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1948/11/18 第3回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第003回国会 農林委員会 第6号
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1948/11/18 第3回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第003回国会 農林委員会 第6号

#1
第003回国会 農林委員会 第6号
昭和二十三年十一月十八日(木曜日)
    午前十一時四十分開議
 出席委員
   委員長 坂本  實君
   理事 田口助太郎君    井上 良次君
      圖司 安正君    寺本  齋君
      佐々木秀世君    重富  卓君
      中嶋 勝一君    野原 正勝君
      八木 一郎君    清澤 俊英君
      金野 定吉君    永井勝次郎君
      成瀬喜五郎君    小林 運美君
      鈴木 強平君    寺島隆太郎君
      飯田 義茂君    松澤  一君
      山口 武秀君    加藤吉太夫君
 出席政府委員
        大藏政務次官  塚田十一郎君
 委員外の出席者
        総理廰事務官  酒折 武弘君
        総理廰技官   平尾 勝彦君
        大藏事務官   忠  佐市君
        農林事務官   山添 利作君
        農林事務官   最上 章吉君
        商工事務官   小平 光雄君
        商 工 技 官 倉八  正君
        專  門  員 片山 徳次君
        專  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
十一月十八日
 加藤吉太夫君が委員長の指名で食糧対策小委員
 に追加選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員の追加選任
 委員派遣承認申請に関する件
 農業課税に関する件
 農業協同組合に関する件
 蚕糸に関する件
#2
○井上委員長代理 これより会議を開きます。ただいままで懇談の形式で八木委員と蚕糸局長の間に蚕糸に関する質疑應答がありました。
 議題に入ります前にお諮りいたします。委員加藤吉太夫君より、食糧対策小委員に追加してもらいたいという申出がありましたので、追加選任いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○井上委員長代理 異議なきものと認めましてさよう決定いたします。
 なお食糧対策小委員会から、食糧公團の配給状況その他を視察するために、委員を派遣したいとの申出がありますので、一應お諮りをいたしておきます。大体内容は十一月二十一日から五日間、名古屋、京都、大阪、神戸、これらの各都市に海運をすることにいたしたいと思います。
 それでは議題に入ります。蚕糸に関する件について質疑を継続いたします。
#4
○小林委員 私は農林大臣の出席を求めまして、蚕糸業の根本方策につきまして十分御質問を申し上げようと思つておりましたが、農林大臣が都合で見えませんので、諸般の問題につきまして二、三御質問申し上げたいと思います。
 第一に農林省蚕糸局長にお尋ね申し上げます。御存じのように、終戰後蚕糸業がどんどん重要視されまして、生糸の輸出並びに絹織物の輸出等は、貿易の主要な部門を占めておることは御承知の通りであります。
    〔井上委員長代理退席、委員長着席〕
 本年すなわち四八年度の輸出実績を見ましても、全輸出額百十三億に対しまして、そのうちの二八%が生糸並びに絹織物の輸出でございます。かような金額から見まして、蚕糸業がいかに重要な産業であるかということはたれもわかることでありますが、この蚕糸業を振興するためには、どうしても繭の値段あるいは生糸の値段、そういうものが一番根幹になつて來るのではないかと思うのであります。先ほど懇談会で八木委員からのお尋ねもありましたが、特に農林省は物價廰大藏省その他と、昭和二十四年度繭につきまして、また今後の生糸の價格につきまして十分な御連絡をもちまして、すでに養蚕の準備がどんどん進んでおります。昭和二十四年度産の繭につきましての、大体政府の腹構えができておるんぢやないかと私は考えますが、さような連絡はすでにしておりますかどうか、一應伺いたい。
#5
○最上説明員 ただいま小林委員からの御質問に対してお答えいたします。生糸がわが國の輸出貿易上に占める重要な、地位につきましては、いろいろお話がありました通りでございますが、政府といたしましても、貿易振興がわが國の経済再建上絶対欠くべからざる要請でございまして今後とも貿易ことに輸出の振興については、最善の努力をいたすつもりでございますが、その輸出品のうちでも最も重要な地位を占めます生糸及び絹織物等につきまそは、いろいろの手段を構じまして輸出の振興に努めておる次第でございます。ただいまお尋ねの二十四年度の繭價、糸價につきましては、農林省としましては、物價廰その他の関係方面と十分協議をいたしてきめることでございますが、繭價の問題につきましては園内の事情から申しますならば、むろん他の農産物との均衡を持つた値段で関係方面と十分協議をいたしたいと思つておるのでございます。むろんアメリカの糸價の問題、為替の問題等も考慮に入れなければならぬことでございますが、繭が割安であるということでは繭の増産ができない。從つて蚕糸業の振興ができないことはもちろんでございますので、他の農産物との均衡がとれた價格というものをきめてもろうように、物價廰並びに関係方面とも種々折衝いたしておる次第でございます。
#6
○小林委員 ただいまのお答えではどうもはつきりしないのですが、先ほど物價廰の方の話にもございましたが、われわれは昭和二十三年度の繭價につきましては、パリテイー計算によりまして繭價が五千六百掛に決定いたしておるのであります。さような考えからいたしまして、これは一般たれも考えることでありますが、特に養蚕家におきましては本年度の米の繭價がやはりパリテイー計算で相当上つておる。從いまして來年度の繭の値段も、もちろん。パリテイー計算によつて、大体米やその他の農産物の價格と同じように上るのだろうという予想のもとに、すでに養蚕の準備をしております。桑苗を植えつけますとか、蚕種を買うとか、いろいろな準備をしております。そういうような政府を信頼して農家が計画を立ててやつておるのに対して、政府がそのときの情勢によらぬとわからぬというようなことでは、まつたく権威がないとわれわれは考えるのであります。そこで先ほど物價廰の方からお話のありましたのを開いておりますと、はなはだ怪しい。八木委員からもその点を突いたと思いますが、その辺をもう少しはつきり物價廰でお考えを願いたいと思うのでありますが、どういうお考えでありますか、重ねてお伺いを申し上げます。
#7
○酒折説明員 繭の價格は農業パリテイーを基礎として決定され、生糸はその繭價格を基礎として原償計算で行われる。これが現在の根本的な價格算定の考え方でございます。ところが先ほどからもお話が出ておりますように、為替レートの関係という新しい條件が今度またはいつて來たのでございます、ことに、これが一本のレートになるというのが近い将來にあるとするなれば現在の生糸の價格というものが円安の價格であつて、何とか処置しなければならないという問題が起こつて來た。実は為替レートがどういうふうにきまるか、あるいはきまりそうであるかということが、物價廰として價格決定の際の重要な参考資料になるわけでございますが、その点がいまだにはつきりいたしておりませんものですから、いかにこれを処理するかということが、まだ決定しておらないわけでございます。さしあたりの問題といたしまして、來年春からの生糸をどうするかというふうな問題も起つて來ておるわけなのですが、これにつきましては、來年早々のアメリカの生糸價格がどうなるかという見極めが早急につけて、こちらの考えも決定したい、そういうふうに考えております。繭全体としてはどういうふうにするかということは決定しておりません。
#8
○小林(運)委員 ただいまのお答えによりますとちよつとおかしく感じます。今までの繭價にしましても、生糸の値段にしましても、これは為替の関係がどうとか、そういうようなことできまつておるのではない、國内價格であります。そういう点から、すでにいろいろ心配されておる為替の一本レートの問題もありますけれども、政府は現状から考えまして、やはり國内價格として繭の値段、生糸の値段を考えなければならぬと思うのであります。私はこの点につきましては、将來需要地でありますアメリカにおきまして、現在のドル建糸價が今度二ドル四十五セント、こういうものが多少來年の一月からはアツプセプ・プライスが上るのじやないかというお話も聞いております。その程度もあるいは一割あるいは二割というお話がありますが、これは別問題といたしまして、私の聞きたいところは、そういう向うの糸慣と、あるいは一本為替の問題とをにらみ合せて、今後繭價をきめるのでございますか。これは國内問題でなくて、対外的の問題になります。今後の繭の價格や生糸の價格はそういうことでやるのかどうか。そうでなくて一般的に國内價格として一應考えておるのかどうか。その点をはつきりお答えを願いたいと思います。
#9
○酒折説明員 申し上げます。それは先ほど申し上げましたように、両方にらみ合せて決定しなければならないということになつております。
#10
○小林委員 どうもそこはおかしいのですが、去年の五千六百掛の値段をきめたときは、決してそういうことは言つていないこれは一應お考えにはなるだろうけれども、政府として繭の値段をきめたのは、決してドル建の糸價や、そういうもの等は影響していない。あのパリテイー計算に、何もそういうことは出ていない。そこで今ドル建の糸價やあるいは為替の一本レートの問題が出てきたら、今度はそういうものできめるのかどうかということを聞いております。それでやるのかどうかということを聞きたい。
#11
○酒折説明員 申し上げます。その点は海外の價格だけで決定するということも、これはむりだろうと思うのです。海外の價格とそれから國内のパリテイー計算の計算上の價格、これをにらみ合せて決定するという以外にいたし方がないのじやないかと思います。
#12
○小林委員 この問題をいくら突いても、あまたから正確な御返事をいただくことは私としてはむりだろうと思うので、この問題はこの程度にやめまして、いずれ農林大臣その他の安本長官等からはつきりしたお答えを伺いたいと思つております。この問題は一應打切ります。しからばこれは農林省も物價廳も貿易廳も関係することと思いますが、御存じのように今まで蚕糸業が非常に苦難の道をたどつて参わましたのは、糸價の安定がなし得られなかつたというところにあるのでありまして、この問題につきましては、先般わが國から参りました繭業視察團が、アメリカあるいはフランスにおきまして、いろいろ海外の業者その他の関係業者と会つた際に、牌來もぜひ糸價の安定をはかつて行きたい、こういう要望もあつたようであります。もちろんわれわれ日本の蚕糸関係者といたしましても、政府としても、この問題はすでにいろいろの経験がございますので、糸價の安定に対して今後政府はどういうようなお考えを持つておりますか、それを承りたい。
#13
○最上説明員 生糸の消費増産のために糸價の安定が絶対に必要でありますことは、過去における経験から見ましても、また最近の推移から見ましても明瞭でありますので、これは為替の問題がどうきまりましても、糸價の安定のためには何か特別の措置を講ずる必要を認めますので、そういう方針で目下われわれの方では研究をいたしている次第でございます。
#14
○小林委員 御研究のようでありますが、すでに蚕糸業方面におきましては、御存じのように蚕糸業会が價格差益金を積立てまして、すでに四十五億ないし五十億の金が積立ててあるのでありますが、これらのお金を今後糸價安定にお使いになるつもりでおりますかどうか。その辺をお伺いします。
#15
○最上説明員 そういう差益金をもつて糸価安定をやることができれば、ぜひそういうことにしたいという線に沿つて考慮中であります。
#16
○小林委員 できれぱというのはどういう意味がちよつとわからないのですが、できないというような憂えがどういうふうにありますかどうか。その辺今の御返事に対してちよつと疑問に思う点であります。それとあわせまして、現在の糸償が生糸の需要の関係かつ考えまして、ドル建の糸價が一ポンド二ドル四十五セント、景況の新聞等の報道によりますと、為替が一本レートになり、その為替の額がどのくらいか、今ここでわれわれが單に推定でものを考えることはどうかと思いますが、かりに今までのような大体の債務で参りますと、われわれは現在の五千六百掛の繭の値段を維持するには相当困難な情勢にあるのではないかと考えますが、この矛盾を政府はどういうふに解決なさるか。糸價安定のことも一つでありますが、現在の糸價を維持することもなかなか困難な問題ではないかと思います。この辺どんなふうにお考えになりますか。
#17
○最上説明員 ただいまの御質問でございますが、これは為替が幾らにきまるか、あるいは來年度のドル建糸價がこのくらいにきまるかということが、実際問題としてまだ明瞭でありませんので、今はつきりこうするということ乞申し上げかねるのでございますけれども農林省といたしましては、為替がこうきまりましても、また糸慣がどうきまわましても、それに應ずるようなあらゆる事態を予想いたして対策を研究しておるということであります。
#18
○小林委員 ただいまのお話ですと、為替レートがきまらないからその対策がない、こういうようにおつしやいますけれども、もうすでに幾度も資料も出ております。現在の二百七十円という上うたものでは、われわれは乞うていやつて行けない。現在の價格からいたしますれば、為替のレートは大体四百四・五十円になるのではないかと私は考えます。ところが四百五十円というような為替は、内外の事情からして、われわれはどうしても考えられない。二本レートになつた場合にはもう少し下まわるのではないかそういうような点から考えますと、現在の五千六百掛からつくられました生糸の値段が、アメリカの生糸の値段とどうしてもマツチしてこなくなる。その矛盾をどういうようにされるか、たとえば先ほど申し上げましたように、現在四十五億の金がある。こういうものを一應基礎として、何らかそこにお考えがあるのではないかというように考えますが、その点はいかがでありますか。
#19
○最上説明員 為替の問題について、これがどのくらいにきまるかというとはまだ推定の域を脱しませんので、いろいろ具体的のことを申し上げかねる次第でございますが、為替がどうきまわましても、日本の蚕糸業がそれによつて立つて行かないというようなことがないように、またその手段といたしましては、当然ただいま小林委員が言われました、この差益金の利用というようなことも考慮に入れて研究中であります。
#20
○小林委員 まだ十分満足というとうろまで納得がしかねるのでありますが、ただいまの蚕糸局長のお話のように、蚕糸業が非常に重要であつて、養蚕業者その他の蚕糸関係の方々に御迷惑をかけないように差金金等竜使つて行きたい、こういうようなお考えのようでありますが、どうぞこのことをお忘れなく、政府といたしまして大蔵省あるいは安本その他と十分連絡をとりまして、今もうすでに非常に危険があるとわれわれは考えておりますが、この点を間違いなくひとつ突破していただきたいと思うのであります。それは現在の繭價、糸價を維持することが相当困難であるという考えのもとに申し上げますが、さらに進みまして、この内外ともに心配しております糸價の安定の問題につきましても、十分な用意をももまして、今後政府におきまして十分御検討を願つていただきたいということをお願いいたしまして、私の一應の質問を終ります。さらに機会を改めまして、農林大臣、安本長官官等に、この問題につきまして御質問申し上げたいと思います。
#21
○八木委員 今の國内價格である繭の賣値を、海外事情あるいは特に為替の関係とにらみ合せて、両方に都合のよいような線をというような考えをお持のようなことでありましたが、もしそういう考えが政府にあるとすれば、生産意欲はがた落ちになることは当然であります。お茶にいたしましても繭にいたしましても、農産輸出作物をつくつております農民は、この為替のきめ方に関する点に非常に神経を使つておるのであります。それは事実きまるときは、來年にもち越して、生産の時期までもつていくということになりますと、生産農民から言えば、ほかの工業生産物と違いまして、一箇年間投下した肥料にしろ、労力にしろ、一切背負いかぶつて、しかもきめられた為替でぺしやんこにさせられるといううき目を見ること明らかでありますから、農民の生産意欲に及ぼす影響重大であります。今の基本的な方針については、一課長に伺うのはむりかもしれませんが、これは特に考えておられるであろうとは思いますけれども、私は関連して強く要求したい。また伺つておきたい。それで農産物は國内價絡として一應きめる、殊に繭のごときものは一應きめて、その上に立つて國際價絡と申しますか、ニユーヨークはニユーヨークにおいて消費地として價格安定の方策を、消費君側の國内事情としてとつておられると同様に、生産者側の立場に立ちます日本も、國内企業として方策をあわせ立てて行く。その方策が立たないならば、しばらくこの危険な輸出農産物の生産には躊躇せざるを得ないということになりますから、すみやかにこの基本的な点をきめてもらいたいのですが、きようは貿易廳の方も農林省の方も見えておりますが、これを一体問題にしたことがあるのかどうか、どの線をとつておるのか伺いたいと思います。
#22
○倉八説明員 生糸の現行價格よりすれば、この輸出レートは約三百八九十円になります。若し内地のマル公がかわるとすれば、ドル償格に変更なき限りレートの変更を見るわけであります。将來一本建の為替レートが何ほどになるかは目下の処判然いたしませんが、決定せらるるレートの類いかんによつては、蚕糸界にも大きな打撃を招来するのでありますから貿易の方からも非常に関心を佛い、各方面とも色々考究中であります。
#23
○八木委員 いかなる時代が来ても、為替レートの決定から来る損失の一切を、あげて生産農民にぶつかぶせるようなことをすることは一大事でありますから、その面に立つて國内債格としてとり富めをし、そのレートから來るところの、いわば為替調整資金のような方策は別途に考慮して行くのだという、了解をその筋に早くきめておいていただきたい。早くきめないで、これは農林省がきめるのだ、これは物價廳がきめるのだ、これは貿易廳がきめるのだと言つておられたのでは、そのときになつて非常に問題でありますから、この点は注意と警告をしておくにとどめますけれども、重大なことでありますから、特段の御配慮を願いたいと思います。
#24
○坂本委員長 委員の御発言中でございますが、この際一時まで休憩いたします。
    午後零時十二分散会
     ――――◇―――――
    午後二時三十分開議
#25
○坂本委員長 午前に引続き会議を開きます。日程第二農業協同組合に関する件を議題に供します。御承知の通り、去る十百の本会議で農業協同組合法の一部を改正する法律案ほか二件は撤回を承諾するに決した次第でございます。農林当局におかれましても、その後の経過につき何らか具体案もあろうかと存じますので、この際政府当局の説明を求めます。山添農政局長。
#26
○山添説明員 農業協同組合法第十條の改正に関しまする法律案は、國会において継続審議をお願いしておりましたのでございますが、ただいま委員長がお述べになりましたように、撤回をお願いいたしたのであります。その理由といたしまするところは、元來あの法律の目的といたしておるような趣旨におきまして、連合会がおおむね設立されておりますることは御承知の通りでありまするが、これを法律として窮屈にいたして参りまする場合には、あるいは実情に沿わない点も起り得るわけでありまして、たとえば蚕糸に関する連合会ができたといたします。この特殊の事業を目的としまする連合会につきましては、改正法案におきましてもそれに関連するところの事業はある程度廣くなし得るというような解釈をとつておつたのでありまするけれども、さて一旦法案が成立いたしまするとそれは解釈問題をめぐつていろいろ疑義を起す懸念もございます。またいろいろな国体ができました結果、その将來の推移におきまして、組合経営上の要求等からどうしても赤字で、これは合理的運営のために合併しなければならぬというような場合が、これはきわめてまれだと思いまするが、起らないとも限らないのでありまして、そういう万やむを得ない場合におきましては、適当なる道もあり得るというふうに、前回の改正法案の趣旨を建前としながら、そこに若干のゆとりが残るということの方が適切ではないかというようなことを反省をいたしまして、撤回をいたしたような次第です。しかしあらためてここにおことわりしておきたいことは、連合体におきましてはそれぞれ特別の目的を能率よくやつて行く、そうして独占的な性格を帯びないというために、かの企図いたしました改正案の趣旨は、これを行政方針として堅持をするということにはかわりはございません。その行政方針を何らかもう少し具体的な形において表現をするという意味合いにおきまして、御承知のように農業團体の整理統合に関する善後措置に関する法律というのが、協同組合法と同時に制定せられておりまするが、その中の協同組合は農業会の資産を引継ぐというようないろいろな手続が書いてございます。この法律に基く省令の中に、さような趣旨――行政方針としてとつておりますような趣旨を表明をいたしたい。そうして一應そういう趣旨によつて現在設立せられておりまする協同組合連合会が奬來その形をかえるという場合におきましては、行政廳の承認を受ける、こういうような制度について研究をいたしております。すなわち原則として、行政方針として堅持をする。しかしながら万やむを得ない場合におきましては、そこにゆとりと言いまするか、弾力性を持たせる、こういう方針でございます。
#27
○坂本委員長 飯田義茂君。
#28
○飯田委員 今政府当局からお話がありましたところの、農業協同組合法の十條の撤回でありまするが、これは地方によりますると、この漁業が決定を見ないうちに各地でこの連合会をつくつた所があるのであります。この地区連合会の設立に対しましては、相当組合員は反対があつたのでありまするが、地方聴といたしましては、政府の方針であるというもとに指導いたしまして、法案の決定を見ないうちにここに設立をしたということになつておるわけでありまするが、これが撤回になりましたあかつきにおきましてはすでに政政府が認可をいたして各部門によつて生れておりまするところの連合会はいかなる処置をとらるるものでありましようか、その点をお伺いしたいのであります。
#29
○山添説明員 法案成立前に、かような法案を政府は提出すべく企図いたしておるということも話しましたし、またそういうことを行政方針として関係官の会議について政府が表明いたしたことは事実であります。地方においては、その趣旨によつて組合が設立せられたわけであります。しかし今回撤回をいたしましたのは、さような方針を変更したというわけではないのでありまして、行政方針としてはその事柄を堅持をいたしておるわけであります。ただこれを法案といたして動きのつかぬものにしない、こういうことの方が適切であろうというふうに考えまして、撤回をお願いしたのでありますから、誤解のないようにお願いをいたしたいと思います。
#30
○飯田委員 そこの点が聞き取れない。また惑わかすような氣がするのでありますが、法案なるものは修正すべく出した。それが未了のままであつて、第三國会において政府がこれを撤回したということになり、そこで行政面においてこのまま置かなくてはならぬということになりますと、この法案を撤回いたしましたるところの意味というものがどこにあるか、こういうことになるのであります。私は北海道の者でありまするが、それは地方的にいろいろ違うところもありましようが、北海道としましてはこの協同組合に対しましてほ、全國的に最も熱心に実施していると申して私は過言でないと思うのであります。その組合員としましては、この法案に対しましては相当反対がある。あくまで反対いたしましたけれども、農林省の意向も、この法案は通過するのだ。通過するのだから、いわゆる善は急げで一日も早く実施した方がいいだろうというので、道廳の指示によつて行つたのであります。その当時組合員としましては今の修正案は通過しない。今度もしこれが通過しなかつた場合にはごうするかということの話があつたりでありまするが、そのときの答弁としましては、通過しなかつたならばただちに元に復する、こういう一つの條件付で北海道のごときは決議をして、その決議に基きまして地方連合会を設立した。そうして機構も作成して行つておる。こういうようなぐあいになつておりますが、そうなわますと経費なるものは從來の一本とは違いまして、それは六本にわかれたものであります。もつとも信連の方はやむを得ない。これはもとより承諾をしておりましたが、そのほか六本にわかれましたから、経費なるものは従来より三倍も五倍も増してここに必要を生ずるということになつておりますので、中には所属組合といたしまして、いわゆろ購連であるとか、販連であるとかいうような必要なものは、これが実施をしなくてほいけませんが、その他の連合会に対しては実施ができない。この自分々々の持前の組合としても負担金として計上しなければならぬから、連合会がなつた場合に、その負担ができないということになる。せつかく各組合の連合会は設立いたしましたけれども、今度またこれの経営につきまして苦慮しておるような次第であります。ただいまお話のありました通り、種種の取扱い部面におきましても、各種各様なるところの公團とか会社というものができまして、従来よりは相当農業協同組合の事業面については縮小せられておるのであります。それに経費の負担を一方加重することにかりますと、とうていこれは持ち切れぬととは明らかなのであります。その点ははつきりしていただきませんと、やるならやる。そうして法案が撤回せられたのだから、必要がなければ必らないということをはつきりお話になりませんと一地方によつては非常に困るのであります。あるいは私の質問は誤解もあり、当をはずれておるかもしれませんが、重ねてお伺いいたしたいのであります。
#31
○山添説明員 この件につきましては、政府の企図いたしました改正案に、國会を初め地方に反対の空気が強かつたのは事実であります。しかしながら同時にまた、政府があのような方針をとつておるという事情についてもよく御承知を願つておることと思うのであります。法案を撤回いたしましても、その趣旨とするところは、法律によつて動き得ないものにするということは、ある例外的の場合に困ることがありはしないかという考慮からでございまして、趣旨としては何ら行政方針としてのかわりはないのであります。そいうところで御了承をお願いしたいと思うのであります。
#32
○飯田委員 重ねてお伺いいたしますが、御説によりますとやつて行きたいところはやつて行ける。またやつて行くのを希望しない方面は元に復してでも勝手にやつでもいい、こういうことになるのでありましようか、お伺いいたしたい。
#33
○山添説明員 この点につきましては、先ほど申しましたように、農業團体等の整備に関する法律がございます。その法律の中に、旧農業会の財産の承継ということは、行政職の認可を受けて財産を承継するということになつております。その辺の根拠に基きまして、行政方針を鮮明いたしたいということで研究をいたしております。そういう意味におきまして、政府の承認に引つかけるということに相なろうかと思うのであります。しかしやつてみた結果、この連合会が併立のためにどうして竜やつていけない、それでも連合会のやつております機能は、農民のために拠棄できないというときに善処ができる。またしたい、こう思います。しかしそれはあくまでも例外的の場合を考えておる、こういう意味でございます。
#34
○成瀬委員 私はこの農業協同組合改正法案の撤回につきまして、根本的に考えてみなくちやならぬと思うのであります。なるほど日本の國がいまだ講和條約も結ばれておらない特殊事情下にあるということは、よくわかるのであります。わが國の政治が憲法の精神に則つて政治が行われたくちやならぬことも、また当然のことと思うのでございます。従つてそういう意味からいたしまして、私は農林省における最近のやり方は憲法違反であると考える。すなわち法律において規定されたものが、行政的措置において変更を加えられつつあるということは、ただ農業協同組合のみにとどまりません。せつかく農民の食糧を確保するためのあの食糧確保臨時措置法におきましても、そういうことがあらわれておる。さらにまた林業関係におきましても、開拓に対する林業、森林関係の部門、また一般的な農地委員会の行き過ぎ等もあるでありましようが、こういうことに関連いたしまして旧月一日における次官通牒の内容は、これは農地調整法を行政的措置において覆すということが起りつつあるのであります。かように他の省ほいざ知らず、農林省におきまして重ね重ねこういうことが繰返されることは、われわれ國会議員といたしまして、愼重にこれを調査審議いたしまして、かようなことに対するところの理論的根拠をひとつ、鮮明にしておきませんと、今後かかることが一つの先例となりまして、國会活動の機能を失うのおそれありと思うのであります。なお二十一年の二月二十二日ドレーパー使節派遣が来るまでは、日本の非軍事化のための政策であります。その後は生産第一主義にかわつたということでありますけれども、依然として非軍事化の線はこれは基本をなすものであるということを認めるのでございます。從つてかかる意味におけるところの農業協同組合法が、改正しなくちやならない立場になつたことは、農業者の立場に立つ観点と、また占領政策における観点と大きな食い違いがあるということは、第二國会におきましても、相当審議を盡してきたのでございます。けれどもそういつた審議の過程におきまして、國会において決定したい場合におきましては、現在行政的措置においてやりつつある通り、これを撤廃する、改正する。こういうことを農林大臣が言明して、そうしてその審議が、なかなか容易に進まなかつたのでありますが、たまたま第二國会は終り、第三國会になりまして、農業協同組合の改正法律案を撤回した。撤回して新たに提出するところの意向があるのかどうか、もうすでに各地方におきましては連合会設立を見たので、行政的措置においてでき上つて、法律には反するけれども既成の事実としてこれでいいのだというような、うやむやの間にこれを葬り去ると、いうことであつたならば、これは大きな問題であると私は考えるのでありまして、おそまきながらにも改正法律案を提出し、そうして形式ながらこの農林委員会の決定を見て、そうして憲法の違反に問われない、また他にこういう類似のことをかさしめないきまりというものをなさなくてはならぬと思うのでありますが、これに対する御意見を承りたい。まだあとに農業協同組合の部分的なこともありますが、一應それだけお伺いしてみたいと思います。
    〔委員長退席、井上委員長代理着席〕
#35
○山添説明員 法律に反することをいたすことはできないのでありますが、法律の範囲内における行政方針につきましては、これはそれぞれ行政権として、当然の作用としてなせるわけであります。農業協同組合法第十條の関係で申しますれば、正直に申しましたところ、政府といたしまして、当初改正法律案のような行政方針は示しておりませんでした。よく考えました結果、ああいう行政方針を採用いたしたのであります。その意味におきましては、実はその以後何らのかわりはないのでありまして、その事柄旨体が協同組合法に反しておるということではございません。ただ当初政府がそういう考えを持つていないのに、そういう行政方針を途中から示したということによつて、何か違反であるかのごとき感じをお持ちになりますことは、私もよくわかるのでありますけれども、法理論としては、今申し上げるようなことになるのであります。私どもも御承知のようないろいろの事情がございますけれども、もとより法律の示しますところと同時に、また法律に書いてございませんでも、國会の御意見なり、崖氣なりというものには、十分それに従つて行きたいということを念願いたしておるのでありまして、なるほどいろいろ御不満のような点、あるいは御指摘になるよう交点が間々現在起りがちでありますけれども、心持におきまして成瀬委員のお考えと同様な考え、また同様な強い希望を持つておることを申し上げます。
#36
○成瀬委員 まだ私は納得が参りません。そういう御答弁でございましたならば、何ゆえに協同組合法の一部改正法律案を出されたか、その理由をお尋ねしたい。また何ゆえに撤回したかということになつて來るのでありまして、どうも今の御答弁だけでは、それらの点に触れておりませんので、なかなか納得行きませんが、もしできればすなおに、あれを提出したことはいわゆる行政的措置ででき得るものをやつたところに政府の誤謬があつた。だから撤回したのだということであれば、それで納得行くし、またそうでない場合は、近いうちに出して形式ながらその形を整える。こういうふうにひとつきまりをつけていただかぬと、今のお答えだけでは今後に疑いの根を残して行くということになりますので、重ねて御答弁を煩わし、それ以上はお尋ねしません。見解の相違として別途の立場から研究すべき筋合いのものであると考えます。
#37
○山添説明員 撤回をお願いいたしましたのは、さらに反省をいたしまして、これを法律によつて動かぬものというよけも、そこに例外の場合でありましても何らか必要のある場合は善処して行く道も残しておくのが適当でないか、こういう反省をいたしたのでありまして、再び同一の法律案を提出する考えはございません。
#38
○田口委員 法律の運用にあたつては立法の趣旨がその幅を決定するものと考えておりますが、行政的な範囲であると言いますが、法律を決定する場合の説明なり、われわれが決定した場合の立法の趣旨と、行政の実際面とが違つておる。その違いは、立法の趣旨を蹂躪してもよいという考えで行政的な措置をとつておられるかということが第一と、ただいま成瀬議員から言われました通りに、法律の一部改正法律案を出した。それを出したことは、それを出さかければそういう行政的な措置が法律的な根塾によつて行われないという趣旨によつて出されたものと思うのでありますが、それを撤回して行政的な範囲においてのみこれをやるというような、こういう法案を、ひきだしから出したり入れたりするというような当局の趣旨というものは一体どこにあるか、それを重ねて明確に伺いたい。
#39
○山添説明員 協同組合法案を國会に提案いたしました時分におきましては、いわゆる自由の原則というものを掲げ、これを説明にもずいぶん強調をいたしました。また農民諸君の間にも、その点非常に私どもは強調して、その精神に基いてやつてもらつておるわけであります。その自由の原則というものはかわりませんけれども、その後國家的な要請として、いろいろ独占禁止法でありますとか、集中排除に関する法律でありますとか、あるいはこの前の國会の事業者国体法でありますとか、一連の違う角度から見ました立法が続々なされて來たわけであります。從つて協同組合法立案当時にまだ問題にならなかつたそういう法律、現下における日本の國としてとらなければならない政策の、一つの線が強く出て参つたのでありまして、そういう協同組合における自由の原則が一部にあると同時に、さような独占的かものを排除するというまた別の線、これらを合せましたものとしての協同組合法第十條の規定の改正を必要と考えたのでありますが、先ほど申しますように、その方針は依然必要であり、行政方針として堅持をするけれども、さて複雑た国体現象を扱つて行きます場合において、法律できつもりやるということがかえつて不適切な場合もあり得る。その意味において、これはそういう場合におきましては、ある種の措置と言いまするか、ある種の機能を一緒にした團体の成立をも可能なようにしておく方が適切だ、こういう考えでありまする
#40
○清澤委員 ちよつとこの問題とはずれますが、養蚕販賣協同組合という組合の問題であります。これが町村協同組合が軍位となつて支部を結成しておるのであります。これは協同組合の方から見ると、資格がないものが寄つて販賣協同組合をつくつておるのではないかと思われる疑義があるのであります。郡單位のそういう販賣協同組合ができて、しかもその維持費は全部養蚕家もしくは大麻の栽培というような一部のものにかけられる。こういう取扱いが協同組合法によつて可能なのかどうか。御承知の通り協同組合法の精神はい自由意思によつて自主的にこれをつく号。それを單位協同組合というものが組合員になつて別の協同組合をつくつて、しかもその一部分の人にその維持費をかけて行く、こういうようなことが協同組合法によつてできろものか、できないのか、非常な疑問を私は持つ。それが一つ。
 いま一つはこの協同組合をつくるためには、はなはだ不確定な二十一年度の繭のかけ目の差額金の一部が製糸豪の手元から出まして、そしてその補助金によつて販賣協同組合という名目のもとに事実販賣事業は何にもしておらない。生産施設だけをやつておる。それよりもつとはなはだしいのに至つては、生産施設もしない。目的はただ数百人か数千人かの旧養蚕技術員を誓うためにつくられた協同組合である。こういうことになるのでありまして、これはすでに局長にも協同組合課長にも調べてくれんかという話をしてあつたと思うのでありますが、それに対して何らまだ調べられておる様子も見えないのでありますが、局長はこれをどうお考えになるか。私はたしかに違法な協同組合ができ上つておると思う。
#41
○山添説明員 第一の問題は、市町村單位の協同組合が連合会をつくつた。しかしてその経費の取立ては繭なりその他の繊維をやつておる個人から一定の経費を徴収することになつておるが、これは協同組合法から違法ではないか、こういうお尋ねのように思います。もし私が伺いましたごときことであれば、これは違法であります。しかし取扱いとしてはそう頭から違法のことをやつておるのではなくして、町村の組合としては、その町村の組合の組合員たる人の扱い分量といいますか、その協同組合がおそらく協同販費をするのでありましよう、その扱い上に應じて経費を納付する。こういうような経費の一つの賦課方法をとつておるのではないかど思うのでありまして、そういうことでありますれば、これは経費賦課徴収方法の一形態でありまして、もし組合でなくて直接個人からとるということであれば、これは違法であります。おそらくそういうことはやつていないだろうと思いますが、具体的のことはわかりません。
 それから養蚕組合の問題につきましては、かねがね清澤委員からお話を伺つておりますが、まだ具体的に調査をいたしておりません。これは技術員を設置するのが主たる目的、すなはち技術の改良、生産上のいろいろな施設をするということが目的でありまして、そのこと自体は協同組合の一つのりつぱな目的であると思うのです。ただそれが置きつぱなしで何ら活動しないということでああますれば、これは農民の方で参つてしまつてやめるということになろうと思いますが、その組合がよく活動し、組合員に十分なるサービスをいたしまして、評判がいいということであれば続いて行く、かように思つております。そのつくりましたいきさつ等につきましては、調べてみる必要があることは考えております。
#42
○清澤委員 この賦課金は確かに個人にかけている。しかも反別割、戸数割、供繭牽制、こういう三つに分けて個人にかけている。組合加入については單位組合にしてあるわけです。從つてほとんど養蚕農民によつて選ばれた委員が單位販賣協同組合をつくつておられる。ただ協同組合の役員だけで相談してつくつたこういう非民主的のものが現存している限りにおいては、問題になると思う。私は連合会以上のものが單位組合から分れて、販賣とか購買とか信用とか、全般のどの人もが関係しているような連合会をつくる場合にはさしつかえないと思う。しかし電位組合が勝手に入つて業種別のものをつくつて行くということになると、重大な問題である。かりにそこに一つの養蚕販費協同組合の資産ができたとする。その貸屋を処理することになつたら、單位組合である市町村單位組合が処理して何らかの分け前をもつて來る單位組合内で分けるときになりますと、養蚕家ならざる人も全部混つている組合の資産になる。経費だけは養蚕や大麻関係の者だけがもつ。こういうむりな関係が残ると思う。現にこういうものが農林省内の蚕糸課の指導のもとに同一のものが扱われていると思う。しかも急速に中央に全國連合会をつくつてそこでは乾繭組合において数千万円、販賣連合会において数千万円の資金が集められている。これば一体何に使うのか。これは後に蚕糸局長にあらためて質問しますが、そういうむりなものが非常にできて來ておる。これは蚕糸課の関係ではない。あなたの管轄内でありますが、至急取調べて、間違つているところは解散でも何でもさせるという御意思かあるかどうか、お伺いしておきたいと思います。
#43
○山添説明員 法規に違反しておりますればこれを認可しないわけですし、また法令に違反した業務をいたしますとすれば、それは解散その他是正の措置をとるわけであります。しかし趣旨において行政職が賛意を表したということでは、これは干渉することは法令上できないのでありまして、やはり明確な法規違反があれば是正の措置をとる、しかしおもしろくないという程度であれば、これはそこまでの干渉はできません。
#44
○清澤委員 私は單位組合がある特殊の組合へ入る資格があるかないか、これが第一番の問題だと思う。農業協同組合といういろいろのものの入つた協同組合が、その中の一部分の養蚕販賣協同組合というものに加入する資格はないと思う。
#45
○山添説明員 それはあります。それは單位組合はいろいろな業務行つておる。A、B、Cの業務を行つていると、Aに関する連合体をつくり、Bの業務に関する連合体をつくる、これは当然であります。むしろそれを行政方針としておるという意味であります。もつとも今の養蚕の場合がよい惡いは別といたしまして、そういう機能に連合会をつくることは当然なことであります。
#46
○清澤委員 連合体じやない。連合体であればまだよいが、連合体じやなくて、單位組合が一加入單位となつて、市町村の各單位組合が寄りまして、養蚕販賣協同組合という單位組合をつくつたのです。
#47
○山添説明員 それは違法のように思います。
#48
○清澤委員 ひとつ十分お調べをお願いしたい。
#49
○山添説明員 承知しました。
#50
○井上委員長代理 それでは私からちよつと政府に問いたいのですが、さきに永井委員及び成瀬委員の質問によりますと、政府は協同組合法を一部改正する法律案を一遍撤回された。この撤回されましたのは、内閣が更迭したという理由によつて撤回をされておるのでありますが、そうすると、このたび新しい法律案を再び出すべきがほんとうであるにかかわらず、これを出さずに、行政的措置によつてそれができるから提出をしない、こういう態度を実はとられておるように聞いたのでありますが、もしそういうことが許されるということになりますならば、これは政府としては國会に対して重大なる貴任を持たなければならないのであつて、御存じの通り、協同組合法の一部を改正する法律案は、第二回國会において実に数回にわたる委員会を開き、とうとう國会の開会中に審議ができずに継続審査までやつた法律案でありまして、それほど國会はこの法律案を重大視し、かつその審議に愼重を期してやつて参りました。内閣が更迭しなければ当然これは本会議で上程可決されることになつておつたものを、今さらこの法律は行政的事務措置によつてやれるからということで提出をしないということは、一体政府としては國会の審議をどう考えられておるか、そういうことで一体よいかということです。これはわれわれが今後法律案を審議する上において、非常に重大次問題が残つてきますから、一應この際その点を明確にしておいていただきたいと思います。
#51
○山添説明員 先ほど申したこととかわらないのであります。國会の審議の過程を通じまして、私ども反省をいたしまして、さらにある必要な場合には数種の機能を一緒に営む場合もあり得る道を残しておくことの方が適切ではないか、かように考えたのであります。そういう意味合いにおきまして撤回いたしたのでありまして、先ほど申しますように、再び御審議を煩すほどではないと考えております。
#52
○井上委員長代理 そうしますと、大体現行法によつて参りますならば、各種の協同組合は連合することが、実際上農民側の組合員の意思によつてできることになりますが、その場合政府の一方的な解釈によつて、これは許す、これは許さないというようなことをもしやられるとすると、現行法に反する行爲になつて來ますが、一体その場合どうなりますか。
#53
○山添説明員 政府の権限といたしまては、御承知のように法規に反しない限りはこれは認可すべき竜のでありまして、政雇の独自の判断によつて、これはいかぬというようなことを申す権限はありません。正確に申しますれば、二箇月以内には政府はこれを許可、認可をしなければならぬのであります。私の申しておりますのは、実は全國的に組合の設立も一應完了いたしておる実情にあるわけでありまして、今後は新しい組合の認可問題ということではなく、むしろ現にたくさんできております組合が、ある種の場合におきましては財政上と言いますか、経理上の理由によつて合併をしたいというようなことが出て來るのが今後の事例であると思います。その場合に法律によらなければどうしてもいかぬということよりも、善処し得る途を残しておきたいというのが政府の考えであります。
#54
○成瀬委員 大体政府の苦慮するところもわれわれは了承いたしましております。しかしながら今の問題についてはほかに類似な事件が二点ある。いわゆる食糧確保臨時措置法と、農地調整法に対する林野局関係の重点を置く次官通牒、こういうようなことを考えて見る場合に、國会の権威にかけましても、それらの根本を明らかにして置きませんと、われわれは國会としての責務を果すことができないという点に重点を置くのであります。農業協同組合法の提案理由は、もう速記にも載つておりまして、当初農林大臣の説明がちやんとあつたが、その農業協同組合の設立の説明要旨は、信用と事業との二につ分れて、そして農地改革に伴う農村の民主化を、経済的な面から確保するということをはつきりうたつているのでありまして、そこに無数の連合体をこしらえてやつて行こうというような説明の趣旨はなかつた。客観情勢が変化したがために改正するというので、ここに改正の法律案を出して來たが、その改正の成立を待たずして、行政的措置で先走りをしてやつたことが、既定の事実になつたのだということのみをもつて撤回されて、このまま行くことになカば、第二回國会において何がために農林委員会は多額の労力と経費を使つて審議して來光か、何がためにそういうような立法上における立場に立つての意見を闘わして來たかということについて、われわれは十分厳密な角度から反省しなくてはなりません。從つてこれ以上私は答弁を求めることはしませんけれども、法制局あたりとも十分連絡をし、今後かかる事例を残さないように、これらについては今後継続して、そして十分なる調査をして、結論をつけられんことを委員長にお願いしておきます。
#55
○井上委員長代理 私からもう一つ伺つておきますが、それはもし今局長の御答弁のように、現庄許可し設立されている協同組合が、その運営、経営においてさらに合同する方が、将來経済的活動を一層能率的にいかつ効果的に達成し得るという見地から合同を申請して來た場合、政府はこれを許可する意思があるかどうか。当然法律によつては許可せなければならぬことになりますが、その場合、それは行政上の必要から許可できぬというようなことを言うて、法律を無視する行為にわたらぬようにできるかどうか、この点が大事でありますから、この点を一應伺つておきます。
#56
○山添説明員 それについて研究をいたしておるわけでありまして、農業会の資産を譲渡を受けることの優先順位は、企図されました改正法の規格にはまるような協同連合会を優先せしむる。その協同組合がその資産を処分をする、すなわち解散しますとかいう場合においては、これは主務大臣の承認を要するという方法を研究をいたしておきます。しかし政府の権限はあくまでも法律の覇束するところ以上に出ることはないのでございまして、從いましてここに全然新しい組合が数種の機能を合せ行うということをもつて設立せられ、認可の申請があれば、これは政府は許可をいたします。それはただ行政方針には反しておる、しかし反しておるがゆえにこれを拒否するということはできないのであります。
#57
○加藤(吉)委員 十條に関する改正が撤回になつたのは全國的にたいへんよいと思うのですが、これは撤回になつて各府縣では建物も別々に立つておる、厖大な各部門にわたつて役員を設けて、ほとんど縣ごとに五、六百万円使つてしまつたというような状態で、それが全國的にはどうか知りませんが、統合したいというのがわれわれの希望なんですが、当然これは統合する方向へ行くだろうと思うが、各府縣でどんな通牒を――これに対して何か今までに指示になつたことがあるのですか、ないのですか。
#58
○山添説明員 まだ具体的のことを研究しております段階でありまして、何ら指示はいたしておりません。それからただいまお述べになつたことは、政府としてさようには考えておりません。政府の方針としては先ほど申しましたように、農政方針としては独占的たものは好ましくない、こういう考え方を持つておりますことをやはり明確にしておきたいと思います。
#59
○井上委員長代理 そうしますと、私から最後にもう一度伺つておきたいのですが、政府はかつて次官通牒か農政局長名かによりまして、協同組合結成に関する統合体に連合会結成に関する通達を出しております、その通達と今あなたがここで御答弁されたこと乏は大分内容が違うのでありますから、待つてあの通達は一應無効にして今度今あなたがここで御答弁された趣旨の通達を各縣に出す必要があると思いますが、その意思がありますか。
#60
○山添説明員 通達をした事実は正確に記憶いたしておりませんが、私どもは関係官会議を招集しました席上、政府はかような改正法律案を準備をいたしておる、そこでもし組合がこの改正法案に反するような趣旨で設立されたといたしますれば、法案の成立後にはまたあわてて改組をしなければならぬので、非常に面倒な迷惑がかかる、それであらかじめこの線に沿つて組合をつくつてもらうことがきわめて好都合である、こういう意味の指導をいたしたのであります。文書で出しましたかどうかは記憶がございません。それからただいまの措置についてもさような方針、すなわち連合体は独占的な傾向を帯びない、それぞれの機能別に設立するのが方針である、あるいは望ましいという見解にはかわりはございませんから、さきの趣旨通牒がかりにあつたとして、それが誤りであるということを出す考えはないのでございます。
#61
○井上委員長代理 それはちよつと困ると思いますが、すでにこの前確か協同組合部長ですか、民自党の八木委員の質問に対して、政府はかくのごとき通牒を出しておるということは、現行法の実施された今日違法である、憲法違反であるということを質問をされて、それは今あなたが御説明されたように、第十條の改正を意図しておるから、事務的にいろいろ混乱を生じてはいかんと思うたために、予備行為として行うた措置であるからということの了解を求めておりました、從つて通牒ははつきり出ておるのであります。その通牒と今あなたがここで私の質問に対するお答とほ非常に意味が異つて來ておりますから、政府は現行法の規定に基いて必要な連合会は独占禁止に抵触しない限りこれを組合の発達の上から認めて行こうという道を開こう、こういうのでありますから、大分この趣旨が違つて来ておりますから、あなたの今私の質問に対する答弁をそのまま通牒として出してやらぬと、地方は前の通牒々そのまま持つておりますから、この点をはつきりしておく必要があると思う。
#62
○山添説明員 数種の機能を合せ営む組合を認める場合の程度が、委員長のおつしやることと私の申し述べていることと違うのでありまして、私の申し述べておるのは、組合がそれぞれ赤字になりてこれはやつて行けぬじやないか、こういう客観的に必要な場合は、そういう一緒にやることを認める方がよいじやないか、こういうことを申しておるので、一般的に一つの統合体でやつて行くことの方向に進めて行くということは全然考えておらないのであります。
#63
○加藤(吉)委員 これはまだ第十條が決定にならぬ先に、前回の委員会においても百二十五を許可しておるのであります。こういうような事情でこれは公務員法第六條かと思いますが、誤つた指示によつて相当損害を受けたという解釈が成立つ、そうすると補償せなければいけないということになると思います。その見解はどうなんでしようか。
#64
○山添説明員 なるほど改正法案提出の見込であるからということについては、後にこれを撤回するようなことになりました関係上、政府としてはなはだまずかつたと思いますが、露骨に申しますれば基本方針として独占的なものはこれを排除する、これは日本として当然とるべき措置でありますので、その事柄を行政方針として指導をし、また將來も行くということにつきましては、実に誤つたこととは考えないのでございます。
#65
○井上委員長代理 大体この問題は、われわれが委員会において相当論議されました点が政府の反省を促し、第十條改正案が撤回をされたのでありますから、政府はあくまで法の精神にのつとつて、また今局長がお話をされます通り、実際今日農業協同組合として黒字になつておる連合体はほとんどないのでありまして、大概が赤字の状態で経営されておりますから、將來これらの團体が連合をし、その負わされた使命を十分に果すための合同の申請がありました場合には、できる範囲においてこれを認めて行くというふうにとりはからつてもらうように、政府に委員長としても要請をしておきたいと思います。大体協同組合問題に関連します質疑はこれで打切りまして、残余は明日定刻より委員会を開いて審議することにいたします。本日はこれにて散会をいたします。
    午後三時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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