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1948/11/27 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 海外同胞引揚に関する特別委員会 第5号
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1948/11/27 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 海外同胞引揚に関する特別委員会 第5号

#1
第003回国会 海外同胞引揚に関する特別委員会 第5号
昭和二十三年十一月二十七日(土曜日)
    午前十一時二十一分開議
 出席委員
   委員長 河野 金昇君
   理事 若松 虎雄君 理事 川合 彰武君
   理事 庄司 彦男君 理事 喜多楢治郎君
   理事 平工 喜市君
      菊池 義郎君    中嶋 勝一君
      武藤 嘉一君    森  直次君
      重井 鹿治君    田中 稔男君
      成田 知巳君    和田 敏明君
      坂口 主税君    最上 英子君
      川橋豊治郎君    高倉 定助君
 出席政府委員
        大藏事務官   愛知 揆一君
 委員外の出席者
        厚生事務官   太宰 博邦君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 帰還者に対する復興金融金庫特別融資に関する
 件
 最近の引揚船及び上陸地における傷害事件に関
 する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○河野委員長 ただいまから委員会を開きます。
 銀行局長と援護廳総務課長さんがおいでになつております。この間から銀行局長さんの出席を求めておりましたが、求めた人が今日は関係方面に行つておりますから、その方の質問は保留しておきますが、今日日程の二番目に上つている帰還者に対する復金特別融資の件その他に関しまして、銀行局長さんに何かお尋ねの点がございましたら……。
#3
○若松委員 引揚者の更生上最も困つておるのは、例の資金の問題であります。これはもう関係者には周知の事実でありますし、くどくどしく申し上げる必要もないのでありますが、先般本会議におきましても引揚者に対する融資の問題で質問をされた議員があつたのに、厚生大臣から從來の七千円を一万円ないし一万五千円程度に引上げて融資の範囲を拡大するというような意味で目下交渉中というようなお話を承つたのでありますから、この際局に当つておられる銀行局長から、その可能性またはその後の経緯等を詳細お話願えればけつこうだと思います。
#4
○愛知政府委員 ただいまの御質問の問題は、実は厚生省と大藏省でと申しましても、主としては主計局の関係でございますので、あるいは私はごく最近の状況をつまびらかにしておらぬかもしれないと思うのでありますが、先般本会議で厚生大臣から御答弁のあつたような線に沿つて、事務当局においても熱心に折衝に当つておることと存ずるわけでございます。なおお尋ねの点から離れますが、この際その他の金融関係につきまして、御説明いたしたいと思います。その第一の問題は、引揚者に対する復金のいわゆる特別融資の問題でございます。この問題につきましては、実は本年度の第一・四半期におきまして、復金の行います中小金融のわくの中から約一億円をさきまして、特に引揚者の便宜をはかりますために、融資の申入れの手続、その他を簡素にすること、それから本來ならば復金の中小金融としては、少しいかがかと思われる点がありましても、融通をきかして審査をするというような趣旨で、いわゆる特別融資をやつておるわけでございます。この方式は第二・四半期においても踏襲いたしまして、第二・四半期では一億五千万円という計画にいたしまして、全部その資金を予定通りに融資をするようなかつこうでございます。ところがこのやり方につきましては、当初來実は関係方面との折衝については、いろいろの顧慮もございましたので、その了解を得ていないのでございます。しかるところ第二・四半期の中途におきましてこの問題が取上げられまして、現在のところではこの方式を続行するということが、困難というよりは、ほとんど不可能の状態に立ち至りまして、事務当局としては、ほとんどもはや手の施すすべがないという程度に行つております。のみならず、場合によりますれば、從來やりましたこの事態についても相当問題になる可能性すらあるような状況でございまして、ここ二月ほど、私どもといたしましては全力をあげて打開に努めたのでありますけれども、完全な破局状態に立ち至りまして、現在のところは政治的に大きく手を打つていただくよりほかにはないというような状況に立ち至つておりますことは、まことに遺憾千万に存じているわけでございます。この問題につきましては参議院の在外同胞引揚対策委員会でも前々から非常に熱心に当局が御鞭韃をいただいておるのでありますが、その他の事情は今申しましたような状況でございますので、何とも私どもとして手の施しようがない状況になつていることを率直に御報告いたす次第でございます。
 なおこういう状況でございますけれども、私どもといたしましては、復金も中小金融の普通の融資はやつておりますことでもあり、また先般も調べたのでございますが、その復金の中小金融の対象になつておりますものの相当部分は、やはり引揚者を中心にした團体会社等に対する貸付が相当の割合を占めているようなわけでありますが、なお今後におきましても、他の中小金融と特別に差別待遇をして扱うというようなかつこうにならざる限りは、普通融資の面におきましても、できるだけの便宜をはかりたいというふうに考えておるわけであります。
 それから今後の問題でございますが、今後の問題としては、実は政府の提案として國民金融公庫法案というものを用意いたしておるわけであります。まだ当第三國会に提出できるかどうかということにつきましては、おそらく間に合うまいと思いますが、次の通常國会にはぜひとも御審議を願いたいと思つております。その國民金融公庫のねらいの中には、引揚者を相当重視しておるのでございますが、同時に一般の生活困窮者の福利を増進するということを表面の看板にもちろんいたしておりますけれども、その一環としては実質的には引揚者が相当ここでは救済の対象になるのではなかろうかと考えております。この國民金融公庫は全額政府の出資で、完全な政府機関ということにいたすつもりでおるわけでございます。そうしてその融資の対象といたしましては一般の困窮せる大衆ということに限定いたしまして、特にその中で今申しましたように引揚者に対する資金の融通ということに重点を置いて運営をいたして参りたいというふうに考えておるわけでございます。一應の考え方といたしましては、借受人の資格は引揚者、戰災者、一般生活困窮者ということにいたしまして、貸付の限度は、現在復金の特別融資でやつておりますように一世帶というふうに限れば、五万円とか十万円とかいうような單位になりましようけれども、連帶貸付その他の方法を活用することによつて一軒当りの金額もある程度考える。それから貸付金の返済方法等も年賦とか半年賦とかいうことにいたそうと思います。それから利率等についても、できるだけ安い利率にいたしたい。担保も確実な保証人を付するということによつて、必ずしも物的担保を要求しないというようなことを考えてみたらばどうかと思つておるのであります。またこの公庫の運営にあたりましては、運営のために特別の審議会をつくりまして、その審議会の中に民間から選出される委員の中には引揚者代表をぜひ加えたいというような構想を持つておるわけであります。もとより今申しましたように、この法案はこの國会にはまだ出ておりませんので、これが実際に今計画しておるように法案ができ御審議をいただいた上で発足いたしますのには、どうしてもまだ相当の日数を要するわけでありますので、私どもといたしましては先ほど申しました復金の特別融資を、できるならば少くともこの第三・四半期だけ継続いたしたいと考えておりますけれども、さつき申しましたように、ここでむり押しをいたしますと、從來のものまで批判の対象になりますので、行き詰つて非常に困つておるわけでございます。
 なおもう一つ申し添えて置きまするが、第二・四半期は先ほど申し上げましたように一應一億五千万円ということで計画いたしたのでありますが、その後申入れの状況を見ますと約三千万円近く申込みが予定を超過いたしております。ことに九州方面において非常に申込みが殺到しておりますので、この分だけは私ども事務当局の責任において計画をある程度超過するものにも申込みを受け付けるということにいたしまして、第三・四半期が全然だめになるような見通しでありますので、せめてこのくらいだけでもと思いまして、事務当局としての責任裁量の範囲におきまして、それだけのことをいたしたような状況でございます。從いまして第二・四半期の分として、結果においては約一億八千万円の金がこれによつて出る。それから第一・四半期の実績として一億一千七百万円ほど出ております。さらに昨年の第四・四半期におきまして、そのほかに実績として一億五百万円ほど出ております。それだけが現在特別のはからいで出た金の総計になるわけであります。
#5
○若松委員 ただいまの復金からの融資は、やはり中小工業関係という意味で出したのでありますか。
#6
○愛知政府委員 さようでございます。それで問題になりませんように、実際は特別の融資でございますけれども、形式的には他の一般の中小企業者と特別な待遇を與えたものでないという建前をとつておりますので、形式上は復金からの中小金融の一つであるというふうな体制をとつております。ただしかしながら申入れの方法、それから貸出しのやり方は全然別の取扱いをしておりますので、その点が非常に問題になつているわけでございます。
#7
○河野委員長 ほかに銀行局長に対する御質問はございませんか。
    ―――――――――――――
#8
○河野委員長 先般來シベリアから引揚げて來た方々が二回ほど國会をたずねられていろいろなことが問題にされましたが、その中で船の中におけるテロ行為、あるいは上陸地の舞鶴においてもそういうことがあつたかのごとき発言がありましたけれども、われわれは不幸にして今までそういう事実を聞いておりません。この際おさしつかえがなければ、関係方面からそういう事実があつたかどうか。あつたとすれば、どういう状況であり、またどういう御処置をおとりになつたかというようなことを承りたいと思います。
#9
○太宰説明員 この機会に先般舞鶴の引揚援護局におきまして、引揚者同士の間に発生いたしました不祥事件につきまして、委員会に御報告申し上げたいと思います。
 御承知の通り今年のシベリア地区からの引揚げにつきまして、從來と特にかわりました点は、思想的に対立いたしました引揚者の人々が同じ船で帰つて來るという関係から、船の中で、あるいは上陸いたしました引揚援護局の中でトラブルが間々発生いたしております。私どもその点から復員船内における復員指導官あるいは船長を通じまして、また上陸せられたあとにおきましては援護局の係官を通じまして、かような紛爭の発生いたしませんように注意もいたし、努力いたして参つたのでありますが、たまたま去る十一月一日及び二日に入港いたしました船に乘つておりました引揚者の間に、さような紛爭が生じましたことは、まことに遺憾に存じておる次第であります。事件の内容は去る十一月一日に入港いたしました英彦丸、これには引揚者が三千名ほど乘船しておりました。続いて十一月二日に入港いたしました惠山丸には引揚者が二千八百三十人ほど乘つておりました。同じく二日に高砂丸が入港いたしましたが、それには約二千九百人ほど乘つておりました。この三船の引揚者相互間に発生したのでございます。一番最初に入りました英彦丸につきましては、すでにナホトカを出発いたしました直後に、復員指導官から復員業務の内容を説明いたします際に、かかる暴力行為を一切やらないようにということを戒告してあつたのでありますが、それにもかかわらず、三十日に数名の者が船内で毆打せられたという事件が起きました。さつそくこれを発見制止いたしましたので、まあ大したことなく納まつたのでありますが、さようなことがありましたので、上陸後には注意をいたしておりましたところ、十一月一日の夜九時ないし十時ごろに二回にわたりまして、援護局の寮の戸外で、山本、下中、重光という三名の方が、在ソ中自分の意見に反対する者を反動者として帰還を遅らせたというようなことが原因のようでありますが、数名の者によりまして毆打せられたということが発生いたしました。さつそく巡回中の主任がそれを発見いたしまして、これを警察に連絡、制止するとともに、被害者は別室に保護收容し、加害者は警官室に連行して引渡したという事件が起つたのであります。続いて十一月二日に惠山丸及び高砂丸が入港いたしまして、午後七時ごろから八時までの間に、英彦丸に乘つておりました下中ほか七名、それから高砂丸に乘つておりました十一名の人々が、やはり同じような理由によつて、これは相当多数の人々が参加しておるようでありますが、波状的に暴行を受けたという事件が発生いたしました。続いて十一月三日には午後六時三十分ごろに一名渡辺という方が、これは加害者がわかりませんが、やはりやみ討ち的に毆打を受けたという事件が発生いたしました。十一月四日にも、午後九時三十分ごろ、これは元藥剤將校の人でありますが、廣瀬外四名の方が、それぞれソ連におりました当時に不当に労働を強要したというようなことが原因となつて恨みを買いまして、やはり顏面に打撲傷を負つたという事件が発生いたしました。それからさらに十一月五日にはやはり午後七時二十分ごろ淺利、淺野という二名の引揚者の方が、加害者数十名から毆打を受けた。これは幸いに負傷はなかつたということであります。
 かような事件が次々と発生いたしたのであります。結局被害者は、報告によりますと五十三名ほどになります。そのうち舞鶴の國立病院に入院させて治療いたしました方が九名でありますが、この方々は十一月九日に退院しております。それから援護局内の医療課の病院に入院させて治療したごく軽い方々が十一名、そのほかちよつとしたかすり傷程度で別室に保護收容せられた人々が三十名、なおこの際に本人の申出、あるいはそちらからの臨機の措置によつて別寮に早く隔離したために難を免れた方が三十名ほどおる模様でありますが、加害者の方は現在までわかつております者が大体十名でありました。そのうち六名の人は警察において取調べの上送廳させております。
 かような事態が発生したのでありますが、これにつきまして当局といたしましては、すでに英彦丸が入港したときから、かような不祥事件が起る氣配があり、続いて惠山丸、高砂丸相次いで入りますや、ますますその紛爭の起る氣配が濃厚になつて参りましたので、あらかじめ所轄の舞鶴警察署に連絡をとりまして、平素は六名ほどの警乘官が警戒に参つておるのでありまするが、それをできるだけ増員してもらいまして、約四、五十名の警察官が巡回警戒に当り、さらに現地の進駐軍に連絡をいたしまして、進駐軍も特別に出勤してこの警戒に当るというような措置をとりますとか、援護局の次長以下幹部総出になりまして、宿直員も出動してかかる事件の発生防止に努めた。また船内においてはすでに復員指導官が揚陸後は暴行その他のことをしないようにということは話してあるのでありますが、揚陸後さらに援護局次長が特に会員に、この援護局におる間はすべてみんな大らかな氣持で、過去における恨みというようなものを忘れて、引揚げ手続が円満に終了し、そして家族の待つている故郷に無事に立たれるようにということを懇切に注意して、事件の発生防止に努めるという措置もとりました。さらにまた先ほど申しましたように、どうも自分は危害を加えられるおそれがあるという方は、本人の申出を促しまして、そして別室に收容して身体の安全をはかつた。さらに進駐軍の隊長と、いかにすればこの殺氣立つた人々の氣持をなだめることができるかということにつきまして相談いたしました結果、進駐軍の了解のもとに思想討論会を開催せしめて、うつぷんのある者はそのうつぷんを吐かせる。そしてあとさらりとさせるというようなこともいたしました。また極力各室においてしろうと演藝会を開催をして、ここには職員も飛入り出演させるというようなことをもつてなごやかな雰囲氣を少しでもそこにつくるということに努力いたしました。この両方のものは、それぞれ若干の効果を收めたように報告は來ております。また平素は帰還のお祝いとして若干でありますが、酒を出しているのでありますけれども、これも事故発生誘発防止の立場から酒の供與を中止いたしまして、かわりに甘味品を支給した。かように援護局としてはいろいろの措置をとり、また進駐軍以下警察総動員となりまして、これが防止に努めておつたのでありますが、遺憾ながら力が及びませんで、かようなまれに見る不祥事件が発生いたした次第であります。
 その後の報告を聞いておりますと、これが思想的に対立がありまして、その思想の基く紛爭と申しますよりは、むしろシベリヤ抑留中に自分たちが同じ境遇にありながらいばつて権力を振りまわした、あるいは非人道的な仕事を課したというような、むしろ感情的な対立が原因であつたように思われるのであります。幸いにいたしまして負傷せられた方々もそう大したことなく、入院いたしました者は全部退院されて、それぞれ郷里に帰られたわけであります。この紛爭による死亡者は、もちろんございません。また一部に流布されておりますように引揚げ船上において十数名の人が海に投ぜられたというようなことも、まつたく事実無根でありますので、まずまずさような死亡者を出さずに済んだことにつきまして、ほつとしているようなわけであります。
 非常に雜然となりましたが、先般発生しました舞鶴の不祥事件につきまして一應御報告を申し上げておきます。
#10
○若松委員 ただいま不祥事件と申しますか船中で不祥事が起つたことは、まことに遺憾に存じますが、現在ではいろいろ引揚げを促進することに対して、何か日本側の方で手落ちでもあると、それが口実におつて遅らすことを理由づける機会が多いのであります。今度の事件はたとえ数船の間の引揚げのときに起つたことではありますが、こういうことがありますと、向うの方ではまたいろいろ口実をつけて非常にまずい放送をされて、恐ろしいときには帰られないというようなことにでもなりますと、私どもまことに遺憾に存じます。ただいまの報告は到着後の話でありまして、引揚援護局の方では十分な手当がありましようけれども、船中での不祥事件を未然に防ぐような方法をお考えになつておりますか、その辺の事情をお知らせ願いたい。
#11
○太宰説明員 船内には船長のほかに特に復員指導のために復員指導官を乘せてございます。これがいつも不祥事件が発生しないようにあらかじめみんなに戒告勧告をするという措置を、あらゆる場合にとつておるのでございます。また本人の方から、どうも自分はあぶないから別室に入れてくれというような申出があれば、それぞれ別室に收容するというような措置もできると思います。ただはたしてそういう事態が発生するかどうかについては、なかなかわかりません。今までの例によると、毆打事件が起きたというのでさつそく飛んで行つてみて、それで初めてわかる。わかればさつそくその被害を受けたような方々並びにそれによつて自分に危害が加えられる危險を予想しておられるような方々は別な所に隔離する。現在のところではそういう人を早く見つけ出して別な室にでも隔離して保護するという以上には、ないかと存じます。それ以上については十分研究いたしたいと思います。
#12
○若松委員 警察官は乘船を許されているわけですね。
#13
○太宰説明員 許されておりません。
#14
○若松委員 向うにお願いしたら一、二名の警官をつけることができますか。
#15
○太宰説明員 船の中の警察権は、御承知の通り船長が持つておるわけでございますので、特にこちらから警察官を乘船さしてくれということは、ちよつと言いかねるのではないかと思います。
#16
○和田委員 あなたの今の報告をずつと聞いておると、初めの方は思想的の対立があるからトラブルが起るのではないかということが前提でありましたが、結論においては抑留中の原因らしいということですが、共産党の連中でも袋たたきにでもあつたというような実情になつているのですか。
#17
○太宰説明員 共産党の党員であるかどうかははつきりいたしません。ただ被害を受けた方々は、加害者の言い分などを聞いてみますと、抑留中に主として例の民主主義同盟とかいう方面の役員をしておつたという方が多かつたのでありまして、その人々が非常に権力を振つて、反動分子であるという理由でもつて帰還を遅らしたとか、あるいは食糧事情が惡くて非常に疲れているにもかかわらず、必要以上の労働を課したというようなことに基く私怨が多いように思います。從いまして、特にあれは親ソ的であるからけしからぬといつてなぐつたというよりも、非常に無慈悲な扱いをしたということに、原因を発しておるように思います。
#18
○和田委員 これはよほど調べてみないとわからぬことであるが、第二には、六、七十人の紛爭らしい。そういつたことにまで一ぺん一ぺん現地の進駐軍の力を借りなければ抑圧できなかつたほど、現地の状況は惡かつたのですか。今の報告を聞いてみて、進駐軍に報告するのはいいが、必ずしもその助力を得なくては解決できない問題ではないと思います。そういう点はやはり警察権行使の基本的な問題にもなると思うが、援護院としてどういうふうに考えておられますか。
#19
○太宰説明員 この進駐軍の援助を受けたとおとりになつていただくと、ちよつとおかしく思われますが、御承知の通り引揚援護事務は進駐軍の管理下にありまして、地方の引揚援護局には、進駐軍がその中に一緒に勤務しておるのでございます。そうしてその引揚事務が円滑に行くか行かないかは、最後は進駐軍の隊長の責任のもとにあるわけです。進駐軍の方といたしましても、かような事件が少しも起らずにスムースに行くことが自分たちの職責でもあるというような関係から、多少そういう氣配でもありますれば、こちら側と協力して事故発生防止に努めてくれる、事件が発生して、あわてて進駐軍に何とかこちらの警備が足りないからやつてくれと申し込んで行くというよりも、やはり向うの立場からも一役買つて事故発生防止に努める、こういうような状況になつておるのであります。
#20
○若松委員長代理 もう質問はございませんか。――それではしばらく休憩いたします。
    午後零時七分休憩
ソース: 国立国会図書館
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