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1948/11/30 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 法務委員会 第11号
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1948/11/30 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 法務委員会 第11号

#1
第003回国会 法務委員会 第11号
昭和二十三年十一月三十日(火曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○鹿兒島縣に福岡高等裁判所支部設置
 の請願(第二十号)
○憲法の解釈に関する件
○田中政務次官辞任に関する件
○裁判所法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○刑事訴訟法施行法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○司法警察職員等指定廳急措置法案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
   午後一時四十三分開会
#2
○委員長(伊藤修君) それでは法務委員会をこれより開会いたします。請願第二十号一鹿兒島縣に福岡高等裁判所支部設置に関する請願、紹介議員前之園喜一郎君、この請願を議題に供します。紹介議員の御説明をお伺いいたします。
#3
○委員外議員(前之園喜一郎君) 鹿兒島に高等裁判所の支部を設置して貰いたいということは、縣民の非常なる熱望であります。前の國会から引続いて各方面にお願い申上げておるわけでありますが、今日においても強く熱望いたしておる点においては変りはないわけであります。御承知の通り鹿兒島は交通関係におきましてもいろいろ不便の点もありまするし、又事件の数から申しましても、先般宮崎に支部が設置になりましたが、宮崎縣の殆んど倍以上もあるというような実情であります。縣におきましても、縣会で全会一致決議になつております。予算関係におきましては、縣が百万円、市が百万円、市町村会で百万円を支出することに議決されております。敷地といたしましても、すでに決定しておるというようなことで、万般の準備が整つておる次第でありますので、大体委員の皆様は一應御承知の方が多いと考えますが、どうか一つ請願の趣旨はお汲取り下さいまして採択をして頂くようにお願い申上げる次第でございます。よろしくお願いいたします。
#4
○委員長(伊藤修君) 別に御質疑はありませんですか。
#5
○大野幸一君 三百万円というのはどの程度のものですか。敷地だとか、家屋だとかいう意味か或いは又……。
#6
○委員外議員(前之園喜一郎君) 家屋だけです。それから宿舎などもいつでも準備ができるという手筈になつております。実は今日も鹿兒島の市会議員の人がそのことで來て、下で待つておる状況であります。非常に縣民を挙げてお願いしておるという実情をお汲取りを願いたいと思います。
#7
○來馬琢道君 宮崎縣にできましたのと対照いたしまして、鹿兒島支部が若しできるといたしましても、その管轄区域は熊本縣に及ぶのでございますか。鹿見島だけでございますか。
#8
○委員外議員(前之園喜一郎君) 私共の考えておりまするのは、熊本縣の一部、つまり福岡に行くのと、鹿兒島に来るのと、どちらが便利かということを考えまするときに、八代市以南は鹿児島市に來る方が、非常に時間的にも又経済的にも便利になるのであります。尚又宮崎縣の一部も鹿児島に來るのが、宮崎に行くよりも便利なところもあるというふうに考えておるのであります。
#9
○來馬琢道君 島嶼の方は全部鹿兒島縣ですか。
#10
○委員外議員(前之園喜一郎君) そうでございます。
#11
○來馬琢道君 宮崎縣は……。
#12
○委員外議員(前之園喜一郎君) ありません。
#13
○來馬琢道君 青島ぐらいなものじやないですか。
#14
○委員外議員(前之園喜一郎君) そうです。
#15
○來馬琢道君 青島は人はいませんから。
#16
○委員外議員(前之園喜一郎君) ええ。
#17
○委員長(伊藤修君) では本請願に対する政府の御意見を伺うことにいたします。
#18
○政府委員(岡咲恕一君) 鹿兒島縣に福岡高等裁判所支部設置の請願でございまするが、請願の御趣旨はよく了承いたしました。最高裁判所にも御趣意のあるところを傳達いたしまして、成るべく御請願の趣旨に副うように御配慮を願うことにいたしたいと存じます。
#19
○委員長(伊藤修君) 別に御発言もなければ本請願を採択いたしまして、内閣に送付すべきものと決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(伊藤修君) ではさよう決定いたします。それでは昨日大野議員よりの質問に関する御答弁を政府委員にお願いいたします。
#21
○政府委員(兼子一君) 昨日の御質問にお答えする前に、法務総裁と相談いたしましたが、総裁のお話しでは、政府としての公式の見解はまだはつきり決していない。目下研究中であるという程度であるから、その通りに御返事いたすようにというお話しがありまして、尚それにつきまして私個人の見解を述べることにつきましては、若し特にそういう趣旨でのお尋ねであるならば、答えても差支えないという了解を得て参りましたけれども、その点につきまして、御質問の委員の方のお考えは如何でございましようか。
#22
○大野幸一君 勿論先日その趣旨のあなた個人の考えでも言つて貰いたいということを申上げて置いた筈でございます。
#23
○委員長(伊藤修君) 質問者は個人の御意見でも差支えないという趣旨でありますから。
#24
○政府委員(兼子一君) それではその趣旨で、全く私個人としての、公聽会でもお聽き願うようなおつもりでお聽き願えれば幸いだと存じます。
 解散問題について、いろいろ議論もあるところでございますが、先ず日本國憲法の建前として、解散の形式というものは、私にはやはり七條による外はないというふうに考えられるのであります。即ち解散もやはり天皇の國事に関する行爲として内閣の助言と承認に基いて、内閣のみが責任を持つという行爲としてなされるものであるという点は明瞭ではないかと存ずるのであります。ただそれにつきまして、内閣がどういう場合に助言と承認をするのかという点が問題となるわけでございまして、今までその点に関する論争が、主として七條と六十九條というものの間の択一関係のような、いずれによるかというふうな議論が多かつたと論ずるのでありますけれども、一方は解散をする場合の形式の問題でありまして、この点については、やはり内閣が決定する。内閣の助言と承認に基いて、天皇の詔書で発表されるという外はないと存ずるのであります。そういう考え方は、或いはそれは御質問の趣旨にもございましたように、明治憲法時代の専制國家的な考え方じやないかという疑念を持たれる方もございますけれども、併しこの点は苟も解散というものを認める、衆議院なり或いは國会の解散というものを認める制度の下におきましては、イギリスのような王國は勿論のこと、前のドイツのブイマール憲法、或いはフランスの最近の第四共和國憲法などにおきましても、いずれも立法、司法、行政の三権に超然たる地位を持つておる大統領が、形式的には解散の宣言をするということになつておるわけでありまして、この点アメリカ合衆國憲法並びにこれに倣いました南米諸國の憲法におきましても、解散というものを、國会の解散という制度を全然考えておらなというのと対照をなすのでありまして、アメリカのような体制におきましては、三権というものを全く独立さしてしまつて、ただその相互の権限に基く対立を考え、その間の調節は自然の動きに任せるという建前でありまして、従つてアメリカ大統領は、みずから行政部の首班であつて立法府である國会と対立しておる。そうして國会は大統領の不信任を決議することもできなければ、又大統領は國会の不信任があつたとしても、國会で多数の支持を得ないとやても、尚その地位に留まることができるということになつておるわけでありまして、結局國会も大統領も共に、その任期中は如何にその間の関係がうまく行かないとしても、そのまま在任するという形になつておるわけでございます。ところが多くのその他の國におきましては、そういうふうな立法、司法、行政という三部門が皆ばらばらになつてしまつて、結局國の主権というものは、一時的には分裂を生ずるがために、國政がうまく行かないという場合を調節することを考えて、そうしてその一種の調節権、モデラティヴ・パワーというものを國王なり、或いは大統領に持たせるという形で、アメリカ式に完全に三権の独立を、独立のまま放置するという建前を取つておらないわけでございまして、この場合においては國王なり大統領の調節権というものが、三権同士の間の関係を、国民のために、或いは國家主権というものが形式的にはそこで統一されるという意味において行われるわけでございまして、而も國王や大統領の今申した調節権と申しますものは、例えば内閣総理大臣の任免権、或いは司法との関係においては恩赦権というふうなものが、これに包含されるわけでございますが、それらも民主主義の基礎の下においては、いずれも形式的なものと考えられていて、そういう場合に國王なり、大統領が、そういう権能を行使するかということは、三権の間の関係からおのずから出て来るものだというふうに考えられ、又運用されて來ておるわけでございます。そうして日本國憲法が内閣総理大臣の任免、或いは國会の解散ということを天皇の國事に関する行爲という中に数えておりますのも、結局天皇が國民統合の象徴たる地位において國民のためになされる行爲である、併しその意味において國民主権というものが三権に分れて、分裂してしまうという場合の調節権というものを、國民統合の象徴である天皇の行爲として統一されるという意味で行わせられるものと考えられるのでありまして、ただそれが民主的な基礎に基いて、結局それは三権相互の関係で決つて行くべきものだという意味におきまして、総理大臣の任命は國会の指名に基いてされるわけでありますし、又衆議院の解散も内閣の助言と承認によつて行わせられるという建前が採られたものと考えるのであります。そこでこの解散と申します制度は、結局内閣と國会との調和が取れないというために、國政の運用が阻碍され、澁滞するという場合にも、あくまで國会をそのまま任期中継続さして、内閣だけを変えて行くのだという態度が考えられないことはないのでありまして、最近の新憲法に知りました前のフランスの憲法は、そういう態度を取つていたと聞いておるわけでありますが、それに対して解散という制度を認めることは、結局そういう場合には一旦衆議院を解散して、新たに民意を代表した構成を求め、それと調和した内閣を作つて國政の運用を調節するという趣旨なわけでございまして、その顕著なる、場合には、勿論國会が内閣の責任を追及する場合に殊に衆議院が内閣の不信任を議決し、或いは信任案を否決したというために、内閣自身が総辞職を迫られるという場合でありますが、併し六十九條の場合だけにこの解散の要件を限定すべきがどうかということになりますと、実際上の見地から申しましてそれでは多少狭きに失しはしないかという疑問が起つて來るわけでありまして、元來規定の趣意から考えますと、六十九條は、衆議院の信任決議の効果を規定したわけでございまして、正面から解散の要件を規定したものというのは多少無理ではないか、むしろそういう決議があつた場合に、衆議院が十日以内に解散されない場合には、内閣は総辞職しなければならないという書き方をしてあります関係から、衆議院に一般的な解散という制度があることを前提として、そういう規定の書き方をしてあるというふうに読めないことはないわけでございますし、殊にその必要を考えますと、例えば明示的な不信任がなくても、小党が分立しておるために、内閣の政策の遂行が常に不安な状態に置かれておるという場合とか、或いは憲法改正の発議をするためとか、或いは重大な條約、例えば講和條約の承認をするとかいうふうな、重要な事項を決する場合などにおきまして、内閣といたしましても、前の総選挙の時から相当期間も経つておる、從つてそこで新たに後で國民を拘束するような重大なる結果をもたらすのについては、新らしい民意に基いた衆議院の構成によつて処理する方が適当ではないかという考慮の下に、解散を必要とする場合も考えられて来るのではないか。そういう意味におきまして憲法は正面から解散の要件というものを規定しなかつたのではないかというふうにも考えられるわけであります。尢も、解散の決定権を内閣に與えたというふうな解釈をすることは、國会が國権の最高機関であるということと矛盾するものではないか、或いは内閣総理大臣は國会の指名に基いて任命されるものである。その意味において。國会の下部機関じやないか、それが國会の一院を構成する衆議院を解散するということはおかしいという考え方もあるわけでございますが、併し一方において國会は國民の代表として最高機関たる地位にあるわけでございまして、待つて國民そのものではない。その点で、例えば株式会社の株主総会などとは違うわけであります。その場合は、全メンバーが揃つて総会を構成しておるのでありまして、從つてその場合には、代表関係ということはないわけですが、國会の場合には、やはりその意味においては間接的な民主制ということになるわけでございまして、そこで國会が現在の民意を適切に代表しておるかどうかという点の問題は、尚考慮の余地が残るわけだと存ずるのでありますし、又一方におきまして、内閣は直接行政権を國民から信託されておる。成る程その誕生のときには、総理大臣は國会の指名に基くわけでありますけれども、指名によつて成立した内閣それ自身は、行政権の最高責任機関でありまして、その意味におきましては、すべての点で國会の指揮監督を受けるという機関ではないわけでございまして、而も新憲法におきまして、解散との関係で從來の旧憲法と非常に違う点は、内閣も衆議院を解散する以上は、総選挙後の國会の召集の際に当然総辞職をしなければならないということで、この場合に、從つて解散の当否も総選挙によつて國民の審判に服するわけであります。又解散そのものは單に内閣が自分のために、自己を保存するために行うということでは、その目的を達しないことなので、結局衆議院も内閣も双方を一應建直すということによつて、立法部と司法部との間の調和を図るという点に、解散の目的があると考えなければならんのじやないかと思うのでございまして、この点は、実際の政治の見地からしましても解散ということを認めませんと、内閣が総辞職をした場合には、衆議院の改選期までの間に、場合によつては、誰が組閣しても政局の不安定を免れないという場合も生じましようし、或いは又小党分立の場合においては、政権争奪のために政党の離合集散が、選挙民の意思を離れて行われるというふうなことは、全く明朗な民主政治を堕落させる危険があるもいう懸念もあり得るわけでございます。その点で、フランスの新憲法などにおきましても、從來解散を認めないというふうな考え方をしておりましたけれども、やはりフランスの政情というふうなものを考えまして、或る程度の解散が成立いたしました事情は、これは周知のごとく、疑獄事件がその原因となつたものであります。從つて政界の粛正と申しますこというものを認めておるわけなのでそういう点はやはり解散という制度が、民主國家においてもやはり必至であるというふうに考えられておるからではないかと存ずるわけであります。簡單に私の考えをお語いたしましたけれども、尚御質問がございましたらお答えいたしたいと思います。
#25
○大野幸一君 長い御説明がありましたけれども、私はその長い御説明は殆んど今まで聽いたことでありまして、私の最も興味を持つたことは、調査意見長官をしておられるあなたが、どんな思想を持つておいでになるかということで、やはりその思想は決して進歩的な思想ではないと感じました。そういう方が今調査意見長官にあられることが日本の民主化のためによいか悪いかということは大いに我々検討しなければならんと思うのであります。私は憲法を外國の例に見て、或いにいろいろな解釈を用いてすべきものではなくして、これはやはり思想から起きるところの分離点であると思うのであります。そこで一つあなたに次にお聽きしたいことは、一体國事と國政との差如何ということ、こういうことからお伺いたしたいと思います。
#26
○政府委員(兼子一君) 國事と申しますのは、結局実質は外で映つて來たことを儀礼的の、或いは認証的な意味で國民統合の象徴としての天皇が、國民のために行われる行爲というふうに考えます。
#27
○大野幸一君 國政は。
#28
○政府委員(兼子一君) 國政とは、國の政策、或いは國の目的というものを実現するための実質的な活動を指すと思います。
#29
○大野幸一君 それでは解散は國事に属するか、國政に属するか。
#30
○政府委員(兼子一君) 解散の決定は國政に属すると思います。但し先程も申上げたように、解散と申しましても、結局行政府と立法府との関係が出て來るわけでありますから、その点を、実質は、例えば行政府で内閣が決定すると申しましても、そのままこれを現わすことは如何にも双方の地位から申して適当でないというところから、先程も申上げた國民の全体を代表した、或いは國民の統合の象徴であるという意味におきましての天皇の召集によつて発表されるという形式を取つたものと考えるのでありまして、この点は先程も申上げましたように、共和國の大統領などにおきましても、そういう形で解散がなされておるわけだと存ずるのであります。
#31
○大野幸一君 それでは解散を國民に知らせる、いわゆる宣言する。衆議院の解散を宣言することは國事である。こういう解散を内閣において決定することは國政であると了承してよろしいか。
#32
○政府委員(兼子一君) さようでございます。
#33
○大野幸一君 それなれば「第七條で天皇の行爲は、天皇の権限は「左の國事に関する行爲を行ふ。」この意味は次の三の「衆議院を解散すること。」、この解散することは國事としての行爲をなす。こういう意味に解釈してよろしいか。如何ですか。
#34
○政府委員(兼子一君) 國事としての行為をなすという御趣旨はどういうことでございますか。
#35
○大野幸一君 第七條に「國事に関する行爲ということは、先程も申しました國政ではないという意味でしよう。
#36
○政府委員(兼子一君) そうです。
#37
○大野幸一君 そうですね。そこで内閣が第七條によつて決定するというわけには行きませんね。第七條によつて内閣が決定するか、しないかは別です。天皇の権限だけを第七條に規定してあるんだから、天皇の國事行爲としての権限を規定してあるんでしよう。内閣に解散権があるかないかということはできないわけですね。
#38
○政府委員(兼子一君) 内閣に解散権というものはございませんけれども、解散を決定して天皇に対して助言と承認をするという責任は内閣にあるわけです。又内閣以外にはその責任を誰も負はないわけです。
#39
○大野幸一君 それでは内閣がその解散を決定することは國政ですね。
#40
○政府委員(兼子一君) ええそうです。それは例えば國会の召集というようなことにつきましても、憲法にはやはり天皇が召集するという天皇の國事に対する行爲になつておりますけれども、実質はやはり内閣が決定するという趣旨は憲法の規定の上にも現われておるわけでございまして、解散の場合もそれと同様だと存ずるのであります。例えば五十三條で内閣が決定するということがあります。これはやはり実質を決定するという意味でありまして、形式はやはり天皇の詔書で召集というものがなされることと同じだと思います。
#41
○大野幸一君 それでは何故國会を召集するのだと言つて五十三條に、あなたの考えで言えば第七條に、國会を召集するという権限がある以上は、他に必要はないじやないか。五十三條になぜ無駄な規定を設けたのか。私のこの理論を言わせれば、五十三條に「内閣は、國会の臨時会の召集を決定することができる、いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」、こういうことになつております。五十三條に臨時会の召集を決定することができるといつて規定しておる。我我にこの規定に基いて五十三條と七條によつて召集するという詔書を受けておる。一体臨時会の方が私から言わせれば解散よりは小である。臨時会の召集ぐらいのことは当然のことだ。我々が召集されて毎日働くのは当り前です。これについても五十三條の規定があるからこそ、この五十三條によつて「内閣は、國会の臨時会の召集を決定することができる。」と書いてあるからこそ、第七條でその國事行爲をなすと私は解釈するのです。この條文上から言つてもそういう結論が生ずる。尚更それ以上の衆議院議員たるの資格を剥奪する、消滅せしめるその行爲が内閣にあるということは、むしろあなたの今の國会召集権と対象することにおいては、認めないと認めるのが常道ではないか。國会を召集することすら五十二條、五十三条にあるのに、解散権がない。内閣が解散することができるとどこにも書いてないのに拘わらず、第七條だけでできるというのはもう一度御説明願いたい。
#42
○政府委員(兼子一君) 第七條に掲げてあります行爲は、すべて内閣の助言と承認とによつて、内閣のみが責任を負うという建前になつておるのでありまして、その意味から解散も内閣の決定するところである。五十三條の召集の決定ということを特に書きましたのは、これは臨時会である関係から書いたわけでございまして実質はすべての國事に関する行爲について内閣が決定するということは、助言と承認との責任が内閣にあるということから当然出て来るところであると存じておる次第であります。尚、六十九條の関係から申しましても六十九條にも内閣が主語になつておりますれば、内閣が衆議院の解散を決定しない限り総辞職をしなければならないことになるわけでございますけれども、解散というものは一般に当然内閣の責任で決定されるものであるという意味において、第三條及び第七條の関係からその実体が決まるというふうに考えておるわけでございます。
#43
○大野幸一君 第三條を例に出されましたけれども、第三條はいわゆる昔の天皇不可侵性と同じであつて、内閣がその責任を負うということは、責任があるから何でもやれるという意味じやない。私はそう解釈します。そうしてあなたは政治論と混同されたような考えがある。我々は今現在の衆議院で問題になつておるような政治論を言つておるのでなくして、全く憲法を擁護したいというそういう一念からここに確定して置こうと、こう考えたのでありますが、甚だ遺憾であります。これは要するに私の解釈を例えば参考までに一つ申上げて置きたい。あなたの解釈論を言われますから、私の意見を一つ述べて見ます。第四條に「天皇は、この憲法の定める国事に関する行爲のみを行い、國政に関する権能を有しない。」これはあなたの抑せられる儀礼的行爲のみを有しておる。第七條のいわゆる「左の國事に関する行爲」という天皇の行爲は、これは、その儀礼的行爲に関する行爲のみを行う、儀礼的行爲のみに関して、内閣は助言と承認が尚必要であるという意味であります。この文章をどう解釈しても、天皇は内閣の助言と承認によつて國民のために左の國事に関する行爲を行う、その儀礼的行爲に関する行爲を内閣の助言と承認とによつて行う、こういうことであります。これより外に一歩も出てはいけないのであります。そこで國会を召集することもあなたは今五十二條、五十三條の説明をされたけれども納得できない。議会を召集することも五十二條、五十三條によつて、それに基いてその儀礼的行爲を内閣が助言するのであります。そうして又それを承認するのであります、衆議院を解散することは、これはどこにも規定がないから、六十九條の場合のみによつて行う。内閣の行政権と國会の権限との調整は、この六十九條のみによつて諮つて毫も差支えないのであります。内閣が不信任案の決議をされたら解散するか、総辞職をするか、そのとき初めて内閣に決定権が置かれる、選択権を持つのであります。現在のこの政情は全く民主少数党が内閣を取つておるというような、この何と言いますか、変態的な政治である。それは何故こういうことが生れたかということを言えば、芦田内閣の不祥事件から、疑獄事件から生れたのであります。これは変態的の内閣の倒壊の方法である。從つてあなた方の今考える、あなたは恰も政府の代弁者のごとく政治論においておつしやいました。私はただ法律専門家というつもりでのみ聽いていたけれども、あなたは、政府の代弁者のような氣持でおつしやいましたような感がしだが、こういう変態的の場合を解決するためには、どうしても七條じやなければ政治上不都合を生ずるようなことを拾も利用して、あなたが説明されたということに対しては、私は甚だ遺憾であります。そういう政治論ではないのであります。少数党が内閣を取るときがあれば、不信任が必ずそこに決定さるべきものと、こういう政情の場合を予想しておるものと思います。そういう意味におきまして、私は然らばあなたも政府のお方として、今回何故にこういうような二つの問題、解散の問題とそうして臨時召集のことが客観情勢としてできなかつたかということを御存じですか、それを一つお伺いしたい。客観情勢としてできなかつたようなことを、あなたは推察しておられますかどうか、それを一つ伺いたい。そうして而もそれに反して、あなたは勇敢に今ここでその意見を述べられたと承知していいか。
#44
○政府委員(兼子一君) 只今のお言葉で、私の考えが如何にも政治的だというふうに仰せられましたけれども、私は、むしろ私の方が法律的に考えておると存ずるのでありまして、例えば政治情勢というようなことも、私はむしろフランスあたりの例を引いて申上げたわけでありましてそういうところにもやはり解散という制度が必要なんだということを、又その必要からフランスの新憲法にも解散という制度が置かれたのだという趣旨で申上げておるわけでありまして、むしろ如何なる場合に解散すべきかということは、結局政治問題でありまして、今回の問題になつておる当面の場合に、内閣といたしまして如何なる理由に基いて、又如何なる憲法の條文に基いて解散するかと申すことは、これは内閣の政治責任を以て決定すべき問題であるということも考えておるのでありまして、私は決してその点において内閣の当面しておる問題についての政治的な態度を弁護するというふうな意味で法律論をしたつもりは全然ございません。それから現内閣が解散しようと思つておるけれども、できないじやないかというふうな事柄につきましては、これは全く政治の裏面の問題であると考えるので、私たちにはその事情ははつきり分つておりません。
#45
○委員長(伊藤修君) その問題はこの程度にして御異議ありませんか……。では次に松井委員からの政府への質問に対する御答弁をお願いいたします。松井委員から簡單に一つ質問事項を申上げて下さい。お言ずてがないようですから。
#46
○松井道夫君 田中政務次官はどういう理由で辞職されたかという点をお尋ねしたいのです。
#47
○政府委員(木内曾益君) この点は私の所管でないのでありまして、官房長がおらないものですから申上げられませんが、確かこの前辞表が出たか、或いは発令になつたかという御質問もありましたようです。昨日私は知りませんでしたが、その後聽きますと、辞表が出て発令になつたということを承知しました。併しどういう事情でお辞めになつたか、それは私は承知しておりません。
#48
○松井道夫君 政府としてお答えになる意思はないのですか。昨日求めて置いたのですが……。
#49
○政府委員(木内曾益君) いやこれはどういう理由で辞めることにしたかというふうな御質問があつたようには私に承知しなかつたのです。それは辞表が出たか、或いは発令になつたかというだけの御質問のように私は了承して帰つたものですから、それで帰つて総裁に伺いました。いや、それは今日発令になつたということをお聽きしたわけです。どういう理由で辞職されたかということは、連絡いたしまして、次の機会まで一つお許しを願いたいと思います。私が若し聞き違えて、それを傳達するのを忘れておつたとすれば、私の責任でありまして、この点はお詫びいたします。
#50
○委員長(伊藤修君) 昨日の松井委員の質問には、理由を明示して頂くようにお申出があつた筈であります。次に星野委員の質問に対する答弁を願います。
#51
○星野芳樹君 昨日私が質問した、数日前丸の内電話局の組合員を逮捕した事件について、その理由と事情を伺いたいという質問をして置きましたが、これに対してお答えをお願いいたします。
#52
○政府委員(木内曾益君) お答えいたします。検察廳からの報告によりますると、中央電話局の事件は、局長側の申告によりまして警察官が出動しまして、当時の從業員側の交渉は正当な交渉、國体交渉の域を超えておつて、不法監禁並びに建造物不退去罪というべきものであると認めまして、その首謀者と認めらるべき数名を現行犯として検挙いたしたのであります。本件はすでに検事が引取りまして愼重に目下捜査中でございます。この捜査の結果、警察の処分が不当であるかないかということも当然明らかにする考えでおります。仮に不当な措置があつたといたしますれば、これに対しましては、適当なる処置を取る考えでおります。尚私の答弁で足りない点がありましたら、校務局長が出席しておりますから、檢務局長からお答えいたさせます。
#53
○星野芳樹君 只今の御答弁によると、局長さんの申告によつて警察が発動したと言われておりまするが、私は組合員の方から聽きましたところ、この原因は超過時間勤務の手当を支給する約束ができたところが、その超過勤務手当を局長その他が私して多く使つて下に廻らなかつた、それが原因だつたということが報告されております。これも一方的報告ですから、そのまま信ずるのもどうかと思いまするが、若しさようなことがあつたならば、これは組合員が正当なる團結権を超える前に、局長の方にも何と言いますか不法行爲があつたと認められる、その点を一方的な申告のみでお調べになつて、そちらの方を御調査にならなかつたとしたならば、甚だ一方的な手落ちだと思われるのです。その点は如何でしようか。
#54
○政府委員(高橋一郎君) この問題につきまして警察権が発動いたしましたのは、組合側の主張がいいとか悪いとかいう問題ではなくして、要するにその方法が行過ぎであつたと、そうしてそれがそのまま放任できない状態にありましたので、これを檢挙したということであります。併しその原因につきまして、若し局長側に不正があるということでありますれば、本件の捜査と同時にこれをやはり検察廳で捜査することといたします。
#55
○委員長(伊藤修君) 質問は終りましたが、お諮りいたしたいことがありますが、本日裁判所法の一部を改正する等の法律案につきまして、同法案の内容に國会図書館に関する重要事項が含まれておるのであります。これは國会図書館において非常な関連を有しますから、同委員長から連合審査の申入れがありましたから、当委員会において連合審査をいたしたいと思います。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○委員長(伊藤修君) それでは委員会は暫く休憩いたします。
   午後二時二十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時四十五分開会
#57
○委員長(伊藤修君) 休憩前に引続き法務委員会を開会いたします。引続き質疑を続行したいと思います。
#58
○松村眞一郎君 この裁判所法の一部を改正する等の法律案の他の條文について、私はまだ質問の要領が残つておるのですが、それはどうしますが、この際申しますか。
#59
○委員長(伊藤修君) ではこの際どうぞ。
#60
○松村眞一郎君 私の質問は、この最高裁判所の判事に秘書官を付けるということについての疑問を持つておるのでありますが、元來裁判所の判事の方方に立派な裁判をして頂くためには、できるだけいろいろな資料の蒐集も必要でありましよう、いろいろの調査も必要であろうと思いますから、私は裁判所の、殊に最高裁判所の判事には、そのアシスタントとしての何らかの職員を附置するの必要なることを痛感いたすのであります。併しながら秘書官というものを付けることが急務であるか、或いは判事各自にアシスタントとしての調査官を付することが急務であるかということについて私は考えておるのでありますが私はむしろ祕書官という問題でなく、アシスタシトとしての調査官を各判事に一人ずつ付けることの考え方にした方がよくはないかと、こういうように思うのであります。それは、秘書官は機密に関することを掌るといつたような條文があつたように考えますが、各判事が一年を通じて、相当の待遇をするところの秘書官を持たなければならない程の事務があるかどうかということが、私としては疑いを持つておるのであります。一年を通じて一人の高等官級の職員を付けなければならない程に忙しい勤務があるかどうかという点について、実は疑いを持つておるのであります。併しながらいろいろな職務を遂行される上において、調査は一年を通じてどうしても一人の高等官が必要であろうと私は考えるのでありますが、その点について政府委員はどう考えておられるのでありますか、調査官のごとき者よりも、勤務のために一年を通じて、どうしても置かなければならなんという工合にお考えになつておるかどうか。
#61
○説明員(本間喜一君) 裁判官がこの一年間において、どういうような事務をやつておつたか、その内容について大体のことを申上げます。裁判官が十月現在で以て裁判事務、つまり裁判事務の方面として民事の事件では九百何件が未済になつております。既済が約六百件ばかりになつております。尚刑事事件として九百件ばかりが未済になつており、民事事件といたしまして九十九件ばかり分担しておるのであります。現在欠員一名ですが、十四人の判事としては相当過重な負担であるのに、他方面において、裁判官会議において行政事務もやらなければならん、裁判所全体の行政を統轄するのは裁判官会議でありまして、この裁判官会議は人事規則の制定、渉外事項その他司法研修所というようなものに関係した教育事務も全部含まつておりまして、過去一年間において、裁判官会議を開いた回数に百五十五回あります。その内容を申上げますと、裁判官の人事に関す、る任命及び裁判官以外の大きな人事に関しては、裁判官会議の議に付さなければならないということになつておりますので、相当の過重になつております。判事の数が約千八百人、それの切替えの外、人事の異動は相当あるのであります。又規則の制定、今度新らしい憲法に基いて各種の訴訟手続、弁護士に関する事項、その他司法行政に関する法則を制定しなければならん、そのために前年度に、おいては、約十九規則、本年度においては三十一ばかりの規則を制定しなければなりません、殊に今度の刑事訴訟のような法律ができました結果、殆んど刑事訴訟と似たくらいな條文、例えば刑事訴訟規則のごときは、三百二、三ケ條に亘つておるものを審議しておる状態で、その規則制定に関しては各種の材料も蒐集しなければならん、こういうような状態になつておりまして、地方に各方面の事項を調べなければならんことになつております。尚、渉外関係のことは始終あるのは勿論でありますが、このために事務局だけでは十分でなく、裁判、官も直接渉外関係の交渉をしなければならんような場合がたびたび起つて來ておるような状態であります。それから司法研修所の問題は、判事補、弁護士、検事の、將來そういうものになるための研修所を控え、今修習生が三百何十人という多数を控え、各方面に分布さしてそれを教習しておる、それをも監督しなければならん、こういうわけでありまして、非常に私共から見ましては、裁判官の仕事に、あの御年齢こしてはお氣の毒なくらい忙しい状態になつておる。判決の方面なんかも土曜、日曜などは殆んど家で事務を見なければならん、こういう状態になつております。今松村委員からお話の調査日の問題でありますが、これは專ち裁判官の判決決定、そういう方面に関する具体的事件の調査を掌つております。司法行政方面に亘つたものは、司法事務としておらないのであります。それで手一杯の状態であります。どうしてもそういう方面における、十分機密を保ち得るような、援助するような人が入用だというのが現状であります。そういうような状態であります。
#62
○松村眞一郎君 只今の御説明でお忙しいことはよく分りました。それであるから調査官的のものが必要だという院とを申しておるので現在の調査官代個々の裁判官に付いていなければ、今度個々の裁判官に附置するところの調査官を置いて、從來と違つた調査を担当させて一向差支えないと思います。官制においても必ず各判事に付けなければ……付けちや悪いということはないのでありますから、從來の調査官の職務の内容を変えたならば、判事に専属して、判事の事務の担当ができると思います。只今御説明になつた中でも、いろいろな規則を作つておるようなことは仰せられたのでありますが、それは機密では殆んどないと思います。一つの事務なんでありますから、調査事務として担当されていいのではないかと思います。ここに揚げてあるのは、機密に関する事務というのでありますから、そういつた規則を作る間には、外部に発表してはならないというようなことは、これは機密とは言えないと思います。凡そ或る仕事をする場合に、調査中のものを発表しちやいけないことは、これは当然のことなんで、そういう規則を作るということが機密であるということは申されないと思うのでありますから、私の申します趣旨をよく御了解願いたいと思います。忙しい判事であるから、その人に何らかのお手助けが必要であるということを申しておる、それを機密というような限つた事柄にしないで、もつとはつきりした仕事をさせたらいいのではないか。尚もう一つは、秘書官というようなものになされますというと、その人の在職年数というものは、後で判事になるときに数えられない。殊にそれは個人的性格を持つことになる。むしろそういうことでなく、役人として仕事を助けるということを法制上決めた方がいいのではないか。そうすれば、個々の調査官をお持ちになつておると、その在職年数は後の判事の役にも立つということになるのです。從來の國務大臣とか何とかいう、そういう政治的の秘書官は、その國務大臣それ自身の在職も短いのでありますし、いろいろ忙しいことがありますから、個人的の秘書官をお付けになつて私は適当だと思います。併し、裁判官はそういう性質の上ものではないのです。ずつと経常的に仕事仕草を落着いてなさるのでありますから、そういう方面の助力をされる方を、機密という言葉をお使いになるよりも、純然たる事務的の人をお使いになつた方がよくはないかというのでありまして、私の考えの方がむしろ親切じやないかと思つておる。減らせということを申しておるのではない。秘書官に代えるのに調査官にして、各判事に一人ずつ付けるということにして、実際の仕事を充実して頂きたい。そういうことであるならば、秘書官的な人でないのであつて、判事と同じくらいな、しつかりした学問的の基礎のある方をお使いになつて、そうして実の入つた調査をして頂いたらどうか。機密のようなことが必要であるならば、それは從来ある事務官をお付けになつて私はよかろうと思います。必ずしも裁判官の長官というような方々と同じような意味の秘書官を付けるということは、これは私は適当でないと、こういう考を持つております。これは併し政府の方と意見が違えば、我々の意見は意見として又それで申出るわけであります。ただ私の考えだけを申上げて置きます。
#63
○説明員(本間喜一君) 御意見はよく分りますが、最高裁判所といたしましては、やはり裁判官の司法行政についておやりになつておる仕事は、普通の官吏以上にその機密について裁判官が責任を持つくらいに重大に考えるような人を傍に置いて頂きたい、こういう意味合で、例えばいろいろの書類を整理し、保管するにしても、裁判官自身が整理し、保管すると同じくらいな責任を持つような、そういう人を置いて貰う方が、仕事の上からして、普通の事務官を置くよりは確実であり、却つて裁判官は安心できるだろう、こういう建前でありまして、やはり事務官以上の秘書官にして頂いた方が機密保持のために結構ではないかと、こう考えた次第であります。尚、公務員法の中に今度秘書官を置くことになつておりますので、そういうことと照らし合しまして、裁判所法の中にそういうふうに挿入して頂くようにお願いしたわけであります。
#64
○松村眞一郎君 意見になりますから、私の考えと所見を異にしておると申上げるより外はないのでありますが、公務員法の関係は、こちらの方でなくなれば、自然適用がないのでありますから、削れば一緒に削つてもよろしいでしよう。残つても一向差支えないのでありまして、官がなければ、それについての適用がない、それだけの話で、大して問題はないと思います。ただ裁判官について今仰せられたようなことは、最高裁判所の判事に限つて機密が必要であるというような議論には私にならんと思います。今おつしやつたようなことであれば、すべての判事に機密ということは皆入るのであります。そういう意味ではないのであつて、最高裁判官の判事について特に機密のものがあるかどうかということが問題になりますから、そういつたようなことまで詮索する必要はないのであつて、判事それ自身は、忙しいことを助ければよいのであつて、忙しいというのにはいろいろな意味がありましよう。裁判の方面の事務もありましよう。行政の事務もありましよう。併しながら今申しました要点は、むしろ裁判の方面に立派な職務を遂行して頂きたいということの方が要点ではないかということで私は申上げたのであります。それ以上は意見になるようでありますから、私の意見はそうであるということだけを申上げて置きます。
#65
○委員長(伊藤修君) 他に御発言ありませんか。
#66
○大野幸一君 最高裁判所の方に伺いたいのですが、裁判官会議ということを、私は非常によいことだと思つていたのですが、これは最高裁判所ではありませんが、地方の裁判所の裁判官会議では裁判官会議があると、初めから所長又は委員長が原案を作つて來て所長一任というようなことでずつと済んでしまう。そういう弊害を下級判事からしばしば聞いたことがありますが、一体そういうふうに裁判官会議が行われておるものであるかどうかということを、この際ちよつと……又そういうことは好ましくないと思つておいでになるか、そういうことも止むを得ないと思つておいでになるのか、その点をお伺いいたしたいと思います。
#67
○説明員(本間喜一君) 裁判官会議の実際の議事その他の方法については、一般の下級裁判所に関する事務規程がある外は、各裁判所の自治に任せて、その所どころによつて、事情に感じてそれぞれ違つたように取扱われておるのではないかと思います。最高裁判所におきましては、裁判官会議は、そういうようなことがなしに、一人々々非常な議論が多くて、その点については任せて、どうするというようなことはちつともやつておりません。下級裁判所は、支部が方々にありまする関係上、それらの判事が二日がかりで出て來てそうして会議をするというようなことになると、非常に不便になるところがある結果、北海道とか、そういうような僻地になりますると、今のような特殊の事情の下に委任してやつておるような場合もあるのではないかと、こう思われます。こういうようなことは、各場所々々における裁判官会議で、それぞれ適当に皆対應するようにやつておるのではないかと、こう思つております。
#68
○大野幸一君 各裁判所の意見を十分に聽いて、そうしてその不満をなからしむることが裁判官会議の民主的な方法だと思いますから、そういう略式が行われる場合も、それは各裁判官が満足することを前提にしてやつて貰いたいということを希望して置きます。それについで不満があるならば、從來と同じことで、裁判官会議の意味をなさないから、その点を希望して置きます。
#69
○委員長(伊藤修君) 裁判官会議の司法行政上の責任者は一体誰ですか。会議が負うのですか、議長が負うのですか。
#70
○説明員(本間喜一君) 会議の全員だと思います。
#71
○委員長(伊藤修君) 全員が司法行政上の責任者ですか。
#72
○説明員(本間喜一君) そうです。
#73
○委員長(伊藤修君) 他にございませんか……それでは本案に対するところの質疑は後刻に継続いたします。それでは先程の松井委員の質疑に対しまする法務総裁の御答弁を願います。
#74
○松井道夫君 法務総裁が御出席になりましたので、この際前回の質問のみでなく、多少それに関連した他の事項についてもお尋ねしたいと存ずる次第であります。
 私の質問いたしたいと思いますることは、田中法務次官が辞職されたことに関してであります。吉田内閣と、乃至は内閣の人事、その他專らそういつた面を十分に考慮いたしまして、なされるということであつたのであります。たまたま法務廳におきましては、田中角榮氏が政務次官に就任されたのであります。ところがその後になりまして、例の炭鉱國管関係の捜査の過程におきまして、田中法務次官の家宅捜索があつたのであります。それに引き続きまして、田中次官からは、新聞紙上その他に、自分については犯罪の嫌疑というものが一つもないのである。從つて辞職いたすようなことはない。或いは解散を予想されて、立候補を取止めるようなことはないというようなことを述べておられたのであります。更にそれに続きまして、今日檢務長官からのお話によりますと、本日この辞職の方の発令があつたと聞き及んだ次第であります。それで私のお尋ねしたいと思いますることは、第一に、田中法務次官の選考の事情、これを第一にお尋ねいたしたい。次に、田中法務次官が辞職された、その辞職の理由をお尋ねしたいのであります。これは今の吉田内閣の一つの重要な建前になつております。政界粛正ということにつきましても、又法務次官乃至は代議士に対して家宅捜索をする。それが如何なる場合に、如何なる注意を以てなされなければならんかといつたような、重要な問題に関連いたしますることで、検務長官からは、今の家宅捜索関係の御答弁があつたわけでありまするが、幸い今日は法務総裁の御出席がありましたので、先程申しました選考事情並びに辞職の理由、それをお尋ねいたしたいと存ずるのであります。
#75
○国務大臣(殖田俊吉君) お答えを申上げます。田中次官の選考のありましたときは、私はまだ法務総裁に就任いたしておりませんで、單に國務大臣として、その選考の閣議に参加いたしました。私は、どういう事情で選考されましたか、細いことを存じませんが、その当時の閣議の模様によりますれば、主として民自党内からだろうと思いますが、参議院及び衆議院の方々の中から二十数名選びまして、そうして政務次官に任命するということでありました。私はその人選がまだ具体的に、それが適当であるかどうかということまでは、私としては深く検討いたしませんでしたが、党と政府とにおいて相談したことでありまして、適当な方々が選ばれている、殊にお話のごとく綱紀粛正を建前としております内閣といたしまして、その建前に適合した人々が選ばれていることと存じました。もつと具体的に、何か取調べて参つた方がよろしければ取調べて参ります。私の承知しているのはそれだけであります。ところが私が法務総裁に就任いたしまして、そこで田中角榮君が、自分の法務次官であることをはつきり知りましたことであります。ところが不幸にも、今月二十三日でありましたか家宅捜索が行われたのでありまして家宅捜索が行われまするや、直ちに私は報告を受けました。その当時、その家宅捜索につきましては、檢務長官から報告を受けましたのでありますが、檢察の執行上、誠に止むを得ないことである。こういうふうに考えましたので、それは了承いたしたのであります。私が予め協議した事項ではございません。協議事項になつておりませんものですから、これは検察廳で独自の考えを以て、恐らく各般の事情を考慮いたしまして、適当と認めてやつたことと思いまして、私はそれに対して了承を與えました。ところがその翌日でありますか、田中君は私にではございませんが、自分は、何にも自分に疚しい点はないけれども、併し苟くもこの綱紀粛正を建前としている内閣の中で以て、而も法務廳の政務次官を奉職している、そういたしますれば、世間はやはりそれにつきまして、法務廳或いは内閣に対して多少の疑惑の念を持つかも知れない。つまり法務廳又は内閣の威信を失墜するようになつてはいけない。そこで自分は辞めたいということを申しておつたそうであります。ところがそれは、噂さを聽きましただけで、辞表を手にいたしませんでしたが一昨日辞表を提出して参りました。その辞表は、今般都合により辞職いたしたく、この段お願いに及び候なりというような文言の辞表でございます。そこで私はその当時まで、田中君を辞めさせなければならんとは考えておりませんでありましたけれども、本人に会いまして、本人の意のあるところを聽きまするというと、只今のことを繰返し繰返し申しまして、私が辞めた方が、やはり世間に対するこの内閣の威信、法務廳の威信ということから言つても適当であつに、自分は辞めさして欲しいということでありましたので、総理にも、それから他の閣僚にも諮りまして直らに閣議で決定をいたしました。それは昨日でございました。昨日発令をいたしましたような次第でございます。それだけでございます。
#76
○松井道夫君 実は私、田中角榮という人は仲間でありまして、同君に別に特に恨みがあるのでも何でもないのであります。早い話がまあ友達であります。ところがこれは御承知でしようが、同君は土建業者でおられまして、今日ですか、昨日ですか、無罪の判決を受けられました西尾前國務大臣の問題も、これは要するに土建業者から金を受取つたかどうかということでこれも結局社会党の立場からでありまするけれども、そういうところから金を受取つたのが面白くないということが、特にこれは政治的の意味で社会党からは指弾されているようであります。いずれにいたしましても、そういつた業者はこれは法務廳というものとはどうも余り関連が考えられません。それで同君が法務政務次官になつたということを聞きまして、どうも同君を知る程のものは皆奇異の感を抱いたのであります。願わくば問題などを起さねばよいがという工合に考えておつたのでありますが。それで中には、要するにあれは選挙対策さというように申している自由党の人たちなんかあるのであります。併しながら吉田内閣は政務次官というものをどういう工合に考えられているか知りませんが、もつと人事というものは愼重に、而も適任者を充てなければならんものであると我我は思つておりますので、殊に政務次官と申しますれば、これは政界におきますれば大臣の次であります。新憲法の下、新らしい國会、或いは政務を運行いたしますのに、特に重要な機関である。どうもはたから選挙対策をしたと言われるようでも私困ると思う。只今のお答えに尚詳しい選考事情が必要なれば調べてもよろしいというお話でございましたから、恐らく私の杞憂いたしまする、吉田首相が政務次官なぞはどうでもよいのだということをお考えになつておられる筈はないと思う。田中角榮氏が政務夫官として最も適任とお考えになつたに違いない。その選考事情をもつと詳しいことが分りましたらお知らせ願いたいと思います。それから第二の点でございますが、辞表と申しますものは、今の文言をお読み下さつた通り、そう詳しいことは書いてございません。それで今のお話では結局田中角榮氏としても、自分は疚しいところはないのであるけれども、まあ内閣や、或いは法務廳、或いは自党の人たちも入るでしよう。それに迷惑をかけるのも困るから暫定的に辞めて置こうというようなことが眞意であるというようなお話でございましたが、それから法務総裁といたされては、そういつたような事情を別にすれば、別に辞める程の嫌疑もないのだといつたようなお話であつたと存じますが、要するにそういつた内閣、法務廳、自党に多少でもそれで迷惑をかけてはいかんということで辞あるので、法務総裁としては別に犯罪の嫌疑のみからは辞める必要はない。現在さように思つている、そのようにお聽きしてよろしいですか。
#77
○國務大臣(殖田俊吉君) まだ田中君の捜査をいたしました後におきまして、犯罪の嫌疑があるとかないとかいう点までは、はつきりしたことを報告受けておりません。私は多分将來は存じませんが、今日までのところ、犯罪の嫌疑ありというまでには至つていないのであろうと思いまして、そこで一身上の問題になりまするが、私からこれを強制して、是非辞めて貰はなければならんと、ここまでは考えていなかつたのであります。辞めたいということは、私は田中君には氣の毒でありますけれども、とにかく事件が起きたのでありますから、辞めて呉れまして、そうして法務廳なり内閣がクリーヤになれば、これ程好ましいことはありませんから、田中君がみずから辞めたいという心事を大いに諒といたしまして、直らに同意をいたしたのであります。
#78
○大野幸一君 一体法務総裁はお人柄、お人相を見ますると、私は実に敬服いたしておるのでありまして、私も生來余り人に嫌味を言いたくない、お世辞の多い方なのでありますが、一旦公人となりましてここに出席いたしますれば、そういうのは私情でありまして、選挙民に対して一言申述べなけば相済まないということから申上げるのでありますから、そのつもりでお聽取りになることを御了解下さい。松井委員から選考の事情についてお尋ねにありましたが、これは全國民の知りたいところであります。全く奇異に感じたところであります。先ず我々弁護士会に所属するところで、控室に行きますると、この弁護士会からも民自党下大勢の錚々たる人が出ておるのではないか。参議院に行きましても、これは私はここに臨席されておる隣り人でも、前の方の人でも政務次官ぐらいは全部勤まると私は考えておりますが、なぜかと、こう言う。これは一言にして言うと、こういうことを民衆は言つております。吉田さんはいい年をして三十一歳の若僧に、何だかきん玉でも掴まれているのではないか、こういう言葉を言う。或る人は、いやそんなことはない。指を丸くいたしまして、これを大変貢いだのであろう、こう言われるのであります。私はこれは何を意味するか、ただ吉田さんの不名誉ではありません。民自党の不名誉ではありません。政治家、我々の不名誉である。実に心外に堪えなかつたのであります。こういうことなんです。まだ我々の間において将來も聞かなければならないのかと思うと残念でありますから、この点全く我々と共に政治を綺麗にするという点において、一つ将來、誰も他の國務大臣にこれをお願いするような人格の持主はありません。私は法務総裁にだけお願いして置きたい。この点は一つお願いして置きたいと思うのであります。それから法務総裁のことでありますが、吉田さんが法務総裁を兼任されたのでありますが、内閣かできるとともに、吉田さんから受ける印象は、法務総裁について非常に愼重である。その愼重が或る意味においては悪い意味に取られたのであります。石炭國管問題を控えて、政界には嵐が吹いておる。この法務総裁の地位十人如何によつては自分の政党にも騒動が起るのではないか。そこでこれは容易にできない。片山内閣の鈴木法務総裁も自党の副総理を起訴するような運命になつた。こういうことで、吉田さんは非常にこの点愼重になつた。まあまあ自分が兼任して置けば間違いはない。ですけれども、この間中しばしば申上げますがごとく、私は法務総裁こそ超党派的なものでなければならない。吉田さんはそんなことは忘れてしまつておる。昔のように総理大臣みずから法務総裁を兼任して、そうしてその檢察廳の連絡関係、皆自分でやつておる。こういうようなことでは吉田さんの頭も何と言うても私は古いと思いますから、この点を何とぞ進歩的、公正的に持つて行つて貰いたい、こういうことおります。私は昨日ここで木内檢務長官に申上げたことは、私は弁護士会で聞いて來たことを言つたわけだ。例えば芦田総裁にも逮捕状を持つて來た。その芦田さんの逮捕状は、もう一枚逮捕状を忘れておるから、これは吉田さんの逮捕状も持つて來なければ公平でないということは、弁護士会で言つておる。こんなことは信じてはいなかつた。けれどもこれを木内檢務長官に座談として話したら、余り面白くない顔をされたのであります。これは笑話でありまするが、こういうような印象を全國民に受けないように、公平に検察廳の独立を図ると共に、本当に公正でなければならない。この点について、仮に檢挙するにしても公平にやつて行かなければならないということは國民常識です。この点も一つ法務総裁、全くあなたは、命を賭して、情熱を持つて、とおつしやいましたから、これこそ本当に実行して貰いたい。これだけを私はこの際申して置きます。そうしてもう一つお伺いしたいことに、暫定的に辞められたのでしようか、どうかということで、田中法務次官が又再任される場合があみ。それまでは空位に置くとかという新聞記事もありましたが、私はそれを信じたくないのであります。一体政務次官というものは、その職務とするところは政府と國会との連絡係で、この連絡係をよくして貰わなければ困る。そこで一体衆議院の法務委員会というのが権威を持つておるでしようが――、錚々たる弁護士諸君が委員になつておられるところで、田中さんが政務次官になつて、法務委員会に対する折衝の効果が挙げられるでしようか、こう私には考えられるのです。そういう意味やおいて、我々の全く遺憾とするところは、この二大重要法案も、刑事訴訟法施行法案、裁判所法の一部を改正する法律案につきましても、衆議院で早くやつて貰つて、我々はこららへ來て修正したい個処も発見し、そうして本國会に上げようとしているのだけれども、本日最終日になつて、三時半になんなんとするのに、まだ廻付して來ない。これは政務次官が空位であるからである。こういう点をよく了解下さいまして、二つ法務総裁が善処されたい。それから若し不幸にして本日この二法案がここで審議が終らなくても、これは我々法務委員会の責任ではない。挙げて政府の責任だ。こういうことを一つ申上げたい。一体法務政務次官を空位に置く意思があるのかないのか、法務委員会なんてものは政務次官がなくてもいいのか。それでは法務総裁直接たびたびおいで下さつてやつて頂きたい。政府委員は非常に熱心でありますけれども、政府委員は事務的、技術的です。我々は咎めるのは氣の毒です。だから咎めて欝憤を晴らしつつ本当に審議をして行くというのが、我々の常識なのです。そこで咎める法務総裁は、どうもわしは法律は知らないからとおつしやる。政務次官は來ない、我々はどこで欝憤を晴らすことができましよう。欝憤というのは決して悪い意味ではありません。私情を以て言うのではありません。そういう点をよく御考慮下さつて、政務次官を空位に置くようなことはないと思いますが、どうかその点を一つお尋ねしたい。
#79
○國務大臣(殖田俊吉君) 只今のお話は誠に御尤もでありまして、私は全然同感でございます。政務次官の選考に当りまして、今から考えますると大分手落があつたように考えるのでありますが、今後は十分注意いたしまして、立派な政務次官を得たいと思います。又政務次官は法制の土に嚴として存するのでありまして、これを空位で置いて選置く、暫定的に辞めさすというような考えは毛頭ございません。成るべく早く立派な人を選びましてこれを補充いたしたいと考えております。それから種々連絡等についてお話がありましたが、私は誠に遺憾に存じておるのでおります。実は私の甚だ足らざる知識を以ちまして、衆議院の法務委員会にはしばしば出席をいたしまして、御促進方をお願いしたのでありますが、不幸にしで今日まで遅くなりまして誠に恐縮に存じております。従つて政務次官も成るべく適任者を早く得まして、それらの点の齟齬なきを期したいと考ております。
#80
○委員長(伊藤修君) 次に刑事訴訟法施行法案を議題に供します。前回に引続き質疑を継続いたします。この法案について少し御報告申上げて置きます。本月八日に私は関係方面に招致されまして、約三時間に亘りまして、本法案につき意見を聽せられました。その際強く主張して置きましたことは、新刑事訴訟法が、現在のごとき機構においては到底完全に実施ができない。從つて期日を延期するか、然らずんば法案の内容において幾分か期日のゆとりを設け、以て事務の澁滞を少くするように努めなければならないという意味におきましてどうしても期日の変更ができなければ、内容を起訴主義にすべきものである。こういうことを三時間程論議いたしまして、天体において承認しておつた次第であります。從つてその線に沿いまして、当委員会から刑事訴訟法施行法案の一部を修正する案として、先に関係方面に提出して置いた次第であります。それは第二條中、「第一審における第一回の公判期日が開かれた」を「公訴の提起があつた」に改める。第四條中、「第一審における第一回の公判期日が開かれていない」を「公訴が提起されていない」に改める。第八條から第十三條までを削る。第十四條を第八條とし、以下第二十三條まで六條ずつ繰上げる。かような修正案を関係方面に提出して置いたのです。この趣旨は衆議院においても同調いたしまして、衆議院において大体この参議院におけるところの修正案通り修正されて、衆議院の法務委員会は通過しておる次第であります。以上のことを御報告申上げて置きますから、その趣旨をお含みの上、御質疑を願います。別に御質疑はございませんか。質疑がありましたら、この際一つお願いいたしたいと思います。会期も時間的に切迫いたしておりますから……では別に御質疑もなければ、後刻に質疑を継続いたします。
 次に司法警察職員等指定懸念措置法案を議題に供します。昨日に引続き質疑を継続いたします。それでは別に御質疑がなければ、後刻に譲りたいと思います。以上三案につきましては、御承知の通り衆議院でまだ本会議に上程されておりませんから、衆議院の本会議の上程後に当委員会を開くことにいたします。それまで休憩いたします。
   午後三時三十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後八時三十七分開会
#81
○委員長(伊藤修君) 休憩前に引き続きまして、法務委員会を開会いたします。
 司法警察職員等指定懸念措置法案を議題に供します。本案に対する質疑はこれで終了することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○委員長(伊藤修君) では討論を省略して、直ちに採決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○委員長(伊藤修君) ではさよう決定いたします。では本案全部を問題に供します。本案全部に御賛成の方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#84
○委員長(伊藤修君) 全会一致、原案通り可決すべきものと決定いたしました。尚、本案に対する本会議におけるところの委員長の口頭報告の内容については、予め御了承を願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○委員長(伊藤修君) 尚多数意見者の御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
   松井 道夫   齋  武雄
   星野 芳樹   遠山 丙市
   鈴木 安孝   鬼丸 義齊
   岡部  常
#86
○委員長(伊藤修君) 次や裁判所法の一部を改正する等の法律案につきまして、これが取扱い方について御協議を申上げます。
#87
○鬼丸義齊君 裁判所法の一部を改正する等の法律案につきましては、参議院において修正する段階になつておりますにも拘わらず、これに対して時間切迫のため、これが修正の目的を達することができないのであります。從いまして同法案につきましては、尚愼重審議するの要があると思いますから、來國会において十分愼重審議いたしたいと思います。
#88
○齋武雄君 鬼丸委員の御意見に賛成いたします。
#89
○委員長(伊藤修君) それではさように取計うことにいたします。暫時休憩致します。
   午後八時四十五分休憩
   ―――――・―――――
   午後十時四十分開会
#90
○委員長(伊藤修君) 休憩前に引続きまして委員会を再開いたします。刑事訴訟法施行法案を議題といたします。同法案につきましては質疑はこの程度に止めまして、討論を省略して直ちに採決に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(伊藤修君) それでは本案全部を問題に供します。本案に賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#92
○委員長(伊藤修君) 全会一致と認めます。よつて本法案は可決すべきものと決定いたしました。尚本会議におきまする報告につきましては、委員長に御一任願います。本案を可とされた方は順次御署名を願います。
 多数意見者署名
  岡部  常   大野 幸一
  鈴木 安孝   鬼丸 義齊
  松村眞一郎   來馬 琢道
  齋  武雄
#93
○委員長(伊藤修君) 尚裁判所法の一部を改正する等の法律案につきましては、先程鬼丸委員から御意見がありましたように、次期國会におきまして更に審議を重ねることにいたしたいと存じます。本日はこれにて散会いたします。
   午後十時四十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           鬼丸 義齊君
           岡部  常君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
           鈴木 安孝君
           遠山 丙市君
           深川タマヱ君
           來馬 琢道君
           松井 道夫君
           松村眞一郎君
           星野 芳樹君
  委員外議員
          前之園喜一郎君
  國務大臣
   國 務 大 臣 殖田 俊吉君
  政府委員
   檢 務 長 官 木内 曾益君
   法務廳事務官
   (檢務局長)  高橋 一郎君
   法務廳事務官
   (檢務局総務課
   長)      野木 新一君
   法務調査意見長
   官       兼子  一君
   法務廳事務官
   (調査意見第一
   局長)     岡咲 恕一君
  説明員
   最高裁判所事務
   総長      本間 喜一君
ソース: 国立国会図書館
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