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1948/11/18 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 地方行政委員会 第4号
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1948/11/18 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 地方行政委員会 第4号

#1
第003回国会 地方行政委員会 第4号
昭和二十三年十一月十八日(木曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方自治法改正に関する請願(第百
 六十四号)
○発電水利使用料増額に関する請願
 (第百五十三号)
○発電水利使用料増額に関する陳情
 (第三十号)
○地方財政に関する件
○長野縣の善光寺に対する遊興税賦課
 取消に関する請願(第六号)
○義務教育施設のため國有財産の無償
 拂下に関する請願(第百三十八号)
○衆議院議員選挙法の一部を改正する
 法律、選挙運動等の臨時特例に関す
 る法律及び政治資金規正法施行後の
 状況並びに教育委員選挙の実施状況
 等を調査するための議員派遣要求に
 関する件
  ―――――――――――――
   午前十時四十五分開会
#2
○委員長(岡本愛祐君) それでは、これより委員会を開会いたします。請願、陳情を議題に供します。自治課長が見えておりますから、請願第百六十四号地方自治法改正に関する請願、西川昌夫君紹介、これを議題に供します。西川昌夫君は特に出席をして申上げることはない、こういう御傳言がございました。先ず専門員から要旨の説明をいたします。
#3
○専門員(上原六郎君) 第百六十四号の地方自治法改正に関する請願は、横浜の市会議長小沢二郎氏の提出したものであります。
 請願の要旨は、現行憲法の施行によりて地方自治制に画期的な改革が行われたが、施行以來一年有半の経驗を顧みて、地方議会運営改善のために、選挙権の要件である居住期間の撤廃、予算修正権の拡張、起債の議決に対する行政官廳の要許可規程の削除、及び中央出先機関の設置に対する承認の権限を新設する等の改正をせられたという請願でございます。
#4
○委員長(岡本愛祐君) これに対する政府側の御意見を伺いたいと思います。
#5
○政府委員(鈴木俊一君) 第一の住所期間を六ケ月としておりますのを撤廃せよという点でございますが、これは大都市の実情、殊に戰災後の都市、戰災地都市等におきまして、住民の定着状況が非常に動揺いたしております際、又引揚者その他の異動によりましても、その定着性が非常に稀薄になつておりますような状態から申しますと、このような御意見は相当論拠があるものと存ずるのでございますが、半面この引揚というような問題が或る程度落着きました場合、並びに戦災によります影響が稀薄になつて参りました場合を考え、更に又農村地帯等のことを考え合せますと、住居期間を全然撤廃することがよろしいが、それともこの程度の住居期間というものは認めて置いた方がよくはないかということにつきましては、一概にいずれとも決定することは困難だと思うのでありますが、ただ衆議院議員の選挙につきましても六ケ月間の名簿登録上の要件としての住居期間の制限がございますので、それらを考え合せまするいうとやはりこの程度の住居期間というものを設けて置く方がよくはないか、それから又地方團体というものの性質から考えまして、やはりその土地に或る程度の住居期間住んでおるということがその地方團体を構成する住民となるためには必要であるという方が、地方團体の本質から言つて適当なのではないかということを考えるのであります。負担関係は單に住民である者に対しても、或いは財産を持つておるという者に対しても、或いは一時滞在者という者に対しましても、あることはあり得るわけでございますが、併しそれとこれとを全く同じ基準で考えるということは、やはり無理だと思いますので、地方團体の人的構成要素として、地方團体の構成員になりますためにはやはり或る程度の土地への馴染みと申しますか、定着性というものを必要とするのではないかというものに考えております。
 それから第二点の予算総額を増額しない範囲で予算修正権を拡張することかできるものとすること、これは予算の増額の問題は從來の長い慣例といたしまして、知事、市町村長の執行機関の発案権を侵さない程度なら増額して修正して差支えないということに地方制度の改正はなつて來ておりまして、行政裁判所の判例等においてもそういうことで長く來たのであります。ただ予算の提案権を侵すということはこれは適当でない、そのことは判例上從來明瞭にせられておつたのでありますが、又規定にも一部その点があつたのでありますが、尚明確を欠きますので、先般の改正で一應地方自治法の歳入歳出予算の提出の権限は侵すことができないが、それを侵さない限度では予算の増加修正ができるという趣旨を明らかにいたしたのであります。ただそれより更に一歩進んで予算総額が殖えないのなら発案権を侵して改正してもいいのではないかというのが御意見のようでありますが、これはやはり國会の問題としても同様な、政府と國会との関係においてそういう問題があると思いますが、やはりこの歳入を担当しております執行機関並びにそれの歳出を調整する執行機関というものの立場から申しますならば予算の増額ということにつきましては、その発案権を侵さない限度にして置いての増額、要するに例えば道路の修繕費を計上いたしました場合において單價の見積が執行機関は一キロ一万円という計算であるけれども、これはやはり現状においては二万円かかるということで増額修正をいたしますならば、それは予算全体の総額におきましても、殖えましてもこれは差支ないというのが現在の解釈でありまして、このようにいたしますというと、今のような場合におきましても予算の増額修正ができないということになりまして、むしろこの案によりますと、却つて議会の審議権が制限せられることになりはしないか、執行機関側が提出いたしました予算の額以上には絶対に超えられないということになりますと、事実問題としては或るものを殖やすだめに或のものを減らさなければならないということで、やはり議会側としては或るものは減らすということは非常にむずかしいことでありましようし、結局このことは実は議会の権限を拡張するようであつて却つて抑制するような結果になりはしないかというふうに考えるのであります。それから理窟から申しまして今の発案権という見地から如何であろうかというように考えるのであります。
 それから第三番目の國の地方行政機関いわゆる出先機関は國会の承認を径なければこれを設けてはならないという規定につきまして、この御趣旨は地方自治法百五十六條第四項に、國の地方出先機関は原則としては國会の承認を経なければ設けてはならない、但書として特殊な機関についてだけはその必要がないということになつておるのでありますが、これを單に國会の承認ということでなく、それを設置する地域の普通地方公共團体の承認を経るようにせよということであります。これは成る程抑制するということのみを強く考えますというと、そういうようにいたすことも心考えられるわけでございますが、併し國といたしまして或る種類の出先機関を設けようといたします場合には、やはり全体的にそのことを、考えておりまして設けなければならない、或いは設けないでいいということを決めなければならんと思うのであります。或る地方ではその種の出先機関を設けてよい、或る地方は設けられないということになりますれば、國としてはやはり行政執行上支障を來すと考えるのでありまして、やはり國会というまあ國の最高機関の承認がありさえすれば作り得る、又その承認がなければ絶対作れないという現在の制度は妥当ではないかと思うのであります。
 それから第四点は、請願の趣旨がやや明瞭を欠きますが、毎年六回以上招集せよという制限を設けないで、それ以上開こうとそれ以下であろうと、事情によつて自由にできるようにせよという御趣旨ではないかと考えられるのであります。これはこの規定ができます経緯を考えますというと、やはり少くとも年六回以上は案件の有無に拘わらず議会を開いて、そうしてその村か市か府縣のことについて、委員が協議するということが地方自治を伸ばす上から言つても、又民主的な訓練と申しますか、そういう見地から申しても適当であるというような考え方も当時ありまして、特に入れました規定でございますので、この制限を取外すということは現状におきましてはむずかしいと思うのであります。実情論だけから申しますというと、この請願の趣旨は十分理由があると思いますが、そのような制定のときの経緯でございますので、目下におきましてはこれは外すということはむずかしいではないかと考えております。
 それから第五点は、起債を財源として案件を決議した場合における所轄行政聴の要許可規定たる二百二十六條第三項但書及び二百五十條の規定を削除せられたい。これは起債の許可についての権限を当分の間所轄行政廳が持つておるようになつております。これを廃めろということのようであります。これは將來金融情勢が変化をいたして参りまして、地方團体も自由に起債市場に競争しても幾らでも借りられるというような状態になりますならば恐らくこの規定は削除して一向差支ないと思うのでありますが、現在のような金融梗塞の状態にあり、一般市場において地方團体が借入れをすること自体が非常にに困難であります。而もこれについては資金統制の一定の枠があるというような現状におきましては、その許可というのは、むしろ文字通りの許可と申しますよりも、却つて地方團体が必要としておりますものについて、この選考の中に入つて参りますものについては、日本銀行その他とも連絡をして借りられることが確実になるように斡旋をする、世話をする、保護するというような、むしろ実情に現在なつておると思うのでありまして、これを削除することの方が、結果としては却つて放つたらされてしまつたというようなことになつて、困難の状態になりはしないかというふうに考えるのであります。又これは財政委員会の所管でございますが、現実の運用といたしましても、そのようなことに相成つておるのではないかと思うのであります。
#6
○委員長(岡本愛祐君) 政府委員の発言につきまして御質疑がございましたらお述べを願います。
#7
○藤井新一君 政府委員の方の説明を聞きましたが、先ず住居要件の制限ですが、これに関して撤廃することは容易なことではないが、衆議院議員選挙法は大体六ケ月ですが、むしろ地方自治法を改正するよりは、衆議院議員選挙法の方を改正した方が、むしろ妥当と思うのであつて、地方自治法による六ケ月ということは、やはり現実のまま置く方がいいと思う。その理由は、その土地に馴染むということは非常に必要なことです。これを撤廃をしまうということになればむしろ恐ろしい結果が生じて來ると考えます。先ず卑近な例を申しますと、イギリスは一九一八年に選挙法を改正いたしまして、そのときは住居要件も撤廃しようというので、財産を持つた者、或る一定の收入のある者という改正をしております。それで一九二八年に余程これを緩和して普通選挙にされてしまつたのですが、日本もそれまでに行くような過程にあるのであつて、まだそれ程までに行くべき筋合いではないから、現在のままの制限で私はいいと思うのであります。大体私の意見を申上げます。政府のこれに対する御所見は如何でございますか。
#8
○政府委員(鈴木俊一君) 私も今藤井委員の仰せになりました御意見に大体同感でございます。衆議院議員の選挙人の資格といたしましては、現在も名簿の調製上の便宜で六ケ月ということになつておりますが、これはむしろ短かくすればする程結構であつて、名簿調製上の技術上の理由さえ許しますならば、お話のように六ケ月という制限を更に短縮し、或いは撤廃をするということが理想であると思います。地方團体の住居要件というのは、やはり地方團体の性格から申しまして、これを全然外すということは困難であるというふうに考えます。
#9
○藤井新一君 これに関連いたしまして、去る十月五日の教育委員選挙のときにおきましても、地方の人、例えば静岡縣ですが、非常に脱漏がありまして、有権者でありながらしなかつた者が幾千もある。こういうものを衆議院議員選挙法第十四條によれば、選挙人名簿に脱漏又は誤謬ありと認めたときは、選挙人は理由書を具えて、その修正を市町村の選挙管理委員会に出せと書いてありますが、その場合、理由を出しても管理委員は証明を出しませんなんだが、こういうことがあるから私はこういう西川委員がこの問題を提起して請願があると思うのですが、その点如何ですか。
#10
○政府委員(鈴木俊一君) 名簿脱漏者の救済でありますが、これは現在では、毎年九月十五日に調整をいたします際に登載せられなかつたものにつきましては、選挙を行います都度臨時に補充選挙人名簿を作りまして、落ちた者につきましても、今お話のように申請の期間を作りまして、申請の手続さえ取つて貰えれば、その者は全部名簿に登載せられるということに制度上なつておる筈でありまして、今お話のような申出をしたに拘わらず載らなかつたということは、
   〔委員長退席、理事鈴木順一君委員長席に着く〕
 或いは申出の期間が、その一定の日にちが限られておりますが、その限られた日にち以後になつたのではないかと考えられます。若しも一定の告示がありました期限内に申請がありましたならば、必ずこれは登載せられる筈であります。若し漏れておりました者は、その縦覧期間の際に縦覧するという労を取つて頂けば、落ちておる者はその際登載せられるというしとになるわけでございます。
#11
○島村軍次君 本請願は、政府委員の説明を聽きますと、政府委員の説明が適当だと考えまするので、本件は尚研究の余地があると考えますから、この請願は不採択にすべきものと認めます。意見を申上げます。
#12
○理事(鈴木順一君) 外に皆さんから御意見がございましたら……。
#13
○藤井新一君 賛成でございますが、政府の方におかれましては、これに考慮すべき点もあるということを申されましたが、その考慮という意味はどういうことですか。
   〔理事鈴木順一君退席、委員長着席〕
#14
○政府委員(鈴木俊一君) 考慮すべき点と申しますと、この五つの項目のうちで、一番考慮すべき理由があると考えますのは第四点であります。この点は、先程も申上げましたように、この規定ができます際の特殊な要請に基きましての経緯を考えまして、今改正することは困難ではないかというふうに申上げたのでありまして、実情自体からいえば、むしろこういう制限のない方がいいとも考えられるのでありまして、これにつきましては、時期の問題として、更に檢討を加えられる余地があると思うのでありますが、現状はちよつとむずかしいというふうに考えるのであります。その他の点は、第一項、第二項、第三項、これらはやはりいずれも適当でないのではないか。それから第五項は、これは將來の問題として、請願の趣旨は將來において具体化される可能性は十分あるというふうに考えております。
#15
○委員長(岡本愛祐君) 島村君から不採択の御意見が出ております。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(岡本愛祐君) それでは不採択に決定いたします。
 次は請願第百五十三号、発電水利使用料増額に関する請願(竹下豐次君紹介)、尚陳情第三十号、発電水利使用料増額に関する陳情は同様の趣旨でございますから、合せて議題に供します。竹下議員から趣旨の御説明を願います。
#17
○委員外議員(竹下豐次君) 宮崎縣の縣会長外三十数名の請願であります。縣会議員全員一致で決議いたしましたことを取次いでの請願であるということを先ず申上げて置きます。宮崎縣は御存じの通り山林國でありまして、実は木材の供給等につきましても、全國各都道府縣の第五、六位を下らないようなことになつておるのであります。そういう山國でありまして、水利発電所に使用される河川も非常に多いのでございます。宮崎縣で発電いたしまするものは、殆んどその大部分が北九州その他の縣に送られておるのでありまして、縣でできまする量の極めで小さい部分だけしか縣内では使用されていないという今日の状況になつておるのでございます。例を申しますると、私は曾て縣の林業会におりますときに林業会長をいたしておりましたので、事情もよく存じておりますのでありまするが、例えて申しますると、同じ質の工場でありましても、例えば製材所におきましても福岡縣あたりの同種類の同じ程度の工場に供給される発電量よりも、発電しておる宮崎縣の工場におけるその送量というものは少いというくらいの虐待を受けておるのであります。これが今日の状況でありまするが、そういう山國でありまするので、治山治水のために使つておりまする縣の費用というものは、縣財政の四割を超えておるというのが從來の例になつているのであります。本年は一億千万円を超えるというような支出になつております。これは御存じの通り山林が非常に濫伐されておりますので、特に山國におきましてはその弊害が非常に多く、從つて治山治水のために切跡につきましても、相当に沢山の費用を使わなければならないということになつておりまするので、年々のその費用は嵩む一方なのであります。もとよりその治山治水のために費用を使いまするということは、何も発電所に利益を與えるためのみを目的としているのではないことは当然でありますけれども、会社の方で受けまするその利益というものは、非常に多いことは私から申上げるまでもないことであると思うのであります。水利使用料は昨年の七月でありましたか少し上げられまして、昭和九年の料金に比べまして三十六倍になつておるのであります。併しその当時の物價と今日の物價とを比べて見まするというと、百十倍にもなつている状態でありまして、その比率がまるで伴わないのでありまするので、物價の騰貴しました割合に從つて料金は昭和九年の百十倍にして貰つて、つまり三十六円の現在の料金は百十円にして頂きたい、これが請願の趣旨であります。尚申添えて置きますのは、請願書に書いてありますように、若しそれがどうしても許されないということであるならば、縣の独立税を課して何とかして縣の財政を補うよう外にしようがない、というふうに考えておる次第であります。まあ併し私の氣持としては、そういう角だつた方式で行かないで何とか使用料の値上で済まして頂く方がよいのではないかとかように考えるのでございます。大体の趣旨を以上述べましたが、どうぞ御審議願いまして御採択願いますよう切にお願い申上げます。
#18
○委員長(岡本愛祐君) 陳情第三十号は全く同一の趣旨でありますが、一應専門員から説明いたさせます。尚申添えますが、二十三年度の宮崎縣で徴收いたします発電水利使用料は年額千十八万九千円ということにつております。岐阜縣の方は二千二百万円ということになつております。
#19
○専門員(上原六郎君) 疎情第三十号は、岐阜縣の縣会議長の提出したものであります。「発電水利使用料の引上げについては現下の物價水準に從つて百十倍に引上げるよう要望したのであるが、政府は僅かに三十六倍の引上を認めたに過ぎない。縣では窮迫せる財政の中から多大の犠牲を拂い発電に可能な治山治水事業を行なつているのであるが、現行の永利使用料では支出の約八パーセントに過ぎないから、物價情勢と地方財政確立から見て百十倍に引上げられたい、これが実現されない場合は水利使用税を課し得るよう取計らわれたい」こういう陳情であります。
#20
○委員長(岡本愛祐君) この請願並びに陳情につきましては、政府委員の意見を求めます。
#21
○政府委員(荻田保君) 只今の水利使用料の問題でございますが、実はこれは中央官職の所管といたしましては建設省の問題でございまして、建設省がこの水利使用料についての額等を決めることになつております。尚その際物價廳と協議することになつております。從いまして我々の関係は先ず地方財政の立場からその水利使用料を一つ決めて貰いたいということを建設省なり或いは物價廳に対して要望するというような立場にあるわけでございます。この点予めお断り申上げて置きます。
 そこでこの問題でございますが、これは我々もたびたび、聞いておりまして、我々の地方財政の立場といたしましては、この陳情書に或いは請願書にありまするように全く同意見でございまして、これを物價水準程度に上げるということは地方財政のために当然なすべきことだ、こう考えまして、今申しました関係の各省と折衝しておるのであります。ところがこの問題につきましては一方電氣の値段、それを構成いたしますコスト問題等がありまして、どうしても我々の或いは地方の要望される額が達せられないことを非常に遺憾としておるのでありまするが、何分にも一般の物價問題の基本になりまする電氣料金に関係する問題でありまするので、我々としましても單に地方財政だけの立場から最後まで押し通すということができなかつたわけであります。地方財政の立場としましては全くこの意見に賛成でございます。この水利使用料の引上ができない場合に独立税を作るという問題になりますると、我々の方の所管になるわけでございまするが、ただ國の全体の立場として電氣、発電所の水利使用料を上げることができないと、こう決まりました以上、これを何と申しますか、廻り道をしまして独立税の形でこれを一つ同じ恰好のものを取るということになりますると、やはりこれは同じような立場からしまして、我々としましても否定的な考えにならざるを得ないと、こう考えております次第でございます。
#22
○委員長(岡本愛祐君) 御質疑がございましたら御開陳願います。御質疑ございませんでしたら……。
#23
○岡田喜久治君 別れにこれは一應我々委員会の立場としては、殆んどもう陳情であり請願でありますから、採択をしてやはり送付をして、政府の方に考慮を促すということが至当ではなないかという意見であります。
#24
○委員長(岡本愛祐君) 只今の岡田君から採択して政府に送付するようにとの御発議がございました。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(岡本愛祐君) それでは採択して政府に送付することに決定いたします。尚他に請願、陳情もございますが、地方財政委員会の荻田事務局長が出ておりますから、地方財政の現況について一般説明をして頂きたいと思います。尚地方財政が非常に窮迫しておる際、政府からの入場税等の委譲、それから配付税を配付しましたその配付の仕方、それに関して地方では不公平だというような声がありまして、何とか速かに調整して貰いたいという声が大分あるようであります。政府の方もその声に應じて実地調査を過般來しておられるようでありますからその実地調査の状況、食い違いに対する調整の方法をどうするか、というようなことについてお述べを願いたいと思います。又國家公務員法の改正に連関いたしまして、政府職員の待遇を改善する。人事院では六千三百七円ペースに上げるのが至当だと申しておりますが、それが幾らに上りますか、五千三百円という声もあります。それに感じて地方の團体の職員の給料も上げなければならない。その財源的措置は見通しがついておるのかどうか、そういう点もお答えを願いたいと思います。
#26
○政府委員(荻田保君) 簡單に初め地方財政の現況につきまして御報告申上げます。
 御承知のように、先般本國会におきまして御可決を願いました地方財政法、地方秘法及び分與税法が施行になりまして、それによりまして地方は現在の財政を運営しているわけでございます。その改正案の趣旨といたしまするところは、地方財政の自主性を強化するということ、もう一つには、現下の情勢に應じて財政の健全を図り得るだけの財源を與えるという、この二点であつたのであります。ところがこれを施行いたしました結果、必ずしも初めの狙い通り行きませず、殊に地方におきまして相当の不満があるように聞いておるのであります。このような不満の起りますることは、然らば我々の計画しておりまする案そのものに欠陥があるのか、或いはそうでなくて、案も、地方に着たいした通りにやつて貰えない、と申しまするのは、例えば歳出の以上のものを出すとか、或いは歳入の面につきまして、我々の期待しているだけの歳入を地方がよう挙げることができないという点にあるのか、このどちらにあるのか、案そのものにあるのか、運用が、地方團体側の運用が悪いのかという点、この点を突きつめなければならんのでありまして、この点につきましては、先程委員長の申されましたように、我々相当大掛かり調査を行なつておりまして、各府縣、市、町、村まで部厚な調査報告書を配りまして、それの記入を求めておるのでありますが、未だ最後的に全部集計できておりませんから総合的な結果を申上げることができないのは非常に遺憾なのでございます。現在私が聞きました範囲内において申上げますると、第一に、政府の考えました案そのものについての欠陥と申しまするか、につきましては、第一に、御承知のように今時地方の財政を二千億と見込み、それに必要な財源を與えるということにしておつたのであります。ところがその二千億という数字が必ずしも十分な数字でなかつたということが一つと、それに対して與えました財源が十分じやなかつた、と申しまするのに、もう当初すでに計画いたします際に、相当地方において整理節約をして貰いたいという額を相当予め見込んでおるのであります。ところがそのような期待しただけの整理節約が現下の情勢上しにくい、ぎりぎり一ぱいのことをやつてもとても我々の予想しただけの整理節約額を生み出すことはできなかつたというところに、相当この施行された結果がよく行かなかつたという原因が一つあるだろうと思います。
 それから又、歳入の面におきましても、事業税の見積が、政府で考えました見積が、國税の、昨年度の、殊に第一種事業と申しますか、所得税中の第一種事業、これを基礎にしておるのでありますが、これがその後地方におきまして相当更正決定がありまして減つておるという結果、実際本年度地方が賦課し得る額は、我々が期待したものよりも少いのじやないか、こういうことが考えられるのであります。こういう点が、一つには、この税制改正の結果がうまく行つてないということになるのじやないかと思うのであります。地方團体の側におきまする財政経理を見ますと、一つは歳入の面におきまして、待遇、職員の給與費というものが、我々の期待した以上のものを出しておるのじやないかという点が一つあるのであります。これは一般的に、地方の職員が國の職員に比べて一般的に給與の水準がいいのだというようなことは申されないと思いますが、まだそこまで申すだけの資料は持つておりませんが、中に、地方團体多くあります中に、確かに國の考えておりまする水準以上の待遇を貰つておる、その結果が、我々の予定した財源だけでは足りなくて、そこに財政がうまく行かんという理由が一つあるのじやないかと思います。それから歳入の面におきまして、税の徴收が思う通り行つてないところがあると思います。殊に事業税及び遊興飲食税につきましてその点があるように見受けられるのであります。只今申しましたように、事業税につきましては、國の決定そのものに相当見込み違いがあつて、後から減額にすでになつておりますから、まだはつきりしたことをは言えませんが、相当程度下廻るところがあるように見受けられるのであります。それから遊興飲食税につきましては、これを相当額を徴收するように見込んでおるのでありますが、政令の関係がありまするので、なかなか地方の執行力が十分に行つてない憾みがあるようであります。そういう両面のところからいたしまして、非常に現在の地方財政がやりにくいということが言われておるのであります。その結果はどこに現われたかと申しますると、先ず大体我々としましては、本年度地方債を二百四十余億を以て十分といいますか、先ずやつて行けると考えておりましたが、とてもそれではやつて行けません。と申しますのは、相当額を起債でやらなければならない仕事を、或る程度のものを、相当額を一般財源によつて賄う。それからその一般財源といいますのも、本当に財源を與えたのではなくして、先程申したように、整理節約を総体的に期待するというようなことを計算に入れております関係上、そのようなことができない、その結果は起債が二百四十億では足りないということになりまして、先般も三十六億枠を拡張いたしまして、二百八十余億というものを本年度起債の枠にしたい、こう考えるようになつたわけであります。又もう一つの面におきましては、問題といたしまして、大体我々としましては、法律に示されておりまする標準率を以て大部分の地方團体が財政経理ができるという予想の下に、標準率を決めておるのでありまするが、とてもそれでは賄い切れませんので、大体標準率に超過課税を行なつた、地租、家屋税、事業税附加税及び住民税、この四税につきまして相当標準率超過課税を行なつておるのでありまして、例えば道府縣につきましても、もう半数以上のものが大体二割乃至五割の標準率超過課税を行なつておる。未だ標準率超過課税を行なつておりません團体も恐らく年度内には大部分は標準率超過課税をしなければやつて行けないことになる。いうような点から見ましても相当地方は苦しいということが考えられるのであります。從いましてこういう点を実地調査いたしました結果に基きまして是正すべき点があるのでしたら、直ちに是正の手続をとらなければならんじやないかという氣がいたしておるのであります。一般的に申しまして、地方財政の状況はそういうことになつております。
 只今委員長の申されました入場税の問題につきまして、いろいろ問題があるということでありまするが、これは一つにはこの新らしくできました自治体警察の費用は入場税と配付税とによつて賄うのだというようなことが、この先入主として地方團体にあるわけであります。從つて自治体警察を置きました市町村で、入場税の額が自治体警察の費用に達しな心というところは、相当これに対しましてそれだけで以て非難をしておるのであります。それからもう一つ別の意味におきましては、特殊の市町村におきまして非常に入場税が沢山入る。例えば具体的に申しますると兵庫縣の宝塚にあります村の名はちよつと忘れましたが……それから鳴尾村でございますか、そういう所におきまして相当高い多額の入場税が入る。從つて外の税を殆んど取らなくてもよいという極端な例もある。これに対しまして、そうでない市町村側から相当の非常が起つておるわけであります。又第三番目には、入場税ののごときはもうすべて府縣に府縣税を設けて市町村に全部渡した方がいいというこういう議論も聞きますし、逆に又これは府縣側からでありますが、むしろ府縣で以て取つて必要ならば府縣から各府縣内の市町村に対して配付税の形で出した方がいいじやないかといういろいろの議論があるのでありますが、新らしい税でありました関係上、いろいろ議論があるのは当然だと思いますが、そのうちでこの自治体警察に要する費用を入場税で賄うということ、これは我々といたしましても何もそれらに自治体警察の費用は入場税だけで以て賄うということは考えていないのでありまして、他の一般財源を全部合せ考えて貰わなければならんと考えております。
 それから第二の或る特殊の市町村に非常に多額に入場税が入るという問題でありまするが、これは確かに制度の欠陥であろうと思いますので、次の機会におきまして、これに対しまして或る程度匡正を加えるような途を法律の上において開きたいと考えております。
 それから先程もう一つお話のありました配付税の結果でございまするが、御承知の通り配付税は道府縣では一種から五種に分れております。市町村におきましても大体それに類似しております。そのうち一種から四種のものは機械的に分ける分でございまして、これは道府縣分も市町村分も全部済みまして、各地方に通達されておるのでありまして、それでこの点に対しまして相当議論があるのでありまするが、この配付税の御非難に対する議論は、これは何分一万有余の團体に分かれるのでありますから、必ずしもそれが全部自分の満足するだけの金を得られるものでもない。而も先程申しましたように、全体的に地方財源が窮屈なるのでありますか、なかなか自分の期待しているだけの金は貰えないというところから、相当非難の声があるのは我々知つておるのであります。ただこの配付税の第五種申しますか、特別の事情によつて多少斟酌的に裁量の加える余地のある分け方ができるものを約一割取つております。それは道府縣市町村おのおの二十億円ぐらいであります。これの分與が済んでいないのでありまして、配付税は御承知のように、その全体を分ける場合に自由裁量的に分けることは弊害がありまするので、或る程度結果はともかくとして機械的な分け方による。そうしてそれが、その結果がどうしても工合が悪い所は残りました特別の配付税によりまして、これを匡正するというふうに考えておりますので、全体を通じて考えて頂きませんと、配付税の結果がいいか悪いかということは判断できないのでありますが、今丁度その途中にありまして、あとの出直しをする分が未だ分與されておりません結果、地方團体から相当いろいろ意見のありますことは承知しておるのでありまして、我々といたしましてはこういう意見は十分聞きまして、本当に理由のあるものに対しましては、特別に配付税を今後配付いたしたい、こう考えるのであります。
 それから次にこの新給與を決めますことによります地方の財源をどうして調達するかという問題でありますが、これは御承知の通り何分にも政府といたしまして、新給與を未だどこに決めるかということもはつきりしておりませんので、具体的に地方の財源をどうするということは未だ具体案は持つておらんのでありますが、とにかく五千二百円、例えば五千三百円ベースにしろ、或いは六千三百冊べースにしろ、百億以上、或いは二百億程度のものが本年度において要することになるのでありまするから、これの財源をどう地方で賄うかという問題が直ちに起るわけでございます。で今申しましたように現在までの財政、與えられた財源では現在までの歳出を賄うには十分でないのでありますから、これ以上給與ベースが上ります場合には、これは必ず何らかの措置を講じなければ地方團体のやつて行けるわけはないのでありまして、この点は結論的には給與べースが上つて必要な財源は何らかの措置を講ずるというふうに政府としては考えておるのであります。ただその給與べースを上げます場合に要る金という問題になつて來ますると、これは相当考えなければならんでありまして、これは先程もちよつと触れましたのですが、地方の給與に相当凸凹がありますので、この相当高いところはその高いままで給與水準を変えるというふうにはならない。この際或る程度の財源的に給與の統制を行わなければならないと考えておるのであります。まあそれはいずれにいたしましてもこの新らしい財源をどうして、どういう方向で求めるかという問題でありまするが、先ず一つこれは当然考えられますことは、給與水準の引上げによりまする所得税の増收、それに伴いまする配付税の増額ということは、これは当然期待できるわけであります。それ以外のものは新しく何らかの財源の付與を考えなければならない。これを國庫から全額支給して貰う、補助金の形、或いは配付税の増額の形においてやりて貰うといたしますれば、これは又地方財政としては、地方側としては、別に苦労はないわけであります。併しながらそれには國庫の歳入をどうして調達するかという問題がありましよう。若し地方で、現在ある地方で増税しなければならん、財源を見付けなければならん、つまり増税なり新税なりを起さなければならんということになりますと、これはもう少し全般の税制改正がもう國民の負担の……地方税を通じての負担の相当、何と申しますか限界が來ておるような次第でありますので、なかなかこれもむずかしいのでありまして、考えられますのは、例えば不動産課税をもつと上げるとか、この点につきましては相当有力な意見があるわけであります。それから酒の消費税をもう少し上げるとか、或いは煙草の消費税を新らしく作るということにいたしましても、すでに酒、煙草の値段については限界に來ているようでありますので、これもなかなかむずかしいと思います。又よく考えられまする住民税の標準額を上げるといたしましても、只今申しましたように現在九百円、都道府縣分、市市町村分合せて九百円になりますが、只今申しましたように二割程度は平均して標準より超過課税をやつておりますので、更にこれ以上住民税を上げるということには相当問題があるだろうと考えられまするので、そういうことをいろいろ考えまして全く研究中という程度を出でないのであります。大体最近の地方財政に関しまする現状を申上げて置きます。
#27
○委員長(岡本愛祐君) 只今までの政府委員の説明につきまして、御質疑がございましたらこの際お願いいたします。
#28
○島村軍次君 この地方債の三十六億を増額されたことによる現在の地方の財政は、例えば國庫補助を受けて相当いろいろな災害復旧その他の仕事をやつているのですが、尚不足分が相当あるということが予想される、この三十六億程度本年度中に大体地方財政は賄い得るかどうかという問題と、それからもう一つ災害復旧に対する問題に対してはどういうふうな御予定をお考えになつておりますか。
#29
○政府委員(荻田保君) この初めの二百四十二億という枠を以ちまして地方債の査定を以ちまして地方債の査定を行いました際、いろいろ各事業についての割当を決めまして査定したわけでありますが、その結果といたしまして、いわゆる縣の單独事業と申しますか、補助金のない事業、これにつきましては、公営企業も入れまして或る程度認めたのでありまするが、それでも相当地方の要望が容れられなかつたのであります。それから國庫補助のある仕事につきましても、これも相当減らしまして、國庫補助の事業でも四割程度しか査定できなかつた。あとの六割は一般財源を持ち出してやつと貰うということになつたのであります。そこで公共事業費、いわゆる國庫補助の公共事業費として、國庫補助を出しておりますし公共事業費についてすらそのようでありましたので、これでは到底國の予算に計上しておる公共事業すら遂行されないという意見が起りまして、ここに三十六億円を拡張したわけであります。從つてこの三十六億円は、原則としましてすベて公共事業費関係に充てることになります。從いましてその結果は、地方で独自に考えておりまする事業につきましては、もう現在まで査定したところで、一應本年度はこのままということになるわであります。これに対しましては、地方からもうすでに相当要望があるのでございますけれども、なかなか起債の枠を簡單に殖やすことはできない以上、こういう要求に対して應ぜられないわけであります。
 次に公共事業費につきましては、三十六億円を殖やしますと、大体これで平均いたしまして七割程度のものが認められることになります。國庫補助のあります公共事業費の地方負担部分に対する起債、これの負担額に対しましては七割程度が起債を認めることができる。あとの三割は独自の一般財源を持出してやつて貰わなければならんということになるわけであります。次に災害の問題でありまするが、それは二十二年度以前の災害につきましては、すでに大体災害につきましては優先的に認めておりますので、大体済んでおるのでありまして、問題は二十三年に起りました災害の復旧の問題であります。これにつきましては、現在り起債といたしましては四十億の枠が取つてありまして、このうちすでに決まりました福井の震災関係、これが八億円位使つておりますが、あと三十二億円程度のものが災害のために残つているわけであります。そこでこの三十賄えるかどうかという問題になつて來るわけでありますが、この災害復旧費増額そのものを目下建設省、安定本部等におきまして檢討中でありまして、それが決まり次第、國庫の恐らく追加予算としても出て來ると思います。そうなりますと、大体地方費の負担部分というものがはつきりいたしますので、その際に残つております三十二億円で足りなければ更に増額しなければいけない、こう考えておる程度でございまして、只今といたしましては、大体災害の部分は、これはもうやらなければならん部分は、当然どんなことがあつても地方債の枠を殖やして起債の許可をしなければならない。こう考えております。
#30
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質問ございませんか……。遊興税の問題ですが、これはまあ闇のもの、それが相当半公然と行われるのですね。あれと税との関係はどうなります。
#31
○政府委員(荻田保君) これは非常にむずかしい問題でございまして、取締りをする方も役所であるし、税を取る方も役所であるという関係上片方で取締る、片方でそれを認めて税を掛けるということがなかなかむずかしいものでありますので、税の方がつい鈍くなりまして、まあ常識的に考えられる遊興関係のこの消費税に比べて税額というのは極めて少くなつておるのであります。この点極めて我々としましても、割切れない氣持でありまするけれども、まあ闇取締りの方は取締りであるものはあるものとして、全部漏れなく税を掛けるようにという指導をしておるわけであります。併し実際問題として、地方團体としてなかなかそういうことができませんので、相当この点におきまして税收入を挙げることができない。ただ相当地方で考えておりますところでは、これは福島縣でありましたが、何か、標紙を用いて、闇の飲食に対しても課税するというような方法を考え出して、相当効果があるのだというような話を聞きましたが、やり方とそれからどうしても取るのだという首脳部が一致した決意によつてやれば或る程度のものは捕捉できると考えます。
#32
○岡田喜久治君 荻田局長に伺つて置きたいのですが、つまり先日の請願の中ですね、第一番に書いてあります長野縣の善光寺に対する遊興税の取消に関する請願が出ております。これをちよつとお尋ねして置きたい。
#33
○委員長(岡本愛祐君) 岡田君にお諮りいたします。それでは地方財政に関する説明聽取はこれで打切りまして、保留して置きましたその請願をやりましようか。
#34
○岡田喜久治君 結構です。
#35
○委員長(岡本愛祐君) それでは皆さんにお諮りいたしますが、地方財政に関する件についての説明聽取は、このくらいに今日はいたして御異議ございませんか……それでは地方財政に関する調査はこれで打切りまして、次にまた陳情請願に移ります。
 請願第六号長野縣の善光寺に対する遊興税賦課取消に関する請願、これはこの前の委員会に掛けまして、紹介議員が欠席のために留保されてあつたものであります。で池田さんから特に附加えることもないようなお話でありますが、今日登院されません。それで今岡田さんからこれに対して御質問の御希望ごいましたので……それでは御質問を願います。
#36
○岡田喜久治君 それでは政府委員にちよつと申上げます。今荻野政府委員がお見えになつておりますのでちよつと便宜お聞きいたしますから……。この六号の請願に出ておりますが、池田君に私ちよつと聞いて見たんですが、大体記載にもありますが、畢竟善光寺において信徒本位の宿泊所、これを行なつておるために、これに対する課税を縣において行なつた、こういうことらしいです。この実情というものは、いろいろ実情にもよりましようから、はつきり分りませんが、畢竟請願者の意思は信徒本位であつて一般客ではないので、これを同一視して遊興飲食税を掛けるのは無理じやないかという点にあるんであろうと思います。それでその実情が果して大変な区別相違があるものかどうかはお互いにはつきりいたしませんが、一般の振合いとして、こういう場合にはどういう程度の格付をしておりますか。荻田君の方が大分相当に一般の振合い傾向を御存じではないかと思いますので、予めちよつと御意向を聞いて見たいと思います。
#37
○政府委員(荻田保君) ただ昨年遊興飲食税は單なる遊興研という名前になつておりまして、飲食の中でも遊興と言いますか、相当程度の高いもの、それから宿泊にも課税いたしておりましたが、それも程度の高いもの、こういうような観念であつたわけであります。從つて名前も遊興税ともておるのであります。で長野の問題を私は聞いておりますが、大体実際問題といたしましては、信徒に限るのかも知りませんが、いわゆる実際問題としては旅館と同じように泊めて、ある次第でございます。そこでそれに対しましてもやはり遊興税を課税したのであります。お寺に対して遊興税というのはまあ聞えも非常に悪いものですから、かねてそういう話を聞いておるのであります。この点はひとりお寺だけじやなくて、一般の旅館でもやはり旅館に泊つて遊興税を取られる、或いは旅館が遊興税を出すということは余り面白くないから、何とか名前を変えて呉れ、こういう意見もあるのでございまして、確かに旅館で遊興飲食税を拂うということが、多少実体に名が合わない嫌いがあるのでありまするけれども、これは外もそうなつておりまするように、事実宿泊という行爲があります以上、まあ遊興飲食税という名前で課税ができることは現在の法律上差支ないことでありまするから、一應そのお寺に、長野善光寺の宿泊に対して遊興飲食税を取ることは差支ないと思います。ただ名前につきましては、今申上げましたように、宿泊に対して遊興飲食税という名前が或いは適当でない、或いはもうはつきりと旅館税というか、宿泊税というようなものにした方がいいのじやないかというようなことも考えております。
#38
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。
#39
○岡田喜久治君 ちよつと速記を止めて下さい。
#40
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#41
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。それでは本件は保留にいたします。
 次にもう1件、請願第百三十八号義務教育施設のため國有財産の無償拂下、に関する請願、これは政府から大藏省の國有財産局総務課長今泉氏が説明員として見えております。先ず専門員から趣旨を説明願います。
#42
○専門員(上原六郎君) 第百三十八号義務教育施設のため國有財産の無償拂下に関する請願、岐阜市議会議長松原壇八氏の提出ございます。紹介議員は伊藤修氏であります。学制改革により義務教育施設には莫大な経費を要するが、窮迫した地方財政ではこれを賄えないから、本施設のための國有財産拂下げには特に無償とせられたい、こういう請願でございます。
#43
○委員長(岡本愛祐君) これに対する説明員の説明を、意見をお述べ願います。
#44
○説明員(今泉兼寛君) 現行法では御承知の通り、この前の第二國会におきまして、旧軍用財産の貸付及び讓渡の特例等に関する法律、その法律の第二條で本件について規定しておられるのでございますが、元の陸海軍の財産であつたものは、公共團体が医療施設に使う場合或いは学校の用途にこれを用いる場合は、法律施行の日から三年以内に限つて、その公共国体或いは学校に、時價のニ割引で減額した値段で拂下げることができると、こういう規定が設けられてある次第でございます。御承知の通り國有財産は、そのときそのときの適正な時價によつてこれを評定して拂下げるという大原則になつておりますために、相手方が公共團体であつたり、学校であつたり、非常に最近地方自治團体或いは公私立学校等の財政難のために、その大原則は大原則でありますけれども、そのまま時價で賈るということが、どうも適当ではないのではないかという以前からの御要望もありましたので、この前の第二國会において、こういう特例の法令を出したわけでございます。或いはこの時價の二割引ということについて、現在も或いは低いんではないかという御意見もあろうかと存じまするが、実はこの前の國会においてこれを御審議頂いた際に、この二割引が低いという御意見は、衆議院の方においても、参議院の方においても全然意見が出ませんで、このまま原案の通り通つたような状況でございます。更にその外に公共團体が國有財産の買受けについて、どういう特典があるかと申しますと、これは一般の國有財産法の三十一條の規定がございますが、公共團体が國有財産を買受けた際は、五年以内の年賦延納が認められております。これは單に公共團体ばかりでございませんけれども、範囲は非常に狭い範囲でございまして、公共團体か或いは教育若しくは社会事業を営む團体と、こういうふうに限定されておりまして、これだけが年賦延納を認められる適格者になつておるような次第であります。從つて今申上げました通り、減額の規定とそれから五年以内の年賦延納の特典が認められておるということで、現行法は規定されておる次第でございますが、それ以上に或いは無償或いは無償に近いような値段で公共團体に國有財産を拂下げて呉れという御要望に対しては、現在政府としては、これ以上のことは差当つては考えられないと御答弁申上げた方が適当かと存ずるのであります。と申しますのは、一つは國の財政というものと地方公共團体の財政というものが、地方自治法の趣旨に基いて分離したことが一つと、それからたとえ分離独立しても、國の財政というものが比較的余裕がある場合においては、或る程度これを補助的に考えて、或いは無償或いは無償に近いような値段で、國有財産を拂下げるということも考えられましようが、御承知の通り國の財政も現在非常に逼迫しておる、こういう現況でございます。更にこの國有財産が若しも全國的に万遍なく平均して存在すると、こういう次第でありますれば、或いは補助金を出す代りに、國有財産を補助的に地方公共團体に、まあ讓與或いは非常に安い値段で拂下げるということも考えられますが、御承知の通り非常にその國有財産の所在というものは、必ずしも全國的に平均しておりません。從つてこれを非常に安い値段でとか、或いは只で公共團体にこれをやるいうことになりますると、その公共團体は、沢山國有財産があつた場合は、非常に恵まれた地位になりますが、そうじやない所においては、たとえ学校のために必要なものであつても、この恩典に恵まれないと、こういうことになりまして、全國非常に不平均な、不公平な取扱を受ける、こういうことにも相成りまするので、義務教育の重要性は政府も十分認めておりまする次第でございまするが、やはりそういつた点は、公平に行くところの金で、これを補助金なり或いは起債の面でやるのが、平均的に公平に行くんじやないか、たまたま、そこに國有財産があるから、その公共團体だけが特に恵まれるということは、必ずしも適当じやないんじやないか、こういつた趣旨から申しまして、現在の年賦延納の規定と、それから時價の二割引でやると、これだけの規定は置いた次第でございまするが、これ以上に割引を増すとか或いはもつと極端にいえば國有財産を只で讓與するということは、政府として現在考えておらない、こうお答え申上げたいと存じます。
#45
○委員長(岡本愛祐君) 御質疑ございませんか……。御質疑ございませんでしたら、採択不採択の御意見をお述べ願いたいと思います。
#46
○林屋亀次郎君 今政府委員の説明を承わりますと、尤もの点がありまするので、これは不採択にすべきものだと存じすが……。
#47
○委員長(岡本愛祐君) 只今林屋君から不採択の動議が出ましたが、御異議ございませんか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#48
○委員長(岡本愛祐君) それでは不採択に決定いたします。
 次に議員派遣に関する件を議題に供します。この前の委員会で藤井君から政治資金規正法、衆議院議員選挙法の一部改正及び選挙運動等の臨時特例等に関する法律が公布せられた後において、その地方の状況並びに教育委員選挙の実情を調査して、近く立案をしなければならない衆議院議員選挙法改正案の立案の資に供したいと、こういうお申出がありました。誠に適当なことと存じます。それで、議員を派遣することにいたしては如何かと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないと認めまして、派遣の申請をいたしますことに決定いたします。で派遣議員は三名といたしまして、派遣地は愛知縣と静岡縣、派遣期間は二十二日から二十五日、御希望の方は藤井新一君、柏本庫治君、鈴木順一君、との御三名でございます。さように決定してよろしうございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(岡本愛祐君) それじやそういうことに決定いたしまして、手続を取ることにいたします。
 それでは今日はこれで閉会いたします。
   午後零時九分散会
 出席者は左の通り
   委員長      岡本 愛祐君
   理事
            岡田喜久治君
            鈴木 順一君
   委員
            藤井 新一君
            林屋亀次郎君
            黒川 武雄君
            柏木 庫治君
            島村 軍次君
  委員外議員
            竹下 豐次君
  政府委員
   総理廳事務官
   (総理廳官房自
   治課長一級)   鈴木 俊一君
   総理廳事務官
   (地方財政委員
   会事務局長)   荻田  保君
   常任委員会専門
   員        上原 六郎君
  説明員
   大蔵事務官
   (國有財産局総
   務課長)     今泉 兼寛君
ソース: 国立国会図書館
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