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1948/11/27 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 運輸委員会 第8号
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1948/11/27 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 運輸委員会 第8号

#1
第003回国会 運輸委員会 第8号
昭和二十三年十一月二十七日(土曜
日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○海運問題に関する件
○海事仲裁等に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○日本國有鉄道法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午後一時四十七分開会
#2
○委員長(板谷順助君) それではこれより開会いたします。海事仲裁等に関する法律案の中に字句の修正する点がありますのでこの点を申上げます。第二條の二号のロの所に「構成員であるかどうかを問わず、何人も、自由に、且つ、同一の條件で当該事業團体」となつておりますのを「当該事業者團体」と、こう訂正いたします。それから附則の八のところで「海事仲裁等に関する法律第一條の規定によつて認可を受けた海運に関する事業團体、」そのところに「。」を入れまして、「但し、」とこう訂正いたします。
 何か政府委員に外に御質問ありませんか、大臣が参りますまで……。
#3
○高田寛君 一つ海運総局の長官にお尋ねしたいのですが、瀬戸内海における機雷の問題、戰時中投下された機雷の問題ですが、瀬戸内海は言うまでもなく、我が海運界で今一番大事な場所であり、又一方観光事業方面から言つても、瀬戸内海というものを、外國の観光客に廣く紹介するという意味で非常に力を入れておるんですが、ここに戰時中多数の機雷が投下されて、非常に運航に危險を見ておる。現に先般も関西汽船の女王丸が遭難して、非常に大きな事件を起したのでありますが、この掃海がなかなか進捗していないために、未だに危險の区域が多いということを聞いておるのですが、この掃海の事業の進展模様について一つお尋ねしたいと思います。
#4
○政府委員(秋山龍君) 私案はその方の所管をいたしておりませんので、お答えいたしかねるのでございますが、実はそれは海上保安廳ができましてから、海上保安廳に移つておりますので、保安廳の方へお尋ね願いたいと思います。
#5
○政府委員(加藤常太郎君) 今高田委員から御質問の掃海の点でありますが、これは今秋山長官からのお話にあつた通り、海上保安廳の所管に最近移つておりまして、海上保安廳が專らそれをやつておるのでありますが、大体瀬戸内海方面は、門司とそれから神戸に海上保安本部がありまして、掃海艇を操縱いたしまして、最近大体瀬戸内海の本航路は全部完了いたしております。それからいわゆる横でありますが、本土と四國間の支線でありますが、この点も大体全部完了いたしております。ただ航路外の方面におきましては、まだ残つておるのでありますが、航路外を全部掃海するということも、現在の資材関係、又所有船舶その他の関係から行きまして、今早速は無理でありますけれども、大体汽船並びに機帆船などが、常に頻繁に航海するというところは、完全に掃海を完了したつもりであります。併しときどきいわゆる航路外の方面におきまして、まだ残つておるのがあるかも分かりませんが、先日女王丸がやられましたのも、いわゆる本航路を離れました小豆島の北側でありまして、それも北側の方の中でも特に岡山縣寄りに航海しておつたというような関係もありまして、大体海上の旅客の輸送の線は完璧に近いと思つておるのでありますが、併しああいうようなものですから、どこにまだ掃海洩れがなきにしもあらずというような感はいたしますけれども、高田委員のお問のような、観光関体に関する航路はやや安全となり、最近大阪港も、終戰後一時その関係上閉鎖いたしておりましたが、これも完全に掃海いたしまして、最近に至りましては、外國船が出入するというようになつておりまして、紀淡海峽からあの月面に至ります間も完了いたしております。以上お答えいたします。
#6
○高田寛君 私の聞きましたところでは、戰時中投下された機雷のまだ半数も処理されていないというようなことを聞いておるんですが、現にどういうような実情にあるんでしようか。
#7
○政府委員(加藤常太郎君) この点は、先方が投下した数量と、こちらの掃海した数量との差で、今高田委員が御指摘のように、ここ三四ケ月前までは大体そういうような数字が出ておつたのであります。その後着々掃海はいたしておりますけれども数字の面におきましては、現在のところ六割程度であろうと思います。併し、相当向うは考えて投下はしたのでしようが、航路を離れました海岸線に打上げたり、又小豆島や瀬戸内海方面は沢山島嶼がありまして、その中には山に落ちたものも沢山ありましたり、又海岸で不発彈もあつたりしまして、数量的に行きますと、そういうようなことになりますけれども、大体残存しておりますのは、海中に投下されたもので現在残つておるものは、推測ではありますけれども、三割程度ではないかと、こういうような予想をしておるのですけれども、今のところでは、大体客船航路、及び連絡船航路、及び貨物船でも、相当な大型の貨物船の通る範囲内では、心配ないと思うのですけれども、併しやはり続行して次々とやつておると揚つては來るのですから、まだあることは確かであります。以上のような状況であります。
#8
○高田寛君 まあ投下されて何年か経てば、処理されないで放置されておつても、どうせ効果を失うものだろうと思うのですが、大体後何年くらい経てば、全部絶対安全という情勢になるのか、それはお分りになりましようか。
#9
○政府委員(加藤常太郎君) それは今政府委員にも聞きましたのですが、今後三年すれば効力は失うとか、又五年すれば失うとかいうような見方がありまして、又そういうような観測も下しておりますけれども、本当はこれは今次のアメリカの軍の関係もありまして、はつきりしたことは、日本政府には分つておりませんのです。そうして我々が推測するところでは、三年であろうとか、五年後であるとか言つておりますけれども、これは確定的のものではありませんので、できるだけ効力を失うまで、放任するというよりは、効力のなくならん前に全部引上げたい、こういうような氣持で、海上保安廳におきましても、特に瀬戸内海航路に対しましては、掃海艇の保有量を大部分廻しておりますような次第で、その点私から、專門家ではありませんし、又あちらの関係もありますし、はつきりしたことは申上げられませんけれども、いろいろ推測の程度でありまして、ここ一年もすれば瀬戸内海航路は大体安全という方向に見て行けるのでございます。
#10
○委員長(板谷順助君) この際秋山総局長官に伺いたいのでありますが、先般運輸大臣がこの委員会におきまして、海員組合から七月から十月に至る俸給の三割増、それから退職手当について要求があつて、若しこれが容れられざる場合においては、二十九日から四十八時間のストライキに入るという申し入れがあつたので、運輸大臣としては、責任を持つてこの問題を解決するというような意味の言明があつたのでありますが、その後の経過が一体どうなつておりますか、この点を一つ伺いたい。
#11
○政府委員(秋山龍君) お答え申上げます。この海員組合の第一の要求であります給料三〇%増の金額の即時支拂ということは、六月から十月まで五ケ月間で、約三億円程になるわけであります。これを拂うといたしますれば、借入金ができません関係上、まず補助金の残額を繰上げ使用するという以外に途はないのでございまして、この方法を取るように私共といたしましては、大体方針が一致いたしまして、関係当局と折衝を重ねたのでございますが、目下現在の段階におきましては、承認がなかなか困難である、こういうような状況になつたわけであります。
 それから第二の退職金の問題につきましては、実は今まで未だこのことを取上げましていわゆる折衝という段階には至つていないのでありますが、運営会の当局は要求通りのものを呑みまして、政府に認可を申請いたして來ておるのであります。これはどうも見まするのに、相当にルーズと申しますか、高いと申しますか、さような氣がいたしまして、関係当局と折衝を進めて参つておるのでありますが、なかなか我々との一致点を見出せなかつたりでありますけれども、最近船員の強い要求がありました機会に、種々協議をいたしました結果、略々見透しをつけ得るに至つております。でございますから本件の解決は一にかかつて給料の三割増しの金額を即時支拂えるかどうかということにかかつておるのでありまして目下その点に全力を傾倒いたしまして、解決に当つておるわけであります。現在の段階ではまだ困難でございますが、尚希望を捨てず引続いて努力をいたす覚悟でございます。
#12
○委員長(板谷順助君) 関係方面が同意をしないために、行悩んでいるというような只今の答弁でありますが、若しいよいよ関係方面が同意を與えない、その場合における、これに対する何か対策をお考えになつておりますか。
#13
○政府委員(秋山龍君) 私共事務当局といたしましては、政府の御決定の方針に從い、関係方面と一致してそこへ持つて行くという以外には努力の方法はございません。又現段階においては、これが最終的にいけなくなるというような情勢を予想しておりません。又そのことについて上司より指示を仰ぐ暇がございません。まだその段階には至つていないのであります。
#14
○委員長(板谷順助君) いずれこの問題は大臣に伺うことにいたします。ここで加賀山長官が幸いおいでになつておりますが、いずれこれは大臣に尋ねる問題でありますが、まず直接当局者である加賀山君の御意見を承りたいと思うのは、この度の鉄道の機構改革が、いわゆるマッカーサー元帥の書面に基いた勧告案である、ところで公共企業体としては適当なる方法を、つまり取れと、こういう意味に我々は解釈しておるのでありますが、御承知のように公共企業体として、独立採算制を確保するということについては、短時日にこの檢討が困難であるというような関係から、これはいずれ各委員から相当の御質問もあることと思うのでありますが、先般来新聞紙の傳うるところによりましても、公務員法の改正、或いは給與問題がこれは不可分である。これはまあ可分であるか不可分であるかということは、別の解釈の問題でありますけれども、從つて今回の公務員法と切り離して、つまりこの鉄道機構改革ということについては、我々はもつと、眞劍にこれを檢討したい。從つて公務員法の改革と同時に、これをやるということについては、むつかしい問題と思うのですが、これに対する見解を、まず大臣がおいでになつたから、あなたから一つ承つておきたい。公務員法と給與問題がこれは可分であるか、不可分であるかということは、衆議院において問題になつておりまするけれども、この鉄道の機構改革ということについては、要するに公共企業体として独立採算制を確保するということについては、現在の政府の原案には我々は満足しない。從つてこの問題については、まだ質疑に入らんのでありまするけれども、併しこれは可分のものとして見て、そうしてこれを十分檢討する余裕を持ちたい、この点から行きますと、必ずしも今月の会期中にこれを決定するということについては、非常にこの委員会としては困難だと思うのでありますが、それに対するあなたの見解を一つ承りたい。
#15
○國務大臣(小澤佐重喜君) 委員長のお話のように、衆議院では公務員法の通過と、これに伴う予算的措置、或いは給與法案の提案というようなことは不可分的なものであつて、同時に審議すべきであるということを、強力に主張しておる事実は相違ないのであります。併し政府といたしましては、そう考えておりません。不可分という意味が、どういう意味で言つておるのか、その点ははつきりいたしませんけれども、通常使われておる不可分という意味であれば、この不可分の問題ではないのだという見解の下に立つております。即ち可分のものであるという見解の下に立つております。併しこれは言うまでもなくこの不可分とか可分とかいう抽象的な言葉は別にいたしまして、公務員法が実施されると同時に、給與の面におけるいわゆる賃金の改訂ということが、同時に行われることが、望ましいことであることは間違いないのでありまして、そういう線に沿うて政府もでき得ることがあれば、この公務員法が通過する今國会で、何とかこの賃金の改訂の問題も決定してしまいたいという気持でおつたことは、従來はつきりいたしておるのであります。殊に本日もいろいろこの問題で相談いたしまして、でき得るならば、やはりあと二日か三日しかないのでありまするけれども、國会の了解を得るならば、やはり予算的措置を講じて、そうして同時にこれを実施することがいいのじやないかという見解をまだ捨てておりません。從いまして今委員長に対する御答弁は、可分、不可分という言葉はどういう意味だかはつきり分りませんけれども、要するに、この両法案が、否、両方の措置が同時に行われることは、望ましいことであるということだけは、認めておるのであります。從つてでき得るならば、それをしたいという希望の上に立つております。
 それから只今の日本國有鉄道法の問題でありまするが、今委員長が御指摘のように、成る程独立採算制とか、経営の合理化というような面につきましては、一條の規定があるにも拘わらず、その内容を見まするというと、全く理想的な條文というようなものがないということは、すでに提案趣旨弁明の際に、私からも率直に申上げておるのであります。ではなぜそういう不完全なものを出したかというような、お叱りを当然受けるのでありますが、私共は客観的情勢から、とにかく一應これを出すことによつて、その一つの狙い、即ち公共企業体と関連いたしまして、マッカーサー元帥の書簡に應える趣旨だ、こういう見地から、現在でも必ずこの今國会中に通過をさして頂きたいという念慮には今以て変りはないのであります。俗に公務員法と言われておりまするけれども、先方で言つておるのは、公務員法外五法案という意味でありまして、公務員法の改正と同時に日本國有鉄道法、それから煙草專賣公社法、それから公共企業関係、労働法、それから郵政省、電気通信省など、マッカーサー書簡に盛られた関係法案は、全部この第三國会で審議を願うことが、むしろこの臨時國会の主要な目的であつたという見地もありまするし、現在の國際情勢におきましても、この観方は変更がないので、政府は甚で無理なお話かも知れませんけれども、皆さんの了解を得ながら、どうしてもこの公務員法外五案については、今國会中に審議を終らして頂きたいということを、お願いする次第であります。
#16
○委員長(板谷順助君) この問題については、後刻各委員より詳細に質問が行われることと思うのでありますが、私はこの際委員諸君の御了解を得て、運輸大臣に対して緊急質問をしたいと思うのであります。これは先般來、この委員会においても問題となつておつたのでありまするが、九月二日関係方面の指示によりまして、いわゆる船舶の民営還元問題、この問題について我我は、我々はというよりは、むしろ船主側におきましては、十二月一日を目標として解決をしたい。それにはいわゆる民営切替におけるところの引継の費用二十三億、この問題につきましては、先般來大臣の、できるだけ今努力中であるという御答弁があつたのでありますが、若しこの二十三億の予算が切替費用として計上されない場合におきましては、この民営の還元は実現ができないという、現在非常な場面に到達しているわけであります。その外運営会の費用が、いわゆる赤字の補填が約三十八億ある。この問題を大臣の責任において如何に解決をするという御決心であるか、これを更に改めて伺つておきたい。
#17
○國務大臣(小澤佐重喜君) 御質疑の第一点でございまするが、お話のようにこの運営会の切替問題でありますけれども、これは前回お話のように、これに要する費用として二十三億なにがしを計上し、大藏省とも折衝して参つたのであります。大藏省では全般的にはこれを認めません。けれども、或る程度の妥協的な案で、大体俗に言うホール・ピクチュアーの中にはこれが入つているのであります。併し、このホール・ピクチュアーの関係で今予算の審議が始つておりますが、その中のどの部分を今國会に出すかということについては、必ずしもまだ政府は決定いたしておりません。大体現在の考では、この第三國会には給與関係に限つてしまつて、そうしてその他の緊急な問題は、若し解散があつた場合におきましては、参議院の緊急集会で御審議を願おう。その御審議を願う限度も大体ホール・ピクチュアーとして、ある予算を全部提案するか、それとも特に緊急な問題だけ、即ち大体來年の一月程度までの必要な主目だけを、緊急予算として出すかということについても、まだ決定いたしておらんのであります。今段々お話のように、既にこの十二月一日を以て切替を実施しようという経過もよく伺つております。そればかりでなく私から申しますというと、この切替ということはいわゆる海運の民営還元ということの、一つの大きな段階でございまするので、我が党の政策から申上げましても、こうした我々の國民に公約した政策というものは、一日も速やかに実施されることを念願いたしておるのであります。そうした趣旨から公約あるなしに拘わらず、一日も速やかに本案の実行をしたいという強い熱意は持つておりまするが、段段申上げました通りな、現在の大藏省の方針、並びに政府の方針でありまするので、これがどの部面に、例えば参議院の集会でできるだけ出したいと思つておりますが、これは緊急性があるかないかということに、必ず引掛つて來るのであります。少々無理をしてもいいことはやる方がいいじやないかということで仮に解散になつた場合には、そういう問題を出してもよいのじやないか。それだけ民生の安定に一歩を進めるのであるから、多少憲法の解釈で無理であるということがあつても、そういうことはやつてもよいのじやないかという見解を以て、これを主張しておりまするけれども、果して私の主張の通りになるかどうかということは、今確信ある御答弁は申上げることはできないのであります。そういうような事情で、最悪の場合には、恐らく解散後の國会に、或いは提案するようなことも考えておかなければならないのじやないかというような立場に置かれております。いずれにしましても今の情勢を熟視いたしまして、そうして一日も速かにこれが実現が期せられるように全力を傾注いたす所存でおります。
#18
○委員長(板谷順助君) 尚更に伺つておきまするが、只今大臣は、万一議会が、衆議院が解散され、予算の編成がそれに伴わない場合においては、参議院の緊急集会において解決する云々というお話がありましたけれども、恐らくは私は参議院の緊急集会を召集するといたしましても、來月の半ば過ぎになると思うのであります。その間相当の空白を生じて、若し切替費用の二十三億の解決ができない場合においては、折角関係方面の、いわゆる民営還元に一歩を進めた、この問題に対する非常なるところの支障が來るということは、十分に一つ御認識になつて、この上とも最善の御努力あらんことを希望しておきます。更に今秋山長官にも伺つたのでありますが、先達つての委員会において、あなたが海員組合から、六月から十月に至る三割の俸給の引上げ、退職資金の問題、若しこれが容れられない場合においては、二十九日から四十八時間のストライキに入るということについてあなたがお話になつて、この問題については目下最善の努力中である、責任を以てこれを解決するというお言葉があつたのでありまするが、この問題の成行きはどうなつたのですか。これは日本のつまり経済の上においても、非常な影響があることでありまするから、その後の情勢を一つ承りたいと思います。
#19
○國務大臣(小澤佐重喜君) 只今委員長がお話のように、二十五日の日に海員組合の執行委員長外数名が私の方へ参りまして、話をして、條件が、即ち三割の支拂ができなければ、二十九日を期して四十八時間のストライキに入るという宣言文を朗読して引下つたのであります。それより先、我々といたしましては、既にそうした形勢が看取できましたので、その善後策についていろいろと考えたのであります。考え方は、先ず三割の補給金の支給の問題については、御承知のように事務的には大藏省でもこれを認めまして、そうして予算化さえあれば、直ちにこの支拂いが可能なような状態に置かれてあるのでおります。從いまして当初はこの第三國会に、第一補正予算というものを提案する予定でありましたから、その予算の由に組むことに閣議で決定いたしまして、そうして進んで参つたのでありまするが、これは先程もお話したように、先ず一部的な予算は認められないから、大体このホール・ピクチュアー、即ち年度内の全般的な追加予算を持つて來て、その一部から出すならよいが、そのホール、ピクチュアーがない間は、到底了解できないという関係方面の意見でありましたので、更にこのホール・ピクチュアーを作るべく提案いたしておるのでありますが、これに対してもまだ全面的の承認を得るに至つていないのであります。從つて追加予算の提案といういとが、段々と遅れて参つたのでありまするが、先程もお話の通う、できることならば、せめて給與予算だけでもこの本國会で、御審議を願う方が宜しいのじやないかというので、その準備を今日いたした次第であります。從つてこの給與関係と含めて、やはりこの問題を何とか入れようと思いまして、閣議でも相当強く発言いたしたのでありまするが、諸般の情勢はそういうものを入れる時期ではないという見地の下に、これが入れられなかつたのであります。これは非常に遺憾でありましたが、併し我々といたしましては、そういう情勢であつても、運営会で十二月に補助金の受くべき額が大体五億あるのであります。その五億のうち二億数千万円、三億ばかりのものでありますが、三億を融通支拂いいたしましてそうしてそのうちには追加予算が成立する、成立した場合にはそれに振り当てるという線をとりまして、一應閣議に承認を求めまして、日本政府の意向として、この十二月分の五億の補助金から、一應三億だけを只今の三割の支拂いに当てるという方針を決定いたしました。決定いたしまして、関係方面の今了承を得べく熱心に交渉を続けて参つておるのでありまするが、その結果がむしろ反対な意向が強く、承認を受けるに至つておりません。併しまだ望みを捨ててはおりません。最後まで努力をすてるつもりでありまするが、今申上げました通り、政府の考えとしては、未然に防ぐべく努力いたしましたのですが、まだ関係方面の承諾がないためにその目的を達しかねております。一方退職手当の問題も、爭議の一つの條項に入つております。この問題につきましても、向うの要求が相当に過大の要求であります。例えば一年奉職した者は二ケ月分の退職金を支給しろという條項になつておりまするが、これは到底日本の現在の財政、或いは他の官廳の官吏との振合い、或いは一般使用者との振合い等を考えますと、この要求は非常に過大であるから、せめて陸上勤務者と同じ程度な退職規程であれば、これを認めることにしようということに、早速大藏省と話がまとまりまして、そうしてその案で向うに再交渉をしようという段取りになつております。併しこの問題については、末廣さんの意見も非公式に聞きまして、いろいろあれしたのでありますが、結論において、三割の補給金が現金化されれば、一應この爭議は中止できるという確信の下に、今の第二の希望であります退職金の方はその後、新たな交渉を開始しても行けるのではないかというような見透しの下に、極力第一の條件である三割の補給金の問題に、全力を挙げつつあるのでありまするが、この第一の條件は今お話し申上げた通り、まだ関係方面の了解は得ておりません。日本政府としての手続は一切望んでおりますけれども、そういう関係で果して実現ができるかできないか危ぶまれるような状態でおりますが、最後までこの方面に向つて、全力を傾注する考えであります。
#20
○委員長(板谷順助君) では海事仲裁等に関する法律案を議題に供します。
#21
○丹羽五郎君 これは昨日予備審査において相当私突つ込んで政府委員の答弁を聞きまして了承いたしておりまするが、ただ一点お聞きしたい点は、社團法人の日本海運集会所が、仲裁の行爲、或いは解決の行爲を取扱うということを政府において許すのでありまするが、向後海運集会所と同樣以上のものが仮りにできた場合には、これに対しても政府は同樣の行爲を許可する意思があるのかという点を一つお尋ねしたい。
#22
○政府委員(加藤常太郎君) 今丹羽委員から御質問の点でありまするが、法案にも大体左様に現れております通り、これは必ずしも日本海運集会所だけに許すという意味でありませんので、その他の團体でそういうような認可の申請があつた場合には、その内容を檢討して今後許可して参りたいと考えておるのであります。
#23
○丹羽五郎君 今の政府委員の答弁で私は了承いたしましたが、この法案をいろいろ檢討いたして見ますと、どうも独占禁止法にひつかがる点があるような氣がいたしましたので、昨日來その点を十分お尋ねしておつたのですが、今の政府の意思において、よく私の疑問の点が了解ができましたから、一日も早くこの法案が施行されて、そうして國家海運のために、大いに援助斡旋をして頂くということを、ここに希望いたしまして、この法案に対して私は質疑を打切つて賛成をいたします。
#24
○委員長(板谷順助君) 外に本案に対して質疑はありませんか。
#25
○大隅憲二君 この法案は業界の発展にぜひ必要であるかないか、これが一つ、それから民事訴訟法の仲裁とこの法案の海事仲裁との関係はどうか、このニ点をお伺いいたしたいと思います。
#26
○政府委員(加藤常太郎君) 今の御質問でありますが、本案が日本の海運発展に不可欠かどうかという御質問であつたと思いますが、本案に述べておりますように、これは絶対必要であろうと思うのであります。御承知の通り、我が國の海運界は大体英國流でありまして、ところがこれを規制いたします海商法は、ドイツ流の流れを汲んでおるのでありますが、この海商法が制定されましたのは明治三十二年でありまして、明治四十四年に大修正を加えて以來、その後何等の修正改正がありませんので、どちらかと言えば、時代遅れの感があるのでありまして、最近よく行われておりますタイム・スチャーター制という点についても、何等の規定がない、業者並びに裁判所においても、これを裁判する場合に相当困難を來しておるのであります。以上のような見地から、我々の考といたしましては、本当はこの海事仲裁を権威ある團体に仲裁を願うというよりは、もう一歩進んで、英末流にありますような海事裁判所というのを設定いたしたいのが希望でありますけれども、日本の予算その他の関係上、取敢えず権威ある團体でこの仲裁行爲を解決するという行き方でありまして、即ち海事の紛争の円満なる解決が、延いては海事取引の円満なる遂行にもなりますし、更に日本海運の発展に貢献し、又これが必要であるという点から、この法案の制定によつてぜひ海運の発展を期したいと思います。
 それからもう一点のお尋ねの点でありますが、これは民事訴訟法の仲裁と、本法の海事仲裁との関係はどうかということであつたと思います。本法の海事仲裁と申しますのは、民事訴訟法の第八編だつたと思いますが、その中に仲裁行爲の点が出ておりますが、本法も即ちその中にある仲裁そのものでありまして、その関係は大いにありますが、今後この本案によりまして、今の民事の法案がなんら拘泥されたり、又はこれを変更するというようなわけでありませんので、民事関係については民事を進めて貰うし、又特に当事者が必要と思つた場合には、権威ある團体の仲裁を仰ぐというような関係でありまして、その点御了解願いたいと思います。
#27
○大隅憲二君 只今政務次官の答弁の中に、むしろこの仲裁より一歩進んで海事裁判所のようなものが必要である。こういうようなふうに伺つたのですが、私もそのようなことを考えておる一人でありまして、政府といたしましては、将來この海事裁判所のようなものを必要に迫つたならば拵えるかどうか。これに対する御意見を伺いたいと思います。海事裁判所の設置ということについて………。
#28
○政府委員(加藤常太郎君) それは今私の説明の中で述べて置きましたが、理想といたしましては、海事裁判所を作つて、一般の海事に関する裁判を行ない、又附帶の仕事といたしまして海事の仲裁調停、こういう点も行なうというのが英國、並びにアメリカの方面において行なわれておりますが、日本といたしましても、そう持つて行くのが理想でありますが、日本の現在の裁判所の機構、又は予算関係その他において、早速それを実行するように持つて行くことが必要でありますが、困難の点もありますので、將來日本の海運の行き方と併行いたしまして、將來においては、そういうような方面に持つて行きたい。併し今、現在といたしましては、早速そういう方面に持つて行かずして、本案によりまして、権威ある團体の仲裁によつてそれを解決して行きたい、こう思つております。
#29
○委員長(板谷順助君) ようございますか。外に御質疑はありませんか。質疑は終了いたしました。これより討論に入ります。別に御発言もないようでありますから、これより本案の採決に入ります。本案に賛成の諸君の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#30
○委員長(板谷順助君) 全会一致で可決すべきものと決定いたしました。それでは一つ署名を願います。
  多数意見者署名
    小泉 秀吉  小野  哲
    飯田精太郎  高田  寛
   前之園喜一郎  大隅 憲二
   橋本萬右衞門  丹羽 五郎
    入交 多藏
  ―――――――――――――
#31
○委員長(板谷順助君) 引続いて國有鉄道法案に対する質疑に移ります。
#32
○小野哲君 前回の委員会で運輸大臣から私の総括的な質問に対してお考えを伺つたのでありますが、本日は更に進んで、やや具体的の問題について政府のお考えを承つて置きたいと思います。併し運輸大臣に対しまして、伺いたいことを、時間の関係もありましようから、先にしたいと思いますが、今回の日本國有鉄道法案の内容を見まして、実に物足りない感じをしておりますことは、先程委員長からも意見の開陳があつたので御承知の通りでありますが、私も同様に今回のその法律案が、労働関係に重点を置いておるという点については了承いたしておりまするが、日本國有鉄道法案の内容から考えますと、どうしてもパブリック・コーポレーション、公共企業体としての運営の実態を少しでも備えるという方向に、との法律案が立案されておらなければならない、かように考えるのであります。そういうふうな観点から、私の質問を今後行いますことを、予め御承知置きを願つて置きたいと存じます。マツカーサーの書簡によりましても、これら鉄道事業のような事業を管理し、運営するために適当な方法で、公共企業体が組織せらるべきである、こういうふうに謳われておるのでありまして、公共企業体にするということの考え方は、はつきりとしておりますが、これをどういうふうな内容を織込んで行くかということについては、適当な方法というような言葉が用いられる点から、我々としても尚審議の余地があるのではないかとかように思うのであります。從つてここでは公共企業体の本質論からその原則を述べるようなことは差控えたいと思いまするし、時間の点もございますので省略をいたしたいと思いますが、この法律案の第一條を見ましても、國有鉄道事業の経営が能率的でなければならんということに重点が置かれておつて、この公共企業体の基本原則であるところの、自主的に、又その責任において経営に当るべきであるということが実は明確になつておらない。從つてこの法律案の欠陷は、先ず第一條に私は現われておると思うのであります。一体政府とされましてはこの第一條の目的が、能率的な運営によつて発展させるのだ、又公共の福祉を増進するのだということで、一体この公共企業体である厖大な組織と、又巨額な資本を投下されておる鉄道事業が、合理的に又民主的に運営されるという考えを持つておられるのかどうか。即ち公共企業体にすることを是認するといたしましても、自主的な経営を行うだけの手段を講じておらなければ、決して政府が考えておられるような、公共企業体としての運営を望むことは私は不可能であろうと思うので、大体第一條自体において自主性を否認されておる、こういうことを見受けられますことは、誠に遺憾で、一体政府はこの第一條の目的を達成する自信を持つて立案されたものであるかどうか。何が故に自主的な運営という言葉を、この際お入れにならなかつたか、又この点について十分な御研究をされたのかどうか、この点を運輸大臣に総括的な質問の一つとして伺つて置きたいと思うのであります。
#33
○國務大臣(小澤佐重喜君) お話のように第一條には「能率的な経営により、」という文字もありますし、一体能率的な運営という具体的な條項が、どこにあるかというような御質疑のようでありまするが、無理に理窟を言いますというと、能率的ということは経営面における能率的なもの、或いは職員組合におけるところの組合運動のあり方等も、ニつも三つも分けることができるのでありますが、無理にこの解釈になりますというと、結局本法の内容はだんだんお示しのように、職員組合の運営を能率的にやるというような意味にしか、実際はこの内容はならないのであります。その経営の合理化とか、独立採算制とか、或いは組合の自主的な活動というような面に至つては、お話のように全然明文化されておらないのであります。私共といたしましては、それでは本当に、この公共企業体の本体に反するものであるという見地から、特に愼重を期しまして、審議会にこれを諮問し、又審議会の答申も、そうした方向の答申があつたのでありまして、私共といたしましては、この審議会の答申を基礎にして、更に再檢討を加え、いろいろこれに関する修正意見を持つたのでありましたが、その修正についての意見が、客観的に、了承する以前に、この法案を出さなければならんような時期に到達しましたので、その点は或る意味には、本会議における審査途上、或いは実施までの間において、更に検討を加えることにして、一應この提案をいたしたような次第でありまして、お話のような意見には、大体において私も同感なんであります。ただこれを具体的に表わし得なかつたことを残念としておるのでありまするが、併し私共は、現在でもその希望は捨てておりませんので、適当な御意見があつて、而もこれが客観的な修正がなされるというようなことでありますれば、決してこれに反対の立場に立つものではないというような氣持でおるような次第であります。
#34
○小野哲君 大臣のお答弁で、大体私と同じような考え方を持つておられるということを知つたのでありますが、私の心配しておりますことは、鉄道事業の本質から考えて、公共企業体の再編成するということは、從來の官廳組織に基く事業の経営が、いわゆる非能率的であり、又自主性を非常に欠いておつたというようなことに欠陷があつたと思うので、從つて公共企業体としての運営形態を取るためには、それに必要な経営方式を当嵌めて行かなければ意味をなさないのであります。同時に、現在のように、鉄道が戰災を被つて、非常に窮迫した状態にあり、又これを急速度に復旧して行かなくてはならないというふうな現状に鑑みますと、從來の運営方法によつては、到底その目的を達成することができない。言換えれば、努めて民営に近い運営をやつて行かなければならない。そういう点から考えまして、この法律が決してその目的を達成するにはふさわしくない、又不十分であるというふうに考えられるので、少くとも、政府が、如何なる事情があつたにしろ、この種の法案を御提案になるにつきましては、將來の國鉄の運営の問題について、或る程度の見透しと、又御決心がなければなるまい、かように思うのであります。特に現在の厖大な組織、或いは多数の人員、若しくは巨額な資本を抱いておる國有鉄道を、自由に、且つ自主的にこれを運営して行くということは、並大抵の問題ではない。從つて、余程この間において、企業の整備的な考え方をやはり加味して行かなければならないので、國有鉄道の現状を維持して、而も官職組織による運営を是正して行くということは、非常に困難なので、この際むしろ國有鉄道の持つておるいろいろの施設、或いは又鉄道線路と申しますか、路線と申しますか、そういうふうなものにつきましても、必要に應じてこれを民営に移す。そうして相当整備された國有鉄道を、この公共企業体によつて能率的に、且つ自主的に運営するという方策が、同時に取られて行かなければならないのではないかと思うのでありますが、大臣におかれては、現在の國有鉄道を、或る程度必要に應じてこれを整備されまして、民営に移すべきものは、これは民営に移して、その後においてこの企業形態、企業方式によつて、日本國有鉄道の経営をやるということについて、どういうふうなお考えを持つておられるか。その点を伺つて置きたいと思います。
#35
○國務大臣(小澤佐重喜君) 御承知のように現在の國有鉄道が、約三百億前後の一般会計からの補助を受けておるということは、誠に寒心すべきことでありまして、戰前における沢山の黒字財政から、今お話申上げた通りの、大きな赤字財政になつておる現状を、このままにするということは、断じて、されないのであります。從つて私共としては、少くとも独立採算制の程度までには、何とか措置を講じなければならんという、強い決心は持つておるのであります。これに対しまして先ず考えることが、経営の合理化ということになつて参りますが、この経営の合理化という点につきましても、いろいろな檢討を加えましたならば、相当無駄な経費が支出されておるのではないかというようなことも、考えられるのであります。從つて現在の自分の考えといたしましては、先ず冗費を節約する、無駄な経費を出させない方針を採つて、どれだけの節約ができるかということを、先決的に愼重に調査をいたしまして、そこで例えば百億の節約ができた場合、或いは二百億の節約ができたというような段階になりました場合に、更に一歩進んで運賃の値上であるとか、或いは從業員の整理などということも、考えなければならんと思うのであります。併し今私共はこうした日本の情勢において、直ちに俗にいう出血、甚だしい馘切りを考えるということは、これは相当に愼しまなければならんという見地から、そうした行爲に、直ちに移るというようなことは考えておりませんが、先ず第一段階の冗費の節約ということを極力実施いたしましてその見透しが立つて、あと幾らこうすれば、これだけの費用ができるというような問題は、その第一段階の冗費の節約という点が、確定いたした後になつて、いろいろ考えて見よう、こう考えておるような次第でありまして、殊にお話の民営か、官営かということにつきましては、非常に議論があるのであります。私の所属しておる民主自由党といたしましては、大体官営を廃して、民営にすることによつて能率的な運営ができ、又経営の合理化ができるという、一つの結論さえも持つておるのであります。從つて私共から申しましたならば、今お話のように、現在沢山の線にわたつておる分の、而もこれは官営でなくても、民営でよろしいのだというような点については、民営ということも考えなければならないと思うのであります。併し日本國有鉄道には、古い歴史と目的とが存するのでありまして、ただ單に経営さえすればよいというのではなくて、一歩進んで、多少の損があつても、この國内の開発のために、損益に拘らすに、いわゆる公益的な見地から、鉄道を敷設するというようなことも、國有鉄道の一つの大きな任務だと思うのであります。そういう箇所は、民営の箇所としての振り分け、即ち二つの目的を持つところの國有鉄道に対する措置は、非常に愼重に、且つ綜合的に判断をしなければならんと思うのであります。私自身の考えも現在持つておりますが、今自分の考えをここで申上げるような情勢でないことを遺憾とするものであります。というのは何をいたすにいたしましても、現内閣は衆議院においては三分の一の少数党でありまして、大きい仕事をしようと思えば、これは直ぐ壁に当つてしまうのであります。こういうような見地から、やがて有力な基盤の上に立つた上においては、速かに自分の考えて承るところを実施いたしまして、そうして國民諸君の御期待に副いたいと考えておるのであります。
#36
○小野哲君 大臣にはいろいろ私見と申しますか、御自身のお考えが多分におありになるようで、その考えを実行されるためには、現内閣の情勢では困難であるということがありますので、今この席上で、大臣の御抱負を伺うのも如何かと思うのでありますが、然るべき機会が参りました場合においては、大いに大臣の御抱負を伺うということにいたしたいと思いますが、尚先程の民営に移すべきものは民営に移していいではないか、これについても愼重に考えたい、こういうお考えで、これも又大臣御自身のお気持を付度いたしますと、若しできるならば、適当に民営に移すべきものは民営に移していいのだと、こういうように私はまあ拜承いたしたのであります。尚次に一應御所見を伺つておきたいことは、鉄道の復興の問題でありますが、現在の國有鉄道の復興状況は、当局並びに從事員諸君の非常な御努力で、その緒について参りましたことは、誠に多とするものであります。併しながら一般の民営事業である地方鉄道軌道に比較いたしますと、そのテムポが遅い、言い換えれば、復旧率が非常に少いのではないかと、こういう点につきましても、國有鉄道の運営について、相当考えさせられる点があるように思うのであります。特に公共企業体となつた場合における、鉄道の復興についての將來を考えますというと、この法律案自体によりましても、その資金調達は、殆んど國家資金に依存しておる、言い換えれば從來の國有鉄道の場合と同じような考え方で、この公共企業体である國有鉄道の資金の調達方法が考えられておるので、一歩も出でおらんというふうな点は、誠に遺憾の点でありまして、鉄道の復興を促進して行くためには、資金調達の面においても、相当彈力性のある方法を取らなければなりませんし、又予算制度においても、同樣の意味で從來の國家予算の取扱い方とは異にした方法によらなければならない。この点については、尚後程いろいろと具体的に御所見を承りたいと思うのでありますが、今問題としております復興の問題を取上げましても、一体この程度の公共企業体に再編成し、資金その他の調達方法によつて、政府が考えられておりますような、五ケ年計画が順調に行われる自信を持つておられるのかどうか、私はむしろこれは片山内閣の時にも伺つたのでありますが、思い切つた特別の措置を講じなければ、鉄道の復興は非常に困難である。從つてむしろ外資の導入をも考えて、そして鉄道の復興を急ぐべきではないか、そういう点から申しましても、この法律案の示すところによれば、資金の調達においても、又借入等の方法につきましても、或いは債券の発行というような方法につきましても、殆んど見るべき新たなる構想がないのであります。こういうような方法によつて、鉄道運輸当局は、果して鉄道の復興について、自信を持つておるという御言明を得ることができるかどうか、又鉄道復興について、特別な措置を取るために、何らかの手を打つておるかどうか、この点について大臣に所見を伺つておきたいと思います。
#37
○國務大臣(小澤佐重喜君) お話のように本法律案が通過いたして、そうして日本國有鉄道公社ができました場合と、このままで進んで行つた場合と、どう違うかというならば、このような法律の実施によつては、特段のそうした復興の面において、変つた結果が現わるるとは考えておりません。從つてそこに、一番最初の御質問にあつたように、この法律が尚檢討が足らんのじやないかという結論が出て來るのであります。併し私共もとにかくこの法律の施行というものには二つの大きな狙いがあつて、一つはまずこの労働組合法関係の適用を、この公共企業体が受けるような体制にするということがこの法律の大きな目的であります。二つの面が先程からお話しましたように、鉄道の合理的な経営、或いは順調なる復興というような、いろいろな面があるのでありまするが、その面については、殆んどこの現状の、鉄道総局というものが、ただコーポレーシヨンになつたというような組織にしか、この法案がなつておりませんので、この法律の実施によつて、只今お話のような復興が、計画通り行われるか、又よりよく行われるかというようなことは、申上げる自信はないのであります。ないのでありますが、ただ客観情勢において、この法律を出さなくちやならなかつたという点もその通りでありまするが、更にやはり一應こういう形になつておれば、更に我々の一番希望しておる経営の合理化というような面にも、だんだん入る態勢を取れるだけの利益は、この法律の施行によつてあるんではないかというような見地を以ちまして、將來に大きな期待をかけて、本法案を提出したような次第でありまして、現在の條文それ自体から見ますというと、殆ど今の面におきましては、変りがないといつてよろしいのでありまして、そういう点からいいましたならば、誠に遺憾でありまするけれども、將來に大きな期待を持ちつつ、差当り利益になるところの、公共企業体が労働組合法の適用を受けるという点だけを、大きな狙いにいたしまして、御審議を願つておるような次第であります。
#38
○小野哲君 尚荷私外に二三質問いたしたいこともあるのでありますが、一應前回の総括質問の続きとして、今日はこの程度に止めまして、外にまだ御質問の方もあろうかと思いますので、後刻更に質問の機会を與えて頂きたいと思います。
#39
○委員長(板谷順助君) それじや本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           小泉 秀吉君
           小野  哲君
           丹羽 五郎君
   委員
           大隅 憲二君
          橋本萬右衞門君
           入交 太藏君
          前之園喜一郎君
           飯田精太郎君
           高田  寛君
  國務大臣
   運 輸 大 臣 小澤佐重喜君
  政府委員
   運輸政務次官  加藤常太郎君
   運輸事務官
   (海運総局長
   官)      秋山  龍君
ソース: 国立国会図書館
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