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1947/08/22 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第8号
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1947/08/22 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第8号

#1
第001回国会 通信委員会 第8号
昭和二十二年八月二十二日(金曜日)
    午前十時五十二分開議
 出席委員
   委員長 岡田 勢一君
   理事 重井 鹿治君 理事  天野 久君
   理事 白井 佐吉君
      海野 三朗君    大石ヨシエ君
      成田 知巳君    矢尾喜三郎君
      小島 徹三君    千賀 康治君
      田島 房邦君    長谷川俊一君
      長谷川政友君    宮幡  靖君
      森  直次君    山口 武秀君
      河口 陽一君    林  百郎君
 出席政府委員
        逓信政務次官  椎熊 三郎君
        逓信事務官   中山 次郎君
        逓 信 技 官 網島  毅君
 委員外の出席者
        議     員 山口 好一君
        議     員 圖司 安正君
八月二十一日
 屋久島に無線電信電話局設置の請願(上林山榮
 吉君紹介)(第一四四號)
 郵便年金支給額増額の請願(菊池重作君紹介)
 (第一六一號)
 湯本郵便局昇格の請願(齋藤晃君紹介)(第一
 六四號)
 南西郷郵便局に集配事務開始の請願(坪川信三
 君紹介(第一九三號)
 三厩村に無集配特定郵便局設置の請願(山崎岩
 男君紹介)(第二〇八號)
 原別村郵便局に集配事務開始の請願(山崎岩男
 君紹介)(第二〇九號)
 佐井村字牛瀧に電話架設の請願(山崎岩男君紹
 介)(第二一〇號)
 高山町大字後田に無集配特定郵便局設置の請願
 (的場金右衞門君紹介)(第二二二號)
 高山町宮下及び富山に無集配特定郵便局設置の
 請願(的場金右衞門君紹介)(第二二三號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 北高根澤村大字上高根澤に郵便局設置の請願(
 山口好一君紹介)(第七號)
 酒田港に無線海岸局設置に關する請願(金野定
 吉君外三名紹介)(第四四號)
 電氣通信に關する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○岡田委員長 會議を開きます。
 本日は七月二十六日及び八月十一日、本委員會に付託されました請願五件のうち、四件について審査いたしたいと思います。なお議決については後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#3
○岡田委員長 まず山口好一君紹介の北高根澤村大字上高根澤に郵便局設置の請願について山口君より紹介説明を聽取いたします。――山口君。
#4
○山口好一君 請願の要旨について紹介者といたしまして簡単に御説明を申し上げまして、ぜひとも皆様の御了解を得て御採擇の上、速やかに實施いたされますように御協力をお願いいたしたいと存ずるのであります。本件郵便局設置の請願の場所は、栃木縣でございます。栃木縣の、東地本線によりますれば賓積寺という驛がございます、これより南方に下つた地域でありまして、鹽谷郡北高根澤村大字上高根澤、それから同じく芳賀郡の南高根澤村大字下高根澤、この両郡にまたがります地域になつております。大體現在は鹽谷郡の賓積寺郵便局がこの集配に當つておると思うのでありますが、この賓積寺の郵便局からいたしましても、今度設置をお願いしたいと思つております上高根澤と申します所は、二里有餘離れておるものであります。その他に周囲にもなお郵便局がございまするが、これからの距離も二里以上になつておるような状態でございます。なおこの地方は鐡道の便も非常に悪くありまして、バスもないような状態であります。總括して申し上げますならば、この地方は交通にも通信にも日本國で一番恵まれない、こういつたような状態にありますので、この鐡道及び郵便局の設置の必要なることは申し上げるまでもないところであります。今後日本が文化國として再建いたされるにあたりましては、ぜひともまずもつてかかる地方からその文化の恩澤に一日も早く浴せしめるようにお願いをいたさなければならないと紹介者は深く考えるのであります。この地方は栃木縣では非常に土地肥沃な所でありまして、日本のウクライナと稱してもよろしい所であります。米、麥の産額も非常に多いのであります。農民はししとしてその生業に從事いたして、供出状態も栃木縣では一番多い所であるのであります。かように農村の人々はししとして國家のためにその勞力を捧げておりまするのに、文化面においてはかくのごとき不便を耐え忍んでおるような状態でありまして、交通、電信、電話、そういつた方面では實に不幸な境遇におかれておりまするので、産業の部面から申しましても、またその地理的關係から申しましても、ちようど中心にありまするところの上高根澤、ここに郵便局を設置いたされまして、せめて通信方面においての恩澤だけでもここに及ぼしていただきたい、こういうのがこの請願の趣旨にほかならないのでございます。何とぞ速やかに御審査の上、御採擇をお願いいたしたいのでございます。なおそれにつきまして御當局の御意見も、さぞや御賛成のことと考えておりまするが、一應その御意見をも伺わせていただきまして、ぜひとも滿場一致をもつて御採擇あらんことを希う次第でございます。簡單でございますが、以上紹介の言葉といたしたいと存じます。
#5
○岡田委員長 次に政府側の意向を求めます。中山政府委員。
#6
○中山政府委員 御説明申し上げます。ただいま御紹介のありました請願、上高根澤に郵便局を設置いたしますことにつきまして、逓信省のただいまもくろんでおりますことを御説明申し上げます。
 今御紹介のございましたように、この上高根澤附近は非常に交通不便な所でありまして、通信及び交通について、できるだけ新して施設をしなければならぬと考えておるところでありまして、この通信の施設をここに設置いたしますにつきましては、大體考えられますのは、通信の窓口と申しますか、無集配局を設置するか、または郵便の配達取集めまでも受持たせます集配局を設置いたしますか、という二つの點にかかつていると思うのであります。ただいま紹介のありましたように、ここら附近は非常に既設の郵便局との間が距離がございまして、一番近い北高根澤局でも三キロほどございます。それから大體今度設置いたされんとする郵便局を利用される戸數も七百戸を越えるように私どもは勘定いたしておりまして、こういう利用地區から言いますれば、當然郵便局を設置いたしたいと私ども考えております。御参考のためにこういう地區につきまして、どの程度ならば無集配局―郵便局の窓口を開くかというふうな御説明を申し上げますと、大體既設の局から二キロ以上離れておりますれば、設置いたしたいと考えております。またその利用する戸數も大體四百戸以上もあれば、ぜひ置きたいと考えておる次第であります。こういうような観點から申しまして私ども關係者といたしましては、なるべく設置いたしたいように考えております。ただ残念ながら本年度の豫算その他の關係からいいまして、まだ具體的に設置の候補の中にははいつておりませんが、將來これを設置するという方針のもとに、計畫に組入れたいと存じておる次第であります。集配局の設置になりますと、これは現在の集配局、寳積寺局その他の關係からいいまして、ここに集配を開始させますと、從來の集配局との關係からいつて、あまり郵便の速達という效果も期待できませんので、そこまでは私どもとしてはまだ考えておりませんし、また電信、電話の事務をここに開始することにつきましても、郵便局を一應設置した上で考えさしていただきたいと思つておる次第であります。大體私どもの今豫定しておりますことは以上の通りでありまして、一應御答辯申し上げます。
#7
○岡田委員長 本請願について質疑はありませんか。
#8
○重井委員 請願者の方から無集配でいいというお考えのようであります。それからなお政府の方に伺いますが、無集配局を設置いたしまして、國家の負擔はどのくらいになるか、御意見をお聽かせ願いたいと思います。
#9
○中山政府委員 大體今度開設します郵便局の大きさによりますけれども、私ども、こういう一番不便な所で最小の規模の郵便局設置となりますと、大體局長のほかに事務員二名程度を考えております。
#10
○山口好一君 請願者の希望いたしますところは、やはり集配のできまする局をつくつていただきたいというような意向であろうと思いますが、やむを得ない事情がございますれば、ただいま政府委員の御説明のごとく、まずもつて郵便局を設置いたされまして、その上で次第に電話などの交換局をつくつていただくというような方針に進みたいというのが請願者の意向だろうと思います。できますことを早速にやつていただきたいとこう私は思いますので、ぜひとも速やかにこのことが計畫に上りまして、實施いたされますような、實現の可能性のある程度で速やかにやつていただきたい。こうお願いをいたしたいのでございます。なおそれにつきましては十分地元でも協力いたしまして、資材その他の點でも協力を惜しまないということを申しております。よろしくお願いをいたしたいと存じます。
#11
○天野委員 この局の設置に對してはむろん反對するものではありませんが、參考にひとつ當局から聽いておきたいと思います。本委員會で局の設置の請願を認めた場合、いわゆるこの請願を承認した場合に、御當局としてはそれを必ず實行することができるか否や、またそれをやるつもりであるか否や。今までよく請願が出ます。あるいは陳情が出ます。これをいずれも採擇して、そうして異議なく通過しておりますが、それが實現したものはおそらくない、こういうような形であります。今囘はここに通信委員會としてりつぱな委員會ができておりますので、今までの請願のごとき形に終らせたくないと考えるのであります。從つてこれが請願を受付けた場合に、必ず實行される可能性があるならば、これを相當本委員會としても考えていかなければならぬ。また形式的に受理して、その請願を通過さして、その請願者の希望を充たすというだけに終るとするならば、その通りな決議をいたさなければならない。こう考えますので、この委員會に出ました請願が、委員會を通過いたしたら、當局はどうするかということに對して、一應當局の見透しとお考えを伺つておきたいと思います。
#12
○椎熊政府委員 舊來請願の取扱いについてしばしば論議されておりましたが、舊來の議會といえども、採擇になつた請願については、政府側においてはそれについて十分なる考慮を拂いつつあつたのであります。しかし舊來の議會を通過した請願というものは非常に數が多うございまして、その審議も今日の國會ほど愼重でなくして、請願はとりあえずほとんど通過さしておるという状態であります。そういう點で新國會とは非常に趣きが違つておると思います。今日は新憲法のもと、國會が國家の最高機關であつて、これの決定というものは國家意思の最高決定であるとさえ私どもは心得ております。いやしくも請願を採擇された以上は、それに對して斷じて趣旨に副うように努めたいという考え方であります。從いまして請願を採擇するというような場合におきましては、政府側においてできないような請願、あるいは急速に實施することが不可能であるという問題に對しては、不同意の意思表示をいたします。そういう場合には、採擇するか否やに際しては、その政府側の答辯等をも十分に御斟酌くださいまして、適當に御決定を願いたい。かりそめにも採擇になりましたものについては、誠意をもつて趣旨に副うふうに努めたいと思います。
#13
○白井委員 ただいま山口君から本請願についての趣旨の御説明がありましたのに對しまして、政府側からその設置の必要性は十分に認めておられるという御答辯があつたのであります。それで今政府の方の御計畫といいますか、郵便局を新たに設置する方法あるいは計畫というか、それによれば二十二年度は何局、あるいは二十三年度はどことどこで何局というようなことの、およそ豫算及び財政とのにらみ合せによりまして、年次的な計畫が立つておられるようにも承つておるわけであります。その場合に、ただいまの北高根澤郵便局というものは、いつ實現しようという計畫になつておるのでありましようか、この點を伺つておきたいと思います。それからいずれも郵便局の設置がないために非常な不自由、不便を感じておるということから、こうした要望が出てくるわけなのでありますが、その場合地元民といたしましては、一日も早くこの問題を解決してもらいたいという熱心な要望をするあまり、資材等についても極力地元で便宜を供與して、そして一日も早くこれを實現に移してもらいたいということになつてくる場合に、この地元の負擔であるとか、あるいは寄附であるとかいうようなものを、甘んじて受けられる心組があられるかどうかというようなことと、それから無集配局を一局設置するに必要なる經費というものはどの程度必要とするものであるのか、その邊をちよつと伺つてみたいと思います。
#14
○椎熊政府委員 本年度の郵便局設置の計畫は、當初本省におきましては新たに百局を設置する豫定で豫算を編成しておりました。しかるところ最近安本と大藏省との折衝の結果、豫算の大削減を見まして、おおよそ五十局程度より設置するの豫算を認められませんでした、近く御審議を願う豫算の上にはその程度に止まつておるのであります。しかもこの五十局をどういう標準でつくるかということは、もとより本省としての總合的通信事務の計畫の上から、國家的見地に立つてやるのでございますが、實體的には各地方の逓信局の調査と申請によりまして、それを本省で審議して決定するのであります。必ずしもそれが地方民からの請願の趣旨と一致するとは申されません。こちらの計畫以外の點に請願があつたりする場合もございます。從いましてそれらの五十局を實際にどこに置くかということは、豫算通過後におきまして、こちらの計畫と一般の要望とを照らし合わせて、最も緊急必要なものから先に著手をする、こういうような考え方でおるのであります。一局についての設置の費用等につきますては、それぞれの政府委員から御説明申し上げます。
#15
○中山政府委員 ただいまも御質問がありました、先ほども御質問をいただきました一局開設に對する最低の費用、これはまことに申譯ありませんけれども今關係の郵務局長も來ておりませんし、私詳しいことは存じませんので、その費用につきましては、後刻調べまして御答辯申し上げたいと思います。なお無集配局の方は、結局これは特定局でありますから、局長さんから御提供いただく局舍の費用と、それ以外に事務員の費用、その他の雑費というようなもので大體包含されるのであります。集配局を開くこととなりますと、それに集配をやる人、それからほかの驛とか、ほかの局からの逓送に關係する人員というものを加えまして、相當な費用になると思います。こまかい數字につきましては、後刻申し上げさせていただきたいと思うのであります。
    ―――――――――――――
#16
○岡田委員長 では次に移ります。圖司安正郡から御紹介の、酒田港に無線海岸局設置に關する請願、これについて圖司安正郡から御説明を求めます。
#17
○圖司安正君 紹介議員といたしまして、きわめて簡單に紹介の趣旨を申し上げます。酒田港に無線の海岸局を設置していただきたいという請願でございます。その理由は、御承知のやうに酒田の港は裏日本におけるきわめて重要な港灣の一つでございます。歴史も古いのでありまして、しかも戰爭以上においては相當殷賑を極めておつた港でございます。最近貿易再開に伴いまして大藏省からは税關を設置いたされまして、いわゆる貿易港としての形態を整えていただくというようなお話もあるやに承つております。さらにまた運輸省方面によりいたしましては、海上保安基地としてこれに必要な設備を整えていただくというようなことも承つておるのであります。戰爭後急激に水産業が、特に北洋漁業などが、盛んになつてまいりまして、酒田港はひとり北海道あるいは近海方面の漁船が出入いたすばかりでなく遠く中國、九州方面あたりからも漁業基他として漁船の出入が頻繁をきわめておるのであります。こうした情勢のもとにおきまして、無線設備がないということはきわめて船舶航行の上に不便が少くないばかりでなく、海難事故も繰返されておるのでございまして、どうしてもそうした航海の安全と海上連絡を緊密にいたすという意味よりいたしまして、酒田港に無線海岸局を設置していただきたいというのが、國家の上に、また港の當事者として切實に要望いたしておるところでございます。でありますから、この際ぜひとも請願の趣旨を御承察いただきまして、この請願を御採擇くださいますように特にお願に申し上げる次第でございます。以上申し上げます。
#18
○岡田委員長 では次に政府側の説明を求めます。
#19
○椎熊政府委員 圖司議員の御紹介による請願は、御趣旨はなるほどごもつともの點が多いように思われますが、本省といたしまして調査したところによりますると、急速にこれを實行することは相當困難な事情がありまして、この請願には同意いたしかねるのでございます。以下その理由を御説明申し上げます。中部日本海上船船の航行の安全及びそれに必要な通信を受持つ海岸局は新潟無線局であります。本年五月末に同局通信圏内に出入した船舶が、無線施設のあるものが一日平均十五艘にすぎない。これは至つて不足な數字でございます。かつ新潟と酒田の距離は非常に遠いというほどの距離ではございません。兩地間の有線通信施設は幹線でありまして、比較的良好な線であります。從つて船舶と酒田市の間の通信が新潟經由をするために特に不便であるということは考えられないのであります。また今日までの實情から申しましても、新潟經由のために特に支障があつたという實例がございません。右の裏づけとして見らるることは、現在まで通信が不便であるからという理由で、船舶乘組員、無線通信士などから同地海岸に局を設置してもらいたいというがごとき要望はこれまでかつてなかつたのでございます。なお山形縣には無線施設をもつ船舶が一艘もございません。無線施設をもつものは、山形、新潟、秋田三縣を通じてわずかに二艘の漁船にすぎないのであります。しかもこの二隻は秋田港に定繋港をもつておるのであります。漁船に無線施設をし、これを相手とする陸上無線施設を設けることは、農林省で補助金まで與えて獎勵しておるのでありまして、漁船が特にこの必要があると思うならば、官設海岸局によらなくとも、御申請があれば、逓信大臣におきましては、なるべくこれを認めて許可する方針でございます。農林省が補助金を出しているくらいでございますから、特に漁船のためにそういうことが必要ならば、もつと簡便な方法で、ただちにそれができるのでございまして、特にただいまの請願のようなことを現實に速急に設置しなければならぬという理由は、どうしても今日のような財政状態の場合から見ても考えられないのであります。なおこの酒田港の大港灣計畫などが完備いたしまして、船舶の出入その他が今日以上の状況を呈する場合におきましては、またあらためて調査もし、考えてもいいと思いますが、今日の状況におきましては、この請願に對しては本省としては不同意でございます。
#20
○岡田委員長 本請願について何か質疑がありませんか――では次に移ります。
    ―――――――――――――
#21
○岡田委員長 山東村所有電話資材を逓信省に移管の上同村に電話線架設の請願、この請願については紹介説明の方が見えておりません。
    ―――――――――――――
#22
○岡田委員長 白山村安養寺に郵便局設置の請願、これについても説明の人が見えておりませんから、後日に審査を延期いたします。
    ―――――――――――――
#23
○岡田委員長 なお本日は請願についてのみ審査をする豫定でありましたが、成田委員から放送國家管理問題について當局よりの説明を求められておりますので、これを許します。
#24
○成田委員 時間があまりございませんから、ちよつと放送の國有國家管理についてお尋ねしてみたいと思います。
 この問題は數日前、都下の一二の新聞であつたと思いますが、發表されました。全部の新聞に發表されてないという點から見ますると、政府當局の正式發表でないようにも考えられるのでありますが、法案の内容をしさいに見ますると、相當詳細にわたつて書いておる、次期議會にも提出される豫定だというようなことが報道されておるのですが、それが事實でありますかどうか。もし單なる事務當局からのものを、一、二の新聞社のいわゆる早耳で出したということなら、これはまた問題は別でありますが、もしそういう政府當局としての御方針があるようでしたら、その御方針を承りたい。
#25
○椎熊政府委員 過日新聞に出ております放送の國家管理とか國有とかいうようなことは、私どもあの新聞を見て實は非常に意外に思つた。しかもああいう記事がどこから出たものやら、ほとんど私どもは想像に苦しんでおります。目下私どもとしては、ああいう考えを毛頭もつておりません。しかも案は具體的にできてもおらぬ。あの新聞の出たちようど前日でございますか、大臣は放送に深い關係をもつ放送局の當事者その他民間の人々を多數本省に呼びまして、將來の放送はどういうふうな監督下に、どういう運營で、どういう内容でいくかということの意見を聽取して、その翌日ああいう新聞が出たので、非常に驚いた。目下本省におきましては何ら具體的な案が整備されておるのではないが、今のままではいけないと思つておりまして、獎來何らかの法的根據のあるりつぱな法案をつくりたい。こういうので鋭意研究もし、材料も蒐集中でございます。これには關係方面も非常に關心をもつておられます。私どもは、今日逓信省が放送局の監督主務官廳のような形になつておる法的根據には、はなはだ淺い點があるように思われます。郵便事業法のうちの一部の第何項の中に、その他の事業を經營することができるということによつて、日本の放送局ができ、ともかく逓信省にということで今日に至つておるのであります。根據が非常に薄弱だと思います。そういう根據をも法律的に明らかにして、しかも放送の運營上につきましてはなるべく民主的な方法をとる。從いまして放送委員會等のごとき、そういうものができるかどうかわかりませんが、もしできるといたしますれば、それらの選出方法あるいはその範圍その他については、十分民主的な方法を考えたい。しかも必ずしも放送というものは加入者だけのものでなしに、國民全般のものであつて、殊に日本のように獨占事素のような形につている今日では、非常に影響するところが甚大でございますから、現在では國會と放送協會の運營とは何らの關係もございませんが、私一個の考えといたしましては、何と申しましても形の上から國民代表としては國會以外に正式のものがないと思いますので、そういう國會などの意思等も大いにくみ入れることができるようなものにならなければ、ほんとうでない。もとより逓信省が放送の内容に對して干渉をすることがごときは嚴に愼しまなければならぬことだと思います。ただこの獨占事業的存在がいかなる根據で、だれがこれを監督するか、そういうことについても非常に意見があると思います。はたしてこれが獨占的な事業にさしておくがいいかどうかということも、すでに對日理事會等においても大論議があつた問題でございますから、そういう點について非常に愼重に考慮しているわけでありまして、これは草案ができるまでには、朝野のあらゆる人々の意見を聽取して、なるべく完璧なものをつくりたい。よつてこれができます場合におきましては、最も私どもの尊重しているのは通信委員會であります。この通信委員會の意思を無視して、すでに案ができてああいうものを發表するなどというような經率不謹愼な行動は、私どもの態度ではございません。あれは何らかの誤解によるものと思いますから、さよう御了知を願います。
#26
○成田委員 放送事業のことはよくわかりました。時間がございますから、ちよつとほかの問題についてお尋ねしたいと思います。先日全逓の半ドン問題がありましたが、昨日の新聞でございましたか、これも一、二の新聞でございましたが、神戸の中央電話局で九月の給料を二十日に支拂えという要求を局長に出した。局長が上京中で、總務課長がその旨を傳えたところ、早速その日二時間か三時間のストにはいつたというような報道を見たのであります。この報道だけ見ますと、いかにも全逓のやり方に非違があるように思われるのであります。この前の半ドンの問題につきましても、大體新聞紙その他の報道から見ますと、世の中の人は全逓側に非違があるというような感じを受けたのでございますが、當委員會での御説明では、政府當局の交渉のやり方にも十分なところがなかつたというような御説明がありましたので、今度の問題につきましても、やはり説明に足らぬところがあつたのじやないか。局員側の要求に十分納得させるような説明をしなかつたのじやないかというようなことも考えられるのでございます。あの問題の結果と、そう點について何か情報がはいつておりましたら、御説明願いたいと思います。
#27
○椎熊政府委員 實は昨日全逓の十五日の要求に對する囘答をする日でございますから、午後二時半から全逓に首脳部と大臣初め私も立會つて會見いたしました。その席上で、二十日の神戸の問題が出たのでございます。私どもの役所側の通知によりますと、全逓の神戸管内の一部の者が職場會議を開いて、そのために通信事務が約二時間停滞した。その間主事とかその他の現役でない人が動員せられて、わずかに命脈をつなぐようなことになつたという報告を受けたのであります。そのことについて全逓側に、そういうことをやるのはいかぬじやないかと、大臣から嚴に申入れをいたしました。全逓側はこれと違つた報告を受けて、職場會議を開かなかつたと主張しております。ただ二十日までに九月分の給料を渡してもらいたいという強に要求があつたようであります。所管の局長はそれに對して、やるともやらぬとももちろん答えられる筋合いのものではないから、本省と打合せの結果適當に返答するということであつたのでございます。局長はけさあたり歸つたと思いますけれども、先日來上京しており、本省との間の打合せ、交渉等はつぶさに私は聽きましたが、本日の給與の問題は逓信省だけ勝手にやるわけにいかぬような状態にありまして、それなればこの先般來閣議の問題ともなり、勞働關係閣僚懇談會等にも至りまして、それをひつくるめて、きのうの返事になつておるのであります。二十日によこせという要求は必ずしも無理だと思われません。それはもつとも節も非常に多いと思いますけれども、それを二十日にどうしても何らかの返事をしなければならぬということはこちらとしては考えられない。無理な御要求だと思います。二十日にただちに要求通り渡せということは、渡されない現状にあり、手績上から言つてもだめであります。そういう際に、全逓の説明によると、二十日にもらえると思つたのが、もらえないことになつたからというので、職場大會を開こうと思つたが缺席が非常に多いので職場大會を開かずに、副委員長が各職場をまわつて、きようはもらえないだということを報告して歩いた、こういう全逓側の主張でございます。はたしていずれが正しいかということは、私ども未だ適當なる材料をもつておりません。それからまたその行動が正しいか正しくないかということから言えば、それは勞動協約に違反であり、官吏服務紀律の違反であつて、もし私どもの受けておる報告通りのことをしたとすれば、將來大いに愼んでいただかなければならぬ。その點について大臣から深い注意を與え、將來は斷じてするつもりはないし、今囘もしたことはないということを主張しております。事實の問題については、本省側で局に命じて、事實の有無を調査中でございます。從いましてただいま全逓側と本省側との説明の間に、本省側の至らざる點があつたのではないかというお言葉ですが、これは御批判でございますけれども、先般來實は經營協議會等を連日開いておりまして、あらゆる角度から腹藏なき意見を兩方から十分語り合つておるのですから、不親切であつたとか手落ちであつたとかということはないので、二十日にお渡しするということは手續上から言つても、その他全官案勞働者の給與の問題から言つても、不可能なことであつたのでございますから、その點は全逓の中央本部におきましては、十分なる御認識をいただいておることであると、私ども信じております。さよう御了承願います。
#28
○重井委員 放送關係で意見を述べたいと思います。放送事業が今のままでしたら獨占禁止法にかかる關係上、これを改組されるのが、當然だと思いますが、往々として民主化に名をかつて、かえつて財力の強い個人の利益中心の民主化になる危險性があるわけでございます。これは通信部門ではありませんが、運輸關係におきまして日通の問題とかあるいは船舶運營會の問題とか、これをもつといわゆる社會化する方向にもつていけば、それがほんとうに最も民主的な運營になるにかかわらず、いろいろ今考えられておるのは、かえつて個人の強い財力をもつものの意思に副うような方向に組織替ができておる危險性があると思うのであります。そういう意味におきまして放送事業も今度これを改組される場合には、ぜひとも放送事業の社會化というような立場から、改悪にならないように御努力を願いたい。これもいろいろの關係があるのでありましようけれども、その原案をつくる場合には、最も社會化したところの放送事業の組織にもつていくのがいいと思いますし、それが最初のポイントになると思うので、最も社會化したところの放送事業の組織を貫徹するように御努力願いたいと思います。
#29
○椎熊政府委員 ただいまの御意見はまつたく御同感でございます。私どももあなたの御意見通りやつていく氣持でおります。特にただいまの御注意を尊重いたしまして、御趣旨に副うように努めたいと考えております。
#30
○岡田委員長 次にいま一つ山形局電話交換問題、田無郵便局問題について海野委員から質問の通告を受けております。これを許します。海野委員。
#31
○海野委員 山形の電話局は機械が非常に古くなりまして、話をしている間にぽつんぽつんと切れてほとんど用をなさないと言うても過言ではない状態であります。昨今進駐軍の方から注意もありまして、聞くところによりますとこの交換臺をかえるという話を聞いておるのでありますが、これはいつになつたら逓信省としては御實行なさるのでありましようか、その時期をお伺いいたしたいと思います。これが一つ。それから田無の郵便局でありますが、田無の郵便局から山形に電話をかけましたところが、山形にはその電話がかかるようになつていないということでありました。そこで局に行つて調べてみましたところが、酒田及び鶴岡には通ずるけれども、縣廳の所在地である山形市には通じないことになつているのだ、こういう話でありましたので、局長に私はその調査を頼んでおいたのであります。その後電話を再三東京都内にかけるにあたりまして、電話の交換手がきようは午後の四時になりましたからと言つて、電話局の方からこれを切つてしまう状態であります。何のための電話であるか。私はそれを非常に憤慨いたしまして局の方に苦情を言いましたところが、向うの方では電話を切つてしまつた。考えてみますと何のための通信やらわからないのであります。これは田無局とは限らず、地方の小局においてはそういうふうな話を再三耳にするのでありますが、要するに電話交換手、從業員たちがサボつておるのであると私は思うのであります。全逓の諸君はそういうところをよく導いて、そうして初めて勤勞者階級としての權利、そういうものを主張すべきものであると考えるのであります。自分の方の仕事を捨てておいて、きようは午後の四時になりましたからというので、局の方から、今電話をかけておるのに斷るというようなことは、まことに私は心外であると考えるのでありますが、この點につきまして政府當局の方はいかにお考えになつておられますか、これをお何いいたしたいと思います。
#32
○中山政府委員 御答辯申し上げます。一番最初の山形局の交換方式、交換機の改變につきまして、その具體的の時期に關しましては、申譯ありませんが私今記憶しておりませんので、調べまして後刻御返事申し上げたいと存じます。
 次に田無局と山形局との通話事務、市外通話のことでございます。これはただいまお話のありましたように、現在市外通話區域から漏れております。私どもといたしましても、田無局と山形局との間に當然市外通話ができることと考えられておりました。おそらくこれが現在漏れておりますのは、終戰直後の市外囘線の復讐に繁忙なときに、係の者の注意なり何なりで手落ちがあつたのじやないかと思います。先日お話を承りまして、ただいま市外通話區域に編入するように關係逓信局で手續中でございまして、近く實現すると私ども考えております。
 それから第三番目に田無局の交換手でございますが、一般的な問題としまして、小さな局の交換事務が非常にサービスが悪いというお叱りでございます。この點につきましては交換事務全般についても、終戰後非常にサービスが悪いので、皆様方に御迷惑をかけ、お叱りを受けている點でありまして、私どもといたしましても十分にこれが是正に努力いたしておるのであります。おそらく全逓の方々もこういう點については本部から相當自律的に是正するように努力しておるところでありますが、何分にも現在非常に交換手の勤續年數が低下いたしまして、從來の相當訓練を受けました者が減つております。また交換手の年齡も十五、六歳というような非常に若い、また常識も完全になつておりません者どもが何分交換事務を擔當しておる關係上、つい執務の上において缺點が出てまいりまして、加入者の方に申譯ないようなサービスをしておる事實は、私どもとしてまことにお詫び申し上げなければならないと思います。こういう點につきましては、それぞれの逓信局におきまして現場を巡囘指導するなり、またそれらの交換手の再教育の機關を設けまして、これらの交換手の素質なり抜能の向上に心がけております。またそういうような悪い應答がありました者につきましては、今後信賞必罰をもつてこれが是正に當りたいと思つております。今後はそういうような事例が絶無になりますことを本願といたしまして、極力努力いたしたいと存じておる次第であります。
#33
○海野委員 政府御當局の誠意ある御答辯に對して感謝いたします。なおここに一言申し上げておきたいと思いますことは、私が實際にその點は交換手のところに自轉車で飛んでいつてみましたところが、編物をやつておる。編物をやつておつて、交換臺がぱたつといつても放つておく。お前何をしておるのかと私が言いましたところが、それから初めて編物をやめてやつておるのです。そういうぐあいでありまして、今日まで引揚者とかたくさんの人たちで職のない者が街頭にあふれておるのであります。しかるにそういうように、從業員諸氏がいわゆるスクラムを組んでサボつておるということは、はなはだ心外に思う。ほんとうに失業者は街頭にあふれておる。それを考えると、どうしてもこの從業員の人たちをよく導くように、全逓あたりがこれを指導してやつていただきたい。そうしてあくまでも權利を主張すればいいのだ、こう考えますので、どうか今後ともそういうことに對しましてよろしくお願いをいたします。これをもつて私の質問を打切ります。
#34
○千賀委員 ただいまの御質問の點は私もよく隨所で見受ける光景であります。ただいま全逓にというお言葉でありますけれども、一體從業員の監督權というものは、政府及びその直系の下僚にあるものか、あるいは全逓とかそういうものにあるのか、こうした組合は組合員の幸福増進のためにつくられておると思うのでありますが、こういうものに監督權あるいは事業の運營權が相當に抑えられておるのか、これはゆゆしい問題であると思います。これに對して當局の御見解を承りたいと思います。
#35
○椎熊政府委員 從業員の監督權は主務大臣にあるのであります。監督權は組合にはございません。それから事業の運營上の權利は組合にあるのか、あるいはそれが組合から抑えられておるのかというお尋ねでありますが、そういうことはございませんので全逓と逓信省の間には勞働協約が成立しております。全逓は全國單一組合になつており、運營上の微細な點にいたるまで經營協議會で兩者徹底的な了解のもとにやる。それはどういう趣旨かというと、監督權を委ねるとか經營權の一部を委讓するとかいう趣旨ではありませんので、監督權は依然として主務大臣にありますけれども、運營上圓滑に能率的に、愉快に仕事ができるために、組合として勞働協約の上から運營上協議會をもつて、その議に付してやるという一つの運營上の方法にすぎないのであります。法律的には監督權は絶對に大臣にあります。組合には監督權はないのであります。それから經營上の問題についても、逓信省自體が組合に經營上の權利の一部を委讓するということは現在もしておりませんし、將來もそうあるべきものではないと思います。組合もそういうことを主張しておりませんので、ただ形の上で、いろいろ何か四十萬人もおる組合だから、それに壓迫されて心ならずも抑えられておるじやないかという世評があるとすれば、それは誤解であります。そういうことは目下のところ斷じてありません。
#36
○千賀委員 わかりました。私もそうあるべきだと思つておりますが、ただいま御質問の中に、全逓を督勵するとか、全逓と了解を求めてかかることがないようにという御意見があつたと私は聽いたのでありますけれども、ただいま推熊次官の御答辯の通りであるならば、これはあくまで政府において監督の責任があるのであつて、この從業員の怠慢、殊に識務中に編物をして電話の機能を遅らせるということに關しましては、これは確かに政府だけの責任であり、また政府だけに大いに監督をしてもらうものだと思つております。同時にそのような點に對しまして全逓がとやかくいうのは、あらいは全逓にもその改良の責任があるように思うのは間違いである。團體交渉權というのはこの職場における微細な點――ほんとうに職分そのままのものを完全に要求するというよなこととはこれは違うと思うのであります。それで絶えずかようなものに全逓が介入して監督しなければならないということになると、いわゆる團體交渉權なんかで常にストライキを起されておるという形になるので、これは特別な場合に福利増進のためにストライキを起すことは認めておりましても、平生の職務につきましては、いやしくもこれは全逓というような濁りをここにつけるものではなしに、これは完全にあなた方が操縦していくものだと思うのであります。私はただいまの推態次官の御答辯で大體は滿足いたしますけれども、なおこの點ははつきりして、日常の職務を遂行してもらいたいと思いますので、念のために申し上げておきます。
#37
○椎熊政府委員 この機會に、政府が目下そういう點について計畫しておる具體的な案がありますので申し上げておきます。閣議の決定を經まして、省令によつて行政監察委員會というものを設置することになりました。これは中央におきましては中央行政監察委員會というようなもの、各省の中には各省にそれぞれ監察委員會ができるのでありまして、中央の監察委員會も九月一日から發足することになつております。委員は民間人を約半數、適當な官衙側の者が半數、そういうことになりまして、行政百般にわたりまして監察を行う、こういうことであります。たとえば服務の状況とか、事務の運營の状況等について、非常に大きな權限をもつて徹底的に監察するということであります。逓信省におきましても、おおよそ民間から三名ほどの委員をあげ、役所側からも三名ほどの委員があげられまして、政務次官が委員長となつてこれに當つていく、ごく最近の機會に發足する段どりとなりましよう。民間側からはどういう人を委員に出すか。たとえば政府の私案といたしましては、言論界、勞働關係團體、商工業團體、農林、水産團體、金融界、交通業界、學界、文化團體、婦人團體、法曹界、そういうもののうちから適當の人を委嘱いたします。相當のものでありますが、これは將來人事院などができて、そういうことを擔當するまでの暫定措置であります。豫定としては來月から約七箇月間、そういう期限つきであります。その間本省といたしましては、約十萬圓の費用をもつてやる。現に役所には監察課というものがありまして、これは業務運營上の監察竝びに從業員の技術指導等までやつておるのでありますが、この今日の監察課をも今度の行政監察委員會にとり入れまして、これを大いに能率的に活用して、これとタイアップして、この内閣で考案されました行政監審委員會というものを大いに急速に效果あらしめるように活溌に活動したいと思うのであります。ただいまの交換手の勤務中における怠慢の行動などは、御指摘の事例のごときは、全國でも稀有の問題だと思います。私どもはひまあるごとに各交換局などを見てまわつておりますが、實は交換手の事務は、外部で想像した以上の非常な勞働であります。若い子供が一時間のうち四十五分間まつたく全神經をあの機械に縛りつけてやつておる状況は、なみなみならぬ重勞働だと思います。それも概して不慣れな者が多いのでありますが、私どもよくやつておると實は感心しておるくらいであります。實は一時間に十五分の休養がありまして、その時間内はなるべくきれいな、清純な部屋を與えて、ゆつくり自由に休養をとらせたいと思いますけれども、目下の設備状況からいたしますと、それらもはなはだ不完備なもので、將來これらの改善もしなければなりません。なるべく技術の練磨をはかり、からだにおいても休養を與え、能率を増進はしめ、職場においては、ほんとうに職責に精進するという建前に指導したいと存じます。ただいま御指摘のような事例は全國的にまつたくまれな事態だと思いますが、まれであつても許すことのできないことでありますから、特にその邊に對しては注意いたしたいと存じます。千賀さんからもお話のありました勞働組合が指導すべきではないというのですが、勞働組合自身が指導すべきであるかどうかわかりませんが、勞働組合の清純な發達のために、自主的に自分の職責を完全に守り抜こうという決意が、だんだん組合の中にも、滿ち滿ちておるのでありまして、これはだれからの命令でもなく、大臣の命令でもなく、局長の命令でもなし、自分らは自分らの大切な職場を守ろうじやないかという氣分が、今日の勞働組合には十分發達しつつあると思われます。中にはいわゆる政治的意圖などを含んで、それとは逆行する行為をするものなきにしもあらずでありますが、それはまつたく稀有の問題でありまして、全體から見ますと、勞働組合も一種の反省期と申しましようか、自省の状態にはいつておりまして、何とかして大切な、重大な任務を遂行しよう、そのためには自主的に練磨しようではないかという氣風がわれわれにも感知できるのであります。この氣風を助長せしめまして、一方役所側の監督等も、自由にしてしかも峻嚴、こといやしくも亂れた場合には許さぬという態度をもつて臨みたい。そして何と申しましても逓信省と組合とは敵ではなな。全部内輪同士であります。全逓といえども、われわれの監督のもとにある内輪のものでありますから、世にいわゆる勞資對立關係ということはもちろん私どもは考えておりません。勞働組合の人もこれを對立關係と考えるならば、認識が違うと私どもは思います。中にはそういう心がけのものもあるようでありますが、そういうことはだんだん反省さしていきたい。かように思つております。御了承願います。
#38
○岡田委員長 本日はこの程度に止めまして、次會は公報をもつて御通知いたします。
  午前十一時五十八分散會
ソース: 国立国会図書館
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