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1948/11/08 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 議院運営委員会 第4号
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1948/11/08 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 議院運営委員会 第4号

#1
第003回国会 議院運営委員会 第4号
昭和二十三年十一月八日(月曜日)
  ―――――――――――――
  委員の異動
十月二十三日(土曜日)委員下條康麿
君及び石坂豊一君辞任につき、その補
欠として村上義一君及び平野暫治郎君
を議長において選定した。
  委員長の補欠
同日議長において村上義一君を委員長
に指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○全國選挙管理委員補欠指名に関する
 件
○地方行政に関する調査承認要求に関
 する件
○檢察官適格審査委員会委員の選定に
 関する件
○会期延長の件
○玉屋議員逮捕要求に関する件
○議院の運営に関する件
  ―――――――――――――
   午前十時一分開会
#2
○委員長(村上義一君) それではこれから委員会を開会いたしたい思います。開会に先立つて一言御挨拶を申述べたいと思います。
 先だつて当委員会の委員長に選任せられまして、私の能力に比して極めて重責であると思つております。ひたすら公平適正にして行きたい、公平を念としてこれに当つて行きたいと念願しておる次第であります。是非皆様の御援助をよろしくお願い申上げます。(拍手)
 先ず第一に御了解を得たいのは、本日國会の開会式を開くということについての件でありますが、先月二十六日に衆議院の方から、八日の日に開会式を挙行したいという申入れがありまして、当時運営委員の各位の御在京を確めて、過半数いらつしやるようならば開きたいと、御意見に従つて回答したいと思つたんでありますが、あいにく少数しか御在京にならなかつたので、わざわざこの問題だけについて御上京を促すということもどうかと思いまして、甚だ差出がましいことでございましたが、今日開会式を開くということにした次第であります。この点一つ予め皆様の御了解とお許しをお願いいたしたいと思います。
 それから今開会式に先立つてのこの運営委員会におきまして御了解を得て置きたいと思うことは、今の事項だけでありまするが、今日午後一時半から、総理大臣並びに檢務長官に出席を促しまして、法律案その他の政府からの計画を聽くということにしてあります。その席では、ひとり当委員会のみならず、常任委員長も列席されることに相成つております。つまり合同委員会に相成つております。それを一つ皆さんにお聽き願いまして、会期の問題、その他四、五件御協議を願う点がありまするから、御相談を願いたいと思つておるのであります。午後一時半に再びここへ御参集を願いたいと思います。よろしゆうございますか……それでは私の方で御相談願うということはそれだけなんでありまして、それでは午後一時半にお願いいたしたいと思います。これで休憩いたします。
   午前十時五分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時四十八分開会
#3
○委員長(村上義一君) それでは午前に引続きまして議院運営委員会を開会いたします。先刻懇談会の席でお話が出ました政府提出の法律案の内容については、今そのコピーが参りましたが、その以前に二、三簡單な問題を御審議願いたいと思います。全國の選挙管理委員会の委員岡正雄君が死去せられまして、欠員が生じたから國会の指名を委員会法第六條によつて願いたい。こういう申出が総理大臣から参議院議長宛に参つておるのであります。これは如何いたしましようか。
#4
○事務総長(小林次郎君) これは全國選挙管理委員会法第六條に、「全國選挙管理委員会の委員は、國会の議決による指名に基いて、内閣総理大臣が、これを任命する。委員は、國会における同一党派の各所属國会議員数の比率による政治的実勢に基き、各党派の推薦した者につき、これを指名しなければならない。」というような規定があるんですが、これに基きまして、この岡正雄君は民主党の方から出ておられる委員であつたんですが、これはお亡くなりになりましたから、やはり民主党の方から御推薦を願う、こういうことになるわけであります。で、これは衆議院と参議院の両方の議決を経るわけです。民主党の方で御推薦を願う、なるべく早い機会写に一つお決めを願いたいと、こういうふうに私は思うのです。
#5
○委員長(村上義一君) 只今のごとく民主党の方で選考をして、申入れをして貰うということで、皆さん御異議ありませんか。
   〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(村上義一君) それではそういうことに処理いたします。
 次は地方行政に関する調査承認要求書が、地方行政委員長から出ておるのであります。
#7
○事務総長(小林次郎君) 便宜私から朗読いたしましよう。
   地方行政に関する調査承認要求書
 一、事件の名称 地方行政に関する調査
 一、調査の目的 治安の維持、地方制度の改善及び地方財政の確立並びに選挙管理についての関係法律の改正、立案等を調査研究する。
 一、利   益 治安の維持及び地方行政確立のための基本問題の綜合的解決に資する。
 一、方   法 関係者から意見を聽取し、且つ必要に應じ各地における事情を実地調益する。
 一、期   間 今期國会開会中
 右本委員会の決議を経て、参議院規則第三十四條第二項により要求する。
  昭和二十三年十月二十三日
   地方行政委員長 岡本 愛祐
 参議院議長 松平恒雄殿
#8
○委員長(村上義一君) 御異議がなければ、承認の手続をいたしたいと思いますが、如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(村上義一君) 御異議ありませんか、ではそういうことに取り進めたいと思います。
 次は檢察官適格審査委員会の委員を選出する件につきまして、内閣官房長官から事務総長宛に照会が参つておるのであります。
#10
○事務総長(小林次郎君) 檢察廳法第二十三條第四項に「檢察官適格審査委員会は、内閣総理大臣の監督に属し、國会議員、檢察官、法務廳の官吏・裁判官、弁護士及び日本学士院会員の中から選任された十一人の委員を以てこれを組織する。但し、委員となる國会議員は、衆議院議員四人及び参議院議員二人とし、それぞれ衆議院及び参議院においてこれを選出する。」こういう規定に基いて御選出を願うわけでございます。で、如何なさいますか。
#11
○門屋盛一君 参議院から二人ですか。
#12
○事務総長(小林次郎君) さようでございます。
#13
○委員長(村上義一君) 只今お聞きのように、参議院から二名、この審査委員を出すということに相成つておりますのでこの二名の選任方法、これについて御意見を伺いたいと思います。
#14
○矢野酉雄君 それは二人でありますから、やはり或いは小委員会……各派交渉会の性格を持つ小委員会で話合つたら如何かと思いますが、どうせ各派の数と考え合して、そうして打合せしたらいいと思います。
#15
○委員長(村上義一君) 小委員会に任したらどうかという発言がありましたが。
#16
○門屋盛一君 矢野委員のと同じことになるのですが、議長一任、議長から小委員会に諮られてという方がいいのじやないか。議長一任が表で……。
#17
○委員長(村上義一君) 如何でございますか。
#18
○小林英三君 矢野委員の御意見に賛成いたします。
#19
○矢野酉雄君 門屋委員の御意見と同じように結局なるでしよう。小委員会の議長は参議院議長がこれをやりますので、大体そういうふうに運んだらどうですか。
#20
○委員長(村上義一君) 御異議がなければ、小委員会に……。
#21
○小川久義君 議長一任ということで行くのと、小委員会一任ということと、形は違つていますね。その点を……二つ意見がちよつと違うようでありますが、どつちか一方に……。
#22
○委員長(村上義一君) いや、今矢野さんからの御意見は、小委員の方へ任したらどうか、こういうお話なんで、まあ、それに賛成の御意見があつたものですから……。
#23
○小川久義君 そこで門屋さんは議長一任という動議を出しておられる。実質的には変らないと思いますが。
#24
○鈴木直人君 門屋さんのは純粹に議長一任にするとりうことですか。
#25
○小川久義君 いや、表向きは議長一任で、一任を受けた議長は小委員会に諮る、こういうことになる。
#26
○門屋盛一君 惡いな。矢野先生の方のがいい。僕のやつは取消します。同じ結果になるから……。
#27
○委員長(村上義一君) それじや門屋さん、あなたの御意見は御撤回になる……。
#28
○門屋盛一君 ええ、矢野さんのお説に賛成します。
#29
○委員長(村上義一君) それでは小委員会に、この問題の処理を一任するということに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(村上義一君) じや、そういうことに決定いたします。
 それでは次に会期の問題を御審議願いたいと思うのでありますが、先ず政府が本國会に提出する法律案についてお聽きを願いたいと思います。
#31
○参事(河野義克君) それでは先程政府から御説明があつた、法律案の今期國会に提出される予想の分について、もう一回ゆつくり申上げます。尚これは祕扱いになつておりますから、委員長のお話でこれを申上げますが、皆さん、そのお氣持でお聽取りを願いたいと思います。
 それでは第一は國家公務員法関係でございます。國家公務員法関係の中、
 一、國家公務員法の一部を改正する法律案
 一、暫定地方公務員法案
 一、國家公務員法の一部改正に伴う法人たる労働組合の存続等に関する法律案
 一、日本專賣公社法案
 一、日本國有鉄道法案
 一、公共企業体労働関係法案次に期限の関係から來るものでありますが、
 一、國家行政組織法の一部を改正する法律案
 一、地方自治委員会法案
 一、過度経済力集中排除法の一部を改正する法律案
 一、食糧の輸入税を免除する法律の一部を改正する法律案
 一、刑事訴訟法施行法案
 一、裁判所法の一部を改正する法律案
 一、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案
 一、司法警察職員指定法案
 一、副検事の任命資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案
 一、畜産に関する農業協同組合又は農業協同組合連合会が馬匹組合又は都道府縣から財産の移轄を受ける場合における課税の特例に関する法律案
 一、海事仲裁等に関する法律案
 一、麻薬統制主事に司法警察権を附與することに関する法律案
 一、科学技術行政協議会法案
 以上公務員法関係が六件、それから期限の関係のあるものが十三件であります。
#32
○委員長(村上義一君) お聴きのように、國家公務員法関係は六つの法律案、それから期限の関係のあるもの、これが十三件であります。尚先刻の懇談会の席上のいろいろの御意見もお聽き下すつた通りであります。又政府の要望は、お聽きの通り十日間ということなんでありますが、これは如何いたしたらよろしうございますか。
#33
○中村正雄君 恐らく各委員とも同意見だと思いますが、國家公務員法その他が客観的に必ず成立しなくてはいけないと、こう言つておられますし、又出でおります。これだけの法案を、幾ら十日間でも審議不可能だということは異論がないと思います。併し何日間の國会の延長が必要かといえば、これは先程の公務員その他の賃金ベースの関係、そうして國家公務員法案と裏表をなすものであると申上げて、又災害復旧費、これもどうしても今國会で提案しなければならんという委員の発言もありましたように、少なくとも補正予算というものは必ずやらなくてはいけない、政府は何日の審議期間が要るかということは、補正予算が何日頃提案されるかということと、補正予算の内容に含まれる費目というものが、どういうものであるかという大体の様子が分らなければ、國会の延長期間の審議ができないだろうと思います。
 そういう関係で、政府の方におきまして、いつ頃補正予算が出るかということをはつきり明言できない限りにおいて國会の延長を審議することは不可能だと、かように考えております。
#34
○委員長(村上義一君) 尚、御参考にですが、衆議院の方でも運営委員会が開会されているんですが、今伺つたところによりますと、これはまだ何とも決まらない、こういうことであります。
#35
○門屋盛一君 大体先程の政府側の言い分を聽いておりますと、なかなか補正予算を組むような氣持ではおらんらしいんですが、常任委員長の要望の中にも、水害に対する補正予算ということは相当強く出ております。又我々としても水害の補正予算も相当重きを置いて考えなくちやならんと同時に、この公務員法は、先程以來中村委員が言われましたように、公務員法と同時に出すということは困難でも、これに並行して新給與の法案を出さなければならん性質のように思うのです。どうしてもこれは財源なんかで困難ではあろうが、やはりそういう緊急止むを得ないところのものは、やはり補正予算で出すのが当り前であろうと思うし、それから又新聞等に傳えられますところによると公務員法が通過した後で、簡単な施政方針の演説をやつて置いて解散するとかいうようなことが傳えられておりますが、言明はなかつたけれども、先程來の政府の態度で言いますと、大いにそういうことが察せられる。私は今現内閣が非常に苦しい立場に置れておる。在野時代にいろいろとおつしやつたことは、今の日本の財政経済の現況からすれば、直ちにこれを予算化して行くことは非常に困難な立場にある、こういうことは我々十分に察知しておる。これを予算化せいということは非常に無理な註文でありますので、できることはできる、できないことはできない、こういうふうな考を持つているという、一國の総理である以上、努めて早い期間に施政方針の演説をやつて、それを國民に知らす、又國民の代表であるところの我々に意見を述べさして貰わなければならん。それに対する発言の時期のないような、時間のないような会期を國会みずからが縮めて決めるということは、國会みずからが自分を冒賣することになる。私は今の政府の苦しい事情には同情するが、十日間ということを政府から案ずる、ことには賛成兼ねる。諸般の事情を推察しますと、大体においてあと三週間、今月一ぱいくらいの会期を見ておくべきじやないか、こういうふうに考えるのであります。それから又会期は國会みずからが決めることであつて、今月末まで見ておいても、政府の都合で解散したいなら会期中いつおやりになつても御随意ですから、この十日間というものを承認して置いて、國会の審議権をみずから縮めるようなことは、この運営委員会においては決めたくない、こういう意見を持つております。
   〔「大体賛成」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(村上義一君) 他に御意見ございませんか。
#37
○門屋盛一君 これは與党側の方でも、この審議権をみずから縛るということについては十分御考慮願つて、やはり一應三十日くらいていうところで御賛成願いたいと思います。解散をやろうと思えば、いつでもやれる。憲法の解釈さえはつきりして置けば……はつきりしておるだろうと思いますが、併しこの参議院は、しばしばこういうことが問題になつた。必ずしも衆議院に追從する必要はないという建前で、三十日ということに御賛成できれば一應決めて置いて、これが決定的のものは衆議院議長と参議院議長と話合で決まることで、参議院の意思決定だけは今日なさつて置いてもよいのじやないかと思います。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#38
○小野哲君 門屋さんの御意見も極めて御尤ものように考えますが、議会みずからが議会の審議権を縛るという事実になつたときには、それは私共甚だ賛成し兼かる、併し第一回國会、第二回國会も、むしろ延長された部分の方が長いのでありまして、そのために從來の先例は、私は確実には存じておりませんが、大体政府の申入れ通りで会期を一應承知いたしております。そうして必要に應じて逐次何回でも会期の延長をいたしております。審議権を拘束したことは結局ない。ですから、それらのことを考えると、先例に從つて一應政府の申入れを受諾するということも、敢て議会の審議権能をみずから縛るのだということにはならんと思います。必要に應じていつでも延長ができると思います。
#39
○門屋盛一君 これは非常に小野委員苦しい御説でございますが、政府の申入れは率直に認めたいということは、すでに先程の委員長懇談会でも、これは審議不可能であるという意見が出て、我々の耳に入つておるのでありますから、十分の審議のできないことは、聰明な小野委員が御承知の筈なんで、これは一つ私の説はその無理じやないと思います。
#40
○矢野酉雄君 これは一つ委員長にお尋ねしますが、例えば参議院で三十日というふうに政府の申入れと違つた会期をここで決めた場合に、衆議院がどうするか知りませんが、十日間という会期を承認したという場合には、結局両院議長が話合つて落着かれるのですか。
#41
○委員長(村上義一君) 大体今お話の通りだと思います。会期は両院議長が協議して決めるということになつております。
#42
○事務総長(小林次郎君) 委員長のおつしやつたことに補足して申上げますが、両院議長が協議してうまく行かないで、別々の議決をするときには、結局衆議院の議決が議決となります。
#43
○委員長(村上義一君) とにかくそういうふうに両院議長が協議することになつておりますから、参議院議長は、この会の意見を尊重して、恐らく協議して呉れるだろうし、又そうして貰わなければならんと思います。今日どうお決めになつても……まだ明日一日会期は残つておりますから、場合によつては明日又改めて御協議願わなければならんかも知れません。
#44
○佐々木良作君 実質的には大体門屋委員の内容になるだろうと思いますから、それに賛成してもいいのですが、建前としては、前例は前例として、余りよくない前例はなくして、なるべく早く直した方がいいと思います。本來臨時國会は、当然に政府はこれこれを審議して貰いたいという内容を出して、そして國会の方で、その内容を審議するには何日間要るという建前で会期を決めるのが本当と思います。今度の場合には今の予算問題もあり、なかなかむずかしいと思います。できるだけそういう方針に近付けるように、通常國会と臨時國会と違うという建前をはつきりするような方法で、なるべく会期の問題を扱われるように希望します。
#45
○矢野酉雄君 大体最前の懇談会でも、只今の正式の議院運営委員会でも、私御意見を承わつておりますと、それぞれの政党の立場ということを十分にお考えになつての御主張のように考えております。私自身の会期問題についての根本の所信は、果してこの民自党内閣が、この臨時國会を十分乘切るだけの、主権在民の我が日本において資格があるかどうかということが根本であります。何も歯に衣を着せて言う必要はないと思います。少くとも緑風会が率先して現内閣の首班を指名したゆえんのものは、断じて民自党内閣そのものを支持するという意味ではなかつたのであります。在野第一の総裁を首相に指名したので、これがあの片山内閣が倒壊した直後の緑風会の主張である。その論理を一歩も讓つていない、その論理から私は主張したいのである。そういう点から考えて、現在の内閣が主権在民の我が國会に民意を問わずして、而も白票を以てこれに應えた政党等もあることは、最前或る議員のおつしやつた通りで、むしろその指名そのものに対する各政党の態度は、相当國民の批判を受けておる現在であるので、むしろ私は率直に言うならば解散を断行して、民意に問うて、然る後に重大な各法案或いは予算というものを審議すべき性格のものであると私は信じておる。そういう観点に立つております私は、ただその純粹な論理だけを進めるわけには行かない國内事情において、殊にどうしても通過せしめなければならん要請の下に置かれておる占領下の日本として、是非緊急に通過させなければならん問題だけを早く國会は審議して、そうしてむしろ堂々と國民に現内閣を支持するや否やというような態度に出ずべきものだと私は思つておるのでありますので、むしろ十日間の政府の要請がありとするならば、それを一應容れて、どうしても國家の緊急なる現状からして、十日間じやできないという場合には、更に政府に会期延長問題を要請せしめるように國会が動いて、そうして一應は先ず政府の意向をここに容れて行くというのが私は正しい在り方じやないかと思つております。これは決して國会自身が審議権をみずから縮小するというような論理にはならんと思う。その論が成立つためには、十日間で必らず打切るという前提の下に立つたところの論理であると私は考えております。故に私は十日間の政府の会期延長の要望を、議院運営委員としては容れることがよかろうかと思うのであります。以上。
#46
○河野正夫君 矢野君は、吉田首相指名について、片山内閣崩壊後の緑風会の一部の人々と言うか、その人々の指名の態度と同じであつたということを、こういうことを今のことには何にも関係ないが、お話になりました。私も緑風会の一人でありますが、全然違います。(笑声)ですけれども、それは今の論点には関係がありませんから、一應そう申上げるだけであります。私はいわゆる冒頭解散論には反対の者でありますが、緑風会は一党一派に偏しないが故に、先程から沢山いろいろ質問もありましたが、成る程それぞれ社会党とか、民主党とかいう方々は、その党派の立場からの御質問もありましたけれども、併しながらその質問の中には、又当然十日間の会期延長を要請し、その上に主要な補正予算の提出時期もはつきりしないようなことの政府の態度の中に何か割切れないものを國民が感じておるのじやないかというその声を、どこか代表しておるような御質問であるかと思うのであります。併しながら又同時にこの國会延長作戰、解散を延長するという作戰を取るのにも私は絶対に同調することはできないのであります。公平な立場から考えて、而も今ここに是が非でも審議をしなければならない事情の法案が三つもあり、時期の関係からどうしても審議しなければならない法案が十六も政府の方から我々に審議を求めておる、こういう状態、更に先程から言うように、多くの方々から申されましたように、災害対策の補正予算も当然この機会に一刻も早く予算化する必要がある状態であります。それにも増してマツカーサー書簡に示されておるように、公務員法改正ということは、当然一方における官公廳職員の福利厚生、給與というものの十分なる改善ということを伴わなければ、これは車の両輪の一輪だけを論議するようなもので片手落ちであります。マツカーサー書簡の眞実の実現にはならない。こういう意味におきまして、これらのものを早く十日間でできるように政府の方から最善の努力と、それから明快な打割つた肚とで申出して來ておつたとしましても、これらの案件は十日間では無理であります。これは多くの委員長の御意見を伺つても当然であります。それ故にこれは我々が見て、政府は十日と要求しているが、我々から見てこれだけの審議期間が必要だという我々の自主的な立場から、これを判定して決定するのが当然と私は思うのであります。その意味において、三週間くらいというのも一つの案でありますし、又小野委員の言われますように、更に十日間というような追加の仕方も、それは技術的には差支ない。十日で打切つて、十日でやらないのだというのでなければいいかも知れませんけれども、それは甚だ不見識でありまして、とにかくここで政府が十日と言うから十日というのではなくして、政府は十日と言うが、我々も最大の努力をしようが、三週間乃至は二十日要るのだからというような、我々の判定に從つてなさるべきだと思います。その意味において、門屋委員の提言に賛成する者でありま
#47
○板野勝次君 私は只今の意見に賛成ですし、今の、提出される法案が公務員法関係が六件と、期限が守られなければならないものが十三件というような、こういうようなものに対する審議期間を常識的に考えて見ましても、政府の申入というものには、何としても別の含みとしか考えることができないと思うのです。從つて参議院では、やはり独自の立場から、この六件並びに十三件の法案に対して、どの程度の日数を要するかということが、どうしても檢討を加えられた上で、会期を決めるということが必要だと思うのです。それから第二には、どうしても給與、災害等の補正予算の予算措置というものが、どんなに考えて見ても出されなければならない。更に総理の施政演説の問題についても、先程の懇談会では、芦田内閣のときにも適当な時期を見てやつたのだ、こういうようなことを総圧は申しておりましたけれども、必らずしもその方法を吉田内閣の場合に踏襲しなければならないというのじやないのですから、やはり総理の施政方針演説、各党の代表質問というようなものは、是非あることを、これはこの際参議院の方の側から要望すべきではないかという点。それから第三番目には、どうしても審議権を制限して來ようとする意図に対しては、どうしても國会議員の審議権を確保する、こういうような立場から、会期の延長を妥当に考慮するのが正当じやないかと思います。
#48
○矢野酉雄君 河野委員の意見と敢えて論議する必要はありません。(笑声)緑風会が天下に向つて明らかに総会の決議を以て宣言した通りでありますから、それで結構でありますが、やはり私は決して十日の会期を以て絶対に打切れという、その前提に立つての私の主張を申上げておらない。何も私は民自党内閣を支持するわけでも何でもありませんけれども、私の最前申上げました立場から、その論旨を発展せしめれば、当然の結論だ。でありますから、会期を更に必要とする場合には要望したら結構でありますので、一應十日を会期延長の期間として認めることを私は重ねて主張する者であります。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#49
○門屋盛一君 矢野委員の先程のお話に、政党的な立場からということを言われた。無論私は政党に属しておりますが、今日の私の発言は、民主党の党議に基いて話したのでも何でもない。ここへ出まして、先程からの委員長との懇談会の空氣から見ましても、十日間では無理である、やはり我々の考ますところ、殊に各常任委員長の発言なされましたところにも、十日ではできないとか、或いは陳情の処理があるとかいうようなことから考えても、三週間くらいが適当でないかというような意見を持つ者でありますが、ただ会期の問題は結論において衆議院と一致しなければならないことでありますから、今日何も結論を出す必要はないのではないか。衆議院の決まりを見て結論を出せばよい。参議院にこういう空氣があつたということの、意見の交換をしたという程度に止めた方が穏やかじやないか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(村上義一君) 今日いろいろ御意見が出ましたが、とにかく明日又改めて御審議願うことにしまして、一應今日は問題というような恰好で保留をいたしたいと思います。
#51
○佐々木良作君 今の問題はそれで結構なんですが、門屋委員のやつは、衆議院の決つたのを見てということがあ理ます。そうでなくて恐らく向うからも相談があると思うのです。この委員会の結論も議長に傳える義務があると思うのです。それで若し明日になるまでに、その相談がある場合には、この両論が出たこの内容をよく傳えて貰いたい。そうでないと、何かこの参議院の方が何もしないことになりますから、おかしいことになります。
#52
○委員長(村上義一君) 承知しました。勿論この会を閉じた後に、議長によく会議の論議の重点を詳細に述べて置こうと考えておるのでございます。お説のように、衆議院議長の方から話合があるときに、よくこの会の論議を趣旨として御承認して貰いたいと思つております。その点どうぞお含み願います。
#53
○中村正雄君 重ねてそのときに一緒に言つて貰いたいのは、会期の延長はこの審議法案によつて國会が決めるわけでありますが、先程たびたび申上げますように補正予算は必要である。補正予算の提出時期が会期を決定する要因になると思う。從つて明日の運営委員会を開かれる場合におきましては、総理大臣がやつて來て何日に出るということを明言して貰いたいと思う。でなければ会期の期日ははつきりしないということを申上げたいと思います。
#54
○委員長(村上義一君) 今中村君のお話の点も、十分そういうふうな趣旨で議長に申上げたいと考えておつたのであります。先刻官房長官も四、五日は最小限度必要である、補正予算を審議する時間としてはというようなことも明言しておつたのでありますが、政府当局もそこに意図があると考えております。
#55
○門屋盛一君 先程の懇談会の模様ですが、官房長官は初め四、五日で持たばければ、小澤運輸大臣に話を言つてくれと言つた。恐らく出さないというふうに、帶を解いた様子ではそうなつておりますが、今中村委員の御要望には必ずこの補正予算を出すという御要望が含まつておると思う。併しその御要望に対して、どうしても今政府は出し得ないなら、出し得ないということをはつきり決めて貰わないと会期を決めることはできか請いのでございます。こういうことなのでございます。
#56
○委員長(村上義一君) 承知いたしました。よく傳えます。
 尚次の問題に移りたいと思うのであります。参議院議員の逮捕について、総理大臣から議長宛に照会が來ているのであります。この問題に入りたいと思います。
#57
○門屋盛一君 議員の逮捕に関する問題につきましては、そのいろいろの内容について関係当局からお伺いしなければならないこともできると思い、そういうことをお伺いすれば、祕密に関することもあろうと思いますので、祕密会に願いたいと思います。祕密会の動議を提出いたします。御賛成を願います。
   〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○委員長(村上義一君) 今門屋さんから動議がありましたが、御異議ないようでありますから、それでは祕密会にいたします。議員及び公務について事務を執る職員以外は御退場を願いたいと思います。
   午後三時三十五分祕密会に移る。
#59
○委員長(村上義一君) これより祕密会に移ります。
 内閣総理大臣から議長宛にこういう書面が参つているのでありますが、参議院議員玉屋喜章君の逮捕につき別紙の写のとおり、千葉地方裁判所裁判官から要求があつたので、憲法第五十條、國会法第三十三條及び第三十四條の二の規定により、貴院の許諾を求める。
  別紙は、
 日記祕第一五二号
  昭和二十三年十一月五日
    千葉地方裁判所裁判官
           須賀健次郎
 内閣総理大臣 吉田茂殿
   参議院議員の逮捕につき許諾を求める件
    住居 東京都港区芝下高輪四
       十三番地
    千葉合同無盡株式会社社長
      参議院議員
           玉屋 喜章
           当七十年
 右者に対する業務上横領被疑事件につき、千葉地方検察廳検事泉川賢治より当職に対し別記の被疑事実について逮捕状の請求があり、令状を発付するを相当と認めるので、憲法第五十條、國会法第三十二條、第三十四條の二により許諾を求めることを要求する。
  被疑事実
   被疑者は千葉市本町二丁目一番地に本店を有する千葉合同無盡会社社長で同会社の業務全般を統轄処理しているものであるが、同会社経理部長稻生清と共謀の上、昭和二十一年三月九日より昭和二十三年三月二日迄の間数回に亘り業務上保管に係る会社所有の現金一千万円位を同会社に於て着服横領したものである。
 こういう被疑事実であります。
#60
○事務総長(小林次郎君) ここに挙げられております関係條文を申上げます。憲法第五十條「法律の定める場合を除いては、國会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。」それから、それを受けまして國会法三十三條は「各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されない。」それから更に今度の改正の結果の條文でございますけれども、第三十四條の二「各議院の議員の逮捕につきその院の許諾を求めるには、内閣は、所轄裁判所又は裁判官が令状を発する前に内閣へ提出した要求書の写を添えて、これを求めなければならない。」この手続によつてこの要求があつたわけであります。詳細のことは……。
#61
○門屋盛一君 事案の起きたのはいつ頃ですか。
#62
○委員長(村上義一君) 今朗讀いたしました、昭和二十一年三月九日より昭和二十三年三月二日まで、丁度まあ二ヶ年間ほどであります。
#63
○矢野酉雄君 関係官廳の方から御説明願えれば……。
#64
○委員長(村上義一君) 今檢務長官が本件について見えておりますから御説明を一つ求めたいと思います。
#65
○政府委員(木内曾益君) ちよつと一應内容に入る前に一言申上げたいと思うのは、この本件のような事件は本年四月一日、いわゆる成文規定が改正されましてから、法の前には万人は平等だという建前で、地位によつてその取扱いを別にしないという根本的な原則から、從來は國会議員等は元の司法大臣の許可を要するということになつておつたわけでありまするから、從つていろいろ事前に詳細の正式報告あつたわけであります。ところがこの成文規定が変りまして、先程申したような理由で変つたので、皆それは現地の所轄檢事正に事件の処理は全部一任するという建前を取つておるわけでありまそ。そこでこの問題につきましては、正式といいますか、まあいわゆる書面その他公式の手続による、我々の方にこれに対する意見を求めて來たわけではないのであります。ただ事案の性質上一應我々の方の了承を得るという程度で報告があつたのであります。從つて十分御納得のいけるよう御説明はできるかどうか甚だ疑問でありまするが、できるだけ私共の方で分つておる点を御説明申上げたいと思います。
   〔委員長退席、理事小林英三君委員長席に著く〕
 先程委員長がお読み上げになりました通り、罪名は横領ということになつておるのでありまして、この玉屋氏が千葉合同無盡会社の社長として、先程申されました二十一年三月頃から二十三年に至るまでの間、この会社の金を一千万円余、いろいろ自分のこと勝手に使つたということが被疑事実の内容になつておるのであります。それでこれは大体取調べの結果、証拠等につきまして、ここで一々詳しいことは申上げませんが、諸般の証拠によりまして、事案は明瞭となつておるのであります。問題はいずれ、この私共に御説明を求められる御趣旨は、これは私の想像でありまするけれども、事案そのものよりもむしろ逮捕を必要とするかどうかという点が御質問の重点ではないかと、かように考えますので、一應この点について御説明を申上げたいと思うのであります。
   〔理事小林英三君退席、委員長著席〕
 それで、一應現れました事件は只今申上げましたような事件でありまするけれども、いろいろ檢察廳において取調べておりますると、まあ殆どこの会社を、まあ自分のもののように考えておつて、その外それ以上の背任、横領等の事件、或いは不当貸付というようなものが相当多額にある。そうしてその関係方面もいろいろあるのでありまして、その後の捜査を進めて行く上におきましても証拠堙滅の虞れが十分ある。從つてこれを逮捕いたしまして調べければならんという考えから、千葉地方檢察廳におきましては、裁判所に逮捕の請求をいたしたような次第であります。
#66
○委員長(村上義一君) 只今檢察檢務長官の御説明があつたのですが、質問がありますか。
#67
○中村正雄君 お尋ねしますが、今我我の尋ねたい点も強制力を用いなくちやいけない理由を聽きたいわけなんで、その御答弁があつたわけなんですが、その理由といたしましては証拠堙滅の虞れありという理由で逮捕要求があつたと、こういうふうに解釈してよろしいわけですか。
#68
○政府委員(木内曾益君) さように御了承願つていいと思います。要するに逮捕の理由には、現在においては、逃走の虞れとか、住所不定とか、証拠堙滅という三つの理由が掲げてあるわけであります。これは逃走の虞れのないことは明瞭でありますし、それから住居の不定でないこともこれは明瞭であります。檢察廳においては、第三の証拠堙滅の虞れありという点で逮捕の請求をするわけであります。
#69
○中村正雄君 現在の段階において逮捕状を出して強制力を使用しなければ、はつきりした事実が挙らない。現在の段階においては起訴するということは未だできないと、こういう御見解なんですか。それとも逮捕をしなくとも起訴は自由にできるわけですから、從つて現段階においては起訴の段階にも行つておらない、被疑は相当程度あるけれども、これを逮捕して然る上調べなければ到底起訴の段階に至つていない。こういう状態ですか、どうですか、お尋ねいたします。
#70
○政府委員(木内曾益君) この点比較的証拠の揃つておるのもありまするし、尚これだけの事実でなくして、いわゆる総額が一千万円を超えるのでありまして、それ以上の点を調べるには今までも又いろいろ証拠堙滅の細工をしたという事実も検察廳においては挙つておるようでございます。で從つて今後更にこの事件の発展の見込がありますし、それを調べて行く上におきましては本人を外に置いたのでは十分なる調べができず、又いろいろの点につきまして証拠堙滅をするということは、前のときいろいろ証拠堙滅をやつておつたという事実等から判断しまして、今後一層その点が甚しくなる。これは事件の全貌を明かにする所以でないというふうに地方検察廳は考えておるのであります。
#71
○中村正雄君 もう一点、今までに任意出頭その他の形式を以ちまして、本人を直接取調べた事実もあると思うのですが、そういう場合にいわゆる強制力を用いなければ取調べが不可能であつたという事実が今までありましたか、なかつたのですか、伺います。
#72
○政府委員(木内曾益君) この事件につきましてですか。
#73
○中村正雄君 そうです。
#74
○政府委員(木内曾益君) その後どういうふうになりましたか、私聞いておりませんが、この事件につきまして、私どもが一應の報告を受けましたのは、先週の多分金曜日頃であつたと思います。その時までは本人は直接まだ調べてない。いろいろの策謀をされるとかいう虞れがあるので、だから任意出頭ということで、調べて、そうして又帰してしまうということが捜査上に非常に支障を來す、從つて技術的には正式な逮捕の手続によるのがいいという千葉検察廳の考えで逮捕状を請求すると申しておりました。
#75
○矢野酉雄君 大体外の御質問が若しないとすれば、これに対する所信をそれぞれ述べる機会を與えて頂きたいと思います。
#76
○委員長(村上義一君) 大体委員長の考えとしましては、檢務長官に質問が終れば、それから委員会で意見を伺いたいと、こう考えておるのであります。先ず以て檢務長官に御質問のある方はおつしやつて頂きたいと思います。
#77
○竹下豐次君 只今甲村委員からのお尋ねの点で、御答弁がはつきり私はいたしませんでしたので、もう一遍伺いたいと思います。起訴するに足るだけの準備が檢察廳においては今日もできておるのであるかどうか、この後更にそれが大きく伸びて行くか否かの問題は別にしまして、現在のところで、もう起訴は確実にするのだというだけの肚が決つておるのでありますか、この後調べなければ起訴するかされないかも分らないのだということなんですか、その点をもう一遍伺いたい。
#78
○政府委員(木内曾益君) 祕密会になつておりますから申上げますが、とにかく或る点につきましては、証拠十分と申上げていいと思うのであります。併しながらこの事案は、私共の報告を聞いておるところだけによりますると、これくらいな小さい事件ではなく、尚関係者も相当あつて、非常に発展性のある事件であるかように見ておるようであります。
#79
○板野勝次君 先程の御説明で、私聞きようが惡かつたかも知れませんが過去において証拠堙滅をやつた形跡があるということと、それからどうしでも今逮捕して取調べなければ堙滅の虞れがあるのだということと、問題は二つあると思います。
#80
○政府委員(木内曾益君) 過去においてやつたのもあるし、今後もそういう虞れがあるというのです。
#81
○板野勝次君 そういう問題で確実なことがあるわけなんですね。予想だけですか。
#82
○政府委員(木内曾益君) 今後の虞れがあるということだけは、要するに今までも被疑事実として現われておる範囲で相当の証拠堙滅を、帳簿改竄とかいろいろやつておつたわけであります。その外檢察廳側においては、背任横領その他、その背任横領も、これは本人の單独の分で一應分つた分だけでございます。この分については、下の会計係とかいうような者はまあ共犯ということになればなるのでありましようが、これは要するに部下の問題でありまして、併しながら他の点についてはもう少し範囲が大きくなるのではないかという見通しを檢察廳は持つておるわけであります。恐らく檢察廳としては、本人の任意出頭において手の内を見せることは、この問題の過去においてかような証拠堙滅をやつたのだから、必ずや今後もやり得ると十分推定できるという考えを持つておるようであります。
#83
○川村松助君 私の聞いておるところによりますれば、玉屋氏が、そうしたことが多くは監督上の不行届でありまして、而も約一千万円という金額に対する弁償をしたというように聞いておりますることが一つ。それからもう一つは、今年の三月までの事件でありまして、今から証拠護なんということがあり得ないようにも考えられまするが、その二点に対してはどうでございましようか。
#84
○政府委員(木内曾益君) 弁償の点は、一應帳簿上はそういうことになつておりますが、逮捕の場合の被疑事実としてここに書いてありまする分につきましては、これは不渡手形でありまして、形だけを彌縫してあるに過ぎないのであります。
 それからもう一つは、目が古いというお話でございますね。どうも今後まだ新しいのが大分あるようであります。要するに、一應本人の単独の事件と見られる点だけがここに載つてあるわけであります。
#85
○小野光洋君 この事件について検察廳で捜査を開始せられたのはいつ頃からですかということを第一に伺いたい。
 それから、引続いてどういう捜査をされたか、そうしてその結果、今会期も十日か、延長されて幾日になるか分、りませんけれども、大体政府の申入れは十日です。こういうような会期が続いたにしても、今後十日間で終るわけです。然るに今特に逮捕を要求しなければならんというようなことは、今まで相当長い経過を持つて来た今日、どうも私共は、敢えて逮捕というような言葉を使うのではないかというような氣もいたすのでありますが、その辺の説明を、……今十日でも待てないのだということをもう少しはつきりと伺いたい。
#86
○政府委員(木内曾益君) いつ頃から捜査に着手したかどいう点につきましては、これは私も聞いておりませんので、はつきりしたことを申上げられませんぷ、これは元々檢察廳においていろいろ内偵しておるうちに職員組合の告発があつたと確か記憶しております。それで捜査を進めて行きましたので、そう前から捜査に着手しておつたものでは、ないように思います。
#87
○小野光洋君 前からでないように思うというのは、いつ頃のことですか、もつとはつきりおつしやつて下さい。
#88
○政府委員(木内曾益君) 先程申しましたように、私はいつからやつたかということは聞いておりませんということを申上げましたが、先月中ではないかと思います。
#89
○小野光洋君 それはどうも違うように思いますね。なんでも玉屋君からこの事件があるということを聞いたのは、今年の三月頃ではありませんか。
#90
○政府委員(木内曾益君) そんなことはありません。大藏省が検査をやつてその後ですから、大藏省が一二ヶ月に亘つてあれを検査しておるわけです。その頃は検察廳ではないのです。それでもつと前にいわゆる金融措置令違反で起訴されておつて、現在起訴されておつて、公判がそのままになつておるという事件もあるわけです。檢察廳として捜査に着手したのは、三月とかそんな時ではないわけです。併し先程申上げたように、いつ頃から着手したかという点については詳しく聞いておりませんが、大藏省が夏頃ずつと檢査をやつておつたわけです。その後のことですから、私はどんなに早くても十月の末頃じやないか、これは私の想像でございますからはつきりしたことは申上げられませんが、とにかく少くとも四ケ月も半年も前から調べておるということでないことだけは事案であります。それからもう一つの点は、恐らく檢察廳は会期はどうだろうかということは考慮に入れてないと思うのであります。現在の捜査の段階において一日も早くこれは逮捕取調の必要ありという考えでその請求をしたと思います。ですから会期がどうかというような点は恐らく考えておらず、事件本位に地方檢察廳は考えておるものと思います。
#91
○小野光洋君 そうしますと、檢察廳ではただ捜査の必要上今必要だからやるのだということで、議員たるの身分の國政上の権威、責任というようなことについてはお考えにならず、とにかくそちらの都合だけでさようなことを言つた、こういうことですか。
#92
○政府委員(木内曾益君) さようなことだと思います。その結果は從つてこちらがご承認になるかならんかは参議院のお考えでありまして、私共はそれまで考慮に入れる必要はないとこう考えておるわけであります。
#93
○小林英三君 今の木内檢務長官からいろいろの説明を、各委員から御質問になりまして、その御答弁を拝聽いたしたのでありますが、どうも検事が國会の承認を得て逮捕するという問題につきまして、長官自身としての確信があるかないかを私は伺つておるのでありますが、而も先程委員の質問の中にもありましたように、会期は十日或いはそれ以上になるか、いずれにいたしましても極めて短い間で、この短い間において果して國会の承認を得て、そうして逮捕しなければならんという本当の理由があるかないかということにつきましては、只今ここに長官自身の御意見はどうですか、その点を先ず伺いたいと思います。
#94
○政府委員(木内曾益君) これは私としては、私個人の意見を申上げるということはどうかと思いますが、大体私共は一應檢察廳側の意向を付度して申上げるのでありまして、大体私共も檢察廳側の考えておる点は尤もじやないかとかように考えておる次第であります。それは先程も申しました通り、会期の問題というものを檢察廳側は私は恐らく頭に入れておらなかつたと思います。又会期がどうなるか、又いつ短かくなるか、長くなるかというような点も予想できないわけでありまして、一方捜査といたしましては、この後に恐らく発展するであろう見通しによりまして、一日も早くこの事件を処理しなければならん。そのために一日も早く……私は院の許諾を必要としないならば、今日すでに本人は入つておるのではないかと、かように思うわけでありまして、從つて一日も早く事件を処理巴、事案を明瞭にいたしたいという考えから、いわゆる本來の検察の面からだけ考えて、勿論政治的考慮というものは全然入れていないということはお答えできると思います。
#95
○門屋盛一君 大体檢務長官に重大な問題でお伺いして置きたいのでありますが、それはこの御説明の当初に前置きで言われましたことが重要な要点ですが、今日の場合如何なる者でも法の前には平等であるという建前から、私も実は檢察廳関係で選挙違反で調べられたことがありますが、選挙違反にいたしましても昔と違つておる。報告が集まつておらん。昔は選挙違反なんか特に集まつておる。特に國会議員であろうと、大臣のことであろうと、先程の檢務長官の前置から言いますと、詳細なる報告を取つていない。取つていないから、ここでは詳しい説明ができないという前置きの下に今までのようなことを伺つたのであります。それは法の前には平等であるということはこれはよく心得でおるのでありますが、事がこうなりまして、國会議賢の身分に関して拘束権を執行するかしないかということにつきましては、今のやはり檢察廳の方では詳細なる調査をやらずにおやりになるのですか。如何ですか。
#96
○政府委員(木内曾益君) こういうような場合におきましては、先程申しましたように、建前はそうなつておりまするけれども、これは建前は先程申しましたわけでございます。併しながらこの事件につきましては先程も申しました通りに、先週の金曜日であつたか、そのことを申上げましたが、向うから報告に参ヶまして、そうして私共もこの最高検察会議に出まして、事案の内容について或る程度報告を聽き、百そうしてどうしても逮捕の必要があるという一應の説明を聴きまして、そうして私共もこれは尤もであろうというので同意の意見をしたわけであります。從つてその程度のことは御説明ができるわけでありまして、私の方で必ず報告しなければならん建前になつていないのだけれども、こういうふうにこれだけの手続は現地が手を踏んでやつているのだということの説明をするという……。
#97
○門屋盛一君 現地では手を踏んだというのでなくて、この稟請をやられますについては特に念を入れられて、檢務廳の方から特に御調査になつたかならないかということ……。
#98
○政府委員(木内曾益君) 積極的には調査いたしておりません。
#99
○門屋盛一君 これは今あなたの説明を伺つている私の直感から受けた影響から行きますと、今少しくその御調査をなさる方がよいのではないか、それとも今のあとからの御説明でもう調査の必要はない、檢務廳としてはもう十分に調べておるというのか、この点をはつきりして置かなければ……というのは、例の西尾問題の折にも調査の必要はないということになつたけれども、これはいろいろやつて見ると、少し起訴が早過ぎるというような結論も出ておる。今は控訴審にかかつておるけれども、第一審ではそういう結論が出ておる。ですからこれはどの程度まで及ぶ事案かは知りませんけれども、今先程どなたかの御質問にありましたように、三月まで置いてはならん、その後新しいものがあつたとしても、その程度なのです。証拠煙滅、今収容してしまわなければ、証拠控滅して手が付けられんようになるものか、或いは新聞等を見ますと、家宅捜査をやつておるそうですから、物的証拠を挙げているのじやないか、あとは人間と人間との問題になるのじやないかと私考えるのですが、そういうことになると、もう一應御調査の必要があるのじやないかというふうに私なんか考えるのですけれども、この点についてくどいようでございますが、今後やはりこういうことはおいおい起ると思うのです。それで建前では調べんことになつております。今お伺いすれば事案はお調べになることになうておる、ですから調べられないという建前になつておるということが、徹底的の調べをやつていないのじやないかというふうに私は感ずるのですが、その点どうですか。
#100
○政府委員(木内曾益君) 先程申上げました通り、私共は報告を聞いて、この程度ならば逮捕の手続をするのも止むを得ないという限界に達しておると、この報告によつて考えたわけであります。
#101
○小野光洋君 第一國会のときも、衆議院の原侑君が軍服問題で開会中に逮捕されるということで彼は辞めた、議員を辞任しました。併しその結果は無罪になつております。これらのことを考えて見て、西尾問題でも同様でありますから、檢察廳で議員の身分を、自由を拘束するという、而も開会中に拘束するということに対しては、相当愼重に考慮を願いたいと思います。その点で私どもは非常に檢察廳のお調べに対して不安を感ずるのであります。荷くも憲法に保障されてある議員の権限を拘束するということに対して、どうもそれは報告を聞いた催けでは、積極的には調べてないというようなことは甚だ私どもは遺憾だと思います。併しそれに対して誰でも同じだと言えばそうかも知れません。特にその点については、政治的にも重要な波紋を描くことでありますから御考慮を願いたいと思います。それから特に本人に対して任意出頭その他の人間的にお調べになつてはまだおらんということでありますが、そうすると漏れるというようなお話があると思いますが、それも捜査上一應御尤もと思いますが、併し物的証拠その他については、そういう万全の処置を講ぜられてないことと思います。特にこの会期の追つておる現状で、どうしてもそれをやらねばならんというようなこと、どうも納得が行かんような氣がします、前例に徴してその点、今まで新憲法、國会において問題になつたのはこれは二回でありますが、第一回が今御承知の通りの結果になつております。第二回の逮捕がこれなんですから、これが又そういうようなことになると、私どもは余り軽率にこれを承認したということになりはしないか、もう一遍……。
#102
○政府委員(木内曾益君) これは先程例を挙げられまして西尾問題にしても、原侑氏の事件にいたしましても、御指摘のように一審において無罪になつたことは事案であります。併しながら檢察廳におきましては、かような判決に対しましては納得し兼ねる点が多多ありますりで檢事控訴をいたして、目下控訴審においてお取調べをされておるような次第であります。併しながらこの場合にも十分軽率にやつたわけではないのであります。先程お話のかような問題を愼重にしなければならんとおつしやつたことは、これは私も御尤もなことでありまするし、檢察廳といたしましても愼重に考えてやつておるのでありまして、尚今後ともその点については一段の将來間違いを起さんように愼重にやつて行く考えでやつたわけであります。それでこの問題について、更に私共といたしまして調査をしたらどうだとおつしやいましたが、調査する必要があるということでありますれば、更に無論調査も命じまするし、再考慮も命ずることもあるわけであります。併しながらこの事案につきまして、私共が最高首脳部会議に事きましての意見は、全部地方檢察廳の現在の捜査の段階において逮捕手続を取るのが止むを得まい、妥当であるという、これを承認したようなわけでございます。
#103
○鈴木直人君 私は要点は、まだ十日間と決つておりませんが、十日というものが待てるか、待てないかという点に問題があります。これは原則は開会中に逮捕できないという、憲法上の原則でできないという、或いは例外と見てもいいと思うのでありますが、そういうような考え方における憲法の條項を今後決定する場合に、先程からのお話を廳きますと、会期ということについては全然念頭になくて、最高会議においてもお考えになつておられるように、ここに来られて初めて会期というものが十日間ぐらいであるというような認識を得られたのだろうという氣がしますが、それで今直ちにそれに対してどうということは、直ぐ十日間というものと関連して、ここで議院としては決定することができないというようなお話でありましたが、何かもつと責任ある方面において十日間という会期、十日ぐらいは待てるのじやないかとか、待てるか待てんかというようなことを、もう一度御檢討をされること、が好ましいと思うのですが、どうですか。
#104
○政府委員(木内曾益君) その点につきましては、先程も申しました通りに、会期というものを私共は考慮に入れていなかつたことは事実であります。又これはどのくらい延びるか、又直ぐ済むか分りません。從つて会期が仮りに今御質問のように十日乃至僅かの期間である。僅かり期間であるならば、一体これだけのものを、それだけの間逮捕手続を待つたならば、捜査に非常に何か支障を來すか、或いはどうかというような点が御質問の要点だろうと思うのでございますが、これは私共の方は一日も早い方がいい、かように思つておるわけであります。が併し参議院におかれて、もともと現行犯式に起つた事件でもないのでありますから、これが又この先二月も、恐らく三月も期間があるという場合とは余程お考えの場合において違うだろうと思いますし、何でございますが、私共の方はとにかく一日も早い方がいいと、かようにまあ考えておるわけでありまするが、参議院においてその御決定をなさる場合に、又その点について御考慮に入れられてどう御決定になるかは、これ又私共がそれ以上のことは申上げられません。
#105
○小林英三君 大体檢務長官の先程からの御意見によりまして、私共はこれを如何にすべきかという判断が付いたと思います。恐らく委員各位においてもそうだと思いますから、質問を終りまして討論に移りたいと思います。
#106
○板野勝次君 逮捕の証拠煙滅の問題については、檢察廳の今度お取りになる態度は極めて妥当なように思うのですけれども、ただ今一点伺いたいのは、又別な事件が拡大して行く。例えば現在では非常に政界、財界を通じて不当財産問題を中心にして粛正の問題が起つておる際、こういうふうなことは遺憾ではありますけれども、できれば一日も早く処理して頂きたいと思います。拡大の虞というものは漠然としたものじやなくて、相当確信を持つておられるか、或いはそうではないのか、何か拡大するだろうというような予想かどうか、そういう点を……今言つているのじやなくて、本人が今逮捕されれば、又一つの事件が拡大する。
#107
○政府委員(木内曾益君) 無論先程も申しました通りに、相当大きく発展する見込みでやつておるわけであります。
#108
○矢野酉雄君 又最初に小林君の意見のように、もう檢察廳の御意向は分りましたので、根掘り、葉掘りいたしましても、最前はつきり長官としては態度を闡明しておられますので、参議院は参議院の独自の立場で意思を決定するようにさして頂きたいと思います。
#109
○門屋盛一君 檢務長官におつて頂きますか。
   〔「もう必要なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(村上義一君) むしろ長官はお邪魔になるわけではありませんのでありますが……。
#111
○政府委員(木内曾益君) よろしくお願いいたします。
○委員長(村上義一君)どうも有難うございました。
 只今いろいろ檢務長官から説明があり、又各位からあらゆる観点から御質向がありました。これから本問題に対し、如何に処理するかという御意見を伺いたいと思います。
#112
○矢野酉雄君 願くば政務次官諸公の御発言は成るべく御遠慮願いたいと思います。
 私はこの問題こそ全く政党政派を超えて、参議院全体の立場から愼重に考えて、この事態を決すべきであるという根本的な意見を先ず申述べて置きたいと思います。過般衆議院におきまして、某議員の或る横領問題について、その某議員は潔く議員たるの資格をみずから抛つて、檢察当局の逮捕に應ぜられたことを私、目の当り見て非常に、その方の態度の立派であつたことを実は考えているのでございますが、第一審の無罪ということで又非常に考えさせられました。只今もここに議題となつている問題は、結局どういうふうに参議院はこれに対して態度を決めるかという場合に、私は通常國会などの三ヶ月の会期がまだ残つておるというような場合と、それから現実のこの問題のごとく、会期が臨時國会であつて非常に短期間である。而も最前の説明によるというと、事件は本年の三月一日までの事件であつて、而も三月一日から直ちに捜査を開始していない、尚説明の中には何か発展性があるかのごとき、いろいろな意見がありましたけれども、書状によるところの、議長に対して逮捕要求をしている、而も公文書を見ますと、そういう点は何ら謳つていないのでありまして、果してそれがここに中央檢察廳の責任ある人が臨んで、そうして詳細なる説明を聽いたのと、今の檢務長官の説明とは非常に私その間相違がありはしないかと思うのです。確かに隔靴掻痒の感がいたしまして、あと十日か或いは二週間すれば会期が終ろうというような際、而も任意出頭において幾らでもその逮捕によつて調査することと実質的には同様のことができ得る。現に前某大臣のごときは頻りに任意出頭で、何ら逮捕されないで或る事件について捜査を受けておるようでありますが、これは前例を開く基になるのでありますから、この書面の要望と、今説明せられたるところの説明の材料とを加えただけの材料では、私は参議院として逮捕に許諾を與えることに対して賛成をすることができないのであります。むしろ憲法において、会期中の議員に対する特別の成文を以て規定して、その國権の最高機関たる構成員たる議員のその権限と義務を十二分に遂行せしめるために、最も強力なる最高の法がこれを擁護しておる精神から推定いたしましても、今ぐらいの程度の、而も今日における條件によつて結ばれておるこの事件についての問題といたしましては、私は逮捕状の請求に対して、むしろ拒絶をするという態度が然るべきでないかという意見を持つ者であります。
#113
○城義臣君 速記を止めて頂きまして、ちよつと楽屋のことを申して見たいと思いますが。
#114
○委員長(村上義一君) 速記を止めて…。
   〔速記中止〕
#115
○委員長(村上義一君) 速記を始めて。
#116
○板野勝次君 矢野君、今の委員の方もおつしやつたので、そういう点に対しても同感でありますし、この院の許諾を求める問題については、十分愼重に考慮されなければならんと思うのでありますが、今の檢察廳側の意向を聽いてみますと、それから只今の委員の御発言から見ましても、それから國民全体としましても、相当今の不当財産等の問題を繰りまして、非常に疑惑を持たれておる、そのことは事実であります。そういう疑惑を持たれておる際でありますし、殊に証拠煙滅の慮れがある。逮捕すれば更に大きく事件が発展するというふうな内容を持つておるのでありますから、若し参議院の本当の意味での名誉を維持する上から言えば、これを今そのままに檢察廳側の要求を拒否してしまつたために、或いは証拠堙滅をしてしまつて、そうして事件がぼやけてしまつたということになるのでは、決して参議院側の名誉とは言えないので、殊にこの横領、詐欺等は破廉恥の問題に関係しておるのでありますから、それが一日も早く明らかにされて、その事件が実際にやつておられるのか、そうではなかつたかということを速かに明らかにして、その個人の人の体面をどちらかに決定するということの、そういろ方がむしろ却つて私は議院の名誉を保つゆえんではなかろうかと思うのであります。前の衆議院における原侑氏の場合は、あのようにして議員を辞任されたから、問題はあの條項に対する発動の必要はなかつた。併し今度の場合に、そういうこどが若し期待されるのなら別といたしまして、そうでないならば、私は当然そのような破廉恥罪に関するものでありますから、黒白を速かに明らかにして、そうして証拠堙滅の虞れがあるだろうというふうな疑惑を持つて見られておるものを明らかにするという必要から、やはりこれを承認するという態度に出るのが、今のいろいろな疑獄事件が起きておる際に非常に大切なことではないか。ただこれがそういうふうな破廉恥罪等に関するものでなく政治伊等の犯罪で、こういうことのためにいつも逃亡するとか、或いは住所不定であるとか、いろいろな理由を付けられて開会中に議員の活動を政治的に、政略的に制限する場合の逮捕というものは、我々はどんなにしても憲法の保障しておる條項を堅持しなければならないと思うのでありますが、この場合におきましては、私は当然その檢察廳側の申入れに承諾を與えるのが正当な道であり、且つ参議院の本当の意味での名誉を保つゆえんだと思うのであります。
#117
○中村正雄君 私も結論は承諾を與えるべきだという意見ですが 私の申上げますのは、これはこういう問題につきましては、参議院としまして、党なり個人を離れまして考えなくてはいけない問題で、ただ現在開会中におきまする議員の逮捕につきましては、院議を要するという点につきましては、私が申上げるまでもなく、どういう観点から承諾、不承諾を與えるかということになりますれば、これは檢察廳の権力によつて、議員としての行動を束縛するというような懸念がある場合は別でありますけれども、犯罪の嫌疑が濃厚であつて而も議員は会期中には逮捕されないという特権を議員は與えられておるものではありません。從つて議員と雖も、一般市民と同じように、犯罪の嫌疑が濃厚であれば取調べられるの慶当然であります。併し時の政府が権力を以て議員の行動を束縛するというために院議に諮ることになつているのでありまして、今聴いておりますと、檢務長官のお話によりますと、相当最高首脳部会議も開かれて、いろいろの関係もあつて、これは証拠煙滅の慮れありというように認めておりますし、尚一應強制力を使わなければいけない段階に達しているのだというように言明いたしておりまするが、我々としても、他に政治的な行動を束縛するという弊害が認められない限りにおきましては、私はこれに承諾を與えるのが妥当ではないか。而も逮捕に承諾を與えるということが、その人の犯罪を國会が認めたということでは毫もないわけでありまして、これは裁判所におきまして有罪無罪の判決によつて決定するわけであります。従つて逮捕に承諾を與えるということは、何ら政治的な弊害がないという理由によつて與えるわけであります関係上、私は当然與えるのが妥当ではないか、かように考えます。(「名論」と呼ぶ者あり)
#118
○門屋盛一君 その要求の来た場合には、何日以内にこちらが許諾を與えるか、與えないかと、いうことを向うに回答しなければならんような期限がありますか。
#119
○事務総長(小林次郎君) ありません。
#120
○門屋盛一君 私もこれは檢務長官の説明を聽いていると、いろいろに判断できるのですが、恐らく正式に要求されたのは、参議院としては初めてである。それから衆議院で原さんの問題があるのでありますけれども、そういう結末がついた。非常に愼重に研究し考えて見たいと思いますので、今日私の意見を出すことを御猶予願つて、この問題を、期限がないのでしたら、一日、二日考えさして貰いたいと思うのでありますが、如何でございましようか。(「賛成」と呼ぶ者あり)これは中村委員の説も、板野委員の説も御尤もなところもあるし、又矢野委員のお説も一應御尤もだし、(笑声)非常に何だか妙なキー・ポイントになりそうでありますから、愼重に考えて見たいと思います。是非一つ御承認願つて結論を出すことを御猶予願いたい。
#121
○鈴木直人君 希望いたしますが、成るべく満場一致で結論を出すようにしたいと思います。
#122
○委員長(村上義一君) この問題は申上げるまでもなく、非常に重大な問題であると思うのでありますが、皆さんも愼重の上にも愼重に御考慮願つておると思います。從つて門屋君のような御意見も出たと思うのでありますが
 如何いたしましようか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(村上義一君) 一両日……。
#124
○板野勝次君 それじや一日、二日というのでなくて、今日初めてですから、明日ということに期限を切つて貰つて、私は賛成いたしたいと思います。
#125
○河野正夫君 私は意見については申述べませんが、一日延期という説に……一日というのじやなく数目延期しろという説が出たので申上げたいのでありますが、ちよつとこのことについては、今中村委員が言われたのは実に明快な論理だと思うのであります。今我々は事件を聴いたばかりで、もつと愼重に考えなければならんということは、これは成り立ち得る考え方であります。けれどもそこに数日の猶予という意味が、二つの立場から起され得るのであります。これは皆さんそうであるというのじやありませんけれども、仮想して見て二つの立場が考えられるのであります。
#126
○委員長(村上義一君) 河野君にちよつと申上げますが、一両日というのと明日……。
#127
○河野正夫君 私は明日を主張したいために申上げているのであります。その一つは、主屋氏の立場に個人的な同情を持つというような考え方、そうではなくてもいいのですけれども、玉屋氏に組する側でありますが、もう一つはそうでない立場であつても、他の方面において、全然今の政党とは無関係な面においてでも、やはり同様な件がどつかで起きて來はしないかとしうことも、噛合わされていはしないかという噂を私は聞いているのであります。そういうような時節柄、参議院が荏苒として決定を延ばす、いうことは、参議院の名誉に拘わります。それで慎重にという意味で、もう一晩二十四時間お考え下さることは、二十四時間にならんかも知れませんけれども、明日には十分に決定できるようにお願いしたい、こう思います。(「門屋君の動議に賛成」と呼ぶ者あり)
#128
○門屋盛一君 私は何も他党のことや、他党というは、我が党が指されているとも、各党が指されているとも知らんが、政党の腐敗をこのまま置くということには、賛成できない。その意味において私は賛成であります。どうしても明日か明後日まで、それで一両日と申上げているので、ただ荏苒と日を延ばすというのでない。ただ明日は又会期の問題とか、いろいろの問題がありまして、忙しいのじやないかということを前提に入れて、一両日と幅を持たしてあるのであります。明日は絶対に結論を出せと言われると、実はこれは速記に載せてもいいが、御承知のように、私のところは非常に多事多端の折になつておりますので、頭が混乱しております。これは問題にならんでしようが、なるたけ一つ一両日にということを……。
#129
○委員長(村上義一君) いろいろ御意見がありますけれども…。
#130
○小林英三君 門屋君の含みのある動議に賛成いたします。
#131
○佐々木良作君 一両日というより、今のこの問題は余り空白をあけてはいかんと思うのです。とにかく明日はやらなければならん。そうして、どうしても結論を得なかつたら、延びるかも知れませんけれども、とにかく明日はやることにして頂きたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#132
○委員長(村上義一君) いずれにしても、明日又運営委員会を開かなければならんと思います。今夜大いに考えて頂いて、明日一つ衆議が纏まれば結構であります。非常に困難なようならば、これは又その時に決めたらいいと思うのでありますが、明日一つ審議をお願いします。
 面この問題につきまして、これは秘密会で進行いたしましたが、速記は取つております。この速記録を公表すべきや公表すべからざるやということを、お決め願わなければならんのでありますが、とにかくこれは公表しないということで、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
#133
○委員長(村上義一君) それじやさようにいたします。これで秘密会を閉じます。
   ―――――・―――――
   午後四時四十五分祕密会を終る。
#134
○委員長(村上義一君) 秘密会を終ります。次にもう一つ問題がありますから……。
#135
○事務総長(小林次郎君) 明日の日程のことをちよつと申し上げます。明日午前十時から開会のことにいたしまして、両院法規委員会規程中改正案を上程いたします。それから法制局の定員に関する件、それから請願及び陳情、これは在外の引揚の前委員長から報告があります。それで明日とにかく会期延長は、明日だけで目が限られておるわけでございますから、明日どういうようになりますか日程には掲げませんが…。
#136
○委員長(村上義一君) それじや委員会は…。
#137
○佐々木良作君 さつきの、これの記録の一應公開されないという意味は、結論が出るまで公開されないという門屋氏の提案の意味でしようか。
#138
○委員長(村上義一君) いや、とにかく決定は最後にしたいけれども今日の分を直ぐに公表することは、これはしないで置くということであります。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#139
○板野勝次君 十時からというのは運営委員会ですか。
#140
○事務総長(小林次郎君) 本会議です。
#141
○委員長(村上義一君) それではこれで閉会いたします。
   午後四時四十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     村上 義一君
   理事
           中村 正雄君
           小林 英三君
           大隈 信幸君
           鈴木 直人君
   委員
           松本治一郎君
           小野 光洋君
           川村 松助君
           城  義臣君
           鬼丸 義齊君
           門屋 盛一君
          橋本萬右衞門君
           平野善治郎君
           奥 むめお君
           河野 正夫君
           竹下 豐次君
           中川 以良君
           矢野 酉雄君
           板野 勝次君
           佐々木良作君
           小川 久義君
  政府委員
   檢務長官    木内 曾益君
  事務局側
   事 務 総 長 小林 次郎君
   参     事
   (事務次長)  近藤 英明君
   参     事
   (記録部長)  小野寺五一君
   参     事
   (議事部長)  寺光  忠君
   参     事
   (委員部長)  河野 義克君
   参     事
   (警務部長)  青木  茂君
  法制局側
   法 制 局 長 奧野 健一君
   参     事
   (第一部長)  今枝 常男君
ソース: 国立国会図書館
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