くにさくロゴ
1948/11/29 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 大蔵委員会 第5号
姉妹サイト
 
1948/11/29 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 大蔵委員会 第5号

#1
第003回国会 大蔵委員会 第5号
昭和二十三年十一月二十九日(月曜
日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○貿易資金特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
○金融機関再建整備法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
○專賣局及び印刷局特別会計法の一部
 を改正する法律案(内閣送付)
○食糧管理特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
○復興金融金庫の機構及び業務内容の
 調査に関する小委員長の報告
○金融制度改革に関する小委員長の報
 告
○請願及び陳情に関する小委員長の報
 告
○復興金融金庫の機構及び業務内容の
 調査に関する件
○金融制度改革の調査に関する件
○戰災復興並びに学校建設資金の起債
 に関する請願(第八十二号)
○絹人絹織物消費税の低減並びに價格
 差益金、取引高税撤廃等の請願(第
 九十一号)(第九十二号)(第百八
 十三号)(第二百十四号)
○爲替レート設定の請願(第百十九
 号)
○土地、家屋両台帳法の改正に関する
 請願(第百三十五号)
○福島縣熱海町を郡山税務署所轄内に
 移管の請願(第百九十四号)
○一関市の水害商工業に対する融資の
 請願(第二百二十五号)
○どぶろく密造防止に関する請願(第
 二百二十七号)
○復興金融金庫特別融資に関する請願
 (第三百号)
○引揚者等生活困窮者の援護物資に対
 する取引高税免除の請願(第三百一
 号)
○写眞撮影技術家の取引高税廃止に関
 する請願(第三百十一号)
○医薬、医療品並びに衛生材判の取引
 高税免除に関する請願(第三百三十
 七号)
○金融制度改革に関する陳情(第三十
 六号)
○復興金庫特別融資に関する陳情(第
 四十三号)
○高崎地方事書局高田出張所復活に関
 する陳情(第八十四号)
○取引高税廃止に関する陳情(第八十
 七号)(第九十八号)(第百十四
 号)
○香川縣の製塩事業維持に関する陳情
 (第八十八号)
○林業者に対する資金貸出の陳情(第
 九十六号)
○絹人絹織物消費秘の低減並びに價格
 差益金、取引高税撤廃等の陳情(第
 百六号)
○所得税の更生に関する陳情(第百二
 十一号)
  ―――――――――――――
   午前十時五十九分開会
#2
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より開会いたします。
 本日は貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案を先に御審議を願いたいと、こう考えます。提案の理由は前回伺つておりますので、それに対する御質疑がございましたら、この際御質疑を願いたいと存じます。
#3
○小川友三君 「二百五十億円に改める。」という項がありますが、前回の委員会で政府当局にお伺いしましたのは、貿易業者がバイヤーから注文をされてもマル公というものが、いわゆる内地のマル公というもので貿易を抑えるという幾多の例があるのでありますが、このマル公の差につきましてこの二百五十億円の中から、或いは前年度におきましても、この貿易上の差益金を出したことがありますかどうか。差の額を内地の貿易業者に対する補助を出したことはありますかどうか。それをお伺い申上げると同時に、貿易の振興が一に國民の生活安定をするインフレの防止になるのでありまして、この大乘的見地から政府はこのマル公に対しまして、マル公以上でなければできない品物であつて、その高い品物でもいいからといつて注文して來る外國の人があり、現在それに対して貿易をマル公で抑えて、安本が邪魔をするために貿易ができないという現状をどういう工合にこれを打開するかという具体的な方針をお示しを賜りたいのであります。そうしてこの二百五十億が足らなかつたならば、事実上貿易の振興が八千万同胞を救うのでありますからして、どういう政策をお持ちでありますか。お伺いいたします。
#4
○政府委員(永井幸太郎君) 輸出品だけのみマル公を外しまして、自由な價格で原則的に賣るという原則をはつきり決めますることは内地の物價体系を紊しますのみならず、非常なインフレーシヨンに陷るというような虞れもありますので、原則的にこれをやることは余程考えものかと思います。いずれにしましてもインフレーシヨンが非常に高進いたしますれば、輸出を増進しようとしてマル公を外してインフレーシヨンに拍車を掛けるようなことがありますれば、結局輸出を止めることになります。その顯著なる例は支那でありまして、毎日ドルに対する爲替が惡くなりますために後で品物を出すものがなくなるというような結果に陷りますので、輸出増進を図りつつインフレーシヨンに拍車を掛けないようにするということがどうしてもこれは必要だと考えます。マル公を外して自由にするということは目先、一時的に輸出を促進するような結果になりまするけれども、これを求遠な考からしますと、それは採らざるところだと思います。次に大体的確にマル公を当嵌めねばならん商品以外は特別價格を物價廳と一々協議いたしておりまするので、マル公が輸出をする上において大なる障害になつておるという実例は余り数多くはないように思います。何分全部の輸出品につきまして例外なくマル公が輸出を阻害していないということは言うことができませんが、余り多くの障害にはなつていないように考えております。それは纎維製品とか主なる物に対しましてはマル公でやつておりまして、今のところ輸出の障害になつておるということを認めておりません。それから大体雜貨の多くの物は特別價格を物價廳と話合いたしましてやつておりますので、むしろ今のところ輸出障害になつておりまするのは、先方の購買力の足らんということが輸出の障害になつておるように考えております。商談を進める上において障害になつておりますとすれば、特別價格を決める上におきまして物價廳との話合が非常に手間どるというくらいのことと思いますので、この点は改善すべく善処いたしつつありますような次第であります。
 それからもう一つ申上げて置きたいのは、先般來報奨制、インセンティヴシステムということをやりまして、ドル若しくはポンドの最低値段を貿易廳において示しまして、それ以上に賣りました場合はそれに円、ドルの比率を掛けまして、高く賣れば高く賣つただけ業者に高く拂うということになつておりますので、その意味においてマル公以上になりましても構わんということの了解を物價廳とも取付けておりますので、実際においてこのマル公等でもこちらで示しましたドルの最低の底値以上に賣りましたものに対しましては、それにドル、円のレイショを掛けました金額を業者に拂つておりますので、マル公以上に拂つていることになつているのであります。
#5
○小川友三君 只今貿易が振興していくらか公定より高く賣るということはインフレを高進させるというお説が長官からございましたが、これはインフレは高進しないのじやなくて、インフレは下るのであるという御解釈が正しいと思います。業者が賣つた品物を余計收入があれば、これに対して大藏省は適正なる所得税を掛けることができるのでありまして、少しもインフレは高進しないのであります。それで外國からドル乃至ポンドが入つて参りますので、日本の購買力が、財政形態というものが確実性を増加するわけでありますからして、インフレを高進することは断じてないという見方が世界のドルを標準とした経済界において当然であろうと思いまするけれども、その見解につきまして御所見をお伺い申上げます。
#6
○政府委員(永井幸太郎君) 私は輸出に対してマル公を外して自由價格でどんどん高く賣るということにいたしますると、インフレを高進させると思います。それからその次に高く賣つて、そうして輸出を増進すればそれだけそれに対して身代りの輸入品がどんどん入つて來るから、それをチェックするというお話でありまするけれども、目下の日本の現状におきましては、今年のごときは凡そ七、八億ドル以上の輸入がありまして、輸入超過が四億ドル以上になると考えるのでありまするから、いくら輸出が増進しましても、増進したことによつて輸入が殖えるという状態でないのであります。輸入超過の尻がどれだけ減るかということになりますので、多少輸出が、仮に今年の輸出が一億ドル殖えましても、入超尻の累積が先方で減るということでありまして、それだけ輸入が殖えるということには今のところなつておりません。日本の輸入の限界はガリオア・フアンドとか、イロア・フアンドとか、そして日本から輸出する物の金高によりまして制限がありますけれども、輸入超過の額が非常に多いので、こちらから輸出を多くすれば輸入が殖えるという只今状態でありません。出ましても、それだけ輸入がチェックできるというふうには相成りませんと思います。
#7
○小川友三君 関連してお伺いしますが、今の日本の経済界といわず、貿易バランスというものが悲観すべき状態でありまして、輸入増加である。どうせ輸入増加なんだから、政府は、貿易長官は、例えば五千万や一億殖えたところでまだ三億足りないのだから少いから構わない、輸入超過のままでやつて行くという経済態勢を申されたように思います。たとえ一億ドルでも、たとえ一千ドルでも貿易を殖やすという、本当の眞面目さが日本の産業界に現在あるのであります。御当局がどうせ三億も四億も輸入超過なんだから、だからここで少しくらい輸出があつても大したことはないのだというこの解釈は、堤防に蟻を飼つて置くようなものでありまして、蟻だから構うものかといつておると大洪水ができるのでありまして、本当の小さい貿易でも、眞面目に政府御当局が指導して行くということが、極めて現在の日本では必要であると同時に、日本人の信用を海外に高める点において、又頗る重大なことであると私は思うのであります。その見地から政府の見解をお改め願いたいと思うのでありますが、又もう一つお伺い申上げます。特別價格のずれる、審査のずれる、査定のずれるという問題でありますが、これは貿易業者が出して、半年後にこれが査定になるのだから、三月後だから実際分らないでおるのが現実でございます。そこで政府が怠慢になるところの政策を採つておりますから、物はどんどん上つてしまう、どんどん賃金は上るが、実際の價格というものはそうしたことで減つております。そこで特別價格というものは、申請があつたならば、三十日以内であるとか、二十五日以内には最後の裁断をして許可をするという目安をつけて頂きますれば、それを出して三十日以内にイエスかノーかが決まるのだということになりますから、この間最低三十日くらいでお決めになられるということが望ましいと思いますが、この点につきまして貿易廳の、どなたでも、その他の方の御答弁を願います。
#8
○政府委員(永井幸太郎君) 只今の特別價格の決定のずれることの御質問に遡りまして、私のマル公以上に自由價格で輸出するということにつきまして、多少の誤解があるように考えますので、ここに釈明さして頂きたいと思います。私の申しましたのは、どうせ輸入超過が多いのだから、ここで少々輸出増加をしたつて仕方がないということで、輸出増進に対する熱意が足らんというようなお話でありましたが、それは甚だ迷惑な話でありまして、多少私の答弁の誤解かと考えます。我々は飽くまでも輸出を増進して行かねばならんということはここに申上げるまでもないのですが、マル公を外しまして、輸出品を自由奔放に上げろということになりますれば、從つて他の商品をも、國内の商品の値段をも上げまして、賃金を上げ、すべての物價体系を狂わせましてインフレ増進になりますので、そうなつて來ると、これは前も申しましたように支那と変らんような状態になりまして、何もそれを輸出のために出さんというような状態になりますので、できるだけインフレにならんように協力するということが、永遠の策として輸出増進の策である、こういうふうに私は考えるわけであります。その次に特別價格のずれるという問題、これは我々も非常に悩んでおるのでありまして、できるだけ早く特別價格を決めますように致したいと考えておりまして、物價廳といろいろ話合をいたしまして、貿易廳の中に物價廳の分室を設けて貰つて、四、五人の人に來て貰つて意思の疎通をいたしまして、早く特別價格が決まるようにせいぜい努力いたしております。但し、物價廳におきましても非常に理論的に考えられた結果、なかなかむつかしいのでありますけれども、御趣旨を体しまして、せいぜいできるだけ早くやりたい。お示しの通り申請してから何日以内に必ず決めろというようなこともむ一遍相談してみたいと思つております。
#9
○松嶋喜作君 先般新聞によれば貿易長官の談として、二百七十円くらいにドルを仕切れば六十八%の輸出が停止する。三百三十円にすれば凡そ半分、五割の輸出が停止する。こういうことを新聞で拜見いたしました。又その後も同じようなことを繰返して伺いました。
 そこで日本の貿易というものは、過去十年間孤立し、又保護貿易のような形になつて、実際の実力による貿易というものは行われていない、そこで爲替一本レートという問題が盛んになつて來て、そうして割合に理論的にものを考える方の主張は、これを早くやりたいというような主張が起つておる。そこで我々は非常にこれは危險である。今爲替一本レートを設定することは、レートの如何にもよりまするけれども、非常に危険であると思つておる矢先、貿易長官は非常に妥当な御意見を又新聞で発表されたので、私はさすがに貿易長官玄人であると、敬服しておつたのでありまするが、又昨今爲替一本レートを至急にやろうというようなことが事務方面、理論家方面から出ておりますので、爲替一本レートも非常に結構であるが、一体爲替一本レートを政府当局、或いは関係方面において近き將來におやりになるのか、どういう行き方でやられるのかということが心配になりまするが、これについて長官の御意見を伺いたい。
#10
○政府委員(永井幸太郎君) この為替レートを一本にすべきものであるということは、できるだけ早い機会に、適当な機会の熟すと同時に、できるだけ一本レートにする、それからその機会を成るべく早く熟させるという努力を拂うということが、勿論必要なのでありますけれども、只今言われておりまする経済三原則でも本当に実行せられまして、物價、賃金の体系が相当程度安定いたしますまでは一本レートを拵えるということは無意味なことと存じます。それはインフレーシヨンが高進します間、たとえ一本レートを拵えましたところで、始終それを変えていなくちやならんというような状態になりますのみならず、その間の混乱は非常なものであります。仮に只今爲替レートが平均が三三〇ぐらいかと思いますが、仮に三三〇に決めたとすれば、それで輸出のできない商品が生糸を初め陶磁器、その他の物で非常に多くなりますので、これから起りまする失業対策、それからその産業のみならず、それと関連した産業に、どこまで影響を及ぼすかということも計り知れんものがありますので、只今のところ、今の状態の続く限り、直ちに一本爲替レートが実行せられるような氣配は、少くとも司令部の実際に当つておられる方面でも、これは今のままではできないという御意見のように伺つておりますので、爲替一本レートになりまする條件が今少し満足せられるまでは、行いにくいのだと考えます。但しその時期につきましては、或は來年の秋とかということにも言われておるようでありまするが、秋とか、夏とかいうべきものではなくして、むしろ物價体系と賃銀の体系が安定しましたそのときにあるべきものでありまして、いつと時を限ることも、これ又言うべからざることかと考えます。
 それから今一つ申上げて置きたいのは、來年くらいから民間貿易、この輸入の方は大体政府貿易でやつているんですが、輸入の方も民間貿易に漸次移したいということを、司令部とも相談いたしております。然るに輸入の方は、食料品と石油、石炭、肥料、つまり食料品と基礎的物資を除きました輸入品のドル円レートは、輸出品のように余り開きがないのでありまして、或は一本か二本かのレートを決めまして、民間の輸入業者の取扱に漸次委して行く時期が割合に早く來るかと思つておりまして、只今貿易廳で、その食糧及び基礎的物資以外の輸入品につきまして、一本か二本かのレートができやしないかということを、司令部と共に檢討はいたしております。そういうことが洩れまして、或いは事務的に新レートを考えておるというようなことが、傳えられておるのかとも考えます。
#11
○松嶋喜作君 最後に一つ貿易長官に伺つて置きたいのは、一本レートと申しますのもレートの高低がありますけれども、結局狙うところは、わが輸出産業を旺盛にしよう、輸出品を廉價に、安く、多く生産しようというところにあると思いますが、只今貿易長官は三原則とおつしやいましたが、ああいう消極なもので満足すべきか、更に沢山の外の要素があると思いまするが、これから政府の施策、民間の主張として極めてこれが日本の産業を建直す大事なポイントであると思いますので、三原則以外に、かくかくのことをすれば一本レートに近寄ることになる、言い換えれば、日本の輸出産業が非常に有効に進むんだという、その項目を一つ長官から成るべくお示しを願いたいと思います。
#12
○政府委員(永井幸太郎君) 非常に廣範な御質問のように考えのでございますけれども、この三原則はインフレーシヨンをここで止めるという消極的なことであります。積極的に輸出増進に導く方策如何ということにつきましては、非常に大きな問題でありますけれども、私の只今の考えでは、主として輸出産業について申上げますと、ああいうことの以外に積極的な政策としましては、企業の合理化をどんどん図るとか、一部においては機械化を図るとか、機械を直すとか、戰時中非常に傷んでおりましたり、旧式になつておる機械を改善し、近代化するということが段々必要かと思います。これを一例を採つて見ますと、名古屋の陶器のAの会社のごときは、一ドルが五百円でも引合う、Bの会社は一ドルが六百五十円くらいでなければ引合わんといつた場合に、Bの会社がAの会社のように企業を合理化するとか、コストを下げる方法を講ずる、Aの会社もこれこれの機械を据付けましたならば、一ドルが四百円になつても引合いますというような場合に、これらの戰時中に荒廃しました機械設備を修繕をいたしましたり、近代的に改善をする、こういつたこと、或は又大きく申しますれば、我が國の戰後におきましての工業立國策をも考えて行かなければならんかと考えておりますと申しますのは、同じ分量を入れまして、輸出をいたしますにいたしましても、仮に銑鋼と石炭を輸入いたしまして、鉄製品を輸出するという場合に、仮に鉄板を輸出するとしますと、これが原料の二倍ぐらいの手取よりならん、ボートにしたり船にしたりしますと、これが五倍、六倍になるというようなこと、或は又輸出産業に必要なる石炭を節約いたしますために、日本全國の鉄道を電化するとか、
   〔委員長退席、理事黒田英雄君委員長席に着く〕
 そうして余つた石炭を以て他の産業を殖やすとかいつたような工業立國策、加工貿易をやるとするならば、如何により多くの外貨を取るかといつたような、こういつたような研究、施策、こういうことが、まあ積極的な政策でありまして、漸次日本の輸出品の輸出力を高めて、生産を増強すると、そういうことに進むべきものと考えます。まだいろいろありましようけれども、そういつた方面で積極的に輸出増進、及び單一レートの機会に持つて來るということであります。
#13
○小川友三君 極く簡單にお伺いいたしますが、今の爲替一本レートの問題ですが、これは金本位に貨幣をしなくては理想ではないと思いますけれども――、金本位制にしてから一本レートにした方が理想だと思いますが、これに対して御所見をお伺い申上げます。又金本位にいつ頃政府にするのかという目標を、分つた範囲内においてお伺い申上げます。そうでないと、今長官の仰せになつた通り、生産價格が各工場において違いますから、一本レートにした場合に、貿易ができない場合が沢山できてしまう筈でありますから、この点につきまして、できるだけ明快なお示しを願いたいと思います。それから公團が発注した物資で、未だ公團の物資とならないで、支拂をしておる金が何百億か、何千万円になつておるか、これは非常に重要だと思います。手に入つていないが、金は拂つておるというのが沢山ある筈であります。それがどこの生産業者と、どことどこと、五千万円以上の会社を御発表を賜りたいと思います。それから貿易廳が專門家を、エキスパートを揃えてやつていらつしやるが、何年後には輸出超過になるか、この情勢で何年後には輸出超過になるかという標準をお示し願いたい、それだけ御質問いたします。
#14
○政府委員(平岡市三君) 金本位の施行期日というのはむつかしい問題でありまして、目下研究中でありまして、今日これを採用することは殆んど不可能ではないかと思つております。
#15
○政府委員(永井幸太郎君) その他の御質問に対してお答をいたします。公團に対しては、物を買入れて支拂う時に手金を與えますので、前渡しをしておりません。
 それから次の御質問の、何年経ちましたら輸出超過になるかというお尋ねでありまするが、只今経済復興計画でやつておりますところでは、昭和二十八年度には輸出、輸入大体見合うという目標を立てております。これは申すまでもなく、東亞その他の得意先の市場の政治、経済状態が相当安定いたしますことを予想しておりますのでありますが、何らか昭和二十八年頃までには收支相償うようになつて來るという計画は持つておるのであります。
#16
○小川友三君 ちよつと関連して、今の法案ですが、法案の六を見て頂きたいと思います。これは、今までは貸していないが、まだ公團の所有とならないものに対する代金の支拂済金額というように思われますが、これからは貿易業者に対して、とにかく生産コスト及び能率を上げるために貸して行こうという案でございますね。それで今までは、貸してはあるけれどもまだ発表できないのか、実際は貸してなかつたのか、長官の國を愛する信念で、成るたけ貸して行こうというような帳尻がありますかどうか。
#17
○政府委員(永井幸太郎君) 今までのところでございません。ただ差詰必要なのは、外國から大きな船を十五艘も注文を受けておりますので、これはどうしても先拂をして行かないと仕事ができませんので、これが可決せられましたならば、早速前拂をせねばならんと思います。その外必要な場合に前拂をいたしまして、輸出増進の方に資したいと思います。
#18
○小川友三君 前拂をするとなると、二百五十億では足らないと思いますが、百五十億を二百五十億にすると言いますが、二百五十億では金貨十トンくらいの金額ですが、これは計算違いじやないでしようか。
#19
○政府委員(永井幸太郎君) 只今のところ前拂をどうしてもせねばならんというものを、年度末までのものを見込んで二百五十億といたしております。けれども事情の変化によりまして、或いは増加をお願いしなければならん事態が來るかも知れません。
#20
○理事(黒田英雄君) 他に御質問はございませんか。
#21
○九鬼紋十郎君 綿花の買付に対する六千万ドルかのアメリカの借款の銭は、今どのくらい使つてあるのか、その現在の状態についてお伺いしたいと思います。
#22
○政府委員(永井幸太郎君) 六千万ドルの回轉基金の中で、約十一月中に四千万ドル乃至五千万ドル使用済と考えております。大抵月に大方千万ドルくらいずつ使つております。
#23
○油井賢太郎君 貿易長官にちよつとお伺いしたいのですが、最近の貿易の輸出の状況についていろいろ情報を見ますと、やはりバイヤーから直接注文があつた場合でも、資材の割当がなかなか思うように行かなくて困つておるというような話で以て、もつと資材の裏附をはつきりして貰いたいという要望が大変強いようですが、最近の方針はどういうふうになつておりますか。
#24
○政府委員(永井幸太郎君) 資材の割当が今尚不円滑であるということは承知いたしておるのでありますが、できる限り輸出資材に優先割当をするように、更に輸出資材の枠を優先割当するように、大体商工省その他の原局とも協力を依頼しまして、輸出増進に非常に必要だということが最近皆の頭に入りましたので、幾分改善することと思つております。
#25
○油井賢太郎君 それから食糧の輸入ですが、若し一本レートになつた場合には、食糧が非常に高くなつて來ると思うのですが、それに対してはどういうふうな方針を採るおつもりですか。
#26
○政府委員(永井幸太郎君) 一本レートになりましたならば、アリカの陸軍予算で以て來まする食糧を、そのレートで拂下げをするようになりますか、或いは食糧だけは別にせよ、占領地救済資金で以て來まするものに対してはやはり日本の生産物の生産者價格と同じようにして賣下げろということを言われるか、どちらとも分りませんのです。今のところでは、先程申しました輸入品の場合でも、食糧品だけは別にして置けという司令部との打合せになつております。仮に一本レートになりまして、その一本レートを食糧に適用するといたしますと、貿易資金はそれだけ多く入りまするが、内地の食糧品と同じ値段で配給するとしますれば、それだけ價格差補給金が國庫から多く出る、その代りに貿易資金には多く入るという結果になると思います。
#27
○油井賢太郎君 次にもう一つお尋ねしたいのは、最近日本の商社は、外國へ直接行つておらないという事情からして、どうも外國の事情がよく分らない、結局輸出をする場合にしても、外國の需要にぴつたりしたものが作れないような虞れが相当あるのではないかと懸念されております。それでその結果として、外國商社の進出というものが非常に盛んになるというような傾向になり、結局日本の輸出商というものは賣込み屋になつてしまうということになりはしないか、そんなような懸念がありますし、又一方輸入の面におきましても、輸入される品物について、結局日本の商社が割込む隙がなく、外國商社の進出に蹂躙されてしまうというような懸念を持たれるのでありますが、これに対してはどんな政府としての対策をお持ちになつておりますか。
#28
○政府委員(永井幸太郎君) お説の通り、日本人が先方へ出て行くことがむずかしい、向うに支店を持つこともむずかしいというような状態でありまして、仮に出られても、なかなかその経費、旅費の支弁がむずかしいというようなわけでありますので、日本人が余程しつかりしましても、外國の商社に食込まれるという虞れは多分にあります。これはどうしても海外渡航を早く許して貰いたい、海外に支店を出すことを許して貰いたいということを頻りに言うておるのでありますけれども、今尚対敵通商の法律が日本に対して適用されておる点が多い、それから日本人の出て行くことをなかなか歓迎して呉れない、フィリツピンや濠洲辺りは、到底暫くの間は日本人は行けないというようなことになつております。それから許されたる國に対しても旅費、それから支店を出すにしましても経費が大変に掛かるということで、なかなかむつかしいのでありますが、併し只今のところ司令部とこういう相談をいたしております。それは日本の輸出品に対しまして、例えば繊維製品のごときは輸出額の百分の三、機械その他の物は百分の四、雜貨などに対しましては百分の十の代價を、輸出した人が或る目的のために自由に使えるようにする、或る目的というのは海外に支店を出すとか、廣告をするとか、電信料を拂うとか、或いは海外に代理店を置いた時にその代理店の口銭を拂うというように代價を使用させて貰いたいというようなことで、着々いろいろな打合せを司令部といたしておりますが、そのことができますれば、相当日本人が海外を旅行いたしましたり、店を出しましたり、店が出せなければ先方にエイゼンシーのコミッションを拂いまして、代理店を置きまして、先方の市場ともつと幾分か密接にやれるようになろうかと考えておりますが、それにしましても、日本の船舶もなし、爲替銀行もないというようなこと、並びにいろいろな敗戰の結果來る事情によりまして、余程日本人の商人がしつかりしてないと外國商社に食入られるということを惧れておるのでありますが、さればというて外國商社が日本へ入つて参りましても、日本人と特別の差別待遇をするということはこれは許されませんので、一に日本の業者の奮励に俟つ外ないかと考えております。
#29
○小宮山常吉君 ちよつとお尋ねしますが、一般からいろいろ聽いてみまするに、輸出品の不合格品のストツクが大分おありだというようなことですが、その金額はどのくらいだというような、それについての貿易廳の調査というもの、貿易業者とどういうふうな関係になられておるかということをお尋ねしたいと思います。
#30
○政府委員(永井幸太郎君) 不合格品というものは余りないつもりでおりますが、併しながらこれだけの日本全國の商賣をいたしておりますので、やはりシーズンによりまして相当溜めて置かなければならんというようなストツクが相当ありまして、お手許へお配りいたしました資料の中に輸出物資手持高八月末現在というのがございます。これだけつまりストツクになつております。併しこの中から非常に賣れ脚の惡いものもありますので、これを早く処分いたしますために、輸出手持物資処理委員会というものを拵えまして、賣れ脚の遅いものを処理いたしますように努力いたしております。
#31
○中西功君 これは衆議院で僕のところの書記長がちよつと聽いて答弁がなかつた問題なんですが、技術的な点なので貿易廳長官に聽きます。実は鉄鉱石なんかを輸入する場合に、アメリカのものでありますと、山元の價格は六ドル、日本の港渡しは確か二十ドル、石炭で言いますと、アメリカの山元が五・五ドル、日本港渡しが確か二十九ドル、もつと沢山例を引けば皆こういう例になるのです。こういうこの数字は大体これでいいのか惡いのか、そうして又これだけの差が一体普通の商賣行爲として考えた場合、こんなに差があつていいものかどうか、その点をお聽きしたいと思います。
#32
○政府委員(永井幸太郎君) この差は当然な差であります。御存じのように鉄鉱石のFOBの産地、山元の價格は五ドル乃至六ドルであります。然るにこれを太平洋沿岸の港まで持つて來まして、運賃を掛けて持つて参りますと、太平洋沿岸の運賃がどうしても十二、三ドル掛かる、六ドルの鉄鉱石が二十ドルになるというのは当り前のことでありまして、石炭も同樣であります。石炭と鉄鉱石を買入れますにつきましては、四十日、約四十日ぐらいの予告をアメリカの各地の新聞に廣告いたしまして、入札いたしまして、その入札に應じて來るのが大体三十乃至五十件ぐらいの入札があります。それでその鉄鉱石、石炭等について詳しく分析を出させまして、値段とその分析による実際の價値とを司令部の工業課、貿易廳、商工省の鉄鋼局、日鉄の專門技師が檢討いたしまして、その集まつた結果によりまして適当なるものを買うというわけでありまして、主なる日本CIFに対しまして鉄及び鉄鉱石、石炭の値段を形成します多くのものは、運賃及びそれらのハンドリングの費用であります。これは如何にも六ドルのものを二十ドルに買うというのは実におかしいようにお考えになると思いますけれども、こういつた物資は皆そうであります。例えば地中海及びソマリーランドから來ます塩のごときは、FOBは三ドル、日本へ持つて來まして十七ドルになる、海南島の燐鉱石は七ドルのものが十六ドル乃至十七ドルになります。こういう品物は皆運賃その他の方が何倍かになつております。秋田の山の上に生えておる立木の値段と東京の深川へ持つて來ました材木の値段とお比べになりましても、まあお分りになるかと思います。
#33
○中西功君 もう一つ聽きます。輸出なんですが、光学機械は、これはややこしいことは私も知りませんが、バイヤーに渡るものが十六ドル、それをアメリカ市場で賣るものが七十五ドル、これは非常な精密機械で、そんなに沢山運賃が掛かるかどうか私は知りませんが、少くともこれだけ開いておる、双眼鏡は十七倍のものでバイヤーに渡すのが十六ドル四十セントのもので、米國の市場においてはこれが百七十ドル、もつとこれを外のものを見ましても、紛績機械一錘当りバイヤーに渡るのが二十八ドル、米國市場の價格は五十ドルから六十ドル。輸入の方でそれだけ掛かるので当然の價格だというお話でありますが、輸出の方はこういうことになつております。やはりこれも当然の價格だというお話なんですか。
#34
○政府委員(永井幸太郎君) 只今のお尋ねの双眼鏡、顯微鏡の話は私よく存じません。同じような話ですが、名古屋の瀬戸物、あれのウインナ・セツトが二十五ドル、それがニユーヨークの百貨店で九十五ドルに賣つておるというので、この値段の差が余りひどいじやないかということで逐一調べてみました。その二十五ドルが九十五ドルになるという分析の資料を今日は持ち合せておりませんが、大体向うから逆算して來ると、私の今の記憶では、百貨店が四割取らんと賣らんそうであります。それから輸入者がどうしてもいろいろな割れその他の関係、それからデザインの見込違い等があるので、やはり二割ぐらいないと、日本へ出て來て少しばかりの陶器を買つてやつておつたのでは引合わんということなんです。それから割れ、運賃、保險料等を出しまして、輸入商が一割五分乃至二割と、百貨店が四割取つたでは、こういうことになるかも知れませんが、それでは日本から行く陶器の値段と外國から來る値段との差はどうかと聞きましたところ、この頃はイギリスの瀬戸物が非常に輸出が殖えまして、戰前より二倍になつておりますが、日本の陶器と昔から名の通つておるイギリスの陶器と比べまして、幾らか日本の方が安くなつておるが、これ以上では賣れんという説明を聞きまして、大体そうかなと考えておるのですが、双眼鏡についてはよく分りません。それから名古屋辺りの方は二十五ドルが九十五ドルになるということは、昔ならば荒井、森村というようなものがニュヨークに店を持つておりまして、自分が輸入して自分が小賣しておりますから、それで百貨店及び輸入商に対するコミツションというものの費用、手数料、利益というものがなくなるわけであります。だから日本人が向うに行きまして、昔のように荒井、森村のようにニユーヨークで小賣店を自分で出すということをすれば、日本人の手取りが余計になる。併し今日の場合仕方がないという結果になります。要は競爭品に比べまして、日本の二十五ドルで賣るのが、競爭品に比べて非常に安いかどうかということになるのです。イギリスの競爭品に比べまして少し割安であるという程度でありますので、止むを得ないかと思います。それにも拘わらず、二十五ドルさえイギリスと競爭できんからもう少しまけてもらいたいということを言うております。
 それから輸出の紡機であります。紡機は二十八ドルで初め賣つたのが近頃三十ドルになつております。それからアメリカの五十ドル、六十ドルということを聞きました。併しアメリカは今のところ紡機を輸出する状態にありませんので、アメリカとの比較にはならんので、紡機を買うのはインドであります。日本以外の紡機の輸出の競爭國であるイギリスの紡機と比べるということより仕方がないのであります。アメリカでは異常な價格を出しております。六十ドルというので、標準にはなりませんので、イギリスの紡機と比較したいということで、これを司令部の機械課から問合せましたところが、これもイギリスより幾分安いような程度であるけれども、これ以上ならばイギリスのものを買うということを言つております。それからアメリカの紡機の五十ドルということを言われますが、それは工場から直接に出たときの値であるかどうか分らんのでありまして、例えば人絹のごときは製造会社から第一の問屋に出ましたときは一ポンドが二ドル四十セントでありますが、供給の少なかつた時代は轉々して行きます中に、機屋に行つたときには、一ポンドが八ドルになつておるというような状態でありますので、どのステージにおいて五十ドルであつたかというようなことも研究してみないと、ただ單にそういう値段があつたということだけでは、根本的比較にはならんかと考えます。
#35
○中西功君 十六ドルのものが百七十ドルに賣られる、これは非常に大きな差で、國民が聞いたら、大抵びつくりするだろうと思うのですが、その内容は、先に示されましたように、百貨店それから輸入商店が相当沢山な歩合を取つておるということは、やつぱり相当大きな問題であり、運賃にもそれらしい独占價格があると思うのです。これはどうして計算したか、我々の党の調査部で計算したらしいのでありますが、こういう数字が出ております。本年六月までの輸入の総額は十六億六千万ドル、入超は七億八千万ドル、即ち約六七%が入超になつておるわけですが、こういうふうなものを計算してみると、内訳をいろいろ分けてみると、大体運賃が三億ドル。そういう外國の独占價格といいますか、先つき言われたような輸入商や百貨店、それも入りましようし、又鉄や石炭における高價格だと思うのですが、そういうふうなものが二億くらいは見込まれるというふうに言つておるのですが、こういう数字に対して、これは非常に概略でしようが、貿易廳長官はどういうふうにお考えになりますか。
#36
○政府委員(永井幸太郎君) 御存じの通り、運賃が三億ドルとおつしやいますが、私はもつと多いと思うのです。日本への輸入品のうちで、海の運賃に入りますものが、大体平均しまして輸入全額の三割くらいと考えます。これは敗戰の結果海運を失ないました日本としましては、どうしても仕方ないことでありまして、國内に多くの石炭、鉄、食糧品というような嵩高な原料品、食料品を輸入しなければならん國情にありましては、他に日本に船がなければ、よその船で運ぶより仕方がないわけであります。尤も運賃は、今中西委員のお話では、独占的價格とおつしやいましたけれども、運賃は御存じの通り、七つの海のどこからでも高いところへ船が廻つて來ますので、殊にイギリス、アメリカ、ノルウェーその他の船が相当競爭的に今なつておりまして、世界の運賃市場もやや下向きの状態におりますので、独占價格ということはないと考えます。いずれにしましても、入超を防ぎますためには、日本の海運を再建いたしまして、せめて半分でも日本へ入る品物に対しまして、日本の船で運ぶということにならなければならんと思います。今年の五月頃來られましたドレーパー使節に対しましても、どうしても日本としましては、このように輸入超過を防ぐのには、どうしても海運を再建しなければやつて行けんのだと申しましたところが、一行の中のジョンストン氏のごときは、その通りである、ちようどイギリスが海運がなかつたら殆んど窒息してしまうのと同じように、日本もどうしても海運を再建せねばならんということを、非常に共鳴して呉れましたのでありますが、直ちに海運の再建ができんとすれば、アメリカの船を傭船して、日本の船員で働いてやりたいというようなことを申上げたのですけれども、諸種の國際事情によりまして、未だ日本人に船を廻させるというところに至らんのであります。
#37
○理事(黒田英雄君) 中西君、まだ御質問は沢山ありますか。
#38
○中西功君 あとで結構です。
#39
○理事(黒田英雄君) それではこの程度にして置きまして、今度予備審査のために付託されました案について政府の説明を聽いて置きたいと思います。先ず金融機関再建整備法の一部を改正する法律案、それから專賣局及び印刷局特別会計法の一部を改正する法律案、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、この三案について政府より提案理由の説明を求めます。
#40
○政府委員(平岡市三君) 金融機関再建整備法の一部を改正する法律案提案理由を説明いたします。
 金融機関再建整備法の規定によりまする金融機関に対する政府の補償の金額は、大藏省預金部等損失特別処理等による補償を合計いたしまして、百六十三億円を限度とすることになつておるのであります。この百六十三億円の限度は第二封鎖預金等となつた郵便貯金及び郵便年金を全額切捨てる予想の下に算出いたしたものでありますが、本年七月二十日政令第百七十五号を以て大藏省預金部等損失特別処理法施行令の一部が改正になり、第二封鎖預金等となつた郵便貯金及び郵便年金の七割に相当する金額を補償することとなりましたので、金融機関再建整備法第三十三條第六項の規定による政府の補償額の限度は、これを百六十五億円に拡張する必要があるのであります。
 以上簡單でありますが、金融機関再建整備法の改正法律案につき御説明申上げました。何とぞ御審議の上速かに賛成せられんことを望みます。
 次に專賣局及び印刷局特別会計法の一部を改正する法律案提出の理由を御説明申上げます。
 今回改正しようといたします点は、印刷局特別会計における運轉資金の不足を借入金により補足いたしまして同会計の運営を円滑にいたそうとするものであります。
 昭和二十三年度における印刷局の事業量は、日本銀行券百円紙幣二十四億枚、一円紙幣十二億枚を初め收入印紙、郵便切手、郵便葉書、各種証券類、官報その他図書製品等金額におきまして、約三十七億円にのぼる現状と相成つております関係上、印刷局の事業を円滑に遂行いたしますためには、相当量の手持生産品、原材料及び支拂資金等に約八億円の運轉資金を常時必要とする状況にあるのでありますが、現在同会計に属する運轉資金は、殆んどその大部分が一時借入金、日本銀行からの前受金等極めて短期の資金を以てこれを賄つているのであります。而してこれらの資金はその性質上速かに精算しなければならない次第でありまして、事業経営上緊急に何らかの資金補填に関する措置を講ずることが肝要であるのでありますが、一般会計の財政状態に顧み、今回取敢えず本年度に限り運轉資金の不足額を翌年度内に償還する借入金を以て補足いたし、以て本会計の企業的運営に支障なからしめようと存ずるのであります。以上の理由によりましてこの法律案を提出いたした次第であります。何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。
 次に食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案提出の理由を御説明申上げます。改正の内容は次の三点であります。
 第一点は、食糧証券及び借入金等の限度額千二百億両を千五百億両に引上げようとする改正であります。即ち第二回國会の議決を経て改訂されました千二百億円の最高限度額は主要食糧の買入数量を前年の実績から推算いたしまして十月末日までに内地米五百万石を、二月末までに割当数量たる三千二百万石の買入を了し、且つ一月末がその買入額の九〇%を占めることを予想して計算されたものでありますが、本年の実績は十月末における買入数量はすでに九百万石を突破し、今後計画の二割増を以て買入が進行いたしますると、十二月末までに割当数量の買入が完了することとなり、それだけ手持数量が増加することと相成る次第であります。又政府の買入價格も当初計画の見込價格三千三百八十円を約一割程度上廻つて決定された関係も加わりまして、十二月末における所要資金は千四百三十億を必要とし、これに資金計画上の余裕を見込み、その法定限度額千二百億円を千五百億円まで引上げる必要があるのであります。
   〔理事黒田英雄君退席、委員長著席〕
 第二点は、食糧買入代金支拂事務の整備に関する改正であります。現在食糧買入代金の支拂は農業協同組合、農業会及び一般市中銀行に委託して行わせることとなつておるのでありますが、その後の状況に鑑み、その支拂に必要な資金の交付方法につき所要の改善を加え、併せて農業会の解散に伴う不用條文の改正措置を行つた次第であります。
 第三点は農業調整委員会に関する費用を今年度に限つてこの会計の所属とする措置を講じたいのであります。御承知の通り農業調整委員会は本年七月食糧確保臨時措置法に基き、都道府縣及び市町村等に設けられましたが、供出数量の公正な割当が当面の主要な任務となりますので、今年度に限り、その費用の負担金をこの会計の所属とすることとし、本法の附則にこれに必要な一項を加えた次第であります。以上の理由によりまして、この法律案を提出した次第であります。何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことを希望いたします。
#41
○小川友三君 專賣局及び印刷局特別会計法のこの法律案ですが、日本の銀行券の百円札を二十四億枚刷るのだから金が要るのだというが、百円札を刷るのだというわけですが、百円札をこんなに刷らなくても、一万円札、十万円札、千万円札を刷りますと、二十四億枚も無駄な印刷をして、貴重な紙たばを無駄にして、工賃がうんと掛かつて、運送賃が沢山掛かつて非常に無駄をしております。國民も十万円を集金すれば大体途中で掏摸に半分ぐらい取られてしまう、そういうわけで迷惑しておる、國家は國民の福利増進を図るのが目的でありまして、政府が百円札というものを非常に、何の魅力を感じておりますか、百円札というようなものを後生大事にして、それ以上は刷つておりませんが、一万円、十万円、千万円という札を出すことを質問書で私は度々出しておりますけれども、そうすれば金を余分に使わなくてもよろしいのであります。一万円札、十万円札、千万円札を作りますと、こういう費用を出さなくても、工賃とか、運送代を全部引きますとおつりが來ると思いますが、政府はどういう計算をしておりますか、これにつきまして、國民が非常に迷惑しておる、百円札というものは昔の五十銭くらいしか値打がないのです、それをこういう時に出しても、昔の百円札は今の十万円か一万円の價値となつておりますからして、これに対する所見を拜聽したい、やたら國民から何億、々々と金を取らないように、費用を掛けないようにして貰いたいと思いますが、御所見を拜聽いたした。それから金融機関再建整備法の一部を改正する法律案でありますが、先程貿易長官はインフレを防ぐために一生懸命やつておるのだというようなことをおつしやつて、今度はこちらへ出て來ると、大藏省の中でインフレを増進するために、百六十五億万円というものについて銀行に補償して金を拂わせるということがここに出ておりますが、これはインフレの強化であります。國民はすでに第二封鎖は來ないものと思つていたのでありましよう。切捨てられると思つていたものを、又ここで百六十五億という大きな札の津波を出してやろうということでありますが、これは尤も預金をするものが庶民階級が多いという解釈かも知れませんが、こんなに出さなくてもよいと思いますが、これに対する御所見をお伺いいたします。それから食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案の中に、農業調整委員会に関する費用も出すのだからということが書いてあります。第三点ですが、誠に沢山出したような感じになつていますが、これはほんの雀の涙くらいしか出ていないのでありますが、どのくらい出ておりますか、僅か出して沢山出した感じになつておりますので、この金額をお示し願いたいと思います。
#42
○政府委員(平岡市三君) 小川委員の最列の御質問にお答えいたします。実はGHQの方に紙幣の券面千円のを刷らして頂くように政府として要求いたしたことがあるのでありますが、先方におきましては、そういう券面の大きな額を刷ることは、心理上からインフレを促進させる、こういうような懸念があるから、これはいかん、こういうようなことで、まあ以前通り百円札を刷つておるような実状なのであります。それからこういう紙幣を刷るために多額の金が必要だと、こういう意味ではありませんので、実は相当量の手持生産品が必要である。併しこれらの物の原材料が値が上つておるものでありますから、そのために相当金額が必要でありまして、どちらかと申しますれば、印刷費その他の方に金が沢山要るというのじやなくて、原材料その他の手持品のために相当金額が要るというわけで、こういうふうな金額を増して頂きたいとお願いをいたすような次第であります。
#43
○小川友三君 関連いたしますから、政府がその筋にお伺いしたというのは、吉田内閣か芦田内閣か、どの内閣がお伺いしたのでしようか、最近の第二次吉田内閣でその筋の方へ聽かれましたかどうか、その前の内閣の話を政務次官はお取次ぎ賜つたのじやないかと思いますが、それをちよつと。
#44
○政府委員(平岡市三君) お答えいたします。芦田内閣の当時から今日に至るまで継続してお願いいたしておるそうであります。
#45
○小川友三君 そこが非常に、線が引張つていないのですが、大藏省で初め断われたから、それでというのじやないかと思つてお伺いするのであります。それからこの百円札を一万円札で刷つて頂けば、百分の一で費用が済むのです。だから相当狭められる、百円札を二十億万枚刷るのに印刷代、紙代、運賃、事務費で幾ら掛かつておりますか、ちよつとお示し願いたい。
#46
○政府委員(平岡市三君) お答えいたしますが、実は千円紙幣を刷るように、刷らして頂くように関係当局に申出てあるのだそうでありますが、それに対して如何になつたかということはお伺いいたしますれば、最近はお答えがないのであります。実情はそんなわけであります。
#47
○波多野鼎君 專賣局及び印刷局特別会計の問題ですが、今でも專賣局といつておりますか、專賣廳といつておるのではないかと思いますが、印刷廳とはいわないかと思つていますが。
 それからもう一つ、これは二つの特別会計が一本になつておりますが、どうもこの法案を見ると一本のように思うし、一本でないようにも思うのですが、法律案では印刷局の特別会計のことだけしか書いてないような氣がするが、この辺の説明を一つお願いいたします。
 それから印刷廳の方の今年度の上半期の收支を見てみますと、七月から九月までの收入が予算に対して僅かに三〇%しかない、印刷局の收入がこんなに、大体五〇%あるべきなんだが、それが三〇%しかない、二〇%も欠減になつておるが、一体どういう理由で欠減になるか。專賣局の欠減ならば分りますが、印刷廳だけで、而も三〇%しか入つてない。大体二〇%見当の欠減ができておるのはどういう理由によるかこれを一つお答え願いたい。
#48
○政府委員(平岡市三君) やはり專賣廳でなく專賣局になつておるのであります。そこでこの会計は專賣局、印刷局別々に特別会計としてやつてあるんでありますけれども、法律の方は、專賣局及び印刷局特別会計法という一本になつておるために、それで法律案の提出理由がこのような工合になつたわけであります。
#49
○波多野鼎君 それからもう一つの問題、印刷局の方は、今年度上半期の歳入が、予算額の大体三〇%見当しかないんです。大体ならば五〇%見当あつて然るべきだと思うんですが、というのは印刷局に対する收入がそう二〇%見当も欠減する理由はちよいとないように思うんだけれども、というのは印刷したものの代金が直ぐ回收できる筈だから、然るに二〇%くらいの欠減ができておるのは、どういう理由によるかということです。
#50
○説明員(原久一郎君) 印刷局長でございますが、只今の收入が二〇%程度であるという……。
#51
○波多野鼎君 いや、三〇%見当。
#52
○説明員(原久一郎君) お手許の資料で……。
#53
○波多野鼎君 僕が調べたところによると……。
#54
○説明員(原久一郎君) 只今まで收入になつておりますのは、予算の点につきましては、二十四億の計画で行つておりまするが、実績が多少それより下廻つておる点がありますので、多少減少いたしておる点もでございますが、尚事業收入の点につきましては、昨年の年度末に日本銀行からこの法律案の提出の主な理由でございますが、前渡金を貰つております。それはこの事業收入の中に入つておりません。それだけが別勘定になつておりまして、今度できました製品をそのまま、代金の決済は前に貰つておりますので、それだけ少し歳入は減つております関係もございますので、それで実際の事業量よりも收入金額が少くなつておる、そういう点もあるかと考えます。
#55
○波多野鼎君 昨年度、今年度の前渡金を取つてしまつたと……。
#56
○説明員(原久一郎君) さようでございます。そういう関係もありまするので、日本銀行では前受金をそうどんどん多額には出し得ないから、前渡金制度を根本的に研究して貰いたいという申出がありましたので、本來なれば、一般会計の繰入金によつて運轉資金の補足をいたすべきが筋ですけれども、現在のような財政状況でございまするので、止むを得ず借入金で以て運轉資金の補足をいたすというふうなことにいたしまして、本案を提出いたしたのであります。尚御参考に申上げますと、現在におきまして、印刷局が持つておりまするいわゆる据置運轉資金なるものは、百万円しかありません。殆んど運轉資金なしで前受金と一時借入金でやつておるというようなわけでございますので、事業の運営上非常に窮屈に感じておるような状況なのでございます。
#57
○小川友三君 國民は皆窮屈な生活をしておるんですから、印刷局だけが樂にやつて行けていいということは、これはどうかと思いますが、先程の質問に関連しまして、二十億枚の百円札を刷るには、運賃が幾らで、紙代が幾らで、印刷費が幾ら、事務費が幾ら掛つておりますか、それをお教え願いたいのですが……。十分の一にすることはできると思いますが……、分りませんでしたらこの次で結構ですから……、今日は下審査ですから……。
#58
○波多野鼎君 それから次の問題ですがね、食糧管理特別会計法の一部の改正案ですが、先程お述べになつた第三点ですが、農業調整委員会に関する費用、今年度に限つてこの会計で負担するというのが、まあ改正の一点になつておるのでありますが、この食糧調整委員会に関する費用というのは、勿論原則としては一般経費において負担すべきものであつて、こういう特別会計で負担すべきものじやないと思うのです。どういう理由でこちらの方に持つて來られたか、特に本年度に限つてというのは、どういう意味であるか、それからこの会計で負担するために、米の消費者價格が相当高まつておると思うのであります。ここで負担する結果として、消費者の方にこれを轉嫁しておるに違いない、どの程度轉嫁しておるかということを一つ御説明願いたい。
#59
○政府委員(黒金泰美君) 只今波田野委員からのお尋ねでございますが、本來は、と申しますか、この委員会の経費は、いわば主食の供出の関係から参りました一般的な行政関係の経費でもあります。又その供出がうまく参りますれば、配給されます主食の量の供給が非常に円滑に参りますので、消費者のためにも非常に利便になる、こういう双方の性質を備えておるのでございますが、できますれば一般会計で以てその経費を負担するということが最も望ましいことと存じますけれども、本年度の一般会計の收支の状況から見まして、本年度に限りまして、特にこの特別会計の負担といたしまして、今お話の通り消費者の價格に織り込んだ次第でございます。全國非常に多くの委員会がございますが、その経費全体を合せまして、本年度では大凡九億円にも上つております。これが石当り幾らの消費者負担になりましたか、今はつきり資料を持つておりませんので、後ほどお答えいたしたいと思います。
#60
○天田勝正君 この食糧管理特別会計法の問題ですが、第四條の千二百億円を千五百億円に改める、このことは前の國会におきまして、九百億という初めの案が出て参りまして、むしろ國会側の要望があつて、そのようなことでは到底賄い切れないからという意見が圧倒的に強くなつて、千二億百に決まつたと私は記憶しております。そこで、ですね、いろいろ今年は特に食糧の供出が円滑に行つておるがために、こうした三百億の負担ができるんだというふうに説明を聞いたのでありますが、果して千五百億だけで、來年……少くとも今年度中に間に合うのかどうかということを一つお伺いしたい。
 それからこの一年半ばかりの間におきまする生産者に対する支拂が、非常に円滑になつて來たことは事実であります。併しながらまだまだ場合によりますると、三ケ月遅れというようなものも間々見るのでありますが、現在どの程度に直ぐに支拂が完了されつつあるのか、数字がありましたらお示し願いたいと存じます。
 それから第三は、この説明を聞いておつて非常に不思議に感じたのでありますが、他の法案の説明を聞きますると、すべてこのような改正をしたいという要望をいわれておるのであります。ところがこの食糧管理特別会計法の改正の説明だけを聞いて見ますると、改正の措置を行つた次第であるとか、これに必要な一項を加えた次第であるとか、すでに決めて來ておるのは、一体どういうわけであるか、どちらかといえば極めて不遜な態度だと思うのですが、このように決めて掛かつて來るのは、どういう理由であるかをお伺いしたい。
#61
○政府委員(黒金泰美君) 只今の御質問に関しましてお答え申上げます。第一の点につきましては、この金額で足りるかどうかというお尋ねでございますが、詳しくは後程食糧管理局長官その他見えました際にお答えいたすことと存じますが、大体におきまして内地米につきましては超過供出分の約三百万を見込みましてここに計算いたしておりますので、概ねこれで本年度内は足りることと思います。第二の点につきましては、支拂いの期間がどれくらい遅れておるかというお尋ねでございますが、この点につきましては後程農林省の側からお答え願えると存じます。第三の点につきまして今御注意與つたのでございますが、実は私がこれを立案いたしましたので、誠に恐縮に存じますが、実は書きました趣旨といたしましては、別に他意ないのでございまして、改正案、改正いたします案をこういうふうに作りましたと、こういう趣旨で実は書きましたので、別にこれで法律が決まつてしまつたというような氣持は夢でございませんので、その点は惡しからず御了承願いたいと存じますが、尚今後は只今御注意ございました点に氣を附けまして立案いたしたいと存じます。
#62
○森下政一君 片山内閣はインフレと眞正面から取組むということを標榜しました。インフレを解消することに全力を上げると声明した内閣であります。芦田内閣も大体その線に副うた連立内閣であつたと思うでありますが、その内閣において大額券を発行するということは、明らかに私はインフレを促進する心理的な影響を及ぼすものだと思うのでありますが、先刻御説明を承つておりますと、千円券というものを片山内閣、芦田内閣一連の連立内閣がインフレの終熄を標榜しておりながら大額券発行を希望しておつたというように聽いたのでありますが、政府の方針としてさようなことを考えておつた事実がありますですが、お伺いしたいのですが。
#63
○説明員(原久一郎君) 只今の御質問に対しまして私から経過をちよつと簡單に御説明をいたします。この大額券発行につきまして、前内閣及前々内閣の時分に何らかのことを考えたのじやないかと、こういう御質問でございますか……。
#64
○森下政一君 考えたのではない、考えた事実がありますかということを聞いたのです。あつたら不思議に思うんだ……。
#65
○説明員(原久一郎君) それは政府といたしまして、決まつた方針の下に動いたのではありませんのでございまして、実は印刷局といたしましては、新らしい紙幣を作りまして或る一定の数量を準備いたしますのには、少くとも六ケ月或いは十ケ月くらいの準備期間が要るのでございます。その関係で、この準備をいたしてよろしいかどうかということにつきまして、いろいろ現在の紙幣の生産能力その他の点から考えまして、一應準備をしてよろしいかどうかということにつきまして、その筋の方へ話を持つて行つて、よいかどうかということで、それだけ期間が掛かるならば、一應準備をしていいかどうかということだけ聞いたらよかろう、こういうことで関係筋へ申出ましたところが、先程御答弁がございましたように、何とも返事が、いいとも惡いとも返事がなくて、そのまま今日に至つているような状態であります。
#66
○森下政一君 只今の御説明を承りますと、片山内閣、芦田内閣が政府の方針として大額券を発行するということを決めたことがない、こう了承してよいのでありますか。
#67
○説明員(原久一郎君) よろしゆうございます。
#68
○森下政一君 そこでお話を承りますと、印刷局が事務上の都合で、若し万一大額券を発行しなければならんという場合には、相当期間を要しなければならないから、準備が必要でなかろうかということの、事務上の理由であつたと了承してよいのですか。
#69
○説明員(原久一郎君) さようでございます。
#70
○森下政一君 初めて分りましたが、そうでなくて、先程政務次官からお話になりましたことが、片山内閣、芦田内閣当時から大額券発行について、その筋に願い出ておつたかのごとき印象を受けましたので、それは非常な間違いだと思いました。民自党内閣ならいざしらず、前内閣においてはさようなことは断じてないと思いますので、ここにはつきりさしておきたいと思います。
#71
○委員長(櫻内辰郎君) 午後三時まで休憩したいと思います。
   午後零時三十六分休憩
   ―――――・―――――
   午後五時十九分開会
#72
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より休憩前に引続き会議を開きます。最初に復興金融金庫の機構及び業務内容の調査に関する小委員会の調査の結果を波多野小委員長から御報告を願います。
#73
○波多野鼎君 この小委員会は御承知のように本來日本経済の復興を促進する目的で立てられました復興金融金庫の事業の運営につきましていろいろ疑惑を持たれた点が沢山出て來たのでありまして、從いましてこういう事情に鑑みてこの本委員会において復興金融金庫の融資の健全性を図るために、その機構をどうしたらいいかという点について調査をするというのが目的であつたのであります。それで本委員会におきまして小委員会を設けることにいたしまして七名の委員が小委員となり、大藏委員長の指名によりまして波多野鼎君が小委員長に選任されました。小委員会は十一月の十日、十一日に打合会、第一回小委員会を十一月十六日、第二回小委員会を十一月二十五日、第三回を十一月二十九日にそれぞれ開催いたしました。その打合会におきましては、小委員会の調査方法につきましていろいろ論議しました結果、左の諸点について意見の一致を見たのであります。一つは、復興金融金庫の機構の改革に関する点、第二は、第三、第四半期の復興金融金庫融資計画及び産業部門別の資金査定方法についての説明を聽取、第三は、産業行政官廳、特に農林省並びに商工省の第三、四半期復興金融金庫融資計画の資料の提出を求めて調査する。第四は復興金融金庫の融資が生産に及ぼした影響を調べるということ。第五に、不正融資に関する調査をするということ。こういう点が決まつたのであります。これらの項目につきまして、基礎的な資料を專門員において蒐集整理して必要な資料の提出を金庫その他関係官廳にも求めたのであります。第一回の小委員会は復興金融金庫の機構改革に関しまして大藏省銀行局長の出席を求めて説明を聞き質疑を行なつたのであります。第二回の小委員会は本年度の第三、四半期復金融資計画に関しまして経済安定本部の財政金融局産業金融課長から説明を聞き質疑を行ないました。第三回の小委員会は農林省の第三、四半期復興金融金庫資金計画につきまして、農林省の総務局農林金融課長より説明を聞き質疑を行なうと共に、復興金融金庫融資第三部長及び関係職員の出席も求めまして、農林省関係の計画について金庫側で如何に扱つておるかということについて調査を行ないました。併し調査のための基礎的の資料の蒐集整理が十分に盡き得なかつたということ、又今会期が切迫して法案の審議に忙殺されるということ等のために本件の調査は十分に行ない得なかつた事情であります。以上を以て本会期中における復興金融金庫の機構及び業務内容に関する小委員会の調査計画並びに結果を御報告する次第であります。
#74
○委員長(櫻内辰郎君) 次に金融制度改革に関する小委員会の調査の結果を御報告願いたいと存じます。
#75
○森下政一君 去る八月十七日の新立法による金融制度の全面的改正のメモランダムに基きまして、我國の金融制度の改革が問題として採上げられたわけであります。金融制度の改革は産業経済に重大な影響を與えますので愼重に審議を遂げなければならない、調査を行わなければならないのでありますが、そこで本委員会において金融制度調査のために小委員会を設けることに相なつたわけであります。小委員は七名でありまして、委員長に黒田英雄君が互選の結果その任に就かれることに相なりました。小委員会は十一月の二十二日に開かれまして、経済團体連合会、経済同友会、日本産業協会の各代表者より金融制度改革に関する意見を具に聽取いたした次第であります。併し今会期が切迫致しましたために本件の調査をこれ以上十分に行ない得なかつた次第でございます。ただ次の第四國会にもこの願わくば委員会を継続して設置することにして、調査を続行して行きたいという考えでおりまして、皆さんのこの点御賛成を得たいと思います。尚本件に関しましては前述いたしました各團体、主として東京都に事務所を持つております團体の代表の意見を聽取したわけでありますが、関西殊に大阪方面の業者側、或いは各種の團体の代表が意見を開陳したいという熾烈なる希望がありまするので、できるならば國会の審議と睨み合せまして、関西方面に出掛けてでもその意見を聽取する機会を得たい、かように考えておる次第であります。
 以上を以ちまして本会期中における金融制度改革に関する小委員会の調査の経過並びに結果を御報告する次第であります。
#76
○委員長(櫻内辰郎君) 次に請願及び陳情に関する小委員会の九鬼小委員長からその経過を御報告願いたいと存じます。
#77
○九鬼紋十郎君 それでは只今から議題となりました請願、陳情の小委員会の審議の結果を御報告申上げます。付託になりましたものは請願十五、陳情九件、合計二十四件でありまして、採択したもの十三件、保留十件、不採択一件でありました、詳細に御報告申上げます。
 請願第八十二号、戰災復興並びに学校建設資金の起債に関する請願でありますが、この趣旨は、戰災都市の復興事業経費、学校建設費の起債は高利率で枠が小さく、且つ短期限の融通のため苦しんでいるから、優先的に預金部資金にて起債の消化ができるようにされたいというのであります。この趣旨は当然であると考えましたので、委員会といたしまして採択することに決定いたしました。
 請願第百三十五号、土地、家屋両台帳法の改正に関する請願でありますが、これは土地、家屋の賃貸價格は、土地においては十年、家屋においては五年ごとの一般改定の際だけ調査委員会に諮問するだけであつて、その間では税務署が決定することになつておりますから、不正確で脱税が多い、それで民生的な委員会を設置して速かに完全な徴税ができるようにして頂きたいという趣旨であります。これは立法に関するものでありますので、内閣に送付しないものとして採択することにいたしました。
 次に請願第百九十四号、福島縣熱海町を郡山税務署所轄内に移管の請願でありまして、熱海町はすべての面において、郡山市との連絡確保が必要なのでありまするが、税務署のみは二本松町にあるので、極めて不便なのであります。郡山税務署管内に移して欲しいという趣旨であります。極めて不便な実情にあることが分りますので、やはり採択すること決定いたしました。
 請願第二百二十五号、一関市の水害商工業に対する融資の請願であります。この趣旨は、岩手縣一関市は二度の水害で大打撃を受けたのでありまするが、生活必需物資の供給都市として復旧するため國庫補助と復金からの特別融資の措置を講ぜられたいというのであります。甚大な被害を受けたので以上の措置を執るのが必要であると認め採択することにいたしました。
 次は請願第二百二十七号どぶろく密造防止に関する請願であります。今尚盛んに行われているどぶろくの原因は飲酒抑圧政策と、國民道義の頽廃から來ておるのでありますが、適切な酒類、價格決定と確実なる配給計画、密造酒に対する罰則の強化、並びに委託醸造の還元配給等の方策を講ぜられたいという趣旨であります。これも又妥当なものと認めまして採択することにいたしました。
 次に取引高税に関して全廃するもの、陳情八十七号、九十八号、百十四号、一部改正に関するものは請願三百一号、三百十一号、三百三十七号でありまするが、三百一号のものは引揚者生活困窮者援護物資に関する取引高税免除でありまして、引揚者等の生活困窮者は、最低生活を辛うじて営んである状態でありますが、援護物資に免除せられたいという趣旨であります。請願第三百十一号は写眞撮影技術家の取引高税廃止に関するものでありまして、写眞技術は社会文化の発展上、大いに貢献するものでありまして、自己の技術又は労務によつて收入を得る自由業に該当するものでありますから、速かに撤廃されたいとの趣旨であります。尚請願三百三十七号は医藥医療品並びに衞生材料の取引高税免除に関するものでありまして、國民保健上、由由しき弊害を及ぼすものでありますからして免除せられたいという趣旨であります。全廃を陳情しておるものは何れも眞面目な業者を不当に圧迫し、経済活動を妨げるからしてこれを廃止せられたいという趣旨でありまするが、本税は政府においても目下その方向に向つて研究中であるという答弁でありまして、本院の会議に付する必要があるものとして採択することに審査決定いたしました。次に留保の分に入りますが、請願第百十九号、爲替レート設定に関する請願であります。單一爲替レートの設定及び維持は自由貿易でない現状では困難であり支障多く、殊に軽金属工業は再建途上にあるので需要供給の將來性によつて、適正なる爲替レートを設定されたいという趣旨であります。これにつきましは尚十分に研究する余地があると考えまして、小委員といたしまして留保することといたしました。
 次に請願第九十一号、九十二号、百八十三号、二百十四号、尚陳情の百六号、この請願の四件と陳情百六号は絹、人絹織物消費税の低減並びに價格差益金、取引高税撤廃等の請願であります。趣旨とするところは、絹、人絹織物の消費税は高率のため消費者の負担となつて物價高を招くことになるから、綿、スフ織物同樣の課税率に低減せられると共に、價格差益金、取引高税の徴收は業者の負担となつて損失を招く虞れがあるから、本税を撤廃せられたいとの理由であります。消費税につきましては、消費者において消費選択の自由のない今日において低減する必要がありと認めたのでありまするが、尚取引高税におきましても同樣撤廃の必要があると考えるのでありまするが、價格差益金の撤廃につきましては、尚幾多の研究の余地があると考えましたので、一應留保することといたしました。
 陳情第八十八号は、香川縣の製塩事業維持に関する陳情でありまして、香川縣の重要産業である製塩が加算賠償金制度廃止、並びに生産塩の收納停止等の措置をとられたために、壞滅に瀕したのであります。故にこれらの措置を改められたいという主張でありますが、原料資材等の増配によつて、これらの措置が改められる状況になりますので、必要と認めまして採択することに決定いたしました。これは採択の方へ入れて頂きます。
 次に陳情の第九十六号は、林業者に対する資金貸出の陳情でありますが、現在の我が國にとり林業の重要性は高まつておるのであるからして、保護上、農林漁業者復興資金融通に関する暫定措置中貸出利率の引下げ、林業者の共同利用に供する施設のための必要資金の貸出の途を講ぜられたいという趣旨でありますが、これにつきましては金利の点につきましては一應除外して考えることとしまして、他の部面については採択して、院議に諮られると、こういつた條件附の採択をいたした次第であります。
 陳情第百二十一号は所得税の更正に関するものでありますが、所得税の仮更正決定は、実情を無視しておるからして、秩序ある團体交渉を認めたり、改革して貰いたいという趣旨であります。これも必要と認めまして、採択することに決定いたしました。
 陳情第三十六号、金融制度改革に関する陳情、金融制度の改革に関しては各界の代表者を網羅して、國の財政産業政策を調整する内閣直属の金融委員会を設置し、他方日本銀行は委員会の監督下にあつて、民主的運営の下に、その業務を運営せられるようにせられたいとの趣旨でありますが、金融制度の改革は重大な改革であり、幾多の研究余地があると考えましたので、一時保留することにいたしました。
 陳情第四十三号、請願第三百号、これは復興金庫特別融資に関する陳情及び請願であります。趣旨は引揚者に対する庶民金庫の枠は狭いので、復興金庫の資金を特別に融資し、引揚者の更正を図られたいという趣旨であります。これにつきましては、諸般の事情によりまして一時保留することにいたしました。
 陳情第八十四号は、高崎地方專賣局高田出張所復活に関する陳情であります。現在煙草配給所あるのみでありますが、取締上、又区域の中心となり得べき地位の上において、是非復活せられたいという趣旨であります。これにつきましても、復活をしても大した効果がないという御意見が多数でありましたので、採決の結果、不採択とすることにいたしました。
 以上大藏委員会に付託せられました請願、陳情の経過、並びに結果を御報告申上げます。
#78
○波多野鼎君 請願第三百一号ですが、これに引揚者生活困窮者援護物資に対する取引高税免除の請願というのは、引揚者などが、この援護物資を商人として扱つておる場合のことだろうと思うのですが、そうですか、或いは引揚者などが援護物資を受取る、買手になつておる場合のことも含んでおるのですか、どつちですか。
#79
○九鬼紋十郎君 受取る時のものであります。
#80
○波多野鼎君 買手だとしますと、少しおかしいと思うのは、取引高税は賣手の方の負担になつておりますから、これを免除してやつたところで意味はないのですがね。
#81
○油井賢太郎君 もう一遍……、私も小委員会に出ておらんので、あなたの趣旨を……。
#82
○波多野鼎君 つまり、取引高税は買手が負担するのではなくて、商人が負担することになつております。ですから引揚者が、商人として援護物資を扱つておる場合ならば、これを免除してやれば、その人の利益になり、負担が軽くなります。併し商人でなくて、引揚者が買手である。純粹の買手である場合ならば、取引高税を免除してやつても、この恩典には浴しないわけです。
#83
○油井賢太郎君 今の取引高税は、消費者負担になるということが原則になつておるのじやないでしようか。
#84
○波多野鼎君 それは違います。
#85
○委員長(櫻内辰郎君) これは、取引高税というものは、全部を廃止するという方針で、昨日から採択しているのでしよう。
#86
○九鬼紋十郎君 そういう趣旨でやつて行つたわけです。
#87
○委員長(櫻内辰郎君) そういうわけですから一括したのでしよう。
#88
○波多野鼎君 それなら分ります。引揚者の負担軽減にはなりません。
#89
○委員長(櫻内辰郎君) それはその通りです。
 それでは復興金融金庫の機構及び業務内容の調査に関する件は、波多野小委員長の先程御報告になりました通り、本委員会において了承いたしまして、これを議長へ宛てて報告することに御異議でございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(櫻内辰郎君) 多数意見者の御署名が要りまするので、御署名を願いたいと存じます。
   〔多数意見者署名〕
#91
○委員長(櫻内辰郎君) それから、金融制度改革の調査に関する小委員会の結果は、森下委員から只今御報告になりましたごとくでありまするが、その通りに本委員会においてこれを了承して、議長へ宛てて報告することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(櫻内辰郎君) それから、請願並びに陳情に関する件でありまするが、只今九鬼小委員長から御報告になりました通り、それらの請願、陳情については、これを本委員会において了承をいたしまして、そうして本会議の議に付するということに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○委員長(櫻内辰郎君) それではさよう取計らいます。
#94
○波多野鼎君 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案の提案理由の中に、改正の第三点として、農業調整委員会に関する費用を、今年度に限つて、この特別会計の負担にするというふうに変えたいということが出ておりますが、本年度に限つて、特にこの特別会計にその経費を負担させるというのは、恐らく一般会計の方で財源が足りない、收入不足だということからこちらにしよ負わして來たのではないか、こう思うのですが、併しこういう措置をとるということ自体は、原理的に言つて非常に大きな問題があると思うのです。その辺の事情を一つ説明して頂きたい。
#95
○説明員(安孫子藤吉君) 食糧調整委員会の経費を今年度に限つてこの特別会計の負担にするのは趣旨としてはおかしいというのは私も同樣に考えております。ただ本件は第二國会において予算が通過いたしております。その当時は恐らく財政上の関係と睨み合せてこの特別会計の負担において支出をするという意味で第二國会において御審議になられたものだと、かように存じます。特別会計法から申しますと予算は通過いたしましたが、果してこれで適当かどうか、こういうようなことを相当議論いたされまして、やはり特別にその規則を改正しなければいかんだろう、こういうことで実は二十三年度に限りまして食糧管理特別会計に負担するという今度の改正法律案を御審議願つたような次第であります。経緯は以上の通りであります。
#96
○波多野鼎君 これによつて消費者の米その他食糧品の買入價格はどれくらい高くなると思いますか。
#97
○説明員(安孫子藤吉君) 十キロ当り一円二十七、八銭であります。
#98
○波多野鼎君 この会計で負担する経費の総額は幾らぐらいになつておりますか。
#99
○説明員(安孫子藤吉君) 総額は九億四千万円。
#100
○委員長(櫻内辰郎君) 波多野君から質疑が出ておりますから、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案を議題として審議することにいたしたいと思います。
#101
○小川友三君 本案の中で政府が予定しておる金額で間に合うかどうか、超過供出を買入れる資金はこの中にみておるのかみていないのか、その点をお伺い申上げます。本員は超過供出の買入の場合は、これでは足りないのじやないかと思います。超過供出は量は不明であるが、相当供出が出た場合は足りないと思いますが、これはどういう考えを持つておりますか。
#102
○説明員(安孫子藤吉君) この中には超過供出の量を相当多量にみておりますので、この程度の増額をお認め願えれば十分だと、かように確信しております。
#103
○小川友三君 超過供出量をどのくらいみておりますか、御明示頂きたい。
#104
○説明員(安孫子藤吉君) 大体三百万石程度みております。
#105
○米倉龍也君 第四條の三の改正で第一項の方で支拂の事務の一部を委託する、それに「農林中央金庫又は農業協同組合」とありますが、この「農業協同組合」というものは農業協同組合連合会も含んでおると解釈してよろしいでありましようか、又現在この農業協同組合はその事務の委託をしておりますか、それから若し委託をするとして、次の第二項には買入代金の支拂に、必要な資金を交付するのは、農林中央金庫、日本銀行ということになつておる。前の法律ではそういうものを、農林中央金庫、日本銀行へ交付して、更に又農業協同組合とか、農業会というものに、買入代金の支拂に必要な資金を交付せしむるという二段の取扱いであつたのであります。それを今度はただ農林中央金庫、日本銀行へ交付するというだけで、支拂い事務の一部を委託する農業協同組合に対しては、交付をしていないことになります。この点の間の関係を一つ御説明願います。
#106
○政府委員(黒金泰美君) 只今の御質問の中の第一点につきましては、協同組合連合会を含んでおりますが、同時に現在この支拂事務の一部を委託しております。第二点につきましては、第二國会で折角改正をお願いいたしました点を直ぐに又改正する、誠に不手際な点で甚だ恐縮でございますが、この第二國会で御決定願いました趣旨は、食糧供出を円滑ならしめる一つの方策といたしまして、現実に支拂いを行います末端機関であります市中銀行とか、或いは農業会、或いは農業協同組合、これに支拂い事務を委託しますとともに、一方では支拂い代金をこの機関まで、ずつと末端まで予め交付いたして置きまして、直ちに代金の請求に應じるような、かような趣旨で改正を願つた次第であります。ところが実際にやつてみますと、市中銀行はもとよりでございますが、農業協同組合におきましても、この支拂いに應ずるだけの、手許現金がございますし、又農業協同組合と農林中央金庫とは金融上では親子の関係にございますので、又市中銀行も日本銀行或いは、日本銀行の代理店との間に、取引関係もございますので、各々親元にその口座を持つておる、かようにいたしますと、現実にこの末端まで資金を交付いたして置きませんでも、農林中央金庫なり、或いは日本銀行に資金を交付いたしておきまして、農業協同組合なり、或いは市中銀行が支拂いまして、その都度その日附で以て日本銀行或いは農林中央金庫。そこにございます末端機関の口座に、各々日本銀行の代理店なり或いは農林中央金庫に、政府から交付いたして置きました金を附け替えて置きますれば、それで庶幾の目的は達せられますし、かようにいたしました方が却つて事務処理の上に便利である。又最近資金が非常に出ます際でありますので、かように末端多数機関にまで、常に現金を交付いたして置きますと、ついやはり金の市中に待機しております額が、殖えるという関係でございますので……、又もう一つの問題といたしましては、薪炭需給調節特別会計におきましても、この食糧管理特別会計法、今までの規定と同樣なことを始め考えたのでございますが、今度御改正願うというようなふうに改めて実際やつてみますと、それも大体うまく行つておるというような経驗、こういつたようないろいろの事情に鑑みまして、今回この改正を願つたのであります。かような次第でございます。

#107
○米倉龍也君 その点了解いたしましたが、実際の扱いの現状から申しますれば、非常な大金が季節的にも短期間に動くのでありまして、各末端の町村の協同組合などへ資金を交付して置くということは、これは事務の上にも円滑に行かない点があるかも知れませんが、実際成るべく末端に近い所に資金を交付しておかないと、早速直ちに大金を農家に拂うことに支障があるのであります。事実そういうことが現在のような、ただ農林中央金庫一本で親子関係の系統機関を通してやるということだけでは、時たま支障が起ることを聞いておるのであります。この農業協同組合に連合会が含まれておるならば、やはり事務の一部を委託しておるのでありますからして、少くも連合会ぐらいまでに資金の交付を、末端に近い所にある分量を多くというような考慮を拂うことが適当でないかというふうに感ずるのでありますが、こういう点について御考慮になつたのでありましようか、もう一應お伺いいたします。
#108
○政府委員(黒金泰美君) 只今の御質問の点御尤もでございまして、できるだけその末端まで金を撒いておきまして、できるだけ早くその金が出せるように、さような考慮は十分に拂つたのでございますが、御存知のように、農林中央金庫の代理店を各地方に復活いたしまして、又日本銀行の代理店も相当多数ございますので、大体はこれでやつて行けるだろうというので、かようにいたした次第であります、御了承を願います。
#109
○中西功君 先つき波多野さんから御質問になつた点に関連しておるのですが、この九億四千万円を今度の会計の負担にする、それも便宜的になされておるというわけなんですが、必ずしも便宜的じやないのじやないかというような氣がするのですと申しますのは、ここに農林省の方はおられますか。
#110
○説明員(安孫子藤吉君) おります。
#111
○中西功君 今度開拓関係の仕事に対して、補助金を減らすというふうなこと、或いは農地委員会の費用を、これは非常に削減したのか、何かそういう事情が私あると思います。こういうことと何か関係があると思うのです。その農地委員会の費用、それから開拓関係の補助の形式、削減、それを少し、どういう意図でやつたのか、一つ説明して貰いたいと思います。
#112
○説明員(安孫子藤吉君) 開拓関係の予算の削減その他については、別に申上げた方がよいと思いますので、私は十分に承知いたしませんので、適当な方から補足いたしますが、本件につきましては、そういう関係はございません。これは先程も申しましたように、すでにその前の國会におきまして、予算として通過いたしておる金額でございます。そうした開拓予算、或いは農地調整委員の経費というようなものとの関係はなく決まつております問題であります。
#113
○中西功君 いや、そのね、直接の関連はそういう意味で、法案的の意味ではないと思いますが、ですね、これを正規の予算の方に組まずに、この特別会計、而もこういう借入金というような形式の中に入れたということと、一般にそういう農地関係或いは農業関係の廃止があるのに、なぜ私がこれを言いますかというと、民自党内閣、吉田内閣は、もう開拓ということをやらないということを非常にはつきり言われ、新聞にも述べられたことがある。で、食糧輸入を非常に増大させる、日本の食糧は、成るだけ外國から持つて來て、日本の農業復興ということは問題にならんというような根本的な考え方があると思うのです。そういう考え方と先の開拓への補助金の減額或いは又農地委員会の……、事実上農地委員会は今日御存じのように、経費の問題で農地改革はストツプしているのです、……將來に重大な問題になつておる、こういう面から農地開拓自体を事実上ストツプさせようとしておる、そういうことを、極めて便宜的にこういうものが含まれておるということの間には、非常に必然的な関連がある、政治的な関連があると私は思うのです。これはむしろ政務次官か大臣に聞いた方がよいのですが……、一應そういうことと関連して今吉田内閣は、農業政策、こういう問題についてどう考えておるか、一つお聞きいたしたいと思います。
#114
○説明員(安孫子藤吉君) 繰返して申上げますが、これは予算として通過いたしておりましたのがこの内閣ではございませんけれども、前内閣において予算として通過したわけでございます。尚只今支拂停止をしておつたと申しますのは、この現行の特別会計法においては、無理があるのではないか、そういう経費を支出することは、相当無理じやないかと、こういう観点から法制的にいろいろ研究を続けておつたのですが、その結論がやはり改正法案を出す必要があるという結論に達したので、御審議を願つておるのでありまして、実体は前内閣において決定されたのでございます。從つて今度の開墾の停止その他の面とは経過的にも関連はございません。
#115
○中西功君 私の言つているのは、前の予算で通つたものを、今度はこういう形で先つきも言われておりましたように、一般会計とかそういう形で出さずに、こういうふうなあれで出したわけなんでしよう、そういう便宜的に出されておると私は思うのです。それと先の民自党の最近の農業政策の方向とは関連がある、こういう予算額が前の内閣で決定されたとしても、結局米の消費者に負担させるような形でなされておるのか、それを言つたのです。まあ、それはいいとしまして、政務次官にこの農地委員会の問題或いは又開拓事業、そういうものについて……、これは止しますが……。
 それから実はもう一つ聞きたいことは、実は農林中央金庫とそれから日本銀行、即ち日本銀行は大体において市中銀行に連なつておる、農林中央金庫は協同組合の法律となつておると思うのですが、今までの実績において、この食糧管理当局として、拂出資金の実際の割合はどのくらいになるのですか。
#116
○説明員(安孫子藤吉君) 日本銀行を通ずる、市中銀行が大体一割です。
#117
○小川友三君 今日晝間の委員会でも農業調整委員会の活動というものに対して一つお聞きしたのですが、これはどういう動きをしておるのか。この九億四千万円という莫大な金額には、会費とか、宴会費とか雜費も相当含まれているのではないかと思いますが、これは農業調整委員会の、いわゆる俸給を拂つている委員会委員が何人おるのかお示しを賜りたい、又この九億四千万円を無理に使わなくとも、半年分くらいでも仕上げようとすれば仕上がるのではないかと思いますが、それにつきまして、農業調整委員会の全面的な組織についてお話を賜りたいのであります。
#118
○説明員(安孫子藤吉君) 現在農業調整委員会の委員は、御承知のように割当その他に関しまして各種の活動をいたしておるのであります。この経費は、雜費、旅費、委員の手当、さようなものを含んでおります。その外最も大きい部分を占めますものは、現在の食糧調整委員だけの活動では、適正な行政の運行が困難であるという考えで書記を置くことにしたわけでございます。この書記に対しまする手当が相当大きい部分を占めております。
#119
○小川友三君 書記は何名ぐらいおるんですか。
#120
○説明員(安孫子藤吉君) 一名ずつ配置しております。
#121
○小川友三君 各村に一名……、何名になりますか。
#122
○説明員(安孫子藤吉君) 大体町村の数から申しまして、一万名になります。
#123
○小川友三君 関連しまして……、これは節約する余地がありませんですかどうですか。
#124
○説明員(安孫子藤吉君) どうも各町村或は縣に一名ずつの書記の設置でございますので、これ以上町村を減らすということにも参りかねるんじやないかと思います。
#125
○小川友三君 実は米、麦を供出しておりますのは、目方を政府の割当より余計各町村取つております。それを片方で拔いておる量が相当なものですが、それをこの費用に廻しておつたんじやないかと思いますが、目方を、今まで何キロというのを、余計に入れなければ、この田舎のこうした統制委員会がいるところは通りません。私は埼玉縣ですが、余計に三升乃至五升の米を、或は麦を入れなければ受付ない、それは俵が新らしいとか、古いからとか、因縁を吹掛けられまして、結局は二、三升ずつ余計持つて行きます。それを非常に取りまして、どこの農業会に行きましても、惡いところは百五十俵ぐらい取つております。そうした費用で十分賄えると思いますが、尤もそれをさせるわけじやないですが、とにかく今の農民が供出する量が、規定よりも余計取られておる事実を政府は知つておりますかどうか。
#126
○説明員(安孫子藤吉君) 現在の政府との賣買は、重量建になつておりますので、例えば今年の埼玉は多少作柄が惡いというような見地から、桝目にいたしますと、四斗以上入れなければ規定の重量にならんという事情はあります。その事情は十分了承しております。ただこれは重量建である関係から、來ておりまするので、例えば非常に豊満なる米のできました場合には、四斗入れないで、三斗七八升でも規定の重量になる、こういう場合もありますので、これは長い間を見まするならば、おっつかっつの問題である、容量建にすべきか、重量建にすべきか、いずれにいたしましても、そういう問題は出て來ると思つておりますから、いろいろ檢討いたしました結果、重量建にいたしておるのであります。尚相当口桝を入れさしておるというお話でございますが、これは現在のところ口桝は殆んど入つておりません。実情はむしろ場合によりますと、口桝が切れるような場合もあつた。本年から相当檢査を嚴重にいたしまして、規定の重量と、規定の規格の物を買い入れますように努力いたしておるような実情でございます。
#127
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りいたします。食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案につきましては、いずれ更に御質疑を願うことにいたしまして、金融機関再建整備法の一部を改正する法律案の御質疑がありましたならば願いたいと思います。
#128
○中西功君 最近までの金融機関整備状況も大体終つたと思いますが、各大きな銀行でも増資しておると思いますが、大体の状況が分つたら報告して貰いたいと思います。
#129
○委員長(櫻内辰郎君) それじやちよつと銀行局長が見えておらんそうですから、これに対する質疑を後廻しにいたしまして、專賣局及び印刷局特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#130
○小川友三君 この法律案ですが、第六條で問題になつております「運轉資金に充てるため」というのですが、百円札以上は今のところ刷れないという事情でありますのだそうですが、今の百円札は非常に印刷の惡いものがありまして、これは贋札のような印刷の惡いのが沢山出ております。これを改善するにはもつとああいう印刷の惡く刷れたものは撥ねてしまつて、いいものを入れて行く、そうして日本の紙幣は立派なものだというものを出して間違いのないようにやりたい。それから十円札のごときは、もうちよつといじるとぼろぼろになつてしまつて、まあ大体棄ててしまうような形を政府は予算がないでやつておると思いますが、これを八億円というのをもう少し殖やしたらいいのができるかどうかということをお伺いしたいと思います。
#131
○説明員(原久一郎君) 只今製造いたしておりまする通貨の質が非常に惡いという質のことでございますが、誠にこの点は我々といたしましても申訳ないことで、常にこの通貨の品質の改良ということにつきましては全面的の努力をいたしておるわけでございますが、十円札はこの昭和二十一年の新円切換えの際に相当量製造いたしておりまして、現在これが全然製造いたしておりません。当時の製造数量で十分間に合つております。最近は十円札回收の方に向いておりまするので、新らしく製造いたしておりませんので、当時のもので暫く御我慢をお願いするより外ないと考えております。百円札の方につきましては、目下頻りとこの品質の改良ということにつきまして努力をいたしておりまするが、何分製造数量が現在持つておりまする民間の、利用しておりまする民間の工場の能力まで全部加えまして、大体おっつかっつのところまで製造をいたしておりまするので、能力的に行きまして、更にいいものにいたして参りますのには余程の困難があるのでございます。本質的に申しますと、いい紙幣を造りますのには、いい材料の紙を使わなければならないのでございますが、紙幣用紙の原料でございまする「みつまた」の生産量がこれが急激には増加できないものでございまして、我が國の紙幣には我が國の特産でありますところの「みつまた」を原料といたしました紙幣にいたすべきなのでございまして、從來は一〇〇%「みつまた」を使いました紙で印刷をいたしておつたのでございますが、現在は大体におきまして、二〇%乃至三〇%程度しか「みつまた」が入つておりません。その以外は特殊人絹パルプ等を使用いたしました通貨でございますので、從いましてどうも我我といたしましても、甚だ申訳ない次第なんでございますが、現在お手許にあるような程度のもので我慢を頂いておるわけでありますが、決してこれで満足いたしておるわけではございませんので、でき得る限りいわゆる品質の向上を図つておるわけでございますが、今お話のごとくこの運轉資本の所要額八億をもつと増やして、この原料の需給関係から申しまして、一挙にオール「みつまた」の紙を使うというわけには参らんと考えております。
#132
○小川友三君 それでは三〇%くらい「みつまた」のパルプを使つて、札を三分の一にしたらいいでしよう、小さくしまして、そうして用紙代が十億から約十一億掛かつておりますが、三分の一にすれば三億で間に合うわけですから小さくして持ちいいようにして、運搬しいいようにしてやつたらいいと思いますが、その筋では千円とか一万札はなかなかむつかしいのだという場合は、札を小さくしまして、三分の一にすれば材料だけで七億万円浮きます。小さくすれば印刷代もインク代も何十パーセント安くなりますのですが、そういう工合になすつたら如何ですか。これは政務次官にちよつとお伺いいたします。
#133
○政府委員(平岡市三君) どうもお説は御尤ものようでありますけれども、技術的にどうなるか、私には答弁しかねますから、印刷局長に代つて答弁させて頂きます。
#134
○説明員(原久一郎君) 実は私の方におきましても、今年の初め頃に一遍もう少し小さいものにいたしまして、能率を挙げることを考えたらどうかということでいろいろ審議をいたして見たこともあるのでございますが、どうも新らしい形の紙幣の印刷局で刷り出したというようなことが出ますことが、当時経済事情等に鑑みまして、非常に危險が多い、ざつくばらんに申上げますれば、新々円の問題が聊かございました当時でございますので、これもちよつと工合が惡かろうということと、もう一つは現在の札を現在の形のものを製造しつつ新らしい形のものに変えて参らなければならない点もございますので、そうなりますと、すつかり新らしいものに代りますのに、やはり十ケ月以上の暇が掛かります、そういたしますと、果してそれが全部新らしいものになりました時分に、果してそれで通貨というものがうまく円滑に行きますかどうですか、見通しが非常にむつかしい点がありましたので、止むを得ず現在のままでおるわけでございます。
#135
○委員長(櫻内辰郎君) それではお諮りいたします。只今衆議院の方の模樣を伺いましたところ、これらの法案が、本会議に今晩掛かるわけでございますけれども、本会議の開会時刻が未定だそうでありまして、その見通しが困難だということでありますから、本日はこれにて散会いたします。明日は午前十時から開会いたしたいと思います。
   午後六時二十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           波多野 鼎君
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           天田 勝正君
           森下 政一君
           松嶋 喜作君
           木内 四郎君
           油井賢太郎君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
           米倉 龍也君
           小川 友三君
  政府委員
   大藏政務次官  平岡 市三君
   大藏事務官
   (主計局法規課
   長)      黒金 泰美君
   貿易廳長官   永井幸太郎君
   貿易廳次長   新井  茂君
  説明員
   大藏事務官
   (印刷局長)  原 久一郎君
   食糧管理局長官 安孫子藤吉君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト