くにさくロゴ
1947/08/15 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第7号
姉妹サイト
 
1947/08/15 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第7号

#1
第001回国会 通信委員会 第7号
昭和二十二年八月十五日(金曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 岡田 勢一君
   理事 重井 鹿治君 理事 天野  久君
   理事 白井 佐吉君
      海野 三朗君    大石ヨシエ君
      梶川 靜雄君    片島  港君
      成田 知巳君    矢尾喜三郎君
      小島 徹三君    千賀 康治君
      田島 房邦君    多田  勇君
      森  直次君    河口 陽一君
      林  百郎君
 出席政府委員
        逓信政務次官  椎熊 三郎君
        逓信事務官   小笠原光壽君
        逓 信 技 官 網島  毅君
 委員外の出席者
        逓 信 次 官 鈴木 恭一君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 電波行政の現状竝に特定郵便制度の問題に關す
 る説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○岡田委員長 會議を開きます。
 まず最初に、最近の電波行政の情勢について當局より説明を聽取し、しかる後片島委員からお申出の特定郵便局制度徹廢問題の質疑にはいりたいと存じます。當局の説明を求めます。
#3
○網島政府委員 それでは私から私の所管しております事項につきまして、御説明申し上げたいと思います。お手もしにごく概略でございますが參考資料をお配りしておきましたので、これをごらんになつていただきまして、この順序によりまして御説明申し上げたいと思思います。
 まず逓信省の電波局において所管しております事項でござまいすが、これは第一ページにございますように、官制によりまして次の五つのことがきめられてございます。
 第一は電波統制に關することと申しますのは、電波というものが空間を傳わりまして、一國のみならず他の國に非常に大きな影響をもちます關係上、國際條約によりまして、電波の使い方につきまして各國が相當大きな制約を受けております。そうしてその條約によりまして、各國政府がこの電波の使い方に關しまして、相當強力な統制を加えなければならないことになつております。從いましてこの條約を基準といたしまして、日本におきましても、日本の國内において使われます電波というものにつきまして、いろいろ監督しているわけでございます。これが第一項でございます。
 第二の電波技術に關すること。これは多少字句は漠然としておりますが、第一項の電波行政をやる上におきまして、電波の傳わり方の問題であるとか、あるいはまたきめられた波長が狂わないようにするためにはどういうふうにしたらいいか、どういう措置をとらなければならないかというふうに、この電波行政をするために、いろいろ技術的にむずかしい問題がございます。從いましてそういう技術的な問題を解明いたしまして、それを基礎にしてこの行政をやつていくということになりますので、その行政に必要ないろいろな技術上の調査、研究をするということがこの第二項の趣旨でございます。
 第三の標準電波竝びに標準電波施設の建設及び保存に關することといいますのは、この電波統制の上におきまして最も重大な一つの問題は、きちんときめられた波長、一つの無線局がつくられますと、それには波長というものが各國政府によつて割當てられます。その波長というものが國際條約できめられた範圍内において、きちんと合致しておるかどうか、狂つておりわしないかどうかということを常に監視し、また實際の電波を運用する者はそれを遵守する義務がございます。ところがその電波の波長をきちんと定める上におきまして、どうしても物さしが必要でございます。御承知の通り電波というものは目に見えませんから、波長何メートルの電波と申しましても、實際の物さしをもつていつてそれをはかるわけにはいかないのでございます。やはり電波の物さしというものが必要になつてきます。その電波の物さしがこの標準電波でございまして、これはある特別な設備から發生された非常に正確な電波でございます。この正確な電波を出すことがこの第三項でございます。これは監督官廳であります逓信省が利用するばかりじやなしに、一般の無線施設を利用する面におきましても、この物さしを利用して、自分の電波をきちんと常にはかつておくということになるわけでございます。
 第四項の公衆通信に關するもの以外の無線電氣通信及びこれに附帶する業務に關すること。これを説明いたしますが、御承知のように公衆通信に關する業務は、現在逓信省の電務局と、技術の面は工務局と、この二つの局において擔當されております。しかしながら、日本におきましても、この公衆通信以外におきまして、無線を使つてやつておるところの通信が多々ございます。たとえて、後ほど御説明申し上げますが、逓信省におきまするところの海岸局――これは船と通信する無線でございますが、船との間にいわゆる公衆の通信も行いまするが、それ以外に、いろいろ船の遭難通信でありますとか、あるいは船の運航に關する通信とか、そういうような公衆通信以外の通信もやつております。さらにまた放送事業でございますが、このような放送業務は現在いわゆる公衆通信という範疇にはいつておらないのでございます。從つて電務局、工務局の所管外でございます。從つてこういうものにつきましても第四項におきまして電波局が所管しておる次第であります。
 次に第五項の航空保安に關すること。これを御説明申し上げます。御承知のように、戰爭中あるいは戰前におきまして、航空關係の行政事務は逓信省、あるいは戰爭中には運輸通信省において取扱われたのでございますが、敗戰後日本の航空事業というものは連合軍總司令官の指令によりまして、全部やれなくなつてしまつたわけであります。
    〔速記中止〕
 以上の五つが現在私どものやつておる仕事の大綱でございまして、そのおのおのにつきましてさらにもう少し詳しくお話し申し上げたいと思います。それにはいります前に、四ページをごらんになつていただきまして、これらの仕事をするために地方においてはどういうふうに行われておるかということを順序として御説明申し上げます。四ページに逓信局分課規程拔萃というのがございますが、現在逓信局には總務部、業務部、工務部、貯蓄部、いろいろ部がございます。ところでこの電波行政の關係は、現在逓信局の業務部と工務部、それから電波觀測所と、この三つのところがこれを擔當しておるのでございます。業務部はこの逓信局におきまして、電信電話の事業、竝びに今お話をしておるところの電波の監督、こういう仕事の事務面を擔當しております。それから工務部と言いますのは、逓信省自體の電信電話の仕事及びこの電波の監督の技術部面を擔當しておるところでございます。それから電波觀測所と申しますのは、地方におきまして、その地方の所管地域におきますところの各種の無線施設の電波が、國際條約に正しく合致しておるかどうかということを常に觀測しておるところでございます。こういうふうに現在三つの部門で行われておりまして、しかもこの業務部、工務部というのはいわゆる逓信省自體の事業と、こういうような監督の面とを、兩方一つのところでおのおの分擔してやつておるという關係であります。次のページに參考として、今の關係を圖表にしてございまするが、こういうような關係になつておりまして、この點は最近において、この電波行政という、いわゆる日本全體を對象とするような行政が三つの場所にわかれておりまして、しかもこれが局長というところに行つて初めて一本になるということは、非常に外部の人に對して不親切なやり方ではないかということ、竝びにこういうような督監行政が自分自身の事業と同じところで擔當しておるということは、監督行政を公平にやるという建前から言つて適當ではないだろうということを指摘されておるのであります。從いましてこれはまた決定はしておりませんが、できるだけ早い機會にこれらの中から監督部面だけを取りまとめまして、一つの部局をつくるようになるだろうというような考えをもつておる次第でございます。
 次に、官制の最初の方にありますところの電波統制に關する仕事につきまして、少しく詳細に御説明申し上げたいと思います。
    〔速記中止〕
 この附録につけました二十八ページを御覽になつていただきたいと思うのでございますが、この「無線施設の現況」というところに、今年の八月一日現在の表を載せてございまするが、こういうふうに、現在わが國におきましては國際通信、それから國内通信、それから船との海岸通信、それから警察の用に使うところの警察無線、それから鐵道關係の鐵道無線、それから氣象關係の氣象通信、それから燈臺、漁業、それから放送、それから船舶の港に入港、出港するときに使う港務無線、そのほか船の無線、こういうものを全部加えますると、現在四百六十三という波長を日本が使つていることになるのでございます。この四百六十三という波長の數は、これは實際のところ、日本といたしましては戰爭前、あるいは戰爭中、日本が一般の官民の無線局に使わせたところの波長よりは多いのでございます。戰爭中あるいは戰爭前におきましても、日本の無線通信というものは、陸軍及び海軍の無線通信に非常に壓迫されまして、實際國民が使いたいと考えておつたところの無線通信もなかなか許可されませんでした。從つて數も非常に少かつたのでございます。現在も相當な制限は受けておりまするが、むしろ戰爭中あるいは戰爭前よりも殖えておるという状況でございます。ところでこれらの無線通信の使い方は一體どういうものかと申しますると、三十ページに圖面を書いて御説明申し上げるようにしておりますが、まず一番大きな用途は警察通信網でございます。御承知のように、この戰爭によりまして日本の警察通信網というものは非常に多くの破壞を受けたのでございます。戰爭前におきましては、大體日本の各縣及び各縣のうちの縣廳と警察署と、それから警察署からまたその分署あるいは派出所というものは、ほとんど警察專用の有線通信網によつて連絡されておりました。從つて内務省あるいは警視廳から全國のどこに對しましても、ただちに電話あるいは電信による連絡がとれたのでございますが、戰爭中におきましては、これらの有線通信網の保守が非常に不如意であつたということ、竝びに空襲によりまして、相當打撃を受けまして、現在有線による警察の電話あるいは警察電信の連絡というものはめちやくちやで、ほとんどできないのであります。しかしながら保安という立場から見まして、各縣の警察關係が連絡がとれないということは非常に不安のもとになりますので、これを無線連絡でやろうということになりまして、終戰後いち早くこの計畫を立てまして、現在はこの三十ページにございまするように、東京の内務省あるいは警視廳から各縣廳それから各縣廳から各縣内の主要の警察署は全部無線によつて連絡できるようになつております。なおそればかりではなしに、日々この無線連絡で用を足しておるという状況でございます。このほかになお縣内非常に多數の箇所に、常時は使いませんが、無線施設をもつておりまして、風水害によりまして有線施設が壞れましたとか、あるいはまた特別な事情があるような場合には、ただちにそれを動かして、ほとんど各警察署全部が、無線によつて連絡できるという状況になつておるのでございます。これが警察無線の現状でございます。
 それから三十三ページに國内無線通信網というのを揚げてございまするが、これは今の警察專用の無線通信と別箇に、逓信省が施設して、逓信省が運用しておるところの無線施設でございます。御承知のように日本は非常に天災の多い國でありまして、いつ何時この有線施設が破壞されるかもしれないのであります。そういうときにおきまして、有線施設の復舊までに全然通信ができないということは、國民に對しまして非常に不安とまた焦慮を與える原因となると思うのでございまして、最小限度緊急な通信は、そういう場合に無線によつて連絡しなければならないということから、逓信省におきまして、全國の各主要都市を無線によつて連絡する計畫を立て、これを實施しております。現在このように東京、札幌、福岡、大阪というところには無線の高速度通信によりまして、日々非常に多量の無線通信を實施さしております以外に、各支線におきましても、それぞれ無線局を設置いたしまして、日常有線の補助として電報を取扱つております。有線が破壞された場合にはこれが主要通信になるわけであります。なお日本の周邊の小さな島は、現在のこの經濟關係ではなかなか海底ケーブルを施設するということは思うようにいきませんので、暫定的に無線連絡によりまして、一般公衆に不便を與えないようにやつておるのであります。
 次に三十四ページに海岸局の位置を圖面に書いてございます。海岸局と言いますのは、船と通信する無線局でございまするが、これには大體三種類ございます。一つは一般の商船と通信をする海岸局でありまして、これは現在全部逓信省がこれを施設し、これを運用してやつております。
 その次は港務部の無線と稱しまして、これはごく少數でございますが、横濱とか、あるいは名古屋というような國際的な、船が多數出入するところには、いろいろ檢疫の關係とか、あるいはブイの關係、そういうような特別な通信が船との間に必要なんでございまして、このためにごく小規模な無線を港務部に許可しております。これが港務部の無線でございます。
 なおこのほかに漁業用の無線局というのがございまして、これが漁船との間に無線連絡を行いまして、現在のわが國のこの食糧の非常な重要部分をなすところの水産事業に對して、非常に貢獻しているところのいわゆる漁業用無線局でございます。この漁業用無線局は逓信省自體がこれを取扱つているものもございますが、その大部分は、縣とかあるいは漁業組合というところにその施設を許可いたしまして、そういうようないわゆる公益法人的な形をもちましてこの仕事が續けられております。この漁業用無線の數につきましては、第二十九ページに四、船舶無線施設空中線電力別隻數調というのがございますが、このように現在漁船のもつている無線施設は千六十ございます。毎月現在月に八十ないし九十ぐらいの割合をもつてこの漁船の無線施設というものが増加しつつあります。これはまぐろとか、かつおというような漁船は相當沖合に出まして漁獲をするのでありますが、その場合にこの漁群のいる場所をお互いに通知し合う、それから漁をやりまして歸つてくる場合に、どこの港にそれをまわすべきかというような通信が非常に多いのでございまして、今後ともこの漁船の無線というものは非常な勢をもつて増加する趨勢にあるのでございます。しかも大體この漁船といいますのは、十數トンのものから百トン近くのものまでございますが、その大部分は數十トンという非常に小さな船でありまして、相當大きな電力の無線機をすえつけることは不可能であります。從いまして漁船の方にはなるべく小さな電力のもので負擔をかけないようにして、その代り陸上にはできるだけたくさん海岸局をつくりまして、そうして漁業用の通信をうまく果してやろうというのが現在私どもの考えている方針でございまして、このために最近相當大幅にこの漁業用の海岸局が増置される機運になつているのであります。
 次に三十五ページにあげました對外無線通信の現状を御説明申し上げます。戰前あるいは戰爭中日本の對外無線通信というものは、世界有數な設備とその通信量を誇つておつたのでありますが、戰爭中に無線連絡のほとんど大部分は休止のやむなきに至りましで、わずかにドイツ、あるいはソ連のモスコー、スイスのジユネーヴ、ストツクホルムなどの中立國という所に限定されておつたのでございます。敗戰後連合軍が参りましてから、外國との無線連絡の要望が非常に増大いたしまして、現在この圓面にございますように、まず無線電信におきましてはアメリカのサンフランシスコ、サンフラシスコは現立マツケイとプレス・ワイヤレス、R・C・Aこの三つのところを相手としまして三囘線やつておるのでありまするが、そのほかにマニラあるいはジユネーヴ、モスコー、ストツクホルム、從前のものに加えまして、さらにアメリカに對しまして中繼放送の囘線ももつております、また電信のほかに電話の囘線も現在二囘線やつております。そのほか新聞用といたしましてユナイテツド・プレス、アソシエーシヨン・プレス、こういう方面の新聞關係の通信というものも現在非常に殖えております。さらに大阪におきましてはパリ及びコロンボという方面を現在無線連絡をやつておるのであります。今後貿易の再開に伴いまして、これらの無線連絡はさらにその他の各國と増大する豫定になつておるのでありまして、わが國の對外無線連絡は今後非常に發達の状況にあると申して差支えないと思うのであります。このほかに圖面はございませんが、氣象關係の通信は現在その大部分がやはり無線によつて行われております、現在東京の中央氣象臺をはじめといたしまして、全國各地に非常に多数の氣象臺が散在しておりますが、これらはほとんど全部無線によつて連絡し、また無線によつて一日十數囘氣象状況を放送いたしまして、船でありますとか、飛行機でありますとか、その他各地にこれを傳えておる状況でございます。
 なおこの機會に無線が今後どういう方面に利用されるだろうかということにつままして、簡單に御説明申し上げたいと思います。今までは大體電波の利用は主として通信方面、あるいは放送關係に限定されておるのでございますが、現在アメリカ及びわが國その他の各國で非常な勢をもつて發達しつつあるものは、電波を使つていろいろな工業製品を出そうというのでございます。その二、三の例を申し上げますと、第一はベニヤ板の製造でございます。ベニヤ板は御承知の通り薄い板を何枚も糊でつけまして、これを乾かして非常に固い板にするのでございますが、このベニヤ板をくつつける際に電波を使つて中を温めてやりますと、今まで數時間要したものが、數分にしてベニヤ板が非常に早くしかも強固にくつつくのでございます。なお最近繭を電波によつて處理するということもすでに實驗の域を脱しまして、實際に利用される方向に向つております。すなわち從來繭を處理いたしますのは、蒸氣をもつて處理いたしまして、中のさなぎを殺しておつたのでありますが、この蒸氣をもつてさなぎを處理するためには、どうしても温度が高くなる關係上、絹の品質が弱化するのでございます。從いまして今まではどうしても四眠と申しまして、四囘眼つた繭を使わなければなかなかうまくいかなかつた、ところが電波を使いましてこのさなぎの處理をいたしますると、絹に害を與えずに濟む關係上、三眠の繭をもつてりつぱに絹絲をつくり出すことができるのだそうでございます。三眠の繭ということになりますと、その絹が四眠の、今まで日本で行われておつた絹の太さよりさらに細い糸ができるのだそうでありまして、それらをより合せてやりますと、今までの繭の處理からつくつた絹糸よりさらに非常に優秀な糸ができるのだそうでございます。從來の繭から製品したものはアメリカあたりのナイロンに比べて非常に品質が悪いということで、あまり賣れないという状況でございまするが、この電波で處理した繭はその品質が、實驗の結果によりますと、ナイロンよりさらに優秀なものができるのだそうでございまして、これらの處理をやることによりまして、日本の絹の將來というものは畫期的な發展をするだろうということが言われておるのでございます。さらに最近ペニシリンの製造にこの電波が使われ出されつつございます。ペニシリンは現在アメリカあたりで非常に大量につくられ、また使われているのでございますが、このペニシリンを液状にして保存することは非常にむずかしいのでありまして、大體その有效期間は一年とか一年半とか非常にわずかな期間に限定されております。しかもその保存方法が非常にむずかしいのでありまして、冷たくてしかも暗いところに保存しなければならぬということになつておりますが、このペニシリンを乾燥いたしまして、それを黒い紙に包んでしまつておくことによつて、非常に長い期間安全にそのペニシリンを保存することができるのだそうでございます。ところがこのペニシリンを乾燥するときにその藥效を失わせないで乾燥させるという、技術が非常にむずかしいのだそうでございまして、現在これに成功しているのはアメリカ以外にはないそうです。最近この電波を使つてこのペニシリンの乾燥を實驗したところが、その乾燥が非常に早くいくということと、ペニシリンの性質を失わずに乾燥させることができるというので、この方面に電波を利用すると非常に良質のペニシリンがとれるという結論になつておりまして、現在このペニシリンの製造に電波を使うという會社ができつつございます。そのペニシリンに電波を利用することは、現在アメリカと日本以外はまだ成功しておらぬという話を聞いているのでございます。
 このように電波は今後ただ單に通信のみならず、今お話したようなこと、及びさらに醫療方面に非常に利用される可能性が漸次増大してきております。從いましてこれらを助長發達するため、しかもお互いに混信を起さずにうまくそれらの仕事がやつていけるためには、今後これらの電波行政を預かつておりますわれわれとして、非常に責任が重大であるというふうに考えている次第でございます。
 次に官制の第二項の電波技術に關すること、これにつきましてごく簡單にお話申し上げます。この無線局をつくりますときに、まず波長の割當が必要でありますが、波長というものは國際條約によりまして各國がその使うべき範圍をきめられてあります。たとえば放送には大體どの範圍の波長を使うとか、あるいは漁業無線にはどういう波長を使うとか、そういうふうに條約によつてきめられておるのでありまして、各國が自由勝手にどこでも使えるというわけのものではないのでありまして、きめられた範圍の電波を最も有效に利用するためには、この目的、業務の性質に應じまして、いい波長を割當てなければならないのであります。そのためには電波がどういう傳わり方をするかということをよく調べなければなりません。電波は波長にいたしますと、何萬メートルという長い波から、現在は一センチメートルというように非常に短いものまで利用される方向にあるのでありますが、何萬メートルという波、あるいは何十メートルという中くらいの波、あるいは何センチメートルという短かい波、それらの波の種類によりまして傳わり方がおのおの違うのであります。從つてその目的によりまして最も適當な波の割當をするためには、どうしても波の傳わり方をよく調べなければならないのでありまして、そのために今私どものところにおきましては、各所に電波の傳わる調査をする研究所をもちまして、そこで日常各電波を常に測定いたしまして、どういう時期どういう時間には、どのくくらいの距離にはどういう電波が最も適當しているかというようなことを調べております。なお今お話ししてペニシリンとか、あるいは繭であるとか、ベニヤ板というような電波を伴う場合において、電波ができるだけ外へ出ないようにするためには、どういうようにしたらいいかというようなことを私ども現在研究しておるわけであります。これが第二の電波技術に關することであります。
 それから次に標準電波竝びに標準電波施設の建設、これについて簡単に申し上げますが、現在先ほど申しました電波の物さしといたしまして、逓信省が出しておるところの物さしのその正確度は大體百萬分の一、あるいは千萬分の一という正確度をもつてものであります。現在國際條約におきまして各國が守らなければならないところの電波の正しさ、個々の無線局には何メートルの波長を使えときめられたときに、その波長のずれてもよい範圍というのは大體十萬分の一であります。十萬分の一と申しますと、普通放送なんかでは五百メートルくらいの波長の波を使つておりますが、五百メートルにいたしますと、約五センチの狂いがあつてはいけない。これは國際條約にきめられたおる範囲であります。從つて非常に高度の正確度というものを要求されております。從つてその物さしというものはさらにそれより正確でなければならないのでありまして、現在百萬分の一、千萬分の一の正しさをもつて電波を出しておつたのであります。このためには常に天文臺は毎日星を觀測して正しい時間を測定いたしておりますが、その時間から割出して常に正しい電波を出しております。なおこれに關連して電波觀測所というものを設置しております。この電波觀測所の仕事は、次の十四頁にあるように、監聽といつて、一日二十四時間、常に日本國内の各電波を全部聽いておりまして、はたしてこれが日本政府が許可した正しい電波であるかどうかということを監視するのであります。次に周波數というのがありますが、これは先ほど申し上げた波長の測定で、一々波長をはかつて、正しくきめられた波長に合致しておるか、國際條約に違反しておらないかどうかということを測定しております。次の相互連絡通信というのは、これらの仕事が、常に各觀測所お互いによく連絡いたしまして、行う必要がある關係上、その連絡通信をもつようにということであります。次の電界強度測定というのは、日本政府の割當てた電波が常に適當の強さで通信されておるかどうか、その電波が適當に傳播しておるかどうかはかりまして、これが不適當である場合にはただちに波長の變更その他をしなければならんということであります。次の方向探知でありますが、これは許可されておらない電波があつた場合、あるいは波長の間違つた電波があつた場合、ただちにその電波の方向をはかつて、これはどの方面から出ておるということをとらえろということであります。これは日本政府自體の責任で當然やらなければならんことでありますから、われわれこれに對して現在十分に努力してやつであるつもりであります。特に最近監聽の問題があります。これらについては、それぞれ豫算なり人員が必要でありますので、これらについては豫算その他で十分御説明申し上げたいと存じます。何分御援助をお願いいたします。
 なおこの際十八ページに載つております逓信省の臨時電波規正部というものにつきまして、ごくあらましを申し上げたいと思います。このように逓信省といたしましては、日本國内の電波につきましては、できるだけ自主的に電波の觀測をやりまして、ほかの國に迷惑をかけないようにということで努力しているのでございますが、何分にも戰爭中日本の無線局の保守が非常に悪かつたために、機械が相當老衰しておりまして、なかなか正確な電波が出ないのであります。
    [速記中止]
 そこで臨時に逓信省に電波規正部というもので設けまして、これに逓信省に從來かかつておつた專門家及び部外からの專門家にはいつていただきまして、ここでいろいろな技術的な問題を解明すると同時に、ただちに處理をしていく。しかもこの中には、ただ監督面だけでやるのは効果があがらないという觀點から、實際電波を利用する面の方々にもはいつていただきまして、お互いの協力と、お互いの連帶責任という形でこの仕事を進めていつたのであります。この結果非常に効果があがつております。
 次にこの四の問題の一つといたしまして、放送關係を、あまり時間もございませんからごく簡單にお話申し上げたいと思います。日本の放送は戰爭中は技術面は逓信省で所管しておりましたが、プログラムの面は情報局がこれを擔當しておりました。今から考えますと相當強力な、行過ぎな點があつたようにも考えられるのでございますが、終戰後連合軍司令部から日本政府にあてられた言論の自由竝びに新聞雑誌の検閲を廢止せよという覺書によりまして、現在放送局のプログラムの面に關しましては、日本政府は監督を全然行つておりません。プログラムの面は政府の所管からはずされるようになつております。現在は放送委員會というものがつくられまして、その放送委員會の推薦によりまして現在の會長が選ばれ、その會長の推薦によりまして現在の放送協會の理事者が選ばれたわけでございます。現在放送事業は獨占企業になつておりますが、無線電信法の精神から言いまして、今の形においていわゆる政府の行政措置としてこれを獨占しておくということは、獨占禁止法の精神から申しましても、適當でないと私どもは考えております。從いまして、日本の放送事業に關しましては、新しい法律がつくられてしかるべきものであるという考えのもとに、現在いろいて資料を募集しております。逓信省におきましても、一つの参考案をつくりつつございますが、それにつきましては、また機會がございましたら、詳しく御説明申し上げたいと存ずる次第であります。時間がございませんので、はなはだはしよりまして聽き取りにくい點があつたと思いますが、私の所管しております事項の御説明を一應これで終りたいと思います。
#4
○岡田委員長 それでは特定郵便局の問題に關して質疑に入ります。片島港君。
#5
○片島委員 特定局制度の問題について當局にお尋ねしたいと思うのでありますが、全逓の全國各支部から各派の議員にあてて、特定局制度を撤廢するように努力をしてもらいたいという要望が非常に多數に來ておるのであります。特定局制度というものについて、一般國民はどういうふうな點にぐあいの悪いところがあるのか、一般に普通郵便局とどういう點が異なつておるのか、あるいはこれを逓信從業員が要望しておるように改正するとするならば、その經費とか、あるいは困難となつておるような問題について、いま少しく當局から明らかにしておいていただく方がいいのじやなかろうかと考えるのであります。本日この機會に、特定局制度の機構及び普通郵便局との相違點、またはこれを全國の特定局從業員が要望しておるような改正を行うのについては、どういう困難な點があるかといつたような問題について、詳細に當局の御意向を承りとう存じます。
#6
○鈴木(恭)説明員 ただいま片島委員より質問がございました點につきまして、現在の特定局制度はいかなるものであるかということについて、簡単に御説明いたします。御承知のように特定郵便局はいわゆる通信官署といたしまして、對公衆關係におきましては普通局と何らそこに差はないのでございます。ただその制度におきましては、多少違つております。それは通信官署官制の中の第十條によりまして、郵便局長の地位につきまして、郵便局長は二級または三級の逓信事務官をもつてこれにあつ、但し特に逓信大臣が指定しました郵便局の局長は特定郵便局長をもつてする。こういうことになつておるのでございます。その特定郵便局として逓信大臣の指定いたしますにつきまして、特定郵便局長の服務規程というものがございます。その服務規程によりますると、責任なりあるいは保證なり、兼職、兼業の問題等の規定をここに掲げまして、特定郵便局長としての仕事の全般にわたつての規定をいたしております。そこには特定郵便局長は、その局に要する土地建物を提供いたしまして、その上に別に支給いたしまする經費をもつてその局の業務に關する一切の費用を支辨して、業務執行の責に任ずるとあります。これが特定局長としての制度の根本をなすものでございます。そこで從來こういうような特定局制度ができましたのは、これは郵便制度創始以來でございますので、その當時また現在でもその使命にあると思うのでありまするが、日本全國津々浦々、通信業務というものが一般國民に普遍化されなければならないことは私が申し上げるまでもないのでございます。それを官廳制度といたしまして、各農山漁村に普遍的にこれを擴充いたしますことの、規模の面におきましても、非常に困難であることは想像されるのでございますが、結局簡易輕使な制度をおかなければならないということがその原因であろうと思うのであります。そこでただいまのような規定をつくりまして、局長はその土地の各望地位を有しておられる方にお願いして、任用も普通一般官吏とは違いまして、自由任用といたしておりますが、もちろんそれにつきましては資産あるいは信用の條件も考えなければなりませんし、また年齢の點なども考えております。そして局長には別に俸給というようなものは與えませんので、それには手當を與えております。ただいま申しましたように局舍の提供義務をもち、ある經費をもちましてその局務を遂行する責任をもつておるのでございます。そういう制度でまいつておるのでありまするが、だんだん從業員の給與の問題なども出てまいります。局長の使用人であるというような形におきましては、待遇等におきましても、普通局との關係もございまするし、問題が起りやすいような状態にありましたので、集配をいたしておりまする郵便局、これは比較的大きな特定局でありまするが、その集配しておる特定局においては、昭和十二年から從業員の給與一切は政府が直接これを出すことにいたしてまいつております。なお昨年からは無集配の小さな特定局の從業員も、全部政府がこれを直轄いたしておる状況でございます。今日普通局におきましても日常のいろいろの雜費等においては、渡切り經費というものを局長に與えておりますが、ややそれよりも多少範圍は廣いのでありますけれども、人件費以外の費雜等につきましては、特定局長にその經費を與えておるというような状況になつております。こういう状況になつております際に、昨年組合の方より特定局制度撤廢という要求が出たのでございます。そこで私どもといたしましては、組合とその内容につきましていろいろ折衝をいたしたのでありまするが、兩者の意見が合いませんので、結局中央勞働委員會の裁定にまつことになりまして、去る二月組合と管理者側とが集まりまして、特定郵便局制度改善委員會をつくつて、お互いに協議していくがよかろうということになり、いろいろ内容についての折衝をいたしております。なおいろいろ問題がございます。これは詳しくは郵務局長から御説明をいたしまするが、大部分の問題はこの改善委員會で話がまとまつておるのでありますけれども、局長の任用の問題につきまして、未だに妥結をいたしておりません。すなわち組合側といたしましては、現在の局長の自由任用制度はよくない。一般官吏の任用と同様の任用にしてもらいたいという希望がございます。私どもといたしましては、今日の情勢におきまして現在あるいは將來におきましての特定局のもつております使命、希望、状態、殊に通信の最末端におきまする仕事の面から考えまして、普通の官吏を任用する形でなく、その土地の人、部外からこれを選考することが最も事情に適するものではないかという考えで、自由任用の形をとりたいと考えております。もちろんこの制度それ自體、特定局制度の中にいろいろ問題があるといたしましても、この局長の任用につきましては、こういう形が最も合理的で實際に合う方法ではないかと考えております。なお詳しいことにつきましては、郵務局長から御説明申し上げたいと思います。
#7
○小笠原政府委員 ただいま逓信次官から特定郵便局の問題につきまして御説明申し上げた次第でございまして、私からさらに蛇足を加えるほどのことはないのでございますけれども、いま少し具體的に問題の重點を拾いあげましてお話申し上げ、御参考に供したいと思います。
 特定局制度については組合側竝びに特定局長側、兩者から、先ほど次官から御説明申し上げたように、昨年來いろいろと問題があるわけなのでございます。組合側の方から、問題になつております點は、要約いたしますれば、現在の特定局制度は世襲請負的な制度であつて、そのために從業員の待遇竝びに勞働條件が他のものに比較して劣つた状態にあるから、これを直すにはどうしても特定局制度そのものを廢さなければだめであるという考え方であります。この問題につきまして、ただいま次官からも申し上げましたように、本年の五月全逓側と官側の兩者の特定局制度研究委員會をもちまして、兩者間において十分檢討を加えたのでございます。その結果結論として到達いたしましたところは、第一に特定局長の任用の問題につきましては、先ほど次官が申されましたように、まだ結論に到達いたしません。逓信省側としては自由任用制でいくのが適當であると考えております。もちろん逓信省側が考えておりますところの自由任用制というのは、現在の特定局長の自由任用制そのものの意味ではないのでございまして、現在の特定局長の自由任用制は、お手もとに差上げました資料の三枚目に特定郵便局長任用規程というのがございます。これはその一つ前の勅令に基いて逓信大臣が定めた規定でございますが、「年齢滿二十年以上ノ者」「相當ノ資産ヲ期スル者」、「相當ノ學識才幹アル者」ということを條件にいたしております。これらの點につきましては逓信省といたしましても、現在の事態に即應するように改善しなければならないと考えておりますので、さような改善を施した上の自由任用制を考えておるのでございますが、この點につきましてまだ組合側と意見の一致を見ておらないのでございます。
 それから第二の問題は特定郵便局舍の問題でございますが、これはお手もとに差上げました資料の特定郵便局長服務規程の第二條に書いてありますように、特定郵便局長はその局に要する土地建物を提供しということになつております。特定郵便局長は特定郵便局經營のために土地建物を提供する義務を負つておるのでございますが、その局舍を有償といたしまして漸次これを直轄に移していく。言いかえますれば現在は規定上は特定局長は局舍、その土地、設備を無償で一方的に提供する義務があるのでございます。もちろんこれに對しましては、官から若干の經費を雜費として支給はいたしておりますけれども、特定局長が一方的に出す義務をもつております。これを今後は有償とし、すなわち國において借上げて、これに對して適正な代償を拂うという方法にかえる。將來は國有を目標にして進むとゆう意味におきまして、局舍は有償とし、漸次これを直轄に移すということに關係者意見が一致したのでございます。なぜそうするかというと、これは特定局制度の非常に根本的な問題の點でありまして、一面から申しますれば、局舍その他の提供義務をもつているということは、特定局長になる人はそれだけの不動産等をもち、もしくは提供し得るような者でなければなれないという面がございます。またそういう私有物を局舍に提供しておりますために、組合側の言葉を借りますれば、從業員がなんとなく官の建物で執務しておるような感じがしない。そこに私經濟的な観念があるために、ほんとうに官吏としての氣持で働く上において障害があるということを組合の人は言つておるのであります。さような點をかれこれ考量いたしまして、ただいま申し上げたように今後改善していくことに意味の一致を見たのであります。もとより局舎を國有にするには莫大な國費を要するわけでありまして、これは理想であつて、現實の問題でないことは申すまでもないことであります。
 第三に、研究委員會において意見が一致いたしましたのは、局經營のための經費の問題であります。これも今の特定局制度におきまして服務規程の第二條にあります「別ニ支給スル經費ヲ以テ其ノ局ノ業務ニ關スル一切ノ費用ヲ支辨シ」ここに書いてあるところの「別ニ支給スル經費」かような意味におきまして現在は局の物件費に關するものをいわゆる渡切り費として特定局長に支給しておるのであります。人件費については、先ほど次官から御説明いたしましたように直轄になつておりますので、これは特定局長に直接支給しておるわけではございません。局長は國から支給を受けたところの渡切り費をもつて、その責任において一切の費用を支辯して局を經營しておる。それがいわゆる組合側の請負という意味であると思うのであります。そのためにそこに局の經營上これまた私的な性質をもつておる。この點を拂拭して公經濟的に運用しようということに官側と組合側との意見が一致したのであります。
 第四には切手の歩合のことでありますが、これはまことに技術的なことになるのであります。御承知のように特定局で賣つておりますところの收入印紙竝びに郵便切手は、一定の歩合をもつて割引いて特定局長に賣りまして、その歩合が結局局長の收入となるわけであります。この歩合の中から局長は若干のものを職員に分配しておるわけでございますが、この切手歩合の經理を合理化する。現在は局長任せになつておるのを、これを官務として明確ならしめまして、場合によれば切手の取扱いに要する職員はこれを定員化するようなことも考えておるわけでございます。要するに切手歩合の經理を合理化していくということに意見の合致を見たのでございます。
 第五には從業員の待遇竝びに厚生施設についてでありますが、特定局從業員の待遇竝びに厚生施設については、普通局從業員との間に、差別を設けない。これはもとより當然のことでございまして、官側といたしましても、その通りの方針で今日までまいつており、今後もその方針で進むつもりでございますので、かようなことで組合側と意見の一致を見たのでございます。
 かような次第でございまして、結局研究委員會で大部分の問題は意見の一致を見まして、さらに實行の段階にはいつておるのでございます。實行につきましては、全逓との經營協議會に付議してそれぞれ實行していくということになつております。問題は、要するに特定局長の自由任用の問題についてだけまだ意見の一致を見ません。研究委員會で持越しになつているというのが今日の實情でございます。
 それから特定局長側からの要請はどういうことであるかと申しますと、これはもちろん特定局長といたしまして局を運營していく上において當然必要な要請でございまして、その若干を申し上げますれば、局長の待遇問題、これもまた現在の社會情勢のもとにおきまして當然の要請でございます。それから局の經營のためのいろいろの經費が物價の高騰と同じ歩調でいかない、あるいは時間的にそこに差があるというような點から、局の運營が非常に苦しい。また特定局の從業員の待遇を十分改善してもらいたい。いずれも管理者といたしまして當然の要請であると存じます。これらの點につきまして、逓信省といたしましても必要な經費はそれぞれ豫算に計上して、國會の御審議を經た上で實行に移している次第でございます。概要以上の通りであります。
#8
○片島委員 大體經過はわかりましたが、一番大きな問題として局長の自由任用がよいというお話であります。從業員側の方で皆がこれが悪いというのに、ただ當局の方は今の方式が適當であるいというだけでは、どうも納得がいきませんので、どうして現在のように資産をもつている者、あるいはこういう條件をもつた者から自由任用をした方がよいのであるか。あるいは組合側のいうように、一般の官吏任用の方式によつて任用すればどういう點に缺陷があるのであるか。その點をいま少し詳しく御説明いただきたいと思います。
#9
○小笠原政府委員 ただいまの御質問の點につきまして、簡單に申し上げたいと思います。研究委員會におきまして、逓信省が自由任用を維持したいと考えております理由といたしまして、説明いたしましたところは、この自由任用制は一般の官吏任用制のように、學歴または在職年數のようなわくを設けないわけであります。從つて一般任用制の對象を包攝いたしましてなおかつこれより幅の廣いものでありまして、廣く部内外から、地方事情に即した特定郵便局長としての適材を任用するためには、自由任用制によることが一般任用制によるよりも一層適當であると考えている次第でございます。しかもこの特定局長の自由任用制は、これから始める、あるいは最近できたというわれではないのでございまして、特定郵便局制度は日本に新式郵便制度が施行せられて以來、過去數十年來すでに實施してきたところでありまして、その運用方法の改正は後に申し上げますが、自由任用制そのものが、ただいま申し上げましたように理論的にも民主的なものであり、實際的にも得策と考えられます關係上、ほかの一般官吏が自由任用制でないからというだけで、特定局長の今日までやつているところの自由任用制を廢止しなければならないとする理由に乏しいと考えている次第であります。しかしながらここに申し上げまする自由任用制は、今日まで特定局長の任用について實施しておるところの自由任用制の態樣そのままのものを指そうとするものではもちろんないのでございます。すなわち現在の自由任用制では、新しい時代におれる諸般の情勢から見まして、必ずしも適當でないと考えられる點もあるのでありまして、以下申し上げますように、この運用を改正していきたい。かように考えておる次第でございます。
 すなわち特定郵便局長として眞に適當なる人材を人物本位に選考することにしたいというところに目標をおきまして、これがために第一には、現在の任用の條件といたしまして、先ほど申し上げましたように、相當の資産を有する者ということが特定局長任用規程の第一條にございますが、相當の資産を有する者であることを要件といたすのであります。これはただいま申し上げましたように、眞に適當な人材を人物本位に選考する目的から見ますると、相當の資産がなければ特定局長に任用しないというような行き方は、適當ではないと考えまするので、これは速やかに廢止することにいたしたいと考えております。從いまして、これに件いまして、これを前提としておるような現在の身元引受人制あるとか、身元保證人といつたような制度もやめることにいたしたいと考えております。
 それから第二點といたしましては、先ほど申し上げました特定局長の局舎提供義務も將來廢止したい、かように考えておるのでございます。この點はもちろん提供義務を廢止することは、すなわち國有にするとか、あるいは國の借入れということになりますが、國有にいたしますことは、一萬三千の特定局舎がありますので、これは莫大な經費を要するから、今日ただちに實行できない事情にありますことは御了承願えるところと存ずるのであります。逓信省としましては、さしむき借入れの方法による、すなわち局舎所有者との間の賃貸借契約によつてこれを借入れ、それに對して適正なる家賃あるいは土地に對しては地代を拂う、備品につきましては借料を拂うというような方法にかえていきたい、かように考えておるのであります。これらの所要經費につきましては、豫算にこれを計上いたしまして、國會の御審議を經た上で實行していきたいと考えておる次第でございます。
 第三點といたしましては、お手もとに差上げました資料の特定局長服務規程という中の第三條に、特定郵便局長の賠償責任がきめてあります。これは一服官吏の賠償責任とは違つておりまして、特定郵便局長に對して特別に重い賠償責任を今日は課しておりますので、これまた適當でないと考えまして、賠償責任も近く一般官吏並に改めることにいたしたいと考えておるのでございます。
 第四點といたしましては、局長に對する給與につきましては、先ほど次官から御説明申し上げましたように、特定局長手當というのを俸給の代りに支給しておるのでありますが、これまでの特定局長手當は非常に、金額が少額でございまして、それをもつて特定局長はとうてい生活を維持することかできない程度のきわめて少額な金額でございます。從いましてその結果は、場合によりまして必ずしも適當ならざる局運營の一つの誘因になる場合もございまするので、この局長に對する給與につきましては、最低生活に支障ない程度に本年度からこれを改善していくことになつておりまして、すでに本年度分の必要經費は豫算に計上されておるのでございます。
 ただいまおもな點四つを申し上げましたが、現在の自由任用制そのものの運用は改正いたしましても、自由任用制そのものは維持していきたい、かように考えるわけでございまして、それによつてその地方事情に即した部内外の英才を特定局長に任用することによりまして、眞に民衆に信頼され、親しみやすい小規模通信機關としての使命を果させることにしたい、かように考えておる次第でございます。
#10
○岡田委員長 通告順に質疑を許します。天野久君。
#11
○天野委員 特定局制度が廢止されるか、あるいはそのままやられるか。いわゆる局長自由任用か一般任用かということでありますが、私はこの特定局長を幾分やりました經驗から、多少意見を申し上げてみたいと存じます。郵便局の事業は普通官廰の事業と大分趣きを異にいたしております。それは何かと申しますと、保險あるいは年金、貯金その他相當信用に關する事業をいたしております。しこうして今までの特定局長の選任におきましては、この地方における地位名望ある信用のある人から選ぶ、こういうようなことになつておりまして、それが實行されておりまするために、その地方民はこの局長に對して信頼感をもつてこの事業に協力をしてまいつておるのであります。しかしてこの局長が今まで局を經營いたしまする面はどういうふうにいたしておるかと申しますると、局員と局長との間は親子の關係のごとき状態をもつて經營をいたしてまいつておるのでございます。しこうしてこの親子の状態の經營が今日はいろいろ從事業から物議を釀す原因となつておりますが、これは運營上相當なる貢献を畫してまいつていると思います。この證左としましては、現在各局とも局の収入と渡切り經費によつては、その局の運營はできていないのでありまして、いずれの特定局もみな相當な損失をいたしております。私の今までやつておつた局などの實例を開きますと、局長の給料と設備と手當と合して千百何圓かの収入で一局の經營をしている。これでも特定局長は甘んじてこの局務に精勵をいたしておる。ただ局長といたしまして現在どうかと思いますることは、局長として毎日朝の八時から四時まで局におらないことが多い。これはあまりによくないことだと存じますが、しかしその局長といたしましての信用がこの局の運營のための非常に效果あること、また局舍、局の器具等についてこれを無料提供しておる。こういうような點から見ますと、今までの效能から見ても、これをただちに改廢することはどうか。またもしこれを政府が全部普通の官吏として、これに寝具その他の施設をいたしますならば、莫大の金を要することになりますで、今日の國の經濟上から見てもどうか。また局長といたしましては、その地方地方において村民の信頼ある者がその業務に當るために、貯蓄その他が完全に行われておりますので、この點等をにらみ合わすときに、相當考慮をすることではないかと考えております。しかして現在におきましては、局員の待遇等についてはすでに直接の支給になつておりますので、待遇は相當改善されております。しかし私にはこの特定局そのものが在來のままでよろしいとは考えられません。幾分の改廢を要することは認めておりますが、この際極端な改廢をいたすということは、一般大衆の局に對する信頼の面から考えましても、また國の財政の面から見ましても、また逓信省運營の趣旨の面から見ましても、いずれから見ましても、百害あつて一利なきことだと存じますので、局長任用制度をそのまま適用いたして、そして機に應じて改廢いたすというこてが最もとるべき途ではないかと考えておりますから、参考までに意見を申し延べます。
#12
○大石(ヨ)委員 私は次官に申し上げます。次官はその土地の徳望家及び人格者を特定郵便局長に任命されると仰せられました。私の郷里は舞鶴ですが、その一例として人格者すなはち皆さんが徳望家と思つていらつしつる人が郵便局長になつているかどうかというひとを御参考までに申し上げたいと思います。昨年まで私の知つている人がいわゆる特定三等郵便局長でしたが舞鶴でやみ取引で厖なる新圓をかせいだやみ成金に賣つて、今それが特定郵便局をやつております。ゆえに舞鶴地方ではやみ屋が郵便局長になつたというて喧々囂々たるものがございます。それで今後そうした人が郵便局長にならないようにしていただきたい。だから、あなたがおつしやいましたような人格徳望ともに具わつた人が、決して郵便局長になつておらない部面があるということを御承知願 たと思う次第でございます。
 それからもう一つお尋ねいたしたいことは、戰前いわゆる速達小包というものがございました。現在速達小包はなくなつておりますが、次官のお考えでは速達小包はいつ頃御開始になりますか。こりを開始するお考えがございますか。それをお聞かせ願いたいと思います。
 それから田舎の地方へ行きますと、のりのない切手をまだ多數郵便局で賣つております。われわれ地方において旅行いたします人々は、のりのない、切れ目のない郵便切手がございますために、はさみでそれを切つてとらなくてはならないので非常に難儀をしております。この點お考えくださいます意思ございますやいなや、それをお聴きいたしたいと思います。
#13
○鈴木(恭)説明員 お答えいたします。第一の問題につきましては、局長選考につきまして一層注意をいたしまして御趣旨に副うように今後はいたしたいと考えております。次に速達小包の問題でございます。小包の取扱いにつきましては、私どもといたしまして今日いろいろ考えておりますが、ただいまの状態におきましては速達小包を實施いたします計畫をもつておりません。それから第三番目にのりなしの切手の問題でございます。終戦以來物資が非常に缺乏いたしまして、のりのない切手が出ましたことは私ども事業に從事いたします者といたしましては、國民各位にまことに相濟まんと考えておつて、なるべく早い機會にそういうふうな資材も入手いたしまして、のりのついておりまする普通の切手を出したいという念願をいたしておりました。この四月から發行いたしておりますものには全部ついております。まだ田舎の方におきましては前に發行いたしました分が多少残つておると思うのでありまするが、今後はそういうふうな御不便はないようになると考えております。
#14
○梶川委員 特定郵便局の問題につきまして今盛んに論議されておりますけれども、われわれがこれを判斷する場合におきましては、もう少し科學的數字に基いて檢討してみる必要があると思うのであります。それで私は次の三點についてお伺いいたしたいと思います。まず第一番は現在の特定郵便局長の任用規程におきまして、相當の資産を有する者と、相當の學識才幹ある者とありますが、相當というところは、一體現實にはどれくらいで採用しておられるか。たとえば相當の資産と申しましても、保險の代理店あたりでやつておるように不動産を何町歩とか、あるいは直接國税なんぼというような基準でやつておられるのか、こういうような點も具體的に聽きたい。また相當の學識才幹というのは、どういうところに基準をおいてやつておられるのかという點をお聽きしたいと思います。
 それから郵便局長に今渡しておられる手當が少いと言われてますけれども、ただ少いと言われただけではどれくらいかさつぱり見當がつきませんので、これも具體的にどれくらい今渡しておるというふうに御明示願いたいと思います。
 その次には切手の歩合というのが郵便局長の収入になつており、さらにそれを何がしか從業員に渡しておられると言われますけれども、一體切手の歩合がいくばくであるか、そうして全國的に逓信事業としてはこの切手の歩合によつて特定郵便局長に渡す總額がいくらになるか、それを官營でやつた場合には官の通信事業の全體としてどれだけの増収になるかということがまた問題のわかれになると思いますが、これについても一つ御指示を願いたいと思います。
 その次には物件費を渡切にしておられると言われますけれども、これらの點が往々にしていわゆる勞働強化の面になつておるという事實が相當見受けられのであります。たとえば特に雑費あたりの場合におきまして、薪炭費というようなものが渡つておるそうでありますれども、私の手もとに來た特定郵便局の從業員からの報告によりますと、實際は炭を全然渡してくれない。夜勤あたりやつても全然火の氣がないというようなことを言つております。これは悪意に解すれば、特定郵便局というのは渡つておる物件費が非常に僅少であるためにむずかしい點もあるもしれんけれども、少くとも豫算の項目を變更して、事實上着服しておるというような面が起つておるのではないかというふうにも考えられます。これは手當の少い點のカバーとして起つておるのではないと思いますので、これらの點に對する査察というようなことを嚴重に行う必要がある。
 その次には今大石君も申しました局長の信用問題でありますが、非常に信用があると一方では言われますし、一方では信用のない人もまじつておると言われる。私は僻陬の農村あたりにおきましては、比較的郵便局長の信用というようなものによつて、多少信頼感がある面もあるかと思いますけれども、普通の町村におきましては、およそ郵便局長を信任して郵便局に貯金を預けるとか、あるいはまた郵便切手をそこから安心して買うというような問題ではなくして、たいていの場合は郵便局長がだれであるかというようなことを知らない場合が多いのであります。特に都市あたりにおけるところの無集配郵便局あたりは、およそ郵便局長がだれであるか、信用があるのかないのかというようなことまで考えて、一般の者は全然つき合つておりません。從いまして局長の信用云々の問題、地方的名望というようなことは現在の場合問題にならぬと思うのであります。むしろ逆に郵便局長になるためにいろいろな利權運動といいますか、いわゆる俗に言う運動が起りまして、非常におもしろからざる面を呈しておる。また村あたりのいわゆる政爭の具に供されまして、新しく郵便局長を設けると、その郵便局長になる競爭のために、それがひいては政黨政派の關係にまでくつついたりして、非常におもしろくない面も多數見受けられるという點も御承知願いたいと思います。
 その次には、特定郵便局長というものが現在一萬三千あるそうでありますが、この中ではたして幾人が郵便局へ出ているかどうか。顔をちよつと出しても、ほとんど業務をやつてないというようなものが大部分ではないかと思います。私の知つておる範圍内では十中七八までは登廳していないというような状態に見受けられますので、こういうような郵便局長がはたして必要であるかどうか。
 その次には任用の關係上―通信事務というものは相當技術的なものだと思いますが、そういう場合におきまして、はたして郵便局長が業務監督ができるかどうかというような點からいたしまして、相當の學識才幹ある者というところにも關連すると思いますけれども、現在では業務を知らない郵便局長というものが多數にあるというようなかつこうになつております。從いまして結論といたしましては、私はこれらの具體的な資料を見なければ最後の判斷は下せませんけれども、今までに感づきました私の思つている大體参考になるであらうという意見、また當局よりこれらに對してわれわれが判斷を下す上の具體的な参考の資料というものをいただきたいと思います。それらをいただきまして、われわれはもう少し科學的に檢討してみる必要があると思います。
#15
○小笠原政府委員 ただいま御質問の點につきまして簡單に御説明申し上げます。第一の特定局長の任用にあたりまして考えております相當の資産、これは別段勅令等の上で數字的にきまつておるわけではないのでございまして、これは逓信大臣がその運用上内規的に考えておるところでございます。これまでの標準といたしましては、不動産一萬圓ということに考えております。
 それから相當の學識才幹ある者というものについての標準は、これは特に大學とか高等專門、中學というような特別な基準は設けておりません。要するに特定局長としての責務をはたし得るために十分な―十分と言つてはいけないと思いますが、相當の學識才幹ある者という抽象的な判斷によりまして、人事の選考をいたしておる次第でございます。
 第三番目の局長の手當、これは現在勅令で特定局長の手當は、月額三百圓から千圓までになつております。實際支給しておりますのはどのくらいかといいますと、七月一日現在で一萬三千人の特定局長の手當を平均いたしますと、五百六圓となつております。そのほかにもちろん一般官吏の場合と同様に暫定加給とか、家族手當とか、勤務地手當というようなものがございます。しかしながら、要するに基本になりますのは、わずかに五百六圓でございます。ほかの方のその基本を土臺にして計算されるものに比して、自然比較的に小さい。かように思つておるわけですります。全國平均で千七百圓であります。
 それから切手の歩合につきましては、特定局長が収入印紙または郵便切手を賣りさばきいたします場合におきまして、官から切手を渡す場合に割引きますところの歩合は、額面一萬五千圓までは四分、從いまして最高一萬五千圓の場合には、六百圓の歩合金ということになります。一萬五千圓を越える場合には―ただいま正確な數字を覺えておりませんが、大體平均的に見ますと九〇%までは一萬五千圓ぐらいでありますから、月に六百圓ぐらいの歩合金であります。
#16
○梶川委員 今逓信省で賣りさばく總額というものは、一體どのくらいですか。
#17
○小笠原政府委員 實は今資料をもつておりませんから、別途いずれ御連絡申し上げます。
 切手賣りさばきを直轄にしたらばどうなるかというお尋ねでございますが、直轄にすればもちろん切手賣りさばきのための從業員の給料も必要でございます。もちろん今の歩合金は要らなくなります。その代りに切手賣りさばきをする從事員の人件費、竝びに切手を保管するための金庫とかその他の設備に要する經費、あるいは切手の出納、保管、一切を監査するところの監査のための人件費、そういうようなものがいろいろ必要になつてまいります。現在では局長に賣渡してしまうかつこうになりますので、一たび特定局長に賣渡した後には、監査の必要がなくなる。所有權から言いますれば、形式上官金でなくなるのであります。實質上は官の業務のために賣りさばくわけでありますが、形式から言いますれば官金そのものではなくなるのでありまして、監査その他の經費は一切いらないのであります。もしこれを直轄配給式にすれば、當然その出納状況を監査していくという點につきまして、その經費は殖えてまいります。全體的に見ますると、現在なぜ割引制でいつているかというと、これが一番簡單で經濟だというところから、從來こういう方法をとつておるものと考えております。
 それから物件費につきましては、雑費を支給しておるのでございますが、これは豫算上の總額から言いますと、二十二年度の本豫算において計上されておるところの雜費の總額が、一億三千七百萬圓でございます。これで局經營のための一切の物件費を賄うわけでございます。すなわち局用の紙であるとか、筆墨というようなものはもとより、あるいは電燈にいたしましても、あるいは先ほどお話の薪炭にいたしましても、そういつたような物件費は、この一億三千七百萬圓が、二十二年度の本豫算において決定されたところの豫算額でございます。しかしながら、もちろんこれは現在の物價状況から見ると、非常に低いものであります。追加豫算にさらにこれの増額を要求いたしておる状況でございます。從いまして特定局長はおそらくどの特定局長も、非常に苦しい状態でやつておる。かように考えられます。薪炭費はただいま申し上げた一億三千七百萬圓の中から割出して、支給しておるわけでございます。この一億三千七百萬圓を各局に分けると、大體どういうことになるかということを簡單に申し上げますと、集配をやつておりますところの特定郵便局で、標準になる大きさの局は、從事員が十人から十五人くらいの局でありますが、この邊のところでただいまの雜費が八百圓から千圓前後でございます。それから無集配局、すなわちごく小さい郵便局、これにつきましては大體三人以下の局が、全體の局の半分くらいでございますが、そうう局では雜費としては四百圓足らずくらいのところでございます。いずれも月額でございます。
 それから信用問題につきまして、さつきお話がございましたが、逓信省としてはもとより特定局長としての適任者を任用するように努力いたしております。ままあるいは一萬三千の中には、あまり好ましくないことをしでかす人がないとは申しかねますが、逓信省としてはもとより十分信用のある人を任用するように當然考えておるのであります。
 それから特定局長は局にいないものが非常に多いじやないかというお話でございますが、現状におきましては、特定局長の大多數は、十分に局におりまして、指導いたしておるものと考えております。もちろん特定局長の中には、特定局長會の役員をしたり、あるいは事務の講習會であるとか、いろいろ外部的に働かなければならない問題もございます。また保險の募集等につきましても、對外的に特定局長として大いに活動してもらわなければならないものもありますので、そういう對外交渉等の關係上、局を離れておることが多いことは、當然のことでございます。
 最後に仕事を知らない局長が多いではないかという御質問でございましたが、これも私どもは、特定局長はいずれもみな今日はその職責を自覺しまして、特定局長としての職責を原則としてみな果しておるものと考えます。もちろん例外的に一部そうでない人もあると思いますが、そういう點はもちろん直接の監督廳でありますところの逓信局におきまして、適切な指導を行つておる次第でございます。
#18
○梶川委員 今の局長の答辯につきまして、やはり一番問題になるのは、任用の場合における信用ということになつてくる。その場合にはたして犯罪とか、あるいは賠償となる事件があつたかどうか。それから普通局の場合には、こういうようなことの條件なしに、官吏の方で任用しておるか。そういう場合に、そういうことがあつたかどうか。これも大きい基準になると思います。
#19
○小笠原政府委員 簡單に申し上げますが、ただいま信用と申し上げたのは、もちろん必ずしも經濟的な資格という意味ではないのでありまして、信頼できる人、こういうふうな意味で申し上げた次第でございます。もちろん特定局長の多數の中には、きわめて少數の例外的に好ましくないことをした人もあることはありますけれども、それはきわめて稀有であります。將來そういうことのないように、私どもといたしましては、十分監督上、人事上、遺憾のないように努力いたしたいと考えておる次第でございます。
#20
○岡田委員長 本日は大分時間も經ちましたので、この程度にいたしたいと思いますが、いかがですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○岡田委員長 それでは次會は公報をもつて御通知申し上げます。午後一時からは中央郵便局を視察に行く豫定になつておりましたが、少し時間が遲れましたので、一時半くらいに正面玄關に集まつてまいりたいと思います。なるべくお繰合せの上、多數御参加をお願いいたします。
 本日はこれで散會いたします。
    午後零時五十二分散會
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト