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1948/11/25 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 運輸委員会 第7号
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1948/11/25 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 運輸委員会 第7号

#1
第003回国会 運輸委員会 第7号
昭和二十三年十一月二十五日(木曜
日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○請願書陳情に関する小委員会の報告
○二俣、佐久間間鉄道急設に関する請
 願(第一号)
○掛川町御前崎間國営荷客自動車運行
 に関する請願(第二号)
○松戸、平両駅間電化促進に関する請
 願(第五号)
○鹿児島、鹿屋両港間に國営貨客航路
 開設の請願(第七号)
○酒田港緊急整備に関する請願(第十
 二号)
○汽船龍頭山丸移動に関する請願(第
 十四号)
○吉都線都城、谷頭両駅聞に簡易乗降
 場新設の請願(第十八号)
○仙台駅東昇降口設置に関する請願
 (第十九号)
○鹿児島、古江両港間に國営航路開設
 の請願(第八十一号)
○高梁、落合両町間並びに中津井、中
 井両村間に國営自動車の運輸開始の
 請願(第百号)
○平津戸、宮古両駅間災害鉄道復旧に
 関する請願(第百十一号)
○高梁、落合両町間並びに中津井、中
 井両村間に國営自動車の運輸開始の
 請願(第百十四号)
○宇野、味野両港間に定期連絡船運航
 の請願(第百十六号)
○三納代妻両駅間に國営自動車の運輸
 開始の請願(第百五十二号)
○関東海運局東京支局の昇格に関する
 請願(第百五十七号)
○國家公務による身体障害者等に鉄道
 無賃パス交付の請願(第百五十八
 号)
○早月信号場を駅に昇格の請願(第百
 六十五号)
○永井川信号場を駅に昇格の請願(第
 百七十九号)
○郡山、白石両駅間鉄道電化促進に関
 する請願(第百八十号)
○都城、東京間直通急行列車運行に関
 る陳情(第二号)
○高松、鬼無両駅間に旅客駅設置の陳
 情(第七号)
○浜松、米原両駅間電化促進に関する
 陳情(第十五号)
○萩、小郡間に國営貨物自動車の運輸
 開始の陳情(第三十一号)
○海事仲裁等に関する法律案(内閣送
 付)
○海運問題に関する件
○船舶公團に関する件
  ―――――――――――――
   午後一時二十七分開会
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。先ず第一に請願、陳情に関する小委員長の御報告を求めます。
#3
○飯田精太郎君 過日來三日に亘つて請願、陳情の審査をいたしましたその結果を御報告いたします。只今上程になりました請願第一号二俣、佐久間間鉄道急設に関する請願外十八件及び陳情第二号都城、東京間直通急行列車運行に関する陳情外三件の運輸委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 各請願につきましては、紹介議員の熱心な説明と、政府の詳細な答弁があ委員会も愼重な審議をいたしましれが、詳しいことは省略することといたし、取纏めその概要を申上げます。
 先ず鉄通の建設及び復旧に関する請願、陳情を申上げます請願第一号の二俣、佐久間間の鉄値急設に関する請願に対し、政府の説明は、現在國有鉄道の全体を通じて収支は赤字であるため、客観的情勢から新線の建設はなかなか困難であるということでありました。併し本件は建設予定線で順位も比較的高く、沿線の資源も豊富であるから、成るべく速かに願意に副うよう取計らうことが妥当であるとして、これを内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。
 次に請願第百十一号平津戸、宮古両駅間災害鉄道復旧に関する請願に対し、政府の説明はこの区間は先般のアイオン颱風のため、前例のない程ひどい被害を受け、平津戸、茂市間の三四粁程は早急に回復は望めないということでありましたが、沿線の資源の輸送及び沿線住民の交通のため、成るべく速かに復旧するよう努力することが、妥当であるとして、これを内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。
 次に國営自動車路線開設に関する請願でありまして、請願第二号掛川町、御前崎間国営荷客自動車運行に関する請願、請願第百号及び第百十四号高梁、落合両町間並びに中津井、中井両村間に國営自動車の運輸開始に関する請願、請願第百五十二号三納代、妻両駅間に國営自動車の運輸開始に関する請願、陳情第三十一号萩、小郡両駅間に國営貨物自動車の運輸開始に関する請願は、いずれも沿線の重要物資、輸送及び旅客交通の必要上國営自動車路線の開設を要望ずる趣旨でありまして、これらに対する政府の説明は、國営自動車路線の新規開設は客観的清勢から見て、目下のところ原則的に困難であるということでありました。併しこれらの地方はいずれも物資が豊富であり、人口も多いに拘わらず、自動車輸送力が極めて貧弱であるから、政府は先ず既存民間業者を督励して、早急に輸送力を増強せしめることを第一とし、これが不可能であつた場合は、國営自動車の開始につき努力することが妥当であるという意見を附し、いずれも内閣に送付するを要するものと全員一致議決いたしました。
 次に國有鉄道の電化に関する請願でありますが、請願第五号松戸、平両駅間電化促進に関する請願、同じく第百八十一号郡山、白石両駅間鉄道電化促進に関する請願、陳情第十五号浜松、米原両駅間電化促進に関する陳情に関しましては、政府の説明は輸送力の増強、石炭の節約に多大の貢献をなすものであるから、順を逐うて速やかに之を進めて行きたいと考えている、請願の松戸、平間は松戸、取手間を本年の五月までに完成し、その先は各般の事情を考慮して計画を進めで行きたい、又郡山、白石間は東北線の輸送状況から見て、電化を考慮すべき区間であつて、予算、資材の事情とも睨み合せて、成るべく早い機会に工事に着手したいと考える。又浜松、米原間については沼津、浜松間が来年四月工事完成の予定で、その開通を待つて、浜松、米原間電化計画を進めて行きたいと考えているという説明があり、審議の結果は願意は妥当であるから、政府は成るべく速かに願意に副うよう努力すべきであるとして、いずれも内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。
 次に國有鉄道の駅、乗降口の設置等に関する件でありまして、請願第十八号吉都線都城、谷頭両駅間に簡易乗降場設置に関する請願、第十九号仙台駅東乗降口設置に関する請願、第百六十五号早月信号場を駅に昇格の請願、第百七十九号永井川信号場を駅に昇格の請願、陳情第七号高松、鬼無両駅間に旅客駅設置の陳情でありまして、審議の結果はこれらの地区はすべて交通量が相当に多く、これに対する駅、乗降口等の不備のため不便を來たしているのであつて、願意は概ね妥当なものであるから、政府は成るべく速かに願意に副うことが必要であるとして、いずれも内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。
 次に請願第百五十八号、一国家公務による身体障害者等に鉄道無賃パス交付の請願は’國家公務遂行のため、身体に障害を受けた者は極度の生活難により、運賃の負担能力がなく、必要な旅行すらできないから、鉄道無賃パスの交付を希望する趣旨の請願でありまして、政府の説明は、事情誠に氣の毒ではあるが、一般公務のための障害者の救済を鉄道が負担することは困難であるという趣旨でありました。審議の結果は、この問題は政府全体として採上げ、これら障害者の必要な旅行に対し、何らかの方法で運賃の負担を軽減する措置を講ずることが望ましいとして、全員一致これを内閣に送付を要するものと議決いたしました。
 次に陳情第二号都城、東京間直通列車運行に関する陳情は、審議の結果、宮崎大分両縣民の不便を除くため、運轉関係諸事情とも睨み合せ、成るべく速かに列車又は客車の直通を考慮することが妥当であるとして、全員一致これを内閣に送付を要するものと議決いたしました。
 次に國営航路新設に関する請願でありまして、請願第七号鹿児島、鹿屋両港間に國営貨客航路開設に関する請願、同じく第八十一号鹿児島、古江両港間に國営航路開設に関する請願は、いずれも鹿児島縣大隅半島の資源の開発及び文化の向上のため、半島と鹿児島とを結ぶ國営航路の新設を希望する請願でありまして、政府のこれに対する説明は、國営航路の設置は、鉄道幹線の相互の連絡を本則とすること、予算が窮屈であること等により、この航路の新設は困難であるが、この航路には民間海運業者があり、最近配給の増加、入替、他航路よりの延航等の手を打つて強化を図つたが、尚一層強化して交通の確保に遺憾なきを期したいという趣旨でありました。審議の結果は大隅半島は、廣大な土地に豊富な農、水産資源を有し、人口も七十万に及ぶのに反し、交通機関は古江、志布志両線があるのみで、恵まれておらない。現在就航している民間業者の船舶は、極めて貧弱で、殊に五十トン以下の小型船もあり、危険を伴うから政府は業者に命じ急速に航路の強化改善を図らしめ、速かに民意に副うことが肝要であるという意見に一致し、その旨を附してこれを内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。
 次に海運関係の請願及び陳情を一括して申上げます。
 先ず請願第十四号汽船龍頭山丸移動に関する請願でありますが、その要旨は、同船は終戰後佐賀縣呼子港に沈没していたものを、帝國サルベージ株式会社が引上げ、呼子港内中心地点に繋留しているので、港湾修築工事が阻まれ、海運業、漁業ともに大障害となつているから移動されたいというのであります。これは政府の説明によりまして、同船が朝鮮在籍船であり、移動については非常な困難が伴うことが明かにされましたが、審議の結果は港湾利用上大障害となつているので政府において善処する要ありと認め、これを内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。
 次に、請願第百十六号宇野、味野両港間に定期連絡船運航に関する請願でありますが、願意は、宇野、味野両港を中心とする貨客の数量は瀬戸内海沿岸屈指のものであり、又工員、学生の通勤、通学不便のため、退職、退学者が漸増する現状に鑑み、両港間に定期連絡船を就航せしめられたいというのでありまして、政府より願意の通り運んでいる旨の答弁がありましたので、これを内閣に送付することは全員一致議決いたしました。
 次に請願第百五十七号関東海運局東京支局の昇格に関する請願であります。その趣旨は現在の支局の機構では行政手続が遅延し、出入船舶の増加した現状に適しないから海運局に昇格せられたいというのでありまして、政府より支局の権限を漸次拡張し、願意に副いたい旨の答弁があり、願意妥当と認めて内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。
 次に請願第十二号、酒田港緊急整備に関する請願でありますが、その要旨は、山形縣酒田港は開港場として指定されたが、港内は最上川より流入の土砂の為埋没し、船舶の出入に著しく困難を來している現状であるから、浚渫及び港湾修築工事を速かに実現されたいというのであります。これに対し政府より港内の浚渫は予定以上に進行しているとの説明がありましたが、審議の結果、酒田港の全面的整備は急速に実現の要ありと認め内閣に送付することが至当であると議決いたしました。
 これを以ちまして、御報告を終りといたします。
#4
○委員長(板谷順助君) 請願陳情に関して只今の飯田小委員長の報告について御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(板谷順助君) 御異議ないと認めまして、以上本会議に報告することにいたします。次に海事仲裁等に関する法律案につきまして予備審査のため議題に供します。先ず運輸大臣より説明を求めます。
#6
○国務大臣(小澤佐重喜君) 只今から海事仲裁等に関する法律案の提案理由を御説明申上げます。
 御承知のごとく先に公布施行せられました事業者團体法は、経済民主化の見地から各種の事業者團体の活動範囲を規制いたしており、その一つとして事業者團体は一般に紛爭の仲裁、解決等の行爲をなし得ないことといたしておりますが、同法制定の当時より、海事関係の紛爭につきましては、その特異性からこれを何らかの形で特に許容する必要があると考え、一先ず同法では経過規定を設けまして、当時現に海事に関するこの種の行爲を行なつていた主な團体であるところの社團法人日本海運集会所に対し、同法施行後九十日間、即ち十月二十六日までに依頼を受けた紛爭については、当該行爲を許容することとし、これを行うため必要な範囲に限り、経過的に同法の適用除外團体とする旨を定め、後日研究の上速かに別個の恒久的立法をいたすこととしておりました。
 このような次第で去る十月二十六日までは從來通りに團体による海事仲裁等の行爲が行われておつたのでありますが、期限経過後の現在では、十月二十六日以前に依頼を受けた事件を処理できるだけで、その後新たな依頼を受けることはできない状態となつております。
 一方海事関係の取引につきましては、法制が実践界に即鷹していない憾みも強く、商慣習のごときも特殊なものがあります上に、國際性をも有し、現行民事訴訟法の認める仲裁制度を初めとし、裁判所外で必ずしも法規に拘泥しない事件の解決方法が極めて重要であります。中でも海事関係各方面の考えを総合的に代表し得るような公益法人の行うものが、最も権威あるものとされております。
 この法案は以上のごとき経緯と要請に基くものでありまして、海運に関する團体が海事仲裁等を行うことを事業目的に加える場合の認可制を確立し、且つ附則の規定を以てこの法律による認可を受けた團体は、当該行爲を行う限度において事業者團体法の適用除外團体となるように同法の適用除外團体に関する規定を改正するものであります。これにより海運に関する團体はその事業目的に海事仲裁等の行爲を行うことを加えることを認可されたときは、当該行爲を許容せられることとなるのであります。
 以上この法律案の経緯及び主目的につき簡単に申述べ、その必要な理由を御説明を申上げましたが、内容の詳細は逐條御審議の際申述べたいと存じます。会期切迫の折柄ではありますが、よろしく愼重御審議の上速かに御可決あらんことを希望するものであります。
#7
○委員長(板谷順助君) この法案に関する質疑は追つて継続することといたしまして、海運関係について小泉君から質問があると思いますから……。
#8
○小泉秀吉君 海運の当面の問題に関しまして二、三の事項に亘つて運輸大臣並びに総局長官にお尋ねをいたしたいと思うのであります。先ず第一のお尋ねは船員労需物資の配給機構についてお伺いしたいのであります。先般この委員会で大臣からもお話がありました九月二日附の連合軍の総司令部の覚書によつて、船舶運営会の傭船形式を定期傭船方式に切換えるということで、そのことに今精進しているというようなことでございますが、船員の労需物資の取扱は從來は財團法人の海員財團において取扱つておつたのでありますが、御承知のように海員財團は船舶運営会からの分担金並びに船舶運営会に属しておらない船の船主或いは船主團体から所属船舶のトン数に應じた分担金を集めまして、そうしてその財團の経費を支弁いたしておつたのであります。海員財團が船員の労需物資の購入、配給というようなことに立ち至りました経緯については特に申上げませんけれども、これは船舶運営会とは不可分の関係にあるその当時の海員報國團が解散しなければならんような事態に立ち至りましたときに、時の政府からそうした事業を一日も荒廃することは海運政策の上からできないというので、財團法人の海員財團というものを作つて、そうしてそこで引受けておつたのでありまする。今般この定期傭船切換に附随して船舶運営会におる船員が全部各船主に移つて行くというようなことになりますると、從つてその船員に対する労需物資の関係も、政府を通して船舶運営会との直接の関係ということでなしに、船主團体との関係に移るのだろうと思うのであります。そういうようなことに行きますると、財團の経費を運営会が持つておつた、域いは分担金として支出しておつたというようなことと違つた形式になるので、そういう点において財團の運営が不如意になるのではないかということを本員は憂慮しておるのであります。
 それから更にもう一つは、財團が生れました頃は、その労需物資の購入資金というようなものに関しましては、政府当局の口添えもありまして、そうして民間金融業者から金融を受けておつたというようなことで、それから継続しておつたのでありますが、累次に亘る物價改訂、つまりマル公の高騰というようなことに應じまして、その物資の購入に対する資金も莫大な金額になつておる。從つて金融業者から借金をするというようなこともますます困難な状態に立ち至つておるのであります。そうした両面の事情から、この際このままにして置くことは非常に憂慮に堪えないのでありまするが、そういうことに関してこの海運政策の面から定期傭船方式に切換えるということは、それが日本の海運を本当に正常に又急速に発達させ、又経費を節約するのに意義があるというような意味で、九月二日の連合軍の総司令部の覚書も出て來ておるのだろうと思います。從つて船員に対する労需物資の給與面をどういうふうにして行くかというようなことに対して、政府のお考えを一應伺つて置きたいと思うのであります。
#9
○政府委員(秋山龍君) 只今の小泉さんの御質問に対してお答えいたします。御質問の要旨は二つあつたかと思います。一つは連合軍覚書に伴う定期傭船制への切換に際して、船員の物資配給をどうする考えであるか、又それに伴つて現在行つておる海員財團が結局どうなるか、それが現在資金難で困つておるが、そういうようなことで船員に対する労需物資の配給上放置していいか、大体こういうふうな御趣旨と了承したわけであります。この二つの問題は全く重なつておる関係にございますので、一應一つのものといたしまして、組織的にお答えいたしたいと思います。
 先ず船員の労需物資の配給というものが、陸上の物資の配給とどういう点が違つており、そこに困難性があるかという問題でございますが、陸上の方の労需物資の配給規則は、犬体府縣を中心に地域單位に切符の効力も物資の配給も行われておるのであります。然るに船の方は府縣等の区域に関係なく、定住せず、始終動き廻る関係にあるので、從つて船員に対する配給は、いずれの地域において切符が現物化される、即ち切符の効力が陸上の行政区画に制限されないこと、そうしてその船の動きに應ずるように現物が取引機関に廻ること、この二つの要件を備えることが必要なのでありまして、この点陸上の定住者に対する生活必需物資の配給ということを根本的に異つておるところでございます。從いまして政府におきましては労需物資、生活必需物資の統制の必要が起りまして以來、船に対しては報國團、その後は海員財團というものを利用いたしましてこれに切符の効力に関する裏書及び現物の取扱というようなことを委託いたしまして今日までやつて参つたのであります。然るに海員財團というものを占領政策の面から見られました場合に、実は二つの問題がございまして、一つは海員財團は只今小泉さんの御質問中にもございましたように、海員報國團を承継いたしました團体に一應なつております。これは基くところは尚多いのでありまして、財産その他は全く戰爭前に船員諸君が零細なる月給の中から貯金されてやられました財産が中心になつておるのであります。けれども、一應形式上海員報國團という解散團体を承継いたしておるのでありますから、これが財産の処分等に関しまして、國に取立てなければならないのではないかというような問題がございます。この点は目下いろいろ実情を説明いたしまして、そうではない、そうして貰つては困るのだというふうに目下努力をいたしておる次第でございます。それと相伴いまして今度は物資の配給統制というものは、民間の中間團体を排除しなければならない、こういうことが覚書にございまして、そのために統制会、統制組合等の解散を見ましたし、又配給につきましては切符制度及び切符に伴うところの業者の自由競爭、登録制度、こういつた事柄が逐次導入されて参つたわけでございまして、この面から見て果して海員財團のやつております船員労需物資の配給は許されるものかどうかというところに疑義があるのであります。併しながら我々の立場からいたしますると、どうもこれ以外には船員の労需物資、生活必需物資の配給に関するよい方法が考えられないのでありまして、その点がどうしても占領政策上いかんと言われる場合には、又新たな方法を考えなければならんと思いますけれども先ず現在のところでそれが許されるとすれば、今日やつておりまする方法が最も妥当なものである、又最も便宜なものである、こういうふうに考えておるわけでありまして、從つてその関係について目下関係当局と鋭意折衝いたしておるわけでありまして、未だこれに関する最後的の決定を受けておらない、こういう事情になつておるわけでございます。それで定期傭船の制度に切換えるに際しまして、船員事務が運営会を離れて船主に帰るわけでございますが、この必需物資、つまり船用品、船内の食糧とか或いは船員に対する労需物資、こういうようなものの配給をどういうふうにこの際必然的に切換えるかということにつきましては、実は先程來申上げました海員財團の問題とも考え合せて決定する必要がありますので、未だ結論には到達いたしておらないのでありまして、私共の考えでは定期傭船に切換えられましても、それで必然的に海員財團の取扱い範囲が変るとは考えておらないわけであります。目下鋭意関係当局と折衝をいたしておるような次第でございます。
 次に御質問の第二点の資金問題でございますが、これは私共もできるだけの努力をいたしまして海員財團に対して金融の斡旋等を行い、所要資金に不足しないように努力をいたして参つたのではありますけれども、何分物價の改訂に伴いまして漸次値が上つて参りまして、相当巨大な資金になつております関係上と、それからもう一つは只今申上げましたような根本問題が未だ決定しておらない関係等もございまして、資金等が十分に手当ができておらないということは非常に残念に思う次第であります。從いまして私共といたしましては、只今縷々申上げましたような事柄を成るべく早く決定いたしまして、その線に沿つて船員の必需物資が、切符があつて現物化ができないというような事態がないように、又船員が何れの地に参りましても切符が現物化できるようにしたい。かように努力をいたしているような次第でございます。
#10
○小泉秀吉君 只今のお話は船員の労需物資に対しては、政府は十分関心を持つているから、その購入、配給等のことに関して定期傭船の切換になつても、尚十分支障のないようなふうに配慮するというようなことと了承してよいと思いますがよろしゆうございますか。
 第二の点は海上労働問題の現況についてお伺いしたいのであります。この夏以來全日本海員組合が運営会に対して給與改善を要求しておりましたのですけれども、その後船員中央労働委員会の斡旋によりまして、その斡旋の成案を双方受諾した、即ち組合も運営会も、受諾したというようなふうに私は聞き及んでいるのでありますが、受諾はしたけれども運営会の方では金融の処置が尚できないのと、そうしてその点に関して政府と交渉をしているというようなふうに聞いております。若しそういうことが事実であるならば、一体ただ金の処理ができないからその斡旋は受諾したが、それで荏苒日を送つているというようなことであれば、組合の方においてもそれをいつまでも待つてはおれないというようなことで、相当の決意を以て政府にも今話をしているというように聞き及んでおりますが、その辺の経過並びにそれに対する大臣の御所見を伺いたいと思います。
#11
○國務大臣(小澤佐重喜君) 船員の爭議過程につきましては只今小泉委員がお話の通りでありまして、從つて政府といたしましても極力これを予算化すべく大蔵省、或いは閣議におきましていろいろ論議を盡くし、而も成案を得まして大体閣議といたしましては、これを了承し関係方面の了承を得つつあるのであります。從いまして若し今回の國会に追加予算が上程されまして、これが國会の審議が議了いたしますれば、直ちにこの問題が解決するだけの財源を有し、又計上されているのでありまするが、御承知のように今以てこの追加予算の提案ができないような情勢に置かれているのであります。併し勿論政府はこの追加予算の上程につきましては、最後まで第三國会を目標にいたしまして提出の準備を怠つていないのであります。併し率直に申上げますならば、この第三國会は最後には解散になるのではないか、又政府の方針といたしましても、公務員法外の重要な法案が通過いたしますれば、解散するということをすでに声明を出しているのであります。そういうこととかれこれ考えまするというと、或いはこの追加予算が第三國会の最後まで、即ち今月一杯には提出されるかどうかということ、提出されても審議が終了するかどうかということは甚だ疑問なんであります。そういう場合における処置をどうするかということになりまするが、若しそういう事態が発生いたしまして、本國会中に解散があつたというような場合におきましては、直ちに参議院の緊急集会を求めまして、そうして緊急措く能わざるところの予算、即ちこの只今の予算等も暫定予算といたしまして、参議院において審議を求める、そうしてこれに対する措置を講ずるつもりでおつたのであります。ところが本日海員組合の代表者、執行委員長外数名がおいでになりまして、從來のような、いつまで経つても現金化されない状態においては、これ以上我々は我慢ができないから、來る二十九日より四十八時間の出港停船をするという宣言文を持ちまして私の許に参つたのであります。そこで私といたしまして、昨夜からこうした形勢が窺われておつたのでありますので、海運長官その他と熟議をいたしまして、その場合に処する考え方をいろいろ相談中でありましたのです。という相談は、要するにこのような状態において大体政府のやつたことでありますけれども、政府としてこの勧告案を主にしてそうして漸く纏つた協定案を、実行は遅れておるのでありまするから、一應政府の方の手落ちということも考えられるのであります。で、ありまするから、こうした政府の手落の形における爭議に入るということは極力これを避けなければならんという立前の下に、我々といたしましては何とか具体的に爭議に入らんような方法を講じようという考えになりまして、そうして一應運輸省の考え方としては昨日決定いたしておるのであります。勿論その内容におきまして、今直ちに発表することが果してどうかと思いまするので、大蔵省或いは閣議等の了承を得まして、更に関係方面の了解を得た上でなければその案が実現可能性があるかどうかということも分りませんので、極力先程申しました内容は申上げられませんけれども、いわゆる妥協案と申しましようか、その爭議に入らない方法の案を実現化することによつて二十九日よりの只今の四十八時間出港停船ということを中止して、円満な協議の下に、かくのごとき事態が発生しないように協力をいたしております。勿論船員組合におきまして挙げられておる、即ちストライキに入ると挙げられておる理由はこれだけではございませんので、更にこの退職金規定のない今年の二月頃から、いわゆる船員側からの要求がありまして、船舶運営会からの要求がありまして、これに対して認可を與えておらんのであります。併し與えていないということは、内容等におきまして相当に要求が無理だという見地から、國家の財政の現状等にも、或いは他との均衡等々をも考慮いたしまして、これも大蔵省とも折衝中のものでありますので、この問題につきましても大藏省と折衝するは勿論、閣議の了承を得まして、先程申上げた線に協力しようという決心の下に極力その運びに努めておるような状態でありまするので、何とかしてこれを未前に防ぐべく協力しておるような実情であります。
#12
○委員長(板谷順助君) ちよつと今の問題に関連して政府の意向を確かめて置きますが、先般この委員会におきまして、定期傭船の切換については、船主側或いは関係團体においては、十二月一日を目標として、あらゆる準備を整えておるのであります。ところがこれに対するところの政府の答弁がまだはつきりしておらない。我々の方ではその準備があるのであるから、政府が十二月一日を目標にして切換が確実できるかどうか、これをもう少し御答弁願いたい。
 それから今のお話の船員に関する問題が、これは重大問題であります。先ず第一に、先だつて運輸大臣が定期傭船の切換について、二十三億の金を要求しておる。若しそれができない場合においては、或いは参議院の緊急集会によつて解決する云々ということでありまするが、併しそういう生温いことでは、この問題の解決は恐らく私はできないと思うのです。思うのであるからして、これは極力どうしても補正予算の中に実現するように御努力を願いたい。若しできない場合はこれをどうするかということが、いつになるか分りませんけれども、参議院の緊急集会というようなことであるならば、從つて相当その期日も遅れることであります。遅れるのでありますから、これをもつと確固たる方針を採つておやりにならんというと、恐らくは今船員の非常に激化しておる問題はなかなか解決は困難であります。從つてこれに対する運輸大臣の決心を伺つておきたいと思います。
#13
○國務大臣(小澤佐重喜君) 只今のいわゆる三割増の問題でありまするが、すでに閣議といたしましては、大藏省も、各國務大臣も了承されまして、予算に編成されておるのであります。ただ関係方面の了解がつきますれば、本日にでも追加予算として提出が可能の状態になつておりますが、先程も申上げました通り、目下交渉中でありまして、まだこれを提出するような運びになつておらんことは誠に遺憾であります。遺憾でありまするが、併し現状はこれを熱心に速かにやるより外に途がないのでありまして、私に一歩先を進んで、万が一この第三國会に提案が不可能になつた場合のことを予想して、その場合においてに参議院の緊急集会を求めて、追加予算、或いは憲法の命ずるところに從つて緊急必要な予算提出というものを講じてでも、これの解決はしなければならん。これは仮定の論でありまして、勿論でき得ることならば、この第三國会に補正予算を提出する。そうしてこの問題を解決することが適当であることは十分了承しております。併し今申上げました通り相当の審議期間というものを考慮しなければなりませんし、いつ了解がつくかということの見通しが現在ではついておりませんのでありますから、それは万が一の場合どうするかということになりますと、先程も申上げましたように、参議院の緊急集会以外には方法はないのであります。そこで若しそういう見通しの上で、仮に参議院の緊急集会までには、最悪の事態でも、只今の三割増に該当する金額の追加予算化ができるという見通しの下に何か便宜措置はないかというのが、先程申上げました今考えておる運輸省の案でありまして、これによつて何とか二十九日のいわゆる爭議というものを中止して貰うように、強力に交渉を継続する考えでおります。この問題も勿論見通しといたしまして、少なくとも來月の十月頃までに、これに該当する金額が予算化されるということが確定的でなければ、私共が現在考えておる一つの妥協案と申しましようか、便宜措置と申しましようか、こういう措置もとれないのでありまして、私はこれについては絶対責任を以てこれをやるという非常な決心の下に、只今のいわゆる便宜措置というか、妥協案というものを、大藏省或いは閣議の方面の了解を得つつ、その案の実現に努力しておるような次第であります。
#14
○委員長(板谷順助君) いま一つの問題は、國際情勢は好終非常に変化をいたしておりますが、折角関係方面が民営還元を決定されたのでありますが、これは予定通り、我々は十二月一日を目標としつつ進んであるのでありますが、政府はその用意があるかどうか。この点を一つ伺います。
#15
○政府委員(秋山龍君) 民営還元の、いわゆる定期傭船切換に関する問題は長年やつて参りました裸傭船の形で、特に多数の船員を件つておりまする船を、船主に船員と共に引渡すわけでありますから、その間に非常に複雑な問題がありまして、その間に運輸省部内に定期傭船協議会なるものを設けまして、ここに官、運営会、それから当事者でありますところの船主代表者及び船員の代表者を集めまして、そうしてそれぞれ具体的な案を練つて協議いたしております。然るに目下のところ、その大部分は議が纏つたのでありますが、未だ実は一部、特に船員関係におきましては九分九厘まで行つておりまして、あと一厘、議の纏らないものがございます。目下鋭意これの進捗を図つておるような状態であります。尚全体のプランが、全部関係方面の了解を得なければならない立前になつておるわけであります。私共の方といたしましては、纏るものから逐次成案を附しまして、これを送り込んでおるような次第でございますが、私共といたしましては、鋭意十二月一日を期してやりたいと思つて進めて参つておりまするが、何分進行状況が今のような情勢でございまするので、或いは十二月一日はむずかしいかとも思いますが、併しそれだからといつて、これを大巾に延ばすことなく、準備完了次第、日を切らないでも、でき次第やるというような、こういうような態勢で、現在準備のピッチを緩めないで進めて行きたい、かように考えておるような次第であります。
#16
○小泉秀吉君 大臣の御決心と御覚悟というもりを、私は非常に感謝するものでありまするが、先刻も申上げましたように、中労委の斡旋案というものを労資相互に引受まておる。そうしてその予算関係が政府の方で手続がうまく行かずに遅れておるのだから、ストライキに入るのだというようなことになりますると、これは一体誰がそのストライキの責任を負うかというようなことも、ほぼ明確だろうと思うのであります。從いまして、大臣の折角の御覚悟並びに御決心に私共は信頼しまして、どうかストライキというような面白くない事態が発生しないように、万全の処置を取ることを重ねてお願いをいたして、私のその質問を打切ります。
 もう一つお伺いしたいのは、船員中央労働委員会に関してでありますが、これはどの程度信頼し得るか存じませんけれども、最近船員中央労働委員会というようなものが中央労働委員会の一つの分科会というようなものに認めて、特に船員に関しての中央労働委員会を存置しなくてもいいのではないかというような意見もあるやに仄聞しましたのですが、過去三年半に亘る船員中央労働委員会並びに地方労働委員会の業績に鑑みまして、私はそういう話は殆んど歯牙に掛けなくてもいいものと思つております。そういう実績から見て政府御当局は船員中央労働委員会の将來に対してどういうお考えであるか、この点をお伺いしたいと思います。
#17
○國務大臣(小澤佐重喜君) 小泉委員のお話のような風説がときどき耳に入るのでありますが、御承知のようにこの問題は理論的に申上げまするというと、即ち労働行政一元化というようなことを考えますというと、必ずしもこの風説の説に理論的の裏附がないというようなことは言えないのであります。一應の理窟はあるのであります。併し我々の一番主張しておるところは、一般陸上労働者というものと船員の特殊性ということを強く主張して現在の制度ができたのでありまする関係上、例えば労働省の設置、あれは度々同じ議論が繰返されまして、最後にどうしても船員労働者の特殊な地位というものを認識して、よりよく船員労働行政を達成するという立前からいうならば、どうしてもこれは分離して現在の制度で行くことが適当であるという結論の下に現行制度が樹立されたのでありまして、今後こういう迂闊な議論が幾度繰返されようとも、我々は特殊性ということが主眼として現行制度が設定されたのでありまするから、若しそういう議論が閣議或いは議会その他におきましてされた場合におきましては、從來の方針を変更することなく最後まで船員労働者の保護のために、又船員労働行政の完璧を期するために現行制度を主張するという強い決心を持つておるのであります。
#18
○小泉秀吉君 ちよつと……。大臣の御決心非常に感謝いたしますが、私は同意見でありますが、そのことに関連しまして長官に一、二お伺いしたいのですが、現在の中労委の状態を見まするというと、その事務局というものが非常に貧弱であるように私には思えるのです。ああいう寡少の人員で根本的の調査研究なんかができるかどうか、或いはあの狭苦しいと言うていいか、殆んどむさ苦しいというてもいいくらいの部屋を事務局に当てておつて、そういうことで今大臣の言われたようなことが完璧を期するかどうか、その他まあ妙なことを伺いますが、旅費だとか手当てというようなものを委員なり調査委員に対して十分支給のできるようなふうに予算的の御検討をいたしておるのか、現在のままで行くおつもりか、そういう点を一つ御説明を願いたいと思います。
#19
○政府委員(秋山龍君) 只今小泉さんのお叱り一々御尤もでございまして、先ず事務室の問題でございますが、私共といたしても事務室は実は海運総局全体が非常な不便を感じておるのでありまして、最近も航海訓練所を一部海上保安廰の屋上に増築して出しましたり、原簿室の一部を旧商船学校の一部に移管いたしましたり、いろいろな方法を講じまして我慢し合つておるような状況でございます。併しながら船員中央労働委員会の重要性に鑑みまして、何とか一ついい部屋を見附けて差上げたいと思つていろいろ努力をいたしておりまするが、何分鉄筋コンクリートの建物で融通性がございませんものですから、今日のような状態になつておることは誠に遺憾であります。できるだけ今後ともに努力を続けて参りたいと思つております。尚予算その他の規模の問題でございますが、これは対象とする労務者の数から申しますと、海上の方は極めて特異性がございまして、陸上とは比べものにならないのであります。対象の数が非常に違うというところからこれは予算等も十分に得られないということが現状でございまして、この点は誠に遺憾でございます。今後できるだけ努力いたしまして、人員、予算等の整備を図りたいと思つております。尚研究所につきましては当局の船員局も同じ内部の仕事をいたしておるわけでございますから、十分協力いたしまして万全を期したいと、かように存じております。
#20
○小泉秀吉君 最後に一つ長官に伺いたいのでありますけれども、横浜と神戸の港湾施設の管理問題は八月十三日附の覚書で港湾施設を米軍が接收管理しておるものを日本に返すというようなことで、その運営計画を日本政府から差出すようにということであつたそうでありますが、その後承りますというと、関係官署の間でなかなか話が纏らない、そうして結局次官会議での代案を得て來たが、向うで承知しないで、今尚折角返そうというものが返つて來ないというようなふうに聞き及んでおりますのですけれども、これは一体海運総局としてはどういうふうな考を持つてこれに対処しておられるのか。極めて簡單でよいですから一つお考を伺いたいと思います。
#21
○政府委員(秋山龍君) お答えいたします。港湾の行政特に港湾における荷役の行政というものは、戰事前には実は余りはつきりしたものはなかつたのでありますが、その後戰爭に連れまして荷役の重要性が強調せられ、港湾の一部に独自の権限を振つておりました税関と港湾荷役に責任を持つ海運局でございますが、これを合併して一つの手でコントロールしなければならない、こういうふうな議が熟しまして戰時中税関と海運局の合併をいたして、そうして一元的に港湾の管理をいたして参つたことは御承知の通りでございますが、その後終戰になりまして、まあ外國貿易の再開等も予想される折柄、税関などの復活が必要と認められまして、税関の分離独立をしたのでございますが、その際に我々の海運当局としての主張は、この港湾というものは防波堤、それから沖の浮標、岸壁、荷役機械、倉庫、上屋、艀舟、人夫、こういうようなものを総合一体化したものが港湾の能力でございまして、その一部の荷役関係に責任者の力の及ぱないものができるということは港湾の総合運営を害する、こういうような見地から種々話合いました結果、徴税に関する廳舎及びその機能はこれを税関に返却するけれども、他の埠頭その他の施設は国有財産として一括して海運局が管理するという、実はそういう方針の下に税関と海運局の機能を分けたのでありますが、その後横浜及び神戸港の連合軍占用施設を日本側に返す、そうしてここで日本のサーヴイスに対してドルの金を拂つててやろうというような指令が出ました際に、日本側でこの港湾をどういうふうに運営するがよいか、こういうことを諮問されたわけであります。これに対しまして海運局といたしましては、從来の主張からいたしまして、当然開放せられましたピーアその他は港湾施設の一部として一元的に海運局が管理すべきものである、こういうふうな主張をして参つたのでありますが、税関といたしましては税関の機能は必ずしも税金を取るばかりではないのであります。非常に古い法律でありますが、関税法の規定するところによれば、一つの地域を画してここに絶対的な権限を振うということが税金をうまく徴收し、脱税をなからしめ、密貿易を防ぐ上において極めて必要である、かような見解を持たれまして、ここに両事務当局の意見が相対峙したわけであります。論爭の日を重ねましたけれども、なかなか容易に解決が見られませんので、蓬に次官会議にこれを一任いたしまして、関係次官の採決を求めたのでありますが、関係次官会議におきましては、大体両方が旧税関の施設については海運局と税関とが大体五分々々を共管をするのだ。そういう氣持で繋船外及び荷役機械等はこれは主として海運局の方で、まあ何といいますか、海運局の方が主たる管理者、それから上屋の方はこれに反して税関が主たる管理者になつて海運局の方は從たる担任者になるのだ、こういうふうな妥協案を決定されたのであります。政府といたしましてはこの線に副いまして、関係方面にこういうような機構で運営したいという計画書を提出いたしたのでございます。然るに関係方面におきましてもこれに対していろいろと審議檢討を加えられておるようでございますけれども、なかなかことが複雑で決定が困難と見えまして、未だ何らの正式な御回答に接しておらないというのが実際でございます。以上経過を申上げました。
委員長(版谷順助君)それは何ですか。一体となれば向うが許すのですか、何とが話を纏めなければ……。折角返すというものを未だに決まらんということは不利なことじやないですか。
#22
○政府委員(秋山龍君) 日本政府といたしましては、一應ここに決定案なるものを持つておるわけであります。結論を得たわけであります。それに対して関係方面では不満だと言われでおるようでございます。これをまだ正式にどこが悪いとか、どうであるとかいうことを我々は聞いておるわけではありません。向うの意思表示を待つておるわけであります。
#23
○委員長(板谷順助君) ぞれならば大臣同士が話し合つて、それが一本になれば向うが返すというのに、いまだそれがそのままになつていることは問題じやないかと思います。
#24
○小泉秀吉君 ちよつとその問題を大臣に私はむしろ希望いたしますが、今委員長からもお話があつたのでありますが、業者並びに使用者といいますか、我々民間の方の各方面の希望は大体先つき長官が言われたようなふうに、戰爭中に海運行政並びに海運業のいろいろな施設を纏めて一本にするというようなことで多年問題があつたのです。それで税関を海運局といいますか、運輸省に接收するというようなことで纏めて一本になつたのであります。ところが今のお話のように税関の上屋は、神戸、横浜における上屋は税関が管理する、それから國有でないところの上屋は、市その他で持つているものは、これは運輸省が管理してもよろしいというようなことでやつて行きますと、倉庫業者にしましても、ステペその他の荷役業者にしましても窓口一木でなしに幾つにもなるというような煩瑣なことになるのが実情でありますので、そういうふうな点も勘案して、是非これは大臣のところでそういう点を御考慮を願つて民間の要望に副うように御配慮をこの際願いたいと思います。それから今委員長が言われたように日本政府の方の行き方によつて返えすものか、返せんものかというようなことが眞実でなるならば、そういうものは國策の上から言つても先ず話にならんことですから、是非一つ御檢討を願いたいと思います。
#25
○國務大臣(小澤佐重喜君) 実はこの問題はここで初めで詳しく聞いたような状態でございまして、段々小泉委員、委員長並びに長官の話を聞きますというと、どうしてもこれは政治的に解決しなければならんというような状勢に、置かれてあると思いまするからもう少し詳しく今までの経過を十分調査した上におきまして皆さんの御希望に副うような政治的解決を直ちに開始たいと、かように考えでおります。
#26
○委員長(板谷順助君) それから尚大臣に対する御質問があるならば明日も引続いて委員会を開きますが、大臣は今日他に用件があるということですから……。それから船舶公團の総裁が御出席になつておりますから、この際丹羽さん、あなたの要求をお述べになつて下さい。
   〔委員長退席、理事小野哲君委員長席に著く〕
#27
○理事(小野哲君) 船舶公團の総裁が出席されておりますので、委員各位の御質問に應じては必要に應じて総裁の発言を許したいと思いますが、如何でざいましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○理事(小野哲君) ではさように取計います。丹羽委員。
#29
○丹羽五郎君 私船舶公團の大体の現在の機構の大要ということを先ず総裁から説明を聞きたいと思います。
#30
○説明員(谷口茂雄君) 私只今御紹介を頂きました船舶公團総裁谷口と申します。よろしくどうぞ……。船舶公團の現在の機構について御質問でございます。お答え申上げます。只今船舶公團は総務部、造修部、監理部、資材部、経理部の五部に分ちまして、各部長は理事が專任いたしております。更に常任幹事がありまして幹事室を一室持つております。今までは東京の本部ばかりで仕事をいたしておりましたのでありますが、段々仕事が殖えて参りまするのと、現地のいろいろな監督その他の雑務をとりまする関係上、十月から大阪の方に関西駐在員を置きまして、丁度只今四名の人間を配置いたしておりますのでありますが、兵庫縣、京都府、大阪府、和歌山縣、これだけのすべての仕事をさしております。
#31
○丹羽五郎君 船舶公團が生れてから現在日本の海運界に向つて相当いろいろ活発に働いていられることは非常に私共も喜びに堪えない点でありますが、最近船舶公團の動きについて巷間いろいろのことを私は耳にいたしておるわけであります。その辺は甚だ遺憾に考えておる点ですが、一應現在船舶公團が貸附けておるところの金額、同時にその貸附けておる船舶の隻数、トン数ということについて大体分りましたら……。第一次、第二次、第三次ということで分けました方が私数字が早く出はしないか、こう考えておりますが、第一次船舶は何隻で幾らの貸附か、第二次は幾らということを御説明を得た方がよく分ると思います。
#32
○理事(小野哲君) 丹羽委員ちよつと御相談しますが、若し必要に應じては詳細な数字に亘ることならば、或いは総裁のどなたか代理者から説明をされてもいいのではないかと思うのですが……、総裁資料お持ちでございますか。
#33
○説明員(谷口茂雄君) 持つております。
#34
○理事(小野哲君) それでは総裁からどうぞ。
#35
○説明員(谷口茂雄君) 一應御満足を得られるかどうか分りませんが、その前に一体公團の業務というものはどういうものかと申しますると、御承知でもございますでしようが、公團法の第十六條に「船舶、船舶用機関及び、ぎ装品の製造の注文並びに船舶の改造、修繕、引揚又は解体の注文」二が「船舶、船舶用機関、ぎ装品及び船舶用資材の買受又は費渡並びに船舶の保有又は貸付」それからその次は「政府の委託による船舶の管理」これが主なる船舶公團の業務になつておるわけでありますが、只今丹羽さんのお尋ねはこの中の船舶に関することだけの御質問と考えまするので、先ず以て船舶だけの状況を御報告申上げたいと思います。
 公團が創立いたしました当時は、御承知の通り産業設備営團がすでに注文しておりまして、産業設備営團が閉鎖いたしますにつきまして、船舶公團が引継いだ船があるのであります。これは当時公團の創立は昨年の五月でありますが、昨年の五月に産業設備営團がすでにでき上つた船を所有しておりましたものが四十四隻、そのトン数が重量トンにいたしまして、十八万八千三百八十トンであります。これを公團が引継いだのであります。それからその当時産業設備営團が注文をいたしておりまして、未完成の船を引き継ぎましたのが、二十九隻、九百四千六百五十一トン、合計七十三隻、二十八万三千〇三十一トン、これを俗に続行船と称しております。それから公團ができましてから新らしく発註いたしましたものが、新造船でありますが、これが二十二年度に合計三十隻、六万三千九百五十三トン、それから二十三年度の只今お話の第一次契約船これがB型、C型、E型、F型を通じまして二十八隻、重量トンにいたしまして八万一千七百五十八トン、二十三年度の中第二次契約船としましたものが、C、D、F型を通じまして二十四隻、八万一千トン、二十三年度の第三次新造船といたしまして注文をいたしましたのがB、C、Fの型を通じまして十九隻七万四千トン、それだけで総計百一隻三十万七百十一トン契約済であります。その次に第四次といたしまして十九隻の舶を註文いたしました。これが重量トンで約七万トンでありますが、只今の「GHQ」の方へ許可申請中であります。それから戰爭中にできました船で改E型というものがありますが、その船がどうも運行能率が非常に悪い、中には全然不稼働の船もあるということでありますので、この改装をいたしまして当面の輸送力増強を図りましたのでありますが、その改装をいたしましたものが十月末までの調査で六十隻、九万五千八百五十トン改装をいたした、その中に多少工事中のものが残つておりますが、そういうことであります。戰災を受けまして、公團の手によりまして修繕をいたしましたものが十五隻、九万一千四百九トン、この中にはまだ多少修繕工事完成の終えないものが残つております。それから日本近海で変災を受けて沈みました船の沈船の引揚げでありますが、沈船の引揚げが今日まで引揚済のものが三十隻、十万八千六百九十八トン、今引揚工事中のものが五隻、二万四千三百十七トン、合計いたしまして三十五隻、十三万三千十五トン、これらの般は引揚完了いたしますると、逐次修繕をいたしまして、運行をいたしておるのであります。尚十一月に入りましてから引揚工事は「GHQ」方面からも督促をされまして、又引揚工事も大変順調に参りまして、十一月には相当数の引揚げができるものと考えております。
#36
○丹羽五郎君 詳細承りましてよく内容の点は分りましたが、第一陣の二十二年度の第一次に三十隻、六万三千九百五十三トンと、それは船によつて大体違いますが、戰後はトン当りどれ程の何を目標にして貸附保障をしておられるんですか。第一次は……。
#37
○説明員(谷口茂雄君) それは金額は私まだ調査したものは残つておりませんが。
#38
○丹羽五郎君 今度第四次申請をしておられるのは二十九隻で、七万トン、第三次が十九隻で七万四千トンということになつておりますが、最初第一次の三十隻の折の船價と、第三次の十九隻の船價とは非常な物價の高騰によつて、船價が莫大な舶價になつて來ておりますが、公團といたしましてはこれは船主がこれによつて公團が保証する或は貸し與えている金の金利は容易に回收がつき、而も原價償却が容易にでき得ると、公園は現在お考えになつてこれをやつておられるのか、その点を一つお伺いしたい。
#39
○説明員(谷口茂雄君) 只今御承知の通り日本の船舶は一般に國家資本になつておりまして、原價計算に從つて運営会が支拂つておりますもので、当面は先ず間違いなく償却もでき、金利も拂い、して行くと思います。ただ併しその連営会がいつまで継続いたしまするか、船主が希望しておりまするごとく、民営にいたしました時分に、現在の傭船料以上で働きまするかどうであるか、これは市況の関係で今分りませんです。当面は運営会の方で原價計算をいたしておりますから、先ず安全だと思います。
#40
○丹羽五郎君 実はお尋ねしたいのは、前欧洲大戰におきまして、アメリカが、いよいよ船舶によらなければならんというので、いろいろな方法によつて船舶を拵えました結果が、その船慣が非常な高い船價であつたために、船主はその船を持つことに堪えられずに、アメリカにおいては船舶院というものができまして、これをいろいろ救済をしたという事実は、谷口総裁もよく、私は御存じのことと、かように考えますが、只今國家においてこれを使用しておりまするレートに行きますならば、或は金利も佛い、減價償却も一定の償却ができるかと、かように考えておりますが、大体先刻の委員会においてもいろいろお聞きの通りに、果しでこの機構がいつまで行くかということは殆んど常識的に目前に迫つておることは御同樣御存じのことと、かように考えますが、若しそうした場合に、船主がが莫大なる船價の船を働かして、採算が合わずに來た場合に処する対策として、何か今公團においてはお考えになつておるんですか、その点をちよつとお伺いします。
#41
○説明員(谷口茂雄君) 只今の、船價が非常に高いから、船主がこの高い船價を以て運行ができるかどうかという御質問でありますが、船價の高いことは無論高いのでありますが、これは日本のすべての物價が高いのでこれは要するに貨幣の下落から來ておるのでありまして、第一次ヨーロツパ戰爭後のアメリカの船價が高かつたということと、やや事情が違うんじやないかと心得えるのであります。現に日本の近海の運賃も御承知の通り非常に暴騰をいたしております。ともかく爲替は戰前四円が一ドルぐらいのものでありましたものが、今三百円乃至四百円が一ドルというようなことになつておるのでございまするから、非常に船價が高く感じられるのでありますが、仮にこの船が今海外に出まして、海外の運賃からもし一割ぐらい安い運賃で日本船が荷物を取りましても、今の爲替相場で切換えれば、運賃が上るのであります。先ず將來はどういうことになるか存じませんが、海外に少しずつ船が配船できますれば、十分に行ける計算にはなつております、ただ爲替というものの関係がどうなりますか、これは見方によりましていろいろ変つて來るでございましよう。
#42
○丹羽五郎君 現在公團において造らしておりまする船が海外まで進出をして行く余裕の船型の船が、そう沢山私はないように考えておりますが、その点を一つお尋ねしたい。
#43
○説明員(谷口茂雄君) 御説の通りでありまして、日本の船は全体に極めてて古い船とか悪い船ばかりが残つておりまして、なかなか海外の市場に出て競爭をするということは、困難であろうということになつておるのでありますが、これも船舶公團ができました一つの使命であります。現在船舶公團の造りつつありまするものは、漸次大型を殖やして行きまして、何どきでも海外へ出られるように準備をやつております一面、公團の方としては海外の外國船と比較しまして、見劣りのない優秀な日本船を造りたいというので、公團の、先程申しました各部の以外に、日本の造船界において権威ある方々ばかりを三名参與としてお願いをしておりまして、一面技術的にも絶えず研究をしておりまして、着々いい船を造つておりますが、ただ御承知の通り、只今は海外に出ることを許されないものでありますから、これらの船が完成されましたらば、遠くは分りませんが、極東方面くらいには、ぼつぼつ出られるのではないかということを、まあ期待しておるのであります。
#44
○丹羽五郎君 私共はこの船舶公團の健全な発達が、即ち日本の海運業界を再起させるため、船舶公團は非常に重大な使命を持つておる公團だというので、私共もこの公團に信頼し、この公團の進み方を重要視して來ておりますが、最近いろいろ実はいやなことを私共耳にいたしますのは、この第二次、第三次或いは第四次というこの造船を、船を持つ船主に対する競爭入札というようなことで、現在公團は競爭入札ということで、何か外部から聞きますのに、百鬼夜行というような言葉も、私共の耳に入つているのでありますが、これは或いは入札に落ちた人が、負けた人が、一つの自分の腹癒せとしてさような無形なことを造言しておるものだと、かように考えておりますが、この入札の内容について忌憚のない一つ総裁の一應の意見をお尋ねしたいと思います。
#45
○政府委員(秋山龍君) 只今丹羽さんのお尋ねに対しまして、実は船主の決定は、海運総局の責任においてやつておりまするので、先ず事実を御答弁申上げて、ぞれから総裁の御意見等もございますればお話になつてもいいと思いますが、実は御承知の通り、戰爭中に非常に船が沢山なくなりました、六百万総トンの船が百三十万総トンに減つたわけでありますから、從つて現在の海運界は造船意慾というものが非常に熾烈なのであります。然るに資材、資金、その他の都合から、造船を許容し得る量というものが、これ又極めて、少い。そこでこれを如何なる方法で、どうしてこの業者に希望者に割当てるかということが実は重大な問題であります。これを若し戰爭中の割当方法というような工合に、審議会を作るとか或いは官僚の手でやるというようなことにいたしますると、それは非常な弊害が起つて來る、かように私共は考えざるを得ないのであります。勿論その弊害と申しまするのは、個人的な問題ばかりではございません。全体の大きな力から來るいろいろな弊害も予想されるわけであります。そこで私共といたしましては、これが最も公平に何人にも疑われない方法で公明正大に決まつて行くということが一番必要だと思うのであります。それには業者が何か自己のなすべき努力、正当なる努力、その努力が数量的に評價せられて何人なりとも明白に投資が決まる、こういう方法が望ましいと思うのであります。これはいろいろな方面から檢討いたしましたけれども、どうも他に名案がございません。そこで考えましたのは、この企業家活動というものは、一面自分の所要資金を調達するということは、企業責任者に課せられた一つの大きな使命であろうと存じます。同時にその調達しました資本を如何にうまく運用するか、この二つが要するに企業家活動の根本だろうと思いますが、後者の方は遺憾ながら船舶運営会の制度によりまして、今のところはできないことになつておるわけでありますから、結局企業としては片端の半分でありますけれども、その方面において努力をする、その努力の優つたものが結局新船の建造ができる、かように持つて行くことが一番適当ではないか、かように考えたわけであります。実は四百万トン將來日本が要るというようなことを申しますが、仮に四百万トンを現在のトン当り仮に八万円と仮定いたしますと、そうしますと三千二百億円の海運資本というものを要するわけでありまして、今からやはり何らかの方法によりまして資本の吸収を図つて行くということは、海運界を將來再建して行く上に最も必要だと考えます。かようなことをかれこれ考慮いたしまして、入札方法なるものを採つたわけであります。これは極めて公平明瞭に行われておるのでありまして、その間何ら決定について疑義を差挟まれることはないと確信いたしております。或いはとかくの批評はございますが、それはその方途は別の批評かと存じております。この入札方法自体に関しましては、私実に公明正大であるということを確信しておる次第であります。
#46
○丹羽五郎君 もう一度秋山長官にお尋ねしたいが、実は公明正大な入札が行われておる、これは私共非常に結構なことだと思います。今日本の國におきまして、今船舶の輸出ということを実はいろいろ考えておるのでありますが、國内競爭を苛烈にさせて行つたために、今外國から日本に船舶の註文をしたい人がありまして、その人がいろいろ日本の遊船施設を視、予備的交渉をしておる、日本の輸出船舶のトン当りの計算を出したときに、日本の國内においてはこんなに船が安くでき、輸出する船はこんなに高い船かと受取れるようなことでは、その予備契約は國内入札を競爭をさせたために、そういう外國に輸出する船舶の商談が相当破綻するというようなことを聞いておるのでありますが、その点ちよつと長官にお尋ねします。
#47
○政府委員(秋山龍君) お答えいたします。只今お答えいたしましたのは船主の方面の決定の方法でございますが、今度は造船所をどうして決めるか、かような問題がございます。これに対しましては、第三次までは船主の意向を尊重いたしまして、船主というものは船價については最も鋭敏なる利害関係を持つております。從つて船主と造船所との契約に任すならば、船價は最も安く最も妥当に落着く、かような仮定の下に出発いたしておつたのでありますが、第三次の船主の入札に当りましては、無理な金と申しますか、競爭したいがために造船所の協力を得て造船所の流動資金或いはあらゆる金融界のルートを動員しまして、無理に船主が自己調達資金で入札をした結果勢い船主に被りまして、造船所と商談いたします場合に、船主が造船所に牽制せられまして、造船價格が私としてはどうも高過ぎたのではないかとかように感じたのであります。又一面費用の点から海船政策が造船所に引摺られておるのではないかと、かような批評もございました。又その他船價が下ることに伴いまして好ましからざる噂を聞いたのでありまする。勿論さような事実はないと信じますが、併しこういうような噂の起るような余地のある方法は、即ちその方法に欠陷があるわけでありますので、何とかこれを改善いたしたいと思いまして、今度は造船所に対しましても標準船型を以て入札を試みた。その入札によりまして一定の企画、一定の基準で船を成るべく安く造る人から優先的に造船計画をするということにいたしたのでございます。これはいろいろな批評もあるようでありますが、私共は船舶公團の金はやはり復金の金でありますから、復金の金はやはり一般財政の金である、さようなことから一文でも安く良い船を造るということが最も望ましいと存じたのであります。從つて入札の方法を試みたのでありまして、こういう入札の方法はやはり当事者が最も民主的に責任ある態度を以て運用されないというと、そこに弊害が生じて來るわけであります。只今御質問にもございましたが、國有船を不当に叩いたから輸出が叩かれたのではないかというようなお話があつたようでありますが。私はそういうことは信じたくないのでありまして、実は國内船につきまして何ら不当に価格を叩いたことはございません。入札に対してはダンピングのないように、不当廉賣の線を入れまして、余り低價に入札するものはこれは失格させるというような方法も講じまして公正妥当な競爭が行われることを期待したのでございます。仮に國内の一つの取引において受けましたところの損失を他の取引に被せるということは商業道徳として如何かと思われます。私はさような事実はないと思います。
#48
○丹羽五郎君 今秋山長官のお答えは私の質問をちよつと誤解されたように考えます。私の申したのは國内で競爭を激烈にさせたため國内の船について割合に安い船便が決まる。それに対して外國の方は日本において或る程度有利な方法において船を註文しようという意思を以て、日本の國内の値段は安いから、その値段を以て註文して來ると、國内の造船所はそれで受けられないということになると、國内の競爭を余り激烈にしたため、今後の輸出船舶に対する船價にも大きな影響があるのではないかと思う、そこで政府はその辺をもう少し政治的に考える意思があるかどうかということが私の質問なのです。
#49
○政府委員(秋山龍君) 少し御質問の御趣旨と変つたかと思います。輸出國内船の方は、その入札の結果、大体、三次船よりも平均して一割足らず低位にあつた程度と存じております。從つて非常に競爭を激化して、いわゆる血みどろの競爭をして、血を出したというような現象は起つていなかつたのであります。それから輸出船と國内船とは註文が非常に違うんでありまして、輸出船の方は規格が非常にやかましいし、又室廻りその他の施設にいたしましても日本も当然戰爭をやらなければそこまで進んでいたろうと思いますけれども、日本としては戰爭その他で非常に規格が下つておりまして、向うは戰爭後から引続いて今日まで進歩した、その今日の段階の規格のものを註文いたすような関係で國内として最も上級なものを以てしても尚及ばないというものもありますから、從いましてその規格の差から價格は非常に違つておる、かようなことになつております。併しながら私は決して輸出船のために非常に高い値段を造船所へ言つているとは考えないのであります。そういつたような規格の差というものが、コストの差に現われておる、こういうふうに考えております。
#50
○丹羽五郎君 まだ少しお尋ねしたいこともあるんですが、船舶公團については詳細に実際船舶公團に対する自分としての忌憚のない、公團の動かし方ということも私お尋ねしたいと思つていますが、もう時間も少いですから一應この程度で私の質問は打切つて又後日に譲りたいと思います。
#51
○小泉秀吉君 今の長官のお話だと第三次よりも第四次の方が船價は安くなつているということですが、私は新聞や雑誌で見たのですが、その数字は挙げ得ないんですが、例えばB型で見ると第三次と第四次とで一億円も違う、その違うものが第三次よりも四次の方が余計の数字が書いてあつたように思われますが……。妙なことを伺つて恐縮なんですが。
#52
○政府委員(秋山龍君) お答えいたします。小泉さんの御覧になりましたのは船主側の競爭入札の数字と存じます。実はその船主側の方はどのくらいの金を自分が調達するかという、その金額の高によつて競爭いたしまして、別に造船所の方は標準の船を幾らで造るかということで競爭いたしまして、その両方が適格に入るというものが商取引をして、結論を定める、こうなつております。從いまして船主側の方では三次よりも四次の方は、確かに一億円ばかりよつておりますがそれは自己調達資金がそれだけになつたということでありますが、造船所側の船價の意味は、これは標準船型により入札がございますから、結論的には申上げかねるのでございます。そういつたことで一割弱安いのではないかという考えを持つております。こういうことであります。
#53
○丹羽五郎君 船舶公團の方に要求いたしますが、実は船舶公團に対する資料が甚だ少いので一應船舶公團の方から只今私が質問いたしました第一次から第三次までの船の隻数とそれからトン数、それからそれに対する公團が貸し與える金ということと、それから御迷惑ですが一々船主名をそれに附加えたものの一つの書類の提出を要求いたしたいと思います。
#54
○理事(小野哲君) 只今丹羽委員から資料の提出の要求がありました。船舶公團は、政府を通じて國会の方へ提出するようにお計らいを願いたいと思います。尚私からちよつと谷口総裁に伺つておきたいと思いますが、簡單に御意見を伺えば結構であります。今回國家公務員法の一部改正法律案が提案されておりまして公團の職員が特別職でなくなるようになつておるんですが、公團ができましてから、まだ日は浅いと申しながら職員の身分の上に相当大きな変更が加えられることにもなるし、これらの点につきまして公團としては、どういうふうなお考えを持つておられるか、政府においても勿論、当局者としての御意見があろうかと思いますけれども、この点について簡單に総裁の御意見を伺つて置きたいと思います。
#55
○説明員(谷口茂雄君) 只今の公務員法の改正でございますが、実は公團の役職員と申しますと、全部各方面におきまして仕事に熟練した者ばかり引つこ抜いて職員にいたしております。役員のごときは無論民間のいろいろな会社におりました者が、会社と全然縁を切りまして、裸になつて参つておりますのでありますが、それに公務員法の一般の取扱を頂きますと、これは大変な問題で、その人達は公團というものがなくなりますと帰るところがないというようなことになりますので、これは是非特別職にして頂きますように私共からお願いを申上げまして皆さんのお力を拝借したいと考えておるのであります。公團というものが御承知の通り只今十五公團ありますが、十五公團の中で配給関係の公團が八つありまして、貿易関係のものが四つ、價格調整公團と……、本当の整備公團と申しますれば産業復興公團、船舶公團の二つだけであります。從いまして船舶公團というものが今後ますます必要を感ずる公團でありまして、只今は漸く序の幕というくらいのものでありまして、今後いよいよ日本の海運を増強するについては船舶公團というものは是非必要だと思いますが、他の公團とは余程性質が変つておると思いますけれどもおのずからそこに生命にも制限があると思いますので、従業員を全部安心さして仕事をさせるということになりますと、無理矢理に民間から引つこ抜いて來た人間でありますから、今度帰る途を是非開いて頂きたいと考えておりますので、その点は特に御配慮を頂きたいと思つております。
#56
○小泉秀吉君 ちよつと長官にもう一つ今のお話と関連はいたしませんが、思い出しましたのですが、官吏の給與改善が行くんでしようが、それが官廳の船員の給與の問題ですが、人事委員会では船員の特殊性ということをどういうふうに考えておるか、或いはおられないか、そういうことに対して人事委員会がやはり官廳の船員をただ普通の官吏と同じようなふうにやられると、船員を持つておる官廳でも困るだろうし、又船員自体も非常にお困りになろうと思うのでありますが、こういうことに対して当局は全面的に何か人事委員会の方に研究するとか、或いはどういうふうに取扱うということで御承知をしておられるのでありましようか、その点私は念のために伺つておきます。
#57
○政府委員(秋山龍君) お答えいたします。官廳関係の船員につきましてはやはり海上勤務の特殊性ということを強調いたしまして、現行の二千九百円ベースは海上も加えまして、原則を承認されて作つたのであります。実は人事院のできる前の処置でございまして、從いまして人事院に対しましても同樣の趣旨の申入れをし、又同樣に取運んでおると確信いたしておりますけれども、実はまだはつきり聞いておりませんので、後刻確かめましてお答えいたしたいと思います。
#58
○小泉秀吉君 それを是非一つ支障のないようにお願いしたいと思います。
#59
○丹羽五郎君 最後に船舶公團の総裁に申上げたいのでありますが、日本の海運は私共は申上げるまでもなく、非常に今大きな岐路に到達しておるのであります。而も船舶公團は昨年末まだその緒に公團機構が、つくかつかないかという間においてこの大きな國家海運のお仕事を負つてお立ちになつているので、相当いろいろのことについて困難なことが往々現われて來るだろうと、かようには考えておりますが、十分この場合に嚴正公正にして、日本の将來の海運の樹立ということに着手して頂いて、よくこの公團の運営を、十分に機能を発揮するように十分御努力をして頂きたいということをこの機会に一言申上げておきたいと思います。
#60
○理事(小野哲君) 外に御質問もなければ本日はこれを以て散会いたします。尚明二十六日は午後一時から本委員会を開会いたします。その際、日本國有鉄道法案に関する質疑の続行をいたします外に、海事仲裁等に関する法律案の質問を行うことにいたしたいと思いますので、予め御承知置きを願います。
   午後三時二十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           小泉 秀吉君
           小野  哲君
           丹羽 五郎君
   委員
           内村 清次君
           大隅 憲二君
          橋本萬右衞門君
           入交 太藏君
          前之園喜一郎君
           飯田精太郎君
           高田  寛君
           結城 安次君
           鈴木 清一君
  國務大臣
   運 輸 大 臣 小澤佐重喜君
  政府委員
   運輸政務次官  加藤常太郎君
   運輸事務官
   (鉄道総局総務
   局総務課長)  中村  豊君
   運輸事務官
   (海運総局長
   官)      秋山  龍君
   運輸事務官
   (海運総局総務
   課長)     壺井 玄剛君
   運輸事務官
   (海運総局海運
   局長)     岡田 修一君
   運輸事務官
   (海運総局船員
   局長)     山口  傳君
  説明員
   船舶公團総裁  谷口 茂雄君
ソース: 国立国会図書館
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