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1947/09/23 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第12号
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1947/09/23 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第12号

#1
第001回国会 通信委員会 第12号
昭和二十二年九月二十三日(火曜日)
    午前十時五十一分開議
 出席委員
   委員長 岡田 勢一君
   理事 重井 鹿治君 理事 天野  久君
   理事 白井 佐吉君
      海野 三朗君    梶川 靜雄君
      片島  港君    成田 知巳君
      野上 健次君    矢尾喜三郎君
      小島 徹三君    千賀 康治君
      田島 房邦君    長谷川政友君
      林  讓治君    森  直次君
      林  百郎君
 出席政府委員
        遞信政務次官  椎熊 三郎君
        遞信事務官   中山 次郎君
        遞信事務官   篠原  登君
 委員外の出席者
        議     員 庄司 一郎君
       議     員 的場金右衞門君
        專門調査員   吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
九月二十日
 特定郵便局制度存續の請願外十一件(庄司一郎
 君紹介)(第六一七號)
 特定郵便局制度存續の請願外二件(庄司一郎君
 紹介)(第六二五號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 鳩ヶ谷電話加入區域を川口電話加入區域に併合
 の請願(田島房邦君紹介)(第三四三號)
 姶良村下名に特定郵便局設置の請願(的場金右
 衞門君紹介)(第五六一號)
 特定郵便局制度存續の請願外十一件(庄司一郎
 君紹介)(第六一七號)
 特定郵便局制度存續の請願外二件(庄司一郎君
 紹介)(第六二五號)
 特定郵便局制度撤廢の陳情書(京都府北桑田郡
 特定郵便局員代表矢谷治良)(第二五五號)
 無集配特定郵便局設置に關する陳情書(山梨縣
 北巨摩郡朝神村長田保男)(第二九八號)
 風水害による通信施設被害状況竝びに復舊状況
 について説明聽取の件
    ―――――――――――――
#2
○岡田委員長 會議を開きます。
 本日の日程は、公報をもつて御通知申し上げました通り、請願八件でありますが、都合によりまして、今囘の水害地の實情につきまして政府側の説明を先に聽取いたしたいと思います。椎熊政府委員。
#3
○椎熊政府委員 今囘の水害の状況につきましては、大臣が直接に本席に出まして御説明申し上げるべきはずでございますが、本日は目下閣議の開會中でございまして、午後はそれぞれの擔當局長とともに災害現地へ調査に出る豫定になつておりますために、この席上には間に合いませんでしたので、擔當の局長から説明をいたさせます。私が大臣に代つて御説明申し上げればよろしいのでありますが、實は北海道方面、東北方面に出張中でございまして、この水害のために歸つてこられませんでして、土曜日の晩にようやくたどりついたような状況でございまして、本省に關する災害の状況は詳細に報告は受けておりますけれども、それは單に報告を受けたというだけでありまして、それよりも實地にあたつて調査しておられます擔當局長から御説明申し上げた方が適當であろうと存じますので、さよう御了承をお願いいたします。
#4
○篠原政府委員 それでは今囘の水害によりまする電信電話の被害状況について御説明申し上げます。お手もとに差上げました圖面をごらんをいただきます。この圖面によつておわかりになりますように、東京を起點としまして西の方におもな通信幹線が二條ございます。一つは東海道まわりでございまして、他の一つはいわゆる中仙道まわりでございます。名古屋で合流しましてまた大阪の方へ續いております北の方に向いましては、東北線まわりと常磐線まわりがございまして、仙臺で合流しまして青森の方につながつております。各部分につきまして簡単に御説明申し上げます。第一に東海道方面の幹線ルートは圖面にばつてんで書いておりますように、約四箇所にそれぞれ浸水の災害を受けましたが、これは應急措置によりまして大事に至らず修理囘復いたしました。從つて東海道方面の主要幹線は今は何事もなく生きております。第二に中仙道まわりのケーブルでございますが、これは大月と甲府の間におきまして、非常に大きな障害を發生したのであります。すなわち大月中繼所から西の方三キロないし十三キロの間におきまして桂川、笹子川の増水氾濫によりまして、山がめちやめちやに崩れまして、道路決壊を起し、この間のケーブルは流失、切斷、浸水いたしまして、一擧にして百八十囘線の疏通が杜絶したのであります。現場は道路決壊のために修理資材の運搬にも困難を極めまして、東京、八王子、甲府から應援隊約四十名の決死的の努力によりまして、十八日ようやく資材の運搬を終りまして、二十日の晩でございましたが、全囘線のうちの約三分の一の囘回の修理が完成いたしました。もつと技術的に申しますと、囘線數が三十カツトと申しますが、三十カツトのうち、十カツト修理できたのであります。從いましてこれによつて、六十三囘線の開通を見たのであります。六十三囘線のうちには連合軍の專用線、あるいは新聞社の專用線、あるいは一般公衆電話等が含まれておりますが、ともかく六十三囘線の開通を見まして、約三分の一の囘線が開通したのであります。殘りの三分二の開通につきましては、目下豫備ケーブルを人の肩でもつて運んで現場に運搬中でございまして、遲くも月末までにはかりに開通できる見込でございます。そうしますれば、中仙道まわりのケーブルはとにもかくにも全部が開通ということになるわけであります。
 次に北の方のルートでございますが、これは東北線まわりも、常磐線まわりもともにやられまして、全部手を上げた次第であります。まず常磐線まわりを申しますと、そこに掛ける印が六箇所ばかりありますが、六箇所の浸水、あるいは切斷の災害を受けたのであります。しかいながら東京の一番先の本田でございますが、本田附近を除き、他の五箇所の災害箇所はそれぞれ應急的處理によりまして、まずかりに開通を見たわけであります。しかしながら本田附近は、御承知のように中川の決壊によりまして、非常な災害を受けた次第でありまして、特に本田には本田電話中繼所と申しまして、人間の心臓にも匹敵すべき建物が建つておりまして、その中に多くの貴重な機械が備えつけてございます。これを護るべくこの數日間あらゆる努力をいたしまして、あるいは土壌を築き、あるいは進駐軍からガソリンポンプを四臺借りてきまして、浸透した水の排除に努めたのでございまするが、だんだん水勢が増してまいりまして、とてもだめだというところまであきらめたのでありまするけれども、さいわいにも今朝になりましてだんだん水が引き始めまして、まず本田中繼所は九死に一生を得て、助かる見込みがついたのであります。本田中繼所がやられますと、常磐まわりのケーブルは全部杜絶する。この急所でございまして、これが確保に對しましては、現場では不眠不休の努力をしたのでございます。かくいたしまして、本田中繼所は周圍が浸水しになつたにかかわりませず、土壌あるいはポンプ等の努力によりまして、地下からの浸水は三寸くらいございましたが、周圍からの浸水はまず辛うじて防ぎ止めた状態でございます。われわれはこれによつて非常に安堵の胸を撫で下したかつこうでございます。しかしながら本田附近のケーブルは水でもつてめちやめちやになつておりますので、本田附近のケーブルを相當直しませんと、常盤ケーブルは生きないことになると思いますが、當分の間このルートは水が引くまで處置がないというような、悲しむべき状態になつているのでございます。
 それから次に東北ケーブルでございますが、これはやはりばつてんがありますような約三箇所において、それぞれ被害を受けたのでありますが、宇都宮附近においてはケーブルが切斷せらめたにもかかわりませず、非常な努力によりまして修理ができました。また小山、大宮附近は一面の水でございまして、約三十キロにわたりまする區間が水浸しになつておりまして、これはほとんど修理不可能というような状態でございまするけれども、その後あらゆる努力を傾けた結果、幸手附近へ約百對ケーブルを千二百メートル運搬しまして、濁流を押し切つて決死的の作業をただいま纜續中でございまして、この百對ケーブルを千二百メートルの間に架設できますれば、大體兩三日中にかり開通を見込み得る程度にまで達したのでございます。從いましてまず常盤ルートはだめといたしましても、東北ルートがこの工事が成功すれば、兩三日中にかり開通ができるというような非常にさいわいな状態になつたのでございます。
 次に仙臺青森間でございまするが、これは四箇所にそれぞれ障害がございまするが、この四箇所の障害はそれぞれ手配をいたしまして、大體かりに修理を了しまして、これが本復舊を急いでおるというような状態でございます。
 大體以上のような状態でございまして、東北方面は特にひどいのでございまするが、特に超短波無線あるいは非常無線を動員しまして、應急囘線を作成しております。まず無線としましては札幌、仙臺、宇都宮、前橋、甲府、水戸、新潟、それから銚子經由でもつて小樽、こういうような所に非常無線連絡をやつております。それから超短波無線としましては東京、仙臺間に三囘線を生かしまして、うち一囘線は重要な打合せに使つておるというような状態でございます。とにかく現在東北方面で生きております囘線は、公衆囘線としてあらゆる努力を拂いまして、裸線として六囘線をつくりまして、その六囘線でもつてできるだけの最善を盡して、通信をはかしておる次第であります。そのほかに八囘線ございまして、會計十四囘線、それに遞信省あるいは現場の打合せ二囘線ございまして、全部合わせまして十六囘線だけ、東北方面には囘線ができておる次第でございます。
 大體以上のような状態でございまするが、そのほかにたとえば埼玉縣その他水害地におきまする地方の小さい電話局舎が大分やられまして、これは數はまだわかりませんけれども、加入者の加入電話の障害の數は、大體五萬くらいであろうという見當でございます。それから電話局内の裝置に水がかかりまして、浸水あるいは流失したものが百五十局くらいあるだろという、これも見當でございます。市内ケーブルの流失、損傷は八百三十キロくらい、それから電信と市外電話關係のケーブるの流失破損は大體百二十キロくらい、それからケーブルの切斷あるいは浸水の箇所はたくさんございまして百五十箇所、これはみんなくらいでございまして、まだ正確な數字をもつておりません。大體そういつたような状態のようでございます。
 これが復舊に關しまして、どのくらいの經費がかかるかと申しますと、大體應急復舊費としまして一億數千萬圓、本復舊費といたしまして、應急復舊と合計して全體の金額が約五、六億に達する見込みでございまして、意外に災害の状態は廣範圍にわたつておりますので、これが復舊に對しては相當な金と資材とを注ぎこんで、今後やつていかなければならぬと考えております。遞信省といたしましては、ただいまこれが復舊に對して全力をあげまして、現場で不眠不休の努力を續けておりますことを、ここに御報告申し上げます。以上簡單でございまするが、災害地の概況を御報告申し上げる次第でございます。
    ―――――――――――――
#5
○岡田委員長 ではこれより日程に入ります。前會延期した分及び九月二十日本委員會に付託されました請願八件及び陳情二件を議題として審査いたします。この決定は後日に讓ることにいたします。
 では日程第一、鳩ケ谷電話加入區域を川口電話加入區域に併合の請願、紹介議員田島房邦君の紹介説明を聽取いたします。田島君。
#6
○田島委員 川口郵便局と鳩ケ谷郵便局の電話加入區域を併合するについての請願であります。これにつきましてその請願の理由を簡單に御説明申し上げたいと思います。
 川口市は縣下、すなわち、私どもの埼玉縣としましては一番大きい都市であります。戸數は約二萬五千、人口が約十二萬、そして古來鑄物の川口として知られております。各種の鑄物竝びに諸機械の生産地であります。位置は東京都の北門でありまして、荒川をはさんだ隣接都市であります。その商業面におきましてもほとんど東京都と變りはないのであります。市内に大小一千有餘の工場がありまして、戰時中は申すまでもなく軍需品として重要なる鑄鐵品の生産に當りまして、その量を誇つておつたのであります。現在におきましては、家庭用必需品を初めとしまして、器機具竝びに一般平和産業にいち早く轉換いたしまして、目下飛躍的發展をなしつつあるような状況であります。一面商業におきましても、これまた市内五千有餘の店舗が商店街を形成いたしておりまして、再建日本のために活發な活動をいたしておるような状況でございます。しかるにもかかわらず、電話事業は舊態依然といたしておりまして、改善どころではありません。戰時中に廢止されました電話の復舊さえも完全に行われていないようであります。從いまして市勢の發展に比較いたしまして、はなはだ隔世の感があると思うのであります。産業の發展に伴いまして、電話の利用はいよいよ多くなければならぬ。こういう必要を感じておるのにもかかわらず、申し上げるように、この設備を缺除しておりますので、事業の發展性を妨げておるような状態であります。從つて鑄物、諸機械等の生産増強、また商取引の上にも影響が少くないのであります。よつて市内の各業界からは、これら電話網の整備擴充と改善を要望される聲が多いのであります。殊に同市内であります鳩ケ谷と川口市の關係におきましては、商工取引の上にも密接であるにもかかわらず、鳩ケ谷と川口市と間の電話をいたしますについては、これは市外通話としての取扱いでありますので、御承知の通り相當な待ち時間を要すること、さらに特別なる料金を課せられるというようなことで、連絡上不便がほんとうに少くないのであります。これまた市勢發展の上に大きな障害であろうと存ずるのであります。ゆえに鳩ケ谷電話加入區域を川口電話區域内に編入いたしまして、川口局と鳩ケ谷局との間にケーブルを架設いたして、鳩ケ谷電話加入者を川口電話加入區域に併合收容いたしまして、この電話の整備及び改善を期せられたい。こういうのであります。何とぞ川口市民の意のあるところ竝びにその熱望を御了察されまして、委員各位におかれましてもこの請願に御贊成くださいまして、速やかに採擇せられますよう切にお願いいたす次第であります。
#7
○岡田委員長 本請願について政府側の意見を聽取いたします。
#8
○椎熊政府委員 ただいまの御紹介の趣旨はまことにごもつともであります。元來加入區域の調整は、資材、豫算の許す限り、つとめて御趣旨に從うような方針で進めつつありのであります。ただいま議題となつておりますこの請願の電話の合併も、目下東京遞信局で詳細に調査を行つておるのでありまして、その結果を待つて實施の時期をきめようということに本省の方針がきまつております。從つて今ただちに、この結果を見ないうちにどうするということは申し上げられないのであります。請願者の千葉君からは、本件に對しまして、直接に遞信大臣にも陳情が參つております。本人に對しましては、電務局長からただいま私がお答え申し上げた通りの趣旨の御返事を文書でもつて差上げてあるのであります。從いまして本請願につきましては、目下本省におきまして御趣旨に副ふべく調査中であるということで御了解願いたいと思います。
#9
○岡田委員長 本請願に對する質疑はありませんか――では次に移ります。
    ―――――――――――――
#10
○岡田委員長 日程第七、第八は一括して議題に供します。日程第七、特定郵便局制度存續の請願外十一件、庄司一郎君紹介、日程第八、特定郵便局制度存續の請願外二件、庄司一郎君紹介、本件について紹介議員の説明を聽取いたします。庄司一郎君。
#11
○庄司一郎君 本請願は過般第一囘の請願を本委員會に出して、その紹介議員としてのお務めを果したのでありますが、その後たまたま第七、第八の日程になつておりまするただいま委員長より議題に供された請願二件、それに十一件と二件、上計十五件にわたる請願が、不肖私のところへ紹介議員になつてもらいたいといつて依頼してまいりました。昨日の本委員會においては、特定郵便局全國總代各位より委曲を盡して詳細なる陳述があり、また委員各位からは御熱心なる質問がありまして、委員長ほか委員各位におかれましては、大きな收穫があつたものと思うのであります。またその前には本委員會はきわめて公正なる態度をもつて、私の紹介と對蹠的である撤發に關する請願に對しても、全遞側十四名の説明をつぶさに御聽取くださるというような、明朗な委員會ぶりを御發揮くださつておる點において、非常に感謝にたえません。なおただいま申し上げたように、きのうは特定局關係の總代がこもごも詳細を極めて述べられたのでありますから、本日私のは十五件にわたる請願ではございますが、きわめて簡單に約五分以内において御了解をいただいて、前會と異なつた觀點から請願されておる請願者の特色のある趣旨を二、三御紹介申し上げて、紹介議員の義務を果したいと思うのであります。ただいま議題と相なつております第七、第八、合計十五件の特定郵便局制度存續に關する請願者は、もとわれわれの先輩であるわらじ村長として有名なる鎌田三之助翁を初め、この十五件の請願の筆頭の請願者はことごとく町村長でございます。また町村會の議長、小學校長、中學校長、あるいは醫師、その他町村會議員、農業會役員、さような地方における町村、農漁山村の最も代表的なる有志家であり、また知識階級に屬するところの方々でございます。その合計は原本をただいまここにもつておりますが、約二千名の連名と相なつておるような次第でございます。郵便局關係の直接の關係者は、この請願には一人もその名前が出ておりません。まつたく部外者からの熱心なる存續に關する請願でございます。そこでこれらの請願の特色はかようなことでございます。ごく簡單に二三を御紹介申し上げて御了解をいただきたいと思います。
 請願の第一の意味は、現在の特定郵郵局制度は、明治四年以降わが國町村における最も遞信行政上におけるよき傳統である。こういうことを請願者はうたつております。このよき傳統をあくまでも尊長し、これを保護助長してやつてほしいということを國會竝びに政府に請願する意味を強く述べております。けれども物事には一長一短、一利一害を免れないのであつて、この特定郵便局制度の管理の上において、あるいは運營に上において、多少なりともただいまの民主主義の時代に即應しないような、いわゆる弊害の點があるならば、速やかに國會の御忠告により、あるいは政府の御指示により、あるいは特定郵便局長及びその關係者において、自主的に、自發的にその弊害のあるところは調整されてこれをためていきたい。さような弊害がありますならば、運營の面においても管理の面においても、これを除去させ得るところの方法をとらしめたいというような希望も添えております。また現在の一萬三千全國市町村の、あるいは農漁山村の特定郵便局長は、その多くは各町村いわゆる地元の出身の局長諸君であるがゆえに、町村長の立場から言いますならば、内閣がどのような内閣に送りましても、大きな恆久的な國家の政策である貯蓄の増強、預金、貯金の奨勵、あるいは大きな觀點から社會保險でありますところの簡易生命保險の募集、あるいは年金募集の制度、かような點を町村の側、町村長諸君が先頭に立つて特定郵便局長と協力一致して、特に戰時中、終戰後といえども、ただいまのごときは救國貯蓄の増強に御協力を申し合げておるのであります。それは特定局長は地元町村の出身者であるがゆえに、きわめてお互いが親密な、昵懇な關係にあります關係上、協力する面において、すべての點において好都合な状態になつておる。もしそれ特定郵便局の局長が全然天降り的のものであつたならば、人情の上において、平素の交際の上において、かくも熱烈なる御協力を町村の側においては果し得ないであろうというような意味において、特定郵便局制度の存續を希望する第二の理由のようでございます。
 また第三は、特定郵便局は決して中央集權的の中央の單なる遞信省の出店のような、出張所のようなお役所の感じがしない。町村の側からいえばそういう感じがしない。わが町の、わが村の、われわれの郵便局であるというような感じが深刻である。その一面の理由は、過去におきまして請願により電信局の開設、あるいは電話組合をつくりまして請願によつて電話を架設していただくというような場合、各町村においては相當この遞信交化のために御寄附をしておるのであります。あるいは電柱を寄贈しておる。あるいは土地を寄贈しておる。さような所が全國町村においてきわめて多いのであつて、何となく特定郵便局はわれら町村のわれわれの郵便局であるというような親しみの感じをもつのである。そういう意味から、ぜひとも町村という自治體と最も圓滑に、ぴつたりする傾向と傳統をもつているこの特定郵便局を、將來ともこれを存續し、これを改善し、よりよく國家遞信行政のために貢獻さしてほしいものである。その他いろいたございますけれども、こういうことが大體この請願の骨子と相なつておるようでございます。
 その他申し上げたいこともございまするが、前に申は上げたように、すでに委曲をつくして昨日は局長總代の諸君より委員各位はお聽き取りをいただいたのでありまするから、この上蛇足を附け加える必要はないと思いまするが、繰り言ながら私が紹介議員となりましたこの請願者各位は、民主的に選擧されたるところの町村長であり、あるいは小學校長、中學校長、農業會、町村會の議長であり、町村會議員である。そういう方々のきわめて熱心な、あくまでも特定郵便局を將來ともわが國に存續させたいという信念の上からの請願でございまするので、何とぞこの上とも御調査御檢討を願いまして、本請願はこれを本委員會において御採擇あらんことをお願い申し上げるのであります。從いまして私の紹介しておる本問題と對蹠的でございまする發止撤發の件に關する請願は、一方私の紹介が御採擇をいただくのでありまするならば、一方は不採擇、あるいは否決、あるいは保留、あるいは政府に對する從來の國會請願の慣例によつて參考送付、いずれなりともこれは御自由に御檢討の上御善處をお願い申し上げたいと思うのであります。私の紹介申し上げた、ただいま議題と相なつておりまする特定郵便局存續の問題は、あくまでもあらゆる觀點より御檢討を賜わりました上において、これを存置することにこの請願を御採擇あらんことを、繰り言ながら再び最後にお願い申し上げて御了解を得たいと思うのであります。過般第一囘の請願の際において、政府委員として小笠原郵務局長の御意見を拜聽いたしました。しかしながらその際における御意見は、委員各位のお聽き取りの通り、現段階において政府は特定郵便局を速やかに撤廢、あるいは廢止するという意思は毛頭ないというような意味、また運營の面において改善の餘地のあるものはこれを改善していきたいというような政府の御意思の發表があつたようであります。しかるに本日はさいわい政黨出身の椎熊政務次官もおいでになつておりますので、簡單でよろしうございます。政府を代表されて御意見の拜聽ができればまことに幸と存じます。
#12
○岡田委員長 本請願に對する政府側の意見を聽取いたします。椎熊政府委員。
#13
○椎熊政府委員 本条件は、本委員會の第一囘請願の會に出ました案とほとんど内容は同一でございまして、その際郵務局長から遞信省としての意見を詳細申し上げておつたはずでございます。本日といえども本省といたしましては、先般申し上げた意見と何ら變るところがございません。特に私に名指しをもつて、一議員として政務官になつております私の意見を徴されましたが、私といえども本省に奉職しております以上、本省の意見と毫末も變るところはないのであります。ただ特定郵便局の存廢の問題は、舊來は遞信省内部の問題でございましたが、今や世間の大きな問題となつて取上げられておりまして、しかも國家の最高機關たる議會における重大なる一つの問題となつておりま。一方に存置論者あり、一方に廢止論者あり、對蹠的なる兩論が對立しておるがごとき觀を呈するのでありまして、國家最高機關たる議會のこの請願に對する審議決定は、本問題解決に對する重大なるかぎであると私どもは信じております。從いまして本省の意見は先般郵務局長から申し上げました通りではございまするが、本委員會の決定竝びに衆議院本會議における決定等に關しましては、私どもは本問題解決のために、深甚なる敬意を表して、その決定に從うの用意をもつておるのでございます。さよう御了承を願います。
#14
○岡田委員長 本請願につきまして何か質疑がありませんか。――それでは次に移ります。
    ―――――――――――――
#15
○岡田委員長 日程第六、姶良村下名の特定郵便局設置の請願、的場金右衞門君紹介、紹介議員の説明を求めます。的場君。
#16
○的場金右衞門君 簡單に説明を申し上げます。鹿児島縣肝屬郡姶良村下名というのは、一千戸くらいの戸數のあります所で、一つの大きな小學校もあります。周邊の郵便局へは四キロないし六キロを行かなければない。非常に郵便局のないことによつて不便を感じておるのであります。そこで多年この姶良村の下名へ特定郵便局を設置していただきたいという要望をその筋へもいたしておるのでありますが、未だに實現を見るに至つておりません。私この村のこの區域の實情をよく承知しておる者といたしましては、まことにかわいそうに考えておる次第でありまして、速やかにこの地區へ特定郵便局を設置していただくようにお取計らいを願いたいと思うのであります。請願者は姶良村の村長、下名の學校の校長、その他隣村の富山、宮下という部落に一つの小學校がありますがその學校の校長、その他、隣村の高山村あるいは鹿屋の一部の連中もここにこの郵便局を設置していただくことに對してお願いをしておるような次第でありまして、關係區域も廣く、また恩惠に浴する戸數も多いのでありますから、ぜひともこの請願を御採擇いただきまして、この不便を忍んでおります地區の國民に、郵便局を設置してこの國家の恩惠に浴さしめていただくように御高配願いたいと思う次第であります。以上簡單でありますが、一應御説明を申し上げます。
#17
○岡田委員長 本請願に對する政府側の意見を聽取いたします。椎熊政府委員。
#18
○椎熊政府委員 本請願の御趣旨はよくわかりましたが、戸數から申しますと、郵便局を設置する標準が、四百戸になつております。ただいまの案件になつております下名地方の戸數は四百二十九戸ありまして、戸數だけから申すと標準以上なのであります。今設置を豫定されております請願の趣旨のように、大字下名を中心とする部落へもつていくということになりますと、戸數だけだと相當の數になります。殊に學校附近へもつていくと、非常に多い數になるのでありますけれども、これと舊來あります永野田との距離はわずか一・二キロよりないのであります。そうすると、私どもの方の調査でございまするが、あまりにも近距離でございまして、そういう所に新設できるまでの状態になつておりません。もつと不便な所がたくさんあるのでありますから、順位上から申しましても、大體こういう所は後囘しになるかと思います。今のところではこちらの計畫では上せられないと思います。
#19
○的場金右衞門君 今の永野田郵便局というのがございますが、これは鹿屋市の一部でございます。永野田郵便局と今設置していただきたいという下名の中の名貫という部落でありますが、そことは四キロの距離があるのであります。何か御調査をなさいました箇所が、小學校をお調べになつたのではないかと思います。小學校はその部落の西北側の方で、片寄つた所にありますので、その間は約半分ぐらいしかないのではないかと思います。もう少し高山寄りの方の名貫部落という所に設置していただきますと、高山村のうちの富山、宮下という所、論地という所、そういう郵便局がなくて不便な所との間になりまして、一方へは六キロ、一方へは四キロの所で、これは高山村のうちの富山、宮下及び論地という地方の人たちも、ここに郵便局を設置していただきたいという要望をしておるのであります。この姶良村の人たちだけでなしに、ちようど村境になつておりますので、今そちらの方の人も要望しておる。その村境の方へ設置しなければ、今おつしやるような状態にはなるかもしれないと思いますがいま一應その點は御再考願いたいと思います。
#20
○椎熊政府委員 この請願の趣旨によりますと、その下名區で設置してもらいたい、下名の中の學校附近でないと標準の戸數に達しない。そしてその請願にうたつておりますところの下名で標準に達するとならば、その學校附近をやらないと標準に達しない。今あなたのおつしやるような南側の部落であるとか、あるいは北側の部落であるとかいう方に行きますと、戸數だけでも標準に達しないことになるのだそうでございます。そうすると北側だと六キロ離れておりますし、南側だと三キロ永野田局から離れております。それで請願の趣旨にも學校のあるところの下名區に置いてくれということになります。そうでないと部落全體の利用價値がない。偏在した所だと意味をなさぬということになります。今の請願の趣旨からいうと戸數は標準に達しておりますけれども、距離はあまりに近過ぎるというのでございます。なおよくこの點について熊本の遞信局に命じまして事情を調査することにいたします。
#21
○的場金右衞門君 ちよつと次官は地理がおわかりになりませんから御了解がいきかねるだろうと思いますが、今私の申し上げます名貫いうのはその下名部落の中なのであります。そうして學校の區域以外に他の部落も恩惠を浴しますので、私の今申し上げますその個所で郵便局ができますと、一千戸くらいの人たちが恩惠に浴する。學校の附近へもつていきますと、四百戸しか恩惠に浴さない、こういうことになりますのでぜひともひとつその點はもう一遍よく事情を御調査願つて御再考願いたいと思うのであります。
#22
○椎熊政府委員 大體その請願の趣旨に從つて詳しい圖面ができておるのでありますけれども、せつかくの御説明もございますので重ねて調査を精密にいたします。
#23
○的場金右衞門君 お願いします。
#24
○岡田委員長 本件につきまして何か質疑はありませんか。
    〔(異議なし)と呼ぶ者あり〕
#25
○岡田委員長 それでは次に移ります。
    ―――――――――――――
#26
○岡田委員長 日程第二、第三、第四、第五の各請願は紹介議員がお見えになりませんので、後日に延期いたします。
    ―――――――――――――
#27
○岡田委員長 次に九月十三日に當委員會に送付されました陳情書二件、すなわち日程の最後にあります一、特定郵便制度撤廢の陳情書、二、無集配特定郵便局設置に關する陳情書を議題に供します。委員長から簡單にその趣旨を説明いたします。
 一の特定郵便局制度撤廢の陳情書は、昭和二十二年八月二十五日に本院において受理したものでありまして、陳情書は京都府北桑田郡特定郵便局員代表矢谷治良氏であります。この趣旨は特定郵便局制度は封建的なものであるから、これが解放に協力されたいという趣旨であります。その次に無集配特定郵便局設置に關する陳情、これは昭和二十二年九月一日に受理されたものでありまして、陳情者は山梨縣北巨摩郡朝神村長田保男氏であります。この趣旨は山梨縣北巨摩郡朝神村は、七箇部落からなり世帯數約五百八十、人口約三千あり、通信は若神子局が管轄しているが、本村中心から一里半、隣村穂足局へは三十餘町距たり、かつ本村に淺尾原數百町歩の未墾地あり、現在歸農開拓者が入植中である。ついてはこれらの利便のため無集配特定郵便局を速やかに設置せられたいという趣旨であります。本陳情につきまして政府側の意見を聽取いたします。
#28
○椎熊政府委員 朝神村の中心地、淺尾新田に設置するときは新設の局への距離が非常に近いのでございます。たとえば上手局には一・九キロ、穂足局には二・九キロ、若神子局には三・二キロでございます。そういう状態でございまして土地柄將來の發展性も非常にどうかと思われるふしもございますので、さしむき設置することは困難かと思います。享便戸數から見ましても、將會の計畫上には參考になると思いまするけれども、さしむきただちにこれを設置するという計畫は今のところもつておりません。
 ただいまの特定郵便局撤廢の陳情に關しましては、先ほど庄司議員の紹介のありました特定郵便局の存置のときにお答え申し上げた趣旨と、同一趣旨を目下のところ本省は堅持しております。さよう御了承願います。
#29
○岡田委員長 本陳情について何か質疑はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○岡田委員長 では本日はこの程度にいたしまして散會いたします。次會は公報をもつて御通知申し上げます。
    午前十一時四十八分散會
ソース: 国立国会図書館
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