うのですが、どうでありましようか、その点を……
#12
○政府委員(木内曾益君) 今の一つ私の説明を取消さして頂きたいと思います。これは満洲の弁士になつておつたという一名だと思います。弁護士というのは、私の先程申した司法科試驗を通つておるというのは、この六名の中に入つておるのでありまして、弁護士の一名というのは、弁護士という書き方が惡かつたわけでありまして、これは満洲の弁護士をやつておつたという意味であります。
#13
○大野幸一君 これで今後一ヶ年にどのくらいを採用される予定なんですか、その員数。
#14
○政府委員(木内曾益君) この欠員の分は無論補充したいと思つておりまするし、それから尚いずれ追加予算に計上して御審議を願いたいと思つておるのでありまするが、新刑事訴訟法の実施に伴いまして、副檢事も相当大巾に増員しなければならない、かように考えておりまするので、成るべく多数の人を採用したいと思つておりまするが、今のところ一体何人くらい採用できるかという点についての見通しはございませんが、この一年間の実績から見まして、この特例によりすでに採用された二百三十七名以上のものは無論採用できる見込であります。そうして若し追加予算、新刑事訴訟法の実施による増員の場合も、認められまするならば、できるだけその分についても十分充員できるようにいたしたい、かように考えておるわけでございます。
#15
○委員長(伊藤修君) 他に御質疑はございませんですか。それじや昨日來の質疑の結果によりまして、大体副檢事及び事務官の職務執行に当つて相当粗野、粗暴の人もあるということ並びに事務官の職名並びに氏名を告げないという点、副檢事及び事務官の素質が相当低下しておる、從つて職務執行に対しては愼重なる態度をもつて行つて貰いたいなこういう三点について訓令を出して頂くことを政府に要求いたします。
#16
○政府委員(木内曾益君) 承知いたしました。
#17
○委員長(伊藤修君) 他に御質疑がなければ、質疑は打切ることに御異議はありませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(伊藤修君) では質疑はこれをもつて終結いたしました。では討論は省略いたしまして直ちに採決することに御異議はありませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(伊藤修君) ではさよう決定いたします。それでは本案全部を問題に供します。本案全部に御賛成の方は御起立をお願いいたします。
   〔総員起立〕
#20
○委員長(伊藤修君) 全会一致原案通り可決すべきものと決定いたしました。本案に対する本会議における委員長の口頭報告については、その内容は御一任をお願いいたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○委員長(伊藤修君) 尚多数意見者の署名をお願いいたしたいと思います。
  多数意見者
    齋  武雄  大野 幸一
    松村眞一郎  遠山 丙市
    岡部  常  鬼丸 義齊
    松井 道夫  星野 芳樹
#22
○委員長(伊藤修君) 次に戸籍手数料の額を定める法律の一部を改正する法律案、これを議題に供します。前回政府委員より本案の提案理由並びに説明をお伺いいたしましたが、本日は質疑に入りたいと存じます。
#23
○松井道夫君 私は附則についてお伺いしたいのですが、読んで字の通り分ると思うのですけれども、結局公布の日も入れて数える趣旨でしようか、或いは又民法の原則によるのでしようか。
#24
○政府委員(佐藤藤佐君) お尋ねの点でございますが、附則の、公布の日から起算して十五日を経過した日から施行するというこの文意は、公布の日を含めて十五日の計算をする解釈であります。
#25
○岡部常君 これは極く簡單明瞭な改正案でございますが、手数料の額を増すことですが、これは從前でも度々変えて、貨幣價値の変動に伴つて変えているように、今後もインフレは、必ずしも止まつたとはいえない、いな前途どうなるか分らんようなときになつております。その度々にと申しまして、その度々にやれればそれも結構ですが、恐らくこれは余程金の値打から見ると、かけ離れたときが相当あるのじやないか。これに対して何か、これはこの手数料だけには限りませんけれども、何らか政府の方ではいわゆるスライド・システムというようなものをお考えになつておられるかどうか。立案に際してそういうことを御考慮になつたかどうか、伺つておきたい。
#26
○政府委員(佐藤藤佐君) 物價の昂騰に伴いまして、たびたび御審議を願つては、手数料の額を増減いたしておるのでありますが、この煩を省くために、法律においてあらかじめスライデング・システムを採るということは、誠に御意見の通り非常に便宜ではありまするけれども、國内の目下の情勢におきましては、その時々の貨幣價値と申しますか、経済状態等を睨み合して手数料を決める方がよろしいというふうに、一應方針が決つておりまするので、物價廳、その他とも一緒に協議いたしまして、法律では、スライディング・システムを採らないで、その時々の情勢に應じて手数料を増減しようという方針を採つておるのであります。
#27
○岡部常君 お答えで分りましたが、時々と、本当の随時になさる積りか、或いは一年を何期かに分けて、その時時の情勢を判断する、まあそんなふうになさるか、どちらのお考えでございますか。
#28
○政府委員(佐藤藤佐君) その時々の情勢に應じて、手数料の額を変更すると申しましたのは、貨幣償値「その他物償等が著しく増減のあつたとぎに、國会の御審議を経て法律を改正したいと、かように考えておる次第であります。
#29
○大野幸一君 この附則の効力の点でが、例えば戸籍謄本を申請いたしまして、今なかなか一週間、十日とかかるのです。それで申請してあつたものに対して、交付の時期とは相当日にちがあるわけだが、この手数料に関しては、申請したときに旧法時代ならば、手数料は旧法でやるのか、交付のときにおいてこれを徴收するのか。そうすると、いわば役所の事務の澁滞に二つて、國民は思わざる負担をかけられることになるが、この点についてどういう解釈をとつておられるのか。
#30
○政府委員(佐藤藤佐君) お答えいたしますが、お尋ねの点は御尤もでございまして、戸籍手数料の額を定める法律によりますれば、交付についての手数料でありまするから、交付の日に手数料の額を定めなければならないと存ずるのでございまするけれども、仰せのように、役所の事務の澁滞のために申請人の負担を重からしむることがあつてはなりませんので、その点は法務廳から戸籍役場の方に通知をいたしまして、申請の日を基準にして手数料を徴收するようにというふうにいたしたいと考えております。
#31
○委員長(伊藤修君) 他に御質疑はありませんですか。では御質疑はこれを以て終結することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(伊藤修君) それでは御質疑はこれを以て終結いたします。
 では本案は極く簡單でありますから討論を省略いたしまして、直ちに採決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(伊藤修君) ではさよう決定いたします。では本案全部を問題に供します。本案に御賛成の方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#34
○委員長(伊藤修君) 全会一致可決すべきものと決定いたします。
 尚本会議における
  多数意見者
    齋  武雄  大野 幸一
    松村眞一郎  遠山 丙市
    岡部  常  鬼丸 義齊
    松井 道夫  星野 芳樹
#35
○委員長(伊藤修君) それでは次に訴 訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題に供します。
 これは昨日政府委員から御説明がありましたから、本日は質疑を継続いたします。
#36
○大野幸一君 本法案と一連の関連があるように思いますから、お尋ねするのですが、この裁判所執行吏が刑事訴訟に関して証人や、弁護人、或いは被告を喚び出すときに、その送達料が無料というか國家に奉仕的なものになつておるらしいですが、その点はどうなつておるのですか。若しそうならば、どうも今非常に執行吏の方では余り收入もなく、非常に執達吏は生活にも困るような惨めさがあるのですが、この点についてどうなつておりますか、御説明を願いたいと思います。
#37
○政府委員(佐藤藤佐君) お答えいたしますが、執達吏手数料規則によりますると、裁判所又は檢事局の命によつて書類を送達する場合には、手数料を支給しないという規定がありまするので、それに基いて從來刑事事件についての書類の送達料を執行吏に支拂つておらないのであります。
#38
○遠山丙市君 只今大野委員の御質問の点でありますが、それは支拂つておらんと今仰せになつておるのですが、何かこの民事関係とこれとは区別せられておるようで、何にか不公平な点がありはせんか。それから收入の点等においてはそういうことをやらなくても向差支えないというのでありますが、どうですか、併せてお聞きしておきたいのであります。
#39
○政府委員(佐藤藤佐君) 先程執達吏手数料規則と申上げましたが、それは執達吏規則という法律、明治二十三年の法律第五十一号でありますが、執達吏規則の誤りでございますから、御訂正を願いたいと思います。
 只今お尋ねの民事に関する書類の送達については執行吏に手数料を拂つておるのに、刑事に関する書類の送達については手数料を拂わないということは不均衡であるという仰せでございまするが、刑事の書類は先程申上げましたように、執達吏規則の第三條によつて、裁判所及び檢事局の命令によつて執達吏が、執行吏がその職務として書類を送達するのでありまするから、司法の第十六條によつて手数料を受くることができないのであります。併しながら民事に関する書類はこれは当事者の委任によつて書類を送達するというふうに解釈されまするので、その点は委任を受けて職務を行う場合には定規の手数料を受け、或いは立替金の弁済を受くることができるという規定が執達吏規則の第十五條にございまするので、さような解釈の下に從來民事における書類の送達は当事者から手数料を受けたり、又刑事に関する書類の送達については何ら手数料の支給をいたしておらないのであります。
 尚第二のお尋ねでございまするが、現在執行吏の手数料、その他の收入について、年收二万一千円に満たない場合には二万一千円に満つるまで國家において補助するということを政令で定めておるのであります。本法の改正が幸いに可決せられて施行になりますれば、同時にその政令を改正しまして、倍額の四万二千円を限度としまして、年收四万二千円に満たない場合は、國家から執行吏に対してこれを補助するというふうに改めようと考えておる次第でございます。
#40
○齋武雄君 訴訟費用を上げるにつきまして、一定の基準があるのでありますか。何を根本にしてこういう割合を定めたか、基本方針があるのでありましようかということをお伺いしたいと思います。
#41
○政府委員(佐藤藤佐君) 訴訟費用等の値上げの率でございまするが、これは提案理由で御説明申上げましたように、目下の経済情勢の変遷に伴いまして、小賣物價指数を見ますると、昨年の七月の小賣物價指数と本年の七月の小賣物價指数と比べまして、約三倍の物價高となつておるのでございます。尚公務員の旅費、日当等の増額も本年は從來の約三倍に引上げておりまするので、その基準に從いまして、訴訟費用等の増額を計算いたしたのでございます。
#42
○松井道夫君 今の執行吏の関係ですが、この関係は私ども頗る疎いのでお尋ねするのでありまするが、執行吏手数料規則明治二十三年の法律第五十二号となつておりますが、その二十一條に「執達吏裁判所及檢事局ノ命令ニ依り其職務ヲ行フ爲ニ要シタル立替金ハ三箇月毎ニ確定シテ之ヲ支給ス」、それは國庫から支給するという、こういう規定があるのでありますが、これは先程御説明になつた手数料を支給しない、まあ立替金というのは手数料でないことは明白でありますが、今の御説明との関係、それはどういうことになるのであるか。又立替金というものは、これはいろいろな旅費の規定とかいうものがあつて、それに上つて支給されておるものかどうか、そういつた点についてお尋ねをいたします。
#43
○政府委員(佐藤藤佐君) 仰せのように、立替金は手数料と全然区別せられておるのでありまして、刑事事件について書類の送達に要する手数料は支給いたしませんけれども、立替金があつた場合には、その立替金を支弁することになつておるのであります。どういう場合に立替金というものができるかと申上げますれば、執行吏がその一里以外の地に出た場合には、旅費を支給されることになつておるのでありまして、さような場合に旅費を立替支弁したことに対して、國家がその立替金を支拂うというのが、只今仰せのような規定の適用になるのでございます。
#44
○遠山丙市君 一里以上の場合に、まあ旅費ということの御説明でございますが、こういう工合に、非常に電車賃が高くなつておる今日、距離は一里内外という場合でも、電車に幾つも乘り換えて行かなくてはならないという場合があります。こういう電車賃なんというものは、一体誰が支弁することになつておるのか、この点を承つておきます。
#45
○政府委員(佐藤藤佐君) 只今申上げましたように、執行吏が一里以外に出る場合には、執達吏手数料規則によつて、旅費の支給がございまするけれども、一里以内の場合には、旅費の支給がございませんでので、從つて電車に乘りますれば、執行吏の自弁ということになつておるのであります。
#46
○松井道夫君 今の手数料規則の十八條に「一里毎ニ拾五銭以下ノ旅費ヲ受ク」ということが出ておるのでありますが、何だか非常に安いような氣もしますので、いつこれが改正されて十五銭ということに相成つておるのか分りませんが、こういつた法の是正といいますか、そういつたことの考慮は拂われておるかどうか。
#47
○政府委員(佐藤藤佐君) お尋ねの点でございまするが、一里ごとに十銭というこの手数料規則の規定が、その後たびたび変更改正になりまして、現在では八円、一里ごとに八円となつておりますが、只今御審議を願つておりまする訴訟費用等の法律が改正になりますれば、それに從つて執行吏の手数料もその三倍、二十円と改正いたしたつもりでおります。
#48
○大野幸一君 非常に訴訟を求めるのに印紙代が高くなつて、資産の方が十分でない場合があるので、てれを憂うるのであるが、全く貧困者して訴訟をやれない場合に、從來、ある裁判所によつては、非常に理解があつて、訴訟救助を直ぐ出す場合と、或いは又非常にこれを澁る場合があるのですが、こういう高額のものを支拂わなければならん場合においては、本法施行に当つて、その訴訟救助の規定を十分に活かして貰いたいということを、最高裁判所の方に一つ希望を法務廳から傳えておいて貰いたいと思うが、政府の考えはどうでしようか。
#49
○政府委員(佐藤藤佐君) 御趣旨のことは早速最高裁判所の事務局の方に傳達いたしたいと思います。
#50
○委員長(伊藤修君) それでは、本法に対する質疑はこの程度にいたしまして、爾余は後日に讓ることにいたします。
 次に罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適出する地区を定める法律案を議題に供します。これも前回政府委員から説明がありましたから、本日は質疑に入りたいと思います。
#51
○松村眞一郎君 この法案は、第一條に書いてありますごとく、これは室襲その他近時の戰爭による災害のための滅失建物等についての問題があるのでありますが、今回のようにたびたび震災とか火災とか水災というようなものにつきましての適用を繰返されるというに当りましては、むしろこの種の法律を或る意味において経常的と申しますか、そんなような考慮の下に初から建て替えるべきものじやないかと私は思うのでありますが、これは前に二十五條の二に関する法律の審議の際に、当初においていろいろ私は意見を申述べたのでありますが、どういうふうにお考えになつておりますか、その点お答え頂きたいと思います。
#52
○政府委員(佐藤藤佐君) 仰せの点は誠に御尤もでございまして、当局におきましてもすでに戰災地における罹災都市の借地借家問題は大体一段落を告げておりまするので、戰災以外の天災地変の場合を処理するための恒久法を作りたい意向の下に目下立案を研究いたしておるのであります。
#53
○委員長(伊藤修君) 第二國会で提案されました山口縣のこの種の法律の施行に対する地域については、その後必要ないのですか、どうですか。
#54
○政府委員(佐藤藤佐君) 第二國会で一應山口縣の長府町に本法を施行するように御審議を願つたのでありまするが、その後同町の情勢は必ずしも本法の適用を必要としないように相成つておりまするので、この度の改正案には提案いたさなかつたのでございます。
#55
○委員長(伊藤修君) 他に御質疑はありませんですか。
   〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
#56
○委員長(伊藤修君) では本案に対するところの質疑もこの程度で打切りまして、爾余は後日に讓ることにいたします。
 次に下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案を議題にいたします。本案につきましては、先に政府委員の説明がありましたし、本日は質疑に入りたいと存じます。
#57
○政府委員(兼子一君) この法案中家庭裁判所の設立及び管轄区域に関する分につきましては、その前提として裁判所法の改正を必要とするわけでございまして、裁判所法において、家庭裁判所の組織権限というものを定め、本法案において具体的に設置の場所及び管轄区域を定めるという形をとつているのでございまして、この裁判所法の一部を改正する法律案におきましては、昨日國会へ提出申上げた次第でございまして、実質的にはそれと関係して御審議を願わなければならない事柄とも存するのでございますが、手続の関係上本法案の方を先に御審議願うことになりましたのは誠に恐縮に存じますが、その趣旨をお含みの上御審議の程をお願いいたす次第でございます。
#58
○委員長(伊藤修君) お尋ねしますが、家庭裁判所は新しく新築するのですか、それとも從來の建物を利用してやるのですか。どうですか。
#59
○政府委員(兼子一君) 建物の点は、最高裁判所の所管に関する事柄となるのでございますが、予算の関係を見ますと特に新築費というものが計上されてないようなのでございまして、從つて從來の家事審判所或は少年審判所の廳舎というものを使う趣旨だと存じております。
#60
○委員長(伊藤修君) あなたの方じや分らないのですね。
#61
○政府委員(兼子一君) 詳細の、細かなことは分りません。
#62
○松井道夫君 裁判所の方に説明を求めたいのですが、最高裁判所のどなたか……。
#63
○委員長(伊藤修君) 御尤もです。
#64
○政府委員(兼子一君) 直ぐ参ります。
#65
○委員長(伊藤修君) 從來当委員会で請願がありまして、それを採択して、内閣の方へ送付した管轄裁判所の問題があるのですが、そういうものは、御提案の際に努めて、御提案の中に入れて一つ御提案していただきたいと存じますのです。我々が委員会において決定したものを無規されておるということは委員会としては誠に不本意なんですが、それを本法案に取入れてないという理由はどういうわけですか。
#66
○政府委員(兼子一君) この点につきましては旧來におきましても、岐阜縣武儀郡の関町につきましてはおつしやいました通り、第一回國会におきまして、参議院及び衆議院両院の請願の採択になつておるのでありまして、その節も当時の政府委員の方から、政府といたしましても裁判所側と十分協議いたしまして、財政その他の事情の許す限りは速かに御希望に副うように努力いたしたいというお答をいたしておる次第でございます。それと同時に尚他の三ケ所につきましても、やはり衆議院の方の請願で採択になつておるものもあるのでございます。それ以外に直接法務廳の方へ、地元の関係からも陳情請願ということにつきましても十ケ所ばかりありまして、それらはいずれも拜見しますと、地元の御要求としては尤もなことと存ずるのでございます。ただ予算の関係或いは裁判官その他職員の人数の関係等から、從來すでに設置すべきことになつておる簡易裁判所の開設も十分行つていないものも残つておりまして、そういうような点から考えまして、今回の法案の提出に当りましては、新設ということを一應見透つて、ただ簡易裁判所につきましては、管轄区域を調整するということを主にした関係上、只今御質問のありました請願のあつた件につきましても、他のものと同様に新設の関係につきましては、後日これを全図的に考えまして考慮したいという見地から、今回の法案には取入れなかつたような次第でございます。
#67
○委員長(伊藤修君) 只今政府委員の御説明にかかるような請願はですね、両院を通過いたした請願というものは、武儀郡の関町の一件だけでありまして、その余の請願は衆議院の採択が二件程ある筈であります。その他は法務廳直接の請願陳情であると存じます。少くとも両院を異議なく通過し、且つ政府委員もそれに対して賛意を表しておる請願といたしましてはこれ一件だけだと存じます。而もこの裁判所の設置につきましては、地元において建物、什器、その他一切を寄附して何ら予算を必要としない。判事及び職員をただ赴任させるに止まり、政府の負担としては容易にでき得る趣旨の請願であると存じますが、只今の御説明ではその意を得ないと存じますが如何ですか。
#68
○政府委員(兼子一君) 成るほど建物その他の点につきましては地元の方での御便宜を計つて頂ける点において経費の点が解決されるわけでございますが、尚事務費その他の点についての予算も必要でございまして、そういうふうな点の予算も以前に計上をしてございますが、結局御承認が得られなかつたような事情になつておるのでございまして、先程申上げた各地における設立の要求というふうなものがございます関係から、もう少し新設の点につきましては、全國的に調査をした上で決定したいという趣旨で、又設立いたすといたしますれば、ただ一箇所というよりは、やはり相当数を同時に設立するということが予算の関係などでも便宜だというふうに存じまして、先程申上げましたように、今回の法案には新設を加えなかつた次第なのでございます。
#69
○委員長(伊藤修君) 只今政府委員の後日々々というようなお話は、すでに昭和二十二年法律第六十三号の提案の際におきましても昨年お伺いしたのですが、荏苒としてさような容易にできる裁判所の設置を延ばされることはその意を得ないと思います。殊に両院が一致して可決し、且つ政府がそれに対して同意しておる場合におきまして、少くともこれに対するさような事務処理に要する予算ぐらいは取るべく努力されて然るべきと思いますが、さような御誠意がないのでありますが、どうですか。それともこれを実行する御誠意はないと伺つていいのですか。(「しつかり答弁しろ」と呼ぶ者あり)
#70
○政府委員(兼子一君) この予算の点につきましては、この度の予算は結局追加予算になる関係上、財政当局方面におきましてもできる限り新設予算というものを認めないというふうな傾向がございますので、少くとも通常國会までは提出の見込がないという関係上計上しなかつた次第でございます。
#71
○委員長(伊藤修君) 然らば本案につきまして、若し新設を修正いたした場合に、その新設の部分についての開廳を、新予算たる新年度の時期に開廳することを、附則で定めた場合においてはできますか、どうか。
#72
○政府委員(兼子一君) その点は法務廳及び裁判所の方で通常予算として要求することは、当然いたすつもりでございます。
#73
○委員長(伊藤修君) 政府において必要な事項に対する予算は、法律が定まつた場合にはそれを要求するだけの迫力がなかつたならば、法務廳はいつまで経つても予算は何も取れはしません。重ねてそれだけを申上げて置きます。
#74
○遠山丙市君 今の御質疑で非常に私は憂慮する問題であろうと考えておるのは、請願若しくは陳情がある、その中の新設の場合は、今追加予算であるからちよつと工合が惡いようなお話がありましたが、新設にあらざる場合、中の裁判所に或る村が入つておる、その村では図面の上ではよろしいが、実際に不便だから外の管轄へ行きたいのだというような請願陳情があつたと思います。一々私ども覚えておりませんが、そういうような意向に対しては、これは今までの請願陳情で、ただその村落がいずれかの管轄へ行きたいという希望、そういうものはそのままに行つておるかどうか。数が多かろうと思いますが、今までの請願陳情というものを一つここへ改めてお示しを願つて、それとこれとを一つ対照をして見たいと思いますが、それとも今ここで全部に亘つて御説明が願えれば結構だと思います。
#75
○政府委員(兼子一君) 由來管轄区域の点に関する請願、陳情は十件程ございまして、その中で正式に衆議院で採択になつたものは一件でございます。その点はこれは土浦簡易裁判所管内の管轄区域の点でございましてこれは本法案におきまして請願の趣旨に副つて変更を加えております。
#76
○委員長(伊藤修君) 他に御質疑がなければこの程度にいたしまして、爾余の御質疑は後日に讓ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(伊藤修君) では本日はこれを以て散会いたします……。
   午後零時三十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           鬼丸 義齊君
           岡部  常君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
           遠山 丙市君
           松井 道夫君
           松村眞一郎君
           星野 芳樹君
  政府委員
   檢 務 長 官 木内 曾益君
   法務調査意見長
   官       兼子  一君
   法務行政長官  佐藤 藤佐君
ソース: 国立国会図書館
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