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1948/11/29 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 地方行政委員会 第7号
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1948/11/29 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 地方行政委員会 第7号

#1
第003回国会 地方行政委員会 第7号
昭和二十三年十一月二十九日(月曜
日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方財政委員会法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
   午後一時二十五分開会
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより委員会を開会いたします。
 本日は地方財政委員会法の一部を改正する法律案を議題に供します。
 先ず地方財政委員会委員長岩本國務大臣の説明をお聽きいたします。
#3
○國務大臣(岩本信行君) 只今議題となりました地方財政委員会法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の大略につきまして、簡單に御説明申上げます。
 本法案は、本年十二月六日を以て終了いたしまする地方財政委員会の存続期限を一應明年三月三十一日まで延長せんとするものであります。御承知のごとく、地方財政委員会は、地方自治確立の方針に即應する自主的地方税財政制度の企画、立案機関として、本年一月七日発足以來、着々その効果を挙げて参つたのではありまするが、その存続期間を法律公布の日から一年間とされているため、本年十二月六日を以後ちまして、その存続期間が満了するのであります。併しながら自主的地方税財政制度の確立は、経済その他諸般の情勢上未だ完了するに至つておらず、更に大改革を断行する要、切なるものがあるのみならず、根本的に地方行政財政全般に亘つて自治の擁護並びにその振興を図り、又中央と地方との連絡を密にするため、中央に民主的で地方行政財政を綜合的に所管する機関を設置することは、政府もの必要を痛感しておりまするし、且つは又地方公共團体の側からの熱烈な要望もありまして、政府は地方財政委員会の存続期間の満了を機会に、現在の地方財政委員会と、総理廳官房自治課等を統合いたしまして、地方自治委員会を設置するべく準備しつつあつたのでありますが、諸般の情勢によりまして、且つは又会期の関係もありまして、遺憾ながら本國会に提案する運びに至りませんので、取りあえず現存する地方財政委員会の存続期間を來年三月末まで延長することといたしまして、地方自治の擁護乃至は振興を図る機関の設置については、明年三月三十一日までに、更に根本的な検討を加えた上で、決定いたすこととした次第であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いする次第であります。
 この際御礼を申上げておきますが、地方自治委員会法の予備的御審議に当たりまして、いろいろと御厚意ある御鞭撻その他を頂きましたこと、この点厚く御礼申上げておきます。
#4
○委員長(岡本愛祐君) 只今の岩本國務大臣の説明に対しまして御質疑をお願いいたします。
#5
○藤井新一君 大臣から伺いましたが、これを延期するというのでありますが、財政委員会法の第四條の二に「國会議員の中から代表者として衆議院議長及び参議院議長の指名した者一人」と、こういうことがございますが、これは衆議院が、大体代表しておるようになつておると思いますが、若し延長されるならば、今度は参議院から出すようにということを私はここに提案をいたしたいのだが、これに対して大臣の所見を承りたいと思います。
#6
○國務大臣(岩本信行君) 只今藤井さんからお尋ねの点でありますが、この次の改正を考えておりまする点には、両院から、一人づつということを構想しておるのでありますが、只今御質疑になりました点は、両院の中から一人と、こうなつておる中で、衆議院の方から出すような形があり、又実は現にそういうように実行されておるのでありますが、御質問の趣旨は御尢もでありますが、御趣旨を体しまして現にやつておられる方とも御相談申上げて見て、そうして円満にそういう話がつくならば、御趣旨に副うことが誠に結構と、かように考えておりますが、本日は承つておくことにしたいと存じます。
#7
○藤井新一君 御尢もと思いまするが、衆議院、参議院が屡々事を起して、いつも衆議院が強いというように國民に知らしめておる点がございます。例えばこの場合においても然りで、そういうことになるというと今後の参議院のあり方について、國民は非常に参議院が貧弱であるということを考えるのでありますが、誠に遺憾であると私は考えております。殊に憲法上の問題についてもこういう点が多々ございまして、例えば今度の公務員法の中においても、憲法六十七條と思いましたが、衆議院、参議院が一緒にならんとき、うまく行かないときは、衆議院の方を取るというようなこともございますが、こういうようなことを、今後屡々繰返されるのでは、参議院の立場も困るので、この際これを延期する以上は、どうしても参議院から指名して頂きたいことを要望して止まないのであるますから、どうか大臣におきましては、参議院の強い意思であつたということを一つ篤と述べて、そうしてあなただけで行かなければ、地方財政委員会の委員長同士が一つ会合して、そうしてその問題を解決して頂くように御盡力あらことを切望して止まないのであります。
#8
○國務大臣(岩本信行君) 藤井さんのお話はよく了承いたしました。ただ現在のこの法律にもございまするように、参議院を軽く見たとかいう意味はありませんので、両院で相談した上で推薦すると、こういうふうになつておりますから、今のでも運行がうまくつけば、そうした点はこの法律においては不安はないことだろうと存じますが、併しお説もありましたので、できるだけ善処いたしたいと存ずる次第であります。
#9
○委員長(岡本愛祐君) 他に御質疑はございませんか。別に御発言もないようでありますから、質疑は終了したものと認めて直ちに討論に入ります。原案に対し御意見のある方は賛否を明かにして御発言を願います。
#10
○島村軍次君 本改正法律案は期間の延期でありまして、止むを得ざるものと認めて原案に賛成いたします。
#11
○委員長(岡本愛祐君) 他に御発言ございませんか。御発言がなければ討論は終結いーしたものと認めまして、直ちに採決いたします。「地方財政委員会法の一部を改正する法律案」を議題に供します。
 右原案通り可決することに御賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#12
○委員長(岡本愛祐君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り確定いたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容につきましては、本院規則第百四條によりまして、予め多数意見者の御承認を得なければならんことになつておりますが、これは委員長におきまして、本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することにいたしまして、御承認願いたいと思います。
 尚右報告に附言をいたしたいことがございます。それはこの法律よりのまして、地方財政委員会の存続期間は約四ヶ月延長されるのでありますが、地方自治の確立こそ、我が國民主化の基礎でありますから、地方自治の健全な発達のため、將來とも現在の地方財政委員会のごとき、國の立場に立つと同時に、地方公共團体の立場を代表する民主的な機関を恒久化すると共に、これを拡大整備して、例えば地方自治委員会ともいうべき機関を設け、國家公益と地方公共團体の自主性との間に完全な調和を保持し、併せて地方公共團体相互の間に一層円満な連絡調整を図る必要があると存じます。この点につき我が地方行政委員会は、第四國会において、更に根本的に慎重に研究審議を重ねることとし、今期國会には、その設置法案を提出するに至らなかつた次第であります。このことを附加えたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(岡本愛祐君) それでは御承認を願つたことにいたします。
 尚御異議がないと認めまして、本院規則第七十二條によりまして、委員長が議員に提出いたします報告書には、多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とする方は順次御署名を願いたいと存じます。御署名願います。
  多数意見者署名
    柏木 庫治  西郷吉之助
    黒川 武雄  岡田喜久治
    島村 軍次  鈴木 順一
    林屋亀次郎  藤井 新一
    太田 敏兄
   ―――――――――――――
#14
○委員長(岡本愛祐君) 御署名漏れはありませんか……。なしと認めます。
#15
○藤井新一君 大臣にお尋ねいたします。この地方財政委員会の方のことですが、衆議院が不日解散をされるということになりますが、そういう場合には、現在の議員がなつておる場合には、その方はどういうようになるのですか。失格いたしますか。若し失格して欠のあるのある場合には、総選挙になつて、組閣その他の構成ができるまでには相当の日数がございますが、運営における方法を一つお聽きしたいと思います。
#16
○國務大臣(岩本信行君) これは委員会法の第四條の二に「國会議員の中から代表者として衆議院議長及び参議院議長の指名した者一人」、こうありますから、國会が解散になりますというと、國会議員でなくなるわけでありますから、当然現在の衆議院から出ておる方は委員の資格を失う、こういうふうに解して然るべきだと思うのであります。
#17
○藤井新一君 そうなると、國会から選出されなくなつて來ます。法規から言うならば、國会議員と書いてあるのですから、その間においては参議院から出て來るのが当然と思います。
#18
○國務大臣(岩本信行君) お説のようになると存じます。要するに直ぐ欠員を補充するということになれば、両院議長で御相談の上でありますけれども、衆議院議員という者は一人もいなくなるわけでありますから、ひとりでに参議院議員のお方からお願いする、こういうことになろうかと存じます。
#19
○藤井新一君 その場合に、参議院の緊急集会にように、欠員のときだけ参議院から出して、当然議席を得た場合でも、又後で衆議院がこれを横取りするということはないのでしようか。
#20
○國務大臣(岩本信行君) その問題に関連して、これは頗る重大な問題ですから併せて希望なり、意見を申上げます。この委員は現在でも欠員のまま、そのままにして運行しておられる例が沢山ある、事実そうなつておるのです。それはこの委員会法の制定の本旨にも反することだと思います。法律論はさて措きましても、やはりその参議院議員の中から、そういう解散等のある場合には、一つの措置としましても、是非参議院から選ぶということが必要になつて來るのじやないかと思います。その点は要するに運用上の問題で、衆議院議長及び参議院議長に対しよく御相談の上で、この問題に対しては、十分大臣の方から、とくと予めよく御相談の上で、善処されんことを、特に希望申し上げて置きます。
#21
○國務大臣(岩本信行君) 只今の御希望の点に極力副つて事を運んで参る積もりであります。
#22
○委員長(岡本愛祐君) 委員長といたしましても、藤井君なり、島村君から御質問の点は御尢もと思います。解散になりますれば、衆議院の方では國会の議員はなくなるのでありますから、その間欠員ということもどうかと思いますが、これは参議院議員から、この際には出るということも必要じやないかと私も考えますので、参議院議長の方にこの点よく申しまして善処いたしたいと考えております。
#23
○柏木庫治君 「國会議員の中から代表者として衆議院議長又は参議院議長の指名した者一人」こうあると、衆議院が全部なくなりましたときに、参議院議長だけの指名でいいのですが、「衆議院議長及び参議院議長の指名」と申しますと、一人の指名をするときに、衆議院議長と、参議院議長が相談をして、二人の意思で一人を指名するということに、この文章ではなるのではなか。そうでありますならば、衆議院がなくなつたときに、参議院議長一人では指名ができないことになるのではないかというふうにも考えら益野で、今の國務大臣の、それに副うようにするというお心持を実現頂くといたしますならば、予め衆議院議長と参議院議長が一人がなくなつた場合に誰々を推薦するということを、解散以前、衆議院議長の資格を失わない前にいたしたことにしなければ、ちよつと指名者の資格ということについて文句がありはせんかと思いますので、この「衆議院議長及び」の「及び」というのが、一人が指名しても……。一人が指名する権能を持つておるのかどうかということを予め一つ御研究の上で、解散になりましても、指名ができるような御処置をお考え頂きたい、こういうふうに考えるのであります。
#24
○國務大臣(岩本信行君) 只今のお話は御尢もと存じますが、私の未熟なまあ法律的解釈から行けば、片方が消滅した場合は、参議院議長だけで御指名になつても、この法律の精神に間違つてはおらんであろう。こういうふうに考えますけれども、併し決定的なことでもなく考えられますので、解散等が見越されまする、決定的に見越されるという場合においては、これは衆議院議長の方及び現職のお方とも相談して、運行を滑らかにしたい、かように考えております。
#25
○藤井新一君 大臣の説明の中で、参議院議長だけの指名で法的には間違つていない……。そうでないと思います。「衆議院議長及び参議院議長」と謳つておる以上は、両者の一致した意見でなければならん。然るに解散になつた場合には、片院だけであります。それでは無効であります。そうすると、解散以前にこれをしなければ有効にならん。若しか片院だけの議長、例えば参議院議長が指名した場合には、当然衆議院ができた場合には衆議院の確認を得なければならん。そうしないと「及び」という字は出て來ません。
#26
○國務大臣(岩本信行君) 今藤井さんのおつしやつたような解釈は正しいのかも知れません。でありますから、私も断定的に申したわけではありませんので、從いましてそうした疑義の起らんように、それ以前において善処したい、かように考えております。
#27
○委員長(岡本愛祐君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           岡田喜久治君
           鈴木 順一君
   委員
           藤井 新一君
           黒川 武雄君
           柏木 庫治君
           西郷吉之助君
           島村 軍次君
           太田 敏兄君
  國務大臣
   國 務 大 臣 岩本 信行君
ソース: 国立国会図書館
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