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1948/11/29 第3回国会 参議院 参議院会議録情報 第003回国会 運輸委員会 第9号
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1948/11/29 第3回国会 参議院

参議院会議録情報 第003回国会 運輸委員会 第9号

#1
第003回国会 運輸委員会 第9号
昭和二十三年十一月二十九日(月曜
日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本國有鉄道法案(内閣送付)
○地方自治法第百五十六條第四項の規
 定に基き、船員職業安定法第八條第
 一項の規定による公共船員職業安定
 所の設置に関し承認を求めるの件
 (内閣送付)
○海運問題に関する件
  ―――――――――――――
   午後一時五十一分開会
#2
○委員長(板谷順助君) これより引続いて会議を開きます。日本國有鉄道法案を議題に供します。小野君御質疑ありますか。
#3
○小野哲君 この日本國有鉄道法案の総括的な質問が出ると思いますが、まだ実はこの法律案自体の逐條の説明も聞いておりませんし、又具体的の問題についての御質問もあるのではないかと思いますので、若し許されるならば一應各省別ぐらいに逐條説明を聞きまして、それに対して各省別に質問をする、こういうふうな方法をお取り下すつたら如何かと思いますが。
#4
○委員長(板谷順助君) 承知しました。それではこの際公共船員職業安定所の設置に関し國会の承認を求めるの件、これを議題に供します。政府よりの説明を求めます。
#5
○國務大臣(小澤佐重喜君) 只今提案になりました公共船員職業安定所の設置に関し國会の承認を求めるの件の提案理由を御説明申上げます。
 先に成立いたしました船員職業安定法は、その第八條第一項において「海運局に、無料で公共に奉仕する公共船員職業安定所を置き、職業紹介、職業指導、船員保險法の規定により、その所掌に属せしめられた事項その他この法律の目的を達成するために必要な事項を行わせる。」と規定いたしておりますので、お手許に差上げました案の通り、全國主要の港十九箇所に公共船員職業安定所を設置いたしたいと存じますが、御承知の通り地方自治第百五十六條第四項の規定によりますと、この種の機関の設置については國会の承認を要することとなつておりますりで、何卒御審議の上速かに可決あらんことをお願いいたす次第であります。
 尚右設置に要する所要の二級官、三級官及び雇傭人の職員の増加については、他方において、昭和二十四年三月末日までに氣象官署において、これに相当する人員を漸次減員することにいたしておりますから、念のため申添えておく次第でございます。
#6
○委員長(板谷順助君) この法案は極めて簡單でありますが、何か質疑があつたらこの際お述べを願います。
#7
○丹羽五郎君 この法案によつて一体人の整備を相当やるのですか。又は人が殖えるのですか、その点を一つお尋ねしたい。
#8
○國務大臣(小澤佐重喜君) この問題につきましては、実は前内閣時代に第二國会におきまして職業安定法という法律が制定され、その法律の成立に基きまして只今のいわゆる機関が新しく設けられるのでありまするが、この問題については内閣といたしましても、原則としては地方出先機関の整備とか或いは行政整備というような問題は、どうしても今後の日本の現状において必至の條件だという前提の下におきまして、いろいろ閣議でも檢討いたしたのであります。從いまして一應法律が制定されてすでに機関が設けられることになつておりまする関係上、これを直ちに設定しないということは或る意味の行政官廳の怠慢ということにもなりまするので、一つの條件をつけまして、換言いたしますならば原則として新規採用はしない、現在の職員で配置轉換を行なつて、この只今承認を求むる職業安定所を設置するという趣旨で、これを閣議でも承認することになつたのであります。
 最後にこの提案理由の説明の際にも申上げましたが、文句はちよつとむずかしい文句になつておりますが、その線をはつきりするために、ここにさように申上げて置いたように、二十四年の三月末日までに氣象観測所においてこれに相当する人員は漸次減員することにいたしておりますということは、そうした趣旨で新しく採用しないという線が、はつきり條件として本機関を設置することになつてよるような次第であります。
#9
○丹羽五郎君 そうすると十九箇所の公共船員職業安定所を設けるために、それには人が要るが、その要る人というものは氣象官署とかそういう方面において人を減員して、それに配置轉換といいますか、まあ結論は振替えるということによつて、人は殖えることはないというわけなのですか。
#10
○國務大臣(小澤佐重喜君) そうです。
#11
○丹羽五郎君 分りました。
#12
○委員長(板谷順助君) 小泉さんどうです。船員職業安定の法案について何かお尋ねありませんか。
#13
○小泉秀吉君 私よそへ行つておりましたので読んでおりません。
#14
○委員長(板谷順助君) それではこれはまだ上りませんから、明日でもよくお調べになつたら……。それでは私からこの際本案に関連しまして運輸大臣にお尋ねしたい。ということは、先般來この委員会においてもしばしば問題となりましたる船舶の運営還元につきまして、切換費用として二十三億はどうしても要る。それから又運営会の赤字補填として差当つて三十八億という問題がどういうふうに今見通しがついておるのであるか。先程ラジオの放送によれば運営会の費用二十五億ということを言つておるのでありますが、一体その内訳がどうなつておるのか、その点についてお尋ねいたします。
#15
○國務大臣(小澤佐重喜君) 実は只今委員長のお示しになつた項目の予定といたしまして、運輸省といたしましては、大藏省に六十一億何がしかの金額を要求しておつたのであります。これが大藏省におきまして査定されると同時に、関係方面との了解等の関係がありまして、只今委員長のお話のように今日提出される予算には二十五億しか計上されておりません。二十五億の中に今の六十一億の内容が一應全部入つておるというようなことになるのでありますが、これは現実の面におきましては、この二十五億でできないということは或る意味において閣議でも了承せられておるのであります。併しこの予算がその議論をする暇もなく、昨晩六時からの臨時閣議で最後の決定を見ましたものでありまするので、今後この問題については相当檢討をするという了解を得まして、一應二十五億を承認いたしたような次第でありまするが、勿論今日提案になりまする予算は、いわゆる俗にいうプール・ピクチャーでありまして、一應三月までの追加予算一本という形になつておるのでありまするから、ここで更に第二の補正予算が出るということは、申上げることはできませんけれども、適当な措置を講じまして全部とは行かんまでも、この切替に要する費用の捻の方法を考慮する考えでおります。ただこの議論は十分私ども分つておりましたけれども、只今申上げました通り、急に本予算を提案しなければならないような情勢に置かれましたので、一應先程申上げました予算の下に二十五億円を認めたような次第であります。
#16
○委員長(板谷順助君) 折角関係方面の指示によつて民営還元が第一歩を踏み出したのでありますから、先般來大臣がここで述べられましたように、この切替の費用というものがこれに伴わなければ、從つて民営還元は自然遅れるということでありますが、これに対してできるだけ善処するというような意味のお話でありますけれども、これは今後に残された問題でありまして、從つて今申上げた切替費用は、これは是非共どうしても何らかの方法において支出して貰わなければ、到底民営還元ということはできないという重大ら関係が起ることでありますが、大臣はそれについて確信をお持ちになつておりますか。
#17
○國務大臣(小澤佐重喜君) 前回申上げたかも分りませんが、このいわゆる切替という問題につきましては、私の所属する民主自由党の大きな狙いの線でありまするし、その政党の公檢を実現するという趣旨におきましては、亦將來の日本海運再建という点から申しましても、勿論重大なる一つの大きな段階であると思うのであります。從つて私共はこの二十五億でこれが全部できないことも了承いたしてありまするし、而も十二月一日頃切替を実施しようという考えが自然にずれたような状況もありますので、今委員長のお話のような点につきましては、極力この切替が一月も早く実現せられるように予算化する措置を講じる考えであります。
#18
○委員長(板谷順助君) この点については大臣の善処を待ちますが、次に伺いたいことは海運組合の爭議問題であります。新聞の傳うるところによれば、いよいよ本朝を期して四十八時間のストライキに入るということでありまするが、その後の経過はどうなつておりますか。その点を一つ伺つて置きたいと思います。
#19
○國務大臣(小澤佐重喜君) すでに中間御報告申上げました通り二十五日にストライキの宣言が私の手に入手いたしましたので急速対策を協議いたしまして、十二月分の補助金五億円の中から便宜約三億円ばかりの金を繰上げ支拂いまして、やがて追加予算の措置を講じました場合にそれを埋めようということを閣議で了解を得まして、早速これを関係方面に連絡されましたが、その問題が甚だ遺憾ながら未だ了解を得るに至りませんので、そこで丁度昨日だと存じておりますが、最後に自分たちが何とかしてすでに約束であるところの三割の手当をやろうという考えで、只今申上げましたような具体的な措置を講じましたことを報告すると同時に、必ずこの國会が仮に解散になつても、來月の十日までには確信を以て予算化することができると自分は信ずるから、僅か十日間のことであるから誠に現在の状態ではお氣の毒だけれども、ここで私の顏に免じてストライキに入ることを中止して貰えないかという懇請をしたのでありましたが、代表者は大変興奮しておりまして、むしろ私の願いを聞くどころではなく私を罵倒するような情勢でありましたので、これ以上言つてもとても自分の眞意が了解されないものと考えましで、止むを得ず今日ストに入つたような状態でありますが、ここに予算が今日三時までには大体國会に提案することになつております。これが提案されますというと、先程お話になつた二十五億にその金が入つておりますので、この予算案が通過いたしますれば、直ちに支給ができるという新らとい情勢になつて参りますので、恐らくはこの予算が上提されたことを契機に何らか緩和する方法が講ぜられるべきではないか、こういうふうに考えております。一方退職手当の問題につきましても大藏省とも了解がありまして、大体公大妥当な線についての交渉に対し、提案をするだけの準備を整えておりますので、恐らくはこの三割の問題さへ支拂えば、ストライキは止まると同時に、只今の退職手当の問題は別途の交渉で話が進むのではないか、こういう見通しをつけておりますし、先程申上げましたこれがいよいよ予算になつて國会に提案されたという一つの新しい事実によりて交渉したならば、何とか円満な解決がつくのではないか、以上のように考えております。
#20
○小泉秀吉君 私今委員長の御質問と同じようなことを伺おうと思つておりましたが、それにちよつと関連して今の大臣のお話を伺いますと、本日提案される予算が議会に出さへすれば結局その金は自由に使えるようになるから、それでストライキは早急に止まるだろうというお見込であるというように伺いましたが、そう心得えてよろしうございますか。
#21
○國務大臣(小澤佐重喜君) それとは少し違いまして、私の申上げたのは、つまりストライキに入つたということはあの斡旋案を少しも予算化しないで、ただ暫く待つて呉れ、待つて呉れというのを待ち切れなくてストライキに入つたのでありまするから、今度一歩進みまして、予算化されて國会で審議されるということになれば、大体審議の見通しというものはつくものでありますから、そういうことによつてストライキを開始する当時よりは一歩前進した形になる。つまり予算に計上されたものが、正式に國会に提案されたということになりますれば、向うは遅いというので、遅いのは政府に誠意がないから違いの泥という理由でストライキに入つたのでありますから、正式に予算が國会に提案されたということによつて先の見通しが、一つの確実性を帯びて來ますから、確実性を帶びたことを契機に、更に交渉しましたならば、或る意味妥結点に近ずくのではないかとこういうふうな意味で、計上されたものが、直ちに國会に出されたから中止されるというのでなく、又金が支拂えるという意味でないのであります。やはり予算が通過しないうちに支拂はできませんけれども、確実性があるという一つの進んだ段階において、見通しの下において交渉したならば何とかなるのではないか、こういう意味であります。
#22
○丹羽五郎君 今大臣の説明で組合からいろいろの折衝があつたが、決裂の直前において交渉すべき人が非常な興奮状態にあつたからそれを一時退けて、それがためにストライキに入つたというようなちよつとお話があつたのですが、恐らく組合としてはこれは長い間の問題であつて、非常に忍ぶところを忍び、耐えるところを耐えて今日まで来ておつたのであるから、多少の交渉過程において興奮状態にあるようなことはこれは万々止むを得ない、かように考えておるのですがもう少し政府の方でそれに対して、而も苦労人の運輸大臣は、もう少し寛大な氣分で、大きな包容する氣分で、その問題を何とか最後の線を善処でき得なかつたか、その点を一つお伺いしたいと思います。
#23
○國務大臣(小澤佐重喜君) これは丹羽さんすでに御承知の通りストライキに本日入るということは、二十五日に宣言が出まして指令が発せられてあるので、從つてもう二十五日宣言された以上は、私の方と労働國体とは交渉過程に入るものではないのであります。併しながら私の方で一歩進んで、この二十八日と宣言されたストライキを何とか止めようという考えで、私の方からいろいろ努力して來まして、その努力の結果が或る程度具体化を帶びて來ましたから、何とか明日のストライキに入るのをよして呉れないかというこであつて、向うから何とか会見をしてくれと求められたのではないのであります。とにかく聞いて呉れるかどうか分らないが、なんとか最後の顧みをしてみようというので、私自身も應じないといふことは予想をつけておつた。つけておつたのでありますけれども、自分のできるだけの最後の手を打つて見ようと思いましたので、昨日お目にかかつたのでありますが、私のやつたことは、全然その程度じや問題にならん、十日で引受けるというようなことで我々は待つておれんというのでありますから、取り着く島がないというような状態で罷業に入つたのでありましたが、この意味は、自分としては万全を盡したつもりでおりましたが、先方でも受入れる余地がないというような返事でありまして、而もその交渉によつて今日ストライキに入つたのではなくして、二十五日指令を発し宣言した通りの予定の行動でありましたけれども、もう一度考え直してくれないかという私からの希望によつて面会をして貰つた。そういう事情で、全然見込はないと思いましたけれども、責任者である大臣は最後まで諦めずにやることが適当だというので、昨日お目にかかつた次第ですが、お目にかかつた際も私の方では非常に頭を下げて、こういう事情だから或る程度、十日間だけの問題だからというので、熱心に懇請をいたしましたけれども、これに感じないのみか今までの政府のやり方を非常な勢であれておりまするから、もうこれ以上何を言つても仕方がないと思いまして一應打切つたような次第であります。
#24
○内村清次君 先般運輸大臣がこの委員会で日本國有鉄道法の提案理由を説明されたましたときに、私大臣に特に一言聞きたいわけですが、その問題は、今回マ書簡の中に、現在の國鉄の組織を公共企業体の方に組替をし而もそれをやつた後、公共性に立脚をしてそうして能率的な運営をやるというような、これは法案の目的にもあります通りであつて、この能率的な運営を遂行するには、やはり現在の六十万の從業員の能率的な働きが特に必要である。そのためにはこの法案の全貌が分つたならば内示をしてそうして而も又この法案の中には、相当職員の任免につきましても、或いは又労働條件についても規定してあるからして、やはり一應は内示をされたかどうかということをお伺いしたところ、大体法的にはしておらないけれども内示をし、同時にこの法案を出したならば組合自体も受入れるであろうというような御発言があつたと記憶いたしております。ところが先達この法案の重大性に鑑みまして各公述人を召喚したときにおいて、労組の加藤委員長はこの法案についての内示もなければ相談もない、そうしてこれはもう突如としてこの國会に提出されたのだ、こういうような証言をやつております。これは一体どちらが本当ですか。この点につきまして大臣に、今日は速記もありますことですから、確実な御答弁をお願いいたしたい。
#25
○國務大臣(小澤佐重喜君) 前回の内村委員の御質問の際に、組合に内示をいたすという答弁は私はしないつもりであります。又現実に内示はしていないのでありますから、組合に対して正式なものはしてないのだから、してあるということは答弁するわけはないと思うのでありますけれども、それはあとで速記録を調べて頂くことにいたしまして、内示はしませんでしたが、ただこの間に成る組合の幹部に個人的にこういう法案があるという程度の話をしたことはあるけれども、正式な機関に対しまして、管理者から正式な内示をして了解を求めたことはないということは、この前お答した通りでありまして、若し前回で内示というようなことを私が答えてあるとすれば、全くそれは誤解でありますから、訂正いたします。
#26
○内村清次君 そうであるといたしましたならば、こういうような重大な法案について而も又組合組織が拡大されてもおらないというようなときにおいて、組合尊重の意味からいたしましても亦当然これは経営者もお互いこの中に働く人たちも一体になつて、能率の向上を図らなければならんが、これを見せてそうして勿論組合の承諾を得るという程度のことは、この案の緊急性ということもあるとは思いますが、一体内示ぐらいのことをするのは当然と思いますが、大臣はどう考えますか。
#27
○國務大臣(小澤佐重喜君) 内示という意味はどういう意味になりますか、ちよつと問題でありますが、内示ということは諮問的な意味ということになるかどうかということによりていろいろ問題が起つて來ますが、実はこういう法案が出たのだが、諸君も氣が付いたところがあつたら説明でもして呉れという程度の形なら結構だと思いますけれども、そうではなくこういうものを尋問にかけるということでありますれば、これに運輸省としての最後の意見がようやく提案前に決つたような次第でありまして、而もそれ以上遷延を許さないという客観情勢でありましたので、これは提案理由の時にも説明申上げたように、そういうのではなかつたのでありまして、仮に私が今話すような、内承ということは軽い氣持であつて、今度こういう法案を出すが若し氣の付いた点があつたら参考までに聞かして呉れというような程度の軽い意味であるならば、これは差支ないと思いますけれども、若しこういう法案を出すが、君たちの正式の会議にかけてその返事を呉れということになりますれば、これはその決定に或る程度の拘束を受けるとか、或いはそれに従わないということによつて逆に問題が起きる慮れもありますので、そういう深い意味でありますならば、内示することが必ずしも適当であるかどうかということについては疑問があると思います。前段申上げた通りに即ち軽い意味で実はこういう法案が管理者間で成り立つた、これは一應のままで國会に出すが、諸君も大きな関心を持たなければならん法案であるから一應目を通して、若し又参考までに知らせるところがあるならば注意して呉れというような軽い意味ならば、敢て私は反対する意味はないのじやないか、その程度のものならばよろしいのじやないかと思つております。併しそれは一般の場合でありまして、この法案を出すとすれれば申上げたような事情で、そういうことをする暇さえもなかつたということを一應御了解を願いたいと思います。
#28
○内村清次君 この前の委員会でしたが、七月ダイヤー改正の問題についてあなたのお出でを待つておつたが、お出でがなかつたのでそれは保留してありますが、今日は又この法案がありますからその点は質問いたしませんが、ただ例の文書を以て報告して貰いたいということを約束してあるはずです。この文書答弁はいつまでお出しになりますか、この点明瞭にして頂きたいと思います。
#29
○國務大臣(小澤佐重喜君) 私はすでに出してあるものと考えておりましたけれども、若し出してないとすれば明日にでも早速出すことにいたします。
#30
○委員長(板谷順助君) それでは國鉄法案の逐條審議について大体御説明をお願いいたします。
#31
○政府委員(加賀山之雄君) それでは時間の関係もございますので、できるだけ能率よく御説明申上げます。第一條は目的となつておりますが、これはここに書いてある通りでございまして、「現在國が國有鉄道事業特別会計をもつて経営している鉄道事業その他一切の事業を経営し、能率的な運営により、これを発展せしめ、もつて公共の福祉を増進することを目的として、ここに日本國有鉄道を設立する。」ということに相成つております。又この中で能率的な運営によりこれを発展せしめるというところは、重要なことに相成ろうかと考えるのであります。
 次に「日本國有鉄道は、公法上の法人とする。」特に公法上の法人たる性格を持たせて、いわゆる現在行政機関として、運輸省の中の鉄道総局として行なつておりまする業務を、独立した公法上の法人に経営せしめる。で名前はここに書いてございますように、日本國有鉄道という法人になる。この法人は民法又は商法の商事会社その他の社團に関する規定に定める商事会社でないことを、第二條ではつきりしているのであります。
 三條は業務、これは現在やつております業務をそのまま一切できますようにここで並べで規定してある。
 それから五條、特にこの独立した法人によつて経営せしめるという関係上、資本を明瞭にしなければならんわけでありますので、資本につきましてはいろいろ評價の問題等もあり、御承知のような現在のような非常に沢山の繰越損失を持つておる状態では、これを明らかにすることは非常に困難があるわけであります。現在の経済情勢下ではこの際あわてて評價替をして、具体的な價額を書くことも適当ではないのではないかというので、單に、別に法律で定めるところにより、ということにいたしまして、ただ二十四年三月三十一日、本年度末における特別会計の「資産の價額に相当する額」ということだけ明らかにしたわけであります。そうしてそれは全額が政府の出資であるということを第五條で規定いたしておる次第であります。
 それから六條は非課税のことでございまして、営利会社などと違いますので、國税を一切課せない。ただ地方税につきましてここに列記してありますような税は、從來の例により又地方の財源等も考慮いたしましてそれは免除しない。かようにいたしました次第であります。
 以前総則としてはこうした次第でありまして、これは名前がどうである、或いはもつと第一條に自主的に運営されるというようなことを明らかにしなければいかんとか、いろいろ問題があろうかと存じますが、本法におましては、名前につきましても從來の公社とか公廳とかいうことを取りません。いわゆるカナディアン・ナショナル・レイルウエイというような、外國の眞似をするのが能ではありませんが、特に公社、公廳ということをいわずに、日本國有鉄道ということを以て、日本國有の方針であるということの名称といたした次第であります。
#32
○小野哲君 ちよつと委員長に伺いますが、一應全部の説明を聞きました上で質問をいたしますか。
#33
○委員長(板谷順助君) 便宜上各章ごとに氣が付いたところを質問した方がいいと思います。
#34
○丹羽五郎君 それでは第一條の「能率的な運営」ということは一体どういうことを意味しておるのですか。その点を一つ御説明を願います。
#35
○政府委員(加賀山之雄君) 非能率の逆でございまして能率より経営するということであります。(笑声)
#36
○丹羽五郎君 今更政府委員から非能率というものと能率というような御説明を受けるのもなんで、もう少し何か特に運営上のお考えがあることと思いますけれども……。
#37
○政府委員(加賀山之雄君) 我々のこの関係といたしましては、現在においてすでに能率的に運営しなければならんということは、單に公法上の法人になると否とを問わず、必要なことではなかろうかと考えるのでございますが、いろいろの制度的にもこの能率非能率は相当関係がある。例えばまあ会計上の問題等におきましては、特に制度如何によつては非常に能率に影響する点があろうかと考えるのであります。そういう制度方面からする能率と、それからもう一つは、やはり從事員の心構えの方から來る能率もあろうかと考えるのでありますが、この両方を第一條に特に我々の関係として明らかにしたと申上げる次第であります。從つて勿論能率的というようなことはいわないでも分つたことでございますが、特に公法上の法人ができるについてその点を明確にいたしまして、今後この機関に從事する委員会なり或いは役員職員が、大切な命題として行かなければならんといつた、つまり内部的な意図をも私はこの中に含まれておると考えるのであります。以上両方含めで「能率的に運営により」ということなつた次第であります。
#38
○政府委員(加賀山之雄君) 我々のこの関係といたしましては、現在においてすでに能率的に運営しなければならんということは、單に公法上の法人になると否とを問わず、必要なことではなかろうかと考えるのでございますが、いろいろの制度的にもこの能率非能率は相当関係がある。例えばまあ会計上の問題等におきましては、特に制度如何によつては非常に能率に影響する点があろうかと考えるのであります。そういう制度方面からする能率と、それからもう一つは、やはり從事員の心構えの方から來る能率もあろうかと考えるのでありますが、この両方を第一條に特に我々の関係として明らかにしたと申上げる次第であります。從つて勿論能率的というようなことはいわないでも分つたことでございますが、特に公法上の法人ができるについてその点を明確にいたしまして、今後この機関に從事する委員会なり或いは役員職員が、大切な命題として行かなければならんといつた、つまり内部的な意図をも私はこの中に含まれておると考えるのであります。以上両方含めで「能率的に運営により」ということなつた次第であります。
#39
○政府委員(加賀山之雄君) 輸送力の増強は最もその大いなるものであろうかと考えるのでございますが、必ずしもそれのみでなく更にございます「もつて公共の福祉を増進する」とございますので、これは先程御決議を煩しましたサービスの改善、そういつた能率を上げて公共の利益、福祉を増進するということ両方にあろうかと考えます。
#40
○丹羽五郎君 第一條の中には結局コーポレーションという意味がどこにも現われていないのですが、結局政府はそういうことは別に目的の中には一つも入らずにお考えになつたのですか、その点を一つお尋ねしたいと思います。
#41
○政府委員(加賀山之雄君) 今仰せになりましたことは、多分自主性とか自由性について言われておるのじやないかと考えるのでございまして、私共といたしましては、と申しますよりは、むしろこのパブリック・コーポレーションというものを作る以上は、その重要な目的として必ずいわゆる自主性、それから独立採算制といつたようなものが特に問題にされなければならないと考えられるわけでございますが、これらの点につきましては、この三十六條についておりますように、先程ちよつと申しましたいわゆる能率を上げるために必要な制度の整備もこの中では十分入つておると思われませんので、これらの法律が制定施行されることを前提といたしまして、從いましてこの法人の重要な目的が、更に今後においてこれに従事するものの努力によりまして達せられるということを前提といたして、この法律ができておりますので、その点は第一條の中には明確に今丹羽さんの言われた点は出ておりません次第であります。併しそれは出てないから今後やらないということじやなくて、今後における今申しましたような重要な問題が残つておるというように御承知置き願います。
#42
○丹羽五郎君 そうしますると第一條のこの目的ということは独立採算制の確立ということになつて來るのでありますか、今三十六條の点をお話になつたが、そうすると今度は会計法規の改正ということが目的になつておるのでありますが、その点を一つお尋ねしたい。独立採算制の確立をしておるということにおいてこの三十六條の会計法規の改正がこの主たる目的であるのか……。
#43
○政府委員(加賀山之雄君) 三十六條に載つておりますのは、勿論独立採算制の問題との関係があろうかと考えますが、ただ独立採算制を達成するのに都合のよいように、又能率を上げて運営するのに都合のよいようにする法制の整備でございまして、必ずしも独立採算制だけが目的であるということは申上げられないのではないかと考えられるわけでございます。いわゆる独立採算制そのものは、ただ法律上だけの問題ではなくして、これにまあ少し議論がましくなるかもしれませんが、下部に経済的の事由等があるのじやないかと考えるのでありまして、法律だけではなかなか独立採算制を達成するようにはできないのではないか、経済事情というものが余程重要な要素として考えられなければならないのじやないかというふうに考えるわけでありまして、勿論今の問に対しましては、この三十六條によりまして独立採算に向うのに非常に都合がよいと申しますか、に適するようにこの会計法規その他が整備されるということに期待しておるのであります。
#44
○丹羽五郎君 三十六條の條分によつてこれを目的の方に進めて行きますと、これで独立採算制がとれ得るのですか。私は三十六條のような、いろいろに手を括り足も括りして、そうして動けん体にして置いて独立採算制をとれというようなことは、これは成り立つのですかどうですか、ちよつとお尋ねしたい。
#45
○政府委員(加賀山之雄君) 先程申上げましたようにこの三十六條の法律だけではでき得ないと思うわけであります。三十六條にあるように鉄道事業の高能率に役立つような公共企業体の会計を規律する法律が制定施行されましても、私は最前申しましたような事由によりまして、経済上の事由等が非常に強く働きまして、独立採算制ということは困難であるというふうに考えておるものでございますけれども、本法に規定するところでは独立採算制に向うということは殆んど見込がない、法律だけから見まして見込がないと申上げなければならないと存する次第であります。
#46
○小野哲君 今丹羽委員から御質問がありました第一條の問題でありますが、これと関連して公共企業体労働関係法安のやはり第一條を考えなければならんと思いますが、この日本國有鉄道法案の主たる狙いは能率的な運営ということになつておりまして、又公共企業体労働関係法案の一條の主たる目的は「公共企業体の正常なる運営を最大限に確保し」云々となつておりまして、これが主たる目的になつておるようであります。從つて公共企業体の運営をやつて行きます場合の主眼は、能率的な運営とそれから正常なる運営を最大限に確保するという、この二つの法律案を合せて見て、初めてその目的が明らかになるのではないか。併しながら一面先程政府委員から御説明がありましたように、公共企業体の運営につきましてはもう一つ重大な問題がある。即ちこれは自主性ということでありまして、從つてこの二つの法律案を組合せて公共企業体の運営の目的が或る程度達成し得るが、併し経営面におきましてはどうしても自主的な原則が十分に取入れられなければならない、公共企業体の本質から考えて十全な運営をすることは私は困難だと考えます。從つてこの法律案を二つ合せても尚且つ不十分でありますので、第一條において少くとも能率的な運営の外に、更に國有鉄道の自主性を認める。こういう意味でこの観念を十分に織込むことが必要であると考えるのですが、この点について繰返し質問するようでありますが、政府委員の御所見を伺います。
#47
○政府委員(加賀山之雄君) これは誠に私は大切なことだと考えるわけでありますが、ただ本法の内容がそれに合致をいたしておりませんので、ここだけ自主性と入れましても、看板倒れになる慮れが多分にありやせんかと思うので、從いまして自主的なというような字句を入れます上には、この第二章以下の規定におきまして、私はそれぞれそれに合うような修正が必要になつて参るのではないか、かように考えます。
#48
○小野哲君 只今の政府委員の御所見も亦私同感であります。この第一條に自主的な運営という字句を挿入することによつて十分と思つておらないので、從つて以下の各章にありまする部分で、その自主性を表現しておるような内容を持つておらなければならない。この点については尚後刻各章に亘つていろいろの質疑の際に申上げたいと思います。從つて政府におかれましてもこの第一條の目的の中に自主性を取入れ、尚且つその実体的の方面においてその内容を織込むことになるならば、この法律案としては十分に行き得ると思う。特に第三十六條の公共企業体の会計を規律する法律というものが、今後制定されます場合において、先程いろいろ論議されました問題を十分に取入れるならば、一層看板倒れにはならないと思う。こういうような想像を持つておられるように私は了解するわけであります。
 で第一條の問題は一應後の各章の問題にも跨がつておりますので、この辺にしておきまして、もう一つ御伺いしたいことは、國有鉄道は現在いろいろ関連のある事業に投資をされておると思うのですが、どういうふうになつておりますか、先ずこの点を伺つておきたいと思います。
#49
○政府委員(加賀山之雄君) 現在までのところは特別の法律によりまして設立されましたところの、いわゆる從來國策会社とされておりましたものに対して投資をしておつたのが例でございまして、具体的にいえば交通営團、日本通運株式会社というのがその例に挙げられるかと考えられるわけであります。
#50
○小野哲君 現在でもそういうふうな投資があるんでありますが今回のこの法律案によりますというと、第三條の業務のところにおいては投資の点が掲げられておらないので、從つて日本國有鉄道としては投資ができない。こういうことになるんではないかと思いますが御意見は如何がですか。
#51
○政府委員(加賀山之雄君) それはまだ大藏省や関係方面とも十分話合がついておりませんけれども、私たちの今の考えといたしましては、この四月一日までに関係法令で整備しなければならんものが非常に沢山ありますので、從つて次の國会でこの法律の施行に伴い沢山の法律を修正しなければならないと思うんでございますが、その中で日本通運株式会社法、帝都高速度営国法を改正いたしまして、そうしてその、國の出資に関することを規定してあります部分を修正をいたしまして、日本國有鉄道の出資というふうに直したい。こういうふうに考えておるわけであります。これに関しましては國内的國外的の手続はまだ済んでおりません。
#52
○小野哲君 若しそういうふうな御意図があるとするならば、むしろこの際第三條において日本國有鉄道がその関連事業に投資できる途を講じておく必要があるんではないか。それが一つでありますが、もう一つこれに関連いたしまして、この法律が施行される場合におきましては附則によつて國有鉄道特別会計の資産の問題であるとか、或いは又國有鉄道設立の手続、財産及び從業員に関する点等がここに掲げられておるんでありますが、將來尚関連事業に投資する必要があるとするならば、附則によつて一應の資産の引継ぎはできるのでありましようけれども、日本國有鉄道の固有権能として投資する途は開かれておらないので、今後は投資できない、こういうふうに解釈されますが、この点については御見解はいかがでしようか。
#53
○政府委員(荒木茂久二君) その点については法律上このままでありますと投資をする権能がないかどうかということに関しては疑問がございますが、恐らく困難ではなかろうかと思います。從つてこの第三條に將來の投資のことに関しまして規定いたしたいというふうな考えを持つておりましたけれども、いろいろな折衝をいたしましたが、この法案を急いで提出するという関係上、遺憾ながらその点まだの十分の話合がつかなかつたので、その規定が欠けているわけでございます。
#54
○小野哲君 政府当局の御答弁によりますと、將來も関連事業に対する投資の必要は認めているということ、それから第三條に投資に関する事項が掲げられなかつたということは時間的の制約があつただけであつて、特に理由はないのだということ、こういうふうに理解して差支えございませんか。
#55
○政府委員(加賀山之雄君) その外にもう一つ関係の向との了解が十分に得られなかつた。まあ時間的な制約の外に賛成を得られなかつた面もあつたというように御承知を願いたいと思います。
#56
○小野哲君 話が少し具体的になるのでどうかと思いますが、先ず速記のある程度の御答弁で結構でありますが、関係の向の御了解が得られなかつたという点についての理由はどこにあるのでしようか。差支えない限り伺いたいと思います。
#57
○政府委員(加賀山之雄君) 折衝いたしました範囲におきましては非常に潔い理由があつたとは実は考えられませんので、やはり先程言われました時間的制約の中に入つて來るかも知れません。余りつべこべ言つていると暇がかかるということであつたかも知れませんのです。余り深いこれに反対の根拠があるとは考えないということであります。
#58
○小野哲君 本章については大体私は終ります。
#59
○委員長(板谷順助君) 第一章については外に御質問ありませんか。
#60
○飯田精太郎君 一つ二つお伺いいたします。第三條のところを見ますと、日本國有鉄道は「鉄道事業及びその附帶事業の経営」と書いてありますが、今まで國有鉄道は國の幹線をやるという枠で縛られておつたようです。今度これだけになるとその枠がとれて廣くなることになりますか。
#61
○政府委員(荒木茂久二君) これも先程法令の整備のところで申上げたときにちよつと触れたのでありますが、現在は御承知のように鉄道國有法というものがございまして、「鐵道ハ総テ國ノ所有トス但シ一地方ノ交通ヲ目的トスル鐵道ハ此ノ限ニ在ラス」と鉄道國有を制限している法律があるのであります。この法律を如何ように直すか、これもどうせ四月一日までにこの法律が施行されるならば直さなければならないのであります。その際に次の國会に出しましてこの法律を改正しなければならんと思うのでありますが、その点についても内外の関係が済んでおりませんが、運輸省の我々として考えておりますところは、大体從來のように一地方の交通を目的とする以外のものはこの日本國有鉄道法によつていたしたい、こういうふうに考えております。
#62
○飯田精太郎君 結局第一の鉄道事業というものはそういう範囲ということになるのでありますか。
#63
○政府委員(荒木茂久二君) 從來の國有鉄道がやつていた範囲のものをそのまま踏襲いたします。
#64
○飯田精太郎君 次に第五條に資本金ということが書いてあるのですが、これも普通株式会社の資本金とは大部違うように思うが、株式会社あたりですと資本金と資産は全然別に扱つておるが、ここに資産を資本金として出資するということになりますと、この資本金というものの増資とか減資ということが何かできるみたいですが、或いは今までの特別会計法によつてやつておつた資産のように、この資本金が年々ひとりでに増減して行くような形になるんですか。
#65
○政府委員(荒木茂久二君) これはパブリック・コーポレーションでございまして、一般の会社と資本金の性質を異にすると思います。ここで規定しておりますのは、一應國と別になりました法人格を持ちますので、從つてその人格としての資本金というものがなければ、從來の観念に合わんじやなかろうかと、こうふうことで一應規定してあるわけでございまして、そう重要なる意味合を持つ規定ではないと思うのであります。今御質問の点は、この法律だけでは減資も増資もできない、資本金は、「二十四年三月三十日における國有鉄道事業特別会計の資産の價額」というものによつて決まりまして、資本及びそれを増減する必要が起りましたときには、別途に法律を出しまして変更の手続をいたさないと、増減される言うことはないと思います。
#66
○飯田精太郎君 もう一つお伺いしたい。第六條に課税を免除するというとがあるのですが、將來一段進んで独立採算制が確立された場合に、やはり課税の免除ということは持ち続けるのお氣持なんですか。独立採算制まで行けば、この課税は当然免除しないことにした方がすつきりするのではないかという氣がするのです。
#67
○政府委員(加賀山之雄君) 差当りといたしましてはこの公法上の法人ということになりまして、如何にも一つの会社のような恰好になるわけでありますが、併しこの法律の中に現れました思想は、飽くまでもやはり余程政府の一つの機関に近い性格を持つておる。現状といたしましては、勿論これでいいが將來についてはどうかというお尋ねと思うのでございますが、將來につきましてもこの法人が行う業務は飽くまでも國家公共の利益、國民の福祉ということが主になつて來て、余程公共性の強いものでなければならないと考えております。從いまして、そういう性質から見まして、この課税の免除と公共的ないろいろ今後必要であるところの施設等と、まあ見合わして考えることができるのではないかというふうに、私共は考えておるのであります。
#68
○飯田精太郎君 國の事業ということから免税するということは考えられるのですが、どうも民間事業を相当圧迫する面が多いというふうにも考えられる。鉄道の運賃なんかが基準になつて民間運賃も決まるということから考えますと、どうもこの課税を免除されておるという形で今後ずつとやつて行くということは、どうも合理的でないような感じがするが、これはまあこの次の段階ですからもう少しお考え願いたいと思います。私の質問はそれだけです。
   〔委員長退席理事丹羽五郎君委員長席に著く〕
#69
○小泉秀吉君 今の六條のお話で、所得税、法人税を課さないというその思想の中から、都府縣市町村税は課するというのは、都道府縣市町村税というのは地方の財源を枯渇させるのが氣の毒だという意味ですか。何か根本的に、國有鉄道自体として所得税、法人税に違つた理由といいますか、根拠といいますか、そういうことを伺いたい。
#70
○政府委員(加賀山之雄君) 一應イージーゴーイングのようでありますが、課税の関係については現状を大体そのままやつて行こうという考えから出発しておるのでございまして、そこに理論的根拠と言われますと、これは非常に先程飯田さんから御指摘になりましたように、むずかしい問題があろうかと考える次第であります。ただ地方税につきましては先程ちよつと御説明申上げましたように、やはり地方の財源の問題は考えなければならんのではないかというように考えておるのであります。
 尚この課税の問題について大藏省も見ておるようでありますから、この規定を立案いたされましたのでどうぞお聞き願いたいと思います。
#71
○小泉秀吉君 それで從來の慣行をそのまま移したという立案者の政府の方の御意見なんですが、大藏省として特別に何か御意見があれば……。
#72
○説明員(黒金泰美君) 私主計局の法規課長でありますが、只今鉄道総局長官から御説明がありました通りでございまして、所得税、法人税を課しませんことは、先程以來飯田委員からお話がございましたが、將來まあこれが非常に会社的なものになりまして、國家財政に対する納付金もなくなるというような事態でも参りますれば、税金の点におきましても外の法人なみに課税しなければならんという事態も生ずるかと存じますが、それまでは飽くまでも國が仕事をいたしておりますのと同様に考えまして、所得税、法人税は課税しない、差当りそういう行き方で進んで参りたいと思います。
   〔理事丹羽五郎君退席委員長着席〕
 尚只今の地方税、遊興飲食税その他のものにつきましては、只今國におきまして仮認可いたしますれば、これを納めておるというような状態の税金でございまして、今まで同様にこの点は課税を受けて行く、その趣旨はやはり國の機関と同様に見ますと同時に、國と違います地方公共團体の財源はそれを認めて貰いたい、かような趣旨でございます。
#73
○委員長(板谷順助君) よろしうございますか。今資本金のお話が出ましたが、大体あなたの方で算定ができていますね。それの貸借対照表のようなものをお持ちでございましようか。そういうものがありましたらこの委員会に御提出を願いたいと思います。
 それから今小野君から御質問がありましたが、日本通運だとか或いは公社に投資をされておるのであるが、それはこの第三條のつまり「附帶事業」というような文字に当嵌らないと思うが、これは將來やるようなお話であるけれども、この際例えば、又外資問題いろいろ問題が出て來るのですが、それはこの際入れるのが至当ではなかつたのですか。
#74
○政府委員(加賀山之雄君) 私共もさよう考えて相当折衝いたしました次第であります。
#75
○委員長(板谷順助君) 第一章は外に御質問なければ第二章に移ります。
#76
○政府委員(加賀山之雄君) 第二章を御説明さして頂きます。第二章の監理委員会は公法上の法人に新しい機関を設ける規定でございますが、第十條におきまして、「監理委員会は第一條に掲げる目的を達成するため、日本國有鉄道の業務運営を指導統制する権限と責任を有する。」と謳つてありまして、いわゆるパブリック・コーポレーションには大体監理委員会、或いは理事会といつたものがトップ・オーガニゼーションとして置かれて、その意思決定期間になつておる例もあるわけであります。今度同時にパブリック・コーポレーショシになろうとしておりますところの日本專賣公社におきましては、こういう制度を採らないで諮問機関に相成つているようであります。諮問機関ではやはりこの民主的経営からいつて多少弱いところもあろうと考えますので、大勢の知識経驗がある人々によつてこの業務運営なり、会計の実施が監査されるということ、は是非共必要ではなかろうかということで、当初は監査機関として監査委員会というものを考えた次第でありますが、その後いろいろの折衝によりまして、監理委員会がこういう業務運営を指導統制する権限を有するということになりましていわゆるトップ・オーガニゼーションとして総裁の行う業務の運営を指導統制するということになつたわけであります。從いまして総裁は後程出て参りますように、日本國有鉄道を代表し業務を総理するわけでありましで、これが意思を決定し執行力を持つ責任者になるわけでありますが、その総裁の意思が決定されるにつきまして重要な案件でありますれば、後程規定しております監理委員会の議決によりまして総裁の意思を左右するということが可能であり、又監理委員会はそのいう責任を有することになるわけであります。
 十一條はその構成でありますが、六人のうち五人は別に規定するところによつて選任される、一人は職務上当然就任する特別委員になる、これは総裁が当然職務上就任するという恰好になるわけであります。
 次の十二條におきまして、「委員は、運輸業、工業、商業又は金融業について、廣い経驗と知識を有する年齢三十五年以上の者のうちから、両議院の同意を得て、内閣が任命する。」監理委員になる人はこれらの運輸、工業、商業金融業、この業務について廣い経驗と知識を有するということが一つの條件になり、年齢はその知識、経驗について、非常に常識も円満になり経驗も豊富であるということに対して、三十五年以上と規定しておるわけであります。その任命としては内閣がこれに当るわけでありますが、特に民主的に運営される、特に國民の重要な施設を預かつて全國民のために経営されなければならんものであるから、監理委員の任命には特に両議院の同意を得なければならん。ただ参議院が同意しない場合には、この第二項によりまして、衆議院の同意を以て両議院の同意ということに、憲法の第六十七條の場合と同様にいたしておる次第であります。それから第三項は欠格の條項を決めておりますが、特にその第四号におきまして政党の役員を除外しておりますことは、政党政派から超越して日本國有鉄道の運営を行うのが適当であるという考え方からいたしておる次第であります。
 それから第十三條はその任期でございますが、これもいろいろ長短はあろうかと存ずるのでありますが、本法におきましては五年、ただこの第三項におきまして、この全部が一遍に変るというようなことを避けなければならん。これは運営が継続的に指導統制されるということを狙うことと、それからもう一つは先程申しました、やはり時の内閣如何によつて、委員が全部変つてしまうという、この両方避けなければならんというようなことから、一年二年、三年、四年、五年というふうに任期をずらしておるのであります。それから第十四條は罷免の選定でございまして、これらの規定するような場合にはいつまでも委員にして置くわけには行かない、これを罷免することができる。但し任命の場合と同じように、両院議員の同意を得なければならんというふうにいたしておるわけであります。
 それから第十五條は名誉職のことで、旅費その他業務の遂行に伴う実費はこれを受けるものとする、となつておりますが、問題はこの監理委員会の委員には、これらの経驗者のうち特にどうしてもその職から離れられないというような場合もあろうかと思います。併し委員としては是非とも立派な人になつて貰わなければならんといつた両方の面がある。從いまして本業を持たれながら監理委員としての職責を果して頂いた方が人も得易いというような見地から、名誉職といたしておるのでございます。
 次に第十六條はその議決方法を規定しておりますが、第十七條におきまして、「法令により公務に從事する者とみなす」と申しておりますのは勿論國家公務員法に規定する公務員ではないのであるけれど、刑法でございますとか、或いは経済関係の罰則制度に関する法律等における公務に從事する者として、例えば涜職でございますとか、公文書偽造でございますとか、公務執行妨害といつたような條項が適用になるということを明らかにしておるわけでございます。
#77
○委員長(板谷順助君) 如何でしようか。
#78
○高田寛君 この監理委員会というものの業務の権能というようなことがどうもはつきりしないように思うのですが、この第十條に、「國有鉄道の業務運営を指導統制する権限と責任を有する。」とただ書いてあるだけで、どうも監理委員会というものを非常に強く働かせるか、余り強くなく監査委員会式の仕事を持たせるか、どうもはつきりしないのでその点お伺いしたいと思うのですが、これが非常に強いものになると、総裁の自主的活動を相当に掣肘することになると、又弱いものになると逆に今度は監督官廳である運輸省の方の監督容喙というものが、相当強くなるのじやないかいろいろな点が考えられるのですが、大体この監理委員会というものを相当強く働かせるおつもりか、或いは監査委員会ぐらいのつもりで余り強く一々仕事に対して口を余り出さないようにさせるおつもりか。最初にその点を一つお尋ねしたいと思います。
#79
○政府委員(加賀山之雄君) その意図といたしましては、我々はここで余りこれを申上げることはむしろ語弊があろうかと考えるわけでありますが、一にかかつて今後の監理委員なり総裁の間の運営の仕方にあろうかと考えますが、この規定から出て参ります趣旨といたしましては、非常に立派な方があればこれはワンマン・コントロールも非常によいところもあるかと考えるわけですが、そこに一つの監理委員会という多数の知識、経驗を加えて、そうして意思決定をしてい行く。飽くまでも総裁の自主的な代表権と、それから業務執行に関する意思決定の権限は総裁に持たし、監理委員会はこれをやはりチェックをして行く、それで極く簡單な言葉で言えば、チエック・アンド・バランスの制度をここに実現しようとしているというふうにお考え願わなければならんかと思う。で余り総裁の権限を振わせても弊害ができるし、又総裁の意思決定なり業務運営の執行力を非常に弱めると、これ又非常に弱いものになつてしまう。両方満足せしめて行くことができないかどうかという問題になろうかと考えるのでありますが、非常に惡い場合だけを考えなければ、私たちといたしましては、総裁とこの監理委員会の制度でチェック・アンド・バランスが適当に行われるならば、非常に正常な業務の運営についての方針が立つて業務執行ができるというふうに考えている次第であります。
#80
○高田寛君 どちらにしましてもこの業務運営を指導統制するというように、非常に漠然としているのですが、やはり最小限度これくらいのことは監理委員会に掛けなければならんとか、そういうようなことをやはりこれにはつきりして置く方がいいのじやないかということは考えられるのですが、例えば國有鉄道の運営に関する基本的な方針であるとか、或いは予算、決算であるとか、その外特に重要な事項、これだけは最小限度監理委員会に掛ける、掛けなければならんというようなことを規定して置く方がよくはないかと思うのですが、その点如何でしよう。
#81
○政府委員(加賀山之雄君) 率直に申しますと、当初立案をいたしましたときには、私共さように考えておつたのでございますが、その後いろいろの事情によりましてこの十條のような規定に相成つた次第であります。從いまして今言われましたように、特にその点を明確にすることは私は非常に結構ではないか、或いは望ましいことではないかと考えておる次第であります。
#82
○小泉秀吉君 この十條ですが、「責任を有する。」とありますが、どこへ持つて行つて責任を負うのですか。
#83
○政府委員(加賀山之雄君) ここはいわゆる誰に対してというような考え方でなく、この権限と責任というのは非常に問題になる言葉でございますが、解釈して言えば、権能と職責といつたようなふうに、そういつた職責を持つておるのだというふうに御解釈願えないものかと、これは少しむずかしい解釈かも知れませんが、私共としてはそういうように考えておるわけであります。
#84
○小泉秀吉君 そうしますと、後から出て來る役員とこの監理委員会との噛み合せが、責任の上から言うてちよつと私には了解できないのですが、この表現では。
#85
○政府委員(加賀山之雄君) 後の規定に、総裁が監理委員会に対して責任を負うということをになつておりますので、総裁は明らかに監理委員会の意に反したことを行えば監理委員会に対して責任を負わなければならんということは明らかになつておりますが、監理委員会については、監理委員会だけが直接責任を負うということにも相成つておらない。從つてこの監理委員会のこの職責は、日本國有鉄道の意思決定が非常にまずい場合には、結局総裁も一環となつて國有鉄道全体としての責任を負わなければならないのではないか。それはただ意思決定の最後的なと申しますか、意思決定は総裁を通じて行われる。而も総裁は「その業務を総理する。」ということ、この総理のことが出て参ります役員のところの規定に、第十九條でございますが、「日本國有鉄道を代表し、その業務を総理する。」と言つておるところがありまして、そういうように考えなければならんと存ずるのでありまして、その点は結局総裁を通じて日本國有鉄道として責任を持たなければならん。かように相成ろうかと思います。
#86
○小泉秀吉君 そうしますと、総裁はこの「日本國有鉄道を代表して、その業務を総理する。」、その総理する総裁が特別委員として監理委員会におるのであるから、監理委員会のいわゆる権限と責任貸結局総裁は監理委員会のアンダー・コントロールに入るのだというふうに了解し得るのですが、アンダー・コントロールでなしに独自になるのですか。
#87
○政府委員(加賀山之雄君) 総裁は意思決定をいたしますが、その際監理委員会のアンダー・コントロール、つまり統制下にあると考えなければならんのです。
#88
○小泉秀吉君 そうですね。
#89
○政府委員(加賀山之雄君) はい。
#90
○内村清次君 最後の政府委員のお言葉でございますね。大体総裁は監理委員会の統制下にあるのだということで、大体少し意が強くなつておるようでしたが、先程來の政府委員のお話を聽いて見ると、ただバランスそれからチェックをするだけだというようなお話になつて來て、そうして総裁は、即ち企業体の自主性を損傷して行く。総裁のつまり企業に対するところの自主性を尊重して行かなければならない。こういうようなお話のようであつたが、ここに指導と統制をするとあつて、指導もして行かなければならん。結局指導ということは、第一條の目的達成のために大綱を作成し、そうして監理委員会でそれを決定して、而もそれは決定するというときには、総裁に立合わせて、そうして総裁の同意を得た上でそうして大綱が決定になる。それがいわゆる総裁の自主的な企業の経営によつてそれが達成されて行く。それからこれをいわゆる統制をするときにおいては、統制や又統制達成の目的をそこで檢討して行く、即ちチェツクして行くときには結局総裁のやり方についてこの監理委員会がチェックして行く、或いは又権限を以てその総裁の仕事に対していろいろな統制をやつて行く。こういうようなはとになつて、いわゆる相当強い権限をこの監理委員会というものが持たなくてはならぬ意味合いではないか。そのためには結局第十條において謳つているところの責任を以て行かなくてはならんというようにこの十條は書いておるのでございますが、大体そういうふうですかどうですか。
#91
○政府委員(加賀山之雄君) その通りだと考えるのでありますが、問題は先程お話が出ましたように、いわゆる業務執行に関するあらゆることをこの監理委員会で決めてからでないとできないかということになると、必ずしもそうではなくて、そこで先程管理委員会ではどうしても決めなければならんような大綱は決めて置いた方がいいのじやないかという御議論になろうかと考えるわけでありまして、相当自由な腕を振わせようとするのには、総裁に実質的な執行力を持たしで置かなければ、私はうまく行かないのじやないかというふうに考えるのでその点を申上げて置きたい。問題は運営の方針について相反しない場合は私はどちらにしても、これはうまく行くと思うのでありますが、問題となる場合は、両者の意思が合致しない場合でございますが、その場合総裁は管理委員会に対して責任を負うというふうに規定してあるわけでありまして、反した場合にはどうしても総裁はこの監理委員会の言うことを聞かなければならんということは、ここから出て参ると思うのであります。
#92
○委員長(板谷順助君) 如何ですか、他に第三章について御質問ございませんか。
#93
○前之園喜一郎君 私席を外しておりましたので政府の説明を聞いておりません。或いは説明のあつた所であるかと思いますが、そうであればそうで後程速記録で拜見しますから御答弁は要りませんが、御説明がない所であるならば、簡單に御答弁を願いたいと思います。
 第十條のいわゆる指導と統制ということをもう少しはつきり具体的に教えて頂きたいと考えます。それから第十條の委員を五名にせられた理由、それから第十二條の委員を運輸業、工業、商業又は金融業こういうものに限定せられた理由、それから同條の三の二「禁こ又は懲役に処せられた者」とありますが、これは復権した者はどういうことになりますかという点、それから第十五條の名誉職にしなければならない。
   〔委員長退席、理事小泉秀吉委員長席に著く〕
これはこの委員というものは第十條によつて非常に廣汎な権限と責任とを負わされておるのでありますから、これに対してはやはり専門的に仕事ができるような相当の報酬を與えることがいいのではないかと考えるわけであります。その点を御説明を願いたいと思います。
#94
○政府委員(加賀山之雄君) この十條の指導統制でありますが、これは業務運営全般について指導統制すると一應解釈しなければならないと思うのであります。ただここに先程御意見が出ておつたわけでありまするが、総裁の業務執行力を非常にチェツクしては、却つて能率を阻害するというような面も考えて置かなければならないので、責任を明らかにするために、そこに更に大綱、どういうことについて特に監理委員会においてやるのかということをはつきりした方がいいのじやないかという説も出ておりますから、私共といたしましても、それは誠に結構ではないかというふうにお答え申上げて置く次第であります。
 次に十一條の五人にいたしましたのは、これは三人、五人、七人、九人、いろいろ考えられると思うのでありますが、後程出て参ります名誉職にした関系と、それから極く関係の深いところからおやり願う、余り多過ぎて船が山に上つてしまつてもいかんというので、これは五人でなければいかんということはないかもしれませんが、最も適当なところではないかというふうに考えて五人といたした次第であります。
 それから十二條の点は、先程申上げましたように、監理委員は業務の運営の指導統制という非常に重要な責任と権限を持つわけでありますので、これはなかなか簡單に、非常に立派な人であつても、この経営についての廣い経驗と知識がないと、而もその知識経驗は他のことよりも、最もここに書きました業種についての廣い経驗知識が必要なのではないか、かように考えて限定をした次第であります。それからその第三項第二号、復権をした者を含んでおらないので、これは復権しても委員になれないということに相成つておるわけでありまして、これは重要性から見てそうなつておる次第であります。
 それから次は十五條名誉職でございますが、監理委員会のこれは性格なり権限と結び付くものと思うのでありますがこれは大綱執行機関、意思決定機関ならば、これは名誉職は適当ではないと考えられるわけでありますが、監理委員会の性格を先程から申上げたのでありますが、それから見て非常に立派な人が要るこれを多数専任者として得ることはなかなか現在の事情からして困難がありはしないか、むしろ現在の仕事を活かしながらその知識経驗を廣く取入れるということが至当ではないかという考え方から来て名誉職といえしました。
#95
○前之園喜一郎君 この十二條の選定範囲について重ねてお伺いいたしますが、労働組合の代表者を入れたらどうかというような意見も相当強く言われておるようであります。その点は内村先生から重ねて御質問があると思いますが、御一緒に御答弁を願つてもよろしうございます。同條の三の二、いわゆる復権した者もやはりこれに入るのだという御解釈は私は間違つているのじやないかと考えます。一遍禁錮或いは懲役に処せられても復権した者はいずれの方面にでも、これはそういう罪を犯したことのない者と同様に今日では取扱われ、又委員の重要性ということを言われましたが、むろんさような委員であることは間違いないのでありますが、例えば國会議員の中にでもこういような人は相当にいるかも知れません、我々の知つている範囲でも、復権した者が立候補している、或いは当選しているという事実も知つておるのであります。そうした者をこの中に入れられるということは、私は解釈の誤まりじやないかということを考えまするが、重ねて一つ答弁願いたいと思います。重要性に鑑みて復権した者もいかんのだということは非常に私は考え違いだと思いますが。
#96
○内村清次君 よろしうございますか……今第十二條のこの監理委員会の委員のいわゆる適用範囲内について前之園委員の御質問と重複いたしますが、その答弁を同一にするためにちよつと申上げて置きますが、この企業体の性質は、これはやはり企業の中に労働問題、これがもう殆んど大半を占めているような状態でありまして、その労働問題を考えずして、企業の整備ということはこれは絶対にできない、同時に又企業の民主化といたしましてもやはり、この組織関係即ち労働問題に携わつているところの人たちが参画をして、そうして企業を民主化して行くし、又労働條件の点につきましても十分意見を聞いて行くということが、企業の円滑なる遂行ができるものだとこう存じますし、こういう観点からいたしまして、これは組合組織のいわゆる労働組合組織のものも当然含めるべき問題である、今後の企業においてすべてそうあるべきものである、而も又これは他のいわゆる國家事業の例えば石炭國管の問題につきましても、このような組織のものが重要な管理委員の中に入つておりますし、こういうような観点からいたしましてこれを除いて置くということには、どうも変態的だと思いますが、この点についての政府の答弁も合せて一つお聞きしたいと思います。
#97
○政府委員(加賀山之雄君) 先程の十二條の第三項、第二号はいわゆる恩赦、特赦等によつて復権した者はこれは当然入れることに相成つております。それは先程間違つた答弁をいたしました。それから内村さんの御質問ですが、ここに列べましたのは勿論御承知の通り、これはその業種代表という意味で入れて奉るわけではないのでありまして、経営にはその経営の才幹、経驗、知識が最も重要なものになる、労働関係というものはこの今後の経営について主要なものであるということは、これはもう当然なことであろうかと考えるわけでありますが、これらの業種について廣く経驗を経営について持つておられる方は当然労働関係においても入れなければならん知識経驗者でなかろうかと思うわけでありますから。問題は労働関係についての廣い知識経驗を持つた者も特に専門家として入るべきではないかという御意見があるのは我々もそれは十分考えられることと考えるわけでありますが、先程の御質問の組織でございませんで、それぞれの代表者という意味であるならば私はそういう必要はないものであるというふうにご了承願いたいと思います。
#98
○内村清次君 そうしますと、第十二條の場合運輸業、工業、商業又は金融業とこう書いてありまするが、今後の選考範囲内においてこの業以外の者でもいわゆる範囲を廣くしてでも御採用になるというような、即ち該当者であるということに解していいわけでありますか。
#99
○政府委員(加賀山之雄君) それ以外としてはこれは制限して書いてございますので入らないと思いますが、これは現在においてというような表現がございませんので、運輸業、工業、商業、金融業の廣い経驗知識を有する方ならば現在は他の場所にあつてもいいというに解釈しております。
#100
○鈴木清一君 そうしますと、大体五人という数字は運輸、工業、商業、金融業というような工合に分けてあるので、それに委員長を加えて大体五人の数字というものは考えられるのでありますが、範囲が内村さんが言いましたように組合が公務員法やなんかによつて相当経営に参加するというような機会をなくし、又運輸業のごときは経営に労働組合から参加するというような形態を取らなければやつて行けないというような面が多分にあるのでありまして、それならば公務員法によつてやつてもでき得ないということになつて来ておりますときにおいては、内村さんが言つた幾分組織によつて実際的に運営に対して或る程度の組織を持ち又そういう経驗のある者が運営上から行けばこういう人たちよりより以上必要だと思うのであります。そういう意味におきまして、先程長官が言われました五人という人数は決定的なものじやないというように思います。先程話されました四人の関連性をもつと拡げればこの人数は限定はないのでありますからして……。
#101
○政府委員(加賀山之雄君) 五人でなくてもいいと申上げたのは、この法律では多からず少からず五人程度が適当ではなかろうかというので、五人といたしたのであります。
#102
○鈴木清一君 五人という人数はこの業種別から出た、一つのちよつとはつきりした権限の下に、はつきりした意識の下にこうしなければならないということは先程五人でも四人でもいいといろお言葉がある上にははつきりした確信があつて出したわけでないのでございますね。
#103
○政府委員(加賀山之雄君) 確信というと語弊がありますが、名誉職としての監理委員会の職務を遂行して行くのには一番適当なところではなかろうかと考えておるわけでありまして、ここに列べた四事業は丁度それに当るのではないかという御推察でありますが、確かにそういう場合も予想せられると考えられるわけであります。ただ経営という問題につきましては、やはり経営技術者といいますか、経営技術というものを尊重するのが私は最も必要であろう、その中にその労働関係等に対する知識なり、理解というものが当然この経営技術の中に含まれなければならんということは考えますが、これ程の大きな企業体の経営でございまするが故に、経営技術を最も尊重してその技術者の立派な人を選任するという必要があろうと考えます。
#104
○鈴木清一君 今そちらでも認められたように、経営技術を尊重しなければこの運営はでき得ないということになるならば、少くとも経営技術に直接参加もし、十分理解を持つておる組合関係から出るというようなことについては、これは別に差支ないのじやないかと思いますが、どうですか、如何ですか。そういうふうに考えられますが……。
#105
○政府委員(加賀山之雄君) ちよつと伺いたいのですが、それは当該企業体の労働組合の組織の中からという意味でございますか。
#106
○鈴木清一君 でき得れば当該企業体の中からになりますが、併し監理委員会は企業体を外れての監理でありまするので、監理の性格を持つておりますので、敢て企業体の中からという意味でなくてもとれる、労働組合関係の中からという意味でもとれると思います。
#107
○政府委員(加賀山之雄君) それはその問題は考えなかつた次第であります。で勿論この監理委員には、先程申しました欠格條項から來て、政府職員というものを除いておるのでありまして、そういう点から申しましても、その組織の中から入るということはこれはいけないと思うのであります。それから繰返して申上げますが、監理委員会の委員になる資格といたしましては、つまりこれらの最も関係深い業態について廣い経驗と知識が必要である、それに対する経営の経驗と知識が必要であるという観点から考えましたので、その利益代表と申しますか、その方面の代表的意思をここの中に織込む意思はないということを申上げて置きたいと思います。
#108
○丹羽五郎君 この監理委員会のこの業種別についてですが、運輸業、工業、商業、又は金融業ということを限定するということについて、政府としては強い何かこれには信念があつてかように限定されたのですか。
#109
○政府委員(加賀山之雄君) 尤もこのパブリック・コーポレーションの経営から見て、これらの事業が、その経営上、又このパブリック・コーポレーションの事業との関連性において最も意義の深い、最も関連の深いものである、從つてその経営技術等においても最も適当した経営技術なり経驗を持つておられる筈であるという見地から限定をいたしました次第であります。
#110
○丹羽五郎君 どうも今の政府委員の答弁は甚だ視野が小さい。狭い視野から眺めていられるように私は考えるのですが、これはやはりなんでしよう、日本の國でこれはやらなきやならん仕事であれば、農業、水産業というようなことを忘れて、そうしてこの独立採算制を採つて行くというようなことを考えるというのは、すでに私はここの組織において一つの誤まりがありはしないか、信念上の誤まりがありはしないか、かように考えるのでございます。殊に農業、水産業というものは殆んどこれなくしては國の実質的存在というものは成り立たない、かような重大な職種をこれを忘れておるということについては、何かそこに特段な理由でもあるのですか。
#111
○政府委員(加賀山之雄君) 先程から、繰返し繰返し申上げておりますように、これは業種代表、つまり利益代表というようなことではございませんで、利用者の立場なり、國有鉄道の利用という見地から言いますならば、これは廣く國民全般を相手として、その中から選任されるということがよろしいと思うのでありますが、飽くまでも経営技術、経営才能ということを前提として考えますと、國有鉄道の事業に関係の深いのは、先程の國有鉄道の事業を見て頂けば、第三條の業務から見まして、この四つが最も関連性が深いわけであります。その点でこの四つを入れたという次第でございます。
#112
○小野哲君 先程來第十條の問題、特に高田委員から指導統制する権限と責任の内容を明確にする、こういうふうな御意見もあり、又第十條は委員の人数を殖やしたらどうか、又第十二條の第一項に、ここに掲げられております業種は必ずしもその代表を送り込むという意味ではなく、最も國有鉄道に密接な関連を持つておる産業を取入れたのである、こういうふうな御意見も出ておりますが、私からこれと関連して伺いたいことは、第十二條の問題でありますが、運輸業、工業等の事業がここに現われておることは職能代表的なものでないとするならば、一種の例示的なものであろうというふうに了解するのであります。從つて先程來労働関係の人を入れてはどうか、こういうふうな御意見も出ておりますが、さような意味合いにおいては労働関係の当該企業体の組織を代表するという意味ではなくして、労働組織に関係のある、とこういう意味においては尚考慮の余地があるのではないか、こんなふうに考えるのであります。で今ここで政府委員の御所見を承わりたいのは、第十二條の第二項の問題であります。この委員の任命については非常に重く取扱つておられるようでありまして、両議院の同意を得て内閣が任命するということになつておるが、両議院の同意の方式は憲法第六十七條第二項の場合の例によるのである。即ち内閣総理大臣の指名の際の例をこの委員の任命にも取入れよう、こういうふうに立案されておるのでありますが、考えて見るのに、内閣総理大臣の指名と委員の任命とはその性格において格段の違いがあるわけなんで、いわばこの委員の任命は一つの重大な人事ではあるけれども、内閣の首班の場合と比較いたしますと、非常に異なつた点があるということを考えざるを得ない。從つてこの種委員の任命については必ずしも衆議院の優越を認める必要はないのでありまして、両議院の一致の同意を以て、一致の意見を以て内閣がこれを任命する方式を採ることが最も妥当であろうと私は考える。從つて政府はかような点について如何なるお考えを以て、この第十二條第二項をお入れになつたか、政府の御見解を伺つて置きたい、これが一つであります。
 それからもう一つは、從つて第十四條の第二項、即ち第十二條第二項の規定は罷免の場合の同意においても準用する、こういうことになつておりまするから、これも先程申しました理由によつて適当でない、若し適当た人物が決まるまでに非常に時日がかかるというふうな懸念もあるであろうと思いますが、この從來の監理委員を任命する場合においては両院が十分に連絡を取り愼重の態度を以て臨みました場合においては、憲法の第六十七條第二項の場合のような例にとらなくても十分にその目的を達成することができる。いわば國会内部の運営上の問題でありまして、必ずしも法律の上でこれを謳い特に憲法第六十七條第二項の例をここに引用する必要は毫も認めないという、私は見解を取つておるので、第十二條、第十四條の場合についての政府の御見解を承わりたい。更に附加えて第十五條の名誉職の問題でありますが、先程來の政府委員の御答弁によりまして成る程適任者を得ますためには兼職を禁止するがごとき方法を取ることは得難いことになりますので、適任者を得難い事案があるであろうといふことは想像に難くないのであります。併し、若し第十條に規定されておりますような包括的な指導統制に関する権限と責任を持たしめるということになりますと、やはりこれは或る程度常任制即ちフル・タイムの勤務を要請することが必要じやなかろうか、というふうにも考えられるのであります。併し百歩を讓つて名誉職が妥当とした場合におきましても、この第十五條但書によつて「旅費その他業務の遂行に伴う実費」を支弁することができると、こういうふうになつておりますが、かような重大な権限と責任を持つておる監理委員に対しましては相当の何らかの方法によつて、或いは名義によつて報酬を與えることが妥当じやないか、こういうふうに考えられますので、但書に掲げられておるところの一体旅費その他業務の遂行に必要な実費としては政府はどういうふうなことを考えられておるか、この点を伺つて置きたいと思います。以上二点について御見解を御伺いしたい。
#113
○政府委員(加賀山之雄君) 十二條の第一項はこの規定におきましては、例示的なものでございませんで、この業に限定をいたしておる次第でございます。第二項の場合は勿論この両院の一致が望ましいのでございますけれども、我々といたしましては総理大臣の任命も勿論でございますが、この委員の選定に当りましては、両院の議が通常の場合において一致することを予期しているのでございますが、ただこういうふうにいたしましたのは他意ございませんで、ただ國家公安委員の例等は、そのように相成つておるので、その例をただそのまま引用したに過ぎない。そういうように御承知願いたいと思います。
 それから十五條につきましてお問いになりました点に関しましては、まだ深くどういう内容の事をするかというまでは実は檢討いたしておりません。「旅費その他業務の遂行に伴う実費」というふうに漠然と規定しておるわけでありますが、この委員の重要性から見まして、今後の運営によりまして、この業務遂行に伴う実質ということの解釈はいろいろ出て参ろうかと考えられるわけであります。現在のところは深くこれこれの場合というふうには檢討を実は盡しておりません。
#114
○小野哲君 只今政府委員の御答弁によりますと、第十二條第二項については、從來の立法例によるというだけの話であつて、特にこれによらなければならないという理由はないように思うんですが、この点については如何ですか。
#115
○政府委員(加賀山之雄君) 是非ともこうでなければならないということは言えない。これはまあ両院の意思が一致するのが、一番大切であると考えます。
#116
○高田寛君 私も今の小野委員と同じ大きな疑問を持つているので、この十二條の第二号のこのやり方はただ人事院の選定の場合の例によつたというような程度のことでありますが、私はこの人事院の選挙のときのやり方も甚だ間違つていると思つているのであります。総理大臣の選挙の場合におきましては國会議員の中から選ぶという範囲が限定されている。而も政党の首班が大体選ばれるという極めて限定された範囲の中から総理大臣は選ぶのでありまして、從つて両院の議が合わない場合はそのまま放つて置くわけにいかん、どつちか決めなければならんというので、こういう方法が採られているのでありますが、併しこの監理委員の任命の場合におきましては、候補者は全國民の中から、何百万人の中から選ぶのであつて、両院がこれを適当であると認めた者を初めて選挙する、決定する、こういうことが実際の運用からいつて一向構わないのであります。こういう人事という問題につきましては、アメリカあたりの例につきましては上院が相当強い権限を持つている点から考えましても、物を落着いて冷静に判断する立場にある参議院というものの意思が強く反映しなければなりません。そういう意味におきまして十二條の第二号はこれは是非とも両院の同意はどうしても必要であると直すべきかと私も考えておる次第であります。一言、これは質問より意見を関連して申述べて置きます。
#117
○理事(小泉秀吉君) 次に進んでよろしうございますか。
#118
○政府委員(加賀山之雄君) 第三章は投票及び職員を規定いたしているのでございますが……。
#119
○鈴木清一君 章を変えるのですか。
#120
○理事(小泉秀吉君) ええ。
#121
○鈴木清一君 それではちよつとお尋ねしたいのですが、十二條の三項の五ですが、「國有鉄道に対し、物品の賣買若しくは工事の請負をする」、この業を入れてあるようですが、この場合今鉄道の外郭團体と言われる弘済会或いは交通公社、鉄道工業、こういうものはやはりそういうものであるという解釈に扱つて差支ないと考えますか。
#122
○政府委員(加賀山之雄君) 只今まで國有鉄道と「物品の賣買若しくは工事の請負を業とする者」ならば、それは入るわけであります。今例に出されたのは工事会社、弘済会だと思うのですが、これは賣買若しくは工事の請負をすれば入る、こういうことであります。
#123
○鈴木清一君 そうしますと、そこははつきり今ここで、これは賣買する業務であるとか何とかいうことを入れるとか、又工事の請負を入れるだけであろうと思いますが、條文を一項殖やして、而も鉄道の外郭團体というものを入れたいと思いますが、その点はどうですか。
#124
○政府委員(加賀山之雄君) それは特に五号を設けております趣旨からいたしまして、特に非常な利害関係を直接持つもの、又これらが法人である場合には役員ということになつておりますので、利害関係を持つか否かということを考えればよろしいと思うのでありまして、この五号があれば、これは特にそういつた必要はなかろうかと、今の御趣旨はよく分りませんが、外郭團体というような言葉も非常に不明確な言葉でございますので、却つて疑義を生ずる虞れがありはしないかと考えるのであります。
#125
○鈴木清一君 それで私はこの場合、やはりここに大体任命の日以前一年間においてというてありますが、こうした者を含めまして、実はこれを二年間、三年間、一年間というのは余りにも短かきに失するというような意味で、二年にしたいという氣はあんたの方でないのですか。
#126
○政府委員(加賀山之雄君) 人の噂も七十五日と申しまして、この一年間経てば、大体その影響力はなくなるものという意味で、一年にしたのであります。
#127
○鈴木清一君 ああそうですが。分りました。
#128
○理事(小泉秀吉君) それでは第三章。
#129
○政府委員(加賀山之雄君) 第三章役員及び職員の規定でございますが、役員は総裁、副総裁及び理事を第十八條において規定しております。総裁は先程もちよつと監理委員の場合に申上げましたが、國有鉄道を代表し、その業務を総理するというふうに相成つておりまして、結局國有鉄道の意思を代表している。そうして業務の実行を総理するという責任を持つているものであります。但し監理委員会の指導統制の権限に対しまして、監理委員会の決議がございました場合には、これに対して責任を負つて行かなければならん。かように規定しているわけであります。それから総裁は……いわゆる監理委員会の委員は両院の同意を得て任命される、で総裁はその監理委員会の推薦に基いて内閣が任命するというふうに、そこまでも國民の鉄道でありまするが故に、結局間接にはなりますが、國家の選任された監理委員会が、同意された監理委員会が、総裁の推薦任免に対しては、推薦権を持つている、同様にこの罷免権につきましても、やはり監理委員会が同意をしなければ罷免できないということにいたしております。副総裁は、ただこれは総裁の代理をいたしますけれども、やはり総裁に事故があるときは、その職務を代理し、欠員のときは、その職務を行うものでありますので、やはり監理委員会の同意を得なければ総裁が任命ができない。理事は、ただ総裁のアシスタントと見るべきものでありまして、これは総裁が任命する。総裁と副総裁の任期は、それぞれ四年というようにいたしております。この任期につきましても、長短いろいろの説があろうかと考えますので、例えばT・V・Aの例なんかを見ますると、九年、非常に長くなつているようであります。これは、同意して選任された総裁は、その実力を以て、單なる腰掛でなく、相当長く落着いて仕事をさせる。それから余りに長きに失すると、弊害も或いは考えられないことはないということから、四年が適当のものでないかというふうに考えて規定いたしました次第であります。それから罷免のところ、二十二條における罷免のことは先程申上げたところでありますが、職員につきましては、第二十六條、この職員は、公共企業体労働関係法第二條第二項に規定するものをいうということになつておりますので、これは勿論役員は除かれると同時に、一時的に雇傭される者を除いているわけであります。それからその二十六條の第二項におきまして、その條文を訂正して頂きたいと思うのでありますが、これは修正の何が出ていると思いますが、「第十二條第三項第一号から第四号までの各号の一に」となつておりましけれども、「第十二條第三項第三号に該当する者は職員であることができない。」これは職員でございますので、非常に監理委員会や総裁等と違つて、役員と違つて、非常に嚴重な制限を除いて置こうという意味であります。それから二十九條以下は、公務員法に規定されている、いわゆる公務員として規定されているものを、今度は公務員ではございませんので、パブリック・コーポレーションの職員に対して、資格を規定しておりますと同時に又二十九條、三十條におきましては、職員が或いは降職され、免職され、或いは意思に反して休職されることはないというふうに、職員の立場を保護するために規定されたのであります。第二十九条の三号までは、職員の事情からして、こういう場合は止むを得ない。第四号は、今度は経営体の側から見て止むを得ないという場合を規定しているわけであります。それから三十一條は、これは懲戒処分の免職、停職、減給、戒告を書いておるのでありまして、これもこれ以外には、こういう懲戒処分はないといつた規定であります。
 それから三十二條におきましても、この第一項、第二項共に、公務員法にいう公務員ではないけれども、この公共性の絶大な機関に勤める職員としての責任を明らかにしているものであります。
 それから三十三條は、御修正を頂いて実はあるのでありますが、第三号の後段並びに第四号は削除しておるのでございまして、結局この規定は、労働基準法第三十三條は、一般の各業種に通ずる規定になつておりますので、その表現が非常に各業種に適するようには規定されていないのでございますが、鉄道の場合にはどうなるかというふうに、この三十三條に、ここに解釈している規定を設けている次第であります。この一号、二号、三号等において、飽くまでも公共の立場を擁護するためには、是非とも常時そういう從事員を準備して置くわけには行かない。併しながらこの公共性から見て是非とも從事員には働いて貰わなければならないということから、かような規定を設けておる次第であります。特に第二号等について申上げますならば、先日のアイオン台風がやつて來るといつた場合には、これは災害が起きてからでは遅いのでございまして、どうしても氣象通報によりまして屈強な青年男子を非常呼集して警戒に当らせなければ、列車の安全正確を期し得ないということから、かような特に規定を設けました次第であります。第三十四條は先程の監理委員についての点と同じでございます。それから本法にも一部労働基準法関係の規定を入れておりますけれども、その他労働組合法、労働関係調整法その他の関係におきましては、この公共企業体労働関係法として、この職員との労働関係を律するところを定めておるということを明らかにしておるのであります。
#130
○理事(小泉秀吉君) 御質問ありませんか。
#131
○丹羽五郎君 第二十條の四の「理事は、総裁が任命する。」ということがありますが、この理事の任期ということについては、ここに現れておりませんが、理事は任期を決めていないのですか、決めずにやつて行くのですか、そのことについて政府の意見を聽きたいのですが……。
#132
○政府委員(加賀山之雄君) 本法におきましては、総裁のアッシスタントとして総裁の自由裁量に任せるのが適当であるという見解の下に、特に任期は定めないで置いたのです。
#133
○丹羽五郎君 十八條の「総裁、副総裁及び理事とする。」ということで、これで見ますと総裁一名、副総裁一名になつておりますが、副総裁はこういうような大きな仕事を取扱うので、無論これは副総裁が相当多分に働かなければならん、重大な役割を持つておるのですが、それに対して副総裁の数は、これは一人でやつて行くように見受けられますが、政府のこれに対する所見をもう一度お伺いしたい。
#134
○政府委員(加賀山之雄君) 当初勿論二名ということも考えましたのでございますし、又アメリカ等におきましては、各事業の内部の業務を分担する副総裁が何名もおるという例もあるそうでございますけれども、本法におきましては、総裁とそれに代る副総裁一名を予定しておる次第であります。理事につきましては先程述べませんでしたが、人数を別に決めておりませんですが、これは当然続いてコーポレーシヨンが設立されるまでには決めて行かなければならない問題であると思います。
#135
○丹羽五郎君 私の考えで行きますと、この副総裁というものは一人では恐らくこういうような廣汎な仕事を私は取り得ないと考えておるので、副総裁は少くも二名以上にする必要があろうと思いますが、政府はそれに対しては必要がないというお考えですか。
#136
○政府委員(加賀山之雄君) 只今と余程変るかと思いますが、只今も大臣、次官ということで、事務をして行く者は次官一名ということになつておりますし、一名でどうしてもできないということもないのじやないかというふうに考えておる次第であります。
#137
○丹羽五郎君 次官のお話が出ましたが、次官は事務次官と政務次官で、政務次官は二名になつておりますし、それでやはり五名になつておりますが、そうすると政府は五名ぐらい置くという考えがあるということに我々は拝承してよろしいのですか。
#138
○政府委員(加賀山之雄君) 政務次官は御承知のように、主として國会との関係、政務をやられますのでありまして、今度の企業体としては政務次官に相当するところは、実は考えておらない次第であります。
#139
○鈴木清一君 ちよつとお尋ねしたいのですが、二十六條の第二項の、十二條の第三項の号から四号までの間を、これを直して三号から四号までとなつておるのでありますが、この三号の「國務大臣、國会議員、政府職員又は地方公共團体の議会の議員」、この地方公共團体の議会の議員、こうした者もこの各号のに該当する者は職員であることができないというような條文については、どういう趣旨から來ておるのですか。
#140
○政府委員(加賀山之雄君) ここの職員が三十二條に規定しておりますように、「全力をあげて職務の遂行に専念しなければならない。」という関係から行きまして、職員の組合の事務に專從する者だけを除外しております。この精神からいたしまして、地方公共團体の議会の議員を除外いたした次第であります。
#141
○鈴木清一君 そうすると私の意見になりますので、今日の場合はただ政府の説明を聽いて置く程度ですか。意見もずつと入れて行くという工合にやつてもいいのですか。
#142
○理事(小泉秀吉君) 今は質疑だけですから、御意見は後で……。
#143
○鈴木清一君 分りました。それでは次にお尋ねしたいのは、二十九條ですが、左の各号に該当する場合ですが、この認定を與える場合が非常に私はむつかしいと思うのであります。勤務成績がただよくないというだけの認定の與え方はいろいろ、あると思うのでありますが、ここに特に著しく勤務成績が惡いとか、はつきりした認定を與えるべきだと思うのでありますが、この点はどういうあれで出したのですか。ただ「勤務成績がよくない場合」要するに二十九條の一の認定の場合ですが……。
#144
○政府委員(加賀山之雄君) ちよつと御質問の趣旨がよく呑み込めなかつたのでございますが、もつとこれを具体的に決定すべきではないかということのように伺つたのであります。できれば具体的にはつきりいたす程よろしいかと考えますが、これらの條項は公共企業体労働関係法とも関係があろうかと考えますし、御承知のように関係法の第八條においても、これらの基本的な基準に関する規定等は勿論組合との国体交渉の対象になることになつております。更にこの細目といたしましては、内部的な規定ではつきりいたさなければならないのである、本法だけによつてこれをはつきりするには無理があるのではないかと考えます。
#145
○丹羽五郎君 恐らく私は、この法案の中で重大な問題は労働関係から眺めますと第二十九條だとかように考えますが、この中の第四号に「業務量の減少その他経営上やむを得ない事由が生じた場合」、非常にばつとした言葉で又どこに抑えるかということについて抑えるところのない伸縮自在な言葉が使つてありますが、この業務量の減少という、これが私非常に大きな問題だと考えますが、業務量ということは即ち公共の福祉に反しないところの業務量の減少をいつにおりますか。これは仮に一例を挙げますならば、極く卑近な例でありますが、自分の意思において十本の列車を出しているやつを五本にした場合、業務量の減少ということによつて、この減少ができるようになつておりますが、この業務量の減少という、業務量ということは基本的には公共の福祉に反しないことであることに私は解釈をして眺めていいのですか。その点を一つ……。
#146
○政府委員(加賀山之雄君) これは國家公務員法の第七十八條の規定とちよつと表現が違つておりますが、大体公務員法第七十八條にいつておることをこういう表現をしただけでありまして、丹羽さんの言われますように解釈して頂いて支障がないわけであります。御承知のように鉄道の業務量の減少ということは、一つの面からはなかなか考えられないのでございまして、單なる列車回数だけが業務量でない、そこに乗つておられる旅客の数、或いは貨物のトン数或いはトン・キロ数といつた面もございますし、全般の業務量からして人が多いか少いかということを考えなければならないので、これは御説明申上げたことがあると存じますが、業務量をいろいろな合理的な方式によつて算定をいたしておる次第であります。ここにいう業務量というのはその総体を通じていつておると御承知を願いたいと思うのでございまして、勿論サービスを低下して業務量が減つたということは全然いえないではないかと考えております。
#147
○鈴木清一君 丹羽さんの四号はついでに聽きましたので討議のときにはつきりいたしたいと思います。
 次に聽きたいのは、第三十三條の中に、労働基準法を適用せずに、特殊の公共企業体にあるので公共性によつて特殊な扱いをするのだということで、勤務時間を超えて勤務させることができるという條文が入つておりますが、これについて一から四までの趣旨を出しました氣持を今一遍確認して置きたいと思うので御説明願いたいと思います。
#148
○理事(小泉秀吉君) 四は削除になつております。
#149
○政府委員(加賀山之雄君) 御承知のように労働基準法第三十三條には、「災害その他避けることのできない事由に上つて、臨時の必要がある場合においては、こういうふうな表現をいたしておりますが、その第一号はそのまま「災害その他により事故の発生したとき」これはもう当然基準法と同様であります。二号は「災害の発生が予想される場合において、警戒を必要とするとき」という、ことであります。これは特に三十三條と表現が違つておりましけれども、避けることのできないという事由によつて臨時の必要がある場合、公共企業体の機能なり又重要性から見まして、警戒をして置かないと事故が起きたからそれということでは間に合わない、列車運轉の安全正確を期することができないという場合を予想いたしまして設けてあるわけであります。又「列車が遅延したとき」と申しますのは、これは不可抗力、或いは不可抗力でない場合もあり得るかと存じますが、列車遅延に対して應急人員を随所に準備して置くということができるように、この場合には公共のお客の利便を特に重視いたしまして、勤務外時間も働いて貰わなければならん、特に臨時の必要として規定したわけであります。
#150
○鈴木清一君 趣旨は分りました。
#151
○理事(小泉秀吉君) 次に第四章の御説明を願います。
#152
○政府委員(加賀山之雄君) 第四章は会計の規定になつております。第三十、一六條で経理原町と運賃を規定しておるわけであります。先程これもお話が出ましたように、この「事業の高能率に役立つような公共企業体の会計を規律する法律が制定施行されるまでは」、日本國有鉄道の会計及び財務に関しては、この國有鉄道事業特別会計法、財政法、会計法、國有財産法「その他從前の國有鉄道事業の会計に関し適用される法令の規定の例による。」從來通りであるということにしておるわけであります。從いまして前段にございますように、こういつた高能率に役立つような会計を規律する法律の制定施行ということが明らかにこの中で予定されておるのであります。
 それから第二項によりまして、以下にこれらの法律の適用されることから見まして、コーポレーシヨンではありますけれども、法的に見ますれば政府機関と同じような立場を取つておる、從いまして好本國有鉄道は國の行政機関とみなされる場合が多分にあるわけであります。その場合においては、「日本国有鉄道の総裁を各省各廰の長と日本國有鉄道を各省各廰とみなす。」という規定を特に附加えてあるわけであります。
 それから三十七條はその通りでございますが、三十八條におきましては予算は運輸大臣から大藏大臣に提出しなければならない。礎來は運輸大臣が責任者として大藏大臣に提出し、國会に提出されたわけでございますが、コーポレーシヨンで作成して、運輸大臣を経て大藏大臣に提出するという恰好になつておるわけでありますのでこの場合予算は、大藏大臣が必要な調整をして、閣議の決定を経なければならない。内閣は國の予算と一緒にこれを國会に提出する。ただこの四項におきまして「予算の形式内容及び添附書類については政令で」定める。「予算の作成及び提出の手続については大藏大臣が運輸大臣と協議しで定める。」、從來の形式、内容及び添附書類でなくてもいいということは、ここで規定されておるわけであります。併し手続としてこの経由をしてやることについては從來と同じである、その形式、内容、提出の手続、予算は、別に今後政令なり、大藏大臣、運輸大臣の協議によつて定めるというふうに相成つておるわけであります。
 それから三十九條は、追加予算の規定でございます。これらにつきましては第三十八條と同じ手続通りであります。
 それから第四十條はこれらの「事業年度ごとに財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、決算完結後一月以内に、運輸大臣に提出」する。それからこれは更に前項の規定によつて公告を必要とする。
 それから四十一條は決算報告でございますが、「運輸大臣を経て大藏大臣に提出」する。大藏大臣は内閣に送付する。内閣はこれを会計檢査院に送付する。
 更に第四十二條は前條第二項によりまして國の歳入歳出の決算と同じに國会に提出する。
 それから第四十三條は先ほどちよつとお話に出ておりました「損失を生じた場合においで特別の必要があると認めるときは、その損失の額を限度として交付金を交付することができる。」國有鉄道自体に不慮の損失を生じた場合においては、一般会計からの交付金を受けることができる。逆に、経営上利益金を生じた場合にはこれを予算的にどうするか、これを先ず予算で定めるわけでありますが、これ以外の利益についてはこれを政府の一般会計に納付しなければならない。
 それから第四十四條は借入金の規定でありますが、政府からは長期、一時、両方とも借入金をすることができますが、市中銀行その他民間からの借入れにつきましてはすることができないと明記してあるのでありまして、これらは今後いわゆる現金の取扱上、資金の運輸上コーポレーシヨンといたしましては不自由な点があろうかと考えておる次第であります。
 それから第四十五條は資金の貸付でございます。これは政府からの貸付ができる。
 第四十六條は長期借入金の償還計画で、あります。
 第四十七條は現金の取扱でございます。それで「法律又は政令の定めるところにより、國庫金の取扱に関する」例によるということで、從來と違つておらないのであります。つまり会計制度の変更によりまして、もう少し現金の運用が、銀行的管理と申しますか、國庫金のあの窮屈さから脱して銀行的管理ができるようにいたしたいというのが、我々の平常の念願でございますが、本法によりましては從來通りでございまして、その念願は達成されておりません。
 それから次は会計帳簿、財産処分の制限、これに後に出て参りますところの運輸大臣の監督と併せまして、重要な問題につきましては運輸大臣の認可を必要とするということにいつしておるのでありまして、営業線及びこれに準ずる重要な助産を讓渡、交換、担保に供することができない、國有鉄道自体だけでは自由にできない。
 それから次に大藏大臣の監督を規定しております。以上予算、決算並びに会計につきましては從前通り行うものであるというふうにしております。ただ予算の形式、内容及び添附書類、それから予算の編成書提出の手続等については、今後尚これを合理化する余地は残つておろうかと考えております。
#153
○高田寛君 この会計の面につきましてはもうこの法案によりますと、官職の制度そのままを使うのでありまして、公共企業体としての自主的の能率的の経営ということには非常にこれでは工合が悪い点が多々あると思うのでありますが、この三十六條を見ますと、「鉄道事業の高能率に役立つような公共企業体の会計を規律する法律が制定施行されるまでは」と書いてあるのですが、このような会計を規律する法律はできるだけ早くこれを作らなければならんと思うのですが、大抵この法律を作る場合にはどういうような構想を持つておられるか、その点をお伺いしたいと思うのでありますが、又このような法律を、その時期としていつ頃作るという政府側のお通見しがあるか、その点を最初に伺いたいと思います。
#154
○政府委員(加賀山之雄君) 第一段といたしましては、どうしても國内の各機関との協議が整わなければ実現いたしませんので、第一段としては大藏大臣その他との協議が先に立つと考えるのでありますが、その外に勿論関係方面の意向を斟酌しなければなりませんから、それらの事情を勘案いたしますと、我々といたしましては、極力早くでき得れば次の國会とも考えるのでありますけれども、諸般のそういつた関係方面との意思の合致も見なければいけませんので、今のところ明確に次には出せるということを申上げることにできないと、かように考えておるのであります。ただ目途といたしましては、できるだけ早く、でき得れば次の國会と申しましても、政局如何によりましてはいろいろ問題があろうかと思いますが、只今のところでは次の通常國会という意味で申上げておるのであります。それから内容的の構想は持つておるわけでございますが、ここで申上げることは時間の関係もあり、相当各般に亘つておりますので、でき得れば他の資料によりまして、別の機会に説明さして頂きたいと思います。
#155
○高田寛君 それから今一つお伺いしたいのは、この会計は殆んど官職のやり方をそのまま移してきておるのですが、いろいろな事情に上つて新年度に入つてを予算が成立しないというようなこともあると思いますが、そのような場合には特に便法は考えられておらないでしようか。その点一つお伺いしたいと思います。例えば國会において場も予算成立が遅れた場合には、予算成立までの期間には、原案の月割りの額の執行を認めるとか、何かそういうようなことが考えられないでしようか。
#156
○政府委員(黒金泰美君) 便宜大藏省から御説明申上げます。只今御覧になりました第三十六條にございますように、この法律に特別の規定がなければ、財政法なり或いは会計法なりの規定を、そのままの例によることになつておりますので、財政法の方に暫定予算の規定がございます。その暫定予算の規定をそのまま踏襲して行こう。かように考えておるのであります。
#157
○高田寛君 それから今一つは、こういう公共企業体でありますと、予算で一應決めましても、移り変つて行く実情に應じまして、いろいろ款項目の流用といようなことが相当必要ができて來るのじやないか。又そういうことをやらなければ、実際事業の運営がうまく行かない。こういう点も多々起つてくると思うのですが、そうすると、この法律によりましてやはり官職と同じに款項の流用は禁止する。こういう建前になつておるのですか。
#158
○政府委員(黒金泰美君) お答えいたします。先程鉄道総局長官からお答えがありましたように、又御質問にもございましたように、この法律の中に会計の規定が事業の運営につきまして、相当に改善を加える点が多いという点は、正にその通りだと存じますが、差当りまして、時間の関係その他がございまして、とにかく今非常に直さなければならん点の全体を直すには時間が足りない。こういうような関係を以ちまして、差当りは今までのままでやつて行く方が、ちよぼちよぼ直すより能率が円滑に行くのじやないかというような関係方面の意見もございまして、このような規定になつたのであります。差当りといたしましては、予算の形式につきましては、これ亦鉄道関係の方それから大藏省その他と打合せをいたしておる途中でございまして予算の様式その他につきましては、でき得る限り企業の実体に適当なるものにして参ろうというつもりでございますが、國会に予算を提出いたしまして、その御決定を願うという場合におきましては、從來通りの款項ということは、やはり款項のままで参りまして、御決定の拘束力は款項について持つという建前に、今のところできております。
#159
○高田寛君 それから第四十三條のところですが、二項に「経営上利益金を生じたときは、別に予算に定める場合を除きこれを政府の一般会計に納付しなければならない。」そうしますと、減價償却との関連はどうなつて来るのでしようか。減價償却とか、國有鉄道として借金を返す前に、利益を生じたら一般会計に全部納付してしまう、こういう建前になるわけでしようか。
#160
○政府委員(黒金泰美君) 具体的なことにつきましても、目下いろいろ打合せ中でございますが、今御指摘になりましたような減價償却は経費として見ておりますから、利益金の計算では除外されます。
#161
○理事(小泉秀吉君) ちよつと一つ、この四十四條のところに「日本國有鉄道は、市中銀行その他民間から借入金をすることができない。」とあります。これは今までの通りと承知しておりますが、民間の市中銀行を使おうというようなことが將來コーポレーシヨンで相当必要だと思いますが、それに対して大藏当局の御意見はどんなふうですか。
#162
○政府委員(黒金泰美君) 今の点につきましては、これは当初この法案の何と申しますか、立案の経過を申上げますと、市中銀行から借入ができる、その借入先に預け入れることもできるというような案もあつたのでございます。でそういたしておりますうちに、先程お答えいたします際に触れましたように、まあいろいろ現行のを変えて見るのもいいが、変えるならば根本的に大きな変革の必要があるのじやないか。これだけ変革するには、公務員法と同時にこの國会に直ぐ出すには間に合わない。間に合わなくて中途半端と申しますか、一個々の点を少しずつ変えて行くのも一つの行き方ででありましようけれども、そういうようにぼつぼつ変えて参りますことでは、却て切替えがむずかしかつたりして、能率を害するようなこともあるのじやないか。それならば差当つては現行通りにいたして、その後に十分檢討した上で本格的改正をした方がいいだろうという関係方面の意見が強いので、その結果現行通りと相成つた次第でございまして、大藏省自体といたしましては、こういうふうに現状通りですべて國庫金の扱いをしよう。資金が要ります際には、今まで通りに一般会計で以て公債を出しますなり、或いは又借入金をいたしまして、その上で政府が全部金繰りを見て行くというようなことでありまするならば、一般の國庫金と同様に日本銀行の預金にして置く、これを日本銀行だけに扱わせ、市中銀行に干與させないということが、國庫金の統一の上から見て適当である。併し今申上げますような、現状のままで行くという前提の上に立つと、そういうことが言えるのでありまして、根本的に企業の合理化なり運営の能率向上のために、いろいろに根本的な改善を加えますれば、この点もいろいろと工夫をこらして行かなければいかん、かように考えております。
#163
○理事(小泉秀吉君) 小野さん、もう御質問ありませんか。
#164
○小野哲君 ちよつと席を外しておりましたが、高田委員から金融財政の問題についての御意見が出ておつたように伺うので、重複することは避けたいと思うのでありますが、大藏当局の御意見によりますと、この法律案の建前から申して、大体において、例えば資金の調達等においても國家資金に依存をする、或いは國有鉄道の業務にかかる現金の取扱いについても、大体國庫金扱いの例によつて現状通りやつて行こうということにお考えのように拜承したのでありますけれども、少なくとも日本國有鉄道の企業体の性格から見ましても、亦経済企業としての内容から考えましても、金融財政の面で、相当從來の構想とは変つた考え方で行かなければならないのではないかと、私はかように思うのです。そのためには、この第三十六條によつて新らしい会計法規が制定されることになりますので、この会計法規の内容ということが非常に大きな影響がありますので、この点につきましては、この公共企業体の会計を規律する法律が特に鉄道事業の自主性なり高能率に役立つものでなければならない。そういう内容を持つたものであることを、私共は非常に期待をいたしますので、この法律案を制定する場合におきましては、その方針なり或いはこれに織込まるべき内容については、單に当該関係官廳のみの手によつてこれが立案に当るということではなくして、財政金融面において相当の知識なり経驗のある人たちが集りまして、公共企業体である國有鉄道の会計にふさわしいようなもの直して行かなければならんということが考えられますので、そういうふうな点につきまして、要望をいたして置きたいと思うのでありますが、今回のこの法律案を審議する場合においても、このままではどうも我々としては納得がいたしかねる。從つて最小限度金融財政の方面におきましての新らしい一つの考え方を加味して、これが公共企業体の中の経済的な性質に即應するように、一つの行き方をやはり織込んで置くことが必要ではないか、こんなふうに私考えておるのであります。
 そういう意味で、それを大藏当局並びに運輸当局におかれて、十分にこの線に沿うた御研究と又準備をして頂くことが必要であろうと思いますが、現状のこのままで行くんだという考え方は、一つこの際お変えを願わなければいけないのじやないかこういうふうに私は思うのです。そういう意味合いにおきまして、最小限度の点をこの法律案の中にやはり現わして行くという方向に、私としては、本委員会においても御審議を煩わしたい、かように考えております。これらの点につきまして、或いは重複しておれば、後刻又速記録を拜見いたしますが、大藏省の御当局の御見解を承れますれば、大変結構だと思います。
#165
○政府委員(黒金泰美君) この点につきましてお答え申上げます。七月でございましだか、パブリツク・コーポレーシヨンの問題が起りまして以來、実は私共の省内にも專賣問題がございまして、いろいろと研究をいたしました。それでお仰せの通りに、この機会に職員の問題のみならず、企業の合理化ということを図つて参りたい、その上におきまして、経理の原則なり或いは会計の実情につきまして、多々改善の必要が考えられますので、いろいろと審議会その他もございまとたが、そういう各方面の御意向を承りながら、そのために運営の合理化を図りますような会計制度に変えて参りたいということで、いろいろ研究をして参つたのでございます。ただそれをいたしますには、相当に廣帆に亘りますし、それから同時に現在やつております官廳の会計、予算制度というものと相当違つた恰好になつて参るというような場合も考えられますので、このためには相当に時間をかけて十分に檢討しなければならないということで、事実はこの立案に着手いたしますときにはいろいろな案がございまして、いろいろな段階でこの改善、改良を考えておつたのでございますが、この法案が今回の臨時國会にどうしても提出しなければならないという急な羽目に陥りまして、その結論によつて会計経理の点につきまして、十分な改善と申しますか、新らしい構想を規定することができずに、ここに提出しておるような次第であります。從いまして、第三十六條の経理原則にはつきり書いてございますように、できます限り早い機会に、能率のよい経営に適当なような会計経理の原則に関しましての法律を、早く各方面の御意見を承りまして立案いたしまして、提出の上御審議を仰ぎたい、かように考えておる次第であります。尚、ちよつと速記を止めて頂きます。
#166
○理事(小泉秀吉君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#167
○理事(小泉秀吉君) 速記をやつて下さい。
#168
○小野哲君 只今政府委員からの御説明で、その経過等につきましては十分了解できる点が多いと思うのですが、問題は三十六條の公共企業体の会計を規律する法律の問題に結局はなつて來るのじやないか、それ以外に我々としてこの際最小限度の問題を取上げたいという希望は捨てておりませんが、特に鉄道事業の会計、公共企業体の一環ではありますけれども、鉄道事業の会計については、專賣公社とはおのずから性質の異なつた点があることはこれは御承知の通かであります。從つてこの公共事業の会計を規律する法律を作案する場合におきましては、この点を十分に政府としても念慮に置かれて立案されることが必要であろうと思います。それについては先程の質問の際に触れて置きましたが、これを政府側だけで審議をするというのではなくして、金融財政等に堪能な学識経驗者を以てでき上つているところの委員会のようなものをお作りになつて、十分に妥当な案をお作りになるということが望ましいと思うのでありますが、そういうふうな点について、政府はどういうふうなお考えを持つておらるるか、これを伺つておきたいと思います。
#169
○理事(小泉秀吉君) 大藏省の御意見を伺うのですか。
#170
○小野哲君 政府の御意見ですが、御協議の上で承つても結構ですし、今までの間の御研究の途上で大体そういうようなこともお考えになつておられたのか、將來はそういうことならばやつて見ようという意図があるのか。
#171
○政府委員(加賀山之雄君) 政府といたしましては、会計制度に関しまして底、特に從前から鉄道会議の専門委員会を持つておりましたのですが、國鉄審議会ができまして以來は、特に國鉄審議会の専門委員会として会計制度に関する檢討を從來も続けておりますし、又尚続いて続けているという状態でございまして、おのずから今までにこうあるべきだというようにいたしているものもございます。尚又檢討しているものもあるわけでありまして、その腹案につきましては、機会を見てその答申案なりを御参考に供したいと考えます。
#172
○小野哲君 今政府委員から、國鉄審議会等においても御研究になつているというふうな御答弁がありましたので、これも一つの方法ではないかと思いまするし、特にこの公共企業体の会計に関してこれは相当重大な案件でありますので、或いは改めて何らかの形式の大藏、運輸両当局が中心となられた委員会をお作りになるということも一つのお考え方じやなかろうか、いずれにいたしましても、私の希望するところは、廣く財政金融の有識者の知識を攝取されまして、この新法律案の立案に進まれることがよいのではないか、こういう考えを持つておりますので、さような委員会をお作りになるような場合におきましては、その考え方を採入れられることがよいのではないか、從つて國有鉄道審議会のみが必ずしも私共の望むところではないので、もう少し廣い意味のものが作られることが望ましいというふうな意見を持つておりますので、これは私の希望意見として申上げて置きたいと思うのです。
#173
○政府委員(加賀山之雄君) 御指摘の点、誠に有難いと存ずるのでありますが、現在の國有鉄道審議会は、実は各方面の知識経驗を持つた委員にお願いしておりますので、その中には勿論大藏省関係の財務、会計の専門家も入つて頂いておるという現状であります。尚その上に本問題は重要な問題でありますので、必要があれば当然大藏、運輸両省の調査研究するような事務当局の組織を持つことも考えられると思うのでありますが、これはまあそういう組織を作る作らんに拘らず、事務的には十分連絡折衝が遂げ得られるというように考えておる次第であります。
#174
○高田寛君 第五章の方の監督の問題ですが、五十二條に「日本國有鉄道は、運輸大臣が監督する。」と、こう極く簡單に規定してありまするが、先程からのいろいろ質疑によつて、大体監理委員会というもうも監理委員は名誉職である、そうしてこの國有鉄道の事業に専念する立場ではないようなことも明らかになつて來たのですが、そうすると、一方監理委員会というものが余り細かく仕事について突き廻すというようなことはないのでしようが、逆に又一方監督官廰である運輸省の方で、この公共企業体の方についていろいろ細かく突き廻すようなことがないかという点が懸念されるのであります。折角公共企業体になつて、会計方面は先程からの御説明によつて、今直ぐにこれを変えることはできないが、極く近い將來において自主的に経営し得るような会計法規も作ろうということが示されたのでありますが、一面監督方面につきましては、これは別に規定でどうするということでなしに、ただ監督する人の方針として、相当細かく突き廻すか、又はごく大綱だけ監督して置くかということが、これはもうほんの手心なんでありますが、折角公共企業体ができます以上に、できるだけこの法律によつて許される限りにおいて自主的に経営がやれなければ、能率も上らないというような意味からいたしまして、監督官廳である運輸省の監督というものも決して些細な細かい点まで突き廻すようなことにならないようにということを私は強く希望するものでありますが、その辺の点については政府当局としてどんなお考えを持つておられるか、一應伺つて置きたいと思います。
#175
○理事(小泉秀吉君) 一應お諮りいたしますが、まだ第五章に入つておりませんから、第五章の説明を……。
#176
○高田寛君 第五章も説明があつたのです、続いて……。
#177
○理事(小泉秀吉君) まだしておりませんです。ちよつと説明を伺いましよう。
#178
○政府委員(加賀山之雄君) それでは時間の関係もございますので、五章、六章、七章、一括して申上げたいと存じます。五章は監督の規定でございますが、今高田委員が言われました点は、我々も全く同様に考えておるのでございまして、折角この方向を得たものでありますが故に、会計、財政上の問題は後に讓るといたしましても、経営自体に対しましては、できるだけこの監理委員会並びに総裁以下の手腕を自由に揮わせるということが必要ではなかろうかと考えるのでありまして、そのために五十三條におきまして、大臣の認可、許可を受けなければならぬということを五十三條と、前の章の四十九條、それから大藏大臣の監督といつたふうに、非常に大きなことに限定いたしておるという次第であります。それから第五十四條に、いわゆる公益のために、監督上の命令並びに報告を規定しておるということでございまして、今高田委員が言われましたことは、全面的に我々といたしましても同様に考えておることを申上げたいと存じます。
 第六章は、罰則でございます。
 第七章は、雑則として恩給、共済組合その他を規定しております。六十三條として、これにここに脱落しておりましたのを訂正をいたしておるわけでありまして、これは多分御修正になつて頂いていると思つております。この恩給につきましては、現在の職員について急に恩給、退職資金或いは年金の関係を生ずるということは非常に混乱をいたしますので、先程の考え方と一貫して、職員についてもこの恩給は二十四年の三月三十日までに職員であるものについては、同じに現在の恩給法を準用する。このコーポレーションの設立後職員となるものはみずから別な関係ということに規定してあるわけであります。ただ共済組合その他につきましては、今後において入つて來る者も職員としては全く同一の取扱いをするということに規定しておるわけであります。第六十三條では道路運送法、電氣事業法、土地收用法その他の法令もやはり日本國有鉄道総裁を主務大臣とみなすというふうにこの経過を規定しておるわけであります。
 以上極く簡單でございますが……。
#179
○理事(小泉秀吉君) 高田さん、今の御説明で異議ありませんか。
#180
○高田寛君 結構です。
#181
○理事(小泉秀吉君) ちよつとお伺いします。この五十二條の今の御説明で「運輸大臣が監督する」ということで、その次に監督事項として五十三條がありますが、五十二條の運輸大臣の監督するという事項は、即ち五十三條だけこれに限定されるのだ、というふうに了解していいわけなんですか、そうじやないのですか。
#182
○政府委員(加賀山之雄君) 五十二條では総括的に言つておるわけでございます。從つて國有鉄道全般に関しては運輸大臣が監督の責任を持つておるということでございますが、特に五十三條に掲げた事項については、主務大臣としての認可、許可を受けなければならんということになるわけであります。從つて今御心配になつておることは、運用上それらの細かいことについての事柄につきましては、將來のいわゆる運輸省の機構とも関連を持つわけでございますけれども、趣旨といたしましては、総括的な監督権の所在は運輸大臣でございますので、言えば言えないことはないということに相成ろうかと考えますが、コーポレーションといたしましては、この限定された事項以外については運輸大臣の許可、認可を受ける必要はないということになつておりますので、結果的に見て、私が先程申上げたようなことに相成ろうかと存ずるのであります。
#183
○内村清次君 ちよつとお尋ねいたしますが、第四十九條と第五十三條、これは運輸大臣の許可、認可権及びその譲渡権ですね、これに対しての國会との関連性はもう一つもないわけですか。ただ運輸大臣が即ち主官者としてその権利も監督も持つておるし、それから讓渡その他の財産交換、担保あたりも結局運輸大臣がつまり権限を持つておるということになり、國会という関係は一つもないことになるのですか。
#184
○政府委員(加賀山之雄君) 本法におきましては、法律で以てこのことを規定しておらないわけでありまして、國会の審議を経ないでもできるという建前になつております。
#185
○理事(小泉秀吉君) 他に御質問ありませんか。
#186
○内村清次君 もう大体これで質疑を打切りましてはどうですか。この程度で……。
#187
○小野哲君 今内村委員からの御発言がありましたが、一應逐條に伴う質疑はこの程度にして置いて、一つ本委員会として今までの審議の結果どういうふうな点をどうすればよいかというふうなことについて御懇談を願えれば結構だと思います。尚又専門員におかれていろいろ資料も整えておられるように思いますので、説明を承わることも望ましいことと思います。お取計いを願います。
#188
○理事(小泉秀吉君) 委員会としてやりますか、懇談会にしますか。
#189
○小野哲君 一應懇談会にして頂いていいんじやないかと思います。
#190
○理事(小泉秀吉君) そうしますと、委員会は閉じてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#191
○理事(小泉秀吉君) それでは本日の委員会はこれを以て終了いたします。
   午後五時十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           小泉 秀吉君
           小野  哲君
           丹羽 五郎君
   委員
           内村 清次君
           大隅 憲二君
          橋本萬右衞門君
           入交 太藏君
          前之園喜一郎君
           飯田精太郎君
           高田  寛君
           結城 安次君
           鈴木 清一君
  國務大臣
   運 輸 大 臣 小澤佐重喜君
  政府委員
   大藏事務官
   (主計局法規課
   長)      黒金 泰美君
   運輸政務次官  加藤常太郎君
   運輸事務官
   (官房長)   芥川  治君
   運輸事務官
   (大臣官房文書
   課長)     荒木茂久二君
   運輸事務官
   (鉄道総局長
   官)      加賀山之雄君
   運輸事務官
   (鉄道総局総務
   局総務課長)  中村  豊君
   運輸事務官
   (鉄道総局職員
   局長)     牛島 辰彌君
   運輸事務官
   (海運総局長
   官)      秋山  龍君
   運輸事務官
   (海運総局総務
   課長)     壺井 玄剛君
ソース: 国立国会図書館
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