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1947/11/14 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第20号
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1947/11/14 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 通信委員会 第20号

#1
第001回国会 通信委員会 第20号
昭和二十二年十一月十四日(金曜日)
    午後一時四十五分開議
 出席委員
   委員長 岡田 勢一君
   理事 重井 鹿治君
      海野 三朗君    大石ヨシエ君
      梶川 靜雄君    片島  港君
      成田 知巳君    矢尾喜三郎君
      小島 徹三君    田島 房邦君
      長谷川俊一君    長谷川政友君
      多田  勇君    宮幡  靖君
      森  直次君    山口 武秀君
 出席政府委員
        逓信政務次官  椎熊 三郎君
        逓信事務官   小笠原光壽君
        逓信事務官   山戸 利生君
 委員外の出席者
        專門調査員   吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 郵便法案(内閣提出)(第八二號)
    ―――――――――――――
#2
○岡田委員長 會議を開きます。
 これより前會の引續き郵便法案を議題として質疑を續行いたしますが、質疑に入るに先だちまして、森委員から、いわゆる安全通信の問題に關し緊急質問の申出がありますので、これを許します。森直次君。
#3
○森(直)委員 新聞によりますと、いわゆる安全通信というようなことが各地に波及するように感じられますが、實情はどんなふうでありますが、御説明を願いたい。
#4
○椎熊政府委員 逓信省管轄の事業の内容に、ときどきこういうことが發生して、國民に非常な、迷惑を及ぼしておることは何とも申譯ない次第であります。ただいままでの實況について御報告申し上げます。
 新關に出ております安全通信という行動が發生いたしましたのは今月の八日からでございます。落合長崎局が十一月の八日にこういうことを始めました。それが一番最初でございまして、續いて十一日から目黒局が始めました。世田谷局が十二日より始めております。現在では江戸川局、静岡郵便局及び北海道小樽電信局にも波及しておる状況でございます。その内容を申上げますと、入手が足らないから通信はやられないのだというようなこと、あるいは安全通信に入るというようなことを呼號してやつておるようでございます。その状況はどうかというと、相手局が呼び出しをしても應答しないで通信を止めてしまつたり、また通信をやるとしても、きわめて緩慢な通信を行つておる。從つて停滯して電報は手送を行つておる状態でございます。この状態がはたして爭議行為なりや否やというところに多大の疑問があるのであります。私どもの觀察からいきますると、先般來行われた山猫爭議に類似したる悪質なる爭議行為であるという考え方でございますが、未だ結論に到達しておりませんために、鋭意調査中でございます。そこでこの状態による通信の停帶状況を申し上げますると、十三日の現状では世田谷局では十二日午後四時までに百五十通停帶いたしました。それから十三日の朝八時に二百四十六通が東京中電局だけで未送信として殘されております。その遲延時間は十七時間となつておるのであります。囘線は依然として沈黙しておるという状態であります。目黒局の状況を申しますると、十三日の八時に東京中電に殘つておるのが五十八通でございます。小樽局は十三日の朝七時の双方で千二百通程度が停頓しておるのであります。小樽局ではまだ局からの完全な報告ではございませんが、私小樽出身なものですから、私のところの非公式ながら詳しい通知が小樽の一市民から参つております。それによるとこの電信通信のほかに、毎日二囘配達するのを一囘に止めて、それためには小包の方も郵便の方は全員が出て、午前中一生懸命皆でやつて、一囘配達して午後になるとその中の約三分の一が休んで沿岸の荷役の勞務に行つて、非常な高額の賃金をもらい、加配米ももらつておる。それですから、三日に一度ずつ沿岸の荷役勞務に從事しておる。これは逓信省の報告ではございませんで、民間の私に對する私信でございますから、實際そうであるかどうかには疑わしき點がございますけれども、そういうことさえ通知を受けておる程度で、私は自分の郷里のことでもあり、非常に心配しております。ともあれ、こういう状況が今日まで續いておりまして、本日の状況を申し上げますと、目黒、世田谷兩局は依然として安全通信を實施中、昨日より本日までの通信状況は、世田谷局におきましては十三日の通信數、送信が四百八十一通、受信が三百九十六、使送發達が二百四十六通、こういう状況でございます。そうして前日十三日の午後十時から本朝の五時まで通信が中止されました。それから午前五時から午前七時三十分まで通信を實施して、その間百通を送信しております。午前七時三十分から午前八時三十分まではまた通信を中止したのであります。そういう状況でありまして、本日午前九時現在の停滯遲延は、停滯した電報が二百三十五通あります。遲延時間が十五時間になつております。目黒局は十三日に通信數が送信が四百二十四、受信が二百六十五、使送發達が百二十通、通信の状況を申しますと、昨夜十時から本朝午前二時まで通信が中止されました。午前二時から二時三十分まで通信が實施されまして、至急信のみ三十通を送つております。それから引續き午前二時三十分から六時まではまつたく通信が中止されております。午前六時から六時三十分まで通信を實施いたしまして、至急信のみわずかばかり送つております。六時三十分から午前八時三十分まで三たび通信を中止してしまつておる。午前八時三十分以降通信がやや實施されたような状況でありますが、非常にスローモーシヨンにやつておるというような状況でございます。そうして本日午前九時現在停滯遲延は、電報において百六十通、時間においては十四時間遲延しておる、こういう状況であります。小樽では職場大會を開催いたしまして、一時通信を中止したのでございますが、その後の状況は、前日十三日の午前十時から當日の午後十時まで通信を實施しておりましたが、午後十時からけさの九時までがまつたく停止されておるのであります。午前九時以降は通信が再び開始されておるような状況でございます。これが本線の状況でございまして、臨時線におきましては前日、すなわちきのうの正午から午後の七時まで通信を實施いたしましたが、午後七時以降は再び通信上に障害を生ずるような行為があつたようであります。ところが世田谷局におきましては、本日午前十時三十七分に全逓の組合役員から電信局の職場大會の責任者に對しまして、安全通信の中止の指令が發せられました。そこで即刻その時間から、本朝午前十時三十七分から安全通信が中止せられて平常の状態に復しておるのであります。その他の局におきましても、おそらくはそういう状況になろうかと思いますが、未だ手もとには報告が参つておりません。通じて状況は以上のごとくございますが、悪質爭議ともみなさるベきこの行動というものは、まつたくわれわれ通信關係の責任者としては、國民に對して申譯ないことでございまして、實況をつぶさに調査いたしまして、さきに内閣から發せられました聲明書の精神に基きまして、それぞれ責任を明らかにする、こういう考えで鋭意調査中なのでございます。ただ加えて申し上げておきたいことは、全逓が本年五月松江大會において地域闘爭でいこうということを決議し、最近また松本の大會においてさらにこれを再確認しております。それかあらんか、さきの山猫爭議のごとき、今の安全通信のごとき、いずれもこれは通信上に重大なる支障を與える悪質なる争議的行為であると私どもは感ずるので、一體これの起つてきたゆえんのものは何か。本質的の問題に至りますれば、要は通信從業員諸君の生活權の確立ということもございましよう。しかしそれとはまた別個の觀點から、私どもは何らか組合の純正なる發達を妨げるような、客觀的な一つの働きかけが、こういう運動をまま起さしめておるのではなかろうかと思われるような節もあるので、もしそれが事實だとするならば、これはゆゆしき重大問題ででございまして、私どもは日本の勞働運動の正純なる發達のためにも、國家再建のために、かくのごとき行動に對しては重大なる決意をもつて對抗しなければならぬのではなかろうか、こういうことを考えておるのでございまして、いずれなお詳細なることにつきましては、事實が明らかになりますと同時に、御報告申し上げたいと存じます。
#5
○成田委員 今の問題に關しまして、ただいま椎熊政府委員の最後の御説明のいわゆる生活權擁護という問題だけでなしに、客觀的な情勢が働きかけておるのではないかというお説がありましたが、私たちもこの問題については前々から關心をもつておりまして、世上傳えるところによりますと、一部極左の思想からして、二・一ストの經驗から言つて、全面的なストを指向することは戰術としてまずい、地域的に闘爭を開始して、それを全國的なものにもつていくのが、これらの戰術ではないかというような指令が發せられておることを聞いておりますし、全逓のみならず國鐡におきましても、―やはりこういう地域闘爭というものが行われておるということを聞いておりますので、この點につきましては十分御調査の上善處願いたいと思うのでございます。それと、ただ一片の指令だけでこういう問題は起るものではない、やはりそこに火のつくような燃えやすいものがあるということも考えなければいかぬ。現在全逓側から提訴しておる問題、中勞委の取上げておる問題でありますが、この問題の最低額ということも、私たち非常に關心をもつておるのであります。先日參議院の勞働委員會で末弘博士を呼んで、この問題についての質疑應答があつたので、私傍聽いたしましたが、そのとき末弘博士といたしましても、千八百圓ベースというものを堅持する一つに大きな條件として、流通秩序の確立をやらなければいかぬ。それが現在できておらないとすれば、中勞委としても政府に何らかの申入れをしなければならぬのではないかというようなことを言つておられました。この中勞委の裁定いかんにつきまして―近いうちに裁定があると思うのでございますが、もし末弘博士、中勞委の方からそういう意見が出ましたときに、政府としましてはどういう態度をおとりになりますか、その御方針を承りたい。それから問題は差迫つております。特に年末を控えて非常な生活難に陷つておる十一月、十二月の生活確保の問題につきまして、たとえば歳末手當とか越年資金をお出しになる方針を、政府はおもちになつておるかということをお伺いいたします。
#6
○椎熊政府委員 中勞委の裁定は多分本日午後二時にあるのではないかと思つております。そのために大臣と事務次官がその方に出向いております。もし裁定があるといたしますれば、先般内閣官房長の聲明にもありました通り、われわれとしては中勞委の裁定というものを尊重するという建前をとつておるのです。しかしながら現下の國家財政が、はたして裁定を受入ける態勢にありや否や、そういう點はただ單に逓信省だけの考え方では申し上げかねるのでございまして、この裁定があれば、いずれは内閣との間に逓信省としては交渉をいたしまして、國家諸般の財政計畫とにらみ合わせて、できるだけ中勞委の裁定を尊重したい。こういう方向に行く以外に途はなかろうと思います。
 それから越冬資金とか生活補給金というような問題に對しましては、目下の段階としては、具體的に實は申し上げかねるのでございます。それは中勞委の裁定を目標にして申し上げてもいかないことでございますし、内閣の財政上の方針等もはつきり明確になつておりませんから申し上げかねますが、われわれといたしましては、でき得べくんば、實際に困つている善良なる從業員の生活というものは、最低限度ではありましようが、これを確保したい。そういうために常に一つの腹案をもつて、大臣は閣議に臨まれ、私は政務次官會議などでこれを主張し、かなり深い了解をしていただいておるような感じでおるのであります。しかしながらわれわれの考え方から言つても、相當厖大な金額になりますし、また中勞委の裁定がどの程度にあるのかというような點もわかりませんが、いずれにしてもこのままにして過していいとは斷じて思つておりません。何らかの方法によつて、できるだけのことをしたい。こういう考えでおるのでございまして、それらについても、さよう中勞委の裁定があるとすれば、ごく最近の機會において政府の方針も決定しなければなりませんし、いずれ豫算を伴うことであれば御審議を願つて、御協贊を經なければならぬという段取になると思います。本日はこの程度でひとつ御了解を願います。
    ―――――――――――――
#7
○岡田委員長 次に通信特別會計追加豫算に關する件につきまして、多田委員から緊急質問の申出があります。これを許します。
#8
○多田委員 本年度の追加豫算はただいま豫算總會で審議中でありますが、本委員所管の法案と重大關係をもつものも相當あろうと考えられますので、追加豫算に對する政府の意思の開陳なしには、本委員會付託の法案の審議は、その意義を著しく減殺するものであると考えるのであります。現に昨日の豫算委員會におきまして、和田安本長官は通信、鐡道料金は來年度において引上げたいという意思表示をされておるのでありまして、ただいま審議中の郵便法の審議にあたりましても、われわれは本法案中に重大な要素を含むところの通信料金に關しまして、今日までの説明を聽取いたしますと、現行料金をそのまま踏變しておるという程度に止つております。この現行料金を踏襲することが、和田安本長官の聲明通りだとすれば、暫定的な料金であるように考えられますし、政府が近い將來において郵便料金を値上げすることを考慮されておるということが、通信料金の審議にあたる本委員會に示されなかつたということは、非常に遺憾なことだと考えるのであります。いずれにしましても、本法案の審議を進める上に、ただいま提案になつておりますところの追加豫算の通信特別會計につきまして、政府の説明を聽取いたしまして、その上で本法案の審議を進められるように希望いたす次第でございます。
#9
○岡田委員長 いかがでしよう多田さん、大臣の歸り次第出てもらつて、この問題に對する答辯をしてもらうことにしてはいかがでありますか。
#10
○多田委員 結構でございます。
#11
○岡田委員長 それではそういたします。
    ―――――――――――――
#12
○岡田委員長 次に法案の審議に入りますが、前會においては第三章まで大體の質疑が終つておりますので、本日は第四章「郵便物の取扱」より始めます。まず政府側の説明を聽取いたします。
#13
○小笠原政府委員 それでは第四章の郵便物の取扱いに關する章につきまして、御説明を申し上げます。この第四章は、郵便物の取扱に關しまして、法律事項として規定するのを適當と考えられまする事柄を規定いたしたのでありますが、最後の第五十六條に「この法律に規定するものの外、郵便物の差出、交付及び配達に關し必要な事項は、逓信大臣が、省令でこれを定める。」という規定を設けたのでございます、すなわちこの第四章に列擧してありますところの法律で規定するのを適當と認める事項以外は、郵便物の取扱の手續に關することでございますので、これは必ずしも法律に詳細に規定する必要はないかと考えまして、第五十六條で省令に委任することにいたしたのであります。
 第四十條は、郵便物引受の際の申告及び開示に關する規定でございます。郵便物を引受ける際に郵便物の内容たる物の種類及び性質につきまして、逓信官署は差出人に申告を求めることができる規定を置いたのでございます。この場合において、郵便物が差出人の申告と異なつて成規に違反して出されたという疑いがあるときには、逓信官署は差出人にさらにその郵便物を開示することを請求し得ることにいたしたのでございます。もしこれらの郵便官署の請求を差出人が拒む場合は、その郵便物を引受けないことにする。これは現行郵便法の第十六條の規定の趣旨と同様でございます。往々にして郵便物の料金の關係、あるいはまた郵便禁制品等に違反した郵便物が出されるというおそれがまつたくないとも申せませんので、さような意味でこの規定を設けたのでございます。
    〔委員長退席、重井委員長代理著席〕
 第四十一條は取扱中に係る郵便物の規定に關するものでございますが、これもまた現行郵便法第十六條の二の規定と趣旨はまつたく同様でございます。原則として差出人または受取人に開示を求めるのでありまして、立會の上で開くのであります。差出人または受取人がその開示を拒んだり、または開示を求めることができないときは、逓信大臣の指定する逓信官署において、その郵便物を開くことができることにいたしたのでございます。しかしながら封緘した第一種郵便物につきましては、これは祕密保持の建前から、その郵便物は開かないことにいたしまして、差出人に還付することに規定いたしたのでございます。
 第四十二條は危險物の處置に關する規定でございます。現行法におきましては、郵便物の中に爆發性あるいは發火性の物、危險な物がはいつておりましても、逓信官署としてはこれを告發して、裁判においてこれを没收する場合のほかは、その危險品を處置する權能を與えられておらないのでございます。そのために、危險の發生というおそれもございますので、取扱中にかかる郵便物が危險物でありますときには、その危險の發生を避けるために、棄却その他必要の處置をする權能を四十二條によつて與えていただくことにしたいというのがこの趣旨でございます。
 第四十三條はあて名の變更及び取もどしに關する規定でございます。これは内容的にはさして重要な問題ではございませんけれども、料金の關係がございますので、この法律に規定いたしたのでございます。
 第四十四條、轉送に關する規定でございます。これも現行の取扱いと大體において同様でございます。
 第四十五條は受取人の證明でございますが、「逓信官署は、郵便物の受取の眞偽を調査するため、受取人に對して必要な證明を求めることができる。」ことを規定いたしたのでありまして、それは現行郵便法第十一條とまつたく同一の規定でございます。
 第四十六條はこの法律またはこの法律に基く省令に規定する手續を經て郵便物を交付した場合には、正當の交付をしたものとみなすという規定でございます。成規の手續を經ております場合には、かりに差出人の實質的に希望した人でない人に配達した場合においても、その一切の取扱いの手續が法律並びに省令に規定する手續を經ております場合には、正當に交付をしたものとみなす免訴規定でございます。何分にも非常に多數のものを取扱います關係上、法律關係を簡易に處理いたしますために、かような規定が現行郵便法第三十二條でも規定されておるのでございますが、それをそのまま踏襲したのでございます。
 第四十七條は郵便差出箱、すなわちポストを私設する場合の規定でございます。
 第四十八條はそのポストを私設した場合の料金に關する規定でございます。
 第四十九條もその料金を納付する期日に關する規定でございます。
 第五十條は郵便私書箱、すなわち今日郵便私書凾と言われておりますが、集配所が取扱つております郵便局に設備してあります所の私書凾に關する規定でございまして、その料金はやはり現行の料金をそのままこの法律に踏襲いたしたのでございます。
 第五十一條は料金未納または料金不足の通常郵便物に關する規定でございますが、これは現行郵便法の趣旨と同様に、料金が未納であつたり、あるいは料金が不足である通常郵便物で特殊取扱としていないものは、受取人がその不納金額の二倍に相當する金額を納付して受取ることができる趣旨を規定いたしたのでございます。
 第五十二條は、郵便物を還付する場合の規定でございますが、受取人に交付することができない郵便物、すなわち受取人が所在不明であつたり、あるいは受取人が受取を拒絶した場合には、その郵便物はこれを差出人に還付することにいたしたのであります。またこの法律またはこの法律に基く省令の規定に違反しまして差出された郵便物は、これまた原則として差出人に還付するのでございます。いわゆる成規に違反した場合には取扱いの要件に合致しないわけでありますから、これは還付する。ただ例外的に第二十二條第五項すなわち第二種郵便物を第一種郵便物として扱う場合、成規に違反した郵便はがきは第一種郵便物として取扱うことになつております。この場合と、それから第八十一條の郵便禁制品を差出しました場合において、裁判によつてそのもの没收する場合、それから四十二條の規定によりまして、逓信官署が危險品を棄却いたしました場合、並びに前條の規定によりまして不納金額の二倍の料金を納付して受取人が受取る場合だけを例外として、それ以外の場合は原則として成規違反の郵便物はすべて差出人に還付するという趣旨でございます。郵便物の差出人が還付すべき郵便物の受取を拒みましたときには、その郵便物は國庫に歸属するというのが第三項の規定でございます。要するにこの規定におきまして一つの問題は、この受取人に交付することができない郵便物というのには、受取人が受取を拒絶する場合を含んでおります。また郵便物の差出人が還付すべき郵便物の受取を拒むということが第三項に包含されておりまして、いずれも現行郵便法の建前から申しますと、料金を完納してある郵便物は受取人は受取を拒むことができない、すなわち受取るべき義務を今日はもつているのであります。また差出人は料金を完納した郵便物を還付した場合には、還された郵便物を受取らなければならない義務を現行郵便法で負つているのでありますけれども、今囘の法案におきましては、それらの受取義務を一般的に課するということは、自由權を制限することになりますので、この一般的な受取義務はこれを設けないことにいたしたのでございます。從つて料金が完納されている郵便物につきまして、受取人はその受取を拒むことができる、差出人はその還付を拒むことができるということになつているのでございます。
 第五十三條は郵便物を還付する際に料金をどうするかという規定でございます。書留もしくは保險扱とした通常郵便物、または小包郵便物を差出人に還しますときには、差出人は新たに當該郵便物の料金及び書留料または保險扱料を納付しなければならないという趣旨でございます。なお法規違反によりまして郵便物を還します場合には、差出人は次にあげる區分に從いまして料金を納付しなければならないことにいたしたのでございます。すなわち、料金の未納または不足であるときは、その不納金額の二倍に相當する額、また、本來書留または保険扱として差出さなければならない通貨または貴重品を、普通扱で出した場合には、書留料の二倍に相當する額をそれぞれ徴収することにいたしたのであります。
 第五十四條は還付することのできない郵便物の處理方に關する規定でございます。還すことができない場合は、逓信大臣の指定する逓信官署でその郵便を開いてみるのでございます。開いてみても、なおかつ配達することもできないし、還すこともできないというものは、逓信大臣の指定する逓信官署においてこれを保管するのであります。保管する場合におきまして、その郵便物が有價物でないものは、その保管を開始した日から三箇月以内にその交付を請求する者がない場合は、これを棄却し、もし有價物で滅失毀損のおそれあるもの、または保管のため過分の費用を要するものは、それを賣却いたしまして、その賣却手數料を引いて上で殘額を保管する。これらの保管されたものに對しまして交付を請求する者がないときは、保管を開始した日から一年を經ちまして國庫に歸屬するということにいたしたのでございます。これは大體現行郵便法の第十五條と同様の趣旨でございます。
 第五十五條は誤つて配達された郵便物の處理ございますが、郵便物の誤配達を受けた者は、その郵便物にその旨を表示して郵便差出箱に差入れ、またはその旨を通信官署に通知しなければならないことにいたしたのであります。この場合、間違つてその郵便物を開いた者は、これを修補いたしまして、間違つて開いた旨並びにその氏名、住所または居所を表示してもらうことにいたしたいであります。
#14
○重井委員長代理 それでは第四章に對する質疑はありませんか。質疑がございませねば、第五章郵便物の特殊取扱について政府側の説明を聴取いたします。
#15
○小笠原政府委員 第五章は郵便の特殊取扱に關する規定でございます。すなわち第五十七條にどういう種類の特殊取扱をするかということを明示いたしたのでございまして、その種類といたしましては書留、保險扱、速達、引受時刻證明、配達證明、内容證明、代金引換、特別送達及び年賀特別郵便の取扱を規定いたしたのでございます。以下各條はそれぞれの特殊取扱の内容と、その料金とを規定いたしたのでございます。
 第五十八條は書留の規定でございます。料金は現行通りでございます。
 第五十九條は保險扱に關する規定でございまして、現行におきましては、これまで價格表記という名前を使つておつたのでございます。しかしながら價格表記という名前は、一般に非常に理解されにくい名稱のように考えられますのでむしろ端的に、その制度の内容が、名前を聞いただけで比較的わかりやすいような名稱にすることの方が適當と考えまして、保險扱という名前にいたしたのであります。その内容は、保險扱におきましては、逓信官署においてその郵便物の引受から配達に至るまでの經路を書留の場合と同じようにすべて記録をいたしまして、もし送達の途中でその郵便物をなくし、または毀損した場合には、その郵便物を差出す際に逓信官署に差出人から申出があつた損害要償額の全部または一部を賠償することにいたしたのであります。その最高額は五千圓といたしました。もし差出しの際に五千圓の保險扱にかけておいた郵便物が、郵便官署の過失によつて亡失いたしました場合には、これは五千圓を賠償するという趣旨でございます。もちろんその損害要償額は郵便内容たるものの價値よりも超えてはいけないことにいたしまして、その一部である場合には差支えがないということにいたしたのでございます。料金は現行の料金とまつたく同じ基準を採用いたしたのでありますが、現行は、初めの料金の段階を、通貨の場合におきましては千圓を單位にいたしておりますが、本案におきましてはこれを五百圓に下げたのでございます。從いまして、料金を、現行料金は千圓まで二十圓とありますのを、五百圓に直しますと、十五圓ということになります。料金の基礎といたしましてはまつたく同じでございますが、初めの段階が千圓から五百圓に下りました關係上、五百圓以下の保險扱にいたします場合は結局現行料金よりはそれだけ安くなるということになるわけでございます。この料金の基準は現行の料金をそのまま踏襲いたしたのでございます。
 第六十條は速達郵便の取扱いでありますが、これも現行をそのまま踏襲いたしました。
 第六十一條は引受時刻證明でありまして、これも現行同様でございます。
 第六十二條は配達證明であります。配達證明の料金は、現行は五圓ということになつておりますが、その手數から見まして、ほかとの權衡上、これは特に十圓とすることにいたしたいと考えております。
 第六十三條は内容證明であります。これも現行そのまま踏襲しております。
 第六十四條の代金引換はこれまた現定上は現行とまつたく同じでございますが、戰爭中以來代金引換の制度はこれを停止いたしておつたのでございます。今囘この郵便法案が成立いたしますれば、代金引換の業務を再開することにいたしたいと考えておるのでございます。戰時中停止いたしておりました關係上、その最高金額とか料金とかいうものは、以前の最高額あるいは料金をそのまま踏襲するわけにはいきませんので、ほかとの權衡を考えまして最高額は五千圓、代金引換料は十圓といたしたのでございます。
 第六十五條は代金引換の取消及び引換金額の變更に關する規定でございまして、これもこれまでの規定と同様でございます。
 第六十六條は特別送達に關する規定でありまして、民事訴訟法の第百六十九條、百七十一條、百七十七條に掲げられた方法によつて送達するものを特別送達という名稱にいたしたのでございます。この規定によりまして民事訴訟法あるいはその他の訴訟關係の法規の書類は、この特別送達の方法によりまして送達されることになるわけでございます。
 第六十七條は年賀特別郵便の取扱いでございますが、これは逓信大臣が省令で必要な事項を定めることができることに規定いたしまして、逓信大臣が年賀特別郵便の制度を再開するのを適當と認めます場合におきまして、必要な事項を省令で定めることができるように、その權限を法律によつて委任する規定でございます。
#16
○重井委員長代理 それでは第五章に對する質疑はこれを許します。
#17
○梶川委員 第六十條の速達の場合でありますが、小包郵便の場合、同一市町村内において發著する場合には、料金を逓信大臣は半額まで低減することができるというような規定になつております。しかし速達の場合こそ手數の關係等から見て、最も必要ではないかと考えるのでありますが、ここにそういう特別規定がないのはどういう意味でありますか。
#18
○小笠原政府委員 この速達郵便の場合におきましては、大體一番經費のかかりますのは配達面でございます。もちろん速達郵便物は引受けてから途中の逓送も、できるだけほかの郵便物よりは早く行くように計畫しておりますけれども、一番の特色は、配達郵便局に届きましてから、普通の郵便物ですと、一日に一囘または二囘しか配達しないのですが、速達郵便の場合におきましては、今日においては一日に數囘、特に速達郵便物だけの配達をいたしております。また戰前におきましては、速達郵便物が配達郵便局に到著いたしますと、ただちに電報のように、一通でももつていつて配達するのがその特色なのでございます。從つて速達郵便料金の最も主要な要素は結局配達の經費なのでございます。これは遠距離のものでも近距離のものでも、配達という點から見ると同じことであります。從つて小包の場合のように、市内その他のものに限つて特に低減するという方法は考えないわけでございます。
#19
○宮幡委員 簡単な質問でございますが、年賀特別郵便のことでございます。この郵便法が公布されましても、二十三年一月一日からの施行であります。從つてこのままでおると、逓信大臣の權限に委任いたしました省令も出ないわけでございます。本年は年賀郵便の取扱いがなかつたようでありましたが、御當局としてはどんなお考えでございますか。
#20
○小笠原政府委員 來るベきお正月に對しましては、逓信省といたしましては、年賀郵便の特別な取扱いはいたさないことに考えております。年賀郵便の特別扱いは、御承知のように十二月の末に引受けまして、元旦を待ちまして配達することにいたしております。そしてその郵便物には、十二月に引受けても、これまで一月一日の日附印を押して配達しておるのでございますが、その特別の取扱いをいたしますためには、内部的な技術的な問題になるのでございますが、非常に複雜な設備を必要としてまいるのでございます。これは郵便物の區分の方法が一般の郵便物の區分の方法と異なつた區分の方法を考えますために、設備が二重になるというような面がありまして、經費がかかるわけでございます。現在の状況か 考えますと、一般に紙も非常に資材が不足しておりますので、私製はがきも戰前のように潤澤に市場にあるわけでございません。また今の一般物價から考えましても、特別取扱をやることによつて、相當大量の年賀郵便物が激増するということも、今日の情勢ではあまり期待できません。從いまして年賀特別取扱といたしますと、むしろ場合によつては特別會計が赤字になるおそれも考えられるわけであります。しかしながら特別取扱をしないといつても、別段年賀郵便を扱わないわけではないのでありまして、もちろん一般の方法で年賀状をお出しくださることは、私ども非常に期待するところであります。そういう年賀郵便の取扱いにつきましては、十分遺憾のないようにいたしたいと考えておる次第であります。
#21
○宮幡委員 年賀郵便の取扱いは、本年は事務的御都合でおやりにならない。かように承りましたが、實は取扱わないことの方が、事務の煩雜を増すおそれがあるのではないかと考えるのであります。本年あたり紙の不足ということは、相當表面に現われた問題でありますが、私製はがき等は相當各人の手には――流通順調と言えないかもしれませんが、けれども、はいるのであります。久しく閉鎖されました友交関係をつなぐ意味におきまして、相當數量の年賀郵便が出るのではないか。これが客觀情勢であります。從つて特殊取扱をすることの方が、逓信當局の事務が整然として、一般郵便物にも障害を及ぼさないで、かようなことが救われるのではないかと思うのでありますが、法的根據においておやりにならないのなら、本問題はさして考えなくてもいいことだと存じております。また一面法的根據といたしましても、例の昭和十五年十一月の逓信省令第六十四號を復活さえすれば、郵便法の通過施行にかかわらず、本年の取扱いができる。さような點で御再考を願う餘地があるのではないかと思うのであります。特に一般郵便物の中に年賀郵便が雜然として多數はいつてまいつた場合の混亂の方が、やはり通信を亂す點において相當困るのではなかろうかと心配しております。政府當局の考えでは、資材の不足ということが一番大きな問題だろうと思いますが、事實はそれとは相當遠ざかつておりまして、年賀郵便に使いますはがきくらいは、相當數量各人にはいり得る。御當局としては現在の流通秩序という頭に固く固まつておるが、ほんとうの經濟は、いかに統制いたしましても、自由に流れていく。これはおおうことのできない姿であります。あえてこの點についてくどいことは申し上げませんが、年賀郵便をおやりになつた方が、かえつて通信事務が整然としていくのではないか。かような點について御再考を願つたら結構だと存じます。
#22
○小笠原政府委員 まことにお話ごもつともでございます。大體年賀郵便の特別取扱をすることのために、よりよけいに出る量は、結局は見透しの問題でありまして、私どもはつきりしたことは申し上げかねるわけでございますが、特別取扱をしないでも、年賀郵便の取扱いはもちろんいたさなければならぬ。その特別取扱をするために、數がどれほどよけい出るかという問題であります。そのためには少くとも私どもの計算では、最小限度六千萬通から約一億くらいのはがきが利用されませんと、通信特別會計としてはむしろ赤字になるという危險がございます。その邊が今年の正月の、要するに昨年の年末年始の經驗から考えまして、昨年も實は年賀郵便の特別取扱を實施するかしないかということをいろいろ問題にいたしまして、結局實行はいたしませんでしたけれども、その實際出てきた數から考えますと、非常に少かつたのであります。もちろん去年の正月と今度の正月とは、今の一般の紙の状況や何かがどれほど違つておるかということは、これはまた一つの問題ではございますけれども、さような點でもし見込みが違いますと、意外の赤字を背負わなければならないというようなことになる危險があるものですから、それで今のところさしむき見送るというように考えておる次第であります。
#23
○重井委員長代理 他に第五章に對する質疑はございませんか。――それでは第六章損害賠償について政府側の説明を聽取いたします。
#24
○小笠原政府委員 それでは第六章の損害賠償に關する規定につきまして御説明申し上げます。第六十八條の第二項につきまして、實は正式に訂正の手續をただいま取運びつつあるのでございますが、まだ國會の方には正式に出ておりませんようですから、この席でちよつと御訂正をお願い申し上げたいと思います。第二項の「前項の場合における賠償金額は、左の通りとする」。という第三號に「保險扱とした郵便物の全部若しくは一部をき損し、又はその一部を亡失したとき」という下に「損害要償額と残存價格との差額」とありますのを、これを「損害要償額を限度とする實損額」というように御訂正を願いたいと思います。
 第六章の損害賠償に關する規定は、これは郵便物の取扱いが何分にも莫大な數量のものを常時取扱いますことと、郵便事業がなるベく低廉な料金で實施されなければならない要請との兩面から考えまして、損害賠償の要件また範圍も一般の民法の原則に必ずしもよりませんで、ここに郵便事業に特別な損害賠償の要件竝びに範圍を規定いたしたのでございます。これは國家賠償法の第五條にございます特別な法律ということに該當するわけでございます。すなわち第六十八條は損害賠償をする事由及び金額に關する規定でございまして、逓信大臣は成規によつて差出された郵便物が次の二つの場合に該當する場合に限りまして、その損害を賠償することにいたしておるのでございます。すなわち書留または保險扱とした場合、その郵便物の全部もしくは一部が亡失しまたは毀損した場合、または代金引換とした場合、その引換金を取立てないで代金引換の郵便物を受取人に交付した場合、この二つの場合に限定しまして、すなわち一般の書留または保險扱としていない通常の郵便物については、一切損害を賠償しないということにしたのであります。またその賠償するにつきましても、賠償する金額に限度を設けまして、第一には「書留とした郵便物の全部若しくは一部を亡失し、またはき損したときは百圓に限定したのであります。もちろん實損額が百圓未満であります場合には、その實損額を賠償することにいたしました。原則として百圓を賠償する、それ以上は免責するという規定でございます。それから第二號は「保險扱とした郵便物の全部を亡失したとき」これは先ほど御説明申し上げましたように、損害要償額は最高額五千圓までがいいわけでございますから、その差出人が郵便差出しの際申し出られました損害賠償額を全部賠償するのでございます。第三號は、保險扱とした郵便物の全部もしくは一部を毀損し、またはその一部を亡失した場合の規定でございますが、この場合は損害要償額を限度とする實損額、すなわち一部の毀損、または一部の亡失でございますから、その毀損または亡失した實損額を賠償するわけでございますが、その限度は損害要償額をもつて限度とするという趣旨でございます。第四號は、引換金を取立てないで代金引換とした郵便物を交付した場合は、これはもちろん引換金額を賠償するわけでございます。
 今のは損害賠償の原則でございますが、ただなおこの損害賠償の問題につきまして、免責の規定を第六十九條に設けたのであります。すなわち損害が差出人もしくは受取人の過失、當該郵便物の性質もしくは缺陷または不可抗力によつて發生したものであるとき、すなわち不可抗力と申しますれば、逓信官署の故意もしくは過失に基かないで生じたものであるときには、その損害を賠償しない。かような趣旨の規定でございます。
 第七十條は、郵便物を交付いたします場合に、外部に破損の跡がなく、かつ重量に變りがないときには損害がないものと一應法律で推定することにいたしたのでございます。もちろん外部に破損の跡がなくても、損害があることが立證されましたときには、前の二箇條の規定によりまして損害を賠償するわけでございます。
 第七十一條は、郵便物に損害があると郵便物の受取人または差出人が考えられました場合には、郵便物の受取を拒絶されるわけでございまして、その場合には逓信官署は、受取人または差出人の出頭を求めて、その立會のもとにその郵便物を開いて損害があるかないか、その程度はどれだけであるかということを檢査する規定であります。この場合においてその受取を拒んだ日から十日以内に、正當の事由がなく、立會のため出頭されなかつか場合には、逓信官署はそういう郵便物をその方に一應配達いたしまして、それでも受取らなければ、差出人に還すという措置をとる趣旨でございます。
 第七十二條は、郵便物受取による損害賠償請求權の消滅に關する規定でありますが、郵便物の受取人または差出人は、その郵便物を受取つた後―受取つてしまえば損害賠償の請求をすることができない、また受取を拒まれた場合におきまして、ただいま申し上げた十日の期間内に正當の事由がなく立會のために出頭されない場合には、やはり損害賠償の請求權は消滅するという規定であります。
 第七十三條は、賠償請求權者に關する規定でありますが、損害賠償の請求權者は原則として郵便物の差出人、すなわち所有者でありますが、その承諾を得た場合には受取人もまた賠償請求權をもつことに規定いたしたのであります。
 七十四條は損害賠償請求期間の規定でありますが、賠償請求權はその郵便物を差出した日から一年間行わないことによつて權利が消滅するという規定でございます。これらは大體現行郵便法の趣旨を踏襲いたしておる次第でございます。
 最後に七十五條は損害賠償をした後において、その郵便物を發見した場合の規定であります。その場合におきましては、賠償を受取つた方は、その通知を受けた日から三箇月以内に受取つた賠償金を返し、その郵便物の交付を請求することができることにしたのでございます。
#25
○重井委員長代理 それでは第六章に對する質疑はこれを許します。
#26
○多田委員 第六十八條の損害賠償の規定でありますが、この前の委員會で小包取扱いについて、普通小包郵便の制度を廢止して全部書留小包の制度にしたいという精神からの御説明があつたのでありますが、今日小包郵便を出す場合に損害をこうむつた際には相當程度の損害が生ずると思うのであります。小包郵便を書留制なしに小包全部を書留と同じ取扱いにするという最初の考え方のように取扱うことができないかどうか、この點をひとつ伺いたいと思います。
#27
○小笠原政府委員 ただいまのお話の點はごもつともでございまして、大體六、七割までは書留小包を利用しておるわけでございます。萬一なくなつた場合は、今日の物價事情から非常に申譯のない損害をおかけするので、すベて書留扱いの小包も實は考えたのでございます。しかし料金の點におきまして、たとえば二キロまでの小包では普通が五圓、書留扱いが十圓となつておりますので、これを一本にする場合、六、七割までは書留を利用しておられますから、八圓ないし九圓の料金を設定しなければならなくなり從來書留を利用された方は料金がむしろ下つたような形になりますが、普通小包を利用していた方に三、四圓の値上げになるので、萬一なくなつても賠償してもらう必要がない、大した有價物でないものを送る人のことを考えると、普通扱いの小包制度を全然やめてしまうこともどんなものだろうかと考えまして、差出す方のお考えの自由選擇によつて利用していただくわけでございます。
#28
○重井委員長代理 他に御質問ございませんか。
    〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○重井委員長代理 御質問がございませねば、この際おはかりいたします。本日は第六章の損害賠償の規定までにいたしまして、散會いたしたいと思いますが、いかがでございましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#30
○重井委員長代理 それでは先ほどの多田委員の、通信特別會計追加豫算に對する大臣の説明は、次會まで留保することにいたします。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後二時五十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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