くにさくロゴ
1948/11/09 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 議院運営委員会 第5号
姉妹サイト
 
1948/11/09 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 議院運営委員会 第5号

#1
第003回国会 議院運営委員会 第5号
昭和二十三年十一月九日(火曜日)
   午前十時二十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○会期延長の件
○水産委員会調査主事任命の件
○玉屋議院逮捕要求に関する件
○議案の取扱に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(村上義一君) それでは運営委員会を開会いたします。本日は会期延長の件を御審議願いたいと存じます。
#3
○事務總長(小林次郎君) 昨日委員長から議長に対して、こちらの空氣をよくお傳えせられました。それからなお五時半頃に衆議院から電話で、向うは二十一日間、会期を延長することに大体決めたから、一つ御協力願いたいという電話がございました。更に衆議院議長みずから、こちらの議長を訪問せられまして、いろいろ向うの空氣をお傳えされ、こちらの空氣も議長からお傳えになり、御相談になりました結果、両院議長においては、二十一日が然るべしということに一應御相談ができたわけであります。それでこの際皆さん方の御同意と得まして、お決め願いたいということなんであります。
#4
○委員長(村上義一君) 尚御参考に申上げますが、通常議会を十二月一日に召集するという手続きを政府は進めておるようであります。御参考に申上げて置きます。
#5
○矢野酉雄君 私は昨日会期の延長について、十日の政府の要望を大体承認すべきであるという私の主張をいたしました。併し衆議院において、すでにこれが運営委員会において議決せられ、両院議長がそこに了解になつておる以上は、昨日申上げました通り、十日に限定したというのではなくして、必要の場合には、権限に應じてこれを延長して、愼重審議のできる会期を作つて結構であるという、その條件の下に私の主張を申出たのでありまして、衆議院の議決にこちらも順應して、二十一日の会期の延長を心から賛成するという私の態度であります。賛成いたします。
#6
○城義臣君 只今矢野君からのお話しがありましたが、民自党といたしましても、全くこれに対しては同感であります。同様の趣旨でこれに同調したい。こう考えております。一言党としての立場から申上げておきます。
#7
○委員長(村上義一君) その他御意見ありませんか。
#8
○門屋盛一君 昨日申上げた通り賛成であります。
#9
○委員長(村上義一君) 別に御異議ないようでありますから、本月中、つまり三週間延長するということに決定いたします。
 尚この際、水産委員会の書記を任命することについて御審議願いたいと思います。
#10
○事務次長(近藤英明君) 水産委員会委員長から、水産委員会の調査主事、三級の主事でございますが、調査主事の任命の承認を求められております。名前は林義雄、生れは明治三十一年十月三十一日生れ、大正八年に新潟縣立の水産学校卒業、それから台湾で台南州の雇、それから書記を経まして、昭和十四年から大半台南州における技手、続いて高雄州の技手、いずれも水産関係の技手の職務に就いておられた人であります。それから昭和二十年に高雄州の水産業会の技師を拜命し、昭和二十一年の三月十四日に依願免官になつて、二十一年の三月二十二日に引揚げて内地に帰つておられます。以上の履歴であります。
#11
○委員長(村上義一君) 御異議なければ、承諾したいと思いますが、如何ですか。
#12
○佐々木良作君 異議はありませんが、これは専門員、二級の調査員、それから三級の調査主事、各々原則として從來入つておる人、これに余り不安を與えないというのが、從來からの申合せのようになつておつたのですが、新らしい採用によつて前の人に関係があるかどうか、その辺ちよつと聴きたいと思います。
#13
○矢野酉雄君 その点、僕は水産委員だから申上げます。今の承認を求めておる候補者は、水産委員会でよく檢討いたしまして、今佐々木君から御質問の御心配もなく、今空席になつておりますので、前任者を馘首して然る後入れるという手続でありませんから、何ら人的異動はございません。是非御承認願いたいと思います。
#14
○佐々木良作君 從來から欠員であつたのですね。
#15
○矢野酉雄君 そうです。
#16
○門屋盛一君 私の方はこの承認には異議がないのですが、大体運営委員会で國会職員の人事を扱うということになりますと、非常に大きな人事はこの委員会で審議する必要もありましようが、あの時にも事務総長一任にするとか、いろいろの説もあつたのですから、こういうことは一應ここにお諮りになつて、小委員会で選考して貰う。初めから庶務小委員会に持つて行くか、何らかの扱い方を、この際決めて置いた方がいいのじやないか、こういう意見を持つております。一々これをこの会議でやりますか。
#17
○矢野酉雄君 門屋さんどうでしようか、それぞれ常任委員会、或いは特別委員会等がありますから、そこで委員長初め委員が選考して、その儀を経て、ここへ持つて來ますから、或る意味において、これは形式的にこれを承認するというような法的性格を持たせるだけに止めて、複雑な二重の手間なんか要らんじやないかと思うが、どうでしようか。
#18
○門屋盛一君 常任委員会の方はそれでいいのです。ところが私の申上げるのは、一般國会職員の扱いを、一々本委員会で扱うよりか、庶務小委員会の方にいろいろの審査方をお願いした方がいいじやないかと思います。
#19
○佐々木良作君 今の問題ですが、各常任委員会で推薦するのだから、いいといえば、いいようなものなんですが、ここで相談するようになつたのは、各委員会だけで、そこで決めるようにすれば、やはり弊害があるというので出て來たので、ここでやるのは形式的でまずいと思うのです。何らかの方法で、委員会の横のバランスが取れるような措置が、どこかで取れるようにして行かんと私はまずいじやないかと思う。今ここでぽつと出されても、これは嫌ということはちよつとできんような関係で、殆んど形式的な承認を與えるだけになるので、何か実質的な、常任委員会からの推薦が大体優先はするのですけれども、他の委員会とのバランスを考えて何かできるような措置が、今門屋委員から言われたような意味で、どこかでやられるようなことを希望したいのですが、ここで形式的なことは形式的に適当にやつていいと思います。
#20
○委員長(村上義一君) 只今議題になつております水産委員会の書記を任命することを承諾するという件は、御異議がないようでありますから、決定いたします。門屋委員からの御発議、又佐々木委員からの御意見、これに基いて何らか具体的な案を考えて、改めて御審議願うということにいたしたいと思いますから、どうぞお含み願います。
 それでは十時半から小委員会が開かれることに予定されておりますので、玉屋君の件その他については、一應本委員会は休憩いたしまして、午後一時半から続開して御審議願いたいと思います。さよう御承知を願います。これで休憩いたします。
   午前十時三十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十一分開会
#21
○委員長(村上義一君) それでは午前に引続きて委員会を再開続行いたします。昨日一應御審議願いました玉屋君の逮捕要求の件を一つ御審議願いたいと思います。只今御挨拶がありましたように、法務総裁も御出席下さいました。尚政府委員も見えております。尚昨日のごとく祕密会にしたら如何かと思うのですが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○委員長(村上義一君) それでは秘密会にいたします。委員の各位、法務総裁、政府委員、事務の関係者以外は御退場を願います。
   午後二時十二分祕密会に移る。
#23
○矢野酉雄君 門屋君がしきりに昨日から法務総裁の出席を求めて、右にし、左にする結論いずれにしても、参議院としては愼重にしたいという発言を強く言われておりましたが、何か特別の事情で門屋さんは今日見えないのですか。
#24
○大隈信幸君 もうじき参ります。
#25
○委員長(村上義一君) 尚今矢野さんから御発言がありましたが、門屋委員は、第一に本問題が議題になるということを御承知だそうでありますから、もう間もなく見えることと思います。
#26
○平野善治郎君 昨日玉屋委員の問題につきまして、政府から送達された文面を私は聴いたのでありますが、私の聴き違いの点もあるかも知れませんが、あの文面を聴いただけでは、本人を今直ぐ逮捕しなければ証拠の湮滅があるとは思われない。その後木内檢務長官から、その他の問題があつて、そうしてそれが非常な進展をするようなふうに御説明がありました。これも私は違つておるかも分りませんが、それで私共といたしましては、こういう問題は愼重にこれはすべき問題でありますから、政府が送達する場合に、お話でいろいろ御説明する点がありましたならば、これを立派に理由として書いて、そうして貰いたい。どうも木内長官の話を聴いて見ましても、一應のことは言いますけれども、建前といたしましては、千葉の検察廰が実際取扱つておつて、御自分ではそう詳しくもない点が多々あるようであります。我々のところへ書類として参りましたものは、昭和二十一年の三月から今年の三月までの事件につきまして書いてありまして、もうその問題は証拠の湮滅というようなことはあるまいと、取調べも一應ついておりますし、非常に前の問題でございますから、帳簿、或いはその他については、今この臨時國会の短期間の期間内に逮捕して調べなくともいいのではあるまいかと、こういうふうに判断をするのであります。併しその後のいろいろ重要な問題があるといたしますれば、その点も附記して参るなりいたしましたときには、これ又愼重に檢討を加えたいと、こういうふうに私は思つている次第であります。
#27
○政府委員(木内曾益君) 総裁から御答弁になるのが適当かと思いますが、御承知の通り昨日総裁は御着任にならればかりで、私共といたしましても、まだゆつくり総裁にお目にかかる機会もないので、事件の報告もしておりません。そのことは総裁は御存じなので、私から代つて御説明することをお許し願いたいと思います。
 先程のお話で、参議院の方へ提出しました書類に現れておる犯罪事実については、私は全部がもう明瞭だと昨日お答えしたわけではないのであります。大体のことは他の証拠等において推定できるが、併しながらこれを起訴するまでには、尚本人を調べなければならない点が残つている。それからこれが尚大きくなると、いろいろ他にも犯罪の疑いがあるということは昨日も申上げました通りでありまして、さような点についても十分取調べをしなければならないわけであります。それでさような点までも、政府から出された書面に書いて置くのが相当ではないかという御意見も一應御尤ものようでありまするが、大体國会法のこの改正によりまして、從來のも私共が扱つておりました手続とは変つたように存ずるのであります。前國会における原衆議院議員に対する逮捕の場合は、これは檢察廰から法務総裁を通じ、そうして政府から提出するようになつておりましたけれども、國会法の改正によりまして、檢察廰から逮捕状を求めるについて院の許諾を得る手続きをすべきものではなくして、先ず逮捕状の請求を裁判所にして、裁判所がそれを受けてから、果して逮捕すべきや否やを判定して、逮捕すべきものと考えました際において、裁判所から逮捕についての院の承諾を求める手続きに変つたように了承いたしておるのであります。從つて裁判所といたしましては、檢察廰から逮捕状の被疑事実として挙げられました以外のことについては、裁判所は了承していないわけでありますから、從つて裁判所が、実はこの書面に適う部分について記載がないというのは、これは当然のことと思うのであります。又檢察廰といたしましても、逮捕状を請求する場合に、一應この点について、この被疑事実について逮捕の手続きをしようと考えた場合におきましては、その事実だけで請求すればよいのであります。從つてさような御疑念がありました時に、先ず檢察廰側を代表しておる私共の方から御説明を申上げて、それを補足いたすというのが一番妥当ではないか。かように考えましたので、昨日私といたしましては、実は少しく言い過ぎるという程度まで腹を割つてお話申上げたわけでございまして、これを以てその点につきましては、御了承を願いたいと存ずる次第でございます。
#28
○矢野酉雄君 私は昨日からの長官の御説明を聴いておりましたが、最前平野君からの御意見が出たように、これは人によつて説明は幾らでも違います。而して人間は感情の動物でありますから、その説明の如何によつて右にもなり、左にもなり得る可能性が十分にあります。だからこういう未だ曾つてない、國会初まつて以来の問題を議するような場合には、成るべく公文書に説明を附加する必要のない程度の公文書を以て、実は逮捕状に承諾を求めるようなふうに運んで頂きたい。今でもまだ結論は出ておりませんので、本当ならばそのくらい愼重にして頂きたいと思います。卒直に申上げますというと、尚この機会にはつきり申して置きますが、矢野はこの問題のために、事前に何か他の政党等と打合せをして、寸亳も僕の所信を変更したりなんかしていないということはお含み願いたいと思います。はつきりした嚴然たる私の堂々たる信念の下において申上げておることは、これは蛇足でありますけれども、敢て申して置きます。昨日からの長官の御説明だけから見れば、結局住居のどこかに隠れるというような、そういう逃亡の虞れもない。それからもう一つの條件であります。何でありましたか、三つの條件の中の二つは何ら杞憂することはない。証拠湮滅の問題ばかりである。そうしてあの公文書で以て表明せられておるところの材料であるならば、而も十日か二週間程度の会期の延長というような條件の場合においての具体的事実としては、承諾を與える必要はないじやないかというような断案を下すような私は心境であつたのでありますが、会期の問題がありますので、又違つた考えを持つておりますけれども、それはまだ只今発表することを差控えますけれども、法務総裁もおいでになつておりますので、平野君の御所見の通りに、こういう問題を取扱う場合には十二分に、人によつて説明が違う、如何ようとも判断ができるような、そうした相違のないような確実なる材料を取揃えて、そうして要請して頂くというようなふうに運んで頂くように強く私は要望して止みません。
#29
○國務大臣(殖田俊吉君) 只今平野さん、矢野さんからお話のありました点について申上げますが、私は実は昨日初めて法務廰へ顔を出しましたような次第で、事前にこの問題につきまして報告を受けておりませんでしたので、詳しく私の意見を申上げることのできませんのは甚だ残念だと思つておりますが、但し只今矢野議員からお話のごとき、今後の取扱につきまして、私誠に御尤もな御意見だと思います。十分注意いたしまして、的確なる且つ明瞭なる書面を以ちましてお願いするように取扱いたいと思つております。
#30
○川村松助君 今度のこの問題は、参議院に取りましても初めての問題でもありますし、旁々できることなれば、先ず第一回から整備された資料を配布して頂きたいと思います。如何でございましようか。
#31
○國務大臣(殖田俊吉君) 只今の、その今の取扱の仕方でございますが、どの程度詳しく、どの程度に的確に申上げるかは、何か檢察上の技術もあるようでありますから、檢務長官からお答えいたせます。
#32
○政府委員(木内曾益君) その問題につきましては御尤もな御質問でありまして、これを決定される場合に、有力な資料である捜査記録をお目にかけるのが一番いい方法であると思うのでありますが、御承知の通り捜査の段階におきましては祕密を要する問題でありまして、從つてこれを予め公にするということにつきましては、いろいろ論議もあることと思います。又私共の方といたしましても、今後の捜査の進展の必要上、そういうふうな形は取りたくないという考えを持つておるわけであります。
#33
○門屋盛一君 私は昨日以来申上げましたように、このことは先程川村さんのお話もありましたように、参議院としても初めてのことである。檢察廰の逮捕請求が必要であることは概念的に思えるのでありますけれども、國会として一つの例を残す、一つのあれを、形が決まるという建前から、最も愼重に扱わなければならんという建前から、昨日は祕密会、そうしていろいろと御質問もしたわけでありますが、尚今日法務総裁がここにお見えになつておりますから、今日お見えにならなければ、法務総裁の御出席も願いたいとこういうことを昨日から考えていたわけであります。大体あまり諄く話しますので、昨日委員の方からも、何か民主党なり、門屋もそういうことになりそうなんで、そんなことをやつてるのじやないかというお話も出るくらい諄く言つておるんですが、そういう意味で言つておるんではない。苟くも憲法及び其の他の法規によつて、議員の逮捕ということが愼重を期せられることになつている以上、これは慎重を期して行かなければならん、こういう建前で申上げておるんです。そこで昨日祕密会における檢務長官の御説明を伺いましても、今の法務廰の建前上、本当の詳しい報告を受けていないということが前提になつておることが一つと、その説明を伺つて行きまして、これ以上もう少し調査をされるか、更に報告を求めて考え直す余地はないかと言いましたら、檢務長官としては考え直す余地はないということであつたんですけれども、その点を法務総裁を御出席願うのは、法務総裁としては、今日このくらいな資料を國会に出して、今後の國会議員の逮捕というものが、これくらいの資料によつて我々が判断して行かなければならんということになると、今後の運営の前例になる。
 それからもう一つ、これは少し國会として言うことでないかも知れませんが、現在の逮捕要求というものが、檢事が判事に出す書類は、誠に杜撰極まるものであります。額縁一枚で行くばかりです、本当の詳しい書類は殆ど附けない。それは或いはそれらの手続法規の杜撰な点に原因があるかと思うのですが、実際はもう本人の自供によりなんていつても、自供の書類等は附いて出ていないことが多い。そういう点から考えましても、もう少し詳しい資料が欲しいということ。
 もう一つは昨日の御説明を伺いましても、ただの一度も任意出頭の形式によつてでも本人をお調べになつていない。この点は我々國会としては、非常に愼重を期さなければならない。ただ外から集つた資料によつて疑いを掛けておるということであつて、任意出頭は何らかの形式ででもお呼びになることができる。現に東京地檢においては、國管問題に関することで事前参考人として、数人の國会議員をお呼出しになつておる事実がある。その点から考えましても、逮捕状を出して來なくても任意出頭の形でできると思う。それに対する檢務長官のお答は任意出頭で呼出せば、こちらのつまり検察廰側の内懐ろを見透されるという虞れがあるから呼べないというこういうお答えであつたが、これらは單に國会議員であるのみならず、一般人権を尊重する点からいいましても、検察廰の考え方は少し間違つておるんじやないかと思う。こう考えるのです。そういう点から考えましても、平野議員から提出されてある資料を書類で以て提出して貰いたい。
 それから先程檢務長官が祕密が洩れると言われましたけれども、当委員会は当初からこの事件を慎重に取扱いまして、この問題が議題に供せられると同時に、祕密会にしてやつたくらいでありますから、この祕密の保持ということは、我々は職責上十分できる。この祕密が洩れるということは、檢務長官は國会を侮辱されておるのではないか、我々國会議員に祕密が洩れるということは、國会議員を余り信用されていない、こういうふうに思えるのですが、法務総裁の方の御意見を伺いたい。
#34
○國務大臣(殖田俊吉君) 私からお答え申上げます。只今門屋委員の御意見は御尤もであります。私は実はどういう書類を差上げてどういう要求をしておるか存じません。甚だ相済まんことでございますが、実は私の就任前にこれが出ておりましたんで、今日先程檢務長官に実は内容を聞いたわけでありますが、成る程門屋委員のお話の如き点が相当あると、私も考えております。但し只今出ております問題はどうぞその儘十分に御審議を願いまして、今後は只今申されましたような点につきまして、よく相談いたしまして、十分の考慮をいたしたいと思つております。現在出ております問題につきましてお分りになりません点は、もつと……できるだけのことは事務当局から説明申上げておりますから、その点お許しを願いたいと思います。
#35
○政府委員(木内曾益君) それからその祕密云々の問題でありますが、これは私から一應弁明さして頂きたいと思います。祕密が洩れるということはここで洩れるという意味じやありませんので、いろいろの他の名誉の……その人ばかりのことが記録の上に現われておるのではなくして、いろいろの人の名前も出て來るわけであります。その人の名誉を考えて祕密を守るという趣旨でございますから、一つ御了承願いたいと思います。
#36
○矢野酉雄君 私は長官の御説明は実に合点が全然行きません。なんとなれば書面で報告することをいけないという、それを否定すべき積極的のそこに根拠がなければあなたの御意見は成立たない。書面を簡素にして、そうしてそれができないのは口で説明する。口で説明せられるそのことと、それと同じ程度と質のものをお附加えになるということはどこに違いがありますか。それを口頭による御説明を公文書としてお出しになることは、絶対に祕密の漏洩のないという條件さへそこにあればですね。これはあなたの論理は全くいわゆる矛盾撞着しておるのです。若しもあなたの所信をお通しになろうとおつしやるならば、公文書でお出しになつた以外は御説明できない筈である。それは全くあなたは矛盾しておると思います。むしろその点は自分で誤ちがお氣付きになつたらばお取消か、適当な処置をなすつたらよかろうと思います。私達の申上げておるのは、あなたのここで御説明のできる、或いはあなたに代るべき人が出て御説明のできる程度のものだつたら、それを公文書でお出し下すつていても、何んらそこに矛盾はないということです。
#37
○政府委員(木内曾益君) 御趣旨御尤もでありまするが、今度書面にして参りますと、ここが祕密会になりましたから申上げるのでありまして、それが若し書面にそのままにして参りますれば、参議院へ参るまでの間において幾多の手を経るわけであります。そういう点も考慮しておるわけでありまして、ここで申上げることを全部その儘書面にするということは、ちよつとできかねる点もあると思うのであります。
#38
○門屋盛一君 今檢務長官の御答弁の中に、その要求をされておる議員のことのみならず、ほかの人の名誉に関するものがあるからできないというのうな御意見でありましたが、それはどういう意味ですか。
#39
○政府委員(木内曾益君) それはいろいろの場合によりましては関係者が……犯罪というものは一人でできるわけじやないのでありまして、いろいろの関係者もあるわけでありますから、さような人を今すぐ逮捕するとか、或いはしないかという問題が起きていない程度の人で、いろいろの関係者の名前も出ておるわけであります。でさような人の名誉も考慮するという意味でございます。
#40
○門屋盛一君 併し犯罪にならなくても、一つの事件が起きたら、それに名前の出る人はいつの場合にも沢山あるのじやないかと思います。
#41
○政府委員(木内曾益君) それは起訴いたしますればこれは公けになるわけでありますその前は捜査は密行するという建前から出ておるわけであります。若し起訴されまして後の公判記録になりますれば、これはもう……。
#42
○門屋盛一君 いや、それは祕密会とかいう必要はない。起訴状になればですね。私の質しておきたいことは、國会に持つて來れば祕密が洩れるというふうに取れるのですがね。
#43
○政府委員(木内曾益君) 國会に持つて來れば祕密が洩れるという意味じやありません。先程のお話の書面にすれば……。書面に問題でしよう。書面にもつと書いておけという問題でしよう。
#44
○門屋盛一君 そうです。
#45
○政府委員(木内曾益君) だからここへ持つて來るまでの間において、とにかく先ず裁判所は内閣へ書類を出すわけでありますから、内閣からこちらへ提出するということになつておるわけであります。だから國会へ來るまでの間において、これはいわゆる祕密会のようなこととは性質が違うわけでありますから、いろいろの人の手を経るわけであります。その点を申上げたわけであります。
#46
○門屋盛一君 ただ私がしつこく言いますのは、今出ております程度では資料は足りないと思います。大事なことを決めるには資料が不足しておる。これに対して反対に言いますが、何らかの方法でもう少し詳しい資料を御提供なさる方法はありませんか。途中で祕密が洩れる虞れがあれば、直接持つて來て貰つていいのです。御承知のようにこれは運営委員会でありますから、こういうなまぬるいことを言つておるのでありますが、衆議院の不当財委でありましたならば公文書を以て請求ができる。あれは出せん、これは出せんということは、なんといいますか言葉は違いますが、國会を舐めておるように思えるのでありますが……。
#47
○政府委員(木内曾益君) 只今お叱りを受けたような考えは毛頭持つておりませんから御了承願いたいと思います。それでなお今までのいろいろの御質問の御趣旨は、私も一々御尤もだと存ずるのであります。そこでなお御必要とあれば、どの程度までのものをそこでは出せるかということについては、私ここで即答いたしかねます。それで帰りましてその当局者と相談いたしまして、そしてその結果にいたしたいと思いますので、その点を一つ御了承願いたいと思います。
#48
○門屋盛一君 結局それは昨日の私の現在の組織は細かい報告を受けていない組織であるから、あなたの方で詳しい資料をお取りになる御意思はないかと言つたことろが、あなたはもう一度調べ直すというような必要は断然ないと言われたから、今日こう時間をかけてやつておる。私は常識的に考えましても、昨日の御説明だけでは國会が初めての一つの例を開くには不十分であります。是非もう少し詳しい資料を祕密会がよろしいなら祕密会にして拜見したいと、こう思うのであります。
#49
○政府委員(木内曾益君) ちよつと前段において誤解がおありになるように私は思うのであります。それはようするに稟請、いわゆる請訓手続のことを申上げたのでありまして、併しこの事件については私も報告を受け、そうしてこの程度において私も逮捕手続をしていいという考えを持つておつたわけであります。從つて更に調査を命ずる必要はないと私自身も考えておるというわけでありますから、この事件そのものについて今日何も知らんという意味じやありませんから一つ御了承を願います。
#50
○川村松助君 私の資料をもつと整備して頂きたいということは、こういうものに対しての判断について非常に事件の重大を感じておるからであります。従いまして檢察当局が逮捕状をださなければならんという判断の基礎と、私どもが判断する基礎と余り差がありましては正しい判断ができないじやないかと、こういう考えからもう少し詳しいものを望みたい、こういう意味であります。
#51
○政府委員(木内曾益君) その点につきましては、先程私が御説明申上げました通り、なお一つ帰つて相談いたしまして、そして出せるものは出すと、できるだけ御納得の行くように一つ相談してその上でお答えしたいと思います。
#52
○矢野酉雄君 必要に應じては、千葉地檢の主管檢事等の説明を求めるというような手続はできないものですか。
#53
○委員長(村上義一君) この千葉の主管檢事の出席を求めるということは、証人喚問の手続を取らなければならんと思うのであります。本問はそういうふうに処理して行くかどうかということについてはなお考慮の余地があるように思うのです。先ず以て今檢務長官からお話のごとく、一應檢務長官から書類を出して頂いて、それによつて更に御審議を願うということにしたら如何かと思うのです。それで今日はそうすれば他に御意見がなければこの程度にして……。
#54
○城義臣君 実は檢務長官からの説明を昨夜聞いて、先程聞き方によつてはいろいろ判断が違うというような、矢野議員のお話もありましたが、その具体的な一例として、私自身が昨夜説明を伺つたものでは、その点を挙げますというと、本人が使い込んだと申しますか、横領したと今目されておる金は、補填をしたんだというようなことに対しては、これを本人は補填したと、それが不渡りだつたというようなお話だつたように聞いております。こういう点は一つ我々のその後聞いたところによりますと、そうでないようなこともいつておりますので、ここらがやはり聞き方でいろいろ違うと思いますから、資料を出して頂きたいというようなことも、そういう意味でお含み頂ければ……。蛇足のようでありますけれども申上げておく次第であります。
#55
○政府委員(木内曾益君) 又誤解があつてはなんでありますから、一應私から説明しておきますが、全然弁償されてないという趣旨でないのであります。私は大部分の弁償ができてないという意味でありますから……。
#56
○城義臣君 私一般の委員の方々が、聞き違いといいますか、そういうような点があるんじやないかと思いまして、そういう点を申上げたわけであります。
#57
○佐々木良作君 今までのこの議論で、問題にしたい点が二つあるんですが、第一点は、質問の形で議員から出されつつある問題が政府委員から答弁されて、そうしてその答弁の中に、そんならば資料を持つて來ようというよな、そういうことになりかけておつたような嫌いがあると思うのであります。飽くまで質問の内容が出て來て、そういう資料を要求するかしないかは政府委員の答弁如何にかかわらずこの委員会で決定すべきもので、そういうふうにやつて頂きたいと考えます。もう一点、これは私の考え違いであるかも知れないと思うので、皆さんの御吟味を願いたいと思うのですが、若し我々がこの逮捕要求を受諾するかしないかの判断をする場合に、檢察当局が持つておる判断の材料を、全部我々が持つてやらなければいけないとするならば、そうすると司法権とこことの問題が少しこんがらがつて來る危險性がある。我々の問題は司法部内で行われる問題と、ちよつとやはり性質が違うんじやないか。その意味で、より詳しい資料を要求することも一つの案でもありましようし、或いはその要求内容も問題になるかも知れませんが、檢察当局自身が掴んでおるもの全部を、同じように我々が見て、そうしてこの犯罪の確らしさを調べて上で檢討するということになると、ちよつとおかしいんじやないかというその二点を感じておりますので、この問題の処理の仕方について、委員長に御考慮願いたいと思います。
#58
○中村正雄君 今佐々木君の言われました最後の点ですが、私も申上げようと思つておつたわけですが、裁判所から逮捕要求が出た場合に、我々の院の許諾が必要であるという点につきましては、昨日も私は申上げたと思うわけなんですが、私達がこれに許諾を與えるかどうかという点は、裁判所又は檢察廰が逮捕状を出すか出さないかを決定するのと違つた観点から、私は決定すべきものであろうと思うのです。いわゆる裁判所が逮捕状を出すか出さないかということは、檢察廰の要求に対して、これは逮捕の要件を、いわゆる刑事訴訟法に定めてある逮捕の要件を具備しておるかどうかという点を檢討した上で出すべきもので、從つて逮捕状を出すか出さんかはこれは裁判所が決定すべき問題である。國会の決定するのは、この檢察廰の逮捕要求なり、或いは裁判所の出しておる逮捕状というものが、これが政治力を利用して議員の政治行動を束縛するような政治的理由があるかないかという点に根拠を置きまして、許諾するか否かを決定するべきものであります。憲法に規定がありますのは、これは議員というものは如何に犯罪が濃厚であろうとも、逮捕されない特権を與えられておるという憲法の規定ではありません。これは憲法におきましても、議員も一般國民と同じように、刑事訴訟法に規定される逮捕要件があるならば、当然逮捕されるべき問題なんであります。ただときの政府が政権の力を以て議員の行動を束縛する、或いは議員の政治行動を制限するということがあつては困るという関係から、議院の許諾を求められておるわけであります。今までのいろいろな議論を聴いておりますと、國会が檢察廰になつたり、裁判所になつたりする観点から議論されておると思います。從つて一番最初の議員の逮捕要求であります関係上、これもはつきりと参議院は今後こういう問題があつた場合に、どういう観点からこの許諾か否かを決定すべきかというのでありますが、最初からの議論を聴いておりますと、私の憲法の解釈が間違つておればともかくといたしまして、納得できないところであります。この点につきまして今後の運営方針を決めて頂きたいと思います。
#59
○板野勝次君 大体僕もそういう意見を持つておりますから……。
#60
○門屋盛一君 私中村委員の昨日からお説はよく承つております。それで私の質問は、國会が檢察廰になるという建前でなしに、初めのことであるから、ただ一片の通牒と、それから昨日最も詳しい説明を伺つたのですが、それらの中から檢務長官の方でもう少し詳しい書類を出して頂いた方が、他日に議員が愼重に扱つたということを残したいという意味で、そのことについて申上げておるのですが、他の方はどうか知りませんが、國会が檢察廰になるというようなことは、私は法律学者ではないけれども考えておりません。ただたまたまその質疑應答の中に、國会に持つて來れば祕密が保てないとかなんとかいうふうに解せられるようなことがあつたから、ちよつと議論が長くなつたようなもので、何もかも詳しいものを決めんで、それを逮捕すべきか含かの判断を國会がすべきではない。その観点は私も中村議員と変らない。余りにも一頁か二頁の要求書によつて承認するとか、ぜんとかという判断は他日に惡例を残すのじやないかということを憂える余りに念を入れておることと、それぞれ法務総裁は日が浅いのでありますから、これだけ重大なことに対して、いきなり檢務長官が出て來られておる。そうして法務総裁にお差支えがあるというならともかくも、軽くお扱いになつた、これは惡例を残す。どうしてもこういう重要なことは法務総裁みずから出られて、御意見なりいろいろな質問に対してお答を願いたい。この意味で最前から申上げておるその点、中村議員のと同様であります。
#61
○小林英三君 私はこの問題につきましては、憲法、國会法によつて明記してあるごとくに、会期中の議員というものは逮捕できないのが建前であります。逮捕することのできるのは、ただ國会が許諾した場合のみでありますから、從つて國会が許諾するか、しないかにつきまして、最も公平なる明確なる判断をいたすために先程門屋君或いは矢野君のおつしやつたことに賛成したいと思います。
#62
○矢野酉雄君 中村君の御意見は実に私としては愼重に考えると度を過ぎた言葉であると思います。むしろこういう問題は檢察当局の諸君に退席を求めて、そうして我が議院運営委員会だけの独自の立場から所見が出るとするならばともかくも……、而も我々が現実において檢察廰の機能を発揮したかのごとき言辞を以ての論理というものは、余りにもお言葉が過ぎると思うのであります。今門屋君がおつしやつたようにあれだけの書面だけでは、憲法の保障しておるところの、いわゆる開会中におけるところの國会議員の逮捕問題について、みずからその権限を放棄するということになります。又政治問題だけに限定する必要はありません、何もそういう規定はないのです。立法の精神からいつて國権の最高機関たる議院の特権についての、これは憲法なりその他の規定であつて、それは中村君自身の御解釈が僕は偏見であると思うのです。一面の法理はあるけれども、決して全称的断定として御説を賛成するものではありません。故に私は本日はいろいろ御議論がありましたが、法務廰自体においてももつと愼重を期して文面を以て書類を提出したいというような御意向もありますので、結論を出さずして明日か明後日、適当な、我々の有力なる判断資料として適切と思料せられるものを一つ御提出願いたいと思います。そういうふうに運んで頂きたいと思います。
#63
○中村正雄君 只今私の考え方と門屋委員の考え方とは同等なようですが、矢野委員並びにその他の方々はこの運営の方向について異なつた見解があるようであります。從つて今後……初めての事件であります関係上、私の考え方が間違つておつて、矢野委員のような考え方が憲法の建前であり、國会法の建前であるということになりますれば、これは檢察廰の調べておりますところの捜査資料、これを全部持つて参りまして、各議員が檢察廰と同じ立場においてはつきりと考えなければ、これは決定できないことになるだろうと思います。併しながら現在の刑事訴訟法を見ましても、逮捕状を出すことは檢察廰がやることじやありません。これははつきりと明記してあります。從つて逮捕状を出すか出さないかということは、裁判所がやるべきものであつて、これを檢察廰なり國会がやれば訴訟権の侵害になると思います。私の見解が正しいのか、矢野委員の見解が正しいのかをはつきり決めて置かなければ、これは今後審議できないと思います。運営の一番最初の事件であります関係上、今後も二日も三日も放つて置くということは、國会の権威からいたしましても面白くないことと思います。昨日から祕密会で三時間も四時間も論議いたしまして、又本日もやつておるのに、そのうち檢察廰から適当な資料を出して貰わなければこの点が分らないですから、判断できないから、こういう点に対して資料を出して呉れということに委員会が要求して、それを出すならば別ですけれども、こちらに任しておいて決定ができるか、この点ははつきり御決定願いたいと思います。
#64
○矢野酉雄君 いわゆる檢察廰となつて、そうして犯罪の一切の資料を集めて、それによつて結論を出そうというのでなくて、いわゆる憲法と國会法で規定しておる……、向うが適法で承諾を求めて來たのであつて、その承諾を與えるや否やの判断の資料として現在の書類と説明では十分でないから、十分に我々の合点の行くようにして貰いたいと、こう言うだけの問題であります。
#65
○板野勝次君 檢務長官にお尋ねしたいのですが、いろいろ論議されて、帰つて相談してみて資料を出そうというような極めて抽象的な、何か子供の使いのように僕は聞き取れたのです。その逮捕するのが妥当であるのかどうかという核心に触れた問題は、つまり出しにくいので、その点は長官はどういうふうな大体資料を構想に描いて相談してみようと言われたのかどうか、そういう点をちよつと承りたいと思います。
#66
○政府委員(木内曾益君) 私は別に構想は持つておりません。実際の事件を担当しておる者から聞いて、この程度のことならばというか、この程度のものなら出せるか出せないか、その点を直接の事件を担当しておる者の意見を徴した上でありませんと、ちよつと私の意見も申上げられません。
#67
○矢野酉雄君 重ねて申して置きますが、若しも若しも中村君の御意見が正しくて、その通りに運営して行くべきであるとするならば、丁度そのくらいの逮捕状の承諾を求めたものが幾ら來ても、もう何ら僕達は論議を盡さずして承諾を與うべしということになつて來るだろうと思います。結局は大同小異である。そういう意味において、私はもつと愼重を期する意味において、各委員のお説のごとく我々は判断して、承諾を與えるか、或いは拒否に関する判断の材料として、もつと公文書を以て直ぐにその判断ができるような、その素材を欲しいという意味であります。それから中村君の御意見だつたら、そのくらいの程度のものの、あらゆる事件が來た場合に、もう國会としては当然それを承諾しなければならんというような論理に私は落着くのじやないかと思います。確かにこれは新らしい例を新たに作るのですから、もつと慎重にせよということであります。
#68
○小林英三君 いろいろ御議論があるようでありますが、矢野君の先程の動議と申しますか、御意見と申しますかに賛成いたしたいと思います。從いまして、それによりまして委員長において採決をとつて頂き、そうして本日はこの程度で散会の動議を提出いたします。
   〔「賛成」「反対」と呼ぶ者あり〕
#69
○門屋盛一君 大分佐々木君あたりからも御意見が出ておるようでありますが、結局私は今こういう改めて動議を出したいと思います。この逮捕要求は、要求が出されまして、当委員会は極めて愼重を期しまして、昨日祕密会にして数時間御説明を伺つたのでありますけれども、何回も申しますように、この愼重であつたことを、或る形の上に残して、後の参考にしなければならんという建前から申しますと、当初出されましたところの要求書は余りにも簡単に過ぎる。そこで私の要求したいのは、先程來檢務長官が口頭を以て御説明なさつたこと、及びまだその他の御調査になつておる中から、この程度のことは出しても差支えない。捜査上差支えないというところのもので、もう少し詳しく、一枚の逮捕要求書でなく、それに添付するところの比較的詳しいところのものを付けて出すということを、この際私は一つの取扱の例として残して置きたいということと、(「賛成」と呼ぶ者あり)それからこういう重大なことは、当初からやはり法務総裁がみずから出られるか、どうしても差支えるときは、法務総裁の代理として檢務長官、その他のお方に出て貰つて、初めから愼重を期して御説明に当つて頂きたい。この二つの動議を提出いたしまして、それが御承認になれば、本日はこれで……(「賛成」と呼ぶ者あり)この問題と言いますか、明日ですね。明日までに出して貰いらい。
#70
○國務大臣(殖田俊吉君) ちよつと私から申上げたいと思います。只今お話の、総裁が直ちに出席してお話を申上げる。これは誠に御尤もであります。昨日私はそのことは存じませんでした。相憎く関係方面に出ておりまして時間がございませんでした。殊に内容を知らざる私が申上げて、又間違いがあつてはいかんと考えまして、最も事務に精通しております檢務長官にお願いしたわけであります。今後は從つて十分に御意見のあるところに從いまして行動いたしますつもりであります。予め御了承願います。
 それから只今いろいろ御議論を承わつておつたのでありますが、私の考えとしては詳しいものを出せ、もつと分るものを出せとおつしやいますことも、事件の内容というわけではなく、つまり逮捕が何故必要であるか、この何週間の会期を経過するわけにいかないという点を明らかにする書類を差上げせばいいと思います。その点をよく相談いたしまして、皆さんの御納得の行くようなものを出したいと思います。
#71
○門屋盛一君 その点をさつきから聴いたわけです。
#72
○委員長(村上義一君) いろいろ御意見が出ましたのですが、今後かかる問題を取扱われるに際しては、それぞれ逃亡の虞れがあるとか、或いは住居不定とか、乃至証拠湮滅という三点に触れる、まあ大体において前二者は議員に関する限りはないことと考えられますが、証拠湮滅という点に関して、会期の終了を持つておられんという緊迫した事情にあつて、逮捕を要する、こういう理由がありや否やということが、この要求に対して諾否を與える要点であるというような皆さんの大体の御意見のように考えるのであります。そういう観点に立つて本問を処理して行くということが大体の御意見と考えます。こういう観点に立つて更に適当な書面を提出願い、又その考えで書面を出すということを、総裁並びに長官は了承しておられるのでありますから、この書面の提出を待つて更に本問を審議したら如何かと思います。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#73
○佐々木良作君 大体賛成ですが、今の方針に附加えて貰いたいのは、昨日の委員会におきましても、荏苒日を延ばすことはできないので、早急にやらなければならんということは繰返し言われたと思います。從つて今のような方針が決められるならば、委員長から法務総裁に対して、今のような希望の書類が一番急いだ場合いつできるか、例えば明日でもできますか、どうかということを確かめて貰いらい。その範囲内において、一番最短距離においてやりたいということを希望したいと思います。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#74
○委員長(村上義一君) 只今の佐々木君の御発言に関してでありますが、勿論法務廰においても、本件の処理は寸時も早くという考えの下にこの書面を提出せられたことと考えるのであります。從いまして尚補足して頂く書面は寸時も早く御提出下さることと期待しておるのですが、如何でございましようか。大体の見当がつきましたら聴かして頂きたい、御提出の時期を……。
#75
○國務大臣(殖田俊吉君) 成るべく早くお出しいたすべきでありますが、今檢務長官に相談いたしましたが、明日中一杯だけに願いたいと思います。事務上のこともございましようから、どうぞお許しを願いたいと思います。
#76
○委員長(村上義一君) 重ねて希望を述べますが、これは事務上の関係もありますので、明日中というお話でありますが、できれば成るべく早く御提出下さるようお願いいたします。
#77
○政府委員(木内曾益君) 千葉から呼んだりなんかしなければなりませんから。
#78
○中村正雄君 只今委員長の要求だと考えますが、ただ今おつしやいましたことは、昨日もこれは問題になりましたので、いわゆる会期の終了を待たずして逮捕しなければいけない理由を、昨日三時間に亘つて質問をしておると思うのであります。從いまして新らしい書類を要求するといたしましても、昨日の速記録を見たのと変らないのじやないかと思います。檢務長官にお尋ねしたいのは、果して昨日御説明になつた以上の事実が出せるか、どうかということを私はお聴きしたいと思います。それ以上のものが出せないならば、書類を出す必要はないと思います。その点について一應檢務長官のお考えをお聴きしたい。
#79
○政府委員(木内曾益君) これは尚私がここで御即答申上げ兼ねるので、実際の担当をしておる者にも聴いた上でないと、ちよつとお答えができない次第であります。
#80
○委員長(村上義一君) 今の中村君の御説、私も一應御尤もだと思いますが、只今檢務長官がお話しになつたことも想像されるのでありまして、又速記録が我々の手に入るのも例によつてそう迅速を期待できないと思うのであります。特に内容において千葉の当事者の意見を、又説明を徴せられるということによつて、新たなる事柄の報告を受け得るかも知れんと思うのであります。そういうことで御異議ありませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(村上義一君) それではこの問題は書面で提出願うことを待つて、そうして更に三度御審議を願いたいと思つております。
 それではこれで祕密会を閉じて、議事を公開いたします。
   午後三時十二分祕密会を終る
#82
○委員長(村上義一君) 次に御審議願いたい問題は、公務員法が提出になつたのであります。この臨時國会の一番重要な案件であるのでありますから、この公務員法の取扱いを如何にすべきかということついて、一應御意見を伺つて決定をして置いた方がいいと思うのであります。
#83
○事務總長(小林次郎君) 先程衆議院の方へ國家公務員法の一部を改正する法律案が提出されまして、こちらに予備審査のために送付されて参りました。それでこれは御案内の通り、五十六條によりますと、「議案が発議又は提出されたときは、議長は、これを適当の委員会に付託し、その審査を経て会議に付する。」こういうことに一應なつております。併し今度五十六條の二の規定が設けられまして、「各議院に発議又は提出された議案につき、議院運営委員会が特にその必要を認めた場合は、議院の会議において、その議案の趣旨の説明を聴取することができる。」こういうようになつております。この問題は重要な問題でありますから、或いは議場で説明をお聴きになるのがいいのではないかという御意見も伺われますので、通常の手続に從つて直ぐ委員会にお移しになりますか、それとも議場で説明をお聴きになりますか。その点について……。
#84
○河野正夫君 公務員法の改正は、從來から國民の非常に注目しておるところでありまして、單に委員会に直ちに付託せられて、その間に審議せられ、本会議に移されて、簡單な賛成は反対の演説で決定するというのであつては、國会の機能が、國民のつまり目の前で、ガラス張りの中で行われるという建前が望ましい立場からすれば、甚だ不滿であると思います。その故にこれは当然最初に、極めて重要な法案だとして当局に説明を求める本会議を開いて頂きたいを思います。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#85
○佐々木良作君 今のと同じであります。
#86
○門屋盛一君 その意見は同じですけれども、本会議ではただ提案の趣旨の説明だけなのですね、それに対して本会議で質疑が出ると非常に長引く虞れがあると思います。
#87
○委員長(村上義一君) 質疑について今門屋君の御発言がありましたが、説明を聴くに止めるか、更に質疑を本会議でするかということについては如何ですか。
#88
○板野勝次君 私ははやり当然、説明されれば細かい点としてじやなくて、大体の骨子、重要なポイントについては質問する、それは非常に長い時間でなくてもよい、でき得る機会を作るということが必要だと思うのです。説明されて來れば当然そこに重要な疑問が起つて來るという場合はあり得ると思うのです。單なる説明だけでは意味が取れないのじやないか……。
#89
○梅津錦一君 今板野さんが言われたように、特に労働関係の人達は非常な関心を持つておると思うのです。説明を國会議員が聴いて、ただ聴いただけで、それをそのまま委員会に任せてしまうというようなことであつては、この大きな問題であるところの國家公務員法を委員会だけで通させてしまうというのも……各党には各党の政策がありましようし、各党の意見もありましようししますので、これに対する疑問があると思うのです。そのおのおのの疑問を明かにして、そうしてこれに対する答弁を求めて國民に知らせるということは、非常に必要だと思うのです。こういう点から少くとも各会派で幾名かは質問に入つて貰いたい。そうして殊にそうすることによつて國民の関心を起すということもできると思うのです。こういう意味から是非ともこの質問の時間を幾分か取つて欲しいという意見を持つております。
#90
○委員長(村上義一君) 梅津君のお尋ねですが、幾名かの質問者を出した方がいいという御意見でありましたが、その幾名という内容は大体どういう御意見でございましよう。
#91
○梅津錦一君 衆議院との睨み合せもあると思うのです。衆議院はどういうふうにこれを処理するか、衆議院の模様も見る必要があると思うのですが、そういう点ですね。
#92
○門屋盛一君 衆議院の審議の方法に必ずしも一致しなくてもよいと思うのです。私の伺いましたのは、ただ趣旨の説明だけでは納得できないのであるけれども、この法案の通過は、昨日も政府から來て言つているように相当急いでいるのでありますから、本会議における質疑の時間なり、時日を相当短くして、そうしてそれに制限をして、その他のことは委員会にかかりますから、又合同審査になりますから、委員会で十分練るから、本会議でいろいろと議員の質問の時間を節約したものを委員会に預ける、できれば当然公聴会なども開くようにしたい、そういうふうに思うのです。それで本会議にこれを持出すということはいいことでないけれども、本会議で質問をすると委員会の質問がなくなつても困るから、その当日質疑をやれる程度で……質疑者の順序なんかは運営小委員会の方にお任せを願つて、質疑をやるか、やらんかということだけ決めて置けばいいと思います。
#93
○河野正夫君 説明が三十分か、一時間かかるかも知れませんから、前後で三時間くらいの質疑、今どの程度かという委員長のお話だつたので、その程度、つまり何日もかからない、説明のあつた日に最早質問が終了し得るという程度の質疑を行うということに御決定を願いたい。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(村上義一君) それではこの問題を本委員会で処理しますのにつきまして、第一点は、本会議において政府の説明を求めるや否や。これは説明を求めるということに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○委員長(村上義一君) そうしますと、第二段におきまして質疑應答をするということについても御異議がないように見受けるのでありますが。それらの内容について、ただ当日で終了するという條件で、後は小委員会の打合せに任す。こういうことで御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#96
○佐々木良作君 これは、うまく行けばいいが、当日といつても、衆議院との関係があつて、或いは午後でもやつて、質疑の時間が一時間しかないということであつて困るのですか。
#97
○委員長(村上義一君) 恐らく明日午前十時から本会議は始まると思います。今から政府側に手配すれば、十時から開くことになつて、説明を十分聴けると思うのです。
#98
○佐々木良作君 これまでの例によりますと、大概午前に参議院でやつて、衆議院で午後に同じような説明をするようになろうと思います。そうすると政府が晝からいなくなる虞れがあるが、いないのに質問しても工合が惡い。
#99
○委員長(村上義一君) 結局その日と申しましたのは、午後一時まで、約三時間という時間を想定して委員長は申したのであります。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#100
○佐々木良作君 そうすると、そのくらいの内容で質問ができるというこがポイントであつて、その一日でやるということは、方法と言いますか。その方の相談になるということに理解してよろしいのでありますね。
#101
○委員長(村上義一君) 大体その程度の質疑應答で、太筋の質疑應答をする、詳細な点は、十分これは委員会でやつてくれると思いますから……。
#102
○佐々木良作君 了解。
#103
○委員長(村上義一君) 太筋の質疑應答だけで、約三時間の予定で説明と質疑應答をする、こういう枠で、あとのことは小委員会に任すと、こういうことで御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(村上義一君) それじやそういうことに決定いたします。
 それじやこれを以て散会いたします。
   午後三時二十三分散会
 出席者左の通り。
   委員長     村上 義一君
   理事
           小林 英三君
           大隈 信幸君
           鈴木 直人君
   委員
           梅津 錦一君
           原口忠次郎君
           松本治一郎君
           小野 光洋君
           川村 松助君
           城  義臣君
           門屋 盛一君
          橋本萬右衞門君
           平野善治郎君
           河野 正夫君
           矢野 酉雄君
           板野 勝次君
           佐々木良作君
           小川 久義君
  ―――――――――――――
   議長      松平 恒雄君
  ―――――――――――――
  國務大臣
   國 務 大 臣 殖田 俊吉君
  政府委員
   法務政務次官  田中 角榮君
   檢 務 長 官 木内 曾益君
  事務局側
   事 務 総 長 小林 次郎君
   参     事
   (事務次長)  近藤 英明君
   参     事
   (記録部長)  小野寺五一君
   参     事
   (議事部長)  寺光  忠君
   参     事
   (委員部長)  河野 義克君
   参     事
   (警務部長)  青木  茂君
  法制局側
   法 制 局 長 奧野 健一君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト