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1948/11/24 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 決算委員会 第3号
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1948/11/24 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 決算委員会 第3号

#1
第003回国会 決算委員会 第3号
昭和二十三年十一月二十四日(水曜
日)
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  委員の異動
十一月十三日(土曜日)理事堀末治君
委員辞任につき、その補欠として柴田
政次君を理事に互選した。
十一月十五日(月曜日)議長において
補欠として平沼彌太郎君を指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○視察報告に関する件
○昭和二十二年度國庫債務負担行爲総
 調書に関する件
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   午前十時三十九分開会
#2
○委員長(奧主一郎君) それでは只今から決算委員会を開会したします。最初に先日神奈川縣下に参りました視察報告を私より行います。
 決算委員会は院議を経て十一月十七、十八日の両日に亘り神奈川縣下に於ける特殊物件処理状況を視察した、視察した委員は奥委員長の外平、柴田、米倉、カニエ、羽生、吉川、中川、浅井、竹中、仲子、姫井、藤野、千田、阿竹の十五名である、なお森、波江野両専門員が中に参加した。視察團は十七日午前神奈川縣廳において豐原副知事並びに縣関係官、建設省中田総務局長、植田総務課長並びに建設省関係官、及び大藏省関係官から夫々縣下における特殊物件処理状況について詳細な説明を聽取り、各委員からの質疑應答を重ねて特殊物件処理状況の概略を明らかにし同日午後航空技術廠の轉用工場として追濱繊維株式会社並びに湘南毛織株式会社を視察し更に久里濱旧通信学校内にある特殊物件の実情を視察し、十八日には平塚旧第二海軍火薬厰及び大船旧第一海軍燃料厰に於て夫々特殊物件の実地を視察した。
 本縣は連合軍最初の進駐地であり、旧日本軍隊の撤退並びに解散も一番早く行われ第八軍司令部が横濱に設置され各種渉外関係の第一線である関係上旧軍物資の処理に種々困難な事案があり現在尚数ケ所の未返還箇所を残しており、更に神奈川地区米軍政部及び米海軍横須賀基地軍政部の二つの米軍取扱機関が存在しているため特殊物件の返還処理に就ては他府縣に比し迅速を欠く点がある。第一、内務省所管の状況
 一、特殊物件の処理状況
 集積場所は約七百ケ所であるが特殊事情のため未返還の箇所も相当にあり、又返還を受けたものの拂下許可件数は昭和二十三年十月末日現在で五千三百件になつておるが尚多量の物件が残存している配分方針は逓信省、運輸省、産業復興公團その他の公團等に夫々引渡し、一方地方廳処理に委ねられた特殊物件について縣特殊物件処理委員会で審議し産業復興、民生安定のため貢献すべく拂下許可を進めている。
 特殊物件中兵器類は中央からの指令によつて一括兵器処理委員会に拂下を行つて來たが本縣に於ては兵器中の鉄鋼類は日本鋼管兵器処理委員会に、非鉄金属類は古河電氣工業兵器処理委員会に夫々拂下げた。
 昭和二十三年二月GHQ指令による全國的兵器処理委員会の業務停止に至る間に於ける両社の取扱件数は二百三十件取得物件の総量は概算推定十五万トンである。
 上記業務停止指令後に於ては兵器処理委員会が保持していた未処理特殊物件(鉄鋼、非鉄金属五万二千トン)につき精密な調書を作り現場確認を行つて一括政府(縣)に返還せしめ縣は更に之を産業復興公團に引渡した又右特殊物件以外の雜種財産にいついては縣が引継を受け、横濱地方檢察廳の支配の下に管理に当つている。
 二、緊急放出物資処理状況
 軍から直接民間に放出されたもの(調査局扱)及び縣、市町村等の地方機関を通じて放出されたもの(地方局扱)に就ては極力之が調査発見に努力している。
 これら放出物資のうち縣に処分を委ねられたものは大部分統制機関に拂下を了し、其の他市町村に於ては戰災復興、救護事業等に充当しているが一部民間に放出されたものの内に於て不当、不正に取得しておる向もあるので昭和二十一年七月以降放出物質処理委員会を設置し、之が是正をなすと共に中央政府の方針に基き有償、無償、追徴、回収等を審議決定している。
 本年十月末現在の処理件数は地方局扱五百件、調査局扱千七百件であり今度の処理件数は約二百件である。
 三、経理状況
 拂下代金徴収事務は昭和二十一年二月から開始し、その拂下げ價格査定については神奈川縣價格査定委員会で実施していたが促進状態が良好でなかつたので本年八月から神奈川縣特殊物件処理委員会に價格査定部会を設け専任査定委員をして鋭意査定事務の促進に務めその成績は良好である。
 本年三月末現在拂下処分金額は終戰時マル公で評價して三億五千余万円であり無償拂下げ金額を除いて本年九月末現在地方収納分は一億八千万円、その内収納済額は約一億二百四十万円である。第二、大藏省所官の米海軍基地指令部管轄区域外の状況
  第一海軍技術厰支厰
  第一海軍燃料厰
  横須賀海軍工厰川崎分工場
  横須賀海軍工厰深澤分工場
  高座海軍工厰
  第二海軍火薬厰
  相模海軍工厰
  横須賀海軍工厰平塚分工場
  相模海軍工厰化学実驗部
  相模海軍造兵厰四研
  兵器学校
  横須賀海軍工作学校
  横須賀海軍軍属部久里濱倉庫
  第一海軍技術厰
  横須賀海軍工厰
 二、賠償工厰の轉用状況
 逐次轉用が許可されているがその詳細は別冊神奈川縣下「賠償指定工厰現況報告」の通りである。
 三、最近の於ける主なる処理事務並びに進渉状況
 第一次に撤去されたものは第一海軍技術厰支厰九百九十台相模海軍造兵厰二千百四十三台であり現在第二次とした第一海軍技術厰支厰百二十五台相模陸軍造兵厰二十二台の電氣施設を撤去中である。
 四、賠償機械台数
 登録台数一万二千九百八十一台、非登録台数五千六百十台計一万八千五百九十一台でありその内正式一時使用許可のものは四百四十台である。
 五、平塚旧第二海軍火薬厰の状況
 (1) 施設の概要
  土地約五十一万坪
  機械約千二百台
 本工場は賠償工場に指定されており一部は返還の許可があつた。
 (2) 処理の状況
 現在利用を許可されたものは
  農林省園藝試驗所
  パイロット万年筆工場 約二千坪工事中
  二荒紡績工場 工事中
  新制中学校
  本所機械工場
 申請中のものは
  米澤化学工場 合成樹脂製造
  共同化学工場 農薬製造
 (3) 特殊物件の状況
  特殊物件としては化学薬品、土管、鉄屑、煉瓦、木材等があり、昭和二十一年から兵  器処理委員会で搬出を行なつており、同委員会業務停
  止後は産業復興公團で拂下の手続をとり、搬出許可あり次第、その搬出を進めること  になつている。
 六、旧第一海軍燃料厰の状況
 (1) 施設及賠償物件の概要
  土地    十二万三千六百二十九坪
  建物    九十七棟 一万五千六百六十八坪
  賠償機械(登録済)  一万八千五百五台
  図書類
  其の他
 (2) 処理の状況
  昭和二十年六月全國農業会農業科学研究所が当厰の管理の指定を受け施設機械装置を  利用して農業科学の研究実驗、更に進んでは生産をもなすため一時使用の許可を得て  施設の大部分を利用して相当の成果及び実生産を挙げつつあつたが本年八月全國農業  会が農業協同組合法施行によつて解散したため農村工業協同組合連合会がその事業を  継続することの認定を受けた然るに十月十九日GHQの「メモダンダム」に依り二十  日以内に撤去することとなり十一月八日完全に引揚を了した、現在に於いては大藏省  管理の下に管理保守を行つている。第三、大藏省所官の米海軍基地司令部管轄区域内の状況
 一、旧海軍工厰横須賀鎭守府内は一部が開放された以外は現在全部米海軍で使用中であ  る同区域内の、その他の旧軍用財産は土地、約二百八十万坪、台帳價格、約五千六百  五十万円、
  建物、約六十六万坪、台帳價格、約一億五千万円、
  その他立木、工作物、約三千九百万円、合計、約二億四千六百万円、であり、その内  開放を受けた施設は文化及び平和産業施設として轉用を許可されているが現在の許可  件数は五十九である(別册賠償指定工厰轉用状況調の通り)旧海軍工厰内にあつた機  械類は賠償物資に指定され、登録済のものは当初約一万五千台があり、すてに撤去さ  れたものは約千五百台である、この残存機械に就ては月額二百万円の費用を以て常時  手入を行い、又警備員を附して嚴重に監守している。
 二、視察した轉用工場の内容
 (1) 追濱繊維株式会社
  土地   一万二千坪
  建物   四千六百五十五坪
  一時使用
  從業員三百名
  麻織物を主としているが綿織物も生産している、尚その外にマニラ、サイザルを原料  として麻ロープを作りその生産能力は月一千貫程度である。
 (2) 湘南毛織株式会社
  土地    六千三百四十三坪
  建物    三千五百九十五坪
  一時使用
  從業員二百九十名
  昨年六月事業開始旧航空技術厰の鋼材倉庫を一時使用で轉用したものである。
   現在生産しているものは輸出用のヘツシヤン・クロースであり月産、糸に換算して、二万ポンド程度である尚内地用としてガラ紡の生産も行つているが本年第四・四半  期の目標は二十万ヤールである。
#3
○委員長(奧主一郎君) それでは引続いて昭和二十二年度國庫債務負担行爲総調書について審議を行います。大藏政務次官。
#4
○政府委員(平岡市三君) 只今議題となりました昭和二十二年度國庫債務負担行爲について説明いたします。
 昭和二十二年度におきまして、財政法第十五條第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に、國庫債務負担行爲をすることのできる金額は十億円でありまして、昭和二十二年九月十五日発生のキャスリーン颱風により、損害を被つた公共土木施設、耕地、林道、漁港、港湾等の復旧工事に対して、昭和二十三年度において補助するため、昭和二十三年一月三十日閣議の決定を経まして、総額九億三千万円の範囲内で、債務を負担する行爲をすることといたしました。
 その事項及び金額は、内閣所管におきまして、道府縣災害土木費補助六億六千万円、農林省所管におきまして、耕地復旧事業費補助二億千五百万円、民有林林道復旧費補助三千万円、漁港復旧事業費補助五百万円、運輸省所管におきまして、港湾災害土木費補助二千万円であります。
 以上をもちまして、昭和二十二年度國庫債務負担行爲に関する説明といたします。
#5
○委員長(奧主一郎君) 御質問のある方はどうぞ……。べつに発言がにようでございますが、御質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(奧主一郎君) 御異議ないと認めます。それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにして、お述べを願います。御意見はないようでありますが、討論は終局したものと認めて、これより採決に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(奧主一郎君) 昭和二十二年度國庫債務負担行爲総調書、本議案をすべて異議がないと議決することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(奧主一郎君) 昭和二十二年度國庫債務負担行爲総調書は全会一致を以てすべて異議がないと議決することに決定しました。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四條によつて、予め多数意見者の承認を経なければならぬことになつておりますが、これは委員長において本議案の内容、本委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとしまして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(奧主一郎君) 御異議ないと認めます。これから本院規則第七十二條によりまして委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、本議案に議決することに賛成された方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
   吉川末次郎   姫井 伊介
   柴田 政次   川上 嘉市
   谷口弥三郎   羽生 三七
   カニエ邦彦   阿竹齋次郎
   中平常太郎   中川 幸平
   小野  哲   赤松 常子
   米倉 龍也
  ―――――――――――――
#10
○委員長(奧主一郎君) 署名漏れはございませんか……。署名漏れはないと認めます。それでは本日の委員会はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     奧 主一郎君
   理事
           中平常太郎君
           柴田 政次君
           川上 嘉市君
           米倉 龍也君
   委員
           赤松 常子君
           カニエ邦彦君
           羽生 三七君
           吉川末次郎君
           中川 幸平君
           谷口弥三郎君
           小野  哲君
           姫井 伊介君
           阿竹齋次郎君
  政府委員
   大藏政務次官  平岡 市三君
ソース: 国立国会図書館
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